JPWO2005019437A1 - 脂質生産菌の育種方法 - Google Patents

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Abstract

抗生物質によらず、モルティエレラ属に属する脂質生産菌の育種を有効かつ効率的に行うことができる育種方法を提供する。 モルティエレラ(Mortierella)属に属する脂質生産菌の栄養要求性株、例えばウラシル要求性株を宿主とし、形質転換工程を行う。具体的には、マーカー遺伝子としてこの栄養要求性を相補する遺伝子を用いて、当該マーカー遺伝子を宿主に導入する(遺伝子導入段階)。その後、上記宿主の栄養要求性の回復をマーカーとして形質転換株を選抜する(選抜段階)。上記脂質生産菌としては、例えばモルティエレラ アルピナ(M.alpina)を挙げることができる。

Description

本発明は、脂質生産菌の育種方法に関するものであり、特に、モルティエレラ(Mortierella)属に属する脂質生産菌において、抗生物質による選抜を用いずに形質転換による育種を行う方法に関するものである。
従来から、微生物の代謝により有用な化合物を生産させる技術(広義の醗酵技術)が開発、実用化されている。具体的には、例えば、代謝によって脂質を大量に生産する能力を有する脂質生産菌を挙げることができる。代表的な脂質生産菌としては、Mortierella alpina(モルティエレラ アルピナ)等のモルティエレラ属の菌類を挙げることができる。モルティエレラ属の菌類は、アラキドン酸をはじめとする高度不飽和脂肪酸(PUFA)を生産することが知られており、工業的に特に有用な菌類である(例えば、特公平7−34752(公告日:平成7(1995)年4月19日、公開公報:特開昭63−44891、公開日:昭和63(1988)年2月25日)参照)。
ところで、上記脂質生産菌等の微生物も含めて各種有用生物においては、育種、すなわち有用生物の遺伝的性質をより望ましい性質に改良する(品種改良する)ことがなされている。特に醗酵技術では、微生物による化合物の生産効率を向上し、当該化合物の製造コストを低減する等の観点から、育種は非常に重要なものとなっている。
育種方法は、基本的には、遺伝的変異を含む集団を作出する工程(便宜上、集団作出工程と称する)と、当該集団からより望ましい性質を示す品種を選抜する工程(便宜上、選抜工程と称する)とからなっている。集団作出工程も選抜工程も育種しようとする有用生物の種類に応じて様々な方法を用いることができるが、上記脂質生産菌等の微生物では、集団作出工程において、主として(1)変異処理による方法と(2)形質転換による方法とが利用される。
(1)変異処理による方法
変異処理により集団作出工程を行う場合、様々な手法で微生物に突然変異を生じさせて集団を作出するが、突然変異そのものは無作為に多くの種類が生じることになる。そのため、その後の選抜工程にて、目的の形質を示す品種(株)を取得できたとしても、目的の形質に関わる遺伝子以外の他の遺伝子に予想外の損傷が生じている可能性が否めない。例えば、上記脂質生産菌の場合では、生産される脂質の種類に変化が生じても、増殖や胞子形成能などが悪くなること等があり得る。したがって、変異処理による集団作出工程では、必ずしも生産性のよい株を得ることができるとは限らない。
さらに、この方法では、上記のように、得られる集団を形成する個体には、無作為に多くの種類の突然変異が生じていることになる。それゆえ、その後の選抜工程において、目的の性質を示す突然変異体(株)を得るために、適切な選抜方法(スクリーニング方法)がない場合には、上記集団を形成する個体全てについて突然変異の種類を調べる必要があり、膨大な労力を必要とする。
(2)形質転換による方法
これに対して、形質転換により集団作出工程を行う場合、育種しようとする有用生物を宿主として、目的の性質を獲得するために必要なDNA断片を導入(形質転換)することにより形質転換体の集団を得る。すなわち、目的に合わせた特定の遺伝子のみを発現制御した集団を作出することになる。そのため、その後の選抜工程では、得られた形質転換体の中からより望ましい品種(株)のみを選抜すればよいことになるので、スクリーニングが容易になるだけでなく、上記他の遺伝子に予想外の損傷が生じることも回避できる。したがって、育種にかける労力を著しく低減することができる。
このように、育種における集団作出工程では、形質転換による方法が好ましく用いられている。例えば、モルティエレラ属の菌類が属する糸状菌の形質転換方法については、多くの技術が報告されている。
具体的には、(a)下記文献1〜3等には、Aspergillus nidulansやNeurospora crassa等の糸状菌をパーティクルデリバリー法により形質転換する技術が開示されている。これら技術では、形質転換する宿主株としてウラシル要求性株を用いるとともに、それを相補する遺伝子をマーカー遺伝子として用い、形質転換株を選択している。
また、(b)上記M.alpinaの形質転換方法としては、下記文献4に開示されている技術が知られている。この技術では、胞子をプロトプラスト化し、エレクトロポレーション法によって遺伝子を細胞内に導入している。また、形質転換体のスクリーニングには、マーカー遺伝子として大腸菌由来のハイグロマイシンB耐性遺伝子(hpt)を用いている。これにより、ハイグロマイシン含有培地で生育できるものを形質転換体として選択することができる。
[文献1]Fungaro M.H.et al.Fems microbial Lett.,25,293−297,1995
[文献2]Herzog R.W.et al.Appl.Microbiol.Biotechnol.,45,333−337,1996
[文献3]Armaleo,D.et al.Curr.Genet.,17,97−103,1990
[文献4]Mackenzie D.A.et al.Appl.Environ.Microbiol.,66,4655−4661,2000
しかしながら、上述した形質転換を利用した技術では、PUFAを生産する脂質生産菌の育種を有効かつ効率的に行うことが困難であるという課題を生じている。
具体的には、上記(a)糸状菌をパーティクルデリバリー法により形質転換する技術を用いる場合、形質転換の対象となる上記A.nidulansやN.crassa等の糸状菌類は、脂質生産性が低いため、PUFA等の脂質を工業的に生産させる用途には適していない。
