JPWO2005038134A1 - キャスト塗工紙及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の原紙には、通常のパルプ、填料等が配合される。本発明において原紙に配合されるパルプの種類等は特に限定されない。例えば、広葉樹クラフトパルプ(以下、LBKPとする)、針葉樹クラフトパルプ(以下、NBKPとする)サーモメカニカルパルプ、砕木パルプ、古紙パルプ等が使用される。また、原紙に配合される填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、水和珪酸、ホワイトカーボン、酸化チタン、合成樹脂填料などの公知の填料を使用することができる。填料の使用量は、パルプ重量あたり、6重量%以上が好ましい。さらに必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色顔料、染料、消泡剤などを含有してもよい。
原紙の抄紙方法については特に限定されるものではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよく、もちろん、メカニカルパルプを含む中質原紙も使用できる。さらに表面強度やサイズ性の向上の目的で、原紙に水溶性高分子を主成分とする表面処理剤の塗布を行ってもよい。水溶性高分子としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の、表面処理剤として通常使用されるものを単独、あるいはこれらの混合物を使用することができる。また、表面処理剤の中には、水溶性高分子のほかに耐水化、表面強度向上を目的とした紙力増強剤やサイズ性付与を目的とした外添サイズ剤を添加することができる。表面処理剤は2ロールサイズプレスコーターや、ゲートロールコーター、ブレードメタリングサイズプレスコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、およびシムサイザーなどのフィルム転写型ロールコーター等の塗工機によって塗布することができる。また、本発明においては、表面処理剤の塗布の他に、一般の塗工紙に使用される顔料と接着剤を含む塗工液を上記塗工機を用いて塗工した原紙、または上記表面処理剤を塗布乾燥した後に、更にブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター等を用いて塗工した原紙もキャスト塗工用の原紙として使用することができる。その場合の塗工量片面当り乾燥重量で5〜30g/m2 程度が望ましい。さらに、必要に応じてこの予備塗工した原紙をスーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の平滑化処理を前以って施しておくこともできる。
本発明の鏡面仕上げは、湿潤状態の塗工紙を加熱された鏡面ロール表面にプレスロールで圧接、乾燥して仕上げるものであり、鏡面ロールとしてキャストドラムなどが使用できる。
鏡面ロール表面にプレスロールで圧接し、光沢を付与するための条件については、加熱鏡面ロールの表面温度としては、80〜200℃、圧接時のプレス圧力としては30〜250kg/cm程度で行うことができる。
<評価方法>
(顔料の体積粒度分布測定) レーザー回折/散乱式粒度分布測定器(マルバーン(株)製、機器名:マスターサイザーS)を用いて、粒子の体積粒度分布を測定し、0.4・高ゥら4.2・高フ範囲に該当する粒子のパーセントを算出した。
(坪量) JIS P 8124:1998に従った。
(密度) JIS P 8118:1998に従った。
(キャスト面感) JIS K 7105に準じて、スガ試験機株式会社製写像性測定器:ICM−ITを用いて、入射光角度60ー、幅2mmの条件でキャスト面を測定した。(白紙光沢度) JIS P 8142:1998に準じて、75ー光沢度、キャスト面を20ー光沢度を測定した。
(王研透気度) JAPAN Tappi No.5 王研透気度試験機で測定した。
(印刷光沢度) RI−II型印刷試験機を用い、東洋インキ製造株式会社製枚葉プロセスインキ(商品名:TKハイエコー紅 MZ)を0.30cc使用して印刷を行い、一昼夜放置後、得られた印刷物の表面を測定光の角度を20ーとした他はJIS P 8142:1998に従って測定した。
(キャスト塗工操業性) キャスト塗工紙を実施例にしたがって生産した場合、キャスト塗工紙のキャストドラムへの貼りつきやキャスト塗工紙のドラムピックなどが発生するか否かで判定した。
○…キャストドラムへの貼りつきやキャスト塗工紙のドラムピックなどがまったく発生しない
△…キャストドラムへの貼りつきやキャスト塗工紙のドラムピックが発生する
×…キャストドラムへの貼りつきやキャスト塗工紙のドラムピックなどが発生し、良好な品質のキャスト塗工紙を生産することができない
○優れる、△やや劣る、×劣るの3段階で評価した。
