JP2003082057A - 熱可塑性ポリウレタンエラストマー、可塑性ポリウレタンエラストマー用組成物、その製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタンエラストマー、可塑性ポリウレタンエラストマー用組成物、その製造方法

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JP2003082057A
JP2003082057A JP2001327596A JP2001327596A JP2003082057A JP 2003082057 A JP2003082057 A JP 2003082057A JP 2001327596 A JP2001327596 A JP 2001327596A JP 2001327596 A JP2001327596 A JP 2001327596A JP 2003082057 A JP2003082057 A JP 2003082057A
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JP
Japan
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thermoplastic polyurethane
polyurethane elastomer
compound
polyoxyalkylene polyol
hydroxyl group
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Application number
JP2001327596A
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English (en)
Inventor
Hisashi Kawanabe
恒 川那部
Satoshi Yamazaki
崎 聡 山
Koji Takeda
田 幸 司 竹
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Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc
Original Assignee
Mitsui Takeda Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬さが硬く、機械特性を保持し、かつガラス
転移温度が低く低温特性に優れた熱可塑性ポリウレタン
エラストマーおよび硬さ、機械特性、低温特性に優れガ
ラス転移点が低い熱可塑性ポリウレタンエラストマーの
製造方法並びにそのような熱可塑性ポリウレタンエラス
トマーの製造に好適な組成物、該熱可塑性ポリウレタン
エラストマーを用いる用途を提供すること。 【解決手段】 少なくとも、(A)非金属触媒を用いて
製造されるヒドロキシル基価15から115のポリオキ
シアルキレンポリオール、(B)ヒドロキシル基価11
6から480のポリオキシアルキレンポリオールおよび
(C)イソシアネート基を有する化合物を反応させて得
られる熱可塑性ポリウレタンエラストマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリウレ
タンエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー
用組成物およびその製造方法に関する。さらに詳しく
は、硬さが硬く、かつガラス転移温度が低く低温特性に
優れた熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポ
リウレタンエラストマー用組成物、その製造方法、弾性
糸などの用途に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ー(TPU)は、弾性に富み、さらには耐磨耗性に優れ
るなどの利点があり、ホース、チューブ、自動車部品、
スポーツ用品などに広く利用されている。しかしなが
ら、熱可塑性ポリウレタンエラストマーのソフトセグメ
ント成分として広く利用されているPTMEG(ポリテ
トラメチレンエーテルグリコール)やポリエステルポリ
オールは結晶性が高く、常温で固体であるため、プレポ
リマー製造時のハンドリング性などに劣るという問題点
がある。これに対して、熱可塑ポリウレタンのソフトセ
グメント成分としてポリオキシプロピレングリコール
(PPG)を使用すると、PPGは常温で液体であるた
め、ハンドリング性は向上するものの、その一方で、樹
脂の機械物性、例えば、低温特性や反発弾性のより一層
の向上が望まれている。
【0003】さらに、PPGに含まれるモノオール成分
もTPUの特性に影響を与えている。例えば、PPGの
一般的な工業的製造法として、水酸化カリウム(KO
H)を触媒として用い、活性水素化合物にプロピレンオ
キシドを付加重合する方法が知られているが、この方法
ではPPGの分子量の増大に伴い、分子末端に不飽和結
合を有するモノオールが多く副生することが知られてい
る。このモノオール成分を減少させ、一層の物性を向上
させるとともに熱可塑ポリウレタンに利用するための努
力がなされてきた。例えばUSP3829505号明細
書、USP4472560号明細書には、プロピレンオ
キシド付加重合用の触媒として、複金属シアン化物錯体
(Double Metal Cyanide Com
plex:DMC)触媒を用いる方法が提案されてお
り、該DMC触媒は、プロピレンオキシドの重合触媒と
して優れた性能を示すことが記載されている。
【0004】このDMC触媒を用いて合成された、分子
量約1500〜約15000、不飽和度0.03me
q./g未満のポリオールとイソシアネートとを反応さ
せたプレポリマーをジオールまたはジアミンで鎖延長す
ることにより、スパンデックス繊維の強度と加水分解
性、熱安定性を向上させる方法が開示されている。さら
に、特開平9−3152号公報並びにUSP57287
45号明細書には、改良されたDMCを触媒として合成
したポリオキシアルキレンポリオールを用いて、エラス
トマーの最終物性の低下なしで、非常に大きな生強度の
向上と取出し時間の短縮とを示すエラストマーが開示さ
れている。
【0005】しかし、DMCを触媒として用い、アルキ
レンオキシドとしてエチレンオキシドを付加重合する場
合には、一旦、酸素を含んだガス、過酸化物、硫酸など
の酸化剤との反応によりDMCを失活させ、ポリオキシ
アルキレンポリオールから触媒残査を分取して、KOH
のようなアルカリ金属水酸化物やアルカリ金属アルコキ
シドなどを触媒として用いてエチレンオキシドを付加重
合しなければならない(USP5235114号明細
書)ため、効率的ではない。また、これらの明細書に開
示される方法で達成される効果は、生強度の向上や取出
し時間の短縮、機械強度の向上にとどまっている。加え
て、本発明者らの検討によれば、DMCを触媒として用
いた場合には、得られる熱可塑性ポリウレタンエラスト
マー組成物の低温特性と、常温での強度を両立するのが
困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術における問題を解決する熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマー、その製造方法および熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマー用組成物を提供することを課題とする。具体
的には、硬さが硬く、機械特性を保持し、かつガラス転
移温度が低く低温特性に優れた熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマーおよび硬さ、機械特性、低温特性に優れガラ
ス転移点が低い熱可塑性ポリウレタンエラストマーの製
造方法並びにそのような熱可塑性ポリウレタンエラスト
マーの製造に好適な組成物を提供することを課題とす
る。さらにこのような熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ーを用いた弾性糸を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の事
情に鑑み、非金属触媒を用いて製造されるヒドロキシル
基価15から115のポリオキシアルキレンポリオール
とヒドロキシル基価116から480のポリオキシアル
キレンポリオールとの混合物を用い、これとイソシアネ
ート基を有する化合物とを反応させることにより、硬さ
が硬く、機械特性を保持し、かつガラス転移温度が低く
低温特性に優れた熱可塑性ポリウレタンエラストマーを
製造しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
少なくとも、(A)非金属触媒を用いて製造されるヒド
ロキシル基価15から115のポリオキシアルキレンポ
リオール、(B)ヒドロキシル基価116から480の
ポリオキシアルキレンポリオールおよび(C)イソシア
ネート基を有する化合物を反応させて得られる熱可塑性
ポリウレタンエラストマーが提供される。
【0009】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明において、上記非金属触媒が分子内にリン−窒素
二重結合を有する化合物である熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマーが提供される。また、本発明の第3の発明に
よれば、第1または第2の発明において、23℃におけ
る反発弾性が25%以上85%以下である熱可塑性ポリウ
レタンエラストマーが提供される。
【0010】また、本発明の第4の発明によれば、第1
ないし第3のいずれかの発明において、ガラス転移温度
が−70℃以上5℃以下である熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマーが提供される。また、本発明の第5の発明に
よれば、第1ないし第4のいずれかの発明において、上
記(A)非金属触媒を用いて製造されるヒドロキシル基
価15から115のポリオキシアルキレンポリオールの
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)溶
出曲線において、ピークの最大高さを100%とした際
に、そのピーク高さの20%でのピーク幅をW20、ピー
ク高さの80%でのピーク幅をW80と定義した時の、W
20をW80で割った値、W20/W80、すなわちGPC溶出
曲線のピーク高さ20%と80%のピーク幅の比が1.
5以上3.0未満である熱可塑性ポリウレタンエラスト
マーが提供される。
【0011】さらに、本発明の第6の発明によれば、少
なくとも、(A)非金属触媒を用いて製造されるヒドロ
キシル基価15から115のポリオキシアルキレンポリ
オール、(B)ヒドロキシル基価116から480のポ
リオキシアルキレンポリオールおよび(C)イソシアネ
ート基を有する化合物を反応させる熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマーの製造方法が提供される。
【0012】また、本発明の第7の発明によれば、第6
の発明において、上記非金属触媒が分子内にリン−窒素
二重結合を有する化合物である熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマーの製造方法が提供される。また、本発明の第
8の発明によれば、第6または第7の発明において、上
記(A)非金属触媒を用いて製造されるヒドロキシル基
価15から115のポリオキシアルキレンポリオールの
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)溶
出曲線において、ピークの最大高さを100%とした際
に、そのピーク高さの20%でのピーク幅をW20、ピー
ク高さの80%でのピーク幅をW80と定義した時の、W
20をW80で割った値、W20/W80、すなわちGPC溶出
曲線のピーク高さ20%と80%のピーク幅の比が1.
