JP4860633B2 - ポリウレタン弾性糸およびその製造方法 - Google Patents

ポリウレタン弾性糸およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4860633B2
JP4860633B2 JP2007551983A JP2007551983A JP4860633B2 JP 4860633 B2 JP4860633 B2 JP 4860633B2 JP 2007551983 A JP2007551983 A JP 2007551983A JP 2007551983 A JP2007551983 A JP 2007551983A JP 4860633 B2 JP4860633 B2 JP 4860633B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic yarn
polyurethane
phosphorus
polyurethane elastic
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007551983A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007074814A1 (ja
Inventor
利宏 田中
昌嗣 原
達昭 上林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Opelontex Co Ltd
Original Assignee
Toray Opelontex Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Opelontex Co Ltd filed Critical Toray Opelontex Co Ltd
Priority to JP2007551983A priority Critical patent/JP4860633B2/ja
Publication of JPWO2007074814A1 publication Critical patent/JPWO2007074814A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4860633B2 publication Critical patent/JP4860633B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F6/00Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
    • D01F6/58Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products
    • D01F6/70Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products from polyurethanes
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F1/00General methods for the manufacture of artificial filaments or the like
    • D01F1/02Addition of substances to the spinning solution or to the melt
    • D01F1/07Addition of substances to the spinning solution or to the melt for making fire- or flame-proof filaments
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2913Rod, strand, filament or fiber
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T442/00Fabric [woven, knitted, or nonwoven textile or cloth, etc.]
    • Y10T442/30Woven fabric [i.e., woven strand or strip material]
    • Y10T442/3976Including strand which is stated to have specific attributes [e.g., heat or fire resistance, chemical or solvent resistance, high absorption for aqueous composition, water solubility, heat shrinkability, etc.]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T442/00Fabric [woven, knitted, or nonwoven textile or cloth, etc.]
    • Y10T442/30Woven fabric [i.e., woven strand or strip material]
    • Y10T442/3976Including strand which is stated to have specific attributes [e.g., heat or fire resistance, chemical or solvent resistance, high absorption for aqueous composition, water solubility, heat shrinkability, etc.]
    • Y10T442/3984Strand is other than glass and is heat or fire resistant
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T442/00Fabric [woven, knitted, or nonwoven textile or cloth, etc.]
    • Y10T442/40Knit fabric [i.e., knit strand or strip material]

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Description

本発明は、耐アルカリ性、各種薬剤への耐性、高回復性、高強伸度、高耐熱性などを有するポリウレタン弾性糸およびその製造方法に関する。
弾性繊維は、その優れた伸縮特性からレッグウエア、インナーウエア、スポーツウエアなどの伸縮性衣料用途や産業資材用途に幅広く使用されている。
かかる弾性繊維として、特にポリウレタン弾性糸には高強伸度、高回復性、高耐薬品性、高耐熱性を有するものが求められている。特に耐薬品性は、近年、ポリエステル糸と組み合わせて混合布帛で用いる場合において強く要望されており、ポリエステルの減量加工や抜喰加工に耐え得る耐薬品性、すなわち、アルカリ、不飽和脂肪酸、四級アンモニウム塩などへの耐性が求められている。
このような耐薬品性の付与のための従来技術としては、例えば、ポリウレタン紡糸溶液中にポリフッ化ビニリデンを含有させて紡糸する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このようにポリフッ化ビニリデンを含有させたポリウレタン弾性糸の場合、回復性や耐熱性が十分ではなく、特に減量加工や高温染色を要するポリエステル糸との混合布帛の用途では耐薬品性も依然不満足な水準であり、使用が制限される場合もある。
特開2000−73233号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決し、耐アルカリ性、各種薬剤への耐性、高回復性、高強伸度、及び高耐熱性を有するポリウレタン弾性糸およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のポリウレタン弾性糸は、前記の目的を達成するため、以下の手段を採用する。
すなわち、主構成成分がポリマージオール、及びジイソシアネートであるポリウレタンからなる弾性糸であって、分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物を含有するポリウレタン弾性糸である。
さらに言えば、本発明は、
(1) 主構成成分がポリマージオール、及びジイソシアネートであるポリウレタンからなる弾性糸であって、分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物を含有することを特徴とするポリウレタン弾性糸、
(2) 分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物の含有量が、0.5重量%以上50重量%以下であることを特徴とする前項(1)に記載のポリウレタン弾性糸、
(3) 分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物が、1分子内に2個以上のリンと窒素の原子間結合を有する化合物であることを特徴とする前項(1)または(2)に記載のポリウレタン弾性糸、
(4) 分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物が、分子量230以上の化合物であることを特徴とする前項(1)〜(3)のいずれかに記載のポリウレタン弾性糸、
(5) 分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物におけるリン元素の含有率が5%以上50%以下であることを特徴とする前項(1)〜(4)のいずれかに記載のポリウレタン弾性糸、
