JPWO2006035831A1 - L−アルギニン、l−オルニチンまたはl−シトルリンの製造法 - Google Patents

L−アルギニン、l−オルニチンまたはl−シトルリンの製造法 Download PDF

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Abstract

本発明によれば、(i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第20〜38番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列、または(ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第20〜38番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が置換され、かつ第1〜19番目または39〜294番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列を有し、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチドが提供される。

Description

本発明は、L−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンの製造法に関する。
微生物において、L−アルギニンはL−グルタミン酸から8段階の反応を経て生合成される。L−オルニチンおよびL−シトルリンは、L−アルギニンの生合成経路上の中間体である。L−アルギニン、L−オルニチンおよびL−シトルリンの生合成も、他のアミノ酸と同様に調節を受けている。
例えば、コリネ型細菌では、アルギニン・リプレッサー(以下、ArgRという)によって、L−アルギニンの生合成に関与する酵素をコードする遺伝子から構成されるオペロン(以下、アルギニン・オペロンと略す)の転写が抑制されている(特許文献1参照)。また、コリネ型細菌では、L−グルタミン酸からL−アルギニンに至る生合成経路上の第2番目の酵素であるN−アセチルグルタミン酸キナーゼ(EC:2.7.2.8、以下、ArgBと略すこともある)がL−アルギニンによるフィードバック阻害を受けることが知られている(非特許文献2参照)。
L−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンも他のアミノ酸と同様に微生物を用いて生産される。そして、他のアミノ酸の場合と同様に、突然変異やDNA組換え等の手法を用いてこれらのアミノ酸の生産性を向上させる研究が行なわれている。
例えば、アルギニンの生合成に関与する遺伝子を含むDNA断片でコリネバクテリウム・グルタミカムを形質転換し、さらに突然変異処理を施すことにより、アルギニンの生産性の向上したコリネバクテリウム・グルタミカムK65(FERM BP−1115)株が取得されたことが報告されている(特許文献2参照)。
また、アルギニン生合成系酵素の抑制が解除されたコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)(非特許文献1参照)、アルギニン生合成系酵素の抑制が解除され、さらにL−アルギニンによるフィードバック阻害が脱感作されており、かつL−アルギニンの膜透過性の増大したコリネバクテリウム・グルタミカム(非特許文献3参照)等が突然変異法を用いて取得されている。
また、ArgRをコードするDNAを破壊したコリネ型細菌(特許文献1参照)がDNA組換え法を用いて取得されている。
しかし、これまでに、ArgBとArgRをコードするDNAの両方に変異が導入された株において、ArgBまたはArgRをコードするDNAにどのような変異を導入すればL−アルギニンの生産性が向上するかについての報告はない。
特開2002−51790号公報 特開昭63−79597号公報 Agricultural& Biological Chemistry,1979年,第43巻,p.105−111 Journal of Bacteriology,1966年,第91巻,p.617 Agricultural& Biological Chemistry,1972年,第36巻,p.1675−1684
本発明の目的は、効率のよいL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンの製造法を提供することにある。
本発明は以下の(1)〜(18)に関する。
(1)(i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第20〜38番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列、または
(ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第20〜38番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が置換され、かつ第1〜19番目または39〜294番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列を有し、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチド。
(2)(i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26〜31番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列、または
(ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26〜31番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が置換され、かつ第1〜25番目または第32〜294番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列
を有し、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチド。
(3)(i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26または31番目のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列、
(ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26および31番目のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列、または
(iii)上記(i)または(ii)のアミノ酸配列において、置換された部位以外の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列
を有し、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチド。
(4)(i)配列番号3、5、7、9および11で表されるアミノ酸配列から選ばれるアミノ酸配列、
(ii)配列番号3、5および7で表されるアミノ酸配列から選ばれるアミノ酸配列において、それぞれの配列の第26番目のアミノ酸以外のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列、
(iii)配列番号9で表されるアミノ酸配列において、第31番目のアミノ酸以外のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列、または
(iv)配列番号11で表されるアミノ酸配列において、第26および31番目のアミノ酸以外のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列を有し、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチド。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つのポリペプチドをコードするDNA。
(6)配列番号4、6、8、10および12で表される塩基配列から選ばれる塩基配列を有するDNA。
(7)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ
(i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−アラニン以外のアミノ酸であるポリペプチドをコードするDNA、
(ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−メチオニン以外のアミノ酸であるポリペプチドをコードするDNA、または
(iii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−アラニン以外のアミノ酸であり、かつ第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−メチオニン以外のアミノ酸であるポリペプチドをコードするDNA
であり、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
(8)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリン、L−ロイシンまたはL−イソロイシンであり、第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリンである、上記(7)のDNA。
(9)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ
(i)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第76〜78番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−チミジン、シトシン−チミジン−グアニン、もしくはアデニン−チミジン−シトシンである塩基配列を有するDNA、
(ii)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第91〜93番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−グアニンである塩基配列を有するDNA、または
(iii)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第76〜78番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−チミジン、シトシン−チミジン−グアニン、もしくはアデニン−チミジン−シトシンであり、かつ第91〜93番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−グアニンである塩基配列を有するDNA
であり、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
(10)上記(5)〜(9)のいずれか1つのDNAをベクターに組み込んで得られる組換え体DNA。
(11)上記(10)の組換え体DNAを導入して得られる微生物。
(12)上記(5)〜(9)のいずれか1つのDNAを有する微生物。
(13)アルギニン・リプレッサーのアルギニン・オペロンの転写抑制活性が低下または喪失していることを特徴とする上記(11)または(12)の微生物。