これに対して、上記(b)文献4に開示されている技術では、工業的にも利用可能な脂質生産菌として知られているM.alpinaを形質転換する技術である。そのため、上記(a)の技術に比べると工業的には優れていると考えられる。
ところが、M.alpinaに代表されるモルティエレラ属の菌類は全てハイグロマイシン感受性ではない。したがって、この技術を用いて育種を行う場合、宿主となるモルティエレラ属の菌がハイグロマイシン耐性である場合、ハイグロマイシン耐性をマーカーとして用いることができない。
PUFAの多くは必須脂肪酸であり、生体内で複雑な生理機能に関与するため、近年重要な栄養素として注目されている。それゆえ、より一層効率的にPUFAを生産する醗酵技術が求められているが、そのためには、脂質生産菌として信頼性の高いモルティエレラ属の菌類を効率的かつ有効に育種する技術が必要となる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、抗生物質によらず、モルティエレラ属に属する脂質生産菌の育種を有効かつ効率的に行うことができる育種方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、脂質生産菌であるモルティエレラ属の菌類の栄養要求性株を取得し、それを相補する遺伝子をマーカー遺伝子として形質転換できる系を確立できれば、モルティエレラ属の菌類全ての株において、効率的かつ有効な形質転換が可能となるとともに、この系を利用すれば、セルフクローニングも可能となり、育種をより一層効率的かつ有効に行い得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明にかかる脂質生産菌の育種方法は、モルティエレラ(Mortierella)属に属する脂質生産菌の育種方法であって、上記脂質生産菌の栄養要求性株を宿主とし、マーカー遺伝子として上記栄養要求性を相補する遺伝子を用いて、当該マーカー遺伝子を宿主に導入する遺伝子導入段階と、上記宿主の栄養要求性の回復をマーカーとして形質転換株を選抜する選抜段階とを有する形質転換工程を含むことを特徴としている。
上記育種方法においては、上記脂質生産菌は、モルティエレラ アルピナ(Mortierella alpina)、モルティエレラ ハイグロフィラ(Mortierella hygrophila)またはモルティエレラ クラミドスポラ(Mortierella chlamydospora)であることが好ましく、上記栄養要求性株がウラシル要求性株であることが好ましく、上記マーカー遺伝子として、オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ遺伝子またはオロチジル酸ピロホスホリラーゼ遺伝子が用いられることが好ましい。
また、上記育種方法においては、上記遺伝子導入段階では、エレクトロポレーション法、または、パーティクルデリバリー法を用いることができる。
さらに、上記育種方法においては、原種の脂質生産菌から栄養要求性株を取得する栄養要求性株取得工程を含んでいてもよい。
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるだろう。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明では、育種における遺伝的変異を含む集団を作出する工程(集団作出工程)として、栄養要求性をマーカーとした形質転換工程を実施する。具体的には、脂質生産菌であるモルティエレラ属の菌類の栄養要求性株を取得し、これを宿主として、上記栄養要求性を相補する遺伝子を導入(形質転換)する。その後、上記集団から上記宿主の栄養要求性の回復をマーカーとして形質転換株を選抜する。
以下、本発明の対象となるモルティエレラ属の菌類、本発明にかかる育種方法、およびその利用について、それぞれ詳細に説明する。
(1)モルティエレラ属の菌類
本発明にかかる育種方法の対象となるモルティエレラ属の菌類としては、特に限定されるものではなく、モルティエレラ属に分類される各種糸状菌を挙げることができる。モルティエレラ属は、MortierellaとMicromucorとの2亜属に分けられる。Mortierella亜属の菌は全て、アラキドン酸等の炭素数20の脂肪酸を生産するが、Micromucor亜属は炭素数18以下の脂肪酸しか生産しない。本発明の対象となるモルティエレラ属の菌類は上記2亜属の何れであってもよい。
モルティエレラ属の菌類としては、具体的には、M.alpina,M.elongata,M.exigua,M.hygrophila,M.isabelina,M.turficola,M.gamsii,M.cogitans,M.capitata,M.vinacea,M.chlamydospora等が知られているが、もちろんこれらに限定されるものではない。中でも、本発明では、脂質生産菌として広く用いられているM.alpina(モルティエレラ アルピナ)を好ましく用いることができる。M.alpinaは、アラキドン酸(ARA)を始めとしたPUFAを菌体内に蓄積する株が知られており、PUFAの生合成研究用だけではなくPUFAを生産する工業用にも広く用いられている。
上記M.alpinaを含むモルティエレラ属の菌類の入手方法は特に限定されるものではなく、財団法人醗酵研究所やATCC(American Type Culture Collection)等の微生物等寄託機関から入手すればよい。あるいは、特許出願されている株の場合であれば、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターから入手することができる。また、自然環境からモルティエレラ属に属する未知の株を、公知のスクリーニング方法により取得して用いてもよい。
(2)本発明にかかる脂質生産菌の育種方法
本発明にかかる育種方法は、上記集団作出工程において形質転換を用いる形質転換工程を含むものであればよいが、より好ましくは、栄養要求性株取得工程を含んでいる。もちろん他の工程を含んでいてもよい。以下、各工程について詳細に説明する。
<栄養要求性株取得工程>
