JP2001155542A - 導電性組成物、転写用導電性フィルム、およびパターン化された導電層の形成方法 - Google Patents

導電性組成物、転写用導電性フィルム、およびパターン化された導電層の形成方法

Info

Publication number
JP2001155542A
JP2001155542A JP33598699A JP33598699A JP2001155542A JP 2001155542 A JP2001155542 A JP 2001155542A JP 33598699 A JP33598699 A JP 33598699A JP 33598699 A JP33598699 A JP 33598699A JP 2001155542 A JP2001155542 A JP 2001155542A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive layer
group
conductive
transfer
patterned
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33598699A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Tani
善夫 谷
Masayuki Iwasaki
政幸 岩崎
Ken Kawada
憲 河田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP33598699A priority Critical patent/JP2001155542A/ja
Publication of JP2001155542A publication Critical patent/JP2001155542A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に均一かつ微細なパターンの導電層を
形成し得る導電性組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される化合物と、
周期律表8族および1B族元素から選ばれるいずれかの
元素を含む金属材料と、ガラスフリットとを含有する導
電性組成物である。また、下記一般式(2)で表される
化合物と、ガラスフリットとを含有する導電性組成物で
ある。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々のフラットパ
ネルディスプレイの基板作製や電磁波シール用フィルタ
に利用され得る、導電性組成物、転写用導電性フィル
ム、およびパターン化された導電層の形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイ(LCD)、自
己発光型フラットパネルディスプレイ(FED)、プラ
ズマディスプレイ(PDP)等のフラットパネルディス
プレイの発達が目覚ましい。これに伴い、パターン化さ
れた電極層を基板上に、より微細に、より高密度に、且
つより信頼性高く形成する技術に対する要求が高まって
いる。特に、PDPでは、透明電極層のライン抵抗を補
償するために、その上にバス電極が形成されているが、
前記バス電極は、電気抵抗が極めて小さいことが要求さ
れるとともに、プラズマ発光を遮蔽しない様に極めて細
線化したパターンに形成されている必要がある。
【0003】さらに、ディスプレイを取り巻く周辺技術
についても、性能向上の要請が強い。例えば、ディスプ
レイ前面から放射される電磁波をシールドする電磁波シ
ールドフィルタについても、高い電磁波シールド性を有
するとともに、ディスプレイによる表示画像の鮮明性を
低下させないものが望まれている。従来、電磁波シール
ドフィルタは、メッシュ方式のものが知られている。メ
ッシュ方式は、アクリル板の片面に、電磁波をシールド
する機能を有する金属からなるメッシュパターンを形成
したものであり、前記要求に応えるためには、前記メッ
シュパターンは、均一且つ微細である必要がある。
【0004】基板上にパターン化された金属を含有する
導電層を形成する方法としては、金属粒子等の導電性粉
末を含有する導電性組成物を、基板上に塗布して導電層
を形成した後、フォトリソグラフィ等によりパターン化
する方法や、前記導電性組成物を基板上にスクリーン印
刷する方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記導電性組成物を用
いて導電層を形成する場合、該導電層の電気抵抗を低下
させたり、電磁波シールド性を向上させるには、金属粒
子の含有量を増加する必要がある。しかし、金属粒子の
含有量を増加させると、塗布液として用いる場合に、該
塗布液の粘度が向上し、塗布適性が低下して、結果とし
て、均一かつ微細パターンの導電層が形成されない場合
がある。また、通常、導電層に欠陥が発生するのを防止
するため、塗布液中の不純物を濾過等により除去する必
要があるが、塗布液の粘度が向上すると、濾過等に長い
時間を要したり、濾過等が行えない場合があり、生産効
率が低下する。特に、微細なパターンの導電層を形成す
る場合、および導電層の厚みを高い精度で調節する場合
には、粒径の小さい金属粒子を用いるが、かかる場合
に、塗布液の粘度の向上が著しい。
【0006】本発明は前記諸問題に鑑みなされたもので
あって、基板上に均一かつ微細なパターンの導電層を形
成し得る導電性組成物を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、パターン化された導電層を容易に形成し
得る転写用導電性フィルムを提供することを目的とす
る。さらに、本発明は、基板上に均一かつ微細なパター
ンの導電層を形成する方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。 <1> 下記一般式(1)で表される化合物と、周期律
表8族および1B族元素から選ばれるいずれかの元素を
含む金属化合物と、ガラスフリットとを含有する導電性
組成物。
【0008】
【化3】
【0009】前記一般式(1)中、Aはポリオキシエー
エル基、ポリアミノエーテル基、またはポリチオエーテ
ル基を表し、R1は金属元素、水素元素、カルボキシル
基もしくはその塩、アルキル基、シクロアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル
基、または複素環基を表し、Lは炭素−炭素三重結合と
Aとを連結する化学結合、もしくは(k+m)価の基を
表し、kおよびnは各々1以上の整数を表し、mは0以
上の整数を表す。
【0010】<2> 金属化合物が平均粒径1μm以下
の粒子である<1>に記載の導電性組成物。 <3> 下記一般式(2)で表される化合物と、ガラス
フリットとを含有する導電性組成物。
【0011】
【化4】
【0012】前記一般式(2)中、Aはポリオキシエー
エル基、ポリアミノエーテル基、またはポリチオエーテ
ル基を表し、R2は金属元素を表し、Lは炭素−炭素三
重結合とAとを連結する化学結合、もしくは(k+m)
価の基を表し、kおよびnは各々1以上の整数を表し、
mは0以上の整数を表す。
【0013】<4> 光重合性組成物を含有する<1>
から<3>までのいずれかに記載の導電性組成物。 <5> バインダー樹脂と、増粘剤と、可塑剤とを含有
する<1>から<4>までのいずれかに記載の導電性組
成物。 <6> パターン化された導電層の形成用材料である<
1>から<5>までのいずれかに記載の導電性組成物。 <7> プラズマディスプレイの電極層形成用材料であ
る<1>から<5>までのいずれかに記載の導電性組成
物。 <8> 電磁波シールドフィルターの金属メッシュ形成
用材料である<1>から<5>までのいずれかに記載の
導電性組成物。
【0014】<9> 支持体と、少なくとも<1>から
<5>までのいずれかに記載の導電性組成物を含有する
転写用導電層とを有する転写用導電性フィルム。 <10> <9>に記載の転写用導電性フィルムの転写
用導電層を基板上に転写して基板上に導電層を形成する
工程と、該導電層を所定の形状にパターニングする工程
と、前記所定の形状にパターン化された導電層を焼成す
る工程とを有するパターン化された導電層の形成方法。 <11> 少なくとも<1>から<5>までのいずれか
に記載の導電性組成物を含有する塗布液を基板上に塗布
して導電層を形成する工程と、前記導電層を所定の形状
にパターニングする工程と、前記所定の形状にパターン
化された導電層を焼成する工程とを有するパターン化さ
れた導電層の形成方法。 <12> 少なくとも<1>から<5>までのいずれか
に記載の導電性材料を含有する塗布液を支持体上に塗布
して転写用導電層を形成して導電性転写材料を作製する
工程と、前記転写材料の前記転写用導電層を基板上に転
写する工程と、転写した導電層を所定の形状にパターニ
ングする工程と、前記所定の形状にパターン化された導
電層を焼成する工程とを有するパターン化された導電層
の形成方法。 <13> <10>から<12>までのいずれかに記載
の方法によって形成されたパターン化された導電層をメ
ッキ核として、メッキ処理する工程を有するパターン化
された導電層の形成方法。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の導電性組成物の第1の態
様は、前記一般式(1)で表される化合物と、周期律表
8族および1B族元素から選ばれるいずれかの元素を含
む金属化合物と、ガラスフリットとを含有する。また、
本発明の導電性組成物の第2の態様は、前記一般式
(2)で表される化合物とガラスフリットとを含有す
る。以下、各成分について説明する。
【0016】前記一般式(1)、および前記一般式
(2)において、Aはポリオキシエーエル基、ポリアミ
ノエーテル基、またはポリチオエーテル基を表す。A
は、特にポリオキシエーテル基であるのが好ましい。前
記一般式(1)または前記一般式(2)で表される化合
物が、分子中に前記基を有することにより、第1の態様
では金属化合物との混合物として、第2の態様では前記
化合物それ自体として、溶媒等に対する溶解性および/
