JPWO2003090704A1 - 舌苔除去効果を有する食品 - Google Patents

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Abstract

本発明により、口臭除去作用を有する化合物を口臭除去有効量で含有する口臭除去用または口臭予防用組成物が提供される。1つの実施形態では、上記化合物は、口腔内細菌による揮発性硫化物の産生を減少させる作用を有し得る。1つの実施形態では、上記揮発性硫化物は、硫化水素、メチルメルカプタンおよびジメチルスルフィドからなる群より選択され得る。本発明はまた、植物体由来調製物を含有する舌苔除去用組成物もまた提供される。舌苔除去用組成物においては、該植物体由来調製物は、舌苔除去作用を有する化合物を含有する。1つの実施形態では、上記植物体由来調製物は、搾汁、粉砕物または精製物であり得る。

Description

技術分野
本発明は、口臭除去効果または舌苔除去効果を有し、口腔の衛生状態を向上させる食品に関する。
背景技術
口臭とは、息が不快な臭いを有することをいい、対人関係に影響を及ぼす。近年、口臭に関する研究が進み、口臭の原因物質が、硫化水素(HS)、メチルメルカプタン(CHSH)、ジメチルスルフィド((CHS)などの揮発性硫化物であることが確認されている。これらの揮発性硫化物が呼気中に存在した場合に悪臭を感じる閾値は、硫化水素について1.5ng/10ml呼気、メチルメルカプタンについて0.5ng/10ml呼気、そしてジメチルスルフィドについて0.2ng/10ml呼気である。揮発性硫化物は、口腔内細菌が含硫アミノ酸を代謝することによって産生される。揮発性硫化物の主な発生箇所は、歯垢、歯周病に罹患した部位、唾液および舌苔であることが分かっている。
従来の口臭の予防方法および治療方法としては以下の5つの方法が挙げられる。
方法1:口臭を発生させる口腔内細菌を、殺菌剤または抗菌剤を用いて殺菌する方法。この方法は、原因となる細菌を殺すことができるという意味で確実な方法である。しかし、殺菌剤および抗菌剤には副作用があるため、短期間しか使用することができない。殺菌剤または抗菌剤を含有する歯磨剤は存在するとはいえ、副作用を防ぐために殺菌剤または抗菌剤の配合量が少なく、十分な殺菌効果は期待できない。
方法2:塩化亜鉛を含有する洗口剤で口臭の原因物質を不揮発化する方法。これは、例えば、村田ら,口腔衛生学会雑誌(THE JOURNAL OF DENTAL HEALTH)2002,Vol.52 No.3、第190頁〜第195頁に掲載されている。この方法により、一時的に口臭を抑制することは可能である。しかし、この方法は、口臭の原因を取り除かないので、根本的解決にならない。
方法3:歯周病などの、口臭の原因となる病気を治療する方法。この方法は、医師によって行われる必要があり、個人が簡便に実施できない。
方法4:香料などを用いて口臭をマスキングする方法。この方法においては、ミントなどの香料をガム、タブレットなどに配合し、口臭を一時的にマスキングする。しかし、その効果の持続時間はきわめて短い。
方法5:物理的クリーニングにより、口臭を発生させる細菌を減らす方法。この方法は、歯ブラシによる歯および義歯のブラッシング、タングクリーナーなどによる舌苔の除去などである。舌苔の除去に用いられる手段としては、舌ブラシ、タングクリーナーなどが挙げられる。しかし、これらの手段では、舌乳頭間および舌表面(特に、舌背表面)に強固に付着した舌苔を十分に除去することはできない。さらに、これらの物理的手段の使用時に吐き気を催す懸念および舌表面の組織を痛める懸念などがあり、物理的手段のみでは必ずしも満足すべき舌苔除去効果は得られない。また、物理的手段による舌苔除去は簡便な方法ではない。
従来の口臭の予防方法および治療方法には上記のような問題がある。そのため、物理的手段のみによらず、舌苔の除去効果に優れ、簡便で、かつ使用感に優れた舌苔除去方法が望まれている。
舌苔の化学的除去方法として、日本国特開平第9−25221号公報には、N−アセチルムラミダーゼ、ムタノリシン、リゾチーム、レバナーゼおよびリパーゼから選ばれる酵素と、ベタイン型、N−アシルタウリン型、メチルグルコシルエステル型、ジアルキルスルホコハク酸型およびモノアシルリン酸型の界面活性剤から選ばれる1種または2種以上とを併用することを特徴とする舌苔除去剤が提案されている。しかし、この舌苔除去剤は、上記必須成分以外に甘味料などの任意成分を添加することにより若干の風味改善が見込まれるものの、上記必須成分を主成分とする舌苔除去剤は風味がよくない。口腔の衛生状態向上の目的であっても口腔内で使用するものである以上、風味は品質における重要な要素である。さらに、舌苔除去剤中に医薬品を用いた場合、副作用の可能性などにおいて安全性が懸念される。
日本国特開2000−178154号公報は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、エチルアルコールおよびカチオン性殺菌剤を含有し、かつアニオン界面活性剤を実質的に含有せず、ノニオン界面活性剤の含有量が0〜0.2重量%であることを特徴とする舌苔除去剤を開示している。この舌苔除去剤もまた、必須成分以外に甘味剤を含み得るが、風味が良くない。
日本国特開平10−182387号公報は、特定の構造を有する直鎖状の縮合リン酸化合物および/または特定の構造を有する環状の縮合リン酸化合物からなる舌苔除去剤を開示している。この舌苔除去剤もまた、必須成分以外に甘味剤を含み得るが、風味が良くない。
日本国特開2000−342123号公報は、酵素とアニオン性界面活性剤とを含有する口腔用組成物において、0.001〜0.1%のヒドロキシエチルセルロース・ジメチルジアリルアンモニウム塩を配合することにより、アニオン性界面活性剤による酵素の失活を防止することを特徴とする口腔用組成物を開示している。しかし、この公報は、う蝕予防を目的とする口腔用組成物に関しており、舌苔についてはまったく言及していない。
日本国特開2001−278758号公報は、少なくとも1種のカチオン性殺菌剤および非水溶性グルコマンナンを含有することを特徴とする口腔用組成物を開示する。この公報は、プラーク除去効果と殺菌活性に優れた口腔用組成物に関し、舌苔についてはまったく言及していない。
日本国特開2001−181163号公報は、溶菌酵素、および/またはリパーゼとデキストラナーゼ、β−グルコシダーゼ、β−1,3−グルカナーゼ、ムタナーゼの1種または2種以上との混合物をスステイン除去有効成分として含有することを特徴とするステイン除去用口腔用組成物を開示する。ステインは、歯面に付着または沈着した歯の汚れである。この公報は、ステイン除去用口腔用組成物に関し、舌苔についてはまったく言及していない。
日本国特開2001−172151号公報(第2頁)は、β−1,4−グルカナーゼを含有することを特徴とする口腔用組成物を開示している。この公報は、歯面に付着または沈着した歯の汚れを除去するために使用される口腔用組成物に関し、舌苔についてはまったく言及していない。
日本国特開2001−163747号公報(第2頁)は、カチオン性ポリマーを含有することを特徴とするグルカナーゼ配合液体口腔用組成物を開示している。この公報は、歯牙への歯垢の再付着抑制効果を向上させた液体口腔用組成物に関し、舌苔についてはまったく言及していない。
