JP4542188B2 - 印刷光沢に優れた塗工紙 - Google Patents

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Description

本発明は塗工紙に関する。さらに詳しくは、面積粒子径の分布において、0.3μm以上0.8μm未満及び1.3μm以上2.2μm未満に極大値を有する面積粒子径分布を持つことを特徴とする塗工紙である。
近年、環境問題の観点から、より軽量の塗工紙に対する要求がある。特に塗工紙においては、塗工量が両面で15g/m(片面あたり7.5g/m)を超過するほど多く、白色度、白紙光沢度、印刷光沢度の高いA3コート紙から、塗工量が両面で15g/m(片面あたり7.5g/m)以下と少なく、A3コート紙と比べて白色度、白紙光沢度、印刷光沢度に劣る微塗工紙への置き換えが進んでいる。しかしながら、見栄えが置き換え前よりも低下しないよう、A3コート紙と同程度の白色度、白紙光沢度、印刷光沢度を有する微塗工紙に対する要求がある。
一般的な印刷用塗工紙に用いる顔料は、コストメリットの観点から炭酸カルシウム及びクレーが多く用いられており、白色度は高いが白紙光沢及び印刷光沢が低い炭酸カルシウムと、白色度は低いが、白紙光沢及び印刷光沢が高いクレーを、塗工紙の要求品質に応じて配合している。
A3コート紙は微塗工紙と比べて、塗工量が多く白紙光沢度及び印刷光沢度が向上しやすいため、クレーが少なくて済む一方、炭酸カルシウムが比較的多く配合されるので、結果白色度に優れる。しかしながら微塗工紙は塗工量がA3コート紙と比べて少ないため、塗工紙表面が平坦化されにくく、炭酸カルシウム及びクレーの配合量がA3コート紙と同程度では、白紙光沢度及び印刷光沢度に劣る問題がある。クレーを増配すると白紙光沢度及び印刷光沢度は向上するが、一方で白色度が低下する問題がある。
クレーを高配合しながら白色度を向上させる方法としては、蛍光染料を添加する技術が開示されているが、退色性に劣る問題がある(特許文献1を参照)。
炭酸カルシウムを配合しても高い白紙光沢度を得る方法としては、より粒子径の小さい微粒炭酸カルシウムを用いる技術が開示されており、白色度及び白紙光沢度に優れる塗工紙が得られるが、印刷光沢に劣る問題がある(特許文献2を参照)。
また、高い白紙光沢及び印刷光沢が得られる顔料としてプラスチックピグメントを使用する技術も開示されているが、塗料の流動性が悪化して塗工ムラが発生し易く、特に微塗工紙のような低塗工量の塗工紙では塗工ムラが目立ち、見栄えが低下する(特許文献3を参照)。
顔料として脱墨フロスを焼成、粉砕して得られた再生粒子凝集体を使用する技術も開示されているが、再生粒子凝集体は炭酸カルシウムよりも高い白紙光沢度及び印刷光沢度を有する一方で白色度に劣り、クレーよりも高い白色度が得られる一方で白紙光沢度及び印刷光沢度に劣るため、クレー及び炭酸カルシウムの代替顔料として使用することは可能だが、白色度、白紙光沢度、印刷光沢度の全てを満足する微塗工紙を得ることはできなかった(特許文献4を参照)。
上記のごとく、塗工量が両面で15g/m(片面あたり7.5g/m)以下と少ない微塗工紙においても、A3コート紙と同程度の白色度、白紙光沢度、印刷光沢度を有する微塗工紙は未だ得られていなかった。
特開2005−154951号公報 特開2007−46189号公報 特開2004−360104号公報 特開2007−197879号公報
本発明においては、塗工量が両面で15g/m(片面あたり7.5g/m)以下と少ない微塗工紙でありながら、高い白色度、白紙光沢度及び印刷光沢度を有する塗工紙を得ることを課題とする。
本発明は上記課題を改善するため鋭意検討した結果、基紙と、前記基紙上に顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を有する塗工紙であって、前記顔料が、0.1μmごとに集計した面積粒子径の分布において、次の(A)及び(B)それぞれの範囲に極大値を有する面積粒子径分布を持つことで、高い白色度、白紙光沢度、及び、印刷光沢度を有する微塗工紙が得られることを見出し、発明を完成させるに至った。
(A)0.3μm以上0.8μm未満
(B)1.3μm以上2.2μm未満
塗工量が両面で15g/m(片面あたり7.5g/m)以下と少ない微塗工紙でありながら、高い白色度、白紙光沢度、印刷光沢度を有する塗工紙を得ることができる。
再生粒子の製造設備フローの一部構成例
本発明は、基紙と、前記基紙上に、顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を有する塗工紙であって、前記顔料が、0.1μmごとに集計した面積粒子径の分布において、0.3μm以上0.8μm未満及び1.3μm以上2.2μm未満に極大値を有する面積粒子径分布を持つことを特徴とする塗工紙である。上記構成とすることにより、白色度が77%以上、白紙光沢度が35%以上、印刷光沢度が55%以上の塗工紙を得ることができる。
<基紙>
まず、本実施形態に係る塗工紙を構成する基紙について説明する。
基紙は、通常の原料パルプを抄紙して得られるものであればよい。該原料パルプにも特に限定がなく、例えば未晒針葉樹パルプ(NUKP)、未晒広葉樹パルプ(LUKP)、晒針葉樹パルプ(NBKP)、晒広葉樹パルプ(LBKP)等の化学パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)等の機械パルプ;雑誌古紙、チラシ古紙、オフィス古紙等から製造される離解・脱墨古紙パルプ、離解・脱墨・漂白古紙パルプ等の古紙パルプ等があげられ、これらの中から1種又は2種以上を選択し、その割合を調整して用いることができる。
上記原料パルプに、内添の填料として従来製紙用途で用られている填料を添加することができる。填料としては、例えば軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、クレー、焼成クレー、合成ゼオライト、シリカ等の無機填料や、ポリスチレンラテックス、尿素ホルマリン樹脂等が挙げられる。填料の配合量は特に限定されないが、紙中灰分で2〜8質量%が好ましく、4〜6質量%以下がより好ましい。紙中灰分が2質量%を下回ると、紙の柔軟性が低下し、得られる塗工紙の白紙光沢度、印刷光沢度が向上しにくいため好ましくない。紙中灰分が8質量%を超過すると、微塗工紙の引張強度が低下し、製造時や印刷時に紙切れが発生しやすくなるため好ましくない。尚、本発明の灰分とは、JISP8251「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準じて測定した値とする。
本実施形態においては、該原料パルプに、例えば内添サイズ剤、紙力向上剤、紙厚向上剤、歩留向上剤(各種合成高分子や澱粉類等の水溶性高分子)、及びこれらの定着剤等の、通常塗工紙の基紙に配合される種々の添加剤を、その種類及び配合量を調整して内添することができる。
前記のごとき抄紙原料をワイヤーパートにて抄紙し、次いでプレスパート、プレドライヤーパートに供して基紙を製造することができ、次いでコーターパートにて後述する塗工液を基紙上に塗工した後、アフタードライヤーパート、カレンダーパート、リールパート、ワインダーパート等に供して目的とする塗工紙を得ることができる。
尚、後述する塗工層を設けた後に高白色度の塗工紙を得るには、基紙の白色度は、カラーアナライザー(型番:カラーi5、マクベスグレタグ社製)にて測定して70%以上、さらには75%以上であることが好ましい。このような基紙から印刷用塗工紙を製造した場合、後述するように、白色度を例えば77%以上、さらには80%以上とすることが可能になる。そして、このような白色度が80%以上の印刷用塗工紙を用いると、白色度が80%未満の印刷用塗工紙と比べて、例えばより高精彩で、コントラストの高い高級印刷物が得られる。
基紙の坪量に特に限定はないが、後述するように、目的とする塗工紙の坪量が好ましくは40〜100g/mであることを考慮して、該基紙の坪量は、通常25〜92g/m程度となるように調整することが好ましい。
<塗工層>
基紙の片面又は両面には、顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を設ける。基紙の片面に本発明で規定する塗工層を1層設ける(ただし、他の面には別の塗工層を設けてもよいし、設けなくともよい)か、又は、基紙の両面に本発明で規定する塗工層をそれぞれ1層ずつ設けることが好ましい。
(顔料)
顔料は、面積粒子径分布を規定することで本発明の白色度、白紙光沢度、印刷光沢度を向上させる効果が得られる。面積粒子径分布は、0.1μmごとに集計した面積粒子径の分布において、0.3μm以上0.8μm未満及び1.3μm以上2.2μm未満のそれぞれの範囲に極大値を有する必要があり、当該構成にすることで、白色度が77%以上、白紙光沢度が35%以上、印刷光沢度が55%以上の微塗工紙を得ることができる。面積粒子径分布は0.1μmごとに集計することが好ましい。0.5μmごとでは分布が細かくなりすぎ、白紙光沢度及び印刷光沢度に劣る場合でも極大値が出やすくなる可能性があり、0.2μm以上では極大値が現れない可能性があるため好ましくない。特に、上記の構成とすることにより、塗工量が片面あたり7.5g/m以下の微塗工紙においても、A3コート紙と同程度の白色度、白紙光沢度、印刷光沢度を有する微塗工紙を得ることができるとの利点がある。
面積粒子径の分布において0.3μm以上0.8μm未満及び1.3μm以上2.2μm未満のそれぞれの範囲に極大値を有する顔料を併用すると、比較的粒径の大きい顔料の隙間に粒径の小さい顔料が組み合わされる。この組み合わせにより、塗工層表面の平坦性が高く、白紙光沢度が良好な塗工紙が得られる。加えて、従来炭酸カルシウムは印刷インキを透過させやすく、印刷光沢が低下する傾向にあったが、本発明の顔料分布とすることで、炭酸カルシウムを顔料として、例えば40質量%以上と多く用いても、インキが塗工層内部まで透過しにくく、インキが塗工層表面に留まりやすくなるため、印刷光沢度が向上する効果が得られる。特に、上記の構成とすることにより、塗工量が片面あたり7.5g/m以下の微塗工紙においても、A3コート紙と同程度の白紙光沢度、印刷光沢度を有する微塗工紙を得ることができるとの利点がある。
面積粒子径の分布において0.3μm以上0.8μm未満の範囲に極大値を有する顔料粒子の配合量は、顔料100質量部のうち30〜90質量部が好ましく、40〜80質量部が更に好ましい。30質量部を下回ると、微細粒子由来の白紙光沢度が得れられにくくなり、印刷光沢度も低下しやすくなる。90質量部を上回ると、細孔が多くなり印刷インキを吸収しやすく、印刷光沢が低下するため好ましくない。
