JP4078113B2 - ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の重合性官能基を有するナフタレンアミジンイミド化合物の製造方法に関する。
【0002】
該ナフタレンアミジンイミド化合物および該ナフタレンアミジンイミド化合物を重合した重合物は、有機電子デバイスなどの電子輸送物質として有用である。
【0003】
【従来の技術】
有機の電荷輸送物質としては、従来、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの共役二重結合を有する高分子化合物や、ピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、アミノ基を有するスチルベン系化合物などが数多く提案されており、電子写真感光体や、有機薄膜電界発光素子や、フォトセルなどへの利用が検討されている。
【0004】
しかし、これらのほとんどが、いわゆる正孔輸送物質(p型半導体)である。一方、有機の電子輸送物質(n型半導体)の例はあまり多くない。
【0005】
代表的なものとして2,4,7−トリニトロフルオレノン、特開昭60−69657号公報に記載のフルオレニデンメタン化合物、特開昭61−233750号公報に記載のアントキノジメタンおよびアントロン化合物、特開平4−285670号公報に記載のジフェノキノン化合物、特開平9−151157公報記載のナフトキノン化合物などが提案されている。
【0006】
しかし、これらの電子輸送物質は、溶解性が悪かったり、毒性が強かったり、電子の輸送特性が悪かったりと、実用上大きな問題を有しているのが現状である。
【0007】
その中で、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物は、毒性が低く、かつ、ある程度電子輸送能に優れており、近年、電子輸送物質として数多くの提案が見られる。例えば、特開平1−39098号公報、特開平5−25174号公報、米国特許第4442193号明細書、米国特許第5468583号明細書、特公平1−39098号公報および特開平11−343290号公報などに開示されている。
【0008】
しかし、いずれの場合も、電子デバイスなどに使用するには、他の樹脂と混合し薄膜を作製しようとすると溶解性が低く、結晶化や膜のクラックなどの問題を生じてしまう。それを避けるために、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の量を減らしたり、溶解性向上のために、嵩高い置換基を導入したりすると、今度は電子輸送能の低下が見られ、いまだ実用レベルで十分な物が得られていないのが現状である。
【0009】
一方、溶解性と電子輸送能の向上を目的として、電子輸送物質を高分子化した材料の開発もいくつか試みられている。例えば、特開平8−134019号公報にはフルオレン誘導体を構成成分とした重合物、特開平9−194535号公報にはチオキサンテン誘導体を構成成分とした重合物がそれぞれ開示されている。これらにより、膜中での結晶化やクラックの問題はある程度改善されたが、電子輸送能としては、重合物にペンダントされている電子輸送能を有する材料の特性上、電子輸送能としてはいまだ不十分である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、結晶化や膜のクラックなどの問題を生じず、十分な溶解性や電子輸送能を有する重合体を合成することができるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題の改善に鋭意検討した結果、本発明に至った。
【0012】
本発明は、下記式(20)
【外13】
(式(20)中、Y201は塩素原子または臭素原子を示す。X11は置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(Y201もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。R12は置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。ただし、X 11 およびR 12 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物と、アクリル酸ナトリウムおよびアクリル酸カリウムの少なくとも一方とを反応させて、下記式(1)
【外14】
(式(1)中、X11およびR12は、上記式(20)中のX11およびR12と同義である。X 11は置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(R11もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。R11は下記式(2)
【外15】
で示される。R12は置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。ただし、X 11 およびR 12 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を製造するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の製造方法である。
【0013】
また、本発明は、下記式(20)
【外16】
(式(20)中、Y201は塩素原子または臭素原子を示す。X11は置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(Y201もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。R12は置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。ただし、X 11 およびR 12 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物と、メタクリル酸ナトリウムおよびメタクリル酸カリウムの少なくとも一方とを反応させて、下記式(1)
【外17】
(式(1)中、X11およびR12は、上記式(20)中のX11およびR12と同義である。X 11は置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(R11もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。R11は下記式(3)
【外18】
で示される。R12は置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。ただし、X 11 およびR 12 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を製造するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の製造方法である。