栄養要求性株取得工程は、原種のモルティエレラ属の菌から栄養要求性株(栄養要求性変異株)を取得する工程であれば特に限定されるものではなく、栄養要求性株を取得するための公知の技術を用いることができる。特に、栄養要求性に関わる遺伝子が明らかであれば(例えば、全ゲノム解読による場合等)、その遺伝子を潰すことで容易に栄養要求性株を取得することが可能となるため、好ましい。
栄養要求性株の具体的な種類は特に限定されるものではなく、例えば、ロイシン、ヒスチジン、メチオニン、アルギニン、トリプトファン、リジン等のアミノ酸要求性株;ウラシル、アデニン等の核酸塩基要求性株;ビタミン要求性株;等を挙げることができる。本発明では、例えば、後述する実施例で説明するように、ウラシル要求性株を用いている。ウラシル要求性株の場合、特に、モルティエレラ属の菌においては5−フルオロオロチン酸(5−FOA)耐性というポジティブセレクションをマーカーとしてスクリーニングをかけることができるという利点がある。
したがって、栄養要求性株取得工程では、特定の栄養素を欠失した合成培地により成育できない株を取得するだけでもよいが、変異遺伝子を限定するスクリーニングをかけた上で株を取得してもよい。例えば、ウラシル要求性株の取得においては、上記5−FOAを用いてスクリーニングをかければ、URA3遺伝子またはURA5遺伝子に変異が生じたウラシル要求性株を取得することができる。同様に、リジン要求性株の取得においては、アミノアジピン酸を用いてスクリーニングをかければ、LYS2遺伝子またはLYS5遺伝子に変異が生じたリジン要求性株を取得することができる。このように、変異遺伝子を限定した栄養要求性株を取得すれば、後段の形質転換工程に用いるマーカー遺伝子を明確に特定することができるため好ましい。
<形質転換工程1・遺伝子導入段階>
形質転換工程は、上述したように、育種における集団作出工程において形質転換を用いる工程であり、遺伝子導入段階と選抜段階との二段階を少なくとも経る工程である。もちろん、必要に応じてこれら以外の段階を経てもよい。
本発明における遺伝子導入段階は、モルティエレラ属の菌類(脂質生産菌)の栄養要求性株を宿主とし、マーカー遺伝子として上記栄養要求性を相補する遺伝子を用いて、当該マーカー遺伝子を宿主に導入する段階であれば特に限定されるものではない。
上記マーカー遺伝子としては、栄養要求性株の変異(栄養要求性変異)を相補する遺伝子であれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば、ロイシン要求性株の場合にはleu2遺伝子、ヒスチジン要求性株の場合にはhis3遺伝子、リジン要求性株の場合にはlys2遺伝子、トリプトファン要求性株の場合にはtrp1遺伝子、ウラシル要求性株の場合には、ura3遺伝子またはura5遺伝子、アデニン要求性株の場合にはade2遺伝子等を挙げることができる。本発明では、例えば、後述する実施例で説明するように、宿主をウラシル要求性株として、マーカー遺伝子として、ura5遺伝子を用いている。
上記各マーカー遺伝子の取得方法も特に限定されるものではなく、公知の方法を用いて酵母等の異種の(微)生物から取得してもよいし、市販のマーカー遺伝子を利用してもよい。また、本発明では、セルフクローニングが可能であるため、宿主であるモルティエレラ属の菌からマーカー遺伝子を取得してもよい。例えば、後述する実施例では、3種の酵母におけるura5遺伝子の塩基配列を利用して、宿主であるM.alpinaからura5遺伝子を取得している。
上記遺伝子導入段階で用いられる遺伝子導入方法(形質転換方法)は特に限定されるものではなく、エレクトロポレーション法、パーティクルデリバリー法等の従来公知の方法を好適に用いることができる。モルティエレラ属の菌類では、エレクトロポレーション法を用いる場合、菌体をプロトプラスト化しておくことが好ましい。なお、上記パーティクルデリバリー法の具体的な一例としては、パーティクルガン法を挙げることができるが、もちろんこれに限定されるものではない。
上記マーカー遺伝子は、発現可能な状態となるようにモルティエレラ属の菌体内に導入されればよいため、その具体的な構成は限定されるものではない。本発明では、少なくともプロモーターをつなげてなる発現カセットが構築され、さらにこの発現カセットに染色体と組み換える領域(組換え領域と称する)がつなげられた遺伝子構築物として構築されていればよい。したがって、上記遺伝子構築物は、ベクター中に挿入された上で、上記宿主に導入されてもよいし、上記遺伝子構築物そのままで導入されてもよい。
上記遺伝子構築物に含まれるマーカー遺伝子の発現カセットは、マーカー遺伝子の上流に少なくともプロモーターが連結された構成であればよいが、さらにマーカー遺伝子の下流にターミネーターが連結された構成であることが好ましい。また、上記遺伝子構築物には、上記マーカー遺伝子の発現カセットおよび組換え領域以外に、種々の遺伝子を発現させる発現カセットを導入可能とするために、マルチクローニングサイトが含まれていてもよい。さらに、上記遺伝子構築物には、上記マーカー遺伝子の発現カセット(プロモーター、マーカー遺伝子、ターミネーター)や組換え領域、あるいはマルチクローニングサイト以外のDNA断片が含まれていてもよく、上記遺伝子構築物のより具体的な構成は特に限定されるものではない。
上記各DNA断片の具体的な種類も特に限定されるものではない。例えば、プロモーターの場合、マーカー遺伝子を有効に発現させることが可能なプロモーターであれば特に限定されるものではなく、公知のプロモーターを好適に用いることができる。後述する実施例では、hisH4.1プロモーターを用いているがもちろんこれに限定されるものではない。同様に、ターミネーターの場合も、転写終結部位としての機能を有していれば特に限定されるものではなく、公知のものであればよい。後述する実施例では、trpCターミネーターを用いているがもちろんこれに限定されるものではない。さらに、組換え領域の場合、モルティエレラ属の菌体内に導入されるマーカー遺伝子を、染色体内に組み込まれて存在させるDNAセグメントであれば特に限定されるものではない。後述する実施例では、18SリボソームDNA(18Sr)を用いている。
上記遺伝子構築物をベクターに組み込んで発現ベクターとする場合も特に限定されるものではなく、一般的な組換え発現ベクターとなっておればよい。組換え発現ベクターの作製には、プラスミド、ファージ、又はコスミドなどを用いることができるが特に限定されるものではない。また、作製方法も公知の方法を用いて行えばよい。通常、プラスミドを好ましく用いることができる。
