JPWO2005020306A1 - 不純物導入層の形成方法及び被処理物の洗浄方法並びに不純物導入装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents

不純物導入層の形成方法及び被処理物の洗浄方法並びに不純物導入装置及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

シリコン基板などの固体基体の一主面上にレジストパターンを形成する工程(S27)と、固体基体にイオンモードのプラズマドーピングで不純物を導入する工程(S23)と、レジストを除去する工程(S28)と、固体基体表面の金属コンタミネーション、パーティクルを洗浄する工程(S25a)と、熱処理する工程(S26)を少なくとも有し、レジストを除去する工程は(S28)レジストに酸素プラズマ照射(S28a)を行うか、レジストに硫酸と過酸化水素水の混合溶液、又はNH4OHとH2O2とH2Oの混合溶液を接触させる。洗浄する工程(S25a)は固体基体の一主面に硫酸と過酸化水素水の混合溶液、又はNH4OHとH2O2とH2Oの混合溶液を接触させる、また、レジストを除去する工程(S28)と洗浄する工程(S25a)はレジストと固体基体の一主面に硫酸と過酸化水素水の混合溶液、又はNH4OHとH2O2とH2Oの混合溶液を接触させることで同時に行う。

Description

本発明は、特に半導体,液晶などの製造工程においてプラズマドーピングやイオン注入,デポジションなどにより粒子をシリコン基板などの被処理物に導入して不純物導入層を形成する方法及びシリコン基板などの被処理物の洗浄方法並びにそれらの方法を提供するための不純物導入装置に関し、さらには、トランジスタ,ダイオード,抵抗,コンデンサなどのデバイスの製造方法にも関する
半導体のシリコン基板などを洗浄する方法としては、従来、フッ酸,硫酸と過酸化水素水の混合溶液,塩酸過酸化水素水混合溶液,アンモニア水過酸化水素水混合溶液などの溶剤槽の中にシリコン基板を入れる方法が用いられている。例えば、ボロンをイオン注入した後、拡散させるためにシリコン基板に熱処理を施すが、その熱処理を施す前のシリコン基板の洗浄は、所定の濃度に薄められたフッ酸,硫酸と過酸化水素水の混合溶液,塩酸過酸化水素水混合溶液,アンモニア水過酸化水素水混合溶液などの槽と超純水の槽を並べておき、用途に応じて溶剤の種類を組み合わせたり洗浄時間を調整したりするなどしてシリコン基板を洗浄している。
また、半導体のシリコン基板への粒子の導入方法としては、イオン注入が用いられている。また、次世代の方法としては極低エネルギーで効率よく粒子を導入できる方法としてプラズマドーピングが期待されている。ここで、粒子を導入した後のシリコン基板の金属汚染は、特にプラズマドーピングを用いたときの水準に懸念があった。これは、イオン注入では分析電磁石を用いて所望以外の粒子は排除されるのに対して、プラズマドーピングでは分析電磁石を用いず、プラズマに直接シリコン基板を曝すことに因る。すなわち、チャンバー内壁はプラズマに曝されており、そのプラズマにシリコン基板を曝しているので、イオン注入に比べてチャンバー起因の金属汚染が発生し易いとされていた。こうした取り組みはたとえば、
「Proc.of the 1997 IEEE International Symposium on Semiconductor Manufacturing Conference,San Francisco,California,October 6−8,1997,p.B−9.」及び「Proc.of the 2000 International Conference on Ion Implantation Technology,Alpbach,Austria,17−22 September 2000,p.500−503.」で報告されている。
これらの報告によると、研究開発段階での金属汚染の課題は解決の目処が立っている。しかし、依然としてイオン注入と同じ汚染水準には達していないのが現状である。
また、プラズマドーピングだけでなく、イオン注入の方法であっても、粒子を導入した後の被処理物であるたとえばシリコン基板は導入前と比較して不純物導入装置に由来した金属汚染などの水準が低下していることが一般的である。金属汚染は半導体デバイスの歩留まり低下の要因となる。ここで、フッ酸は硫酸と過酸化水素水の混合溶液と比べて金属汚染の洗浄能力が高い。したがって、粒子を導入した後のシリコン基板の洗浄にはフッ酸を含む溶剤が用いられることが多いのが現状である。
粒子をシリコン基板に導入した後、熱処理を施す前において、粒子の原子濃度が1E18toms/cmとなる深さが15nm以下、特に10nm以下になるような低エネルギーでの粒子の導入をした場合に、粒子を導入した後で熱処理前のシリコン基板の洗浄は従来では現れなかった問題点が発生する。つまり、このような浅い部分に粒子を導入した場合に従来の方法でシリコン基板を洗浄すると、ドーパントとなるべく導入した粒子が洗浄する工程で洗い流されてしまうという不具合が生じる。このため、その後の熱処理で電気的に活性化する粒子が少なくなってしまい所望の特性が出ないという問題点が残る。
こうした問題点を克服し、解決するための課題は、特にプラズマドーピングでは重要となる。プラズマドーピングは荷電粒子を加速してのドーピングだけでなく、同時に、ラジカルとガスによるシリコン基板などの被処理物の一主面への吸着,浸透によりドーパントの粒子がシリコン基板に導入される。ラジカルとガスによる粒子の導入は、非常に低エネルギーでの導入であり、荷電粒子の振る舞いとは異なり加速電圧に因らずシリコン基板表面の浅い部分に導入される。これにより、バイアスの電位などを制御して、ある程度の、例えば数百Vの加速電圧をプラズマに与えたとしても、必ずラジカルやガスに起因した低エネルギーの導入が起こる。ドーパント全体の中で、このように低エネルギーで導入された粒子は、洗浄によって洗い流されるので、上記と同様に所望のシート抵抗の特性が出ないという問題点が起こる。
ところで、シリコン基板などの半導体基板の洗浄は半導体デバイスの歩留まり維持には必須である。特にプラズマドーピングでは、製造におけるイオン注入と比較して汚染レベルが同程度の水準に達しているという報告は現状では報告されていないので、ドーピング後の洗浄方法が重要になる。
このような状況から、粒子を半導体基板(固体基体)に導入した後、熱処理前の半導体基板を半導体デバイスの歩留まり維持に必要な水準に洗浄できて、且つ、導入した粒子を洗浄工程で減らすことがない半導体基板の洗浄方法が求められていた。
またレジストをたとえばシリコン基板上にパターン形成し、シリコン基板の一主面が露出している部分に不純物を導入する方法が広く用いられている。レジストは、不純物導入前に所望のパターン形状でシリコン基板上に付けられ、不純物を導入した後、アニール工程前に除去される。レジストの除去は、酸素プラズマをレジストに照射する、いわゆるアッシングと呼ばれる方法で行われることが多い。シリコン基板の一主面の浅い部分に粒子を導入した場合には、アニール(熱処理)前に行われるレジストの除去工程でも、従来の方法でレジストを除去すると、ドーパントとなるべく導入した粒子がレジストと一緒に除去されてしまう。これにより、その後の熱処理で電気的に活性化する粒子が少なくなってしまい所望の特性が出ないという問題点が残る。
このような状況から、粒子を導入した後、熱処理前の基板に付いているレジストを除去できて、且つ、導入した粒子をレジスト除去工程で減らすことがないレジスト除去方法或いは、レジスト除去方法と不純物導入方法の適切な組合せが求められていた。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、粒子をたとえばシリコン基板などの半導体基板(固体基体)に粒子などの不純物を導入した後、熱処理前の固体基体を電子デバイスの歩留まり維持に必要な水準に洗浄できて、且つ、導入した粒子を洗浄工程で減らすことがない固体基体の洗浄方法を提供することを目的とする。
また、粒子を固体基体に導入した後、熱処理前の固体基体に付いているレジストを除去できて、且つ、導入した粒子をレジスト除去工程で減らすことがないレジスト除去方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、プラズマ中から固体基体(たとえば、シリコン基板)に打ち込まれる粒子の状態をイオンが主体である場合とガス・ラジカルが主体である場合で変えたプラズマドーピングと、溶剤と洗浄時間を変えた洗浄の実験結果から、粒子を導入した後、熱処理を施す前に、粒子の原子濃度が1E18atoms/cmとなる深さが15nm以下、特に10nm以下になるような低エネルギーでのドーピングの場合には、ドーパントとなるべく導入した粒子が洗浄することで洗い流されてしまう、という従来では現れなかった問題が顕在化することを知見した。さらに、限定された加速電圧においては、硫酸と過酸化水素水の混合溶液を用いて洗浄することにより、導入した粒子を減らすことなく固体基体を洗浄できることを見出した。本発明はこの点に着目してなされたものである。
なお、プラズマドーピングにおいて、打ち込まれる粒子の状態をイオンが主体である場合とガス・ラジカルが主体である場合に変えることができるという技術も本発明者らが開発したものであり、新しい知見である。従来は、プラズマドーピングはイオン,ガス及びラジカルの状態で不純物がシリコン基板に導入されると説明されてきた。導入されるイオン,ガス,ラジカルの割合を変化させて、洗浄,レジスト除去の実験をはじめて行ったことで新たな知見を得たものである。
さらに、本発明者らは、プラズマ中から固体基体に打ち込まれる粒子の状態をイオンが主体である場合とガス・ラジカルが主体である場合で変えたプラズマドーピングと、酸素プラズマ照射によるレジスト除去の実験結果から、粒子を固体基体に導入した後、熱処理を施す前のレジスト除去工程におけるドーズロスの再現性が、イオン主体の不純物導入方法とガス・ラジカル主体の不純物導入方法で異なることを知見した。さらに、イオン主体のプラズマドーピングを用いることで、酸素プラズマ照射によるレジスト除去工程でのドーズロスを低減できることを見出した。
さらに、本発明者らは、酸素プラズマ照射によるレジスト除去の実験結果と、硫酸と過酸化水素水の混合溶液やフッ酸を用いた洗浄の実験結果から、粒子を固体基体に導入した後、熱処理を施す前に不純物を導入した固体基体の一主面上に酸化膜を形成することで、レジスト除去と洗浄、及びアニール工程でのドーズロスを低減できることを見出した。
本発明では、あるいは、所望の粒子を含む堆積物を形成した後の固体基体において、熱処理前に硫酸と過酸化水素水の混合溶液に接触させて洗浄する。
又は、低エネルギーイオン注入で粒子を導入後、熱処理を施す前の、粒子の原子濃度が1E18atoms/cmとなる深さが15nm以下、特に10nm以下になるような低エネルギーで導入した後の固体基体において、熱処理前に硫酸と過酸化水素水の混合溶液に接触させて洗浄する。熱処理を施す前の深さが15nm以下、特に10nm以下になるようなエネルギーは、イオン注入の方法によるが、例えばボロンをドリフトモードで注入する場合には、30V以上,500V以下、特に200V以下の加速電圧であることが望ましい。
この理由は、ドリフトモードで加速したボロンの低エネルギーイオン注入では加速電圧が500V以下の場合に、注入後のボロンの原子濃度が1E18atoms/cmとなる深さが15nm以下となり不具合が顕在化しやすいからである。さらに、加速電圧が200V以下の場合には、深さは10nmとなるので、より不具合が起こり易い。加速電圧が30V以下の場合には、将来的にもイオン源からターゲットである固体基体までのビーム輸送が困難を極めるので、現実的でない。そこで、加速電圧は30V以上が望ましい。
ところで、本発明者らは、別途、プラズマドーピング装置の汚染レベルの改善努力から、プロセスチャンバー内壁を石英、シリコン,シリコンナイトライド,所望の不純物及び所望の不純物を含む窒化物又は酸化物で覆ったプラズマドーピング装置を用いることで、粒子を導入した後の基板の汚染レベルを低減させることに成功した。そして、このように元々汚染の少ない状態にする方法と、硫酸と過酸化水素水の混合溶液を用いた洗浄或いは、プラズマドーピング後に汚染の少ない状態にする方法と酸化膜の形成を組み合わせることで上記目的を達成できることを提案する。
そこで、本発明では、プロセスチャンバー内壁を石英,シリコン,シリコンナイトライド,所望の不純物及び所望の不純物を含む窒化物又は酸化物で覆ったプラズマドーピング装置を用いて粒子を導入し、粒子を導入した後の基板の汚染レベルが1E10atoms/cm以下である固体基体において、熱処理前に洗浄溶液に接触させて洗浄する。洗浄溶液は、硫酸と過酸化水素水の混合溶液であるならばシリコン基板などの被処理物である固体基体に導入した粒子を減らすことなく固体基体を洗浄できるので望ましい。それ以外の洗浄溶液でも、酸化膜を形成するものであれば良い。
本発明によれば、粒子を30V以上の加速電圧で導入することで、硫酸と過酸化水素水の混合溶液に洗い流されることなく導入した粒子を固体基体に維持できる。また、プロセスチャンバー内壁を石英,シリコン,シリコンナイトライド,所望の不純物及び所望の不純物を含む窒化物又は酸化物で覆ったプラズマドーピング装置を用いて粒子を導入し、粒子を導入した後の固体基体の汚染レベルが1E10atoms/cm以下とすることで、洗浄工程で固体基体の表面を洗浄するときのドーパントへの影響を低減できる。
つまり、洗浄工程では固体基体表面ではなく、固体基体裏面の洗浄を主な目的とすれば良いので、洗浄時間などを短縮したり、溶剤の濃度を低減したりするなどの工夫により上記目的を達成できる。
また、固体基体を硫酸と過酸化水素水の混合溶液に接触させる時間は10分間以下であることが望ましい。これは、10分間以下ではドーパントの粒子が洗浄によりほとんど低減しないからである。
また、固体基体の洗浄はフッ酸との接触を避けて行うことが望ましい。フッ酸は従来の洗浄方法で使用されることが多いが、フッ酸に接触することでドーパントの粒子が短時間で急速に洗い流されてしまうからである。
さらに上記固体基体の洗浄方法は半導体,液晶及びバイオチップなどの能動素子及び、抵抗,コイル及びコンデンサなどの受動素子などのデバイスの製造方法としても有効である。
FIG.1は本発明の一実施例で用いた不純物導入装置を示す図、FIG.2は、本発明の一実施例を説明するためのプロセスフローを示す図、FIG.3は本発明に係るラジカルモードでプラズマドーピングした場合の二次イオン質量分析計(Secondary Ion Mass Spectrometer:以下、SIMSと呼ぶ)を用いて測定したボロンの深さ方向のSIMSプロファイルを示す図、FIG.4は本発明に係るイオンモードでプラズマドーピングした場合のSIMSプロファイルを示す図、FIG.5は本発明に係るプラズマ照射アモルファス化後ガス・ラジカルモードでプラズマドーピングした直後のSIMSプロファイルを示す図、FIG.6は本発明の一実施の形態に係る不純物の導入とアッシング方法がシート抵抗に与える影響を説明するための図、FIG.7は本発明の一実施の形態に係る洗浄方法がシート抵抗に与える影響を説明するための図、FIG.8は本発明に係る洗浄時間がシート抵抗に与える影響を説明するための図、FIG.9A,FIG.9Bは本発明の実施の形態に係るプラズマドーピング方法と洗浄方法がシート抵抗に与える影響を説明するための図、FIG.10は本発明に係る被処理物の洗浄方法を用いてデバイスを製造するプロセスフローを示す図、FIG.11A−FIG.11CはFIG.10のプロセスフローによって製造されるデバイスの一断面を模式的に示す図、FIG.12は本発明に係るイオンモードでプラズマドーピングする場合のプロセスフローを示す図、FIG.13は本発明に係るガス・ラジカルモードでプラズマドーピングする場合のプロセスフローを示す図、FIG.14は本発明に係るガス・ラジカルモードでプラズマドーピングを行ない、レジスト除去と洗浄液にSPM(HSO:H=4:1)を用いた場合のプロセスフローを示す図、FIG.15A−FIG.15Cは本発明に係るプラズマドーピングにおいてシリコン基板に導入した不純物層(ボロン導入層)が除去されることなく残存するメカニズムを説明するための図、FIG.16は本発明に係るSPMを用いた洗浄液がシート抵抗に与える影響と、比較例に係るフッ酸をSPM洗浄後にシリコン基板表面に接触させた場合の影響を示す図、FIG.17A−FIG.17Bは本発明に係るAPMを用いた洗浄液がシート抵抗に与える影響を説明するための特性図、FIG.18は本発明に係るジボラン(B)のガス濃度とシリコン表面の530nmの波長の光に対する光吸収係数の関係を示す図、FIG.19は本発明に係るジボラン(B)のガス濃度を変化させたときのアモルファス層の厚さを示す図、FIG.20は本発明に係る洗浄工程を行う前に酸化膜形成の工程を用いたプロセスフローを示す図、FIG.21は本発明に係るプラズマアモルファス化工程と酸化膜工程を用いたプロセスフローを示す図、FIG.22A−FIG.22Bは本発明の実施の形態と比較するためにフッ酸(HF)を用いたイオンモードと、ガス・プラズマプモードで処理した場合の洗浄処理時間とシート抵抗の変化をそれぞれに示す図である。
図面の参照符号の一覧表
1 高周波電源
2,11 マッチングボックス
3 コイルおよびアンテナ
4,5 マスフローコントローラ(MFC)
6 ターボ分子ポンプ
7 コンダクタンスバルブ
8 ドライポンプ
9 サークレータ
10 電源
12 高周波電源
13,31 シリコン基板
14 下部電極
15 プロセスチャンバー
16 プラズマ照射アモルファス化用導入管
17 ジボランガス導入管
29 酸化膜
30 レジストパターン
32 開口部
33 不純物導入層
36 ボロン
S31 シリコン基板の用意
S22 プラズマ照射アモルファス化
S23 Bプラズマドーピング(プラズマドーピング)
S23a イオンモード
S23b ガス・ラジカルモード
S24 アッシング
S25 洗浄
S26 熱処理
S27 シート抵抗測定
S28 レジスト除去
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
FIG.1は、本発明の一実施例で用いた装置100を示す。装置100は、高周波電源1,マッチングボックス2,コイル及びアンテナ3,マスフローコントローラ(MFC)4及び5,ターボ分子ポンプ6,コンダクタンスバルブ7,ドライポンプ8,サークレータ9,電源10,マッチングボックス11,高周波電源12及び下部電極14を有する。被処理物としてのシリコン基板13は下部電極14上に置かれる。
電源10は、バイアス電源を印加するものである。周波数が600kHzの交流電源を用いた。本明細書でプラズマドーピングに関して加速電圧を数値で記述したものは、Vdcである。Vdcは、交流で印加されたバイアス電圧の平均の値である。バイアス電圧のピークとピークの差はVdcの2倍程度である。
なお、以降の説明において、被処理物は半導体基板の1つであるシリコン基板を例として説明する。しかし、化合物半導体基板,歪みシリコン基板,SOI基板など他の固体基体も本発明の被処理物に相当することを理解されたい。
FIG.1は、シリコン基板13をプロセスチャンバー15内に搬送した後、下部電極14上に設置した状態を示す。プロセスチャンバー15にはプラズマ照射アモルファス化用ガスの導入管16とジボランガスの導入管17を別々に配設した。なお、プラズマ照射アモルファス化とはプラズマを固体基体であるたとえばシリコン基板の一主面に照射してシリコン基板13の表面をアモルファス化させる工程である。なお、以降の説明又は図面において「プラズマ照射アモルファス化」なる語句を用いるが、アモルファス化を行うにはプラズマ照射に限定されない。たとえば、Ge,Siのイオン化したものをイオン注入してアモルファス化しても良い。
また、プラズマ照射アモルファス化に用いるプラズマは、ヘリウムやネオン、アルゴン,キセノンなどの希ガスプラズマや水素プラズマ、或いはそれらを混合したガスのプラズマを用いる。或いは、ゲルマニウム(Ge),シリコン(Si)を含むプラズマを照射しても良い。ジボランガスは、プラズマ化されてBプラズマドーピングするために用いられたり、ガスのままプロセスチャンバー15に導入されてガスドーピングに用いられたりする。ジボランガスの代わりに、B10,B,B11,B10,B1014などのボロンを含む水素化合物のガスを用いても良い。ボロンを含む水素化合物のガスは、プラズマ照射中に削るSiのエッチングレートが小さいので、シリコン基板をほとんど削らずにプロセスができるのでより望ましい。或いは、BF,Bなどのボロンを含むフッ化物のガスを用いても良い。BCl,BClなどのボロンを含む塩化物のガスを用いても良い。また、固体をプラズマ化して用いる場合には、BI,BBr,B,B,BNを用いても良い。
プロセスチャンバー15に導入するガス流量はマスフローコントローラ4,5で別々に制御できる構成としている。さらに、FIG.1には図示しないが、ジボランガスの希釈割合を変化させるために、希釈用ガスの導入管とマスフローコントローラもプロセスチャンバー15の周囲に設置されている。なお希釈ガスとしては、ヘリウムガスを用いた。
FIG.2は、本発明の一実施の形態を説明するためのプロセスフローの概要図である。シリコン基板13を下部電極14上に設置した後、ジボランガスプラズマによるBプラズマドーピングS23を行う。ジボラン(B)ガスはヘリウム(He)ガスで希釈したものを用いた。なお、以降の説明において記述を簡易にするために「BプラズマドーピングS23」は単に「プラズマドーピングS23」と記す。
さて、プラズマドーピング23は、イオンモードS23aとガス・ラジカルモードS23bの2種類のモードで行った。イオンモードS23aによるプラズマドーピングS23とは、主にプラズマ中のイオンがシリコン基板13に打ち込まれる不純物の導入方法である。
一方、ガス・ラジカルモードS23bによるプラズマドーピングS23は、主にプラズマ中のガスとラジカルをイオンと共にシリコン基板13に導入し、或いはシリコン基板13の一主面に付着,堆積させる不純物の導入方法である。プラズマドーピングS23の条件は、ジボランをヘリウムで希釈する割合(B/Heガス濃度)を0.025%/99.975%から5%/95%の範囲で、高周波電源1のソースパワーを1000Wから1500Wの範囲で、圧力を0.9Paから2.5Paの範囲で変化させた。この中で、典型的なイオンモードS23aは、B/Heガス濃度を0.025%/99.975%とし、ソースパワーを1500W、圧力を0.9Paとした場合である。典型的なガス・ラジカルモード23bは、B/Heガス濃度を5%/95%とし、ソースパワーを1000W、圧力を2.5Paとした場合である。
ガス・ラジカルモードS23bは、ボロンが、ガス及びラジカルに含まれてシリコン基板13の表面に堆積したり,付着したり,シリコン基板13の浅い部分に留まる割合が多かったりする。ただし、相対的に少ない割合ではあるが、イオンとしてシリコン基板13に打ち込まれるボロンも存在する。イオンとして打ち込まれたボロンは、バイアスとして印加した電界からエネルギーを得ているのでガスやラジカルとして導入されたボロンよりもシリコン基板13の一主面の最表面から深いところまで導入される。
