JP4123926B2 - マネキン表皮材およびマネキン表皮材用ウレタンエラストマーの製造方法 - Google Patents
マネキン表皮材およびマネキン表皮材用ウレタンエラストマーの製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウレタンエラストマーからなるマネキン表皮材およびマネキン表皮材用ウレタンエラストマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マネキン表皮材用エラストマーとしては従来から塩化ビニル樹脂系エラストマーが用いられているが、近年、焼却処理時の環境への影響を考慮し、塩素を含まない材料が望まれている。
【0003】
一方、塩素を含有しないウレタンエラストマーをマネキン表皮材に用いる技術が提案された(特許文献1)。
【0004】
特許文献1には、ポリエーテルポリオールと、イソシアネート基末端プレポリマーとを反応させて得られるウレタンエラストマーであって、有機分散媒を含有させることにより柔軟性を高めてなるウレタンエラストマーをマネキン表皮材に用いることが記載されている。しかし、有機分散媒としてイソシアネート基と反応性を有さない、ポリグライム、環状ポリカーボネート、酢酸オクチル、高沸点溶剤等を用いるので、時間がたつにつれブリードアウトして表面を汚染したり、時間がたつにつれ硬くなる欠点があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−313731号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、塩素を含まないエラストマーであって、ブリードアウト成分による表面汚染の問題のない、マネキン表皮材用途に適した低硬度のエラストマ−が要望されていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決する下記の発明である。
【0008】
脂肪族または脂環族ポリイソシアネート(A)、数平均分子量が1000〜6000のポリオキシアルキレンモノオール(B)および数平均分子量4500〜25000、平均官能基数が2〜6のポリオキシアルキレンポリオール(C)を反応させて得られるウレタンエラストマーであって、(B)の残基の含有量が樹脂成分中18〜40質量%であり、(C)の残基の含有量が樹脂成分中28〜80質量%である、ウレタンエラストマーからなるマネキン表皮材。
【0009】
脂肪族または脂環族ポリイソシアネート(A)、数平均分子量が1000〜6000のポリオキシアルキレンモノオール(B)および数平均分子量4500〜25000、平均官能基数が2〜6のポリオキシアルキレンポリオール(C)を反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマー、モノオール(B)、ならびに、ポリオール(C)を反応させることを特徴とする、マネキン表皮材用ウレタンエラストマーの製造方法。
【0010】
脂肪族または脂環族ポリイソシアネート(A)および数平均分子量が1000〜6000のポリオキシアルキレンモノオール(B)を反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマー、モノオール(B)、ならびに、ポリオール(C)を反応させることを特徴とする、マネキン表皮材用ウレタンエラストマーの製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
(ポリイソシアネート)
本発明において、使用できる脂肪族または脂環族ポリイソシアネート(A)は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素添加MDI(H12MDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)が使用できる。
【0012】
またはこれらの変性体を使用してもよく、変性体としては、低分子ジオールや低分子トリオールとの反応物であるプレポリマー変性体、水との反応物であるビュレット体、イソシアヌレート骨格を有する三量体などが挙げられる。
【0013】
なお、低分子ジオールや低分子トリオールとの反応物であるプレポリマー変性体を使用する場合は、変性体の原料である低分子ポリオールは、後述の他の活性水素化合物(D)に相当する。
【0014】
汎用のポリイソシアネートであるトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートは得られるウレタンエラストマーが黄変するので使用しないことが好ましい。また、ポリイソシアネート(A)は、イソシアネート基含有量10質量%〜50質量%のものが好ましい。
【0015】
(モノオール(B))
本発明における、数平均分子量が1000〜6000のポリオキシアルキレンモノオール(B)は、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ触媒、ジエチル亜鉛、塩化鉄、金属ポリフィリン、複合金属シアン化物錯体等の触媒の存在下、1価の開始剤の存在下アルキレンオキシドを反応させることにより製造できる。
【0016】
触媒としては、水酸化カリウムなどの汎用のアルカリ触媒や、特に分子量の高いものを得たい場合には複合金属シアン化物錯体触媒が好ましい。アルキレンオキシドとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド等が挙げられる。これらのアルキレンオキシドは2種以上併用してもよい。プロピレンオキシドまたはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの併用が特に好ましい。開始剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール等の炭素数10以下のアルカノールが挙げられる。
