JP2003167331A - 樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

樹脂組成物及びその硬化物

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JP2003167331A
JP2003167331A JP2001369250A JP2001369250A JP2003167331A JP 2003167331 A JP2003167331 A JP 2003167331A JP 2001369250 A JP2001369250 A JP 2001369250A JP 2001369250 A JP2001369250 A JP 2001369250A JP 2003167331 A JP2003167331 A JP 2003167331A
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Japan
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epoxy
episulfide
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meth
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JP2001369250A
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English (en)
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Yasuhiro Maeda
保博 前田
Takashi Takayanagi
尚 高柳
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Japan U-Pica Co Ltd
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Japan U-Pica Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、仮乾燥時の安定性、信頼性評価であ
るPCT試験下においても金属(銅や金)との密着性に
優れ、かつ耐熱性と耐水性に優れた硬化物を与えること
ができる樹脂組成物を提供することにある。 【解決手段】1分子中に1個以上のエピスルフィド基を
有するエピスルフィド化合物(A)、酸変性エポキシ
(メタ)アクリレート(B)、光重合開始剤(C)、お
よび希釈剤(D)を含有することを特徴とする樹脂組成
物に関する。本発明樹脂組成物によれば、プリント配線
板の高密度化に対応できる高い信頼性の画像形成が可能
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属(銅や金)と
の密着性、耐熱性、耐水性に優れた希アルカリ水溶液で
現像可能な樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在のプリント配線板の製造は、配線
(回路)パターン形成後、電子部品をプリント配線板に
実装するはんだ付け工程において、不必要な部分にはん
だが付着しないように保護する目的で、ソルダーマスク
と呼ばれる保護層を被覆することが行われている。かか
る用途に使用されるソルダーレジスト組成物としては、
少資源、作業性向上、生産性向上などの理由により、主
として希アルカリ水溶液にて現像可能な光(紫外線)硬
化性化合物と、耐熱性向上のために熱硬化性の化合物を
併用した樹脂組成物が使用されている。例えば、特公平
1―54390号公報には、ノボラック型エポキシ化合
物と(メタ)アクリル酸を反応させた反応生成物に更に
多塩基酸無水物を反応して得られる酸変性エポキシ(メ
タ)アクリレート、光重合開始剤、希釈剤、エポキシ化
合物からなる樹脂組成物が使用されている。
【0003】プリント配線板の製造におけるソルダーマ
スク層(レジスト膜)の作製は、塗布工程、仮乾燥工
程、光硬化工程、アルカリ現像工程、熱硬化工程から成
っている。例えば、配線(回路)パターン形成後、前記
の樹脂組成物をスクリーン印刷、カーテンコート法、ス
プレーコート法、ロールコート法等の方法により塗布し
(塗布工程)、60〜100℃の温度で組成物中に含ま
れる有機溶剤を揮発乾燥させることにより、タックフリ
ーの塗膜を形成する(仮乾燥工程)。その後、所定の露
光パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に光
(紫外線)により露光し(光硬化工程)、未露光部を希
アルカリ水溶液により現像してレジストパターンを形成
し(アルカリ現像工程)、更に、例えば140〜180
℃の温度に加熱して熱硬化させることにより(熱硬化工
程)、レジスト膜を形成する。
【0004】近年、このソルダーレジストには、エレク
トロニクスの急展開における配線(回路)の高密度化、
情報処理の高速化に伴い、信頼性の要求から、高いPC
T(プレッシャークッカーテスト、121℃、100R
H)耐性を有するものが求められている。しかしなが
ら、従来使用されている樹脂組成物のプリント配線板上
におけるレジスト膜は、金属(銅や金)との密着性が十
分でなく、100時間以上のPCT試験下ではレジスト
膜がプリント配線板上から剥がれるという信頼性に問題
があった。
【0005】この問題に対し、これまで様々な試みが行
われている。例えば、特開平5―140251号公報に
は、カルボキシル基をアミン塩又はアンモニウム塩に変
換した酸変性エポキシ(メタ)アクリレート、水および
/または光重合性モノマー、光重合開始剤、エポキシ樹
脂から成る樹脂組成物が開示されており、アミン塩又は
アンモニウム塩を導入することにより金属(銅)との密
着性を確保している。また、特開平8−334768公
報には、樹脂組成物中にメラミンまたはその誘導体、更
に2,4,6―トリメルカプト―S―トリアジンを配合
することにより樹脂組成物中にアミノ基またはチオール
基を導入し、金属(銅)との密着性を確保している。し
かしながら、樹脂組成物へのアミン化合物やメルカプト
化合物の導入は、プリント配線板製造時の仮乾燥(溶剤
揮発)工程(80℃、30分間)で(メタ)アクリル基
へのアミノ基やメルカプト基のマイケル付加反応が起き
たり、エポキシ化合物の重合を促進するなど、樹脂組成
物のライフの短縮や、アルカリ現像性を困難にするなど
の問題が生じていた。
【0006】一方、耐熱性、屈折率向上を目的にエポキ
シ化合物のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置換えた
エピスルフィド基を有するエピスルフィド化合物を含有
する樹脂組成物が提案されている。 かかるエピスルフ
ィド化合物はエポキシ化合物をチオシアン酸塩類、チオ
尿素類などの硫化剤で処理することで製造することがで
き、エポキシ化合物と類似した反応性を有する熱硬化性
化合物であり、高耐熱性、高屈折率を有することが示さ
れている(J.Am.Chem.Soc.,75,4959(195
3))。
【0007】例えば、特開2000−256435号公
報に光学材料として、エピスルフィド化合物、含NCO
基またはNCS基を有する化合物、活性水素化合物から
成る樹脂組成物、また、特開2001―131286号
公報には、半導体封止材料として、芳香族エピスルフィ
ド化合物、硬化触媒、チオエステル化合物及びメルカプ
ト化合物から選ばれる開始剤からなる樹脂組成物が提案
されている。しかしながら、ソルダーレジストの分野に
応用した例はなく、その効果も明らかでない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来の組成物が有する問題点を解決し、仮乾燥