日本国特許第2949896号公報は、マセレーティングエンザイムを有効成分として配合した口腔用組成物を開示する。この公報は、口腔疾患の予防をはかる口腔用組成物に関し、舌苔についてはまったく言及していない。
口腔に障害のある者の口腔衛生に限らず、健常者の口腔衛生においても、舌苔は口臭の主な原因の一つとして注目されている。舌苔の除去は、口腔に障害のある者の口腔衛生のみならず健常者の口臭除去および口臭予防にも効果を有する。これまで、口臭除去および口臭予防のための手段としては、殺菌剤、消臭剤、マスキング剤などが知られている。しかし、これらの薬剤を含有する口腔用製品の口臭除去効果および口臭予防効果は、口臭の原因である舌苔を除去することによるものではないため、持続性に欠け、不十分なものが多い。そのため、口臭除去および口臭予防のために有効な手段を提供することが必要とされている。
(特許文献1)
日本国特開平9−25221号公報(第2頁)
(特許文献2)
日本国特開2000−178154号公報(第2頁)
(特許文献3)
日本国特開平10−182387号公報(第2頁)
(特許文献4)
日本国特開2000−342123号公報(第2頁)
(特許文献5)
日本国特開2001−278758号公報(第2頁)
(特許文献6)
日本国特開2001−181163号公報(第2頁)
(特許文献7)
日本国特開2001−172151号公報(第2頁)
(特許文献8)
日本国特開2001−163747号公報(第2頁)
(特許文献9)
日本国特許第2949896号公報(第1頁)
発明の開示
本発明は、上記問題点の解決を意図するものであり、物理的手段のみによらず、使用感に優れ、優れた舌苔除去用組成物および食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討した結果、本発明に到達した。
本発明の口臭除去用または口臭予防用組成物は、口臭除去作用を有する化合物を口臭除去有効量で含有する。
1つの実施形態では、上記化合物は、口腔内細菌による揮発性硫化物の産生を減少させる作用を有し得る。
1つの実施形態では、上記揮発性硫化物は、硫化水素、メチルメルカプタンおよびジメチルスルフィドからなる群より選択され得る。
1つの実施形態では、上記化合物の含有量は、約0.1重量%以上であり得る。
1つの実施形態では、上記化合物は、プロテアーゼであり得る。
1つの実施形態では、上記化合物は、システインプロテアーゼであり得る。
1つの実施形態では、上記化合物は、パパインスーパーファミリーのシステインプロテアーゼであり得る。
1つの実施形態では、上記化合物は、アクチニジンであり得る。
本発明の食品は、上記のいずれかの組成物を含む。
1つの実施形態では、上記食品は、トローチであり得る。
1つの実施形態では、本発明の食品は、賦形剤を含み得る。
1つの実施形態では、上記賦形剤は、口腔内細菌によって資化されない。
1つの実施形態では、上記賦形剤は、糖アルコールまたは糖であり得る。
1つの実施形態では、上記賦形剤は、ラクチトール、還元パラチノース、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、パラチノース、トレハロースまたはマンニトールからなる群より選択され得る。
本発明の組成物は、植物体由来調製物を含有する舌苔除去用組成物であって、該植物体由来調製物が、舌苔除去作用を有する化合物を含有する。
1つの実施形態では、上記植物体由来調製物は、搾汁、粉砕物または精製物であり得る。
1つの実施形態では、上記植物体はパインアップルではない。
1つの実施形態では、上記化合物はブロメリンではない。
1つの実施形態では、上記搾汁または粉砕物は、未処理状態の搾汁または粉砕物の舌苔除去作用を実質的に損なうことなく処理されており、該処理は、凍結、濃縮および乾燥からなる群より選択され得る。
1つの実施形態では、上記処理された搾汁または粉砕物中の舌苔除去作用を有する化合物の含有量は、処理前の搾汁または粉砕物中の舌苔除去作用を有する化合物の含有量よりも高い。
1つの実施形態では、舌苔除去作用を有する化合物の含有量は、約0.1重量%以上であり得る。
1つの実施形態では、本発明の舌苔除去用組成物は、凍結乾燥されていてもよい。
1つの実施形態では、上記舌苔除去作用を有する化合物は酵素であり、該酵素の量は舌苔除去有効量であり得る。
1つの実施形態では、上記酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼまたはリパーゼであり得る。
1つの実施形態では、上記酵素は、プロテアーゼであり得る。
1つの実施形態では、上記酵素は、システインプロテアーゼであり得る。
1つの実施形態では、上記酵素は、パパインスーパーファミリーのシステインプロテアーゼであり得る。
1つの実施形態では、上記酵素は、ブロメラインまたはアクチニジンであり得る。
1つの実施形態では、本発明の舌苔除去用組成物には、酵素が添加されていてもよい。
1つの実施形態では、上記酵素は、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、デキストラナーゼ、トリプシン、パパイン、プロテアーゼ、ブロメライン、ペクチナーゼ、ペプシン、ペプチダーゼ、ホスホリパーゼ、ムラミダーゼ、リゾチームおよびリパーゼからなる群より選択され得る。
1つの実施形態では、上記酵素は、プロテアーゼであり得る。
1つの実施形態では、上記酵素は、システインプロテアーゼであり得る。
1つの実施形態では、上記酵素は、パパインスーパーファミリーのシステインプロテアーゼであり得る。
1つの実施形態では、上記酵素は、ブロメラインまたはアクチニジンであり得る。
1つの実施形態では、本発明の舌苔除去用組成物は、脳卒中患者用であり得る。
1つの実施形態では、本発明の舌苔除去用組成物は、肺炎防止用であり得る。
1つの実施形態では、本発明の舌苔除去用組成物は、口臭除去用または口臭防止用であり得る。
1つの実施形態では、本発明の舌苔除去用組成物は、舌苔除去作用を有する化合物を含む植物体由来調製物と、舌苔抑制作用を有する化合物を含む植物体由来調製物とを含有し得る。
1つの実施形態では、上記舌苔抑制作用を有する化合物を含む植物体由来調製物は、チャノキ抽出物であり得る。
1つの実施形態では、上記舌苔抑制作用を有する化合物は、カテキンであり得る。
1つの実施形態では、本発明の舌苔除去用組成物は、静菌剤をさらに含有し得る。
1つの実施形態では、本発明の舌苔除去用組成物は、pH調整剤をさらに含有し得る。
1つの実施形態では、本発明の舌苔除去用組成物は、動物用であり得る。
本発明の食品は、上記のいずれかの舌苔除去用組成物を含む。
1つの実施形態では、上記食品は、トローチ、ガムまたはキャンディーであり得る。
1つの実施形態では、本発明の食品は、賦形剤を含み得る。
1つの実施形態では、上記賦形剤は、口腔内細菌によって資化されない。
1つの実施形態では、上記賦形剤は、糖アルコールまたは糖であり得る。
1つの実施形態では、上記賦形剤は、ラクチトール、還元パラチノース、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、パラチノース、トレハロースまたはマンニトールからなる群より選択され得る。
