JPWO2005117273A1 - 空間多重信号検出方法及びそれを用いる時空間反復復号器 - Google Patents

空間多重信号検出方法及びそれを用いる時空間反復復号器 Download PDF

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Abstract

本発明は、ターボ原理に基づく時空間反復復号の特性を向上させることが可能な空間多重信号検出方法を提供することを目的とし、軟入力軟出力検出器1と軟入力軟出力復号器2とのターボ原理に基づく時空間反復復号構成において、受信される信号系列に対して得られる尤度と呼ばれる条件付確率を、複数の条件付確率の積で表せるように分解する際に、該分解可能な条件付確率を複数のグループに分割する。この尤度計算に際してはグループにおける条件付確率の条件となる事象を含むグループを先に処理する如く確率計算するグループ間の順序付けを可能とする。該グループ内の確率計算に際しては、二つの排反する事象の尤度の比によって送信系列を推定するために半環を用いたメトリック演算手法を用いる。

Description

本発明は空間多重信号検出方法及びそれを用いる時空間反復復号器に関し、特に移動通信において空間多重信号検出方法と反復逐次処理を用いた時空間反復復号器に関する。
移動通信における電波伝搬路では送信アンテナから到来した電波が周囲の地形等に応じて反射や散乱を受け、一群の素波の集まりとなって受信機に到着する。そのため、品質の高い移動通信を実現する上で常に障害となっていたのが、これらの結果から生じるところのフェージング現象である。このフェージングによる劣悪な電波伝搬環境の克服が長年の移動通信技術者における課題であり、色々な対応策が実用化されてきている。
近年、このフェージング現象を悪者扱いするのではなく、逆にフェージングを移動通信における電波伝搬に内在する可能性を秘めた環境資源として見直す動きが活発化している(例えば、非特許文献1,2参照)。
また、近年、Multi-USER Diversityと呼ばれるフェージング変動における空間的位置独立性を利用して電波伝搬路に内在する環境資源を活用する動きもあり、これも同様の動向の一つとも言える。
上記の非特許文献1,2には、内在する伝搬路資源を活用する手だてとして空間多重化処理された信号を効率的に活用するBLAST(Bell Labs Layered Space-Time)と呼ばれる空間伝送処理が開示されている。また、このBLASTの空間多重分離を低複雑度で実現するアーキテクチャとして線形フィルタリングと干渉キャンセラとを組み合わせたV−BLASTと呼ばれる手法も開示されている。
線形フィルタリングとしては、干渉成分を抑圧(ヌリング:nulling)するZF(Zero-Forcing)規範のもの、あるいは最小平均自乗誤差(MMSE:Minimum Mean Square Error)規範のものが一般的である。
ZF規範にしたがって抑圧を行う線形変換としてはMP(Moore-Penrose)の一般逆行列が知られており、干渉キャンセラの特性向上を目的に検出後のSNR(Signal to Noise Ratio)が最も高いと簡易推定される順に検出する順序付け処理(オーダリング)がなされる。このシンボルの順序付けを行う操作としてMP一般逆行列の重みベクトルに相当する最小ノルムを有する列ベクトルを優先して使うことが知られている。
あるいは、さらに低複雑度化の手法としてQR分解による方法がある。すなわち、通信路行列HをQR分解によって、H=Q・Rとした後、nT次元の送信アンテナ信号ベクトル
Figure 2005117273
と、nR次元の受信アンテナ信号ベクトル
Figure 2005117273
との間に、
H・Y=R・X+QH・v
という関係が成り立つ。
ここで、
Figure 2005117273
はユニタリー行列、
Figure 2005117273
は上三角行列であり、雑音成分ベクトル
Figure 2005117273
はユニタリー変換されるので、雑音強調は生ぜず、信号点間距離を維持したまま変換されることになる。
このQRによる分解過程でSNRが高い順序で処理できるように行列内ベクトルの並び替えが可能で、SNRが最大化されるような順序(オーダリング)で検出するステップ処理が実現できる。このような方法はZF規範によるヌリング処理にあたるため、本質的に受信アンテナの本数nRが送信アンテナの本数nTと同数か、それ以上であることが前提である。
しかしながら、これらの方法の欠点は、初回のステップでのヌリングによる線形処理でnT−1次のヌル生成を行うため、ダイバシティ利得が、
R−nT+1
のオーダしか得られない。したがって、初回のステップにおける検出誤りが起こりやすく、その影響が後段の検出誤りを引き起こす誤り伝搬が生じる。
一方、最適検出を行うには、
Figure 2005117273
という式におけるMLD(Maximum Likelihood Decoding:最尤検出)になる。
このため、アンテナの本数と変調信号点のサイズA、
Figure 2005117273
とに対して指数関数的に複雑度が増大し、符号化を考慮に入れると、MLDは事実上不可能である。
そこで、低複雑度化の手法としてターボ原理に基づく手法等が検討されている。上記の式は検出器のみについてのMLDであるが、この複雑度を回避するため、及び上述のV−BLASTにおける初段から後段への誤り伝搬による特性劣化、言い換えるとフェージング環境におけるダイバシティ利得を得る目的で、SD(Sphere Decoding:球内復号)と呼ばれる復号法の適用が提案されている。
SDの基本的な考え方は受信信号点を中心とした適当な半径rの球に含まれる信号点について尤度計算を行い、限定された範囲内でMLDを行うといったもので、半径rの選び方によって効率が決まってくる。あるいは、信号点の数を尤度の大きさによって限定することによって複雑度を回避する方法もある。
"Layered space-time architecture for wireless communications in a fading environment when using multiple antennas"(1996年、ベル研究所テクニカル・ジャーナル、ボリューム6、ナンバ2、41〜59頁) "Capacity of multi-antenna Gaussian channels"(1999年11月/12月、ヨーロピアン・トランザクション・オン・テレコミュニケーション、585〜595頁)
新世代移動通信システムにおけるシステムスループット実現のためには、通信路容量の拡大策である時空間信号多重における信号分離を高性能で、しかも低複雑度で実現する必要がある。
しかしながら、上述したV―BLASTでは、方式自体に内在する誤り伝搬のため、低複雑度で実現できる代わりに、特性劣化を引き起こす。一方、最適検出であるMLDでは、高性能化は実現できるものの、高複雑度で実現することになり、採用することができない。
また、球内復号であるSDは半径r内に入る信号点数によってその複雑度が変動し、装置化に適さない。あるいは、対象とする信号点の数を尤度によって限定するとしても、高性能を実現するためには複雑度の増加が必要で、後段に続く復号器との尤度のやりとりも考慮されていない。すなわち、最終的にはターボ符号やLDPC(Low Density Parity Check)といった符号化を含む最適受信を考えることが必要である。
その復号器出力で性能が決まるのであるから、ターボ復号器やLDPCへ渡す尤度情報は対数尤度代数(Log Likelihood Algebra)にしたがった正確なものが必要で、これと軟入力軟出力復号器のExtrinsic情報による時空間反復復号を行うことによって、符号化を考慮した最尤復号を低複雑度で実現することになる。しかしながら、そのための正確な尤度情報が得られる構成とはなっていなかったという問題がある。
また、所要システムスループットによってはアンテナ本数を増加させる必要が生じる。上述した説明よりアンテナ本数が増えるにしたがってその複雑度が増加するので、できるだけ増加分を押さえたいが、従来方法では難しいという問題がある。
さらに、空間多重信号分離を行う軟入力軟出力空間多重信号検出器とターボ復号器やLDPCといった軟入力軟出力復号器との連接をターボ原理に基づく反復復号によって実現した場合、検出器と復号器との間でExtrinsic情報の受け渡しが行われる。
しかしながら、従来行われているやり方は外符号用復号器に相当する軟入力軟出力復号器においてExtrinsic情報抽出のしにくさからIntrinsic情報を含んだままExtrinsic情報として使われたり、あるいは一部のExtrinsic情報で賄われたりしている。このため、ターボ原理に基づく反復回数による特性向上が数回で飽和してしまうという問題がある。
さらにまた、既製の軟入力軟出力復号器を用いる場合、情報ビット系列に対する対数尤度比を出力としており、符号語(シンボル系列)に対する対数尤度比は出力されていない場合が多い。
一方、軟入力軟出力検出器は、符号語に対してMLD検出となるべく作用するので、軟入力軟出力復号器から軟入力軟出力検出器へのExtrinsic情報は符号語に対するものが必要となる。その結果、軟入力軟出力復号器内部のトレリス上遷移確率伝搬を演算している箇所を変更することになり、既製コアブロックの変更を余儀なくされるという問題がある。
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、ターボ原理に基づく時空間反復復号の特性を向上させることができる空間多重信号検出方法及びそれを用いる時空間反復復号器を提供することにある。
本発明による空間多重信号検出方法は、時空間多重信号分離における軟入力軟出力検出方法において、空間多重された送信系列を送信したとする時に受信される信号系列に対して得られる尤度と呼ばれる条件付確率を、複数の条件付確率の積で表せるように分解する処理(ファクタライゼーション)を有し、該分解可能な条件付確率を複数のグループに分割し、該尤度計算に際しては前記グループにおける条件付確率の条件となる事象を含む前記グループを先に処理する如く確率計算する前記グループ間の順序付けが可能であって、該グループ内の確率計算に際し、二つの排反する事象の尤度の比によって送信系列を推定するために半環(セミリング)を用いたメトリック演算手法を用いている。
本発明による他の空間多重信号検出方法は、時空間多重信号分離における軟入力軟出力検出方法において、空間多重された送信系列を送信したとする時に受信される信号系列に対して得られる尤度と呼ばれる条件付確率を、複数の条件付確率の積で表せるように分解する処理(ファクタライゼーション)を有し、該分解可能な条件付確率を複数のグループに分割し、該尤度計算に際しては前記グループにおける条件付確率の条件となる事象を含む前記グループを先に処理する如く確率計算する前記グループ間の順序付けが可能であって、該各グループ内の条件付確率計算に際しては、自グループにおける条件付確率の条件となる事象を含む前記グループ内の最大条件付確率を示す送信系列を条件付確率の条件として計算するか、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件として複数個計算し、前記グループ間の順序付けにしたがって各グループ内の条件付確率の計算を前段の最大条件付確率を示す送信系列のもとに計算していく処理を有することを特徴とし、
軟判定出力である該送信系列のビット尤度は、請求項6記載の半環(セミリング)を用いて
(1)対象となるビットが推定対象として存在する該グループにおいて対象ビットと前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する処理並びに該対象ビットに対する排反事象と該前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)とを条件とする複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する処理、
(2)次段のグループにおいて対象ビットを含む前段最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する処理並びに対象ビットに対する排反事象を含む前段最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する処理からなる処理、
(3)同様に対象となるビットが存在するグループ以降の段におけるグループにおいても該前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件として複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する処理並びに対象ビットに対する排反事象を含む(1)の最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)とそれに伴って検出される前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)とを条件とする複数個の最大条件付確率をメトリックベースで検出する処理、
(4)以降最終段のグループまで(3)を繰り返す処理、
(5)(4)を完了後、対象ビットの対数尤度比を、前記(1)における対象ビットと前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率とその対象ビットに対する排反事象と前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率とをメトリックベースで引き算し、前記(2)から(4)の対象となるビットが存在するグループ以降の段のグループにおいても前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率と該対象ビットに対する排反事象を含む前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率とをメトリックベースで引き算し、それぞれの総和をもって対象ビットの軟判定出力であるところの対数尤度比として検出する処理、
を用いて計算する処理を含んでいる。