5以上3.0未満である熱可塑性ポリウレタンエラスト
マーの製造方法が提供される。
【0013】また、本発明の第9の発明によれば、第6
ないし第8のいずれかの発明において、上記熱可塑性ポ
リウレタンエラストマーの製造時、イソシアネート基の
モル数と活性水素基のモル数の比(イソシアネート基の
モル数/活性水素基のモル数)が0.90〜1.15で
反応させる熱可塑性ポリウレタンエラストマーの製造方
法が提供される。
【0014】さらに、本発明の第10の発明によれば、
少なくとも、(A)非金属触媒を用いて製造されるヒド
ロキシル基価15から115のポリオキシアルキレンポ
リオール、(B)ヒドロキシル基価116から480の
ポリオキシアルキレンポリオールを含有するポリオール
中の(A)と(B)のモル比((A)/(B))が1/
9〜9/1の範囲にあり、かつ(A)と(B)の含有率
の総和が50モル%以上であるポリオールと(C)イソ
シアネート基を有する化合物とからなる熱可塑性ポリウ
レタンエラストマー用組成物が提供される。
【0015】また、本発明の第11の発明によれば、少
なくとも、ヒドロキシル基価15から115のポリオキ
シアルキレンポリオールが、GPC(ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー)を用いて求められた溶出曲線
において、ピークの最大高さを100%とした際に、そ
のピーク高さの20%でのピーク幅をW20、ピーク高さ
の80%でのピーク幅をW80と定義した時の、W20をW
80で割った値、W20/W80、すなわちGPC溶出曲線の
ピーク高さ20%と80%のピーク幅の比が1.5以上
3.0未満である(A)非金属触媒を用いて製造される
ヒドロキシル基価15から115のポリオキシアルキレ
ンポリオールと、(B)ヒドロキシル基価116から4
80のポリオキシアルキレンポリオールおよび(C)イ
ソシアネート基を有する化合物を含有する熱可塑性ポリ
ウレタンエラストマー用組成物が提供される。
【0016】また、本発明の第12の発明によれば、第
10または第11の発明において、上記(A)非金属触
媒を用いて製造されるヒドロキシル基価15から115
のポリオキシアルキレンポリオールが、分子内にリン−
窒素二重結合を有する化合物を触媒として製造される熱
可塑性ポリウレタンエラストマー用組成物が提供され
る。
【0017】本発明に係る弾性糸は、(A1)分子内に
リン-窒素二重結合を有する化合物を触媒として用いて
製造されるヒドロキシル基価15から115のポリオキ
シアルキレンポリオールと、(B)ヒドロキシル基価1
16から480のポリオキシアルキレンポリオールと、
(D)下記式(1)〜(8):
【0018】
【化4】
【0019】で示される群から選ばれる少なくとも1種
のジオールと、(C)イソシアネート基を有する化合物
とを反応させて得られうる硬さがShoreA 84A
以上ShoreD 70D以下である熱可塑性ポリウレ
タンエラストマーを含有することを特徴としている(前
記式(1)〜(8)中、a、b、c、d、e、f、g、h、i、
j、k、l、m、nは、0〜3のいずれかの整数であり、そ
れぞれの式において互いに同一でも異なっていてもよ
い。)。
【0020】前記弾性糸は、160℃における残存歪が
50%以下であり、かつガラス転移温度が−70℃以上
であることが好ましい。また、本発明に係る弾性糸は、
(A1)分子内にリン-窒素二重結合を有する化合物を
触媒として用いて製造される、ヒドロキシル基価15か
ら115のポリオキシアルキレンポリオールと、(B)
ヒドロキシル基価116から480のポリオキシアルキ
レンポリオールと、(D)下記式(1)〜(8):
【0021】
【化5】
【0022】で示される群から選ばれる少なくとも1種
のジオールと、(C)イソシアネート基を有する化合物
とを反応させて得られうる硬さがShoreA 84A
以上ShoreD 70D以下である熱可塑性ポリウレ
タンエラストマーを用いて製造されることを特徴として
いる(前記式(1)〜(8)中、a、b、c、d、e、f、
g、h、i、j、k、l、m、nは、0〜3のいずれかの整数で
あり、それぞれの式において互いに同一でも異なってい
てもよい。)。
【0023】本発明に係る弾性糸の製造方法は、(A
1)分子内にリン-窒素二重結合を有する化合物を触媒
として用いて製造される、ヒドロキシル基価15から1
15のポリオキシアルキレンポリオールと、(B)ヒド
ロキシル基価116から480のポリオキシアルキレン
ポリオールと、(D)下記式(1)〜(8):
【0024】
【化6】
【0025】で示される群から選ばれる少なくとも1種
のジオールで示されるジオールと、(C)イソシアネー
ト基を有する化合物とを反応させて得られうる硬さがS
horeA 84A以上ShoreD 70D以下であ
る熱可塑性ポリウレタンエラストマーを用いて製造する
ことを特徴としている(前記式(1)〜(8)中、a、
b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、m、nは、0〜3の
いずれかの整数であり、それぞれの式において互いに同
一でも異なっていてもよい。)。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマーは、少なくとも(A)非金属触媒を用いて製
造されるヒドロキシル基価15から115のポリオキシ
アルキレンポリオールと(B)ヒドロキシル基価116
から480のポリオキシアルキレンポリオールと(C)
イソシアネート基を有する化合物とを反応させて得られ
るものであり、必要に応じてその他のポリオール、鎖延
長剤や触媒、顔料、その他の添加剤などを配合すること
ができる。そしてその製造方法としては、ワンショット
法であってもプレポリマー法のいずれであってもよい。
以下、それらについて詳細に説明する。 (1)熱可塑性ポリウレタンエラストマーの製造方法 本発明の熱可塑性ポリウレタンエラストマーは少なくと
も上記(A)成分、(B)成分および(C)成分の存在
下に反応することによって製造することができる。必要
に応じて、その他の活性水素化合物、触媒、鎖延長剤、
顔料、安定剤、その他添加剤などを併用することができ
る。
【0027】(A)成分と(B)成分との比率に特に制
限はないが、得られる熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ー組成物に十分な機械強度と低温性能を付与する観点か
ら、1/9〜9/1モルであることが好ましい。(A)
成分と(B)成分を上記の比率で用いることにより、得
られる熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物に十分
な機械強度と低温性能を付与することができる。
【0028】(A)成分、(B)成分および(C)成分
並びに必要に応じて添加されるその他の活性水素化合
物、触媒、鎖延長剤、顔料、安定剤、その他添加剤など
の混合順序に、特に限定はないが、例えば(A)成分、
(B)成分および必要に応じて添加されるその他の活性
水素化合物、触媒、鎖延長剤、顔料、安定剤、その他添
加剤などを予め混合しておき、その後、(C)成分と混
合反応させても、それぞれを一度に混合して反応させて
もよい。
【0029】これらの混合方法に特に限定はないが、デ
ィゾルバーのような混合槽や循環式の低圧、高圧衝突混
合装置、プラストミル、反応押出し機のような混練装置
を用いることが好ましい。反応温度は特に限定されない
が、通常5℃〜300℃であり、20℃〜280℃であ
るのが好ましく、40℃〜260℃で行うのがより好ま
しい。
【0030】熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、ミ
キシングヘッドにおいて連続的または不連続に混合した
後に、ベルトコンベアーなどに吐出してシート状として
得る方法や、得られたシートなどを粉砕して粉状にする
方法などがある。また、原料を混合した後、反応釜、N
SCR、押出機やニーダーなどに供給し、反応後直接ま
たはギヤポンプ、スネークポンプを介して、カッターに
送りペレット化したり、シート状、板状に吐出されたも
のを粉砕機などでフレーク状に粉砕する。プレポリマー
を用いて製造される場合は、ニーダー、押出機などを用
いて製造することが多い。
【0031】得られた熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ーの成形方法にも特に制限はなく、反応後の硬化物また
は粉砕物やペレットなどを、押出し成形機や射出成形機
を用いて所望の形状に加工すればよい。また、前記の反
応押出成形機あるいは反応射出成形機を用いて連続的に
反応を行いながら成形することもできる。反応押出成形
あるいは反応射出成形のような方法を用いれば、工程を
大幅に省略することができる。
【0032】成形温度は特に限定されず、通常80℃〜
300℃であり、90℃〜280℃であるのが好まし
く、100℃〜260℃で行うのがより好ましい。さら
に40℃〜180℃で1時間〜168時間アフターキュ
アすることが好ましい。(C)成分と反応する活性水素
化合物、すなわちポリオキシアルキレンポリオール
(A)、ポリオキシアルキレンポリオール(B)、必要
に応じて添加される活性水素化合物の混合物中に含有さ
れる水分は少ないほど好ましい。ポリオール中に含有さ
れる水分は、好ましくは500ppm以下、より好まし
くは300ppm以下、最も好ましくは200ppm以
下である。(A)成分、(B)成分以外の活性水素化合
物を用いる場合、その他の活性水素化合物と(A)成
分、(B)成分との比率は、(A)成分と(B)成分の
合計とその他の活性水素化合物の合計とのモル比が少な
くとも1であることが好ましい。
【0033】さらに、用いられる助剤についても含有さ
れる水分量が少ないことが好ましい。ポリオール、助剤
は使用に際し、予め減圧脱水などを施し、脱水しておく
のが好ましい。混合方法は特に限定はされず、所望に応
じた方法にて混合すればよい。活性水素成分とイソシア
ネート成分との混合比は、(C)成分中のイソシアネー
ト基と(A)成分、(B)成分および必要に応じて用い
るポリオール、鎖延長剤中のヒドロキシル基とのモル比
(NCO/OH比)が、通常0.90〜1.15となる
ように混合し、0.96〜1.12となるようにするの
が好ましく、0.96〜1.10となるように混合する
のがより好ましい。NCO/OH比が1.15よりも大
きいと、反応時に副反応によりアロハネート結合、ビウ
レット結合が生じやすくなり、架橋構造を形成して熱可
塑樹脂としての特性が失われ易いので好ましくない。ま
た、NCO/OH比を0.90以上とすることにより、
熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物の鎖伸長に優
れ、得られるポリマーの機械特性が優れる。 (2)(A)非金属触媒を用いて製造されるポリオール 本発明において用いられる、(A)非金属触媒を用いて
製造されるヒドロキシル基価(OHv)15〜115mg
KOH/g(以下ヒドロキシル基価においてmgKOH/gで表され
る価を省略する場合がある。)のポリオキシアルキレン
ポリオールは、そのOHvが、熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマー組成物により一層の柔軟性と低温特性を付与
する観点から、15〜115mgKOH/gの範囲であ
り、好ましくは18〜115mgKOH/g、より好ま
しくは20〜115mgKOH/gである。
【0034】また非金属触媒を用いて製造されるヒドロ
キシル基価(OHv)15〜115のポリオキシアルキ
レンポリオールは、そのGPC(ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー)を用いて求められる溶出曲線にお
いて、ピークの最大高さを100%とした際に、そのピ
ーク高さの20%でのピーク幅をW20、ピーク高さの8
0%でのピーク幅をW80と定義した時の、W20をW80
割った値、W20/W80、すなわちGPC溶出曲線のピー
ク高さ20%と80%のピーク幅の比が1.5以上3.
