JPWO2013154182A1 - アミノ酸の製造法 - Google Patents

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Abstract

親株の染色体DNA上に存在する、L−アルギニン、L−シトルリンまたはL−オルニチンの取り込み活性を有する蛋白質をコードする1以上の遺伝子に1以上の塩基の欠失、置換または付加が導入されたことにより、親株に比べL−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれる1以上のアミノ酸の取り込み活性が低下または喪失しており、かつ該アミノ酸を生産することができるコリネ型細菌を培地に培養し、培養物中に該アミノ酸を生成蓄積させ、該培養物中から該アミノ酸を採取することにより、該アミノ酸を効率よく製造することができる。

Description

本発明は、L−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれる1以上のアミノ酸を生成蓄積する能力を有するコリネ型細菌を用いた該アミノ酸の製造法に関する。
アミノ酸の発酵生産において、アミノ酸の細胞内への取り込み活性を低下または喪失させると、微生物の細胞外に排出されたアミノ酸が、再度細胞内に取り込まれて代謝されることを防ぐことができることから、その生産性が向上することが知られている。
例えば、L−グルタミン酸においては、L−グルタミン酸の細胞内への取り込み活性を低下または喪失させたコリネバクテリウム・グルタミカムを用いた、L−グルタミン酸の製造法が報告されている(特許文献1)。また、芳香族アミノ酸においては、芳香族アミノ酸の細胞内への取り込み活性を低下または喪失させたコリネバクテリウム・グルタミカムを用いた、芳香族アミノ酸の製造法が報告されている(特許文献2)。
アミノ酸の細胞内への取り込み活性を有する蛋白質としては、大腸菌においては、L−アルギニンの細胞内へのペリプラズム結合タンパク質依存型の取込み蛋白質が3種類同定されている(非特許文献1)。
コリネ型細菌においては、L−メチオニンおよびL−アラニン(非特許文献2)、L−グルタミン酸(非特許文献3および非特許文献4)、L−イソロイシン(非特許文献5)、芳香族アミノ酸(非特許文献6)、L−リジン(非特許文献7)などのアミノ酸の細胞内への取込み活性を有する蛋白質が報告されている。
しかしながら、コリネバクテリウム・グルタミカムのNCgl1278、NCgl1277およびNCgl1276については、非特許文献8においては、それぞれ、BAB98725、BAB98724、BAB98723と命名され、既知のアミノ酸配列の相同性にもとづいて、ATP結合カセット(ABC)スーパーファミリーに分類されるとの記述がなされているのみであり、これらの蛋白質がアミノ酸の取り込み活性を有するとの報告はない。また、これらの蛋白質の活性を低下または喪失させることにより、アミノ酸の生産性が向上したという報告もない。
特開2000−270872号公報 特許第3036819号公報
THE JOURNAL OF MOLECULAR BIOLOGY、2007、第373巻、P251〜P267. BIOCHEMISTRY、2008年、第47巻、第48号、p12698〜p12709. APPLLIED MICROBIOLOGY AND BIOTECHNOLOGY、2003年、第60巻、第6号、p738〜p742. THE JOURNAL OF BACTERIOLOGY、1995年、第177巻、第5号、p1152〜p1158. ARCHIVES OF MICROBIOLOGY、1998年、第169巻、第4号、p303〜p312. THE JOURNAL OF BACTERIOLOGY、1995年、第177巻、第20号、p5991〜p5993. MOLECULAR MICROBIOLOGY、1991年、第5巻、第12号、p2995〜p3005. HANDBOOK OF CORYNEBACTERIUM GLUTAMICUM、2005年、p165、EDITED BY L. EGGELING AND M. BOTT、CRC PRESS.
本発明は、コリネ型細菌のL−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれる1以上のアミノ酸の取り込み活性を低下または喪失させることにより、該アミノ酸の生産効率を向上させることを課題とする。
本発明は以下の(1)〜(4)に関する。
(1)親株の染色体DNA上に存在する、以下の[1]〜[6]からなる群より選ばれる蛋白質をコードする1以上の遺伝子に1以上の塩基の欠失、置換または付加が導入されたことにより、親株に比べL−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれる1以上のアミノ酸の取り込み活性が低下または喪失しており、かつ該アミノ酸を生産することができるコリネ型細菌を培地に培養し、培養物中に該アミノ酸を生成蓄積させ、該培養物中から該アミノ酸を採取することを特徴とする該アミノ酸の製造法。
[1]配列番号2で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質
[2]配列番号3で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質
[3]配列番号4で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質
[4]配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、該アミノ酸の取り込み活性を有する蛋白質
[5]配列番号3で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、該アミノ酸の取り込み活性を有する蛋白質
[6]配列番号4で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、該アミノ酸の取り込み活性を有する蛋白質
(2)親株の染色体DNA上に存在する、上記(1)の[1]〜[6]からなる群より選ばれる蛋白質をコードする1以上の遺伝子に1以上の塩基の欠失、置換または付加が導入されたことにより、親株に比べL−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれる1以上のアミノ酸の取り込み活性が低下または喪失しており、かつ該アミノ酸を生産することができるコリネ型細菌が、親株の染色体DNA上に存在する、以下の[7]〜[9]からなる群より選ばれるDNAに1以上の塩基の欠失、置換または付加が導入されたコリネ型細菌であることを特徴とする上記(1)記載の製造法。
[7]配列番号1で表される塩基配列を有するDNA
[8]配列番号1で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、該アミノ酸の取り込み活性を有する蛋白質をコードするDNA