(6) 分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物がホスファゼンであることを特徴とする前項(1)〜(5)のいずれかに記載のポリウレタン弾性糸、
(7) 分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物がホスホニトリル酸エステルであることを特徴とする前項1〜6のいずれかに記載のポリウレタン弾性糸、
(8) 上記ポリウレタン弾性糸のみを用いて幅5cmに編成した筒編み地が、米国自動車安全基準 FMVSS−302法にて水平燃焼試験を行った際に自己消火性を示すことを特徴とする前項6又は7に記載のポリウレタン弾性糸、
(9) 前項(8)に記載のポリウレタン弾性糸を用いて製織もしくは製編されてなることを特徴とする織編物、
(10) 前項(6)〜(8)のいずれかに記載のポリウレタン弾性糸を用いて製織もしくは製編されてなり、鉄道車両用材料燃焼試験により難燃性と判定されることを特徴とする織編物、及び
(11) 主構成成分がポリマージオール及びジイソシアネートであるポリウレタンの溶液に、分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物を添加して、紡糸することを特徴とするポリウレタン弾性糸の製造方法、
に関する。
本発明のポリウレタン弾性糸は、耐アルカリ性、各種薬剤への耐性、高回復性、高強伸度、及び高耐熱性を有するものであるので、この弾性糸を使用した衣服などは、脱着性、フィット性、着用感、染色性、耐変色性、外観品位などに優れたものとなる。
また、本発明のポリウレタン弾性糸において、分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物がホスファゼンである態様では、上記の特性に加えて、難燃性に優れたものとなり得るので、難燃性が要求される分野で好適に用いることができ、例えば自動車用や鉄道車両用さらには航空機用や船舶用の資材として好適なものとなる。
以下本発明について、さらに詳細に述べる。
まず本発明で使用するポリウレタンについて述べる。
本発明に使用されるポリウレタンは、主構成成分がポリマージオール、及びジイソシアネートであるポリウレタンであれば任意のものであってよく、特に限定されるものではない。また、その合成法も特に限定されるものではない。
すなわち、例えば、ポリマージオールとジイソシアネートと低分子量ジアミンからなるポリウレタンウレアであってもよく、また、ポリマージオールとジイソシアネートと低分子量ジオールからなるポリウレタンであってもよい。また、鎖伸長剤として水酸基とアミノ基を分子内に有する化合物を使用したポリウレタンウレアであってもよい。なお、本発明の効果を妨げない範囲で3官能性以上の多官能性のグライコールやイソシアネート等が使用されることも好ましい。
ここで、本発明で使用されるポリウレタンを構成する代表的な構造単位について述べる。
ポリウレタンを構成する構造単位のポリマージオールとしては、ポリエーテル系グリコール、ポリエステル系グリコール、ポリカーボネートジオール等が好ましい。そして、特に柔軟性、伸度を糸に付与する観点からポリエーテル系グリコールが使用されることが好ましい。
ポリエーテル系グリコールは、次の一般式(I)で表される単位を含む共重合ジオール化合物を含むことが好ましい。
Figure 0004860633
(但し、a、cは1〜3の整数、bは0〜3の整数、R1、R2はH又は炭素数1〜3のアルキル基)
このポリエーテル系ジオール化合物としては、具体的には、ポリエチレングリコール、変性ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略す)、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す)および3−メチル−THFの共重合体である変性PTMG、THFおよび2,3−ジメチル−THFの共重合体である変性PTMG、THF及びネオペンチルグリコールの共重合体である変性PTMG、THFとエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが不規則に配列したランダム共重合体等が挙げられる。これらポリエーテル系グリコール類の1種を使用してもよいし、また2種以上混合もしくは共重合して使用してもよい。その中でもPTMGまたは変性PTMGが好ましい。
また、ポリウレタン糸における耐摩耗性や耐光性を高める観点からは、ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとポリプロピレンポリオールの混合物をアジピン酸等と縮重合することにより得られる側鎖を有するポリエステルジオールなどのポリエステル系グリコールや、3,8−ジメチルデカン二酸及び/又は3,7−ジメチルデカン二酸からなるジカルボン酸成分とジオール成分とから誘導されるジカルボン酸エステル単位を含有するポリカーボネートジオール等が好ましく使用される。
また、こうしたポリマージオールは単独で使用されてもよいし、2種以上混合もしくは共重合して使用されてもよい。
本発明に使用されるポリマージオールの分子量は、弾性糸にした際の伸度、強度、耐熱性などを所望水準とするために、数平均分子量で1000〜8000が好ましく、1800〜6000がより好ましい。この範囲の分子量のポリマージオールが使用されることにより、伸度、強度、弾性回復力、耐熱性に優れた弾性糸を得ることができる。
次に、ポリウレタンを構成する構造単位のジイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)、トリレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが、特に耐熱性や強度の高いポリウレタンを合成するのに好適である。さらに脂環族ジイソシアネートとして、例えば、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、オクタヒドロ−1,5−ナフタレンジイソシアネートなどが好ましい。脂肪族ジイソシアネートは、特にポリウレタン糸の黄変を抑制する際に有効に使用できる。そして、これらのジイソシアネートは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に、ポリウレタンを構成する構造単位の鎖伸長剤としては、低分子量ジアミンおよび低分子量ジオールのうち少なくとも1種以上を使用するのが好ましい。なお、エタノールアミンのような水酸基とアミノ基を分子中に有するものであってもよい。好ましい低分子量ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p,p’−メチレンジアニリン、1,3−シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらの中から1種または2種以上が使用されることも好ましい。特に好ましくはエチレンジアミンである。エチレンジアミンを用いることにより伸度および弾性回復性、さらに耐熱性に優れた糸を得ることができる。これらの鎖伸長剤に架橋構造を形成することのできるトリアミン化合物、例えば、ジエチレントリアミン等を効果を失わない程度に加えてもよい。
また、低分子量ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、1−メチル−1,2−エタンジオールなどは代表的なものである。これらの中から1種または2種以上が使用されることも好ましい。特に好ましくはエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールである。これらを用いると、ジオール伸長のポリウレタンとしては耐熱性が高く、また、強度の高い糸を得ることができるのである。
また、本発明のポリウレタン弾性糸の分子量は、耐久性や強度の高い繊維を得る観点から、数平均分子量として40000以上150000以下の範囲であることが好ましい。なお、分子量はGPCで測定しており、ポリスチレンにより換算した値である。
そして、本発明の弾性糸を構成するポリウレタンとして特に好ましいものは、工程通過性も含め、実用上の問題がなく、かつ、高耐熱性に優れたものを得る観点から、ジオールとジイソシアネートからなり、かつ高温側の融点が200℃以上300℃以下の範囲となるものである。ここで、高温側の融点とは、DSCで測定した際のポリウレタンまたはポリウレタンウレアのいわゆるハードセグメント結晶の融点が該当する。
即ち、ポリマージオールとして分子量が1000以上6000以下の範囲にあるPTMG、ジイソシアネートとしてMDI、鎖伸長剤としてエチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミンからなる群から少なくとも1種選ばれたものが使用されてポリウレタンが合成され、かつ、高温側の融点が200℃以上300℃以下の範囲であるポリウレタンから製造された弾性糸は、特に伸度が高くなり、さらに上記のように、工程通過性も含め、実用上の問題はなく、かつ、高耐熱性に優れるので好ましい。
なお、ポリウレタン糸の高温側の融点を200℃以上300℃以下にするためにの方法としては、事前のテストによって、ジイソシアネートとポリマージオール、鎖伸長剤の比率の最適値を選択する方法が好ましい。本発明で用いるポリウレタンの構成は好ましくはかかるものからなるものである。
本発明のポリウレタン弾性糸は、分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物を含有するものである。この化合物中に存在するリンと窒素の原子間結合は、紡糸液中において、ポリウレタン中のウレア基やウレタン基と良好な相互作用をもつので、紡糸液中におけるウレア基やウレタン基の凝集を防ぐことができ、粘度変化やゲル化を減じることができ、ポリウレタン弾性糸と成ったのちには、ハードセグメントを主体とする結晶を被覆保護することで、耐薬品性、高回復性、高耐熱性など、本発明の効果を発揮することができる。これに対し、ポリウレタン弾性糸中に、分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物が含有されない場合には、耐アルカリ性、各種薬剤への耐性、回復性、強伸度、耐熱性を高めることが困難である。
