JPWO2005066718A1 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

電子写真感光体のVA、VBおよびdが(│−600−VA│−│−600−VB│)/d≦0.13を満足し、かつ、VCが−5≦−(−450−VC)≦2を満足するようにすることによって、ゴースト抑制効果に優れ、カラー電子写真装置や除電手段を有さない電子写真装置に搭載してもゴースト現象が生じにくい電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
近年、複写機やプリンターなどの電子写真装置には、有機の電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する感光層を有する電子写真感光体(有機電子写真感光体)が広く用いられている。このような感光層としては、耐久性の観点から、支持体側から電荷発生物質を含有する電荷発生層、電荷輸送物質(正孔輸送物質)を含有する電荷輸送層(正孔輸送層)の順に積層してなる積層型(順層型)の層構成を有するものが主流となっている。
電荷発生物質のうち、赤または赤外領域に感度を有する電荷発生物質は、近年進歩の著しいレーザービームプリンターなどに搭載される電子写真感光体に使用され、その需要頻度は高くなってきている。赤外領域に高い感度を有する電荷発生物質としては、オキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料が知られている。
しかしながら、高感度な電荷発生物質を用いた場合、電荷の発生量が多く、正孔が正孔輸送層中に注入した後の電子が電荷発生層中に滞留しやすく、メモリーが引き起こされやすいという問題があった。具体的には、出力画像中、前回転時に光が照射された部分のみ濃度が濃くなる、いわゆるポジゴーストや、前回転時に光が照射された部分のみ濃度が薄くなる、いわゆるネガゴーストが見られる。
このようなゴースト現象を抑制する従来技術として、特開平11−172142号公報(特許文献1)や特開2002−091039号公報(特許文献2)には、電荷発生物質としてII型クロロガリウムフタロシアニンを用いる技術が開示されており、特開平07−104495号公報(特許文献3)には、オキシチタニウムフタロシアニンを用いた電荷発生層にアクセプター化合物を含有させる技術が開示されており、特開2000−292946号公報(特許文献4)や特開2002−296817号公報(特許文献5)には、フタロシアニンを用いた電荷発生層にジチオベンジル化合物を含有させる技術が開示されており、その他、特開平02−136860号公報(特許文献6)や特開平02−136861号公報(特許文献7)や特開平02−146048号公報(特許文献8)や特開平02−146049号公報(特許文献9)や特開平02−146050号公報(特許文献10)や特開平05−150498号公報(特許文献11)や特開平06−313974号公報(特許文献12)や特開2000−039730号公報(特許文献13)には、電荷発生層に電子輸送物質、電子受容物質または電子吸引物質を含有させる技術が開示されている。
特開平11−172142号公報 特開2002−091039号公報 特開平07−104495号公報 特開2000−292946号公報 特開2002−296817号公報 特開平02−136860号公報 特開平02−136861号公報 特開平02−146048号公報 特開平02−146049号公報 特開平02−146050号公報 特開平05−150498号公報 特開平06−313974号公報 特開2000−039730号公報
今日の電子写真技術の発展は著しく、電子写真感光体にも、より優れた特性が要求されている。
例えば、従来、文字などの白黒画像が中心であったが、近年、写真などのカラー画像の需要が高まってきており、それらの画質に対する要求は年々高まっている。
上述のゴースト現象は、ハーフトーン画像に特に現れやすく、ハーフトーン画像の重ね合わせであることが多いカラー画像では、特に重要な問題となる。
また、カラー画像の場合、1色1色ではゴーストレベルが白黒画像のそれと同等であっても、複数の色を重ね合わせることで、ゴースト現象が顕在化しやすい。
また、ゴースト現象を抑制する方法として、電子写真装置に前露光などの除電手段を設ける方法もあるが、電子写真装置本体の低コスト化や小型化の観点から、除電手段が省略されることが多くなってきている。
上記の従来技術は、このようなゴースト現象に厳しい状況に対して十分に効果があるとはいえなかった。
本発明の目的は、ゴースト抑制効果に優れ、カラー電子写真装置や除電手段を有さない電子写真装置に搭載してもゴースト現象が生じにくい電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体、該支持体上に設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生層、および、該電荷発生層上に設けられた正孔輸送物質を含有する正孔輸送層を有する電子写真感光体において、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、次いで、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
該正孔輸送層の膜厚をd[μm]としたとき、
、Vおよびdが下記式(I)
(│−600−V│−│−600−V│)/d≦0.13 ・・・(I)
を満足し、かつ、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を所定の値VCI[V]にし、次いで、表面電位がVCI[V]になった該電子写真感光体の表面に該光量Eと同光量の光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を所定の値VCII[V]にし、次いで、表面電位がVCII[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電することによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]としたとき(該帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位が−450[V]になるとき、該所定の光の光量がEである。)、
が下記式(II)
−5≦−(−450−V)≦2 ・・・(II)
を満足することを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置である。
本発明によれば、ゴースト抑制効果に優れ、カラー電子写真装置や除電手段を有さない電子写真装置に搭載してもゴースト現象が生じにくい電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明の判定法を実施するための判定装置の概略構成の一例を示す図である。 本発明の判定法を実施するための判定装置の概略構成の別の例を示す図である。 「V」を説明するための図である。 「V」を説明するための図である。 「V」を説明するための図である。 と(│−600−VAX│−│−600−VBX│)/dとの関係を示すグラフの一例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の別の例を示す図である。 評価用の画像パターンである。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、電子写真感光体が、本発明の上記規定を満足するか否かを判定する判定法(以下「本発明の判定法」ともいう。)について説明する。
本発明の判定法は、常温常湿(23℃、50%RH)環境下で行われる。
図1に、本発明の判定法を実施するための判定装置の概略構成の一例を示す。
図1中、101は判定対象の電子写真感光体であり、103は帯電装置の帯電ローラーであり、104はキセノンランプ、モノクロメーターおよびNDフィルターを備える露光装置であり、104Lは光(露光光)であり、105は電子写真感光体の表面電位を測定する(読み取る)ための電位計(電位プローブ)である。電子写真感光体101は矢印方向に回転駆動される。また、図1には、直径が60mmの電子写真感光体を例示している。
本発明の判定法において、電子写真感光体の回転速度は、該電子写真感光体の表面の移動速度が30π[mm/s](94.25[mm/s])になる速度に設定される。
帯電ローラー103による帯電位置、光104Lが照射される位置すなわち露光位置および電位計105による電位測定位置は、帯電と光照射との間の時間が0.25秒かつ光照射と電位測定との間の時間が0.25秒になるように、設定される。
図1においては、電子写真感光体101の直径は60mmであるから、
{(30π×0.25)/60π}×360°=45°
より、帯電位置と電子写真感光体中心と露光位置とがなす角度および露光位置と電子写真感光体中心と電位測定位置とがなす角度は、図1に示すとおり、どちらも45°となる。
図2に、本発明の判定法を実施するための判定装置の概略構成の別の例を示す。101’は判定対象の電子写真感光体であり、他の符号は図1と同様である。図2には、直径が30mmの電子写真感光体を例示している。
上述のとおり、本発明の判定法においては、電子写真感光体の回転速度は、該電子写真感光体の表面の移動速度が30π[mm/s]になる速度であり、また、帯電位置、露光位置および電位測定位置は、帯電と光照射との間の時間が0.25秒かつ光照射と電位測定との間の時間が0.25秒になるように設定されるから、図2のように、電子写真感光体の直径が30mmの場合、帯電位置と電子写真感光体中心と露光位置とがなす角度および露光位置と電子写真感光体中心と電位測定位置とがなす角度は、どちらも90°となる。
帯電ローラー103には、低温低湿(15℃、10%RH)環境、常温常湿(23℃、50%RH)環境、高温高湿(30℃、80%RH)環境のいずれの環境下においても長手方向(帯電ローラーの回転軸方向)長さ1cm当たりの抵抗が5×10〜5×10Ωの範囲に収まるものが用いられる。この抵抗は、以下のように測定される。
すなわち、各環境に24時間放置した帯電ローラーを、それぞれアースに接続した金属製ドラムと当接させる(金属製ドラムの両端にそれぞれ7.8N、計15.6Nの力がかかるように押し当てる。)。次に、金属製ドラムを100mm/sの速度で回転させ、帯電ローラーは従動で回転させながら、帯電ローラーの芯金の部分にアースに接続した電源から−500Vの電圧を印加して抵抗値を測定する。測定した抵抗値、測定時の当接部の幅(ニップ幅)および帯電ローラーの芯金上に形成された層の厚みから、帯電ローラーの抵抗を算出することができる。