[9]配列番号1で表される塩基配列と80%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、該アミノ酸の取り込み活性を有する蛋白質をコードするDNA
(3)コリネ型細菌がコリネバクテリウム・グルタミカムである上記(1)または(2)記載の製造法。
(4)アミノ酸がL−アルギニンまたはL−シトルリンである上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の製造法。
本発明により、親株に比べL−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれる1以上のアミノ酸の取り込み活性が低下、または喪失していることにより、該アミノ酸の生産性が向上したコリネ型細菌を用いた該アミノ酸の製造方法が提供される。
1.本発明に用いられるコリネ型細菌
本発明に用いられるコリネ型細菌は、親株の染色体DNA上に存在する、以下の[1]〜[6]からなる群より選ばれる蛋白質をコードする1以上の遺伝子に1以上の塩基の欠失、置換または付加が導入されたことにより、親株に比べL−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれる1以上のアミノ酸の取り込み活性が低下または喪失しており、かつ該アミノ酸を生産することができるコリネ型細菌である。
[1]配列番号2で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質
[2]配列番号3で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質
[3]配列番号4で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質
[4]配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、該アミノ酸の取り込み活性を有する蛋白質
[5]配列番号3で表されるアミノ酸配列と80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、該アミノ酸の取り込み活性を有する蛋白質
[6]配列番号4で表されるアミノ酸配列と80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、該アミノ酸の取り込み活性を有する蛋白質
さらに、本発明に用いられるコリネ型細菌としては、親株の染色体DNA上に存在する、以下の[7]〜[9]からなる群より選ばれるDNAに1以上の塩基の欠失、置換または付加が導入されたことにより、親株に比べ該アミノ酸の取り込み活性が低下または喪失しており、かつ該アミノ酸を生産することができるコリネ型細菌を挙げることができる。
[7]配列番号1で表される塩基配列を有するDNA
[8]配列番号1で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、該アミノ酸の取り込み活性を有する蛋白質をコードするDNA
[9]配列番号1で表される塩基配列と80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、該アミノ酸の取り込み活性を有する蛋白質をコードするDNA
配列番号2、3および4で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質は、配列番号1の301〜1164、1312〜2157、および2173〜2925で表される塩基配列からなるDNAによりそれぞれコードされている。
本明細書において遺伝子とは、蛋白質のコーディング領域に加え、転写調節領域およびプロモーター領域などを含んでもよいDNAである。
転写調節領域としては、染色体DNA上におけるコーディング領域の5’末端より上流側100塩基、好ましくは50塩基からなるDNAをあげることができ、プロモーター領域としては、-10および-35領域に相当する領域をあげることができる。
親株に比べL−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれる1以上のアミノ酸の取り込み活性が低下または喪失しており、かつ該アミノ酸を生産することができるコリネ型細菌は、親株の染色体DNA上に存在する、上記[1]〜[6]からなる群より選ばれる蛋白質をコードする1以上の遺伝子、または上記[7]〜[9]からなる群より選ばれるDNAに1以上の塩基の欠失、置換または付加を導入することにより得られる、(a)親株に比べ、該遺伝子または該DNAによりコードされる蛋白質の比活性が80%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下、最も好ましくは0%に低下したコリネ型細菌、および(b)親株に比べ、該遺伝子もしくは該DNAの転写量、または該遺伝子もしくは該DNAによりコードされる蛋白質の生産量が80%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下、最も好ましくは0%に低下したコリネ型細菌をあげることができる。より好ましくは該遺伝子または該DNAの一部または全部が欠損したコリネ型細菌をあげることができる。
親株の染色体DNA上に存在する、上記[1]〜[6]からなる群より選ばれる蛋白質をコードする1以上の遺伝子、または上記[7]〜[9]からなる群より選ばれるDNAへの、1以上の塩基の欠失、置換または付加の導入は、親株に比べ、該遺伝子または該DNAによりコードされる蛋白質の取り込み活性を低下または喪失させる1以上の塩基の欠失、置換または付加であれば、塩基の種類および数に制限はないが、塩基の欠失としては、プロモーターおよび転写調節領域は、1塩基以上、好ましくは10塩基以上、より好ましくは20塩基以上、さらに好ましくは全部の領域の欠失、コーディング領域は、1塩基以上、好ましくは10塩基以上、より好ましくは20塩基以上、さらに好ましくは100塩基以上、特に好ましくは200塩基以上、最も好ましくはコーディング領域全部の欠失をあげることができる。
1以上の塩基の置換としては、コーディング領域の5’末端から150番目以内の塩基、好ましくは100番目以内の塩基、より好ましくは50番目以内の塩基、特に好ましくは30番目以内の塩基、最も好ましくは20番目以内の塩基を置換してナンセンスコドンを導入する置換をあげることができる。
1以上の塩基の付加としては、コーディング領域の5’末端から150番目以内の塩基、好ましくは100番目以内の塩基、より好ましくは50番目以内の塩基、特に好ましくは30番目以内の塩基、最も好ましくは20番目以内の塩基の直後に、1塩基以上、好ましくは50塩基以上、より好ましくは100塩基以上、さらに好ましくは200塩基以上、特に好ましくは500塩基以上、最も好ましくは1kb以上のDNA断片を付加することをあげることができ、最も好ましくはクロラムフェニコール耐性遺伝子およびカナマイシン耐性遺伝子などの挿入をあげることができる。