(14)オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ活性が低下または喪失していることを特徴とする上記(11)〜(13)のいずれか1つの微生物。
(15)アルギニノコハク酸シンターゼ活性が低下または喪失していることを特徴とする上記(11)〜(14)のいずれか1つの微生物。
(16)微生物がコリネバクテリウム属に属する微生物である、上記(11)〜(15)のいずれか1つの微生物。
(17)微生物がコリネバクテリウム・グルタミカムに属する微生物である、上記(11)〜(16)の微生物。
(18)上記(11)〜(17)のいずれか1つの微生物を培地に培養し、培養物中にL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンを生成、蓄積させ、該培養物からL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンを採取することを特徴とするL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンの製造法。
本発明により、効率のよいL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンの製造法を提供することができる。
本発明のポリペプチドとしては、配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第20〜38番目のアミノ酸配列で1以上のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列を有し、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性(以下、ArgB活性という)を有するポリペプチドをあげることができる。
配列番号1で表されるアミノ酸配列は、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株のArgBのアミノ酸配列であり、配列番号2で表される塩基配列を有するDNAによりコードされる。なお、配列番号2で表される塩基配列を有するDNAは、DDBJ/GenBank/EMBLにNCgl1342として登録されている。
配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第20〜38番目のアミノ酸配列からなる領域は、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)のArgBのアミノ酸配列と立体構造〔Structure,10,329−342,(2002)〕との関係および該アミノ酸配列とコリネバクテリウム・グルタミカムのArgBのアミノ酸配列との相同性からα−ヘリックスを形成すると推測される領域である。
アミノ酸が置換される部位は、配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第20〜38番目のアミノ酸配列中であればいずれの部位であってもよいが、第26〜31番目の部位であることが好ましい。
置換されるアミノ酸の数は、置換後のアミノ酸配列を有するポリペプチドがArgB活性を有しており、好ましくはL−アルギニンによるフィードバック阻害の低減または解除されたArgB活性を有していれば特に限定されるものではないが、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1または2個である。
ポリペプチドがL−アルギニンによるフィードバック阻害の低減または解除されたArgB活性を有していることは、L−アルギニンの存在下でのArgB活性が、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドのL−アルギニンの存在下でのArgB活性より高いことをもって確認することができる。L−アルギニンの濃度は5mmol/l以上であることが好ましく、10mmol/l以上であることがさらに好ましい。
ポリペプチドのArgB活性は、たとえば、ATPおよびN−アセチル−L−グルタミン酸を基質としたホスホエノールピルビン酸−pyruvate kinase系との反応で生成するピルビン酸を、2,4−ジニトロフェニルヒドラゾンとして比色定量する方法〔Meth.Enzymol.,17,251−255(1970)〕、ATPおよびN−アセチル−L−グルタミン酸をヒドロキシルアミンとともに反応させ、生成するアセチルグルタミン酸5−リン酸をヒドロキサム酸として定量する方法〔Meth.Enzymol.,17,269−272(1970)〕等の方法により測定することができる。
置換されるアミノ酸は、置換後のアミノ酸配列を有するポリペプチドがArgB活性を有しており、好ましくはL−アルギニンによるフィードバック阻害の低減または解除されたArgB活性を有していれば特に限定されるものではなく、天然型と非天然型とを問わない。
天然型アミノ酸としては、L−アラニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン、L−グルタミン酸、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−アルギニン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリン、L−システインなどがあげられる。
以下に、相互に置換可能なアミノ酸の例を示す。同一群に含まれるアミノ酸は相互に置換可能である。
A群:ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリン、ノルバリン、アラニン、2−アミノブタン酸、メチオニン、O−メチルセリン、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、シクロヘキシルアラニン
B群:アスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2−アミノアジピン酸、2−アミノスベリン酸
C群:アスパラギン、グルタミン
D群:リジン、アルギニン、オルニチン、2,4−ジアミノブタン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸
E群:プロリン、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン
F群:セリン、スレオニン、ホモセリン
G群:フェニルアラニン、チロシン
本発明のポリペプチドとしては、例えば、配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26または31番目のいずれか一方、あるいは両方のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列を有し、かつArgB活性を有するポリペプチドをあげることができる。
本発明のポリペプチドでは、置換された部位以外のアミノ酸配列においては、ArgB活性を有している限り、1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されていてもよい。
欠失、置換または付加されるアミノ酸の数は特に限定されないが、1個から数十個、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個である。
置換されるアミノ酸は、上記の配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から20〜38番目のアミノ酸配列中で置換することが可能なアミノ酸と同様である。
欠失、置換または付加は、同一配列での1または複数のアミノ酸の欠失、置換または付加を意味し、欠失、置換または付加が同時に生じてもよい。
本発明のポリペプチドがArgB活性を有するためには、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドと、少なくとも60%以上、通常は80%以上、特に95%以上の相同性を有していることが好ましい。
本発明において、アミノ酸配列や塩基配列の相同性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST〔Pro.Natl.Acad.Sci.USA,90,5873(1993)〕やFASTA〔Methods Enzymol.,183,63(1990)〕を用いて決定することができる。このアルゴリズムBLASTに基づいて、BLASTNやBLASTXとよばれるプログラムが開発されている〔J.Mol.Biol.,215,403(1990)〕。BLASTに基づいてBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメータは例えばScore=100、wordlength=12とする。また、BLASTに基づいてBLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメータは例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)。
本発明のポリペプチドのアミノ酸配列のより具体的な例としては、配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアラニンがバリンに置換された配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアラニンがロイシンに置換された配列番号5で表されるアミノ酸配列、配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアラニンがイソロイシンに置換された配列番号7で表されるアミノ酸配列、配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第31番目のメチオニンがバリンに置換された配列番号9で表されるアミノ酸配列、配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアラニンおよび第31番目のメチオニンがそれぞれバリンに置換された配列番号11で表されるアミノ酸配列等があげられる。
本発明のDNAとしては、本発明のポリペプチドをコードするDNAがあげられ、具体例として、配列番号3、5、7、9および11で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをそれぞれコードする配列番号4、6、8、10および12で表される塩基配列を有するDNAをあげることができる。
また、本発明のDNAとしては、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ
(i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−アラニン以外のアミノ酸であるポリペプチドをコードするDNA、
(ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−メチオニン以外のアミノ酸であるポリペプチドをコードするDNA、
(iii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−アラニン以外のアミノ酸であり、かつ第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−メチオニン以外のアミノ酸であるポリペプチドをコードするDNA、
(iv)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリン、L−ロイシンまたはL−イソロイシンであるポリペプチドをコードするDNA、