面積粒子径の分布において1.3μm以上2.2μm未満の範囲に極大値を有する顔料粒子の配合量は、顔料100質量部のうち5〜30質量部が好ましく、10〜25質量部が更に好ましい。5質量部を下回ると、0.3μm以上0.8μm未満の範囲に極大値を有するような微細粒子を塗工層表面に留めにくく、充分な白紙光沢度が得られない可能性があるため好ましくない。30質量部を超過すると、微細粒子由来の白紙光沢度の向上効果により白紙光沢度が向上するだけでなく、微細粒子由来の白色度も向上しやすいが、一方で、塗工層表面が密になりやすく、細孔が多くなり印刷インキを吸収しやすく、充分な印刷光沢度が得られにくい。
更に好ましくは、本発明で使用する顔料は、面積粒子径の分布において、上記範囲に加え、0.8μm以上1.3μm未満の範囲においても極大値を有することが好ましい。0.8μm以上1.3μm未満の範囲に極大値を有することで、面積粒子径の大きい顔料と小さい顔料の組み合わせに加え、中程度の顔料を組み合わせることで、粒子間に形成される細孔を所定範囲とすることができるため、よりインキを吸収しにくい塗工層とすることができ、より印刷インキが紙内部にまで浸透しにくくなり、印刷光沢が向上する。特に、上記の構成とすることにより、塗工量が片面あたり7.5g/m以下の微塗工紙においても、A3コート紙と同程度の印刷光沢度を有する微塗工紙を得ることができるとの利点がある。
上述のごとく、本発明においては、所定の範囲内に極大値を3つ有することで、白色度が80%以上、白紙光沢度が40%以上、印刷光沢度が60%以上であり、さらには印刷インキの着肉性が良好な塗工紙を得ることができる。この効果は、例えば塗工量が片面あたり7.5g/m以下の微塗工紙であっても得ることができるとの利点がある。
顔料の種類は、一般に製紙用途で使用している顔料であれば特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、クレー(カオリン、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、マーガライト、タルク、バーミキュライト、ザンソフィライト、緑泥石等)、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等が挙げられ、必要に応じて1種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記顔料の中でも、目的の白色度、白紙光沢度、印刷光沢度を得るためには、炭酸カルシウム及び/又はクレーを使用することが好ましい。炭酸カルシウムを使用すると白色度に優れた塗工紙となりやすく、クレーを用いると、白紙光沢度に優れた塗工紙となりやすい。特に炭酸カルシウムを使用することが好ましい。
(再生粒子)
本発明では、面積粒子径の分布において1.3μm以上2.2μm未満の範囲に極大値を有する顔料として、再生粒子凝集体を使用すると、特に印刷インキが基紙に沈み込みにくく、より印刷光沢に優れた塗工紙が得られるため特に好ましい。なかでも、面積粒子径の分布において0.3μm以上0.8μm未満の範囲に極大値を有する顔料及び0.8μm以上1.3μm未満の範囲に極大値を有する顔料として、炭酸カルシウムを使用し、1.3μm以上2.2μm未満の範囲に極大値を有する顔料として再生粒子凝集体を使用することが好ましい。この際、前記顔料のうち、40〜95質量%が炭酸カルシウムであり、5〜30質量%が再生粒子凝集体であることが好ましく、前記顔料のうち、前記炭酸カルシウム及び前記再生粒子凝集体の合計が95質量%以上であると、白紙光沢度及び印刷光沢度に優れた塗工紙が得られるため好ましい。
(再生粒子凝集体の製造工程)
再生粒子は、古紙パルプを製造する古紙処理設備の脱墨工程においてパルプ繊維から分離された脱墨フロスを主原料として、前記主原料を脱水、乾燥、燃焼及び粉砕工程を経て得られる。前記燃焼工程が、第1燃焼炉と、第1燃焼炉にて燃焼された脱墨フロスを再度燃焼する、後の第2燃焼炉とを有する、少なくとも2段階の燃焼工程を有し、前記第1燃焼炉は300℃以上〜500℃未満で燃焼処理を行う。
次に再生粒子の製造工程を詳述する。
図1に、再生粒子の製造設備フローの一部構成例(乾燥・燃焼工程、及び燃焼工程を含む設備例)を示した。本設備には、各種センサーが備わっており、被燃焼物や設備の状態、処理速度のコントロール等を行っている。
図示しない、古紙パルプを製造する脱墨工程においてパルプ繊維から分離された脱墨フロスは、種々の操作を経て、同じく図示しない公知の脱水設備により脱水される。脱水後の原料は、40%以上、望ましは90%未満、特には45%〜70%、より好適には50%超〜60%の高含水状態とすることが望ましい。
かかる脱水後の原料10は、望ましくは、粉砕機(または解砕機)により40mm以下の粒子径に粉砕しておく。かかる原料10が貯槽12から切り出されて、本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉である、第1燃焼炉14の一方側から装入機15により装入される。第1燃焼炉14の一方側には、排ガスチャンバー16が、他方側には排出チャンバー18が設けられている。排出チャンバー18を貫通して、熱風が第1燃焼炉14の他方側から吹き込まれ、前記一方側から装入され、第1燃焼炉14の回転に伴って前記他方側に順次移送される原料の乾燥及び燃焼を行うようになっている。