<形質転換工程2・選抜段階>
形質転換工程における選抜段階は、上記宿主の栄養要求性の回復をマーカーとして形質転換株を選抜する段階であれば特に限定されるものではなく、公知の方法を好適に用いることができる。すなわち、マーカーとなる栄養要求性に基づいて、合成培地中から特定の栄養素を除き、上記遺伝子導入段階の後に得られた形質転換体を合成培地で培養すればよい。これによって、容易かつ効率的に形質転換体をスクリーニングすることができる。
このように、本発明では、形質転換工程において栄養要求性をマーカーとして用いている。栄養要求性マーカーは、操作の簡便さ、低いバックグラウンド、宿主としているモルティエレラ属の菌由来の遺伝子が利用できる等の利点がある。また、抗生物質耐性をマーカーとした場合と比較すると、食品開発に都合が良い等の利点もある。
具体的には、例えば、背景技術で述べた前記文献4の技術、すなわちハイグロマイシン耐性をマーカーとする場合を例に挙げると、選抜された形質転換体を安定して成育させるためには、培地にハイグロマイシンを添加しておく必要がある。そのため、この形質転換体を用いて生産される脂質にハイグロマイシンが混入する可能性があるが、脂質を食品用途に用いる場合には、ハイグロマイシンの混入は避けるべきものである。
ここで、例えば、栄養要求性がウラシル要求性株である場合を例に挙げれば、実生産においてウラシル欠損培地を用いて培養することで、ura5遺伝子等の栄養要求性を相補する遺伝子が導入された菌体を選択しながら、脂質を生産することが可能となる。すなわち、栄養要求性をマーカーとすれば、ハイグロマイシンの混入を避けることができる上に、常にセレクションをかけた培養が可能となるという利点もある。それゆえ、本発明のように栄養要求性マーカーを用いることはより好ましい。
<選抜工程>
本発明にかかる脂質生産菌の育種方法では、上記形質転換工程において、栄養要求性をマーカーとして、様々な遺伝子を導入することで、様々な性質を示す株の集団を得ることが可能である。それゆえ、本発明では、上記形質転換工程の後に、得られた集団からより望ましい性質を示す品種を選抜する選抜工程を実施してもよい。なお、ここで言う「選抜工程」は、上記形質転換工程における「選抜段階」とは異なり、栄養要求性をマーカーとして形質転換株を選択するのではなく、得られた複数の形質転換株から、より好ましい性質を示す形質転換株を選択する工程を指す。
選抜工程の具体的な手法は特に限定されるものではなく、育種の目的に応じて好ましい性質を示す形質転換株を選択できるような条件を設定し、公知の手法に基づいて好ましい形質転換株を選択すればよい。
(3)本発明の利用
本発明にかかる脂質生産菌の育種方法は、上記のように、栄養要求性をマーカーとして、遺伝的変異を含む集団からより望ましい性質を示す品種を選抜(スクリーニング)するようになっている。それゆえ、モルティエレラ属に属する脂質生産菌を原種として、新規品種(新規株)を効率的かつ有効に生産することが可能となる。モルティエレラ属の菌は脂質生産菌として良く知られており、M.alpinaのように信頼性の高いものも含まれているため、例えば、脂質生産性をより一層高めた株を容易かつ効率的に生産することが可能となる。
また、本発明にかかる育種方法では、形質転換を行う脂質生産菌の遺伝子のみを用いて形質転換できるので、セルフクローニングが可能となる。それゆえ、本発明では、原種のモルティエレラ属の菌から適当なDNA断片を取得してこれを栄養要求性株に導入し、特定の遺伝子の発現調節(高発現、発現時期の調節、発現抑制など)することが可能となり、脂質生産量の増加、生産できる脂質の種類の改変、組成の改変等が可能な形質転換体すなわち新規株を得ることができる。もちろん本発明では、セルフクローニングではなく、他種由来のDNA断片を栄養要求性株に導入することができることはいうまでもない。
本発明にかかる育種方法では、例えばセルフクローニングの場合、原種(宿主)のモルティエレラ属の菌から適当なDNA断片を取得する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。また、ここで言う適当なDNA断片(例えば、導入したい遺伝子等)は、宿主となるモルティエレラ属の菌において、目的とするより望ましい性質を実現できるDNA断片、あるいは当該性質を実現できる可能性のあるDNA断片であれば特に限定されるものではない。
このDNA断片は、上記ura5遺伝子と同様に、少なくともプロモーターと、好ましくはターミネーターとも連結することで発現カセットが構築された上で、組換え発現ベクター中に挿入されていればよいが、これに限定されるものではない。後述する実施例では、上記DNA断片として、GLELO遺伝子を用いているがもちろん本発明はこれに限定されるものではない。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施例では、本発明にかかる育種方法の一例として、ウラシル要求性株を取得し、これを形質転換して選抜する具体例について説明する。
(1)ウラシル要求性株の取得(栄養要求株取得工程)
M.alpinaの胞子を形成させるために、Czapek−Dox培地(3%スクロース、0.2%NaNO、0.1%KHPO、0.05%KCl、0.05%MgSO・7HO、0.001%FeSO・7HO、2%寒天、pH6.0に調整)に本菌を植菌し、28℃で約2週間培養した。これをTween80水溶液(1drop/100mlHO)で懸濁し、ガラスフィルター(岩城硝子社製、商品番号:3G1)で菌糸を除去して胞子液を調製した。変異処理は1×10〜10個の胞子に対し、N−methyl−N’−nitro−N−nitrosoguanidine(MNNG)を用いて、Jareonkitmongkolらの方法(S.Jareonkitmongkol et al.JAOCS,69,939−944,1992)にしたがって行った。
変異処理した胞子を1.0mg/mlの5−FOAと0.05mg/mlのウラシルを含むGY培地(2%グルコース、1%酵母エキス、2%寒天、pH6.0に調整)に塗布し、28℃で4日間培養することにより、5−FOA耐性株を6株得た。これらの株に対してウラシル要求性の評価を行った。