または分散性が向上する。その結果、塗布適性の良好な
塗布液を調製することができ、均一で且つ微細なパター
ンを有する薄膜を基板上に容易に形成することができ
る。
【0017】また、前記一般式(1)、および前記一般
式(2)において、Aはさらに水酸基、アミノ基、メル
カプト基、スルフィノ基もしくはその塩、スルホ基もし
くはその塩、カルボキシル基もしくはその塩、または重
合性の基で置換されていてもよい。前記重合性の基とし
ては、例えば、グリシジル基、ビニル基、イソシアナー
ト基等が挙げられる。
【0018】前記一般式(1)において、R1は金属元
素、水素元素、カルボキシル基もしくはその塩、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、アラルキル基、または複素環基を表
し、前記一般式(2)において、R2は金属元素を表
す。R1およびR2が表す金属元素としては、水素を除く
1A族(アルカリ元素)、1B族(銅族)、2A族(ア
ルカリ土類元素)、2B族(亜鉛族)、ホウ素を除く3
B族、炭素とケイ素を除く4B族、8族(鉄族および白
金族)、3A族、4A族、5A族、6A族および7A族
に属する元素とアンチモン、ビスマス、ポロニウムが挙
げられる。中でも、R1およびR2は、銀原子または銅原
子であることが好ましい。R1およびR2が各々、銀原子
または銅原子である場合、一般式(1)または一般式
(2)における銀原子あるいは銅原子とアセチレンエチ
ニレン基(炭素−炭素3重結合)との間の結合は、σ結
合でもπ結合であってもよい。
【0019】前記一般式(1)中、R1が表すアルキル
基としては、炭素原子数1〜10のアルキル基が好まし
く、アルキル基は直鎖状であっても分岐していてもよ
い。また、R1が表すシクロアルキル基としては、炭素
原子数5〜6のシクロアルキル基が好ましい。R1が表
すアルケニル基としては、炭素原子数2〜10のアルケ
ニル基が好ましく、アルケニル基は直鎖状であっても分
岐していてもよい。R1が表すアルキニル基としては、
炭素原子数2〜10のアルキニル基が好ましく、アルキ
ニル基は直鎖状であっても分岐していてもよい。R1
表すアリール基しては、炭素原子数6〜10のアリール
基が好ましい。R1が表すアラルキル基としては、炭素
原子数7〜10のアラルキル基が好ましい。R1が表す
複素環基としては、窒素原子、硫黄原子、または酸素原
子等を含む、5〜6員環からなる複素環基が好ましい。
1が表すアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、および
複素環基は各々置換されていてもよく、置換基として
は、水酸基、アセチル基、エポキシ基、カルボキシル
基、スルホン酸基等が挙げられる。
【0020】前記一般式(1)、および前記一般式
(2)において、Lは炭素−炭素三重結合とAを連結す
る化学結合、もしくは(k+m)価の基を表す。例え
ば、Lは、各々置換されていてもよいアルキレン基、ア
リール基、アラルキレン基、ビニレン基、シクロアルキ
レン基、グルタロイル基、フタロイル基、ヒドラゾ基、
ウレイレン基、チオ基、カルボニル基、オキシ基、イミ
ノ基、スルフィニル基、スルホニル基、チオカルボニル
基、オキザリル基、アゾ基等を表す。また、前記いずれ
かの基を2種以上組み合わせた基であってもよい。尚、
Lは、さらに種々の置換基で置換されていてもよく、該
置換基としては、Aの置換基として例示した基が挙げら
れる。
【0021】前記一般式(1)、および前記一般式
(2)において、kおよびlは、各々、1以上の整数を
表す。kは1〜4の整数であるのが好ましく、lは1〜
2の整数であるのが好ましい。また、前記一般式
(1)、および前記一般式(2)において、mは0以上
の整数を表し、中でも、1〜3の整数であるのが好まし
い。
【0022】前記一般式(1)で表される化合物につい
て、以下に、具体例(1)〜(16)を示す。
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】前記一般式(1)で表される化合物(R1
が金属元素である場合を除く)は、炭素−炭素三重結合
(エチニレン基)を有する化合物、例えば、プロピオー
ル酸、臭化プロパギル、プロパギルアルコール等と、そ
の他の必要な官能基を有する化合物、例えば、テトラエ
チレングリコールモノエチルエーテル、マレイン酸無水
物、ブタンサルホン、エピクロルヒドリン、アクリル酸
クロリド等を縮合して合成することができる。尚、前記
一般式(1)で表される化合物の合成法については、そ
の詳細が、特公平7−53777号公報に記載されてい
る。
【0026】一方、前記一般式(2)で表される化合物
(およびR1が金属元素である場合の前記一般式(1)
で表される化合物)は、例えば、下記一般式(3)で表
されるアセチレン化合物と、R2(またはR1)に対応す
る金属元素の塩を公知の方法で反応させることによっ
て、合成することができる。例えば、R2(またはR1
が銀である場合、前記一般式(2)(および(1))で
表される化合物は、水、メタノール等の溶媒中で、硝酸
銀、酢酸銀、もしくは四フッ化ホウ素酸銀等と、前記一
般式(3)で表されるアセチレン化合物とを混合するこ
とによって、容易に得られる。得られる金属アセチリド
は、σ錯体であっても、π錯体であってもよい。前記一
般式(3)で表されるアセチレン化合物の具体例として
は、前記一般式(1)で表される化合物の具体例
((1)〜(16))と同様である。
【0027】
【化7】
【0028】第1の態様の導電性組成物において、一般
式(1)で表される化合物の固形分中の含有量は、20
重量%〜70重量%であるのが好ましく、25重量%〜
50重量%であるのがより好ましい。第2の態様の導電
性組成物において、一般式(2)で表される化合物の含
有量は、50重量%〜99重量%であるのが好ましく、
70重量%〜97重量%であるのがより好ましい。
【0029】第1の態様の導電性組成物は、周期律表8
族および1B族元素から選ばれるいずれかの元素を含む
金属化合物を含有する。周期律表8族元素としては、例
えば、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、
白金等が挙げられ、また1B族元素としては銅、銀、金
が挙げられる。中でも、銀または銅が好ましい。また、
前記元素は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を
併用してもよい。前記金属化合物としては、前記元素を
金属とする金属塩および金属錯体等が挙げられる。前記
金属塩としては、硝酸銀、酢酸銀、四フッ化ホウ素酸
銀、塩化パラジウム、塩化第一銅、塩化白金等が挙げら
れる。前記金属錯体としては、ジ−μ−クロロビス(η
−2−メチルアリル)ジパラジウム(II)錯体、テトラ
キス(トリフェニルホスフィン)パラジウム錯体、ジ−
μ−クロロテトラカルボニルジロジウム(I)錯体、
1,4,7,10,13−ペンタオキシシクロドデカン
・ナトリウムテトラクロルバナジナイト、ジシクロペン
タジエン−金(I)クロリド等が挙げられる。
【0030】前記第1の態様の導電性組成物において
は、前記一般式(1)で表される化合物と、金属塩また
は金属錯体との存在比は、モル比で1:0.5〜1:4
であるのが好ましく、1:1〜1:2であるのがより好
ましい。
【0031】前記第1の態様の導電性組成物において、
前記金属化合物の粒径が小さいと、より均一で且つより
微細なパターンの導電層を容易に作製できるので好まし
い。前記金属化合物は粒径(体積平均粒径)が1μm以
下の粒子であるのが好ましく、粒径が0.7μm以下の
粒子であるのがより好ましい。
【0032】第1および第2の態様の導電性組成物は、
各々ガラスフリットを含有する。ガラスフリットを含有
することによって、基板(ガラス)と導電性組成物とか
らなる導電層との接着性が向上する。ガラスフリット
は、導電層を基板上で焼結する場合は、焼結助剤として
も機能する。さらに、ガラスフリットは、導電層に含有
させることによって、導電層の抵抗を下げる効果も有す
る。前記ガラスフリットとしては、軟化点が350°以
上650°以下の材料を用いるのが好ましい。また、ガ
ラスフリットは、その粒径が小さい程、基板に対する導
電層の接着性が向上するので好ましい。ガラスフリット
の粒径(体積平均粒径)は、0.5μm以上3μm以下
であるのが好ましく、0.5μm以上1.5μm以下で
あるのがより好ましい。
【0033】前記導電性組成物において、ガラスフリッ
トの固形分中の含有量は、1重量%〜20重量%である
のが好ましく、2重量%〜10重量%であるのがより好
ましい。
【0034】第1および第2の態様の導電性組成物は、
さらに、光重合性組成物を含有し、感光性を有している
のが好ましい。前記導電性組成物が感光性を有している
と、導電層のパターン化を容易に実施することができ、
より微細なパターンを高精度に形成することができるの
で好ましい。前記光重合性組成物は、少なくとも重合性
モノマーを含有し、所望により光重合開始剤を含有す
る。前記光重合性モノマーとしては、アクリレート類、
メタリレート類、スチレン類等が挙げられる。前記アク
リル類としては、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリ
レート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアク
リレート、sec−ブチルアクリレート、イソブチルア
クリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペン
チルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアク
リレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリ
エチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロ
ペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレ
ート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデキシルア
クリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアク
リレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシ
エチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレン
グリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリ
レート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルア
クリレート、トリフロロエチルアクリレート、
【0035】アリル化シクロヘキシルジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジアクリレート、エチレングリコールジ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロ
キシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテ
トラアクリレート、グリセロールジアクリレート、メト
キシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、プロピレングリコールジアク
リレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、
トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、アクリルアミド、アミノエチル
アクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチ
ルアクリレート、ベンジルアクリレート、1−ナフチル
アクリレート、2−ナフチルアクリレート、ビスフェノ
ールAジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオ
キサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−
プロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、チオフ
ェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレ
ート等のアクリレート類が挙げられる。
【0036】前記メタクリレート類としては、前記アク
リレート類の分子内のアクリレートの一部もしくはすべ
てをメタクリレートに変えた化合物が挙げられる。前記
スチレン類としては、スチレン、p−メチルスチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチル
スチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルス
チレン等のスチレン類が挙げられる。また、前記スチレ
ン類の芳香環中の水素原子の一部もしくはすべてをハロ
ゲン原子(塩素、臭素原子、ヨウ素、フッ素)で置換し
た化合物も挙げられる。さらに、前記光重合性モノマー
としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、1−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。前
記光重合性モノマーは、1種または2種以上使用するこ
とができる。
【0037】前記光重合開始剤としては、併用する光重
合性モノマーの重合を開始させるラジカル発生剤等を用
いることができる。具体的には、ベンゾフェノン、o−
ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルア
ミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、α−アミノアセトフェノン、4,
4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メ
チルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノ
ン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメ
トキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t
−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2
−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサン
トン、ベンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジ
ル−メトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アント
ラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミル
アントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロ
ン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンア
ントロン、
【0038】4−アジドベンザルアセトフェノン、2,
6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノ
ン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メ
チルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジ
オン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−
フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボ
ニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオ
ン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フ
ェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−
ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−
1−プロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キ
ノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリ
ドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニ
ルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリ
フェニルホルフィン、カンファーキノン、四臭素化炭
素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾインお
よびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素と
アスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の
組合せなどが挙げられる。前記光重合開始剤は、1種ま
たは2種以上を使用することができる。
【0039】前記光重合性組成物が、前記光重合性モノ
マーと光重合開始剤とを含有する場合、前記光重合性モ
ノマーは前記光重合性組成物中に、70重量%〜95重
量%含有させるのが好ましく、前記光重合開始剤は前記
光重合性組成物中に、2重量%〜20重量%含有させる
のが好ましい。さらに、前記光重合性組成物は、第1お
よび第2の態様の導電性組成物中に、3重量%〜15重
量%含有させるのが好ましい。導電性組成物中における
光重合性組成物の含有量が3重量%未満であると、感度
および解像度が低下する傾向があり、15重量%を超え
ると、塗膜が脆くなり、現像欠けが発生する傾向があ
る。
【0040】第1および第2の態様の導電性組成物は、
バインダー樹脂、増粘剤、可塑剤を含有していてもよ
い。前記成分を含有させると、特に、前記導電性組成物
を含有する導電層を有する転写用導電性フィルムを作製
し、該フィルムから基板に導電層を転写する場合に、フ
ィルム支持体と前記導電層との密着性が向上し、且つ基
板への導電層の転写性も向上するので好ましい。前記バ
インダー樹脂としては、例えば、スチレン・ブタジエン
共重合体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ゼラチン、
ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ジアセチルセル
ロース、ポリビニルアセテート、ポリスチレン、ポリウ
レタン、シリコーンポリマー、ポリエーテルポリオー
ル、ポリイミド、ポリビニルエーテル等の各種合成ない
し天然樹脂が挙げられる。
【0041】前記可塑剤は、転写性を向上させることを
目的として添加され、例えば、ジメチルフタレート、ジ
ブチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート等のノ
ルマルアルキルフタレート類;ジ−2−エチルヘキシル
フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジル
フタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタルエ
チルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート
等のフタル酸エステル類;トリ−2−エチルヘキシルト
リメリテート、トリ−n−アルキルトリメリテート、ト
リイソノニルトリメリテート、トリイソデシルトリメリ
テート等のトリメリット酸エステル;ジメチルアジペー
ト、ジブチルアジペート、ジー2−エチルヘキシルアジ
ペート、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコー
ルアジペート、ジー2−エチルヘキシルアゼテート、ジ
メチルセバケート、ジブチルセバケート、ジー2−エチ
ルヘキシルセバケート、ジー2−エチルヘキシルマレー
ト、アセチル−トリ−(2−エチルヘキシル)シトレー
ト、アセチル−トリ−n−ブチルシトレート、アセチル
トリブチルシトレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;
ポリエチレングリコールベンゾエート、トリエチレング
リコール−ジ−(2−エチルヘキソエート)、ポリグリ
コールエーテル等のグリコール誘導体;グリセロールト
リアセテート、グリセロールジアセチルモノラウレート
等のグリセリン誘導体;セバシン酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、フタル酸などからなるポリエステル系;分子
量300〜3,000の低分子量ポリエーテル;同低分
子量ポリ−α−スチレン;同低分子量ポリスチレン;ト
リメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ
ブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフ
ェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシ
レニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェー
ト、キシレニルジフェニルホスフェート、2−エチルヘ
キシルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;
メチルアセチルリシノレート等のリシノール酸エステル
類;ポリ−1,3−ブタンジオールアジペート、エポキ
シ化大豆油等のポリエステル・エポキシ化エステル類、
グリセリントリアセテート、2−エチルヘキシルアセテ
ート等の酢酸エステル類;等が挙げられる。
【0042】前記増粘剤としては、例えばヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン
酸ソーダ、カゼイン、カゼイン酸ソーダ、キサンタンガ
ム、ポリビニルアルコール、ポリエーテルウレタン変性
物、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ル、モンモタロナイト、ステアリン酸アルミニウム、ス
テアリン酸亜鉛、オクチル酸アルミニウム、水添加ひま
し油、ひまし油エステル、脂肪酸アマイド、酸化ポリエ
チレン、デキストリン脂肪酸エステル、ジベンジリデン
ソルビトール、植物油系重合油、表面処理炭酸カルシウ
ム、有機ベントナイト、シリカ、チタニア、ジルコニ
ア、アルミナ等の微粉末等が挙げられる。
【0043】前記バインダー樹脂は、前記導電性組成物
中に、0重量%〜10重量%含有させるのが好ましい。
前記可塑剤は、前記導電性組成物中に、0重量%〜5重
量%含有させるのが好ましい。前記増粘剤は、前記導電
性組成物中に、0重量%〜5重量%含有させるのが好ま
しい。
【0044】その他、第1および第2の態様の導電性組
成物には、所望により、その他の添加物を含有していて
もよい。
【0045】本発明の第1および第2の態様の導電性組
成物は、適当な有機溶媒に分散および/または溶解させ
て、塗布材料として用いることができる。第1および第
2の態様の導電性組成物は、前記一般式(1)および前
記一般式(2)で表される化合物の溶媒との親和性が高
いので、塗布材料の形態とした場合に、塗布性が良好で
ある。また、金属からなる導電性粉末を用いる場合と比
較して、金属の含有量を低下させても、形成される導電
層の抵抗をより低くすることができる。そのため、金属
化合物の含有量を少なくし、導電層の抵抗を低める助剤
として、比較的比重の低いガラスフリットを用いること
ができ、塗布材料の粘度増加をより軽減できる。その結
果、従来、困難または長時間を要していた塗布液の高精
度の濾過が可能となり、生産性を向上させることができ
る。
【0046】第1の態様の導電性組成物においては、塗
布液の調製時に、前記一般式(1)で表される化合物
(R1が金属原子である場合を除く)と前記金属化合物
とを有機溶媒中で混合すると、R1の一部または全部
が、前記金属化合物に含有される金属元素で置換され、
金属アセチリド化合物が生成する。また、R1が金属原
子である場合は、前記一般式(1)で表される金属アセ
チリド化合物が有機溶媒中に存在する。同様に、第2の
態様の導電性組成物においては、前記一般式(2)で表
される金属アセチリド化合物が有機溶媒中に存在する。
【0047】塗布液調製時に用いられる有機溶媒として
は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンのよ
うなケトン類、クロロホルム、塩化メチレンのようなハ
ロゲン化合物、酢酸エチルのようなエステル類、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−
2−ピロリドンのようなアミド類、アセトニトリルのよ
うなニトリル類、ジエチルエーテル、エチルメチルエー
テル等のエーテル類、メトキシエチルアセテート、メト
キシプロピルアセテートの様なアセテート類が挙げられ
る。
【0048】次に、本発明のパターン化された導電層あ
るいは電極層の形成方法の実施形態を、図面を参照して
説明する。図1に、パターン化された導電層の形成方法
の第1の実施形態の概略を示す。まず、基板10の表面
に、塗布液を塗布した後、加熱乾燥して導電層12を形
成する(図1(a))。前記塗布液は、第1および第2
の導電性組成物に、光重合性モノマーおよび光重合開始
剤を含む感光性組成物を添加した感光性の導電性組成物
を、有機溶媒に溶解および/または分散して調製した塗
布液である。導電性組成物に含有される前記一般式
(1)または前記一般式(2)で表される化合物は、金
属元素(R1、R2の金属元素、または別途添加された金
属化合物中の金属元素)の存在下で重合して、導電層1
2が形成される。塗布液の基板上への塗布は、例えば、
デイップコート、スピナーコート、カーテンコート、ス
プレーコート、ロールコート等が挙げられる。また、加
熱は100℃〜220℃の温度で行うのが好ましく、1
50℃〜200℃の温度で行うのがより好ましい。加熱
時間は1分〜10分が好ましく、より好ましくは2分〜
5分である。
【0049】次に、ネガパターンのフォトマスク14を
介して光を照射する(図1(b))。光照射によって、
光重合開始剤からラジカル等が発生され、光重合性モノ
マーが重合する。従って、光照射部は硬化して、現像液
に対する溶解性が低下する。その後、アルカリ性の現像
液等で現像すると、非光照射部のみが除去され、基板1
0上にはパターン化された導電層12aが形成される
(図1(c))。尚、光照射は、キセノンランプ、水銀
ランプ等によって、マスクを介して全面に露光する態様
であっても、また、レーザ等を用いて、画像様に露光す
る態様であってもよい。
【0050】さらに、パターン化された導電層12aが
形成された基板10を、焼成炉で所定の焼成条件で加熱
し、導電層を焼結する(不図示)。加熱時に導電層12
a中に含まれる有機成分は分解し、気化して、除去され
る。焼結時には、導電層12a中に含まれるガラスフリ
ットが焼結助剤として機能し、導電層12aは基板10
に対して良好な接着性を維持する。この様にして、パタ
ーン化された導電層を基板上に形成することができる。
焼成は、400℃〜650℃の温度で行うのが好まし
く、450℃〜600℃の温度で行うのがより好まし
い。焼成時間は0.5時間〜4時間が好ましく、より好
ましくは1時間〜3時間である。
【0051】本実施の形態の導電層の形成方法では、塗
布材料として本発明の導電性組成物を有機溶媒に溶解お
よび/または分散させた塗布液を使用しているので、塗
布性が良好であり、生産性がよい。また、塗布液中に分
散している粒子の粒径を小さくしても、粘性が増大し難
いので、塗布液中に含有される金属化合物粒子の分散粒
子径を小さくすることによって、より均一かつ微細なパ
ターンの導電層を形成することができる。さらに、焼結
工程時に、導電層に含有される金属粒子が表面にブリー
ドし易く、導電層の抵抗を低下させることができる。そ
の結果、導電層中に含有される金属の割合を減少させる
ことができ、生産安定性を向上させることができる。
【0052】形成された導電層12a中の金属粒子の粒
子径(体積平均粒径)は5nm以上150nm以下であ
るのが好ましい。導電層12a中の金属粒子の粒子径が
前記範囲であると、導電層12aの表面はより平滑にな
る。例えば、本実施の形態で作製されたパターン導電層
をPDP等のフラットパネルの電極として利用する場合
は、輝度ムラをより軽減できる。さらに、導電層12a
の層厚を薄くすることができ、より精度よく、パターン
化を行うことができる。
【0053】前記実施の形態では、導電性組成物中に感
光性組成物を含有させ、導電層の有する感光性を利用し
て、パターン化を行ったが、これに限定されず、導電層
中には、感光性組成物を含有させずに、別途、フォトレ
ジスト層を導電層上にラミネータ等により形成してもよ
い。その場合は、導電層のパターン化は、前記第1の実
施形態と同様にフォトリソグラフィによりフォトレジス
ト層をパターン化し後、エッチングにより導電層をパタ
ーン化し、さらに、残存するフォトレジスト層をアルカ
リ性溶液で脱膜することにより実施できる。また、前記
第1の実施形態では、フォトリソグラフィによる導電層
のパターン化を行ったが、これに限定されず、スクリー