本発明の判定法において、電子写真感光体の表面を帯電する際は、帯電ローラーには、電源から直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。このうち、直流電圧の値は、上記および下記の各帯電条件に合わせて決定される。交流電圧のピーク間電圧は1800V、周波数は870Hzとする。
光104Lには、キセノンランプからの光をモノクロメーターを用いて分光した780nmの単色光を用い、光量の調整はNDフィルターによって行う。
以下、本発明の判定法についてより詳細に説明する。
図3は上記「V」を説明するための図であり、図4は上記「V」を説明するための図であり、図5は上記「V」を説明するための図である。なお、図5中、VCII[V]は−150[V]よりも絶対値で大になっており、V[V]は−450[V]よりも絶対値で大になっているが、これらはいずれも説明のために示した例であって、本発明はこれらに限定されるものではない。図3〜5中、C1は帯電条件Cでの帯電、C2は帯電条件Cでの帯電、C3は帯電条件Cでの帯電、E1は光量Eの光照射、E2は光量Eの光照射、Dは電位測定を示す。
本発明の判定法において、電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させる(以下「5回転帯電」ともいう。)のは、電子写真感光体に帯電履歴や露光履歴が残存していた場合であっても、それらを消失させるためである。
以下、上記の帯電条件C、CおよびCならびに光量EおよびEについて説明する。これら帯電条件および光量は、電子写真感光体が本発明の上記規定を満足するか否かを判定する前に決定しておく。
・帯電条件C
判定対象の電子写真感光体の表面を5回転帯電した結果として、この電子写真感光体の表面電位が−600[V]になるよう、帯電ローラーに印加する電圧のうち直流電圧の値を調整する。
・光量E
帯電条件Cによって5回転帯電された判定対象の電子写真感光体の表面電位(−600[V])が−150[V]に減衰するよう、光の光量をNDフィルターによって調整する。
・帯電条件C
判定対象の電子写真感光体の表面を5回転帯電した結果として、この電子写真感光体の表面電位が−150[V]になるよう、帯電ローラーに印加する電圧のうち直流電圧の値を調整する。
・帯電条件C
判定対象の電子写真感光体の表面を5回転帯電し(表面電位はVCI[V]になる)、これに光量Eと同光量の光を照射し(表面電位はVCII[V]になる)、再度帯電した結果として、この電子写真感光体の表面電位が−600[V]になるよう、帯電ローラーに印加する電圧のうち直流電圧の値を調整する。なお、この5回転帯電と再度の帯電とは同じ帯電条件である。
・光量E
帯電条件Cによって5回転帯電された判定対象の電子写真感光体の表面電位(−600[V])が−450[V]に減衰するよう、光の光量をNDフィルターによって調整する。
なお、本発明の判定法における「帯電」および「光の照射」は、電子写真感光体の表面の最大画像領域全面に対して行う。
以上のようにして、電子写真感光体のV、VおよびVが導き出される。
上記式(I)中の│−600−V│は、前回転時に露光を受けた電子写真感光体すなわち露光履歴がある電子写真感光体について、その表面を−600[V]に帯電しようとしたとき、実際の表面電位がどれだけ−600[V]に近づくかを意味する式である。
本発明者らは、実験の結果、│−600−V│が大きくてもゴーストレベルが小さい場合があり、また、│−600−V│が小さくてもゴーストレベルが大きい場合があることがわかった。
また、│−600−V│が小さくても、数枚の画像出力を行った場合にネガゴーストがポジゴーストに転じたり、初期(1枚目)にはゴーストが見えなくても、数枚の画像出力を行った後、ポジゴーストが急激に顕在化したりすることがあった。
本発明者らは、鋭意検討した結果、│−600−V│と、露光履歴がない電子写真感光体の表面を−600[V]に帯電しようとしたとき、実際の表面電位がどれだけ−600[V]に近づくかを意味する式│−600−V│との差(│−600−V│−│−600−V│)がゴーストの発生、特にポジゴーストの発生に影響していることを見いだした。
また、(│−600−V│−│−600−V│)とゴーストレベルの関係は、正孔輸送層の膜厚によって異なることがわかった。具体的には、正孔輸送層の膜厚が厚いほど、出力画像にポジゴーストが現れにくかった。
これらの知見に基づき、検討を進めた結果、正孔輸送層の膜厚をd[μm]としたとき、(│−600−V│−│−600−V│)/dが0.13以下であれば、良好にゴースト現象を抑制できることがわかった。(│−600−V│−│−600−V│)/dが0.13より大きいと、ポジゴーストが発生しやすくなる。
なお、(│−600−V│−│−600−V│)/dは0.01以上であることが好ましい。(│−600−V│−│−600−V│)/dが0.01より小さいと、初期(1枚目)に軽微なネガゴーストが発生したり、数万枚の画像出力後に軽微なポジゴーストが発生したりする場合がある。
上記式(II)中の−(−450−V)は、露光履歴がある電子写真感光体について、その表面に光を照射することによって表面電位を−600[V]から−450[V]に減衰させようとしたとき、実際の表面電位がどれだけ−450[V]に近づくかを意味する式である。
本発明者らは、鋭意検討した結果、−(−450−V)もゴーストの発生に影響していることを見いだした。
この知見に基づき、検討を進めた結果、−(−450−V)が−5以上2以下であれば、良好にゴースト現象を抑制できることがわかった。−(−450−V)が−5より小さいと、初期(1枚目)からネガゴーストが発生しやすくなり、2より大きいと、上記式(I)の規定を満足していても、初期(1枚目)からポジゴーストが発生しやすくなる。
上記式(I)の規定および上記式(II)の規定の両方を満足することによってゴースト現象が抑制される理由の詳細は不明であるが、本発明者らは、以下のように推測している。
すなわち、支持体上に電荷発生層、正孔輸送層をこの順に設けてなる電子写真感光体の場合、露光光(画像露光光)が当たった部分では、電荷発生層で発生した電荷のうち、正孔は正孔輸送層に注入し、電子が支持体へ抜けていくはずであるが、電荷発生層や電荷発生層と支持体との間に設けられた層の内部および/またはこれらの界面に電子が滞留すると、次回の帯電時に、支持体から電荷発生層へ正孔が注入されやすくなる。これがポジゴーストの原因となる。
また、滞留した電子は次回の帯電後の露光(画像露光)時の感度にも影響し、感度が高くなったり低くなったりする。これは、ネガゴーストまたはポジゴーストの原因となる。特に、感度への影響は初期(1枚目)に顕著となる。
ゴースト現象は、これらの原因が重なりあった結果発生するものであって、場合によって、ポジゴーストとして顕在化したり、ネガゴーストとして顕在化したりするものであるため、上記式(I)の規定および上記式(II)の規定の両方を満足する電子写真感光体が、初期(1枚目)から耐久を通して良好にゴースト現象を抑制できると推測している。
また、本発明の上記式(I)の規定および上記式(II)の規定の両方を満足する電子写真感光体の中でも、さらに、後述のごとく定義されるV、VAXおよびVBX、正孔輸送層の膜厚d[μm]ならびに定数mおよび定数nからなる下記近似式(III)中のmが、−200≦V≦−120の範囲において、1×10−4〜2×10−3の範囲にある電子写真感光体が好ましい。
(│−600−VAX│−│−600−VBX│)/d=m・V+n ・・・(III)
・VおよびVAX
帯電条件Cに設定された帯電装置により電子写真感光体の表面を帯電しながら電子写真感光体を5回転させることによって電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった電子写真感光体の表面に光を照射することによって電子写真感光体の表面電位をV[V]にし、表面電位がV[V]になった電子写真感光体の表面を帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の電子写真感光体の表面電位をVAX[V]とする。
・VおよびVBX
所定の帯電条件C2Xに設定された帯電装置により電子写真感光体の表面を帯電しながら電子写真感光体を5回転させることによって電子写真感光体の表面電位をV[V]にし、次いで、表面電位がV[V]になった電子写真感光体の表面を帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の電子写真感光体の表面電位をVBX[V]とする。
なお、上記「VおよびVAX」における「V」と上記「VおよびVBX」における「V」とは同じ値である。
以下、上記の帯電条件C2Xについて説明する。この帯電条件も、電子写真感光体が本発明の上記規定を満足するか否かを判定する前に決定しておく。
・帯電条件C2X
判定対象の電子写真感光体の表面を5回転帯電した結果として、この電子写真感光体の表面電位がV[V]になるよう、帯電ローラーに印加する電圧のうち直流電圧の値を調整する以外は、帯電条件C、CおよびCと同様である。
上記式(III)の規定を満足することによって、ゴースト現象を抑制する効果がより長く維持され、また、初期(1枚目)のゴーストがより一層発生しにくくなる。
上記式(III)中のmが2×10−3以下である場合、本発明者らは、電荷発生層や電荷発生層と支持体との間に設けられた層の内部および/またはこれらの界面に滞留する電子の量が飽和しているため、耐久使用によるゴースト現象の悪化が引き起こされないと推測している。ただし、上記式(III)中のmが1×10−4未満であると、初期(1枚目)にごく軽微なネガゴーストが見られる場合がある。
図6に、Vと(│−600−VAX│−│−600−VBX│)/dとの関係を示すグラフの一例を示す。上記近似式(III)は、最小自乗法により導き出す。
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