1つの実施形態では、上記食品は、内層が外層によって覆われた形状であり、該内層が、舌苔除去作用を有する化合物のインヒビター、静菌剤またはpH調整剤を含み、そして該外層が、該舌苔除去作用を有する化合物を含む。
1つの実施形態では、上記内層は、チャノキ抽出物またはシスタチンを含み、そして前記外層が、ブロメラインを含み得る。
1つの実施形態では、本発明の食品は、糖衣錠の形状であり得る。
本発明の舌苔除去用キットは、舌苔除去作用を有する化合物を含む組成物と、該舌苔除去作用を有する化合物のインヒビターを含有する組成物とを備える。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)口臭除去用または口臭予防用組成物
本発明の口臭除去用または口臭予防用組成物は、口臭除去作用を有する化合物を口臭除去有効量で含有する。
本明細書では、「口臭」があるとは、呼気が不快な臭いを有することをいう。より詳細には、口臭があるとは、呼気の中に不快な臭いの原因物質が閾値以上存在することをいう。より特定の場合には、口臭があるとは、呼気の中に揮発性硫化物が閾値以上存在することをいい、より特定の場合には、揮発性硫化物は、硫化水素、メチルメルカプタンおよびジメチルスルフィドからなる群より選択される。
本明細書では、「口臭除去作用を有する化合物」とは、後述の実施例7と同様の手順で口臭除去作用が確認された化合物をいう。具体的には、まず、患者の呼気を採取し、その中に含まれる揮発性硫化物の量を測定する。次いで、実施例7のブロメライン製剤の代わりにその化合物を用いて調製したトローチ(好ましくは約1粒〜約10粒、より好ましくは約1粒〜約5粒、より好ましくは約5粒)をこの患者に対して実施例7と同様に噛み砕かず、かつ嚥下しないように舐めさせる。通常、実施例7と同じサイズおよび材質のトローチは、約5〜15分間(例えば、約10分間)程度で舐め終わる。舐め終わってから20分後、この被験者の呼気を採取し、その中に含まれる揮発性硫化物の量を測定する。トローチ摂取前の揮発性硫化物の量よりもトローチ摂取後の揮発性硫化物の量が減少した場合、この化合物を、口臭除去作用を有する化合物という。口臭除去作用を有する化合物は好ましくは、トローチ摂取後の呼気の中の硫化水素(HS)、メチルメルカプタン(CHSH)およびジメチルスルフィド((CHS)のうちの少なくとも1つの量を減少させ、より好ましくはこのうちの少なくとも2つの量を減少させ、最も好ましくはこれらの全ての量を減少させる。
口臭を有する被験者に口臭除去の処置を施す場合、好ましくは、トローチ摂取後の呼気の中の少なくとも1つの揮発性硫化物の量が、悪臭を感じる閾値を下回るように、すなわち、1.5ng/10ml呼気未満の硫化水素、0.5ng/10ml呼気未満のメチルメルカプタン、または0.2ng/10ml呼気未満のジメチルスルフィドとなるように処置される。より好ましくは、硫化水素、メチルメルカプタンおよびジメチルスルフィドのいずれについても悪臭を感じる閾値を下回るように処置される。
好ましくは、トローチ摂取後の呼気中のいずれかの揮発性硫化物の量は、トローチ摂取前の呼気中のその揮発性硫化物の量と比較して約5%以上低く、より好ましくは約10%以上低く、さらに好ましくは約15%以上低く、さらにより好ましくは約20%以上低く、さらにより好ましくは約25%以上低く、さらにより好ましくは約30%以上低く、さらにより好ましくは約45%以上低く、さらにより好ましくは約50%以上低い。
詳細なメカニズムはわからないが、口臭除去作用を有する化合物は好ましくは、口腔内細菌による揮発性硫化物の産生を減少させる作用を有する。それゆえ、この化合物を含有する組成物を投与すると、投与時にすでに存在する口臭を除去するだけでなく、投与後の口臭の発生を一定期間防ぎ得る。それゆえ、本発明の組成物は、口臭除去用および口臭予防用の両方に使用できる。
好ましくは、口臭除去作用を有する化合物は、口腔内細菌による揮発性硫化物の産生を減少させる作用を有する。
口臭除去作用を有する化合物の例としては、アミラーゼなどの糖質分解酵素、プロテアーゼなどのタンパク質分解酵素、リパーゼなどの脂質分解酵素などのタンパク質が挙げられる。この化合物は好ましくはプロテアーゼである。プロテアーゼは、口臭の原因となる揮発性硫化物を産生する口腔内細菌の活性を抑制する、細菌の栄養源となるタンパク質を取り除く、細菌を殺菌する、バイオフィルムを破壊するなどのメカニズムにより、口臭を除去すると考えられる。より好ましくは口臭除去作用を有する化合物は、システインプロテアーゼである。システインプロテアーゼにおいては、口臭の原因となる揮発性硫化物を産生する口腔内細菌の活性を抑制する、細菌の栄養源となるタンパク質を取り除く、細菌を殺菌する、バイオフィルムを破壊するなどのメカニズムがより良好に機能し、口臭を除去する効果がより優れると考えられる。アクチニジンにおいては、口臭の原因となる揮発性硫化物を産生する口腔内細菌の活性を抑制する、細菌の栄養源となるタンパク質を取り除く、細菌を殺菌する、バイオフィルムを破壊するなどのメカニズムがさらに良好に機能し、口臭を除去する効果がさらに優れると考えられる。アクチニジンは、この作用が他のプロテアーゼよりも強力であり、風味がよく、そして膜濃縮による精製などによって精製が容易である点で他のプロテアーゼよりも有利であり、この作用機構は、システインプロテアーゼ一般に共通であると考えられる。それゆえ、システインプロテアーゼは一般に、アクチニジンと同様の口臭除去作用を発揮する。システインプロテアーゼとは、SH基が活性中心に存在するプロテアーゼである。システインプロテアーゼは、EC.3.4.22群のシステインエンドペプチダーゼおよびE.C.3.2.18群のシステインタイプカルボキシペプチダーゼに分けられる。システインプロテアーゼは好ましくは、システインエンドペプチダーゼである。口臭除去作用を有する化合物はさらに好ましくは、パパインスーパーファミリーのシステインプロテアーゼである。パパインスーパーファミリーのシステインプロテアーゼの例としては、アクチニジン、パパイン、ショウガプロテアーゼ、オリザイン、カテプシンS、カテプシンLおよびカテプシンHが挙げられる。口臭除去作用を有する化合物は、最も好ましくはアクチニジンである。アクチニジン(EC.3.4.22.14)は、キウイフルーツ果実に含まれるタンパク質分解酵素である。アクチニジンはシステインプロテアーゼの一種である。アクチニジンは、キウイフルーツの果汁中の主成分である。例えば、ブロメラインも本発明において充分な効果を奏するが、アクチニジンは、ブロメラインと比較してもさらに口臭除去効果に優れ、特に、ブロメラインは、口臭の原因であるメチルメルカプタンを除去する効果が弱く、場合によっては増加させてしまうが、アクチニジンではメチルメルカプタンを除去する効果が優れるという点で顕著に優れている。口臭除去用組成物中に含まれる化合物は、1種であってもよいし、複数種の組み合わせであってもよい。糖質分解酵素、タンパク質分解酵素および脂質分解酵素からなる群より選択される任意の酵素を組み合わせて使用し得る。