本明細書において、L−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれる1以上のアミノ酸の取り込み活性とは、L−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれる1以上のアミノ酸を、好ましくは、L−アルギニンまたはL−シトルリンを、より好ましくは、L−アルギニンをコリネ型細菌の細胞外から細胞内に取り込む活性をいう。
親株に比べ、該アミノ酸の取り込み活性が低下していることは、上記[1]〜[6]からなる群より選ばれる蛋白質をコードする1以上の遺伝子、または上記[7]〜[9]からなる群より選ばれるDNAの転写物量をノーザン解析もしくはRT−PCRで定量し、親株と比較する、または、該遺伝子または該DNAによりコードされる蛋白質の生産量をSDS−PAGEもしくは抗体を用いたアッセイにより定量し、親株と比較する、などにより確認することができる。
また、該アミノ酸を単一の炭素源として寒天培地上で培養したときに、一定時間後のコロニーの直径が親株と比較して小さいことをもって、または、生育しないことをもって、親株に比べ、該アミノ酸の取り込み活性が低下または喪失したことを確認することができる。
アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST [PROCEEDINGS OF THE NATIONAL ACADEMY OF SCIENCES、1993年、第90巻、第12号、p5873〜p5877.]やFASTA [METHODS IN ENZYMOLOGY、1990年、第183巻、p63〜p98.]を用いて決定することができる。このアルゴリズムBLASTに基づいて、BLASTNやBLASTXとよばれるプログラムが開発されている[JOURNAL OF MOLECULAR BIOLOGY、1990年、第215巻、p403〜p410.]。BLASTに基づいてBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメーターは例えばScore=100、wordlength=12とする。また、BLASTに基づいてBLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は良く知られている。
上記でいう「ハイブリダイズする」とは、特定の条件下で特定の塩基配列を有するDNAまたは該DNAの一部にDNAがハイブリダイズすることをいう。したがって、該特定の塩基配列を有するDNAまたは該DNAの一部の塩基配列は、ノーザンまたはサザンブロット解析のプローブとして有用であるか、またはPCR解析のオリゴヌクレオチドプライマーとして使用できる長さのDNAであってもよい。プローブとして用いるDNAとしては、少なくとも100塩基以上、好ましくは200塩基以上、より好ましくは500塩基以上のDNAをあげることができるが、少なくとも10塩基以上、好ましくは15塩基以上のDNAであってもよい。
DNAのハイブリダイゼーション実験の方法はよく知られており、例えばモレキュラー・クローニング第2版、第3版(2001年)、METHODS FOR GENERAL AND MOLECULAR BACTERIOLGY、ASM PRESS(1994年)、IMMUNOLOGY METHODS MANUAL, ACADEMIC PRESS(MOLECULAR)に記載の他、多数の他の標準的な教科書に従ってハイブリダイゼーションの条件を決定し、実験を行うことができる。
また、市販のハイブリダイゼーションキットに付属した説明書に従うことによっても、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを取得することができる。市販のハイブリダイゼーションキットとしては、例えばランダムプライム法によりプローブを作製し、ストリンジェントな条件でハイブリダイゼーションを行うランダムプライムドDNAラベリングキット(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)などをあげることができる。
上記のストリンジェントな条件とは、例えばDNAを固定化したフィルターとプローブDNAとを50%ホルムアミド、5×SSC(750mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハルト溶液、10%の硫酸デキストラン、および20μg/Lの変性させたサケ精子DNAを含む溶液中に42℃で一晩、インキュベートした後、例えば約65℃の0.2×SSC溶液中で該フィルターを洗浄する条件をあげることができる。
上記した様々な条件は、ハイブリダイゼーション実験のバックグラウンドを抑えるために用いるブロッキング試薬を添加、または変更することにより設定することもできる。上記したブロッキング試薬の添加は、条件を適合させるために、ハイブリダイゼーション条件の変更を伴ってもよい。
上記したストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能なDNAとしては、例えば上記したBLASTおよびFASTA等のプログラムを用いて、上記パラメーターに基づいて計算したときに、配列番号1で表される塩基配列と少なくとも80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNAをあげることができる。
本明細書において親株とは、遺伝子改変、および形質転換等の対象となる元株のことをいう。遺伝子導入による形質転換の対象となる元株は宿主株ともいう。
該アミノ酸を生産することができるとは、本発明に用いるコリネ型細菌を培地に培養したときに、該アミノ酸を細胞または培地から回収できる程度に生産する能力を有することをいう。
該アミノ酸を生産することができるコリネ型細菌としては、親株が当該性質を元来有している場合はその性質が強化されたコリネ型細菌、親株が当該性質を有していない場合は、当該性質を人工的に付与したコリネ型細菌をあげることができる。
本発明で用いられるコリネ型細菌としては、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、またはミクロバクテリウム(Microbacterium)属に属するコリネ型細菌をあげることができる。