上述のとおり、本発明の電子写真感光体は、支持体、該支持体上に設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生層、および、該電荷発生層上に設けられた正孔輸送物質を含有する正孔輸送層を有する電子写真感光体である。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であればよく、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着することによって形成された被膜からなる層を有する上記金属製支持体やプラスチック(ポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂やポリイミド樹脂など)製支持体やガラス製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体などを用いることもできる。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状などが挙げられるが、円筒状が好ましい。
また、支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理(ホーニング処理やブラスト処理など)、アルマイト処理などを施してもよいし、アルカリリン酸塩やリン酸やタンニン酸を主成分とする酸性水溶液に金属塩の化合物またはフッ素化合物の金属塩を溶解してなる溶液で化学処理を施してもよい。
ホーニング処理としては、乾式ホーニング処理と湿式ホーニング処理とがある。湿式ホーニング処理は、水などの液体に粉末状の研磨剤を懸濁させ、高速度で支持体の表面に吹き付けて支持体の表面を粗面化する方法であり、表面粗さは、吹き付け圧力、速度、研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重および懸濁温度などによって制御することができる。乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーによって高速度で支持体の表面に吹き付けて支持体の表面を粗面化する方法であり、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。ホーニング処理に用いられる研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、鉄、ガラスビーズなどの粒子が挙げられる。
支持体と電荷発生層または後述の中間層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。好適な金属酸化物粒子としては、酸化亜鉛や酸化チタンの粒子が挙げられる。また、導電性粒子として、硫酸バリウムの粒子を用いることもできる。導電性粒子には、被覆層を設けてもよい。
導電性粒子の体積抵抗率は0.1〜1000Ω・cmの範囲が好ましく、特には1〜1000Ω・cmの範囲がより好ましい(この体積抵抗率は、三菱油化(株)製の抵抗測定装置ロレスタAPを用いて測定して求めた値である。測定サンプルは49MPaの圧力で固めてコイン状としたもの。)。また、導電性粒子の平均粒径は0.05〜1.0μmの範囲が好ましく、特には0.07〜0.7μmの範囲がより好ましい(この平均粒径は、遠心沈降法により測定した値である。)。導電層中の導電性粒子の割合は、導電層全質量に対して1.0〜90質量%の範囲が好ましく、特には5.0〜80質量%の範囲がより好ましい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらは単独で、または、2種以上の混合物もしくは共重合体として用いることができる。これらは、支持体に対する接着性が良好であるとともに、導電性粒子の分散性を向上させ、かつ、成膜後の耐溶剤性が良好である。これらの中でも、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂が好ましい。
導電層の膜厚は0.1〜30μmであることが好ましく、特には0.5〜20μmであることがより好ましい。
導電層の体積抵抗率は1013Ω・cm以下であることが好ましく、特には10〜1012Ω・cmの範囲であることがより好ましい(この体積抵抗率は、測定対象の導電層と同じ材料によってアルミニウム板上に被膜を形成し、この被膜上に金の薄膜を形成して、アルミニウム板と金薄膜の両電極間を流れる電流値をpAメーターで測定して求めた値である。)。
また、導電層には、必要に応じてフッ素あるいはアンチモンを含有させてもよいし、導電層の表面性を高めるために、レベリング剤を添加してもよい。
また、支持体または導電層と電荷発生層との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層(下引き層、接着層とも呼ばれる。)を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
中間層は、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂などの樹脂や、酸化アルミニウムなどの材料を用いて形成することができる。
中間層の膜厚は0.05〜5μmであることが好ましく、特には0.3〜1μmであることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノンなどの多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩、チアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、シアニン染料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
上記の各種電荷発生物質の中でも、高感度である反面、ゴースト現象が発生しやすく、本発明がより有効に作用するという点で、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましく、特にはフタロシアニン顔料が好ましい。
フタロシアニン顔料の中でも、金属フタロシアニン顔料が好ましく、特には、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンがより好ましく、その中でも、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが特に好ましい。
オキシチタニウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°および27.3°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶が好ましい。
クロロガリウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°および28.2°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の6.8°、17.3°、23.6°および26.9°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の8.7〜9.2°、17.6°、24.0°、27.4°および28.8°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
ジクロロスズフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の8.3°、12.2°、13.7°、15.9°、18.9°および28.2°に強いピークを有する結晶形のジクロロスズフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の8.5、11.2°、14.5°および27.2°に強いピークを有する結晶形のジクロロスズフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の8.7°、9.9°、10.9°、13.1°、15.2°、16.3°、17.4°、21.9°および25.5°に強いピークを有する結晶形のジクロロスズフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.2°、12.2°、13.4°、14.6°、17.0°および25.3°に強いピークを有する結晶形のジクロロスズフタロシアニン結晶が好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.3°、24.9°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
電荷発生物質の粒径は0.5μm以下であることが好ましく、特には0.3μm以下であることがより好ましく、さらには0.01〜0.2μmであることがより一層好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、セルロース樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、メラミン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルメタクリレート樹脂、ポリビニルアクリレート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙げられる。特には、ブチラール樹脂などが好ましい。これらは単独で、または、2種以上の混合物もしくは共重合体として用いることができる。
上記式(I)および上記式(II)、さらには上記式(III)の規定を満足する電子写真感光体を製造する方法の1つとして、電荷発生層に電子輸送物質を含有させるという方法が挙げられる。
電子輸送物質としては、例えば、トリニトロフルオレノンなどのフルオレノン化合物、ピロメリットイミド、ナフチルイミドなどのイミド化合物、ベンゾキノン、ジフェノキノン、ジイミノキノン、ナフトキノン、スチルベンキノン、アントラキノンなどのキノン化合物、フルオレニリデンアニリン、フルオレニリデンマロノニトリルなどのフルオレニリデン化合物、フタル酸無水物などのカルボン酸無水物、チオピランジオキシドなどの環状スルホン化合物、オキサジアゾール化合物、トリアゾール化合物などが挙げられる。これらの中でも、イミド化合物が好ましく、特には下記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物がより好ましい。
Figure 2005066718
上記式(1)中、R101およびR104は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、エーテル基で中断された置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、エーテル基で中断された置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、または、1価の置換もしくは無置換の複素環基を示す。R102およびR103は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアルコキシ基を示す。
上記のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などの鎖状のアルキル基や、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などの環状のアルキル基が挙げられる。上記のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基などが挙げられる。上記のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基などが挙げられる。上記のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。上記の1価の複素環基としては、ヒリジル基、フラル基などが挙げられる。上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。上記のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
上記各基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのアルキル基や、ビニル基、アリル基などのアルケニル基や、ニトロ基や、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子や、パーフルオロアルキル基などのハロゲン化アルキル基や、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基などのアリール基や、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基などが挙げられる。
上記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の中でも、R101およびR104の少なくとも一方が、置換もしくは無置換の直鎖のアルキル基、または、置換のアリール基であるものが好ましい。また、置換もしくは無置換の直鎖のアルキル基の中でも、ハロゲン原子置換の直鎖のアルキル基が好ましく、置換のアリール基の中でも、ハロゲン原子置換のアリール基、アルキル基置換のアリール基、または、ハロゲン化アルキル基置換のアリール基が好ましい。また、上記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物は、溶剤への溶解性の観点から、非対称形の構造であること(例えば、R101とR104とが異なる基。)が好ましい。
電荷発生層に含有させる電子輸送物質としては、その還元電位(飽和カロメル電極による還元電位)が−0.80〜0.00Vの範囲にあるものが好ましく、特には−0.65〜−0.25Vの範囲にあるものがより好ましく、さらには−0.60〜−0.25Vの範囲にあるものがより一層好ましい。
以下に、上記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
Figure 2005066718
Figure 2005066718
Figure 2005066718
上記式(1−1)〜(1−13)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の還元電位はそれぞれ以下のとおりである。
(1−1):−0.59V
(1−2):−0.51V
(1−3):−0.58V
(1−4):−0.46V
(1−5):−0.48V
(1−6):−0.47V
(1−7):−0.58V
(1−8):−0.58V
(1−9):−0.57V
(1−10):−0.49V
(1−11):−0.59V
(1−12):−0.45V
(1−13):−0.59V
電荷発生層中の電子輸送物質の割合は、電荷発生層中の電荷発生物質に対して10〜60質量%であることが好ましく、特には21〜40質量%であることがより好ましい。
電荷発生層は、電荷発生物質、必要に応じて電子輸送物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、1:0.5〜1:4(質量比)の範囲が好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.01〜2μmであることがより好ましく、さらには0.05〜0.3μmであることがより一層好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
本発明の電子写真感光体に用いられる正孔輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン化合物などが挙げられる。これら正孔輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
正孔輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。特には、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などが好ましい。これらは単独で、または、2種以上の混合物もしくは共重合体として用いることができる。
正孔輸送層は、正孔輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解して得られる正孔輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。正孔輸送物質と結着樹脂との割合は、2:1〜1:2(質量比)の範囲が好ましい。
正孔輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素などが用いられる。
正孔輸送層の膜厚は1〜50μmであることが好ましく、特には3〜30μmであることがより好ましい。
また、正孔輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
なお、正孔輸送層上には、該正孔輸送層を保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、結着樹脂を溶剤に溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、結着樹脂のモノマー・オリゴマーを溶剤に溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、これを硬化および/または乾燥させることによって保護層を形成してもよい。硬化には、光、熱または放射線(電子線など)を用いることができる。
保護層の結着樹脂としては、上記の各種樹脂を用いることができる。
保護層の膜厚は0.5〜10μmであることが好ましく、特には1〜5μmであることが好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
図7に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図7において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラーなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次転写されていく。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図7に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図7では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
図8に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の別の例を示す。
図8に示す構成の電子写真装置は、コロナ放電器を用いた帯電手段3’およびコロナ放電器を用いた転写手段6’を有している。動作については、図7に示す構成の電子写真装置と同様である。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーの表面を湿式ホーニング処理し、超音波水洗浄したものを支持体とした。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、下記式(2)で示される構造を有する化合物0.1部、
Figure 2005066718
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、ならびに、シクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散し、これに下記式(3)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.47V)3部
Figure 2005066718
を溶解させ、その後、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(4)で示される構造を有する化合物(正孔輸送物質)10部、
Figure 2005066718
および、下記式(5)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂(重量平均分子量:115000、テレフタル酸骨格とイソフタル酸骨格のモル比:テレフタル酸骨格/イソフタル酸骨格=50/50)10部
Figure 2005066718
を、モノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン30部の混合溶媒に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
この正孔輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が17μmの正孔輸送層を形成した。
このようにして、支持体、中間層、電荷発生層および正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を、以下の評価装置に装着し、暗部電位−600V、明部電位−150Vの条件で画像出力を行い、出力画像の評価を行った。
・評価装置
実施例1で用いた評価装置は、電子写真感光体の回転方向において帯電手段の上流側かつ転写手段の下流側の位置に除電手段を有さない、ヒューレットパッカード社製レーザービームプリンター「カラーレーザージェット4600」の改造機(プロセススピード:94.2mm/s)である。このレーザービームプリンターの帯電手段は、帯電ローラーを備えた接触帯電手段であり、帯電ローラーには直流電圧のみの電圧が印加される。改造として、露光光(画像露光光)の光量が可変となるようにした。
・評価用の画像パターン
評価用の画像パターンとして、ベタ白と図9に示すゴースト用パターンとを用意した。図9中、901の部分(黒塗り長方形)はベタ黒、902の部分はベタ白、903の部分はベタ黒901に起因するゴーストが出現し得る部分、904はハーフトーン(1ドット桂馬パターン)の部分である。
・初期評価
まず、ベタ白画像を1枚出力し、次に、ゴースト用パターンの画像を12枚出力した。ゴースト用パターンの画像12枚のうち、1枚目と12枚目を評価した。ゴーストの評価は、X−Rite社製分光濃度計X−Rite504/508を用いた。ゴースト用パターンの画像中、ゴーストが出現し得る部分903の濃度からハーフトーンの部分904の濃度を差し引いた濃度を測定し、この測定を10点行い、10点の平均値を求めた。値の符号が+の場合はポジゴースト、−の場合はネガゴーストを意味する。評価結果を表2に示す。
・耐久後評価
初期評価の後、濃度が10%の画像を10000枚出力し、その後、上記と同様の評価を再度行った。評価結果を表2に示す。
なお、初期評価および耐久後評価は、常温常湿(23℃、50%RH)環境および低音低湿(15℃、10%RH)環境の2環境下で行った。
(実施例2)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)3部を下記式(6)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.49V)3部
Figure 2005066718
に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)3部を下記式(7)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.51V)3部
Figure 2005066718
に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を装着する評価装置として、以下の評価装置を用いた以外は、実施例1と同様にして暗部電位−600V、明部電位−150Vの条件で画像出力を行い、出力画像の評価を行った。評価結果を表2に示す。
・評価装置
実施例4で用いた評価装置は、帯電手段の上流側かつ転写手段の下流側の位置に除電手段を有さない、ヒューレットパッカード社製レーザービームプリンター「カラーレーザージェット4600」の改造機(プロセススピード:94.2mm/s)である。改造として、帯電手段をコロナ放電器を備えたコロナ帯電手段に変更し、また、露光光(画像露光光)の光量が可変となるようにした。
(実施例5)
実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例3と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例7)
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
次に、10質量%酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粒子50部、レゾール型フェノール樹脂25部、メトキシプロパノール30部、メタノール30部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、重量平均分子量:3000)0.002部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間140℃で硬化させることによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを20分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、上記式(2)で示される構造を有する化合物0.1部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、ならびに、シクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散し、これに下記式(8)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.52V)3部
Figure 2005066718
を溶解させ、その後、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次に、上記式(4)で示される構造を有する化合物(正孔輸送物質)10部、および、下記式(9)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂(重量平均分子量:20000)10部
Figure 2005066718
を、モノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン30部の混合溶媒に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
この正孔輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの正孔輸送層を形成した。
このようにして、支持体、導電層、中間層、電荷発生層および正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例7において、電荷発生層に用いた上記式(8)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)3部を下記式(10)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.52V)3部
Figure 2005066718
に変更した以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例9)
実施例7において、電荷発生層に用いた上記式(8)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)3部を下記式(11)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.25V)3部
Figure 2005066718
に変更した以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例7において、電荷発生層に用いた上記式(8)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)3部を下記式(12)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.54V)3部
Figure 2005066718
に変更した以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例11)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)の量を3部から2.5部に変更し、正孔輸送層に用いた上記式(5)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂10部を上記式(9)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂10部に変更し、正孔輸送層の膜厚を17μmから20μmに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例12)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)の量を3部から4部に変更し、正孔輸送層に用いた上記式(5)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂10部を上記式(9)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂10部に変更し、正孔輸送層の膜厚を17μmから20μmに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例13)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)の量を3部から5部に変更し、正孔輸送層に用いた上記式(5)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂10部を上記式(9)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂10部に変更し、正孔輸送層の膜厚を17μmから20μmに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例14)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)の量を3部から6部に変更し、正孔輸送層に用いた上記式(5)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂10部を上記式(9)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂10部に変更し、正孔輸送層の膜厚を17μmから20μmに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例15)
実施例11において、電荷発生層の膜厚を0.16μmから0.12μmに変更した以外は、実施例11と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例16)
実施例11において、電荷発生層の膜厚を0.16μmから0.20μmに変更した以外は、実施例11と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例17)
実施例7において、電荷発生層の膜厚を0.16μmから0.18μmに変更し、正孔輸送層の膜厚を20μmから13μmに変更した以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例18)
実施例1において、正孔輸送層の膜厚を17μmから14μmに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例19)
実施例1において、正孔輸送層の膜厚を17μmから25μmに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例20)
実施例1において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
すなわち、下記式(13)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、
Figure 2005066718
および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例21)
実施例2において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
すなわち、上記式(13)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例22)
実施例3において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例3と同様にして電子写真感光体を作製した。
すなわち、上記式(13)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例23)
実施例11において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例11と同様にして電子写真感光体を作製した。
すなわち、上記式(13)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例24)
実施例12において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体を作製した。
すなわち、上記式(13)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例25)
実施例13において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例13と同様にして電子写真感光体を作製した。
すなわち、上記式(13)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例26)
実施例14において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例14と同様にして電子写真感光体を作製した。
すなわち、上記式(13)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例27)
実施例15において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例15と同様にして電子写真感光体を作製した。
すなわち、上記式(13)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例28)
実施例16において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例16と同様にして電子写真感光体を作製した。
すなわち、上記式(13)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例29)
実施例8において、中間層を以下のようにして形成し、また、電荷発生層の膜厚を0.16μmから0.12μmに変更し、正孔輸送層の膜厚を20μmから8μmに変更した以外は、実施例8と同様にして電子写真感光体を作製した。
すなわち、上記式(13)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例30)
実施例1において、支持体用のアルミニウムシリンダーを直径30mm、長さ357.5mmのものに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を装着する評価装置として、以下の評価装置を用いた以外は、実施例1と同様にして(ただし、暗部電位−500V、明部電位−150Vの条件)画像出力を行い、出力画像の評価を行った。評価結果を表2に示す。
・評価装置
実施例30で用いた評価装置は、キヤノン(株)製複写機「GP405」(プロセススピード:210mm/s)である。この複写機の帯電手段は、帯電ローラーを備えた接触帯電手段であり、帯電ローラーには直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。使用する際には、前露光手段(除電手段)をOFFにし、また、NDフィルターを用いて光量設定を行った。
(実施例31)
実施例2において、支持体用のアルミニウムシリンダーを直径30mm、長さ357.5mmのものに変更した以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例30と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例32)
実施例3において、支持体用のアルミニウムシリンダーを直径30mm、長さ357.5mmのものに変更した以外は、実施例3と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例30と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例33)
実施例1において、支持体用のアルミニウムシリンダーを直径30mm、長さ357.5mmのものに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を装着する評価装置として、以下の評価装置を用いた以外は、実施例1と同様にして(ただし、暗部電位−500V、明部電位−150Vの条件)画像出力を行い、出力画像の評価を行った。評価結果を表2に示す。
・評価装置
実施例33で用いた評価装置は、キヤノン(株)製複写機「GP405」の改造機(プロセススピード:210mm/s)である。改造として、帯電手段をコロナ放電器を備えたコロナ帯電手段に変更した。使用する際には、前露光手段(除電手段)をOFFにし、また、NDフィルターを用いて光量設定を行った。
(実施例34)
実施例2において、支持体用のアルミニウムシリンダーを直径30mm、長さ357.5mmのものに変更した以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例33と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例35)
実施例3において、支持体用のアルミニウムシリンダーを直径30mm、長さ357.5mmのものに変更した以外は、実施例3と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(III)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例33と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2005066718
Figure 2005066718

(比較例1)
実施例1において、電荷発生層に上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)を含有させないこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例2)
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
次に、10質量%酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粒子50部、レゾール型フェノール樹脂25部、メトキシプロパノール30部、メタノール30部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、重量平均分子量:3000)0.002部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で硬化させることによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン10部をメタノール200部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.7μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、シクロヘキサノンにポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)を溶解させてなる5質量%(ポリビニルブチラール樹脂濃度)溶液、ならびに、シクロヘキサノン97部/水3部の混合溶媒を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散し、次に、シクロヘキサノン203.7部/水6.3部の混合溶媒、および、シクロヘキサノン260部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬塗布し、80℃で10分間乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(14)で示される構造を有する化合物(正孔輸送物質)9部、
Figure 2005066718