口臭除去作用を有する化合物は、口臭除去用または口臭予防用組成物中に、口臭除去有効量で含まれる。本明細書では、「口臭除去有効量」とは、後述の実施例7と同様の手順で口臭除去作用が確認される量をいう。具体的には、まず、患者の呼気を採取し、その中に含まれる揮発性硫化物の量を測定する。次いで、実施例7のブロメライン製剤の代わりにその化合物を用いて調製したトローチ(好ましくは約1粒〜約10粒、より好ましくは約1粒〜約5粒、より好ましくは約5粒)をこの患者に対して実施例7と同様に噛み砕かず、かつ嚥下しないように舐めさせる。通常、実施例7と同じサイズおよび材質のトローチは、約5〜15分間(例えば、約10分間)程度で舐め終わる。舐め終わってから20分後、この被験者の呼気を採取し、その中に含まれる揮発性硫化物の量を測定する。トローチ摂取前の揮発性硫化物の量よりもトローチ摂取後の揮発性硫化物の量が減少した場合、この量を、口臭除去有効量という。口臭除去有効量は好ましくは、トローチ摂取後の呼気の中の硫化水素(HS)、メチルメルカプタン(CHSH)およびジメチルスルフィド((CHS)のうちの少なくとも1つの量を減少させる量であり、より好ましくはこのうちの少なくとも2つの量を減少させる量であり、最も好ましくはこれらの全ての量を減少させる量である。
本発明の口臭除去用または口臭予防用組成物は好ましくは、静菌剤をさらに含む。「静菌剤」とは、細菌の増殖を抑制または阻止する物質をいう。「細菌の増殖を抑制する」とは、その物質が存在しない場合と比較して、その物質が存在した場合の細菌の増殖が劣ることをいう。「細菌の増殖を阻止する」とは、細菌が増殖しないことをいう。静菌剤の例としては、ポリフェノール類(例えば、カテキン)が挙げられる。静菌剤は好ましくは、カテキンである。静菌剤は特に、連鎖球菌またはブドウ球菌の増殖を抑制または阻止することが好ましい。細菌の増殖は舌苔の形成に寄与し、舌苔は口臭の発生に奇与するので、舌苔を除去した際および舌苔を除去した後に静菌剤が作用すれば、細菌の増殖が抑制または阻止され、その結果、口臭が抑制または阻止される。本発明の口臭除去用または口臭予防用組成物中での静菌剤の含有量は、好ましくは約0.01重量%〜10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜5重量%、さらに好ましくは約0.5重量%〜3重量%である。口臭除去用または口臭予防用組成物中の静菌剤の含有量は、当該分野で公知の方法に従って測定され得る。
本発明の口臭除去用または口臭予防用組成物は好ましくは、pH調整剤をさらに含有する。pH調整剤の例としては、クエン酸、リン酸、炭酸、リンゴ酸、酢酸などの有機酸およびこれらの塩類が挙げられる。pH調整剤は好ましくは、クエン酸である。pH調整剤は1種類で用いられてもよく、複数種組み合わされて用いられてもよい。pH調整剤の量は、例えば、種々の量のpH調整剤を口腔内に適用し、その後、口腔内(特に舌背)のpHを測定し、所定のpHに調整されているか否かを確認することによって決定され得る。本発明の舌苔除去用組成物中にpH調整剤を含有させることによって、口臭除去作用を有する化合物が最もよく作用するpHとなるように口腔内のpHを調整し得る。本発明の口臭除去用または口臭予防用組成物中でのpH調整剤の含有量は、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.3重量%〜約3重量%、さらに好ましくは約0.5重量%〜約1重量%である。口臭除去用または口臭予防用組成物中のpH調整剤の含有量は、当該分野で公知の方法によって測定され得る。
本発明の口臭除去用または口臭予防用組成物は、口臭除去または口臭予防を必要とする任意の用途に用いられ得る。例えば、揮発性硫化物が閾値以上(すなわち、硫化水素について1.5ng/10ml呼気、メチルメルカプタンについて0.5ng/10ml呼気、またはジメチルスルフィドについて0.2ng/10ml呼気)の人間に対して好ましく用いられる。口臭除去作用を有する化合物は、主に舌苔に作用することによって口腔内細菌による揮発性硫化物の産生を減少させると考えられる。口臭除去作用を有する化合物は、例えば、歯垢、歯周病に罹患した部位および唾液に存在する細菌に作用することによっても揮発性硫化物の産生を減少させると考えられるので、本発明の口臭除去用または口臭予防用組成物は、例えば、歯垢を有する患者および歯周病患者用に用いられ得る。
(2)舌苔除去用組成物
本発明はまた、舌苔除去用組成物を提供する。本発明の舌苔除去用組成物は、植物体由来調製物を含有する。植物体由来調製物は、舌苔除去作用を有する化合物を含有する。
本明細書では、「舌苔」とは、舌の上表面(すなわち、舌背)に付着した物質のことをいい、上皮残屑、食物粒子、細菌などを含む。舌苔は、歯垢、歯周ポケットおよび唾液と同様に口臭の主な原因となる。
本明細書では、「舌苔除去作用を有する化合物」とは、後述する実施例4と同様の手順で舌苔除去作用が確認された化合物をいう。具体的には、まず、患者の舌背の写真を、実施例4の方法に従って撮影し、舌背面積および舌苔面積を求め、これに基づいて舌苔付着割合を算出する。次いで、実施例4のブロメライン製剤の代わりにその化合物を用いて調製したトローチ(好ましくは約1粒〜約10粒、より好ましくは約1粒〜約5粒、より好ましくは約5粒)をこの患者に対して実施例4と同様に噛み砕かず、かつ嚥下しないように舐めさせる。通常、実施例4と同じサイズおよび材質のトローチは、約5〜15分間(例えば、約10分間)程度で舐め終わる。舐め終わった直後の舌背の写真を撮影し、舌背面積および舌苔面積を求め、これに基づいて舌苔付着割合を算出する。トローチ摂取前の舌苔付着割合よりもトローチ摂取後の舌苔付着割合が減少した場合、この化合物を、舌苔除去作用を有する化合物という。
舌苔付着割合とは、実施例4で説明するように、舌苔付着部分の面積の、舌背の面積に対する割合である。舌苔付着部分の面積および舌背の面積は、舌背の写真を撮影し、各々の面積を測定することにより得られる。面積の測定方法の例としては、例えば、画像解析を行うことのできるコンピューターソフトを使用する方法が挙げられる。画像解析を行うことのできるコンピューターソフトとしては、Adobe社製Photoshop 6.0が挙げられる。Adobe社製Photoshop 6.0を使用する場合、マグネット選択ツールで舌背の輪郭を読み取り、その内部の面積をピクセル数として測定することによって、舌背の面積を測定する。舌背の輪郭内部を一定の輝度の閾値レベル(例えば、130または150)でレベル0とレベル255とに2階調化した後、レベル255(すなわち、白色)である面積をピクセル数として測定することによって、舌苔付着部分の面積を測定する。
脳卒中患者に舌苔除去の処置を施す場合、トローチ摂取後の舌苔付着割合が好ましくは約5%〜約60%、より好ましくは約5%〜約50%、さらに好ましくは約5%〜約40%、さらに好ましくは約5%〜約30%となるように処置される。
好ましくは、トローチ摂取後の舌苔付着ピクセル数は、トローチ摂取前の舌苔付着ピクセル数と比較して約1%以上低く、より好ましくは約2%以上低く、さらに好ましくは約3%以上低く、さらにより好ましくは約4%以上低く、さらにより好ましくは約5%以上低く、さらにより好ましくは約10%以上低く、さらにより好ましくは約15%以上低い。例えば、トローチ摂取前の舌苔付着割合が60%であれば、トローチ摂取後の舌苔付着割合は好ましくは約59.4%以下、より好ましくは約58.8%以下、さらに好ましくは約58.2%以下、さらに好ましくは約57.6%以下、さらに好ましくは約57.0%以下、さらに好ましくは約54.0%以下、さらに好ましくは約51.0%以下である。
