JPH05295073A - ポリウレタン系硬化性組成物 - Google Patents

ポリウレタン系硬化性組成物

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JPH05295073A
JPH05295073A JP4121426A JP12142692A JPH05295073A JP H05295073 A JPH05295073 A JP H05295073A JP 4121426 A JP4121426 A JP 4121426A JP 12142692 A JP12142692 A JP 12142692A JP H05295073 A JPH05295073 A JP H05295073A
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崇 渡部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリウレタンプレポリマーと希釈剤からなる硬
化性組成物を製造する。 【構成】水酸基価Xが4≦X≦13、総不飽和度YがY
≦0.035であり、かつX、YがY≦0.9/(X−
10)を満たす、モノオールあるいはその誘導体から選
ばれる希釈剤を、イソシアネート基末端ポリウレタンプ
レポリマー100重量部に対し30〜40重量部添加混
合した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は常温にて硬化し、低モジ
ュラス高伸度の硬化物を与える、シーリング材、防水材
として好適な硬化性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】末端にイソシアネート基を有するポリウ
レタンプレポリマーは、それ単独で大気中の水分と反応
し硬化する一液型組成物と活性水素化合物と混合する事
により硬化する二液型組成物に用いられている。
【0003】これら一液ないし二液型の硬化性組成物
は、シーリング材、防水材、床材等の建築材料や土木材
料等の分野で幅広く利用されている。近年、建築、土木
様式の多様化に伴い、より柔軟で高伸度のシーリング
材、防水材が求められている。また、これら硬化性組成
物の可塑剤や粘度低化剤として低分子量の化合物が用い
られてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ポリウレタン系硬化性
組成物において、従来用いられてきた希釈剤の中で、最
も一般的なものは、DOP(ジオクチルフタレート)、
DOA(ジオクチルアジペート)などであるが、組成物
の移行性、汚染性に問題があった。
【0005】また、希釈剤として分子量400〜300
0の高分子量体を使用する例(特開昭59−10955
3号公報)も報告されているが、低分子量の副生物が多
く含まれる系では、高温になると移行性に問題があっ
た。
【0006】すなわち、硬化性組成物のあらゆる使用温
度条件、すなわち、低温、常温あるいは高温のいずれ温
度の条件を考慮した場合にも満足し得る希釈剤は存在し
なかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の問題
点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の構造の希
釈剤を用いることにより、耐移行性に優れたウレタン弾
性硬化性組成物を得ることができることを見いだした。
【0008】すなわち、本発明は、水酸基価X(mgK
OH/g)が1≦X≦200、総不飽和度Y(meq/
g)がY≦0.07であり、かつX、Yが下記不等式
(1)を満たす、モノオールあるいはジオールからなる
水酸基含有ポリエーテル、及びその水酸基含有ポリエー
テルの誘導体から選ばれる希釈剤をイソシアネート基末
端ポリウレタンプレポリマー100重量部に対し、1〜
200重量部含有することを特徴とするポリウレタン系
硬化性組成物である。 Y≦0.9/(X−10)・・・(1)
【0009】本発明において希釈剤として使用される、
水酸基価X(mgKOH/g)が1≦X≦200であ
り、総不飽和度Y(meq/g)がY≦0.07であ
り、かつX、Yが下記不等式(1)を満たす、モノオー
ルあるいはジオールからなる水酸基含有ポリエーテルは
ジエチル亜鉛,塩化鉄,金属ポルフィリン,複合金属シ
アン化物錯体等を触媒に用いる事によって得る事ができ
る。通常のKOH等のアルカリ触媒の場合には特に高分
子量体において不飽和度が高くなり適切ではない。好ま
しくは、複合金属シアン化物錯体触媒が使用される。
【0010】シアン化コバルト亜鉛−グライム等の複合
金属シアン化物錯体をポリオキシアルキレンポリオール
を製造するための触媒として使用することは公知であ
る。この複合金属シアン化物錯体触媒は、例えばEP2
83148、USP3278457、USP32784
58、USP3278459明細書などに記載されてい
る。
【0011】本発明における希釈剤は、上記の触媒の存
在下、イニシエーターにアルキレンオキシドを反応させ
て製造されるモノオールあるいはジオール、並びにその
水酸基含有ポリエーテルの誘導体である。
【0012】本発明の希釈剤としては具体的には下記の
一般式(2) 〜 (5)で示されるような化合物が挙げられ
る。 R1-(A-O)m-H ・・・・ (2) R2-(O-A)m-OP・・・・ (3) Q-(O-A)n-R3-(A-O)m-P・・・・・ (4) Q-(O-A)n-OR4O-(A-O)m-P・・・・ (5) (R1 は1価のアルキルアミノ基、またはアリールアミ
ノ基、R2 は1価の炭化水素基、R3 は2価のアルキル
アミノ基、またはアリールアミノ基、R4 は2価の炭化
水素基、Pは水素基、アシル基、アルキル基、アルキル
アミノカルボニル基、及びフェニルアミノカルボニル基
から選ばれる官能基、Qはアシル基、アルキル基、アル
キルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基
から選ばれる官能基、Aはエチレン基、プロピレン基、
ブチレン基から選ばれる単独または2種以上、m,nは
1以上の整数。)
【0013】1価あるいは2価のイニシエーターに反応
させるアルキレンオキシドとしてはエチレンオキシド、
プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,