本発明による別の空間多重信号検出方法は、時空間多重信号分離における軟入力軟出力検出方法において、空間多重された送信系列を送信したとする時に受信される信号系列に対して得られる尤度と呼ばれる条件付確率を、複数の条件付確率の積で表せるように分解する処理(ファクタライゼーション)を有し、該分解可能な条件付確率を複数のグループに分割し、該尤度計算に際しては前記グループにおける条件付確率の条件となる事象を含む前記グループを先に処理する如く確率計算する前記グループ間の順序付けが可能であって、該各グループ内の条件付確率計算に際しては、自グループにおける条件付確率の条件となる事象を含む前記グループ内の最大条件付確率を示す送信系列を条件付確率の条件として計算し、前記グループ間の順序付けにしたがって各グループ内の条件付確率の計算を前段の最大条件付確率を示す送信系列のもとに計算していく処理を有し、前記尤度を最大化する送信系列を推定するために半環(セミリング)を用いたメトリック演算手法を用いることが特徴であって、最終段における処理が完了した後の復元抽出(リサンプリング)として、対象となるビットが推定対象として計算された前記条件付確率の組合せの集合からメトリックベースの最大尤度を選択する処理、並びに該対象ビットに対する排反事象が推定対象として計算された前記条件確率の組合せの集合からメトリックベースの最大尤度を選択する処理を有し、両メトリックの差分をとって対象ビットの軟判定出力とする処理を含んでいる。
本発明による時空間反復復号器は、時空間多重信号分離において、軟入力軟出力検出器と軟入力軟出力復号器とを有し、該軟入力軟出力復号器は符号化前の情報ビット系列に対する対数尤度比(以下、LLRとする)を出力とし、該対数尤度比を入力として符号化後の符号語系列に対する対数尤度比を出力とする軟入力軟出力符号器を有し、該軟入力軟出力符号器の出力を元に前記軟入力軟出力検出器のアプリオリ(a priori)入力を作っている。
本発明による他の時空間反復復号器は、時空間多重信号分離において、軟入力軟出力検出器と軟入力軟出力復号器とを有し、該軟入力軟出力復号器は符号化前の情報ビット系列に対する対数尤度比(以下、LLRとする)を出力とし、該対数尤度比を入力として符号化後の符号語系列に対する対数尤度比を出力とする軟入力軟出力符号器を有し、該軟入力軟出力符号器の出力を元に前記軟入力軟出力検出器のソフトレプリカ入力を作っている。
本発明による別の時空間反復復号器は、時空間多重信号分離において、軟入力軟出力検出器と軟入力軟出力復号器とを有し、前記軟入力軟出力検出器は請求項6記載のMax−log領域における半環(セミリング)を用いた空間多重検出器であって、その軟出力に当たる対数尤度比に対して重み付けを行い、次段へのアプリオリ(a priori)入力として用いている。
すなわち、本発明の空間多重信号検出方法は、上記の問題に鑑みなされたものであり、空間多重信号分離における軟入力軟出力検出器で尤度を最大化する送信系列推定に半環(セミリング)を用いたメトリック演算手法を用いることによって、最適検出であるMLD(Maximum Likelihood Decoding:最尤検出)に近い高性能化を低複雑度で実現するものである。
また、本発明の空間多重信号検出方法では、検出器に続く後段のターボ復号器やLDPC(Low Density Parity Check)といった軟入力軟出力復号器へ渡す尤度情報も対数尤度代数(Log Likelihood Algebra)にしたがった正確なものであり、最終的な性能である復号器出力の誤り率特性に対して劣化を生じることなく、本来の復号器性能を引き出すことが可能となる。
さらに、本発明の空間多重信号検出方法では、尤度を最大化する送信系列を推定するために用いられる半環(セミリング)を用いたメトリック演算手法として、Max−log領域における半環を用いることで、対象ビットの軟判定出力として複数のグループに分割した条件付確率の各グループ間における前段最大条件付確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)に対する対象ビットを含む最大条件付確率とその排反事象を含む最大条件付確率とのメトリックベースの差分とそれ以降の同最大条件付確率の差分との総和として表すことができるので、所要システムスループットに対応するため、アンテナ本数を増加させる場合でも複雑度を抑えた形で対応することが可能なようにしたものである。
本発明の空間多重信号検出方法では、軟入力軟出力検出器と軟入力軟出力復号器とのターボ原理に基づく時空間反復復号構成をとったとしても、軟入力軟出力復号器におけるExtrinsic情報抽出を正確に行うことによって、ターボ原理に基づく反復回数による特性向上が数回で飽和してしまうといったことがないように構成するものである。
また、本発明の空間多重信号検出方法では、既製の符号語(シンボル系列)に対する対数尤度比を軟出力として持たない軟入力軟出力復号器を用いる場合でも、前段の軟入力軟出力検出器へのアプリオリ(a priori)を供給すべく、符号語に対応したExtrinsic情報を生成することができるように構成するものである。
つまり、本発明の空間多重信号検出方法は、時空間多重信号分離における軟入力軟出力検出方法であり、空間多重された送信系列を送信したとする時に受信される信号系列に対して得られる尤度と呼ばれる条件付確率を、複数の条件付確率の積で表せるように分解する手段を有し(ファクタライゼーション)、該分解可能な条件付確率を複数のグループに分割し、該尤度計算に際してはグループにおける条件付確率の条件となる事象を含むグループを先に処理する如く確率計算するグループ間の順序付けが可能であって、該グループ内の確率計算に際し、二つの排反する事象の尤度の比によって送信系列を推定するために半環(セミリング)を用いたメトリック演算手法を用いることを特徴としている。
また、本発明の空間多重信号検出方法は、上述した複数の条件付確率の積で表せるように分解する手段(ファクタライゼーション)及び分解可能な条件付確率を複数のグループに分割する手段において、各グループの条件付確率の条件となる事象を含むグループの条件付確率を簡易推定する簡易推定手段を有し(オーダリング)、該簡易推定手段によって、グループ間の順序付けをグループの条件付確率が高く簡易推定される順序で処理できるように分割することを特徴としている。
本発明の空間多重信号検出方法では、上述した複数の条件付確率の積で表せるように分解する手段(ファクタライゼーション)として、QR分解を用いたことを特徴としている。
または、本発明の空間多重信号検出方法では、上述した複数の条件付確率の積で表せるように分解する手段(ファクタライゼーション)として、ブロック三角化分解を用いたことを特徴としている。
あるいは、本発明の空間多重信号検出方法では、上述した複数の条件付確率の積で表せるように分解する手段(ファクタライゼーション)として、三重対角化手法を用いたことを特徴としている。
一方、本発明の空間多重信号検出方法では、上記二つの排反する事象の尤度の比によって送信系列を推定するために用いられる半環(セミリング)を用いたメトリック演算手法を、和を最大値演算(MAX)、積を通常の加算として、
Figure 2005117273
の如く行われることを特徴としている。
また、本発明の空間多重信号検出方法では、上記二つの排反する事象の尤度の比によって送信系列を推定するために用いられる半環(セミリング)を用いたメトリック演算手法を、和をヤコビアン対数に基づく演算、積を通常の加算として、
Figure 2005117273
ここで、
Figure 2005117273
の如く行われることを特徴としている。
本発明の空間多重信号検出方法では、時空間多重信号分離における軟入力軟出力検出方法において、空間多重された送信系列を送信したとする時に受信される信号系列に対して得られる尤度と呼ばれる条件付確率を、複数の条件付確率の積で表せるように分解する手段を有し(ファクタライゼーション)、該分解可能な条件付確率を複数のグループに分割し、該尤度計算に際してはグループにおける条件付確率の条件となる事象を含むグループを先に処理する如く確率計算するグループ間の順序付けが可能であって、該各グループ内の条件付確率計算に際しては、自グループにおける条件付確率の条件となる事象を含むグループ内の最大条件付確率を示す事象(送信系列)を条件付確率の条件として計算するか、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件として複数個計算し、グループ間の順序付けにしたがって各グループ内の条件付確率の計算を行う手段を有することを特徴とし、軟判定出力である該送信系列のビット尤度は、和を最大値演算(MAX)、積を通常の加算とする上記の半環(セミリング)を用いて、
(1)対象となるビットが推定対象として存在する該グループにおいて対象ビットと前段迄の最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する手段、並びに該対象ビットに対する排反事象と該前段迄の最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個のを大条件付確率をメトリックベースで検出する手段(対象となるビットが存在するグループ)
(2)次段のグループにおいて対象ビットを含む前段最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する手段、並びに対象ビットに対する排反事象を含む前段最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する手段(次段のグループ)
(3)同様に、対象となるビットが存在するグループ以降の段におけるグループにおいても該前段迄の最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する手段、並びに対象ビットに対する排反事象を含む(1)の最大確率事象とそれに伴って検出される前段迄の最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する手段
(4)以降最終段のグループ迄、(3)を繰り返す手段(それ以降の段のグループ)
(5)(4)を完了後、対象ビットの対数尤度比を、(1)における対象ビットと前段迄の最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率と、その対象ビットに対する排反事象と前段迄の最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率とをメトリックベースで引き算し、(2)から(4)の対象となるビットが存在するグループ以降の段のグループにおいても前段迄の最大確率事象を条件とする最大条件付確率と該対象ビットに対する排反事象を含む前段迄の最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率をメトリックベースで引き算し、それぞれの総和をもって対象ビットの軟判定出力であるところの対数尤度比として検出する手段
を用いて計算する手段を有することを特徴としている。
本発明の空間多重信号検出方法では、時空間多重信号分離における軟入力軟出力検出方法において、空間多重された送信系列を送信したとするときに受信される信号系列に対して得られる尤度と呼ばれる条件付確率を、複数の条件付確率の積で表せるように分解する手段を有し(ファクタライゼーション)、該分解可能な条件付確率を複数のグループに分割し、該尤度計算に際してグループにおける条件付確率の条件となる事象を含むグループを先に処理する如く確率計算するグループ間の順序付けが可能であって、該各グループ内の条件付確率計算に際して、自グループにおける条件付確率の条件となる事象を含むグループ内の最大条件付確率を示す事象(送信系列)を条件付確率の条件として計算し、グループ間の順序付けにしたがって各グループ内の条件付確率の計算を前段の最大条件付確率を示す事象(送信系列)を基に計算していく手段を有し、尤度を最大化する送信系列を推定するために半環(セミリング)を用いたメトリック演算手法を用いることが特徴であって、最終段における処理が完了した後の復元抽出(リサンプリング)として、対象となるビットが推定対象として計算された条件付確率の組合せの集合からメトリックベースの最大尤度を選択する手段、並びに該対象ビットに対する排反事象が推定対象として計算された条件確率の組合せの集合からメトリックベースの最大尤度を選択する手段を有し、両メトリックの差分をとって対象ビットの軟判定出力とする手段を特徴として構成される。
本発明の時空間反復復号器は、時空間多重信号分離において、軟入力軟出力検出器と軟入力軟出力復号器を有し、該軟入力軟出力復号器は符号化前の情報ビット系列に対する対数尤度比(LLR:Log Likelihood Ratio)を出力とし、該対数尤度比を入力として符号化後の符号語系列に対する対数尤度比を出力とする軟入力軟出力符号器を有し、該軟入力軟出力符号器の出力を元に軟入力軟出力検出器のアプリオリ(a priori)入力を作ることを特徴として構成される。
また、本発明の時空間反復復号器は、時空間検出部と復号部とからなる時空間多重信号分離装置において、該時空間検出部が軟入力軟出力検出器と軟入力軟出力符号器とを含み、該復号部が軟入力軟出力復号器を含む構成であって、軟入力軟出力復号器へのアプリオリ(a priori)入力が軟入軟出符号器の出力に差し引く形で作用して軟入力軟出力検出器へのアプリオリ入力を形成し、軟入力軟出力検出部へのアプリオリ(a priori)入力が軟入力軟出力検出器出力に差し引く形で作用して軟入力軟出力復号器へのアプリオリ(a priori)入力を形成することを特徴として構成される。
さらに、本発明の時空間反復復号器は、時空間多重信号分離において、軟入力軟出力検出器と軟入力軟出力復号器とを有し、該軟入力軟出力復号器が符号化前の情報ビット系列に対するLLRを出力とし、該対数尤度比を入力として符号化後の符号語系列に対する対数尤度比を出力とする軟入力軟出力符号器を有し、該軟入力軟出力符号器の出力を基に軟入力軟出力検出器のソフトレプリカ入力を作ることを特徴として構成される。
本発明の時空間反復復号器は、上記の軟入力軟出力符号器が送信側の符号器と同じ構成を軟判定データに対応させたものであって、その構成要素であるqを法とする加算に代わって二つの事後値a1と事後値a2とに対する対数尤度比LLR1と対数尤度比LLR2とに対してqを法とする加算結果[=a1+a2(mod q)]を事後値に持つLLRを出力することを特徴として構成される。
本発明の時空間反復復号器は、上記の軟入力軟出力符号器が送信側の符号器と同じ構成を軟判定データに対応させたものであって、その構成要素である2を法とする加算にかわって二つの事後値a1と事後値a2とに対する対数尤度比LLR1と対数尤度比LLR2とに対して、
