JPWO2005116102A1 - ポリウレタンエラストマーおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ポリカーボネートジオール、ポリイソシアネート化合物、ならびに鎖伸長剤および/または硬化剤を原料として用いて製造された熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、引張強度、引裂き強度等の機械物性ならびに耐熱性・耐水性・耐薬品性などに優れている。しかし、一般にこれを用いたポリウレタンエラストマーは硬度が高く、ショアA硬度70未満のものは得られていない。また、ポリカーボネートジオールは結晶性が高く高粘度であるため、これを用いてプレポリマー合成等を行う場合、プレポリマーの粘度が高くなり作業性が悪いという問題がある。
ポリオール化合物およびポリイソシアネート化合物を反応させてポリウレタンエラストマーを製造する方法であって、前記ポリオール化合物の全部または一部として、開始剤に対してアルキレンオキシドおよびラクトンモノマーの混合物を開環重合させて得られるポリエステルエーテルポリオール(A)(以下、単にポリオール(A)ともいう)を用いることを特徴とするポリウレタンエラストマーの製造方法。
ポリオール化合物およびポリイソシアネート化合物を反応させてポリウレタンエラストマーを製造する方法であって、前記ポリオール化合物の全部または一部として、下記(p)、(q)および(r)からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリオールを開始剤としてアルキレンオキシドおよびラクトンモノマーの混合物を開環重合させて得られるポリエステルエーテルポリオール(A)を用いることを特徴とするポリウレタンエラストマーの製造方法。
(p):ポリオキシテトラメチレンポリオール、
(q):ポリオキシエチレンポリオール、
(r):(p)、(q)以外の常温で固体のポリオールであって、水酸基当たりの水酸基価換算分子量が150〜5000のポリオール。
なお本発明においては必要に応じ、前記ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物とともに鎖伸長剤および/または硬化剤を反応させることができる。
さらに上記製造方法においては、ポリオール(p)および/または(q)の水酸基あたりの水酸基価換算分子量が150〜5000であることが好ましい。
また、上記水酸基価(OHv、単位はmgKOH/g)とは、JIS K1557 6.4に準拠して測定した水酸基価をいう。
また、上記総不飽和度(meq/g)とは、化合物1g当たりに含まれる不飽和基の量(ミリモル)のことであり、JIS K1557 6.7に準拠して測定した値をいう。
また上記ポリオールの水酸基価換算分子量とは、そのポリオールの水酸基数に基づいて、以下の式: 水酸基価換算分子量=(56100/OHv)×ポリオールの水酸基数
を用いて計算した値をいう。
本発明においては、ポリオール化合物の全部または一部として、開始剤の存在下、所望により重合触媒を用いて、前記開始剤にアルキレンオキシドおよびラクトンモノマーからなる混合物を加えて開環付加反応させることによって得ることができる。以下初めに、前記ポリオール(A)の製造に用いる開始剤、アルキレンオキシド、ラクトンモノマー、および触媒、ならびに好ましいポリオール(A)の構造等について説明し、さらに製造条件について説明する。
上記開始剤としては、1分子あたり2〜8個の活性水素原子を有する化合物を用いることが好ましい。開始剤の活性水素原子数が、得られるポリオール(A)の水酸基数に等しい。開始剤は1分子あたり活性水素原子を2〜4個有することが好ましく、2個であることが最も好ましい。開始剤の活性水素原子数が、得られるポリオール(A)の水酸基数に等しく、したがってポリオール(A)の水酸基数は2〜8が好ましく、2〜4がより好ましく、2が最も好ましい。
活性水素原子を有する化合物としては、例えば、アルコール類、アミン類、およびメルカプタン類を挙げることができる。好ましい具体的な開始剤としては、例えば、エチレングルコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの2価アルコール類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリンなどの3価アルコール類;ペンタエリスリトールなどの4価アルコール類;ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコール類;トリペンタエリスリトール、ショ糖などの8価アルコール類;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミンなどのジアミン類;モノエタノールアミン、プロパノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン類;ビスフェノールAなどのフェノール類;ならびに、これらの化合物にアルキレンオキシドを付加して得られる水酸基あたりの水酸基価換算分子量が150〜1500(水酸基価37〜374mgKOH/g)、より好ましくは200〜1500(水酸基価37〜280mgKOH/g)のポリエーテルポリオールが挙げられる。