すなわち、SC培地(Yeast Nitrogen Base w/o Amino Acids and Ammonium Sulfate(Difco社製)5.0g、(NHSO1.7g、グルコース20g、寒天20g、アデニン20mg、チロシン30mg、メチオニン1.0mg、アルギニン2.0mg、ヒスチジン2.0mg、リジン4.0mg、トリプトファン4.0mg、スレオニン5.0mg、イソロイシン6.0mg、ロイシン6.0mg、フェニルアラニン6.0mg/リットル)およびウラシル添加SC培地(ウラシル50mg/リットル)における生育の比較を行った。
その結果、6株の5−FOA耐性株の全てが、ウラシルを含む培地では親株と同様に生育できたが、ウラシルを含まない培地では生育が悪く、そのうち2株はまったく生育できなかった。これらの株をそれぞれΔura−1株、Δura−2株と命名した。
(2)酵素活性の測定
5−FOA耐性かつウラシル要求性という表現系を示す場合、オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ(ura3遺伝子にコードされる酵素でura3pと略す)またはオロチジル酸ピロホスホリラーゼ(ura5遺伝子にコードされる酵素でura5pと略す)活性が欠失していることが考えられる。そこで、上記Δura−1株およびΔura−2株についてこれらの酵素活性を測定した。
それぞれの株をウラシル添加GY培地で28℃、4日間振とう培養した。菌体の無細胞抽出液の調製は、Wynnらの方法(J.P.Wynn et al.Microbiology,146,2325−2331,2000)を改良して行った。
すなわち、0.05mg/mlのウラシルを含むGY液体培地で28℃、4日間培養した菌体を、5mMβ−メルカプトエタノールを含む0.1Mトリスバッファー(pH7.5)で懸濁した。その後、フレンチプレスを用い35MPaにて細胞を破砕し、遠心した。得られた上清を無細胞抽出液とした。さらに、100,000×g、60minの条件で超遠心することでオルガネラを除き、可溶性画分を得た。
得られた可溶性画分を用いて、ura3p活性をYoshimotoらの方法(A.Yoshimoto et al.Methods in Enzymology Vol 51,74−79,ACADEMIC PRESS 1978)にしたがって測定した。同じく得られた可溶性画分を用いて、ura5p活性をUmezuらの方法(K.Umezu et al.J.Biochem.,70,249−262,1971)にしたがって測定した。その結果すなわちピリミジン生合成に関わる酵素活性の比較を表1に示す。表1の結果から明らかなように、これら2株はどちらも、ura3pの活性は親株と同程度あったのに対し、ura5p活性は全く検出されなかった。
さらに、別に調製した10〜10個の胞子に対して同様の変異処理を行ったところ、5株の5−FOA耐性株が得られ、そのうちの3株は、ウラシルを含まない培地ではまったく生育できなかった。
Figure 2005019437
(3)M.alpinaのゲノムDNAの取得およびcDNAライブラリーの作製
M.alpinaと、これを原種(wild type)として誘導したウラシル要求株(上記Δura−1株およびΔura−2株)をそれぞれGY液体培地で28℃、5日間培養し、得られた菌体からSakuradaniらの方法(E.Sakuradani et al.Eur.J.Biochem.,260,208−216,1999)にしたがって、ゲノムDNAを調製した。
M.alpinaの胞子を、液体培地(2%グルコース、1%酵母エキス、pH6.0に調整)に植菌し、28℃で4日間培養した。菌体を回収し、塩酸グアニジン/CsCl法で全RNAを調製した。Oligotex−dT30<Super>mRNA Purification Kit(From Total RNA)(商品名、タカラバイオ社製)を用いて、全RNAからmRNAの精製を行い、ZAP−cDNA Synhesis Kit(商品名、STRATAGENE社製)を用いてcDNAライブラリーを作製した。
(4)M.alpinaからのura5 cDNAの取得
3種の酵母Glomerella graminicola、Saccharomyces cerevisiae、およびSordaria macrosporaにおけるura5pのアミノ酸配列について、その相同性の極めて高い二つの領域である次のアミノ酸配列
領域1:FGPAYKGIP(配列番号1参照)
領域2:KEAKDHGEG(配列番号2参照)
に基づいて、次の塩基配列を有するセンスプライマーおよびアンチセンスプライマーを合成した。なお、下記のプライマーにおけるIはイノシンを示している。また、配列表では、イノシンに相当する部位はnで示している。
センスプライマー:5’−TTYGGHCCIGCITAYAARGGHATYCC−3’(配列番号3)
アンチセンスプライマー:5’−CCCTCDCCRTGRTCYTTIGCYTCYTT−3’(配列番号4)
次に、T Gradientサーモサイクラー(商品名、Biometra社製)によりM.alpinaのゲノムDNAを鋳型として、上記2つのプライマーで、Ex Taq polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行った。このときのPCR条件は、94℃で1min、52℃で1min、および72℃で2minを1サイクルとして35サイクルの後に72℃で10min伸長させる条件とした。
その結果約130bpDNA断片が得られ、このDNA断片の塩基配列を決定した。このDNA断片は既知のura5遺伝子と高い相同性を示した。このDNA断片をプローブとして、(3)で調製したM.alpinaのcDNAライブラリーをプラークハイブリダイゼーションによりスクリーニングすることにより、M.alpinaのura5遺伝子のcDNAを含むプラスミドpBMAURA5を得た。
なお、ura5遺伝子のcDNAは、配列番号5に示される塩基配列を有しており、このura5遺伝子にコードされているura5pは配列番号6に示されるアミノ酸配列を有している。
(5)ura5ゲノムDNAのクローニング
上記ura5遺伝子のcDNA配列(配列番号5)を基に、次に示すプライマーCRON1およびCRON2
プライマーCRON1:CTTCTCTTCAGCCCCCAGCCGCATCGGTCC(配列番号7)