【0014】
また、本発明は、下記式(21)
【外19】
(式(21)中、Y211およびY212はそれぞれ塩素原子または臭素原子を示す。X51およびX52はそれぞれ置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(Y211またはY212もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。ただし、X 51 およびX 52 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物と、アクリル酸ナトリウムおよびアクリル酸カリウムの少なくとも一方とを反応させて、下記式(5)
【外20】
(式(5)中、X51およびX52は、上記式(21)中のX51およびX52と同義である。X 51およびX52はそれぞれ置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(R51またはR52もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。R51およびR52はそれぞれ下記式(2)
【外21】
で示される。ただし、X 51 およびX 52 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を製造するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の製造方法である。
【0015】
また、本発明は、下記式(21)
【外22】
(式(21)中、Y211およびY212はそれぞれ塩素原子または臭素原子を示す。X51およびX52はそれぞれ置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(Y211またはY212もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。ただし、X 51 およびX 52 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物と、メタクリル酸ナトリウムおよびメタクリル酸カリウムの少なくとも一方とを反応させて、下記式(5)
【外23】
(式(5)中、X51およびX52は、上記式(21)中のX51およびX52と同義である。X 51およびX52はそれぞれ置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(R51またはR52もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。R51およびR52はそれぞれ下記式(3)
【外24】
で示される。ただし、X 51 およびX 52 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を製造するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
上記式(1)中のX11、上記式(5)中のX51、X52の置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘプチレン、オクチレンなどの直鎖アルキレン基や、1−メチルエチレン基、2−メチルプロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、1−エチルエチレン基、2−エチルヘキシレン基、1−メチルヘキシレン基、1,5−ジメチルヘキシレン基、1,3−ジメチルブチレン基などの分岐鎖アルキレン基などが挙げられ、同置換基を有してもよい2価のアリーレン基としては、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレンなどが挙げられ、同置換基を有してもよい2価のアラルキレン基としては、下記式(6)で示される構造を有するアラルキレン基などが挙げられる。
【0017】
【外25】
【0018】
上記式(6)中、nは正の整数であり、1〜5が好ましい。
上記式(1)中のR12の置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、オクチル基などの直鎖アルキル基や、iso―プロピル基、t−ブチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、t−オクチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、2−ヘキシルヘプチル基などの分岐鎖アルキル基や、シクロヘプチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基などの炭素数5〜12の環状アルキル基や、2,3−プロピレン基、3,4−ペンチレン基などの炭素数3〜15の直鎖不飽和アルキル基や、2,3−シクロヘキシレン基、3,4−シクロヘキシレン基などの炭素数5〜10の環状不飽和アルキル基などが挙げられ、置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル、ピレニル、ピリジル、キノリル、チエニル、フリル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリルなどのアリール基などが挙げられ、置換基を有してもよいアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
【0019】
上記式(1)中のX11、R12、上記式(5)中のX51、X52が有してもよい置換基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシルなどのアルキル基、メトキシ、エトキシ、ブトキシなどのアルコキシ基、フェノキシ、ナフトキシなどのアリールオキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アセチル、ベンジルなどのアシル基、トリフルオロメチルなどのハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基、または、ヒドロキシル基である。
【0020】
また、上記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物は、X11が、置換基を有してもよい炭素数1〜10の2価のアルキレン基、置換基を有してもよい2価のフェニレン基または置換基を有してもよい上記式(6)で示される構造を有する2価のアラルキレン基であり、かつ、R11が、上記式(2)または(3)であることが好ましい。
【0021】
また、上記式(5)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物は、X51およびX52が、置換基を有してもよい炭素数1〜10の2価のアルキレン基、置換基を有してもよい2価のフェニレン基または置換基を有してもよい上記式(6)で示される構造を有する2価のアラルキレン基であり、かつ、R51およびR52の少なくとも一方が、上記式(2)または(3)であることが好ましい。