0未満であることが好ましい。
【0035】本願発明で用いられるポリオキシアルキレ
ンポリオール(A)は、アルキレンオキシドを活性水素
化合物の存在下に、非金属触媒を用いて製造される。 <ポリオキシアルキレンポリオール(A)製造用アルキ
レンオキシド>プロピレンオキシドを用いて得られるも
のであり、プロピレンオキシドのホモポリマーであって
もよいし、プロピレンオキシドを主モノマーとし、エチ
レンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブ
チレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオ
キシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メ
チルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルま
たはフェニルグリシジルエーテルなどのアルキレンオキ
シドを併用したものであってもよい。これらのアルキレ
ンオキシド化合物のうち、エチレンオキシド、1,2−
ブチレンオキシドまたはスチレンオキシドが好ましく、
エチレンオキシドがさらに好ましい。これらは、単独で
用いても複数を併用してもよい。
【0036】エチレンオキシドを、プロピレンオキシド
を主鎖とするポリオキシアルキレンポリオールの末端に
導入すると反応速度を向上することができ、熱可塑性ポ
リウレタンエラストマーの高分子量化が促進されるの
で、特に好ましい。本発明に係るポリオキシアルキレン
ポリオールにおいてエチレンオキシドを使用する場合
は、エチレンオキシドの使用量は、使用するアルキレン
オキシド中、30質量%以下であることが好ましく、さ
らに好ましくは5〜30質量%、最も好ましくは10〜
25質量%である。
【0037】また、プロピレンオキシド付加重合におけ
るオキシラン環の開裂様式に起因するヘッド−トウ−テ
イル(H−T)結合選択率には特に限定はないが、通常
95モル%以上であり、好ましくは96モル%以上、さ
らに好ましくは、97モル%以上である。H−T結合選
択率を95モル%以上とすることにより、ポリオキシア
ルキレンポリオールの粘度を好適な範囲に保つことがで
きる。
【0038】ポリオキシアルキレンポリオールの分子量
にもよるが、熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物
に十分な機械物性を付与するため、ポリオキシアルキレ
ンポリオールの総不飽和度は0.03meq./g以下
であることが好ましく、0.02meq./g以下であ
るのことがより好ましい。総不飽和度を0.03me
q./g以下とすることで、熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマー組成物の機械強度が向上するので好ましい。
【0039】さらに本発明においては、ポリオキシアル
キレンポリオールが、リン−窒素二重結合を有する化合
物を触媒として製造されたものであることが好ましい。
より好ましくは、リン−窒素二重結合を有する化合物
が、ホスファゼニウム化合物、ホスファゼン化合物およ
びホスフィンオキシド化合物からなる群から選ばれる少
なくとも1種の化合物であり、特に好ましくはホスファ
ゼニウム化合物である。該ホスファゼニウム化合物を用
いて得られたポリオキシアルキレンポリオールにおい
て、そのヒドロキシル基価が15〜115mgKOH/
gの範囲にあり、総不飽和度は0.001〜0.03m
eq./gの範囲にあり、プロピレンオキシド付加重合
によるポリオキシアルキレンポリオールのヘッド−トゥ
−テイル結合選択率が95モル%以上であるものが好ま
しい。ポリオキシアルキレンポリオールは、ホスファゼ
ニウム化合物を用いて製造することが好ましいが、本発
明の効果を阻害しない範囲で水酸化セシウム(CsO
H)などのアルカリ金属水酸化物を併用してもよい。ま
た(A)成分はその一部または全部を予めイソシアネー
ト基を有する化合物と反応させたイソシアネート基末端
ウレタンプレポリマーとして用いてもよい。イソシアネ
ート基を含有する化合物としては(C)成分として用い
られる通常のポリウレタン化合物を用いることができ
る。
【0040】<非金属触媒>本発明の、(A)非金属触
媒を用いて製造されるヒドロキシル基価15から115
のポリオキシアルキレンポリオールの製造に用いられる
非金属触媒とは、その構造中に金属成分を実質的に含有
しない化合物である。具体的には、水酸化テトラメチル
アンモニウム塩、ホスファゼニウム化合物、ホスファゼ
ン化合物およびホスフィンオキシド化合物などが挙げら
れる。これらの中でも、分子内にリン−窒素二重結合を
有する化合物が好ましい。分子中にリン−窒素二重結合
を有する化合物としては、例えば、ホスファゼニウム化
合物、ホスファゼン化合物およびホスフィンオキシド化
合物などが挙げられる。これらは単独で用いても、2種
類以上を併用してもよい。
【0041】ホスファゼニウム化合物としては、例え
ば、特開平11−106500号公報に記載されるよう
に、一般式(9)
【0042】
【化7】
【0043】で表されるホスファゼニウムカチオンと無
機アニオンとの塩、および、一般式(10)
【0044】
【化8】
【0045】で表されるホスファゼニウム化合物を、好
適なものとして例示することができる。ここで、上記一
般式(9)および(10)の中で、a、b、cおよびd
は、全てが同時には0とならない0〜3の整数である。
Rは同種または異種の炭素数1〜10個の炭化水素基で
あり、同一窒素原子上の2個のRが結合して環構造を形
成する場合もある。上記一般式(9)においてrは、1
〜3の整数であってホスファゼニウムカチオンの数を表
し、Tr-は価数rの無機アニオンを示し、上記一般式
(10)のQ-はヒドロキシアニオン、アルコキシアニ
オン、アリールオキシアニオンまたはカルボキシアニオ
ンを示す。具体的には、例えば、テトラキス[トリス
(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフ
ォニウムヒドロキシド、テトラキス[トリス(ジメチル
アミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムメ
トキシド、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホス
フォラニリデンアミノ]ホスフォニウムエトキシド、テ
トラキス[トリ(ピロリジン−1−イル)ホスフォラニ
リデンアミノ]ホスフォニウムtert−ブトキシドな
どが挙げられる。
【0046】ホスファゼン化合物としては、例えば、E
P−763555号公報記載の化合物、1−tert−
ブチル−2,2,2−トリス(ジメチルアミノ)ホスフ
ァゼン、1−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)
−2,2,2−トリス(ジメチルアミノ)ホスファゼ
ン、1−エチル−2,2,4,4,4−ペンタキス(ジ
メチルアミノ)−2λ5 ,4λ5 −カテナジ(ホスファ
ゼン)、1−tert−ブチル−4,4,4−トリス
(ジメチルアミノ)−2,2−ビス[ トリス(ジメチル
アミノ)ホスフォラニリデンアミノ] −2λ5 ,4λ5
−カテナジ(ホスファゼン)、1−(1,1,3,3−
テトラメチルブチル)−4,4,4−トリス(ジメチル
アミノ)−2,2−ビス[ トリス(ジメチルアミノ)ホ
スフォラニリデンアミノ] −2λ5 ,4λ5 −カテナジ
(ホスファゼン)、1−tert−ブチル−2,2,2
−トリ(1−ピロリジニル)ホスファゼン、または7−
エチル−5,11−ジメチル−1,5,7,11−テト
ラアザ−6λ5 −ホスファスピロ[ 5,5] ウンデカ−
1(6)−エンなどが挙げられる。
【0047】ホスフィンオキシド化合物としては、例え
ば、特願平11−296610号公報記載の化合物、ト
リス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンア
ミノ]ホスフィンオキシド、トリス[トリス(ジエチル
アミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシ
ドなどが挙げられる。上記リン−窒素二重結合を有する
化合物の中で、好ましくは、ホスファゼニウム化合物お
よびホスフィン化合物から選ばれる化合物であり、特に
好ましくは、ホスファゼニウム化合物である。
【0048】<ポリオキシアルキレンポリオール(A)
の製造用活性水素化合物>本発明のポリオキシアルキレ
ンポリオール(A)の製造に用いられる活性水素化合物
は、通常のポリウレタン製造に用いることができるもの
であればいずれでもよい。この活性水素化合物は、開始
剤と呼称されることもある。例えば、下記の酸素原子上
に活性水素原子を有する活性水素化合物、窒素原子上に
活性水素原子を有する活性水素化合物などが挙げられ
る。線状ポリマーを形成させるため、開始剤の価数は、
2価であることが好ましい。その中でもエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール
などが特に好ましい。
【0049】((i) 酸素原子上に活性水素原子を有
する活性水素化合物)本発明の活性水素化合物のうち、
酸素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物とし
ては水、カルボキシル基を有する2価カルボン酸、カル
バミン酸、ヒドロキシル基を有する2価アルコール、糖
類またはその誘導体、ヒドロキシル基を有する芳香族化
合物などが挙げられる。
【0050】カルボキシル基を有する2価カルボン酸と
しては、例えば、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フ
マル酸、アジピン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸などが挙げられる。カルバミン酸と
しては、例えば、N−カルボキシアニリンまたはN,N'
−ジカルボキシ−2,4−トルエンジアミンなどが挙げ
られる。
【0051】ヒドロキシル基を有する2価アルコールと
しては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジオールなどが挙げられ
る。
【0052】ヒドロキシル基を有する芳香族化合物とし
ては、例えば、2−ナフトール、2,6−ジヒドロキシ
ナフタレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、
1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシ
ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベ
ンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベン
ゼン、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートなどが
挙げられる。
【0053】((ii) 窒素原子上に活性水素原子を
有する活性水素化合物)また、本発明の活性水素化合物
のうち、窒素原子上に活性水素原子を有する活性水素化
合物としては、脂肪族または芳香族アミンなどが挙げら
れる。脂肪族または芳香族アミンとしては、例えば、ノ
ルマル-プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマ
ル-ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチル
アミン、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、ベンジルアミン、β−フェニルエチルアミン、アニ
リン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジ
ンまたは2−ピロリドン−5−カルボン酸などが挙げら
れる。
【0054】より高融点、あるいは高弾性の熱可塑エラ
ストマーを所望する場合など、本発明の効果を阻害しな
い範囲であれば3価以上の開始剤、例えば、トリメチロ
ールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリ
スリトールまたはジペンタエリスリトール、グルコー
ス、ソルビトール、デキストロース、フラクトースまた
はシュクロースなどの多価アルコールや糖類とその誘導
体;ブタンテトラカルボン酸、トリメリット酸、ピロメ
リット酸または2−ピロピドン−5−カルボン酸などの
ような多価カルボン酸;エチレンジアミン、ジ(2−ア
ミノエチル)アミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4
´―ジアミノジフェニルメタン、トリ(2−アミノエチ
ル)アミン、N、N´―ジメチルエチレンジアミンまた
はN、N´―ジエチルエチレンジアミンのような多価ア
ミンなどを用いてもよい。 (3)(B)ヒドロキシル基価116〜480のポリオ
キシアルキレンポリオール本発明において使用する、ヒ
ドロキシル基価116〜480のポリオキシアルキレン
ポリオールのOHvは、熱可塑性ポリウレタンエラスト
マー組成物に十分な強度を付与する観点から、116〜
480mgKOH/gの範囲であり、好ましくは120
〜480mgKOH/g、より好ましくは125〜48
0mgKOH/gである。
【0055】分子量分布については特に限定はないが、
通常1.60以下である。(A)成分と比較して、
(B)成分はさほど低い総不飽和度を必要としないが、
熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物に十分な機械
物性を付与するため、(B)成分の総不飽和度は、0.
05meq./g以下であることが好ましく、0.03
meq./g以下であることがより好ましい。
【0056】総不飽和度を0.05meq./g以下と
することにより、熱可塑性ポリウレタンエラストマー組
成物の機械強度が向上するので好ましい。ヒドロキシル
基価116〜480のポリオキシアルキレンポリオール
(B)は、活性水素化合物、アルキレンオキシドと触媒
とを反応させることによって得られる。またテトラヒド
ロフランを開環重合して得られたポリテトラメチレンエ
ーテルグリコール(PTMEG)等を用いることができ
る。(B)成分の製造に用いる活性水素化合物として
は、通常のポリウレタン製造に用いることができるもの
であればいずれでも用いることができ、具体的には、
(A)成分について記載したものと同じ活性水素化合物
を用いることができる。すなわち、(A)成分の製造に
用いたものと同じ活性水素化合物を用いても、異なるも
のを用いてもよく、それらは単独で用いても複数を併用
してもよい。
【0057】<ポリオキシアルキレンポリオール(B)
製造用アルキレンオキシド>ヒドロキシル基価116〜
480のポリオキシアルキレンポリオール(B)の製造
用に用いられるアルキレンオキシドとしては、OHv1
15〜480のポリオキシアルキレンポリオール(A)
の製造と同様に、プロピレンオキシドのホモポリマーで
あってもよいし、プロピレンオキシドを主モノマーと
し、エチレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、
2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、シクロ
ヘキセンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒ
ドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジル
エーテルまたはフェニルグリシジルエーテルなどのアル
キレンオキシドを併用したものであってもよい。
【0058】該アルキレンオキシドは、プロピレンオキ
シドを主成分とすることが望ましく、アルキレンオキシ
ド中、少なくともプロピレンオキシドを50質量%含有
しているものを用いることが好ましい。かかる量のプロ
ピレンオキシドを用いることにより、ポリオキシアルキ
レンポリオール中のオキシプロピレン基の含有量を少な
くとも50質量%に制御できる。ポリオキシアルキレン
ポリオール中のオキシプロピレン基の含有量が50質量
%以上の場合、低粘度のポリオキシアルキレンポリオー
ルが得られるため、ポリオールまたは混合ポリオール、
あるいはプレポリマーの粘度が低粘度となり、混合性が
向上するので好ましい。
【0059】プロピレンオキシド以外のアルキレンオキ
シドを併用する場合には、エチレンオキシド、1,2−
ブチレンオキシドまたはスチレンオキシドが好ましく、
エチレンオキシドがさらに好ましい。これらは、単独で
用いても複数を併用してもよい。エチレンオキシドを、
プロピレンオキシドを主鎖とするポリオキシアルキレン
ポリオールの末端に導入すると反応速度を向上すること
ができ、熱可塑性ポリウレタンエラストマーの高分子量
化が促進される。本発明に係るOHv116〜480の
ポリオキシアルキレンポリオールにおいてエチレンオキ
シドを使用する場合には、エチレンオキシドの使用量は
用いるアルキレンオキシド中30質量%以下が好まし
く、さらに好ましくは5〜30質量%、最も好ましくは
10〜25質量%である。
【0060】アルキレンオキシドの付加触媒については
特に制限はなく、(A)成分製造と同様の非金属触媒を
用いてもよいし、KOH、CsOHのような公知の金属
系の触媒を用いてもよい。また(B)成分は(A)成分
と同様に、その一部または全部を予めイソシアネート基
を含有する化合物と反応させたイソシアネート基末端ウ
レタンプレポリマーとして用いてもよい。イソシアネー
ト基を有する化合物としては、(C)成分として用い
る、通常のポリウレタン製造に用いられるものを好適に
用いることができる。 (4)(C)イソシアネート基を有する化合物 本発明において使用するイソシアネート基を有する化合
物とは、通常、イソシアネート基を有する有機化合物で
あり、芳香族または脂肪族、脂環式イソシアネート、そ
れらの混合イソシアネートまたはウレタンプレポリマー
などの有機イソシアネート化合物の変性物などが挙げら
れる。
【0061】これらの中でも、分子中に2個のイソシア
ネート基を有するジイソシアネート化合物や、分子内に
2個の分子末端イソシアネート基を有するジイソシアネ
ートを化学量論的に過剰の条件で活性水素化合物と反応
させることにより得られたイソシアネート基末端を有す
るウレタンプレポリマーなどが好ましい。 <ポリイソシアネート>本発明のイソシアネート基を有
する化合物としては、通常のポリウレタン樹脂組成物に
使用されるポリイソシアネートを用いることができる。
好ましくは、分子内に2つの分子末端イソシアネート基
を有するジイソシアネートを用いる。
【0062】例えば、トリレンジイソシアネート(TD
I)、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(M
DI―PH)、2,4´−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、2,2´−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチ
ルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1,5
−ナフタレンジイソシアネート(NDI)などの芳香族イ
ソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートなどの
脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート
(IPDI)、水添XDI、水添MDI(H12MD
I)、ノルボルナンジイソシアネートメチル(NBD
I)、水添トリレンジイソシアネートなどの脂環式ポリ
イソシアネート;上記イソシアネートのカルボジイミド
変性イソシアネートなどが挙げられる。これらの中で
も、反応性と線状ポリマーを形成することから、反応性
の速い、MDI、カルボジイミド変性MDI(液状MD
I) 、TDIの使用が特に好ましく、これらは2種以上
を混合使用してもよい。さらに、本発明の効果を損なわ
ない範囲であれば、ポリメリックMDI(p−MDI)
や、上記イソシアネートのイソシアヌレート変性体、T
MPアダクト体のような3官能以上のポリイソシアネー
トを併用してもよい。
【0063】<ウレタンプレポリマー製造に用いられる
活性水素化合物>イソシアネート基末端のウレタンプレ
ポリマーを製造するのに使用する活性水素化合物として
は、(A)非金属触媒を用いて製造されるヒドロキシル
基価15から115のポリオキシアルキレンポリオー
ル、(B)ヒドロキシル基価116から480のポリオ
キシアルキレンポリオールの一部または全部を用いても
よいし、その他の活性水素化合物として必要に応じて用
いる、通常のポリウレタン樹脂組成物に使用される活性
水素化合物、あるいはこれらの併用であってもよい。
【0064】<イソシアネート基末端ウレタンプレポリ
マーの合成方法>イソシアネート基末端ウレタンプレポ
リマーの合成方法には、特に限定はないが、例えば、イ
ソシアネート基をヒドロキシル基に対して、化学量論的
に過剰量用い、ヒドロキシル基含有化合物と一括してブ
レンドするか、またはいずれか一方を先に仕込み、他を
後から添加して、いずれも10〜130℃にて1〜15
0時間反応させることにより得ることができる。また、
反応速度を向上させるため、公知の触媒を添加して反応
させてもよい。
【0065】<その他の活性水素化合物>本発明では必
要に応じて(A)成分、(B)成分以外の活性水素化合
物を用いることができる。用いられる活性水素化合物と
しては、通常のポリウレタン樹脂組成物に使用される活
性水素化合物が挙げられる。さらに、ヒドロキシル基を
イソシアネート基に対して化学量論的に過剰量用いるこ
とにより合成される、ヒドロキシル基末端ウレタンプレ
ポリマーも使用できる。通常のポリウレタン樹脂組成物
に使用される活性水素化合物としては、例えば、エチレ
ングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DE
G)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレング
リコール(DPG)、1,3−ブタンジオール(1,3−
BD)、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、2,
2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチ
ルグリコール、NPG)、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオー
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールおよび1,
3−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロ
キシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキ
シエトキシ)ベンゼン、4,4´―ジヒドロキシジフェ
ニルプロパン、4,4´―ジヒドロキシジフェニルメタ
ン、1,2−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,3−ジ
ヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ジヒドロキシシク
ロヘキサン、1,2−ジヒドロキシメチルシクロヘキサ
ン、1,3−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、1,
4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、1,2−ビス
ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、1,3−ビスヒド
ロキシエトキシシクロヘキサン、1,4−ビスヒドロキ
シエトキシシクロヘキサン、1,2−ビスヒドロキシエ
トキシカルボニルシクロヘキサン、1,3−ビスヒドロ
キシエトキシカルボニルシクロヘキサン、1,4−ビス
ヒドロキシエトキシカルボニルシクロヘキサン、2,5
-ジヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン、2,6-ジヒドロキシメチルビシクロ[2.2.
1]ヘプタン、3,8−ジヒドロキシメチル−トリシク
ロ[5.2.1.02, 6]デカン、3,9−ジヒドロキ
シメチル−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、
4,8−ジヒドロキシメチル−トリシクロ[5.2.
1.02,6]デカンなどの2価アルコールが挙げられ
る。
【0066】ポリエーテルポリオールとしては、例え
ば、比較的低分子量の2価アルコール1種または2種以
上あるいはエチレンジアミン、ジ(2−メチルアミノエ
チル)アミンなどの脂肪族あるいは芳香族ポリアミン
に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレン
オキシド、スチレンオキシドなどの1種または2種以上
を付加重合して得られるポリエーテルポリオールおよび
テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラ
メチレンエーテルグリコール(PTMEG)等が挙げら
れる。
【0067】ポリエステルポリオールとしては、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールなど
あるいはその他の低分子ポリオールの1種または2種以
上と、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、ダイマー酸などあるいはその他の
低分子ジカルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以
上との縮合重合およびカプロラクトンなどを開環重合し
て得られるポリエステルポリオールなどが挙げられる。
【0068】ポリカーボネートポリオールとしては、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールな
どの多価アルコールと、ジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネートなどとの縮合反応より得られるポリカー
ボネートジオールなどが挙げられる。ポリエーテルポリ
オールないしポリエステルポリオールの変性物として
は、前記の公知のポリエーテルポリオールないしポリエ
ステルポリオールにアクリロニトリル、スチレン、メチ
ルメタクリレートなどのエチレン性不飽和化合物を重合
して得たポリマー分散ポリオールなどが挙げられる。
【0069】ヒドロキシル基含有化合物の中ではポリオ
ールが好ましく、材料粘度が低く、得られる熱可塑性ポ
リウレタンエラストマーの耐水性が一層向上することか
ら、比較的低分子量の多価アルコールやポリエーテルポ
リオールがより好ましい。これらのヒドロキシル基含有
化合物は1種単独でまたは必要に応じて2種以上を併用
して用いることができる。
【0070】また、本発明の効果を損なわない範囲であ
ればグリセリン、2−ヒドロキシメチル−2−メチル−
1,3−ジオール、2−エチル−2−ヒドロキシメチル
−1,3−ジオール(TMP)、1,2,5−ヘキサン
トリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,
2,3−シクロヘキサントリオール、1,3,5−シク
ロヘキサントリオールなどの3価アルコール、ペンタエ
リスリトール、グルコース、シュークロース、フルクト
ース、ソルビトール、1,2,3,4−シクロヘキサン
テトロール、1,2,4,5−シクロヘキサンテトロー
ル、シクロヘキサンペントール(クエルシトール)、シ
クロヘキサンヘキソール(イノシトール)、キシリトー
ルなどの4価以上の多価アルコールや比較的低分子量の
3価以上のアルコール1種または2種以上あるいはエチ
レンジアミンなどの脂肪族あるいは芳香族ポリアミンに
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキ
シド、スチレンオキシドなどの1種または2種以上を付
加重合して得られるポリエーテルポリオール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパンなど3価以上の低分子ポリ
オールの1種または2種以上と、必要に応じエチレング
リコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペ
ンタンジオール、ヘキサンジオール、あるいはその他の
低分子ジオールの1種または2種以上とグルタル酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
ダイマー酸などあるいはその他の低分子ジカルボン酸や
オリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合して得
られるポリエステルポリオールなども使用できる。
【0071】<鎖延長剤>本発明の熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマーの製造に併用して用いることができる鎖
延長剤としては、例えば、以下の鎖延長剤を挙げること
ができる。具体的には、エチレングリコール(EG)、
ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコー
ル(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,3
−ブタンジオール(1,3−BD)、1,4−ブタンジオ
ール(1,4−BD)、2,2−ジメチル−1,3−プロ
パンジオール(ネオペンチルグリコール、NPG)、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−
2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキ
サンジオールおよび1,3−ジヒドロキシベンゼン、
1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ビス(2−ヒ
ドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒド
ロキシエトキシ)ベンゼン、1-ヒドロキシ−3-ヒドロ
キシエトキシベンゼン、1-ヒドロキシ−4-ヒドロキシ
エトキシベンゼン、4,4´―ジヒドロキシジフェニル
プロパン、4,4´―ジヒドロキシジフェニルメタン、
1,2−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,3−ジヒド
ロキシシクロヘキサン、1,4−ジヒドロキシシクロヘ
キサン、1,2−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、
1,3−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、1,4−
ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、1,2−ビスヒド
ロキシエトキシシクロヘキサン、1,3−ビスヒドロキ
シエトキシシクロヘキサン、1,4−ビスヒドロキシエ
トキシシクロヘキサン、1,2−ビスヒドロキシエトキ
シカルボニルシクロヘキサン、1,3−ビスヒドロキシ
エトキシカルボニルシクロヘキサン、1,4−ビスヒド
ロキシエトキシカルボニルシクロヘキサン、2,5-ジ
ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
2,6-ジヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘ
プタン、3,8−ジヒドロキシメチル−トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン、3,9−ジヒドロキシ
メチル−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、
4,8−ジヒドロキシメチル−トリシクロ[5.2.
1.02,6]デカンなどの2価アルコール、ジ(アミノ
メチル)ベンゼン、1−アミノ−3,5,5−トリメチ
ル−3−アミノメチルシクロヘキサン、ビス(アミノメ
チル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ジアミノジフ
ェニルメタンなどのジアミンが挙げられる。これらは一
種単独で、または二種以上を混合して用いることができ
る。鎖延長剤としてはヒドロキシル基価あるいはアミノ
基価が480mgKOH/g以上のものが好ましい。
【0072】鎖延長剤を用いる場合は、2価アルコール
が好ましく、1,4−ブタンジオール、1,3−ジヒド
ロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,
3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4
−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1-ヒド
ロキシ−3-ヒドロキシエトキシベンゼン、1-ヒドロキ
シ−4-ヒドロキシエトキシベンゼン、1,3−ジヒド
ロキシメチルシクロヘキサン、1,4−ジヒドロキシメ
チルシクロヘキサンがより好ましい。これらは一種単独
で用いても二種以上を混合して用いてもよい。
【0073】<触媒>本発明の熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマーにおいて、イソシアネート基を有する化合物
とヒドロキシル基を有する化合物との反応において必要
に応じて用いられる触媒としては、例えば、ジブチル錫
ジラウレート、ジオクチル錫マレート、オクチル酸第一
錫、ジブチル錫オキシドなどの有機錫化合物、テトラブ
チルチタネートなどの有機チタン化合物、ナフテン酸
鉛、オクチル酸鉛などの有機鉛化合物、ネオデカン酸ビ
スマス、オクチル酸ビスマスなどの有機ビスマス化合物
などの有機金属系触媒、トリエチレンジアミン、トリエ
チルアミン、テトラメチレンジアミン、N−メチルモル
ホリン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジメチル
イミダゾールなどの第三級アミンが挙げられる。これら
の触媒は、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせ
て用いることができる。これらの中では、有機金属系触
媒が好ましい。触媒を使用する場合の触媒使用量は、イ
ソシアネート化合物に対して、0.0001〜5質量
%、好ましくは0.001〜2質量%である。
【0074】<熱可塑性ポリウレタンエラストマー>本
発明の熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、23℃に
おける反発弾性が25%以上85%以下であることが好ま
しく、30%以上80%以下であることがより好まし
い。該反発弾性を25%以上とすることにより、弾性が
増し、触感に優れるので好ましい。
【0075】また、ガラス転移温度は、−70℃以上5
℃以下であることが好ましい。引張強度には、特に限定
はないが、20MPa以上であることが好ましい。引張
強度を20MPa以上とすることで、強度を必要とする
スポーツ用品など、さまざまな分野での利用が可能とな
る。また、切断時伸びについても、特に限定はないが、
400%以上であることが好ましく、450%以上であ
ることがより好ましい。切断時伸びが400%以上であ
ると、成形物が大きなひずみを受けた場合にも破壊する
ことなく、その動きに追従することができるので好まし
い。
【0076】さらに、圧縮永久ひずみは、23℃におけ
る値が30%以下、70℃における値が35%以下であ
ることが好ましい。圧縮永久ひずみがこれらの値の範囲
内にあると、耐へたり性が向上し、耐久性が向上するの
で好ましい。このような熱可塑性ポリウレタンエラスト
マーは、たとえば、以下の弾性糸に好ましく用いること
ができる。 <弾性糸>本願発明の弾性糸は、前記の少なくとも分子
内にリン−窒素二重結合を有する化合物を触媒として用
いて製造されるヒドロキシル価15から115のポリオ
キシアルキレンポリオール(A1)、前記ヒドロキシル
基価116から480のポリオキシアルキレンポリオー
ル(B)、下記式(1)〜(8)で表されるジオール
(D):
【0077】
【化9】
【0078】(前記式(1)〜(8)中、a、b、c、d、
e、f、g、h、i、j、k、l、m、nは、0〜3のいずれかの
整数であり、このうち0または1であることが好まし
く、それぞれの式において互いに同一でも異なっていて
もよい。)、および前記イソシアネート基を有する化合
物(C)を混合、反応させて得られる硬さがShore
A 84A以上ShoreD 70D以下、好ましくは
硬さがShoreA 88A以上ShoreD 68D
以下である熱可塑性ポリウレタンエラストマーを含有し
ている。
【0079】このような範囲の硬さとすることにより残
存歪が小さく、引張特性や耐膠着性を向上させることが
できるので好ましい。弾性糸中には必要に応じて該熱可
塑性ポリウレタンエラストマー以外の樹脂をもちいても
よく、その他の樹脂を用いる場合の該熱可塑性ポリウレ
タンエラストマーの含有量は好ましくは50質量%以
上、さらに好ましくは55質量%以上、特に好ましくは
60質量%以上であることが望ましい。50質量%以上
とすることで低残存歪や弾性感に特に優れる。その他の
樹脂としてはその他のエラストマーを混合使用すること
が好ましい。このエラストマーとしては、ポリアミド、
ポリエステル、ポリプロピレンなどが挙げられ、この中
でもポリアミド、ポリエステルが好ましい。これらのエ
ラストマーは一種を用いてもよいし、二種以上を用いて
もよい。
【0080】このような弾性糸は、160℃における残
存歪が好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%
以下(すなわち残存率の上限が40%)であり、かつガ
ラス転移温度が好ましくは−70℃以上、さらに好まし
くは−60℃以上5℃以下であることが望ましい。な
お、前記(B)はポリオキシアルキレンジオールである
ことが好ましく、ジオールを用いる場合は必要に応じて
トリオール等を添加してもよい。
【0081】前記(D) 式(1)〜(8)で示される
群から選ばれる少なくとも1種のジオールで表されるジ
オールであればいずれでもよく、単独でも複数を併用し
てもよい。このような式(1)〜(8)で表されるジオ
ール(D)としては、たとえば、具体的には、1,3−
ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼ
ン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、1−ヒドロキシ−3−ヒドロキシエトキシベンゼ
ン、1−ヒドロキシ−4−ヒドロキシエトキシベンゼ
ン、1,3−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ジ
ヒドロキシシクロヘキサン、1,3−ジヒドロキシメチ
ルシクロヘキサン、1,4−ジヒドロキシメチルシクロ
ヘキサン、1,3−ビスヒドロキシエトキシシクロヘキ
サン、1,4−ビスヒドロキシエトキシシクロヘキサン
等が挙げられる。
【0082】これらの群の中から少なくとも1種のジオ
ールを用いることが好ましい。これらのうちでは、好ま
しくは(1)のジオールが好ましく、具体的には、1,
4−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロ
キシエトキシ)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−ヒドロ
キシエトキシベンゼン、さらに好ましくは1,4−ビス
(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(BHEB)を用
いることが望ましい。
【0083】また、本発明の効果を失わない範囲であれ
ば、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ルのようなジオール、トリメチロールプロパンのような
トリオールを鎖延長剤中のヒドロキシル基の20当量%
以下の範囲で用いてもよい。なお、20当量%は、JI
S K1557の方法により仕込み時に求めたものであ
る。 <弾性糸の製造方法>本願発明の弾性糸の製造法には特
に限定はなく、通常用いられる、溶融紡糸、乾式紡糸、
湿式紡糸のいずれでも生産することができるが、工程を
簡略化でき、生産性を向上できることから溶融紡糸にて
生産するのが好ましい。弾性糸を製造する装置あるいは
製造の条件についても特に限定はなく、所望する糸の形
状や太さ、使用する熱可塑性ポリウレタンエラストマー
の特性に合わせて設定すればよい。糸の直径に特に限定
はないが、好ましくは50〜3000μm、さらに好ま
しくは70〜2800μm、特に好ましくは100〜2
500μmであることが望ましい。
【0084】例えば、あらかじめプレポリマー法やワン
ショット法で反応液を押出反応装置に連続的に供給、あ
るいはバッチ式の反応装置にて、前記の少なくとも分子
内にリン−窒素二重結合を有する化合物を触媒として用
いて製造されるヒドロキシル価15から115のポリオ
キシアルキレンポリオール(A1)、前記ヒドロキシル
基価116から480のポリオキシアルキレンポリオー
ル(B)、前記式(1)〜(8)で表されるジオール
(D)および前記イソシアネート基を有する化合物
(C)を混合、反応させて得られる硬さがShoreA
84A以上ShoreD 70D以下である熱可塑性
ポリウレタンエラストマーを、たとえばペレット状等に
成型しておき、このペレットを押出式の紡糸装置に供給
し、好ましくは170℃〜240℃にて紡糸する方法が
挙げられる。さらに、作成した弾性糸は好ましくは50
℃〜150℃で好ましくは3〜24時間アニールするこ
とが望ましい。
【0085】
【実施例】以下に実施例と比較例を挙げて本発明を説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。また、本発明では、特に断らない限り「%」など
は質量基準を示す。以下に、本発明で用いた分析方法お
よび物性測定方法を記す。
【0086】<ポリオキシアルキレンポリオールの分析
方法> (1)水酸基価(OHv、単位:mgKOH/g)、総
不飽和度(単位:meq./g);JIS K−155
7記載の方法により測定した。 (2)ヘッド−トゥ−テイル(H−T)結合選択率(単
位:モル%);日本電子製400MHz、13C−核磁気
共鳴(NMR)装置を用い、重クロロホルムを溶媒とし
て使用し、このポリオキシアルキレンポリオールの13
−NMRスペクトルを測定した。すなわち、ヘッド−ト
ゥ−テイル(Head−to―Tail)結合のオキシ
プロピレンセグメントの、メチル基のシグナル(16.
9〜17.4ppm)とヘッド−トゥ−ヘッド(Hea
d−to―Head)結合のオキシプロピレンセグメン
トの、メチル基のシグナル(17.7〜18.5pp
m)との比から求めた。なお、各シグナルの帰属はMc
romolecules,19.1337〜1343
(1986)、F.C.schiling、A.E.T
onelliの報告文に記載された値を参考にした。 (3)W20/W80(ポリオキシアルキレンポリオールの
分子量分布の指標値、単位:無次元);ポリオキシアル
キレンポリオールのゲルパーミエーションクロマトグラ
ム(GPC)の溶出曲線において、ピークの最大高さを
100%とした際に、そのピーク高さの20%でのピー
ク幅をW20、ピーク高さの80%でのピーク幅をW80
定義した時の、W20をW80で割った値である。以下にG
PCの測定条件を示す。 ・測定および解析装置;島津製作所(株)製LC−6A
システム ・検出器;島津製作所(株)製RID−6A示差屈折計 ・分離カラム;昭和電工(株)製ShodexGPC、
KFシリーズ(KF−801、802、802.5、8
03の4本直列) ・溶離液;液体クロマトグラム用テトラヒドロフラン ・液流量;0.8ml/min ・カラム温度;40℃ (4)ポリオキシアルキレンポリオールの末端オキシエ
チレン基含有量(単位:質量%);ポリオキシアルキレ
ンポリオールを重水素化クロロホルムに溶解し、1H−
NMRにより、オキシエチレン基含有量を測定した。
【0087】<イソシアネート基含有量の分析方法> (5)イソシアネート基含有量(NCO%)の分析;J
IS K−1556に準拠して測定した。また、総不飽
和度は、JIS K−1557記載の方法により測定を
行った。 <熱可塑ポリウレタンエラストマーの物性評価方法>
2.0mm×250.0mm×250.0mmの金属モ
ールドで作成したシートから、所定のサイズの打抜き型
を用いて、採取した熱可塑ポリウレタンエラストマーを
物性評価用サンプルとした。 (6)硬さ(単位:なし);ShoreA型およびSh
oreD型デューロメーターを用いて測定を行った。 (7)引張強度(TB、単位:MPa)、100%モジ
ュラス(M100、単位:MPa)、300%モジュラス
(M300、単位:MPa)および切断時伸び(EB、単
位:%);JIS K−7311記載の方法により、ダ
ンベル状試験片を用いて測定した。 (8)引裂強度(TR、単位:N/mm);JIS K
−7311記載の方法により、直角型引裂試験片を用い
て測定した。 (9)圧縮永久ひずみ(%);JIS K−6262記
載の方法により、直径29mmの円形型試験片を作成し
測定した。試験温度は70±1℃とし、試験時間は22
時間とした。また、試験片の圧縮率は25%とした。
【0088】また、JIS K−6262記載の方法に
より、直径29mmの円形型試験片を作成し、試験温度
は23±2℃、試験時間は24時間、試験片の圧縮率は
25%として圧縮永久ひずみを測定した。このようにし
て70℃と23℃における圧縮永久ひずみ値(CS)を
測定した。 (10)反発弾性(%);圧縮永久ひずみと同様の方法
で得た直系29mm、厚さ12.5mmの試験片を用い
てJIS K−7311記載の方法により測定を行っ
た。 (11) ガラス転移温度;固体粘弾性測定装置(セイ
コー電子工業社製)を用い、周波数1Hz、昇温速度5
℃/min.にて測定を行った。ガラス転移温度は、t
anδのピーク位置とした。 (12)熱可塑性の有無の判定 実施例および比較例で得られたTPU−1からTPU−
8をホットプレート上で融解するまで加熱した後、放冷
し、再度固化するかどうかを目視にて判定した。固化し
たものを「○」、固化しなかったものを「×」とした。
【0089】以下に、実施例および比較例で用いた原料
の合成方法を記した。ポリオキシアルキレンポリオール(POL−1)の合成 ジプロピレングリコール1molに対してテトラキス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ]ホスホニウムヒドロキシド0.01molを加え、
100℃で6時間減圧脱水後、プロピレンオキシドを、
反応温度70℃、最大圧力0.372MPaG(3.8
kg/cm2G:Gはゲージ圧を意味する)にて付加重
合してヒドロキシル基価28mgKOH/gのポリオキ
シアルキレンポリオールを得た。このポリオキシアルキ
レンポリオールの総不飽和度は0.013meq./g
であった。ポリオキシアルキレンポリオール(POL−
1)の性状を表1に示す。ポリオキシアルキレンポリオール(POL−2)の合成 ポリオキシアルキレンポリオール(POL−2)は、プ
ロピレンオキシドを主モノマーとして用い、エチレンオ
キシドにてポリオキシアルキレンポリオールの末端オキ
シエチレンの含有量が15質量%となるようにしたこと
以外は、上記POL−1と同様にして合成した。ポリオ
キシアルキレンポリオール(POL−2)の性状を表1
に示す。ポリオキシアルキレンポリオール(POL−3)の合成 Diol−700(ヒドロキシル基価160mgKOH
/gのポリオキシアルキレンジオール、三井武田ケミカ
ル社製)100質量部に対して亜鉛・コバルトシアン化
合物と塩化亜鉛、水、エチレングリコールジメチルエー
テルからなる、複合金属シアノ化錯体(DMC)触媒を
0.05質量部加え、プロピレンオキシドを、反応温度
90℃、最大圧力0.392MPaG(4.0kg/c
2G)にて付加重合し、ヒドロキシル基価28mgKO
H/gのポリオキシプロピレンポリオールを得た。次い
で、上記のDMCをアンモニア水により抽出し、水洗に
よりポリオキシアルキレンポリオール(POL−3)を
得た。ポリオキシアルキレンポリオール(POL−3)
の性状を表1に示す。ポリオキシアルキレンポリオール(POL−4)の合成 ジプロピレングリコール1molに対して水酸化カリウ
ム(以下、KOHと称する)0.37molを加え、10
0℃で6時間減圧脱水した後、プロピレンオキシドを、
反応温度115℃、最大圧力0.490MPaG(5.