この結果、ガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行った直後のボロンのSIMSプロファイルは、シリコン基板13の一主面上の最表面のボロン濃度が高く、ボロン濃度が1E18cm−3から1E21cm−3の範囲のプロファイルはボロン濃度が低くなる方を下として下に突となる。
FIG.3は前記典型的なガス・ラジカルモード23bで、バイアス電圧100V,プラズマドーピング時間7秒でプラズマドーピングS23を行った場合のSIMSプロファイルを示す。その特徴は、シリコン基板13の最表面のボロン濃度が高いこと及びプロファイルの急峻性が低いことである。プロファイルの急峻性とは、ボロン濃度が1桁低下するに要する距離であり、通常はボロン濃度が1E19cm−3から1E18cm−3に低下するに要する距離で表される。急峻性が低い要因は、ボロン濃度が1E18cm−3から1E21cm−3の範囲のプロファイルはボロン濃度が低くなる方を下として下に突となるからである。FIG.3では、最表面のボロン濃度は8E22cm−3程度であり、急峻性は3nm/decであった。
イオンモードS23aは、イオンとして打ち込まれるボロンの割合が多いため、ガス・ラジカルモードS23bと比較して、シリコン基板13の深くまで打ち込まれるボロンの割合が多くなる。バイアス電圧は交流で印加され、各ボロンがシリコン基板13の一主面上に打ち込まれる不純物導入層の深さは各瞬間のバイアス電圧に応じて決まる。そして、イオンとして打ち込まれるボロンの割合が多いために、導入されるボロン全体に対する深く導入されるボロンの割合は、ガス・ラジカルモードS23bと比較して多くなる。なお、上記のメカニズムは、ガスとラジカルは、バイアス電圧から電磁気的に打ち込みのエネルギーを受け取らず、低いエネルギーであることに起因している。
上記の結果、イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った直後のボロンのSIMSプロファイルは、シリコン基板13の表面のボロン濃度がガス・ラジカルモード23bと比べて低く、ボロン濃度が1E18cm−3から1E21cm−3の範囲のプロファイルはボロン濃度が低くなる方を下として上に突となる。
FIG.4は前記典型的なイオンモードS23aで、バイアス100V,プラズマドーピング時間30秒でプラズマドーピングS23を行った場合のSIMSプロファイルを示す。その特徴は、シリコン基板13の最表面のボロン濃度がガス・ラジカルモード23bと比べて低いこと及びプロファイルの急峻性が高いことである。FIG.4では、シリコン基板13の最表面のボロン濃度は8E21cm−3程度であり、急峻性は2nm/decであった。
なお、プラズマドーピングS23を行う前に、プラズマ照射アモルファス化S22を行う不純物の導入も行った。プラズマ照射アモルファス化S22は、ヘリウム,ネオン,アルゴン,キセノンなどの希ガスプラズマを照射して行った。また、水素ガスのプラズマも用いた。これらの混合プラズマを用いても良い。或いは、Ge、Siを含むプラズマを照射しても良い。
ここでは、ヘリウムプラズマを用いた場合の結果を示す。Heガス濃度を100%とし、高周波電源1のソースパワーを1500W,圧力を0.9Pa,バイアス電圧150V、プラズマ照射アモルファス化時間7秒とした。プラズマ照射アモルファス化S22を行った後、前記典型的なガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った。プラズマ照射アモルファス化S22を行った後シリコン基板13の一主面は、アモルファス化しており、そのためにアモルファス化していない場合と比べてガス・ラジカルのボロンがシリコン基板13の内部に浸透し易くなる。
FIG.5はプラズマ照射アモルファス化S22後に前記典型的なガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った直後のSIMSプロファイルを示す。その特徴は、シリコン基板13の最表面のボロン濃度がイオンモードS23aとガス・ラジカルモード23bの中間の値となること、且つ、プロファイルの急峻性が高いことである。FIG.5では、最表面のボロン濃度は4E22cm−3程度であり、急峻性は1.7nm/decであった。
上記のことから、ガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合には、シリコン基板13の最表面に付着するボロンがシリコン基板13の内部に導入される全ボロンに占める割合が非常に多いため、急峻性が低くなる。イオンモードS23aでは、シリコン基板13の内部に打ち込まれるボロンがシリコン基板13の内部に導入される全ボロンに占める割合が多くなり、シリコン基板13の最表面に付着するボロンは少なくなる、或いはほとんどないので急峻性が高くなる。
また、プラズマ照射アモルファス化S22を行った後にガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合には、ガス・ラジカルのボロンがシリコン基板13の内部に浸透するので、シリコン基板13の一主面の最表面に付着するボロンは少なくなる、或いはほとんど存在しない。それにより、この場合も急峻性が高くなる。プラズマ照射アモルファス化S22を行った後にイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合も、シリコン基板13の最表面に付着するボロンは少なく、急峻性が高い。
ガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合のみがシリコン基板13の最表面にボロンを付着させることが分かった。イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合及びプラズマ照射アモルファス化S22を行った後にガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合や、プラズマ照射アモルファス化S22の後にイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合には、シリコン基板13の最表面におけるボロンの付着は少ない。
プラズマドーピングS23を行った後、プロセスチャンバー15からシリコン基板13を取り出した。その後、アッシングS24又は洗浄S25を行った。アッシングS24では、シリコン基板13を図示しないアッシング装置のプロセスチャンバー内部に搬送した。アッシング装置は、ダウンフロー型プラズマアッシングチャンバーを備えた装置を用いた。その後、酸素プラズマを図示しない高周波電源のソースパワー1800W,260℃,133Paの条件で照射した。酸素プラズマ照射時間を10秒,25秒,60秒の3水準で変えてみた。洗浄工程では、SPM(硫酸と過酸化水素水の混合溶液,HSOとHを6対1,4対1の割合で混合した溶液),HF(超純水で1%に希釈したHF),APM(NHOHとHとHOを1対1対5の割合で混合した溶液)を用いた。
SPMとAPMは80℃で、HFは室温で用いた。プラズマドーピングS23を行った後のシリコン基板13をSPM,HF,APMでそれぞれ洗浄した。洗浄後のシリコン基板13は、超純水ですすぎ、乾燥させた。また、比較のためにアッシングS24も洗浄S25も行わずに熱処理S26に進む場合も実験した。
アッシングS24又は洗浄S25を行った後、シリコン基板13に対して熱処理26を施した。熱処理26は、ハロゲンランプで1100℃,3分間で行った。この熱処理(アニール)S26はドーパントが電気的に十分活性化する条件に選んだので、Rs(0)/Rs(t)は洗浄S25によりシリコン基板31に残ったドーパントの数をよく反映している。なお、Rs(0)は、プラズマドーピングS23を行った後にアッシングS24も洗浄S25も行わずに熱処理S26を行ったときのシート抵抗である。また、Rs(t)はプラズマドーピングS23を行った後にアッシングS24をt秒間又は洗浄S25をt分間行った後に熱処理S26を行ったときのシート抵抗を示す。Rs(0)/Rs(t)は、Rs(0)とRs(t)との比である。
また、アッシングS24、又は洗浄S25がspikeRTA後のシート抵抗に及ぼす効果を確認するために、1075℃のspikeRTAで熱処理S26を施す実験も行った。spikeRTA(spike Rapid Thermal Annealing)とは最高温度(1075℃)に達した時点で加熱を止めて温度を下げる処理である。
その後、四探針法でシート抵抗を測定した(S27)。
FIG.6は本発明の一実施の形態に係る不純物の導入とアッシング方法がシート抵抗に与える影響を説明するための特性図であり、アッシング時間とシート抵抗の変化を示す図である。熱処理S26は、1100℃,3分間で行った。
FIG.6の縦軸は、Rs(0)と、アッシングした後に熱処理したときのシート抵抗Rs(t)との比である。横軸は、アッシングした時間である。不純物の導入は、前記典型的なガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合、前記典型的なイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合、前記ヘリウムプラズマでプラズマ照射アモルファス化S22を行った後に前記典型的なガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合の3種類で行った。
本発明の一実施の形態に係るイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った後にアッシングした場合は、熱処理前にアッシングすることで30%程度シート抵抗が低減した。さらに、アッシング時間の変化に対してシート抵抗はほとんど変わらなかった。
本発明の一実施の形態に係るプラズマ照射アモルファス化S22を行った後にガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行い、その後にアッシングS24を行った場合は、熱処理S26の前にアッシングすることでシート抵抗が低減し、さらに、アッシング時間の変化に対してシート抵抗はほとんど変わらなかった。
比較例に係るガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った後にアッシングS24を施した場合は、アッシング時間の変化に対してシート抵抗が大きく変化した。シリコン基板13の一主面に付着したボロンは、アッシング工程で基板から基板外に飛ばされ易いが、飛ばされる割合は再現性が悪いので、アッシング時間の変化に対してシート抵抗がばらつくものと考えられる。さらに、後述するが、酸素プラズマ照射による酸化膜が形成されるためにボロンが飛ばされるのを防止する効果があるが、シリコン基板13の最表面に付着、吸着しているボロンに対しては、飛ばされないボロンの割合の再現性が悪いものと考えられる。わずかな距離でもシリコン基板の内部に導入、浸透されていれば飛ばされないボロンの割合の再現性が良い。
FIG.7は本発明の一実施の形態に係り、洗浄時間とシート抵抗との関係を示す特性図である。すなわち、洗浄時間によるシート抵抗の変化を示す図である。縦軸は、Rs(0)と、その熱処理前にSPMに接触させて洗浄した後に熱処理したときのシート抵抗Rs(t)との比である。横軸は、SPMに接触させて洗浄した時間である。
以下、FIG.2に示したプロセスフローを参照しながら説明する。
プラズマドーピングS23は、前記典型的なイオンモードS23aでプラズマドーピング時間を60秒とした。バイアスによる加速電圧はプラズマポテンシャル,60V及び100Vの3つに変えてみた。硫酸と過酸化水素水の混合溶液は、硫酸と過酸化水素水の混合比が6:1のものを用いた。また、硫酸と過酸化水素水の混合溶液に接触させて洗浄する時間を30秒から10分の範囲で変えてみた。加速電圧が60Vより大きい場合には、熱処理S26の前に硫酸と過酸化水素水の混合溶液に接触させて洗浄S25を行ってもシート抵抗はほとんど変わらなかった。
一方、加速電圧がプラズマポテンシャルの場合には洗浄S25を行うことでシート抵抗が半分以下に低下した。この理由は、洗浄S25でシリコン基板13に導入されたボロンがシリコン基板13から洗い流されたと考えられる。
FIG.8は本発明の一実施の形態に係る洗浄時間の制限を説明するための特性図である。加速電圧が60Vの場合について、硫酸と過酸化水素水の混合溶液による洗浄時間を30分以下の範囲で変えて、シート抵抗の違いを調べた。シート抵抗の低下をたとえば洗浄しなかったときの9割以上に確保しようとするならば、洗浄時間は20分以下が好ましい。さらに好ましい洗浄時間は10分以下である。洗浄時間が10分以下であれば、シート抵抗は洗浄をしなかったときの9割以上の値を確実に保つことができる。しかし、30分間洗浄すると、シート抵抗は洗浄前の9割以下に低下するので好ましくない。
表1は、プロセスチャンバー内壁を石英で覆ったプラズマドーピング装置を用いてボロンをドーピングしたときのシリコン基板13の一主面(表面)の汚染をフレームレス原子吸光法で測定したときの結果である。プロセスチャンバー内壁の面積のうち、52%の面積を石英で覆った。ただし、石英で覆った部分は、プロセスチャンバー内壁のうち、下部電極14がつくる平面で切ったプラズマ発生源側、つまりコイル及びアンテナ3側である。金属コンタミネーションは、プロセスチャンバー内壁のうちシリコン基板13より排気側の部分からよりも、プラズマ発生源側の内壁からの方が、下部電極14に載置したシリコン基板13への金属コンタミネーションの影響が大きいからである。このため、プロセスチャンバー内壁の下部電極14がつくる平面で切ったプラズマ発生源側の面積のうち、84%の面積を覆ったことに相当する。
プラズマドーピング条件を2水準変えて、それぞれ2枚ずつ検査を行った。ドーピング条件を変えることでドーズ量とas dopedでボロン濃度が1E18cm−3となる深さを変えた。なお、「as doped」なる表現は、「不純物を導入後」や「粒子を導入後」という意味合いで用いている。後述の表現及び表1も同じ意味合いで用いていることを理解されたい。
加速電圧はそれぞれ60V,100Vとした。ドーズ量はそれぞれ7.5E14cm−2と5.2E14cm−2であった。また、as dopedでボロン濃度が1E18cm−3となる深さは、それぞれ7.4nmと10nmであった。表1から明らかなように、これらのときのFe,Cr,Ni,Cu,Na,Ca,K,Mg,Alの汚染レベルは1E10atoms/cm以下であった。これは、非常に良好な結果である。これにより、金属汚染などを除去するために洗浄時に基板表面に掛ける負荷を低減させることができるようになった。なお、プロセスチャンバーはアルミニウムを含む金属で作製することが一般的であり、一般的にアルミニウムのコンタミネーションは表1の他の金属のコンタミネーションと比べて許容水準が高い。そこで、Fe,Cr,Ni,Cu,Na,Ca,K,Mg,Alの元素のうち、アルミニウムのコンタミネーションは過剰スペックにならないように、固有の装置やプロセス条件にあわせて石英で覆う面積などを適切に選択すれば良い。
また、本発明の一実施の形態ではプロセスチャンバー内壁を石英で覆った場合のみ記載したが、シリコン、シリコンナイトライド、所望の不純物を含む窒化物、又は酸化物で覆った場合も同様の効果を得られる。所望の不純物を含む窒化物、又は酸化物とは、ボロンを導入したい場合には、例えばBN,Bでコーティングしたものであり、砒素を導入したい場合には、例えばAs、Asでコーティングしたものであり、リンを導入したい場合には、例えばP10でコーティングしたものである。
Figure 2005020306
以上のように本発明の一実施の形態によれば、被処理物(たとえば、シリコン基板などの半導体基板)に粒子を導入した後、熱処理を施すにあたり、熱処理前の半導体基板(シリコン基板)を半導体デバイスの歩留まり維持に必要な汚染の水準とし、且つ、導入した粒子を洗浄工程で減らすことがなく基板を洗浄できることを知見した。
FIG.9は本発明の一実施の形態に係るプラズマドーピング方法と洗浄方法がシート抵抗に与える関係を示す特性図である。縦軸は、Rs(0)と、その熱処理前にSPMに接触させて洗浄した後に熱処理したときのシート抵抗Rs(t)との比である。横軸は、SPMに接触させて洗浄した時間である。
FIG.2に示したプロセスフローを参照しながら説明する。
プラズマドーピングS23は、前記典型的なイオンモードS23aでプラズマドーピング時間を30秒とした場合と、前記典型的なガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピング時間を7秒とした場合、前記ヘリウムのプラズマ照射アモルファス化S22をバイアス電圧100Vで7秒間行った後に前記典型的なガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピング時間を7秒とした場合の3種類で行った。
イオンモードS23aとガス・ラジカルモード23bによるプラズマドーピングS23は、バイアスによる加速電圧を60V及び100Vと変えた。硫酸と過酸化水素水の混合溶液は、硫酸と過酸化水素水の混合比が4:1のものを用いた。洗浄S25は、80℃で5分間と10分間でそれぞれ行った。比較のために、洗浄を行わずに熱処理したときのシート抵抗も測定した。
前記3種類のプラズマドーピングを行った場合、熱処理前に硫酸と過酸化水素水の混合溶液に接触させて洗浄してもシート抵抗は10%以上上昇してしまうことはなかった。ガス・ラジカルモード23bで、バイアス電圧100VでプラズマドーピングS23を行った以外は、洗浄S25を行うことでシート抵抗が低下した。プラズマ照射アモルファス化S22を行った後にガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行った場合のシート抵抗の結果は、イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合とガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行った場合の中間の値であった。
こうしたことは、本明細書の他の実施例でも同様であった。イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合と、プラズマ照射アモルファス化S22後にガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合は、洗浄によりシート抵抗が低下するという良い効果を見出した。この効果は、前述のシリコン基板13の最表面でのボロン濃度の考察と、ボロンのシリコン基板13への導入のメカニズムから、プラズマ照射アモルファス化S22の後にイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合にも同様に発現することは明らかである。
FIG.10は本発明の実施例1に係るプロセスフローを示す。FIG11A−FIG.11Cはシリコン基板31に作り込まれたデバイス、たとえばトランジスタの一部を構成する不純物導入層を模式的に示した断面図である。なお、「シリコン基板31」はこれまでの「シリコン基板13」と実質的に同じものである。また、FIG11A−FIG.11Cに示した断面図は電子デバイスである、ダイオード,抵抗、コンデンサ或いはコイルなどの一部の構成要素を極めて簡単にしかも模式的に示していることを理解されたい。
以下、FIG.10,FIG.11A−FIG.11Cを参照して実施例1を説明する。
まず、FIG.10に示すように、シリコン基板31を用意し、その一主面上にレジストを形成し、よく知られたエッチング処理で、所望のレジストパターニングS27を行った。そのときのできあがり状態をFIG.11Aに示す。シリコン基板31の一主面上に所定のレジストパターン30及び開口部32が形成された状態を示している。その後、前記典型的なイオンモードS23aで、ジボラン(B)のプラズマドーピングS23を行った。プラズマドーピングS23を行う前に希ガスや水素、或いはその混合ガスのプラズマを照射してアモルファス化S22を行っても良い。
FIG.11Aに示す開口部32では、シリコン基板31の表面がプラズマ照射アモルファス化S22を行うときに用いるプラズマやプラズマドーピング時に用いるプラズマに曝される。そのため、シリコン基板31の表面がアモルファス化されたり、シリコン基板31の一主面にボロンが導入されたりしてFIG.11Bに示すように不純物導入層33が形成される。
プラズマドーピングS23を行った後、レジスト除去S28では、酸素プラズマをシリコン基板31の一主面上に形成されたレジストに曝してアッシングを行う。開口部32では不純物導入層33が酸素プラズマに曝される。
しかし、イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合と、プラズマ照射アモルファス化S22を行った後にイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合には、ボロンがシリコン基板31の外部に拡散(いわゆる外方拡散)されることがない。むしろアッシングによってボロンがシリコン外部に失われる割合が低下するので、アニール後のシート抵抗を低下させて、且つ、レジストを除去することができる。
レジスト除去S28の工程の後は、FIG.11Cに示すように、シリコン基板31の一主面に、たとえば、トランジスタのソース,ドレインを構成する不純物層33の表面が露出する。
その後、SPMかAPMにシリコン基板31の一主面を曝して洗浄をする。このとき、FIG.11Cの不純物導入層33も、SPMやAPMに曝される。イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行い、SPMを用いた場合、ボロンがシリコン基板31の外部に喰われたり、外方拡散することはなく、むしろシート抵抗が低下するので、SPMを用いることがより望ましい。イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行い、APMを用いた場合、ボロンはほとんどシリコン基板31の外部に喰われたり、外方拡散することはないので望ましい。
本発明の一実施の形態はFIG.10のプロセスフローを施すことで、プラズマドーピングS23で導入したボロンのうち、シリコン基板31の外部に失ってしまうボロンの量を少なくすることができた。すなわち、FIG.10のプロセスフローを施した後のシート抵抗と、FIG.10のプロセスフローのうち、レジストパターニングS27とレジスト除去S28、洗浄S25aを省いた場合のシート抵抗を比較した結果、FIG.10のプロセスフローを施した後のシート抵抗の方が低かった。