【0022】
上記式(1)および(5)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の具体例を以下の表1に示す。ただし、本発明のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物は、これらに限定されるわけではない。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
次に、上記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を重合した重合体について説明する。
【0026】
この重合体は、下記式(7)で示される繰り返し構造単位、下記式(8)で示される繰り返し構造単位および下記式(9)で示される繰り返し構造単位からなる群より選択される少なくとも1つの繰り返し構造単位を有する重合体である。
【0027】
【外26】
(式(7)、(8)および(9)中、X 71 およびX 81 は置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(N原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基および置換基を有してもよい2価のアラルキレン基のいずれかを示す。X 91 は置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(N原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基、置換基を有してもよい2価のアラルキレン基、または、単結合のいずれかを示す。R 72 、R 82 およびR 92 は置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいアラルキル基のいずれかを示す。)
【0028】
この重合体は、上記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を既知の方法で重合することができる。例えば、テトラヒドロフランなどの有機溶媒に溶解後、さらに既知の重合開始剤などを加え、加熱し重合反応を行う。反応終了後、反応液をアルコール系溶剤のような貧溶媒にあけ、析出した重合物を濾集する。その後、再沈工程を繰り返し目的の重合物を得ることができる。
【0029】
さらに、前記重合反応においては、スチレン、アクリロニトリル、イソプレン、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルなどの他のモノマーをさらに加えて重合し、共重合体を得てもよい。添加量は任意であってもかまわないが、上記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物に対して1〜30モル%程度が好ましい。添加量が30モル%を超えると、重合物の電子輸送能が低下する場合がある。
【0030】
なお、この重合物の重量平均分子量は、5000〜200000であることが好ましい。
また、この重合物は、電子輸送能の面から上記式(7)および(8)で示される繰り返し構造単位を有するものが好ましく、さらには、上記式(7)および(8)で示される繰り返し構造単位を有するものであって、かつ、上記式(7)および(8)中のX71およびX81が、置換基を有してもよい炭素数1〜10の2価のアルキレン基、置換基を有してもよい2価のフェニレン基および置換基を有してもよい上記式(6)で示される構造を有する2価のアラルキレン基である場合がより好ましい。さらには、上記式(7)および(8)中のR72およびR82が、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基または置換基を有してもよいフェニル基である場合が特に好ましい。
【0031】
次に、上記式(5)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を重合した重合体について説明する。
【0032】
この重合体は、下記式(10)で示される繰り返し構造単位、下記式(11)で示される繰り返し構造単位、下記式(12)で示される繰り返し構造単位、下記式(13)で示される繰り返し構造単位、下記式(14)で示される繰り返し構造単位、および、下記式(15)で示される繰り返し構造単位からなる群より選択される少なくとも1つの繰り返し構造単位を有する重合体である。
【0033】
【外27】
【0034】
【外28】
(式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)および(15)中、X 101 、X 102 、X 111 、X 112 、X 121 、X 131 、X 132 およびX 141 は、置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(N原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基および置換基を有してもよい2価のアラルキレン基のいずれかを示す。X 12 2 、X 142 、X 151 およびX 152 は、置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(N原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基、置換基を有してもよい2価のアラルキレン基、または、単結合のいずれかを示す。)
【0035】
この重合体は、上記式(5)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を既知の方法で重合することで得られる。例えば、上記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を溶液で重合したのと同様に有機溶媒に溶解後、既知の重合開始剤などを加え、加熱し重合反応を行うと重合物が得られる。
【0036】
しかし、この場合は、3次元構造を有する重合物となるため、一般の溶媒への溶解性が悪く、この重合物を成膜して有機電子デバイスに使用するには制限が生じてしまう。
そこで、一般的には、上記式(5)の化合物を適当な溶媒に溶解した液を塗布後、加熱、紫外線照射あるいは電子線照射などの処理を行い重合硬化し、成膜された重合物を得る方法が好ましい。この際、必要に応じて既知の重合開始剤などを加えてもよい。
【0037】