[結合阻害剤の選定] NBKP30部とリファイナーグランドパルプ(RGP)70部を1%スラリーとし、このスラリーに下記化合物0.3部を添加混合し、紙料を調整した。この紙料を熊谷理機社製実験用配向性抄紙機にて回転速度900rpmで抄紙し、JIS8209の方法に従ってプレス、乾燥を行った。なお、乾燥条件については、送風乾燥機により、50℃、1時間処理し、テスト用試験紙を得た。この試験紙を温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後、JIS P8113に従って引っ張り強度を測定した。測定した結果を表1に示した。
次に上記試験から、良好な結合阻害的性を示した花王(株)製KB110の1種についてキャスト塗工紙を作成して評価した。
[実施例1]
製紙用パルプとして化学パルプを100部、填料として軽質炭酸カルシウム12部、パルプ繊維間の結合阻害剤として花王(株)KB−110を0.4部含有する坪量100g/m2の原紙に、顔料としてブラジル産カオリン(商品名:カピムDG/リオカピム社製、体積分布粒径0.4〜4.2・香F71.7%)100部、密実プラスチックピグメント(商品名:V−1004/日本ゼオン製、平均粒径0.32・香Aガラス転移温度85℃)30部からなる顔料に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.1部、バインダーとしてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(以下SBRと略す)13.5部、澱粉3.5部を加え、さらに水を加えて固形分濃度60%に調整した塗工液を塗工量が片面あたり12g/m2となるように、ブレードコーターで両面を塗工、乾燥し、この後、スーパーカレンダによる表面処理を行った。
[実施例2]
塗工液に含まれる顔料として、ブラジル産カオリン(商品名:カピムDG/リオカピム社製、体積分布粒径0.4〜4.2・香F71.7%)100部、密実プラスチックピグメント(商品名:V−1004/日本ゼオン製、平均粒径0.32・香Aガラス転移温度85℃)22部とした以外は、実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[実施例3]
塗工液に含まれる顔料として、ブラジル産カオリン(商品名:カピムDG/リオカピム社製、体積分布粒径0.4〜4.2・香F71.7%)100部、中空プラスチックピグメント(商品名:HP−1055/Rohm&Haas Company社製、平均粒径1.0・香A空隙率55%、ガラス転移温度105℃)15部とした以外は、実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[実施例4]
塗工液に含まれる顔料として、ブラジル産カオリン(商品名:カピムDG/リオカピム社製、体積分布粒径0.4〜4.2・香F71.7%)70部、軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−123CS/奥多摩工業(株)製)30部、密実プラスチックピグメント(商品名:V−1004/日本ゼオン製、平均粒径0.32・香Aガラス転移温度85℃)30部とした以外は、実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[実施例5]
実施例1において、原紙にパルプ繊維間の結合阻害剤として花王(株)KB−110を含有しなかった以外は、実施例1と同様な方法でキャスト塗工紙を得た。
[比較例1]
塗工液に含まれる顔料として、ブラジル産カオリン(商品名:カピムDG/リオカピム社製、体積分布粒径0.4〜4.2・香F71.7%)100部のみとし、密実プラスチックピグメントを加えなかった以外は、実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[比較例2]
塗工液に含まれる顔料として、アメリカ産カオリン(商品名:ウルトラホワイト90/EMC社製、体積分布粒径0.4〜4.2・香F59.8%)100部、密実プラスチックピグメント(商品名:V−1004/日本ゼオン製、平均粒径0.32・香Aガラス転移温度85℃)30部とした以外は、実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[比較例3]
塗工液に含まれる顔料として、ブラジル産カオリン(商品名:カピムDG/リオカピム社製、体積分布粒径0.4〜4.2・香F71.7%)45部、アメリカ産カオリン(商品名:ウルトラホワイト90/EMC社製、体積分布粒径0.4〜4.2・香F59.8%)55部、密実プラスチックピグメント(商品名:V−1004/日本ゼオン製、平均粒径0.32・香Aガラス転移温度85℃)30部とした以外は、実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[0012] 本発明のキャスト塗工紙は、キャスト面の面感に優れ、白紙光沢度が高く、白紙光沢度よりも高い印刷光沢度が得られ、印刷適性に優れたキャスト塗工紙が得られる。また、本発明のキャスト塗工紙の製造方法は、塗工速度が速く、生産性に優れるキャスト塗工紙を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
