JP4664471B2 - ポリウレタン系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は可塑化されたポリウレタン系樹脂組成物に関する。更に詳しくは、褥瘡防止用及び身障者用車椅子などの姿勢矯正用パッド、乳房の矯正・補填材、人体の軟組織部の矯正・補填材、人体の擬似モデル、握力回復用のリハビリ器具などに適した可塑化されたポリウレタン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリウレタン系樹脂は、その原料であるポリオールを適宜選択することによって、硬質から軟質までの広範囲のものが得られることから、ポリウレタン系樹脂組成物には、あまり可塑剤は使用されていない。しかし、ポリウレタン系樹脂からなるシーリング材やゲル状体を製造する場合には、ポリウレタン系樹脂組成物に可塑剤が使用される。これらの場合に使用される可塑剤としては、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)などのフタル酸エステル、ジオクチルアジペートなどの脂肪酸エステル、あるいはフタル酸ジイソデシル及びフタル酸ジウンデシル(特開平10−204283号公報参照)などが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレートなどのフタル酸エステル、及びジオクチルアジペートなどの可塑剤は、環境ホルモン物質であるという理由から、使用することは望ましくないとされている。また、フタル酸ジイソデシル及びフタル酸ジウンデシルも、環境ホルモン物質と類似の化合物であるため、上記可塑剤と同様に使用することは望ましくない。
そこで、本発明は、生分解性に優れ、環境を汚染することがなく、ポリウレタン系樹脂との相溶性に優れ、ポリウレタン系樹脂硬化物からのブリードアウトや、経時的に該硬化物の柔軟性の低下を起こさない可塑剤を含むポリウレタン系樹脂組成物の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の化学構造をもつグリセリントリエステル化合物は、環境への影響がなく、ポリウレタン系樹脂との相溶性に優れ、ポリウレタン系樹脂硬化物からの可塑剤のブリードアウトや、経時的に該硬化物の柔軟性の低下を起こさないことを見い出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記一般式(I)のグリセリントリエステル化合物を含有することを特徴とするポリウレタン系樹脂組成物である。
R1COOCH2CH(OCOR2)CH2OCOR3 (I)
(式中、R1、R2、R3は、それぞれ炭素数1〜24の1価の飽和脂肪族カルボン酸残基、不飽和脂肪族カルボン酸残基、又は芳香族カルボン酸残基を表す。)
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明のポリウレタン系樹脂組成物は、下記一般式(I)で示されるグリセリントリエステル化合物からなる可塑剤を含有することを特徴とする。
R1COOCH2CH(OCOR2)CH2OCOR3 (I)
本発明のポリウレタン系樹脂組成物に含有される上記可塑剤は、(I)で示される構造を有することにより、生分解性に優れ、環境への影響がなく、ポリウレタン系樹脂との相溶性に優れ、ポリウレタン系樹脂硬化物からの可塑剤のブリードアウトや、経時的に該硬化物の柔軟性の低下を起こさないという優れた効果を奏する。
【0006】
上記一般式(I)において、R1、R2、R3は、それぞれ炭素数1〜24の1価の飽和脂肪族カルボン酸残基、不飽和脂肪族カルボン酸残基、又は芳香族カルボン酸残基である。
炭素数1〜24の飽和脂肪族カルボン酸残基としては、酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、イソオクチル酸、デカン酸、ラウリン酸などからカルボキシル基を除いたカルボン酸残基、不飽和脂肪族カルボン酸残基としてはオレイン酸、リシノレイン酸、リシノール酸などからカルボキシル基を除いたカルボン酸残基、芳香族カルボン酸残基としては安息香酸、ヒドロキシ安息香酸などからカルボキシル基を除いたカルボン酸残基が挙げられる。
本発明のポリウレタン系樹脂組成物に含有する可塑剤で好ましいものは、炭素数1〜3の脂肪族カルボン酸残基と、炭素数8〜18の脂肪族カルボン酸残基からなるグリセリントリエステル化合物であり、特に好ましくは酢酸残基とラウリン酸、オレイン酸又はリシノール酸の残基からなるグリセリントリエステル化合物である。なお、R1、R2、R3は、それぞれ同一のものであっても、異なるものであってもよい。
【0007】
本発明のポリウレタン系樹脂組成物に含有する可塑剤である上記グリセリントリエステル化合物の具体例としては、トリアセチルグリセリン、グリセリントリプロピオネート、ジアセチルグリセリンヘキサノエート、アセチルグリセリンジヘキサノエート、ジプロピオニルグリセリンヘキサノエート、プロピオニルグリセリンジヘキサノエート、ジアセチルグリセリンラウレート、アセチルグリセリンジラウレート、ジプロピオニルグリセリンラウレート、プロピオニルグリセリンジラウレート、ジアセチルグリセリンオレート、アセチルグリセリンジオレート、ジアセチルグリセリンリシノレート、アセチルグリセリンジリシノレート、ジアセチルグリセリンミリステート、アセチルグリセリンジミリステート、ジプロピオニルグリセリンミリステート、プロピオニルグリセリンジミリステートなどが挙げられる。この中でも、特に、ジアセチルグリセリンラウレート、ジアセチルグリセリンミリステートが好ましい。
また、上記グリセリントリエステル化合物は、ポリウレタン系樹脂硬化物の使用温度を考慮すると、その凝固点が0℃以下であるものがよい。