3−ブチレンオキシドである。
【0014】イニシエーターとしては、モノまたはジヒ
ドロキシ化合物、アミン化合物、ジアミン化合物、及び
これらに比較的少量のアルキレンオキシドを反応させて
得られる目的物よりも低分子量のポリオキシアルキレン
ポリオールがある。
【0015】好ましくは、モノ及びジアルコール、モノ
及びジフェノール、モノ及びジアミン及びこれらに比較
的少量のアルキレンオキシドを反応させて得られる目的
物よりも低分子量のポリオキシアルキレンポリオールで
ある。
【0016】具体的には、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、ブタンジオール、及びこれらにプロ
ピレンオキシドを反応して得られるポリオキシプロピレ
ンポリオールがある。これらイニシエーターは2種以上
使用することもできる。
【0017】希釈剤の分子量は1000〜50000、
特に1000〜15000が好ましく、25℃での粘度
は100〜20000cps、特に、500〜5000
cpsが好ましい。
【0018】本発明の希釈剤の末端は水酸基のままでも
よく、あるいは末端を変換してもよい。末端水酸基を変
換する場合、末端水酸基を、アシル化、アルキルアミノ
カルボニル化、フェニルアミノカルボニル化したり、ア
ルコキシド化したりすることが好ましい。
【0019】一液型硬化性組成物において通常、水や低
分子量のポリオール、モノオール、ジアミンなどの活性
水素基を有する低分子量化合物を使用する。これら低分
子量化合物は反応性が高く、イソシアネート基末端ポリ
ウレタンプレポリマーの硬化剤としてはたらく。
【0020】本発明における希釈剤は高分子量であり、
硬化剤として使用されるような低分子量化合物などと比
べて、反応性が極めて低いものである。したがって、活
性水素基を有していても、配合組成物の保存安定性は、
問題とはならない。硬化剤による硬化性組成物の硬化反
応の際、硬化剤に比べて、ゆっくり反応が起こると考え
られる。
【0021】本発明におけるイソシアネート基末端ポリ
ウレタンプレポリマーはポリオキシアルキレンポリオー
ルと種々の有機のポリイソシアネート化合物をポリイソ
シアネート化合物過剰の条件で反応させる事によって得
られる。
【0022】ポリオキシアルキレンポリオールは触媒の
存在下、イニシエーターにアルキレンオキシドを付加さ
せて得られるポリオキシアルキレンポリオールが主とし
て使用されることが好ましい。また、複合金属シアン化
物錯体触媒などを使用して製造される総不飽和度が本発
明の希釈剤の範囲と同様の低不飽和度のポリオキシアル
キレンポリオールを使用することも可能である。
【0023】ポリウレタンプレポリマーは、n個の水酸
基を有するポリオキシアルキレンポリオール1モルに
0.6n〜nモルのポリイソシアネート化合物を反応さ
せて得られるイソシアネート基含有ポリウレタンプレポ
リマーが好ましい。
【0024】なお、ポリイソシアネート化合物の使用量
は未反応物が残る量であってもよく、またその未反応物
の量が多すぎる場合は反応終了後未反応ポリイソシアネ
ート化合物を除去することもできる。得られるイソシア
ネート基含有ポリウレタンプレポリマーのイソシアネー
ト基含有は0.1〜5重量%が好ましい。
【0025】有機ポリイソシアネート化合物としてはイ
ソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系ある
いは脂肪族系のポリイソシアネート、それら2種類以上
の混合物、及びそれらを変成して得られる変成ポリイソ
シアネートがある。
【0026】具体的にはたとえばトリレンジイソシアネ
ート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート
(通称クルードMDI )、キシリレンジイソシアネート
(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)など
のポリイソシアネートやそれらのプレポリマー変性体、
ヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体
などが挙げられる。
【0027】本発明のポリウレタン系硬化性組成物は、
上記ポリウレタンプレポリマー単独を硬化成分とする水
分硬化性の一液型硬化性組成物と、硬化剤としてポリオ
キシアルキレンポリオール等を用いる二液型硬化性組成
物に分けることができる。
【0028】本発明の希釈剤は、ポリウレタンプレポリ
マー100重量部に対し1〜200重量部含有されるこ
とが必要である。
【0029】硬化反応にあたっては、硬化促進触媒を使
用してもしなくてもよい。硬化促進触媒としてはアルキ
ルチタン酸塩、有機珪素チタン酸塩、オクチル酸錫及び
ジブチル錫ジラウレート等のごときカルボン酸の金属
塩、ジブチルアミン−2−エチルヘキソエート等の如き
アミン塩並びに他の酸性触媒及び塩基性触媒を使用し得
る。また安定剤や劣化防止剤等を併用すれば、更にすぐ
れた耐候性や耐熱性を付与し得る。本発明の組成物には
更に必要であれば補強剤、充填剤、可塑剤、顔料、タレ
止め剤などを含ませてもよい。
【0030】補強剤としてはカーボンブラック、微粉末
シリカなどが、充填剤としては炭酸カルシウム、タル
ク、クレイ、シリカなどが、可塑剤としてはジオクチル
フタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルアジペー
ト、塩素化パラフィン及び石油系可塑剤などが、顔料に
は酸化鉄、酸化クロム、酸化チタンなどの無機顔料及び
フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの
有機顔料が、タレ止め剤として有機酸処理炭酸カルシウ
ム、水添ひまし油、ステアリン酸アルミニウム、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、微粉末シリカな
どがあげられる。
【0031】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例にのみに限定されるもので
はない。
【0032】下記のポリオキシアルキレンポリオール及
び、希釈剤を用いて本発明における硬化性組成物を製造
した。
【0033】ポリオールA:グリセリンにプロピレンオ
キシドを付加させた分子量10000、総不飽和度0.