低硬度のポリウレタンエラストマーが得られにくい場合もあるが、より機械強度に優れるポリウレタンエラストマーが得られることから、開始剤として、(p):ポリオキシテトラメチレンポリオール、(q):ポリオキシエチレンポリオール、および/または(r):(p)、(q)以外の常温で固体のポリオールであって、水酸基当たりの水酸基価換算分子量が150〜〜5000(すなわち水酸基価11〜374mgKOH/g)のポリオールも使用できる。このような化合物を開始剤として用いることにより、ポリオール分子鎖中に、結晶性ならびに凝集力の大きいブロック部分、すなわち開始剤の結晶性の高いポリオール部分を持ち、さらにアルキレンオキシドとカプロラクトンとのランダム重合鎖、すなわち結晶性の低い部分を持った構造をもつポリオールが得られる。それにより、結晶性ならびに凝集力の大きいブロック部分を持ちながら、低硬度で柔軟性に優れるポリウレタンエラストマーを得ることができる。以下、ポリオール(p)、(q)、(r)をあわせて結晶性ポリオールともいう。
ポリオキシエチレンポリオール(q)としては、エチレングリコールなどの2価の開始剤の存在下、エチレンオシドを開環付加重合させて得られるポリオキシエチレングリコールが例示できる。
(p)、(q)以外の常温で固体のポリオールであって、水酸基当たりの水酸基価換算分子量が150〜5000のポリオール(r)とは、融点が25℃以上のポリオールをいう。ポリオール(r)としては、ポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオールやTHFとエチレンオキシド(EO)の共重合体などが例示できる。
(i)ポリエステルポリオール
ポリエステルポリオールは多価アルコールと多価カルボン酸とを縮合反応させて得られるポリエステルポリオールまたは多価アルコールを開始剤として環状エステル類(ラクトン類)を開環付加反応させて得られるポリエステルポリオールが好ましい。
上記の多価アルコールとしては、2価アルコール(ジオール)が特に好ましいが、3価以上のアルコールを併用してもよい。上記のジオールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、シクロヘキサンジオール、ジクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
上記の多価カルボン酸としては、2価カルボン酸(ジカルボン酸)が特に好ましいが、3価以上のカルボン酸を併用してもよい。上記のジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸が好ましい。またテレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸等の芳香族ジカルボン酸を併用することもできる。また、酸無水物も使用できる。これらは1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
上記のラクトン類としては、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ブチロラクトン等が挙げられる。これらは1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。ε−カプロラクトンが特に好ましい。
本発明に用いられるポリエステルポリオールとしては、ポリエステルジオールが好ましい。ポリカプロラクトンポリオールがより好ましく、中でもポリカプロラクトンジオールが特に好ましい。
また本発明に用いられるポリエステルポリオールとしては、カルボン酸型の末端構造を有していてもよいが、末端の官能基のほとんどが水酸基である事が好ましい。具体的には、ポリエステルポリオールの酸価は2mgKOH/g以下が好ましい。
上記ポリカーボネートポリオールとしては、アルキレンカーボネートを開環重合して得られるものや、ジオール化合物と、クロロ蟻酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジアリルカーボネートとのエステル交換反応またはジオール化合物とホスゲンとの反応によって得られるものが挙げられる。上記ジオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、2−メチルペンタンジオール、3−メチルペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、3,3,5−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、2,3,5−トリメチルペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールなどが挙げられる。また、1分子に3以上のヒドロキシル基を有する化合物、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等を上記ジオール化合物に少量併用したものも挙げられる。上記アルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートが挙げられる。上記ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートを挙げることができる。上記ジアリルカーボネートとしてはジフェニルカーボネートを挙げることができる。市販のポリエチレンカーボネートポリオール、ポリテトラメチレンカーボネートポリオール、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオールなども使用できる。