ン印刷等により導電層をパターン化してもよい。この場
合は、導電性組成物中には、前記感光性組成物を含有さ
せなくてもよい。
【0054】図2に、パターン化された導電層の形成方
法の第2の実施形態の概略を示す。本実施の形態は、転
写用導電性フィルムを利用した態様である。まず、転写
用導電性フィルム20を作製する(図2(a))。転写
用導電性フィルム20は、フィルム支持体22上に、フ
ォトレジスト層24と、転写用導電層26とを有する。
フォトレジスト層24は、フィルム支持体22に、バイ
ンダ樹脂、光重合開始剤、および光重合性モノマー等を
含有する塗布液を塗布し、乾燥することによって形成す
ることができる。前記バインダ樹脂としては、一般的
に、バインダ樹脂として使用されている材料を用いるこ
とができ、例えば、前記導電性組成物に含有させるバイ
ンダ樹脂として例示した材料を用いることができる。前
記光重合開始剤および光重合性モノマーについても、前
記導電性組成物に含有させる各成分として例示した材料
を用いることができる。
【0055】転写用導電層26は、前記第1または第2
の態様の導電性組成物に、さらに、バインダ樹脂、増粘
剤、および可塑剤を含有させた組成物を、有機溶媒中に
溶解および/または分散して調製した塗布液を、フォト
レジスト層24上に塗布し、その後、加熱乾燥すること
によって形成することができる。転写用導電層26は、
バインダ樹脂および増粘剤を含有しているので、フォト
レジスト層24との接着性が良好であり、転写用導電性
フィルム20の取り扱い性は良好である。さらに、可塑
剤を含有しているので、その後、ガラス基板等に転写す
る際の転写性も良好である。転写用導電層の塗布液の塗
布方法および加熱乾燥条件については、前記第1の実施
の形態と同様である。
【0056】フィルム支持体22としては、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルム、ポリカーボネー
ト(PC)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム、ポ
リエチレンナフタレート(PEN)フィルム等を使用す
ることができる。さらに、フォトレジスト層24がフィ
ルム支持体22から剥離し易くするために、フォトレジ
スト層24とフィルム支持体22との間に、剥離層を形
成していもよい。剥離層は、例えば、各種ワックス、シ
リコーン樹脂、フッ素系樹脂、メラミン樹脂等により構
成することができる。また、フォトレジスト層24の感
度を向上させることを目的として、フィルム支持体22
とフォトレジスト層24との間に、酸素遮蔽層を設けて
もよい。酸素遮蔽層は、例えば、ポリビニルアルコー
ル、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の材料を用
いて形成することができる。
【0057】次に、転写用導電性フィルム20を、転写
用導電層26をガラス基板10’側にして、ラミネータ
等によりガラス基板10’上に積層する(図2
(b))。積層は、加熱下で行ってもよい。フィルム支
持体22上から、フォトマスク14を介して光を照射す
る(図2(c))。光照射によって、フォトレジスト層
24に含有される光重合開始剤からラジカル等が発生さ
れ、光重合性モノマーが重合する。従って、フォトレジ
スト層24の光照射部は硬化して、現像液に対する溶解
性が低下する。フィルム支持体22を剥離した後、アル
カリ性の現像液等で現像すると、フォトレジスト層24
の非光照射部のみが除去され、基板10’上には、導電
層12’(転写用導電層26)と、パターン化されたフ
ォトレジスト層24aが形成される(図2(d))。そ
の後、硝酸等の酸性溶液でエッチング処理してフォトレ
ジスト層24aにより保護されていない導電層12’b
を除去する(図2(e))。さらに、導電層12’a上
に残存するフォトレジスト層24aをアルカリ性の溶液
で除去することによって、基板10’上に、パターン化
された導電層12’aが形成される(図2(f))。
尚、光照射は、フォトマスクを使用せずに、レーザによ
ってパターン状に光照射してもよい。また、フィルム支
持体を剥離した後、フォトレジスト層24に、直接光照
射してもよい。
【0058】さらに、パターン化された導電層12’a
が形成された基板10’を、焼成炉で所定の焼成条件で
加熱し、導電層を焼結する(不図示)。加熱時に導電層
12’a中に含まれる有機成分は分解し、気化して、除
去される。焼結時には、導電層12’a中に含まれるガ
ラスフリットが焼結助剤として機能し、導電層12’a
は基板10’に対して良好な接着性を維持する。焼成に
ついては、前記第1の実施の形態で示した焼成条件にて
行うことができる。また、焼成後の導電層12’aに含
有される金属粒子の粒子径(体積平均粒径)は5nm以
上150nm以下であるのが好ましい。
【0059】本実施の形態の導電層の形成方法では、塗
布材料として本発明の導電性組成物を有機溶媒に溶解お
よび/または分散させた塗布液を使用しているので、塗
布性が良好であり、転写用導電性フィルムの生産性がよ
い。また、塗布液中に分散している粒子の粒径を小さく
しても、粘性が増大し難いので、塗布液中に含有される
金属化合物粒子の分散粒子径を小さくすることによっ
て、より均一かつ微細なパターンの導電層を基板上に形
成することができる。さらに、焼結工程時に、導電層に
含有される金属粒子が表面にブリードし易く、導電層の
抵抗を低下させることができる。その結果、導電層中に
含有される金属の割合を減少させることができ、生産安
定性を向上させることができる。
【0060】尚、本実施の形態では、転写用導電性フィ
ルム20を、フォトレジスト層24を有する構成とした
が、これに限定されず、フォトレジスト層がない転写用
導電性フィルムを用い、導電層を基板に転写した後、導
電層上にフォトレジスト層を別途、ラミネータ等によっ
て形成してもよい。
【0061】図3に、パターン化された導電層の形成方
法の第3の実施形態の概略を示す。本実施の形態は、転
写用の導電性フィルムを利用した態様である。まず、転
写用の導電性フィルム30を作製する(図3(a))。
転写用の導電性フィルム30は、フィルム支持体32上
に、転写用導電層36を有する。転写用導電層36は、
前記第1または第2の態様の導電性組成物に、さらに、
光重合性モノマーおよび光重合開始剤を含む感光性組成
物と、バインダ樹脂、増粘剤、および可塑剤とを添加し
た感光性の導電性組成物を、有機溶媒に溶解および/ま
たは分散して塗布液を調製し、該塗布液をフィルム支持
体32上に塗布し、その後、加熱乾燥することによって
形成することができる。転写用導電層36は、バインダ
樹脂および増粘剤を含有しているので、フィルム支持体
32との接着性が良好であり、転写用導電性フィルム3
0の取り扱い性は良好である。さらに、可塑剤を含有し
ているので、その後、ガラス基板等に転写する際の転写
性も良好である。また、転写用導電層36が感光性を有
しているので、フォトレジスト層を別途形成する工程が
不要となり、工程をより簡略化できるので好ましい。
尚、フィルム支持体32に用いる材料としては、第2の
実施の形態で用いたフィルム支持体22と同様な材料を
用いることができる。また、フィルム支持体32と転写
用導電層36との間に、酸素遮蔽層や剥離層を形成して
もよく、その場合は、第2の実施の形態で例示した材料
を利用することができる。
【0062】次に、転写用導電性フィルム30を転写用
導電層36をガラス基板10’’側にして、ラミネータ
等によりガラス基板10’’上に積層する(図3
(b))。積層は、加熱下で行ってもよい。フィルム支
持体32上から、フォトマスク14を介して光を照射す
る(図3(c))。光照射によって、導電層12’’
(転写用導電層36)に含有される光重合開始剤からラ
ジカル等が発生され、光重合性モノマーが重合する。従
って、導電層12’’の光照射部は硬化して、現像液に
対する溶解性が低下する。フィルム支持体32を剥離し
た後、アルカリ性の現像液等で現像すると、導電層1
2’’の非光照射部のみが除去され、基板10’’上に
は、パターン化された導電層12’’aが形成される
(図3(d))。尚、光照射は、フォトマスクを使用せ
ずに、レーザによってパターン状に光照射してもよい。
また、フィルム支持体を剥離した後、導電層12’’
に、直接光照射してもよい。
【0063】さらに、パターン化された導電層12’’
aが形成された基板10’’を、焼成炉で所定の焼成条
件で加熱し、導電層を焼結する(不図示)。加熱時に導
電層12’’a中に含まれる有機成分は分解し、気化し
て、除去される。焼結時には、導電層12’’a中に含
まれるガラスフリットが焼結助剤として機能し、導電層
12’’aは基板10’’に対して良好な接着性を維持
する。焼成については、前記第1の実施の形態で示した
焼成条件にて行うことができる。また、焼成後の導電層
12’’aに含有される金属粒子の粒子径(体積平均粒
径)は5nm以上150nm以下であるのが好ましい。
【0064】本実施の形態の導電層の形成方法では、塗
布材料として本発明の導電性組成物を有機溶媒に溶解お
よび/または分散させた塗布液を使用しているので、塗
布性が良好であり、転写用導電性フィルムの生産性がよ
い。さらに、導電性組成物として、感光性の材料を用い
ているので、別途、フォトレジスト層を形成する必要が
なく、生産工程が簡略化できる。また、塗布液中に分散
している粒子の粒径を小さくしても、粘性が増大し難い
ので、塗布液中に含有される金属化合物粒子や、金属ア
セチリド化合物の分散粒子径を小さくすることによっ
て、より均一かつ微細なパターンの導電層を基板上に形
成することができる。さらに、焼結工程時に、導電層に
含有される金属粒子が表面にブリードし易く、導電層の
抵抗を低下させることができる。その結果、導電層中に
含有される金属の割合を減少させることができ、生産安
定性を向上させることができる。
【0065】前記第1〜第3の実施の形態により形成さ
れたパターン化された導電層は、種々のフラットパネル
の電極層として利用できる。例えば、PDPの背面基板
に、前記方法によりパターン化された導電層を形成する