ここで、第1燃焼炉14内に吹き込む熱風は、酸素濃度が0.2%〜20%となるようにするのが望ましい。炉内温度としては、300℃以上〜500℃未満、より望ましくは400℃以上〜500℃未満、特に400℃以上〜450℃未満が望ましい。熱風は、バーナー20Aを備える熱風発生炉20から吹き込まれる。
排ガスチャンバー16からは、乾燥・燃焼に供した排ガスが再燃焼室22に送り込まれる。排ガス中に含まれる燃焼物の微粉末は、排ガスチャンバー16の下部から排出され、再利用される。排ガスは、再燃焼室22でバーナーにより再燃焼が行われ、予冷器24により予冷された後、熱交換器26を通し、誘引ファン28により煙突30から排出される。ここで、熱交換器26は外気を昇温した後に、熱風発生炉20に送られ、第1燃焼炉14から吹き込まれる熱風の用に供せられ、排ガスチャンバー16からの排ガスの熱を回収するようにしてある。排ガスの処理は、排ガス中に含まれる有害物質の除去に有効である。
第1燃焼炉14において乾燥及び燃焼処理を経た燃焼物は、本体が横置きで中心軸周りに回転する外熱キルン炉である、第2燃焼炉32に装入される。この装入される燃焼物の粒径としては、40mm以下が好適である。第2燃焼炉32での熱源としては、第2燃焼炉32内の温度コントロールが容易で長手方向の温度制御が容易な電気による調整が好適であり、したがって、電気ヒーターにより間接的に第1燃焼炉14から得られる燃焼物を再び燃焼させる外熱式の第2燃焼炉32であることが望ましい。
第2燃焼炉32においては、酸素濃度を調整する空気あるいは酸素の供給機構(図示せず)にて酸素濃度が5%〜20%、望ましくは10%〜20%、特に望ましくは10%〜15%となるように燃焼するのが望ましい。温度としては、550℃〜780℃、望ましくは600℃〜750℃が望ましい。また、第2燃焼炉32内での滞留時間は60分以上、より好適には60分〜240分、特には90分〜150分、最適には120分〜150分が、残カーボンを完全に燃焼させるに望ましい。
燃焼が終了した再生粒子は、冷却機34により冷却された後、振動篩機などの粒径選別機36により選別され、湿式粉砕機等を用いた粉砕工程で目的の粒子径に調整された燃焼物が燃焼品サイロ38に一時貯留され、顔料や填料の用途先に仕向けられる。
なお、脱墨フロスを原料として用いた場合を例示したが、脱墨フロスを主原料に、抄紙工程における製紙スラッジ等の他製紙スラッジを適宜混入させたものを原料とした燃焼物であってもよい。
本実施形態の塗工紙では、以上の再生粒子を、塗工層の顔料として用いることができる。この再生粒子は、脱墨フロスを焼成して得られる循環使用が可能なものであるので、廃棄物としての埋立等の処分が不要であり、環境負荷の低減と、省資源化に大きく貢献するものである。また、原料が古紙処理工程で生じる脱墨フロスであるので、安価であり、新たな天然無機鉱物の使用量を抑えることができ、製造コストが充分に削減されるという利点がある。
加えて、第1燃焼炉の炉内温度が、300℃以上〜500℃未満と低温であるため、特に塗工層の顔料として用いた場合に、塗工層の空隙性が高く、ヒジワ及び火ぶくれの発生を抑制できる塗工紙が得られやすいため好ましい。
本発明では前記製造工程により得られた再生粒子をそのまま使用してもよいし、特許第3907688号公報や、特許第3935496号公報に記載の方法でシリカ被覆したものを使用してもよい。具体的には、前記製造工程で得られた再生粒子を珪酸アルカリ水溶液に添加・分散しスラリーを調製した後に、加熱攪拌しながら、液温70〜100℃で硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸の希釈液を添加し、シリカゾルを生成させ、最終反応液のpHを8.0〜11.0の範囲に調整することにより、再生粒子表面に粒子径10〜20nmのシリカゾル粒子を生成させて得られた白色顔料を使用できる。このシリカ被覆再生粒子は、カルシウム、ケイ素及びアルミニウムを、酸化物換算で30〜62:29〜55:9〜35の質量割合とすることで、シリカ析出効果による吸油性、不透明性を向上させることができる。
上記方法で製造した再生粒子は、個々の粒子が幾つか集まって凝集した再生粒子凝集体を形成しており、ランチュウの肉瘤状のような、不定形な形をしている。0.1μmごとに集計した面積粒子径の分布において、1.3μm以上2.2μm未満の範囲に極大値を有する顔料として再生粒子凝集体を使用すると、更に白紙光沢度、印刷光沢度を向上でき、白紙光沢度が45%以上、印刷光沢度が65%以上の塗工紙を得ることができる。
これは、上記再生粒子凝集体を用いると、不定形のランチュウの肉瘤に阻害されて微粒顔料が塗工層内部まで入り込にくくなり、塗工層表面に留まりやすいため、塗工層表面の平坦性が更に向上して白紙光沢度が向上しやすいためと考えられる。加えて、塗工層表面の空隙がより少なくなるため、印刷インキの吸収を抑える効果が更に高くなり、印刷光沢度が向上し易くなる。同様の効果は毬栗状の顔料を用いても得られるが、その程度は、理由は不明だが再生粒子凝集体よりも低い。おそらく、突起の形状が針状である毬栗状顔料よりも、ランチュウの肉瘤状である再生粒子凝集体の方が、微粒顔料を留めやすいためと考えられる。特に、ランチュウの肉瘤状である再生粒子凝集体を用いることにより、塗工量が片面あたり7.5g/m以下の微塗工紙においても、A3コート紙と同程度の白紙光沢度及び印刷光沢度を有する微塗工紙を得ることができるとの利点がある。