また、開始剤として用いるポリオール(p)、(q)、(r)としては、ポリオールの水酸基あたりの水酸基価換算分子量の下限は150(水酸基価374mgKOH/g以下)が好ましく、200(水酸基価280mgKOH/g以下)がより好ましく、250(水酸基価224mgKOH/g以下)が最も好ましい。上限は5000(水酸基価11mgKOH/g以上)が好ましく、3000(水酸基価18mgKOH/g以上)がより好ましく、2000(水酸基価28mgKOH/g以上)がさらに好ましく、1500(水酸基価37mgKOH/g以上)が特に好ましい。
本発明において開始剤存在下にラクトンモノマーとともに重合させるアルキレンオキシドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが好ましい。このアルキレンオキシドとしては、例えば、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、およびエチレンオキシドなどが挙げられ、アルキレンオキシドは1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。本発明の製造方法においては、エチレンオキシドのみを用いること、プロピレンオキシドのみを用いること、エチレンオキシドとプロピレンオキシドを併用すること、またはプロピレンオキシドと他のアルキレンオキシドを併用することが好ましい。
本発明の製造方法に用いるラクトンモノマーとしては、例えば、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ブチロラクトンなどが挙げられ、ε−カプロラクトンが特に好ましい。
本発明においてアルキレンオキシドおよびラクトンモノマーからなる混合物を開環共重合させる際、開環共重合反応の速度を速めることができることから、この開環共重合反応には重合触媒を使用することが好ましい。重合触媒としては、水酸化カリウムおよび水酸化セシウム等のアルカリ触媒、複合金属シアン化物錯体、ならびにホスファゼン触媒等を挙げることができる。なかでも、狭い分子量分布のポリオールが得られることから、複合金属シアン化物錯体を共重合の触媒として用いることが特に好ましい。複合金属シアン化物錯体としては、例えば、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体が挙げられる。
本発明におけるポリオール(A)は、上述のとおり開始剤にアルキレンオキシドおよびラクトンモノマーからなる混合物を添加し、所望により重合触媒の存在下で重合させて製造することができる。アルキレンオキシドとラクトンモノマーとの混合物を開環重合させることにより、両者がランダムに共重合し、ランダム共重合鎖を持ったポリエステルエーテルポリオールを得ることができる。
本発明において、前記共重合に用いる、(アルキレンオキシドのモル数/ラクトンモノマーのモル数)を、(合計を100として)、5/95〜95/5とすることが好ましく、10/90〜95/5とすることがより好ましい。アルキレンオキシドとラクトンモノマーの合計に対するラクトンモノマーの割合を5モル%以上として製造したポリオールを用いることにより、耐熱性、引張強度、および引裂強度の優れたポリウレタンエラストマーを得ることができ、また、得られるポリオールの粘度を低くすることができ、しかも低硬度のポリウレタンエラストマーが得られる。
また、さらに開始剤として上記結晶性ポリオールを用いる場合は、(アルキレンオキシドのモル数/ラクトンモノマーのモル数)を20/80〜95/5とすることがより好ましく、35/65〜85/15が特に好ましい。開始剤として上記結晶性ポリオール以外を用いる場合は、(アルキレンオキシドのモル数/上記ラクトンモノマーのモル数)を20/80〜80/20とすることが特に好ましい。
このとき上限は9000(水酸基価6mgKOH/g以上)が好ましく、5500(水酸基価10mgKOH/g以上)がより好ましく、3500(水酸基価16mgKOH/g以上)が最も好ましい。
また、さらに開始剤として上記結晶性ポリオールを用いる場合は、その水酸基あたりの水酸基価換算分子量の下限が500(水酸基価112mgKOH/g以下)であることが好ましく、700(水酸基価80mgKOH/g以下)であることがより好ましい。また、開始剤として上記結晶性ポリオール以外の化合物を用いる場合は、その水酸基あたりの水酸基価換算分子量の下限は300(水酸基価187mgKOH/g以下)であることが好ましく、500(水酸基価112mgKOH/g以下)がより好ましく、700(水酸基価80mgKOH/g以下)であることが最も好ましい。
また、この値の上限は7500が好ましく、4000がより好ましく、2000が最も好ましい。また、この値の下限は、開始剤として結晶性のポリオールを用いる場合は250が好ましく、500がより好ましい。開始剤として結晶性のポリオール以外の化合物を用いる場合には、この値の下限は200が好ましく、250がより好ましく、500が最も好ましい。