ことによって、該導電層をアドレス電極として機能させ
ることができる。また、前面ガラス基板に、前記方法に
よりパターン化された導電層を形成することによって、
該導電層をバス電極として機能させることもできる。さ
らに、前記方法により、ディスプレイ用電磁波シールド
フィルタのメッシュパターンを形成してもよい。特に、
本発明の方法によりメッシュパターンを形成すると、メ
ッシュパターンを均一かつ微細に形成できるのみなら
ず、電磁波シールドの効果にも優れた電磁波シールドフ
ィルタとなるので好ましい。
【0066】形成されたパターン化された導電層の電気
抵抗を、さらに低下させる場合には、パターン化された
導電層をメッキ核として、メッキ処理を施すのが好まし
い。特に、PDP用のバス電極は、電気抵抗が極めて低
いことが要求されるので、PDPのバス電極を形成する
場合は、メッキ処理を施すのが好ましい。基板上に強固
に密着している導電層をメッキ核としてメッキ処理を行
うので、通常の無電解メッキ処理を行うよりも、信頼性
高く電極層を形成することができ、断線等が起こり難い
ので好ましい。また、既に、パターン化された導電層を
メッキ核として、メッキ処理するので、メッキ浴に使用
する金属量を低減でき、生産コストを軽減することがで
きる。
【0067】メッキ処理は、通常の方法によって実施す
ることができる。メッキ浴に含有させる金属としては、
ニッケル、アルミニウム、銅、銀、金、パラジウムが好
ましい。例えば、銅を含有するメッキ浴としては、硫酸
銅浴、ピロリン酸銅浴が挙げられる。また、銀を含有す
るメッキ浴としては、シアン化銀カリウム浴が一般的で
ある。メッキ浴のpHは8〜9、メッキ処理時のメッキ
浴の温度は50℃〜70℃に維持されるのが好ましい。
また、メッキ処理時には、電流密度を30〜80A/d
2で実施するのが好ましい。
【0068】
【実施例】以下、実施例によって、本発明の効果を明ら
かにするが、本発明は、下記の実施例によって、なんら
制限されるものではない。尚、「部」は「重量部」示す
ものとする。 <感光性導電性塗布液の調製> ・感光性導電性塗布液Aの調製(本発明の導電性組成
物) 下記の組成の感光性導電性塗布液Aを調製した。 導電剤 200部 (下記構造式1で表される化合物(前記一般式(1)で表される化合物R1 がAg原子)と、AgNO3粒子(体積平均粒径0.5μm)との2:1 (重量比)混合物;銀単体としては87.2部) ガラスフリット 4部 (平均粒径:1μm、軟化点:550℃、成分:BiO2、SiO2、 B23、ZnO) 増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース) 5部 溶剤(メトキシプロピルアセテート) 781部 尚、感光性導電性塗布液Aは、孔径5μmの濾過膜で濾
過処理を短時間に行うことができた。下記実施例では、
濾過した塗布液を導電層形成に使用した。
【0069】
【化8】
【0070】・感光性導電性塗布液Bの調製(本発明の
導電性組成物) 下記の組成の感光性導電性塗布液Bを調製した。 導電剤 200部 (前記構造式1で表される化合物(前記一般式(1)で表される化合物R1 がAg原子)と、AgNO3粒子(体積平均粒径0.5μm)との2:1 (重量比)混合物;銀単体としては87.2部) 反応性モノマー 16部 (ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート) 重合開始剤 2部 (2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)、13,4−オキ シジアゾール) ガラスフリット 4部 (平均粒径:1μm、軟化点:550℃、成分:BiO2、SiO2、 B23、ZnO) 増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース) 5部 溶剤(メトキシプロピルアセテート) 763部 尚、感光性導電性塗布液Bは、孔径5μmの濾過膜で濾
過処理を短時間に行うことができた。下記実施例では、
濾過した塗布液に導電層形成に使用した。
【0071】・感光性導電性塗布液Cの調製(本発明の
導電性組成物) 下記の組成の感光性導電性塗布液Cを調製した。 導電剤 200部 (前記構造式1で表される化合物(前記一般式(1)で表される化合物R1 がAg原子);銀単体としては67部) 反応性モノマー 16部 (ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート) 重合開始剤 2部 (2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)、13,4−オキ シジアゾール) ガラスフリット 4部 (平均粒径:1μm、軟化点:550℃、成分:BiO2、SiO2、 B23、ZnO) 増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース) 5部 溶剤(メトキシプロピルアセテート) 763部 尚、感光性導電性塗布液Cは、孔径5μmの濾過膜で濾
過処理を短時間に行うことができた。下記実施例では、
濾過した塗布液に導電層形成に使用した。
【0072】・感光性導電性塗布液Dの調製 下記の組成の感光性導電性塗布液Dを調製した。 導電剤 100部 (銀粒子(体積平均粒径:約1μm) ガラスフリット 4部 (平均粒径:1μm、軟化点:550℃、成分:BiO2、SiO2、 B23、ZnO) 増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース) 5部 溶剤(メトキシプロピルアセテート) 781部 尚、感光性導電性塗布液Dについて、孔径5μmの濾過
膜で濾過処理を行ったところ、フィルタの目詰まりによ
り、実施不可能であった。従って、下記比較例では、濾
過しなかった塗布液を導電層形成に使用した。
【0073】<フォトレジスト層用塗布液の調製>下記
の組成のフォトレジスト層用塗布液を調製した。 バインダ樹脂 60部 (メタクリル酸/メチルメテクリレート/2−エチルヘキシルメテクリレー ト/ベンジルメテクリレート=29/55/11/5) 反応性モノマー 25部 (下記構造式2で表される化合物) 重合開始剤 4.75部 ベンゾフェノン 4部と、下記構造式3で表される化合物 0.15部と、 下記構造式4で表される化合物 0.6部との混合物) メチルエチルケトン 500部
【0074】
【化9】
【0075】[実施例1]前記調製したフォトレジスト
用塗布液を、PETフィルム(20μm)にバー塗布に
より塗布し、100℃で乾燥して、厚さ5μmのフォト
レジスト層を形成した。さらに、その上に、前記感光性
導電性塗布液Aを塗布して、100℃で乾燥して、厚さ
10μmの転写用導電層を形成し、転写用導電性フィル
ムを作製した。次に、前記転写用導電性フィルムを、ガ
ラス基板(PDP用ガラス)に120℃でラミネータに
より積層した(ガラス基板上に転写用導電層を接触させ
た。)。この積層体に、PETフィルム側からネガマス
クを介して、紫外線を40mJ/cm2で照射した後、
PETフィルムを剥離した。その後、1%NaCO3
で現像して、未露光部のフォトレジスト層を除去した。
次に、硝酸(25重量%)で処理後、硝酸第二鉄水溶液
(25重量%)で処理した。フォトレジスト層で保護さ
れていない導電層は前記処理によって除去され、導電層
はパターン化された。
【0076】次に、残存するフォトレジスト層を、Na
OH溶液(約3%)で処理して、除去した。その後、パ
ターン化された導電層が形成された基板を、大気中58
0℃で、30分間焼成し、導電層中に含有される有機成
分を分解気化して、除去した。ガラス基板上には、厚み
約5μmの幅20μmの細線パターンが形成された。
【0077】[実施例2]ガラス基板(PDP用ガラ
ス)上に、前記調製した感光性導電性塗布Bをダイコー
ドにより塗布して、100℃で乾燥して、厚さ10μm
の導電層を形成した。次に、導電層側からネガマスクを
介して、紫外線を700mJ/cm2で照射した後、1
%NaCO3液で現像して、未露光部の導電層を除去し
た。ガラス基板上には、パターン化された導電層が形成
された。次に、このガラス基板を、実施例1と同様にし
て、焼成した。ガラス基板上には、厚み約5μmの幅2
5μmの細線パターンが形成された。
【0078】[実施例3]PETフィルム(20μm)
上に、前記感光性導電性塗布液Bを、バー塗布により塗
布し、100℃で乾燥して、厚さ10μmの転写用導電
層を形成し、転写用導電性フィルムを作製した。次に、
前記転写用導電性フィルムを、ガラス基板(PDP用ガ
ラス)に120℃でラミネータにより積層した(ガラス
基板上に転写用導電層を接触させた。)。この積層体
に、PETフィルム側からネガマスクを介して、紫外線
を700mJ/cm2で照射した後、PETフィルムを
剥離した。その後、1%NaCO3液で現像して、未露
光部の導電層を除去した。ガラス基板上の導電層はパタ
ーン化された。次に、このガラス基板を、実施例1と同
様にして、焼成した。ガラス基板上には、厚み約5μm
の幅20μmの細線パターンが形成された。
【0079】[実施例4]PETフィルム(20μm)
上に、前記感光性導電性塗布液Bを、バー塗布により塗
布し、100℃で乾燥して、厚さ1μmの転写用導電層
を形成し、転写用導電性フィルムを作製した。次に、前
記転写用導電性フィルムを、ガラス基板(PDP用ガラ
ス)に120℃でラミネータにより積層した(ガラス基
板上に転写用導電層を接触させた)。この積層体に、P
ETフィルム側からネガマスクを介して、紫外線を10
0mJ/cm2で照射した後、PETフィルムを剥離し
た。その後、1%NaCO3液で現像して、未露光部の
導電層を除去した。ガラス基板上の導電層はパターン化
された。次に、このガラス基板を、実施例1と同様にし
て、焼成した。ガラス基板上には、厚み約5μmの幅2
0μmの細線パターンが形成された。
【0080】次に、ガラス基板上に形成された導電層を
メッキ核(負極)として、銀メタルを陽極として、シア
ン化銀カリウムを主成分とするメッキ浴(pH=8.