上記式(4)で示される構造を有する化合物(正孔輸送物質)1部、および、上記式(9)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂(重量平均分子量:20000)10部を、モノクロロベンゼン60部/ジクロロメタン40部の混合溶媒に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
この正孔輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間115℃で乾燥させることによって、膜厚が22μmの正孔輸送層を形成した。
このようにして、支持体、導電層、中間層、電荷発生層および正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例3)
実施例11において、電荷発生層に用いた上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)2.5部を下記式(15)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.68V)2.5部
Figure 2005066718
に変更した以外は、実施例11と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例4)
実施例11において、電荷発生層に用いた上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)2.5部を下記式(16)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.60V)2.5部
Figure 2005066718
に変更した以外は、実施例11と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例5)
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーの表面を湿式ホーニング処理し、超音波水洗浄したものを支持体とした。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)3部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)2部、下記式(17)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.50V)0.03部、
Figure 2005066718
ならびに、シクロヘキサノン80部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散し、次に、メチルエチルケトン115部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、上記式(4)で示される構造を有する化合物(正孔輸送物質)10部、および、上記式(9)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂(重量平均分子量:20000)10部を、モノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン10部の混合溶媒に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
この正孔輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間110℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの正孔輸送層を形成した。
このようにして、支持体、中間層、電荷発生層および正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例6)
比較例5において、電荷発生層に用いた上記式(17)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)0.03部を下記式(18)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.50V)0.03部
Figure 2005066718
に変更した以外は、比較例5と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例7)
比較例5において、電荷発生層に上記式(17)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質)を含有させないこと以外は、比較例5と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例8)
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーの表面を湿式ホーニング処理し、超音波水洗浄したものを支持体とした。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
次に、下記式(19)で示される構造を有するビスアゾ顔料(電荷発生物質)20部、
Figure 2005066718
上記式(9)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート10部、下記式(20)で示される構造を有する化合物(電子輸送物質、還元電位:−0.37V)5部、
Figure 2005066718
および、テトラヒドロフラン150部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを30分間110℃で乾燥させることによって、膜厚が0.5μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(21)で示される構造を有する化合物10部、
Figure 2005066718
および、上記式(9)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート10部を、テトラヒドロフラン10部に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
この正孔輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを30分間110℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの正孔輸送層を形成した。
このようにして、支持体、中間層、電荷発生層および正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例9)
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーの表面を湿式ホーニング処理し、超音波水洗浄したものを支持体とした。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、下記式(22)で示される構造を有する化合物(一重項酸素失活剤)0.3部、
Figure 2005066718
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)10部、ならびに、シクロヘキサノン400部を、直径1mmのガラスビーズ(400部)を用いたサンドミル装置で5時間分散し、その後、酢酸エチル400部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間80℃で乾燥させることによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、上記式(4)で示される構造を有する化合物(正孔輸送物質)10部、および、上記式(9)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート10部を、モノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン10部の混合溶媒に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
この正孔輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間110℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの正孔輸送層を形成した。
このようにして、支持体、中間層、電荷発生層および正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例10)
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーの表面を湿式ホーニング処理し、超音波水洗浄したものを支持体とした。
次に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−2、積水化学工業(株)製)8部をn−ブチルアルコール152部に溶解させた。次に、トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネートを50質量%含むトルエン溶液(商品名:ZC−540、松本交商社)100部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(商品名A1100、日本ユニカー(株)製)10部、および、n−ブチルアルコール130部を混合した溶液を、上記のポリビニルブチラール樹脂をn−ブチルアルコールに溶解させてなる液に加え、攪拌することによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを10分間150℃で乾燥させることによって、膜厚が1.0μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5および28.2°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)4部、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体(ユニオンカーバイド社製)4部、ならびに、酢酸−n−ブチル100部を、直径1mmのガラスビーズを用いたダイノーミル装置で12時間分散することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.25μmの電荷発生層を形成した。