本発明で用いる、分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物(以下、リン−窒素結合含有化合物ともいう。)は、分子内にリン原子及び窒素原子を含み、かつ、そのリン原子と窒素原子が直接結合している安定な化合物である。1分子内に少なくとも1個のリンと窒素の原子間結合を有する化合物であれば特に制限はない。このリン−窒素結合含有化合物中のリン原子と窒素原子の結合とは、リン原子及び窒素原子が結合している全ての結合を含み、結合次数は1〜3、結合距離は0.15nm以上であり、イオン結合性を帯びていてもよい。そして、一般にはリン原子と窒素原子の結合はP−N、P=N、およびP≡Nで表記されるものである。
分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物として、例えば、ホスファザン、ホスファゼン、ポリホスファゼンと呼称される一連の化合物群、リン酸およびリンオキソ酸の誘導体であるジメチルアミドリン酸、アミドメチルホスホン酸、ヘキサメチルリン酸トリアミド、トリメチルアミノホスフィン、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸グアニジン、リン酸グアニル尿素、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、ピペラジンホスフェートなどが挙げられる。
中でも、ポリウレタン糸の原料紡糸液の粘度を安定化し、良好な紡糸性を得る観点から、分子内に2個以上の、リンと窒素の原子間結合を有する化合物であることが好ましく、さらには、高い紡糸速度と紡糸中の揮発減量を抑制する観点から分子量230以上の化合物群がより好ましい。さらには、高い耐薬品性、高回復性、高耐熱性を効率よく発揮するためには、分子内にリン原子と窒素原子の原子間結合を多く含むことが好ましい。この化合物中における、リン元素の含有率としては5%以上が好ましい。リン元素含有化合物としての安定性からリン元素の含有率は50%以下であることが好ましい。そして、ポリウレタン糸としてより良好な基本物性を得る観点から、8%以上42%以下の範囲がより好ましい。なお、これらの含有量は、用途に応じて事前にテストし、最適値を適宜決定することが好ましい。そして、特に化合物として、リンと窒素の二重結合を有する化合物が好ましく、ホスファゼンおよび/またはその誘導体が好ましく、次の一般式(II)で表される単位を含むホスファゼン化合物が好ましい。
Figure 0004860633
(但し、X1およびX2は、限定はなく、いかなる基でもよい。)
このホスファゼンの具体例としては、代表的な出発物質である塩化ホスホニトリル、およびその塩素を、アルコール類、フェノール類、アミン類の様な種々の求核試薬にて一部あるいは全塩素を置換すること等の手法で誘導された化合物類が挙げられる。
X1およびX2の具体例としては、塩素、フッ素、臭素などハロゲン、炭素数1〜12のアルキル基やアリール基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基などのアルコキシ基、そして、フェニルオキシ基および、置換フェニルオキシ基、すなわち、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、オクチル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基等で置換されたフェニルオキシ基やナフチルオキシ基などのアリールオキシ基、そして、アミノ基、および、メチルアミノ基、エチルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の直鎖もしくは分岐鎖を有するジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基が挙げられる。
ここで上式(II)で表される単位を含有するホスファゼン化合物は、該単位の繰り返しによる重合体、すなわちポリホスファゼンでもよく、また、繰り返し数に限定はなく、いわゆる、オリゴマーであってもポリマーであってもよい。さらには、直鎖状、分岐状、環状であってもよい。そして、ポリマーすなわち、ポリホスファゼンが形成した後、任意の架橋剤にて架橋された構造でもよい。
そして、特に高回復性のポリウレタン弾性糸を得るために好ましいホスファゼンまたはポリホスファゼンとしては、ウレタンまたはウレアとの反応性が認められるという観点から、上式X1およびX2がアルコキシ基やアリールオキシ基などであることがより好ましく、最も好ましくは、上式X1およびX2が全てエステル化した次の一般式(III)で示される鎖状のホスホニトリル酸エステル、一般式(IV)で示される環状のホスホニトリル酸エステルが挙げられる。
Figure 0004860633
Figure 0004860633
(但し、R3およびR4は、特に限定はなく、いかなる基でもよい。nおよびmは3〜1000の整数を示す。)
R3およびR4の具体例は、炭素数1〜12のアルキル基、アリル基、アリール基、フッ化アルキル基などが挙げられる。
より具体的な鎖状重合体および/または環状重合体ホスホニトリル酸エステルとしては、例えば、ヘキサ(メトキシ)トリホスファゼン、ヘキサ(エトキシ)トリホスファゼン、ヘキサ(n−プロポキシ)トリホスファゼン、オクタ(iso−プロポキシ)テトラホスファゼン、オクタ(n−ブトキシ)テトラホスファゼン、ヘキサ(フェノキシ)トリホスファゼン、ヘキサ(p−トリルオキシ)トリホスファゼン、ヘキサ(p−アニシルオキシ)トリホスファゼン、ヘキサ(4−エチルフェノキシ)トリホスファゼン、1,3,5−トリス(メトキシ)−1,3,5−トリス(フェノキシ)トリホスファゼン、ヘキサ(メトキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサ(エトキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサ(n−プロポキシ)シクロトリホスファゼン、オクタ(iso−プロポキシ)シクロテトラホスファゼン、ヘキサ(フェノキシ)シクロトリホスファゼン、オクタ(フェノキシ)シクロテトラホスファゼン、デカ(フェノキシ)シクロペンタホスファゼンが挙げられる。上記のホスホニトリル酸エステルは、単独または2種以上混合して使用することもできる。
本発明のポリウレタン弾性糸中に含まれるリン−窒素結合含有化合物の量は、良好な紡糸性、バランスの良い機械物性、耐熱性を得る観点から、0.5重量%以上50重量%以下の範囲が好ましく、ポリウレタン糸の強伸度の降下を少なくする観点から、1重量%以上30重量%以下がより好ましい。
さらに、本発明で使用されるリン−窒素結合含有化合物は、ポリウレタンへの分散および溶解を速くし、製造されるポリウレタン糸の特性を目標の特性とせしめ、さらに適度な透明度のポリウレタン糸を得ることができ、さらに紡糸工程で熱などを受けた時でもリン−窒素結合含有化合物の含有量が低下せず糸の変色も生じないという観点から、20℃での粘度が100cP以上10000P以下となる液体状であるものも好ましい。
さらに、本発明で使用されるポリウレタンは、末端封鎖剤が1種または2種以上混合使用されることも好ましい。末端封鎖剤として、ジメチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルメチルアミン、イソブチルメチルアミン、イソペンチルメチルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどのモノアミン、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、シクロペンタノールなどのモノオール、フェニルイソシアネートなどのモノイソシアネートなどが好ましい。
また、本発明において、ポリウレタン弾性糸やポリウレタン紡糸液中に、各種安定剤や顔料などが含有されていてもよい。例えば、耐光剤、酸化防止剤などに2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)や住友化学工業株式会社製の“スミライザーGA−80”などのヒンダードフェノール系薬剤、各種のチバガイギー社製“チヌビン”などのベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系薬剤、住友化学工業株式会社製の“スミライザーP−16”などのリン系薬剤、各種のヒンダードアミン系薬剤、酸化鉄、酸化チタンなどの各種顔料、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、カーボンブラックなどの無機物、フッ素系またはシリコーン系樹脂粉体、ステアリン酸マグネシウムなどの金属石鹸、また、銀や亜鉛やこれらの化合物などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油などの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリン酸系などの各種の帯電防止剤などが含まれることも好ましく、またこれらとポリマとを反応させることも好ましい。そして、特に光や各種の酸化窒素などへの耐久性をさらに高めるには、例えば、日本ヒドラジン株式会社製のHN−150などの酸化窒素補足剤が使用されることも好ましい。