コリネバクテリウム属に属する微生物としては、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム(Corynebacterium acetoacidophilum)、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム(Corynebacterium acetoglutamicum)、コリネバクテリウム・カルナエ(Corynebacterium callunae)、コリネバクテリウム・ハーキュリス(Corynebacterium herculis)、コリネバクテリウム・リリウム(Corynebacterium lilium)、コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium melassecola)、コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス(Corynebacterium thermoaminogenes)等をあげることができ、具体的には、Corynebacterium glutamicum ATCC13032、Corynebacterium glutamicum ATCC13060、Corynebacterium glutamicum ATCC13826(旧属種Brevibacterium flavum)、Corynebacterium glutamicum ATCC14020(旧属種Brevibacterium divaricatum)、Corynebacterium glutamicum ATCC13869(旧属種Brevibacterium lactofermentum)、Corynebacterium acetoacidophilum ATCC13870、Corynebacterium acetoglutamicum ATCC15806、Corynebacterium callunae ATCC15991、Corynebacterium herculis ATCC13868、Corynebacterium lilium ATCC15990、Corynebacterium melassecola ATCC17965、Corynebacterium thermoaminogenes ATCC9244等をあげることができる。
ブレビバクテリウム属に属する微生物としては、ブレビバクテリウム・サッカロリティカム(Brevibacterium saccharolyticum)、ブレビバクテリウム・イマリオフィラム(Brevibacterium immariophilum)、ブレビバクテリウム・ロゼウム(Brevibacterium roseum)、ブレビバクテリウム・チオゲニタリス(Brevibacterium thiogenitalis)等をあげることができ、具体的には、Brevibacterium saccharolyticum ATCC14066、Brevibacterium immariophilum ATCC14068、Brevibacterium roseum ATCC13825、Brevibacterium thiogenitalis ATCC19240等をあげることができる。
ミクロバクテリウム属に属する微生物としては、ミクロバクテリウム・アンモニアフィラム(Microbacterium ammoniaphilum)等をあげることができ、具体的には、Microbacterium ammoniaphilumATCC15354等をあげることができる。
2.本発明で用いられるコリネ型細菌の製造法
本発明で用いられるコリネ型細菌は、親株の染色体DNA上に存在する、上記[1]〜[6]からなる群より選ばれる蛋白質をコードする1以上の遺伝子、または上記[7]〜[9]からなる群より選ばれるDNAに1以上の塩基の欠失、置換または付加を導入することにより、L−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれる1以上のアミノ酸の生産量が親株に比べ向上したコリネ型細菌を選択することにより製造することができる。
親株の染色体DNA上に存在する遺伝子への1以上の塩基の欠失、置換または付加の導入は、通常の突然変異処理法、組換えDNA技術等による遺伝子置換法、細胞融合法、あるいは形質導入法等の、コリネ型細菌の染色体DNAに変異を導入することができる方法であれば限定されない。
親株は、該アミノ酸を生産する能力を有しており、かつ該アミノ酸の取り込み活性を有するコリネ型細菌であれば、野生株であってもよいし、該野生株から人工的に育種された育種株であってもよい。
コリネ型細菌に該アミノ酸を生成する能力を人工的に付与する方法としては、
(a)該アミノ酸の生合成を制御する機構の少なくとも1つを緩和又は解除する方法、
(b)該アミノ酸の生合成に関与する酵素の少なくとも1つを発現強化する方法、
(c)該アミノ酸の生合成に関与する酵素遺伝子の少なくとも1つのコピー数を増加させる方法、
(d)該アミノ酸の生合成経路から該目的物質以外の代謝産物へ分岐する代謝経路の少なくとも1つを弱化又は遮断する方法、及び
(e)野生型株に比べ、該アミノ酸のアナログに対する耐性度が高い細胞株を選択する方法、
などをあげることができ、上記公知の方法は単独又は組み合わせて用いることができる。
上記(a)〜(e)のいずれか、又は組み合わせた方法による該アミノ酸を生産する能力を有するコリネ型細菌の調製方法については、Biotechnology 2nd ed., Vol.6, Products of Primary Metabolism (VCH Verlagsgesellschaft mbH, Weinheim, 1996) section 14a, 14bやAdvances in Biochemical Engineering/ Biotechnology, 79, 1-35 (2003)、Agric. Biol. Chem., 51, 2089-2094(1987)、アミノ酸発酵、学会出版センター、相田 浩ら(1986)に多くの例が記載されており、また上記以外にも具体的なアミノ酸を生産する能力を有するコリネ型細菌の調製方法は、特開2003-164297、Agric. Biol. Chem., 39, 153-160 (1975)、Agric. Biol. Chem.,39, 1149-1153(1975)、特開昭58-13599、J. Gen. Appl. Microbiol., 4, 272-283(1958)、特開昭63-94985、Agric. Biol. Chem., 37, 2013-2023(1973)、WO97/15673、特開昭56-18596、特開昭56-144092、特表2003-511086およびWO2006/001380など数多くの報告があり、上記文献等を参照することにより該アミノ酸を生産する能力を有するコリネ型細菌を調製することができる。
上記方法によって調製することができるL−アルギニンを生産する能力を有するコリネ型細菌としては、例えば、D−アルギニン耐性およびアルギニンヒドロキサム酸抵抗性を付与したコリネバクテリウム・グルタミカム[AGRICULTURAL AND BIOLOGICAL CHEMISTRY、1972年、第36巻、第10号、p1675〜p1684.]、argR遺伝子を欠失させる変異を導入したコリネバクテリウム・グルタミカム[特開2002−51790号]をあげることができる。
L−オルニチン、L−シトルリンまたはL−アルギニンを生産する能力コリネ型細菌としては、例えば、argオペロンの脱抑制をもたらすような、argR遺伝子を欠失させる変異と、アセチルグルタミン酸キナーゼの脱感作をもたらすようなargB遺伝子変異とを付与することで、L−オルニチン、L−シトルリンまたはL−アルギニンの生産性が向上したコリネバクテリウム・グルタミカム[W2006/035831およびAPPLIED AND ENVIRONMENTAL MICROBIOLOGY、2009年、第75巻、第6号、p1635〜p1641.]をあげることができる。