すなわち、プラズマドーピングS23をイオンモードS23aとすることで、レジスト除去や洗浄の自由度が大きなプロセスフローが可能になることを見出した。これにより、レジストをつけて所望のパターンにプラズマドーピングS23で不純物を導入でき、さらに導入したボロンのドーズロスを少なくしてレジスト除去と洗浄、及び熱処理による電気的な活性化ができるという効果が得られる。
さらに、イオンモードS23aを採用した場合、レジスト除去は酸素プラズマのアッシングを用いることで、アッシングをしなかった場合よりもシート抵抗を低下できることを見出したことは、すでに説明した通りである。また、イオンモードS23aの場合、洗浄はSPMを用いた方がシート抵抗を低下できることも見出した。
FIG.12は本発明の実施例2に係るプロセスフローを示す。
実施例1の説明に用いたFIG.10とはレジスト除去S28aにおいてSPM,APMを採用することで相違する。他の工程はほぼ実施例1と同じであるので同じ符号を付与した。
以下、FIG.10,FIG.12を参照しながら実施例2を説明する。
シリコン基板31(S31)にレジストを形成し所望のレジストパターンニングS27を行う。プロセスS31及びS27によってFIG.11Aに示すようにシリコン基板31の一主面上にレジストパターン30及び開口部32が形成される。その後、前記典型的なイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行う。プラズマドーピングS23を行う前に希ガスや水素或いはその混合ガスのプラズマを照射してアモルファス化S22を行っても良い。こうしたプラズマドーピングS23及びアモルファス化S22によって、FIG.11Aに示した開口部32は、シリコン基板31の一主面がプラズマ照射アモルファス化S22時のプラズマやプラズマドーピングS23のときのプラズマに曝される。そのため、シリコン基板31の一主面がアモルファス化されたり、シリコン基板31上の一主面にボロンが導入されたりしてFIG.11Bに示すように不純物導入層33が形成される。
実施例2の特徴は、前にも少し述べたが、FIG.12に示すように、プラズマドーピングS23を行った後、レジスト除去S28aにおいて、SPM又はAPMをシリコン基板31に残ったレジストに接触させてレジストを除去することにある。このとき、開口部32は不純物導入層33がSPMやAPMに曝される。しかし、イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合と、プラズマ照射アモルファス化S22した後にイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合には、ボロンがシリコン基板31の外部に除去されることが少ないことは、すでに説明した通りである。
SPMの場合は、シリコン基板31を洗浄することでボロンがシリコン基板31の外部に失われる割合が低下するので、アニール後のシート抵抗を低下させて、且つ、レジストを除去することができる。APMの場合でも、イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合と、プラズマ照射アモルファス化S22の後にイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合は、ボロンがシリコン基板31の外部に失われる割合が小さい。
レジスト除去S28aの後は、FIG.11Cに示すようにシリコン基板31の一主面上には不純物導入層33だけが残った状態に置かれる。その後、シリコン基板31の表面をSPMかAPMに曝して洗浄をする。このとき、FIG.11Cの不純物導入層33も、SPMやAPMに曝される。
イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行い、SPMを用いた場合、ボロンがシリコン基板31の外部に喰われ、失うことはなく、むしろシート抵抗が低下するので、SPMを用いることがより望ましい。イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行い、APMを用いた場合、ボロンはほとんどシリコン基板31の外部に失うことはないので、望ましい。
FIG.12のプロセスフローのうち、レジスト除去S28a又は洗浄S25aの少なくともどちらか一方の工程でSPMを用い、他方の工程ではAPMを用いた場合、FIG.12のプロセスフローを施した後のシリコン基板31を熱処理S26を行うことで、プラズマドーピングS23で導入したボロンのうち、シリコン基板31の外部に失ってしまうボロンの量を少なくすることができた。
すなわち、FIG.12のプロセスフローを施した後のシート抵抗と、FIG.12のプロセスフローのうちレジストパターニングS27とレジスト除去S28a、洗浄S25aを省いた場合のシート抵抗を比較した結果、FIG.12のプロセスフローを施した後のシート抵抗の方が低くなることが分かった。レジスト除去S28a、又は洗浄S25aの工程でどちらもAPMを用いた場合でも、シート抵抗は、FIG.12のプロセスフローのうちレジストパターニングS27とレジスト除去S28a、洗浄S25aを省いた場合の値と同等であった。なお、レジスト除去S28aと洗浄S25aを同じ溶液を用いて同時に1つの工程として行うこともできる。符号S53a(点線)で符号S28a及びS25aを囲んだのはそのためである。
すなわち、本発明の一実施の形態に係る不純物導入層の形成方法の1つはFIG.12のプロセスフローを採用することで、レジストを除去して、且つ、ボロンは電子デバイスの形成面であるシリコン基板31の一主面及びその内部に残すことができる。なお、プラズマドーピングS23がイオンモードS23aの場合、レジスト除去S28aと洗浄S25aはどちらもSPMを用いた方がシート抵抗をより下げられるのでより望ましい。
FIG.13は実施例3に係るプロセスフローを示す。FIG.10に示した実施例1とのおもな違いはプラズマドーピングS23のモードがガス・ラジカルモード23bであることと洗浄工程が少し異なる。
FIG.13及びFIG.11を参照しながら実施例3を説明する。
まず、実施例1又は実施例2で述べたように、シリコン基板31にレジストを形成し、所望のレジストパターンを形成する。この状態をFIG.11Aに示す。その後、プラズマドーピングS23を行う前に希ガスや水素或いはその混合ガスのプラズマを照射してアモルファス化S22を行う。そして、前記典型的なガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行う。
FIG.11Aのレジストの開口部32では、シリコン基板31の一主面(表面)がプラズマ照射アモルファス化S22時のプラズマやプラズマドーピングS23時のプラズマに曝される。そのため、シリコンがアモルファス化された後に、シリコンにボロンが導入されたり、浸透したりしてFIG.11Bのように不純物導入層33を形成する。
レジスト除去S28では、酸素プラズマをレジストに曝してアッシングを行う。このとき、FIG.11Bに示した開口部32から導入された不純物導入層33が酸素プラズマに曝される。ここで、プラズマ照射アモルファス化S22を行った後にガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合には、シリコン基板31の一主面にボロンが付着しているのではなく、ボロンが内部に浸透しやすい。よって、酸素プラズマに曝されることで、シリコン基板31の一主面のボロンが飛ばされるなどで、ボロンがシリコン外部に喰われ、失うことが少ない。
むしろアッシングすることでボロンがシリコン基板31の外部に失われる割合が低下するので、熱処理(アニール)S26を行った後のシート抵抗を低下させて、且つ、レジストを除去することができる。
レジスト除去S28の工程の後は、FIG.11Cに示すようになる。その後、シリコン基板31の一主面をSPMに曝して洗浄をする。このとき、FIG.11Cの不純物導入層33も、SPMに曝される。ガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行い、SPMを用いた場合、ボロンがシリコン基板31の外部に喰われ、失うことはないので、SPMを用いることがより望ましい。
FIG.13のプロセスフローを施した後のシート抵抗と、FIG.13のプロセスフローのうちレジストパターニングS27とレジスト除去S28,洗浄S25bを省いた場合のシート抵抗を比較した結果、FIG.13のプロセスフローを施した後のシート抵抗の方が低かった。
FIG.13のプロセスフローを採用することで、レジストは除去して、且つ、ボロンはシリコン基板31の一主面及びその内部に残すことができる。ガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行った場合、SPMを用いることで、シート抵抗を上昇させずに維持できるので、望ましい。
FIG.14は本発明の不純物導入層の形成方法に係る他のプロセスフローを示す。また、FIG.14のプロセスフローで製造されるデバイスの一例をFIG.11A−FIG.11Cに示す。
以下、FIG.11A−FIG.11C及びFIG.14を参照しながら実施例4を説明する。
まず符号S31で示すようにシリコン基板31を用意する。次にシリコン基板の一主面上にレジストを形成(塗布)し所定のレジストパターンニングS27を施すとレジストパターン30及び開口部32が形成される。この状態をFIG.11Aに示す。
その後、前記典型的なガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行った。プラズマドーピングS23を行う前に希ガスや水素、或いはその混合ガスのプラズマを照射してアモルファス化S22を行っても良い。このとき、FIG.11Aのレジストの開口部32では、シリコン基板31の一主面がプラズマ照射アモルファス化S22時のプラズマやプラズマドーピングS23時のプラズマに曝される。そのため、シリコン基板31の一主面がアモルファス化されたり、シリコン基板31の一主面にボロンが導入されたりしてFIG.11Bに示すように開口部32に不純物導入層33が形成される。
プラズマドーピングS23を行った後、レジスト除去S28bでは、SPMをレジストに接触させてレジストを除去する。このとき、FIG.11Bの開口部32では不純物導入層33がSPMに曝される。
しかし、ガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行った場合と、プラズマ照射アモルファス化S22を行った後にガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行った場合には、ボロンがシリコン基板31の外部に喰われたり或いは外方拡散などで失うことは少ない。すなわち、SPMの場合は、洗浄S25bを行うことでボロンがシリコン基板31の外部に失われる割合が低下するので、アニール後のシート抵抗を低下させて、且つ、レジストを除去することができる。
レジスト除去S28bの後は、FIG.11Cのようになる。その後、SPMにシリコン基板31の一主面を曝して洗浄S25bを行う。このとき、FIG.11Cに示す不純物導入層33も、SPMに曝される。ガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行い、SPMを用いた場合、ボロンがシリコン基板31の外部に喰われたり或いは外方拡散によって失われることは少ないので、SPMを用いることがより望ましい。
FIG.14のプロセスフローを施した後のシート抵抗と、レジストパターニングS27とレジスト除去S28b、洗浄S25bを省いた場合のシート抵抗は同等であった。FIG.14のプロセスフローを採用することで、レジストは除去して、且つ、ボロンはシリコン基板31の一主面及びその内部に所定の不純物量を残存させることができる。なお、レジスト除去S28bと洗浄S25bを同じ溶液を用いて同時に1つの工程として行うこともできる。
FIG.15A−FIG.15Cは、プラズマドーピングS23でシリコン基板31に導入したボロンが酸素プラズマやSPM洗浄をすることで熱処理(アニール)後の工程までシリコンから除去されずに残るメカニズムについて説明するための図である。
FIG.15Aはボロン36を、デポジション,プラズマドーピング又はイオン注入などで、シリコン基板31の一主面に導入した直後の状態を模式的に示した図である。FIG.15Bはたとえば、FIG.14に示した洗浄S25bを行った直後、また、FIG.15CはたとえばFIG.14に示した熱処理S26を行った直後のボロン36のふるまいを模式的に示した図である。
また、FIG.15A−FIG.15CでSPMと酸素プラズマの段は実施例であり、HFとAPMの段は比較例である。APMは、プラズマドーピングS23のモードがイオンモードS23aの場合は実施例である。
プラズマドーピングS23を行った後、且つ、熱処理S26の前にSPM洗浄S25bを行ったり、酸素プラズマでアッシングしたりすることで、プラズマドーピングS23で導入されたボロンのドーズロスが低減することが新しい知見である。SPM洗浄S25bと酸素プラズマによるアッシングは、シリコン基板31の一主面を酸化して、不純物導入層の表面に酸化膜29を形成する。不純物導入層の表面に付着したり、堆積したりしているボロン36は、SPM洗浄S25bや酸素プラズマ照射時にシリコン基板31の外部に飛んで失われるのではなく、酸化膜29に取り込まれる。
再度、FIG.15A−FIG.15Cを参照する。SPMと酸素プラズマでは、シリコン基板31の一主面に付着した、またシリコン基板31の内部に導入したボロン36がSPMや酸素プラズマで形成した酸化膜29に取り込まれ、アニール時にもシリコン基板31の外部に外方拡散で失われることを保護する。一方、HFとAPMでは、洗浄時にシリコン基板31をエッチングする。そして、シリコン基板31の一主面に付着したボロン36を洗い流してしまう。なお、APMでは、酸化膜29も同時に形成するので、ボロン36のドーズロスに果たす役割は、HFとSPMの中間となる。
FIG.16は、上記のメカニズムを説明する実験結果である。前記典型的なイオンモードS23aで、バイアス電圧100VでプラズマドーピングS23を行った後、10分間のSPM(HSO:H=4:1、80℃)洗浄を行った。その後、超純水で1%に希釈したHFで5分間洗浄した。
そして、ハロゲンランプを用いて1100℃,3分間で熱処理S26を行った後、シート抵抗を測定した。SPM洗浄S25bの後にHF洗浄を行わずに熱処理S26を行ったものと、HF洗浄を行ったものを比較すると、HF洗浄を行った場合の方が大幅にシート抵抗は低下した。
これは、SPM洗浄S25bの後に、FIG.15A−FIG.15Cに示した酸化膜29に取り込まれたボロン36が、HF洗浄で取り除かれた結果であると考えられる。一方、本発明例の一実施の形態であるプラズマドーピングS23の後にSPM洗浄S25bを行い、その後熱処理S26を行った場合には、ボロン36が酸化膜29で保護され、シリコン基板31の外部に喰われたり、外方拡散などにより失うことはないので、SPM洗浄S25bを行わない場合よりもシート抵抗は低下した。
上記のことから、シリコン基板31に導入したボロン36のアッシング,洗浄,熱処理にわたる全工程でのドーズロスを最小に抑えるためには、プラズマドーピングS23を行った後、熱処理S26の前にシリコン基板31の一主面に酸化膜29を形成することが効果的であることを見出した。酸化膜29の形成は、酸素プラズマを照射する方法,SPM溶液をシリコン基板31に接触させる方法,CVDで酸化膜をつける方法、イオンプレーティングで酸化膜をつける方法がある。
FIG.17は実施例6に係り、洗浄処理時間に対するシート抵抗の変化を示した特性図である。
実施例6では、APM洗浄がボロンのドーズロスに及ぼす影響を説明する。
プラズマドーピングS23を行った後、プロセスチャンバー15からシリコン基板13(31)を取り出した。なお、プラズマドーピングS23は、前記典型的なイオンモードS23aと、前記典型的なガス・ラジカルモード23bの2種類で行った。バイアス電圧は、60V,100Vとした。プラズマドーピングS23を行った後のシリコン基板31を80℃でAPM洗浄S25aを行った。APMは、NHOHとHとHOを1対1対5の割合で混合した溶液を用いた。洗浄後のシリコン基板31は、超純水ですすぎ、乾燥させた。また、比較のためにAMP洗浄を行わずに熱処理した場合も実験した。熱処理は、ハロゲンランプを用いて1100℃,3分間で行った。
FIG.17A及びFIG.17Bは、APMを用いた洗浄処理時間によるシート抵抗の変化を示す特性図である。FIG.17Aは、前記典型的なイオンモードS23aのプラズマドーピングS23でボロンを導入した場合である。FIG.17Bは、前記典型的なガス・ラジカルモード23bのプラズマドーピングS23でボロンを導入した場合である。縦軸は、それぞれプラズマドーピングS23でボロンをドーピングしたシリコン基板を熱処理したときのシート抵抗Rs(0)と、熱処理前にAPMに接触させて洗浄した後に熱処理したときのシート抵抗Rs(t)との比である。横軸は、それぞれAPMに接触させて洗浄した時間であり、10分以下の範囲で洗浄する時間を変えた。
イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合は、APM洗浄でもボロンのドーズロスは小さいことがわかった。これは、シリコン基板31の一主面に付着するボロン36の量がシリコン基板31の内部に導入されるボロン36の量と比較して少ないためであると考えられる。
一方、比較例の一形態であるガス・ラジカルモード23bのプラズマドーピングS23を行った後にAPM洗浄を行った場合は、ボロン36のドーズロスが大きく、シート抵抗が大幅に低下した。
(イオンモードS23aとガス・ラジカルモード23bとの違いについて)
イオンモードS23aとガス・ラジカルモード23bのプラズマドーピングS23の違いについて、さらに詳しく説明する。イオンモードS23aでは、Bガスをヘリウムガスで極度に希釈したプラズマを用いる。
一方、ガス・ラジカルモード23bでは、Bガスの濃度が高いプラズマを用いる。イオンモードS23aではボロン36のドーピングと同時にアモルファス化が起き、ガスやラジカル成分のボロンがシリコン基板31の一主面に付着せずに、シリコン基板31の内部に浸透する。一方、ガス・ラジカルモード23bではアモルファス化が十分に進行せず、ボロン36がシリコン基板31の一主面に付着し易い。イオンモードS23aとガス・ラジカルモード23bの違いは、プラズマドーピングS23を行った後のシリコン基板31の一主面のアモルファス層の光吸収係数を比較することで区別できることについて詳しく説明する。
FIG.1に示した真空チャンバー15内で、被処理物としてのシリコン基板13(31)にプラズマを照射した。プラズマ源は、ヘリコン波プラズマ源を用いた。用いたガスは、ヘリウムガスとジボランガスの混合ガスである。混合比は、ヘリウムガス濃度95%でジボランガス濃度5%から、ヘリウムガス濃度99.975%でジボランガス濃度0.025%の範囲で変化させた。
最初に、シリコン基板13(31)にプラズマを照射した。プラズマ照射条件は、高周波電源1のソースパワー1500W,圧力0.9Pa,プラズマ照射時間7秒とした。バイアス電圧は60Vで行った。その後、プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を真空に吸引し、窒素ガスでパージをしてシリコン基板13(31)を真空チャンバー15から取り出した。
全てのサンプルについて、エリプソメトリーで測定し、アモルファス層の厚さと波長530nmの光に対する光吸収係数を測定した。さらに、SIMSでボロンのドーズ量を測定した。
FIG.18は、B混合ガスに占めるBガスの割合を変化させてプラズマドーピングS23を行った場合のBガス濃度とシリコン基板31の表面の530nmの波長の光に対する光吸収係数の関係である。光吸収係数は、Heガスだけのプラズマでアモルファス化した場合が最大であった。
また、BとHeのガス濃度がB/Heで0.025%/99.975%から0.1%/99.9%の範囲では光吸収係数は余り変化しなかった。ところが、Bガス濃度を0.1%よりも増加させると、Bガス濃度の増加に従って光吸収係数は低下した。例えば、B/Heガス濃度が5%/95%で試作したアモルファス層の光吸収係数は、B/Heガス濃度が0.1%/99.9%のときの55%の水準であり、Heが100%のときと比べると46%の水準まで低下した。ただし、B/Heガス濃度5%/95%でプラズマドーピングした場合でも、c−Siと比較すると6.3倍の光吸収係数を持つ。
FIG.19は、B/Heガス濃度を変化させてプラズマドーピングしたときのアモルファス層の厚さの変化を示す。基本的に、Heが100%でアモルファス化した場合と同じ水準の厚さのアモルファス層が形成されることを知見した。
ただし、より詳細には、ガス濃度が0.1%/99.9%のときに最も厚いアモルファス層が形成され、それよりBガス濃度が高くなっても、低くなってもアモルファス層の厚さは低下する傾向にある。つまり、アモルファス化とプラズマドーピングを同時に行いたい場合には、B/Heガス濃度は0.05%/99.95%から0.1%/99.9%にすることが最も望ましい。
ガス濃度を0.1%よりも増加させたときに、アモルファス層の厚さが同じであるにも係らず、光吸収係数が低下する原因は、アモルファスの度合が低下しているためと考えられる。つまり、Bガス濃度が低く、ヘリウムガス濃度が高い方がより結晶がばらばらになる度合が高くなる。光吸収係数の高いアモルファス層を形成するためには、Bガス濃度は0.1%以下、ヘリウムガス濃度は99.9%以上であることがより望ましい。
光吸収係数が高いアモルファス層は、アモルファスの度合い高く、ガス・ラジカルのボロンをアモルファス層に浸透し易い。一方、光吸収係数が低いアモルファス層は、アモルファスの度合いが十分ではなく、結晶シリコンに近い。よって、ガス・ラジカルのボロンを浸透しにくく、表面に付着する割合が高くなる。
前記典型的なイオンモードS23aのプラズマドーピングS23では、B濃度は0.025%であり、FIG.18で530nmの光に対する光吸収係数は1.35E5cm−1を示す。B濃度を0.025%よりも低くしても1.3E5cm−1よりも光吸収係数が小さくなることはなかった。また、1.5E5cm−1よりも高くなることもなかった。
一方、前記典型的なガス・ラジカルモード23bのプラズマドーピングS23では、B濃度は5%であり、典型的なイオンモードS23aと比べて200倍も濃度が高い。FIG.18に示すように、B濃度を0.1%から高くしてガス・ラジカルモード23bに近づけていくことで、光吸収係数は低下する。そして、B濃度が5%では、光吸収係数は7.5E4cm−1まで低下した。
なお、前記典型的なガス・ラジカルモード23bでは、さらに高周波電源1のソースパワーを1000Wに低減し、圧力も2.5Paに上げている。しかし、バイアス電圧60V,プラズマドーピング7秒とした前記典型的なガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合の光吸収係数は8.4E4cm−1であり、FIG.18のB濃度が5%の場合と同水準であった。また、B濃度を5%よりも高くしても、光吸収係数は大幅に低下せず、6E4cm−1でその低下が飽和した。