【0017】
モノオール(B)の残基の含有量はウレタンエラストマーの樹脂成分の合計に対して18〜40質量%であり、18〜38質量%であることが好ましい。モノオールの残基とは、モノオールの水酸基から水素原子を除いた残りの基をいう。モノオール(B)の残基の含有量が少ないと、JIS−A硬度 20以下の低硬度のウレタンエラストマーが得られず、モノオール(B)の残基の含有量が多いと、硬化性が悪化する。なお、本発明において樹脂成分とは、ポリイソシアネート(A)、モノオール(B)、ポリオール(C)、活性水素化合物(D)を原料とする部分をいう。
【0018】
(ポリオール(C))
本発明における、数平均分子量4500〜25000、平均官能基数が2〜6のポリオキシアルキレンポリオール(C)は、水酸化セシウムなどのアルカリ触媒、ジエチル亜鉛、塩化鉄、金属ポルフィリン、複合金属シアン化物錯体等の触媒の存在下、多価の開始剤の存在下アルキレンオキシドを反応させることにより製造できる。
【0019】
触媒としては、シアノコバルテート亜鉛−グライム等の複合金属シアン化物錯体が好ましい。水酸化カリウム等の汎用アルカリ触媒の場合には、高分子量ポリアルキレンポリオールを製造しにくく、特に高分子量体において不飽和度が高くなり適切でない。
【0020】
アルキレンオキシドとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド等が挙げられる。これらのアルキレンオキシドは2種以上併用してもよい。プロピレンオキシドまたはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの併用が特に好ましい。
【0021】
上記多価の開始剤としては2〜6個の活性水素を有する化合物が好ましく、特にポリヒドロキシ化合物が好ましい。具体例としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。これらは1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0022】
ポリオール(C)は、数平均分子量が4500〜25000であり、5000〜20000がより好ましい。数平均分子量が4500未満では得られるウレタンエラストマーの柔軟性が充分でない。また、数平均分子量が25000を超えるものは粘度が高いので、作業性に劣る。
【0023】
ポリオール(C)の残基の含有量はウレタンエラストマーの樹脂成分の合計に対して28〜80質量%である。ポリオール(C)の残基とは、ポリオール(C)の水酸基から水素原子を除いた残りの基をいう。残基の含有量は、特に35〜80質量%、さらには38〜75質量%であることが好ましい。ポリオール(C)の残基の含有量が少ないと、JIS−A硬度 20以下の低硬度のウレタンエラストマーが得られず、ポリオール(C)の残基の含有量が多いと、硬化性が悪化する。
【0024】
本発明において、モノオール(B)の残基とポリオール(C)の残基の合計含有量は、樹脂成分中65〜97質量%であることが好ましく、72〜96質量%であることが特に好ましい。
【0025】
(他の活性水素化合物(D))
本発明には、低分子量ポリオールや低分子量ポリオキシアルキレンポリオールなど、モノオール(B)やポリオール(C)以外の活性水素化合物(D)を使用してもよい。低分子量ポリオールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール等のジオールやトリメチロールプロパン、グリセリン等の低分子トリオールが挙げられる。
【0026】
また、数平均分子量が4500未満のポリオキシアルキレンポリオールを使用してもよい。また、ポリアミンやその他の活性水素含有化合物を使用してもよい。
【0027】
その他の活性水素化合物(D)の残基の含有量は、樹脂成分中0〜35質量%未満が好ましく、0〜25質量%がさらに好ましく、0〜20質量%がもっとも好ましい。活性水素化合物(D)の残基とは、(D)の水酸基またはアミノ基から水素原子を除いた残りの基をいう。
【0028】
(ウレタンエラストマー)
本発明において、ウレタンエラストマーを得る方法としては、ワンショット法、プレポリマー法いずれでもよいが、予めイソシアネート基末端プレポリマーを製造し、次いでポリオール等の活性水素化合物を混合して反応させるプレポリマー法が、得られるエラストマーの物性の点および反応性のコントロールのしやすさの点から好ましい。
【0029】
プレポリマー法としては例えば次の(1)〜(2)の方法が挙げられる。
【0030】
(1)ポリイソシアネート(A)、モノオール(B)および任意に活性水素化合物(D)を反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを製造した後、モノオール(B)およびポリオール(C)を反応させる方法。
【0031】
(2)ポリイソシアネート(A)、モノオール(B)、ポリオール(C)および任意に活性水素化合物(D)を反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを製造した後、モノオール(B)およびポリオール(C)を反応させる方法。
【0032】