上記したアミノ酸を生産する能力を有するコリネ型細菌の調製に用いることができるコリネ型細菌としては、上記(a)〜(e)の方法を適用することができるコリネ型細菌又は上記遺伝的形質を有するコリネ型細菌であればいずれであってもよく、好ましくは上記したコリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、またはミクロバクテリウム(Microbacterium)属に属するコリネ型細菌をあげることができる。
突然変異処理法としては、例えば、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)を用いる方法(微生物実験マニュアル、1986年、131頁、講談社サイエンティフィック社)、紫外線照射法等をあげることができる。
組換えDNA技術による、上記[1]〜[6]からなる群より選ばれる蛋白質をコードする1以上の遺伝子、または上記[7]〜[9]からなる群より選ばれるDNAに1以上の塩基の置換、欠失、または付加を導入する遺伝子置換法としては、相同組換え等により該遺伝子を親株の染色体に組み込み、さらに相同組換え等により染色体上に元来存在していた該遺伝子を置換する方法をあげることができる。
該遺伝子に1以上の塩基の置換、欠失、または付加を導入する方法としては、他にも、Molecular cloning:a laboratory manual,3rded., Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)〔以下、モレキュラー・クローニング第3版と略す〕、Current Protocols in Molecular Biology,JohnWiley& Sons(1987-1997)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)、Nucleic Acids Research, 10, 6487(1982)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 79, 6409(1982)、Gene,34,315(1985)、Nucleic Acids Research, 13, 4431(1985)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82, 488(1985)等に記載されている部位特異的変異導入法に準ずる方法をあげることができる。
組換えDNA技術による遺伝子置換は、J.Bacteriol., 182, 6884(2000)等に記載の方法に従って行うことができる。
変異が導入された遺伝子を適当なプラスミドベクター等に挿入することにより、組換え体プラスミドを作製する。プラスミドベクターとしては、例えば、親株中では自律複製できず、かつ抗生物質に対する耐性マーカー遺伝子および枯草菌のレバンシュークラーゼ遺伝子sacB[Mol. Microbiol., 6, 1195(1992)]を有するプラスミドを用いることができる。
該組換え体プラスミドを親株へ導入する方法としては、コリネ型細菌へDNAを導入できる方法であればいずれも用いることができ、例えば、電気穿孔法[Appl. Microbiol. Biotech., 52, 541(1999)]やプロトプラスト法[J. Bacteriol., 159, 306(1984)]等をあげることができる。
該組換え体プラスミドは親株中で自律複製できないので、該組換え体プラスミドの有する抗生物質耐性マーカーに応じた抗生物質に耐性を示す株を取得することにより、該組換え体プラスミドが染色体に組み込まれた形質転換株を取得することができる。
さらに、変異が導入された遺伝子と共に染色体上に組み込まれる枯草菌レバンシュークラーゼが自殺基質を生産することを利用した選択法[J. Bacteriol., 174, 5462(1992)]によって、親株の染色体上の当該遺伝子が、変異が導入された遺伝子に置換された株を取得することができる。
以上の方法で、親株の染色体上の遺伝子置換を行うことができるが、上記の方法に限らず、コリネ型細菌の染色体上の遺伝子を置換できる方法であれば他の遺伝子置換法も用いることもできる。
親株の染色体上の遺伝子に置換、欠失、または付加を導入する方法としては、他にも細胞融合法、形質導入法をあげることができ、例えば、相田浩ら編、アミノ酸発酵、1986年、学会出版センターに記載の方法等をあげることができる。
変異を導入する塩基の数および部位は、上記1に記載のとおりである。
親株の染色体上の遺伝子に1以上の塩基の欠失、置換または付加を導入することにより、高い蓋然性をもって、該遺伝子がコードする蛋白質の活性を低下または喪失させることができる[An Introduction to Genetic Analysis. 7th edition. Griffiths AJF, Miller JH, Suzuki DT, et al. New York: W.H.Freeman; 2000.]。
上記[1]〜[6]の蛋白質をコードする遺伝子は、例えばコリネ型細菌に属する微生物から斎藤らの方法[BIOCHIMICA ET BIOPHYSICA ACTA、1963年、第72巻、p619〜p629.]に従い調製した染色体DNAを鋳型として、配列番号1の2173〜2925、配列番号1の1312〜2157、または配列番号1の301〜1164で表される塩基配列に基づき設計、合成したオリゴDNAをプライマーとして用いることで、PCRにより取得することができる。
取得できる具体的な遺伝子としては、配列番号1の2173〜2925で表される塩基配列を有するNCgl1276、配列番号1の1312〜2157で表される塩基配列を有するNCgl1277、および、配列番号1の301〜1164で表される塩基配列を有するNCgl1278等をあげることができる。
なお、2以上の遺伝子が染色体上に隣接している、またはオペロンDNAに含まれる場合には、当該2以上の遺伝子は、例えば、配列番号1で表される塩基配列に基づき設計、合成したオリゴDNAをプライマーとして用いることで、PCRにより1つのDNAとして取得することもできる。
また、上記のDNAの一部、または全部をプローブとしたハイブリダイゼーション法、または公知の方法で該塩基配列を有するDNAを化学合成する方法等によっても取得することができる。
また、各種の遺伝子配列データベースに対して配列番号2、配列番号3、または配列番号4で表されるアミノ酸配列をコードするDNAの塩基配列と85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上の相同性ないし同一性を有する配列を検索し、該検索によって得られた塩基配列に基づき、該塩基配列を有する生物の染色体DNA、cDNAライブラリー等から上記した方法によっても取得することができる。