時の安定性、信頼性評価であるPCT試験下においても
金属(銅や金)との密着性に優れ、かつ耐熱性と耐水性
に優れた硬化物を与えることができる樹脂組成物、特に
レジスト用として有用な感光性硬化性樹脂組成物を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記のよ
うな課題を解決するために鋭意検討の結果、酸変性エポ
キシ(メタ)アクリレート、光重合開始剤、希釈剤、エ
ピスルフィド化合物を熱硬化成分として配合することに
より、仮乾燥時の安定性、現像性が良好となり、更に熱
硬化工程で酸変性エポキシ(メタ)アクリレートとエピ
スルフィド化合物との反応で生成するメルカプト基によ
り金属(銅、金)との密着性が著しく向上し、更に硬化
物は耐熱性が高く、低吸湿性の電気絶縁材料として最適
な特性を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0010】なわち、本発明は、 (1)1分子中に1個以上のエピスルフィド基を有する
エピスルフィド化合物(A)、酸変性エポキシ(メタ)
アクリレート(B)、光重合開始剤(C)および希釈剤
(D)を含有することを特徴とする樹脂組成物に関す
る。
【0011】(2)1分子中に1個以上のエピスルフィド
基を有するエピスルフィド化合物(A)が、1分子中に2
個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と硫化剤と
の反応から得られるものであることを特徴とする上記
(1)記載の樹脂組成物に関する。
【0012】(3)酸変性エポキシ(メタ)アクリレー
ト(B)が、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する
エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを反応させて得
られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られ
るものであることを特徴とする上記(1)記載の樹脂組
成物に関する。
【0013】(4)1分子中に1個以上のエピスルフィド
基を有するエピスルフィド化合物(A)におけるエポキ
シ基とエピスルフィド基の合計当量が、酸変性エポキシ
(メタ)アクリレート(B)骨格中のカルボキシル基1
当量に対して0.01〜1.5当量の範囲であることを
特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂
組成物に関する。
【0014】(5)1分子中に1個以上のエピスルフィド
基を有するエピスルフィド化合物(A)におけるエポキ
シ基とエピスルフィド基の合計1当量に対してエピスル
フィド基が0.01当量以上であることを特徴とする上
記(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物に関す
る。
【0015】(6)酸変性エポキシ(メタ)アクリレー
ト(B)が、酸価40〜160mgKOH/gであるこ
とを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の
樹脂組成物に関する。
【0016】(7)光重合開始剤(C)が、酸変性エポ
キシ(メタ)アクリレート(B)100重量部に対して
0.1〜30重量部配合されることを特徴とする上記
(1)〜(6)のいずれかに記載の樹脂組成物に関し、
また(8)希釈剤(D)が、有機溶剤および/または
(メタ)アクリル酸エステル類であり、酸変性エポキシ
(メタ)アクリレート(B)に対して、10〜300重
量部配合されることを特徴とする上記(1)〜(7)の
いずれかに記載の樹脂組成物に関する。
【0017】(9)また本発明は上記(1)〜(8)記
載のいずれかの樹脂組成物を硬化させることにより得ら
れる硬化物に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明について以下に詳細に説明
する。尚、本明細書中、(メタ)アクリル酸とは、アク
リル酸、メタクリル酸又はこれらの混合物を、(メタ)
アクリル酸エステルは、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステルまたはこれらの混合物を、酸変性エポキシ
(メタ)アクリレートは、酸変性エポキシアクリレー
ト、酸変性エポキシメタクリレート又はこれらの混合物
をそれぞれ意味する。
【0019】本発明の樹脂組成物は、1分子中に1個以
上のエピスルフィド基を有するエピスルフィド化合物
(A)、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポ
キシ化合物と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られ
る反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られる酸
変性エポキシ(メタ)アクリレート(B)、光重合開始
剤(C)、および希釈剤(D)を含有することを特徴と
する樹脂組成物であり、特にソルダーレジストとして使
用される感光性硬化性樹脂組成物として好適なものであ
る。
【0020】本発明の樹脂組成物で用いられる1分子中
に1個以上のエピスルフィド基を有するエピスルフィド
化合物(A)は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有
するエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応さ
せて得られる反応生成物に、更に多塩基酸無水物を反応
させて得られる酸変性エポキシ(メタ)アクリレート
(B)中のカルボキシル基とが、熱硬化工程で反応して
強固な結合を作り耐熱性、低吸湿性等の性能を付与する
のと同時に、反応で生成したメルカプト基が金属と配位
または反応することにより金や銅との密着性が向上する
効果を有する。
【0021】前記(A)成分である1分子中に1個以上
のエピスルフィド基を有するエピスルフィド化合物は、
具体的には、下記一般式(1)、(2)で表される化合
物である。
【0022】
【化1】一般式(1) (式中、Mは―Hまたは を表し、X,Yは同一または異なる二価の芳香族残基、
nは0〜20、Zは硫黄原子または酸素原子を表す。但
し、少なくとも1分子中に1個のZは硫黄原子であ
る。)
【0023】
【化2】一般式(2) (式中、Rは―Hまたは―CH、mは0〜20、Zは
硫黄原子または酸素原子を表す。ただし、1分子中の少
なくとも1個のZは硫黄原子である。)
【0024】前記一般式(1)におけるX,Yは、同一
または異なる二価の芳香族残基を表し、例えば、下記の
(a)〜(g)であり、(a)、(b)においてR
,R,Rは、水素原子、または炭素数1〜4の
アルキル基、またはハロゲン原子であり、p,q,r,
sは、R,R,R,Rがアルキル基のときは1
〜4であり、ハロゲン原子のときは1または2である。
(c),(d),(g)においてR,R,R,R
は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であ
り、x,yは、1〜4、zは1〜4である。また、
(b)におけるAは、アルキレン、シクロアルキレン、
ハロゲン、シクロルキルまたはアリール置換アルキレ
ン、S、S=OまたはO=S=Oである。
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】 で表される化合物であり、単独あるいは2種類以上を組
み合わせて使用することもできる。
【0032】前記一般式(1),(2)で表される1分
子中に1個以上のエピスルフィド基を有するエピスルフ