イソシアネート基末端プレポリマーを製造する際、ポリイソシアネート(A)と、活性水素化合物(D)とを予め反応させおいてもよい。たとえば、ポリイソシアネート(A)と活性水素化合物(D)とを予め反応させてなるプレポリマー型変性体を使用することができる。
【0033】
イソシアネート基末端プレポリマーを製造する際の全活性水素化合物中の、モノオール(B)の使用量は、50質量%〜100質量%が好ましい。また、得られるイソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基含有量は2〜10質量%が好ましく、3〜8質量%が好ましい。
【0034】
イソシアネート基末端プレポリマーは、使用するモノオールとポリオールの合計の水酸基数に対し、イソシアネート基数が過剰となるように、ポリイソシアネート(A)を反応させて製造できる。この際、イソシアネート基/水酸基(モル比)は2〜10が好ましい。2未満では生成したプレポリマー中の片末端イソシアネートが多くなり、次いでポリオール等と反応させてもエラストマーの分子量が充分に大きくならず物性上好ましくない。またプレポリマーの粘度も高く作業性が悪く、プレポリマーのイソシアネート基含有量が低くなり過ぎて、反応性も低くなり好ましくない。10を超えるとプレポリマーのイソシアネート基含有量が高くなり、エラストマー製造時のプレポリマーのポリオール等との配合比率が極端に小さくなるので好ましくない。またポリイソシアネート(A)中の未反応成分が多くなり、作業性が悪くなる。
【0035】
本発明におけるウレタンエラストマーは、得られたイソシアネート基末端プレポリマーに、さらに、ポリオール(B)、モノオール(C)、および任意に他の活性水素化合物(D)を反応させることによって得られることが好ましい。反応の際、各種添加剤を存在させてもよい。
【0036】
ウレタンエラストマーは、イソシアネート基末端プレポリマー等の原料を混合し、脱泡して所定金型に注液して所定温度で所定時間硬化することにより得られる。反応温度は、金型の温度、反応性により決められるが、通常50〜130℃の範囲で行い、反応硬化時間が5分間〜1時間になるように触媒等により反応性を調整することが好ましい。
【0037】
ウレタンエラストマーの全原料中の全イソシアネート基(NCO基)と全水酸基(OH基)とのモル比は0.7〜1.1が好ましい。1.1を超えると残存するイソシアネート基が後反応して硬度が変化するので好ましくない。0.7未満では架橋しにくくウレタンエラストマーの成形が難しくなり好ましくない。
【0038】
使用できる添加剤としては、硬化触媒、充填剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、消泡剤、難燃剤などが挙げられる。
【0039】
硬化触媒としては錫、鉛、チタン等の有機金属化合物が好ましい。特に有機錫化合物が好ましく、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、スタナースオクトエート、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグリコレート等が挙げられる。
【0040】
充填剤としては、各種形状の有機または無機のものがあり、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、けいそう土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、カーボンブラック、これらの脂肪酸、脂肪酸エステル処理物などが挙げられる。
【0041】
顔料には、無機顔料と有機顔料とがあり、無機顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩などを用いることができる。有機顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料などが挙げられる。染料としてはアゾ染料等の有機染料が挙げられる。
【0042】
老化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系などの化合物が挙げられる。酸化防止剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、亜リン酸トリフェニルなどを挙げることができる。
【0043】
難燃剤としては、クロロアルキルホスヘェート、ジメチル・メチルホスフェート、アンモニウムポリフォスフェート、ネオペンチルブロマイドーポリエーテル、臭素化ポリエーテル、臭素・リン化合物などが挙げられる。消泡剤としては、ディスパロンOX−710(楠本化成社製)等が挙げられる。
【0044】
本発明におけるウレタンエラストマーは、実質的に可塑剤と溶剤のいずれをも使用しない。ここでいう可塑剤、溶剤とは、イソシアネート基と反応性を有さない化合物をいい、ポリグライム、環状ポリカーボネート、酢酸オクチル、高沸点溶剤、フタル酸エステル系可塑剤などをいう。本発明では可塑剤、溶剤を使用しないので、ブリードアウトのおそれがない。
【0045】
本発明のウレタンエラストマーからなるマネキン表皮材は、JIS A硬度が20以下であることが好ましい。本発明においては、原料モノオール(C)がポリイソシアネート(A)と反応することにより、ウレタンエラストマー中に、片末端が固定されないポリアルキレン長鎖を生成し、これが樹脂の可塑化の作用を持つために、このような低硬度化が達成できると考えられる。
【0046】
本発明のマネキン表皮材は、低硬度であり、なおかつ好適な柔軟性と弾力性を兼ね備え、可塑剤等のブリードがないウレタンエラストマーからなるので、人肌に近いソフトなマネキン表皮材が得られる。