[0013] 本発明においては、原紙に特定の顔料と接着剤を主成分とする塗工層を設け、湿潤状態の該塗工層を加熱された鏡面仕上げ面に圧接、乾燥して仕上げてキャスト塗工紙を製造するものである。
[0014] 本発明において、キャスト塗工層に設ける顔料としては、体積基準で0.4〜4.2μmの範囲にある粒子が65%以上含まれる粒度分布を有するカオリンを無機顔料100重量部当たり50重量部以上、好ましくは60重量部以上、さらに好ましくは70重量部以上である。また、本発明において、プラスチックピグメントを含有する必要があり、含有量は好ましくは無機顔料100重量部に対して5〜50重量部であり、より好ましくは10〜45重量部、更に好ましくは20〜45重量部含有することである。本発明に用いるプラスチックピグメントは、密実型、中空型、または、コア/シェル構造を持つプラスチックピグメント等を必要に応じて、単独、または2種類以上混合して使用することができる。密実型のプラスチックピグメントの配合量は、無機顔料100重量部に対して10〜50重量部が好ましく、より好ましくは20〜45重量部である。また、中空型のプラスチックピグメントの配合量は、無機顔料100重量部に対して5〜25重量部が好ましく、より好ましくは10〜23重量部である。プラスチックピグメントの構成重合体成分としては、好ましくは、スチレンおよび/または、メチルメタアクリレート等のモノマーを主成分として、必要に応じて、これらと共重合可能な他のモノマーが用いられる。この共重合可能なモノマーとしては、例えば、α−メチルスチレン、クロロスチレンやジメチルスチレン等のオレフィン系芳香族系モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アタリル酸ニトリル等のモノオレフィン系モノマーおよび、酢酸ビニル等のモノマーがある。また、必要に応じて、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等の、オレフィン系不飽和カルボン
酸モノマー類、ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等の、オレフィン系不飽和ヒドロキシモノマー類、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタアクリルアミド等の、オレフィン系不飽和アミドモノマー類、ジビニルベンゼンのごとき、二量体ビニルモノマー等を少なくとも一種または二種以上の組み合わせで用いることができる。これらのモノマーは例示であり、この他にも共重合可能なモノマーであれば使用することができる。本発明において使用するプラスチックピグメントは、通気性や表面強度の低下を招かない、レーザー回折/散乱式粒度分布測定器を用いて測定した平均粒径が0.1〜1.5μmのものを配合することが好ましく、より好ましくは平均粒径が0.1〜1.0μm、更に好ましくは0.1〜0.6μmのものを配合する。
[0015] また、本発明において、塗工紙用に従来から用いられている、上記以外のカオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料などを、必要に応じて1種類以上を選択して使用できる。特に、本発明のように、体積基準で0.4〜4.2μmの範囲にある粒子が65%以上含まれる粒度分布を有するカオリンを無機顔料100重量部当たり50重量部以上、より好ましくは70重量部以上含有させることにより、白紙光沢度および印刷光沢度が向上し、キャスト面の面感に優れる。
[0016] 本発明において、キャスト塗工層に使用する接着剤は、特に限定されるものではなく、塗工紙用に従来から用いられているスチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の蛋白質類、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などの通常の塗工紙接着剤1種類以上を適宜選択して使用される。これらの接着剤は無機顔料100重量部あたり5〜50重量部、より好ま