上記再生粒子凝集体や毬栗状顔料を使用せず、他の一般的な粒子と微粒顔料とを併用した場合は、上記の微粒粒子を塗工層内部にまで入り込む作用を防止しにくくなるため、白紙光沢度及び印刷光沢度に劣る傾向にある。
尚、本発明で言う面積粒子径は、電子顕微鏡で撮影した顔料粒子について、粒子を内包できる最小の円(粒子の外接円)の直径とした。極大値は、面積粒子径0.1μmごとに顔料粒子の数を集計して面積粒子径の分布を求め、極大値の有無を判断した。
(接着剤)
塗工層の接着剤としては、一般的に製紙用途で使用できる接着剤を使用することができる。例えばカゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類;メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系ラテックス、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体ラテックスもしくは共重合体ラテックス等のアクリル系ラテックス、エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系ラテックス、あるいはこれらの各種共重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性又は非溶解性のラテックス等のラテックス類;ポリビニルアルコール、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂系接着剤;酸化澱粉、陽性化澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等の、通常塗工紙に用いられる接着剤が例示され、これらの中から1種又は2種以上を選択して併用することができる。
塗工層の接着剤としては、上記接着剤の中でも特にスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスが接着性と熱安定性が高いため好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスは、少なくともスチレンとブタジエンを共重合して得られるラテックスであり、スチレンとブタジエンに加えて、メタクリル酸メチルとアクリロニトリルを共重合して得られるスチレン−ブタジエン−メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体ラテックスがより好ましい。
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの構造は、粒子内部と表面部で構成成分やガラス転移温度が同じである単一型よりも、粒子内部と表面部で構成成分やガラス転移温度が異なるコア−シェル型や、粒子の内部から外部に向けて組成が連続的に変化している傾斜型を使用することが好ましい。特に傾斜型は、顔料を固定する効果が高く、配合量を最小限に抑えることができ、例えば顔料100質量部に対してラテックス4質量部程度であっても、0.3μm以上0.8μm未満の範囲に極大値を有する微細粒子を接着することができ、印刷時に紙ムケと呼ばれる塗工層の脱落を防止することができ、充分な印刷適性を付与することができる。特に本発明のごとく高い白紙光沢度を有する塗工紙とするためには、増配により白紙光沢度が低下しやすいラテックスは少ないほうが好ましいが、従来一般の単一型のラテックスでは、配合量を4質量部程度とすると表面強度が低くなりやすく、充分に印刷に耐え得る程度の塗工紙が得られなかった。これら傾斜型の中でも、表面強度とネッパリのバランスを考慮して、粒子内部のTgは−30〜−10℃のものが好ましく、粒子外部のTgは10〜30℃のものが好ましく、その差は20〜60℃が好ましい。内部Tgが−30℃未満又は−10℃を超過すると、充分な柔軟性が得られず表面強度が低下する可能性がある。表層Tgが10℃未満ではネッパリが発生し、ラテックスが異物欠陥となりやすく、見栄えに劣る可能性があり、表層Tgが30℃を超過すると、充分な表面強度が得られない可能性があるため好ましくない。
塗工液における顔料と接着剤との配合割合は、塗工層の顔料100質量部に対して接着剤が4〜10質量部であることが好ましく、さらには6〜8質量部がより好ましい。接着剤の配合量が4質量部未満では顔料を充分に固定できず、顔料が塗工層から脱落し、白色度や白紙光沢度、印刷光沢度にムラが発生する可能性があるため好ましくない。接着剤の配合量が10質量部を超過すると、接着剤の皮膜により白紙光沢度及び印刷光沢度が低下しやすくなるため好ましくない。
本実施形態にて用いる塗工液には、顔料及び接着剤以外にも、例えば、ダスト防止剤、蛍光染料、蛍光染料増白剤、消泡剤、離型剤、着色剤、保水剤等、製紙用途で一般に用いられる各種助剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で配合することができる。