【0047】
【実施例】
以下本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0048】
(硬度の測定方法)
得られたウレタンエラストマーの硬度はJIS K 6301で規定されるスプリング式硬さ試験機(高分子計器株式会社のDurometer A型およびC型)により測定した「JIS A硬度」および「C硬度」である。
【0049】
(機械物性)
JIS K−7311に準拠して、100%モジュラス(M100)(単位:MPa)、破断強度(単位:MPa)、破断伸び(単位:%)を測定した。
【0050】
(耐熱試験)
得られたウレタンエラストマーのシートを80℃の恒温槽に500時間保存した後、JIS A硬度を測定した。また、表面からのブリードアウトの有無を確認した(ブリード試験)。ブリードなしを○、ブリードありを×とした。
【0051】
モノオールとポリオールは下記のものを使用した。DMCはシアノコバルテート亜鉛−グライム錯体をさす。
モノオール(b1):DMCを用いて製造した分子量3100のポリオキシプロピレンモノオール。
ポリオール(c1):DMCを用いて製造した分子量6200のポリオキシプロピレンジオール。
ポリオール(c2):DMCを用いて製造した分子量12000のポリオキシプロピレントリオール。
ポリオール(c3):DMCを用いて製造した分子量10000のポリオキシエチレンプロピレントリオール。
ポリオール(c4):DMCを用いて製造した分子量10000のポリオキシプロピレンジオール。
【0052】
ポリオール(d1):水酸化カリウムを用いて製造した分子量1000のポリオキシプロピレントリオール。
ポリオール(d2):水酸化カリウムを用いて製造した分子量4000のポリオキシプロピレントリオール。
ポリオール(d3):水酸化カリウムを用いて製造した分子量1500のポリオキシプロピレントリオール。
ポリオール(d4):水酸化カリウムを用いて製造した分子量3000のポリオキシプロピレントリオール。
【0053】
(例1)「プレポリマーの製造例」
撹拌機、滴下ロート、窒素導入管および温度計を取り付けた4ツ口フラスコにデュラネート D−101(旭化成社製、プレポリマー変性ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートと低分子量ジオールの2:1の反応物、イソシアネート基含有量 19.5質量%)300g、モノオール(b1)415g、およびポリオール(c1)205gを仕込み、反応温度100℃で4時間反応させ、イソシアネート基含有量5.6質量%、粘度4250mPa・s/25℃のプレポリマーX1を得た。
【0054】
(例2)「プレポリマーの製造例」
D−101の300g、モノオール(b1)268g、およびポリオール(c1)132gを用い、例1と同様にして、イソシアネート基含有量7.7質量%、粘度2600mPa・s/25℃のプレポリマーX2を得た。
【0055】
(例3)「プレポリマーの製造例」
IPDIの222g、1,4−ブタンジオール47.0g、モノオール(b1)268g、およびポリオール(c1)132gを用い、例1と同様にして、イソシアネート基含有量5.1質量%、粘度4600mPa・s/25℃のプレポリマーX3を得た。
【0056】
(例4)「プレポリマーの製造例」
HDIの8.40g、ポリオール(d4)50.0gを用い、例1と同様にして、イソシアネート基含有量3.6質量%、粘度5800mPa・s/25℃のプレポリマーX4を得た。
【0057】
(例5)「実施例」
プレポリマーX1の92.0gに、モノオール(b1)67.0g、ポリオール(c1)33.0g、ポリオール(c2)65.0g、ポリオール(d1)30.0g、触媒として、ジブチル錫ジラウレート500ppm、消泡剤(楠本化成社製、ディスパロン OX−710)500ppm、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガノックス245)3000ppmを添加し、混合撹拌し、減圧にして脱泡した後、80℃に加熱したシート用金型に注液して、80℃、20分間加熱後、脱型して成形シートを得た。得られたシートの物性を表1に示す。また、得られるウレタンエラストマー中のモノオール(B)の残基の含有量、ポリオール(C)の残基の含有量、その他の活性水素化合物(D)の残基の含有量をあわせて表1に示した。
【0058】
(例6〜14)「実施例および比較例」
表1〜表2の処方を用い、例5と同様にして、成形シートを得た。配合処方、得られたシートの物性および原料の含有量を表1〜表2に示す。例5〜9は実施例であり、例10〜14は比較例である。例14は溶剤(ジグライム)を用いた例であり、溶剤の含有量は樹脂成分からは除いて計算した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
表1〜表2の結果より、本発明のウレタンエラストマーはJIS A硬度が20以下という、低硬度を達成していることがわかる。また、破断伸びに優れており、柔軟性、弾力性に優れていることがわかる。加熱の前後で、硬度変化も少なく、ブリードもほとんどなく、耐熱性に優れることがわかる。例5〜9のウレタンエラストマーをマネキン表皮材に使用したところ、ソフトな感触のマネキン表皮材が得られた。
【0062】
【発明の効果】
本発明のウレタンエラストマーは、好適な柔軟性と弾力性を兼ね備え、可塑剤等のブリードがなく、低硬度であり、人肌に近いソフトなマネキン表皮材として最適である。