【0008】
本発明のポリウレタン系樹脂組成物は、上記可塑剤を含む限り、1液型のポリウレタン系樹脂組成物、あるいは2液型のポリウレタン系樹脂組成物のいずれであってもよい。ここでいう1液型のポリウレタン系樹脂組成物とは、ウレタンプレポリマーの末端イソシアネート基が成形後に大気中の水分との反応により硬化させるものであり、2液型のポリウレタン系樹脂組成物とは、成形時にポリイソシアネート又はイソシアネート基を有するプレポリマーを含む成分と、ポリオール類を含む成分とを混合して硬化させるものである。
したがって、本発明のポリウレタン系樹脂組成物は、通常、1液型の場合、ポリイソシアネートとポリオールから合成される末端イソシアネート基含有プレポリマー、一般式(I)で表される可塑剤、硬化促進触媒などからなり、また、2液型の場合、ポリイソシアネート又はポリイソシアネートとポリオールから合成される末端イソシアネート基含有プレポリマーを主成分とするポリイソシアネート成分、一般式(1)で表される可塑剤、ポリオール成分、硬化促進触媒などからなる。
【0009】
本発明のポリウレタン系樹脂組成物において、使用されるポリイソシアネートは、従来からポリウレタン系樹脂の製造に使用されているものでよい。このようなポリイソシアネートとしては、炭素数(イソシアネート基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)及びこれらの2種以上の混合物が含まれる。
【0010】
上記芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4′−及び/又は4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4′−ジイソシアナトビフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジイソシアナトビフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジイソシアナトジフェニルメタン、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば5〜20重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリールポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′,4″−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
【0011】
上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
【0012】
上記脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0013】
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m−及び/又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
上記ポリイソシアネートの変性物の具体例としては、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDI及びこれらの2種以上の混合物[例えば、変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]などが挙げられる。
【0014】
本発明のポリウレタン系樹脂組成物において、末端イソシアネート基含有プレポリマーは、通常、ポリオールと過剰の上記ポリイソシアネートを反応させることにより得られる。
これらポリオールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの活性水素を有する化合物に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランなどの1種又は2種以上付加(2種以上付加する場合の重合形式はランダムでもブロックでもよい)した化合物が挙げられる。これらのうち、特にグリセリン、ヘキサントリオールなどから誘導される3官能ポリオールが、ネットポリマー形成の点から好ましい。
更に上記ポリイソシアネート成分には、必要に応じて、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、水添ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコール類を加えてもよい。
また、上記ポリオールは、それ単独で本発明のポリウレタン系樹脂組成物におけるポリオール成分としても使用される。
【0015】
本発明のポリウレタン系樹脂組成物において、一般式(I)で示されるグリセリントリエステル化合物の量は、ポリウレタン系樹脂組成物に対して、通常10〜95重量%、好ましくは15〜90重量%、更に好ましくは30〜90重量%である。グリセリントリエステル化合物の量が10重量%未満では、ポリウレタン系樹脂硬化物の柔軟性が十分でなく、95重量%を超えると、ポリウレタン系樹脂の物性が悪くなる。また、本発明のポリウレタン系樹脂組成物に配合されるその他の成分の量は、目的に応じて適宜設定すればよい。
【0016】