Figure 2005117273
を出力する手段、あるいはその近似値を出力する手段を特徴として構成される。
本発明の時空間反復復号器は、上記の軟入力軟出力符号器が送信側の符号器と同じ構成を軟判定データに対応させたものであって、その構成要素である2を法とする加算に代わって二つの事後値a1と事後値a2とに対する対数尤度比LLR1と対数尤度比LLR2とに対してその絶対値の比較を行い、値の小さい方を選択する手段を有し、その選択結果に対して極性付けを対数尤度比LLR1及び対数尤度比LLR2のMSB(Most Significant Bit)に対する2を法とする加算結果に基づいて行うことを特徴として構成される。
本発明の時空間反復復号器は、時空間多重信号分離において、軟入力軟出力検出器と軟入力軟出力復号器とを有し、軟入力軟出力検出器が上述したMax−log領域における半環を用いた空間多重検出器であって、その軟出力に当たる対数尤度比に対して重み付けを行い、次段へのアプリオリ(a priori)入力として用いることを特徴として構成される。
本発明の時空間反復復号器では、上記の重み付けを0.75として用いることを特徴として構成される。
本発明の時空間反復復号器では、上記の重み付け0.75をシフト加算によって実現したことを特徴として構成される。
上記のように、本発明は、時空間反復復号方式並びに空間多重信号検出方法で、空間多重信号分離のための軟入力軟出力検出の尤度最大化による送信系列推定に半環(セミリング)を用いたメトリック演算を用いることによって、最適検出であるMLDに近い性能でしかも低複雑度で実現可能な方法を提供するものであり、後段に続くターボ復号器やLDPCといった軟入力軟出力復号器に対しても特性劣化を引き起こすことのないように正確な尤度情報を渡すことが可能な方法を提供するものである。
また、本発明は、半環(セミリング)を用いたメトリック演算で和を最大値演算、積を通常加算としたセミリングを適用すると、検出対象ビットの軟判定出力が分割した複数のグループにおける対象ビットを含む最大条件付確率とその排反事象を含む最大条件付確率のメトリックベースの差分、かつそれ以降の同最大条件付確率のメトリックベースの差分の総和として表すことが可能となるので、所要システムスループットに対応するためにアンテナ本数を増やし、処理段数を増加させた場合でも、絞り込まれた最低限の最大条件付確率事象のみによる追加グループ内処理で対処することが可能となるので、増加複雑度を抑えた形でアンテナ数増による処理に対処することが可能な方法を提供するものである。
本発明の時空間反復復号器は、軟入力軟出力検出器と軟入力軟出力復号器との間で独立にアプリオリ(a priori)情報のやりとりが可能となるので、軟入力軟出力復号器におけるExtrinsic情報の抽出を容易とし、Extrinsic情報抽出のしにくさから来るIntrinsic情報を含んだままのExtrinsic情報となったり、あるいは一部のExtrinsic情報で賄われたりすることがない。したがって、ターボ原理に基づく反復回数による特性向上が数回で飽和してしまうといった劣化を生じることのない時空間反復復号器を提供することが可能となる。
また、本発明の時空間反復復号器は、既製の軟入力軟出力復号器出力である情報ビット系列に対する対数尤度比を符号語(シンボル系列)に対するLLRに外部で変換可能となるので、既製コアブロックの内部変更をすることなく、実現可能な時空間反復復号器を提供することが可能となる。
本発明は、以下に述べるような構成及び動作とすることで、ターボ原理に基づく時空間反復復号の特性を向上させることができるという効果が得られる。
本発明の第1の実施例による時空間多重信号分離装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施例による送信側装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施例によるQR分解を用いたグループ分割手段(factorization)の一例を示す図である。 本発明の第6の実施例による三重対角マトリクス分解を用いたグループ分割手段(factorization)の一例を示す図である。 本発明の第7の実施例によるブロック三角化分解を用いたグループ分割手段(factorization)の一例を示す図である。 ベイズ統計学における周辺化(マージナライゼーション:marginalization)処理のイメージ図である。 グループ分割を条件付確率の積の分割と同じにした場合の一例を示す図である。 16QAMにおける外円上信号点や内円上信号点等を説明するための図である。 貪欲法(greedy)によるステップ処理で最大条件付確率事象の選択過程を示す図である。 貪欲法(greedy)によるステップ処理で複数の条件付確率の積でグループを構成した時の最大条件付確率事象選択過程を示す図である。 本発明の第18の実施例による時空間反復復号器の構成を示すブロック図である。 本発明の第19の実施例による時空間反復復号器の構成を示すブロック図である。 本発明の第20の実施例による符号器の構成例を示す図である。 本発明の第21の実施例による符号器の構成例を示す図である。 図14に使用されている軟入力軟出力要素符号器の内容を示す図である。 軟入力軟出力要素符号器で使われる2を法とする加算をLLRで実行する近似回路を示す図である。 通常のターボ復号における符号化前の情報系列(I)に対するLLR算出過程を示すトレリス線図である。 ターボ復号における符号化後のパリティ系列系列(P)に対するLLR算出過程を示すトレリス線図である。
符号の説明
1,5,7 軟入力軟出力検出器
2,6,8 軟入力軟出力復号器
3,53,55 デインタリーバ
4,32,59 インタリーバ
11−1〜11−n,
34−1〜34−n,
51−1〜51−n,
71−1〜71−n アンテナ
12 デテクタ
13,14 変換器
21 デコーダ
31 エンコーダ
33 時空間マッパ
52 時空間検出器
54,58 減算器
56 加算器
57,73 軟入力軟出力符号器
61,81 軟入力軟出力復号器
62,82 判定器
72 空間多重信号検出器
74 ソフトレプリカ生成器
721 干渉キャンセラ
722 線形フィルタリング
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例による時空間多重信号分離装置の構成を示すブロック図である。図1において、本発明の第1の実施例による時空間多重信号分離装置は軟入力軟出力検出器1と、軟入力軟出力復号器2と、デインタリーバ3と、インタリーバ4とから構成されている。
軟入力軟出力検出器1はアンテナ11−1〜11−nと、デテクタ(Detector)12と、変換器13,14とを備え、空間多重信号分離を行う。軟入力軟出力検出器1の処理方法としては、以下に述べるような空間多重信号検出方法が使われる。軟入力軟出力復号器2はデコーダ(Decoder)21を備えている。
図2は本発明の第1の実施例による送信側装置の構成を示すブロック図である。図2において、本発明の第1の実施例による送信側装置はエンコーダ(Encoder:符号器)31と、インタリーバ32と、時空間マッパ(Constellation mapper)33と、アンテナ34−1〜34−nとを備えている。
この送信側装置において、送信対象となる情報系列はまずエンコーダ31に入力し、ここで符号語(シンボル系列)に変換された後、インタリーバ32によって攪拌され、時空間マッパ33によって各信号点及び各アンテナ34−1〜34−nにマッピングされた後、送信系列として無線伝送路(図示せず)で空間多重される。
図1に示す受信側では、上記のように空間多重された送信系列であるところの信号を軟入力軟出力検出器1で分離・抽出し、符号語(シンボル系列)の尤度情報としてインタリーバ32の逆過程であるデインタリーバ3によって元の並びに入れ替えられた後、軟入力軟出力復号器2に入力される。
軟入力軟出力復号器2は符号化後の符号語系列に対するExtrinsic情報を軟出力として発生する機能を有しており、送信系列の順序に合わせるため、インタリーバ4を介して軟入力軟出力検出器1へアプリオリ(a priori)として入力される。
この軟入力軟出力検出器1→デインタリーバ3→軟入力軟出力復号器2→インタリーバ4→軟入力軟出力検出器1で形成されたループ内を、上記の尤度情報を複数回伝達することによって、飛躍的に検出能力や復号能力を向上させる手法がターボ原理であり、そのためにターボ原理にしたがったExtrinsic情報を正確に抽出する必要がある。
本実施例による空間多重信号検出方法は、上記のような構成において用いられるもので、以下、この空間多重信号検出方法について説明する。
今、送信系列をnT本の送信アンテナで送った場合の送信信号ベクトルをXとし、それをnR本の受信アンテナで受けた場合の受信信号ベクトルをYとすると、MLD(Maximum Likelihood Decoding:最尤検出)の場合、
Figure 2005117273
となる。
したがって、条件付確率p(Y|X)を計算することになる。ちなみに、上記の式の右辺のp(X)はアプリオリ(a priori)に相当する部分である。また、送信信号ベクトルX及び受信信号ベクトルYは、
Figure 2005117273
Figure 2005117273
である。また、上記の条件付確率p(Y|X)を、
Figure 2005117273
として表し、送信信号系列xi のとりうる信号点の数Aを、
Figure 2005117273
とすると、条件付確率p(Y|X)をメトリックベースで表した種類の合計は、
Figure 2005117273
個となる。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。本発明の第2の実施例において、送信側及び受信側の各装置の構成は、上述した本発明の第1の実施例と同様である。本発明の第2の実施例は、条件付確率の積で表せるように分解する手段(factorization)としてQR分解を用いている点が上述した本発明の第1の実施例と異なる。このファクタライゼーションによる低複雑化を図った場合の空間多重信号検出方法について説明する。
通信路行列を、
Figure 2005117273
とすると、QR分解によって、
H=Q・R
となるので、
Figure 2005117273
となる。
ここで、
Figure 2005117273
はユニタリー行列、
Figure 2005117273
は上三角行列であり、雑音成分ベクトル
Figure 2005117273
はユニタリー変換された雑音ベクトルであるから、雑音強調は生ぜず、信号点間距離を維持したままの変換である。尚、このQRによる分解過程でSNR(Signal to Noise Ratio)が高い順序で処理できるように行列内ベクトルの並び替えが可能で、SNRが最大化されるような順序(オーダリング)で検出するステップ処理を実現することもできる。
上記の式を行列の要素レベルまで展開して再記すると、
Figure 2005117273
となる。ここで、
Figure 2005117273
はユニタリー変換後の雑音ベクトル要素で、統計的に独立であるから、ユニタリー変換後の受信信号ベクトルZに対する条件付確率は、
Figure 2005117273
となって、送信系列の要素に対応した条件付確率の積で表せるように分解することができる。
その送信系列の部分集合による送信信号ベクトルを、
Figure 2005117273
というように定義すると、上記の条件付確率は、
Figure 2005117273
となって送信信号系列xi のとりうる信号点の数をAとすると、条件付確率p(Y|X)をメトリックベースで表した種類の合計が、
Figure 2005117273
となる。ここで、信号点の数Aは、
Figure 2005117273
で表される。よって、本実施形態では、上述したMLDの場合に比べて、約1/nRに複雑度が減少し、しかも誤り率特性がMLDの場合と変わらないといった効果がある。
続いて、本発明の第3の実施例について説明する。本発明の第3の実施例において、送信側及び受信側の各装置の構成は、上述した本発明の第1の実施例と同様である。本発明の第3の実施例は、条件付確率の積で表せるように分解する手段(factorization)として三重対角マトリクス分解(Tridiagonal matrices factorization)を用いている点が上述した本発明の第1の実施例と異なる。この三重対角マトリクス分解によるファクタライゼーションにて低複雑化を図った場合の空間多重信号検出方法について説明する。
三重対角マトリクス分解の場合、行列の要素レベルまで展開して記すと、
Figure 2005117273
となる。したがって、Zに対する条件付確率は、
Figure 2005117273
となる。
送信信号系列xi のとりうる信号点の数をAとすると、条件付確率p(Z|X)をメトリックベースで表した種類の合計が、
Figure 2005117273
となる。ここで、信号点の数Aは、
Figure 2005117273
で表される。
よって、本実施形態では、上述したMLDの場合に比べて、約A0
Figure 2005117273
に複雑度が減少し、しかも誤り率特性がMLDの場合と変わらないといった効果がある。
さらに、本発明の第4の実施例について説明する。本発明の第4の実施例において、送信側及び受信側の各装置の構成は、上述した本発明の第1の実施例と同様である。本発明の第4の実施例は、条件付確率の積で表せるように分解する手段(factorization)としてブロック三角化分解を用いている点が上述した本発明の第1の実施例と異なる。このブロック三角化分解によるファクタライゼーションにて低複雑化を図った場合の空間多重信号検出方法について説明する。
ブロック三角化分解の場合、行列の要素レベルまで展開して記すと、
Figure 2005117273
となる。したがって、Zに対する条件付確率は、3次のブロックを使ったとすると、
Figure 2005117273
となって、上記の条件付確率は、
Figure 2005117273
となる。
送信信号系列xi のとりうる信号点の数をAとすると、条件付確率p(Z|X)をメトリックベースで表した種類の合計が、
Figure 2005117273
となる。ここで、信号点の数Aは、
Figure 2005117273
で表される。よって、本実施形態では、上述したMLDの場合に比べて、約3/nRに複雑度が減少し、しかも誤り率特性がMLDの場合と変わらないといった効果がある。
以上説明した方法は、最適検出であるMLDの場合と同じ誤り率特性を示し、複雑度を軽減して実現した実施形態である。次に、貪欲法(greedy)の適用によってマルコフ連鎖とみなして分割し、さらに低複雑度化を図った実施例について説明する。
本発明の第5の実施例では、まず、上述した受信信号ベクトルZに対する条件付確率p(Z|X)を送信系列の要素に対応した条件付確率の積で表せるように分解し、複数のグループに分けた後(ファクタライゼーション)、ステップ毎に条件に相当する候補をグループ内で絞り込む。この絞り込み具合によって、大小の差はあるものの、原理的にグループ間の誤り伝搬による特性劣化を伴うが、許容範囲内に収めて複雑度を軽減する。
図3は本発明の第5の実施例によるQR分解を用いたグループ分割手段(factorization)の一例を示す図である。図3においては、分割の手段(ファクタライゼーション)として上述のQR分解を用いた場合で、三つのグループに分けて3ステップで処理を行った場合の処理を示している。
図3において、実線で囲まれた部分が第一のステップで処理される部分、荒い破線で囲まれた部分が第二のステップで処理される部分、細かい破線で囲まれた部分が第三のステップで処理される部分である。
図3に示す式において、上記と同様に、
Figure 2005117273
はユニタリー変換後の雑音ベクトル要素で統計的に独立であるから、ユニタリー変換後の受信信号ベクトルZに対する条件付確率は、
Figure 2005117273
となる。
これを図3に示すグループ毎に独立に各ステップの処理を行う。各ステップの処理で行う条件付確率の計算は以下の通りである。
<ステップ1>
Figure 2005117273
<ステップ2>
ステップ1で得られた全ての候補を条件として、
Figure 2005117273
という条件付確率の計算を行う。
<ステップ3>
ステップ1,2で得られた絞り込み候補を条件として、
Figure 2005117273
という条件付確率を計算する。
図4は本発明の第6の実施例による三重対角マトリクス分解を用いたグループ分割手段(factorization)の一例を示す図である。図4においては、分解手段(factorization)として三重対角マトリクス分解を用いた場合で、三つのグループに分けて3ステップで処理を行った場合の処理を示している。
図4において、実線で囲まれた部分が第一のステップで処理される部分、荒い破線で囲まれた部分が第二のステップで処理される部分、細かい破線で囲まれた部分が第三のステップで処理される部分である。受信信号ベクトルZに対する条件付確率は、
Figure 2005117273
となる。
これを図4に示すグループ毎に独立に各ステップの処理を行う。各ステップの処理で行う条件付確率の計算は以下の通りである。
<ステップ1>
Figure 2005117273
<ステップ2>
ステップ1で得られた全ての候補を条件として、
Figure 2005117273
という条件付確率の計算を行う。
<ステップ3>
ステップ1,2で得られた絞り込み候補を条件として、
Figure 2005117273
という条件付確率を計算する。
図5は本発明の第7の実施例によるブロック三角化分解を用いたグループ分割手段(factorization)の一例を示す図である。図5においては、分解手段(factorization)としてブロック三角化分解を用いた場合で、三つのグループに分けて3ステップで処理を行った場合の処理を示している。
図5において、実線で囲まれた部分が第一のステップで処理される部分、荒い破線で囲まれた部分が第二のステップで処理される部分、細かい破線で囲まれた部分が第三のステップで処理される部分である。受信信号ベクトルZに対する条件付確率は、3次のブロックを使ったとすると、
Figure 2005117273
となって、上記の条件付確率は、
Figure 2005117273
となる。
これを図5に示すグループ毎に独立に各ステップの処理を行う。各ステップの処理で行う条件付確率の計算は以下の通りである。
<ステップ1>
Figure 2005117273
<ステップ2>
ステップ1で得られた全ての候補を条件として、
Figure 2005117273
という条件付確率の計算を行う。
<ステップ処理3>
ステップ1,2で得られた絞り込み候補を条件として、
Figure 2005117273
という条件付確率を計算する。
尚、上述した条件付確率の積で表せるように分解する手段として使ったマトリクス分解過程で各グループの条件付確率が高い順序でステップ処理ができるように分割することが可能で、例えば、各送信アンテナから送られてくる互いに直交したパイロット信号を用いて受信端で一番SNRの高い順に下から送信信号ベクトル要素の並べ替えを行い、それに対応した形で通信路行列Hの並び替えを行った後、マトリクス分解を行えば、上述したステップ1の条件付確率が他のグループより高くなることが期待できる。
あるいは、通信路行列Hの各列ベクトルのノルムを計算して、ノルムの高い列ベクトル順に対応する送信信号ベクトル要素を下から並び替え、それに応じて通信路列Hの並び替えを行えば、上述したステップ1の条件付確率が他のグループより高くなることが期待できるし、ステップ順に条件付確率が並ぶように期待できる。
以上のようにして得られた絞り込み候補からは、符号語(シンボル系列)のシンボルxi に対する確率p(xi|Z)を計算する必要がある。これはベイズ統計学における周辺化(マージナライゼーション:marginalization)処理であり、
Figure 2005117273
というようにして求めることができる。これらの実際の演算はメトリック領域で行われる。したがって、乗算は全て加算に置き換わり、指数演算も必要ない。具体例な実施形態については後述する。
メトリック領域で行われる演算としては、有力な低複雑化手法に半環(セミリング:Semi-ring)がある。上記の式に半環(セミリング)を適用すると、
Figure 2005117273
というようになる。ここで、f(・)は確率p(・)に対応したメトリックである。
半環(セミリング)を用いた低複雑化手法を説明するに当たり、まず半環(セミリング:Semi-ring)の概念について説明する。尚、上記のような記載が、「1996年7月、アイ・イー・イー・イー・トランザクション・オン・インフォメーション・セオリ、第42巻、第4号、1072〜1092頁(IEEE Transactions on information theory,Vol.42,No.4,pp.1072-1092)」(参考文献1)に開示されている。
半環(semiring)は2種類の演算、
Figure 2005117273
が定義された集合semiringで構成され、任意の3つの元、
Figure 2005117273
の間で、
(閉包則)
Figure 2005117273
(結合則)
Figure 2005117273
(単位元)
Figure 2005117273
(ゼロ元)
Figure 2005117273
という関係を満たす。尚、半環(semiring)は環(ring)と異なり、逆元を有しない。
以上の性質を持つ半環(semiring)の代表的な二つの例(Max-Log領域及びLog領域)、つまり(A)Max-Log領域(Max-Log Domain)での半環(セミリング)と、(B)Log領域(Max-Log Domain)での半環(セミリング)とを以下に示す。
(A)において、Max-Log領域における半環(セミリング)は、
Figure 2005117273
という式で対応付けることができる。
すなわち、半環上の加算は最大値演算(MAX)、半環上の積は通常の加算として定義される。尚、このような演算方法については、上記の参考文献1に記載されている。
これによって、上述したmは−∞に相当し、「1の下線付き」は通常のゼロに相当することになる。この場合、上記の式の、
Figure 2005117273
はメトリックの最大値検出によって簡単に実行することができる。上記の方法は簡易なものであるが、その計算結果は近似値である。
(B)において、Log領域における半環(セミリング)は、
Figure 2005117273
という式で対応付けることができる。
ここで、最初の演算はヤコビアンロガリズム(Jacobian Logarithm)によって、
Figure 2005117273
というようにして行うことができる。この場合、補正項f(|*|)は簡単なルックアップテーブル(look-up table)で実現することができる。
この補正が理想的に行われると、
Figure 2005117273
のメトリック演算によって、
Figure 2005117273
という周辺化処理を、メトリック領域上で正確に行うことができる。
本発明の第8の実施例は、以上の半環(セミリング)による低複雑化手法を、上述した貪欲法(greedy)を適用したステップ毎に処理する方法に適用したものである。以下の説明で用いる半環(セミリング)は、Max-Log領域の実施形態で、条件付確率の積で表せるように分解する手段(factorization)としてQR分解を用いた場合である。
ユニタリー変換後の受信信号ベクトルZに対する条件付確率は、上述したQR分解を用いた場合の式から、
Figure 2005117273
となる。これにベイズ統計学における周辺化(マージナライゼーション:marginalization)処理を行うと、
Figure 2005117273
という式を得る。この式に半環(セミリング)を適用すると、
Figure 2005117273
というようになる。
これに対しては、図3に示すグループ毎に独立な各ステップの処理を行う。各ステップの処理で行う条件付確率の計算は以下の通りである。
<ステップ1>
Figure 2005117273
Max-Log領域の実施形態の場合、ステップ1のグループ内最大値になる。ここで、予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件として用いた場合、それぞれに対して複数個計算することになるが、周辺化処理に対する計算はそれぞれの最大値として簡略化される。この処理はステップ1のグループ内周辺化処理に相当する。図6にそのイメージを示す。
<ステップ2>
ステップ1で得られた最大値を持つ候補を条件として用いるか、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件として用い、
Figure 2005117273
というメトリック演算を行う。予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件として用いると、複数個計算することになるが、Max-Log領域の実施形態の場合、ステップ2のグループ内最大値になって簡略化される。この処理はステップ2のグループ内周辺化処理に相当する。図6にそのイメージを示す。
<ステップ3>
ステップ1,2で得られた最大値を持つ候補を条件として用いるか、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件として用い、
Figure 2005117273
というメトリック演算を行う。予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件として用いると、複数個計算することになるが、Max-Log領域の実施形態の場合、ステップ3のグループ内最大値になって簡略化される。この処理はステップ3のグループ内周辺化処理に相当する。図6にそのイメージを示す。
尚、上記の各ステップを通じて自グループ内に対象となる要素、すなわちxi =aがない場合、そのステップでは条件のない最大値となる。したがって、半環(セミリング)を適用した周辺化処理の式は、
Figure 2005117273
というようになる。
ここで、各ステップの演算結果を以下のようにα,β,γと置く。
ステップ1:
Figure 2005117273
ステップ2:
Figure 2005117273
ステップ3:
Figure 2005117273
したがって、
Figure 2005117273
となる。
あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件として用いた場合、“’”をその複数個中の任意の送信系列に対応した演算結果や事象として用いると、各ステップの演算結果は複数個となり、α’,β’,γ’を任意として、
ステップ1:
Figure 2005117273
ステップ2:
Figure 2005117273
ステップ3:
Figure 2005117273
したがって、
Figure 2005117273
となる。この場合、複数個の事象に対して得られた結果の中で最大値をとる事象が最も確からしい送信系列となる。
Max-Log領域の実施形態の場合、前段の拘束条件の下で計算した各ステップのグループ内最大メトリックα,β,γの和が求めるf(xi=a|Z)になる。尚、最大値のみの単一候補を用いた場合、ステップ内に対象となる要素、すなわちxi =aがない場合、そのステップでは条件のない最大値となるので、他との共有化が可能で、さらに低複雑度で実現することができる。
以上の条件付確率の積で表せるように分解し(factorization)、分解可能な条件付確率を複数のグループに分割して各ステップの処理を行い、各ステップの処理における前段の最大条件付確率を示す事象、すなわちこの実施形態の場合、メトリックの最大値となる候補Xを次段の条件とすべく処理する過程を具体的なメトリック計算による実施形態で以下説明する。尚、本実施例では説明のし易さから最大値のみの単一候補を用いた場合を例にとって説明しているが、簡易推定によって複数個の事象(送信系列)に絞り込んだ候補を使った場合でも、上記と同様の手段を講じることが可能なことはいうまでもない。
以下の実施形態では、送信信号系列の要素xi のとりうる信号点の数Aを「16」とした16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)の場合において、説明のし易さからグループ分割を条件確率の積の分割と同じ場合について説明する。ここで、信号点の数Aは、
Figure 2005117273
と表される。
この分割の様子を図7に示す。図7において、ステップ1に相当するメトリック処理は、