Claims (11)
- イソシアネート基末端プレポリマー(X)と、ポリオキシアルキレンモノオール(B)と、ポリオキシアルキレンポリオール(C)と、を反応させて得られるマネキン表皮材用ウレタンエラストマーであって、
前記イソシアネート基末端プレポリマー(X)が、脂肪族または脂環族ポリイソシアネート(A)と、少なくとも活性水素化合物(D)とを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーであり、
前記ポリオキシアルキレンモノオール(B)が、数平均分子量1000〜6000のポリオキシアルキレンモノオールであり、
前記ポリオキシアルキレンポリオール(C)が、数平均分子量4500〜25000、平均官能基数が2〜6のポリオキシアルキレンポリオールであり、
前記活性水素化合物(D)が、数平均分子量62〜1000のジオールまたはトリオールであり、
前記ポリオキシアルキレンモノオール(B)の残基の含有量が樹脂成分中18〜40質量%であり、前記ポリオキシアルキレンポリオール(C)の残基の含有量が樹脂成分中28〜80質量%であり、前記活性水素化合物(D)の残基の含有量が樹脂成分中1.20〜15.4質量%である
ことを特徴とするマネキン表皮材用ウレタンエラストマー。 - 前記活性水素化合物(D)が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、トリメチロールプロパンおよびグリセリンからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のマネキン表皮材用ウレタンエラストマー。
- 溶剤と可塑剤のいずれをも含有しないことを特徴とする請求項1又は2に記載のマネキン表皮材用ウレタンエラストマー。
- モノオール(B)の残基とポリオール(C)の残基の合計含有量が樹脂成分中65〜97質量%であるウレタンエラストマーからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマネキン表皮材用ウレタンエラストマー。
- JIS A硬度が20以下であるウレタンエラストマーからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のマネキン表皮材用ウレタンエラストマー。
- イソシアネート基末端プレポリマー(X)と、
ポリオキシアルキレンモノオール(B)と、および
ポリオキシアルキレンポリオール(C)と
を反応させるマネキン表皮材用ウレタンエラストマーの製造方法であって、
前記イソシアネート基末端プレポリマー(X)が、脂肪族または脂環族ポリイソシアネート(A)と、少なくとも活性水素化合物(D)とを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーであり、
前記ポリオキシアルキレンモノオール(B)が、数平均分子量1000〜6000のポリオキシアルキレンモノオールであり、
前記ポリオキシアルキレンポリオール(C)が、数平均分子量4500〜25000、平均官能基数が2〜6のポリオキシアルキレンポリオールであり、
前記活性水素化合物(D)が、数平均分子量62〜1000のジオールまたはトリオールであり
前記ポリオキシアルキレンモノオール(B)の残基の含有量が樹脂成分中18〜40質量%であり、前記ポリオキシアルキレンポリオール(C)の残基の含有量が樹脂成分中28〜80質量%であり、前記活性水素化合物(D)の残基の含有量が樹脂成分中1.20〜15.4質量%である
ことを特徴とするマネキン表皮材用ウレタンエラストマーの製造方法。 - 前記イソシアネート基末端プレポリマー(X)が、脂肪族または脂環族ポリイソシアネート(A)と、ポリオキシアルキレンモノオール(B)と、および活性水素化合物(D)とを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーであることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
- イソシアネート基末端プレポリマー(X)が、予め活性水素化合物(D)とポリイソシアネート(A)とを反応させた後、さらにモノオール(B)とを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーであることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
- 前記イソシアネート基末端プレポリマー(X)が、脂肪族または脂環族ポリイソシアネート(A)と、ポリオキシアルキレンモノオール(B)と、ポリオキシアルキレンポリオール(C)と、および活性水素化合物(D)とを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーであることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
- イソシアネート基末端プレポリマー(X)が、予め活性水素化合物(D)とポリイソシアネート(A)とを反応させた後、さらにモノオール(B)およびポリオキシアルキレンポリオール(C)とを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーであることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のマネキン表皮材用ウレタンエラストマーを用いたマネキン表皮材。
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