本発明におけるポリオール(A)の具体的な製造条件である、温度、圧力、および時間等については適宜好ましい条件を定めることができる。例えば、触媒として複合金属シアン化物錯体を用いて上記重合反応を行う場合は、重合反応温度として100〜160℃が好ましい条件として挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明のポリウレタンエラストマーの原料として用いるポリオール化合物としては、上記ポリエステルエーテルポリオール(A)とともに、その他のポリオール化合物を用いてもよい。その他のポリオール化合物としては、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール(カプロラクトン等のラクトンを重合して得られるポリオールを含む)、およびポリカーボネートジオール等の末端水酸基含有化合物を挙げることができる。本発明のポリウレタンエラストマーの原料としてポリオール(A)とともに、本発明の効果を損なわない範囲で上記ポリオールの一種以上を用いてもよい。ポリオール(A)と併用する上記ポリオールは、水酸基価換算分子量561〜11220(水酸基価が5〜100mgKOH/g)のものが好ましく、水酸基価換算分子量が935〜11220(水酸基価5〜60mgKOH/g)のものがさらに好ましい。水酸基価換算分子量を11220以下(水酸基価を5mgKOH/g以上)にすることにより、得られるプレポリマーを低粘度化でき、水酸基価換算分子量を561以上(水酸基価100mgKOH/g)以下にすることにより、引張強度が優れたポリウレタンエラストマーが得られる。
ポリオール(A)をその他のポリオールと併用する場合、その使用割合(ポリオール(A))/他のポリオール)を質量比で100/0〜20/80とすることが好ましく、100/0〜50/50とすることが特に好ましい。前記割合を20/80よりも前者を多くすることにより、得られるポリウレタンエラストマーの引張強度を向上できる。ただし、本発明でポリオール化合物としてポリエステルエーテルポリオール(A)のみを用いることが、低硬度のポリウレタンエラストマーを得ることができる点で最も好ましい。
本発明において使用できるポリイソシアネート化合物は特に限定されるものではない。例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、および2,6−トリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート化合物;キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどのアラルキルポリイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネートおよび4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などの脂環族ポリイソシアネート化合物;ならびに、前記ポリイソシアネート化合物から得られるウレタン変性体、ビュレット変性体、アロファネート変性体、カルボジイミド変性体、およびイソシアヌレート変性体などが挙げられる。ポリオール化合物との反応性に優れていること、および得られるイソシアネート基末端プレポリマーの粘度が一般に低いことから、本発明に用いるポリイソシアネート化合物としては芳香族ジイソシアネートが好ましく、なかでもジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
本発明のポリウレタンエラストマーの製造方法においては、鎖伸長剤および/または硬化剤は用いても用いなくてもよい。鎖伸長剤および硬化剤はポリウレタン技術分野では公知の原料である。一般には、鎖伸長剤とはイソシアネート基と付加反応しうる官能基を1分子中に2個有する比較的低分子量の化合物をいう。硬化剤とはイソシアネート基と付加反応しうる官能基を1分子中に3個以上有する比較的低分子量の化合物をいう。分子量は1122以下のものが好ましく、1000以下がより好ましく、600以下のものが特に好ましい。
本発明における鎖伸長剤および/または硬化剤の化学構造は特に限定されないが、具体的には以下のものが挙げられる。鎖伸長剤としては、ジオール類、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、および1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン等を挙げることができる。本発明においては、これらのうち、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、および1,6−ヘキサンジオールが好ましく、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。鎖伸長剤としては、これらのジオール化合物のほか、アミン鎖伸長剤を用いることもできる。特に好ましいアミン鎖伸長剤としては、芳香族アミン、たとえばトルエンジアミンの各種異性体および誘導体、ならびにメチレンジアニリンが挙げられる。特に電子または立体効果によりイソシアネート基との付加反応が比較的遅い、置換基を有する芳香族アミン、たとえば、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)、4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、ジエチルトルエンジアミン、およびメチレンジアニリンが挙げられる。また、硬化剤としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミン等の多官能ポリオールおよびポリアミン等を挙げることができる。熱可塑性ポリウレタンエラストマーを製造する場合は、鎖伸長剤のみを用い硬化剤を用いないことが好ましいが、熱可塑性を維持できる範囲で少量の硬化剤を併用してもよい。