Figure 2005117273
という式によって行われる。
ここで、最終的な対象ビットの軟判定出力は対数尤度比(LLR:Log Likelihood Ratio)であり、メトリックベースの演算では対象ビットに対するメトリックとその排反事象に対するメトリックとの差となるので、共通項であるz、
Figure 2005117273
は予め削除されている。
本発明の第9の実施例では、Max-Log領域における半環(セミリング)の実施形態をとっているので、各候補の最大条件付確率、すなわちメトリックの最大値をもって最大確率事象となる。
16QAMでは一つの信号点に対して四ビット割り付けられる。そこで、
Figure 2005117273
と表すことにする。また、各信号点は、図8に示すように、外円上に信号点のあるグループ(outer signal point)と、内円上に信号点のあるグループ(inner signal point)と、信号点が水平軸に対して±tan-1(1/3)にあるグループ(±tan-1(1/3)(mod π) signal point)と、信号点が水平軸に対して±tan-1(3)にあるグループ(±tan-1(3) signal point)とに分けることができる。
それぞれのグループにおけるメトリック計算は、outer signal point(32+32=18) a=±1,b=±1,
Figure 2005117273
inner signal point(12+12=2)
Figure 2005117273
±tan-1(1/3)(mod π) signal point(32+12=10)
Figure 2005117273
±tan-1(3) signal point(12+32=10)
Figure 2005117273
となる。
このメトリック計算によって得られた全ての組合せからMax-Log領域における半環(セミリング)の実施形態をとっているので、各候補の最大条件付確率、すなわちメトリックの最大値と最大確率事象、つまりその時の送信系列、
Figure 2005117273
を選び出す。尚、上記の例では各ビットに対して単一候補に絞り込んだ場合を例にとって説明しているが、簡易推定によって複数個に絞り込んだ場合でも、上記と同様の手段を講じることが可能なことはいうまでもない。
Figure 2005117273
以上の結果、得られた上記の結果がステップ1における
Figure 2005117273
となる。但し、この実施例の場合、グループ分割と条件確率の積の分割とが同じなので、
Figure 2005117273
となっている。この処理で特徴的なのは、全ての組合せを得るために加減算のみしか使っていない点であり、低複雑化がなされている。
ステップ2の処理は、前段の最大確率事象、すなわち各ビットに対するビット条件付最大事象、
Figure 2005117273
とその最大排反事象とに対して、それぞれ、
Figure 2005117273
というメトリック処理によって行われる。もちろん、簡易推定によって複数個の事象に絞りこんだ候補を使った場合でも、上記と同様の手段を講じることが可能である。
ここで、最終的な対象ビットの軟判定出力はLLRであり、メトリックベースの演算では対象ビットに対するメトリックとその排反事象に対するメトリックとの差となるので、共通項であるz0、
Figure 2005117273
は予め削除されている。
本発明の第10の実施例では、上述したのと同様に、Max-Log領域における半環(セミリング)の実施形態をとっているので、各候補の最大条件付確率、すなわちメトリックの最大値をもって最大確率事象となる。
同様に、16QAMで一つの信号点に対して四ビット、
Figure 2005117273
と表すことにするが、この例の場合、最大値のみの単一候補に絞り込んだ場合を例にとっているので、前段の最大確率事象に基づく信号点であることを明確にするため、
Figure 2005117273
と表記することにする。
前段では、各ビットに対するビット条件付最大事象とその最大排反事象とが決定されているので、それぞれの事象に対して上記のメトリック処理を行っている。すなわち、
Figure 2005117273
の全てに対して計算を行う。尚、この条件事象の中には、無条件最大事象が必ず存在する。
各信号点は、図8に示すように、外円上に信号点のあるグループ(outer signal point)と、内円上に信号点のあるグループ(inner signal point)と、信号点が水平軸に対して±tan-1(1/3)にあるグループ(±tan-1(1/3)(mod π) signal point)と、信号点が水平軸に対して±tan-1(3)にあるグループ(±tan-1(3) signal point)とに分ける。
それぞれのグループにおけるメトリック計算は
Figure 2005117273
となる。
このメトリック計算によって得られた全ての組合せからMax-Log領域における半環(セミリング)の実施形態をとっているので、各候補の最大条件付確率、すなわちメトリックの最大値と最大確率事象、つまりその時の送信系列
Figure 2005117273
を選び出す。尚、上記の例では各ビットに対して単一候補に絞り込んだ場合を例にとって説明しているが、簡易推定によって複数個に絞り込んだ場合でも、上記と同様の手段を講じることが可能なことはいうまでもない。
ここで、前段の無条件最大事象が、
Figure 2005117273
であったとすると(複数個に絞り込まれた候補を使った場合、その候補それぞれが前段の条件事象となる)、
Figure 2005117273
また、前段に対象ビットが存在している事象に対しては、その事象を条件とする最大メトリックを選び出し、
Figure 2005117273
というようにする。
選択の過程を図9に示す。左からステップ1、ステップ2、・・・の処理となる。図9では図示の都合上、条件事象を省略して記載している。この例では、各ステップにおける無条件最大事象が、
Figure 2005117273
の順となっている。尚、上記の例では説明のし易さから最大値のみの単一候補に絞り込んだ場合を例にとって説明しているが、簡易推定によって複数個に絞り込んだ場合でも、上記と同様の手段を講じることが可能なことはいうまでもない。
以上、得られた結果がステップ2における、
Figure 2005117273
となる。但し、この実施例の場合、グループ分割と条件確率の積の分割とが同じなので、
Figure 2005117273
となっている。この処理で特徴的なのは、全ての組合せを得るために加減算のみしか使っていない点であり、低複雑化がなされている。
次に、任意のステップmの処理は、前段の最大確率事象、すなわち各ビットに対するビット条件付最大事象xm=(αm,βm,γm,δm)と、その最大排反事象とに対して、それぞれ、
Figure 2005117273
というメトリック処理によって行われる。もちろん、簡易推定によって複数個の事象に絞りこんだ候補を使った場合でも、上記と同様の手段を講じることが可能である。
ここで、最終的な対象ビットの軟判定出力はLLRであり、メトリックベースの演算では対象ビットに対するメトリックとその排反事象に対するメトリックとの差となるので、共通項である、
Figure 2005117273
は予め削除されている。
本発明の第11の実施例では、上述したのと同様に、Max-Log領域における半環(セミリング)の実施形態をとっているので、各候補の最大条件付確率、すなわちメトリックの最大値をもって最大確率事象となる。
また、上記と同様に、16QAMで一つの信号点に対して四ビットxm=(αm,βm,γm,δm)と表すことにするが、この例の場合、最大値のみの単一候補に絞り込んだ場合を例にとっているので、前段の最大確率事象に基づく信号点であることを明確にするため、
Figure 2005117273
と表記することにする。
前段までの間には、各ビットに対するビット条件付最大事象とその最大排反事象とが決定されているので、それぞれの事象に対して上記のメトリック処理を行っている。すなわち、例えばステップ3の状態を例にすると、
Figure 2005117273
の全てに対して計算を行う。尚、この条件事象の中には、無条件最大事象が必ず存在する。
各信号点は、図8に示すように、外円上に信号点の有るグループ(outer signal point)と、内円上に信号点のあるグループ(inner signal point)と、信号点が水平軸に対して±tan-1(1/3)にあるグループ(±tan-1(1/3)(mod π) signal point)と、信号点が水平軸に対して±tan-1(3)にあるグループ(±tan-1(3) signal point)とに分けることができる。
それぞれのグループにおけるメトリック計算は、
Figure 2005117273
となる。
このメトリック計算によって得られた全ての組合せからMax-Log領域における半環(セミリング)の実施形態をとっているので、各候補の最大条件付確率、すなわちメトリックの最大値と最大確率事象、つまりその時の送信系列
Figure 2005117273
を選び出す。尚、上記の例では各ビットに対して単一候補に絞り込んだ場合を例にとって説明しているが、簡易推定によって複数個に絞り込んだ場合でも、上記と同様の手段を講じることが可能なことはいうまでもない。
ここで、説明の都合上、ステップ3の状態として説明すると、前段までの無条件最大事象が、
Figure 2005117273
であったとして(複数個に絞り込まれた候補を使った場合、その候補それぞれが前段の条件事象となる)、
Figure 2005117273
また、前段に対象ビットが存在している事象に対しては、その事象を条件とする最大メトリックを選び出し、
Figure 2005117273
というようにする。
選択の過程を図9に示す。左からステップ1、ステップ2、ステップ3、・・・の処理で、上記の例は三番目の場合である。図9では、図示の都合上、条件事象を省略して記載している。この例の各ステップにおける無条件最大事象は、
Figure 2005117273
である。尚、上記の例では説明のし易さから最大値のみの単一候補を用いた場合を例にとって説明しているが、簡易推定によって複数個の事象(送信系列)に絞り込んだ候補を使った場合でも、上記と同様の手段を講じることが可能なことはいうまでもない。
以上、得られた結果が任意のステップm、この例ではステップ3における
Figure 2005117273
となる。但し、この例の場合、グループ分割と条件確率の積の分割とが同じなので、
Figure 2005117273
となっている。この処理で特徴的なのは、全ての組合せを得るために加減算のみしか使っていない点であり、低複雑化がなされている。
本発明の第12の実施例では、このようにして得られた各ステップのグループ内ビット条件付最大メトリックを基に、空間多重信号検出における対象ビットのLLRを求める。例えば、ステップ3までで完了する構成の場合において、
Figure 2005117273
に対する軟判定出力であるところのLLRを求める場合、
Figure 2005117273
の関係から、
Figure 2005117273
となる。
ここで、L(x,x,x,x|1,x,x,x)はステップ2における前段最大確率事象、
Figure 2005117273
を条件とする最大メトリック、L(x,x,x,x|1,x,x,x,x,x,x,x)はステップ3における前前段最大確率事象、
Figure 2005117273
と、それを条件とするステップ3での最大確率事象、
Figure 2005117273
とを条件とする最大メトリックである。
Max-Log領域の実施形態の場合、前段の拘束条件の下で計算した各ステップのグループ内最大メトリックα,β,γの和が求めるf(xi =a|Z)になるから、
Figure 2005117273
として計算することができる。次に、この排反事象である
Figure 2005117273
に対しては、
Figure 2005117273
となる。したがって、
Figure 2005117273
となる。
これによって、
Figure 2005117273
に対する軟判定出力であるところのLLRは、
Figure 2005117273
となる。
すなわち、対象ビットが存在するグループにおけるステップ処理で、対象ビットと、前段までの最大確率事象を条件とする最大条件確率と、その排反事象と、前段までの最大確率事象を条件とする最大条件付確率とをメトリックベースで引き算し、対象ビットが存在するグループ以降のグループにおいても前段までの対象ビットを含む最大確率事象を条件とする最大条件付確率と、その排反事象を含む最大確率事象を条件とする最大条件付確率とをメトリックベースで引き算し、それぞれの総和をもって対象ビットの軟判定出力であるところのLLRとしているのである。尚、この例の場合、対象ビットがステップ1の処理に含まれているので、対象ビットが存在するグループにおいて前段までの最大確率事象を条件とする必要はない。
あるいは、予め簡易推定によって絞り込まれた複数個の事象(送信系列)を条件とした場合には、上記と同様に、ステップ3までで完了する構成の場合において、
Figure 2005117273
に対する軟判定出力であるところのLLRを求める場合、
Figure 2005117273
の関係から、
Figure 2005117273
となる。
ここで、“’”は予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を基に得られた結果を示しており、L(x’,x’,x’,x’|1,x’,x’,x’)はステップ2における前段確率事象、
Figure 2005117273
を条件とするメトリック、L(x’,x’,x’,x’|1,x’,x’,x’,x’,x’,x’,x’)はステップ3における前段確率事象、
Figure 2005117273
と、それを条件とするステップ3における前段確率事象、
Figure 2005117273
とを条件とするメトリックである。
Max-Log領域の実施形態の場合、前段の拘束条件の下で計算した各ステップのグループ内最大メトリックα,β,γの和が求めるf(xi=a|Z)になるから、
Figure 2005117273
として計算することができる。
次に、この排反事象である
Figure 2005117273
に対しては、
Figure 2005117273
となる。したがって、
Figure 2005117273