また、乾式紡糸工程における紡糸速度を上げ易いという観点から、二酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物の微粒子を添加してもよい。また、耐熱性向上や機能性向上の観点から、無機物や無機多孔質(例えば、竹炭、木炭、カーボンブラック、多孔質泥、粘土、ケイソウ土、ヤシガラ活性炭、石炭系活性炭、ゼオライト、パーライト等)を、本発明の効果を阻害しない範囲内で添加されてもよい。
これらのその他の添加剤は、ポリウレタン溶液と前記した改質剤との混合により紡糸原液を調製する際に添加してもよいし、また、混合前のポリウレタン溶液中や分散液中に予め含有させておいてもよい。これら添加剤の含有量は目的等に応じて適宜決定される。
本発明のポリウレタン弾性糸は、以上の構成により、耐アルカリ性、各種薬剤への耐性、高回復性、高強伸度、高耐熱性などの優れた特性を有する。さらに、リン−窒素結合含有化合物として上記のホスファゼン化合物を用いた好ましい態様では、それらの優れた特性に加えて、難燃性を有するポリウレタン弾性糸とすることができる。
難燃性のポリウレタン弾性糸は従来知られておらず、難燃性を要求される用途においては、通常はポリウレタン弾性糸を用いて織編物とした後に、後加工として難燃加工が施されている。ポリウレタン弾性糸と混用する糸として難燃性ポリエステル等の難燃糸を用いて織編物を構成する場合であっても、後加工は必要とされているのが現状である。しかしながら、本発明の好ましい態様においては、後加工としての難燃加工が施されることなしに、難燃性のポリウレタン弾性糸となる。したがって、例えば難燃性ポリエステル糸等の難燃糸と混用して織編物を構成した場合、後加工としての難燃加工を省略することができる。
本発明のポリウレタン弾性糸の難燃性としては、ポリウレタン弾性糸のみを用いて幅約5cmに編成した筒編み地が、米国自動車安全基準 FMVSS−302法にて水平燃焼試験を行った際に自己消火性を示すことが好ましい。その試験方法の詳細は、後述の実施例で説明する。
本発明のポリウレタン弾性糸に難燃性を発現させるために特に好ましいホスファゼン化合物としては、100〜500℃程度の融点を有する高融点のホスファゼン化合物が挙げられ、例えば上記一般式(II)においてX1およびX2がフェニルオキシ基や置換フェニルオキシ基である化合物であり、そのようなホスファゼン化合物を用いることにより、ポリウレタン弾性糸におけるホスファゼン化合物の含有量を低減させることができる場合がある。特に好ましいホスファゼン化合物の具体例としては、ヘキサ(エトキシ)トリホスファゼン、ヘキサ(フェノキシ)トリホスファゼン、ヘキサ(エトキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサ(メトキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサ(フェノキシ)シクロトリホスファゼン、オクタ(フェノキシ)シクロテトラホスファゼン、トリ(メトキシ)トリ(フェノキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサ(ナフチロキシ)シクロトリホスファゼン、ヘキサ(シアノフェノキシ)シクロトリホスファゼン等が挙げられる。
本発明のポリウレタン弾性糸に難燃性を発現させるためには、ポリウレタン弾性糸中のホスファゼン化合物の含有量としては、3.0重量%以上が好ましく、上記したような良好な紡糸性、バランスの良い機械物性をも考慮すると、5.0〜20.0重量%が好ましい。
本発明の好ましい態様である難燃性のポリウレタン弾性糸は、これを用いて製編もしくは製織して織編物となし、種々の用途に供することができる。かかる織編物において、該ポリウレタン弾性糸と混用される糸としては、難燃性の糸が好ましく、例えば公知の難燃性ポリエステル糸や難燃性ナイロン糸を用いることができる。また、上記織編物における上記ポリウレタン弾性糸の使用量としては、織物の場合には1〜20重量%、さらには3〜15重量%が好ましく、編物の場合には5〜50重量%が好ましい。
なお、上記の混用の際の形態としては、特に限定されるものではなく、例えばポリウレタン弾性糸を芯糸としたカバーリング糸(例えばシングルカバードヤーン、ダブルカバードヤーン。)等の形態として用いることができる。
本発明の好ましい態様である難燃性のポリウレタン弾性糸を用いてなる織編物は、後加工を要することなしに難燃性の織編物となるので、難燃性の要求される分野、例えばオフィス、学校、宿泊施設等で用いられるインテリア、家具、寝具等や、車両用、航空機用、船舶用の内装材等に用いることができる。車両用として、例えば鉄道車両用材料燃焼試験により難燃性と判定される織編物が提供され、例えば伸縮性ネット、座席シートとして用いることができる。
本発明において、上記の鉄道車両用材料燃焼試験は、社団法人日本鉄道車両機械技術協会の規定する「車材燃試 18−609K」により行われる。
次に本発明のポリウレタン弾性糸の製造方法について詳細に説明する。
本発明においては最初にポリウレタン溶液を作製するのが好ましい。ポリウレタン溶液、また、その溶液中の溶質であるポリウレタンを製造する方法は、溶融重合法、溶液重合法のいずれであってもよく、他の方法であってもよい。しかし、より好ましいのは溶液重合法である。溶液重合法の場合には、ポリウレタンにゲルなどの異物の発生が少ないので、紡糸しやすく、低繊度のポリウレタン糸を製造しやすい。また、溶液重合法の場合、溶液にする操作が省けるという利点がある。
そして本発明に特に好適なポリウレタンとしては、ポリマージオールとして分子量が1000以上6000以下のPTMGを用い、ジイソシアネートとしてMDIを用い、さらに、鎖伸長剤としてエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミンのうちの少なくとも1種を使用して合成され、かつ、高温側の融点が200℃以上300℃以下の範囲のものが挙げられる。
かかるポリウレタンは、例えば、ジメチルアセトアミド(DMAcと略称される)、ジメチルホルムアミド(DMFと略称される)、ジメチルスルホキシド(DMSOと略称される)、N−メチル−2−ピロリドン(NMPと略称される)などやこれらを主成分とする溶剤の中で、上記の原料を用い合成することにより得られる。例えば、こうした溶剤中に、各原料を投入、溶解させ、適度な温度に加熱し反応させてポリウレタンとする、いわゆるワンショット法、また、ポリマージオールとジイソシアネートを、まず溶融反応させ、しかる後に、反応物を溶剤に溶解し、前述のジオールと反応させてポリウレタンとする方法などが、特に好適な方法として採用され得る。
鎖伸長剤にジオールを用いる場合、ポリウレタンの高温側の融点を200℃以上300℃以下の範囲内とするための代表的な方法としては、ポリマージオール、MDI、ジオールの種類と比率をコントロールすることが挙げられる。例えば、ポリマージオールの分子量が低い場合には、MDIの割合を相対的に多くすることにより、高温側の融点が高いポリウレタンを得ることができる。また、同様にジオールの分子量が低いときはポリマージオールの割合を相対的に少なくすることにより、高温側の融点が高いポリウレタンを得ることができる。ポリマージオールの分子量が1800以上の場合、高温側の融点を200℃以上にするには、(MDIのモル数)/(ポリマージオールのモル数)=1.5以上の割合で、重合を進めることが好ましい。
なお、かかるポリウレタンの合成に際し、アミン系触媒や有機金属触媒等の触媒が1種もしくは2種以上混合して使用されることも好ましい。
アミン系触媒としては、例えば、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ビス−2−ジメチルアミノエチルエーテル、N,N,N’,N’,N’−ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノエチル−ピペラジン、N−(2−ジメチルアミノエチル)モルホリン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、トリエタノールアミン等が挙げられる。
また、有機金属触媒としては、オクタン酸スズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、オクタン酸鉛ジブチル等が挙げられる。
こうして得られるポリウレタン溶液の濃度は、通常、30重量%以上80重量%以下の範囲が好ましい。
本発明においては、かかるポリウレタン溶液に、リン−窒素結合含有化合物を添加するのが好ましい。リン−窒素結合含有化合物のポリウレタン溶液への添加方法としては、任意の方法が採用できる。その代表的な方法としては、スタティックミキサーによる方法、攪拌による方法、ホモミキサーによる方法、2軸押し出し機を用いる方法など各種の手段が採用できる。ここで、添加されるリン−窒素結合含有化合物は、ポリウレタン溶液への均一な添加を行う観点から、溶液にして添加することが好ましい。
なお、リン−窒素結合含有化合物のポリウレタン溶液への添加により、添加後の混合溶液の溶液粘度が添加前のポリウレタンの溶液粘度に比べ予想以上に高くなる現象が発生する場合があるが、この現象を防止する観点から、ジメチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルメチルアミン、イソブチルメチルアミン、イソペンチルメチルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどのモノアミン、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、シクロペンタノールなどのモノオール、フェニルイソシアネートなどのモノイソシアネートなどの末端封鎖剤が1種または2種以上混合して使用されることも好ましい。
リン−窒素結合含有化合物のポリウレタン溶液への添加の際に、前記した、例えば、耐光剤、耐酸化防止剤などの薬剤や顔料などを同時に添加してもよい。