(v)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリンであるポリペプチドをコードするDNA、
(vi)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリン、L−ロイシンまたはL−イソロイシンであり、かつ第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリンであるポリペプチドをコードするDNA、
(vii)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第76〜78番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−チミジン、シトシン−チミジン−グアニン、もしくはアデニン−チミジン−シトシンである塩基配列を有するDNA、
(viii)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第91〜93番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−グアニンである塩基配列を有するDNA、または
(ix)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第76〜78番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−チミジン、シトシン−チミジン−グアニン、もしくはアデニン−チミジン−シトシンであり、かつ第91〜93番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−グアニンである塩基配列を有するDNA
であり、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAをあげることができる。
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能なDNAとは、配列番号1、3、5、7、9または11で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基配列、より好ましくは配列番号2、4、6、8、10または12で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAの一部、または全部をプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法あるいはサザンハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAを意味し、具体的には、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0mol/lの塩化ナトリウム存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mmol/l塩化ナトリウム、15mmol/lクエン酸ナトリウムよりなる)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNAをあげることができる。
ハイブリダイゼーションは、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Third Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)(以下、モレキュラー・クローニング第3版と略す)、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)、DNA Cloning 1:Core Techniques,A Practical Approach,Second Edition,Oxford University(1995)(以下、DNAクローニングと略す)等に記載されている方法に準じて行うことができる。ハイブリダイズ可能なDNAとしては、上記BLASTやFASTA等を用いて計算したときに、配列番号2、4、6、8、10または12で表される塩基配列と少なくとも75%以上の相同性を有するDNA、好ましくは80%以上の相同性を有するDNA、さらに好ましくは95%以上の相同性を有するDNAをあげることができる。
本発明の微生物としては、本発明のDNAを有する微生物であればいずれでもよいが、アルギニン・リプレッサー(ArgR)のアルギニン・オペロンの転写抑制活性が低下または喪失している微生物であることが好ましい。
本発明の微生物の種類は特に限定されないが、例えばコリネ型細菌をあげることができる。
コリネ型細菌としては、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、またはミクロバクテリウム(Microbacterium)属に属する微生物をあげることができる。
コリネバクテリウム属に属する微生物としては、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム(Corynebacterium acetoacidophilum)、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム(Corynebacterium acetoglutamicum)、コリネバクテリウム・カルナエ(Corynebacterium callunae)、コリネバクテリウム・ハーキュリス(Corynebacterium herculis)、コリネバクテリウム・リリウム(Corynebacterium lilium)、コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium melassecola)、コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス(Corynebacterium thermoaminogenes)等をあげることができ、具体的には、Corynebacterium glutamicum ATCC13032、Corynebacterium glutamicum ATCC13060、Corynebacterium glutamicum ATCC13826(旧属種Brevibacterium flavum)、Corynebacterium glutamicum ATCC14020(旧属種Brevibacterium divaricatum)、Corynebacterium glutamicum ATCC13869(旧属種Brevibacterium lactofermentum)、Corynebacterium acetoacidophilum ATCC13870、Corynebacterium acetoglutamicum ATCC15806、Corynebacterium callunae ATCC15991、Corynebacterium herculis ATCC13868、Corynebacterium lilium ATCC15990、Corynebacterium melassecola ATCC17965、Corynebacterium thermoaminogenes ATCC9244等をあげることができる。
ブレビバクテリウム属に属する微生物としては、ブレビバクテリウム・サッカロリティカム(Brevibacterium saccharolyticum)、ブレビバクテリウム・イマリオフィラム(Brevibacterium immariophilum)、ブレビバクテリウム・ロゼウム(Brevibacterium roseum)、ブレビバクテリウム・チオゲニタリス(Brevibacterium thiogenitalis)等をあげることができ、具体的には、Brevibacterium saccharolyticum ATCC14066、Brevibacterium immariophilum ATCC14068、Brevibacterium roseum ATCC13825、Brevibacterium thiogenitalis ATCC19240等をあげることができる。
ミクロバクテリウム属に属する微生物としては、ミクロバクテリウム・アンモニアフィラム(Microbacterium ammoniaphilum)等をあげることができ、具体的には、Microbacterium ammoniaphilum ATCC15354等をあげることができる。
本発明の微生物のArgRのアルギニン・オペロン転写抑制活性は、親株の活性と比べて低下していればよいが、50%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましく、活性がゼロ、すなわち喪失していることが最も好ましい。
親株は、L−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンを生成する能力を有し、ArgBがL−アルギニンによりフィードバック阻害を受け、かつアルギニン・オペロンの転写がArgRにより抑制される微生物であれば、野生株であってもよいし、該野生株から人工的に育種された育種株であってもよい。また、これらの性質を有していれば、以下に述べる本発明のDNAを導入する際に用いられる宿主微生物も、親株として用いることができる。
本発明において、野生株とは、本発明の微生物と分類学上同じ種に属する微生物であって、かつ自然界で最も高頻度に出現する表現型を有する微生物をいう。
例えば、本発明の微生物がコリネバクテリウム・グルタミカムに属する微生物である場合、野生株としては、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株をあげることができる。
本発明の微生物は、親株を、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン等の突然変異誘発物質を用いて処理し、得られた株をアルギニンアナログであるアルギニンハイドロキサメートを含有する培地を用いて培養した際に親株と比べて生育速度が速い株を選択し、さらに通常の微生物の培地を用いて培養した際に親株と比べてL−アルギニンの生産性が向上した微生物の中から選択して得てもよいが、より簡便には、本発明のDNAを導入する方法を用いて得ることができる。
以下、本発明の微生物の取得法として本発明のDNAを導入して得る方法について説明する。
本発明のDNAは、配列番号2で表される塩基配列を有するDNA、または配列番号2で表される塩基配列と相同性の高い塩基配列を有し、かつArgB活性を有するポリペプチドをコードするDNAから調製して得ることができる。
配列番号2で表される塩基配列との高い相同性とは、少なくとも75%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは95%以上の相同性を有することである。
配列番号2で表される塩基配列を有するDNA、または配列番号2で表される塩基配列と相同性の高い塩基配列を有し、かつArgB活性を有するポリペプチドをコードするDNAは、これらのDNAを有する微生物から調製して得ることができるが、パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成装置等を用いて化学合成しても得ることができる。
これらのDNAを有する微生物としては、例えば、コリネバクテリウム属に属する微生物をあげることができる。