「舌苔除去作用を有する化合物」は、あるいは、以下の手順で舌苔除去作用が確認された化合物である。具体的にはまず、健康状態が同程度でありかつ舌苔評点が一定(例えば、30点±6点)の複数の患者を実験群とコントロール群とに分ける。その化合物を1g/mlの濃度で含む水溶液を実験群の患者に対して実施例1の方法に従って5日間にわたって塗布して5日後の舌苔評点を評価する。一方、水をコントロール群の患者に対して実施例1の方法に従って5日間にわたって塗布して5日後の舌苔評点を評価する。コントロール群の患者の5日後の舌苔評点と比較して実験群の患者の5日後の舌苔評点が低い場合、この化合物を舌苔除去作用を有する化合物という。舌苔除去作用を有する化合物は好ましくは、舌苔付着割合について評価した場合および舌苔評点について評価した場合の両方において舌苔除去作用を有する。
舌苔評点とは、実施例1で説明するように、図1に示す舌苔量判定評価基準図の「1」〜「4」の各舌背部位に付着した舌苔量を、それぞれの舌背部位について(舌苔面積評点)×(舌苔厚さ評点)として評価したときの、「1」〜「4」の部位の舌苔量の合計である。舌苔評点は、最大が36であり、最低が0である。舌苔評点は、脳卒中患者ではない一般の人々の場合、通常4〜24(4箇所の評価部位のそれぞれについて1点〜6点)である。舌苔評点は低いほど好ましいが、舌苔がない状態(4箇所の評価部位のうちいずれかが無苔、4箇所合計の苔舌評点0〜3点)は好ましくない。口臭のない正常な範囲は、好ましくは4〜8点(4箇所の評価部位のそれぞれについて1点〜2点)であり、最も好ましくは4点(4箇所の評価部位のそれぞれについて1点)である。
脳卒中患者に舌苔除去の処置を施す場合、より好ましくは舌苔評点が4点〜24点(4箇所の評価部位のそれぞれについて1点〜6点)、より好ましくは4点〜20点(4箇所の評価部位のそれぞれについて1点〜5点)、さらに好ましくは4点〜16点(4箇所の評価部位のそれぞれについて1点〜4点)となるように処置される。
好ましくは、実験群の実験終了後の舌苔評点は、コントロール群の実験終了後の舌苔評点と比較して約1点以上低く、より好ましくは約2点以上低く、さらに好ましくは約3点以上低く、さらにより好ましくは約4点以上低く、なおさらに好ましくは約5点以上低く、なおさらに好ましくは約10点以上低く、なおさらに好ましくは約15点以上低い。
舌苔除去作用を有する化合物の例としては、アミラーゼなどの糖質分解酵素、プロテアーゼなどのタンパク質分解酵素、リパーゼなどの脂質分解酵素などのタンパク質が挙げられる。この化合物は好ましくはプロテアーゼであり、より好ましくはシステインプロテアーゼである。システインプロテアーゼの例としては、アクチニジン、パパイン、ショウガプロテアーゼ、オリザイン、カテプシンS、カテプシンLおよびカテプシンHが挙げられる。舌苔除去作用を有する化合物は、最も好ましくはアクチニジンである。1つの実施形態では、舌苔除去作用を有する化合物は、ブロメリン以外のプロテアーゼである。本明細書中では、「ブロメリン」とは、フルートブロメラインとも呼ばれる、酸性単純タンパク質をいう。本明細書中では、「ブロメライン」とは、フルートブロメラインおよびステムブロメラインを含めた、主にBromeliaceaeに属する植物由来のシステインプロテアーゼの総称である。舌苔除去用組成物中に含まれる化合物は、1種であってもよいし、複数種の組み合わせであってもよい。糖質分解酵素、タンパク質分解酵素および脂質分解酵素からなる群より選択される任意の酵素を組み合わせて使用し得る。
本明細書では、「植物体由来調製物」とは、舌苔除去作用を有する化合物を含む植物体から、何らかの方法で、その取扱い性もしくは投与のしやすさなどを改善するようにまたはその舌苔除去作用などの性能がより良好になるように調製された物質をいう。植物体の一部を単に切り取っただけのもの、例えば、チャノキから切り出された直後の茶の葉のように、実質的に植物体と変わらない形態のもの、特に、肉眼で観察した際に植物体の形態が維持されていると確認されるものは調製物に含まれない。好ましくは、調製物中の舌苔除去作用を有する化合物の含有量が、未処理植物体中の含有量よりも高くなるような方法で調製される。植物体由来調製物の例としては、搾汁、粉砕物および精製物が挙げられる。精製物の例としては、抽出物が挙げられる。植物体由来調製物は、未処理の植物体と比較して、好ましくは高含有量の、より好ましくは約1.5倍以上の含有量の、さらにより好ましくは約2倍以上の含有量の、さらにより好ましくは約5倍以上の含有量の舌苔除去作用を有する化合物を含有する。
本明細書では、「舌苔除去作用を有する化合物を含む植物体」とは、上記化合物を含む植物体をいう。舌苔除去作用を有する化合物を含む植物体には、後述する実施例4と同様の手順でその植物体由来調製物(例えば、搾汁、粉砕物または精製物)の舌苔除去作用が確認された植物体が含まれる。具体的には、まず、患者の舌背の写真を、実施例4の方法に従って撮影し、舌背面積および舌苔面積を求め、これに基づいて舌苔付着割合を算出する。次いで、実施例4のブロメライン製剤の代わりにその植物体由来調製物を用いて調製したトローチ(好ましくは約1粒〜約10粒、より好ましくは約1粒〜約5粒、より好ましくは約5粒)をこの患者に対して実施例4と同様に噛み砕かず、かつ嚥下しないように舐めさせる。通常、実施例4と同じサイズおよび材質のトローチは、約5〜15分間(例えば、約10分間)程度で舐め終わる。舐め終わった直後の舌背の写真を撮影し、舌背面積および舌苔面積を求め、これに基づいて舌苔付着割合を算出する。トローチ摂取前の舌苔付着割合よりもトローチ摂取後の舌苔付着割合が減少した場合、この植物体を、舌苔除去作用を有する化合物を含む植物体という。
舌苔除去作用を有する化合物を含む植物体は、あるいは、以下の手順でその植物体由来調製物の舌苔除去作用が確認された植物体である。まず、健康状態が同程度でありかつ舌苔評点が一定(例えば、30点±6点)の複数の患者を実験群とコントロール群とに分ける。その植物体由来調製物を実験群の患者に対して実施例1の方法に従って5日間にわたって塗布して5日後に舌苔評点を評価する。一方、水をコントロール群の患者に対して実施例1の方法に従って5日間にわたって塗布して5日後に舌苔評点を評価する。コントロール群の患者の5日後の舌苔評点と比較して実験群の患者の5日後の舌苔評点が低い場合、その植物体を舌苔除去作用を有する植物体という。舌苔除去作用を有する化合物を含む植物体は好ましくは、舌苔付着割合について評価した場合および舌苔評点について評価した場合の両方において舌苔除去作用を有する。