ーターの他、ブレードの替わりにグルーブドロッド、プレーンロッド等を用いたロッドメタリングコーターや、エアナイフコーター、カーテンコーターまたはダイコーター等の公知のコーターにより塗工することができ、塗工量は、原紙の片面あたり5〜30g/m2が好ましく、より好ましくは10〜20g/m2である。塗工後は湿潤状態のままで鏡面仕上げする直接法、湿潤状態の塗工層を凝固して鏡面仕上げする擬固法、湿潤状態の塗工層を一旦乾燥して、再湿潤液で塗工層を再湿潤して鏡面仕上げする再湿潤法が用いられるが、品質及び操業面で再湿潤法が優れている。湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、例えば上記加熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等の各種方式のドライヤを単独あるいは組み合わせて用いる。塗工紙の乾燥程度は、原紙の種類、塗被組成物の種類等によって異なるが、一般に紙水分として約1〜10%の範囲であり、約2〜7%の範囲に乾燥するのが望ましい。本発明においては、乾燥された塗工層をそのまま再湿潤法で鏡面仕上げしても良いが、白紙光沢、平滑性向上、および印刷光沢度向上等のため、乾燥された塗工紙を平滑化などの表面処理することが好ましく、表面処理の方法としては弾性にコットンロールを用いたスーパーカレンダーや、弾性ロールに合成樹脂ロールを用いたソフトニップカレンダー、ブラシ掛け等公知の表面処理装置を用いることができる。特に、鏡面仕上げ前の塗工紙の光沢度を70%(75°)以上にすることにより、白紙光沢度や印刷光沢度等の品質を向上する。
[0023] 本発明において、加熱された鏡面仕上げ面に圧接して高光沢を得る鏡面仕上げにおいては、特に鏡面仕上げ面の温度が100℃以上である様なキャスト法に於いて、その作用効果が顕著に現れる。
本発明の鏡面仕上げは、湿潤状態の塗工紙を加熱された鏡面ロール表面にプレスロールで圧接、乾燥して仕上げるものであり、鏡面ロールとしてキャストドラムなどが使用できる。
鏡面ロール表面にプレスロールで圧接し、光沢を付与するための条件については、加熱鏡面ロールの表面温度としては、80〜200℃、圧接時のプレス圧力としては30〜250kg/cm程度で行うことができる。
[0024] なお、本発明において、再湿潤液については、特に限定されるものではなく、例え
ばポリエチレンエマルジョン、脂肪酸石鹸、ステアリン酸カルシウム、マイクロクリスタリンワックス、界面活性剤、ロート油等の離型剤を0.01〜3重量%程度含有した水溶液、エマルジョン等通常の再湿潤液が用いられる。また、アルカリやヘキサメタリン酸ソーダ等のリン酸塩、尿素、有機酸等を乾燥塗工層の可塑化を促進させるために併用することも勿論可能である。
[0025] 本発明のキャスト塗工紙は、白紙光沢度(20°)30%以上、あるいは写像性70%以上の時により効果が顕著なものである。
【実施例】
[0026] 以下に実施例をあげて、本発明を具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ重量部および重量%を示す。得られたキャスト塗工紙について、以下に示すような評価法に基づいて試験を行った。
<評価方法>
(顔料の体積粒度分布測定)レーザー回折/散乱式粒度分布測定器(マルバーン(株)製、機器名:マスターサイザーS)を用いて、粒子の体積粒度分布を測定し、0.4μmから4.2μmの範囲に該当する粒子のパーセントを算出した。
(坪量)JIS P 8124:1998に従った。
(密度)JIS P 8118:1998に従った。
(キャスト面感)JIS K 7105に準じて、スガ試験機株式会社製写像性測定器:ICM−ITを用いて、入射光角度60°、幅2mmの条件でキャスト面を測定した。(白紙光沢度)JIS P 8142:1998に準じて、75°光沢度、キャスト面を20°光沢度を測定した。
(王研透気度)JAPAN Tappi No.5 王研透気度試験機で測定した。
(印刷光沢度)RI−II型印刷試験機を用い、東洋インキ製造株式会社製枚葉プロセスインキ(商品名:TKハイエコー紅 MZ)を0.30cc使用して印刷を行い、一昼夜放置後、得られた印刷物の表面を測定光の角度を20°とした他はJIS P 8142:1998に従って測定した。
(キャスト塗工操業性)キャスト塗工紙を実施例にしたがって生産した場合、キャスト
てキャスト塗工紙を作成して評価した。
[実施例1]
製紙用パルプとして化学パルプを100部、填料として軽質炭酸カルシウム12部、パルプ繊維間の結合阻害剤として花王(株)KB−110を0.4部含有する坪量100g/m2の原紙に、顔料としてブラジル産カオリン(商品名:カピムDG/リオカピム社製、体積分布粒径0.4〜4.2μm:71.7%)100部、密実プラスチックピグメント(商品名:V−1004/日本ゼオン製、平均粒径0.32μm、ガラス転移温度85℃)30部からなる顔料に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.1部、バインダーとしてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(以下SBRと略す)13.5部、澱粉3.5部を加え、さらに水を加えて固形分濃度60%に調整した塗工液を塗工量が片面あたり12g/m2となるように、ブレードコーターで両面を塗工、乾燥し、この後、スーパーカレンダによる表面処理を行った。
[0028] このようにして得た塗工紙を再湿潤液(ヘキサメタリ酸ナトリウム0.5%濃度)によって塗工層表面を再湿潤した後、フォーミングロールとキャストドラムによって形成されるプレスニップに通紙し、速度100m/min、表面温度105℃のキャストドラムに圧接、乾燥した後、ストリップオフロールでキャストドラムから離型することによってキャスト塗工紙を得た。