5、温度:55℃)を用い、電流密度50A/dm
2で、メッキ処理を行った。これにより、厚み5μmの
銀めっきをパターン化された導電層上に形成した。
【0081】[実施例5]実施例2において、用いた感
光性導電性塗布Bを、感光性導電性塗布液Cに代えた以
外は、実施例2と同様にして、ガラス基板上に、厚み約
5μmの幅25μmの細線パターンを形成した。
【0082】[比較例1]実施例2において、用いた感
光性導電性塗布液Bを、感光性導電性塗布液Dに代えた
以外は、実施例2と同様にして、パターン化された導電
層をガラス基板上に形成した。 [比較例2]実施例3において、用いた感光性導電性塗
布液Bを、感光性導電性塗布液Dに代えた以外は、実施
例3と同様にして、パターン化された導電層をガラス基
板上に形成した。
【0083】実施例1〜5、および比較例1〜2で作製
した、パターン導電層について、導電性、パターン形状
の解像度、厚みムラ、および導電層に発生した欠陥の数
を各々以下の様にして調べた。評価結果を表1に示す。
また、実施例1〜5で形成した焼結後の導電層中に含ま
れる金属粒子の粒径を測定したところ、いずれの体積平
均粒径も10nm〜20nmの範囲を示した。 導電性 JIS k7194(導電性プラスチックの4探針法に
よる低効率試験法)に従って測定した。測定には、三菱
化学社製の「ロレタSP」を使用した。 解像度 図4に示すパターン(パターン幅 xμm、パターン間
のスペース幅 xμm)で、xμmが5μm、10μ
m、15μm、20μm・・・・・と異なるネガパター
ンマスクを使用して、露光現像し、スペース幅が確実に
形成され、パターンに欠陥が生じない最小のxμmを、
解像度とした。 厚みムラ 作動トランス型マイクロメータを用いて各々の導電層の
厚みムラを測定した。 欠陥の数 10cm×10cmサイズの試料を5枚用意し、マイク
ロスコープ(×100倍)でコンタミによる欠陥の数を
計測し、合計数を5で割って算出した。
【0084】
【表1】
【0085】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、基
板上に均一かつ微細なパターンの導電層を形成し得る導
電性組成物を提供することができる。また、本発明によ
れば、パターン化された導電層を容易に形成し得る転写
用導電性フィルムを提供することができる。さらに、本
発明によれば、基板上に均一かつ微細なパターンの導電
層または電極層を形成する方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のパターン化された導
電層を基板上に形成する方法の各工程を模式的に示す図
である。
【図2】本発明の第2の実施形態のパターン化された導
電層を基板上に形成する方法の各工程を模式的に示す図
である。
【図3】本発明の第3の実施形態のパターン化された導
電層を基板上に形成する方法の各工程を模式的に示す図
である。
【図4】実施例で、解像度の評価に使用したネガパター
ンマスクのパターンを模式的に示した図である。
【符号の説明】
10 10’ 10’’ 基板 12 12’ 12’’ 導電層 14 マスク 20 30 転写用導電性フイルム 22 32 フィルム支持体 24 フォトレジスト層 26 36 転写用導電層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 71/02 C08L 71/02 79/08 79/08 Z 81/02 81/02 101/00 101/00 H01B 5/14 H01B 5/14 B 13/00 503 13/00 503C H05K 9/00 H05K 9/00 V (72)発明者 河田 憲 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AB02X AB02Z AB03Z AB05Z AC08X AD01X AD02Z BC03X BC09Y BE02X BE02Z BE04X BF02X BG04Z BG05Z CC04X CD00X CH00X CH05W CK00X CK04Z CM04W CM04X CN01W CN03X CP00X DJ018 DJ038 DL006 EA049 EH047 EH079 EH087 EH137 EH147 EW047 EX019 EZ006 FD02Y FD027 FD200 FD33Z FD338 4J011 PA15 PA28 PA30 PA46 PA49 PA53 PA55 PA56 PA65 PA67 PA76 PA90 PA95 PA97 PA98 PA99 PB38 QA03 QA09 RA05 RA08 RA09 RA10 SA01 SA21 SA61 SA62 SA63 SA64 SA77 SA78 SA83 WA01 5E321 AA04 BB23 BB44 GG05 GH01 5G301 DA22 DA34 DA42 DD01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される化合物と、
    周期律表8族および1B族元素から選ばれるいずれかの
    元素を含む金属化合物と、ガラスフリットとを含有する
    導電性組成物。 【化1】 (前記一般式(1)中、Aはポリオキシエーエル基、ポ
    リアミノエーテル基、またはポリチオエーテル基を表
    し、R1は金属元素、水素元素、カルボキシル基もしく
    はその塩、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
    基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、または
    複素環基を表し、Lは炭素−炭素三重結合とAとを連結
    する化学結合、もしくは(k+m)価の基を表し、kお
    よびnは各々1以上の整数を表し、mは0以上の整数を
    表す。)
  2. 【請求項2】 金属化合物が平均粒径1μm以下の粒子
    である請求項1に記載の導電性組成物。
  3. 【請求項3】 下記一般式(2)で表される化合物と、
    ガラスフリットとを含有する導電性組成物。 【化2】 (前記一般式(2)中、Aはポリオキシエーエル基、ポ
    リアミノエーテル基、またはポリチオエーテル基を表
    し、R2は金属元素を表し、Lは炭素−炭素三重結合と
    Aとを連結する化学結合、もしくは(k+m)価の基を
    表し、kおよびnは各々1以上の整数を表し、mは0以
    上の整数を表す。)
  4. 【請求項4】 光重合性組成物を含有する請求項1から
    請求項3までのいずれか1項に記載の導電性組成物。
  5. 【請求項5】 バインダー樹脂と、増粘剤と、可塑剤と
    を含有する請求項1から請求項4までのいずれか1項に
    記載の導電性組成物。
  6. 【請求項6】 パターン化された導電層の形成用材料で
    ある請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の
    導電性組成物。
  7. 【請求項7】 プラズマディスプレイの電極層形成用材
    料である請求項1から請求項5までのいずれか1項に記
    載の導電性組成物。
  8. 【請求項8】 電磁波シールドフィルターの金属メッシ
    ュ形成用材料である請求項1から請求項5までのいずれ
    か1項に記載の導電性組成物。
  9. 【請求項9】 支持体と、少なくとも請求項1から請求
    項5までのいずれか1項に記載の導電性組成物を含有す
    る塗布液を塗布してなる転写用導電層とを有する転写用
    導電性フィルム。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の転写用導電性フィル
    ムの転写用導電層を基板上に転写して基板上に導電層を
    形成する工程と、該導電層を所定の形状にパターニング
    する工程と、前記所定の形状にパターン化された導電層
    を焼成する工程とを有するパターン化された導電層の形
    成方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも請求項1から請求項5まで
    のいずれか1項に記載の導電性組成物を含有する塗布液
    を基板上に塗布して導電層を形成する工程と、前記導電
    層を所定の形状にパターニングする工程と、前記所定の
    形状にパターン化された導電層を焼成する工程とを有す
    るパターン化された導電層の形成方法。
  12. 【請求項12】 少なくとも請求項1から請求項5まで
    のいずれか1項に記載の導電性材料を含有する塗布液を
    支持体上に塗布して転写用導電層を形成して導電性転写
    材料を作製する工程と、前記転写材料の前記転写用導電
    層を基板上に転写する工程と、転写した導電層を所定の
    形状にパターニングする工程と、前記所定の形状にパタ
    ーン化された導電層を焼成する工程とを有するパターン
    化された導電層の形成方法。
  13. 【請求項13】 請求項10から請求項12までのいず
    れか1項に記載の方法によって形成されたパターン化さ
    れた導電層をメッキ核として、メッキ処理する工程を有
    するパターン化された導電層の形成方法。
JP33598699A 1999-11-26 1999-11-26 導電性組成物、転写用導電性フィルム、およびパターン化された導電層の形成方法 Pending JP2001155542A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33598699A JP2001155542A (ja) 1999-11-26 1999-11-26 導電性組成物、転写用導電性フィルム、およびパターン化された導電層の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33598699A JP2001155542A (ja) 1999-11-26 1999-11-26 導電性組成物、転写用導電性フィルム、およびパターン化された導電層の形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001155542A true JP2001155542A (ja) 2001-06-08