本発明のポリウレタン弾性糸の繊度、単糸数、断面形状などは特に限定されるものではない。例えば、糸は1単糸で構成されるモノフィラメントでもよく、また複数単糸で構成されるマルチフィラメントでもよい。糸の断面形状は円形であってもよく、また扁平であってもよい。
そして、乾式紡糸方式についても特に限定されるものではなく、任意の方法が適用できる。
本発明のポリウレタン弾性糸のセット性と応力緩和の特性は、特にゴデローラーと巻取機の速度比の影響を受けやすいので、糸の使用目的に応じて適宜決定されるのが好ましい。
すなわち、所望のセット性と応力緩和を有するポリウレタン弾性糸を得る観点から、ゴデローラーと巻取機の速度比は1.15以上1.65以下の範囲として巻き取ることが好ましい。そして、特に高いセット性と、低い応力緩和を有するポリウレタン弾性糸を得る際には、ゴデローラと巻取機の速度比は1.15以上1.40以下の範囲がより好ましく、1.15以上1.35以下の範囲がさらに好ましい。
一方、低いセット性と、高い応力緩和を有するポリウレタン弾性糸を得る際には、ゴデローラーと巻取機の速度比は1.25以上1.65以下の範囲として巻き取ることが好ましく、1.35以上1.65以下の範囲がより好ましい。
また、紡糸速度を高くすることによってポリウレタン弾性糸の強度を向上させることができるので、450m/分以上の紡糸速度をとることが、実用上好適な強度水準とするために好ましい。さらに工業生産の点を考慮すると、450〜1000m/分程度が好ましい。
本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。
本発明におけるポリウレタン弾性糸の強度、伸度、セット性、応力緩和、耐薬品性、耐アルカリ性、耐熱性(熱軟化点、融点)の測定法を説明する。
[セット性、応力緩和、強度、伸度]
セット性、応力緩和、強度、伸度は、ポリウレタン弾性糸をインストロン4502型引張試験機を用い、引張テストすることにより測定した。
試長5cm(L1)の試料を50cm/分の引張速度で300%伸長を5回繰返した。このとき、300%伸長時の応力を(G1)とした。次に試料の長さを300%伸長のまま30秒間保持した。30秒間保持後の応力を(G2)とした。次に試料の伸長を回復せしめ応力が0になった際の試料の長さを(L2)とした。さらに6回目に試料が切断するまで伸長した。この破断時の応力を(G3)、破断時の試料長さを(L3)とした。以下、上記特性は下記式により算出される。
強度(cN)=(G3)
応力緩和(%)=100×((G1)−(G2))/(G1)
セット性(%)=100×((L2)−(L1))/(L1)
伸度(%)=100×((L3)−(L1))/(L1)
[耐薬品性]
糸を100%伸長状態で固定し、次の3種の暴露処理を実施した。まず、オレイン酸のヘキサン溶液(5重量%)に1時間浸積処理し、次に調製した次亜塩素酸溶液(塩素濃度500ppm)に2時間浸積処理し、次に2時間UV暴露を行う。UV暴露処理は、機器としてスガ試験機社製のカーボンアーク型フェードメーターを用い、63℃、60%RHの温湿度で実施した。この暴露処理を合計2回実施した後、糸をフリーで24時間、室温で放置し、前記と同じ方法で破断強度(G4)を測定した。未処理糸の破断強度(G3)に対する、処理後の破断強度(G4)の割合(保持率)を耐薬品性とした。
耐薬品性(%)=100×(G4)/(G3)
[耐アルカリ性]
ポリウレタン糸の耐アルカリ性の指標として、ポリエステル繊維の減量加工時を想定した処理を行い、糸の破断強度保持率を評価する。
糸を100%伸長状態で固定し、圧力容器に封入し、カチオン系減量促進剤(一方社製DXN−10)と水酸化ナトリウムとを含む水溶液(各8.0重量%含有)で満たし、100℃で、120分間処理した後、糸をフリーで24時間、室温で放置し、前記と同じ方法で破断強度(G5)を測定した。未処理糸の破断強度(G3)に対する、処理後の破断強度(G5)の割合(保持率)を耐アルカリ性とした。
耐アルカリ性(%)=100×(G5)/(G3)
[熱軟化点]
ポリウレタン糸の耐熱性の指標の一つとして熱軟化点を測定した。ポリウレタン糸について、レオメトリック社製動的弾性率測定機RSAIIを用い、昇温速度10℃/分で、動的貯蔵弾性率E’の温度分散を測定した。熱軟化点は、E’曲線が80℃以上130℃以下のプラト領域での接線と、160℃以上にてE’が熱軟化により降下するE’曲線の接線との交点から求めた。なお、E’は対数軸、温度は線形軸を用いた。
[融点]
ポリウレタン糸の耐熱性の指標の一つとして高温側融点、すなわち、ハードセグメント結晶の融点を測定した。ポリウレタン糸について、ティー・イー・インスツルメント社製2920モジュレーティドDSCを用い、昇温速度3℃/分で、不可逆熱流を測定し、そのピークトップを融点とした。
[実施例1]
分子量2900のPTMG、MDIおよびエチレングリコールからなるポリウレタン重合体(a1)のDMAc溶液(35重量%)を常法により重合し、ポリマ溶液A1とした。次に、リン−窒素結合含有化合物として、(株)伏見製薬所製の品名FP−100(ヘキサ(フェノキシ)シクロトリホスファゼンとオクタ(フェノキシ)シクロテトラホスファゼンを主成分とする混合物、b1)を用い、そのDMAc溶液を調製した。その調製には、水平ミルWILLY A.BACHOFEN社製DYNO−MIL KDLを用い、85%ジルコニアビーズを充填、50g/分の流速の条件で均一に微分散させて、リン−窒素結合含有化合物のDMAc溶液B1(35重量%)とした。さらに、酸化防止剤として、t−ブチルジエタノールアミンとメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネ−ト)の反応によって生成せしめたポリウレタン溶液(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2462、c1)と、p−クレゾ−ル及びジビニルベンゼンの縮合重合体(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2390、c2)とを2対1(重量比)で混合し、酸化防止剤のDMAc溶液(濃度35重量%)を調製し、これをその他添加剤溶液C1(35重量%)とした。
ポリマ溶液A1、リン−窒素結合含有化合物の溶液B1、その他添加剤溶液C1を、それぞれ87重量%、10重量%、3重量%で均一に混合し、紡糸溶液D1とした。この紡糸溶液をゴデローラーと巻取機の速度比1.4として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取り、20dtex、モノフィラメント、リン−窒素結合含有化合物の含有量が10重量%であるポリウレタン弾性糸(200g巻糸体)を作製した。
得られたポリウレタン弾性糸の組成(重量%)は表1のとおりであった。また、リン−窒素結合含有化合物b1は分子量が694以上、リン元素含有率(元素分析値)が13.4%であった。
このポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐薬品性、耐アルカリ性、熱軟化点、融点を表2に示す。破断伸度、破断強度はともに、リン−窒素結合含有化合物b1未配合の比較例1(後述)に比べ増大した。セット性は比較例1に比べ減少し、回復性が向上した。耐薬品性および耐アルカリ性は比較例1に比べ、大幅に増加し、それぞれ、2倍以上を示した。耐熱性の指標である熱軟化点、融点も比較例1より向上した。
さらに次の方法でストレッチ織物を製作し、外観品位を評価した。
まず、得られたポリウレタン弾性糸をカバーリング加工した。カバーリング用糸としてレギュラーポリエステル繊維168dtex−48filを使用し、カバーリング機を用いてヨリ数=450t/m、ドラフト=3.0の条件で加工してヨコ糸用カバーリング糸を作製した。また、同様に、カバーリング用糸としてレギュラーポリエステル繊維168dtex−48filを使用し、カバーリング機を用いてヨリ数700T/M、ドラフト=3.5の条件で加工してタテ糸用カバーリング糸を作製した。
次に、整経・製織を行った。タテ糸の5100本(荒巻き整経1100本)を糊付け整経し、レピアー織機を用いて2/1綾組織で製織した。
次に、染色加工を行った。製織で得た生機を、常法に従い精練加工、中間セット(185℃)、アルカリ減量加工(N処理)、エンボス加工(190℃)、染色加工(130℃)、乾燥、仕上げ剤処理、仕上げセット(180℃、布速20m/min、セットゾーン24m)を順次行った。
得られたストレッチ織物は欠点がなく、外観品位に優れたものであった。
[実施例2]
リン−窒素結合含有化合物として、米国エチル社製のEypel−F(R)(ポリフルオロアルコキシホスファゼン、b2)を用い、そのDMAc微分散液を調製した。調製は実施例1と同一の方法で行い、分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物のDMAc分散液B2(35重量%)とした。実施例1で調製したポリマ溶液A1、上記によるリン−窒素結合含有化合物液B2、及び、実施例1で調製したその他添加剤溶液C1を、それぞれ92重量%、5重量%、3重量%で均一に混合し、紡糸溶液D2とした。
この紡糸溶液をゴデローラーと巻取機の速度比1.40として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取り、20dtex、モノフィラメント、リン原子と窒素原子の結合含有化合物の含有量が1重量%であるポリウレタン弾性糸(200g巻糸体)を作製した。
得られたポリウレタン弾性糸の組成(重量%)は表1のとおりであった。また、リン−窒素結合含有化合物b2は分子量が約10万、リン元素含有率が8.5重量%であった。
このポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐薬品性、耐アルカリ性、熱軟化点、融点を表2に示す。破断強度は比較例1(後述)に比べ増大し、伸度は同等を維持した。セット性は比較例1に比べ減少し、回復性が向上した。耐薬品性および耐アルカリ性は比較例1に比べ、大幅に増加し、それぞれ、2倍以上を示した。耐熱性の指標である熱軟化点は比較例1と同レベルを維持し、融点では比較例1より向上した。