プライマーCRON2:GAGTCCACGAAAACTGCTGATGAGCAGCAC(配列番号8)
を合成し、M.alpinaのゲノムDNAを鋳型として、PCRによりura5ゲノムDNAをクローニングした。このときのPCR条件は、94℃で1min、55℃で1min、および72℃で2minを1サイクルとして30サイクルの後に72℃で10min伸長させる条件とした。その結果、ura5ゲノム遺伝子上にはイントロンは存在しないことが明らかになった。
(6)栄養要求性株における変異部位の特定
上記プライマーCRON1およびCRON2を用い、ウラシル要求性株であるΔura−1株およびΔura−2株のゲノムDNAをそれぞれ鋳型としてPCRを行い、それぞれの株のura5ゲノム遺伝子をクローニングした。なお、このときのPCR条件は、94℃で1min、55℃で1min、および72℃で2minを1サイクルとして30サイクルの後に72℃で10min伸長させる条件とした。その結果、Δura−1株では,開始コドンから数えて93番目の塩基に1塩基のアデニンの挿入があり、ORF内でフレームシフトを起こしていた。一方、Δura−2株では、398番目のグアニンがアデニンに置換されており、モチーフ配列内の133番目のグリシンがアスパラギン酸に置換されていた。これら変異の結果、上記2株はura5p活性を失ったことが示唆された。
(7)組換え発現ベクター:pDura5の構築
プラスミドpD4(D.B.Archer氏より分譲、前記文献4参照)を制限酵素NcoIおよびBamHIで消化し、DNA Blunting Kit(商品名、タカラバイオ社製)を用いて末端を平滑化したのち、ハイグロマイシンB耐性遺伝子であるhptmod断片を除く5.4kbpのDNA断片をGPX PCR DNA and Gel Band Purification Kit(商品名、アマシャムバイオサイエンス社製)を用いて精製した。(4)で得られた上記pBMAURA5を制限酵素EcoRIおよびXhoIで消化し、末端を平滑化した後、ura5 cDNAを含む約0.65kbpの断片を精製した。これら2つの断片をligation high(商品名、東洋紡社製)を用いて連結した。ura5遺伝子の方向を確認し、ura5遺伝子の5’上流側にhisH4.1プロモーター、3’下流側にtrpCターミネーターが連結されているものを選択し、プラスミドpDura5とした。
(8)pDura5による形質転換(形質転換工程)
形質転換株の選択培地にはSC寒天培地を用いた。宿主となるΔura−1株の胞子10個をSC寒天培地に塗布した。上記pDura5はパーティクルデリバリー法により宿主に導入(形質転換)した。PDS−1000/Heパーティクルデリバリーシステム(商品名、BIO RAD社製)による遺伝子導入は、ヘリウム圧:7590kPa(1100psi)、チャンバー内の真空:28インチHg、ターゲットとの距離3cm、タングステン粒子径1.1μmの条件で行った。遺伝子導入後、28℃で2〜3日間培養すると4個のコロニーが生育してきたので、これらを形質転換株として取得した。なお、便宜上、これらの形質転換株に対して#1〜#4の番号を付与した。
形質転換株#1〜#4に遺伝子が導入されているか否かをPCRにて確認した。すなわち、それぞれの形質転換株よりゲノムDNAを調製し、これを鋳型として、次に示すプライマーRDNA1およびRDNA2
プライマーRDNA1:ACAGGTACACTTGTTTAGAG(配列番号9)
プライマーRDNA2:CGCTGCGTTCTTCATCGATG(配列番号10)
と、Ex Taq polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行った。このときのPCR条件は、94℃で1min、54℃で1min、および72℃で1minを1サイクルとして35サイクルの後に、72℃で10min伸長させる条件とした。なお、コントロールとして、Δura−1株についても同様にしてPCRにて確認した。
その結果、宿主としたΔura−1株では、DNAの増幅が見られなかったのに対し、形質転換株#1〜#4では何れも1.5kbpのDNA断片の増幅が確認された。このことから、上記#1〜#4の18SrDNA領域でプラスミドpDura5と組換えが生じてura5遺伝子が導入されていることが確認できた。
さらに、上記形質転換株#1〜#4をSC液体培地中で、28℃4日間振とう培養し、ura5p酵素活性を測定した。その結果すなわちura5p酵素活性の比較を表2に示す。表2の結果から明らかなように、形質転換株#1〜#4では野生株(wild type)と同程度もしくは数倍の活性を回復しており、導入したura5遺伝子が有効に機能していることが示された。
Figure 2005019437
さらに、Δura−1株の胞子約10個に対して、同様の遺伝子導入操作を別途2回行い、28℃で2〜3日間培養したところ、それぞれ、3個および4個のコロニーが生育しており、形質転換に再現性があることが確認された。
本実施例では、上記実施例1において構築されたウラシル要求性株を利用した育種方法を用いて、新規な株であるGLELO遺伝子導入株を創出する例について説明する。
(1)pDura5GLELOベクターの構築
γ−リノレン酸をジホモγ−リノレン酸とする脂肪酸鎖長酵素をコードするGLELO遺伝子は、J.M.Parker−Barnes et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,97(15),8284−8289,2000に記載されている配列GBのID:AF206662の塩基配列に基づいて、M.alpinaのcDNAを鋳型として、PCRにより増幅することにより取得した。このとき、次に示すプライマーMAGLELO1およびMAGLELO2を用いた。
プライマーMAGLELO1:CCATGGATGGAGTCGATTGCGCCATTCC(配列番号11)
プライマーMAGLELO2:GGATCCTTACTGCAACTTCCTTGCCTTCTC(配列番号12)
増幅したGLELO遺伝子を制限酵素NcoIおよびBamHIで消化し約1kbの断片を得た。また、pD4を制限酵素NcoIおよびBamHIで消化し約7.7kbの断片を得た。上記各断片をligation high(商品名、東洋紡社製)を用いて連結し、プラスミドpDGLELOを得た。
