JPH0649166A - ポリウレタンの製造法 - Google Patents

ポリウレタンの製造法

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JPH0649166A
JPH0649166A JP4244102A JP24410292A JPH0649166A JP H0649166 A JPH0649166 A JP H0649166A JP 4244102 A JP4244102 A JP 4244102A JP 24410292 A JP24410292 A JP 24410292A JP H0649166 A JPH0649166 A JP H0649166A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来にない耐加水分解性、耐酸化劣化性、耐
光性、弾性回復性の全ての性質が極めて優れ、かつ、高
い化学的安定性と優れたゴム的性質を兼ね備えた高性能
のポリウレタンの製造を可能とする。 【構成】 芳香族、脂肪族又は脂環族ジイソシアネート
と脂肪族コポリカーボネートポリオール、更に必要に応
じてイソシアネートと反応し得る活性水素を2個有する
鎖延長剤を反応させるポリウレタンの製造法において、
該脂肪族コポリカーボネートポリオールとして、下記化
学式で示される繰り返し単位A、Bからなり、AとBと
の割合が9:1〜1:9である脂肪族コポリカーボネー
トポリオールを用いることを特徴とするポリウレタンの
製造法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐加水分解性、耐光
性、耐酸化劣化性、耐熱性に優れた新規な脂肪族コポリ
カーボネートを構成単位として含むポリウレタンの製造
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばポリウレタンやウレタン
系、エステル系、アミド系等の熱可塑性エラストマーに
用いられるソフトセグメントには、ポリマー末端がヒド
ロキシル基であるポリエステルポリオールやポリエーテ
ルポリオールが使用されている。(米国特許第4362
825号、第4374535号、第4129715号明
細書等)。このうちアジペートに代表されるポリエステ
ルポリオールは耐加水分解性に劣るため、例えば、これ
を用いたポリウレタンは比較的短期間に表面に亀裂等を
生じたり、表面に黴が生える等するため使用上かなり制
限を受ける。他方、ポリエーテルポリオールを用いたポ
リウレタンは耐加水分解性は良好であるが、耐光性、耐
酸化劣化性が悪い欠点を有している。これらの欠点は各
々ポリマー鎖中のエステル基、エーテル基の存在に起因
するものである。ポリエステル系やポリアミド系の熱可
塑性エラストマーについても、近年、耐熱性、耐光性、
耐加水分解性、耐黴性等の要求が高度化してきており、
ポリウレタンに対するものと同様の問題点を有してい
た。
【0003】一方、耐加水分解性、耐光性、耐酸化劣化
性、耐熱性等に優れたソフトセグメントとして、1,6
−ヘキサンジオールのポリカーボネートポリオールが市
販されているが、これはポリマー鎖中のカーボネート結
合が化学的に極めて安定であるため、上述のような特徴
を示すものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1,6
−ヘキサンジオールのポリカーボネートポリオールは、
結晶性故に単独で固体であり、取扱が困難である上に、
これを用いたポリウレタンは、柔軟性、弾性回復性が著
しく乏しいと言う欠点を有しており、更にはポリウレタ
ン繊維を作る場合には、曳糸性に欠けており紡糸が困難
である。このような問題点を少しでも改善するために、
種々の方法が提案されている。例えば、バイエル社は米
国特許第3639354号明細書やヨーロッパ特許第1
35848号で1,6−ヘキサンジオールとエーテル基
を含有したジオールを共重合させる方法を開示し、ポリ
マーの軟化点を若干低下させる等の工夫を行なっている
が、エーテル基の導入はポリウレタンに用いた場合柔軟
性は改善されるものの、耐光性、耐塩素性、耐酸化劣化