となる。
これによって、
Figure 2005117273
に対する軟判定出力であるところのLLRは、
Figure 2005117273
となる。
すなわち、対象ビットが存在するグループにおけるステップ処理で、対象ビットと、前段までの予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)とを基に得られた確率事象を条件とする条件確率と、その排反事象と、前段までの予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)とを基に得られた確率事象を条件とする条件付確率とをメトリックベースで引き算し、対象ビットが存在するグループ以降のグループにおいても、前段までの予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を基に得られた確率事象を条件とする条件付確率と、その排反事象を含む確率事象を条件とする条件付確率とをメトリックベースで引き算し、それぞれの総和をもって対象ビットの軟判定出力であるところのLLRとしているのである。
本発明の第13の実施例は、対象ビットがステップ2のグループに含まれている場合を示している。例えば、ステップ3までで完了する構成の場合において、
Figure 2005117273
に対する軟判定出力であるところのLLRを求める場合、
Figure 2005117273
の関係から、
Figure 2005117273
となる。
ここで、
Figure 2005117273
におけるαは排反事象と共通なので、予め削除されている。また、
Figure 2005117273
はステップ2におけるビット条件付最大事象、
Figure 2005117273
における最大メトリックで、前段の条件
Figure 2005117273
はステップ1における無条件最大確率事象である。また、L(x,x,x,x|x,1,x,x, x,x,1,x)はステップ3における前前段無条件最大確率事象、
Figure 2005117273
と、それを条件とするステップ2でのビット条件付最大確率事象、
Figure 2005117273
とを条件とする無条件最大メトリックである。
Max-Log領域の実施形態の場合、前段の拘束条件の下で計算した各ステップのグループ内最大メトリックα,β,γの和(この場合、αは共通項なので削除され、βとγとの和となる)が求めるf(xi=a|Z)になるので、
Figure 2005117273
として計算することができる。
次に、この排反事象である
Figure 2005117273
に対しては、
Figure 2005117273
となる。したがって、
Figure 2005117273
となる。
これによって、
Figure 2005117273
に対する軟判定出力であるところのLLRは、
Figure 2005117273
となる。
すなわち、対象ビットが存在するグループにおけるステップ処理で、対象ビットと前段までの最大確率事象を条件とする最大条件確率と、その排反事象と、前段までの最大確率事象を条件とする最大条件付確率とをメトリックベースで引き算し、対象ビットが存在するグループ以降のグループにおいても、前段までの対象ビットを含む最大確率事象を条件とする最大条件付確率と、その排反事象を含む最大確率事象を条件とする最大条件付確率とをメトリックベースで引き算し、それぞれの総和をもって対象ビットの軟判定出力であるところのLLRとしているのである。
あるいは、予め簡易推定によって絞り込まれた複数個の事象(送信系列)を条件とした場合で、“’”を予め簡易推定された複数個の事象を基に得られた結果として、上記と同様に、ステップ3までで完了する構成の場合において、
Figure 2005117273
に対する軟判定出力であるところのLLRを求める場合、
Figure 2005117273
の関係から、
Figure 2005117273
となる。
ここで、
Figure 2005117273
はステップ2におけるビット条件付き事象、
Figure 2005117273
におけるメトリックで、前段の条件
Figure 2005117273
はステップ1における予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を基に得られた確率事象である。また、L(x’,x’,x’,x’|x’,x’,x’,x’,x’,x’,1,x’)はステップ3における前段確率事象、
Figure 2005117273
と、それを条件とするステップ2でのビット条件付確率事象、
Figure 2005117273
とを条件とするメトリックである。
Max-Log領域の実施形態の場合、前段の拘束条件の下で計算した各ステップのグループ内最大メトリックα,β,γの和が求めるf(xi =a|Z)になるので、
Figure 2005117273
として計算することができる。
次に、この排反事象である
Figure 2005117273
に対しては、
Figure 2005117273
となる。したがって、
Figure 2005117273
となる。
これによって、
Figure 2005117273
に対する軟判定出力であるところのLLRは、
Figure 2005117273
となる。
ここで、上式第一項の
Figure 2005117273
は、
Figure 2005117273
を求めるに当たっての
Figure 2005117273
と、
Figure 2005117273
を求めるに当たっての
Figure 2005117273
でその差分である。
すなわち、対象ビットが存在するグループにおけるステップ処理で、対象ビットと、前段までの予め簡易推定によって絞り込まれた複数個の事象(送信系列)を基に得られた条件確率と、その排反事象と、同じくその前段までの予め簡易推定によって絞り込まれた複数個の事象(送信系列)を基に得られた条件付確率とをメトリックベースで引き算し、対象ビットが存在するグループ以降のグループにおいても、前段までの対象ビットを含む確率事象を条件とする条件付確率と、その排反事象を含む確率事象を条件とする条件付確率とをメトリックベースで引き算し、それぞれの総和をもって対象ビットの軟判定出力であるところのLLRとしているのである。
尚、以上の実施形態は、説明のし易さから、グループ分割を条件確率の積の分割と同じにしているが、複数の条件確率の積でグループ化しても、上記と同様に実施することがで
きる。
本発明の第14の実施例は、図10に示す複数の条件確率の積を初段に用いた場合の例である。この例の場合も説明のし易さから最大値に候補を絞った場合を例にとって説明するが、簡易推定によって複数個に絞り込んだ場合も、上記と同様の手段が成り立つことはいうまでもない。初段の事象を上述した表記法に合わせて記すと、以下のようになる。
16QAMで一つの信号点に対して四ビット、図10に示す例ではステップ1の処理として二つの信号点を用いているので、
Figure 2005117273
と表すことにする。したがって、次段の中に対象ビットが含まれている場合の選択対象は、
Figure 2005117273
となり、この全てに対して計算を行う。この条件事象の中には、無条件最大事象が必ず存在する。この処理は上述したグループ分割を条件確率の積の分割と同じとした場合のステップ3の処理と同じものである。
図10の選択の過程は、左からステップ1、ステップ2、ステップ3の処理で上記の例は三列目のステップ2の処理である。図10では、図示の都合上、条件事象を省略して記載している。この例の各ステップにおける無条件最大事象は、
Figure 2005117273
である。尚、通常、縮退があるので、サンプル数は図中以下の数となる。
本発明の第15の実施例の場合、初段に複数アンテナ分の処理を同時に行うので、その分ダイバーシティ利得が得られ、次段以降への誤り伝搬の影響を改善することができる。
以上の処理を纏めると、以下のようになる。
(1)対象となるビットが存在するグループ:対象となるビットが推定対象として存在する該グループにおいて、対象ビットと前段までの最大確率事象を条件とする対象ビット条件付最大条件付確率をメトリックベースで検出するとともに、その対象ビットに対する排反事象と該前段までの最大確率事象を条件とする排反ビット条件付最大条件付確率とをメトリックベースで検出する。
(2)次段のグループ:次段のグループにおいて、対象ビットを含む前段最大確率事象を条件とする無条件ビット最大条件付確率をメトリックベースで検出するとともに、対象ビットに対する排反事象を含む前段最大確率事象を条件とする無条件ビット最大条件付確率をメトリックベースで検出する。
(3)同様に、対象となるビットが存在するグループ以降の段におけるグループにおいても、該前段までの最大確率事象を条件とし、無条件ビット最大条件付確率をメトリックベースで検出するとともに、対象ビットに対する排反事象を含む(1)の最大確率事象と、それに伴って検出される前段までの最大確率事象を条件とする無条件ビット最大条件付確率とをメトリックベースで検出する。
(4)それ以降の段のグループ:以降、最終段のグループまで(3)を繰り返す手段。(5)(4)を完了後、対象ビットのLLRを、(1)における対象ビットと、前段までの最大確率事象を条件とする最大条件付確率と、その対象ビットに対する排反事象と、前段までの最大確率事象を条件とする最大条件付確率とをメトリックベースで引き算し、(2)から(4)の対象となるビットが存在するグループ以降の段のグループにおいても、前段までの最大確率事象を条件とする最大条件付確率と、該対象ビットに対する排反事象を含む前段までの最大確率事象を条件とする最大条件付確率とをメトリックベースで引き算し、それぞれの総和をもって対象ビットの軟判定出力であるところのLLRとして検出する。
また、対象ビットが存在するグループの前後のグループで、上記の例ではすべてメトリックの計算対象としているが、適当な範囲で打ち切ることによって、低複雑化が可能であり、そのような使用形態も可能である。
尚、本発明の空間多重検出方法は、反復処理を用いない場合でも、低複雑度化に有効となり、そのような使用形態も適宜なされるのはいうまでもない。あるいは、予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とした場合について上記の処理を纏めると、(1)対象となるビットが存在するグループ:予め簡易推定によって絞り込まれた複数個の事象(送信系列)を基に、対象となるビットが推定対象として存在する該グループにおいて、対象ビットと前段までの確率事象を条件とする対象ビット条件付確率をメトリックベースで検出するとともに、その対象ビットに対する排反事象と該前段までの確率事象を条件とする排反ビット条件付確率とをメトリックベースで検出する。
(2)次段のグループ:予め簡易推定によって絞り込まれた複数個の事象(送信系列)を基に、次段のグループにおいて、対象ビットを含む前段確率事象を条件とする無条件ビット条件付確率をメトリックベースで検出するとともに、対象ビットに対する排反事象を含む前段確率事象を条件とする条件付確率をメトリックベースで検出する。
(3)同様に、予め簡易推定によって絞り込まれた複数個の事象(送信系列)を基に、対象となるビットが存在するグループ以降の段におけるグループにおいても、該前段までの確率事象を条件とし、条件付確率をメトリックベースで検出するとともに、対象ビットに対する排反事象を含む(1)の確率事象と、それに伴って検出される前段までの確率事象を条件とする条件付確率とをメトリックベースで検出する。
(4)それ以降の段のグループ:予め簡易推定によって絞り込まれた複数個の事象(送信系列)を基に、以降、最終段のグループまで(3)を繰り返す手段。(5)(4)を完了後、対象ビットのLLRを、(1)における対象ビットと、前段までの確率事象を条件とする条件付確率と、その対象ビットに対する排反事象と、前段までの確率事象を条件とする条件付確率とをメトリックベースで引き算し、(2)から(4)の対象となるビットが存在するグループ以降の段のグループにおいても、前段までの確率事象を条件とする条件付確率と、該対象ビットに対する排反事象を含む前段までの確率事象を条件とする条件付確率とをメトリックベースで引き算し、それぞれの総和をもって対象ビットの軟判定出力であるところのLLRとして検出する。また、対象ビットが存在するグループの前後のグループで、上記の例ではすべてメトリックの計算対象としているが、適当な範囲で打ち切ることによって、低複雑化が可能であり、そのような使用形態も可能である。
以上、メトリック領域で行われる半環(セミリング:Semi-ring)を用いた低複雑化方法について説明したが、最大値単一候補に絞り込んだ場合で、さらに特性向上のために復元抽出(リサンプリング)がある。
この復元抽出(リサンプリング)は貪欲法(greedy)によるステップ処理のために生じる誤り伝搬の軽減を狙ったもので、最終的に推定対象となるビットとその排反事象を含む上述したメトリックベースの条件付確率の集合とが得られるが、その中からビット条件付の最大メトリックを再選択することによって実現するものである。
本発明の第16の実施例は、排反事象に対しても、上記と同様に、選択されたものを採用し、両メトリックの差分を用いて、上述した方法と同様な方法によって対象ビットの軟判定出力であるところのLLRを検出するものである。例えば、図9に示す場合、最終的に縮退を無視すると、
Figure 2005117273
個のサンプル数を得ることができる。同例の場合、
Figure 2005117273
を代入すると、
Figure 2005117273
個のサンプルとなり、この集合から上述の条件にある最大メトリックを復元抽出(リサンプリング)する。
本発明の第17の実施例は、上記と同様に、初段に複数アンテナ分の処理を同時に行い、ダイバーシティ利得を得た段以降への誤り伝搬の影響を改善している。図10において、最終的に縮退を無視すると、
Figure 2005117273
個のサンプル数を得ることができる。上記と同様に、
Figure 2005117273
を代入すると、
Figure 2005117273
個のサンプルとなり、この集合から上述した条件にある最大メトリックを復元抽出(リサンプリング)する。
以上、本発明の空間多重信号検出方法を用いた軟入力軟出力検出方法について説明したが、次に、時空間多重信号分離における軟入力軟出力検出器と軟入力軟出力復号器とを用いた時空間反復復号器について説明する。