また、この重合物は、電子輸送能の面から、上記式(10)、(11)および(13)で示される繰り返し単位を有するものが好ましく、さらには、上記式(10)、(11)および(13)で示される繰り返し構造単位を有するものであって、かつ、上記式(10)、(11)および(13)中のX101、X102、X111、X112、X131およびX132が、置換基を有してもよい炭素数1〜10の2価のアルキレン基、置換基を有してもよい2価のフェニレン基および置換基を有してもよい上記式(6)で示される構造を有する2価のアラルキレン基である場合がより好ましい。
【0038】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0039】
(実施例1−1)
(化合物例No.(2)の合成)
90部のナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物と50部の2−メチル−6−エチルアニリンとをジメチルホルムアミド中で1時間還流下に加熱し、次いで35部の2−エトキシエチルアミンを添加して、ジメチルホルムアミド中で還流下にてさらに2時間加熱した。冷却後、反応混合物を濾過し、沈殿をジメチルホルムアミドで洗浄し、さらにジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。
【0040】
この生成物をカラムクロマトで精製して、65部のN−(2−エトキシエチル)−N’−(2−メチル−6−エチルフェニル)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドを得た。
【0041】
オキシ塩化リン356部を氷水で冷却しジメチルホルムアミド513部にゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で30分間攪拌後、N−(2−エトキシエチル)−N’−(2−メチル−6−エチルフェニル)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド54部をゆっくり添加した。添加終了後、ゆっくり加熱し、内温が110〜120℃に保ち12時間加熱攪拌を行った。反応液を冷却後、氷で冷却した10%の酢酸ナトリウム水溶液10000部にあけ、析出した結晶を濾取した。得られた粗結晶を水洗およびメタノールで洗浄した。
【0042】
得られた粗結晶をトルエン/テトラヒドロフラン混合溶媒に溶解し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、N−(2−クロロエチル)−N’−(2−メチル−6−エチルフェニル)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドを51部得た。その赤外線吸収スペクトルを図1に示す。また、その核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を図2に示す。
【0043】
N−(2−クロロエチル)−N’−(2−メチル−6−エチルフェニル)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド25部、アクリル酸カリウム18.5部およびテトラブチルアンモニウムブロマイド0.9部をジメチルホルムアミド300部に加え、115℃で7時間加熱撹拌を行った。冷却後、氷水で冷やした2.5%カセイソーダ水溶液700部にあけ、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を飽和食塩水洗い後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去後、残留物にテトラヒドロフラン35部を加え完全に溶解後n−ヘキサン135部を加え冷却し、結晶を析出させた。結晶を濾取後、さらにn−ヘキサンで分散洗浄し粗結晶を45部得た。
【0044】
得られた粗結晶をトルエンに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製を行い例示化合物No.(2)を36部得た。その赤外線吸収スペクトルを図3に示す。また、その核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を図4に示す。
【0045】
(参考例1−2)
(化合物例No.(29)の合成)
ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物50部に2−アミノー1−プロパノール66部およびイミダゾール0.8部を加え、窒素雰囲気下140℃で4時間加熱撹拌を行った。冷却後、10%塩酸水溶液3000部にあけ析出した粗結晶を濾取した。粗結晶を10%炭酸カリウム水溶液で分散洗浄(80℃)を2回行った。さらに、80℃で水洗浄を行った。
【0046】
粗結晶を乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行い、N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドを28部得た。
【0047】
N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド250部、アクリル酸142部および2−メトキシフェノール0.9部をトルエン650部に加え溶解後、p−トルエンスルホン酸1水和物2.5部を加え110℃に加熱し脱水反応を6時間行った。冷却後、10%苛性ソーダ水溶液にあけ酢酸エチルで抽出を行った。有機層をさらに水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥を行った。溶媒を減圧下で除去後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製を行い、例示化合物No.(29)の化合物を210部得た。
【0048】
(参考例1−3)
(化合物例No.(20)の合成)
90部のナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物と50部の2−メチル−6−エチルアニリンとをジメチルホルムアミド中で1時間還流下に加熱し、次いで47部の4−ビニルアニリンを添加して、ジメチルホルムアミド中で還流下にてさらに2時間加熱した。冷却後、反応混合物を濾過し、沈殿をジメチルホルムアミドで洗浄し、さらにジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。この生成物をカラムクロマトで精製を行い例示化合物No.(20)の化合物を58部得た。
【0049】
(実験例2−1)
三つ口フラスコに乾燥窒素ガスを送りながら例示化合物No.(2)1部とトルエン10部を加えた。これを25℃で撹拌下、AIBN 0.005部を加えた。引き続き窒素を送りながら65℃で50時間重合反応を行った。反応終了後、激しく撹拌した500部のメタノールに反応液を滴下し、析出した析出物を瀘取した。この析出物を10部のテトラヒドロフランに溶解し、濾過を行ったのち瀘液をメタノール500部に滴下し、重合物を析出させた。析出した重合物を瀘取後、メタノール500部で分散洗浄し、さらに真空乾燥して重合物(P−1)0.89部を得た。その赤外線吸収スペクトルを図5に示す。また、得られたポリマーの分子量をGPC(クロロホルム移動層)により測定したところ、そのスチレン換算重量平均分子量は24000だった。