上記ポリエステルエーテルポリオール(A)またはそれを含むポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、ならびに所望により鎖伸長剤および/または硬化剤を反応させて本発明のポリウレタンエラストマーが製造でき、ワンショット法およびプレポリマー法などから選ばれる公知の方法を用いることができる。本発明のポリウレタンエラストマーとしては、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、または実質的に鎖伸長剤のみを用いて得られる熱可塑性のポリウレタンエラストマーが特に好ましい。
本発明のポリウレタンエラストマー製造に用いるイソシアネート基末端プレポリマーは、上記ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを、イソシアネート基/水酸基(モル比)が1.5〜10、好ましくは2〜6となる割合で反応させることにより製造することが好ましい。前記モル比を1.5以上にすることにより、得られるイソシアネート基末端プレポリマーの粘度が高くなりすぎず、優れた作業性が得られる。一方前記モル比を10以下にしてイソシアネート含有量が多くなりすぎないようにすることにより、次にプレポリマーを鎖伸長剤および/または硬化剤と反応させる場合に、得られるポリウレタンエラストマーが発泡することを抑制できる。
上述したポリオール化合物およびポリイソシアネート化合物との反応、ならびにイソシアネート基末端プレポリマーと鎖伸長剤および/または硬化剤との反応には、公知のウレタン化反応触媒を用いてもよい。ウレタン化反応触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、および2−エチルヘキサン酸錫などの有機錫化合物;鉄アセチルアセトナートおよび塩化第二鉄などの鉄化合物;ならびに、トリエチルアミンおよびトリエチレンジアミンなどの三級アミン系触媒などが挙げられ、なかでも有機錫化合物が好ましい。
本発明のポリウレタンエラストマーには、下記の充填剤、補強剤、安定剤、難燃剤、離型剤、および防黴剤などからなる群から選ばれる添加剤を配合することができる。充填剤または補強剤としては、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、ガラス、骨粉、木粉、および繊維フレークなどが挙げられる。安定剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、および光安定剤などが挙げられる。難燃剤としては、クロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、アンモニウムポリホスフェート、および有機臭素化合物などが挙げられる。離型剤としては、ワックス、石鹸類、およびシリコンオイルなどが挙げられる。防黴剤としてはペンタクロロフェノール、ペンタクロロフェノールラウレート、およびビス(トリ−n−ブチル錫)オキシドなどが挙げられる。
本発明のポリウレタンエラストマーは、上述のようにして製造できるが、JIS K 6253で規定されるタイプAデュロメータ硬さ試験による硬度(ショアA硬度)が30〜70であることが好ましい。特に70未満であることが好ましい。本発明のポリウレタンエラストマーの製造方法において、用いるポリオール化合物およびイソシアネート化合物の種類および量比、ポリオール化合物の分子量、ポリオール化合物の平均末端水酸基数、ポリウレタンエラストマーのハード含有量(ポリウレタン樹脂の質量に占める、ポリイソシアネート化合物、鎖伸長剤、および硬化剤の合計量の割合)等を調整することによって、得られるポリウレタンエラストマーのショアA硬度を調節することができる。例えば、ポリウレタンエラストマー中のハード含有量を少なくすること、ポリオール化合物の分子量を大きくすること、およびポリオール化合物中のエステル結合の量を少なくすることなどによって、得られるポリウレタンエラストマーのショアA硬度を低くできる。また、逆にハード含有量を多くすること、ポリオール化合物の分子量を小さくすること、およびポリオール化合物中のエステル結合の量を多くすることなどによって、得られるポリウレタンエラストマーのショアA硬度は大きくなる。当業者は、ポリオール化合物の分子量および分子構造、ポリウレタンエラストマーのハード含有量などを適宜調節することにより所望のショアA硬度のポリウレタンエラストマーを得ることができる。