以上のことから、イオンモードS23aとガス・ラジカルモード23bの境界は530nmの光に対する光吸収係数が1.3E5cm−1と6E4cm−1の間にあることが分かった。そして、B濃度の変化に対する光吸収係数の変化が連続的であることから、その境界は光吸収係数が1.3E5cm−1と6E4cm−1の中央である9.5E4cm−1となるB濃度であることが分かった。このB濃度は、FIG.18から0.7%と読み取れる。すなわち、B濃度が0.7%以下はイオンモードS23aであり、0.7%より高いとガス・ラジカルモード23bである。
FIG.20は本発明の実施例7に係る。プラズマドーピングS23の後に酸化膜形成S29の工程を有することで他の実施例とは相違する。他の工程は他の実施例とほぼ同じである。
本発明では、不純物導入と熱処理の間に不純物をシリコン基板31の外部に逃げ出さないような保護膜を酸化膜29で形成することが重要であることはすでに説明した。
FIG.20は、酸化膜形成S29の工程の後に、レジスト除去,洗浄S30から選ばれる1つ、或いは複数の工程を行うものとする。なお、酸化膜形成S29の工程はレジスト除去、洗浄S30から選ばれる1つ、或いは複数の工程と同時に行っても良い。CVDやイオンプレーティングなどで酸化膜をつけても良い。その後、熱処理S26を行う。こうすることで、プラズマドーピングS23で導入したボロン36のドーズロスを低減できる。
他の工程たとえば、シリコン基板31を用意する工程S31,レジストパターニングを行う工程S27,熱処理S26などは他の実施例で用いたものと同じであるので詳細な説明は省略する。
FIG.21は実施例8のプロセスフローを示す。実施例8では、不純物導入は低エネルギーイオン注入,ガスドーピングから選ばれる方法を用いても良い。不純物導入の前にプラズマ照射アモルファス化S22を行う。低エネルギーイオン注入の場合には、プラズマ照射アモルファス化S22を行うことでチャネリング効果を低減でき、ボロンをより浅く導入できるので望ましい。
ガスドーピングの場合には、プラズマ照射アモルファス化S22を行うことでガスに含まれるボロンがシリコン基板31の内部に浸透しやすくなるので望ましい。なお、ガスドーピングとは、プロセスチャンバー15内でシリコン基板13(31)にプラズマ照射アモルファス化S22を行った後、プラズマ照射を止め、その後、ジボランなどのボロンを含むガスをプロセスチャンバー15の内部に導入する不純物導入方法である。
アモルファス層にガスが浸透することを利用するものであり、非常に低エネルギーの不純物導入が可能となる。
FIG.21を参照すると、シリコン基板31を用意した後(S31)、レジストパターニングS27を行い、その後、プラズマ照射アモルファス化S22を行って、開口部32から露出しているシリコン基板31の一主面をアモルファス化する。こうした一連の処理は他の実施例とほぼ同じである。その後、低エネルギーイオン注入,ガスドーピングから選ばれる方法を用いてシリコン基板31に不純物を導入する。
そして、不純物導入後に酸化膜29を形成する工程を有する。酸化膜29を形成する工程の後に、レジスト除去、洗浄S32から選ばれる1つ、或いは複数の工程を行うものとする。なお、酸化膜形成S29はレジスト除去、洗浄S30から選ばれる1つ、或いは複数の工程と同時に行っても良い。その後、熱処理S26を行う。このような一連の処理を施すことで、低エネルギーで導入したボロンのドーズロスを低減することができる。
(同様の効果を得る方法、事例)
全ての実施の形態でプラズマドーピングの前のアモルファス化S22は、前にも述べたがプラズマを照射する代わりにイオン注入で行っても良い。例えば、Ge,Siのイオンをイオン注入してアモルファス化しても良い。或いは、希ガスのイオンをイオン注入しても良い。さらには、イオンシャワーを用いても同様の効果を期待できる。イオンシャワーでは、プラズマ発生室とメッシュとシリコン基板を載置する台を有する装置を用いる。メッシュは、プラズマとシリコン基板の間に配置され、メッシュに所望の電位を印加できる。この方法によれば、所定の電位としたメッシュを介してプラズマをシリコン基板表面に照射することにより、イオンシャワーと呼ばれるいわゆる分散したイオン照射がなされ、効率よくアモルファス化を実現することができる。この方法ではイオンの質量分離を行わないので、シリコン基板表面に照射されるイオンビーム電流量は、プラズマに直接曝すプラズマドーピングに比べれば小さいが、イオン注入と比較すると桁違いに大きい。そのため、比較的原子量の小さい軽元素でも効率良くアモルファス化できる。例えばヘリウムや水素などの最も原子量の小さい元素でもアモルファス化できる可能性が期待できる。
また、FIG.7,FIG.8,FIG.9A,FIG.9B,FIG.16,FIG.17A,FIG.17B,FIG.22A及びFIG.22Bではアニール(熱処理)はハロゲンランプで1100℃,3分間のアニールを行った結果を示したが、1075℃のspikeRTAを用いてもドーズロスの割合に関しては1100℃,3分間のアニールと同様の結果を得た。
また、全ての実施例でイオンモードS23aのプラズマドーピングS23は、イオンシャワーと置き換えても同様の効果を得る。ここでのイオンシャワーは、前記アモルファス化に用いるものと基本的に同様のもので、プラズマに所望の不純物粒子を含ませておくことが異なる。つまり、ボロンなどの所望の不純物を含むプラズマを、メッシュを介して、シリコン基板表面に導き所望の粒子を含むイオンを照射する方法である。イオンの質量分離を行わないので、固体基体に照射される所望の粒子を含むイオンビーム電流量は、プラズマに直接曝すプラズマドーピングに比べれば小さいが、イオン注入と比較すると桁違いに大きいので、効率良く不純物の導入ができる。イオンシャワーの不純物導入の原理から、主に低エネルギーのイオンが主体として導入されるイオンモードS23aのプラズマドーピングS23と同様の効果を得ることが期待できる。
低エネルギーイオン注入は、ガスクラスターイオンビーム、分子イオンビームによるイオン注入も含む。ガスクラスターイオンビームによるイオン注入とは、例えばアルゴンガスとBガスの混合ガスから、アルゴンとボロンが緩やかに結合した質量の大きなガスクラスターをつくり、それをイオン化して電磁場によって加速、輸送し、シリコン基板に照射するものである。ガスクラスターは、シリコン基板の表面で緩やかな結合が解けてばらばらになり、加速エネルギーはガスクラスターの各分子に配分される。
よって、実際上、1つのボロンの加速エネルギーは非常に小さくなる。例えば、アルゴンをn個とボロンをm個含むガスクラスターを用いて、一価にイオン化し、10kVの電圧で加速した場合、1個のボロンが有する加速エネルギーは10/(n+m)keVとなる。例えばn=100、m=2となるようにガスクラスターをつくった場合には、1個のボロンが有する加速エネルギーは約100eV相当の低エネルギーとなる。分子イオンビームによるイオン注入とは、例えばデカボリンのイオンであるB10Hx+を加速する。この場合もシリコン基板表面で分子がばらばらになるので、1つのボロン当たりの加速エネルギーは小さくなる。例えば、加速電圧を5kVとすると1つのボロンは約500eVの低エネルギーで注入されたことに相当する。
このように、ガスクラスターイオンビーム、分子イオンビームによるイオン注入は、クラスターイオンや分子イオンに与えるエネルギーはkV以上と比較的高いが、ボロンなどの所望の粒子が有する実効的なエネルギーは小さいので、浅い注入となる。これらを用いて、粒子を導入後、熱処理を施す前の、粒子の原子濃度が1E18atoms/cmとなる深さが15nm以下、特に10nm以下になるような低エネルギーで導入した場合には、ドリフトモードのボロンの場合と同様に本発明で記載した課題が発現し、本実施例により解決できることが容易に推測できる。
(比較例)
次に、比較例について説明する。
プラズマドーピングS23を行った後、プロセスチャンバー15からシリコン基板13(31)を取り出した。なお、プラズマドーピングS23は、前記典型的なイオンモードS23aと、前記典型的なガス・ラジカルモード23bの2種類で行った。プラズマドーピングS23を行った後のシリコン基板13(31)を室温でHF洗浄を行った。フッ酸は濃度が1%のものを用いた。洗浄後のシリコン基板13(31)は、超純水ですすぎ、乾燥させた。また、比較のためにHF洗浄を行わずに熱処理した場合も実験してみた。熱処理は、ハロゲンランプを用いて1100℃,3分間で行った。
FIG.22AとFIG.22Bは、HFを用いた洗浄時間とシート抵抗との関係を示す特性図である。FIG.22Aは、前記典型的なイオンモードS23aのプラズマドーピングS23でボロンを導入した場合である。FIG.22Bは、前記典型的なガス・ラジカルモード23bのプラズマドーピングS23でボロンを導入した場合である。縦軸は、プラズマドーピングS23でボロンをドーピングしたシリコン基板13(13)を熱処理したときのシート抵抗Rs(0)と、熱処理前にHFに接触させて洗浄した後に熱処理したときのシート抵抗Rs(t)の比である。横軸は、HFに接触させて洗浄した時間であり、10分以下の範囲で洗浄する時間を変えた。
横軸は、フッ酸に接触させて洗浄した時間であり、10分以下の範囲で洗浄する時間を変えた。また、フッ酸は濃度が1%のものを用いた。バイアスによる加速電圧をプラズマポテンシャル,60V,100V,200Vと変えた。
FIG.22A,FIG.22Bから明らかなように、ドーピングの加速電圧に依存せずに、洗浄を施すことに(Rs(0)/Rs(t))の値が低下すること、すなわち、洗浄後のシート抵抗が上昇するということを知見した。この理由は洗浄することによって、ドーパント(不純物)がシリコン基板31から洗い流されたことが考えられる。また、シート抵抗の上昇は、洗浄時間が5分以内のいわゆる短時間の洗浄においても認められた。これらのことから、わずかな時間であってもフッ酸に接触させる工程を含む従来の洗浄のレシピは、シート抵抗の上昇の原因になる。よって、プラズマドーピングや低エネルギーイオン注入、あるいはデポジションのような表面への堆積、あるいは浅い注入でドーパントを導入した基板への洗浄方法としては、量産工程では使用が困難であった。
以上説明してきたように、本発明によればプラズマドーピングや低エネルギーイオン注入、あるいはデポジションのような表面への堆積、あるいは浅い注入でドーパント(不純物)を導入したシリコン基板などの固体基体に対して、ドーパントの粒子を導入した後、熱処理前の基板を半導体デバイスの歩留まり維持に必要な水準に洗浄できて、且つ、導入した粒子を洗浄工程で減らすことがない基板の洗浄方法を提供することが可能となる。
さらに、レジストパターンを固体基体の一主面に形成して所望の場所に不純物を導入でき、且つ、導入した粒子をレジスト除去工程で減らすことがない不純物の導入方法を提供することができる。
本発明は、特に半導体、液晶などの製造工程においてプラズマドーピングやイオン注入、デポジションなどにより粒子を基板に導入した後の基板の洗浄、レジストの除去を含む不純物導入方法、装置に用いることができる。また、抵抗,コイル及びコンデンサなどのデバイスの製造方法にも採用することができるのでその産業上の利用価値は高い。
【書類名】明細書
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に半導体,液晶などの製造工程においてプラズマドーピングやイオン注入,デポジションなどにより粒子をシリコン基板などの被処理物に導入して不純物導入層を形成する方法及びシリコン基板などの被処理物の洗浄方法並びにそれらの方法を提供するための不純物導入装置に関し、さらには、トランジスタ,ダイオード,抵抗,コンデンサなどのデバイスの製造方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
半導体のシリコン基板などを洗浄する方法としては、従来、フッ酸,硫酸と過酸化水素水の混合溶液,塩酸過酸化水素水混合溶液,アンモニア水過酸化水素水混合溶液などの溶剤槽の中にシリコン基板を入れる方法が用いられている。例えば、ボロンをイオン注入した後、拡散させるためにシリコン基板に熱処理を施すが、その熱処理を施す前のシリコン基板の洗浄は、所定の濃度に薄められたフッ酸,硫酸と過酸化水素水の混合溶液,塩酸過酸化水素水混合溶液,アンモニア水過酸化水素水混合溶液などの槽と超純水の槽を並べておき、用途に応じて溶剤の種類を組み合わせたり洗浄時間を調整したりするなどしてシリコン基板を洗浄している。
【0003】
また、半導体のシリコン基板への粒子の導入方法としては、イオン注入が用いられている。また、次世代の方法としては極低エネルギーで効率よく粒子を導入できる方法としてプラズマドーピングが期待されている。ここで、粒子を導入した後のシリコン基板の金属汚染は、特にプラズマドーピングを用いたときの水準に懸念があった。これは、イオン注入では分析電磁石を用いて所望以外の粒子は排除されるのに対して、プラズマドーピングでは分析電磁石を用いず、プラズマに直接シリコン基板を曝すことに因る。すなわち、チャンバー内壁はプラズマに曝されており、そのプラズマにシリコン基板を曝しているので、イオン注入に比べてチャンバー起因の金属汚染が発生し易いとされていた。こうした取り組みはたとえば、
「Proc. of the 1997 IEEE International Symposium on Semiconductor Manufacturing Conference , San Francisco, California, October 6-8, 1997, p. B-9.」及び「Proc. of the 2000 International Conference on Ion Implantation Technology, Alpbach, Austria, 17-22 September 2000, p. 500-503.」で報告されている。
【0004】
これらの報告によると、研究開発段階での金属汚染の課題は解決の目処が立っている。しかし、依然としてイオン注入と同じ汚染水準には達していないのが現状である。
【0005】
また、プラズマドーピングだけでなく、イオン注入の方法であっても、粒子を導入した後の被処理物であるたとえばシリコン基板は導入前と比較して不純物導入装置に由来した金属汚染などの水準が低下していることが一般的である。金属汚染は半導体デバイスの歩留まり低下の要因となる。ここで、フッ酸は硫酸と過酸化水素水の混合溶液と比べて金属汚染の洗浄能力が高い。したがって、粒子を導入した後のシリコン基板の洗浄にはフッ酸を含む溶剤が用いられることが多いのが現状である。
【0006】
粒子をシリコン基板に導入した後、熱処理を施す前において、粒子の原子濃度が1E18toms/cm3となる深さが15nm以下、特に10nm以下になるような低エネルギーでの粒子の導入をした場合に、粒子を導入した後で熱処理前のシリコン基板の洗浄は従来では現れなかった問題点が発生する。つまり、このような浅い部分に粒子を導入した場合に従来の方法でシリコン基板を洗浄すると、ドーパントとなるべく導入した粒子が洗浄する工程で洗い流されてしまうという不具合が生じる。このため、その後の熱処理で電気的に活性化する粒子が少なくなってしまい所望の特性が出ないという問題点が残る。
【0007】
こうした問題点を克服し、解決するための課題は、特にプラズマドーピングでは重要となる。プラズマドーピングは荷電粒子を加速してのドーピングだけでなく、同時に、ラジカルとガスによるシリコン基板などの被処理物の一主面への吸着,浸透によりドーパントの粒子がシリコン基板に導入される。ラジカルとガスによる粒子の導入は、非常に低エネルギーでの導入であり、荷電粒子の振る舞いとは異なり加速電圧に因らずシリコン基板表面の浅い部分に導入される。これにより、バイアスの電位などを制御して、ある程度の、例えば数百Vの加速電圧をプラズマに与えたとしても、必ずラジカルやガスに起因した低エネルギーの導入が起こる。ドーパント全体の中で、このように低エネルギーで導入された粒子は、洗浄によって洗い流されるので、上記と同様に所望のシート抵抗の特性が出ないという問題点が起こる。
【0008】
ところで、シリコン基板などの半導体基板の洗浄は半導体デバイスの歩留まり維持には必須である。特にプラズマドーピングでは、製造におけるイオン注入と比較して汚染レベルが同程度の水準に達しているという報告は現状では報告されていないので、ドーピング後の洗浄方法が重要になる。
【0009】
このような状況から、粒子を半導体基板(固体基体)に導入した後、熱処理前の半導体基板を半導体デバイスの歩留まり維持に必要な水準に洗浄できて、且つ、導入した粒子を洗浄工程で減らすことがない半導体基板の洗浄方法が求められていた。
【0010】
またレジストをたとえばシリコン基板上にパターン形成し、シリコン基板の一主面が露出している部分に不純物を導入する方法が広く用いられている。レジストは、不純物導入前に所望のパターン形状でシリコン基板上に付けられ、不純物を導入した後、アニール工程前に除去される。レジストの除去は、酸素プラズマをレジストに照射する、いわゆるアッシングと呼ばれる方法で行われることが多い。シリコン基板の一主面の浅い部分に粒子を導入した場合には、アニール(熱処理)前に行われるレジストの除去工程でも、従来の方法でレジストを除去すると、ドーパントとなるべく導入した粒子がレジストと一緒に除去されてしまう。これにより、その後の熱処理で電気的に活性化する粒子が少なくなってしまい所望の特性が出ないという問題点が残る。
【0011】
このような状況から、粒子を導入した後、熱処理前の基板に付いているレジストを除去できて、且つ、導入した粒子をレジスト除去工程で減らすことがないレジスト除去方法或いは、レジスト除去方法と不純物導入方法の適切な組合せが求められていた。
【発明の開示】
【0012】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、粒子をたとえばシリコン基板などの半導体基板(固体基体)に粒子などの不純物を導入した後、熱処理前の固体基体を電子デバイスの歩留まり維持に必要な水準に洗浄できて、且つ、導入した粒子を洗浄工程で減らすことがない固体基体の洗浄方法を提供することを目的とする。
【0013】
また、粒子を固体基体に導入した後、熱処理前の固体基体に付いているレジストを除去できて、且つ、導入した粒子をレジスト除去工程で減らすことがないレジスト除去方法を提供することを目的とする。
【0014】
本発明者らは、プラズマ中から固体基体(たとえば、シリコン基板)に打ち込まれる粒子の状態をイオンが主体である場合とガス・ラジカルが主体である場合で変えたプラズマドーピングと、溶剤と洗浄時間を変えた洗浄の実験結果から、粒子を導入した後、熱処理を施す前に、粒子の原子濃度が1E18 atoms/cm3となる深さが15nm以下、特に10nm以下になるような低エネルギーでのドーピングの場合には、ドーパントとなるべく導入した粒子が洗浄することで洗い流されてしまう、という従来では現れなかった問題が顕在化することを知見した。さらに、限定された加速電圧においては、硫酸と過酸化水素水の混合溶液を用いて洗浄することにより、導入した粒子を減らすことなく固体基体を洗浄できることを見出した。本発明はこの点に着目してなされたものである。
【0015】
なお、プラズマドーピングにおいて、打ち込まれる粒子の状態をイオンが主体である場合とガス・ラジカルが主体である場合に変えることができるという技術も本発明者らが開発したものであり、新しい知見である。従来は、プラズマドーピングはイオン,ガス及びラジカルの状態で不純物がシリコン基板に導入されると説明されてきた。導入されるイオン,ガス,ラジカルの割合を変化させて、洗浄,レジスト除去の実験をはじめて行ったことで新たな知見を得たものである。
【0016】
さらに、本発明者らは、プラズマ中から固体基体に打ち込まれる粒子の状態をイオンが主体である場合とガス・ラジカルが主体である場合で変えたプラズマドーピングと、酸素プラズマ照射によるレジスト除去の実験結果から、粒子を固体基体に導入した後、熱処理を施す前のレジスト除去工程におけるドーズロスの再現性が、イオン主体の不純物導入方法とガス・ラジカル主体の不純物導入方法で異なることを知見した。さらに、イオン主体のプラズマドーピングを用いることで、酸素プラズマ照射によるレジスト除去工程でのドーズロスを低減できることを見出した。
【0017】
さらに、本発明者らは、酸素プラズマ照射によるレジスト除去の実験結果と、硫酸と過酸化水素水の混合溶液やフッ酸を用いた洗浄の実験結果から、粒子を固体基体に導入した後、熱処理を施す前に不純物を導入した固体基体の一主面上に酸化膜を形成することで、レジスト除去と洗浄、及びアニール工程でのドーズロスを低減できることを見出した。
【0018】
本発明では、あるいは、所望の粒子を含む堆積物を形成した後の固体基体において、熱処理前に硫酸と過酸化水素水の混合溶液に接触させて洗浄する。
【0019】
又は、低エネルギーイオン注入で粒子を導入後、熱処理を施す前の、粒子の原子濃度が1E18 atoms/cm3となる深さが15nm以下、特に10nm以下になるような低エネルギーで導入した後の固体基体において、熱処理前に硫酸と過酸化水素水の混合溶液に接触させて洗浄する。熱処理を施す前の深さが15nm以下、特に10nm以下になるようなエネルギーは、イオン注入の方法によるが、例えばボロンをドリフトモードで注入する場合には、30V以上,500V以下、特に200V以下の加速電圧であることが望ましい。
【0020】
この理由は、ドリフトモードで加速したボロンの低エネルギーイオン注入では加速電圧が500V以下の場合に、注入後のボロンの原子濃度が1E18 atoms/cm3となる深さが15nm以下となり不具合が顕在化しやすいからである。さらに、加速電圧が200V以下の場合には、深さは10nmとなるので、より不具合が起こり易い。加速電圧が30V以下の場合には、将来的にもイオン源からターゲットである固体基体までのビーム輸送が困難を極めるので、現実的でない。そこで、加速電圧は30V以上が望ましい。
【0021】
ところで、本発明者らは、別途、プラズマドーピング装置の汚染レベルの改善努力から、プロセスチャンバー内壁を石英、シリコン,シリコンナイトライド,所望の不純物及び所望の不純物を含む窒化物又は酸化物で覆ったプラズマドーピング装置を用いることで、粒子を導入した後の基板の汚染レベルを低減させることに成功した。そして、このように元々汚染の少ない状態にする方法と、硫酸と過酸化水素水の混合溶液を用いた洗浄或いは、プラズマドーピング後に汚染の少ない状態にする方法と酸化膜の形成を組み合わせることで上記目的を達成できることを提案する。
【0022】