性を逆に悪化させることになる。PPGインダストリー
ズは米国特許第4103070号や第4101529号
明細書で、1,6−ヘキサンジオールと1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールとを共重合させたポリカーボネー
トジオールを提案し、それを用いたウレタンの結晶性を
押さえることができるとしている。しかし、シクロ環を
含有しているため、結晶性は若干崩れるにしても、シク
ロ環骨格に起因する硬さが付与され、柔軟性の改善は余
りなされない。クラレは特開昭60−195117号公
報で、3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6
−ヘキサンジオール又は1,9−ノナンジオールとの共
重合により柔軟性を付与する提案をしている。しかし、
側鎖を有するために結晶性を崩す効果は大きいものの、
側鎖アルキルに起因する耐光性、耐酸化劣化性の弱さが
出てくる。該公報中にも耐熱性、耐光性、耐酸化劣化性
等を向上させたい場合には、3−メチル−1,5−ペン
タンジオールを50重量%以下の量で使用することが明
記されている。
【0005】又、米国特許第4013702号や米国特
許第4105641号明細書には、1,6−ヘキサンジ
オールと1,4−ブタンジオール共重合コポリカーボネ
ート合成の記載がある。これらは、何れもコポリカーボ
ネートの製造法を開示するものであり、その特性につい
ては記載していないが、後で比較例10でも示すよう
に、弾性回復性が充分ではなく、ポリウレタン繊維を作
る場合に曳糸性に欠けており、紡糸が困難であった。更
には後の比較例7にも示す通り、1,6−ヘキサンジオ
ールと1,9−ノナンジオールとの共重合コポリカーボ
ネートについても弾性回復性がいま一つ充分でない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記式A、B
の繰り返し単位からなり、AとBとの割合が9:1〜
1:9であるコポリカーボネートジオールを構成単位と
して用いたポリウレタンが、耐加水分解性、耐光性、耐
塩素性、耐酸化劣化性、耐熱性等の化学的安定性が極め
て良好であり、加えて従来の1,6−ヘキサンジオール
ベースのポリカーボネートジオールを用いたものに比べ
て、柔軟性、弾性回復性が著しく優れており、更にポリ
ウレタン繊維の製造に際しても容易に紡糸できることを
見出し、本発明をなすに至った。
【化1】
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
脂肪族コポリカーボネートは、シュネル(Schnel
l)著、ポリマー・レビューズ(Polymer Re
views)第9巻、第9〜20頁(1964)に記載
さた種々の方法により、1,6−ヘキサンジオール及び
1,5−ペンタンジオールを主成分とし、場合によって
は、少量の脂肪族ポリオールを含有する脂肪族ジオール
から合成される。
【0008】コポリマー中の繰り返し単位A及びBの割
合は、9:1〜1:9であることが必要である。AとB
の割合がこの範囲を外れた場合、これを用いたポリウレ
タンの弾性回復性、柔軟性、曳糸性が悪化し好ましくな
い。このような特定割合のコポリカーボネートを用いた
ポリウレタンが、従来のポリカーボネートを用いたウレ
タンに比べ、化学的安定性と優れた弾性回復性、柔軟
性、曳糸性を兼ね備えていると言う事実は、何人も想像
し得なかったことである。
【0009】本発明に用いられる脂肪族コポリカーボネ
ートポリオールにおいて、1,5−ペンタンジオールと
1,6−ヘキサンジオールの他、1分子内に2つ以上の
ヒドロキシル基を持つ化合物の少量を、本発明の効果を
損なわない範囲内で、コポリマー成分として使用しても
かまわない。場合により違うが、例えば1,6−ヘキサ
ンジオールと1,5−ペンタンジオールを等モルで重合
する場合には、第3成分として、1,6−ヘキサンジオ
ールと1,5−ペンタンジオールの合計モル数に対して
20%以下、好ましくは15%以下のブタンジオールを
用いることができる。
【0010】又、この他に1分子内に3以上のヒドロキ