塗工液を調製する方法には特に限定がなく、顔料、接着剤、ダスト防止剤や、必要に応じて各種助剤等の配合割合を調整し、適切な温度にて均一な組成となるように撹拌混合すればよい。また塗工液の濃度は特に限定されず、塗工量が好ましくは片面あたり4〜7.5g/m、より好ましくは5〜6g/mの範囲となるように、調整すれば良い。例えば、濃度が60〜70質量%であれば良く、62〜68質量%であれば、上記塗工量範囲で、より均一な塗工ができるため好ましい。濃度が60質量%を下回ると、基紙に塗工液中の水分が吸液されやすく、粒径の小さい顔料が紙内部に吸収されて充分な白紙光沢度及び印刷光沢度が得られにくい。濃度が70質量%を超過すると、均一な塗工が得られにくく、充分な白紙光沢度及び印刷光沢度が得られない。
塗工液は、公知の種々の方式により塗工されることができるが、特にフィルム転写方式により塗工されることが好ましい。フィルム転写方式は、塗工塗料をロールに塗工した後に、塗料を紙に転写する方式のため、低塗工量で基紙表面に均一な塗工層を形成できることから、均一で良好な白色度及び白紙光沢度、印刷光沢度が得られるため好ましい。例えばツーロールサイズプレスのように塗工液の液溜りを形成し塗工する方式では、粒径の小さい顔料が基紙内部にまで入り込みやすい一方、粒径の大きい顔料が塗工層の表面に留まり、高い白紙光沢度及び印刷光沢度が得られにくい。また、ブレード塗工方式の場合は、均一な厚さの塗工層が得られないため、塗工層の薄い部分と厚い部分で光沢ムラが発生し、見栄えに劣る塗工紙となるため好ましくない。
塗工層は、固形分付着量で片面あたり、好ましくは4〜7.5g/m、より好ましくは5〜6g/mとなるように塗工される。固形分付着量が4g/m未満であると均一な塗工性や十分な被覆性が得られにくく、白紙光沢度及び印刷光沢度にムラが発生しやすいだけでなく、基紙を平坦化しにくくなり塗工後の印刷適性が低下する。塗工量が7.5g/mを超えると、塗工量が両面で15g/m(片面あたり7.5g/m)を超過するため、軽量な塗工紙とはいえず、近年の環境問題に対する要求に充分答えるとはいいにくい。
(平坦化処理)
前記のごとく形成された塗工層には、印刷適性をさらに向上させる目的で、スーパーカレンダーやソフトカレンダー等、弾性ロールと金属ロールとを組み合わせた平坦化設備にて平坦化処理を施すことができる。このような平坦化設備は、従来のマシンカレンダーとは異なり、用紙表面を幅広の面で、高温で処理することで、基紙の密度や塗工層の密度を過度に高めることなく平坦化が可能であり、例えばオフセット印刷、電子写真印刷等において好適な印刷面を形成させることができる。中でも、マルチニップカレンダー、より望ましくは6段、8段、10段のマルチニップカレンダーが、ニップ圧を調整しやいため好ましい。特に、塗工層に炭酸カルシウムを用いる場合、カオリンクレーに比べて白紙光沢度が得られにくいため、線圧を調整できるマルチニップカレンダーを用いると、他のカレンダー設備に比して、繊維焼けにより白色度が低下することなく白紙光沢度が向上しやすいため、特に好ましい。
また、カレンダーの設置場所としては、抄紙機及び塗工機と一体になったオンマシンタイプが好ましい。オンマシンタイプでは、塗工後すぐ、紙面温度が高い状態で平坦化処理できるため、白紙光沢度が向上しやすく、繊維焼け等の白色度の低下を伴わずに、高い白紙光沢度が得られるため好ましい。
各種カレンダー設備を用いた平坦化処理の線圧や温度、速度は特に限定されないが、処理後の塗工層の平滑性を充分に向上させつつ、手肉感が良好となるには、例えば線圧は100〜300kN/m、金属ロール温度は100〜200℃、速度は1,000〜2,000m/分となるように調整することが好ましい。
かくして得られる塗工紙の坪量は、印刷適性、手肉感の確保という点から、JISP8124「坪量測定方法」に記載の方法に準拠して測定して、40〜100g/mであることが好ましく、さらには50g/m〜80g/mであることが好ましい。坪量が40g/m未満の場合、例えば白色度、白紙光沢度、印刷光沢度を確保しながら、同時に紙質強度を確保することが困難となる恐れがあり、坪量が100g/mを超える場合には、近年要求されてきている軽量化や省資源化を達成することが困難となる恐れがある。
上述のとおり、顔料として、面積粒子径の分布において0.3μm以上0.8μm未満、0.8μm以上1.3μm未満及び1.3μm以上2.2μm未満のそれぞれの範囲に極大値を有する顔料を用い、かつ、0.3μm以上0.8μm未満の顔料が全顔料の40〜80質量部であり、1.3μm以上2.2μm未満の顔料が5〜30質量部であり、かつ、顔料のうち40〜95質量%が炭酸カルシウムであり、5〜30質量%が第1燃焼炉で300℃以上〜500℃未満で燃焼処理を行ったランチュウの肉瘤状の再生粒子凝集体であり、更に、接着剤として傾斜型のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを、顔料に対して4〜8質量部配合することで、高い白色度、白紙光沢度、印刷光沢度、表面強度を有する塗工紙が得られる。特に、上記の構成とすることにより、塗工量が片面あたり4.0〜7.5g/mの微塗工紙においても、A3コート紙と同程度の白色度、白紙光沢度、印刷光沢度を有する微塗工紙を得ることができる。具体的には、白色度が80%以上、白紙光沢度が45%以上、印刷光沢が65%以上の微塗工紙を得ることができる利点がある。