そこで、本発明では、プロセスチャンバー内壁を石英,シリコン,シリコンナイトライド,所望の不純物及び所望の不純物を含む窒化物又は酸化物で覆ったプラズマドーピング装置を用いて粒子を導入し、粒子を導入した後の基板の汚染レベルが1E10atoms/cm2以下である固体基体において、熱処理前に洗浄溶液に接触させて洗浄する。洗浄溶液は、硫酸と過酸化水素水の混合溶液であるならばシリコン基板などの被処理物である固体基体に導入した粒子を減らすことなく固体基体を洗浄できるので望ましい。それ以外の洗浄溶液でも、酸化膜を形成するものであれば良い。
【0023】
本発明によれば、粒子を30V以上の加速電圧で導入することで、硫酸と過酸化水素水の混合溶液に洗い流されることなく導入した粒子を固体基体に維持できる。また、プロセスチャンバー内壁を石英,シリコン,シリコンナイトライド,所望の不純物及び所望の不純物を含む窒化物又は酸化物で覆ったプラズマドーピング装置を用いて粒子を導入し、粒子を導入した後の固体基体の汚染レベルが1E10 atoms/cm2以下とすることで、洗浄工程で固体基体の表面を洗浄するときのドーパントへの影響を低減できる。
【0024】
つまり、洗浄工程では固体基体表面ではなく、固体基体裏面の洗浄を主な目的とすれば良いので、洗浄時間などを短縮したり、溶剤の濃度を低減したりするなどの工夫により上記目的を達成できる。
【0025】
また、固体基体を硫酸と過酸化水素水の混合溶液に接触させる時間は10分間以下であることが望ましい。これは、10分間以下ではドーパントの粒子が洗浄によりほとんど低減しないからである。
【0026】
また、固体基体の洗浄はフッ酸との接触を避けて行うことが望ましい。フッ酸は従来の洗浄方法で使用されることが多いが、フッ酸に接触することでドーパントの粒子が短時間で急速に洗い流されてしまうからである。
【0027】
さらに上記固体基体の洗浄方法は半導体,液晶及びバイオチップなどの能動素子及び、抵抗,コイル及びコンデンサなどの受動素子などのデバイスの製造方法としても有効である。
【発明の効果】
【0028】
以上説明してきたように、本発明によればプラズマドーピングや低エネルギーイオン注入、あるいはデポジションのような表面への堆積、あるいは浅い注入でドーパント(不純物)を導入したシリコン基板などの固体基体に対して、ドーパントの粒子を導入した後、熱処理前の基板を半導体デバイスの歩留まり維持に必要な水準に洗浄できて、且つ、導入した粒子を洗浄工程で減らすことがない基板の洗浄方法を提供することが可能となる。
【0029】
さらに、レジストパターンを固体基体の一主面に形成して所望の場所に不純物を導入でき、且つ、導入した粒子をレジスト除去工程で減らすことがない不純物の導入方法を提供することができる。
【0030】
本発明は、特に半導体、液晶などの製造工程においてプラズマドーピングやイオン注入、デポジションなどにより粒子を基板に導入した後の基板の洗浄、レジストの除去を含む不純物導入方法、装置に用いることができる。また、抵抗,コイル及びコンデンサなどのデバイスの製造方法にも採用することができるのでその産業上の利用価値は高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施例で用いた装置100を示す。装置100は、高周波電源1,マッチングボックス2,コイル及びアンテナ3,マスフローコントローラ(MFC)4及び5,ターボ分子ポンプ6,コンダクタンスバルブ7,ドライポンプ8,サークレータ9,、電源10,マッチングボックス11,高周波電源12及び下部電極14を有する。被処理物としてのシリコン基板13は下部電極14上に置かれる。
【0033】
電源10は、バイアス電源を印加するものである。周波数が600kHzの交流電源を用いた。本明細書でプラズマドーピングに関して加速電圧を数値で記述したものは、Vdcである。Vdcは、交流で印加されたバイアス電圧の平均の値である。バイアス電圧のピークとピークの差はVdcの2倍程度である。
【0034】
なお、以降の説明において、被処理物は半導体基板の1つであるシリコン基板を例として説明する。しかし、化合物半導体基板,歪みシリコン基板,SOI基板など他の固体基体も本発明の被処理物に相当することを理解されたい。
【0035】
図1は、シリコン基板13をプロセスチャンバー15内に搬送した後、下部電極14上に設置した状態を示す。プロセスチャンバー15にはプラズマ照射アモルファス化用ガスの導入管16とジボランガスの導入管17を別々に配設した。なお、プラズマ照射アモルファス化とはプラズマを固体基体であるたとえばシリコン基板の一主面に照射してシリコン基板13の表面をアモルファス化させる工程である。なお、以降の説明又は図面において「プラズマ照射アモルファス化」なる語句を用いるが、アモルファス化を行うにはプラズマ照射に限定されない。たとえば、Ge,Siのイオン化したものをイオン注入してアモルファス化しても良い。
【0036】
また、プラズマ照射アモルファス化に用いるプラズマは、ヘリウムやネオン、アルゴン,キセノンなどの希ガスプラズマや水素プラズマ、或いはそれらを混合したガスのプラズマを用いる。或いは、ゲルマニウム(Ge),シリコン(Si)を含むプラズマを照射しても良い。ジボランガスは、プラズマ化されてB26プラズマドーピングするために用いられたり、ガスのままプロセスチャンバー15に導入されてガスドーピングに用いられたりする。ジボランガスの代わりに、B410,B59,B511,B610,B1014などのボロンを含む水素化合物のガスを用いても良い。ボロンを含む水素化合物のガスは、プラズマ照射中に削るSiのエッチングレートが小さいので、シリコン基板をほとんど削らずにプロセスができるのでより望ましい。或いは、BF3,B24などのボロンを含むフッ化物のガスを用いても良い。B2Cl4,BCl3などのボロンを含む塩化物のガスを用いても良い。また、固体をプラズマ化して用いる場合には、BI3,BBr3,B23,B23,BNを用いても良い。
【0037】
プロセスチャンバー15に導入するガス流量はマスフローコントローラ4,5で別々に制御できる構成としている。さらに、図1には図示しないが、ジボランガスの希釈割合を変化させるために、希釈用ガスの導入管とマスフローコントローラもプロセスチャンバー15の周囲に設置されている。なお希釈ガスとしては、ヘリウムガスを用いた。
【0038】
図2は、本発明の一実施の形態を説明するためのプロセスフローの概要図である。シリコン基板13を下部電極14上に設置した後、ジボランガスプラズマによるB26プラズマドーピングS23を行う。ジボラン(B26)ガスはヘリウム(He)ガスで希釈したものを用いた。なお、以降の説明において記述を簡易にするために「B26プラズマドーピングS23」は単に「プラズマドーピングS23」と記す。
【0039】
さて、プラズマドーピング23は、イオンモードS23aとガス・ラジカルモードS23bの2種類のモードで行った。イオンモードS23aによるプラズマドーピングS23とは、主にプラズマ中のイオンがシリコン基板13に打ち込まれる不純物の導入方法である。
【0040】
一方、ガス・ラジカルモードS23bによるプラズマドーピングS23は、主にプラズマ中のガスとラジカルをイオンと共にシリコン基板13に導入し、或いはシリコン基板13の一主面に付着,堆積させる不純物の導入方法である。プラズマドーピングS23の条件は、ジボランをヘリウムで希釈する割合(B26/Heガス濃度)を0.025%/99.975%から5%/95%の範囲で、高周波電源1のソースパワーを1000Wから1500Wの範囲で、圧力を0.9Paから2.5Paの範囲で変化させた。この中で、典型的なイオンモードS23aは、B26/Heガス濃度を0.025%/99.975%とし、ソースパワーを1500W、圧力を0.9Paとした場合である。典型的なガス・ラジカルモード23bは、B26/Heガス濃度を5%/95%とし、ソースパワーを1000W、圧力を2.5Paとした場合である。
【0041】
ガス・ラジカルモードS23bは、ボロンが、ガス及びラジカルに含まれてシリコン基板13の表面に堆積したり,付着したり,シリコン基板13の浅い部分に留まる割合が多かったりする。ただし、相対的に少ない割合ではあるが、イオンとしてシリコン基板13に打ち込まれるボロンも存在する。イオンとして打ち込まれたボロンは、バイアスとして印加した電界からエネルギーを得ているのでガスやラジカルとして導入されたボロンよりもシリコン基板13の一主面の最表面から深いところまで導入される。
【0042】
この結果、ガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行った直後のボロンのSIMSプロファイルは、シリコン基板13の一主面上の最表面のボロン濃度が高く、ボロン濃度が1E18cm-3から1E21cm-3の範囲のプロファイルはボロン濃度が低くなる方を下として下に突となる。
【0043】
図3は前記典型的なガス・ラジカルモード23bで、バイアス電圧100V,プラズマドーピング時間7秒でプラズマドーピングS23を行った場合のSIMSプロファイルを示す。その特徴は、シリコン基板13の最表面のボロン濃度が高いこと及びプロファイルの急峻性が低いことである。プロファイルの急峻性とは、ボロン濃度が1桁低下するに要する距離であり、通常はボロン濃度が1E19cm-3から1E18cm-3に低下するに要する距離で表される。急峻性が低い要因は、ボロン濃度が1E18cm-3から1E21cm-3の範囲のプロファイルはボロン濃度が低くなる方を下として下に突となるからである。図3では、最表面のボロン濃度は8E22cm-3程度であり、急峻性は3nm/decであった。
【0044】
イオンモードS23aは、イオンとして打ち込まれるボロンの割合が多いため、ガス・ラジカルモードS23bと比較して、シリコン基板13の深くまで打ち込まれるボロンの割合が多くなる。バイアス電圧は交流で印加され、各ボロンがシリコン基板13の一主面上に打ち込まれる不純物導入層の深さは各瞬間のバイアス電圧に応じて決まる。そして、イオンとして打ち込まれるボロンの割合が多いために、導入されるボロン全体に対する深く導入されるボロンの割合は、ガス・ラジカルモードS23bと比較して多くなる。なお、上記のメカニズムは、ガスとラジカルは、バイアス電圧から電磁気的に打ち込みのエネルギーを受け取らず、低いエネルギーであることに起因している。
【0045】
上記の結果、イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った直後のボロンのSIMSプロファイルは、シリコン基板13の表面のボロン濃度がガス・ラジカルモード23bと比べて低く、ボロン濃度が1E18cm-3から1E21cm-3の範囲のプロファイルはボロン濃度が低くなる方を下として上に突となる。
【0046】
図4は前記典型的なイオンモードS23aで、バイアス100V,プラズマドーピング時間30秒でプラズマドーピングS23を行った場合のSIMSプロファイルを示す。その特徴は、シリコン基板13の最表面のボロン濃度がガス・ラジカルモード23bと比べて低いこと及びプロファイルの急峻性が高いことである。図4では、シリコン基板13の最表面のボロン濃度は8E21cm-3程度であり、急峻性は2nm/decであった。
【0047】
なお、プラズマドーピングS23を行う前に、プラズマ照射アモルファス化S22を行う不純物の導入も行った。プラズマ照射アモルファス化S22は、ヘリウム,ネオン,アルゴン,キセノンなどの希ガスプラズマを照射して行った。また、水素ガスのプラズマも用いた。これらの混合プラズマを用いても良い。或いは、Ge、Siを含むプラズマを照射しても良い。
【0048】
ここでは、ヘリウムプラズマを用いた場合の結果を示す。Heガス濃度を100%とし、高周波電源1のソースパワーを1500W,圧力を0.9Pa,バイアス電圧150V、プラズマ照射アモルファス化時間7秒とした。プラズマ照射アモルファス化S22を行った後、前記典型的なガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った。プラズマ照射アモルファス化S22を行った後シリコン基板13の一主面は、アモルファス化しており、そのためにアモルファス化していない場合と比べてガス・ラジカルのボロンがシリコン基板13の内部に浸透し易くなる。
【0049】
図5はプラズマ照射アモルファス化S22後に前記典型的なガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った直後のSIMSプロファイルを示す。その特徴は、シリコン基板13の最表面のボロン濃度がイオンモードS23aとガス・ラジカルモード23bの中間の値となること、且つ、プロファイルの急峻性が高いことである。図5では、最表面のボロン濃度は4E22cm-3程度であり、急峻性は1.7nm/decであった。
【0050】
上記のことから、ガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合には、シリコン基板13の最表面に付着するボロンがシリコン基板13の内部に導入される全ボロンに占める割合が非常に多いため、急峻性が低くなる。イオンモードS23aでは、シリコン基板13の内部に打ち込まれるボロンがシリコン基板13の内部に導入される全ボロンに占める割合が多くなり、シリコン基板13の最表面に付着するボロンは少なくなる、或いはほとんどないので急峻性が高くなる。
【0051】
また、プラズマ照射アモルファス化S22を行った後にガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合には、ガス・ラジカルのボロンがシリコン基板13の内部に浸透するので、シリコン基板13の一主面の最表面に付着するボロンは少なくなる、或いはほとんど存在しない。それにより、この場合も急峻性が高くなる。プラズマ照射アモルファス化S22を行った後にイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合も、シリコン基板13の最表面に付着するボロンは少なく、急峻性が高い。
【0052】
ガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合のみがシリコン基板13の最表面にボロンを付着させることが分かった。イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合及びプラズマ照射アモルファス化S22を行った後にガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合や、プラズマ照射アモルファス化S22の後にイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合には、シリコン基板13の最表面におけるボロンの付着は少ない。
【0053】
プラズマドーピングS23を行った後、プロセスチャンバー15からシリコン基板13を取り出した。その後、アッシングS24又は洗浄S25を行った。アッシングS24では、シリコン基板13を図示しないアッシング装置のプロセスチャンバー内部に搬送した。アッシング装置は、ダウンフロー型プラズマアッシングチャンバーを備えた装置を用いた。その後、酸素プラズマを図示しない高周波電源のソースパワー1800W,260℃,133Paの条件で照射した。酸素プラズマ照射時間を10秒,25秒,60秒の3水準で変えてみた。洗浄工程では、SPM(硫酸と過酸化水素水の混合溶液,H2SO4とH22を6対1,4対1の割合で混合した溶液),HF(超純水で1%に希釈したHF),APM(NH4OHとH22とH2Oを1対1対5の割合で混合した溶液)を用いた。
【0054】
SPMとAPMは80℃で、HFは室温で用いた。プラズマドーピングS23を行った後のシリコン基板13をSPM,HF,APMでそれぞれ洗浄した。洗浄後のシリコン基板13は、超純水ですすぎ、乾燥させた。また、比較のためにアッシングS24も洗浄S25も行わずに熱処理S26に進む場合も実験した。
【0055】
アッシングS24又は洗浄S25を行った後、シリコン基板13に対して熱処理26を施した。熱処理26は、ハロゲンランプで1100℃,3分間で行った。この熱処理(アニール)S26はドーパントが電気的に十分活性化する条件に選んだので、Rs (0)/ Rs (t)は洗浄S25によりシリコン基板31に残ったドーパントの数をよく反映している。なお、Rs (0)は、プラズマドーピングS23を行った後にアッシングS24も洗浄S25も行わずに熱処理S26を行ったときのシート抵抗である。また、Rs (t)はプラズマドーピングS23を行った後にアッシングS24をt秒間又は洗浄S25をt分間行った後に熱処理S26を行ったときのシート抵抗を示す。Rs(0)/ Rs (t)は、Rs (0)とRs (t)との比である。
【0056】
また、アッシングS24、又は洗浄S25がspikeRTA後のシート抵抗に及ぼす効果を確認するために、1075℃のspikeRTAで熱処理S26を施す実験も行った。spikeRTA(spike Rapid Thermal Annealing)とは最高温度(1075℃)に達した時点で加熱を止めて温度を下げる処理である。
【0057】
その後、四探針法でシート抵抗を測定した(S27)。
【0058】
図6は本発明の一実施の形態に係る不純物の導入とアッシング方法がシート抵抗に与える影響を説明するための特性図であり、アッシング時間とシート抵抗の変化を示す図である。熱処理S26は、1100℃,3分間で行った。
【0059】
図6の縦軸は、Rs (0)と、アッシングした後に熱処理したときのシート抵抗Rs(t)との比である。横軸は、アッシングした時間である。不純物の導入は、前記典型的なガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合、前記典型的なイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合、前記ヘリウムプラズマでプラズマ照射アモルファス化S22を行った後に前記典型的なガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合の3種類で行った。
【0060】
本発明の一実施の形態に係るイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った後にアッシングした場合は、熱処理前にアッシングすることで30%程度シート抵抗が低減した。さらに、アッシング時間の変化に対してシート抵抗はほとんど変わらなかった。
【0061】
本発明の一実施の形態に係るプラズマ照射アモルファス化S22を行った後にガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行い、その後にアッシングS24を行った場合は、熱処理S26の前にアッシングすることでシート抵抗が低減し、さらに、アッシング時間の変化に対してシート抵抗はほとんど変わらなかった。
【0062】
比較例に係るガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った後にアッシングS24を施した場合は、アッシング時間の変化に対してシート抵抗が大きく変化した。シリコン基板13の一主面に付着したボロンは、アッシング工程で基板から基板外に飛ばされ易いが、飛ばされる割合は再現性が悪いので、アッシング時間の変化に対してシート抵抗がばらつくものと考えられる。さらに、後述するが、酸素プラズマ照射による酸化膜が形成されるためにボロンが飛ばされるのを防止する効果があるが、シリコン基板13の最表面に付着、吸着しているボロンに対しては、飛ばされないボロンの割合の再現性が悪いものと考えられる。わずかな距離でもシリコン基板の内部に導入、浸透されていれば飛ばされないボロンの割合の再現性が良い。
【0063】
図7は本発明の一実施の形態に係り、洗浄時間とシート抵抗との関係を示す特性図である。すなわち、洗浄時間によるシート抵抗の変化を示す図である。縦軸は、Rs(0)と、その熱処理前にSPMに接触させて洗浄した後に熱処理したときのシート抵抗Rs(t)との比である。横軸は、SPMに接触させて洗浄した時間である。
【0064】
以下、図2に示したプロセスフローを参照しながら説明する。
【0065】
プラズマドーピングS23は、前記典型的なイオンモードS23aでプラズマドーピング時間を60秒とした。バイアスによる加速電圧はプラズマポテンシャル,60V及び100Vの3つに変えてみた。硫酸と過酸化水素水の混合溶液は、硫酸と過酸化水素水の混合比が6:1のものを用いた。また、硫酸と過酸化水素水の混合溶液に接触させて洗浄する時間を30秒から10分の範囲で変えてみた。加速電圧が60Vより大きい場合には、熱処理S26の前に硫酸と過酸化水素水の混合溶液に接触させて洗浄S25を行ってもシート抵抗はほとんど変わらなかった。
【0066】
一方、加速電圧がプラズマポテンシャルの場合には洗浄S25を行うことでシート抵抗が半分以下に低下した。この理由は、洗浄S25でシリコン基板13に導入されたボロンがシリコン基板13から洗い流されたと考えられる。
【0067】
図8は本発明の一実施の形態に係る洗浄時間の制限を説明するための特性図である。加速電圧が60Vの場合について、硫酸と過酸化水素水の混合溶液による洗浄時間を30分以下の範囲で変えて、シート抵抗の違いを調べた。シート抵抗の低下をたとえば洗浄しなかったときの9割以上に確保しようとするならば、洗浄時間は20分以下が好ましい。さらに好ましい洗浄時間は10分以下である。洗浄時間が10分以下であれば、シート抵抗は洗浄をしなかったときの9割以上の値を確実に保つことができる。しかし、30分間洗浄すると、シート抵抗は洗浄前の9割以下に低下するので好ましくない。
【0068】
表1は、プロセスチャンバー内壁を石英で覆ったプラズマドーピング装置を用いてボロンをドーピングしたときのシリコン基板13の一主面(表面)の汚染をフレームレス原子吸光法で測定したときの結果である。プロセスチャンバー内壁の面積のうち、52%の面積を石英で覆った。ただし、石英で覆った部分は、プロセスチャンバー内壁のうち、下部電極14がつくる平面で切ったプラズマ発生源側、つまりコイル及びアンテナ3側である。金属コンタミネーションは、プロセスチャンバー内壁のうちシリコン基板13より排気側の部分からよりも、プラズマ発生源側の内壁からの方が、下部電極14に載置したシリコン基板13への金属コンタミネーションの影響が大きいからである。このため、プロセスチャンバー内壁の下部電極14がつくる平面で切ったプラズマ発生源側の面積のうち、84%の面積を覆ったことに相当する。
【0069】
プラズマドーピング条件を2水準変えて、それぞれ2枚ずつ検査を行った。ドーピング条件を変えることでドーズ量とas dopedでボロン濃度が1E18cm-3となる深さを変えた。なお、「as doped」なる表現は、「不純物を導入後」や「粒子を導入後」という意味合いで用いている。後述の表現及び表1も同じ意味合いで用いていることを理解されたい。
【0070】