DNAの塩基配列は、通常用いられる塩基配列の解析方法、例えばジデオキシ法[PROCEEDINGS OF THE NATIONAL ACADEMY OF SCIENCES、1977年、第74巻、第12号、p5463〜p5467.]、373A DNAシークエンサー(パーキン・エルマー社製)等の塩基配列分析装置を用いて分析することにより決定することができる。
塩基配列を決定した結果、取得されたDNAが部分長であった場合は、該部分長DNAをプローブに用いた、染色体DNAライブラリーに対するサザンハイブリダイゼーション法等により、全長DNAを取得することができる。
細胞内へのアミノ酸の取り込み活性の測定は、THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY、1971年、第246巻、第11号、p3653〜p3662.に記載されている方法に準じて行うことができる。
以上の方法により、本発明の製造法で用いられるコリネ型細菌を造成することができる。
3.本発明のL−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンの製造法
上記の方法で調製することができるコリネ型細菌を培地に培養し、培養物中にL−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれる1以上のアミノ酸を生成、蓄積させ、該培養物中から該アミノ酸を採取することにより、該アミノ酸を製造することができる。
本発明の製造法で用いられる培地は、炭素源、窒素源、無機塩など本発明の微生物の増殖、およびL−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれるアミノ酸の生合成に必要な栄養素を含む限り、合成培地、天然培地のいずれでもよい。
炭素源としては、使用する微生物の資化できる炭素源であればいずれでもよく、例えばグルコース、糖蜜、フラクトース、シュークロース、マルトース、でんぷん加水分解物等の糖類、エタノール、グリセロールのようなアルコール類、酢酸、乳酸、コハク酸等の有機酸類などをあげることができる。
窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウムなどの各種無機および有機アンモニウム塩類、尿素、アミン等の窒素化合物、ならびに肉エキス、酵母エキス、コーン・スティープ・リカー、ペプトン、大豆加水分解物等の窒素含有有機物を用いることができる。
無機塩としては、リン酸第一水素カリウム、リン酸第二水素カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、炭酸カルシウム等を用いることができる。
その他、必要に応じて、ビオチン、チアミン、ニコチンアミド、ニコチン酸等の微量栄養源を加えることができる。これら微量栄養源は、肉エキス、コーン・スティープ・リカー、カザミノ酸等の培地添加物で代用することもできる。さらに必要に応じて本発明の微生物が生育に要求する物質(例えばアミノ酸要求性の微生物であれば要求アミノ酸)を添加することができる。
培養は、振とう培養や深部通気攪拌培養のような好気的条件で行う。培養温度は20〜50℃、好ましくは20〜42℃、より好ましくは28〜38℃である。培地のpHは5〜11の範囲で、好ましくは6〜9の中性付近の範囲に維持して培養を行う。培地のpHの調整は、無機あるいは有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニア、pH緩衝液などを用いて行う。
培養時間は、5時間〜6日間、好ましくは16時間〜3日間である。
培養物中に蓄積した該アミノ酸は、通常の精製方法によって採取することができる。例えばL−アルギニンは、培養後、遠心分離などで菌体や固形物を除いたあと、活性炭処理、イオン交換樹脂処理、濃縮、結晶分別等の公知の方法を併用することによって採取することができる。
以下に本願発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)遺伝子破壊用プラスミドの構築
カナマイシンに対する耐性を付与する遺伝子を有するプラスミドpHSG299[GENE、1987年、第61巻、p63〜p74.]を、制限酵素PstIで消化し、切断部位にBacillus subtilis168株に由来するレバンシュークラーゼ遺伝子sacBを含む2.6キロベース(以下、kbと略す)のDNA断片[MOLECULAR MICROBIOLOGY、1992年、第6巻、第9号、p1195〜p1202.]を連結し、プラスミドpESB30を得た。
pESB30を制限酵素BamHIで消化し、抽出精製した後、該DNA断片の両末端をDNA ブランティングキット(DNA blunting kit、タカラバイオ社製)を用い、添付の方法に従って平滑化を行った。平滑化したDNA断片をTaq ポリメラーゼ(ベーリンガーマンハイム社製)およびdTTP存在下で70℃、2時間反応させ、3’末端にチミンを1塩基付加して、PCR断片クローニングに用いることのできるDAN断片pESB30−Tを調製した。
(2)argF遺伝子破壊株造成用プラスミドの構築
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株の染色体DNAを鋳型とし、配列番号5で表される塩基配列からなるDNAと配列番号6で表される塩基配列からなるDNAをプライマーセットとし、Pfu turbo DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)および添付のバッファーを用いPCRを行った。PCRによって得られた約1.4kbのDNA断片を、BamHIで消化し、抽出精製した。
該DNA断片と、あらかじめBamHIによって消化したpUC119(タカラバイオ社製)とを混合し、DNAライゲーションキット(タカラバイオ社製)を用い、DNAリガーゼ反応を行った。該反応産物を用い、モレキュラー・クローニング第3版記載の方法に準じて、エシェリヒア・コリ DH5α株(東洋紡社製)を形質転換した。
該形質転換体からアルカリSDS法(モレキュラー・クローニング第3版に記載の方法)に準じてプラスミドを調製した。該プラスミドをNcoIにより消化した後、DNAリガーゼ反応を行って自己環状化させ、エシェリヒア・コリ DH5α株(東洋紡社製)を形質転換して、上記と同様にして、プラスミドを調製した。
該プラスミドの構造を数種の制限酵素消化パターンによって調べたところ、該プラスミドは、argFをコードするDNAにおいて369塩基対が欠失したDNA断片を含むことを確認した。該プラスミドを鋳型とし、配列番号5で表される塩基配列からなるDNAおよび配列番号6で表される塩基配列からなるDNAをプライマーセットとして用い、PCRを行い、約1.0kbのDNA断片を得た。該DNA断片をTaq DNA polymerase (ベーリンガーマンハイム社製)およびdATP存在下で、72℃、10分間反応させ、3’末端にアデニンを1塩基付加した。