0kg/cm2G)にて付加重合し、次いでエチレンオキ
シドを、反応温度115℃にて付加重合してヒドロキシ
ル基価28mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリ
オール(POL−4)を得た。ポリオキシアルキレンポ
リオール(POL−4)の性状を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】ポリオキシアルキレンポリオール(POL
−5およびPOL−6)の合成 ポリオキシアルキレンポリオール(POL−5およびP
OL−6)は、エチレンオキシドを用いず、ヒドロキシ
ル基価を変更したこと以外は、上記ポリオキシアルキレ
ンポリオール(POL−4)と同様にして合成した。ポ
リオキシアルキレンポリオール(POL−5)および
(POL−6)の性状を表2に示す。ポリオキシアルキレンポリオール(POL−7)の合成 ジプロピレングリコール1molに対して水酸化カリウ
ム0.37molを加え、100℃で6時間減圧脱水し
た後、プロピレンオキシドを、反応温度130℃、最大
圧力0.490MPaG(5.0kg/cm2G)にて付
加重合してヒドロキシル基価160mgKOH/gのポ
リオキシアルキレンポリオール(POL−7)を得た。
ポリオキシアルキレンポリオール(POL−7)の性状
を表2に示す。
【0092】
【表2】
【0093】イソシアネート基末端ウレタンプレポリマ
ー(C−1)の調製 2リットルのセパラブルフラスコにコスモネートPH
(4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、三井
武田ケミカル社品、以下、「MDI−PH」と称す
る。)668.1g、ポリオキシアルキレンポリオール
(POL−1)857.7g、ポリオキシアルキレンポ
リオール(POL−6)474.3gを装入して80℃
にて4時間窒素気流下で攪拌しながら反応を行い、イソ
シアネート基含有率7.3%のイソシアネート基末端ウ
レタンプレポリマー(C−1)を得た。ウレタンプレポリマー(C−2)の調製 ポリオキシアルキレンポリオール(POL−1)に代え
て(POL−2)を用いたこと以外は(C−1)と同様
にして、イソシアネート基含有率7.3%のイソシアネ
ート基末端ウレタンプレポリマー(C−2)を調製し
た。ウレタンプレポリマー(C−3)の調製 ポリオキシアルキレンポリオール(POL−6)に代え
て(POL−7)を用いたこと以外は(C−1)と同様
にして、イソシアネート基含有率7.3%のイソシアネ
ート基末端ウレタンプレポリマー(C−3)を調製し
た。ウレタンプレポリマー(C−4)の調製 2リットルのセパラブルフラスコに、MDI−PH 6
68.0g、ポリオキシアルキレンポリオール(POL
−1)1183.7g、ポリオキシアルキレンポリオー
ル(POL−5)148.3gを装入して80℃にて4
時間窒素気流下で攪拌しながら反応を行い、イソシアネ
ート基含有率7.3%のイソシアネート基末端ウレタン
プレポリマー(C−4)を得た。ウレタンプレポリマー(C−5)の調製 ポリオキシアルキレンポリオール(POL−1)に代え
て(POL−3)を用いたこと以外は(C−1)と同様
にして、イソシアネート基含有率7.3%のイソシアネ
ート基末端ウレタンプレポリマー(C−5)を調製し
た。ウレタンプレポリマー(C−6)の調製 ポリオキシアルキレンポリオール(POL−1)に代え
て(POL−4)を用いたこと以外は(C−1)と同様
にして、イソシアネート基含有率7.3%のイソシアネ
ート基末端ウレタンプレポリマー(C−6)を調製し
た。
【0094】
【実施例1】調製例で作成したウレタンプレポリマー
(C−1)200gを60℃に調整し、ここに鎖伸長剤
として予め30℃で溶解しておいた1,4−ブタンジオ
ール15.33gを加えて1分間攪拌混合した後、12
0℃で24時間加熱反応し、さらに23℃、相対湿度5
5%の恒温恒湿室中で1週間静置して本発明の熱可塑性
ポリウレタンエラストマー(TPU−1)を得た。なお、
このときのMDI−PH/PPG/鎖延長剤のモル比は
3/1/1.91、総NCO基のモル数/活性水素基の
モル数は1.03、プレポリマーのNCO基のモル数/
鎖延長剤のOH基モル数は1.02であった。
【0095】この熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(TPU−1)の物性を表3に示す。TPU−1は、硬
さ特性に優れているうえに、機械特性にも優れていた。
またガラス転移温度が−46℃と低く、低温下でも柔軟
性に優れ、低温特性に優れたものであった。
【0096】
【実施例2】ウレタンプレポリマーを(C−2)に代え
たこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の熱可塑
性ポリウレタンエラストマー(TPU−2)を得た。な
お、このときのMDI−PH/PPG/鎖延長剤のモル
比は3/1/1.91、総NCO基のモル数/活性水素
基のモル数は1.03、プレポリマーのNCO基のモル
数/鎖延長剤のOH基モル数は1.02であった。
【0097】この熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(TPU−2)の物性を表3に示す。TPU−2は、硬
さ特性に優れているうえに良好な機械物性を示した。ま
たガラス転移温度が−50℃と低く、低温特性に優れた
ものであった。
【0098】
【実施例3】ウレタンプレポリマーを(C−3)に代え
たこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の熱可塑
性ポリウレタンエラストマー(TPU−3)を得た。な
お、このときのMDI−PH/PPG/鎖延長剤のモル
比は3/1/1.91、総NCO基のモル数/活性水素
基のモル数は1.03、プレポリマーのNCO基のモル
数/鎖延長剤のOH基モル数は1.02であった。
【0099】この熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(TPU−3)の物性を表3に示す。TPU−3は、硬
さ特性に優れているうえに良好な機械物性を示した。ま
たガラス転移温度が−44℃と低く、低温特性に優れた
ものであった。
【0100】
【実施例4】ウレタンプレポリマーを(C−4)に代え
たこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の熱可塑
性ポリウレタンエラストマー(TPU−4)を得た。な
お、このときのMDI−PH/PPG/鎖延長剤のモル
比は3/1/1.91、総NCO基のモル数/活性水素
基のモル数は1.03、プレポリマーのNCO基のモル
数/鎖延長剤のOH基モル数は1.02であった。
【0101】この熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(TPU−4)の物性を表3に示す。TPU−4は、硬
さ特性に優れているうえに良好な機械物性を示した。ま
たガラス転移温度が−47℃と低く、低温特性に優れた
ものであった。
【0102】
【実施例5】ウレタンプレポリマー(C−2)200g
を110℃に調整し、ここに鎖伸長剤として予め120
℃で溶解しておいた1,4−ビス(2−ヒドロキシエト
キシ)ベンゼン(BHEB)33.76gを加えて1分
間攪拌混合した後、120℃で24時間加熱反応し、さ
らに23℃、相対湿度55%の恒温恒湿室中で1週間静
置して本発明の熱可塑性ポリウレタンエラストマー(T
PU−5)を得た。なお、このときのMDI−PH/P
PG/鎖延長剤のモル比は3/1/1.91、総NCO
基のモル数/活性水素基のモル数は1.03、プレポリ
マーのNCO基のモル数/鎖延長剤のOH基モル数は
1.02であった。
【0103】この熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(TPU−5)の物性を表3に示す。TPU−5は、硬
さ特性に特に優れているうえに、機械特性にも優れてい
た。またガラス転移温度が−52℃と低く、低温特性に
も優れたものであった。
【0104】
【表3】
【0105】
【比較例1】ウレタンプレポリマーを(C−5)に代えた
こと以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性ポリウレ
タンエラストマー(TPU−6)を得た。なお、このとき
のMDI−PH/PPG/鎖延長剤のモル比は3/1/
1.91、総NCO基のモル数/活性水素基のモル数は
1.03、プレポリマーのNCO基のモル数/鎖延長剤
のOH基モル数は1.02であった。
【0106】この熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(TPU−6)の物性を表4に示す。TPU−6は、硬
さ、100%モジュラスなどは比較的良好であったが、
引張強度、伸びに乏しく、硬くて脆いものであった。ま
た圧縮永久ひずみが大きく、耐久性に劣っていた。
【0107】
【比較例2】ウレタンプレポリマーを(C−6)に代えた
こと以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性ポリウレ
タンエラストマー(TPU−7)を得た。なお、このとき
のMDI−PH/PPG/鎖延長剤のモル比は3/1/
1.91、総NCO基のモル数/活性水素基のモル数は
1.03、プレポリマーのNCO基のモル数/鎖延長剤
のOH基モル数は1.02であった。
【0108】この熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(TPU−7)の物性を表4に示す。TPU−7は、硬
さがやや低く、その他の機械物性にも劣っていた。また
圧縮永久ひずみが大きく、耐久性にも問題のあるもので
あった。
【0109】
【表4】
【0110】弾性糸の調整 まずイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを作成
し、糸を作成した。イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C−7)
の調製 50℃に保温したジャケット付きの反応装置に、あらか
じめ溶解しておいたMDI−PH 10706g、調製
例で作成したポリオキシアルキレンポリオール(POL
−2)11223g、市販の平均分子量約250のポリ
テトラメチレンエーテルグリコール(ヒドロシキル基価
419、商品名PTG−250、保土谷化学工業社製)
3071gを窒素気流下に装入し、80℃で3時間窒素
気流下で攪拌しながら反応を行ない、イソシアネート基
含有率9.5%のイソシアネート基末端ウレタンプレポ
リマー(C−7)を得た。イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C−8)
の調製 C−7と同様の装置を用い、MDI−PH 10706
g、市販の平均分子量約1000のポリオキシプロピレ
ンジオール(ヒドロシキル基価112、商品名アクトコ
ールDiol−1000、三井武田ケミカル社製)14
294gとして、イソシアネート基含有率9.5%のイ
ソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(C−8)を
得た。TPU−8,9の調製 調製例のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー
(C−7)を110℃に調温し、BHEBに安定剤とし
てイルガノックス1010(チバ・スペシャルティーケ
ミカル社製)を97.8/2.2質量比となるように1
20℃で溶解した鎖伸長剤溶液をウレタンプレポリマー
/鎖伸長剤溶液の質量比で81.51/18.49(N
CO/OH比1.01)となるように定量的にポンプで
二軸反応押出装置(D:30mm、L/D比40)に3
kg/hで連続供給し、得られたストランドを水冷後、
ペレタイザーで切断処理して熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマー(TPU−8)を得た。なお、二軸押出反応装
置のシリンダー温度は原料装入部より順に160、18
0、220、240、ダイス部を210℃とした。TP
U−8はその硬さがShoreD 64Dと優れた硬さ
特性を示した。
【0111】イソシアネート基末端ウレタンプレポリマ
ーを(C−8)とした以外はTPU−8と同様にして熱
可塑性ウレタンエラストマー(TPU−9)を得た。T
PU−9はそのShoreD硬さが61Dであった。な
お、残存歪、ガラス転移温度は下記の通り測定した。残存歪の測定法 弾性糸を伸長ホルダーに取りつけ、100%の歪を印加
後、ただちに160℃のオーブンで3分間放置したの
ち、歪を取り除き、5分経過時のサンプル長を測定し、
残存歪(%)を測定した。ガラス転移温度の測定 固体粘弾性測定装置(セイコー電子工業社製)を用い、
周波数1Hz、昇温速度5℃/min.にて測定を行っ
た。ガラス転移温度は、tanδのピーク位置とした。
【0112】
【実施例6】弾性糸の作成 実施例6において作成したTPU−8を30mmφの単
軸押出機を用い、ヘッド温度210℃で吐出された樹脂
を500m/min.で巻き取り、弾性糸(EF−1)
を得た。得られた弾性糸はさらに120℃で24時間ア
ニーリングしたのち、160℃での残存歪、固体粘弾性
測定によりガラス転移温度を調べた。
【0113】得られた弾性糸の直径は500μmであっ
た。
【0114】
【比較例3】TPU−9を用いた以外は実施例8と同様
にして、弾性糸(EF−2)を得た。表5にEF−1、
EF−2の残存歪およびガラス転移温度を示した。本発
明の弾性糸EF−1はガラス転移温度が各々−56℃低
く柔軟性、低温特性に優れている。また、160℃での
残存歪が各々20%と非常に小さく耐熱性にも優れてい
ることがわかる。これに対してEF−2はガラス転移温
度が2℃と高い上に残存歪が75%と非常に大きく柔軟
性、耐歪特性に劣っていることがわかる。
【0115】
【表5】
【0116】
【発明の効果】本発明の熱可塑性ポリウレタンエラスト
マー組成物または熱可塑性ポリウレタンエラストマー
は、少なくとも(A)非金属触媒を用いて製造されるヒ
ドロキシル基価15〜115のポリオキシアルキレンポ
リオール、(B)ヒドロキシル基価116〜480のポ
リオキシアルキレンポリオール、(C)イソシアネート
基を有する化合物を反応させて得られる熱可塑性ポリウ
レタンエラストマー組成物であり、活性水素成分とし
て、リン−窒素二重結合を有する化合物を触媒として製
造されるヒドロキシル基価15〜115のポリオキシア
ルキレンポリオールおよびヒドロキシル基価116〜4
80のポリオキシアルキレンポリオールを用いているた
め、硬さが硬く、かつガラス転移温度が低く低温特性に
優れる。
【0117】本発明の熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ーは、上記のように硬さが硬く、機械強度に優れ、かつ
低温特性にも優れているため、弾性糸、ホース、チュー
ブをはじめとする製品、低温特性を要求されるスポーツ
用品あるいは、自動車用途、クッション材などに好適に
使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹 田 幸 司 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井武田ケ ミカル株式会社内 Fターム(参考) 4J034 BA03 BA07 BA08 CA04 CB03 CC12 CC23 CC29 CC37 CC45 CC52 CC53 CC55 DB03 DC02 DC07 DC50 DD08 DD09 DG02 DG03 DG04 DG05 DG15 DG18 DG29 HA01 HA06 HA07 HB06 HC03 HC12 HC17 HC54 HC61 HC64 HC71 JA01 KA01 KC16 KC17 KC18 KC23 KD12 QB14 QB16 RA09 4L035 BB31 CC02 CC07 EE01 FF01 GG01 MH02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、(A)非金属触媒を用いて
    製造されるヒドロキシル基価15から115のポリオキ
    シアルキレンポリオール、(B)ヒドロキシル基価11
    6から480のポリオキシアルキレンポリオールおよび
    (C)イソシアネート基を有する化合物を反応させて得
    られることを特徴とする熱可塑性ポリウレタンエラスト
    マー。
  2. 【請求項2】 前記非金属触媒が分子内にリン−窒素二
    重結合を有する化合物であることを特徴とする請求項1
    に記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー。
  3. 【請求項3】 23℃における反発弾性が25%以上8
    5%以下であることを特徴とする請求項1または2に記
    載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー。
  4. 【請求項4】 ガラス転移温度が−70℃以上5℃以下
    であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー。
  5. 【請求項5】 少なくとも、(A)非金属触媒を用いて
    製造されるヒドロキシル基価15から115のポリオキ
    シアルキレンポリオール、(B)ヒドロキシル基価11
    6から480のポリオキシアルキレンポリオールおよび
    (C)イソシアネート基を有する化合物を反応させるこ
    とを特徴とする熱可塑性ポリウレタンエラストマーの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記非金属触媒が分子内にリン−窒素二
    重結合を有する化合物であることを特徴とする請求項5
    に記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマーの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー
    の製造方法において、イソシアネート基のモル数と活性
    水素基のモル数の比(イソシアネート基のモル数/活性
    水素基のモル数)が0.90〜1.15で反応させるこ
    とを特徴とする請求項5または6に記載の熱可塑性ポリ
    ウレタンエラストマーの製造方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも、(A)非金属触媒を用いて
    製造されるヒドロキシル基価15から115のポリオキ
    シアルキレンポリオール、(B)ヒドロキシル基価11
    6から480のポリオキシアルキレンポリオールを含有
    するポリオール中の(A)と(B)のモル比((A)/
    (B))が1/9〜9/1の範囲にあり、かつ(A)と
    (B)の含有率の総和が50モル%以上であるポリオー
    ルと(C)イソシアネート基を有する化合物とからなる
    ことを特徴とする熱可塑性ポリウレタンエラストマー用
    組成物。
  9. 【請求項9】 前記(A)非金属触媒を用いて製造され
    るヒドロキシル基価15から115のポリオキシアルキ
    レンポリオールが、分子内にリン−窒素二重結合を有す
    る化合物を触媒として製造されることを特徴とする請求
    項8に記載の熱可塑性ポリウレタンエラストマー用組成
    物。
  10. 【請求項10】 (A1)分子内にリン-窒素二重結合
    を有する化合物を触媒として用いて製造されるヒドロキ
    シル基価15から115のポリオキシアルキレンポリオ
    ールと、(B)ヒドロキシル基価116から480のポ
    リオキシアルキレンポリオールと、(D)下記式(1)
    〜(8): 【化1】 で示される群から選ばれる少なくとも1種のジオール
    と、(C)イソシアネート基を有する化合物とを反応さ
    せて得られうる硬さがShoreA 84A以上Sho
    reD 70D以下である熱可塑性ポリウレタンエラス
    トマーを含有することを特徴とする弾性糸(前記式
    (1)〜(8)中、a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、
    k、l、m、nは、0〜3のいずれかの整数であり、それぞ
    れの式において互いに同一でも異なっていてもよ
    い。)。
  11. 【請求項11】 160℃における残存歪が50%以下
    であり、かつガラス転移温度が−70℃以上であること
    を特徴とする請求項10に記載の弾性糸。
  12. 【請求項12】 (A1)分子内にリン-窒素二重結合
    を有する化合物を触媒として用いて製造される、ヒドロ
    キシル基価15から115のポリオキシアルキレンポリ
    オールと、(B)ヒドロキシル基価116から480の
    ポリオキシアルキレンポリオールと、(D)下記式
    (1)〜(8): 【化2】 で示される群から選ばれる少なくとも1種のジオール
    と、(C)イソシアネート基を有する化合物とを反応さ
    せて得られうる硬さがShoreA 84A以上Sho
    reD 70D以下である熱可塑性ポリウレタンエラス
    トマーを用いて製造されることを特徴とする弾性糸(前
    記式(1)〜(8)中、a、b、c、d、e、f、g、h、i、
    j、k、l、m、nは、0〜3のいずれかの整数であり、そ
    れぞれの式において互いに同一でも異なっていてもよ
    い。)。
  13. 【請求項13】 (A1)分子内にリン-窒素二重結合
    を有する化合物を触媒として用いて製造される、ヒドロ
    キシル基価15から115のポリオキシアルキレンポリ
    オールと、(B)ヒドロキシル基価116から480の
    ポリオキシアルキレンポリオールと、(D)下記式
    (1)〜(8): 【化3】 で示される群から選ばれる少なくとも1種のジオールで
    示されるジオールと、(C)イソシアネート基を有する
    化合物とを反応させて得られうる硬さがShoreA
    84A以上ShoreD 70D以下である熱可塑性ポ
    リウレタンエラストマーを用いて製造することを特徴と
    する弾性糸の製造方法(前記式(1)〜(8)中、a、
    b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、m、nは、0〜3の
    いずれかの整数であり、それぞれの式において互いに同
    一でも異なっていてもよい。)。
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