ィド化合物は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有す
るエポキシ化合物を原料とし、後述するようなそれ自体
公知の硫化剤を用い、溶媒中または無溶媒中で反応させ
ることにより製造することができる。
【0033】前記、1分子中に2個以上のエポキシ基を
有するエポキシ化合物としては、具体的には、下記一般
式(3),(4)で表される化合物である。
【0034】
【化10】一般式(3) (式中、Mは―Hまたは を表し、X,Yは同一または異なる二価の芳香族残基、
nは0〜20を表す。)
【0035】
【化11】一般式(4) (式中、Rは―Hまたは―CH、mは0〜20を表
す。)
【0036】前記一般式(3)におけるX,Yは、同一
または異なる二価の芳香族残基を表し、具体的には例え
ば、下記の(h)〜(n)であり、(a),(b)にお
いてR,R,R,Rは、水素原子、または炭素
数1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子であり、
p,q,r,sは、R,R,R,Rがアルキル
基のときは1〜4であり、ハロゲン原子のときは1また
は2である。(c),(d),(g)においてR,R
,R,Rは水素原子または炭素数1〜10のアル
キル基であり、x,yは、1〜4、zは1〜4である。
また、(b)におけるAは、アルキレン、シクロアルキ
レン、ハロゲン、シクロルキルまたはアリール置換アル
キレン、S、S=OまたはO=S=Oである。
【0037】
【化12】
【0038】
【化13】
【0039】
【化14】
【0040】
【化15】
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】 で表される化合物であり、単独あるいは2種類以上を組
み合わせて使用することができる。
【0044】前記一般式(3)で表されるエポキシ化合
物において、1分子中に2個のエポキシ基を有するエポ
キシ化合物は、前記(h)〜(n)の二価の芳香族残基
における2個のフェノール性水酸基を有するフェノール
類を、単独あるいは2種類以上を組み合わせて、公知の
方法によりエピクロルヒドリンにてエポキシ化するか、
もしくは、前記(h)〜(n)の二価の芳香族残基にお
ける2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物と上記
(h)〜(n)の二価の芳香族残基における2個のフェ
ノール性水酸基を有するフェノール類とを、単独あるい
は2種類以上を組み合わせて公知の方法により製造する
ことができる。さらに、1分子中に3個以上のエポキシ
基を有するエポキシ化合物は、上述の方法にて製造した
1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物の
分子中における2級のアルコール性水酸基を公知の方法
により更にエピクロルヒドリンにてエポキシ化すること
より製造することができる。
【0045】前記一般式(4)で表されるエポキシ化合
物は、フェノールまたはクレゾール等のフェノール類を
ホルムアルデヒドで付加縮合して得られるフェノールノ
ボラック類のフェノール性水酸基をエピクロルヒドリン
にてエポキシ化することにより製造することができる。
【0046】本発明においてエポキシ化合物は、市販の
エポキシ化合物も使用することができる。例えば、ビフ
ェノール型エポキシ化合物としては、油化シェルエポキ
シ(株)製の商品名「エピコートYL―6056」等、
ビキシレノール型エポキシ化合物としては、油化シェル
エポキシ(株)製の商品名「エピコートYX―400
0」等、ビスフェノール型エポキシ化合物としては、旭
化成(株)製の商品名「アラルダイト#260」、商品
名「アラルダイト#6071」等のビスフェノールA型
エポキシ化合物、あるいは大日本インキ化学工業(株)
製の商品名「エピクロン830S」等のビスフェノール
F型エポキシ化合物、あるいは大日本インキ化学工業
(株)製の商品名「エピクロンEXA1514」等のビ
スフェノールS型エポキシ化合物、ビスフェノールフル
オレン型エポキシ化合物としては大阪ガス(株)製の商
品名「BPFG」等、ナフタレン型エポキシ化合物とし
ては大日本インキ化学工業(株)製の商品名「エピクロ
ンHP―4032(D)」等を、フェノールノボラック
型エポキシ化合物としては、大日本インキ化学工業
(株)製の商品名「エピクロンN−740」等、クレゾ
ールノボラック型エポキシ化合物としては大日本インキ
化学工業(株)製の商品名「エピクロンN−665」等
を挙げることができる。これらは単独あるいは2種類以
上を組み合わせて使用することができる。
【0047】前記一般式(1),(2)で表される1分
子中に1個以上のエピスルフィド基を有するエピスルフ
ィド化合物(A)は、前記一般式(3),(4)で表さ
れる1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
化合物と後述の公知の硫化剤とを反応させることにより
製造されるが、エポキシ化合物のエポキシ基1当量に対
して、硫化剤を0.05〜5モルの範囲内で仕込み、更
に製造時、分子量の増大が無く、熱履歴のかかりすぎに
よるゲル化の心配が無い良好なエピスルフィド化合物を
得るためには、エポキシ基1当量に対して硫化剤を0.
05〜1モルの範囲内で仕込むのがより好ましい。反応
は、上記のような原料仕込み割合で、適当な溶媒の存在
下、反応温度―20〜100℃、好ましくは0〜50℃
で、反応時間は0.5〜30時間の範囲内で行う。硫化
剤の使用量がエポキシ化合物のエポキシ基1当量に対し
て0.05モル未満の場合は、エピスルフィド化合物中
の硫黄原子の割合が5%未満となってしまうため、プリ
ント配線板上のレジスト膜と金属(銅や金)の密着性が
確保できず好ましくない。また、5モルを超える場合
は、不必要な硫化剤を多量に使用することになり不経済
である。
【0048】前記一般式(1),(2)で表される1分
子中に1個以上のエピスルフィド基を有するエピスルフ
ィド化合物(A)におけるエピスルフィド基の最適量
は、エポキシ基とエピスルフィド基の合計1当量に対し
て0.01当量以上であることが好ましい。0.01当
量未満の場合、レジスト膜と金属(銅や金)との密着性
が確保できず好ましくない。また、本発明の樹脂組成物
における1分子中に1個以上のエピスルフィド基を有す
るエピスルフィド化合物は(A)は、一般式(3),
(4)で表される1分子中に2個以上のエポキシ基を有
するエポキシ化合物と単独あるいは2種類以上を組み合
わせて使用することもできる。
【0049】前記硫化剤としては、例えば、チオシアン
酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ア
ンモニウム等のチオシアン酸塩類;チオ尿素、N―メチ
ルチオ尿素、1,3―ジエチルチオ尿素等のチオ尿素
類;ホスフィンスルフィド、ジメチルチオホルムアミ
ド、N―メチルベンゾチアゾール―2―チオン等が挙げ
られる。これらの中でチオシアン酸塩類、チオ尿素類が
好ましい。
【0050】反応は、溶媒中又は無溶媒中で行うことが
できるが、使用できる溶媒としては、例えば、水、メタ
ノール、エタノールおよびプロパノール等のアルコール
類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキ
サン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンお
よびエチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、
メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等の
ケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロルエタ
ンおよびクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;メ
チルセロソルブ、エチルセロソルブおよびブチルセロソ
ルブ等のセロソルブ類;ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミドおよびジメチルスルホキシド等の非プロ
トン性極性溶媒等が挙げられる。これらは単独あるいは
2種類以上を組み合わせて使用することができる。反応
終了後、反応生成物を抽出、水洗、濃縮等の分離精製に
より、目的とするエピスルフィド化合物を得ることがで
きる。
【0051】前記一般式(1),(2)で表される1分
子中に1個以上のエピスルフィド基を有するエピスルフ
ィド化合物(A)は、1分子中に2個以上のエポキシ基
を有するエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応
物に多塩基酸無水物を反応させて得られる酸変性エポキ
シ(メタ)アクリレート(B)の有するカルボキシル基
1当量に対して、エピスルフィド基とエポキシ基の当量
の合計が0.01〜1.5当量の範囲内で配合する。エ
ピスルフィド化合物のエピスルフィド基とエポキシ基の
合計が0.01当量未満の場合は、樹脂組成物中の硫黄
原子の割合が5%未満となってしまうため、プリント配
線板上のレジスト膜と金属(銅や金)の密着性が不充分
となったり、レジスト膜中に未反応カルボキシル基が残
存するため、耐水性が悪く、硬化物の信頼性評価法であ
るPCT試験に対する耐性が劣り好ましくない。また、
1.5当量を超える場合は、樹脂組成物中の酸変性エポ
キシ(メタ)アクリレート(B)の割合が少なくなり、
光(紫外線)硬化性やアルカリ溶解性が劣りいずれも好
ましくない。
【0052】次に、本発明における酸変性エポキシ(メ
タ)アクリレート(B)について詳細に説明する。本発
明に用いる酸変性エポキシ(メタ)アクリレート(B)
は、樹脂組成物中の1分子中に2個以上のエポキシ基を
有するエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応生
成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるもので、感
光性の二重結合とカルボキシル基を有し、紫外線照射に
よる光硬化工程で共存する光重合開始剤の存在でラジカ
ル重合して硬化物となる。この時に紫外線が照射されな
い部分は骨格中のカルボキシル基の存在でアルカリ現像
工程において除去される。また、硬化物中のカルボキシ
ル基は熱硬化工程においてエピスルフィド化合物と反応
して強固な結合を作る作用を有する。
【0053】このような酸変性エポキシ(メタ)アクリ
レート(B)は、前記一般式(3),(4)で表される
1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合
物と(メタ)アクリル酸とを公知のエステル化触媒、重
合禁止剤を存在させて、不活性ガス気流中あるいは空気
の存在下80〜140℃で反応させて得られる反応生成
物における分子中の2級のアルコール性水酸基に更に多
塩基酸無水物を80〜140℃で反応させることにより
製造することができる。
【0054】前記、1分子中に2個以上のエポキシ基を
有するエポキシ化合物のエポキシ基と(メタ)アクリル
酸のカルボキシル基との反応は、エポキシ化合物のエポ
キシ基1当量に対し、0.8〜1.5モル範囲内で(メ
タ)アクリル酸を仕込み反応させることが好ましい。更
に、製造中に、重合禁止剤の酸化によるゲル等のない良
好な反応生成物を得るためには、1.0〜1.2モルの
範囲内で仕込むのがより好ましい。また、反応は希釈剤
なしで行うことができるが、反応生成物の粘度が高い場
合は、後述する希釈剤に溶解して反応を行うこともでき
る。
【0055】酸変性エポキシ(メタ)アクリレート
(B)は、アルカリ水溶液に可溶にするために多塩基酸
無水物を反応させ、分子中にカルボキシル基を導入す
る。多塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テト
ラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メ
チルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラ
ヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒド
ロ無水フタル酸、無水クロレンド酸、無水トリメリット
酸、無水ピロメリット酸等を挙げることができ、これら
は単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用すること
ができる。これら多塩基酸無水物の使用量は、前記1分
子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と
(メタ)アクリル酸との反応生成物の分子中における2
級のアルコール性水酸基と反応させ、酸価を40〜16
0mgKOH/gになる範囲で用いるのが好ましい。酸
変性エポキシ(メタ)アクリレート(B)の酸価が40
mgKOH/g未満では、アルカリ溶解性が悪く、16
0mgKOH/gを超える場合はアルカリ溶解性が良く
なるが、レジスト膜の耐アルカリ性、電気特性が低下す
るためいずれも好ましくない。
【0056】1分子中に2個以上のエポキシ基を有する
エポキシ化合物のエポキシ基と(メタ)アクリル酸のカ
ルボン酸との反応は、反応を円滑に進めるために公知の
エステル化触媒を用いることができる。このようなエス
テル化触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメ
チルベンジルアミン等の3級アミンあるいはその4級
塩、イミダゾール、2―メチルイミダゾール等のイミダ
ゾール誘導体、トリフェニルホスフィン等の有機燐化合
物等を挙げることができる。これらエステル化触媒の使
用量は、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸の合計1
00重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは
0.05〜5重量部の範囲内で使用することができる。
0.01重量部未満の場合は、長時間反応が必要となり
不経済であり好ましくない。10重量部を超える場合
は、反応が早すぎるため、温度コントロールが難しく、
発熱が高い場合はゲル化する場合もありいずれも好まし
くない。
【0057】また、1分子中に2個以上のエポキシ基を
有するエポキシ化合物のエポキシ基と(メタ)アクリル
酸のカルボキシル基との反応は、製造中の安定性と反応
生成物の貯蔵安定性を確保するために、公知の重合禁止
剤を使用される。このような重合禁止剤としては、例え
ば、ハイドロキノン、モノメチルエーテルハイドロキノ
ン、トルハイドロキノン、ジ―tert―ブチル―4―
メチルフェノール、トリメチルハイドロキノン、フェノ
チアジン、tert―ブチルカテコール等を挙げること
ができる。これらの使用量は、前記エポキシ化合物と
(メタ)アクリル酸の合計100重量部に対して0.0
001〜1重量部の範囲内で使用することができる。
0.0001重量部未満の場合は、重合禁止効果が小さ
く反応途中で反応液がゲル化して目的とする化合物が得
られない場合や、反応生成物の貯蔵安定性が極端に悪く
なるので好ましくない。1重量部を超える場合は、樹脂
組成物の硬化反応を阻害し未硬化の硬化物が得られ、各
特性の要求性能を満足しないので好ましくない。
【0058】本発明で用いられる光重合開始剤(C)
は、樹脂組成物を光(紫外線)硬化させる際に紫外線照