また、実施例1と同様の方法でストレッチ織物を製作し、外観品位を評価したところ、得られたストレッチ織物は欠点がなく、外観品位に優れたものであった。
[実施例3]
分子量1800のPTMG、MDI、エチレンジアミン、および末端封鎖剤としてジエチルアミンからなるポリウレタンウレア重合体(a2)のDMAc溶液(35重量%)を常法により重合し、ポリマ溶液A2とした。次に、このDMAc溶液A2、実施例1で調製したリン原子と窒素原子の結合含有化合物溶液B1、及び実施例1で調製したその他添加剤溶液C1を、それぞれ、77重量%、20重量%、3.0重量%で均一に混合し、紡糸溶液D3とした。この紡糸溶液D3をゴデローラーと巻取機の速度比を1.20として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取り、20dtex、2filのマルチフィラメント、リン原子と窒素原子の結合含有化合物の含有量が10重量%であるポリウレタン弾性糸(500g巻糸体)を作製した。
得られたポリウレタン弾性糸の組成(重量%)を表1に示す。また、破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐薬品性、耐アルカリ性、熱軟化点、融点を表2に示す。破断強度、破断伸度はB1未配合の比較例2(後述)に比べ増大した。セット性は比較例2に比べ減少し、回復性が向上した。耐薬品性および耐アルカリ性は比較例2に比べ、大幅に増加し、それぞれ、2倍以上および3倍に達した。耐熱性の指標である熱軟化点は比較例2より増大し、融点ではB1未配合の比較例2より10℃も増加した。
また、実施例1と同様の方法でストレッチ織物を製作し、外観品位を評価したところ、得られたストレッチ織物は欠点がなく、外観品位に優れたものであった。
[実施例4]
リン−窒素結合含有化合物として、(株)伏見製薬所製の品名FP−200(メトキシフェノキシシクロホスファゼンのオリゴマー、b3)を用い、そのDMAc溶液を調製した。調製は実施例1と同一の方法で行い、リン原子と窒素原子の結合含有化合物溶液B3(35重量%)とした。実施例3で調製したポリマ溶液A2、上記のリン原子と窒素原子の結合含有化合物溶液B3、及び実施例1で調製したその他添加剤溶液C1を、それぞれ87重量%、10重量%、3.0重量%で均一に混合し、紡糸溶液D4とした。この紡糸溶液D4をゴデローラーと巻取機の速度比を1.30として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取り、20dtex、2filのマルチフィラメント、リン原子と窒素原子の結合含有化合物の含有量が35重量%であるポリウレタン弾性糸(500g巻糸体)を作製した。
得られたポリウレタン弾性糸の組成(重量%)は表1に示すとおりであった。また、リン−窒素結合含有化合物b3は分子量が507以上、リン元素含有量が18.3%であった。
このポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐熱水性、熱軟化点、及び耐薬品性を表2に示した。耐薬品性はB3未配合の比較例2に比べ、2.5倍に増加した。破断伸度はB3未配合の比較例2に比べ、大幅に増加した。回復性の指標であるセット性、応力緩和、さらには耐熱性の指標である耐熱水性、熱軟化点もB1未配合の比較例1と同等以上であった。
また、実施例1と同様の方法でストレッチ織物を製作し、外観品位を評価したところ、得られたストレッチ織物は欠点がなく、外観品位に優れたものであった。
得られたポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐薬品性、耐アルカリ性、熱軟化点、融点を表2に示す。破断強度、破断伸度はB3未配合の比較例2(後述)に比べ増大した。セット性は比較例2に比べ減少し、回復性が向上した。耐薬品性および耐アルカリ性は比較例2に比べ、大幅に増加し、それぞれ、2倍以上に達した。耐熱性の指標である熱軟化点、融点はB3未配合の比較例2より増加した。
また、実施例1と同様の方法でストレッチ織物を製作し、外観品位を評価したところ、得られたストレッチ織物は欠点がなく、外観品位に優れたものであった。
[比較例1]
実施例1で調製したポリマ溶液A1、及び実施例1で調製したその他添加剤溶液添加剤溶液C1を、それぞれ、97重量%、3重量%の割合で均一混合し、紡糸溶液E1とした。この紡糸溶液E1をゴデローラーと巻取機の速度比を1.40として540m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取り、20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性糸を作製した。
得られたポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐薬品性、耐アルカリ性、熱軟化点、融点を表2に示す。耐薬品性、耐アルカリ性は、リン原子と窒素原子の結合含有化合物を含有する実施例1〜2に比べ、大幅に劣るものであった。
また、実施例1と同様の方法でストレッチ織物を製作し、外観品位を評価したところ、これの外観は各種加工履歴によるポリウレタン糸のへたりに起因する部分波打ちの発生が認められ、20mあたり15箇所であり、不満足なものであった。
[比較例2]
実施例3で調製したポリマ溶液A2、及び実施例1で調製したその他添加剤溶液添加剤溶液C1を、それぞれ、97重量%、3重量%の割合で均一混合し、紡糸溶液E2とした。この紡糸溶液E2をゴデローラーと巻取機の速度比を1.20として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取り、20dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性糸(500g巻糸体)を作製した。
得られたポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐薬品性、耐アルカリ性、熱軟化点、融点を表2に示す。耐薬品性、耐アルカリ性は、リン原子と窒素原子の結合含有化合物を含有する実施例3〜4に比べ、大幅に劣るものであった。
また、実施例1と同様の方法でストレッチ織物を製作し、外観品位を評価したところ、これの外観は各種加工履歴によるポリウレタン糸のへたりに起因する部分波打ちの発生が認められ、20mあたり4箇所であり、不満足なものであった。
[比較例3]
特開2000−73233号公報に記載のクレハ化学工業(株)製ポリフッ化ビニリデン(数平均分子量48,000、f1)のDMAc溶液F1(35重量%)を調製した。その調製は実施例1と同一の方法で行った。実施例3で調製したポリマ溶液A2、上記のポリフッ化ビニリデン溶液F1、及び実施例1で調製したその他添加剤溶液C1を、それぞれ92重量%、5重量%、3.0重量%で均一に混合し、紡糸溶液E3とした。この紡糸溶液E3をゴデローラーと巻取機の速度比を1.30として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取り、20dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性糸(500g巻糸体)を作製した。
得られたポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐熱水性、熱軟化点、及び耐薬品性を表2に示した。耐薬品性は、ポリフッ化ビニリデンを添加しなかった比較例2の場合の1.5倍に向上したもの、実施例3、4等に比べ、劣るものであった。さらに、セット性が大き過ぎるものであった。
また、実施例1と同様の方法でストレッチ織物を製作し、外観品位を評価したところ、これの外観はポリウレタン糸のセット性増大によると思われるへたりによる波打ちが全体に発生していて、不満足なものであった。
[比較例4]
大八化学工業(株)製TPP(トリフェニルホスフェート)のDMAc分散液F2(35重量%)を調製した。その調製は実施例1と同一の方法で行った。実施例3で調製したポリマ溶液A2、上記のTPP分散液F2、及び実施例1で調製したその他添加剤溶液C1を、それぞれ87重量%、10重量%、3.0重量%で均一に混合し、紡糸溶液E4とした。この紡糸溶液E4をゴデローラーと巻取機の速度比を1.30として600m/分の紡糸速度で乾式紡糸して巻取り、20dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性糸(500g巻糸体)を作製した。
得られたポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐薬品性、耐アルカリ性、熱軟化点、融点を表2に示す。破断伸度、破断強度、セット性、耐薬品性、耐アルカリ性は、TPPを添加しなかった比較例2と同等もしくは劣るものであり、実施例3〜4等に比べると、大幅に劣るものであった。
また、実施例1と同様の方法でストレッチ織物を製作し、外観品位を評価したところ、これの外観は波打ちが全体に発生していて、経時2カ月でTPPに起因すると推定される白色ブリード物が随所に発生して不満足なものであった。
なお、上記の実施例及1〜4及び比較例1〜4において得られたポリウレタン弾性糸の組成(重量%)をまとめて表1に示す。また、上記の実施例1〜4及び比較例1〜4において得られたポリウレタン弾性糸の破断伸度、破断強度、セット性、応力緩和、耐薬品性、耐アルカリ性、熱軟化点、融点をまとめて表2に示す。
Figure 0004860633
Figure 0004860633
上記の実施例及び比較例で得られたポリウレタン弾性糸のそれぞれについて、以下の方法により難燃性を評価した。結果を下記表3に示す。