図11は本発明の第18の実施例による時空間反復復号器の構成を示すブロック図である。図11において、本発明の第18の実施例による時空間反復復号器は軟入力軟出力検出部5と、軟入力軟出力復号部6とから構成されている。
軟入力軟出力検出部5はアンテナ51−1〜51−nと、時空間検出器52と、デインタリーバ53,55と、減算器54,58と、加算器56と、軟入力軟出力符号器57と、インタリーバ59とから構成され、軟入力軟出力復号部6は軟入力軟出力復号器61と、判定器62とを備えている。
軟入力軟出力復号部6は符号化前の情報ビット系列に対するLLRを出力としている。軟入力軟出力検出部5内にある軟入力軟出力符号器57はそのLLRを入力とし、符号化後の符号語系列に対するLLRを出力する。軟入力軟出力検出部5はこの符号化後の符号語に対するLLRを基に、空間多重信号検出用のアプリオリ(a priori)情報を生成し、このアプリオリ情報を基にターボ原理に基づいて軟入力軟出力検出部5と軟入力軟出力復号部6との間で反復復号を実行している。
軟入力軟出力復号部6は軟入力軟出力復号器61を含む構成であって、軟入力軟出力復号器61へのアプリオリ(a priori)入力は軟入力軟出力符号器57の軟判定出力に減算器58によって差し引く形で作用し、軟入力軟出力検出部5内にある時空間検出器52へのアプリオリ(a priori)入力を形成している。この時、Intrinsic情報も加算器56を介して減算器58によって差し引くように作用している。
また、時空間検出器52へのアプリオリ(a priori)入力は時空間検出器52の軟判定出力に減算器54によって差し引く形で作用し、軟入力軟出力復号器61へのアプリオリ(a priori)入力を形成している。
尚、図2に示すように、送信側である符号器エンコーダ31と時空間マッパ33との間にはインタリーバ32があり、これがターボ原理に基づく反復復号に重要な役割を果たしている。すなわち、図1に示すように、受信側でこのインタリーバ32の逆過程であるデインタリーバ3及びインタリーバ4を入れることになり、軟入力軟出力検出処理と軟入力軟出力復号処理とを統計的に独立させ、Extrinsic情報、転じてアプリオリ(a priori)とすることによって検出能力や復号能力を飛躍的に向上させる、所謂、ターボ原理を用いた手法であり、図11に示すデインタリーバ53,55及びインタリーバ59がその役割を担っている。
図11に示す例の場合、軟入力軟出力検出部5から軟入力軟出力復号部6へのIntrinsic情報とアプリオリ(a priori)情報とを別々に受け渡しているので、デインタリーバ53,55が二つとなっている。反復処理によって最終的に得られたLLR結果は、軟入力軟出力復号部6の中にある判定器62によって硬判定され、データとして出力される。
図12は本発明の第19の実施例による時空間反復復号器の構成を示すブロック図である。本発明の第19の実施例による時空間反復復号器はソフトキャンセラによる時空間反復復号器であり、本来のターボ原理に基づく反復復号ではなく、ソフトレプリカによる干渉キャンセラと線形フィルタリングとによる干渉抑圧(ヌリング:nulling)を基に構成されている。
図12において、本発明の第19の実施例による時空間反復復号器は軟入力軟出力検出部7と、軟入力軟出力復号部8とから構成されている。軟入力軟出力検出部7はアンテナ71−1〜71−nと、空間多重信号検出器72と、軟入力軟出力符号器73と、ソフトレプリカ生成器74とから構成され、空間多重信号検出器72内には干渉キャンセラ721と線形フィルタリング722とを備えている。また、軟入力軟出力復号部8は軟入力軟出力復号器81と、判定器82とを備えている。
本実施例は、本来のExtrinsic情報をやり取りするターボ原理に基づいたものではないので、反復処理による特性向上が数回で飽和してしまう欠点がある。しかしながら、本実施例は、簡易に実現することができるという利点がある。
図12における時空間多重信号分離は空間多重信号検出器(軟入力軟出力検出器)72を含む軟入力軟出力検出部7と、軟入力軟出力復号器81を含む軟入力軟出力復号部8とから構成されている。
軟入力軟出力復号器81は符号化前の情報ビット系列に対するLLRを出力としている。軟入力軟出力検出部7の中には軟入力軟出力符号器73があって、そのLLRを入力とし、符号化後の符号語系列に対するLLRを出力する。
ソフトレプリカ生成器74はその符号語系列に対するLLRを基にソフトレプリカを生成し、空間多重信号検出器72へ送る。空間多重信号検出器72は送られてきたソフトレプリカを基に干渉キャンセラ721にてキャンセリングを行い、線形フィルタリング722によるヌリングを行って空間多重信号を分離する。
ソフトレプリカ生成器74は軟入力軟出力符号器73からの符号語系列に対するLLRをソフトレプリカに変換するもので、BPSK(Binary Phase Shift Keying)の場合、
E[xi]=(+1)・p(xi =+1|y)+(-1)p(xi =-1|y)
という関係から実現することができる。
ここで、符号語系列に対するLLRをL(xi)と置くと、
Figure 2005117273
となる。同様に、
Figure 2005117273
となる。したがって、
Figure 2005117273
となる。
さらに、
Figure 2005117273
として符号語系列に対するLLR[L(xi)]からソフトレプリカE[xi ]を求めることができる。
以上の処理はBPSKの場合についてであるが、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)の場合には2ビット構成で、E[a2i],E[a2i+1]とすると、シンボルレプリカは、
E[xi ]=E[a2i]+jE[a2i+1]
となる。
あるいは、16QAMの場合には4ビット構成で、E[a4i],E[a4i+1],E[a4i+2],E[a4i+3]とすると、例えば、
E[xi ]=E[a4i]・(2-E[a4i+2])+jE[a4i+1]・(2-E[a4i+3])
といったマッピングで、シンボルレプリカE[xi]を構成することができる。
以上の反復キャンセリング処理によって、最終的に得られたLLRの結果は、軟入力軟出力復号部8の中にある判定器82によって硬判定され、データとして出力される。
次に、上述した処理で使われてきた軟入力軟出力符号器の構成例について説明する。
軟入力軟出力符号器は送信側の符号器、例えば図2に示すエンコーダ31と同じ構成を軟判定データに対応させたもので、その構成要素であるqを法とする加算、すなわち、a1+a2(mod q)といった計算をLLRで実行したものである。
図13は本発明の第20の実施例による符号器の構成例を示す図である。図13においては、送信側で使用される符号器の一例を示しており、ターボ符号で用いられる再帰的組織的畳み込みによる並列連接という手法を示している。
図13において、使用されている信号は1ビットであり、使用されている加算器も2を法とした加算で、a1 +a2 (mod 2)といった計算になる。すなわち、本実施例による符号器は、排他的論理和で簡単に実現することができる。
図14は本発明の第21の実施例による符号器の構成例を示す図である。図14においては、上記の図13に示す符号器と同じ構成を、軟判定データに対応させたものである。
図15は図14に使用されている軟入力軟出力要素符号器の内容を示す図である。この軟入力軟出力要素符号器の構成は図13に示す送信側で使用されている符号器と同じものであるが、使用されている信号は複数ビットの軟判定データであり、2を法とする加算器もLLRで実行したものである。
以下、2を法とする加算をLLRで実行する場合の計算方法について説明する。この場合、LLRは、
Figure 2005117273
という式で定義する。したがって、
Figure 2005117273
となる。よって、
Figure 2005117273
となる。
この関係から、
Figure 2005117273
となるので、分母分子を、
Figure 2005117273
で割ると、
Figure 2005117273
となる。
ここで、
Figure 2005117273
であるから、
Figure 2005117273
となり、さらに、
Figure 2005117273
であるから、整理すると、
Figure 2005117273
となる。
すなわち、
Figure 2005117273
であるから、書き直して、
Figure 2005117273
となって、2を法とする加算をLLRで実行することができる。
この演算をそのままテーブルを用いて実装しても良いが、
Figure 2005117273
という近似を使って計算することができる。あるいは、書き直して、
Figure 2005117273
となる。
つまり、二つの対数尤度比LLR1,LLR2に対して、その絶対値の比較を行い、値の小さい方を選択し、その選択結果に対して極性付けを二つの対数尤度比LLR1,LLR2のMSB(Most Significant Bit)に対する2を法とする加算結果に基づいて行えばよいことになる。実際に回路を構成した例を図16に示す。
以上、具体的な例として図13に示す送信側で使用される符号器の一例としてターボ符号で用いられる再帰的組織的畳み込みによる並列連接という手法で構成した場合の受信側での本発明の第21の実施例である軟入力軟出力要素符号器について説明したが、このターボ符号に限らず、LDPC(Low Density Parity Check)等でも同様に本発明を用いることができることはいうまでもない。
本発明の軟入力軟出力符号器の意義を明確にするため、通常行われる符号語系列に対するLLR算出方法について説明する。図17は通常のターボ復号における符号化前の情報系列(I)にたいするLLRの算出過程を示したトレリス線図である。図17において、情報系列に対するLLR(I)は、
Figure 2005117273
というようにして計算される。
上記の式における条件式、
Figure 2005117273
に相当する箇所を図17の実線で、条件式、
Figure 2005117273
に相当する箇所を図17の点線で示す。
図18は符号化後のパリティ系列(P)に対するLLRの計算過程を示したトレリス線図である。図18において、パリティ系列に対するLLR(P)は、
Figure 2005117273
というようにして計算される。
上記の式における条件式、
Figure 2005117273
に相当する箇所を図18の実線で、条件式、
Figure 2005117273
に相当する箇所を図18の点線で示す。
半環(セミリング)による上記の演算をLog領域の半環で行うと、LLRは理論値通りの値となる。また、Max-Log領域の半環で行うと、近似ではあるが、計算量が少なくてすむ。このようにして得られたLLR(I)とLLR(P)とが符号化後の符号語系列のLLRとなる。
しかしながら、これらのトレリス線図に基づく計算は軟入力軟出力復号器内部のトレリス上遷移確率伝搬を演算しているコアブロック内部で行われている。従って、機能追加を行うには既製のコアブロックの変更を余儀なくされる。
また、Max-Log領域の半環を使った場合、Log領域よりLLRの値が高くなる性質がある。そこで、特に図中に記載していないが、Extrinsic情報に重み付けを行い、元に戻して次段へのアプリオリ(a priori)入力としている。この時、実装のしやすさからシフト加算で重み付けを行っている。
本発明の場合、1/2+1/4=0.75の重み付けを行っている。1/2は1ビットシフトで、1/4は2ビットシフトで実現することができるので、乗算器を使わずに実現することができる。
また、上記の説明では、式の煩雑さを防ぐため、アプリオリ(a priori)を省略して説明している。半環上の演算では、積の形で対象ビットのメトリックに加わる。特に、但し書きがない場合には、各メトリックにアプリオリが含まれているとして記載している。
このように、本発明では、上述した空間多重信号検出方法と時空間反復復号器とによって、空間多重信号検出方法では必要最小限のサンプル数で最大の効果を得ようというものである。サンプル数が少ないということは条件付確率によってグループ分けされた次段の複雑度をそれだけ軽減することができるということである。
この場合には、上記のようにサンプル数を絞っても、対象ビットに対する最大条件付確率とその排反事象に対する最大条件確率とをメトリックベースで演算しているので、対数尤度代数(Log Likelihood Algebra)にしたがったLLRを軟判定出力として提供することができる。すなわち、空間多重信号分離を行う軟入力軟出力検出器とターボ復号器やLDPCといった軟入力軟出力復号器の連接に際し、Extrinsic情報の受け渡しが行われるが、その元となる正しいLLRを提供することによって、ターボ原理に基づく時空間反復復号の特性を向上させるものである。
つまり、本発明は、空間多重信号分離における軟入力軟出力検出器で尤度を最大化する送信系列推定に半環(セミリング)を用いたメトリック演算手法を用いることによって、最適検出であるMLDに近い高性能を低複雑度で実現するものである。
また、本発明では、尤度を最大化する送信系列を推定するために用いられる半環(セミリング)を用いたメトリック演算手法として、和を最大値演算(MAX)、積を通常の加算の
Figure 2005117273
のごとく行うと(Max-log領域における半環)、対象ビットの軟判定出力として複数のグループに分割した条件付確率の各グループ間における前段最大条件付確率事象に対する対象ビットを含む最大条件付確率とその排反事象を含む最大条件付確率とのメトリックベースの差分と、それ以降の同最大条件付確率の差分との総和として表すことができるので、所要システムスループットに対応するため、アンテナ本数を増加させる場合でも、複雑度を抑えた形で対応することができる。あるいは、予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とした場合でも、その条件を基に対象ビットを含む条件付確率とその排反事象を含む条件確率のメトリックベースの差分とそれ以降の条件付き確率の差分の総和として表すことができる。
また、本発明では、空間多重信号検出の軟入力軟出力検出器とターボ復号器やLDPCといった軟入力軟出力復号器の連接に際し、Extrinsic情報の受け渡しが行われるが、従来行われている外符号用復号器に相当する軟入力軟出力復号器においてExtrinsic情報抽出のしにくさからIntrinsic情報を含んだままExtrinsic情報として使われていたり、或いは一部のExtrinsic情報で賄われたりしていた問題を解消しターボ原理に基づく反復回数による特性向上効果的に実現したものである。