コリネバクテリウム属に属する微生物としては、コリネバクテリウム・グルタミカム、コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム、コリネバクテリウム・エフィシエンス(Corynebacterium efficiens)、コリネバクテリウム・クレナタム(Corynebacterium crenatum)等をあげることができ、例えば、Corynebacterium glutamicum ATCC13032、Corynebacterium glutamicum K65(FERM BP−1115)、Corynebacterium acetoacidophilum ATCC13870、Corynebacterium efficiens JCM 44549等をあげることができるが、配列番号2で表される塩基配列を有するDNAを有するCorynebacterium glutamicum ATCC13032が好ましく用いられる。
上記配列番号2で表される塩基配列を有するDNA、または配列番号2で表される塩基配列と相同性の高い塩基配列を有し、かつArgB活性を有するポリペプチドをコードするDNAを有する微生物を公知の方法〔例えば、Mol.Microbiol.,20,833(1996)〕により培養する。
培養後、例えば斎藤らの方法〔Biochim.Biophys.Acta,72,619(1963)〕に準じて該微生物の染色体DNAを単離精製する。
DDBJ/GenBank/EMBLにNCgl1342として登録されているコリネバクテリウム・グルタミカムのArgBをコードするDNAの塩基配列(配列番号2で表される塩基配列)または該塩基配列を含む領域の塩基配列(例えば、配列番号30で表される塩基配列)に基づいてプライマーを調製し、単離精製した染色体DNAを鋳型として、PCR〔PCR Protocols,Academic Press(1990)]を行い、ArgBをコードするDNAを含むDNA断片を調製する。
プライマーとしては、例えば、配列番号30で表される塩基配列に基づいて設計した配列番号13〜18で表される塩基配列からなるDNAをあげることができる。
また、単離精製した染色体DNAを用いて、モレキュラー・クローニング第3版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー等に記載された方法に準じてDNAライブラリーを作製し、モレキュラー・クローニング第3版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、DNAクローニング等の実験書に記載されているコロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法、サザンハイブリダイゼーション法等により、得られたDNAライブラリーからArgBをコードするDNAを含むクローンを取得することもできる。
ハイブリダイゼーションに用いるプローブとしては、公知のコリネバクテリウム・グルタミカムのArgBをコードするDNAまたはその一部、該DNAの塩基配列をもとに合成したDNAなどの他、公知のArgBをコードするDNAの塩基配列をもとに合成したDNAプライマーを用いてPCRなどにより取得したDNA断片などをあげることができる。
例えば、配列番号2で表される塩基配列を有するDNA、または配列番号13〜18で表される塩基配列からなるDNAをプライマーとしてコリネバクテリウム・グルタミカムに属する微生物の染色体DNAを鋳型にPCRを行い、増幅したDNA断片などを例示することができる。
コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法、サザンハイブリダイゼーション法等により取得したArgBをコードするDNAを有するDNA断片をそのまま、あるいは適当な制限酵素などで切断後、常法によりベクターに組み込み、通常用いられる塩基配列解析方法、例えばABI377DNAシークエンサー(パーキン・エルマー社製)等を用いたジデオキシ法〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74,5463(1977)〕により、該DNA断片の塩基配列を決定する。
さらに、決定された塩基配列に基づいたプライマーを調製し、染色体DNAを鋳型として、PCR法〔PCR Protocols,Academic Press(1990)〕により、ArgBをコードするDNAを有するDNA断片を取得することができる。
また、決定されたDNA断片の塩基配列に基づいて、パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成装置等を用いて化学合成することにより目的とするDNA断片を調製することもできる。
上記のようにして得られるArgBをコードするDNAとしては、例えば、配列番号2で表される塩基配列を有するDNAをあげることができる。
配列番号2で表される塩基配列を有するDNA、または配列番号2で表される塩基配列と相同性の高い塩基配列を有し、かつArgB活性を有するポリペプチドをコードするDNAに、必要に応じてモレキュラー・クローニング第3版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Nucleic Acids Research,10,6487(1982)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79,6409(1982)、Gene,34,315(1985)、Nucleic Acids Research,13,4431(1985)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,488(1985)等に記載の部位特異的変異導入法、例えば、PCRを用いる方法等により部位特異的変異を導入することにより本発明のDNAを取得することができる。
このようにして得られた本発明のDNAをプラスミドベクター等のベクターに常法を用いて組み込み、本発明の組換え体DNAを調製する。
ベクターとしては、本発明のDNAを導入する微生物(以下、宿主微生物という)に導入可能なベクターであれば特に限定されるものではなく、例えば、pHSG299〔Gene,61,63−74(1987)〕、pBTrp2、pBTac1、pBTac2(いずれもベーリンガーマンハイム社製)、pHelix1(ロシュ・ダイアグノスティクス社製)、pKK233−2(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)、pSE280(インビトロジェン社製)、pGEMEX−1(プロメガ社製)、pQE−8(キアゲン社製)、pET−3(ノバジェン社製)、pKYP10(特開昭58−110600号)、pKYP200〔Agric.Biol.Chem.,48,669(1984)〕、pLSA1〔Agric.Biol.Chem.,53,277(1989)〕、pGEL1〔Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,82,4306(1985)〕、pBluescriptII SK(+)、pBluescript II KS(−)(ストラタジーン社製)、pTrS30〔エシェリヒア・コリJM109/pTrS30(FERM BP−5407)より調製〕、pTrS32〔エシェリヒア・コリJM109/pTrS32(FERM BP−5408)より調製〕、pPAC31(国際公開98/12343号パンフレット)、pUC19〔Gene,33,103(1985)〕、pSTV28(宝酒造社製)、pUC118(宝酒造社製)、pPA1(特開昭63−233798号)、pCG116、pCG1(特開平6−277082号)、pCS299P(国際公開00/63388号パンフレット)等があげられるが、宿主微生物中では自立複製できないベクターを用いると本発明の組換え体DNAを宿主微生物の染色体に組み込むことができるので好ましい。
宿主微生物としては、上記であげた微生物を用いることができる。
宿主微生物中で自立複製できないベクターは、特に限定されないが、抗生物質に対する耐性に関与する遺伝子を有するベクターであれば、相同組換えにより宿主微生物の染色体上に本発明の組換え体DNAが組み込まれた微生物を容易に選択できるので好ましく、さらにバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)に由来するレバンシュークラーゼ(EC:2.4.1.10)をコードするDNA(sacB)を有するベクターであれば、宿主微生物の染色体上に元来存在しているArgBをコードするDNAが本発明のDNAに置換された微生物を容易に選択できるので好ましい。このようなベクターとしては、例えば、実施例1で示すプラスミドpESB30等をあげることができる。
本発明の組換え体DNAを宿主微生物に導入する。
本発明の微生物のArgRの活性を低下または喪失させる変異の導入は、この宿主微生物への本発明のDNAの導入操作の前に行なってもよいし、宿主微生物に本発明のDNAを導入した後に行なってもよい。
ArgRの活性を低下または喪失させるには、ArgRの活性を低下または喪失させる微生物をN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン等の突然変異誘発物質で処理し、突然変異処理前と比べてL−アルギニンの生産性が向上した微生物の中から選択して得てもよいし、ArgBをコードするDNAに部位特異的変異を導入する方法と同様の方法を用いてArgRをコードするDNAに塩基の置換、欠失または付加等を行なって得てもよい。
塩基の置換、欠失または付加等を行なう部位は、ArgRの活性を低下または喪失することができる部位であれば限定されないが、ArgRへのL−アルギニンの結合領域中または該結合領域を含む領域であれば、該活性を効率よく低下または喪失させることができるので好ましい。
L−アルギニンの結合領域としては、例えば、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032のArgRをコードするDNAの塩基配列である配列番号19で表される塩基配列においては、第45〜240番目の領域をあげることができる。他の微生物のArgRをコードするDNAにおいても、該領域に相応する領域中またはその近傍がL−アルギニンの結合領域である。
置換、欠失または付加等を行なう塩基の数は、ArgRの活性を低下または喪失することができる数であれば限定されない。
宿主微生物への本発明のDNAの導入は、本発明の組換え体DNAを宿主微生物に導入することのできる方法であれば、いずれの方法を用いてもよい。
例えば、電気穿孔法〔Appl.Microbiol.Biotech.,52,541(1999)〕やプロトプラスト法〔J.Bacteriol.,159,306(1984)〕等をあげることができる。
野生型のArgBはL−アルギニンによりフィードバック阻害されるので、該フィードバック阻害が低減または解除されていない微生物は、アルギニンアナログであるアルギニンハイドロキサメートを含有する培地中では、該フィードバック阻害が低減または解除された微生物と比べて生育速度が遅い。また、ArgRの活性が低下または喪失していない微生物は、L−アルギニンの蓄積によりアルギニン・オペロンの転写が抑制され、ArgB発現量が低くなり、アルギニンハイドロキサメートを含有する培地中では、さらに生育速度が遅い。
したがって、上記方法により、本発明のDNAを宿主微生物に導入して得た微生物に本発明のDNAが導入されていることは、アルギニンハイドロキサメートを含有する培地中での生育速度を、該微生物と宿主微生物とで比較し、該微生物の生育速度が、宿主微生物と比べて向上していることをもって確認することができる。また、該微生物からプラスミドまたは染色体を常法により調製し、塩基配列を調べて確認することもできる。