[難燃性の評価方法]
ポリウレタン弾性糸(20dtex)を2本引き揃えた糸(40dtex)のみを使用し、320針、釜径3.5インチ(29ゲージ)の1口筒編み機に供給して編成し、120℃にて1分間のスチームセットを行い幅約5cmの筒編み地(55g/m)を得た。これを開反しないままサンプルとし(55g/mの編地2枚重ねに相当する)、米国自動車安全基準 FMVSS−302法にて各3回の水平燃焼試験を行い、標線前燃焼距離、標線後燃焼距離および標線後の燃焼時間を測定した。
なお、標線前の距離は38mmに設定され、標線後燃焼距離が0のものが自己消火性と判定される。
Figure 0004860633
上記の結果から、ホスファゼン化合物を含有する実施例1〜4のポリウレタン弾性糸については、標線前燃焼距離がいずれも38mm未満、したがって標線後燃焼距離が0となり、自己消火性と判定された。
一方、比較例のものはいずれも易燃性であった。
さらに、上記の実施例及び比較例で得られたポリウレタン弾性糸を用いて(ツーウェイ)ストレッチ織物を作製し、該織物を社団法人日本鉄道車両機械技術協会「車材燃試 18−609K」による鉄道車両用材料燃焼試験に供した。
ここで、試験用の織物は、以下の手順により得た。
まず、実施例及び比較例のいずれかで得られたポリウレタン弾性糸を5本引き揃えてマルチエンド糸(100dtex)を作製した。ヨコ糸用として、上記マルチエンド糸を難燃性ポリエステル糸(90dtex−48fil)にてカバーリング(カバーリング加工条件:ヨリ数=400T/M、ドラフト=3.0)したダブルカバードヤーンを作製した。タテ糸用として、上記マルチエンド糸を難燃性ポリエステル糸(150dtex−48filにてカバーリング(カバーリング加工条件:ヨリ数=600T/M、ドラフト=3.5)したダブルカバードヤーンを作製した。これらのタテ糸及びヨコ糸を用いてレピアー織機にて2/1綾組織で製織(タテ糸:90本/インチ、ヨコ糸:106本/インチ)し、常法に従い180℃でプレセットして、ストレッチ織物(ポリウレタン弾性糸12重量%、難燃性ポリエステル糸88%)を得た。このストレッチ織物を上記の試験用の織物とした。
上記のようにして鉄道車両用材料燃焼試験を行った結果、実施例1〜4のポリウレタン弾性糸を用いた場合はいずれも難燃性と判定され、比較例1〜4の1〜4のポリウレタン弾性糸を用いた場合はいずれも易燃性と判定された。
本発明のポリウレタン弾性糸は、耐アルカリ性、各種薬剤への耐性、高回復性、高強伸度、高耐熱性を有するものであるので、この弾性糸を使用した衣服などは、脱着性、フィット性、着用感、染色性、耐変色性、外観品位などに優れたものとなる。
これらの優れた特性を有することから、本発明のポリウレタン糸は単独での使用はもとより、各種繊維との組み合わせにより、優れたストレッチ布帛を得ることが可能で、編成、織成、紐加工に好適である。その使用可能な具体的用途としては、ソックス、ストッキング、丸編、トリコット、水着、スキーズボン、作業服、煙火服、ゴルフズボン、ウエットスーツ、ブラジャー、ガードル、手袋等の各種繊維製品、締め付け材料、さらには、紙おしめなどサニタリー品の漏れ防止用締め付け材料、防水資材の締め付け材料、似せ餌、造花、電気絶縁材、ワイピングクロス、コピークリーナー、ガスケットなどが挙げられる。

Claims (11)

  1. 主構成成分がポリマージオール、及びジイソシアネートであるポリウレタンからなる弾性糸であって、分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物を含有することを特徴とするポリウレタン弾性糸。
  2. 分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物の含有量が、0.5重量%以上50重量%以下であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のポリウレタン弾性糸。
  3. 分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物が、1分子内に2個以上のリンと窒素の原子間結合を有する化合物であることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載のポリウレタン弾性糸。
  4. 分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物が、分子量230以上の化合物であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載のポリウレタン弾性糸。
  5. 分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物におけるリン元素の含有率が5%以上50%以下であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載のポリウレタン弾性糸。
  6. 分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物がホスファゼンであることを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載のポリウレタン弾性糸。
  7. 分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物がホスホニトリル酸エステルであることを特徴とする請求の範囲第1項〜第6項のいずれかに記載のポリウレタン弾性糸。
  8. 上記ポリウレタン弾性糸のみを用いて幅5cmに編成した筒編み地が、米国自動車安全基準 FMVSS−302法にて水平燃焼試験を行った際に自己消火性を示すことを特徴とする請求の範囲第6項又は第7項に記載のポリウレタン弾性糸。
  9. 請求の範囲第8項に記載のポリウレタン弾性糸を用いて製織もしくは製編されてなることを特徴とする織編物。
  10. 請求の範囲第6項〜第8項のいずれかに記載のポリウレタン弾性糸を用いて製織もしくは製編されてなり、鉄道車両用材料燃焼試験により難燃性と判定されることを特徴とする織編物。
  11. 主構成成分がポリマージオール及びジイソシアネートであるポリウレタンの溶液に、分子内にリンと窒素の原子間結合を有する化合物を添加して、紡糸することを特徴とするポリウレタン弾性糸の製造方法。
JP2007551983A 2005-12-27 2006-12-26 ポリウレタン弾性糸およびその製造方法 Active JP4860633B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007551983A JP4860633B2 (ja) 2005-12-27 2006-12-26 ポリウレタン弾性糸およびその製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005374023 2005-12-27
JP2005374023 2005-12-27
PCT/JP2006/325891 WO2007074814A1 (ja) 2005-12-27 2006-12-26 ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JP2007551983A JP4860633B2 (ja) 2005-12-27 2006-12-26 ポリウレタン弾性糸およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007074814A1 JPWO2007074814A1 (ja) 2009-06-04
JP4860633B2 true JP4860633B2 (ja) 2012-01-25

Family

ID=38218034

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007551983A Active JP4860633B2 (ja) 2005-12-27 2006-12-26 ポリウレタン弾性糸およびその製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8277941B2 (ja)
EP (1) EP1967619B1 (ja)
JP (1) JP4860633B2 (ja)
DE (1) DE602006014866D1 (ja)
TW (1) TW200728529A (ja)
WO (1) WO2007074814A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2436836B1 (en) 2009-05-29 2017-03-01 Toyobo Co., Ltd. Coated base fabric for air bag and method for producing same
JP5688601B2 (ja) * 2011-06-23 2015-03-25 東レ・オペロンテックス株式会社 ポリウレタン糸ならびにそれを用いた布帛および水着
DE112017005050B4 (de) * 2016-10-05 2022-03-03 Sanko Co., Ltd. Elastische Polyurethanfaser und Verfahren zum Herstellen einer elastischen Polyurethanfaser
WO2018092469A1 (ja) * 2016-11-15 2018-05-24 三光株式会社 酸化防止剤及びその製造方法、ポリウレタン弾性繊維
EP3428212A1 (de) 2017-07-11 2019-01-16 Covestro Deutschland AG Weichschaumstoff mit halogenfreiem flammschutz