シル基を持つ化合物、例えばトリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエ
リスリトール等の少量を用いることにより、多官能化し
たものを用いてもよい。
【0011】本発明に用いられるコポリカーボネート
は、常温で粘ちょうな液体であり、かつ、DSC測定で
融点を有しない非晶領域のものが、ポリウレタンに用い
た場合に弾性回復性、柔軟性、曳糸性の点でより好まし
い性質を示す。コポリカーボネートの構成単位がAとB
のみである場合には、A、Bの割合が7.5:2.5〜
1.5:8.5の範囲で非晶性を示すため、この範囲の
組成が望ましい領域である。A、Bの構成単位に第3成
分が効果を損なわない範囲でコポリマー成分として含ま
れていると、A、Bの割合が9:1〜1:9の範囲にま
で非晶領域が広がってくる。
【0012】本発明に用いられるコポリカーボネートの
平均分子量の範囲は、用途により異なるが、通常数平均
分子量で300〜50000であり、好ましくは600
〜20000である。
【0013】本発明に用いられるコポリカーボネートの
末端基は、用途により種々の基にすることが可能であ
る。例えばポリウレタンの用途に用いる場合には、コポ
リカーボネートの末端は、実質的に全てヒドロキシル基
であることが必要である。本発明に用いられるコポリカ
ーボネートの合成は、一般的には、先に述べたPoly
mer Reviews 第9巻、第9〜20頁に記載
されているとおり、ジアルキルカーボネートと脂肪族ヒ
ドロキシ化合物を一般的なエステル交換触媒を用いて行
なうことができる。又無触媒で合成する方法としてエチ
レンカーボネートを使用する方法、ジフェニルカーボネ
ートを使用する方法が従来から知られており、これらの
方法を用いることにより可能となる。
【0014】本発明に使用されるイソシアネートとして
は、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、及びその混合物(TDI)、ジ
フェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MD
I)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(ND
I)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジ
イソシアネート(TODI)、粗製TDI、ポリメチレ
ンポリフェニルイソシアネート、粗製MDI等の公知の
芳香族ジイソシアネートやキシリレンジイソシアネート
(XDI)、フェニレンジイソシアネート等の公知の芳
香脂環族ジイソシアネーや4,4’−メチレンビスシク
ロヘキシルジイソシアネート(水添MDI)、ヘキサメ
チレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソ
シアネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネ
ート等の公知の脂肪族ジイソシアネート及びこれらのイ
ソシアネート類のイソシアヌレート化変成品、カルボジ
イミド化変成品、ビゥレット化変成品等である。
【0015】又、本発明において必要により用いられる
適当な鎖延長剤としては、ポリウレタン業界における常
用の鎖延長剤が包含される。岩田敬治監修、最新ポリウ
レタン応用技術、CMC、1985年、第25〜27頁
記載の公知の水、低分子量ポリオール、ポリアミン等が
含まれる。本発明においては、コポリカーボネートポリ
オールと共に、本発明の効果を損なわない範囲で、ウレ
タンの用途に応じて、公知のポリオールを併用してもよ
い。公知のポリオールとしては、今井嘉夫 ポリウレタ
ンフォーム、高分子刊行会、1987年、第12〜23
頁に記載の公知のポリエステル、ポリエーテルポリカー
ボネート等のポリオールがある。
【0016】ポリウレタンを製造する方法としては、ポ
リウレタン業界で公知のウレタン化反応の技術が用いら
れる。例えば、該ポリオールと有機ポリイソシアネート
を常温〜約200℃で反応させることによりNCO末端
のポリウレタンプレポリマーが生成する。これらは空気