射によりラジカルを発生し、ラジカル重合により硬化さ
せる作用を有する。このような光重合開始剤としては公
知のものを使用することができ、好ましい光重合開始剤
としては、例えば、ベンゾイン、ベンジル、ベンゾイン
メチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなど
のベンゾイン類;およびベンゾインアルキルエーテル
類;アセトフェノン、2,2―ジメトキシ―2―フェニ
ルアセトフェノン、2,2―ジエトキシ―2―フェニル
アセトフェノン、1,1―ジクロロアセトフェノン、1
―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチ
ル―1―[4―(メチルチオ)フェニル]―2―モルフ
ォリノ―プロパン―1―オン、2―ベンジル―2―ジメ
チルアミノ―1―(4―モルフォリノフェニル)―ブタ
ノン―1、N,N―ジメチルアミノアセトフェノン等の
アセトフェノン類;2―メチルアントラキノン、2―エ
チルアトラキノン、2―アミノアントラキノン等のアン
トラキノン類;2,4―ジメチルチオキサントン等のチ
オキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベ
ンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノ
ン、メチルベンゾフェノン、4,4´―ジクロロベンゾ
フェノン、4,4´―ビスジエチルアミノベンゾフェノ
ン等のベンゾフェノン類、およびキサントン類等が挙げ
られ、これらは単独あるいは2種類以上を組み合わせて
使用することができる。
【0059】光重合開始剤の使用量は、樹脂組成物中の
(B)成分である酸変性エポキシ(メタ)アクリレート
の100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲内
で使用することが好ましく、更に1〜20重量部の範囲
内で使用することがより好ましい。0.1重量部未満の
場合は、紫外線照射により重合が進まず、未硬化になり
現像性が悪くなるため好ましくない。30重量部を超え
る場合は、硬化物の耐熱性、機械的特性が低下するため
いずれも好ましくない。
【0060】更に、かかる光重合開始剤は、エチル―4
―ジメチルアミノベンゾエート、2―(ジメチルアミ
ノ)エチルベンゾエート等の安息香酸エステル類、ある
いはトリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級
アミン類のような公知の光増感剤を単独あるいは2種類
以上を組み合わせて使用することができる。
【0061】また、本発明で使用される希釈剤(D)
は、前記エピスルフィド化合物および酸変性エポキシ
(メタ)アクリレート(B)を溶解し、インキとして適
切な作業粘度を確保する作用と反応性を有するものはラ
ジカル重合する際にネットワーク中に取り込まれ、光硬
化性、耐熱性の向上等の作用を有する。
【0062】このような希釈剤(D)としては、例え
ば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳
香族炭化水素類;メチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリ
コールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
エチルエテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、
酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトー
ルアセテート等のエステル類;エタノール、プロパノー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール等のア
ルコール類等の有機溶剤;オクタン、デカン等の脂肪族
炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフ
サ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等を挙げることが
でき、これらは単独あるいは2種類以上を組み合わせて
使用することができる。
【0063】希釈剤(D)の使用量は、樹脂組成物中の
酸変性エポキシ(メタ)アクリレート(B)100重量
部に対して、10〜300重量部の範囲内で使用するこ
とができる。10重量部未満の場合は、粘度が高くなり
取扱い性が悪く好ましくない。300重量部を超える場
合は、プリント配線板製造における仮乾燥の際に溶剤除
去に長時間が必要になること、また硬化したレジスト膜
中に希釈剤が残存し電気特性等に影響するのでいずれも
好ましくない。
【0064】また、本発明の希釈剤(D)は、その一部
を光硬化性を有する(メタ)アクリル酸エステル類に置
換えて使用することができる。このような(メタ)アク
リル酸エステル類としては、例えば、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリ
コールのモノ又はジ(メタ)アクリレート類;N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート類
のアミノアルキル(メタ)アクリレート類;ヘキサンジ
オール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリストール、
ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリストール、ト
リス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アル
コールまたは、これらのエチレンオキサイドもしくはプ
ロピレンオキサイド付加物の多価(メタ)アクリレート
累;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェ
ノールAのポリエトキシジ(メタ)アクリレート等のフ
ェノール累のエチレンオキサイドあるいはプロピレンオ
キサイド付加物の(メタ)アクリレート類;グリセリン
ジグリシジルエーテル、トリメチロープルプロパントリ
グリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート
などのグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート類;
カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソ
シアヌレートなどのε−カプロラクトン変性(メタ)ア
クリレート類、及びメラミン(メタ)アクリレート等を
挙げることができ、これらは単独あるいは2種類以上を
組み合わせて使用することができる。
【0065】このような(メタ)アクリル酸エステル類
の使用量は、前記酸変性エポキシ(メタ)アクリレート
(B)100重量部に対して、3〜50重量部の範囲で
使用することができる。3重量部未満の場合は、光硬化
性付与の効果は十分ではなく、50重量部を超える場合
は、指触乾燥性が低下するため好ましくない。
【0066】本発明における樹脂組成物は、熱硬化工程
における酸変性エポキシ(メタ)アクリレート(B)中
のカルボキシル基とエピスルフィド化合物(A)との反
応を促進する目的で、硬化促進剤を添加することができ
る。かかるエピスルフィド化合物の硬化促進剤として
は、エポキシ化合物の硬化促進剤を用いることができ、
例えば、イミダゾール、2―メチルイミダゾール、2―
エチルイミダゾール、2―エチル―4―メチルイミダゾ
ール、2―フェニルイミダゾール、4―フェニルイミダ
ゾール、1―シアノエチル―2―フェニルイミダゾー
ル、1―(2―シアノエチル)―2−エチル―4―メチ
ルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;グアナミン、
アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン
類;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4―
(ジメチルアミノ)―N,N―ジメチルベンジルアミ
ン、4―メトキシ―N,N―ジメチルベンジルアミン、
4―メチル―N,N―ジメチルベンジルアミン、メラミ
ン等のアミン化合物などが挙げられる。これらは単独あ
るいは2種類以上を組み合わせて使用することができ
る。
【0067】このような硬化促進剤の使用量は、前記酸
変性エポキシ(メタ)アクリレート(B)100重量部
に対して、0.1〜10重量部の範囲内で使用すること
ができる。0.1重量部未満の場合は、エピスルフィド
化合物(A)の硬化反応を促進する効果が小さく好まし
くない。10重量部を超える場合は、樹脂組成物のライ
フが短くなりいずれも好ましくない。
【0068】本発明の樹脂組成物には、プリント配線板
との密着性を向上させることを目的に無機充填材を添加
することができる。例えばタルク、シリカ、硫酸バリウ
ム、チタン酸バリウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどを配合するこ
とができる。これらの無機充填材は、樹脂組成物100
重量部に対して最大150重量部の範囲で添加すること
ができる。150重量部を超えると硬化性に悪影響を及
し、硬化物の物性が低下する。
【0069】本発明の樹脂組成物には、以上の成分の他
に通常の感光性樹脂組成物に添加される種々の着色剤、
レベリング剤および消泡剤などを添加することができ
る。
【0070】本発明の樹脂組成物は、以上述べた配合成
分をロールミル、サンドミルなどにより均一に混合して
得ることができる。また、本発明の樹脂組成物のプリン
ト配線基板上への塗布は、通常スクリーン印刷法、静電
塗装法、ロールコーター法、カーテンコーター法などで
行われる。塗布後は、60〜90℃の範囲で10〜60
分間乾燥し、紫外線などの活性エネルギー線を照射後、
0.1〜5重量%の炭酸ナトリウム水溶液などの希アル
カリ水溶液で未露光部分を除去し、現像する。最後に塗
膜を完全に硬化させるために熱風乾燥器又は遠赤外線な
どを用いて熱処理(100〜180℃で5〜60分間)
することにより前記エピスルフィド化合物(A)の硬化
反応に加えて酸変性エポキシ(メタ)アクリレート
(B)および光重合モノマーの重合が促進され、金属
(銅や金)との密着性に優れた高耐熱性、低吸水率のレ
ジスト膜を得ることができる。さらに、例えば140〜
180℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、更
に必要に応じて、酸変性エポキシ(メタ)アクリレート
および光重合モノマーの重合を促進する目的で、光(紫
外線)にて露光することもできる。また、光(紫外線)
硬化させるための照射光源としては、低圧水銀灯、中圧
水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプま
たはメタルハライドランプ等が使用できる。
【0071】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。本発明は、下記の実施例に限定されるもので
はない。本実施例において「部」とは特に断らない限り
重量部である。
【0072】(1)エピスルフィド化合物の合成原料と
なるエポキシ化合物の合成 合成例1 ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容
器に、ビスフェノールF475部と10重量%水酸化ナ
トリウム水溶液1929部を仕込み、反応容器内を窒素
で置換した後、攪拌下、45℃に加熱して溶解させた。
次いで、攪拌下、エピクロルヒドリン348部を仕込
み、温度を100℃に保持して80分間反応させた。反
応終了後、攪拌を停止し、水層とエピクロルヒドリン層
の二層に分液した後、水層をデカンテーションにて除去
した。次いで、水500部で3回水洗を行なった。その
後、過剰のエピクロルヒドリンを減圧蒸留にて回収し
て、エポキシ当量970g/eq.、軟化点85℃のビ
スフェノールF型エポキシ化合物(a)を得た。
【0073】合成例2 合成例1に使用したと同様の反応容器に、油化シェルエ
ポキシ(株)製の商品名「アラルダイト#260」のビ
スフェノールA型エポキシ樹脂828部と1,5―ジヒ
ドロキシナフタレン172部を仕込み、反応容器内を窒
素で置換した後、攪拌下、100℃に加熱して溶解させ
た。次いで、攪拌下、トリフェニルホスフィンを0.5
部仕込み、150〜160℃で1時間反応させ、エポキ
シ当量448g/eq.、軟化点82℃の1,5―ジヒ
ドロキシナフタレン変性ビスフェノールA型エポキシ化
合物(b)を得た。
【0074】合成例3 ガス導入管、攪拌装置、温度計、滴下装置、及び水、エ
ピクロルヒドリンの蒸気を冷却、液化し、その凝縮液を
有機層と水層の二層に分離し、さらに水層を反応系外に
除去及び有機層を反応系内に戻すための装置を備えた反
応容器に、合成例2で得たエポキシ化合物(b)100
0部、エピクロルヒドリン2766部を仕込み、反応容
器内を窒素で置換した後、攪拌下、40℃に加熱して溶
解させた。次いで、テトラブチルアンモニウムブロマイ
ド73部仕込み溶解させた。その後、攪拌下、48重量
%水酸化ナトリウム水溶液223部を連続的に滴下しな
がら1時間反応させた。次いで、反応系内を80mmH
gに減圧し、温度を45℃に昇温し、さらに6時間反応
させた。この際、反応系内の水分をエピクロルヒドリン
との共沸により除去すると共に、揮発成分を冷却、液化
しエピクロルヒドリンと水を分液し、留出エピクロルヒ
ドリンを反応系内に還流させながら反応を行った。反応
終了後、過剰のエピクロルヒドリンを減圧蒸留にて回収
し、副生塩を含む反応生成物をメチルイソブチルケトン
2000部で希釈し、水500部にて4回水洗した。次
いで、メチルイソブチルケトンを減圧蒸留にて回収する
ことにより、エポキシ当量260g/eq.、軟化点5
9℃の1,5―ジヒドロキシナフタレン変性ビスフェノ
ールA型多官能エポキシ化合物(c)を得た。これは、
エポキシ化合物(b)が有する2.2個の2級アルコー
ル性水酸基の内、1.9個がエポキシ化されたことを意
味する。
【0075】合成例4 合成例3に使用したと同様の反応容器に、クレゾールノ
ボラック樹脂714部、エピクロルヒドリン2775部
を仕込み、反応容器内を窒素で置換した後、攪拌下、4
0℃に加熱して溶解させた。その後、攪拌下、反応系内
を150mmHgに減圧し、温度を68℃に昇温した。
次いで、48重量苛性ソーダ450部を連続的に滴下し
ながら3.5時間反応させた。この際、反応系内の水分
をエピクロルヒドリンとの共沸により除去すると共に、
揮発成分を冷却、液化しエピクロルヒドリンと水を分液
し、留出エピクロルヒドリンを反応系内に還流させなが
ら反応を行った。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリ
ンを減圧蒸留にて回収し、副生塩を含む反応生成物をメ
チルイソブチルケトン1000部に溶解し、更に10重
量%水酸化ナトリウム水溶液を仕込み、80〜85℃で
1.5時間反応させた。反応終了後、さらにメチルイソ
ブチルケトン2000部に希釈し、水500部で4回水
洗した。その後、メチルイソブチルケトンを減圧蒸留に
て回収し、エポキシ当量208g/eq.、軟化点87
℃のクレゾールノボラック型エポキシ化合物(d)を得
た。