植物体の例としては、以下が挙げられる:ニホンスモモ、プルーン、西洋ナシ、中国ナシ、日本ナシ、モモ、ネクタリン、ネーブル、バレンシアオレンジ、アケビ、アンズ、イチゴ、イチジク、イヨカン、ウメ、ウンシュウミカン、カキ、カボス、カリン、キンカン、グミ、ゴレンシ、サクランボ、サクランボ、サンボウカン、ザクロ、スイカ、スダチ、ダイダイ、ナツミカン、ナツメ、ナツメヤシ、ハッサク、ヒュウガナツ、ビワ、ブドウ、ブンタン、ポンカン、マクワウリ、ヤマモモ、ユズ、リュウガン、リンゴ、アセロラ、アテモヤ、アボカド、オリーブ、オロブランコ、キウイフルーツ、キワノ、グァバ、グズベリー、グレープフルーツ、ココナッツ、シイクワシャー、タンゴール、タンゼロ、チェリモヤ、ドリアン、ハスカップ、バナナ、パインアップル、パパイヤ、ピタヤ、ブルーベリー、ホワイトサポテ、マルメロ、マンゴー、マンゴスチン、メロン、ライチー、ライム、ラズベリー、レモンなどの果実類;ウド、トウミョウ、ソウメンカボチャ、西洋カボチャ、日本カボチャ、ショウガ、タイサイ、ツマミナ、タマネギ、ダイコン、トウモロコシ、ナス、ナバナ、ニラ、ニンジン、ニンニク、ネギ、フキ、フキ、ミツバ、ミョウガ、ラッキョウ、キャベツ、トマト、トマピー、コスレタス、サニーレタス、サラダナ、リーフレタス、レタス、アサツキ、アシタバ、オオサカシロナ、オカヒジキ、カブ、カラシナ、カンピョウ、キク、キュウリ、キョウナ、ギョウジャニンニク、クワイ、コゴミ、コマツナ、ゴボウ、サントウサイ、シカクマメ、シシトウガラシ、シソシュンギク、シロウリ、ジュウロクササゲ、ジュンサイ、スグキナ、ズイキ、セリ、ゼンマイ、タカナ、タケノコ、タラノメ、ツクシ、ツルナ、ツルムラサキ、ツワブキ、トウガラシ、トウガン、ナガサキハクサイ、ナズナ、ニガウリ、ノザワナ、ノビル、ハクサイ、ハツカダイコン、ハヤトウリ、ヒノナ、ヒロシマナ、フジマメ、フダンソウ、ヘチマ、ホウレンソウ、マコモ、ミズカケナ、ムカゴ、メタデ、メキャベツ、ヤマゴボウ、ユリネ、ヨウサイ、ヨメナ、ヨモギ、レンコン、ワケギ、ワサビ、ワラビ、アーティチョーク、アスパラガス、エンダイブ、オクラ、カリフラワー、キンサイ、クレソン、ケール、コールラビ、コールラビ、ザーサイ、ズッキーニ、セロリー、タアサイ、チコリー、チンゲンサイ、トレビス、バジル、パクチョイ、パセリ、ビート、ブロッコリー、ホースラディシュ、モロヘイヤ、リーキ、ルバーブ、ロケットサラダなどの野菜類;アワ、エンバク、オオムギ、キビ、コムギ、コメ、ソバ、トウモロコシ、アマランサス、ライ麦などの穀類;アズキ、インゲンマメ、ウズラマメ、エンドウ、ウグイスマメ、ササゲ、ソラマメ、オタフクマメ、タケアズキ、ダイズ、ヒヨコマメ、ベニバナインゲン、ライマメ、リョクトウ、レンズマメなどの豆類;ならびにチャノキが挙げられる。
植物体は、好ましくはパインアップルではなく、より好ましくはキウイフルーツ、パパイア、イチジクおよびメロンからなる群より選択され、さらに好ましくはキウイフルーツである。
植物体は、植物体の任意の部分または植物体全体であり得る。植物体の部分の例としては、胚芽、根、茎、葉、蕾、花、果実および種子が挙げられる。植物体は好ましくは通常食用とされる部分であり、より好ましくは果実である。植物体は好ましくは、キウイフルーツ、パパイア、イチジクおよびメロンから選択される植物の果実であり、さらに好ましくはキウイフルーツの果実である。植物体は1つの実施形態では、チャノキである。植物体は、その植物体由来調製物を含む組成物を摂取した場合に人間に有害となる物質を実質的に含まないことが好ましい。植物体は実質的に未加熱の状態であることが好ましい。
植物体がチャノキである場合、この植物体は、チャノキの葉、茎、芽などの植物体に由来する加工品であることが好ましい。加工とは、植物体を蒸すこと、乾燥すること、凍結すること、粉砕することなど、植物体に作用してその状態を変化させる行為であればどのような行為であってもよい。チャノキの植物体は、好ましくは乾燥物である。このような乾燥物は、チャノキの植物体に含まれる成分を発酵させたものであってもよいし、発酵させていないものであってもよい。このような乾燥物は、発酵の度合いによって、不発酵茶、半発酵茶、および発酵茶に分類される。不発酵茶は、製造工程で発酵を行わない茶である。不発酵茶の例としては、緑茶が挙げられる。緑茶はその製法の相違により、玉露、抹茶、煎茶、かまいり茶、番茶、ほうじ茶、玄米茶などが挙げられる。半発酵茶は、製造工程で発酵を中程度に行う茶である。半発酵茶の例としては、ウーロン茶が挙げられる。発酵茶は、製造工程において発酵を完全に行う茶である。発酵茶の例としては、紅茶が挙げられる。飲用、着香用、調味用などの各種用途に使用される任意の茶製品が本発明における植物体として使用可能である。
本明細書では「果実」とは、代表的には、食用可能な状態の果実をいう。果実は、充分に熟した状態であることが好ましいが、その果実から得られる植物体由来調製物(例えば、果汁、精製物または粉砕物)が舌苔除去作用を有するのであれば、幾分未熟な状態であってもよいし、幾分過熟な状態であってもよい。当業者は、植物体由来調製物を得るのに適した状態の果実を容易に選択し得る。植物体由来調製物を得るために用いる果実は、果実全体であってもよいし、果実のうちの一部分であってもよい。例えば、パインアップルを用いる場合、外果皮を剥離除去した果肉を用いてもよいし、外果皮が付いたままの状態で用いてもよい。例えば、パパイアを用いる場合、外果皮および種子を除去した果肉を用いてもよいし、外果皮および種子が付いたままの状態で用いてもよい。食用に適さない部分を除去した果実を用いることが好ましい。果実は、その果実から得られる植物体由来調製物が舌苔除去作用を有するのであれば、軽度の処理が施されていてもよい。例えば、表面殺菌のために果実をまるごと数秒間〜数十秒間、沸騰水中で煮沸してもよい。好ましくは、果実は、加熱などの処理のなされていない生のものである。
本発明において搾汁とは、植物体を搾った汁をいう。本明細書では、植物体を搾って液体を得ることを「搾汁処理をする」という。植物体は、当業者に公知の任意の方法によって搾汁処理され得る。
植物体は好ましくは、約20℃以下の温度条件下で搾汁処理され、より好ましくは約15℃以下の温度条件下で搾汁処理され、より好ましくは約10℃以下の温度条件下で搾汁処理され、さらにより好ましくは約4℃以下の温度条件下で搾汁処理される。
本発明において粉砕物とは植物体を粉砕したものをいう。本明細書では、植物体を粉砕して粉砕物を得ることを「粉砕処理をする」という。好ましくは、最大径が約5mm以下となるように粉砕され、より好ましくは最大径が約3mm以下となるように粉砕され、さらに好ましくは最大径が約1mm以下となるように粉砕される。植物体は、当業者に公知の任意の方法によって粉砕処理され得る。
植物体は好ましくは、約0℃以下の温度条件で粉砕処理され、より好ましくは約−20℃以下の温度条件で粉砕処理され、より好ましくは約−50℃以下の温度条件で粉砕処理され、さらにより好ましくは約−100℃以下の温度条件で粉砕処理される。
植物体は、好ましくは搾汁処理または粉砕処理前に約20℃以下の温度で保存されて植物体全体の品温が約20℃以下にされ、より好ましくは約15℃以下の温度で保存されて植物体全体の品温が約15℃以下にされ、さらに好ましくは約10℃以下の温度で保存されて植物体全体の品温が約10℃以下にされ、さらにより好ましくは約4℃以下の温度で保存されて植物体全体の品温が約4℃以下にされる。
搾汁は、液体部分だけでなく、植物繊維、細胞の破片などの搾汁時に生じる植物体の破片のような固体を含んでいてもよい。好ましくは、搾汁は、液体のみからなる。
搾汁または粉砕物は、搾汁処理または粉砕処理した後にさらなる処理を施さずに保存または使用されてもよいが、好ましくは、凍結、濃縮および乾燥からなる群より選択される処理が施される。搾汁または粉砕物はさらに好ましくは、凍結乾燥される。このような処理を施す場合、搾汁または粉砕物は、さらなる処理が施されていない状態の搾汁または粉砕物の舌苔除去作用を実質的に損なうことなく処理されることが好ましい。搾汁または粉砕物に対する処理は、搾汁処理または粉砕処理後、速やかに行われることが好ましい。処理は、好ましくは搾汁処理または粉砕処理後1日以内に、より好ましくは約12時間以内に、より好ましくは約6時間以内に、より好ましくは約3時間以内に施される。