次に、本発明の塗工紙を以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例及び比較例
表1に示す種類及び割合で、塗工及び塗工を行い、塗工紙を得た。用いた顔料、原料および薬品は以下のとおりである。
(1)塗工
(顔料)
・炭酸カルシウム
微粒炭カル:微粒重質炭酸カルシウム(品番:カービラックス、イメリス ミネラルズ・ジャパン社製、平均面積粒子径:0.54μm)
実施例5(平均面積粒子径:0.77μm)及び比較例2(平均面積粒子径:0.84μm)は、カービラックスの粉砕の程度を低減して製造した微粒重質炭酸カルシウムを用いた。
炭カル:重質炭酸カルシウム(品番:ハイドロカーブ60、オミヤコーリア社製、平均面積粒子径:2.13μm)
毬栗炭カル:毬栗状軽質炭酸カルシウム(品番:ベルカーブ、スペシャリティミネラルズ社製、平均面積粒子径:2.10μm)
・クレー:カピムDG(品番:カピムDG、イメリス社製、平均面積粒子径:1.15μm)
・アルミナ(品番:スミコランダムAA−2、住友化学工業社製、平均面積粒子径:1.27μm)
・再生粒子凝集体
再生粒子A:特許第3869455号公報の製法に準じて粒径を調整して製造した。具体的には、古紙の処理工程から排出される脱墨フロスを水分率60%まで脱水し(脱水工程)、120℃で乾燥して(乾燥工程)焼成工程入口での水分率が3%になるようにし、第1焼成工程で未燃分が7%となるように400℃で焼成し、第2焼成工程で未燃分が12質量%となるように焼成し(焼成工程)、粒子径500μmの再生粒子凝集体を製造した。
再生粒子B:第1焼成工程で550℃で焼成した以外は、再生粒子Aと同様に製造した再生粒子凝集体を使用した。
炭酸カルシウム、カオリンクレー、アルミナ、再生粒子凝集体は、湿式粉砕機(品番:プラネタリーミル、セイシン企業製)を用いて粉砕し、面積粒子径の分布において、表に記載の極大値を有する顔料に調製し使用した。
尚、本発明の面積粒子径は次のように測定した。塗工紙をA4サイズに切り出し、用紙短辺を上辺として、上辺から下にAcm、左辺からAcmの地点で、縦横5mm角のサンプルを切り出した。ここでAは1〜20の整数であり、合計20サンプルを採取した。切り出したサンプルの表面を、走査電子顕微鏡(型番:S−2150、(株)日立製作所製)を用いて倍率12000倍で写真撮影した。写真の上辺から下にBcm、左辺からBcmの地点に最も近く、かつ粒子全体が撮影されている顔料について、面積粒子径を測定した。ここでBは1〜5の整数であり、1サンプルから5個の粒子の面積粒子径を求め、合計100点の顔料粒子について面積粒子径を求めた。顔料粒子は真円ではないため、顔料粒子を内包できる最小の円の直径を面積粒子径とした。
顔料の平均面積粒子径は、当該顔料を単体で使用した以外は実施例1と同様に塗工紙を製造し、上述の方法で100点の面積粒子径を測定し、その中央値とした。
塗工層の面積粒子径の分布は、粒子の数を面積粒子径0.1μmごとに集計して面積粒子径の分布を求めた。この0.1μmごとに分類した顔料集団について、極大値の有無を判断した。
(接着剤)
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス:(品番:PA8200、日本A&L社製、傾斜型)
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス:(品番:PA5118、日本A&L社製、単一型)
(製造手順)
原料パルプとしてLBKPとNBKPを80:20の質量割合で配合し、このパルプ(絶乾量)に対して、各々固形分で、内添サイズ剤(品番:AK−720H、ハリマ化成(株)製)0.02質量%、カチオン化澱粉(品番:アミロファックスT−2600、アベベジャパン(株)製)1.0質量%、及び歩留向上剤(品番:NP442、日産エカケミカルス(株)製)0.02質量%を添加してパルプスラリーを得た。
次に、ワイヤーパート、プレスパート、プレドライヤーパート、コーターパート、スキャッフドライヤーパート、カレンダーパート、リールパートを含む製紙システムを用いワインダーパートにて製品に仕上げた。
まず、パルプスラリーをワイヤーパートにて抄紙し、次いでプレスパート、プレドライヤーパートに供して、坪量33〜42g/mの基紙を製造し、次いでコーターパートにて、顔料として表1に記載の顔料及び、顔料100質量部に対して表に記載のとおりの部数でラテックスを混合し、濃度65%に調製した塗工液を、片面あたり表1に記載のとおり、フィルム転写方式(シムサイザー)で両面を塗工し、坪量48g/mの印刷用塗工紙を製造した。
次に、カレンダーパートにて、線圧200kN/m、速度1,000m/分で平坦化処理を施し、ワインダーパートに供して印刷用塗工紙を得た。
なお、ワイヤーパートではギャップフォーマーを用いて抄紙し、コーターパートではロッドメタリングサイズプレスコーターを用い、カレンダーパートでは、マルチニップカレンダーを用いた。
得られた塗工紙は、上述のとおり、0.1μmごとに集計した面積粒子径の分布において、表に記載の範囲に極大値を有するか否かを測定した。
得られた塗工紙について、以下の項目を評価した。その結果を表に示す。
(a)白色度
JISP8148:2001「紙、板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色反射率)の測定方法」に記載の方法に準じて、未印刷の塗工紙について測定した。尚、白色度は77%以上であれば実使用に問題なく、80%以上であれば見栄えに優れ、83%以上であれば、特に印刷光沢に優れた塗工紙となる。
(b)白紙光沢度
JISP8142:2005「紙及び板紙−75度鏡面光沢度の測定方法」に記載の方法に準じて、未印刷の塗工紙について測定した。尚、印刷光沢度は35%以上であれば実使用に問題なく、40%以上であれば見栄えに優れ、45%以上であれば、特に白紙光沢に優れた塗工紙となる。
・オフセット印刷サンプルの調製
オフセット印刷機(型番:LITHOPIA MAX BT2−1000、三菱重工業(株)製)を使用し、カラーインク(品番:ADVAN、大日本インキ化学工業(株)製)にて、B4折のカラー4色印刷を、速度1,200rpmで5000部印刷した。紙面温度は115℃に設定した。
(c)印刷光沢度
上記オフセット印刷サンプルの印刷面について、JISP8142:2005「紙及び板紙−75度鏡面光沢度の測定方法」に準じて光沢度を測定した。尚、印刷光沢度は55%以上であれば実使用に問題なく、60%以上であれば見栄えに優れ、65%以上であれば、特に印刷光沢に優れた塗工紙となる。
(d)表面強度
次の条件で塗工紙にRI印刷を行ってRI印刷試験体を作製した。
・印刷機:RI‐3型、(株)明製作所製
・インキ:WebRexNouverHIMARKプロセス(藍)、大日精化社製
・インキ量:上段ロールに0.3ml、下段ロールに0.2ml
・試験方法:上段、下段ロールでそれぞれインキを各3分間練り(2分間練った後、ロールを反転させてさらに1分間練る)、回転速度30rpmで2色同時印刷を行った。
前記RI印刷試験体について、白抜けの発生度合いを目視及びルーペ(10倍)にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:目視及びルーペで確認して白抜けがなく、印刷品質に特に優れる。
○:ルーペでは白抜けの発生が僅かに認められるが、目視では白抜けが認められず、印刷品質に優れる。
△:ルーペでは白抜けの発生が多少認められ、目視でも白抜けが僅かに認められ、印刷品質が良好である。
×:目視及びルーペで確認して白抜けが容易に認められ、印刷品質に劣る。
なお、前記評価基準のうち、◎、○、△を実使用可能と判断する。
(e)着肉性
上記表面強度を評価したRI印刷試験体について、着肉性の度合いを目視及びルーペ(10倍)にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:目視及びルーペで確認して印刷物にかすれが認められず、着肉性が良く、印刷品質に特に優れる。
○:ルーペで確認して印刷物にかすれが僅かに認められるが、目視ではかすれが認められず、着肉性が僅かに劣るが、印刷品質に優れる。
△:ルーペで確認して印刷物にかすれが多少認められ、目視でもかすれが僅かに認められ、着肉性が多少劣るが、印刷品質は良好である。
×:目視及びルーペで確認して印刷物にかすれが認められ、着肉性が悪く、印刷品質に劣る。
なお、前記評価基準のうち、◎、○、△を実使用可能と判断する。
Figure 0004542188
本発明の塗工紙は、オフセット印刷で使用される印刷用塗工紙として好適に使用することができる。
10 原料
12 貯槽
14 第1燃焼炉
15 装入機
16 排ガスチャンバー
18 排出チャンバー
20 熱風発生炉
20A バーナー
22 再燃焼室
24 予冷器
26 熱交換器
28 誘引ファン
30 煙突
32 第2燃焼炉
34 冷却機
36 粒径選別機
38 燃焼品サイロ

Claims (3)

  1. 基紙と、前記基紙上に顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を有する塗工紙であって、
    前記顔料が、0.1μmごとに集計した面積粒子径の分布において、次の(A)、(B)及び(C)それぞれの範囲に極大値を有する面積粒子径分布を持ち、
    前記顔料100重量部のうち、(A)及び(C)の範囲に極大値を有する顔料を40〜95質量部、(B)の範囲に極大値を有する顔料を5〜30質量部含有し、
    (A)及び(C)の範囲に極大値を有する顔料として炭酸カルシウムを使用し、(B)の範囲に極大値を有する顔料として再生粒子凝集体を使用することを特徴とする、塗工紙。
    (A)0.3μm以上0.8μm未満
    (B)1.3μm以上2.2μm未満
    (C)0.8μm以上1.3μm未満
  2. 前記顔料のうち、前記炭酸カルシウム及び前記再生粒子凝集体の合計が95質量%以上であることを特徴とする、請求項に記載の塗工紙。
  3. 前記顔料100重量部に対して前記接着剤の配合量が4〜10重量部であり、
    前記塗工層の塗工量が、固形分付着量で片面あたり、4〜7.5g/mであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の塗工紙。
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