加速電圧はそれぞれ60V,100Vとした。ドーズ量はそれぞれ7.5E14cm-2と5.2E14cm-2であった。また、as dopedでボロン濃度が1E18cm-3となる深さは、それぞれ7.4nmと10nmであった。表1から明らかなように、これらのときのFe,Cr,Ni,Cu,Na,Ca,K,Mg,Alの汚染レベルは1E10 atoms/cm2以下であった。これは、非常に良好な結果である。これにより、金属汚染などを除去するために洗浄時に基板表面に掛ける負荷を低減させることができるようになった。なお、プロセスチャンバーはアルミニウムを含む金属で作製することが一般的であり、一般的にアルミニウムのコンタミネーションは表1の他の金属のコンタミネーションと比べて許容水準が高い。そこで、Fe,Cr,Ni,Cu,Na,Ca,K,Mg,Alの元素のうち、アルミニウムのコンタミネーションは過剰スペックにならないように、固有の装置やプロセス条件にあわせて石英で覆う面積などを適切に選択すれば良い。
【0071】
また、本発明の一実施の形態ではプロセスチャンバー内壁を石英で覆った場合のみ記載したが、シリコン、シリコンナイトライド、所望の不純物を含む窒化物、又は酸化物で覆った場合も同様の効果を得られる。所望の不純物を含む窒化物、又は酸化物とは、ボロンを導入したい場合には、例えばBN,B23でコーティングしたものであり、砒素を導入したい場合には、例えばAs23、As25でコーティングしたものであり、リンを導入したい場合には、例えばP410でコーティングしたものである。
【0072】
【表1】
Figure 2005020306
【0073】
以上のように本発明の一実施の形態によれば、被処理物(たとえば、シリコン基板などの半導体基板)に粒子を導入した後、熱処理を施すにあたり、熱処理前の半導体基板(シリコン基板)を半導体デバイスの歩留まり維持に必要な汚染の水準とし、且つ、導入した粒子を洗浄工程で減らすことがなく基板を洗浄できることを知見した。
【0074】
図9は本発明の一実施の形態に係るプラズマドーピング方法と洗浄方法がシート抵抗に与える関係を示す特性図である。縦軸は、Rs(0)と、その熱処理前にSPMに接触させて洗浄した後に熱処理したときのシート抵抗Rs (t)との比である。横軸は、SPMに接触させて洗浄した時間である。
【0075】
図2に示したプロセスフローを参照しながら説明する。
【0076】
プラズマドーピングS23は、前記典型的なイオンモードS23aでプラズマドーピング時間を30秒とした場合と、前記典型的なガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピング時間を7秒とした場合、前記ヘリウムのプラズマ照射アモルファス化S22をバイアス電圧100Vで7秒間行った後に前記典型的なガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピング時間を7秒とした場合の3種類で行った。
【0077】
イオンモードS23aとガス・ラジカルモード23bによるプラズマドーピングS23は、バイアスによる加速電圧を60V及び100Vと変えた。硫酸と過酸化水素水の混合溶液は、硫酸と過酸化水素水の混合比が4:1のものを用いた。洗浄S25は、80℃で5分間と10分間でそれぞれ行った。比較のために、洗浄を行わずに熱処理したときのシート抵抗も測定した。
【0078】
前記3種類のプラズマドーピングを行った場合、熱処理前に硫酸と過酸化水素水の混合溶液に接触させて洗浄してもシート抵抗は10%以上上昇してしまうことはなかった。ガス・ラジカルモード23bで、バイアス電圧100VでプラズマドーピングS23を行った以外は、洗浄S25を行うことでシート抵抗が低下した。プラズマ照射アモルファス化S22を行った後にガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行った場合のシート抵抗の結果は、イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合とガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行った場合の中間の値であった。
【0079】
こうしたことは、本明細書の他の実施例でも同様であった。イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合と、プラズマ照射アモルファス化S22後にガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合は、洗浄によりシート抵抗が低下するという良い効果を見出した。この効果は、前述のシリコン基板13の最表面でのボロン濃度の考察と、ボロンのシリコン基板13への導入のメカニズムから、プラズマ照射アモルファス化S22の後にイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合にも同様に発現することは明らかである。
【0080】
(実施例1)
図10は本発明の実施例1に係るプロセスフローを示す。図11A−図11Cはシリコン基板31に作り込まれたデバイス、たとえばトランジスタの一部を構成する不純物導入層を模式的に示した断面図である。なお、「シリコン基板31」はこれまでの「シリコン基板13」と実質的に同じものである。また、図11A−図11Cに示した断面図は電子デバイスである、ダイオード,抵抗、コンデンサ或いはコイルなどの一部の構成要素を極めて簡単にしかも模式的に示していることを理解されたい。
【0081】
以下、図10,図11A-図11Cを参照して実施例1を説明する。
【0082】
まず、図10に示すように、シリコン基板31を用意し、その一主面上にレジストを形成し、よく知られたエッチング処理で、所望のレジストパターニングS27を行った。そのときのできあがり状態を図11Aに示す。シリコン基板31の一主面上に所定のレジストパターン30及び開口部32が形成された状態を示している。その後、前記典型的なイオンモードS23aで、ジボラン(B26)のプラズマドーピングS23を行った。プラズマドーピングS23を行う前に希ガスや水素、或いはその混合ガスのプラズマを照射してアモルファス化S22を行っても良い。
【0083】
図11Aに示す開口部32では、シリコン基板31の表面がプラズマ照射アモルファス化S22を行うときに用いるプラズマやプラズマドーピング時に用いるプラズマに曝される。そのため、シリコン基板31の表面がアモルファス化されたり、シリコン基板31の一主面にボロンが導入されたりして図11Bに示すように不純物導入層33が形成される。
【0084】
プラズマドーピングS23を行った後、レジスト除去S28では、酸素プラズマをシリコン基板31の一主面上に形成されたレジストに曝してアッシングを行う。開口部32では不純物導入層33が酸素プラズマに曝される。
【0085】
しかし、イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合と、プラズマ照射アモルファス化S22を行った後にイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合には、ボロンがシリコン基板31の外部に拡散(いわゆる外方拡散)されることがない。むしろアッシングによってボロンがシリコン外部に失われる割合が低下するので、アニール後のシート抵抗を低下させて、且つ、レジストを除去することができる。
【0086】
レジスト除去S28の工程の後は、図11Cに示すように、シリコン基板31の一主面に、たとえば、トランジスタのソース,ドレインを構成する不純物層33の表面が露出する。
【0087】
その後、SPMかAPMにシリコン基板31の一主面を曝して洗浄をする。このとき、図11Cの不純物導入層33も、SPMやAPMに曝される。イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行い、SPMを用いた場合、ボロンがシリコン基板31の外部に喰われたり、外方拡散することはなく、むしろシート抵抗が低下するので、SPMを用いることがより望ましい。イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行い、APMを用いた場合、ボロンはほとんどシリコン基板31の外部に喰われたり、外方拡散することはないので望ましい。
【0088】
本発明の一実施の形態は図10のプロセスフローを施すことで、プラズマドーピングS23で導入したボロンのうち、シリコン基板31の外部に失ってしまうボロンの量を少なくすることができた。すなわち、図10のプロセスフローを施した後のシート抵抗と、図10のプロセスフローのうち、レジストパターニングS27とレジスト除去S28、洗浄S25aを省いた場合のシート抵抗を比較した結果、図10のプロセスフローを施した後のシート抵抗の方が低かった。
【0089】
すなわち、プラズマドーピングS23をイオンモードS23aとすることで、レジスト除去や洗浄の自由度が大きなプロセスフローが可能になることを見出した。これにより、レジストをつけて所望のパターンにプラズマドーピングS23で不純物を導入でき、さらに導入したボロンのドーズロスを少なくしてレジスト除去と洗浄、及び熱処理による電気的な活性化ができるという効果が得られる。
【0090】
さらに、イオンモードS23aを採用した場合、レジスト除去は酸素プラズマのアッシングを用いることで、アッシングをしなかった場合よりもシート抵抗を低下できることを見出したことは、すでに説明した通りである。また、イオンモードS23aの場合、洗浄はSPMを用いた方がシート抵抗を低下できることも見出した。
【0091】
(実施例2)
図12は本発明の実施例2に係るプロセスフローを示す。
【0092】
実施例1の説明に用いた図10とはレジスト除去S28aにおいてSPM,APMを採用することで相違する。他の工程はほぼ実施例1と同じであるので同じ符号を付与した。
【0093】
以下、図10,図12を参照しながら実施例2を説明する。
【0094】
シリコン基板31(S31)にレジストを形成し所望のレジストパターンニングS27を行う。プロセスS31及びS27によって図11Aに示すようにシリコン基板31の一主面上にレジストパターン30及び開口部32が形成される。その後、前記典型的なイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行う。プラズマドーピングS23を行う前に希ガスや水素或いはその混合ガスのプラズマを照射してアモルファス化S22を行っても良い。こうしたプラズマドーピングS23及びアモルファス化S22によって、図11Aに示した開口部32は、シリコン基板31の一主面がプラズマ照射アモルファス化S22時のプラズマやプラズマドーピングS23のときのプラズマに曝される。そのため、シリコン基板31の一主面がアモルファス化されたり、シリコン基板31上の一主面にボロンが導入されたりして図11Bに示すように不純物導入層33が形成される。
【0095】
実施例2の特徴は、前にも少し述べたが、図12に示すように、プラズマドーピングS23を行った後、レジスト除去S28aにおいて、SPM又はAPMをシリコン基板31に残ったレジストに接触させてレジストを除去することにある。このとき、開口部32は不純物導入層33がSPMやAPMに曝される。しかし、イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合と、プラズマ照射アモルファス化S22した後にイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合には、ボロンがシリコン基板31の外部に除去されることが少ないことは、すでに説明した通りである。
【0096】
SPMの場合は、シリコン基板31を洗浄することでボロンがシリコン基板31の外部に失われる割合が低下するので、アニール後のシート抵抗を低下させて、且つ、レジストを除去することができる。APMの場合でも、イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合と、プラズマ照射アモルファス化S22の後にイオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合は、ボロンがシリコン基板31の外部に失われる割合が小さい。
【0097】
レジスト除去S28aの後は、図11Cに示すようにシリコン基板31の一主面上には不純物導入層33だけが残った状態に置かれる。その後、シリコン基板31の表面をSPMかAPMに曝して洗浄をする。このとき、図11Cの不純物導入層33も、SPMやAPMに曝される。
【0098】
イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行い、SPMを用いた場合、ボロンがシリコン基板31の外部に喰われ、失うことはなく、むしろシート抵抗が低下するので、SPMを用いることがより望ましい。イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行い、APMを用いた場合、ボロンはほとんどシリコン基板31の外部に失うことはないので、望ましい。
【0099】
図12のプロセスフローのうち、レジスト除去S28a又は洗浄S25aの少なくともどちらか一方の工程でSPMを用い、他方の工程ではAPMを用いた場合、図12のプロセスフローを施した後のシリコン基板31を熱処理S26を行うことで、プラズマドーピングS23で導入したボロンのうち、シリコン基板31の外部に失ってしまうボロンの量を少なくすることができた。
【0100】
すなわち、図12のプロセスフローを施した後のシート抵抗と、図12のプロセスフローのうちレジストパターニングS27とレジスト除去S28a、洗浄S25aを省いた場合のシート抵抗を比較した結果、図12のプロセスフローを施した後のシート抵抗の方が低くなることが分かった。レジスト除去S28a、又は洗浄S25aの工程でどちらもAPMを用いた場合でも、シート抵抗は、図12のプロセスフローのうちレジストパターニングS27とレジスト除去S28a、洗浄S25aを省いた場合の値と同等であった。なお、レジスト除去S28aと洗浄S25aを同じ溶液を用いて同時に1つの工程として行うこともできる。符号S53a(点線)で符号S28a及びS25aを囲んだのはそのためである。
【0101】
すなわち、本発明の一実施の形態に係る不純物導入層の形成方法の1つは図12のプロセスフローを採用することで、レジストを除去して、且つ、ボロンは電子デバイスの形成面であるシリコン基板31の一主面及びその内部に残すことができる。なお、プラズマドーピングS23がイオンモードS23aの場合、レジスト除去S28aと洗浄S25aはどちらもSPMを用いた方がシート抵抗をより下げられるのでより望ましい。
【0102】
(実施例3)
図13は実施例3に係るプロセスフローを示す。図10に示した実施例1とのおもな違いはプラズマドーピングS23のモードがガス・ラジカルモード23bであることと洗浄工程が少し異なる。
【0103】
図13及び図11を参照しながら実施例3を説明する。
【0104】
まず、実施例1又は実施例2で述べたように、シリコン基板31にレジストを形成し、所望のレジストパターンを形成する。この状態を図11Aに示す。その後、プラズマドーピングS23を行う前に希ガスや水素或いはその混合ガスのプラズマを照射してアモルファス化S22を行う。そして、前記典型的なガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行う。
【0105】
図11Aのレジストの開口部32では、シリコン基板31の一主面(表面)がプラズマ照射アモルファス化S22時のプラズマやプラズマドーピングS23時のプラズマに曝される。そのため、シリコンがアモルファス化された後に、シリコンにボロンが導入されたり、浸透したりして図11Bのように不純物導入層33を形成する。
【0106】
レジスト除去S28では、酸素プラズマをレジストに曝してアッシングを行う。このとき、図11Bに示した開口部32から導入された不純物導入層33が酸素プラズマに曝される。ここで、プラズマ照射アモルファス化S22を行った後にガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合には、シリコン基板31の一主面にボロンが付着しているのではなく、ボロンが内部に浸透しやすい。よって、酸素プラズマに曝されることで、シリコン基板31の一主面のボロンが飛ばされるなどで、ボロンがシリコン外部に喰われ、失うことが少ない。
【0107】
むしろアッシングすることでボロンがシリコン基板31の外部に失われる割合が低下するので、熱処理(アニール)S26を行った後のシート抵抗を低下させて、且つ、レジストを除去することができる。
【0108】
レジスト除去S28の工程の後は、図11Cに示すようになる。その後、シリコン基板31の一主面をSPMに曝して洗浄をする。このとき、図11Cの不純物導入層33も、SPMに曝される。ガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行い、SPMを用いた場合、ボロンがシリコン基板31の外部に喰われ、失うことはないので、SPMを用いることがより望ましい。
【0109】
図13のプロセスフローを施した後のシート抵抗と、図13のプロセスフローのうちレジストパターニングS27とレジスト除去S28,洗浄S25bを省いた場合のシート抵抗を比較した結果、図13のプロセスフローを施した後のシート抵抗の方が低かった。
【0110】
図13のプロセスフローを採用することで、レジストは除去して、且つ、ボロンはシリコン基板31の一主面及びその内部に残すことができる。ガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行った場合、SPMを用いることで、シート抵抗を上昇させずに維持できるので、望ましい。
【0111】
(実施例4)
図14は本発明の不純物導入層の形成方法に係る他のプロセスフローを示す。また、図14のプロセスフローで製造されるデバイスの一例を図11A-図11Cに示す。
【0112】
以下、図11A-図11C及び図14を参照しながら実施例4を説明する。
【0113】
まず符号S31で示すようにシリコン基板31を用意する。次にシリコン基板の一主面上にレジストを形成(塗布)し所定のレジストパターンニングS27を施すとレジストパターン30及び開口部32が形成される。この状態を図11Aに示す。
【0114】
その後、前記典型的なガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行った。プラズマドーピングS23を行う前に希ガスや水素、或いはその混合ガスのプラズマを照射してアモルファス化S22を行っても良い。このとき、図11Aのレジストの開口部32では、シリコン基板31の一主面がプラズマ照射アモルファス化S22時のプラズマやプラズマドーピングS23時のプラズマに曝される。そのため、シリコン基板31の一主面がアモルファス化されたり、シリコン基板31の一主面にボロンが導入されたりして図11Bに示すように開口部32に不純物導入層33が形成される。
【0115】
プラズマドーピングS23を行った後、レジスト除去S28bでは、SPMをレジストに接触させてレジストを除去する。このとき、図11Bの開口部32では不純物導入層33がSPMに曝される。
【0116】
しかし、ガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行った場合と、プラズマ照射アモルファス化S22を行った後にガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行った場合には、ボロンがシリコン基板31の外部に喰われたり或いは外方拡散などで失うことは少ない。すなわち、SPMの場合は、洗浄S25bを行うことでボロンがシリコン基板31の外部に失われる割合が低下するので、アニール後のシート抵抗を低下させて、且つ、レジストを除去することができる。
【0117】
レジスト除去S28bの後は、図11Cのようになる。その後、SPMにシリコン基板31の一主面を曝して洗浄S25bを行う。このとき、図11Cに示す不純物導入層33も、SPMに曝される。ガス・ラジカルモードS23bでプラズマドーピングS23を行い、SPMを用いた場合、ボロンがシリコン基板31の外部に喰われたり或いは外方拡散によって失われることは少ないので、SPMを用いることがより望ましい。
【0118】
図14のプロセスフローを施した後のシート抵抗と、レジストパターニングS27とレジスト除去S28b、洗浄S25bを省いた場合のシート抵抗は同等であった。図14のプロセスフローを採用することで、レジストは除去して、且つ、ボロンはシリコン基板31の一主面及びその内部に所定の不純物量を残存させることができる。なお、レジスト除去S28bと洗浄S25bを同じ溶液を用いて同時に1つの工程として行うこともできる。
【0119】
(実施例5)
図15A-図15Cは、プラズマドーピングS23でシリコン基板31に導入したボロンが酸素プラズマやSPM洗浄をすることで熱処理(アニール)後の工程までシリコンから除去されずに残るメカニズムについて説明するための図である。
【0120】
図15Aはボロン36を、デポジション,プラズマドーピング又はイオン注入などで、シリコン基板31の一主面に導入した直後の状態を模式的に示した図である。図15Bはたとえば、図14に示した洗浄S25bを行った直後、また、図15Cはたとえば図14に示した熱処理S26を行った直後のボロン36のふるまいを模式的に示した図である。
【0121】
また、図15A-図15CでSPMと酸素プラズマの段は実施例であり、HFとAPMの段は比較例である。APMは、プラズマドーピングS23のモードがイオンモードS23aの場合は実施例である。
【0122】
プラズマドーピングS23を行った後、且つ、熱処理S26の前にSPM洗浄S25bを行ったり、酸素プラズマでアッシングしたりすることで、プラズマドーピングS23で導入されたボロンのドーズロスが低減することが新しい知見である。SPM洗浄S25bと酸素プラズマによるアッシングは、シリコン基板31の一主面を酸化して、不純物導入層の表面に酸化膜29を形成する。不純物導入層の表面に付着したり、堆積したりしているボロン36は、SPM洗浄S25bや酸素プラズマ照射時にシリコン基板31の外部に飛んで失われるのではなく、酸化膜29に取り込まれる。
【0123】
再度、図15A-図15Cを参照する。SPMと酸素プラズマでは、シリコン基板31の一主面に付着した、またシリコン基板31の内部に導入したボロン36がSPMや酸素プラズマで形成した酸化膜29に取り込まれ、アニール時にもシリコン基板31の外部に外方拡散で失われることを保護する。一方、HFとAPMでは、洗浄時にシリコン基板31をエッチングする。そして、シリコン基板31の一主面に付着したボロン36を洗い流してしまう。なお、APMでは、酸化膜29も同時に形成するので、ボロン36のドーズロスに果たす役割は、HFとSPMの中間となる。
【0124】
図16は、上記のメカニズムを説明する実験結果である。前記典型的なイオンモードS23aで、バイアス電圧100VでプラズマドーピングS23を行った後、10分間のSPM(H2SO4:H22=4:1、80℃)洗浄を行った。その後、超純水で1%に希釈したHFで5分間洗浄した。
【0125】