一方、pDura5をEcoRIで部分消化し、2箇所あるEcoRIサイトのうち1箇所のみで切断された約6.2kbのDNA断片を精製した。この断片をDNA Bluntiong Kit(商品名、タカラバイオ社製)によって末端を平滑化した後、ligation high(商品名、東洋紡社製)によりセルフライゲーションさせ、ヒストン4.1プロモーターの5’上流側となるサイトのみが残ったものを選択し、pDura5’とした。また、上記pDGLELOをEcoRIで消化して2.7kbの断片を得て、これを上記pDura5’のEcoRIサイトに挿入した。その中から、GLELO発現カセットおよびura5発現カセットが同じ方向に並んでいるプラスミドを選択し、これを組換え発現ベクターpDura5GLELOとした。
(2)pDura5GLELOによる形質転換(形質転換工程)
実施例1の(8)と同じ方法により、Δura−1株を形質転換し、形質転換株を3株取得した。なお、便宜上、これらの形質転換株に対して#5〜#7の番号を付与した。
これら形質転換株#5〜#7にpDura5GLELOが導入されているか否かを、実施例1の(8)と同じく、プライマーRDNA1およびRDNA2を用いてPCRにて確認した。その結果、3株とも1.5kbpのDNA断片の増幅が確認された。このことから、これら3株の18SrDNA領域でpDura5GLELOと組換えが生じてura5遺伝子が導入されていることが確認できた。
(3)GLELO遺伝子の発現解析
実施例1で創出した2種類のura5遺伝子導入株#1・#2と、上記(2)で取得したGLELO遺伝子導入株#5〜#7(脂質分析を行ったものと同様の培養条件の菌体)から、RNeasy plant mini kit(商品名、QIAGEN社製)を用いて全RNAを抽出した。1μgの全RNAをSuperScript First−Strand Synthesis System for RT−PCR(商品名、Invitrogen社製)を用いて、ランダムヘキサマーをプライマーとして逆転写反応を行い、cDNAを合成した。合成されたcDNAのうち1μl(1/20量)を鋳型として、次に示すプライマーMAGLELO5およびMAGLELO6
プライマーMAGLELO5:CTTTGTGGGCATGCAGATCA(配列番号13)
プライマーMAGLELO6:TGAAGATGGAGCTGTGGTGGTA(配列番号14)
と、Ex Taq polymerase(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行った。このときのPCR条件は、94℃で1min、55℃で1min、および72℃で2minを1サイクルとして20サイクルの後に、72℃で10min伸長させる条件とした。
得られたPCR産物を電気泳動し、約300bpのフラグメントのバンドについて、その蛍光濃度を比較した。その結果、ura5遺伝子導入株では2株ともバンドの蛍光濃度が非常に薄かったのに対して、GLELO遺伝子導入株は3株とも明確な濃度のバンドを確認することができた。一方、PCRを同様に30サイクルで行った場合には、何れの株においても明確な濃度のバンドを検出することができた。このことから、GLELO遺伝子導入株では、GLELO遺伝子の発現量が増加していることが示唆された。
(4)GLELO遺伝子導入株の脂質分析
実施例1で創出した2種類のura5遺伝子導入株#1・#2と、上記(2)で取得したGLELO遺伝子導入株#5〜#7の胞子を、それぞれ液体培地(5%グルコース、1%酵母エキス、pH6.0に調整)に植菌し、28℃で7日間振とう培養した。培養後、菌体を濾過により集めて乾燥し、秤量した。塩酸メタノール法により菌体内の脂肪酸残基をメチルエステルに誘導した後、ヘキサンで抽出し、ヘキサンを留去して得られた脂肪酸メチルエステルをガスクロマトグラフィーで分析した。得られた結果、すなわち、上記各遺伝子導入株(形質転換体)を成育したときの乾燥菌体重量と、各株の菌体内における脂肪酸組成と総脂質生産量とを表3に示す。
なお、表中の16:0はパルミチン酸を示し、18:0はステアリン酸を示し、18:1がオレイン酸を示し、18:2がリノール酸を示し、18:3がγ−リノレン酸を示し、20:3がジホモ−γ−リノレン酸を示し、20:4がアラキドン酸を示し、24:0がリグノセリン酸を示す。
Figure 2005019437
表3の結果から明らかなように、GLELO遺伝子を導入することにより、乾燥菌体重量が増加し、総脂肪酸中に占めるジホモ−γ−リノレン酸およびアラキドン酸の割合が増加するとともに、γ−リノレン酸の割合が減少した。また、総脂質生産量、総脂質含量も増加し、さらに、ジホモ−γ−リノレン酸およびアラキドン酸の生産量および含量も増加した。鎖長延長反応の生成物であるジホモ−γ−リノレン酸とその基質であるγ−リノレン酸との比(20:3/18:3比)、あるいは、ジホモ−γ−リノレン酸の代謝物であるアラキドン酸も合計したものとγ−リノレン酸との比((20:3+20:4)/18:3比)は、GLELO遺伝子導入株において顕著に大きな値を示した。
本実施例では、M.alpina以外のモルティエレラ属の菌について、本発明にかかる育種方法を適用した具体例について説明する。
(1)ウラシル要求性株の取得(栄養要求株取得工程)
M.hygrophilaおよびM.chlamydosporaの胞子を形成させるために、Czapek−Dox培地(3%スクロース、0.2%NaNO、0.1%KHPO、0.05%KCl、0.05%MgSO・7HO、0.001%FeSO・7HO、2%寒天、pH6.0に調整)にこれらの菌をそれぞれ植菌し、28℃で約2週間培養した。これをTween80水溶液(1drop/100ml HO)で懸濁し、ガラスフィルター(岩城硝子社製、商品番号:3G1)で菌糸を除去して胞子液を調製した。変異処理は1×10〜10個の胞子に対し、N−methyl−N’−nitro−N−nitrosoguanidine(MNNG)を用いてJareonkitmongkolらの方法(S.Jareonkitmongkol et al.JAOCS,69,939−944,1992)にしたがって行った。