【0076】(2)エピスルフィド化合物の合成 合成例5 ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容
器に、合成例1で得たエポキシ化合物(a)700部、
トルエン1960部を仕込み、窒素にて反応容器内を置
換した後、攪拌下、室温にて溶解させた。その後、チオ
尿素28部、メタノール840部を仕込み、攪拌下、温
度を20〜25℃に保持しながら10時間反応させた。
次いで、更にトルエン840部にて希釈し、水500部
で5回水洗を行った。次いで、トルエンを減圧蒸留にて
回収した後、カルビトールアセテートに希釈することに
より、不揮発分71%、エポキシ基とエピスルフィド基
の当量の合計が1053g/eq.のエピスルフィド化
合物(樹脂A−1)を得た。
【0077】得られた化合物(樹脂A−1)を、赤外線
吸収スペクトルおよび核磁気共鳴スペクトルより目的物
であることを確認した。赤外線吸収スペクトルから91
0cm−1のエポキシ基の吸収が減少し、620cm
−1のエピスルフィド基の吸収が確認された。エポキシ
基のエピスルフィド基への変換率は、エポキシ基の赤外
線吸収スペクトルの減少度より算出すると、48%であ
った。これは、エポキシ基とエピスルフィド基の合計1
当量に対してエピスルフィド基が0.48当量に相当す
る。また核磁気共鳴スペクトルからエピスルフィド基の
メチレンプロトン2.1〜2.3ppmのピークが確認
された。赤外線吸収スペクトルを図1に示し、また核磁
気共鳴スペクトルを図2に示す。
【0078】合成例6 合成例5に使用したと同様の反応容器に、合成例3で得
たエポキシ化合物(c)700部、トルエン1960部
を仕込み、溶解した後、チオ尿素51部を使用した以外
は、合成例5と同様に行い、不揮発分70%、エポキシ
基とエピスルフィド基の当量合計が268g/eq.の
エピスルフィド化合物(樹脂A−2)を得た。エポキシ
基のエピスルフィド基への変換率は、エポキシ基の赤外
線吸収スペクトルの減少度より算出すると、23%であ
った。これは、エポキシ基とエピスルフィド基の合計1
当量に対してエピスルフィド基が0.23当量に相当す
る。
【0079】合成例7 合成例5に使用したと同様の反応容器に、合成例3で得
たエポキシ化合物(c)700部、トルエン1960部
を仕込み、溶解した後、チオ尿素102部を使用した以
外は、合成例6と同様に行い、不揮発分71%、エポキ
シ基とエピスルフィド基の当量の合計が281g/e
q.のエピスルフィド化合物(樹脂A−3)を得た。エ
ポキシ基のエピスルフィド基への変換率は、エポキシ基
の赤外線吸収スペクトルの減少度より算出すると、44
%であった。これは、エポキシ基とエピスルフィド基の
合計1当量に対してエピスルフィド基が0.44当量に
相当する。
【0080】合成例8 合成例5に使用したと同様の反応容器に、合成例3で得
たエポキシ化合物(c)700部、トルエン2100部
を仕込み、溶解した後、チオ尿素154部を使用した以
外は、合成例6と同様に行い、不揮発分71%、エポキ
シ基とエピスルフィド基の当量の合計が294g/e
q.のエピスルフィド化合物(樹脂A−4)を得た。エ
ポキシ基のエピスルフィド基への変換率は、エポキシ基
の赤外線吸収スペクトルの減少度より算出すると、69
%であった。これは、エポキシ基とエピスルフィド基の
合計1当量に対してエピスルフィド基が0.69当量に
相当する。
【0081】合成例9 合成例5に使用したと同様の反応容器に、合成例4で得
たエポキシ化合物(d)700部、トルエン1960部
を仕込み、溶解した後、チオ尿素128部を使用した以
外は、合成例6と同様に行い、不揮発分71%、エポキ
シ基とエピスルフィド基の当量の合計が233g/e
q.、のエピスルフィド化合物(樹脂A−5)を得た。
エポキシ基のエピスルフィド基への変換率は、エポキシ
基の赤外線吸収スペクトルの減少度より算出すると、4
6%であった。これは、エポキシ基とエピスルフィド基
の合計1当量に対してエピスルフィド基が0.46当量
に相当する。
【0082】(3)酸変性エポキシ(メタ)アクリレー
トの合成例 合成例10 攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容器に、合成例
3で得られたエポキシ化合物(c)342部、ソルベン
トナフサ120部を仕込み、攪拌下、溶解させた。その
後、アクリル酸95部、モノメチルエーテルハイドロキ
ノン0.44部、トリフェニルホスフィン1.40部を
仕込み、攪拌下、100〜110℃で10時間反応さ
せ、固形物酸価0.5mgKOH/gの反応生成物を得
た。次いで、テトラヒドロ無水フタル酸163部、カル
ビトールアセテート280部を仕込み、攪拌下、100
〜110℃で8時間反応させ、固形物酸価101mgK
OH/g、不揮発分60%の酸変性エポキシアクリレー
ト(樹脂B−1)を得た。
【0083】合成例11 合成例10に使用したと同様の反応容器に、合成例4で
得られたエポキシ化合物(d)343部、ソルベントナ
フサ120部を仕込み、攪拌下、溶解させた。その後、
アクリル酸119部、モノメチルエーテルハイドロキノ
ン0.46部、トリフェニルホスフィン1.48部を仕
込み、攪拌下、100〜110℃で12時間反応させ、
固形物酸価0.4mgKOH/gの反応生成物を得た。
次いで、テトラヒドロ無水フタル酸138部、カルビト
ールアセテート280部を仕込み、攪拌下、100〜1
10℃で8時間反応させ、固形物酸価85mgKOH/
g、不揮発分60%の酸変性エポキシアクリレート(樹
脂B−2)を得た。
【0084】実施例1〜8、比較例1〜7 合成例5〜9で得られたエピスルフィド化合物(樹脂A
―1〜A―5)、合成例10,11で得られた酸変性エ
ポキシ(メタ)アクリレート(樹脂B―1,B―2)、
光重合開始剤として、チバガイギー社製の商品名「イル
ガキュア907」(2―メチル―1―[4―(メチルチ
オ)フェニル]―2―モルフォリノ―プロパン―1―オ
ン)、光重合性モノマーとして共栄社油脂化学工業
(株)製の商品名「ライトアクリレートTMP―A」
(トリメチロールプロパントリアクリレート)、消泡剤
としてBYKビックケミー社製の商品名「BYK−A5
55」、着色顔料としてフタロシアニングリーンを表
1、2に示す割合で配合し、三本ロールミルを用いて混
練してソルダーレジスト用樹脂組成物を調製した。
【0085】試験片の作製は、研磨、酸処理、水洗、乾
燥したプリント配線板上に、表1、2に示す各実施例お
よび比較例の樹脂組成物をスクリーン印刷により、塗膜
が10〜30μmの厚みになるように塗布し、80℃で
30分間乾燥した。その後、室温まで冷却しタックフリ
ーとなった塗膜にソルダーレジストパターンを形成した
ネガフィルムを当て、メタルハライドランプを装備した
露光機を用いて600mJ/cmの積算露光量で紫外
線を照射し、照射後未露光部を1重量%炭酸ナトリウム
水溶液で現像を行い、更に150℃で1時間熱硬化して
試験板を作製した。得られた試験板について、紫外線感
度、アルカリ現像性、銅密着性、金密着性、はんだ耐
熱、ガラス転移温度、PCT耐性、煮沸吸水率の特性評
価を行った。その結果を表3,4に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】表3,4に示す結果から明らかなように、
実施例1〜8の各樹脂組成物は、いずれもアルカリ現像
性を低下させることなく、そのレジスト膜は、金属(銅
や金)と優れた密着性を示し、また、従来の樹脂組成物
における熱硬化成分のエポキシ化合物に比べ、耐熱性が
高く、吸水率を低くでき、PCT耐性に優れることから
高信頼のレジスト膜を得ることができた。
【0091】評価方法及び評価基準は次の通りである。 (1)紫外線感度:80℃で30分間塗膜の乾燥を行
い、その後、室温まで冷却しタックフリーとなった塗膜
にコダック社製のステップタブレット(コダックNo.