本明細書中では、「凍結」とは、搾汁または粉砕物が約0℃以下で固化することをいう。搾汁または粉砕物は、当該分野で公知の方法および装置によって凍結され得る。搾汁または粉砕物は、例えば、搾汁または粉砕物を冷凍庫に入れることによって、またはドライアイス、液体窒素などを搾汁または粉砕物中に投入することによって凍結され得る。凍結された搾汁または粉砕物の最終到達品温は、好ましくは約−5℃以下、より好ましくは約−10℃以下、さらに好ましくは約−15℃以下、さらにより好ましくは約−20℃以下、さらにより好ましくは約−30℃以下、なおさらに好ましくは約−40℃以下である。搾汁または粉砕物は好ましくは、凍結処理開始から約3時間以内に、より好ましくは約1時間以内に、さらに好ましくは約30分間以内に完全に固化される。
本明細書中では、「濃縮」とは、搾汁または粉砕物中の水分を減少させることをいう。搾汁または粉砕物は好ましくは、濃縮処理後の搾汁または粉砕物の重さを基準として濃縮処理後の搾汁または粉砕物中の水分が約90重量%以下になるように、より好ましくは約80重量%以下になるように、さらに好ましくは約70重量%以下になるように、さらにより好ましくは約60重量%以下になるように、さらにより好ましくは約50重量%以下になるように、さらにより好ましくは約40重量%以下になるように、さらにより好ましくは約30重量%以下になるように、さらにより好ましくは約20重量%以下になるように、さらにより好ましくは約10重量%以下になるように、さらにより好ましくは約5重量%以下になるように、さらにより好ましくは約1重量%以下になるように濃縮される。搾汁または粉砕物は、当該分野で公知の方法および装置を用いて濃縮され得る。濃縮の間、搾汁または粉砕物は、搾汁または粉砕物の品温が好ましくは約50℃、より好ましくは約40℃、さらに好ましくは約30℃以下に保たれる。
本明細書中では、「乾燥」とは、搾汁または粉砕物中の水分を実質的に除去することをいう。乾燥後の搾汁または粉砕物は、乾燥処理後の搾汁または粉砕物の重さを基準として乾燥処理後の搾汁または粉砕物中に好ましくは約5重量%以下、より好ましくは約4重量%以下、さらに好ましくは約3重量%以下、さらにより好ましくは約2重量%以下、さらにより好ましくは約1重量%以下の水分を含む。搾汁または粉砕物は、当該分野で公知の方法および装置を用いて乾燥され得る。乾燥の間、搾汁または粉砕物は、搾汁または粉砕物の品温が好ましくは約50℃、より好ましくは約40℃、さらに好ましくは約30℃以下に保たれる。
本明細書中では、「凍結乾燥」とは、搾汁または粉砕物を凍結させ、真空下で凍結状態のまま水分を直接昇華させて実質的に脱水することをいう。凍結乾燥後の搾汁または粉砕物は、凍結乾燥処理後の搾汁または粉砕物の重さを基準として凍結乾燥処理後の搾汁または粉砕物中に好ましくは約5重量%以下、より好ましくは約4重量%以下、さらに好ましくは約3重量%以下、さらにより好ましくは約2重量%以下、さらにより好ましくは約1重量%以下の水分を含む。当該分野で公知の装置を用いて行われ得る。搾汁または粉砕物は、当該分野で公知の方法および装置を用いて凍結乾燥され得る。凍結乾燥の間、搾汁または粉砕物は、搾汁または粉砕物の品温が好ましくは約50℃、より好ましくは約40℃、さらに好ましくは約30℃以下に保たれる。
処理後の搾汁または粉砕物は、そのままの状態であってもよいが、好ましくは粉砕され、篩にかけられて、粒子径がそろえられる。処理後の搾汁または粉砕物は、粉末または顆粒の状態である。処理された搾汁または粉砕物中では、舌苔除去作用を有する化合物の含有量は、処理前の搾汁または粉砕物中の舌苔除去作用を有する化合物の含有量よりも高いことが好ましく、より好ましくはこの化合物の含有量は約0.1重量%以上であり、さらに好ましくは約0.5重量%以上であり、さらにより好ましくは約1重量%以上であり、さらにより好ましくは約3重量%以上であり、さらにより好ましくは約5重量%以上であり、さらにより好ましくは約10重量%以上であり、さらにより好ましくは約15重量%以上であり、さらにより好ましくは約20重量%以上である。
本明細書で「未処理の状態の搾汁(または粉砕物)の舌苔除去作用を実質的に損なうことなく」とは、後述の実施例4と同様の手順で確認した場合に舌苔除去作用が実質的に同等であることをいう。具体的には、まず、健康状態が同程度でありかつ舌苔付着面積割合が一定(例えば、50%±15%)の複数の患者を処理済み搾汁実験群(または処理済み粉砕物実験群)と未処理搾汁実験群(または未処理粉砕物実験群)とに分ける。未処理の状態の搾汁(または未処理の粉砕物)と同等の量の処理済み搾汁(または処理済粉砕物)を実施例4のブロメライン製剤の代わりに用いて調製したトローチ(好ましくは約1粒〜約10粒、より好ましくは約1粒〜約5粒、より好ましくは約5粒)を処理済み搾汁実験群(または処理済粉砕物実験群)の患者に対して実施例4と同様に噛み砕かず、かつ嚥下しないように舐めさせる。通常、実施例4と同じサイズおよび材質のトローチは、約5〜15分間(例えば、約10分間)程度で舐め終わる。舐め終わった直後の舌背の写真を撮影し、舌背面積および舌苔面積を求め、これに基づいて舌苔付着割合を算出する。一方、未処理の状態の搾汁(または未処理の状態の粉砕物)を実施例4のブロメライン製剤の代わりに用いて調製したトローチ(好ましくは約1粒〜約10粒、より好ましくは約1粒〜約5粒、より好ましくは約5粒)を処理済み搾汁実験群(または処理済粉砕物実験群)の患者に対して実施例4と同様に噛み砕かず、かつ嚥下しないように舐めさせる。通常、実施例4と同じサイズおよび材質のトローチは、約5〜15分間(例えば、約10分間)程度で舐め終わる。舐め終わった直後の舌背の写真を撮影し、舌背面積および舌苔面積を求め、これに基づいて舌苔付着割合を算出する。処理済み搾汁実験群(または処理済粉砕物実験群)の患者のトローチ摂取前と比較したトローチ摂取後の舌苔付着割合の低下の程度と、未処理搾汁実験群(または未処理粉砕物実験群)の患者のトローチ摂取前と比較したトローチ摂取後の舌苔付着割合の低下の程度とが実質的に同等であることをいう。
「処理済み搾汁実験群(または処理済粉砕物実験群)の患者のトローチ摂取前と比較したトローチ摂取後の舌苔付着割合の低下の程度と、未処理搾汁実験群(または未処理粉砕物実験群)の患者のトローチ摂取前と比較したトローチ摂取後の舌苔付着割合の低下の程度とが実質的に同等である」とは、処理済み搾汁実験群(または処理済粉砕物実験群)の患者の舌苔付着割合の低下と未処理搾汁実験群(または未処理粉砕物実験群)の患者の舌苔付着割合の低下との差が好ましくは約5%以下、より好ましくは約4%以下、さらに好ましくは約3%以下、さらにより好ましくは約2%以下、なおさらに好ましくは約1%以下であることをいう。