本発明のポリウレタン系樹脂組成物には、一般式(I)で示されるグリセリントリエステル化合物に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で従来から使用されている可塑剤を併用することもできる。これらの可塑剤の例としては、エステル系可塑剤[ジブチルフタレート,ジオクチルフタレート,ジオクチルアジペート,ポリエチレングリコール(分子量:200)ジアジペート等]、燐酸エステル系可塑剤[トリエチルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート]、石油樹脂系可塑剤が挙げられる。
【0017】
本発明のポリウレタン系樹脂組成物を構成する硬化促進触媒としては、金属触媒、例えば、錫系触媒[トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチルチンマレエートなど]、鉛系触媒[オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛、オクテン酸鉛など]、その他の金属触媒[ナフテン酸コバルトなどのナフテン酸金属塩、フェニル水銀プロピオン酸塩など]、及びアミン系触媒、例えば、トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキシレンジアミン、N−置換イミダゾール類[1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾールなど]、ジアザビシクロアルケン類[1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7〔DBU(サンアプロ社製,商品名)〕など]の炭酸塩及び有機酸塩(2−エチルヘキサン酸塩など)など、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジモルホリノジエチルエーテル類[ジモルホリノジエチルエーテル、ビス(2,6−ジメチルモルホリノ)ジエチルエーテルなど]及びこれらの2種以上の併用系が挙げられる。
【0018】
本発明のポリウレタン系樹脂組成物には、必要により、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤などの安定剤、溶剤、着色剤(染料、顔料)、難燃剤、殺菌剤などの各種添加剤を配合することができる。
該充填剤の例としては、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、シリカ、カ―ボンブラック、酸化亜鉛、酸化カルシウム、二酸化鉛、酸化チタン、珪藻土、ガラス繊維及びその破砕物(カットガラス、ミルドガラス、ガラスフレ―クなど)、タルク、マイカなどが挙げられる。
該酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[イルガノックス1010(商品名、日本チバガイギー社製)など]、ヒンダードアミン系酸化防止剤[サノールLS770(商品名、日本チバガイギー社製)]が挙げられる。
該紫外線吸収剤の例としては、トリアゾール系紫外線吸収剤[チヌビン320(商品名、日本チバガイギー社製)など]、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤[サイアソーブUV9(商品名、サイアナミド社製)など]が挙げられる。
【0019】
本発明のウレタン系樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、1液型の場合、末端イソシアネート基含有プレポリマー、可塑剤、充填剤、及びその他の添加剤を減圧下で十分に混練した後、ジモルホリノジエチルエーテル類の硬化促進触媒を加えて、減圧下で更に十分混練するのがよい。なお、その際、該硬化促進触媒をトルエンなどの溶媒に溶解しておいてもよい。2液型の場合は、ポリオール、充填剤、可塑剤、硬化促進触媒及びその他の添加剤を十分に混合したポリオール成分と、ポリイソシアネート成分を成形前に混合することによって得られる。
【0020】
本発明のウレタン系樹脂組成物は、多くの用途を有しており、例えば、褥瘡防止用及び身障者用車椅子などの姿勢矯正用パッド、乳房の矯正・補填材、人体の軟組織部の矯正・補填材、人体の擬似モデル、握力回復用のリハビリ器具などとしての用途が挙げられる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0022】
(実施例1)
可塑剤としてリケマールPL−012(ジアセチルグリセリンモノラウレート、商品名、理研ビタミン社製、ヒドロキシル価=6.2)696重量部、三官能ポリエーテルポリオール:サンニックスKC−209(商品名、三洋化成工業社製、エチレンオキサイドを分子量の15重量%となるようにキャップしたポリプロピレントリオール、ヒドロキシル価=33.0)300重量部、ウレタン触媒:U−CAT2030(商品名、サンアプロ社製)2重量部、消泡剤:BYK−A526(商品名、ビックケミージャパン社製)1重量部、酸化防止剤:イルガノックス1010(商品名、日本チバガイギー社製)1重量部を混合容器に入れ混合した後、100℃、10mmHgの減圧下で脱水し、水分を0.03重量%以下として、ポリオール(ヒドロキシル価=14.2、20℃の粘度が203mPa・s)を得た。なお、リケマールPL−012の相溶性は良好であった。
このポリオール200重量部に、ポリイソシアネート:ルプラネートMI(商品名、BASF社製)4.43重量部を加えて混合し、ポリウレタン系樹脂組成物を作製した。
そして、この樹脂組成物を激しく混合した後、減圧脱泡して直径75mmの型に4cmの高さまで流し込み、60℃で2時間硬化し、更に室温で7日間放置してポリウレタン系樹脂硬化物を得た。該硬化物のF硬度は12であった。
【0023】
(実施例2〜4)