次に、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(正孔輸送物質)4部、および、上記式(9)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂6部を、モノクロロベンゼン40部に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
この正孔輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを40分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの正孔輸送層を形成した。
このようにして、支持体、中間層、電荷発生層および正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例11)
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーの表面を湿式ホーニング処理し、超音波水洗浄したものを支持体とした。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5および28.2°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイド社製)10部、ならびに、酢酸−n−ブチル200部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で3時間分散した後、これに下記式(23)で示される構造を有する化合物(正孔輸送物質)1部
Figure 2005066718
を加えてさらに1時間分散することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、上記式(23)で示される構造を有する化合物(正孔輸送物質)10部、および、上記式(9)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート10部を、モノクロロベンゼン60部に溶解することによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
この正孔輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間110℃で乾燥させることによって、膜厚が25μmの正孔輸送層を形成した。
このようにして、支持体、中間層、電荷発生層および正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例12)
実施例7において、電荷発生層の膜厚を0.16μmから0.08μmに変更した以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例13)
実施例7において、電荷発生層の膜厚を0.16μmから0.3μmに変更した以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例14)
実施例7において、正孔輸送層の膜厚を20μmから25μmに変更した以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例4と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例15)
比較例1において、支持体用のアルミニウムシリンダーを直径30mm、長さ357.5mmのものに変更した以外は、比較例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例33と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例16)
比較例2において、支持体用のアルミニウムシリンダーを直径30mm、長さ357.5mmのものに変更した以外は、比較例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例33と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(比較例17)
比較例5において、支持体用のアルミニウムシリンダーを直径30mm、長さ357.5mmのものに変更した以外は、比較例5と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)および(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表3に示す。
作製した電子写真感光体を実施例33と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 2005066718

Figure 2005066718
ゴーストが出現し得る部分903の濃度からハーフトーンの部分904の濃度を差し引いた濃度の10点平均値が0.05以上であるものは、本発明の効果が十分に得られていないと判断した。
表2および4から明らかなとおり、比較例1〜3、5〜7、9〜11および13〜17は、(│−600−V│−│−600−V│)/dが0.13よりも大きいため、耐久後のゴーストレベルが悪い。比較例2〜7、9、10、12、14、16および17は、−(−450−V)が−5よりも小さいため、1枚目にネガゴーストが発生している。比較例8は、−(−450−V)が2よりも大きいため、ポジゴーストが発生する傾向にある。実施例2と比較例14とを対比すると、また、実施例17と比較例2とを対比すると、Vが同等の値であっても、比較例は耐久後にポジゴーストが発生していることがわかる。
この出願は、2003年12月26日に出願した日本特許出願(出願番号:特願2003−434013)に基づく優先権を主張するものとして、ここに記載する。

Claims (8)

  1. 支持体、該支持体上に設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生層、および、該電荷発生層上に設けられた正孔輸送物質を含有する正孔輸送層を有する電子写真感光体において、
    所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
    所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、次いで、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
    該正孔輸送層の膜厚をd[μm]としたとき、
    、Vおよびdが下記式(I)
    (│−600−V│−│−600−V│)/d≦0.13 ・・・(I)
    を満足し、かつ、
    所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を所定の値VCI[V]にし、次いで、表面電位がVCI[V]になった該電子写真感光体の表面に該光量Eと同光量の光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を所定の値VCII[V]にし、次いで、表面電位がVCII[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電することによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]としたとき(該帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位が−450[V]になるとき、該所定の光の光量がEである)、
    が下記式(II)
    −5≦−(−450−V)≦2 ・・・(II)
    を満足することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記帯電条件Cに設定された帯電装置により前記電子写真感光体の表面を帯電しながら前記電子写真感光体を5回転させることによって前記電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった前記電子写真感光体の表面に光を照射することによって前記電子写真感光体の表面電位をV[V]にし、表面電位がV[V]になった前記電子写真感光体の表面を前記帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の前記電子写真感光体の表面電位をVAX[V]とし、
    所定の帯電条件C2Xに設定された帯電装置により前記電子写真感光体の表面を帯電しながら前記電子写真感光体を5回転させることによって前記電子写真感光体の表面電位をV[V]にし、次いで、表面電位がV[V]になった前記電子写真感光体の表面を前記帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の前記電子写真感光体の表面電位をVBX[V]としたとき、
    −200≦V≦−120の範囲において、V、VAX、VBXおよび前記正孔輸送層の膜厚d[μm]ならびに定数mおよび定数nからなる下記近似式(III)
    (│−600−VAX│−│−600−VBX│)/d=m・V+n ・・・(III)
    中のmが1×10−4〜2×10−3の範囲にある請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記電荷発生層が前記電荷発生物質として少なくともヒドロキシガリウムフタロシアニンを含有する請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記電荷発生層が電子輸送物質を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記電子輸送物質がナフタレンカルボン酸ジイミド化合物である請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体の周囲に配置された帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
  8. 前記帯電手段の上流側かつ前記転写手段の下流側の位置に除電手段を有さない請求項7に記載の電子写真装置。
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