該微生物のArgRの活性が低下または喪失していることは、該微生物および宿主微生物におけるアルギニン・オペロンの発現をノーザンハイブリダイゼーション法(モレキュラー・クローニング第3版)等を用いて比較することにより確認することができる。ノーザンハイブリダイゼーション法に用いるプローブは、アルギニン・オペロンを構成する遺伝子の塩基配列の一部または全部を有するDNAをあげることができる。例えば、上記で述べた、ArgBをコードするDNAをDNAライブラリーから選択するために用いられるDNAがあげられる。
また、宿主微生物としてアルギニン・オペロンにレポーター遺伝子を組み込んだ微生物を用いて、該レポーター遺伝子の発現量を宿主微生物と比較して確認することもできる。
本発明の微生物は、本発明のDNAを有し、ArgRの活性が低下または喪失した微生物であればいずれの微生物であってもよいが、本発明の微生物をL−オルニチンの製造に用いる場合は、L−アルギニンの生合成経路上の酵素であるオルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(EC:2.1.3.3、以下、ArgFという)の活性が親株と比べて低下または喪失している微生物であることが好ましい。ArgF活性が親株と比べて低下または喪失した株は、ArgBおよびArgRへ変異を導入する場合と同様に、突然変異処理により得てもよいし、ArgBやArgRに部位突然変異を導入する方法と同様な方法を用いてArgFをコードするDNAに塩基の置換、欠失または付加等を行って得てもよい。なお、ArgFをコードするDNAは公知であり、例えばDDBJ/GenBank/EMBLに記載の塩基配列情報を用いることができる。ArgFをコードするDNAとしては例えば、配列番号31で表される塩基配列を有するDNAをあげることができる。
また、本発明の微生物をL−シトルリンの製造に用いる場合は、L−アルギニンの生合成経路上の酵素であるアルギニノコハク酸シンターゼ(EC:6.3.4.5、以下、ArgGという)の活性が親株と比べて低下または喪失している微生物であることが好ましい。ArgG活性が親株と比べて低下または喪失した株は、ArgBおよびArgRへ変異を導入する場合と同様に、突然変異処理により得てもよいし、ArgBやArgRに部位突然変異を導入する方法と同様な方法を用いてArgGをコードするDNAに塩基の置換、欠失または付加等を行って得てもよい。なお、ArgGをコードするDNAは公知であり、例えばDDBJ/GenBank/EMBLに記載の塩基配列情報を用いることができる。ArgGをコードするDNAとしては例えば、配列番号32で表される塩基配列を有するDNAをあげることができる。
本発明の微生物を培地に培養し、培養物中にL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンを生成、蓄積させ、L−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンを採取することにより、L−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンを製造することができる。
本発明の微生物を培地に培養する方法は、微生物の培養に用いられる通常の方法であればいずれの方法でもよい。
培地としては、本発明の微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、微生物の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
炭素源としては、本発明の微生物が資化し得るものであればよく、グルコース、フラクトース、スクロース、マルトース、これらを含有する糖蜜、デンプンあるいはデンプン加水分解物等の炭水化物、酢酸、乳酸、コハク酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類等を用いることができる。
窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等の無機酸もしくは有機酸のアンモニウム塩、その他の含窒素化合物、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスティープリカー、カゼイン加水分解物、大豆粕、大豆粕加水分解物、各種発酵菌体、およびその消化物等を用いることができる。
無機塩としては、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。
その他、必要に応じて、ビオチン、チアミン、ニコチンアミド、ニコチン酸等の微量栄養源を加えることができる。これら微量栄養源は、肉エキス、酵母エキス、コーンスティープリカー、カザミノ酸等で代用することもできる。
培養は、振とう培養、深部通気撹拌培養等の好気的条件下で行う。培養温度は20〜42℃が好ましく、30〜40℃がさらに好ましい。培地のpHは5〜9の範囲で、中性付近に維持することが好ましい。培地のpHの調整は、無機あるいは有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニア、pH緩衝液等を用いて行う。
本発明の微生物の作製に用いた本発明の組換え体DNAが、誘導性のプロモーターを有している場合は、必要に応じて、該プロモーターに適したインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、組換え体DNAとして、lacプロモーターを有する組換え体DNAを用いた場合は、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド等を培地に添加してもよく、trpプロモーターを有する組換え体DNAを用いた場合はインドールアクリル酸等を培地に添加してもよい。
培養期間は通常1〜6日間であり、培養物中にL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンが生成、蓄積する。
培養終了後、培養物から菌体などの沈殿物を除去し、活性炭処理、イオン交換樹脂処理などの公知の方法を併用することにより、培養物中に蓄積したL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンを回収することができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
ArgBアミノ酸置換用プラスミドの造成
(1)相同組換え用ベクターの調製
カナマイシンに対する耐性を付与する遺伝子を有するプラスミドpHSG299〔Gene,61,63(1987)〕をPstIで処理し、切断部位にBacillus subtilisに由来するレバンシュークラーゼ遺伝子sacBを含む2.6キロベースペア(以下、kbと略す)のDNA断片〔Mol.Microbiol.,,1195(1992)〕を連結し、プラスミドpESB30を得た。
pESB30をBamHI(宝酒造社製)で処理し、アガロース・ゲル電気泳動し、GENECLEAN Kit(BIO 101社製)を用いて抽出、精製した。得られたDNA断片の両末端をDNAブランティングキット(DNA Blunting Kit、宝酒造社製)を用い、添付のプロトコールに従って平滑化した。平滑化したDNA断片をフェノール・クロロホルムで処理し、これをエタノール沈殿に供して濃縮した後、Taqポリメラーゼ(Roche Diagnosis社製)およびdTTP存在下で70℃、2時間反応させ、3’末端にチミンを1塩基付加して、プラスミドpESB30−Tを調製した。
(2)第26番目のアラニンがバリンに置換されたArgBをコードするDNAの調製
配列番号30で表される塩基配列の第19〜38番目の塩基配列を有するDNA(配列番号13で表される塩基配列からなるDNA)および配列番号30の第1027〜1047番目の塩基配列に相補的な配列を有するDNA(配列番号14で表される塩基配列からなるDNA)をDNA合成機を用いて合成した。
なお、配列番号30で表される塩基配列の第451〜1332番目の塩基配列は、コリネバクテリウム・グルタミカムのArgBである配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする領域である。該領域の塩基配列を配列番号2として示す。
また、配列番号2で表される塩基配列の77番目のシトシンをチミジンに置換した配列番号4で表される塩基配列(配列番号1で表されるアミノ酸配列の26番目のアラニンがバリンに置換された、配列番号3で表されるアミノ酸配列をコードする)の68〜89番目の塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNA(配列番号15で表される塩基配列からなるDNA)、および配列番号4で表される塩基配列の65〜87番目の塩基配列からなるDNA(配列番号16で表される塩基配列からなるDNA)をDNA合成機を用いて合成した。
斎藤らの方法〔Biochim.Biophys.Acta,72,619(1963)〕に準じてコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株の染色体DNAを調製し、該染色体DNAを鋳型とし、配列番号13で表される塩基配列からなるDNAと配列番号15で表される塩基配列からなるDNAとの組み合わせ、および配列番号14で表される塩基配列からなるDNAと配列番号16で表される塩基配列からなるDNAの組み合わせをそれぞれプライマーセットとし、Pfu turbo DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)および添付のバッファーを用いて2種類のPCRを行った。該PCRにより得られた2つの約0.5kbのPCR産物をそれぞれアガロース・ゲル電気泳動し、GENECLEAN Kit(BIO 101社製)を用いて抽出、精製した。
さらに、両精製物を鋳型とし、配列番号13で表される塩基配列からなるDNAと配列番号14で表される塩基配列からなるDNAをプライマーセットとしてPCRを行った。得られたPCR産物をアガロース・ゲル電気泳動した後、GENECLEAN Kitを用いて抽出、精製し、約1.0kbのDNA断片を得た。該DNA断片の塩基配列をシークエンサーを用いて決定し、該DNA断片は配列番号4で表される塩基配列を有していることを確認した。
(3)第31番目のメチオニンがバリンに置換されたArgBをコードするDNAの調製
配列番号2で表される塩基配列の91番目のアデニンをグアニンに置換した配列番号10で表される塩基配列(配列番号1で表されるアミノ酸配列の31番目のメチオニンがバリンに置換された配列をコード)の83〜102番目の塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNA(配列番号17で表される塩基配列からなるDNA)および配列番号10で表される塩基配列の79〜99番目の塩基配列からなるDNA(配列番号18で表される塩基配列からなるDNA)をDNA合成機を用いて合成した。
配列番号13で表される塩基配列からなるDNAと配列番号17で表される塩基配列を有するDNAとの組み合わせ、および配列番号14で表される塩基配列を有するDNAと配列番号18で表される塩基配列からなるDNAの組み合わせをそれぞれプライマーセットとして用いる以外は(2)と同様の操作を行ない、約1.0kbのDNA断片を取得した。
得られたDNA断片の塩基配列をシークエンサーを用いて決定したところ、該DNA断片は、配列番号10で表される塩基配列を有していることを確認した。
(4)ArgBの一アミノ酸置換用プラスミドの造成
上記(2)および(3)で得られた、配列番号4および10で表される塩基配列を有するDNA断片を、それぞれTaq polymerase(ベーリンガーマンハイム社製)およびdATP存在下で72℃、10分間処理し、それぞれのDNA断片の3’末端にアデニンを1塩基付加した。
プラスミドpESB30−T、および配列番号4または10で表される塩基配列を有するDNAを有するDNA断片にアデニン残基を付加したDNA断片をそれぞれ混合し、ライゲーションキットVer.1(宝酒造社製)を用い、リガーゼ反応を行った。反応産物を用い、常法によりEscherichia coli DH5α株(東洋紡社製)を形質転換した。該菌株を、20μg/mlのカナマイシンを含むLB寒天培地〔10gのバクトトリプトン(ディフコ社製)、5gの酵母エキス(ディフコ社製)、10gの塩化ナトリウム、16gのバクトアガー(ディフコ社製)を水1Lに含み、pH7.0に調整された培地〕上で培養し、形質転換株を選択した。該形質転換株を20μg/mlのカナマイシンを含むLB培地を用いて終夜培養し、得られた培養液からアルカリSDS法(モレキュラー・クローニング第3版)によりプラスミドを調製した。該プラスミドの塩基配列をシークエンサーを用いて決定し、それぞれのプラスミドに、pESB30−Tに配列番号4または10で表される塩基配列を有するDNAがそれぞれ挿入されていることを確認した。
これらのプラスミドのうち配列番号4で表される塩基配列を有するDNAを有するプラスミドをpEargB26と命名し、配列番号10で表される塩基配列を有するDNAを有するプラスミドをpEargB31と命名した。
(5)ArgBの二アミノ酸置換用プラスミドの造成
配列番号13で表される塩基配列からなるDNAと配列番号15で表される塩基配列からなるDNAとの組み合わせ、および配列番号14で表される塩基配列からなるDNAと配列番号16で表される塩基配列からなるDNAとの組み合わせをそれぞれプライマーセットとして用い、pEargB31を鋳型とする以外は、上記(2)と同様な操作を行ない、約1.0kbのDNA断片を得た。該DNA断片の塩基配列をシークエンサーを用いて決定したところ、該DNA断片は、配列番号12で表される塩基配列を有していた。
配列番号12で表される塩基配列を有するDNAを用いる以外は、上記(4)と同様の方法を用いて、pESB30−Tに配列番号12で表される塩基配列を有するDNAが組み込まれたプラスミドpEargB2631を得た。
なお、配列番号12で表されるDNAは、配列番号11で表されるアミノ酸配列をコードするDNAであって、配列番号1で表されるアミノ酸配列の第26番目のアラニンおよび第31番目のメチオニンがそれぞれバリンに置換されたアミノ酸配列をコードするDNAである。
染色体ArgBへのアミノ酸置換の導入
(1)野生株の染色体上のArgBへのアミノ酸置換の導入
実施例1で調製したプラスミドpEargB26、pEargB31およびpEargB2631をそれぞれ用い、レストらの方法〔Appl.Microbiol.Biotech.,52,541(1999)〕に準じて電気穿孔法によりコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株を形質転換し、カナマイシン耐性株を選択した。カナマイシン耐性株の中の1株から染色体を調製し、サザンハイブリダイゼーション法(モレキュラー・クローニング第3版)により調べた結果、それぞれの株の染色体にpEargB26、pEargB31およびpEargB2631がCampbellタイプの相同組換えにより組み込まれていることが確認された。このような株では、染色体上に元来存在しているArgBをコードするDNAと本発明のDNAが染色体上に近接して存在しており、その間で2回目の相同組換えが起こりやすくなっている。
sacBがコードするレバンシュークラーゼはショ糖を自殺基質に転換するので、sacBを有する微生物はショ糖を含有する培地において生育できない。しかし、元来染色体上に存在しているArgBをコードするDNAと本発明のDNAとの間で2回目の相同組換えが起こった株では、いずれかのDNAがsacBとともに欠失するので、ショ糖を含有する培地においても生育することができる。元来染色体上に存在しているArgBをコードするDNAが欠失した場合は、本発明のDNAが、宿主微生物の染色体上に元来存在していたArgBをコードするDNAと置換された微生物を取得することができる。
このことを利用して、上記形質転換株をSuc寒天培地〔100gのショ糖、7gの肉エキス、10gのペプトン、3gの塩化ナトリウム、5gの酵母エキス(ディフコ社製)、および15gのバクトアガー(ディフコ社製)を水1Lに含みpH7.2に調整した培地〕上に塗布し、30℃で1日間培養して生育するコロニーを選択した。
このようにして得られたコロニーより染色体DNAを調製し、該染色体DNAを鋳型とし、配列番号13で表される塩基配列からなるDNAと配列番号14で表される塩基配列からなるDNAをプライマーセットとし、Pfu turbo DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)と添付のバッファーを用いてPCRを行い、PCR産物の塩基配列をシークエンサーを用いて決定した。
このようにしてpEargB26を導入した株の中から染色体上のArgBをコードするDNAが配列番号4で表される塩基配列を有するDNAにより置換されている株を取得し、該株をB26株と命名した。
同様に、pEargB31を導入した株の中から染色体上のArgBをコードするDNAが配列番号10で表される塩基配列を有するDNAにより置換されている株を取得し、該株をB31株と命名した。
また、pEargB2631を導入した株の中から染色体上のArgBをコードするDNAが配列番号12で表される塩基配列を有するDNAにより置換されている株を取得し、該株をB2631株と命名した。
(2)ArgR内部配列欠失用プラスミドの造成
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株の染色体DNAを、斎藤らの方法〔Biochim.Biophys.Acta,72,619(1963)〕により調製した。
配列番号19で表される塩基配列(コリネバクテリウム・グルタミカムのArgRをコードするDNAの塩基配列)の第43〜62番目の塩基配列からなるDNA(配列番号20で表される塩基配列からなるDNA)、配列番号19で表される塩基配列の第1421〜1440番目の塩基配列の相補配列からなるDNA(配列番号21で表される塩基配列からなるDNA)、配列番号19で表される塩基配列の第539〜559番目の塩基配列にタグ配列を付加してなる塩基配列の相補配列からなるDNA(配列番号22で表される塩基配列からなるDNA)および配列番号19で表される塩基配列の第941〜961番目の塩基配列にタグ配列を付加してなる塩基配列からなるDNA(配列番号23で表される塩基配列からなるDNA)をDNA合成機を用いて合成した。
なお、配列番号19で表される塩基配列はコリネバクテリウム・グルタミカムArgRをコードするDNAの塩基配列を含む塩基配列である。調製した染色体DNAを鋳型とし、配列番号20で表される塩基配列からなるDNAと配列番号22で表される塩基配列からなるDNAとの組み合わせ、および配列番号21で表される塩基配列からなるDNAと配列番号23で表される塩基配列からなるDNAとの組み合わせをそれぞれプライマーセットとし、Pfu turbo DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)および添付のバッファーを用いて2種類のPCRを行った。該PCRにより得られた2つの約0.5kbのPCR産物をそれぞれアガロース・ゲル電気泳動し、GENECLEAN Kit(BIO 101社製)を用いて抽出、精製した。
さらに、両精製物を鋳型とし、配列番号20で表される塩基配列からなるDNAと配列番号21で表される塩基配列からなるDNAをプライマーセットとし、Pfu turbo DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)および添付のバッファーを用いてPCRを行った。得られたPCR産物をアガロース・ゲル電気泳動した後、GENECLEAN Kit(BIO 101社製)を用いて抽出、精製し、ArgRをコードする配列番号19で表される塩基配列の第560〜940番目の領域が欠失した、約1.0kbのDNA断片を取得した。
この断片を実施例1記載の方法に準じてプラスミドpESB30−Tに組み込んでプラスミドpEdel−argRを得た。
(3)ArgR内部配列欠失株の造成
プラスミドpEdel−argRを用いる以外は上記(1)と同様の方法により、コリネバクテリウムグルタミカム株ATCC13032株の染色体上のArgRをコードするDNAが配列番号19で表される塩基配列の第560〜940番目の領域が欠失したDNAで置換された株を取得した。得られた株をR株と命名した。
(4)ArgR内部配列欠失株の染色体上のArgBへのアミノ酸置換の導入
宿主としてR株を用い、プラスミドとしてpEargB26、pEargB31およびpEargB2631を用いる以外は、上記(1)と同様の方法により、染色体上のArgBをコードするDNAが、配列番号4、10または12で表される塩基配列を有するDNAで置換され、かつ染色体上のArgRをコードするDNAが配列番号19で表される塩基配列の第560〜940番目の領域が欠失したDNAで置換された株を取得した。それぞれの株をRB26株、RB31株およびRB2631株と命名した。
ArgBアミノ酸置換株によるL−アルギニン、L−オルニチンおよびL−シトルリン生産試験
実施例2で取得したB26株、B31株、B2631株、R株、RB26株、RB31株およびRB2631株をBY寒天培地(7gの肉エキス、10gのペプトン、3gの塩化ナトリウム、5gの酵母エキス、15gのバクトアガーを水1Lに含みpH7.2に調整した培地)で30℃、24時間培養した。
BY寒天培地上に生育した菌体をそれぞれ種培地(25gのショ糖、20gのコーンスティープリカー、20gのペプトン、10gの酵母エキス、0.5gの硫酸マグネシウム7水和物、2gのリン酸二水素カリウム、3gの尿素、8gの硫酸アンモニウム、1gの塩化ナトリウム、20mgのニコチン酸、10mgの硫酸鉄7水和物、10mgのパントテン酸カルシウム、1mgの硫酸亜鉛7水和物、1mgの硫酸銅5水和物、1mgのチアミン塩酸塩、100μgのビオチンを水1Lに含み水酸化ナトリウム水溶液によりpH7.2に調整後、炭酸カルシウムを10g加えた培地)6mlを含む試験管に植菌し、32℃で振盪しながら24時間培養した。
得られた種培養液2mLを、それぞれ本培養培地(60gのグルコース、5gのコーンスティープリカー、30gの硫酸アンモニウム、8gの塩化カリウム、2gの尿素、0.5gのリン酸二水素カリウム、0.5gのリン酸水素二カリウム、1gの硫酸マグネシウム7水和物、1gの塩化ナトリウム、20mgの硫酸鉄7水和物、20mgのニコチン酸、20mgのβ−アラニン、10mgの硫酸マンガン5水和物、10mgのチアミン塩酸塩、200μgのビオチンを水1Lに含み、水酸化ナトリウム水溶液によりpH7.7に調整後、炭酸カルシウムを30g加えた培地)20mLを含むバッフルつきフラスコに植菌し、32℃で振盪しながら48時間培養した。
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株を用いて同様の操作を行い、これをコントロールとした。
遠心分離により培養物から菌体を除去し、上清中のL−アルギニン、L−オルニチンおよびL−シトルリンの蓄積量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量した。結果を第1表に示す。
Figure 2006035831
第1表に示すとおり、ATCC13032株(コントロール)、B26株、B31株、B2631株およびR株ではL−アルギニン、L−オルニチンおよびL−シトルリンの生産は認められなかった。これに対して、RB26株、RB31株およびRB2631株では、L−アルギニン、L−オルニチンおよびL−シトルリンの生産が認められた。
ArgBにアミノ酸置換を有するL−オルニチン生産株の造成
(1)ArgF内部配列欠失用プラスミド造成用のDNA造成
配列番号31で表される塩基配列の第21〜43番目の塩基配列にタグ配列を付加した塩基配列からなるDNA(配列番号24で表される塩基配列からなるDNA)および配列番号31で表される塩基配列の第1366〜1385番目の塩基配列にタグ配列を付加した塩基配列の相補配列からなるDNA(配列番号25で表される塩基配列からなるDNA)をDNA合成機を用いて合成した。
配列番号31で表される塩基配列は、コリネバクテリウム・グルタミカムのArgFをコードするDNAの塩基配列を含む塩基配列である。
(2)ArgF内部配列欠失用プラスミドの造成1
斎藤らの方法〔Biochim.Biophys.Acta,72,619(1963)〕に準じてコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株の染色体DNAを調製した。
該染色体DNAを鋳型とし、配列番号24で表される塩基配列からなるDNAと配列番号25で表される塩基配列からなるDNAをそれぞれプライマーセットとし、Pfu turbo DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)および添付のバッファーを用いPCRを行った。PCRにより得られた約1.4kbのDNA断片を、BamHI(宝酒造社製)で処理し、アガロース・ゲル電気泳動し、GENECLEAN Kit(BIO 101社製)を用いて抽出、精製した。得られたDNA断片と、あらかじめBamHIによって切断したpUC119(宝酒造社製)とを混合し、ライゲーションキットVer.1(宝酒造社製)を用い、リガーゼ反応を行った。
該反応産物を用い、モレキュラー・クローニング第3版記載の方法に準じてエシェリヒア・コリDH5α株(東洋紡社製)を形質転換した。該菌株を、50μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天培地上で培養し、形質転換株を選択した。該形質転換株を50μg/mlのアンピシリンを含むLB培地を用い終夜培養し、得られた培養液からアルカリSDS法(モレキュラー・クローニング第3版)記載の方法に準じてプラスミドを調製した。該プラスミドをNcoIにより切断した後、ライゲーションキットVer.1(宝酒造社製)を用いリガーゼ反応を行って自己環状化させ、エシェリヒア・コリDH5α株を形質転換し、得られた形質転換体からプラスミドを調製した。該プラスミドの構造を制限酵素を用いて調べたところ、該プラスミドは、ArgFをコードするDNAにおいて369塩基対が欠失したDNA断片を含むことを確認した。
(3)ArgF内部配列欠失用プラスミドの造成2
このプラスミドを鋳型とし、配列番号24で表される塩基配列からなるDNAおよび配列番号25で表される塩基配列からなるDNAをプライマーセットとし、Pfu turbo DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)および添付のバッファーを用いてPCRを行い、約1.0kbのDNA断片を得た。該DNA断片をTaq DNA polymerase(ベーリンガーマンハイム社製)およびdATP存在下で72℃、10分間反応させ、3’末端にアデニンを1塩基付加した。実施例1で調製したpESB30−Tおよびアデニンを付加したDNA断片およびライゲーションキットVer.1(宝酒造社製)を用い、リガーゼ反応を行った。得られたプラスミドをpEargFと命名した。
(4)ArgBにアミノ酸置換を有するArgF内部配列欠失株の造成
宿主としてB26株、B31株、R株、RB26株、RB31株、およびATCC13032株を用い、プラスミドとしてpEargFを用いる以外は実施例2(1)と同様の操作を行い、それぞれの株について、染色体上のArgFをコードするDNA内が、該DNA内の369塩基対が欠失したDNAに置換された株を得、それぞれFB26株、FB31株、FR株、FRB26株、FRB31株およびF株と命名した。
ArgBにアミノ酸置換を有するArgF内部配列欠失株によるL−オルニチン生産試験
実施例4で調製したFB26株、FB31株、FR株、FRB26株、FRB31株およびF株ならびにATCC13032株を、BY寒天培地で30℃で24時間培養し、各菌株をそれぞれ種培地(25gのグルコース、0.5gのリン酸二水素カリウム、1.5gのリン酸水素二カリウム、0.5gの硫酸マグネシウム、20gのペプトン、3gの尿素、50μgのビオチン、0.3gのL−アルギニンを水1Lに含み、炭酸カルシウムを10g加えた培地)6mlを含む試験管に植菌し、32℃で振盪しながら24時間培養した。得られた種培養液2mLを、それぞれ本培養培地(100gのグルコース、30gの硫酸アンモニウム、0.6gの硫酸マグネシウム、0.5gのリン酸二水素カリウム、0.25gのL−アルギニン、16mgの硫酸鉄7水和物、16mgの硫酸マンガン5水和物、4.9mgの硫酸亜鉛7水和物、4.9mgの硫酸銅5水和物、16mgの塩化カルシウム、16mgのβ−アラニン、8mgのチアミン塩酸塩、180μgのビオチン、16gのコーンスティープリカーを水930mLに含み水酸化ナトリウム水溶液によりpH7.2に調整後、炭酸カルシウムを30g加えた培地)20mLを含むバッフルつきフラスコに植菌し、32℃で振盪しながら48時間培養した。
遠心分離により培養物から菌体を除去し、上清中のL−オルニチンの蓄積量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量した。結果を第2表に示す。
Figure 2006035831
第2表から明らかなように、配列番号4で表される塩基配列を有するDNAを有し、かつArgFおよびArgR内に欠失を有するFRB26株および配列番号10で表される塩基配列を有するDNAを有し、かつArgFおよびArgR内に欠失を有するFRB31株によるL−オルニチンの生産量は他の株によるL−オルニチンの生産量と比べて明らかに高かった。
ArgBの第26番目のアラニンがロイシンまたはイソロイシンに置換したArgR内部配列欠失株の造成
(1)ArgBの一アミノ酸置換用プラスミドの造成
配列番号2で表される塩基配列の第76〜78番目の領域をctgに置換した配列番号6で表される塩基配列(配列番号1で表されるアミノ酸配列の26番目のアラニンがロイシンに置換された、配列番号5で表されるアミノ酸配列をコード)の68〜89番目の塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNA(配列番号26で表される塩基配列からなるDNA)、および配列番号6で表される塩基配列の65〜87番目の塩基配列からなるDNA(配列番号27で表される塩基配列からなるDNA)をDNA合成機を用いて合成した。
同様に、配列番号2で表される塩基配列の第76〜78番目の領域をatcに置換した配列番号8で表される塩基配列(配列番号1で表されるアミノ酸配列の26番目のアラニンがイソロイシンに置換された、配列番号7で表されるアミノ酸配列をコード)の68〜89番目の塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNA(配列番号28で表される塩基配列からなるDNA)、および配列番号8で表される塩基配列の65〜87番目の塩基配列からなるDNA(配列番号29で表される塩基配列からなるDNA)をDNA合成機を用いて合成した。
実施例1の(2)において、配列番号15および16で表される塩基配列からなるDNAのかわりに配列番号26および27で表される塩基配列からなるDNAを用いる以外は同様の操作を行ない、配列番号6で表され塩基配列を有するDNAを有する約1.0kbのDNA断片を取得した。また、実施例1の(2)において、配列番号15および16で表される塩基配列からなるDNAのかわりに配列番号28および29で表される塩基配列からなるDNAを用いる以外は同様の操作を行ない、配列番号8で表され塩基配列を有するDNAを有する約1.0kbのDNA断片を取得した。
実施例1の(4)において、配列番号4または10で表される塩基配列を有するDNAを有するDNA断片のかわりに、配列番号6または8で表される塩基配列を有するDNAを有するDNA断片を用いる以外は同様の操作を行ない、プラスミドpESB30−Tに、配列番号6または8で表される塩基配列を有するDNAが組み込まれたプラスミドを取得した。それぞれのプラスミドをpEargB26LおよびpEargB26Iと命名した。
(2)ArgR内部配列欠失株へのArgB−アミノ酸置換の導入
宿主としてR株を用い、プラスミドとしてpEargB26LおよびpEargB26Iを用いる以外は、実施例2(1)と同様の操作を行ない、R株において染色体上のArgBをコードするDNAが配列番号6で表される塩基配列を有するDNAに置換された株および染色体上のArgBをコードするDNAが配列番号8で表される塩基配列を有するDNAに置換された株をそれぞれ取得した。それぞれの株を、RB26L株、RB26I株と命名した。
(3)ArgBアミノ酸置換およびArgR内部配列欠失株によるL−アルギニン、L−オルニチンおよびL−シトルリン生産試験
RB26株、RB26L株およびRB26I株を用いる以外は、実施例3と同様の方法でこれらの株のL−アルギニン、L−オルニチンおよびL−シトルリンの生産性を調べた。
結果を第3表に示す。
Figure 2006035831
第3表から明らかなように、配列番号6で表される塩基配列を有するDNAを有するRB26L株および配列番号8で表される塩基配列を有するDNAを有するRB26I株のいずれも配列番号4で表される塩基配列を有するDNAを有するRB26と同様に、L−アルギニン、L−オルニチンおよびL−シトルリンを生産した。なお、RB26L株およびRB26I株によるこれらのアミノ酸の生産量は、RB26株による生産量より高かった。
ArgBアミノ酸置換およびArgG内部配列欠失株によるL−シトルリン生産
コリネバクテリウム・グルタミカムのArgGをコードするDNAの塩基配列を含む配列番号32で表される塩基配列をもとにプライマーを合成し、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株の染色体DNAを鋳型としてPCRを行い、ArgGをコードするDNAにおいて約400塩基対が欠失したDNA断片を含むプラスミドを構築する。
該プラスミドからArgGをコードするDNAにおいて約400塩基対が欠失したDNA断片を調製し、該DNA断片の3’末端にアデニンを1塩基付加する。実施例1で調製したpESB30−T、アデニンを付加したDNA断片およびライゲーションキットVer.1(宝酒造社製)を用いてリガーゼ反応を行って得られるプラスミドをpEargGとする。
以上の方法は実施例4記載の方法に準じて行なうことができる。