[実施例2]
塗工液に含まれる顔料として、ブラジル産カオリン(商品名:カピムDG/リオカピム社製、体積分布粒径0.4〜4.2μm:71.7%)100部、密実プラスチックピグメント(商品名:V−1004/日本ゼオン製、平均粒径0.32μm、ガラス転移温度85℃)22部とした以外は、実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[実施例3]
塗工液に含まれる顔料として、ブラジル産カオリン(商品名:カピムDG/リオカピム社製、体積分布粒径0.4〜4.2μm:71.7%)100部、中空プラスチックピグメント(商品名:HP−1055/Rohm&Haas Company社製、平均粒径1.0μm、空隙率55%、ガラス転移温度105℃)15部とした以外は、実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[実施例4]
塗工液に含まれる顔料として、ブラジル産カオリン(商品名:カピムDG/リオカピム社製、体積分布粒径0.4〜4.2μm:71.7%)70部、軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−123CS/奥多摩工業(株)製)30部、密実プラスチックピグメント(商品名:V−1004/日本ゼオン製、平均粒径0.32μm、ガラス転移温度85℃)30部とした以外は、実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[実施例5]
実施例1において、原紙にパルプ繊維間の結合阻害剤として花王(株)KB−110を含有しなかった以外は、実施例1と同様な方法でキャスト塗工紙を得た。
[比較例1]
塗工液に含まれる顔料として、ブラジル産カオリン(商品名:カピムDG/リオカピム社製、体積分布粒径0.4〜4.2μm:71.7%)100部のみとし、密実プラスチックピグメントを加えなかった以外は、実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[比較例2]
塗工液に含まれる顔料として、アメリカ産カオリン(商品名:ウルトラホワイト90/EMC社製、体積分布粒径0.4〜4.2μm:59.8%)100部、密実プラスチックピグメント(商品名:V−1004/日本ゼオン製、平均粒径0.32μm、ガラス転移温度85℃)30部とした以外は、実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[比較例3]
塗工液に含まれる顔料として、ブラジル産カオリン(商品名:カピムDG/リオカピム社製、体積分布粒径0.4〜4.2μm:71.7%)45部、アメリカ産カオリン(商品名:ウルトラホワイト90/EMC社製、体積分布粒径0.4〜4.2μm:59.8%)55部、密実プラスチックピグメント(商品名:V−1004/日本ゼオン製、平均粒径0.32μm、ガラス転移温度85℃)30部とした以外は、実施例1と同様の方法でキャスト塗工紙を得た。
[0029] 結果を表2に示した。表2中、△〜○の表示は、○と△との中間の評価である。
[0030][表2]
Claims (5)
- 原紙に顔料と接着剤を主成分とするキャスト塗工層を設け、湿潤状態にある該キャスト塗工層を加熱された鏡面仕上げ面に圧接、乾燥して仕上げるキャスト塗工紙において、前記キャスト塗工層は、体積基準で0.4〜4.2μmの範囲にある粒子が65%以上含まれる粒度分布を有するカオリンを無機顔料100重量部当たり50重量部以上含有し、プラスチックピグメントを含有することを特徴とするキャスト塗工紙。
- 前記原紙がパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載のキャスト塗工紙。
- 前記プラスチックピグメントは、無機顔料100重量部に対して5〜50重量含有することを特徴する請求項1または2に記載のキャスト塗工紙。
- 原紙に、顔料と接着剤を主成分とする塗工液を塗工して塗工層を形成させ、湿潤状態の前記塗工層を乾燥した後、再湿潤により可塑化して加熱された鏡面仕上げ面に圧接、乾燥して仕上げたキャスト塗工層を形成したキャスト塗工紙の製造方法において、前記塗工液は、体積基準で0.4〜4.2μmの範囲にある粒子が65%以上含まれる粒度分布を有するカオリンを無機顔料100重量部当たり50重量部以上含有し、プラスチックピグメントを含有することを特徴とするキャスト塗工紙の製造方法。
- 前記塗工層を乾燥した後、再湿潤前のJIS−P8142に準拠した白紙光沢度が70%以上であること特徴とする請求項4に記載のキャスト塗工紙の製造方法。
Priority Applications (1)
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