微孔質ポリウレタンエラストマーを製造する方法としては、ポリオール化合物に少量のHFC(ハイドロフルオロカーボン)および水などから選ばれる発泡剤を加えて反応させる方法、および、ポリウレタンエラストマー製造時にイソシアネート末端プレポリマーと鎖伸長剤および/または硬化剤との混合物に、空気、窒素および二酸化炭素を混合して強力に攪拌することにより泡立てる方法、またはポリウレタンエラストマー樹脂の反応性混合物中に液体二酸化炭素を混合する方法などが挙げられる。水は好ましい発泡剤であり、好ましい密度の微孔質ポリウレタンエラストマーを得るために用いる水の使用量は、ポリウレタンエラストマーの原料であるポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、ならびに所望により鎖伸長剤および/または硬化剤の合計量100質量部に対して好ましくは0.1〜1.0質量部であり、特に好ましくは0.2〜0.8質量部の範囲である。
〔製造実施例1(ポリオキシプロピレンジオールにカプロラクトンおよびプロピレンオキシドをランダム共重合して得られるポリエステルエーテルジオールa1の合成)〕
攪拌機および窒素導入管を備えた耐圧反応器内に水酸基価160mgKOH/gのポリオキシプロピレンジオール2000gを開始剤として投入した。次いで、9.0gの亜鉛ヘキサシアノコバルテート−tert−ブチルアルコール錯体(DMC−TBA錯体)を触媒として加え、さらにプロピレンオキシドとε−カプロラクトンを50/50(モル比)で混合した混合物4000gをゆっくり加えながら、窒素雰囲気下、150℃で7時間反応させた。反応容器内圧の低下が止まってから未反応の原料を減圧下で脱気回収したが、ε−カプロラクトンおよびプロピレンオキシドは回収されず、原料が反応していることが確認できた。その後、反応容器から生成物を抜き出し、ポリオキシプロピレンジオールの末端にさらにカプロラクトンおよびプロピレンオキシドが共重合したポリエステルエーテルジオールa1(水酸基価55.8mgKOH/g)を得た。このポリエステルエーテルジオールの1H−NMRの測定結果から、このジオールがε−カプロラクトンおよびプロピレンオキシドのランダム共重合鎖を有することがわかった。
攪拌機および窒素導入管を備えた耐圧反応器内に、水酸基価56.1mgKOH/gのポリオキシプロピレンジオール1905gを開始剤として投入した。次いで、6.2gのDMC−TBA錯体を触媒として加え、さらにプロピレンオキシドとε−カプロラクトンを66/34(モル比)で混合した混合物2295gをゆっくり加えながら、窒素雰囲気下、150℃で7時間反応させた。反応容器内圧の低下が止まってから未反応の原料を減圧下で脱気回収したが、ε−カプロラクトンおよびプロピレンオキシドは回収されず、原料が反応していることが確認できた。その後、反応容器から生成物を抜き出し、ポリオキシプロピレンジオールの末端にさらにカプロラクトンおよびプロピレンオキシドが共重合したポリエステルエーテルジオールa2(水酸基価25.8mgKOH/g)を得た。
このポリエステルエーテルジオールの1H−NMRの測定結果から、このジオールがε−カプロラクトンおよびプロピレンオキシドのランダム共重合鎖を有することがわかった。
攪拌機および窒素導入管を備えた耐圧反応器内に、開始剤として水酸基価55.1mgKOH/gのポリオキシプロピレンジオール1400gを投入した。次いで、テトラブトキシチタン0.016gを加え、さらにε−カプロラクトン420gを加えて、窒素雰囲気下、170℃で7時間反応させた。反応物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を測定して未反応のε−カプロラクトンが残存しないことを確認し、反応容器から生成物を抜き出して、前記ポリオキシプロピレンジオールの末端にカプロラクトンが付加したポリエステルエーテルジオールb(水酸基価42.3mgKOH/g)を得た。
攪拌機および窒素導入管を備えた耐圧反応器内に水酸基価112.2mgKOH/gのポリオキシテトラメチレンジオール1961gを開始剤として投入した。次いで、4.0gのDMC−TBA錯体を触媒として加え、さらにエチレンオキシドとε−カプロラクトンを39/61(モル比)で混合した混合物2039gをゆっくり加えながら、窒素雰囲気下、140℃で7時間反応させた。反応容器内圧の低下が止まってから未反応の原料を減圧下で脱気回収したが、ε−カプロラクトンおよびエチレンオキシドは回収されず、原料が反応していることが確認できた。その後、反応容器から生成物を抜き出し、ポリオキシテトラメチレンジオールの末端にさらにカプロラクトンおよびエチレンオキシドが共重合したポリオールa3(水酸基価54.3mgKOH/g)を得た。このポリオールの1H−NMRの測定結果から、このジオールがε−カプロラクトンおよびエチレンオキシドのランダム共重合鎖を有することがわかった。
攪拌機および窒素導入管を備えた耐圧反応器内に、水酸基価112.0mgKOH/gのポリカプロラクトンジオール714gを開始剤として投入した。次いで、6.0gのDMC−TBA錯体を触媒として加え、さらにプロピレンオキシドとε−カプロラクトンを66/34(モル比)で混合した混合物2214gをゆっくり加えながら、窒素雰囲気下、140℃で7時間反応させた。反応容器内圧の低下が止まってから未反応の原料を減圧下で脱気回収したが、ε−カプロラクトンおよびプロピレンオキシドは回収されず、原料が反応していることが確認できた。その後、反応容器から生成物を抜き出し、ポリオキシプロピレンジオールの末端にさらにカプロラクトンおよびプロピレンオキシドが共重合したポリオールジオールa4(水酸基価27.3mgKOH/g)を得た。
このポリオールジオールの1H−NMRの測定結果から、このジオールがε−カプロラクトンおよびプロピレンオキシドのランダム共重合鎖を有することがわかった。