宿主としてB26株、B31株、R株、RB26株、RB31株、およびATCC13032株を用い、プラスミドとしてpEargGを用いる以外は実施例2(1)と同様の操作を行い、それぞれの株について、染色体上のArgGをコードするDNA内が、該DNA内の約400塩基対が欠失したDNAに置換された株を調製し、それぞれGB26株、GB31株、GR株、GRB26株、GRB31株およびG株とする。
GB26株、GB31株、GR株、GRB26株、GRB31株およびG株ならびにATCC13032株を、BY寒天培地で30℃で24時間培養し、各菌株をそれぞれ種培地(25gのグルコース、0.5gのリン酸二水素カリウム、1.5gのリン酸水素二カリウム、0.5gの硫酸マグネシウム、20gのペプトン、3gの尿素、50μgのビオチン、0.3gのL−アルギニンを水1Lに含み、炭酸カルシウムを10g加えた培地)6mlを含む試験管に植菌し、32℃で振盪しながら24時間培養する。培養により得られる種培養液2mLを、それぞれ本培養培地(100gのグルコース、30gの硫酸アンモニウム、0.6gの硫酸マグネシウム、0.5gのリン酸二水素カリウム、0.25gのL−アルギニン、16mgの硫酸鉄7水和物、16mgの硫酸マンガン5水和物、4.9mgの硫酸亜鉛7水和物、4.9mgの硫酸銅5水和物、16mgの塩化カルシウム、16mgのβ−アラニン、8mgのチアミン塩酸塩、180μgのビオチン、16gのコーンスティープリカーを水930mLに含み水酸化ナトリウム水溶液によりpH7.2に調整後、炭酸カルシウムを30g加えた培地)20mLを含むバッフルつきフラスコに植菌し、32℃で振盪しながら48時間培養する。
遠心分離により培養物から菌体を除去し、上清中のL−シトルリンの蓄積量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量する。
本発明によれば、改変されたN−アセチルグルタミン酸キナーゼおよびそれらをコードするDNAが得られ、該DNAを有する微生物を用いることにより、L−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンを効率的に生産することができる。
配列番号13−人工配列の説明:合成DNA
配列番号14−人工配列の説明:合成DNA
配列番号15−人工配列の説明:合成DNA
配列番号16−人工配列の説明:合成DNA
配列番号17−人工配列の説明:合成DNA
配列番号18−人工配列の説明:合成DNA
配列番号20−人工配列の説明:合成DNA
配列番号21−人工配列の説明:合成DNA
配列番号22−人工配列の説明:合成DNA
配列番号23−人工配列の説明:合成DNA
配列番号24−人工配列の説明:合成DNA
配列番号25−人工配列の説明:合成DNA
配列番号26−人工配列の説明:合成DNA
配列番号27−人工配列の説明:合成DNA
配列番号28−人工配列の説明:合成DNA
配列番号29−人工配列の説明:合成DNA

Claims (18)

  1. (i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第20〜38番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列、または
    (ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第20〜38番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が置換され、かつ第1〜19番目または39〜294番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列
    を有し、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチド。
  2. (i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26〜31番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列、または
    (ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26〜31番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が置換され、かつ第1〜25番目または第32〜294番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列
    を有し、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチド。
  3. (i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26または31番目のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列、
    (ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26および31番目のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列、または
    (iii)上記(i)または(ii)のアミノ酸配列において、置換された部位以外の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列
    を有し、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチド。
  4. (i)配列番号3、5、7、9および11で表されるアミノ酸配列から選ばれるアミノ酸配列、
    (ii)配列番号3、5および7で表されるアミノ酸配列から選ばれるアミノ酸配列において、それぞれの配列の第26番目のアミノ酸以外のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列、
    (iii)配列番号9で表されるアミノ酸配列において、第31番目のアミノ酸以外のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列、または
    (iv)配列番号11で表されるアミノ酸配列において、第26および31番目のアミノ酸以外のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列
    を有し、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチド。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードするDNA。
  6. 配列番号4、6、8、10および12で表される塩基配列から選ばれる塩基配列を有するDNA。
  7. 配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ
    (i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−アラニン以外のアミノ酸であるポリペプチドをコードするDNA、
    (ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−メチオニン以外のアミノ酸であるポリペプチドをコードするDNA、または
    (iii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−アラニン以外のアミノ酸であり、かつ第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−メチオニン以外のアミノ酸であるポリペプチドをコードするDNA
    であり、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
  8. 配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリン、L−ロイシンまたはL−イソロイシンであり、第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリンである、請求項7記載のDNA。
  9. 配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ
    (i)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第76〜78番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−チミジン、シトシン−チミジン−グアニン、もしくはアデニン−チミジン−シトシンである塩基配列を有するDNA、
    (ii)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第91〜93番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−グアニンである塩基配列を有するDNA、または
    (iii)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第76〜78番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−チミジン、シトシン−チミジン−グアニン、もしくはアデニン−チミジン−シトシンであり、かつ第91〜93番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−グアニンである塩基配列を有するDNA
    であり、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
  10. 請求項5〜9のいずれか1項に記載のDNAをベクターに組み込んで得られる組換え体DNA。
  11. 請求項10記載の組換え体DNAを導入して得られる微生物。
  12. 請求項5〜9のいずれか1項に記載のDNAを有する微生物。
  13. アルギニン・リプレッサーのアルギニン・オペロンの転写抑制活性が低下または喪失していることを特徴とする請求項11または12記載の微生物。
  14. オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ活性が低下または喪失していることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の微生物。
  15. アルギニノコハク酸シンターゼ活性が低下または喪失していることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の微生物。
  16. 微生物がコリネバクテリウム属に属する微生物である、請求項11〜15のいずれか1項に記載の微生物。
  17. 微生物がコリネバクテリウム・グルタミカムに属する微生物である、請求項11〜16のいずれか1項に記載の微生物。
  18. 請求項11〜17のいずれか1項に記載の微生物を培地に培養し、培養物中にL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンを生成、蓄積させ、該培養物からL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンを採取することを特徴とするL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンの製造法。
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