の水分と反応させて硬化する一液型の無溶剤接着剤、シ
ーラントに用いることができる。このプレポリマーと別
のポリオール、公知の架橋剤(イソシアネートと反応で
きる活性水素原子を2個以上有する低分子化合物)と組
み合わせて二液型の注型材等に用いることができる。
【0017】又、該ポリオールとポリイソシアネート及
び必要に応じて鎖延長剤を使用して、ワンショット法、
プレポリマー法、RIM法等の方法を用いて架橋型もし
くは熱可塑性のポリウレタンを製造することができる。
これらの製造法においては、三級アミンやスズ、チタ
ン、鉛等の有機金属塩等に代表される公知の重合触媒
[例えば、岩田敬治著「ポリウレタン樹脂」日刊工業新
聞社刊 第23〜32頁(1969)に記載]を用いる
ことも可能である。又、これらの反応を溶媒を用いて行
なってもよく、好ましい溶媒として、ジメチルホルムア
ミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルイ
ソブチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、ベン
ゼン、トルエン、エチルセルソルブ等がある。
【0018】又、本発明のポリウレタンの製造にあた
り、イソシアネート基と反応する活性水素を一つだけ有
する化合物、例えばエチルアルコール、プロピルアルコ
ール等の一価アルコール及びジエチルアミン、ジプロピ
ルアミン等の二級アミン等を末端停止剤として使用して
もかまわない。
【0019】次いで、本発明で得られるポリウレタンの
用途について数例述べる。 (1)実質的に線状の熱可塑性ポリウレタンペレットを
つくり、これを加熱溶融して射出成形、押出成形、カレ
ンダー加工等の方法によりエラストマーフイルムやシー
ト、ホース、チューブ、ロール、ギャ等の成形品を製造
する。 (2)該カーボネートポリオールと有機ポリイソシアネ
ートとを反応させて分子末端イソシアネート基を有する
プレポリマーをつくり、湿気硬化させたり、ジオール又
はジアミンの鎖延長剤を用いて、注型剤や塗料、シーラ
ント、接着剤用途に使用する。 (3)上記(1)、(2)において、ポリウレタン原料
を溶媒に溶解して得られるポリウレタン溶液を合成皮革
や人造皮革、繊維、不織布等のコーティンク゛剤又は磁
性粉や導伝性粉末、顔料、染料を分散させたコーティン
グ剤とし、磁気テープ、伝磁シールド塗料、グラビアイ
ンク等に用いる。 (4)該ポリカーボネートポリオールにフレオン系発泡
剤等の各種添加物を配合し、これに有機イソシアネート
又は分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマー
を加えて高速攪拌して発泡させた熱硬化性フォーム製品
を製造する。 (5)分子末端イソシアネートプレポリマーを溶剤に溶
解し、これに公知のジアミン又はジオールの鎖延長剤等
を添加し、安定な紡糸原液を調製し、この原液から乾式
法、湿式法又は押出法により弾性糸を製造する。
【0020】更に具体的用途について述べれば、本発明
のポリウレタンは、耐摩耗性、耐衝撃性、耐加水分解
性、耐酸化劣化性、耐光性、低温柔軟性、可撓性に優れ
るのみならず、弾性回復性に著しく優れたポリウレタン
であり、従来のポリウレタンが用いられていた広範囲の
用途をすべてカバーすることができる。例えば、硬質、
半硬質、軟質までの連続気泡フォーム(クッション
材)、独立気泡フォーム(マイクロセルラー靴底)、フ
イルム、シート、チューブ、ホース、防振材、バッキン
グ材、接着剤、バインダー、シーラント、止水剤、床
材、注型材、塗料、弾性繊維等に有効である。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるも
のではない。ヒドロキシル基末端を有するコポリカーボネート 合成例中の水酸基価はアセチル化法により測定した。
又、ポリマーのガラス転移温度は、DSC(昇温速度1
0℃/分、測定範囲−150℃〜60℃)より測定し
た。又、合成例、比較合成例中のポリマーの末端は13
−NMR(270MHz)の測定により、実質的に全て
がヒドロキシル基であった。更に、ポリマー中の酸価を