さらに、本発明では、既製の軟入力軟出力復号器を用いる場合、情報ビット系列に対する対数尤度比を出力としており、符号語(シンボル系列)に対するLLRが出力されていない場合が多い。
一方、軟入力軟出力検出器は、符号語に対してMLD検出となるべく作用するので、軟入力軟出力復号器から軟入力軟出力検出器へのExtrinsic情報として符号語に対するものが必要となる。その結果、軟入力軟出力復号器内部のトレリス上の遷移確率伝搬を演算している箇所を変更することになり、既製コアブロックの変更を余儀なくされるといった問題がある。これに対し、本発明では、軟入力軟出力符号器を用いた時空間反復復号器を用いることで、既製コアブロックの変更をすることなく、ターボ原理に基づく時空間反復復号を実現することができる。
以上、纏めると、本発明では、低複雑化と特性向上との要因として空間多重信号分離のための軟入力軟出力検出器における条件付確率を、複数の条件付確率の積の形でグループ分けし、各グループ間の処理順序付が可能であるので、複雑度の軽減並びにグループ間の順序付けを条件付確率の高い順にすることによって、低複雑化と特性向上とを図ることができる(ファクタライゼーション、オーダリング)。
さらに、本発明では、送信系列を推定するための半環(セミリング)を用いたメトリック演算手法による低複雑度化と、Max-Log領域における半環(セミリング)として、前段までの最大事象を考慮した対象ビットが存在するグループ内最大条件付確率の検出と、後段への最大条件付確率、並びにその排反事象を含む最大条件確率をメトリックベースの差分として各段の差分の総和をとることによって、LLR演算をメトリックベースで計算することができるようになるので、対数尤度代数(Log Llikelihood Algebra)にしたがったLLRを軟判定出力として提供することができる。

Claims (18)

  1. 時空間多重信号分離における軟入力軟出力検出方法において、空間多重された送信系列を送信したとする時に受信される信号系列に対して得られる尤度と呼ばれる条件付確率を、複数の条件付確率の積で表せるように分解する処理(ファクタライゼーション)を有し、該分解可能な条件付確率を複数のグループに分割し、該尤度計算に際しては前記グループにおける条件付確率の条件となる事象を含む前記グループを先に処理する如く確率計算する前記グループ間の順序付けが可能であって、該グループ内の確率計算に際し、二つの排反する事象の尤度の比によって送信系列を推定するために半環(セミリング)を用いたメトリック演算手法を用いることを特徴とする空間多重信号検出方法。
  2. 前記複数の条件付確率の積で表せるように分解する処理(ファクタライゼーション)及び前記分解可能な条件付確率を複数のグループに分割する処理において、各グループの条件付確率の条件となる事象を含むグループの条件付確率を簡易推定する処理(オーダリング)を含み、該簡易推定する処理によって、前記グループ間の順序付けを前記グループの条件付確率が高く簡易推定される順序で処理可能なように分割することを特徴とする請求項1記載の空間多重信号検出方法。
  3. 前記複数の条件付確率の積で表せるように分解する処理(ファクタライゼーション)としてQR分解を用いたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の空間多重信号検出方法。
  4. 前記複数の条件付確率の積で表せるように分解する処理(ファクタライゼーション)としてブロック三角化分解を用いたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の空間多重信号検出方法。
  5. 前記複数の条件付確率の積で表せるように分解する処理(ファクタライゼーション)として三重対角化手法を用いたことを特徴とする請求項1または請求項2項記載の空間多重信号検出方法。
  6. 前記二つの排反する事象の尤度の比によって送信系列を推定するために半環(セミリング)を用いたメトリック演算手法は、前記半環(セミリング)としてMAX−log領域における半環を用い、和を最大値演算(MAX)、積を通常の加算として、
    Figure 2005117273
    の如く行われることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか記載の空間多重信号検出方法。
  7. 前記二つの排反する事象の尤度の比によって送信系列を推定するために半環(セミリング)を用いたメトリック演算手法は、前記半環(セミリング)としてLog領域における半環を用い、和をヤコビアン対数に基づく演算、積を通常の加算として、
    Figure 2005117273
    ここで、
    Figure 2005117273
    の如く行われることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか記載の空間多重信号検出方法。
  8. 時空間多重信号分離における軟入力軟出力検出方法において、空間多重された送信系列を送信したとする時に受信される信号系列に対して得られる尤度と呼ばれる条件付確率を、複数の条件付確率の積で表せるように分解する処理(ファクタライゼーション)を有し、該分解可能な条件付確率を複数のグループに分割し、該尤度計算に際しては前記グループにおける条件付確率の条件となる事象を含む前記グループを先に処理する如く確率計算する前記グループ間の順序付けが可能であって、該各グループ内の条件付確率計算に際しては、自グループにおける条件付確率の条件となる事象を含む前記グループ内の最大条件付確率を示す送信系列を条件付確率の条件として計算するか、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件として複数個計算し、前記グループ間の順序付けにしたがって各グループ内の条件付確率の計算を前段の最大条件付確率を示す送信系列のもとに計算していく処理を有することを特徴とし、
    軟判定出力である該送信系列のビット尤度は、請求項6記載の半環(セミリング)を用いて
    (1)対象となるビットが推定対象として存在する該グループにおいて対象ビットと前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する処理並びに該対象ビットに対する排反事象と該前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)とを条件とする複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する処理、
    (2)次段のグループにおいて対象ビットを含む前段最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する処理並びに対象ビットに対する排反事象を含む前段最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する処理からなる処理、
    (3)同様に対象となるビットが存在するグループ以降の段におけるグループにおいても該前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件として複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する処理並びに対象ビットに対する排反事象を含む(1)の最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)とそれに伴って検出される前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)とを条件とする複数個の条件付確率をメトリックベースで検出する処理、
    (4)以降最終段のグループまで(3)を繰り返す処理、
    (5)(4)を完了後、対象ビットの対数尤度比を、前記(1)における対象ビットと前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率とその対象ビットに対する排反事象と前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率とをメトリックベースで引き算し、前記(2)から(4)の対象となるビットが存在するグループ以降の段のグループにおいても前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率と該対象ビットに対する排反事象を含む前段までの最大確率事象か、あるいは予め簡易推定された複数個の事象(送信系列)を条件とする複数個の条件付確率とをメトリックベースで引き算し、それぞれの総和をもって対象ビットの軟判定出力であるところの対数尤度比として検出する処理、
    を用いて計算する処理を含むことを特徴とする空間多重信号検出方法。
  9. 時空間多重信号分離における軟入力軟出力検出方法において、空間多重された送信系列を送信したとする時に受信される信号系列に対して得られる尤度と呼ばれる条件付確率を、複数の条件付確率の積で表せるように分解する処理(ファクタライゼーション)を有し、該分解可能な条件付確率を複数のグループに分割し、該尤度計算に際しては前記グループにおける条件付確率の条件となる事象を含む前記グループを先に処理する如く確率計算する前記グループ間の順序付けが可能であって、該各グループ内の条件付確率計算に際しては、自グループにおける条件付確率の条件となる事象を含む前記グループ内の最大条件付確率を示す送信系列を条件付確率の条件として計算し、前記グループ間の順序付けにしたがって各グループ内の条件付確率の計算を前段の最大条件付確率を示す送信系列のもとに計算していく処理を有し、前記尤度を最大化する送信系列を推定するために半環(セミリング)を用いたメトリック演算手法を用いることが特徴であって、最終段における処理が完了した後の復元抽出(リサンプリング)として、対象となるビットが推定対象として計算された前記条件付確率の組合せの集合からメトリックベースの最大尤度を選択する処理、並びに該対象ビットに対する排反事象が推定対象として計算された前記条件確率の組合せの集合からメトリックベースの最大尤度を選択する処理を有し、両メトリックの差分をとって対象ビットの軟判定出力とする処理を含むことを特徴とする空間多重信号検出方法。
  10. 時空間多重信号分離において、軟入力軟出力検出器と軟入力軟出力復号器とを有し、該軟入力軟出力復号器は符号化前の情報ビット系列に対する対数尤度比(以下、LLRとする)を出力とし、該対数尤度比を入力として符号化後の符号語系列に対する対数尤度比を出力とする軟入力軟出力符号器を有し、該軟入力軟出力符号器の出力を元に前記軟入力軟出力検出器のアプリオリ(a priori)入力を作ることを特徴とする時空間反復復号器。
  11. 時空間検出部と復号部よりなる時空間多重信号分離装置において、該時空間検出部は前記軟入力軟出力検出器と前記軟入力軟出力符号器とを含み、該復号部は前記軟入力軟出力復号器を含む形の構成であって、前記軟入力軟出力復号器へのアプリオリ(a priori)入力は前記軟入軟出符号器出力に差し引く形で作用して前記軟入力軟出力検出器へのアプリオリ(a priori)入力を形成し、前記軟入力軟出力検出部へのアプリオリ(a priori)入力は前記軟入力軟出力検出器出力に差し引く形で作用して前記軟入力軟出力復号器へのアプリオリ(a priori)入力を形成することを特徴とする請求項10記載の時空間反復復号器。
  12. 時空間多重信号分離において、軟入力軟出力検出器と軟入力軟出力復号器とを有し、該軟入力軟出力復号器は符号化前の情報ビット系列に対する対数尤度比(以下、LLRとする)を出力とし、該対数尤度比を入力として符号化後の符号語系列に対する対数尤度比を出力とする軟入力軟出力符号器を有し、該軟入力軟出力符号器の出力を元に前記軟入力軟出力検出器のソフトレプリカ入力を作ることを特徴とする時空間反復復号器。
  13. 前記軟入力軟出力符号器は送信側の符号器と同じ構成を軟判定データに対応させたものであって、その構成要素であるqを法とする加算に代わって二つの事後値a1と事後値a2とに対する対数尤度比LLR1 と対数尤度比LLR2とに対して前記qを法とする加算結果a1+a2(mod q)を事後値に持つ対数尤度比LLRを出力することを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか記載の時空間反復復号器。
  14. 前記軟入力軟出力符号器は送信側の符号器と同じ構成を軟判定データに対応させたものであって、その構成要素である2を法とする加算に代わって二つの事後値a1と事後値a2とに対する対数尤度比LLR1と対数尤度比LLR2とに対して、
    Figure 2005117273
    を出力する手段、あるいはその近似値を出力する手段を含むことを特徴とする請求項13記載の時空間反復復号器。
  15. 前記軟入力軟出力符号器は送信側の符号器と同じ構成を軟判定データに対応させたものであって、その構成要素である2を法とする加算に代わって二つの事後値a1と事後値a2とに対する対数尤度比LLR1と対数尤度比LLR2とに対してその絶対値の比較を行い、値の小さい方を選択する手段を含み、その選択結果に対しての極性付けを前記対数尤度比LLR1 及び対数尤度比LLR2 のMSB(Most Significant Bit)に対する前記2を法とする加算結果に基づいて行うことを特徴とする請求項14記載の時空間反復復号器。
  16. 時空間多重信号分離において、軟入力軟出力検出器と軟入力軟出力復号器とを有し、前記軟入力軟出力検出器は請求項6記載のMax−log領域における半環(セミリング)を用いた空間多重検出器であって、その軟出力に当たる対数尤度比に対して重み付けを行い、次段へのアプリオリ(a priori)入力として用いることを特徴とする時空間反復復号器。
  17. 前記重み付けを0.75として用いることを特徴とする請求項16記載の時空間反復復号器。
  18. 前記重み付け0.75をシフト加算によって実現したことを特徴とする請求項17記載の時空間反復復号器。
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