変異処理した胞子を1.0mg/mlの5−FOAと0.05mg/mlのウラシルを含むGY培地(2%グルコース、1%酵母エキス、2%寒天、pH6.0に調整)に塗布し、28℃で4日間培養して生育できる5−FOA耐性株を、M.hygrophilaから2株、M.chlamydosporaから1株得た。これらの株に対してウラシル要求性の評価を行った。
すなわち、SC培地(Yeast Nitrogen Base w/o Amino Acids and Ammonium Sulfate(Difco社製)5.0g、(NHSO1.7g、グルコース20g、寒天20g、アデニン20mg、チロシン30mg、メチオニン1.0mg、アルギニン2.0mg、ヒスチジン2.0mg、リジン4.0mg、トリプトファン4.0mg、スレオニン5.0mg、イソロイシン6.0mg、ロイシン6.0mg、フェニルアラニン6.0mg/リットル)およびウラシル添加SC培地(ウラシル50mg/リットル)における生育の比較を行った。
その結果、得られた5−FOA耐性株すべてが、ウラシルを含む培地では親株と同様に生育できたが、ウラシルを含まない培地では生育が悪く、そのうちM.hygrophilaの1株(MH−Δura−1と命名)、M.chlamydosporaの1株(MC−Δura−1と命名)はまったく生育できなかった。
(2)酵素活性の測定
上記の2株をウラシル添加GY培地で28℃、4日間振とう培養した。菌体の無細胞抽出液の調製は、Wynnらの方法(J.P.Wynn et al.Microbiology,146,2325−2331,2000)を改良して行った。
すなわち、0.05mg/mlのウラシルを含むGY液体培地で28℃、4日間培養した菌体を、5mMβ−メルカプトエタノールを含む0.1Mトリスバッファー(pH7.5)で懸濁した。その後、フレンチプレスを用い35MPaにて細胞を破砕し、遠心した。得られた上清を無細胞抽出液とした。さらに、100,000×g、60minの条件で超遠心することでオルガネラを除き、可溶性画分を得た。
得られた可溶性画分を用いて、オロチジル酸ピロホスホリラーゼ(ura5p)活性を、Umezuらの方法(K.Umezu et al.J.Biochem.,70,249−262,1971)にしたがって測定した。その結果、いずれの株でもura5p活性は検出限界以下であった。
(3)pDura5による形質転換(形質転換工程)
M.hygrophila MH−Δura−1またはM.chlamydospora MC−Δura−1をCzapek−Dox培地に植菌し、28℃で2週間培養して胞子を形成させた。上記(1)に記載のとおり胞子を回収した。
形質転換株の選択培地にはSC寒天培地を用いた。pDura5はパーティクルデリバリー法により宿主に導入(形質転換)した。PDS−1000/Heパーティクルデリバリーシステム(商品名、BIO RAD社製)による遺伝子導入は、ヘリウム圧:7590kPa(1100psi)、チャンバー内の真空:28インチHg、ターゲットとの距離3cm、タングステン粒子径1.1μmの条件で行った。遺伝子導入後、28℃で2〜3日間培養すると、それぞれ十数個のコロニーが生育してきたので、これらを形質転換株として取得した。
なお、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。
本発明にかかる脂質生産菌の育種方法は、上記のように、上記脂質生産菌の栄養要求性株を宿主とし、マーカー遺伝子として上記栄養要求性を相補する遺伝子を用いて、当該マーカー遺伝子を宿主に導入(遺伝子導入段階)し、上記宿主の栄養要求性の回復をマーカーとして形質転換株を選抜(選抜段階)する形質転換工程を含む構成である。それゆえ、モルティエレラ属に属する脂質生産菌を原種として、新規品種(新規株)を効率的かつ有効に生産することが可能となるという効果を奏する。また、本発明では、セルフクローニングが可能となるため、原種のモルティエレラ属の菌から適当なDNA断片を取得してこれを栄養要求性株に導入し、特定の遺伝子の発現調節(高発現、発現時期の調節、発現抑制など)することが可能となり、脂質生産量の増加、生産できる脂質の種類の改変、組成の改変等が可能な形質転換体すなわち新規株を得ることができるという効果を奏する。
モルティエレラ属の菌は脂質生産菌としてよく知られており、M.alpinaのように信頼性の高いものも含まれている。それゆえ、本発明を用いれば、例えば、脂質生産性をより一層高めた株を容易かつ効率的に生産することができる等の効果を奏する。
したがって、本発明は、モルティエレラ属の菌類を利用する各種醗酵技術に関わる産業や、当該醗酵技術を用いた食品産業、医薬品産業等に利用することが可能である。

Claims (6)

  1. モルティエレラ(Mortierella)属に属する脂質生産菌の育種方法であって、
    上記脂質生産菌の栄養要求性株を宿主とし、マーカー遺伝子として上記栄養要求性を相補する遺伝子を用いて、当該マーカー遺伝子を宿主に導入する遺伝子導入段階と、
    上記宿主の栄養要求性の回復をマーカーとして形質転換株を選抜する選抜段階とを有する形質転換工程を含むことを特徴とする脂質生産菌の育種方法。
  2. 上記脂質生産菌は、モルティエレラ アルピナ(Mortierella alpina)、モルティエレラ ハイグロフィラ(Mortierella hygrophila)またはモルティエレラ クラミドスポラ(Mortierella chlamydospora)であることを特徴とする請求の範囲1に記載の脂質生産菌の育種方法。
  3. 上記栄養要求性株がウラシル要求性株であることを特徴とする請求の範囲1または2に記載の脂質生産菌の育種方法。
  4. 上記マーカー遺伝子として、オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ遺伝子またはオロチジル酸ピロホスホリラーゼ遺伝子が用いられることを特徴とする請求の範囲3に記載の脂質生産菌の育種方法。
  5. 上記遺伝子導入段階では、エレクトロポレーション法、または、パーティクルデリバリー法が用いられることを特徴とする請求の範囲1ないし4の何れか1項に記載の脂質生産菌の育種方法。
  6. さらに、原種の脂質生産菌から栄養要求性株を取得する栄養要求性株取得工程を含むことを特徴とする請求の範囲1ないし5の何れか1項に記載の脂質生産菌の育種方法。
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