攪拌機および窒素導入管を備えた耐圧反応器内に、水酸基価112.1mgKOH/gのポリカーボネートジオール(日本ポリウレタン工業社製、1,6−ヘキサンジオール系、ニッポラン981)1905gを開始剤として投入した。次いで、3.9gのDMC−TBA錯体を触媒として加え、さらにプロピレンオキシドとε−カプロラクトンを80/20(モル比)で混合した混合物2000gをゆっくり加えながら、窒素雰囲気下、130℃で7時間反応させた。反応容器内圧の低下が止まってから未反応の原料を減圧下で脱気回収したが、ε−カプロラクトンおよびプロピレンオキシドは回収されず、原料が反応していることが確認できた。その後、反応容器から生成物を抜き出し、ポリオキシプロピレンジオールの末端にさらにカプロラクトンおよびプロピレンオキシドが共重合したポリオールジオールa5(水酸基価58.1mgKOH/g)を得た。
このポリオールジオールの1H−NMRの測定結果から、このジオールがε−カプロラクトンおよびプロピレンオキシドのランダム共重合鎖を有することがわかった。
以上製造実施例1〜5および製造比較例1で製造したポリオール化合物の製造に用いた開始剤、アルキレンオキシドとカプロラクトンも使用量比、得られたポリオール化合物の水酸基価、水酸基価換算分子量、Mw/Mn(重量平均分子量/数平均分子量)、総不飽和度、前記水酸基価換算分子量から開始剤の分子量を除いた残り分子量を開始剤の官能基数で割った値を表1に示した。
以下の文中および表中、POはプロピレンオキシド、EOはエチレンオキシド、CLはカプロラクトンを示す。また、PPGはポリオキシプロピレンジオール、PTMGはポリオキシテトラメチレンジオール、PCLはポリカプロラクトンジオール、PCDはポリカーボネートジオールを示す。
上記ポリオール化合物a1、a2、a3、a4、a5を用いて、それぞれポリウレタンエラストマーP1,P2,P3、P4、P5を製造した。また、比較のため、ポリオール化合物bを用いてQ1を、PPG(水酸基価55.1mgKOH/g)を用いてQ2を、PCL(水酸基価56.5mgKOH/g)を用いてQ3を、PCL(水酸基価56.5mgKOH/g)とPPG(水酸基価55.1mgKOH/g)とを50:50の質量比で混合したものを用いてQ4を、PTMG(水酸基価55.6mgKOH/g)を用いてQ5を、PTMG(水酸基価55.6mgKOH/g)とPPG(水酸基価55.1mgKOH/g)とを50:50の質量比で混合したものを用いてQ6を、PCD(日本ポリウレタン工業社製、1,6−ヘキサンジオール系、ニッポラン980、水酸基価55.8mgKOH/g)を用いてQ7を、ならびに、PCD(日本ポリウレタン工業社製、ニッポラン980、水酸基価56.5mgKOH/g)とPPG(水酸基価55.1mgKOH/g)とを30:70の質量比で混合したものを用いてQ8を、それぞれ、製造した。
このとき、成形性について次のような評価を行った。すなわち、ポリウレタンエラストマーペレットのタック感が少なく、押出し成形機への投入が容易なものを○;ポリウレタンエラストマーペレットのタック感がややあり、一部のペレットがブロッキングし、押出し成形機への投入が困難なものを△;ポリウレタンエラストマーペレットのタック感が強くペレットどうしがブロッキングし、押出し成形機への投入が困難なものを×とした。結果を表3に示す。
〔ポリウレタンエラストマーの評価〕
上記フィルム状のポリウレタンエラストマーを用いて、ショアA硬度、機械物性、耐熱性試験、および耐温水性試験を行った。それぞれの測定法および評価基準は下記のとおりである。結果を表3に示す。
(2)ショアA硬度:JIS K 6253で規定されるタイプAデュロメータ硬さ試験により測定した。
(3)機械物性:JIS K7311に準じて、100%モジュラス(M100、MPa)、300%モジュラス(M300、MPa)、引張強度(Ts、MPa)、破断時伸度(%)、および、引裂強度(kN/m)を測定した。
(4)耐熱性試験:ポリウレタンエラストマーフィルムを空気存在下、120℃のオーブン中で1週間、および、2週間放置した後の引張強度(Ts)を測定した。この加熱試験を行う前のポリウレタンエラストマーシートの引張強度(Ts)に対する保持率を求めた。また、熱により溶融し、大きく劣化し、機械物性の測定ができなかったものは×、熱により溶融し、一部劣化したため、機械物性の測定ができなかったが、温度をさらに下げれば、機械物性の測定が可能と思われるものを、△とした。
(5)耐熱水性試験:ポリウレタンエラストマーフィルムを80℃の熱水中に1週間浸漬後の引張強度(Ts)を測定した。この加水分解試験を行う前のポリウレタンエラストマーシートの引張強度(Ts)に対する保持率を求めた。
例Q2は、熱による劣化が大きく、フィルム状に成形できなかった。そのため、その後の試験を行うことができなかった。
実施例P1は、ほぼ同一のショアA硬度を有する比較例Q1のポリウレタンエラストマーに比べて、引張強度、耐熱性が優れる。P1、P2は、Q2に比べ、成形性、耐熱性、機械物性がはるかに向上している。また、P3は、耐熱性の点は、充分とはいえないが、PTMGを使用するQ5やPTMGとPPGを混合したものを使用するQ6と比較して向上していることがわかる。しかも、低硬度が達成できていることがわかる。PTMGとPPGを混合するQ6は、ショアA硬度が68と低いものの、耐熱性は、P3より劣る。