【0050】
(実験例2−2〜2−5)
実験例2−1に使用した例示化合物No.(2)に代えて、例示化合物No.(3)、例示化合物No.(20)、例示化合物No.(9)、例示化合物No.(26)にそれぞれ代えた以外は実験例2−1と同様に反応を行い、重合物(P−2〜P−5)を得た。得られた重合物の分子量をGPC(クロロホルム移動層)により測定したところ、その重量平均分子量は、(P−2):163000、(P−3):78000、(P−4):128000、(P−5):52000であった。
【0051】
(実験例2−6〜2−9)
実験例2−1に使用した例示化合物No.(2)に代えて、例示化合物No.(22)、例示化合物No.(5)、例示化合物No.(6)、例示化合物No.(8)を0.9部とメタクリル酸メチル0.1部とを使用した以外は実験例2−1と同様に反応を行い、重合物(P−6〜P−9)を得た。得られた重合物の分子量をGPC(クロロホルム移動層)により測定したところ、その重量平均分子量は、(P−6):99000、(P−7):61000、(P−8):94000、(P−9):78000であった。
【0052】
(実験例2−10、2−11)
実験例2−1に使用した例示化合物No.(2)に代えて、例示化合物No.(1)、例示化合物No.(4)を0.9部とスチレン0.1部とを使用した以外は実験例2−1と同様に反応を行い、重合物(P−10〜P−11)を得た。得られた重合物の分子量をGPC(クロロホルム移動層)により測定したところ、その重量平均分子量は(P−11):65000、(P−12):42000であった。
【0053】
(実験例2−12、2−13)
実験例2−1に使用した例示化合物No.(2)に代えて、例示化合物No.(10)、例示化合物No.(16)を0.5部と下記アクリル化合物0.5部とを使用した以外は実験例2−1と同様に反応を行い、重合物(P−13〜P14)を得た。得られた重合物の分子量をGPC(クロロホルム移動層)により測定したところ、その重量平均分子量は、(P−13):55000、(P−14):104000であった。
【0054】
(実験例2−14)
例示化合物No.(20)、を0.1部と例示化合物No.(2) 0.9部とを使用した以外は実験例2−1と同様に反応を行い、重合物((P−15)を得た。得られた重合物の分子量をGPC(クロロホルム移動層)により測定したところ、その重量平均分子量は145000であった。
【0055】
(実験例2−15)
触媒を過酸化ベンゾイルにした以外は実験例2−1と同様に反応を行い重合物((P−16)を得た。得られたポリマーの分子量をGPC(クロロホルム移動層)により測定したところ、その重量平均分子量は35000であった。
【0056】
(実験例3−1)
実験例1−2で得られた化合物(29)5部をテトラヒドロフラン5部に溶解した溶液をアルミマイラー上にマイヤーバーで塗布し、40℃で5分間乾燥後、加速電圧150kV、照射線量5Mradの条件で電子線を照射し、硬化重合させ10μmの膜を形成した。クラックの促進試験として、作製した感光体の表面に指油を付着させ、常温常圧下で32時間放置し、感光層にクラックが生じているか否かを観察したところ、クラックは全く生じていなかった。さらに、結晶化の促進試験として作製した感光体の表面に指油を付着させ、75℃で2週間放置し、重合物などの析出が生じているかを観察したところ、析出物は全く認められなかった。なお、クラックおよび析出物の観察は、顕微鏡(VERSAMET6390、UNION社製)で50倍にて行い、クラックおよび析出物の有無を確認した。
【0057】
また、上記と全く同様にアルミマイラー上に作製した膜上に、さらに金蒸着を行い、サンドイッチ構成の移動度測定用シートを作製した。そのシートを既知の飛行時間法(TOF法)で電界強度が5×105V/cmにおける電子移動度を測定したところ、5.6×10−6cm2/V・sであった。
【0058】
(実験例4−1)
実験例2−1で得られた重合物(P−1)5部をテトラヒドロフラン5部に溶解した溶液をアルミマイラー上にマイヤーバーで塗布後、110℃で1時間乾燥し、10μmの膜を形成した。上記実験例3−1と同様にクラックの促進試験および結晶化の促進試験を行ったが、クラックおよび析出物は全く認められなかった。
【0059】
また、上記と全く同様にアルミマイラー上に作製した膜上に、さらに金蒸着を行い、サンドイッチ構成の移動度測定シートを作製した。そのシートを既知の飛行時間法(TOF法)で電界強度が5×105V/cmにおける電子移動度を測定したところ、7.5×10−6cm2/V・sであった。
【0060】
(比較例1−1)
三つ口フラスコに乾燥窒素ガスを送りながら、下記式で示される構造を有する化合物1部と、
【外29】
トルエン15部を加えた。この溶液を25℃で攪拌下、AIBN0.005部を加えた。引き続き窒素を送りながら、65℃で50時間重合反応を行った。反応終了後、激しく攪拌した500部のメタノールに反応液を滴下し、析出した析出物を濾取した。この析出物を50部のテトラヒドロフランに溶解し、濾過を行った後、濾液を、メタノール500部に滴下し、重合物を析出させた。析出した重合物を濾取後、メタノール500部で分散洗浄し、さらに真空乾燥して重合物(H−1)0.89部得た。得られた重合物の分子量をGPC(クロロホルム移動層)により測定したところ、その平均分子量は35000であった。
【0061】
得られた重合物(H−1)5部をテトラヒドロフラン5部に溶解した溶液をアルミマイラー上にマイヤーバーで塗布後、110℃で1時間乾燥し、10μmの膜を形成した。上記実験例3−1と同様にクラックの促進試験および結晶化の促進試験を行ったところ、クラックは認められなかったが、析出物が数箇所確認された。
【0062】
また、上記と全く同様にアルミマイラー上に作製した膜上に、さらに金蒸着を行い、サンドイッチ構成の移動度測定シートを作製した。そのシートを既知の飛行時間法(TOF法)で電界強度が5×105V/cmにおける電子移動度を測定したところ、2.5×10−6cm2/V・sであった。
【0063】
【発明の効果】
本発明により、結晶化や膜のクラックなどの問題を生じず、十分な溶解性や電子輸送能を有する重合体を合成することができるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 例示化合物No.(2)の中間体であるN−(2−クロロエチル)−N’−(2−メチル−6−エチルフェニル)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド化合物の赤外線吸収スペクトル図である。
【図2】 例示化合物No.(2)の中間体であるN−(2−クロロエチル)−N’−(2−メチル−6−エチルフェニル)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド化合物の1H−NMRスペクトル図である。