KOHによる滴定により測定したが、合成例、比較合成
例中の全てのポリマーが0.01以下であった。従って
得られたポリマーの数平均分子量は次式により求められ
る。 数平均分子量=2/(水酸基価/56110)
【合成例1〜6、比較合成例1〜3】攪拌機、温度計、
分留管を備えた反応器に表1に示す通りの多価アルコー
ルを加え、70〜80℃で金属ナトリウムを攪拌下に添
加した。ナトリウムが完全に反応した後、表1に示す量
のジエチルカーボネートを導入した。常圧で反応温度を
95〜100℃に上昇させるとエタノールが留出し始め
た。徐々に温度を上昇させ表1に示す時間で160℃と
した。この間約10%のジエチルカーボネートを含むエ
タノールが留出した。その後更に反応器の圧力を10m
mHg以下とし、エタノールを抜き出しながら強攪拌下
200℃にて表1に示す時間反応させた。生成したポリ
マーは冷却後ジクロロメタンに溶解させ、希酸で中和し
た後、無水硫酸ナトリウムで脱水してから、溶媒を蒸留
除去し、更に2〜3mmHg、140℃で数時間乾燥さ
せた。得られたコポリカーボネートの性質は表1に示し
た。
【表1】
【合成例7〜9、比較合成例4〜7】ジオールとして
1,6−ヘキサンジオール及び1,5−ペンタンジオー
ルを表2に示した量を用いる以外は合成例1と同様な方
法で脂肪族コポリカーボネートジオールA〜G(PC−
A〜PC−Gと略す)を得た。各々の水酸基価は表2に
示した通りであった。
【表2】
【合成例10】440部のジエチルカーボネートを使用
した以外は合成例1と同様な方法で脂肪族ポリカーボネ
ートジオール−H(PC−Hと略す)を得た。水酸基価
は75であった。
【合成例11】490部のジエチルカーボネートを使用
した以外は合成例1と同様な方法で脂肪族ポリカーボネ
ートジオール−I(PC−Iと略す)を得た。水酸基価
は38であった。
【合成例12】合成例5と同様にして1,6−ヘキサン
ジオール496部(4.3モル)、1,5−ペンタンジ
オール437部(4.3モル)、1,4−ブタンジオー
ル144部(1.4モル)を用いてコポリカーボネート
ジオールJ(PC−Jと略す)を得た。水酸基価は4
6.8であった。
【比較合成例8】比較合成例3と同様にして1,6−ヘ
キサンジオール236部(2モル)、1,9−ノナンジ
オール320部(2モル)を用いてコポリカーボネート
ジオールK(PC−Kと略す)を得た。水酸基価は4
6.8であった。
【比較合成例9】比較合成例3と同様にして1,6−ヘ
キサンジオール472部(4モル)、1,4−ブタンジ
オール360部(4モル)を用いてコポリカーボネート
ジオールL(PC−Lと略す)を得た。水酸基価は5
8.1であった。ヒドロキシ末端を有するコポリカーボネートを用いたポ
リウレタン 実施例、比較例中のポリウレタンの固有粘度[η]は
0.8〜1.2の範囲内であった。なお、実施例中のポ
リウレタンの耐加水分解性は100μの厚みのポリウレ
タンフイルムを100℃の熱水中で12時間処理し、そ
のフイルムをGPCにより測定した平均分子量の保持率
により評価した。耐光性については、同上のフイルムを
フェードメーターにより380nmのカーボンアーク紫
外線を25時間照射して後の引張破断強度保持率により
評価した。耐酸化劣化性については、TGA(空気中、
10℃/分昇温)による熱分解開始温度により評価し
た。弾性回復性については、常温で100μのポリウレ
タンフイルムを約90秒で300%伸長させた後、約9
0秒保持し、急に収縮させた後に長さを測定し、その永
久伸び率により評価した。耐塩素性については、同上の
フイルムを次亜塩素酸ナトリウム1773ppmを含ん
だpH=7の水溶液中で70℃で16時間処理し、その
フイルムの引張破断強度保持率により評価した。固有粘
度については、ポリウレタンをジメチルアセトアミド1
00mlに、0.02g、0.05g、0.1g溶解し
たポリウレタン溶液を調製して30℃で還元粘度を測定
し、ポリウレタン濃度を0に外挿して求めた。
【実施例1〜7、比較例1〜8】合成例及び比較合成例
で示したPC−A〜PC−G及び旭化成工業(株)で合
成したポリテトラメチレングリコール(水酸基価59.