ルプラネートMI(同前)の量を、4.11重量部(実施例2)、4.75重量部(実施例3)、5.06重量部(実施例4)に代えた以外は、実施例1と同様の条件、方法により、それぞれポリウレタン系樹脂硬化物を得た。該硬化物のF硬度は、順に5,25,40であった。なお、リケマールPL−012の相溶性は良好であった。
【0024】
(実施例5)
リケマールPL−012(同前)686.4重量部、U−CAT2030(同前)2重量部、BYK−A526(同前)1重量部、イルガノックス1010(同前)1重量部を反応容器に入れ、100℃、10mmHgの減圧下で脱水し、水分を0.03%以下とした。次いで、80℃に冷却し、ルプラネートMI(同前)を10重量部反応容器に投入し、80±5℃で3時間反応させた後、サンニックスKC−209(同前)300重量部を加え、100℃、10mmHgの減圧下で脱水し、水分を0.03%以下とし、ポリオール(ヒドロキシル価=10.6、20℃の粘度が168mPa・s)を得た。なお、リケマールPL−012の相溶性は良好であった。
このポリオール200重量部に、ルプラネートMI(同前)3.46重量部を加え激しく混合した後、減圧脱泡して直径75mmの型に4cmの高さまで流し込み、60℃で2時間硬化し、更に室温で7日放置してポリウレタン系樹脂硬化物を得た。該硬化物のF硬度は15であった。
【0025】
(実施例6)
リケマールPL−012(同前)686重量部、U−CAT2030(同前)2重量部、BYK−A526(同前)1重量部、イルガノックス1010(同前)1重量部を反応容器に入れ、100℃、10mmHgの減圧下で脱水し、水分を0.03%以下とした。次いで、80℃に冷却し、ルプラネートMI(同前)を10重量部反応容器に投入し、80±5℃で3時間反応させて、変性可塑剤を得た。この変性可塑剤100重量部にサンニックスKC−209(同前)150重量部を加え、100℃、10mmHgの減圧下で脱水し、水分を0.03%以下とし、ポリオールC(ヒドロキシル価=19.8)を得た。
また、上記変性可塑剤250重量部にルプラネートMI(同前)9重量部を加えて良く混合し、イソシアネート成分を得た。
ポリオールC100重量部にイソシアネート成分100重量部を加え、激しく混合し実施例1と同様にしてポリウレタン系樹脂硬化物を得た。該硬化物のF硬度は14であった。
【0026】
(比較例1)
リケマールPL−012(同前)の代わりに、流動性パラフィン(炭素数12〜14)を用いた以外は、実施例1と同様の条件、方法によりポリウレタン系樹脂組成物を作製し、ポリウレタン系樹脂硬化物を得た。該硬化物は流動性パラフィンが表面に分離していた。
【0027】
(比較例2)
リケマールPL−012(同前)の代わりに、ラウリン酸プロピレンオキシド12モル付加体のアセチル化物とした以外は、実施例5と同様の条件、方法により、ポリウレタン系樹脂硬化物を得た。該硬化物のF硬度は17であった。
【0028】
(比較例3)
リケマールPL−012(同前)の代わりに、サンサイザーDINP(商品名、新日本理化社製、ジイソノニルフタレート)とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりポリウレタン系樹脂硬化物を得た。該硬化物のF硬度は16であった。
【0029】
実施例1〜6、比較例1〜3のポリウレタン系樹脂硬化物について、ブリードアウト性の評価を行った。その結果をF硬度と共に表1に示した。なお、F硬度の測定及びブリードアウト性の評価は以下の方法で行った。
(1)F硬度
ポリウレタン系樹脂硬化物を脱型後、室温に7日間放置し、20〜25℃でF硬度計(高分子計器社製)を用いて硬度を測定した。
(2)ブリードアウト性
F硬度測定に使用したポリウレタン系樹脂硬化物を室温に3ヶ月間放置後、該硬化物表面の状態を目視で観察し、指で触って液の染み出しを調べ、下記基準で判定した。
○:外観、指触ともに変化なし
△:外観に変化なし、指に液状のものがつく
×:外観で液体が認められる
【0030】
【表1】
【0031】
(評価)
表1の結果からわかるように、実施例に係るポリウレタン系樹脂硬化物は、ブリードアウト発生がなく、低硬度の硬化物が得られた。
【0032】
【発明の効果】
本発明のポリウレタン系樹脂組成物は、生分解性に優れ、環境に影響を与えることがなく、ポリウレタン系樹脂との相溶性に優れ、該樹脂硬化物からのブリードアウトや、経時的に該硬化物の柔軟性の低下を起こさない可塑剤を使用しているので、特に褥瘡防止用及び身障者用車椅子などの姿勢矯正用パッド、乳房の矯正・補填材、人体の軟組織部の矯正・補填材、人体の擬似モデル、握力回復用のリハビリ器具などの製造に極めて有用である。
Claims (1)
- 下記一般式(I)のグリセリントリエステル化合物を含有する、褥瘡防止用パッド、姿勢矯正用パッド、又は人体の軟組織部の矯正・補填材に用いるポリウレタン系樹脂組成物。
R1COOCH2CH(OCOR2)CH2OCOR3 (I)
(式中、R1、R2、R3は、それぞれ炭素数1〜24の1価の飽和脂肪族カルボン酸残基、不飽和脂肪族カルボン酸残基、又は芳香族カルボン酸残基を表す。)
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JP2000161442A (ja) * | 1998-09-25 | 2000-06-16 | Bando Chem Ind Ltd | 伝動ベルト |
JP2001155542A (ja) * | 1999-11-26 | 2001-06-08 | Fuji Photo Film Co Ltd | 導電性組成物、転写用導電性フィルム、およびパターン化された導電層の形成方法 |
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