そして、ハロゲンランプを用いて1100℃,3分間で熱処理S26を行った後、シート抵抗を測定した。SPM洗浄S25bの後にHF洗浄を行わずに熱処理S26を行ったものと、HF洗浄を行ったものを比較すると、HF洗浄を行った場合の方が大幅にシート抵抗は低下した。
【0126】
これは、SPM洗浄S25bの後に、図15A-図15Cに示した酸化膜29に取り込まれたボロン36が、HF洗浄で取り除かれた結果であると考えられる。一方、本発明例の一実施の形態であるプラズマドーピングS23の後にSPM洗浄S25bを行い、その後熱処理S26を行った場合には、ボロン36が酸化膜29で保護され、シリコン基板31の外部に喰われたり、外方拡散などにより失うことはないので、SPM洗浄S25bを行わない場合よりもシート抵抗は低下した。
【0127】
上記のことから、シリコン基板31に導入したボロン36のアッシング,洗浄,熱処理にわたる全工程でのドーズロスを最小に抑えるためには、プラズマドーピングS23を行った後、熱処理S26の前にシリコン基板31の一主面に酸化膜29を形成することが効果的であることを見出した。酸化膜29の形成は、酸素プラズマを照射する方法,SPM溶液をシリコン基板31に接触させる方法,CVDで酸化膜をつける方法、イオンプレーティングで酸化膜をつける方法がある。
【0128】
(実施例6)
図17は実施例6に係り、洗浄処理時間に対するシート抵抗の変化を示した特性図である。
【0129】
実施例6では、APM洗浄がボロンのドーズロスに及ぼす影響を説明する。
【0130】
プラズマドーピングS23を行った後、プロセスチャンバー15からシリコン基板13(31)を取り出した。なお、プラズマドーピングS23は、前記典型的なイオンモードS23aと、前記典型的なガス・ラジカルモード23bの2種類で行った。バイアス電圧は、60V,100Vとした。プラズマドーピングS23を行った後のシリコン基板31を80℃でAPM洗浄S25aを行った。APMは、NH4OHとH22とH2Oを1対1対5の割合で混合した溶液を用いた。洗浄後のシリコン基板31は、超純水ですすぎ、乾燥させた。また、比較のためにAMP洗浄を行わずに熱処理した場合も実験した。熱処理は、ハロゲンランプを用いて1100℃,3分間で行った。
【0131】
図17A及び図17Bは、APMを用いた洗浄処理時間によるシート抵抗の変化を示す特性図である。図17Aは、前記典型的なイオンモードS23aのプラズマドーピングS23でボロンを導入した場合である。図17Bは、前記典型的なガス・ラジカルモード23bのプラズマドーピングS23でボロンを導入した場合である。縦軸は、それぞれプラズマドーピングS23でボロンをドーピングしたシリコン基板を熱処理したときのシート抵抗Rs(0)と、熱処理前にAPMに接触させて洗浄した後に熱処理したときのシート抵抗Rs(t)との比である。横軸は、それぞれAPMに接触させて洗浄した時間であり、10分以下の範囲で洗浄する時間を変えた。
【0132】
イオンモードS23aでプラズマドーピングS23を行った場合は、APM洗浄でもボロンのドーズロスは小さいことがわかった。これは、シリコン基板31の一主面に付着するボロン36の量がシリコン基板31の内部に導入されるボロン36の量と比較して少ないためであると考えられる。
【0133】
一方、比較例の一形態であるガス・ラジカルモード23bのプラズマドーピングS23を行った後にAPM洗浄を行った場合は、ボロン36のドーズロスが大きく、シート抵抗が大幅に低下した。
(イオンモードS23aとガス・ラジカルモード23bとの違いについて)
イオンモードS23aとガス・ラジカルモード23bのプラズマドーピングS23の違いについて、さらに詳しく説明する。イオンモードS23aでは、B26ガスをヘリウムガスで極度に希釈したプラズマを用いる。
【0134】
一方、ガス・ラジカルモード23bでは、B26ガスの濃度が高いプラズマを用いる。イオンモードS23aではボロン36のドーピングと同時にアモルファス化が起き、ガスやラジカル成分のボロンがシリコン基板31の一主面に付着せずに、シリコン基板31の内部に浸透する。一方、ガス・ラジカルモード23bではアモルファス化が十分に進行せず、ボロン36がシリコン基板31の一主面に付着し易い。イオンモードS23aとガス・ラジカルモード23bの違いは、プラズマドーピングS23を行った後のシリコン基板31の一主面のアモルファス層の光吸収係数を比較することで区別できることについて詳しく説明する。
【0135】
図1に示した真空チャンバー15内で、被処理物としてのシリコン基板13(31)にプラズマを照射した。プラズマ源は、ヘリコン波プラズマ源を用いた。用いたガスは、ヘリウムガスとジボランガスの混合ガスである。混合比は、ヘリウムガス濃度95%でジボランガス濃度5%から、ヘリウムガス濃度99.975%でジボランガス濃度0.025%の範囲で変化させた。
【0136】
最初に、シリコン基板13(31)にプラズマを照射した。プラズマ照射条件は、高周波電源1のソースパワー1500W,圧力0.9Pa,プラズマ照射時間7秒とした。バイアス電圧は60Vで行った。その後、プラズマ照射を止めて、真空チャンバー15内部を真空に吸引し、窒素ガスでパージをしてシリコン基板13(31)を真空チャンバー15から取り出した。
【0137】
全てのサンプルについて、エリプソメトリーで測定し、アモルファス層の厚さと波長530nmの光に対する光吸収係数を測定した。さらに、SIMSでボロンのドーズ量を測定した。
【0138】
図18は、B26混合ガスに占めるB26ガスの割合を変化させてプラズマドーピングS23を行った場合のB26ガス濃度とシリコン基板31の表面の530nmの波長の光に対する光吸収係数の関係である。光吸収係数は、Heガスだけのプラズマでアモルファス化した場合が最大であった。
【0139】
また、B26とHeのガス濃度がB26/Heで0.025%/99.975%から0.1%/99.9%の範囲では光吸収係数は余り変化しなかった。ところが、B26ガス濃度を0.1%よりも増加させると、B26ガス濃度の増加に従って光吸収係数は低下した。例えば、B26/Heガス濃度が5%/95%で試作したアモルファス層の光吸収係数は、B26/Heガス濃度が0.1%/99.9%のときの55%の水準であり、Heが100%のときと比べると46%の水準まで低下した。ただし、B26/Heガス濃度5%/95%でプラズマドーピングした場合でも、c-Siと比較すると6.3倍の光吸収係数を持つ。
【0140】
図19は、B26/Heガス濃度を変化させてプラズマドーピングしたときのアモルファス層の厚さの変化を示す。基本的に、Heが100%でアモルファス化した場合と同じ水準の厚さのアモルファス層が形成されることを知見した。
【0141】
ただし、より詳細には、ガス濃度が0.1%/99.9%のときに最も厚いアモルファス層が形成され、それよりB26ガス濃度が高くなっても、低くなってもアモルファス層の厚さは低下する傾向にある。つまり、アモルファス化とプラズマドーピングを同時に行いたい場合には、B26/Heガス濃度は0.05%/99.95%から0.1%/99.9%にすることが最も望ましい。
【0142】
26ガス濃度を0.1%よりも増加させたときに、アモルファス層の厚さが同じであるにも係らず、光吸収係数が低下する原因は、アモルファスの度合が低下しているためと考えられる。つまり、B26ガス濃度が低く、ヘリウムガス濃度が高い方がより結晶がばらばらになる度合が高くなる。光吸収係数の高いアモルファス層を形成するためには、B26ガス濃度は0.1%以下、ヘリウムガス濃度は99.9%以上であることがより望ましい。
【0143】
光吸収係数が高いアモルファス層は、アモルファスの度合い高く、ガス・ラジカルのボロンをアモルファス層に浸透し易い。一方、光吸収係数が低いアモルファス層は、アモルファスの度合いが十分ではなく、結晶シリコンに近い。よって、ガス・ラジカルのボロンを浸透しにくく、表面に付着する割合が高くなる。
【0144】
前記典型的なイオンモードS23aのプラズマドーピングS23では、B26濃度は0.025%であり、図18で530nmの光に対する光吸収係数は1.35E5cm-1を示す。B26濃度を0.025%よりも低くしても1.3E5cm-1よりも光吸収係数が小さくなることはなかった。また、1.5E5cm-1よりも高くなることもなかった。
【0145】
一方、前記典型的なガス・ラジカルモード23bのプラズマドーピングS23では、B26濃度は5%であり、典型的なイオンモードS23aと比べて200倍も濃度が高い。図18に示すように、B26濃度を0.1%から高くしてガス・ラジカルモード23bに近づけていくことで、光吸収係数は低下する。そして、B26濃度が5%では、光吸収係数は7.5E4cm-1まで低下した。
【0146】
なお、前記典型的なガス・ラジカルモード23bでは、さらに高周波電源1のソースパワーを1000Wに低減し、圧力も2.5Paに上げている。しかし、バイアス電圧60V,プラズマドーピング7秒とした前記典型的なガス・ラジカルモード23bでプラズマドーピングS23を行った場合の光吸収係数は8.4E4cm-1であり、図18のB26濃度が5%の場合と同水準であった。また、B26濃度を5%よりも高くしても、光吸収係数は大幅に低下せず、6E4cm-1でその低下が飽和した。
【0147】
以上のことから、イオンモードS23aとガス・ラジカルモード23bの境界は530nmの光に対する光吸収係数が1.3E5cm-1と6E4cm-1の間にあることが分かった。そして、B26濃度の変化に対する光吸収係数の変化が連続的であることから、その境界は光吸収係数が1.3E5cm-1と6E4cm-1の中央である9.5E4cm-1となるB26濃度であることが分かった。このB26濃度は、図18から0.7%と読み取れる。すなわち、B26濃度が0.7%以下はイオンモードS23aであり、0.7%より高いとガス・ラジカルモード23bである。
【0148】
(実施例7)
図20は本発明の実施例7に係る。プラズマドーピングS23の後に酸化膜形成S29の工程を有することで他の実施例とは相違する。他の工程は他の実施例とほぼ同じである。
【0149】
本発明では、不純物導入と熱処理の間に不純物をシリコン基板31の外部に逃げ出さないような保護膜を酸化膜29で形成することが重要であることはすでに説明した。
【0150】
図20は、酸化膜形成S29の工程の後に、レジスト除去,洗浄S30から選ばれる1つ、或いは複数の工程を行うものとする。なお、酸化膜形成S29の工程はレジスト除去、洗浄S30から選ばれる1つ、或いは複数の工程と同時に行っても良い。CVDやイオンプレーティングなどで酸化膜をつけても良い。その後、熱処理S26を行う。こうすることで、プラズマドーピングS23で導入したボロン36のドーズロスを低減できる。
【0151】
他の工程たとえば、シリコン基板31を用意する工程S31,レジストパターニングを行う工程S27,熱処理S26などは他の実施例で用いたものと同じであるので詳細な説明は省略する。
【0152】
(実施例8)
図21は実施例8のプロセスフローを示す。実施例8では、不純物導入は低エネルギーイオン注入,ガスドーピングから選ばれる方法を用いても良い。不純物導入の前にプラズマ照射アモルファス化S22を行う。低エネルギーイオン注入の場合には、プラズマ照射アモルファス化S22を行うことでチャネリング効果を低減でき、ボロンをより浅く導入できるので望ましい。
【0153】
ガスドーピングの場合には、プラズマ照射アモルファス化S22を行うことでガスに含まれるボロンがシリコン基板31の内部に浸透しやすくなるので望ましい。なお、ガスドーピングとは、プロセスチャンバー15内でシリコン基板13(31)にプラズマ照射アモルファス化S22を行った後、プラズマ照射を止め、その後、ジボランなどのボロンを含むガスをプロセスチャンバー15の内部に導入する不純物導入方法である。
【0154】
アモルファス層にガスが浸透することを利用するものであり、非常に低エネルギーの不純物導入が可能となる。
【0155】
図21を参照すると、シリコン基板31を用意した後(S31)、レジストパターニングS27を行い、その後、プラズマ照射アモルファス化S22を行って、開口部32から露出しているシリコン基板31の一主面をアモルファス化する。こうした一連の処理は他の実施例とほぼ同じである。その後、低エネルギーイオン注入,ガスドーピングから選ばれる方法を用いてシリコン基板31に不純物を導入する。
【0156】
そして、不純物導入後に酸化膜29を形成する工程を有する。酸化膜29を形成する工程の後に、レジスト除去、洗浄S32から選ばれる1つ、或いは複数の工程を行うものとする。なお、酸化膜形成S29はレジスト除去、洗浄S30から選ばれる1つ、或いは複数の工程と同時に行っても良い。その後、熱処理S26を行う。このような一連の処理を施すことで、低エネルギーで導入したボロンのドーズロスを低減することができる。
(同様の効果を得る方法、事例)
全ての実施の形態でプラズマドーピングの前のアモルファス化S22は、前にも述べたがプラズマを照射する代わりにイオン注入で行っても良い。例えば、Ge,Siのイオンをイオン注入してアモルファス化しても良い。或いは、希ガスのイオンをイオン注入しても良い。さらには、イオンシャワーを用いても同様の効果を期待できる。イオンシャワーでは、プラズマ発生室とメッシュとシリコン基板を載置する台を有する装置を用いる。メッシュは、プラズマとシリコン基板の間に配置され、メッシュに所望の電位を印加できる。この方法によれば、所定の電位としたメッシュを介してプラズマをシリコン基板表面に照射することにより、イオンシャワーと呼ばれるいわゆる分散したイオン照射がなされ、効率よくアモルファス化を実現することができる。この方法ではイオンの質量分離を行わないので、シリコン基板表面に照射されるイオンビーム電流量は、プラズマに直接曝すプラズマドーピングに比べれば小さいが、イオン注入と比較すると桁違いに大きい。そのため、比較的原子量の小さい軽元素でも効率良くアモルファス化できる。例えばヘリウムや水素などの最も原子量の小さい元素でもアモルファス化できる可能性が期待できる。
【0157】
また、図7,図8,図9A,図9B,図16,図17A,図17B,図22A及び図22Bではアニール(熱処理)はハロゲンランプで1100℃,3分間のアニールを行った結果を示したが、1075℃のspikeRTAを用いてもドーズロスの割合に関しては1100℃,3分間のアニールと同様の結果を得た。
【0158】
また、全ての実施例でイオンモードS23aのプラズマドーピングS23は、イオンシャワーと置き換えても同様の効果を得る。ここでのイオンシャワーは、前記アモルファス化に用いるものと基本的に同様のもので、プラズマに所望の不純物粒子を含ませておくことが異なる。つまり、ボロンなどの所望の不純物を含むプラズマを、メッシュを介して、シリコン基板表面に導き所望の粒子を含むイオンを照射する方法である。イオンの質量分離を行わないので、固体基体に照射される所望の粒子を含むイオンビーム電流量は、プラズマに直接曝すプラズマドーピングに比べれば小さいが、イオン注入と比較すると桁違いに大きいので、効率良く不純物の導入ができる。イオンシャワーの不純物導入の原理から、主に低エネルギーのイオンが主体として導入されるイオンモードS23aのプラズマドーピングS23と同様の効果を得ることが期待できる。
【0159】
低エネルギーイオン注入は、ガスクラスターイオンビーム、分子イオンビームによるイオン注入も含む。ガスクラスターイオンビームによるイオン注入とは、例えばアルゴンガスとB26ガスの混合ガスから、アルゴンとボロンが緩やかに結合した質量の大きなガスクラスターをつくり、それをイオン化して電磁場によって加速、輸送し、シリコン基板に照射するものである。ガスクラスターは、シリコン基板の表面で緩やかな結合が解けてばらばらになり、加速エネルギーはガスクラスターの各分子に配分される。
【0160】
よって、実際上、1つのボロンの加速エネルギーは非常に小さくなる。例えば、アルゴンをn個とボロンをm個含むガスクラスターを用いて、一価にイオン化し、10kVの電圧で加速した場合、1個のボロンが有する加速エネルギーは10/(n+m)keVとなる。例えばn=100、m=2となるようにガスクラスターをつくった場合には、1個のボロンが有する加速エネルギーは約100eV相当の低エネルギーとなる。分子イオンビームによるイオン注入とは、例えばデカボリンのイオンであるB10Hx+を加速する。この場合もシリコン基板表面で分子がばらばらになるので、1つのボロン当たりの加速エネルギーは小さくなる。例えば、加速電圧を5kVとすると1つのボロンは約500eVの低エネルギーで注入されたことに相当する。
【0161】
このように、ガスクラスターイオンビーム、分子イオンビームによるイオン注入は、クラスターイオンや分子イオンに与えるエネルギーはkV以上と比較的高いが、ボロンなどの所望の粒子が有する実効的なエネルギーは小さいので、浅い注入となる。これらを用いて、粒子を導入後、熱処理を施す前の、粒子の原子濃度が1E18 atoms/cm3となる深さが15nm以下、特に10nm以下になるような低エネルギーで導入した場合には、ドリフトモードのボロンの場合と同様に本発明で記載した課題が発現し、本実施例により解決できることが容易に推測できる。
【0162】
(比較例)
次に、比較例について説明する。
【0163】
プラズマドーピングS23を行った後、プロセスチャンバー15からシリコン基板13(31)を取り出した。なお、プラズマドーピングS23は、前記典型的なイオンモードS23aと、前記典型的なガス・ラジカルモード23bの2種類で行った。プラズマドーピングS23を行った後のシリコン基板13(31)を室温でHF洗浄を行った。フッ酸は濃度が1%のものを用いた。洗浄後のシリコン基板13(31)は、超純水ですすぎ、乾燥させた。また、比較のためにHF洗浄を行わずに熱処理した場合も実験してみた。熱処理は、ハロゲンランプを用いて1100℃,3分間で行った。
【0164】
図22Aと図22Bは、HFを用いた洗浄時間とシート抵抗との関係を示す特性図である。図22Aは、前記典型的なイオンモードS23aのプラズマドーピングS23でボロンを導入した場合である。図22Bは、前記典型的なガス・ラジカルモード23bのプラズマドーピングS23でボロンを導入した場合である。縦軸は、プラズマドーピングS23でボロンをドーピングしたシリコン基板13(13)を熱処理したときのシート抵抗Rs (0)と、熱処理前にHFに接触させて洗浄した後に熱処理したときのシート抵抗Rs(t)の比である。横軸は、HFに接触させて洗浄した時間であり、10分以下の範囲で洗浄する時間を変えた。
【0165】
横軸は、フッ酸に接触させて洗浄した時間であり、10分以下の範囲で洗浄する時間を変えた。また、フッ酸は濃度が1%のものを用いた。バイアスによる加速電圧をプラズマポテンシャル,60V,100V,200Vと変えた。
【0166】
図22A,図22Bから明らかなように、ドーピングの加速電圧に依存せずに、洗浄を施すことに(Rs (0)/Rs(t))の値が低下すること、すなわち、洗浄後のシート抵抗が上昇するということを知見した。この理由は洗浄することによって、ドーパント(不純物)がシリコン基板31から洗い流されたことが考えられる。また、シート抵抗の上昇は、洗浄時間が5分以内のいわゆる短時間の洗浄においても認められた。これらのことから、わずかな時間であってもフッ酸に接触させる工程を含む従来の洗浄のレシピは、シート抵抗の上昇の原因になる。よって、プラズマドーピングや低エネルギーイオン注入、あるいはデポジションのような表面への堆積、あるいは浅い注入でドーパントを導入した基板への洗浄方法としては、量産工程では使用が困難であった。
【産業上の利用可能性】
【0167】
以上説明してきたように、本発明によればプラズマドーピングや低エネルギーイオン注入、あるいはデポジションのような表面への堆積、あるいは浅い注入でドーパント(不純物)を導入したシリコン基板などの固体基体に対して、ドーパントの粒子を導入した後、熱処理前の基板を半導体デバイスの歩留まり維持に必要な水準に洗浄できて、且つ、導入した粒子を洗浄工程で減らすことがない基板の洗浄方法を提供することが可能となる。
【0168】
さらに、レジストパターンを固体基体の一主面に形成して所望の場所に不純物を導入でき、且つ、導入した粒子をレジスト除去工程で減らすことがない不純物の導入方法を提供することができる。
【0169】
本発明は、特に半導体、液晶などの製造工程においてプラズマドーピングやイオン注入、デポジションなどにより粒子を基板に導入した後の基板の洗浄、レジストの除去を含む不純物導入方法、装置に用いることができる。また、抵抗,コイル及びコンデンサなどのデバイスの製造方法にも採用することができるのでその産業上の利用価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明の一実施例で用いた不純物導入装置を示す図
【図2】本発明の一実施例を説明するためのプロセスフローを示す図
【図3】本発明に係るラジカルモードでプラズマドーピングした場合の二次イオン質量分析計(Secondary Ion Mass Spectrometer:以下、SIMSと呼ぶ)を用いて測定したボロンの深さ方向のSIMSプロファイルを示す図
【図4】本発明に係るイオンモードでプラズマドーピングした場合のSIMSプロファイルを示す図
【図5】本発明に係るプラズマ照射アモルファス化後ガス・ラジカルモードでプラズマドーピングした直後のSIMSプロファイルを示す図
【図6】本発明の一実施の形態に係る不純物の導入とアッシング方法がシート抵抗に与える影響を説明するための図
【図7】本発明の一実施の形態に係る洗浄方法がシート抵抗に与える影響を説明するための図
【図8】本発明に係る洗浄時間がシート抵抗に与える影響を説明するための図
【図9A】本発明の実施の形態に係るプラズマドーピング方法と洗浄方法がシート抵抗に与える影響を説明するための図
【図9B】本発明の実施の形態に係るプラズマドーピング方法と洗浄方法がシート抵抗に与える影響を説明するための図
【図10】本発明に係る被処理物の洗浄方法を用いてデバイスを製造するプロセスフローを示す図
【図11A】図10のプロセスフローによって製造されるデバイスの一断面を模式的に示す図
【図11B】図10のプロセスフローによって製造されるデバイスの一断面を模式的に示す図
【図11C】図10のプロセスフローによって製造されるデバイスの一断面を模式的に示す図
【図12】本発明に係るイオンモードでプラズマドーピングする場合のプロセスフローを示す図
【図13】本発明に係るガス・ラジカルモードでプラズマドーピングする場合のプロセスフローを示す図
【図14】本発明に係るガス・ラジカルモードでプラズマドーピングを行ない、レジスト除去と洗浄液にSPM(H2SO4:H22=4:1)を用いた場合のプロセスフローを示す図
【図15A】本発明に係るプラズマドーピングにおいてシリコン基板に導入した不純物層(ボロン導入層)が除去されることなく残存するメカニズムを説明するための図
【図15B】本発明に係るプラズマドーピングにおいてシリコン基板に導入した不純物層(ボロン導入層)が除去されることなく残存するメカニズムを説明するための図