該DNA断片と、先に造成したpESB30−Tを混合し、DNAリガーゼ反応を行った。該反応産物を用い、エシェリヒア・コリ DH5α株(東洋紡社製)を形質転換して得られた形質転換体からプラスミドを調製した。該プラスミドをpEargFと命名した。
(3)argF遺伝子破壊株の造成
上のように調製したプラスミドpEargFを用い、レストらの方法[APPLLIED MICROBIOLOGY AND BIOTECHNOLOGY、1999年、第52巻、第4号、p541〜p545.]に準じて電気穿孔法により、トランスポゾンが欠損したコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株(以下、DOI−3株という。)を形質転換し、カナマイシン耐性株を選択した。
該カナマイシン耐性株の染色体DNAを調製し、サザンハイブリダイゼーション(モレキュラー・クローニング 第3版)により調べた結果、pEargFがCampbellタイプの相同組換えにより組み込まれていることを確認した。
このような株では、染色体上に元来存在しているargF遺伝子を含む領域と、pEargF上のargF遺伝子が欠失した構造を持つ領域とが近接して存在しており、その間で2回目の相同組換えが起こりやすくなっている。
sacB遺伝子がコードするレバンシュークラーゼはショ糖を自殺基質にするので、sacB遺伝子を有する微生物はショ糖を含有する培地に置いては生育できない。しかし、染色体上で元来存在しているargF遺伝子を含む領域とpEargF上のargF遺伝子が欠失した構造を持つ領域との間で2回目の相同組み換えを起こした株においては、いずれかのDNA領域がsacBとともに脱落欠失するので、その株はショ糖を含む培地においても生育することができるようになる。このようにして、元来染色体DNA上に存在しているargF遺伝子が欠失した構造の微生物を得ることができる。
このことを利用して、上記形質転換株をシュークロース寒天培地〔100g のショ糖、7gの肉エキス、10gのペプトン、3gの塩化ナトリウム、5gの酵母エキス(ディフコ社製)、および15gのバクトアガー(ディフコ社製)を水1Lに含むpH 7.2に調整した培地〕上に塗布し、30℃で1日間培養して生育するコロニーを選択した。該菌株をDOI−3argF株と命名した。
(4)argF遺伝子破壊株の栄養要求性の確認
DOI−3argF株はargF遺伝子内に欠失をもつため、L−シトルリンおよびL−アルギニン要求性である。このことは、DOI−3argF株が最少培地では生育しないが、最少培地に50mg/LのL−アルギニンまたは50mg/LのL−シトルリンを添加した培地で生育することをもって確認した。
(1)NCgl1278遺伝子破壊株造成用プラスミドの構築
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株の染色体DNAを鋳型とし、配列番号7で表される塩基配列からなるDNAと配列番号8で表される塩基配列からなるDNAを反応1のプライマーセットとし、配列番号9で表される塩基配列からなるDNAと配列番号10で表される塩基配列からなるDNAを反応2のプライマーセットとし、反応1と反応2のPCRを独立に行った。
PCRによって得られた約1.0kbのDNA断片を抽出、精製した。反応1から得られたDNA断片と、反応2から得られたDNA断片を鋳型DNAとし、配列番号7で表される塩基配列からなるDNAと配列番号10で表される塩基配列からなるDNAを反応3のプライマーセットとし、PCRを行った。PCRによって得られた約1.0kbのDNA断片を精製し、制限酵素FbaIで消化し、再度精製した。
該DNA断片と、あらかじめ制限酵素BamHIによって消化し、アルカリフォスファターゼ(タカラバイオ社製)により脱リン酸化したpESB30とを混合し、DNAリガーゼ反応を行った。該反応産物で、エシェリヒア・コリDH5α株(東洋紡社製)を形質転換し、該形質転換株からプラスミドを調製した。該プラスミドをpdel1278と命名した。
(2)argFおよびNCgl1278遺伝子破壊株の造成
調製したプラスミドpdel1278を用い、実施例1と同様に電気穿孔法によりDOI−3argF株を形質転換し、カナマイシン耐性株を得た。以下、実施例1に記載された手法と同様の手法を用いて、NCgl1278のORFが欠失した株を造成し、これをDOI−3argF_Del1278株と命名した。
(3)NCgl1278遺伝子産物のL−シトルリンおよびL−アルギニン取り込み活性の確認
第1表に示すように、DOI−3argF_Del1278株は、50mg/LのL−アルギニンを含む最少培地寒天プレート上、または、50mg/LのL−シトルリンを含む最少培地寒天プレート上で生育せず、50mg/Lのアラニルアルギニンを含む最少培地寒天プレート上で生育したことから、NCgl1278はL−アルギニンおよびL−シトルリンの細胞内への取込みに関与する蛋白質をコードする遺伝子であると結論した。
非特許文献8においては、NCgl1278は、すぐ下流にある2つの遺伝子である、配列番号1の1312〜2157で表される塩基配列からなるNCgl1277、配列番号1の2173〜2925で表される塩基配列からなるNCgl1276とともに、ATP結合カセット(ABC)スーパーファミリーに分類されるとの記述がなされている。
以上のことから、NCgl1276、NCgl1277およびNCgl1278の遺伝子産物は、ATP結合スーパーファミリーに分類されるトランスポーターを構成し、L−アルギニンおよびL−シトルリンの細胞内への取り込み活性に関与していることが示唆された。
Figure 2013154182
(1)L−アルギニン生産株の造成
コリネバクテリウム・グルタミカムのL−アルギニン生産菌株RB26株(W2006/035831)から染色体DNAを調製し、それを鋳型として、配列番号11で表される塩基配列からなるDNAと配列番号12で表される塩基配列からなるDNAとをプライマーセットとしてPCRを行い、argC、argJおよびargB遺伝子を含む全長約3.7kbの領域に相当するDNA断片を得た。RB26株においてはL−アルギニンからのフィードバック阻害効果が弱化している変異(A26V)がargBに含まれることが明らかとなっている(特許文献3)。
該3.7kbのDNA断片を制限酵素SalIおよびKpnIで消化したのち精製し、あらかじめ制限酵素SalIおよびKpnIで消化したのち精製しておいたプラスミドpCS299P[APPLLIED MICROBIOLOGY AND BIOTECHNOLOGY、2004年、第63巻、第5号、p592〜p601.]と混合し、DNAリガーゼ反応を行うことによりに連結し、プラスミドpCS_argCJB26を得た。
実施例2において、DOI−3argF_Del1278株を造成した手法と同様の手法により、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032を親株として、NCgl1278を欠失させた株を造成し、この株をATCC13032_Del1278株と命名した。