2、全21段)を当て、メタルハライドランプを装備し
た露光機を用いて600mJ/cmの積算露光量で紫
外線を照射し、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液
を用いてスプレー圧0.2MPa、1分間現像を行い、
硬化して残ったレジスト膜の段数により評価した。
【0092】(2)アルカリ現像性:80℃で塗膜の乾
燥を行い、20分経過後から10分毎に60分経過まで
試験板を取り出し、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水
溶液を用いてスプレー圧0.2MPa、1分間現像を行
い、アルカリ現像性を評価した。 ○:目視により残留物なし。 ×:目視により残留物あり。
【0093】(3)銅密着性:銅張積層板を研磨せずに
酸処理、水洗、乾燥のみ処理し、前記のごとくレジスト
膜を形成後、JIS K5400の碁盤目テープ法に従
い、レジスト膜に1mm幅で100個の碁盤目を作製
し、JIS Z1522に規定するセロハン粘着テープ
によって、ピーリング試験を行い、レジスト膜と銅との
密着性を評価した。評価結果は、剥離せずに残ったマス
目数/100で示した。
【0094】(4)金密着性:研磨、酸処理、水洗、乾
燥した銅張り積層板を85℃の無電解ニッケルメッキ液
(奥野製薬工業(株)製の商品名「ICPニコロン」)
に20分間浸漬し、厚さ約5μmのニッケルメッキを行
い、続いて、積層板を85℃の無電解金メッキ液(奥野
製薬工業(株)製の商品名「OPCムデンゴールド」)
に20分間浸漬し、厚さ約0.1μmの金の皮膜を得
た。次いで、十分に水洗、乾燥を行った後、前記のごと
くレジスト膜を形成し、JIS K5400の碁盤目試
験要項に従い、レジスト膜に1mm幅で100個の碁盤
目を作製し、JIS Z1522に規定するセロハン粘
着テープによって、ピーリング試験を行い、レジスト膜
と金との密着性を評価した。評価結果は、剥離せずに残
ったマス目数/100で示した。
【0095】(5)はんだ耐熱:前記のごとくレジスト
膜を形成したプリント配線板を、260℃の溶融はんだ
浴に15秒間浸漬することを1サイクルとし、3サイク
ル繰り返した。次いで、室温まで冷却した後、セロハン
粘着テープによるピーリング試験を行い、次の基準で評
価した。 ○:レジスト膜の外観に異常がなく、剥がれや膨れが認
められない。 ×:レジスト膜に剥がれや膨れが認められる。
【0096】(6)ガラス転移温度:PETフィルム上
に前記のごとくレジスト膜を形成し、レジスト膜を剥離
した後、動的粘弾性装置(オリエンテック(株)製のレ
オバイブロンDDVIII)を用いて、レジスト膜の温度
分散曲線を求め、ここで得られたtanδの最大値を与
える温度をガラス転移温度とした。測定条件は、周波数
1Hz、昇温速度5℃/分である。
【0097】(7)PCT耐性:前記の(3)銅密着性
及び(4)金密着性の試験でそれぞれ作製したレジスト
膜を形成した試験版を、121℃、100RHの雰囲気
中に500時間放置した時のレジスト膜の外観に異常が
ないかどうかを目視にて次の基準で評価した。 ○:レジスト膜の外観に異常がなく、剥がれや膨れが認
められない。 △:レジスト膜の一部に僅かな膨れが認められる。 ×:レジスト膜に剥がれや膨れが認められる。
【0098】(8)煮沸吸水率:PETフィルム上に前
記のごとくレジスト膜を形成し、レジスト膜を剥離した
後、レジスト膜を40℃で24時間乾燥させ、水に浸漬
する前の重量(W1)を求めた。次いで、レジスト膜を
96〜98℃の熱水に2時間浸漬し、浸漬後の重量(W
2)を求めた。煮沸吸水率は、次式により算出した。 煮沸吸水率(%)=(W2―W1)×100÷W1
【0099】
【発明の効果】以上のように、本発明の樹脂組成物は、
従来の樹脂組成物に比べ、高耐熱性化、低吸水率化を可
能にし、信頼性評価であるPCT試験下においても、金
属(銅や金)との密着性が高いことを示している。従っ
て、本発明樹脂組成物によれば、プリント配線板の高密
度化に対応できる高い信頼性の画像形成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例5で合成したエピスルフィド化合物の赤
外線吸収スペクトル図である。
【図2】合成例5で合成したエピスルフィド化合物の
H―NMRスペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA10 AA14 AB15 AC01 AD01 BC13 BC42 BC74 BC83 BC85 BC86 CA00 CC03 CC17 CC20 FA29 4J036 AA01 AB18 AC19 AJ07 BA01 DB23 DB25 EA03 GA26 HA01 HA02 HA03 JA08 JA09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に1個以上のエピスルフィド基
    を有するエピスルフィド化合物(A)、酸変性エポキシ
    (メタ)アクリレート(B)、光重合開始剤(C)、お
    よび希釈剤(D)を含有することを特徴とする樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 1分子中に1個以上のエピスルフィド基を
    有するエピスルフィド化合物(A)が、1分子中に2個以
    上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と硫化剤との反
    応から得られるものであることを特徴とする請求項1記
    載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 酸変性エポキシ(メタ)アクリレート
    (B)が、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエ
    ポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを反応させて得ら
    れる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られる
    ものであることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 1分子中に1個以上のエピスルフィド基を
    有するエピスルフィド化合物(A)におけるエポキシ基
    とエピスルフィド基の合計当量が、酸変性エポキシ(メ
    タ)アクリレート(B)骨格中のカルボキシル基1当量
    に対して0.01〜1.5当量の範囲であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 1分子中に1個以上のエピスルフィド基を
    有するエピスルフィド化合物(A)におけるエポキシ基
    とエピスルフィド基の合計1当量に対してエピスルフィ
    ド基が0.01当量以上であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 酸変性エポキシ(メタ)アクリレート
    (B)が、酸価40〜160mgKOH/gであること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂
    組成物。
  7. 【請求項7】 光重合開始剤(C)が、酸変性エポキシ
    (メタ)アクリレート(B)100重量部に対して0.
    1〜30重量部配合されることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 希釈剤(D)が、有機溶剤および/また
    は(メタ)アクリル酸エステル類であり、酸変性エポキ
    シ(メタ)アクリレート(B)100重量部に対して、
    10〜300重量部配合されることを特徴とする請求項
    1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8いずれか1項に記載の樹脂
    組成物を硬化させることにより得られる硬化物。
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