【図15C】本発明に係るプラズマドーピングにおいてシリコン基板に導入した不純物層(ボロン導入層)が除去されることなく残存するメカニズムを説明するための図
【図16】本発明に係るSPMを用いた洗浄液がシート抵抗に与える影響と、比較例に係るフッ酸をSPM洗浄後にシリコン基板表面に接触させた場合の影響を示す図
【図17A】本発明に係るAPMを用いた洗浄液がシート抵抗に与える影響を説明するための特性図
【図17B】本発明に係るAPMを用いた洗浄液がシート抵抗に与える影響を説明するための特性図
【図18】本発明に係るジボラン(B26)のガス濃度とシリコン表面の530nmの波長の光に対する光吸収係数の関係を示す図
【図19】本発明に係るジボラン(B26)のガス濃度を変化させたときのアモルファス層の厚さを示す図
【図20】本発明に係る洗浄工程を行う前に酸化膜形成の工程を用いたプロセスフローを示す図
【図21】本発明に係るプラズマアモルファス化工程と酸化膜工程を用いたプロセスフローを示す図
【図22A】本発明の実施の形態と比較するためにフッ酸(HF)を用いたイオンモードと、ガス・プラズマプモードで処理した場合の洗浄処理時間とシート抵抗の変化をそれぞれに示す図
【図22B】本発明の実施の形態と比較するためにフッ酸(HF)を用いたイオンモードと、ガス・プラズマプモードで処理した場合の洗浄処理時間とシート抵抗の変化をそれぞれに示す図
【符号の説明】
【0171】
1 高周波電源
2,11 マッチングボックス
3 コイルおよびアンテナ
4,5 マスフローコントローラ(MFC)
6 ターボ分子ポンプ
7 コンダクタンスバルブ
8 ドライポンプ
9 サークレータ
10 電源
12 高周波電源
13,31 シリコン基板
14 下部電極
15 プロセスチャンバー
16 プラズマ照射アモルファス化用導入管
17 ジボランガス導入管
29 酸化膜
30 レジストパターン
32 開口部
33 不純物導入層
36 ボロン
S31 シリコン基板の用意
S22 プラズマ照射アモルファス化
S23 B26プラズマドーピング(プラズマドーピング)
S23a イオンモード
S23b ガス・ラジカルモード
S24 アッシング
S25 洗浄
S26 熱処理
S27 シート抵抗測定
S28 レジスト除去

Claims (63)

  1. 固体基体の一主面に不純物を導入する第1工程と、
    酸化膜を形成する第2工程と、
    アニールをする第3工程を含み、
    前記第2工程が少なくとも前記固体基体の不純物が導入された一主面上に酸化膜を形成する工程であり、
    前記第3工程が前記不純物を活性化させる工程であることを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  2. 請求項1に記載の不純物導入層の形成方法において、前記第1工程の前に固体基体の一主面上にレジストを形成する工程とレジストパターンを形成する工程を含み、前記レジストパターンは不純物を導入する所定の場所の固体基体の一主面が剥き出しになっている開口部を有することを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  3. 請求項1に記載の不純物導入層の形成方法において、前記第1工程の前に固体基体の一主面にアモルファス層を形成する工程を含み、前記第1工程がアモルファス化された前記固体基体の一主面に不純物を導入することを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  4. 請求項1に記載の不純物導入層の形成方法において、前記第2工程の後に前記レジストを除去する工程を含むことを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  5. 請求項1に記載の不純物導入層の形成方法において、前記第2工程の後に前記固体基体の一主面上の金属コンタミネーション、パーティクルを洗浄する工程を含むことを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  6. 請求項1に記載の不純物導入層の形成方法において、前記第1工程が不純物をプラズマドーピングする工程であることを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  7. 請求項1に記載の不純物導入層の形成方法において、前記第1工程が不純物をイオン注入する工程であることを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  8. 請求項1に記載の不純物導入層の形成方法において、前記第1工程が不純物をガスドーピングする工程であることを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  9. 請求項1に記載の不純物導入層の形成方法において、前記第1工程が不純物をイオンシャワーで導入することを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  10. 請求項1に記載の不純物導入層の形成方法において、前記第2工程は前記固体基体の不純物が導入された部分に酸素プラズマを照射することを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  11. 請求項1又は請求項4に記載の不純物導入層の形成方法において、前記第2工程とレジスト除去工程は、前記固体基体の不純物が導入された部分の前記レジストの表面に酸素プラズマを照射することで同時に行うことを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  12. 請求項1に記載の不純物導入層の形成方法において、前記第2工程が前記固体基体の不純物が導入された部分に硫酸と過酸化水素水の混合溶液を接触させることを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  13. 請求項1又は請求項4に記載の不純物導入層の形成方法において、前記第2工程とレジスト除去工程は、前記固体基体の不純物が導入された部分の一主面上のレジストの表面に硫酸と過酸化水素水の混合溶液を接触させることで同時に行うことを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  14. 固体基体の一主面上にレジストを形成する工程と、前記レジスト上にレジストパターンを形成する工程と、前記固体基体の一主面にイオンモードのプラズマドーピングで不純物を導入する工程と、前記レジストを除去する工程と、固体基体の一主面上の金属コンタミネーション、パーティクルを洗浄する工程と、アニールする工程とを有することを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  15. 請求項14に記載の不純物導入層の形成方法において、前記不純物を導入する工程の前に固体基体の一主面をアモルファス化する工程を含むことを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  16. 請求項14に記載の不純物導入層の形成方法において、前記レジストを除去する工程はレジストに酸素プラズマを照射することを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  17. 請求項14に記載の不純物導入層の形成方法において、前記レジストを除去する工程はレジストに硫酸と過酸化水素水の混合溶液、又はNHOHとHとHOの混合溶液を接触させることを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  18. 請求項14に記載の不純物導入層の形成方法において、前記洗浄する工程は固体基体の一主面に硫酸と過酸化水素水の混合溶液、又はNHOHとHとHOの混合溶液を接触させることを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  19. 請求項14に記載の不純物導入層の形成方法において、前記レジストを除去する工程と前記洗浄する工程は前記レジストと固体基体の一主面に硫酸と過酸化水素水の混合溶液、又はNHOHとHとHOの混合溶液を接触させることで同時に行うことを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  20. 固体基体の一主面上にレジストを形成する工程と、レジストパターンを形成する工程と、前記固体基体の一主面をアモルファス化する工程と、固体基体にガス・ラジカルモードのプラズマドーピングで不純物を導入する工程と、前記レジストを除去する工程と、前記固体基体の一主面の金属コンタミネーション,パーティクルを洗浄する工程と、アニールする工程を有することを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  21. 請求項20に記載の不純物導入層の形成方法において、前記レジスト除去工程はレジストに酸素プラズマを照射することを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  22. 請求項20に記載の不純物導入層の形成方法において、前記洗浄する工程は固体基体表面に硫酸と過酸化水素水の混合溶液を接触させることを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  23. 固体基体の一主面上にレジストを形成する工程と、前記レジストにレジストパターンを形成する工程と、固体基体にガス・ラジカルモードのプラズマドーピングで不純物を導入する工程と、レジストを除去する工程と、固体基体表面の金属コンタミネーション、パーティクルを洗浄する工程と、アニールする工程を有することを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  24. 請求項23に記載の不純物導入層の形成方法において、前記不純物導入工程の前に固体基体表面をアモルファス化する工程を含むことを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  25. 請求項23に記載の不純物導入層の形成方法において、前記レジストを除去する工程はレジストに硫酸と過酸化水素水の混合溶液を接触させることを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  26. 請求項23に記載の不純物導入層の形成方法において、前記洗浄する工程は前記固体基体の一主面に硫酸と過酸化水素水の混合溶液を接触させることを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  27. 請求項23に記載の不純物導入層の形成方法において、前記レジストを除去する工程と前記洗浄する工程は前記レジストと固体基体の一主面に硫酸と過酸化水素水の混合溶液を接触させることで同時に行うことを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  28. 固体基体の一主面上にレジストを形成する工程と、前記レジストにレジストパターンを形成する工程と、固体基体表面にプラズマを照射してアモルファス層を形成する工程と、固体基体にイオン注入で不純物を導入する工程と、少なくとも前記固体基体の不純物が導入された部分の表面に酸化膜を形成する工程と、レジストを除去する工程と、固体基体表面の金属コンタミネーション、パーティクルを洗浄する工程と、アニールする工程を少なくとも有することを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  29. 固体基体の一主面上にレジストを形成する工程と、前記レジストにレジストパターンを形成する工程と、前記固体基体の一主面をアモルファス化する工程と、前記固体基体の一主面にガスドーピングで不純物を導入する工程と、少なくとも前記固体基体の一主面で不純物が導入された部分の表面に酸化膜を形成する工程と、前記レジストを除去する工程と、前記固体基体の一主面の金属コンタミネーション、パーティクルを洗浄する工程と、アニールする工程とを有することを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  30. 請求項28又は請求項29に記載の不純物導入層の形成方法において、前記酸化膜を形成する工程とレジストを除去する工程と洗浄する工程のうちの少なくとも2つが同時に行われることを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  31. 請求項28又は請求項29に記載の不純物導入層の形成方法において、前記酸化膜を形成する工程と前記洗浄する工程は前記固体基体の一主面に硫酸と過酸化水素水の混合溶液を接触させることで同時に行うことを特徴とする不純物層の形成方法。
  32. 請求項28又は請求項29に記載の不純物導入層の形成方法において、前記酸化膜を形成する工程と前記洗浄する工程は前記固体基体の一主面にNHOHとHとHOの混合溶液を接触させることで同時に行うことを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  33. 請求項28又は請求項29に記載の不純物導入層の形成方法において、前記酸化膜を形成する工程とレジストを除去する工程は酸素プラズマを照射して同時に行うことを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  34. 請求項1,28又は請求項29に記載の不純物導入層の形成方法において、酸化膜を形成する工程は、CVD、又は、イオンプレーティングで不純物導入層のうえに酸化膜をつけることを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  35. 請求項3,15,20,24又は請求項29に記載の不純物導入層の形成方法において、前記アモルファス層は前記固体基体の一表面にプラズマを照射して形成することを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  36. 請求項3,15,20,24又は請求項29に記載の不純物導入層の形成方法において、前記アモルファス層は前記固体基体の一主面にイオンを注入して形成することを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  37. 請求項3,15,20,24又は請求項29に記載の不純物導入層の形成方法において、前記アモルファス層は前記固体基体の一主面にプラズマからメッシュを介してイオンを固体基体の一主面に導きイオンシャワーを照射して形成することを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  38. 請求項14に記載の不純物導入層の形成方法において、前記イオンモードのプラズマドーピングは、ボロン濃度が1E19cm−3から1E18cm−3に低下する距離で定義されるSIMSプロファイルの急峻性が3.0nm/decよりも小さいことを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  39. 請求項14に記載の不純物導入層の形成方法において、前記イオンモードのプラズマドーピングは、プラズマドーピングした後の固体基体表面の530nmの光に対する光吸収係数が9.5E4cm−1以上であることを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  40. 請求項14記載に記載の不純物導入層の形成方法において、前記イオンモードのプラズマドーピングはBとHeの混合ガスプラズマを用い、前記Bガス濃度が0.7%以下であることを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  41. 請求項20又は請求項23に記載の不純物導入層の形成方法において、前記ガス・ラジカルモードのプラズマドーピングは、ボロン濃度が1E19cm から1E18cm−3に低下する距離で定義されるSIMSプロファイルの急峻性が3.0nm/dec以上であることを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  42. 請求項20又は請求項23に記載の不純物導入層の形成方法において、前記ガス・ラジカルモードのプラズマドーピングは、プラズマドーピングした後の固体基体表面の530nmの光に対する光吸収係数が9.5E4cm−1より小さいことを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  43. 請求項20又は請求項23に記載の不純物導入層の形成方法において、前記ガス・ラジカルモードのプラズマドーピングは、BとHeの混合ガスプラズマを用い前記Bガス濃度が0.7%より高いことを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  44. 請求項20,23,41又は請求項42に記載の不純物導入層の形成方法において、ガス・ラジカルモードのプラズマドーピングは、30V以上の加速電圧で行うことを特徴とする不純物導入層の形成方法。
  45. プロセスチャンバー内壁の面積のうち、50%以上の面積を石英,シリコン,シリコンナイトライド,所望の不純物及び所望の不純物を含む窒化物又は酸化物で覆ったプラズマドーピング装置を用いて被処理物に粒子を導入し、前記被処理物に熱処理を施すにあたり、前記熱処理を施す前に前記被処理物を洗浄溶液に接触させて洗浄することを特徴とする被処理物の洗浄方法。
  46. プロセスチャンバー内壁の固体基体を載置する電極がつくる平面で切ったプラズマ発生源側の面積のうち、80%以上の面積を石英,シリコン,シリコンナイトライド,所望の不純物及び所望の不純物を含む窒化物又は酸化物で覆ったプラズマドーピング装置を用いて被処理物に粒子を導入し、前記被処理物に熱処理を施すにあたり、前記熱処理を施す前に前記被処理物を洗浄溶液に接触させて洗浄することを特徴とする被処理物の洗浄方法。
  47. 請求項45又は請求項46に記載の被処理物の洗浄方法において、粒子を導入した後の被処理物のFe,Cr,Ni,Cu,Na,Ca,K,Mgの汚染レベルが1E10atoms/cm以下である前記被処理物に熱処理を施すにあたり、前記熱処理を施す前に前記被処理物を洗浄溶液に接触させて洗浄することを特徴とする被処理物の洗浄方法。
  48. 請求項45又は請求項46に記載の被処理物の洗浄方法において、粒子を導入した後の被処理物のアルミニウムの汚染レベルが1E10atoms/cm以下である前記被処理物に熱処理を施すにあたり、前記熱処理を施す前に前記被処理物を洗浄溶液に接触させて洗浄することを特徴とする被処理物の洗浄方法。
  49. 被処理物に、粒子を導入後、熱処理を施す前の、粒子の原子濃度が1E18atoms/cmとなる深さが15nm以下になるエネルギーで導入した後に熱処理及び洗浄を施すにあたり、前記熱処理を施す前に、硫酸と過酸化水素水の混合溶液に前記被処理物を接触させて洗浄することを特徴とする被処理物の洗浄方法。
  50. 請求項49に記載の被処理物の洗浄方法において、前記、粒子の原子濃度が1E18atoms/cmとなる深さが10nm以下になるエネルギーで導入したことを特徴とする被処理物の洗浄方法。
  51. 請求項49に記載の被処理物の洗浄方法おいて、ドリフトモードで加速したボロンの低エネルギーイオン注入で、30V以上で500V以下の加速電圧でボロンを導入した後に熱処理及び洗浄を施すにあたり、前記熱処理を施す前に、硫酸と過酸化水素水の混合溶液に前記被処理物を接触させて洗浄することを特徴とする被処理物の洗浄方法。
  52. 請求項50に記載の被処理物の洗浄方法において、ドリフトモードで加速したボロンの低エネルギーイオン注入で、30V以上で200V以下の加速電圧でボロンを導入した後に熱処理及び洗浄を施すにあたり、前記熱処理を施す前に、硫酸と過酸化水素水の混合溶液に前記被処理物を接触させて洗浄することを特徴とする被処理物の洗浄方法。
  53. 請求項45又は請求項49に記載被処理物の洗浄方法において、固体基体又は被処理物の洗浄はフッ酸に接触することなしに行うことを特徴とする被処理物の洗浄方法。
  54. 請求項45又は請求項53に記載の被処理物の洗浄方法において、固体基体又は被処理物が半導体基板であることを特徴とする被処理物の洗浄方法。
  55. レジストのパターンが形成された固体基体の一主面にプラズマを照射してアモルファス層を形成する第1装置と、前記固体基体の一主面に所定の粒子を導入する第2装置と、前記固体基体の一主面と前記レジストに酸素プラズマを照射して前記固体基体の一主面に酸化膜を形成すると同時に前記レジストを除去する第3装置と、前記固体基体の一主面に溶液を接触させて前記固体基体の表面を洗浄する第4装置とを有することを特徴とする不純物導入装置。
  56. レジストが形成された固体基体の一表面にプラズマを照射してアモルファス層を形成する第1装置と、前記固体基体の一主面に所定の粒子を導入する第2装置と、前記固体基体の一主面と前記レジストに溶液を接触させて前記固体基体の一主面に酸化膜を形成すると同時に前記レジストを除去する第3装置と、前記固体基体の一主面に溶液を接触させて前記固体基体の一主面を洗浄する第4装置を有することを特徴とする不純物導入装置。
  57. 請求項55又は請求項56に記載の不純物導入装置において、前記溶液は硫酸と過酸化水素水の混合溶液であることを特徴とする不純物導入装置。
  58. 請求項55又は請求項56に記載の不純物導入装置において、前記溶液はNHOHとHとHOの混合溶液であることを特徴とする不純物導入装置。
  59. 請求項55又は請求項56に記載の不純物導入装置において、前記第1装置,第2装置,第3装置及び第4装置から選ばれる2以上の装置が組合わされるか、又は一体化された装置であり、前記2以上の装置のうちの少なくとも1つは前記第3装置又は第4装置であることを特徴とする不純物導入装置。
  60. 請求項1から請求項44までのいずれか1項に記載の不純物導入層の形成方法がデバイスの製造工程に用いられていることを特徴とするデバイスの製造方法。
  61. 請求項45から請求項54までのいずれか1項に記載の被処理物の洗浄方法がデバイスの製造工程に用いられていることを特徴とするデバイスの製造方法。
  62. 請求項55から請求項59までのいずれか1項に記載の不純物導入装置がデバイスの製造工程に用いられていることを特徴とするデバイスの製造方法。
  63. 請求項60から請求項62までのいずれか1項で製造されるデバイスが半導体,液晶,バイオチップ,抵抗,コイル及びコンデンサの中から選ばれていることを特徴とするデバイスの製造方法。
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