上記プラスミドpCS_argCJB26によって、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株およびATCC13032_Del1278株を、電気穿孔法により形質転換し、カナマイシン耐性となった形質転換株を選択した。これらの形質転換体を、それぞれ、13032/pCS_argCJB26株および13032_Del1278/pCS_argCJB26株と命名した。
(2)NCgl1278遺伝子の欠失がL−アルギニン生産へ与える影響
ATCC13032/pCS_argCJB26株およびATCC13032_Del1278/pCS_argCJB26株を50mg/Lのカナマイシンを含むBY寒天培地(7gの肉エキス、10gのペプトン、3gの塩化ナトリウム、5gの酵母エキス、15gのバクトアガーを水1Lに含みpH7.2に調整した培地)で30℃、24時間培養した。
50mg/Lのカナマイシンを含むBY寒天培地上に生育した菌体をそれぞれ50mg/Lのカナマイシンを含む種培地(25gのショ糖、20gのコーンスティープリカー、20gのペプトン、10gの酵母エキス、0.5gの硫酸マグネシウム7水和物、2gのリン酸二水素カリウム、3gの尿素、8gの硫酸アンモニウム、1gの塩化ナトリウム、20mgのニコチン酸、10mgの硫酸鉄7水和物、10mgのパントテン酸カルシウム、1mgの硫酸亜鉛7水和物、1mgの硫酸銅5水和物、1mgのチアミン塩酸塩、100μgのビオチンを水1Lに含み水酸化ナトリウム水溶液によりpH7.2に調整後、炭酸カルシウムを10g加えた培地)6mlを含む太型試験管に植菌し、32℃で振盪しながら24時間培養した。
得られた種培養液2mLを、それぞれ本培養培地(60gのグルコース、5gのコーンスティープリカー、30gの硫酸アンモニウム、8gの塩化カリウム、2gの尿素、0.5gのリン酸二水素カリウム、0.5gのリン酸水素二カリウム、1gの硫酸マグネシウム7水和物、1gの塩化ナトリウム、20mgの硫酸鉄7水和物、20mgのニコチン酸、20mgのβ−アラニン、10mgの硫酸マンガン5水和物、10mgのチアミン塩酸塩、200μgのビオチンを水1Lに含み、水酸化ナトリウム水溶液によりpH7.7に調整後、炭酸カルシウムを30g加えた培地)20mLを含むバッフルつきフラスコに植菌し、32℃で振盪しながら48時間培養した。
遠心分離により培養物から菌体を除去し、上清中のL−アルギニンの蓄積量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量した。HPLC分析は、分離カラムにAQ−312(YMC社製)、移動相にはクエン酸ナトリウム 2.94g/L、硫酸ナトリウム 1.42g/L、アセトニトリル 233mL/Lおよびラウリル硫酸ナトリウム 3g/Lを含有するpH6.0の溶液を用い、60℃で行った。アミノ酸の検出、定量は、分離カラムからの溶出液と、反応液(ホウ酸 18.5g/L、NaOH 11g/L、オルトフタルアルデヒド 0.6g/L、メルカプトエタノール 2ml/LおよびBrige−35 3mL/Lを含有する溶液)とを混合した後、励起波長345nm、吸収波長455nmの蛍光分析により行った。結果を表2に示す。
Figure 2013154182
本発明により、L−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれる1以上のアミノ酸を効率よく製造することができる。
配列番号5−人工配列の説明:合成DNA
配列番号6−人工配列の説明:合成DNA
配列番号7−人工配列の説明:合成DNA
配列番号8−人工配列の説明:合成DNA
配列番号9−人工配列の説明:合成DNA
配列番号10−人工配列の説明:合成DNA
配列番号11−人工配列の説明:合成DNA
配列番号12−人工配列の説明:合成DNA

Claims (4)

  1. 親株の染色体DNA上に存在する、以下の[1]〜[6]からなる群より選ばれる蛋白質をコードする1以上の遺伝子に1以上の塩基の欠失、置換または付加が導入されたことにより、親株に比べL−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれる1以上のアミノ酸の取り込み活性が低下または喪失しており、かつ該アミノ酸を生産することができるコリネ型細菌を培地に培養し、培養物中に該アミノ酸を生成蓄積させ、該培養物中から該アミノ酸を採取することを特徴とする該アミノ酸の製造法。
    [1]配列番号2で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質
    [2]配列番号3で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質
    [3]配列番号4で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質
    [4]配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、該アミノ酸の取り込み活性を有する蛋白質
    [5]配列番号3で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、該アミノ酸の取り込み活性を有する蛋白質
    [6]配列番号4で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、該アミノ酸の取り込み活性を有する蛋白質
  2. 親株の染色体DNA上に存在する、請求項1の[1]〜[6]からなる群より選ばれる蛋白質をコードする1以上の遺伝子に1以上の塩基の欠失、置換または付加が導入されたことにより、親株に比べL−アルギニン、L−シトルリンおよびL−オルニチンからなる群より選ばれる1以上のアミノ酸の取り込み活性が低下または喪失しており、かつ該アミノ酸を生産することができるコリネ型細菌が、親株の染色体DNA上に存在する、以下の[7]〜[9]からなる群より選ばれるDNAに1以上の塩基の欠失、置換または付加が導入されたコリネ型細菌であることを特徴とする請求項1記載の製造法。
    [7]配列番号1で表される塩基配列を有するDNA
    [8]配列番号1で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、該アミノ酸の取り込み活性を有する蛋白質をコードするDNA
    [9]配列番号1で表される塩基配列と80%以上の同一性を有する塩基配列からなり、かつ、該アミノ酸の取り込み活性を有する蛋白質をコードするDNA
  3. コリネ型細菌がコリネバクテリウム・グルタミカムである請求項1または2記載の製造法。
  4. アミノ酸がL−アルギニンまたはL−シトルリンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造法。
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