031のポリオキシプロピレントリオール ポリオールB:ペンタエリスリトールにプロピレンオキ
シドを付加させた分子量13000、総不飽和度0.0
25のポリオキシプロピレンテトラオール
【0034】希釈剤C:n−ブタノールに、ヘキサシア
ノコバルト亜鉛錯体触媒を用いてプロピレンオキシドを
付加して得られた分子量4500、水酸基価12.4、
総不飽和度0.03、粘度2000cpsのポリオキシ
プロピレンモノオールを酢酸と反応させて得られる化合
物 希釈剤D:n−ブタノールに、ヘキサシアノコバルト亜
鉛錯体触媒を用いてプロピレンオキシドを付加して得ら
れた分子量6000、水酸基価4.35、総不飽和度
0.035、粘度2800cpsのポリオキシプロピレ
ンモノオール 希釈剤E:n−ブタノールに、水酸化カリウムを触媒と
してプロピレンオキシドを付加して得られる分子量20
00、総不飽和度0.14のポリオキシプロピレンモノ
オール
【0035】(実施例1)ポリオールAとMDIの混合
物を、反応容器中で80℃で15時間反応を行い、遊離
イソシアネート含量1.6重量%のポリウレタンプレポ
リマーを得た。このプレポリマーからなる主剤100重
量部に対して希釈剤Cを40重量部、樹脂酸処理炭酸カ
ルシウム50重量部、酸化チタン10重量部を加え、ニ
ーダーにて、均一混合して均質な一液型ポリウレタン系
硬化性組成物を得た。
【0036】上記組成物を2mm厚のシート状に成型
し、20℃、55%RHにて10日間養生し、硬化させ
た後、このシートの引張物性[M50(kg/cm2 )、
E(%)]を測定した。また、次の方法により硬化特性
を調べた。指触による触感法によりタック性を評価し
た。屋外暴露試験を3か月間行い、変色や汚れの付着程
度により耐汚染性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0037】(実施例2)ポリオールBとMDIの混合
物を、反応容器中で80℃で15時間反応を行い、遊離
イソシアネート含量2.2重量%のポリウレタンプレポ
リマーを得た。このプレポリマーからなる主剤100重
量部に対して希釈剤Dを30重量部、樹脂酸処理炭酸カ
ルシウム50重量部、酸化チタン10重量部を加え、ニ
ーダーにて、均一混合して均質な一液型ポリウレタン系
硬化性組成物を得た。
【0038】上記組成物を2mm厚のシート状に成型
し、実施例1と同様に硬化させた後、このシートの物性
を測定した。この物性並びに硬化特性を表1に示す。
【0039】(比較例1)希釈剤Cを40重量部用いる
かわりにDOPを30重量部用いた以外は実施例1と同
様にしてシートを作成した。シートの物性並びに硬化特
性を表1に示す。
【0040】(比較例2)希釈剤Dを30重量部用いる
かわりにポリエーテル化合物Eを30重量部用いた以外
は実施例2と同様にしてシートを作成した。シートの物
性並びに硬化特性を表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明における希釈剤が添加された硬化
性組成物はあらゆる温度条件においても使用でき、また
希釈剤のプレポリマーに対する反応性が低いので、硬化
性組成物の保存安定性がよいという効果を奏するもので
ある。
フロントページの続き (72)発明者 小沢 茂幸 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸基価X(mgKOH/g)が1≦X≦
    200、総不飽和度Y(meq/g)がY≦0.07で
    あり、かつX、Yが下記不等式(1)を満たす、モノオ
    ールあるいはジオールからなる水酸基含有ポリエーテ
    ル、及びその水酸基含有ポリエーテルの誘導体から選ば
    れる希釈剤をイソシアネート基末端ポリウレタンプレポ
    リマー100重量部に対し、1〜200重量部含有する
    ことを特徴とするポリウレタン系硬化性組成物。 Y≦0.9/(X−10)・・・(1)
  2. 【請求項2】水酸基含有ポリエーテルが複合金属シアン
    化物錯体触媒を使用して製造される化合物である、請求
    項1のポリウレタン系硬化性組成物。
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