Family

ID=18294525

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33598699A Pending JP2001155542A (ja) 1999-11-26 1999-11-26 導電性組成物、転写用導電性フィルム、およびパターン化された導電層の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001155542A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002047411A (ja) * 2000-08-04 2002-02-12 Alcare Co Ltd ポリウレタン系樹脂組成物
JP2002271086A (ja) * 2001-03-08 2002-09-20 Sumitomo Chem Co Ltd 電磁波シールド板及びその製造方法
JP2003096305A (ja) * 2001-09-19 2003-04-03 Jsr Corp 無機粒子含有組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2005101595A (ja) * 2003-09-03 2005-04-14 Bridgestone Corp Pdpフィルタ
WO2006009051A1 (ja) * 2004-07-22 2006-01-26 Toray Industries, Inc. 感光性ペーストおよびディスプレイパネル用部材の製造方法
JP2007258614A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Sumitomo Electric Ind Ltd 金属配線の形成方法および金属配線
WO2010001591A1 (ja) * 2008-07-04 2010-01-07 戸田工業株式会社 透明導電性転写版の製造方法、透明導電性転写版、透明導電性転写版を用いた透明導電性基材の製造方法、透明導電性基材、および透明導電性基材を用いた成形体
WO2013018253A1 (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 パナソニック株式会社 感光性電磁波遮断インキ組成物、電磁波遮断硬化物、および電磁波遮断硬化物の製造方法
JP2014063574A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Oike Ind Co Ltd 導電性パターンの形成方法、および透明導電性フィルム
US8865027B2 (en) 2005-08-12 2014-10-21 Cambrios Technologies Corporation Nanowires-based transparent conductors

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4664471B2 (ja) * 2000-08-04 2011-04-06 アルケア株式会社 ポリウレタン系樹脂組成物
JP2002047411A (ja) * 2000-08-04 2002-02-12 Alcare Co Ltd ポリウレタン系樹脂組成物
JP2002271086A (ja) * 2001-03-08 2002-09-20 Sumitomo Chem Co Ltd 電磁波シールド板及びその製造方法
JP4668438B2 (ja) * 2001-03-08 2011-04-13 住友ゴム工業株式会社 電磁波シールド板及びその製造方法
JP2003096305A (ja) * 2001-09-19 2003-04-03 Jsr Corp 無機粒子含有組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2005101595A (ja) * 2003-09-03 2005-04-14 Bridgestone Corp Pdpフィルタ
WO2006009051A1 (ja) * 2004-07-22 2006-01-26 Toray Industries, Inc. 感光性ペーストおよびディスプレイパネル用部材の製造方法
US8865027B2 (en) 2005-08-12 2014-10-21 Cambrios Technologies Corporation Nanowires-based transparent conductors
KR101456844B1 (ko) * 2005-08-12 2014-11-04 캄브리오스 테크놀로지즈 코포레이션 나노와이어 기반의 투명 도전체
US9899123B2 (en) 2005-08-12 2018-02-20 Jonathan S. Alden Nanowires-based transparent conductors
JP2007258614A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Sumitomo Electric Ind Ltd 金属配線の形成方法および金属配線
WO2010001591A1 (ja) * 2008-07-04 2010-01-07 戸田工業株式会社 透明導電性転写版の製造方法、透明導電性転写版、透明導電性転写版を用いた透明導電性基材の製造方法、透明導電性基材、および透明導電性基材を用いた成形体
JP5510320B2 (ja) * 2008-07-04 2014-06-04 戸田工業株式会社 成形用の透明導電性基材、その製造方法およびそれを用いた成形体
US8846182B2 (en) 2008-07-04 2014-09-30 Toda Kogyo Corporation Process for producing transparent conductive transfer plate, transparent conductive transfer plate, process for producing transparent conductive substrate using the transparent conductive transfer plate, transparent conductive substrate, and molded product using the transparent conductive substrate
WO2013018253A1 (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 パナソニック株式会社 感光性電磁波遮断インキ組成物、電磁波遮断硬化物、および電磁波遮断硬化物の製造方法
JP2014063574A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Oike Ind Co Ltd 導電性パターンの形成方法、および透明導電性フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100306836B1 (ko) 감광성 도체 페이스트
JP4440861B2 (ja) 感光性ペースト組成物,感光性ペースト組成物を用いた電極およびグリーンシート
JP4468314B2 (ja) 厚膜回路パターニング方法
KR101988241B1 (ko) 도전 패턴의 제조 방법
JPH0567405A (ja) 感光性導電ペースト
JPH05271576A (ja) 感光性導電ペースト
JP2001155542A (ja) 導電性組成物、転写用導電性フィルム、およびパターン化された導電層の形成方法
JP3520720B2 (ja) 感光性導電ペーストおよびプラズマディスプレイ用電極の製造方法
KR20100040675A (ko) 감광성 페이스트 조성물 및 패턴 형성 방법
JP2000191945A (ja) 感光性ペーストおよび転写シート
KR20160122694A (ko) 도전 페이스트, 패턴의 제조 방법, 도전 패턴의 제조 방법 및 센서
JPH11260254A (ja) 転写シート
JP2004012627A (ja) 感光性銀ペースト及びそれを用いた画像表示装置
JPH11260250A (ja) プラズマディスプレイパネル作製用の転写シート
JP2003280179A (ja) 感光性銀ペースト及びそれを用いた画像表示装置
JP2001100407A (ja) 感光性銀ペースト及びそれを用いた画像表示装置
JP2004206884A (ja) プラズマディスプレイ及びプラズマディスプレイ用2層構造電極の製造方法
JP2003330164A (ja) 感光性銀ペースト及びそれを用いた画像表示装置
JPH11154417A (ja) 電極形成用銀ペースト
JP2004198444A (ja) 感光性銀フィルム及びそれを用いた画像表示装置
JP2003217350A (ja) 導電性パターン形成用組成物及びその製造方法
JP2003043676A (ja) 感光性銀ペースト及びそれを用いた画像表示装置
JP2001181521A (ja) 感光性銀ペースト及びそれを用いた画像表示装置
JP2003162049A (ja) 感光性銀ペースト及びそれを用いた画像表示装置
JP2003160608A (ja) 感光性銀ペースト及びそれを用いた画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees