以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。
本発明の新聞用紙は、コールドオフセット印刷用のものであり、古紙パルプを主成分とする原料パルプと填料とを含有し、その他の任意成分を含んでいる。
(原料パルプ)
当該新聞用紙の原料パルプは、主成分の古紙パルプと、任意成分のバージンパルプとを含んでいる。
古紙パルプとしては、例えば茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ(DIP)又は離解・脱墨・漂白古紙パルプが挙げられる。
これらの古紙パルプの中でも、新聞古紙由来の新聞古紙パルプ、雑誌古紙由来の雑誌古紙パルプ等が好ましく、新聞古紙パルプ及び雑誌古紙パルプを混合して用いることが特に好ましい。かかる新聞古紙パルプ及び雑誌古紙パルプは、古紙の回収率が高く、各製紙メーカーで新聞用紙、雑誌用紙を構成する原料パルプ種や填料類が近似していることから、原料構成の変動を抑えることができる点で好適である。特に新聞古紙パルプは、新聞用紙には一般的に古紙パルプが既に50%以上配合され、バージンの機械パルプやクラフトパルプの含有量が少ないため、またバージンの各種パルプが用いられていても、一度抄紙され、古紙処理により古紙パルプ化されているため、その性状は均質化し、ほぼ一定の性状を有している点で特に好ましい。
バージンパルプとしては、例えば
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ;
ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)などの機械パルプ;
ケナフ、麻、葦等の非木材繊維から化学的又は機械的に製造されたパルプ
等の公知の種々のパルプを使用することができる。
これらのバージンパルプの中でも、新聞用紙の製造において、古紙パルプを用いることによる嵩の低下を補完する効果を有す機械パルプ(MP)が好ましく、古紙から得る古紙パルプの調整に好適なサーモメカニカルパルプ(TMP)が好ましい。
原料パルプにおける古紙パルプの含有量としては、50質量%以上が好ましく、70質量%以上が特に好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。原料パルプ中の古紙パルプの含有量を上記範囲とすることで、資源の有効利用等の環境性が向上し、さらにインキ着肉性等のオフセット印刷適性も向上する。逆に、原料パルプにおけるバージンパルプの含有量としては、20質量%以上が好ましく、30質量%以上が特に好ましい。バージンパルプの含有量が上記範囲未満では、古紙から得る古紙パルプの調整が困難で、また嵩が出ず腰のない新聞用紙になり、搬送性や作業性が低下するおそれがある。
(填料)
当該新聞用紙は、灰分率が所定範囲になるように填料を含有している。このように、填料を含有することで調整する当該新聞用紙全体の灰分率としては、5質量%以上15質量%以下とされており、6質量%以上9質量%以下が特に好ましい。填料の含有量が小さく当該新聞用紙全体の灰分率が上記範囲より小さいと、ピッチの凝集及び巨大化を抑制する効果が小さく、また充分な不透明度が得られ難く、裏抜けの原因となるおそれがある。逆に、填料の含有量が大きく当該新聞用紙全体の灰分率が上記範囲を超えると、ピッチの凝集及び巨大化を抑制する効果は大きいが、パルプ繊維の絡みを阻害し、当該新聞用紙の強度が小さくなるおそれがあり、また凝集及び巨大化を抑制したピッチの当該新聞用紙への残存性を弱め、オフセット印刷の際に悪影響を及ぼすおそれがある。
なお、当該新聞用紙は、古紙パルプを主原料としているため、必然的に古紙由来の灰分を含んでいる。古紙由来の灰分は、元来古紙から古紙パルプを再生する工程において殆どが系外に排出されるものの、繊維に物理的又は化学的に固着した微細な灰分成分が古紙パルプ中に残留し、再び抄紙原料として用いられることにより得られるものであり、バージンの填料と比べ、原料パルプとの密着性が高いために、オフセット印刷を行った際にインクの定着性を向上する相乗効果をもたらす。
当該新聞用紙に含有する填料としては、タルク及びホワイトカーボンが必須であり、その他にクレー、カオリン、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機填料や、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、尿素ホルマリン系樹脂、メラミン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体系樹脂等の有機填料などが挙げられる。当該新聞用紙に含有するタルク及びホワイトカーボン以外の填料としては、嵩高効果及び表面強度の向上の点から後述する再生粒子が好ましい。
填料のレーザー法で測定した平均粒子径の下限としては、3.2μmが好ましく、4μmが特に好ましい。一方、填料の当該平均粒子径の上限としては、12μmとされており、10μmが好ましく、8μmが特に好ましい。填料の平均粒子径が上記下限より小さいと、小さいピッチと吸着した填料が紙中に抄き込まれず、白水中を循環し、抄紙系内に残存してしまう。一方、填料の平均粒子径が上記上限を超えると、ピッチと吸着した後に紙中に抄き込まれ、当該新聞用紙の表面平滑性が低下し、その結果、オフセット印刷の際のピッチトラブル、特に断紙等を招来し、また乾燥工程等の際に当該新聞用紙から脱落して装置に蓄積する等のおそれがある。
上記タルクとホワイトカーボンとの配合割合としては、60:40〜95:5が好ましく、60:40〜85:15が特に好ましい。タルクの配合割合が60を下回ると、ピッチの周辺に効果的にタルクを吸着させることが難しくなり、本発明の課題を効果的に達成することが困難になる。また、タルクの配合割合が95を超えると、滑りがよくなる傾向になるが、滑り効果が過剰になり、印刷中の紙の走行性を安定させることが困難になり、その結果、紙が蛇行し、印刷トラブルを発生しやすくなる。また、ホワイトカーボンの配合割合が40を超えると、ホワイトカーボンが他の填料と比べ比較的粒子径が大きいことから、スチールベルトでの取られが発生しやすくなる。ホワイトカーボンの配合割合が5を下回ると、新聞用紙として必要な不透明度を満足することが難しくなり、インクの裏抜けが発生しやすくなる。このように、タルクとホワイトカーボンとの配合割合を上記範囲とすることで、ピッチの周囲に効果的に付着し、ピッチの凝集及び巨大化を効果的に抑制することができる。
上記タルクとして、その表面がカチオン化剤により表面処理されたカチオン処理タルクを用いるとよい。このように、カチオン化剤により表面処理されたカチオン処理タルクを用いることで、原料に混在するピッチが一般的にアニオン性を有しているため、製紙工程において、ピッチとタルクとの吸着性がさらに向上し、ホワイトカーボンの吸着と相まって、ピッチの凝集及び巨大化をより抑制することができ、その結果、印刷工程においてピッチトラブルをより防止することができる。
このカチオン処理タルクとは、一般的にはタルクに有機カチオン性基を有する有機カチオン性化合物等のカチオン化剤を反応させて得たもので、少なくともタルク表面がカチオン性に荷電したものである。このカチオン化剤としては、例えばポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリアミンスルホン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド‐ホルマリン縮合物、ジシアンジアミドポリアルキル‐ポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の化合物及びこれらの塩酸塩、更にポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド及びそのアクリルアミド等の共重合物、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリメタクリル酸エステルメチルクロライド4級塩等を挙げることができる。
(その他内添剤)
当該新聞用紙は、特に限定されないが、引っ張り強度、引き裂き強度、伸び等の物性を発現させるため、必要に応じて紙力増強剤、ろ水性・歩留まり向上剤、内添サイズ剤、助剤等を含有してもよい。
上記紙力増強剤としては、例えばポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン化澱粉、尿素/ホルマリン樹脂、メラミン/ホルマリン樹脂等が挙げられる。ろ水性・歩留まり向上剤としては、例えばアクリルアミド/アミノメチルアクリルアミドの共重合物の塩、カチオン化澱粉、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合物などが挙げられる。内添サイズ剤としては、例えば強化ロジンサイズ剤(ロジンに無水マレイン酸、あるいは無水フマル酸を付加させて部分マレイン化、もしくはフマル化ロジンとし、アルカリで完全けん化して溶液としたもの)、エマルジョンサイズ剤(部分マレイン化、あるいはフマル化ロジンを、ロジン石鹸、あるいは各種界面活性剤を乳化剤として用い、水に分散させたもの)、合成サイズ剤(ナフサ留分から得られるC3〜C10留分を共重合した石油樹脂を用いたサイズ剤)、反応性サイズ剤(AKD、アルケニルコハク酸無水物)などが挙げられる。助剤としては、例えば硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、耐水化剤、紫外線防止剤、退色防止剤などが挙げられる。
(表面処理)
当該新聞用紙の表面(片面又は両面)には表面サイズ剤を塗工するとよい。表面サイズ剤を塗工することで、当該新聞用紙の表面平滑性が向上し、かつ表面の摩擦係数が低減され、その結果、上記ピッチの分散小径化と相まって、オフセット印刷装置のブレーキ装置等への引っ掛かりが防止され、ピッチトラブルをさらに低減することができる。
表面サイズ剤としては、例えば酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子;スチレン/マイレン酸系共重合体、スチレン/アクリル酸系共重合体などのアニオン性ポリマー;ロジン、トール油とフタル酸等のアルキド樹脂ケン化物、石油樹脂とロジンのケン化物等のアニオン性低分子化合物;スチレン系ポリマー、イソジアネート系ポリマー等のカチオン性ポリマーなどが挙げられ、これらは単独で又は同時に用いることができる。
これらの表面サイズ剤の中でも、水溶性高分子が好ましく、特に澱粉及びPVAが好ましく、主成分の澱粉と副成分のPVAとを混合して用いることがさらに好ましい。かかる水溶性高分子によれば、新聞用紙内部の嵩高性を維持しつつ、新聞用紙表面に突出した繊維・フィブリル繊維を平坦にし、その結果、高速輪転印刷に耐え得る印刷適性を満足させることができる。また、一般にPVAを単独で新聞用紙の表面に塗工した場合には、澱粉を単独で塗工した場合と比べ、略3倍の表面強度を示し、被膜性に優れる反面、被膜性が高いために、コールドセット型インキのような用紙中に溶媒が浸透して乾燥する印刷インキを用いると、印刷インキの溶媒の吸収性が低く、充分なインキセット性が得られないおそれがある。またPVAを単独で一定量塗工しようとすると、PVAを含む塗工液の粘性が高く、例えばフィルムトランスファー方式等では、断紙や抄紙設備の汚れ、粕や紙面の汚れ等が生じる場合がある。一方、このようにPVAと澱粉とを併用することで、印刷インキの溶媒の用紙中への浸透を適度に促しながら、インキ填料成分を用紙表面に留める程度に被膜性が向上するとともに、インキセット性の低下も充分に抑制されるという利点が生じる。
上記澱粉の種類は、特に限定がないが、エステル化澱粉や酸化澱粉を好適に用いることができ、特にエステル化澱粉が好ましい。かかるエステル化澱粉や酸化澱粉は、パルプ繊維に対する定着性が高く、被膜性に優れ、また新聞用紙表面の品質も向上する。加えて、エステル化澱粉を用いた場合には、インキ濃度及びインキセット性が飛躍的に向上する。
エステル化澱粉を得る際の原料澱粉としては、例えば未処理澱粉、処理澱粉の他、各種澱粉含有物があげられる。このような原料澱粉の代表例としては、例えば小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、甘薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、モチトウモロコシ粉、高アミロース含量トウモロコシ澱粉等の未処理澱粉;小麦澱粉、タピオカ澱粉、コーンフラワー、米粉等の澱粉含有物に、酸化、酸処理化等を行った処理澱粉等があげられる。これらの中でも、タピオカ澱粉は、エステル変性物が、粘性、被膜性、弾力性、伸展性の面で他の穀物澱粉類よりも優れる点で好ましい。さらにチキソトロピック性を有するエステル化澱粉が、基紙の表面への塗工時は流動性を示しながら、塗工後は基紙中に浸透し難く、基紙表面に高い被膜性を呈する点から好ましい。
酸化澱粉としては、従来より使用されている化工澱粉が好適に例示され、例えば次亜塩素酸ナトリウム等による酸化反応によって、低分子量化と、分子中へのカルボキシル基、アルデヒド基、カルボニル基等の導入とを行ったものがあげられる。
なお、澱粉の平均分子量としては、60万〜300万が好ましく、80万〜280万が特に好ましい。かかる平均分子量を有する澱粉は、用紙表面の被覆性に加え、インキ成分を用紙表面に留めつつ、溶媒成分を紙中に取り込んで吸収乾燥性を向上させる。また、澱粉の粘度(10%)としては、30×10-3Pa・s以下が好ましく、15×10-3〜25×10-3Pa・sが特に好ましい。かかる粘度の澱粉は、紙中への浸透が低減され、紙表面に留まることができる。
PVAの種類は、特に限定されず、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のPVAの他に、末端をカチオン変性したPVAやアニオン性基を有するアニオン変性PVA等の変性PVAも用いることができる。このポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のPVAの平均重合度としては、澱粉との相溶性に優れ、均質な被膜が得られ易いという点から、300〜3000が好ましく、1000〜2400が特に好ましく、1700〜2000がさらに好ましい。また、通常のPVAのケン化度としては、新聞用紙表面に耐水性や耐熱性を有する被膜が得られ易い点から、80〜100が好ましく、90〜100がより好ましい。
表面サイズ剤として澱粉とPVAとを併用する場合、両者の配合割合(澱粉:PVAの固形分質量比)としては、10:0.8〜10:2.0が好ましく、10:0.9〜10:1.2が特に好ましい。PVAの配合割合が10:2.0を上回ると、塗工液の粘性が急激に上昇するため、塗工ムラやミストが発生し、塗工品質の低下や設備周辺の汚損が生じるおそれがあり、一方、PVAの配合割合が10:0.8を下回ると、澱粉とPVAとの相溶性には問題がないものの、基紙の表面に塗工した際に澱粉とPVAとの相乗効果が得られず、基紙中への浸透や塗工ムラが生じるおそれがある。従って、両者の割合を上記範囲に調整することで、澱粉とPVAとの相乗効果を確保することができ、インキ中の填料成分を新聞用紙の表面に留めることによって高いインキ濃度を発現させると同時に、インキ中の溶媒を素早く新聞用紙内部に吸収させ、早いインキセット性を発現させることができる。
なお、表面サイズ剤を含有する塗工液は、例えば澱粉、PVA等の水溶性高分子と、必要に応じて、例えばポリアクリルアミド等の表面紙力剤や、スチレン系ポリマー等の表面サイズ剤を適宜混合して水を加え、固形分濃度を適宜調整することができる。
表面サイズ剤の塗工手段としては、特に限定されず、例えばトランスファロールコーター、エアドクタコーター、ブレードコーター、ロッドコーター等が使用される。これらのコーターの中でも、トランスファロールコーター方式の塗布装置が好ましく、ゲートロールコーターが特に好ましい。フィルムトランスファー方式による塗工、特にゲートロールによる塗工は、他の塗工方法とは異なり、低塗工量でも当該新聞用紙表面に被覆性の高い層の形成に好適であり、また塗工液に急激なせん断力がかからないので、循環使用する塗工液の安定性に優れ、高速で均質な被膜を得ることができる。その結果、例えばコールドセット型インキを使用して多色オフセット輪転印刷をする場合、インキ濃度、インキセット性、インキ着肉性等の印刷適性に優れる。
表面サイズ剤の当該新聞用紙片面当たりの固形分塗工量としては、0.05g/m2以上2.0g/m2以下が好ましく、0.06g/m2以上0.2g/m2以下が特に好ましい。表面サイズ剤の塗工量尾が上記範囲より小さいと、表面サイズ剤による充分な被膜性が得られず、インキ中の填料成分が新聞用紙の表面で留まり難く、充分に高いインキ濃度が得られないおそれがある。一方、表面サイズ剤の塗工量が上記範囲を超えると、塗布設備周辺に表面サイズ剤を含んだ塗工液のミストが多量に発生し、周辺機器を汚損するとともに、汚れに起因する断紙、用紙の欠陥が生じるおそれがある。従って、表面サイズ剤の塗工量を上記範囲とすることで、コールドセット型オフセットインキの顔料成分を新聞用紙の表面に留め、新聞用紙Z軸方向へ適度に溶媒を浸透させることが可能になり、その結果インキセット性が良好で、インキ濃度が高く、しかも高精細な印刷画像や印刷不透明度を得ることができる。
さらに、当該新聞用紙には、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー設備で平坦化処理を施すことも可能である。かかるカレンダー設備による平坦化処理を施すことで、当該新聞用紙の印刷適性をさらに向上することができる。なお、カレンダー設備としては、特に限定されないが、古紙パルプの配合割合が高い当該新聞用紙においては、低ニップ圧で同一緊度であり、高い平滑性ひいては軽量化及びカラー印刷適性に優れるソフトカレンダーが特に好ましい。
(当該新聞用紙)
当該新聞用紙は、古紙パルプを主原料とし、ピッチを含有しているにも拘わらず、灰分率が5質量%以上15質量%以下になるよう填料を含有し、この填料として平均粒子径が3.2μm以上12μm以下のタルクとホワイトカーボンとを用い、このタルクとホワイトカーボンとの配合割合を60:40〜95:5とすることで、タルク及びホワイトカーボンを含む填料とピッチが効果的に吸着し、ピッチの凝集及び巨大化が効果的に抑制され、含有するピッチ粒子の平均面積がオフセット印刷の際にピッチトラブルが発生しない程度に制御されている。
当該新聞用紙の紙面におけるピッチ粒子の平均面積としては、2000μm2以下とされており、1700μm2以下が好ましく、1400μm2以下が特に好ましい。ピッチ粒子の平均面積を上記範囲に制御することで、当該新聞用紙の表面平滑性、表面強度等に優れ、新聞のオフセット印刷工程におけるピッチトラブル、特に断紙を格段に低減することができ、印刷工程での印刷操作性、インキセット性、インキ着肉性、インキ均一吸収性、経済性を格段に向上することができる。
当該新聞用紙は、表層A、中層B及び表層Cをその質量比が実質的に1:2:1となるよう3分割した場合において、これらの表層A、中層B及び表層Cに含有するピッチ質量が、
(1)中層Bのピッチ質量>(表層Aのピッチ質量+表層Cのピッチ質量)
の条件(1)を満足するとよい。つまり、中層Bのピッチ質量が表層Aのピッチ質量と表層Cのピッチ質量の合計より大きくするとよい。このように、中層Bのピッチ質量を表層Aのピッチ質量と表層Cのピッチ質量の合計より大きくすることで、新聞用紙表面側に存在するピッチが低減され、オフセット印刷工程におけるピッチトラブル、特に断紙を格段に低減することができる。
当該新聞用紙におけるパルプの繊維配向角の絶対値としては、0°以上5°以下が好ましい。このように、パルプの繊維配向角の絶対値を上記範囲とすることで、パルプの平均的繊維方向が新聞用紙の製紙方向、つまりオフセット印刷の際の給紙方向になり、その結果、上記ピッチの分散小径化と相まって、オフセット印刷装置のブレーキ装置等への引っ掛かりが防止され、ピッチトラブルをさらに低減することができる。
当該新聞用紙の紙面pHとしては、6以上10以下が好ましく、6.5以上9.5以下が特に好ましい。特に新聞用紙への高速輪転オフセット印刷において、印刷前に紙面に塗布される湿し水が、新聞社によって変動するものの、ほぼ中性であることから、湿し水との相性を考慮し、印刷不良発現のリスクを低減させるために、かかる紙面pH範囲に調整することが好ましい。なお、「紙面pH」は、紙面用pH測定キット(共立理化学研究所製)にて、試薬(MPC−BCP、pH4.8〜6.8)を使用し、変色標準計で目視にて測定した値をいう。
当該新聞用紙の密度としては、0.5g/cm3以上1.0g/cm3以下が好ましく、0.6g/cm3以上0.9g/cm3以下が特に好ましい。当該新聞用紙の密度が上記範囲より小さいと、紙質強度が低下して高速輪転印刷における断紙の原因になるとともに、紙粉が発生するという問題が生じるおそれがある。一方、当該新聞用紙の密度が上記範囲を超えると、印刷後の裏抜けが生じやすくなり、剛度が低下して印刷作業性も低下するおそれがある。なお、「密度」とは、JIS−P8118に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に記載の方法に準拠した測定値である。
当該新聞用紙の白色度としては、55%以上が好ましく、55.5%以上58%以下が特に好ましい。当該新聞用紙の白色度が上記範囲より小さいと、印刷前の白紙外観が低下するだけでなく、オフセット印刷後、特にカラー印刷後の印刷物の見映えも低下するおそれがある。なお、「白色度」とは、JIS−P8212に記載の「パルプ−拡散青色光反射率(ISO白色度)の測定方法」に準拠した測定値である。
当該新聞用紙の白紙不透明度としては、90%以上が好ましく、91%以上95%以下が特に好ましい。当該新聞用紙の白紙不透明度が上記範囲より小さいと、印刷前の白紙外観が低下するだけでなく、オフセット印刷後の印刷物の見映えも低下するおそれがある。また、当該新聞用紙に印刷を施した後の印刷不透明度は、前記白紙不透明度よりも0.5%以上、さらには0.8〜2.0%高いことが好ましい。なお、「白紙不透明度」とは、JIS−P8149に記載の「紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)」に準拠した測定値である。
当該新聞用紙の坪量としては、35g/m2以上50g/m2以下が好ましく、38g/m2以上48g/m2以下が特に好ましい。当該新聞用紙の坪量が上記範囲より小さいと、不透明度の確保が不充分となり、例えば17〜18万部/時間にも及ぶ近年の高速印刷においては特に断紙やシワが生じ易く、操業性、品質に問題が発生するおそれがある。一方、当該新聞用紙の坪量が上記範囲を超えると、充分な不透明度を確保し易くなるものの、軽量な新聞用紙として扱い難くなる。なお、「坪量」とは、JIS−P8124に記載の「坪量測定方法」に準拠した測定値である。
当該新聞用紙は、ISO 8791−4「紙及び板紙−粗さ平滑度試験方法(空気漏洩法)−第4部:プリントサーフ法」に記載の方法に準拠し、ソフトラバー製パッキングディスクを用い、クランプ圧力1MPaの条件で測定した用紙表面のパーカープリントサーフ表面粗さ(PPS)としては、4.0μm以上5.5μm以下が好ましく、4.1μm以上5.4μm以下が特に好ましい。
また正反射型平滑度計を用い、20kg/cm2加圧下、光の波長0.5μm、測定時間100MSの条件で測定した用紙表面の正反射型平滑度としては、9%以上14%以下が好ましく、9.5%以上13.5%以下が特に好ましい。
PPS及び正反射型平滑度は、共に新聞用紙の表面性を数値評価する指標であるが、本件発明のように、新聞用紙表面への印刷適性評価において、網点と同等な微視的領域における平坦性を評価することができるPPSと、紙表面を比較的広範囲に嵩高さによるクッション性を考慮した正反射型平滑度との両者の評価値を満足することが好ましい。
PPS及び正反射型平滑度の調整手法としては、例えばソフトカレンダーやスーパーカレンダー、マシンカレンダーを用いて新聞用紙表面を物理的に平坦化処理する方法や、紙中に含有させる填料の割合を調整する方法等が考えられる。
(当該新聞用紙の製造方法)
以下、図1を参照しつつ、当該新聞用紙の製造方法について説明する。まず、原料パルプY1がスラリー状態で受入チェスト1に送られ、ダブルシックナー14を経て、配合チェスト2へ送られる。次に、配合チェスト2の配合原料は、マシンチェスト3に供給された後種箱4に導かれる。ここで調節された配合原料は、第1ファンポンプ5、クリーナー6、スクリーン7、第2ファンポンプ8及びヘッドボックス9を介して抄紙機(図示していない)に供給される。また、第2ファンポンプ8へ供給される前の段階で、炭酸カルシウム受入タンク10から炭酸カルシウム添加タンク11経由で炭酸カルシウムが、水和珪酸受入タンク12から水和珪酸添加タンク13経由で水和珪酸が添加される。
原料パルプY1中に含有するコロイダルピッチ濃度としては、(15〜90)×107個/cm3が好ましく、(20〜60)×103個/cm3が特に好ましい。ここで、「個/cm3」とは、濃度1%原料パルプスラリーあたりのコロイダルピッチ個数を意味する。コロイダルピッチ濃度が上記範囲より小さいと、ピッチによるパルプ繊維の物理的又は化学的な固着がなくなり、当該新聞用紙の強度が低下するおそれがある。逆に、コロイダルピッチ濃度が上記範囲を超えると、填料X0によるピッチの凝集及び巨大化の抑制効果が効かなくなり、オフセット印刷等の際のピッチトラブルを招来するおそれがある。
各種添加剤は、原料パルプY1の配合調整段階(受入チェスト1、配合チェスト2及びマシンチェスト3)から抄紙機に供給されるまでの任意の段階で添加され、好適には受入チェスト1で填料X0を、配合チェスト2でカチオン性凝結剤X1を添加し、原料パルプのイオン性を安定化させた上で、その後工程の種箱4で内添サイズ剤X2を添加し、その後カチオン性凝集剤X3を添加する。
填料X0を受入チェスト1で添加することで、原料パルプに含まれるピッチの凝集及び巨大化を効果的に抑制することができる。填料X0の固形分配合量としては、ピッチの凝集及び巨大化を効果的に抑制する点から、10〜40kg/Ptが好ましく、15〜25kg/Ptが特に好ましい。ここで、「kg/Pt」とは、原料パルプ1トン当たりのkg数質量を意味する。
カチオン性凝結剤X1を配合チェスト2で添加することで、カール問題の起因となるアニオントラッシュを抑え、後工程でのイオン性調整を容易にすることが可能になり、カール問題を解決することができる。
カチオン性凝結剤X1としては、例えばカチオン性ポリアクリルアミド、ポリビニルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ポリエチレンイミン、分子量50000以上のポリアミン、エチレンイミンのグラフトにより変性されているポリアミン、ポリエーテルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピロリジン、ポリビニルイミダゾリン、ポリビニルテトラヒドロピリン、ポリ(ジアルキルアミノアルキルビニルエーテル)、プロトン化又は四級化した形のポリ(ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート)並びにアジピン酸とポリアルキレンポリアミン、アクリルアミド又はメタクリルアミドとジアルキルアミノエチルアクリレート又はジアルキルアミノエチルメタクリレートとの共重合体(例えばアクリルアミドとジメチルアミノエチルアクリレートとの塩酸を用いた塩の形又は塩化メチルを用いた四級化した形の共重合体)などが挙げられる。
中でも、カチオン性凝結剤X1としては、アンモニア、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンから選択された一種以上のアミン類と、ポリカチオン物質と、分子量10000〜70000のポリアルキレンイミンとを反応させたポリアルキレンイミン変性物が好ましい。
カチオン性凝結剤X1の固形分配合量としては、0.5〜3.0kg/Pt(パルプトン)が好ましく、0.5〜1.02.5kg/Ptが特に好ましい。カチオン性凝結剤X1の配合量が上記範囲より小さいと、十分なアニオントラッシュの凝結やイオン性の中和効果がみられず、後工程でのサイズ剤添加効果が生じにくく、カールの問題が発現する。逆に、カチオン性凝結剤X1の配合量が上記範囲を超えると、原料パルプ系内のイオン性がカチオン性過度になり、不要な凝結やサイズ効果にムラが生じ、過剰の添加においてもカールの問題、さらには地合い不良も発現する問題が生じる。
内添サイズ剤X2は、原料パルプの配合調整段階以降であれば、抄紙工程何れでも添加できるが、最も好適には種箱4で添加することが好ましい。内添サイズ剤X2を種箱4で添加することで、原料パルプとの均一な混合が促進され、均一なサイズ性を得ることができる。
内添サイズ剤X2としては、例えばロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤等が挙げられる。中でも、印刷装置における走行性及び印刷後の用紙保存性の観点から、中性サイズ剤、特に中性ロジンサイズ剤が好適に使用される。この中性ロジンサイズ剤のイオン性は、乳化時に用いる各種界面活性剤もしくは水溶性高分子によりアニオン性又はカチオン性の選択は可能である。また、中性ロジンサイズ剤は、分子中の疎水化変性ロジン、強化ロジン、未変性ロジンの組成比率によってサイズの発現性が異なる。
内添サイズ剤の固形分添加量としては、0.4〜1.5kg/Ptが好ましく、0.8〜1.0kg/Ptが特に好ましい。内添サイズ剤の添加量が上記範囲より小さいと、表面サイズ剤の塗工処理を施しても、紙全体として充分なサイズ性を示すことができない。逆に、内添サイズ剤の固形分添加量が上記範囲を超えると、サイズ性も飽和状態に達し、他薬品との反応による欠陥や、操業時における抄紙機の各部の汚れが発生するおそれがある。
カチオン性凝集剤X3を内添サイズ剤X2添加後に添加することで、サイズ剤のパルプ繊維への定着を促進することができ、その結果サイズ性の向上を図ることができる。カチオン性凝集剤X3は、好適にはサイズ剤X2添加後の後工程であって、第一ファンポンプ5、クリーナー6及びスクリーン7を経た第二ファンポンプ8の直前で添加される。
カチオン性凝集剤X3としては、具体的には、カチオン性ポリアミン樹脂、カチオン性ポリアミンポリアミド樹脂、カチオン性ポリアクリルアマイド、カチオン変性澱粉、スチレンアクリル系樹脂、カチオン性熱硬化性樹脂等を挙げることができる。
カチオン性凝集剤X3の添加量としては、純分で50〜400ppmが好ましく、100〜200ppmが特に好ましい。カチオン性凝集剤X3の添加量が上記範囲より小さいと、炭酸カルシウムの歩留まり向上の効果が得られ難くなり、逆に、カチオン性凝集剤X3の添加量が上記範囲を超えると、地合いが悪化するおそれがある。また、カチオン性凝集剤X3が分子量300万〜2000万、好適には500万〜2000万であり、かつカチオン性単量体のモル%が5〜100モル%、好適には10〜100モル%のカチオン性水溶性重合体又は共重合体の場合、固形分配合量としては、0.1〜5.0kg/Ptが好ましく、0.5〜4.0kg/Ptが特に好ましい。カチオン性水溶性重合体又は共重合体の分子量が300万未満であると効果が十分ではなく、2000万より多くても効果の向上が小さくコスト高となる。
当該新聞用紙は、上記抄紙工程後、上述のように両面に表面サイズ剤を塗工することが好ましい。また、当該新聞用紙は、パルプ繊維の繊維配向角の絶対値が0°以上5°となるよう調整するとよい。本発明における、繊維配向角の絶対値は、繊維の配向性を表す指標であり、MD方向(紙の流れ方向)軸に対する配向性のズレ角度の絶対値である。この繊維配向角は、超音波伝導式配向角計「SST−3000」(野村商事製)等で測定したことができる。この繊維配向角の調整は、新聞用紙の製造工程において、原料噴出速度(ジェットスピード)とワイヤー速度の比(J/W比)、ジェットの着地点、シェーキングの振幅の程度を変更することにより調整が可能である。
(再生粒子)
填料として好適に使用される再生粒子とは、紙パルプを製造する古紙処理設備の脱墨工程において、パルプ繊維から分離された脱墨フロスを主原料とし、上記主原料を脱水、乾燥、燃焼及び粉砕の各工程を経て得られるものであって、上記乾燥と燃焼工程が、上記脱水後の原料の乾燥と燃焼を一連で行う先の第1燃焼炉(内熱キルン炉)と、第1燃焼炉にて燃焼された脱墨フロスを再度燃焼する後の第2燃焼炉(外熱キルン炉)からなる少なくとも2段階の燃焼工程を有し、その後に粉砕することで形成される。以下に、本発明に係る再生粒子の製造方法の一例を、図1及び図2を参照しつつ説明する。
この再生粒子の製造工程は、脱水工程、乾燥・燃焼工程及び粉砕工程を有するが、さらに脱墨フロスの凝集工程又は造粒工程、各工程間に分級工程等を設けてもよい。本設備には、各種センサーが備わっており、被燃焼物や設備の状態、処理速度のコントロール等を行うことができる。
古紙パルプを製造する脱墨工程においてパルプ繊維から分離された脱墨フロスは、種々の操作を経て、公知の脱水設備により脱水される。脱水後の原料は、好ましくは40%〜90%、より好ましくは45%〜70%、最も好ましくは50%〜60%の高含水状態とすることが望ましい。
かかる脱水後の原料Y2は、望ましくは、粉砕機(または解砕機)により40mm以下の粒子径に粉砕しておくことが望ましい。かかる原料Y2が貯槽15から切り出されて、本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉である第1燃焼炉16の一方側から装入機17により装入される。第1燃焼炉16の一方側には、排ガスチャンバー18が、他方側には排出チャンバー19が設けられている。排出チャンバー19を貫通して、熱風が第1燃焼炉16の他方側から吹き込まれ、上記一方側から装入され、第1燃焼炉16の回転に伴って上記他方側に順次移送される原料の乾燥及び燃焼を行うようになっている。
ここで、第1燃焼炉16内に吹き込む熱風は、酸素濃度が0.2%〜20%となるようにするのが望ましい。炉内温度としては、好ましくは300℃〜500℃、より好ましくは400℃〜500℃、最も好ましくは400℃〜450℃である。熱風は、バーナー20Aを備える熱風発生炉20から吹き込まれる。
排ガスチャンバー18からは、乾燥・燃焼に供した排ガスが再燃焼室22に送り込まれる。排ガス中に含まれる燃焼物の微粉末は、排ガスチャンバー18の下部から排出され、再利用される。排ガスは、再燃焼室22でバーナーにより再燃焼が行われ予冷器24により予冷された後、熱交換器26を通し、誘引ファン28により煙突30から排出される。ここで、熱交換器26は外気を昇温した後に、熱風発生炉20に送られ、第1燃焼炉16から吹き込まれる熱風の用に供せられ、排ガスチャンバー18からの排ガスの熱を回収するようにしてある。排ガスの処理は、排ガス中に含まれる有害物質の除去に有効である。
第1燃焼炉16において乾燥及び燃焼処理を経た燃焼物は、本体が横置きで中心軸周りに回転する外熱キルン炉である第2燃焼炉32に装入される。この装入される燃焼物の粒径としては、40mm以下が好適である。第2燃焼炉32での熱源としては、第2燃焼炉32内の温度コントロールが容易で長手方向の温度制御が容易な電気による調整が好適であり、したがって、電気ヒーターにより間接的に第1燃焼炉16から得られる燃焼物を再び燃焼させる外熱式の燃焼炉であることが望ましい。
第2燃焼炉32においては、酸素濃度を調整する空気あるいは酸素の供給機構(図示せず)にて酸素濃度が、好ましくは5%〜20%、より好ましくは10%〜20%、最も好ましくは10%〜15%となるようにして燃焼する。温度としては、好ましくは550℃〜780℃、より好ましくは600℃〜750℃である。また、第2燃焼炉32内での滞留時間は、好ましくは60分〜240分、より好ましくは90分〜150分、最も好ましくは120分〜150分で残カーボンを完全に燃焼させる。
燃焼が終了した再生粒子は、冷却機34により冷却された後、振動篩機などの粒径選別機36により選別され、湿式粉砕機等を用いた粉砕工程で目的の粒子径に調整された燃焼物が燃焼品サイロ38に一時貯留され、顔料や填料の用途先に仕向けられる。
なお、脱墨フロスを原料として用いた場合を例示したが、脱墨フロスを主原料に、抄紙工程における製紙スラッジ等の他製紙スラッジを適宜混入させたものを原料とした燃焼物であってもよい。
以上、再生粒子の製造工程の概要を説明したがその詳細及び応用例を以下に説明する。
〔原料〕
古紙パルプ製造工程では、安定した品質の古紙パルプを連続的に生産する目的から、使用する古紙の選定、選別を行い、一定品質の古紙を使用する。そのため、古紙パルプ製造工程に持ち込まれる無機物の種類やその比率、量が基本的に一定になる。しかも、再生粒子の製造方法において未燃物の変動要因となるビニル樹脂やフィルムなどのプラスチック類が古紙中に含まれていた場合においても、これらの異物は脱墨フロスを得る脱墨工程に至る前段階で除去することができる。従って、脱墨フロスは、工場排水工程や製紙原料調成工程等、他の工程で発生する製紙スラッジと比べ、極めて安定した品質の再生粒子を製造するための原料となる。
本発明でいう脱墨フロスとは、古紙パルプを製造する古紙処理工程において、主に、古紙に付着したインクを取り除く脱墨工程で、パルプ繊維から分離されるものをいう。
〔脱水工程〕
脱墨フロスの更なる脱水は、公知の脱水手段を適宜に使用できる。本形態における一例では、脱墨フロスは、脱水手段たる例えばスクリーンによって、脱墨フロスから水を分離して脱水する。スクリーンにおいて、水分を90%〜97%に脱水した脱墨フロスは、例えばスクリュープレスに送り、さらに所定の水分に脱水することが好適である。
脱水後の原料Y2の水分率が70%を超えると、第1燃焼炉16における乾燥・燃焼処理温度の低下を招き、加熱のためのエネルギーロスが多大になるとともに、原料Y2の燃焼ムラが生じやすくなり均一な燃焼を進めにくくなる。さらに、排出される排ガス中の水分が多くなり、ダイオキシン対策における再燃焼処理効率の低下と、排ガス処理設備の負荷が大きくな問題を有する。また、脱水後の原料Y2の水分率が40%未満と低いと、脱墨フロスの過剰燃焼の原因となる。また、脱水処理エネルギーの削減にも寄与する。
以上の説明で明らかにしたように、脱墨フロスの脱水を多段工程で行い急激な脱水を避けると、無機物の流出が抑制でき脱墨フロスのフロックが硬くなりすぎるおそれがない。脱水処理においては、脱墨フロスを凝集させる凝集剤等の脱水効率を向上させる助剤を添加しても良いが、凝集剤には、鉄分を含まないものを使用することが好ましい。鉄分が含有されると、鉄分の酸化により再生粒子の白色度を下げる問題を惹き起こす。
脱墨フロスの脱水工程は、本発明における再生粒子の製造工程に隣接することが生産効率の面で好ましいが、予め古紙パルプ製造工程に隣接して設備を設け、脱水を行った物を搬送することも可能であり、トラックやベルトコンベア等の搬送手段によって定量供給機まで搬送し、この定量供給機から乾燥・燃焼工程に供給する。
かかる脱水後の原料Y2は、第1燃焼炉16に供給する操作において粉砕機(または解砕機)により平均粒子径が好ましくは40mm以下、より好ましくは3mm〜30mm、最も好ましくは5mm〜20mmの範囲になるように調整される。さらに平均粒子径が50mm以下の割合が、70質量%以上に成るように粉砕しておくことがより好ましい。脱墨フロス中に含まれる炭酸カルシウムの熱変化をきたさない燃焼処理を図るため、原料の粒子径は均一であることが好ましいところ、平均粒子径が3mm未満では過燃焼になりやすく、40mmを超える平均粒子径では、原料芯部まで均一に燃焼を図ることが困難な問題を有するためである。
上記平均粒子径と粒子径の割合は、攪拌式の分散機で充分分散させた試料溶液を用いて測定した。各燃焼工程における粒子径は、JIS−Z8801−2:2000に基づき、金属製の板ふるいにて測定した。
〔第1燃焼工程〕(乾燥、燃焼工程)
かかる原料Y2が貯槽15から切り出されて、第1燃焼炉16に供給される。第1燃焼炉16は本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉方式からなり、第1燃焼炉16の一方側から装入機17により装入される。内熱キルン炉加熱手段は、熱風発生炉20にて生成された熱風を第1燃焼炉16の排出口側から、脱水物の流れと向流するように送り込まれる。第1燃焼炉16の一方側には、排ガスチャンバー18が、他方側には排出チャンバー19が設けられている。排出チャンバー19を貫通して、熱風が第1燃焼炉16の他方側から吹き込まれ、上記一方側から装入され、第1燃焼炉16の回転に伴って上記他方側に順次移送される原料Y2の乾燥及び燃焼を行うようになっている。
すなわち、本乾燥・燃焼工程は、脱水物を、本体が横置きで中心軸周りに回転する第1燃焼炉16によって乾燥・燃焼することにより、供給口から排出口に至るまで、緩やかに乾燥と有機分の燃焼が行え、燃焼物の微粉化が抑制され、凝集体の形成、硬い・柔らかい等さまざまな性質を有する脱水物の燃焼度合いの制御と粒揃えを安定的に行うことができる。また、乾燥を別工程に分割し吹き上げ式の乾燥機を入れることもできる。
ここで、第1燃焼炉16内に吹き込む熱風の酸素濃度が好ましくは0.2%〜20%、より好ましくは1%〜17%、最も好ましくは7%〜15%となるようにされている。
酸素濃度は、原料Y2の燃焼(酸化)により消費されるため、燃焼の状況により酸素濃度に変動を生じる。酸素濃度が過度に低いと、十分な燃焼を図ることが困難である。第1燃焼炉16内の酸素は、原料Y2の燃焼等によって消費され酸素濃度が低下するが、燃焼させるための熱風発生装置等により、空気などの酸素含有ガスを送風し、あるいは排気することで、酸素濃度を維持、調節可能であり、さらに酸素含有ガスを送風し、あるいは排気することで、第1燃焼炉16内の温度を細かく調節可能になり、原料Y2をムラなく万遍に燃焼することができる。
第1燃焼炉16の炉内温度としては、好ましくは300℃〜500℃より好ましくは400℃〜500℃、最も好ましくは400℃〜450℃である。第1燃焼炉16においては、容易に燃焼可能な有機物を緩やかに燃焼させ、燃焼しがたい残カーボンの生成を抑える目的から燃焼温度300℃〜500℃の温度範囲で燃焼することが好ましい。過度に温度が低いと、有機物の燃焼が不十分であり、過度に温度が高いと過燃焼が生じ、炭酸カルシウムの分解による酸化カルシウムが生成し易くなる。さらに、熱風の温度が500℃以上の場合は、硬い・柔らかい等さまざまな性質を有する燃焼物の粒揃えが進行するよりも早く乾燥・燃焼が局部的に進むため、粒子表面と内部の未燃率の差を少なく均一にすることが困難になる。
熱風は、バーナー20Aを備える熱風発生炉20から吹き込まれる。排ガスチャンバー18からは、乾燥・燃焼に供した排ガスが再燃焼室22に送り込まれる。微粉末は、排ガスチャンバー18の下部から排出され、再び原料に配合され再利用される。
排ガスは、再燃焼室22でバーナーにより再燃焼が行われ、予冷器24により予冷された後、熱交換器26を通し、誘引ファン28により煙突30から排出される。ここで、熱交換器26は外気を昇温した後に熱風発生炉20に送り、第1燃焼炉16から吹き込まれる熱風の用に供せられて排ガスチャンバー18からの排ガスの熱を回収するようになっている。
第1燃焼炉16は、脱墨フロス中に含有される燃焼容易な有機物を緩慢に燃焼させ、残カーボンの生成を抑制するため、好適には上記条件で30分〜90分の滞留時間で燃焼させることが好ましい。また、有機物の燃焼と生産効率の面で40分〜80分がより好ましく、さらに恒常的な品質を確保する面から50分〜70分が最も好ましい。燃焼時間が30分未満では、十分な燃焼が行われず残カーボンの割合が多くなる。燃焼時間が90分を超えると、原料Y2の過燃焼による炭酸カルシウムの熱分解が生じ、得られる再生粒子が極めて硬くなる。
特に、次工程の第2燃焼工程内に供給する燃焼物の未燃率を、2質量%〜20質量%に乾燥・燃焼することが好ましく、より好ましくは5〜17質量%、最も好ましくは7質量%〜12質量%である。
未燃率を、2質量%〜20質量%にすることで、第2燃焼工程での燃焼を短時間に効率よく行うことができるとともに、外熱炉における安定した加熱により、硬度が低く白色度が80%以上、少なくとも70%以上の高白色度の燃焼物を得ることができる。未燃物が2質量%未満では、先の第1燃焼炉16におけるエネルギーコストが高いものとなるとともに、燃焼物の硬度が比較的高くなっている場合があり、第2燃焼炉32出口における白色度の低下等の品質低下をきたす場合がある。
〔第2燃焼工程〕
第1燃焼炉16において乾燥及び燃焼処理を経た燃焼物は、移送流路を通して、本体が横置きで中心軸周りに回転する外熱ジャケット31を有する、外熱キルン炉である第2燃焼炉32に装入される。
この第2燃焼炉32では、燃焼物を、外熱で加温しながらキルン炉内壁に設けたリフターにより、原料Y2の炉内での搬送を制御し、緩慢に燃焼させることで、さらに均一に未燃分を燃焼する。
第2燃焼炉32における燃焼においては、第1燃焼炉16で燃焼しきれなかった残留有機物、例えば残カーボンを燃焼させるため、第1燃焼炉16において供給される原料Y2の粒子径よりも小さい粒子径に調整された燃焼物を用いることが好ましい。乾燥・燃焼工程後の燃焼物の粒揃えは、平均粒子径が好ましくは10mm以下、さらに好ましくは1mm〜8mm、最も好ましくは1mm〜5mmとなるように調整される。
第2燃焼炉32入り口での平均粒子径が1mm未満では、過燃焼の危惧があり、平均粒子径が10mmを超える粒子径では、残カーボンの燃焼が困難であり、芯部まで燃焼が進まず得られる再生粒子の白色度が低下する問題を惹き起こす。第2燃焼炉32での安定生産を確保するためには、平均粒子径が1mm〜8mmの燃焼物が70%以上になるように粒子径を調整することが好ましい。従って、得られる再生粒子の品質を均一にするという観点における実用化の可能性の面で有益である。さらに、本実施形態のように、分級を乾燥後とすると、小径な粒子の燃焼物を確実に除去することができ、また、処理効率も向上する。
第2燃焼炉32での外熱源としては、第2燃焼炉32内の温度コントロールが容易で長手方向の温度制御が容易な電気加熱方式の電気炉が好適であり、したがって、電気ヒーターによる第2燃焼炉32であることが望ましい。
外熱に電気を使用することにより、温度の調整を細かくかつ内部の温度を均一にコントロール可能になり、凝集体の形成、硬い・柔らかい等さまざまな性質を有する脱水物の燃焼度合いの制御と粒揃えを安定的に行うことができる。
さらに電気炉は、電気ヒーターを炉の流れ方向に複数設けることで、任意に温度勾配を設けることが可能であると共に、燃焼物の温度を一定時間、一定温度保持することが可能であり、第1燃焼炉16を経た燃焼物中の残留有機分、特に残カーボンを第2燃焼炉32で炭酸カルシウムの分解をきたすことなく未燃分を限りなくゼロに近づけることができ、低いワイヤー摩耗度で、高白色度の再生粒子を得ることができる。
第2燃焼炉32においては、酸素濃度が好ましくは5%〜20%、より好ましくは10%〜20%、最も好ましくは、10%〜15%となるように設定される。酸素濃度は、第2焼成炉(外熱キルン炉)32に適宜の手段により酸素または空気投入量のコントロールによって行うことができる(具体的な実施形態の図示は省略してある)。第2燃焼炉32内の酸素濃度が、5%未満では、燃焼困難な残カーボンの燃焼が進まない問題を生じる。温度としては、好ましくは550℃〜780℃、より好ましくは600℃〜750℃である。
第2燃焼炉32は、先に述べたように、第1燃焼炉16で燃焼しきれなかった残留有機物、特に残カーボンを燃焼させる必要があるため、第1燃焼炉16よりも高温で燃焼させることが好ましく、燃焼温度が550℃未満では、十分に残留有機物の燃焼を図ることが困難であり、燃焼温度が780℃を超える場合は、燃焼物中の炭酸カルシウムの酸化が進行し、粒子が硬くなる問題が生じる。
また、滞留時間は好ましくは60分〜240分、より好ましくは90分〜150分、最も好ましくは120分〜150分である。特に残カーボンの燃焼は炭酸カルシウムの分解をできる限り生じさせない高温で、緩慢に燃焼させる必要があり、滞留時間が60分未満では、残カーボンの燃焼には短時間で不十分であり、240分を超えると、炭酸カルシウムが分解する問題が生じる。
さらに、燃焼物の安定生産を行うにおいて滞留時間を60分以上、過燃焼の防止、生産の確保のため240分以下で燃焼させることが好適である。
この第2燃焼炉32から排出される燃焼物の平均粒子径としては、好ましくは10mm以下、より好ましくは1mm〜8mm以下、最も好ましくは1mm〜4mmに調整されるとよい。
燃焼が終了した再生粒子は好適には凝集体(再生粒子凝集体)であり、冷却機34により冷却された後、振動篩機などの粒径選別機36により目的の粒子径のものが燃焼品サイロ38に一時貯留され、顔料や填料の用途先に仕向けられる。
なお、脱墨フロスを原料Y2として用いた場合を例示したが、脱墨フロスを主原料に、抄紙工程における製紙スラッジ等の他製紙スラッジを適宜混入させたものの燃焼品であってもよい。
〔粉砕工程〕
本実施形態に基づく再生粒子の製造方法においては、必要に応じ、さらに公知の分散・粉砕工程を設け、適宜必要な粒子径に微細粒化することで塗工用の顔料、内添用の填料として使用できる。
一例では、燃焼後に得られた粒子は、ジェットミルや高速回転式ミル等の乾式粉砕機、あるいは、アトライター、サンドグラインダー、ボールミル等の湿式粉砕機を用いて粉砕する。填料、顔料用途等への最適な粒子径については、本実施形態の再生粒子は、平均粒子径2〜5μmであるのが好ましい。
これは、従来の炭酸カルシウムよりも平均粒子径が大きいため、嵩高効果が向上するためと考えられる。タルクやクレーは再生填料より平均粒子径が大きく、嵩高効果が期待できるが、酸性抄紙となるために黄変化しやすくなり、実用的ではない。
粉砕工程後における再生粒子の粒子径は、粒径分布測定装置(レーザー方式のマイクロトラック粒径分析計:日機装株式会社製)により体積平均粒子径を測定した。
〔付帯工程〕
本製造設備において、より品質の安定化を求めるためには、再生粒子の粒子径を、各工程で均一に揃えるための分級を行うことが好ましく、粗大や微小粒子を前工程にフィードバックすることでより品質の安定化を図ることができる。
また、乾燥工程の前段階において、脱水処理を行った脱墨フロスを造粒することが好ましく、さらには、造粒物の粒子径を均一に揃えるための分級を行うことがより好ましく、粗大や微小の造粒粒子を前工程にフィードバックすることでより品質の安定化を図ることができる。造粒においては、公知の造粒設備を使用でき、回転式、攪拌式、押し出し式等の設備が好適である。
本製造方法の原料Y2としては、再生粒子の原料となり得るもの以外は予め除去しておくことが好ましく、例えば古紙パルプ製造工程の脱墨工程に至る前段階のパルパーやスクリーン、クリーナー等で砂、プラスチック異物、金属等を除去することが、除去効率の面で好ましい。特に鉄分の混入は、鉄分が酸化により微粒子の白色度低下の起因物質になるため、鉄分の混入を避け、選択的に取り除くことが推奨され、各工程を鉄以外の素材で設計またはライニングし、摩滅等により鉄分が系内に混入することを防止するとともに、さらに、乾燥・分級設備内等に磁石等の高磁性体を設置し選択的に鉄分を除去することが好ましい。
さらに、本実施形態に基づく再生粒子の製造方法による再生粒子は、X線マイクロアナライザーによる微細粒子の元素分析において、カルシウム、シリカ及びアルミニウムの比率が酸化物換算で好ましくは30〜82:9〜35:9〜35、より好ましくは、40〜82:9〜30:9〜30の質量割合、最も好ましくは、60〜82:9〜20:9〜20である。
カルシウム、シリカ及びアルミニウムを酸化物換算で30〜82:9〜35:9〜35の質量割合で含ませることで、比重が軽く、過度の水溶液吸収が抑えられるため、脱水工程のおける脱水性が良好であり、乾燥・燃焼工程における未燃物の割合や、燃焼工程における焼結による過度の硬さを生じる恐れを低減できる。
本実施形態の割合に調整するための方法としては、脱墨フロスにおける原料構成を調整することが本筋ではあるが、乾燥・燃焼工程、燃焼工程において、出所が明確な塗工フロスや調成工程フロスをスプレー等で工程内に含有させる手段や、焼却炉スクラバー石灰を含有させる手段にて調整することも可能である。
例えば、脱墨フロスを主原料に、再生粒子中のカルシウムの調整には、中性抄紙系の排水スラッジや、塗工紙製造工程の排水スラッジを用い、シリカの調整には、不透明度向上剤としてホワイトカーボンが多量添加されている新聞用紙製造系の排水スラッジを、アルミニウムの調整には酸性抄紙系等の硫酸バンドの使用がある抄紙系の排水スラッジや、クレーの使用の多い上質紙抄造工程における排水スラッジを用いることができる。
また、本製造方法で得られる再生粒子は、示差熱熱質量同時測定装置による示差熱分析において、700℃近傍で生じる炭酸カルシウムの分解(酸化カルシウムへの変化)における減量(率)が50%以上となるように、本実施形態に基づいて脱墨フロスを燃焼制御することで、より正確にカルシウム成分の酸化の進行を抑制し、粒子が硬くなることを防止することができるので好ましい。
〔第2燃焼炉(外熱キルン炉)のリフターについて〕
先に採用理由と共に述べたように、第2次燃焼炉(外熱キルン炉)32内の内壁に、その一端側から他端側に向けて、螺旋状リフター及び/又は軸心と平行な平行リフターを配設することで、原料Y2の均一な燃焼と、品質の均一化を図ることができる。
この第2次燃焼炉(外熱キルン炉)32には、図2(a)にその内部構造を、図2(b)にその内面の展開図で示すような公知の回転式燃焼装置が好適に用いられる。
すなわち、この第2次燃焼炉(外熱キルン炉)32は、回転駆動手段(図示せず)にて回転駆動可能に構成されるとともに、一端部に投入部32aが、他端部に排出部(図示せず)が設けられ、他端には筒状本体32b内に燃焼ガスを導入する燃焼バーナー(図示せず)が配設されている。筒状本体32bの投入部32a側における耐火壁32cの内面には、筒状本体32bの軸心に対して45°〜70°の傾斜角で傾斜した複数条の螺旋状リフター32dがブラケット32eを介して等間隔に突設されており、この他端側には、筒状本体32bの軸心に対して平行な適当な長さの平行リフター32fが周方向に等間隔置きに複数、軸心方向に複数列ブラケット32gを介して突設されている。
なお、耐火壁32cは、耐火キャスタブルあるいは耐火レンガで構成することが好ましく、また、螺旋状リフター32dと平行リフター32fを、例えば耐熱性を有するステンレス鋼板などの金属製とすることにより、比較的温度が低いので高価な耐熱材料を用いなくても十分に耐久性と強度を確保できるとともに、耐火物製のリフターなどに比して伝熱効率が高いので、一層熱効率を向上することができる。特に、螺旋状リフター32dと平行リフター32fとは、上記のとおり、被燃焼物の投入部32a側から排出側に向けてこの順で配設するのが望ましい。
上記のとおり構成されたこの第2次燃焼炉(外熱キルン炉)32によれば、投入部32a側から投入された内容物が、まず螺旋状リフター32dにて他端側に向けて適正量ずつ送り込まれながら持ち上げられて落下する間に、原料Y2に起因する有機成分がガス化し発生する燃焼ガス(可燃焼ガス)と効率的に接触し、さらに引き続いて平行リフター32fにて持ち上げられて落下する動作を繰り返すことで燃焼ガス(可燃焼ガス)と効率的に接触するため、熱交換効率よく内容物を燃焼させることができる。特に、螺旋状リフター32dにて平行リフター32fに送り込まれる内容物の量がコントロールされることで、平行リフター32f部分における内容物の持ち上げ・落下が適正に行われ、内容物の燃焼を均一かつ効率的に行うことができる。また、耐火物の損傷の恐れがないことから、焼成物の純度の低下がなく、その生産能力も向上できる。
なお、上記の実施形態では、螺旋状リフター32dと平行リフター32fとを並設したが、必要に応じ、いずれか一方のみを設けることでもよい。
以上のようにして得られた再生粒子は白色度が好ましくは75〜85%、さらに好ましくは80〜85%と高く、白色度の変動が少ない。また、以上に記載の製造方法によって得られた再生粒子を本件製袋用包装用紙に用いると、従来公知の再生粒子および市販填料である炭酸カルシウムを用いた場合と比較して、紙力低下が少なく、嵩高であり、本発明の課題を解決できる新聞用紙を得ることができる。
なお、本発明に係る製造方法によって得られた再生粒子は、平均粒子径が従来既知の炭酸カルシウムの平均粒子径(0.3〜2.0μm)より大きく、再生粒子が繊維間に定着することで嵩高効果が向上し、また、再生粒子中のアルミニウムがカチオン性であるために繊維への定着性が強く、嵩高効果及び表面強度が向上し、その結果、紙力低下の少ない新聞用紙を提供することができる。
再生粒子から持ち込まれる無機物を合わせた全無機物の内、酸化アルミニウムの含有率は、好ましくは10〜35質量%、より好ましくは15〜25質量%とすることが、本発明のクラフト紙において望ましい。アルミニウムの含有量が10%未満の場合、定着性の向上が少なくなる。一方でアルミニウムの含有率が35%を超えると、カチオン性が強くなりすぎて抄紙薬品と反応し、凝集物が発生したり、ピッチなどの黒色異物が発生したりすることがあるため、望ましくない。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定
的に解釈されるものではない。ただし、実施例1、実施例6及び実施例7は、あくまでも本願発明の参考程度のものであることから、以下、実施例1、実施例6及び実施例7は、参考例1、参考例6及び参考例7とそれぞれ読み代えるものとする。
[実施例1〜22及び比較例1〜6]
新聞古紙と雑誌古紙を表1に示す条件で、パルパーで離解し、ニーダーで混練した後、コニカル型ディスクリファイナーで粘状叩解して、新聞古紙パルプ又は新聞古紙パルプと雑誌古紙パルプの混合物を製造し、濃度1%パルプスラリーとした。得られた古紙パルプとサーモメカニカルパルプ(TMP)とを表1に示す割合で配合した。また、表1に示す古紙パルプコロイダルピッチ濃度はパルプスラリー中の濾液をヘマストメーターに採り、800倍の顕微鏡で測定した。
このパルプに、パルプ固形分1tに対してアルキルケテンダイマーサイズ剤(品名:AD−1624、日本PMC(株)製)0.4kg(固形分)と、パルプ固形分100質量部に対して表1に示す品種A及び品種Bからなる填料を表1に示す割合で添加してパルプスラリーを得た。
表1に示す填料の割合(品種A:品種B(質量比))は、JIS−P8251に準拠して得られた灰分を試料として、電子線ブローブマイクロアナリシス法により、500倍画像で無作為に選択した10箇所について、酸化物換算におけるタルクとホワイトカーボンとの割合を測定し、これら10箇所の測定結果を平均して求めた。測定は、X線マイクロアナライザー(型番:E−MAX、(株)日立製作所製)及び電子顕微鏡((株)島津製作所製)を用い、加速電圧15kVの条件にて行った。
なお、実施例22には、更に以下の工程で製造した再生粒子を5kg/トン添加した。この再生粒子は、原料として脱墨フロス(古紙パルプを製造する古紙処理工程より得られた脱墨フロス)を用い、脱水工程(脱墨フロス水分50%)、第1燃焼工程(乾燥・燃焼工程)(燃焼温度400℃、酸素濃度12%、滞留時間30分)、及び第2燃焼工程(燃焼形式:外熱キルン、燃焼温度730℃、酸素濃度15%、滞留時間120分)を経て、湿式粉砕処理を施すことで製造した。
次いで、得られたパルプスラリーに表2に示す凝結剤及び凝集剤を添加し、長網型抄紙機で抄紙して基紙を製造した。なお、表2に示す凝結剤及び凝集剤は、以下のとおりである。
PAm:ポリアミン
PEI:ポリエチレンイミン
PAM:ポリアクリルアミド
PVAm:ポリビニルアミン
PDADMAC:ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド
前記のようにして得られた基紙の表裏面に、表3に示す表面サイズ剤(澱粉及びそれ以外のサイズ剤)と水とを撹拌混合し、固形分濃度を約3〜6%に調整した塗工液を、表3に示す塗工方式及び塗工量で含有されるように塗工し、新聞用紙を得た。
なお、表3に示す表面サイズ剤は、以下のとおりである。
エステル化澱粉:1−オクテニルコハク酸エステル化澱粉
カチオン澱粉:カチオン化タピオカ澱粉
PVA:ポリビニルアルコール
ASA:アルケニル無水コハク酸
得られた新聞用紙について、以下の方法にて各物性を測定した。これらの結果を表4に示す。
(a)PPS
ISO 8791−4に記載の「紙及び板紙−粗さ平滑度試験方法(空気漏洩法)−第4部:プリントサーフ法」に準拠し、PPS TESUTER(SE−115型、ローレンツェンアンドベットレー社製)にて、ソフトラバー製パッキングディスクを用い、クランプ圧力1MPaの条件で用紙表面のPPSを測定した。
(b)正反射型平滑度
正反射型平滑度計(マイクロトポグラフ、(株)東洋精機製作所製)を用い、20kg/cm2加圧下、光の波長0.5μm、測定時間100MSの条件で同一試料について10回測定し、大きい方から3番目までのデータを除いた残り7つのデータの平均値を算出して用紙表面の正反射型平滑度とした。
(c)坪量
JIS−P8124に記載の「坪量測定方法」に準拠して測定した。
(d)灰分
JIS−P8251に記載の「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準拠して測定した。
(e)紙面pH
紙面用pH測定キット(共立理化学研究所製)にて、試薬(MPC−BCP、pH4.8〜6.8)を使用し、変色標準計で目視にて測定した。
(f)A/C層ピッチ
新聞紙を表層A、中層B及び表層Cをその質量比が実質的に1:2:1となるよう3分割し、JIS−P8010(1976)に準じたアルコール・ベンゼン可溶分試験方法により、ぞれぞれ分割した表層A、中間層B、表層Cのアルコール・ベンゼン可溶分をピッチ量として測定し、総計ピッチ質量に対する表層A及びC中のピッチ質量比(%)を計算した。
(g)B層ピッチ
新聞紙を表層A、中層B及び表層Cをその質量比が実質的に1:2:1となるよう3分割し、JIS−P8010(1976)に準じたアルコール・ベンゼン可溶分試験方法により、ぞれぞれ分割した表層A、中間層B、表層Cのアルコール・ベンゼン可溶分をピッチ量として測定し、総計ピッチ質量に対する中層B中のピッチ質量比(%)を計算した。
(h)白色度
JIS−P8212に記載の「パルプ−拡散青色光反射率(ISO白色度)の測定方法」に準拠して測定した。
(i)白紙不透明度
JIS−P8149に記載の「紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)」に準拠して測定した。
(j)印刷不透明度
オフセット輪転印刷機(型番:RI−2型、石川島産業機械(株)製)で、オフセット輪転印刷用インキ(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)のインキ量を変えて印刷し、印刷面反射率が9%のときの、印刷前の裏面反射率に対する印刷後の裏面反射率の比率:
(印刷後の裏面反射率/印刷前の裏面反射率)×100(%)
を求めた。なお、これら反射率の測定には、分光白色度測色機(スガ試験機(株)製)を用いた。
(k)不透明度差
白紙不透明度と印刷不透明度との差(絶対値)を求めた。
(l)インキ濃度
RI印刷適性試験機(型番:RI−2型、石川島産業機械(株)製)を使用し、金属ロールとゴムロールとの間隙に、オフセット印刷インキ(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製、インキ使用量:0.85ml)を塗布した後、30rpmの速度で印刷し(試験片:CD方向50mm、MD方向100mm)、恒室状態(JIS−P8111に記載の「紙、板紙及びパルプ−調湿及び試験のための標準状態」に準拠)で24時間乾燥した。この印刷サンプルについて、無作為に選択した印刷部位25箇所のインキ濃度をマクベス濃度計にて測定し、これらの平均値を求めた。なお、このインキ濃度が0.8未満では、例えば新聞社におけるオフセット輪転印刷において、所望のインキ濃度が出ない問題が生じる可能性があり、逆に1.2を越えると、インキ濃度は充分なものの、印刷不透明度の低下と、裏移りの問題が生じる可能性がある。
(m)ピッチ粒子の平均面積
得られた試験紙の1000倍顕微鏡画像を取得し、画像処理ソフトを用い、この顕微鏡画像上でピッチ粒子の色成分を選択することによってピッチ粒子を選択し、粒子径が2μm以下のものを除いて算定した。
(n)面積割合
得られた新聞用紙の印刷表面について、一定面積の領域を、走査型電子顕微鏡付属のX線マイクロアナライザー(型番:E−MAX、(株)堀場製作所製)を用い、12000倍で試料の異なる個所を25箇所、前記X線マイクロアナライザーによるカルシウム、マグネシウム、ケイ素及びアルミニウムの酸化物換算の元素分析によるマッピング写真像を撮影し、画像解析装置(型番:ルーゼックス、(株)ニレコ製)にて、カルシウム、ケイ素及びアルミニウムが重なって検出される面積を再生粒子の存在する領域の面積(C)、ケイ素単独の領域をホワイトカーボンの存在する領域の面積(A)、マグネシウム及びケイ素が重なって検出される領域をタルクの存在する領域の面積(B)として測定し、それぞれの面積割合を算出し、(A)、(B)及び(C)合算の領域面積の全測定領域面積における存在割合を、面積割合とした。
(o)繊維配向角
超音波伝導式配向角計「SST−3000」(野村商事製)で測定した。
[特性の評価]
次に、実施例1〜18及び比較例1〜6の新聞用紙を用い以下の特性を調べた。その結果を表4に示す。
(1)インキセット性
RI印刷適性試験機(型番:RI−2型、石川島産業機械(株)製)を使用し、新聞用インキ(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)にてベタ印刷した後、コート紙を印刷面に重ねて一定圧力で圧着した。コート紙へのインキの転移状況を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:コート紙表面全体に全く汚れが生じていない。
○:コート紙表面の一部に僅かに汚れが生じているが、実用上問題がない。
△:コート紙表面全体に汚れが認められる。
×:コート紙表面全体の汚れが著しい。
なお、前記評価基準のうち、◎及び○の場合を実使用可能と判断する。
(2)インキ着肉性
オフセット印刷機(型番:小森SYSTEMC−20、(株)小森コーポレーション製)を使用し、新聞インキ(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)にて連続10000部の印刷を行った。得られた印刷物について、画像の鮮明さ及び濃淡ムラを目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:画像が鮮明で濃淡ムラが全くなく、インキ着肉性に優れる。
○:画像が鮮明で濃淡ムラが殆どなく、インキ着肉性が良好である。
△:一部に、画像が不鮮明な箇所及び濃淡ムラがあり、インキ着肉性が良好でない。
×:全体的に、画像が不鮮明で濃淡ムラが著しく、インキ着肉性に劣る。
なお、前記評価基準のうち、◎及び○の場合を実使用可能と判断する。
(3)表面強度
JIS−K5701−1に記載の「平版インキ−第1部:試験方法」に準拠し、転色試験機(型番:RI−1型、石川島産業機械(株)製)を使用し、インキタック18の1回刷りの条件で印刷した。新聞用紙表面の取られを目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:新聞用紙表面全体に全く取られがない。
○:新聞用紙表面の一部に僅かに取られが生じているが、実用上問題がない。
△:新聞用紙表面全体に取られが認められる。
×:新聞用紙表面全体に取られが著しい。
なお、前記評価基準のうち、◎及び○の場合を実使用可能と判断する。
(4)インキ吸収ムラ
オフセット印刷機(型番:小森SYSTEMC−20、(株)小森コーポレーション製)を使用し、新聞インキ(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)にて印刷を行った。得られた印刷物について、インキ濃度ムラを目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:インキ濃度ムラが全くなく、均一で鮮明な画像である。
○:インキ濃度ムラが殆どなく、均一な画像である。
△:一部に、インキ濃度ムラが認められ、画像が不鮮明な箇所がある。
×:全体的に、インキ濃度ムラが著しく、不鮮明な画像である。
なお、前記評価基準のうち、◎及び○の場合を実使用可能と判断する。
(5)印刷操業性
(5−1)剣先詰まり
オフセット輪転印刷機(型番:LITHOPIA BTO−N4、三菱重工業(株)製)を使用し、50連巻きの新聞用紙にて印刷を行った。剣先詰まり発生の有無を調べ、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:剣先詰まりが全く発生しなかった。
○:巻き取り1本で剣先詰まりが1回しか発生しなかった。
△:巻き取り1本で剣先詰まりが2〜3回発生した。
×:巻き取り1本で剣先詰まりが4回以上発生した。
なお、前記評価基準のうち、◎及び○の場合を実使用可能と判断する。
(5−2)ブランケット紙粉パイリング
オフセット印刷機(型番:小森SYSTEMC−20、(株)小森コーポレーション製)を使用し、連続5000部のカラー4色印刷を行った。ブランケット非画像部における紙粉発生・堆積の有無を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:紙粉の発生が全く認められない。
○:紙粉の発生が僅かに認められるが、ブランケット上での堆積は全く認められない。
△:紙粉の発生が認められ、ブランケット上に堆積している。
×:ブランケット上での紙粉の堆積が著しい。
なお、前記評価基準のうち、◎及び○の場合を実使用可能と判断する。
(5−3)ネッパリ性(ブランケット粘着性)
新聞用紙を幅約4cm×長さ約6cmの大きさに切断したサンプル2枚を用意し、水に10秒間浸漬した後、これらサンプル2枚を素早く密着させた。これをカレンダーに線圧100kg/cmで通紙し、24時間室温乾燥した後、手作業にてサンプル2枚の剥離(Tピール剥離試験模倣官能試験)を行い、剥離の度合いを以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:剥離するまでもなく、全く接着していなかった。
○:一部僅かに接着していたが、容易に剥離することができた。
△:接着しており、剥離し難い箇所があった。
×:全体的に接着しており、剥離時に接着面からの繊維の毛羽立ちが認められた。
なお、前記評価基準のうち、◎及び○の場合を実使用可能と判断する。
実施例1〜22の新聞用紙はいずれも、基紙を構成するパルプとして古紙パルプが含まれ、填料として、平均粒子径が2μm以上12μm以下のタルク及びホワイトカーボンを50:50〜95:5の配合割合で含有され、灰分率が5質量%以上15質量%以下であるものである。したがって、実施例1〜22の新聞用紙はいずれも、表4に示されるように、PPSが1.8μm以下で、正反射型平滑度が9〜16%となっており、平滑性が高いことが分かる。更には、実施例1〜22の新聞用紙は、紙面におけるピッチ粒子の平均面積が2000μm2以下で、A層及びC層のピッチ質量が50%以下であり、ピッチの凝集が進んでおらず、ピッチを表面よりも新聞紙中層(B層)に多く含有させている。従って、実施例1〜22の新聞用紙は、オフセット印刷の際に断紙等のピッチトラブルの発生が低減され、印刷操業性が高く、更にはその他の特性にも優れていることが分かる。
これに対して比較例1〜6の新聞用紙は、タルク及びホワイトカーボンの平均粒子径が2μm未満か又は12μmを超えていたり(比較例1、2)、ホワイトカーボンとタルクの配合割合が50:50〜95:5の範囲外であったり(比較例3、4)、灰分率が5質量%未満又は15質量%を超えていたり(比較例5、6)するため、PPSが2μmを超え、正反射型平滑度9%以下となっており、平滑性が高くないことが分かる。また、比較例1〜5の新聞紙はピッチ粒子の平均面積が2000μm2を超え、A層及びC層のピッチ質量が50%を超えているので、ピッチの凝集化が進み、表面にピッチが堆積されていることがわかる。このような比較例1〜6の新聞紙は、断紙等のピッチトラブルが生じやすく印刷操業性が低く、更にはインキセット性等その他の新聞用紙としての性能も低いことが分かる。