【図3】 例示化合物No.(2)の赤外線吸収スペクトル図である。
【図4】 例示化合物No.(2)の1H−NMRスペクトル図である。
【図5】 重合物(P−1)の赤外線吸収スペクトル図である。
Claims (4)
- 下記式(20)
【外1】
(式(20)中、Y201は塩素原子または臭素原子を示す。X11は置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(Y201もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。R12は置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。ただし、X 11 およびR 12 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物と、アクリル酸ナトリウムおよびアクリル酸カリウムの少なくとも一方とを反応させて、下記式(1)
【外2】
(式(1)中、X11およびR12は、上記式(20)中のX11およびR12と同義である。X 11は置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(R11もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。R11は下記式(2)
【外3】
で示される。R12は置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。ただし、X 11 およびR 12 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を製造するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の製造方法。 - 下記式(20)
【外4】
(式(20)中、Y201は塩素原子または臭素原子を示す。X11は置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(Y201もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。R12は置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。ただし、X 11 およびR 12 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物と、メタクリル酸ナトリウムおよびメタクリル酸カリウムの少なくとも一方とを反応させて、下記式(1)
【外5】
(式(1)中、X11およびR12は、上記式(20)中のX11およびR12と同義である。X 11は置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(R11もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。R11は下記式(3)
【外6】
で示される。R12は置換基を有してもよい炭素数1〜15のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいアラルキル基を示す。ただし、X 11 およびR 12 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を製造するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の製造方法。 - 下記式(21)
【外7】
(式(21)中、Y211およびY212はそれぞれ塩素原子または臭素原子を示す。X51およびX52はそれぞれ置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(Y211またはY212もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。ただし、X 51 およびX 52 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物と、アクリル酸ナトリウムおよびアクリル酸カリウムの少なくとも一方とを反応させて、下記式(5)
【外8】
(式(5)中、X51およびX52は、上記式(21)中のX51およびX52と同義である。X 51およびX52はそれぞれ置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(R51またはR52もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。R51およびR52はそれぞれ下記式(2)
【外9】
で示される。ただし、X 51 およびX 52 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を製造するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の製造方法。 - 下記式(21)
【外10】
(式(21)中、Y211およびY212はそれぞれ塩素原子または臭素原子を示す。X51およびX52はそれぞれ置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(Y211またはY212もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。ただし、X 51 およびX 52 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物と、メタクリル酸ナトリウムおよびメタクリル酸カリウムの少なくとも一方とを反応させて、下記式(5)
【外11】
(式(5)中、X51およびX52は、上記式(21)中のX51およびX52と同義である。X 51およびX52はそれぞれ置換基を有してもよくエーテル基で中断されていてもよい炭素数1〜15の2価のアルキレン基(R51またはR52もしくはN原子との結合位置に酸素原子を介在してもよい)、置換基を有してもよい2価のアリーレン基または置換基を有してもよい2価のアラルキレン基を示す。R51およびR52はそれぞれ下記式(3)
【外12】
で示される。ただし、X 51 およびX 52 が有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリル基、チエニル基、フリル基、アシル基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、フェニルカルバモイル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基である。)
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