6、PTMGと略す)、ポリテトラメチレンアジペート
(Dic社製、水酸基価58.3、PTAと略す)、の
中の何れか一種のポリオール(減圧加熱下に脱水したも
の)をポリオールの重量の4倍量のトルエン/MIBK
(1/1、wt/wt)に溶解させて100℃に加熱し
た(仕込み重量は表3に示した)。次に所定のヘキサメ
チレンジイソシアネート(HDIと略す)、4,4’−
メチレンビス(シクロヘキシル)ジイソシアネート(H
−MDIと略す)の何れか一種のジイソシアネートをジ
イソシアネートの重量と同量のトルエン/MIBK(1
/1、WT/WT)に溶解させて上記ポリオール溶液中
に加えて混合した(仕込み量は表3に示した)。次に、
ジブチルスズジラウレートの10重量%トルエン/MI
BK(1/1 wt/wt)溶液を溶液中の固形分に対
して100ppmになるように加えて100℃で1時間
攪拌してプレポリマーを得た。次に、所定量の1,4−
ブタンジオール、エチレングリコールの何れか一種の鎖
延長剤をトルエン/MIBK(1/1wt/wt)(溶
液の量は溶液中の固形分が25重量%になるように調
整)に溶解させて加えて100℃で1時間強攪拌し(仕
込み量は表3に示した)25重量%のポリウレタン溶液
を得た。次にこのポリマー溶液から減圧下に溶媒を除去
してポリウレタンを得た。これらのポリウレタンの各種
性能の評価結果を表3に示す。
【表3】
【実施例8〜9、比較例9〜12】PC−A、PC−
J、PC−D、PC−L、PTMG、ポリヘキサメチレ
ンネオペンチレンアジペート(バイエル社製、水酸基価
56、PHNAと略す)を各々2モルとジフェニルメタ
ン−4,4’−ジイソシアネート4モルを窒素気流下に
80℃で無溶媒で4時間攪拌下に反応させてイソシアネ
ート末端プレポリマーを作り、次いで室温まで冷却し、
充分に脱水したジメチルアセトアミドを加え溶解した。
この溶液にエチレンジアミン2モルを溶解したジメチル
アセトアミド溶液を一挙に加えて室温下に30分攪拌し
て30重量%のポリウレタン溶液を4種類得た。ポリウ
レタン溶液に1部はキャストして100μのフイルムを
得て耐加水分解性、耐酸化劣化性、耐光性、弾性回復
性、耐塩素性のデータに加えて、室温下に引張伸度と引
張強度のデータを得た。結果は表4及び図1に示した。
更に、ポリウレタン溶液の大部分は小型の紡糸装置によ
り紡糸してポリウレタン繊維を得ることを試みた。結果
は表4に示した。
【表4】
【0022】
【発明の効果】以上の実施例、比較例から明らかなよう
に、従来のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリ
オール、ポリカーボネートポリオールから作られるポリ
ウレタンが耐加水分解性、耐酸化劣化性、耐光性、弾性
回復性の全てを満足し得ないのに対し、本発明の脂肪族
コポリカーボネートを用いたポリウレタンは、何れの性
質も極めて優れており、高い化学的安定性と優れたゴム
的性質を兼備した、これまでにない高性能のポリウレタ
ンである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリウレタン(PC−A、PC−J)
と比較例(PC−D、PC−L、PTMG、PHNA)
の引張伸度と引張強度を表わしたものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族、脂肪族及び脂環族ジイソシアネ
    ートの中から選ばれた1種又は2種以上のジイソシアネ
    ート、脂肪族コポリカーボネートポリオール及び必要に
    応じてイソシアネートと反応し得る活性水素を2個有す
    る鎖延長剤を反応させるポリウレタンの製造法におい
    て、該脂肪族コポリカーボネートポリオールが、下記式
    A、Bの繰り返し単位からなり、AとBとの割合が9:
    1〜1:9であることを特徴とするポリウレタンの製造
    法。 【化1】
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