JP2020526646A (ja) 2017-07-11 2020-08-31 コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフトCovestro Deutschland Ag ハロゲン非含有難燃剤を含む軟質フォーム
CN111432769B (zh) * 2017-12-07 2022-07-29 东丽奥培隆特士有限公司 复合层合物体和一次性尿布
JP7413667B2 (ja) * 2019-07-10 2024-01-16 東ソー株式会社 硬質ポリウレタンフォーム用組成物及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法
CN112266461B (zh) * 2020-09-29 2022-04-12 广东互典缓冲材料技术有限公司 一种能够低温环境下使用的缓冲材料及其制备方法与应用

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6176467A (ja) * 1984-08-31 1986-04-18 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト ポリイソシアネートオリゴマーの製造方法およびポリウレタンプラスチツクの製造におけるそれの使用
JPH10298188A (ja) * 1997-04-28 1998-11-10 Nikka Chem Co Ltd ホスファゼン系化合物、それを用いた防炎加工剤および防炎加工方法
JP2000064121A (ja) * 1998-08-10 2000-02-29 Asahi Chem Ind Co Ltd ポリウレタン弾性繊維とその製造方法
JP2000169699A (ja) * 1998-12-04 2000-06-20 Yokohama Rubber Co Ltd:The ポリウレタン組成物とその合成方法
JP2001192392A (ja) * 2000-01-11 2001-07-17 Chemiprokasei Kaisha Ltd 環状ホスファゼン化合物、環状ホスファゼン混合組成物、ホスファゼン組成物、それを有効成分とする難燃剤およびそれを含む難燃性組成物
JP2003082057A (ja) * 2001-07-05 2003-03-19 Mitsui Takeda Chemicals Inc 熱可塑性ポリウレタンエラストマー、可塑性ポリウレタンエラストマー用組成物、その製造方法
JP2005023478A (ja) * 2003-07-03 2005-01-27 Chisso Corp 難燃性繊維及び成形体
JP2005307376A (ja) * 2004-04-20 2005-11-04 Takemoto Oil & Fat Co Ltd ポリウレタン系弾性繊維紡糸液調製用分散剤、ポリウレタン系弾性繊維紡糸液及びポリウレタン系弾性繊維紡糸液の調製方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1020254A (en) * 1964-06-29 1966-02-16 Shell Int Research Improvements in or relating to polyurethanes
US4069212A (en) * 1973-06-28 1978-01-17 Nasa Flame retardant spandex type polyurethanes
US5965627A (en) * 1996-05-07 1999-10-12 The Penn State Research Foundation Blends of polyurethane and polyphosphazene and their use as flame-retardant foamed compositions
JP3968736B2 (ja) 1998-08-20 2007-08-29 オペロンテックス株式会社 ポリウレタン糸およびその製法
CN1972977B (zh) * 2004-10-20 2010-12-15 旭硝子株式会社 聚氨酯树脂溶液及其制造方法以及聚氨酯树脂的制造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6176467A (ja) * 1984-08-31 1986-04-18 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト ポリイソシアネートオリゴマーの製造方法およびポリウレタンプラスチツクの製造におけるそれの使用
JPH10298188A (ja) * 1997-04-28 1998-11-10 Nikka Chem Co Ltd ホスファゼン系化合物、それを用いた防炎加工剤および防炎加工方法
JP2000064121A (ja) * 1998-08-10 2000-02-29 Asahi Chem Ind Co Ltd ポリウレタン弾性繊維とその製造方法
JP2000169699A (ja) * 1998-12-04 2000-06-20 Yokohama Rubber Co Ltd:The ポリウレタン組成物とその合成方法
JP2001192392A (ja) * 2000-01-11 2001-07-17 Chemiprokasei Kaisha Ltd 環状ホスファゼン化合物、環状ホスファゼン混合組成物、ホスファゼン組成物、それを有効成分とする難燃剤およびそれを含む難燃性組成物
JP2003082057A (ja) * 2001-07-05 2003-03-19 Mitsui Takeda Chemicals Inc 熱可塑性ポリウレタンエラストマー、可塑性ポリウレタンエラストマー用組成物、その製造方法
JP2005023478A (ja) * 2003-07-03 2005-01-27 Chisso Corp 難燃性繊維及び成形体
JP2005307376A (ja) * 2004-04-20 2005-11-04 Takemoto Oil & Fat Co Ltd ポリウレタン系弾性繊維紡糸液調製用分散剤、ポリウレタン系弾性繊維紡糸液及びポリウレタン系弾性繊維紡糸液の調製方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1967619B1 (en) 2010-06-09
WO2007074814A1 (ja) 2007-07-05
DE602006014866D1 (de) 2010-07-22
US8277941B2 (en) 2012-10-02
TWI372797B (ja) 2012-09-21
EP1967619A4 (en) 2009-06-10
US20090061716A1 (en) 2009-03-05
EP1967619A1 (en) 2008-09-10
JPWO2007074814A1 (ja) 2009-06-04
TW200728529A (en) 2007-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4860633B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JP5168401B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JP5467466B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JP5704530B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JP5136943B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
WO2017004162A1 (en) Polyurethane fiber including copolymer polyol
JP5659781B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JP4839455B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JP4356065B2 (ja) ポリウレタン糸
JP4968648B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JP4867907B2 (ja) ポリウレタン糸およびその製造方法
JP3826377B2 (ja) ポリウレタン糸およびその製造方法
JP5141975B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JP4834858B2 (ja) ポリウレタン糸およびその製造方法
JP4406761B2 (ja) ポリウレタン糸およびその製造方法
JP4324907B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
WO2017116983A1 (en) Polyurethane fiber structure
JP4224820B2 (ja) ポリウレタン糸およびその製造方法
JP2019026962A (ja) ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法
JP4984150B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JP6075036B2 (ja) ポリウレタン弾性糸およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111101

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4860633

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250