P4は、Q3に比較して低硬度であり、なおかつ機械物性も維持していることがわかる。また、PPGとPCLを混合する比較例Q4はショアA硬度が67と低いものの、耐熱性の点はP4に劣る。
P5は、Q7に比較して低硬度であり、なおかつ機械物性も維持していることがわかる。また、PPGとPCDを混合する、比較例Q8は、低硬度となっているが、耐熱性の点で、P5より劣る。
なお、2004年5月31日に出願された日本特許出願2004−161664号および2004年10月20日に出願された日本特許出願2004−305397号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (12)
- ポリオール化合物およびポリイソシアネート化合物を反応させてポリウレタンエラストマーを製造する方法であって、前記ポリオール化合物の全部または一部として、開始剤に対してアルキレンオキシドおよびラクトンモノマーの混合物を開環重合させて得られるポリエステルエーテルポリオール(A)を用いることを特徴とするポリウレタンエラストマーの製造方法。
- ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、ならびに鎖伸長剤および/または硬化剤を反応させてポリウレタンエラストマーを製造する方法であって、前記ポリオール化合物の全部または一部として、開始剤に対してアルキレンオキシドおよびラクトンモノマーの混合物を開環重合させて得られるポリエステルエーテルポリオール(A)を用いることを特徴とするポリウレタンエラストマーの製造方法。
- ポリオール化合物およびポリイソシアネート化合物を反応させてポリウレタンエラストマーを製造する方法であって、前記ポリオール化合物の全部または一部として、下記(p)、(q)および(r)からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリオールを開始剤としてアルキレンオキシドおよびラクトンモノマーの混合物を開環重合させて得られるポリエステルエーテルポリオール(A)を用いることを特徴とするポリウレタンエラストマーの製造方法。
(p):ポリオキシテトラメチレンポリオール、
(q):ポリオキシエチレンポリオール、
(r):(p)、(q)以外の常温で固体のポリオールであって、水酸基当たりの水酸基価換算分子量が150〜5000のポリオール。 - ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、ならびに鎖伸長剤および/または硬化剤を反応させてポリウレタンエラストマーを製造する方法であって、前記ポリオール化合物の全部または一部として、下記(p)、(q)および(r)からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリオールを開始剤としてアルキレンオキシドおよびラクトンモノマーの混合物を開環重合させて得られるポリエステルエーテルポリオール(A)を用いることを特徴とするポリウレタンエラストマーの製造方法。
(p): ポリオキシテトラメチレンポリオール、
(q): ポリオキシエチレンポリオール、
(r):(p)、(q)以外の常温で固体のポリオールであって、水酸基当たりの水酸基価換算分子量が150〜5000のポリオール。 - 前記ポリオール(r)として、ポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオールからなる群から選ばれる少なくとも一種を用いることを特徴とする、請求項3または4に記載の製造方法。
- ポリオール(p)または(q)の水酸基あたりの水酸基価換算分子量が150〜5000である、請求項3〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記開環重合に用いる(前記アルキレンオキシドのモル数/前記ラクトンモノマーのモル数)=5/95〜95/5である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリウレタンエラストマーの製造方法。
- アルキレンオキシドとラクトンモノマーの混合物の開環重合を、複合金属シアン化物錯体触媒の存在下に行う、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記ポリエステルエーテルポリオールの重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.02〜2.00である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記ポリエステルエーテルポリオールの総不飽和度が0.07以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記ポリエステルエーテルポリオール水酸基あたりの水酸基価換算分子量が170〜16500である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法を用いて製造され、かつJIS K 6253で規定されるタイプAデュロメータ硬さ試験による硬度が30〜70であることを特徴とするポリウレタンエラストマー。
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