「未処理の状態の搾汁(または粉砕物)の舌苔除去作用を実質的に損なうことなく」は、あるいは、以下の方法によって評価した場合に舌苔除去作用が実質的に同等であることをいう。まず、健康状態が同程度でありかつ舌苔評点が一定(例えば、30点±6点)の複数の患者を処理済み搾汁実験群(または処理済み粉砕物実験群)と未処理搾汁実験群(または未処理粉砕物実験群)とに分ける。処理済み搾汁を未処理の状態の搾汁と同じ濃度に復元した水溶液(または処理済粉砕物)を処理済み搾汁実験群(または処理済粉砕物実験群)の患者に対して実施例1の方法に従って5日間にわたって塗布して5日後に舌苔評点を評価する。一方、未処理の状態の搾汁(または未処理の状態の粉砕物)を未処理搾汁実験群(または未処理粉砕物実験群)の患者に対して実施例1の方法に従って5日間にわたって塗布して5日後に舌苔評点を評価する。処理済み搾汁実験群(または処理済粉砕物実験群)の患者の5日後の舌苔評点と未処理搾汁実験群(または未処理粉砕物実験群)の患者の5日後の舌苔評点とが実質的に同等である場合、この処理済み搾汁は、未処理の状態の搾汁(または粉砕物)の舌苔除去作用を実質的に損なうことなく処理されている。処理は好ましくは、舌苔付着割合について評価した場合および舌苔評点について評価した場合の両方において、舌苔除去作用を実質的に損なうことがない。
「処理済み搾汁実験群(または処理済粉砕物実験群)の患者の5日後の舌苔評点と未処理搾汁実験群(または未処理粉砕物実験群)の患者の5日後の舌苔評点とが実質的に同等である」とは、処理済み搾汁実験群(または処理済粉砕物実験群)の患者の5日後の舌苔評点と未処理搾汁実験群(または未処理粉砕物実験群)の患者の5日後の舌苔評点との差が好ましくは約5以下、より好ましくは約4以下、さらに好ましくは約3以下、さらにより好ましくは約2以下、なおさらに好ましくは約1以下であることをいう。
搾汁または粉砕物は好ましくは、搾汁または粉砕物に含まれるタンパク質の構造を損なうことなく処理される。本発明において搾汁または粉砕物に含まれるタンパク質とは、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどの酵素、プロテアーゼインヒビターなどのタンパク質をいう。本発明の舌苔除去用組成物を製造するにあたり、これらのタンパク質の構造ができるだけ損なわれないことが望ましい。
本発明においてタンパク質の構造とは、タンパク質の1次構造、2次構造、3次構造および4次構造をいう。これらの構造が損なわれると、例えば酵素およびインヒビターではその活性の一部または全部が失われる。ただし、本発明の舌苔除去用組成物を使用する時点以外の時点でタンパク質の構造が損なわれていても、使用する時点で回復されていれば問題ない。例えば、使用する時点以外の時点(例えば、粉末の組成物である時点)でpH値、変性剤の存在などの原因でタンパク質の構造が損なわれていても、使用時点で回復(リフォールデイング、再巻き戻りなどといわれる)するならば、期待する効果を得ることができる。
タンパク質の1次構造が損なわれていないか否かは、例えば、周知のアミノ酸配列分析によって確認され得る。タンパク質の2次構造が損なわれていないか否かは、例えば、周知の遠紫外CD(遠紫外円偏光二色性)によって確認され得る。タンパク質の3次構造が損なわれていないか否かは、例えば、周知の近紫外CD(近紫外円偏光二色性)またはNMRによって確認され得る。タンパク質の2次構造が損なわれていないか否かは、例えば、周知のX線結晶構造解析によって確認され得る。
本発明において精製物とは、植物体から精製された任意の物質をいう。精製とは、特定の物質を含む混合物から、元の混合物中における含有量よりも高含有量になるようにその特定の物質を取り出すことをいう。1つの実施形態においては、精製方法は抽出である。精製操作の例としては、抽出、塩析、膜分画(例えば、限外濾過膜を用いた膜分画)、濾過、遠心分離およびクロマトグラフィーが挙げられる。クロマトグラフィーに使用され得る担体の例としては、ゲル濾過クロマトグラフィー用担体、配位子交換クロマトグラフィー用担体、イオン交換クロマトグラフィー用担体および疎水クロマトグラフィー用担体が挙げられる。植物体から所望の物質を精製するための方法は当業者に公知である。当業者は種々の精製操作を適切に組み合わせて任意の純度の目的物質を取得することができる。精製物は、舌苔除去作用を有する化合物の舌苔除去作用を保持していることが好ましい。
精製物は、目的物質(すなわち、舌苔除去作用を有する化合物)を好ましくは約10%以上、約20%以上、約30%以上、または約40重量%以上、より好ましくは約50重量%以上、さらに好ましくは約60重量%以上、特に好ましくは約70重量%以上、いっそう好ましくは約80重量%以上、ひときわ好ましくは約90重量%以上、最も好ましくは約95重量%以上含有する。
本発明において抽出物とは、植物体から抽出される任意の物質をいう。例えば、植物体を任意の液体溶媒と接触させることによって得られる。通常、抽出物においては、植物体中の1種以上の抽出成分の、非抽出成分に対する比が、天然の植物体中での抽出成分の、非抽出成分に対する比よりも高い。抽出物は、液体溶媒中に抽出成分が移行することによって得られた溶液であってもよいし、この溶液の溶媒を一部またはほぼ完全に蒸発させることによって得られる濃縮物または乾固物であってもよい。抽出物は、液体であっても固体であってもよい。抽出に用いる植物体は、生の状態の植物体であってもよいし、部分的またはほぼ完全に乾燥させた植物体であってもよい。抽出に用いられる植物体は、好ましくは、裁断または粉砕された状態のものである。抽出に用いられる溶媒の例としては、水(温水を含む)、有機溶媒(例えば、エーテル、エタノール、エタノールと水との混合物、アセトン)などが挙げられる。
本発明の舌苔除去用組成物は好ましくは、舌苔除去作用を有する化合物を含む植物体由来調製物と、舌苔抑制作用を有する化合物を含む植物体由来調製物とを含有する。本明細書中では、「舌苔抑制作用を有する化合物」とは、舌苔が増殖するのを抑制する作用を有する化合物をいう。舌苔抑制作用を有する化合物は、例えば、タングクリーナーなどの物理的手段または舌苔除去作用を有する化合物によって舌苔を除去した後に投与することによってその後長期間、舌苔評点の増加が観察されない化合物をいう。具体的には、例えば、舌苔を除去した時点で実施例1の評価方法に従って舌苔評点を評価し、次いでその化合物を1g/mlの濃度で含む水溶液を実施例1と同様に塗布し、1日後に舌苔評点を評価した場合に、舌苔評点の増加が観察されない化合物である。好ましくは投与後2日間以上舌苔評点の増加が観察されない化合物であり、より好ましくは投与後3日間以上、さらに好ましくは投与後5日間以上、特に好ましくは投与後10日間以上舌苔評点の増加が観察されない化合物である。
1つの実施形態では、舌苔抑制作用を有する化合物を含む植物体由来調製物はチャノキ抽出物であり得る。チャノキ抽出物は好ましくは、水(温水を含む)を用いて得られる抽出物である。チャノキ抽出物は、カテキンを含むことが好ましい。舌苔抑制作用を有する化合物は、カテキンであり得る。本発明の舌苔除去用組成物はより好ましくは、パインアップルの果実の搾汁、粉砕物または精製物と、チャノキ抽出物とを含有する。
本発明の舌苔除去用組成物においては、舌苔除去作用を有する化合物は好ましくは酵素である。この酵素の量は、好ましくは舌苔除去有効量である。本明細書では、「舌苔除去有効量」とは、後述の実施例4と同様の手順で舌苔除去作用が確認される量をいう。具体的には、まず、患者の舌背の写真を、実施例4の方法に従って撮影し、舌背面積および舌苔面積を求め、これに基づいて舌苔付着割合を算出する。次いで、実施例4のブロメライン製剤の代わりに種々の量のその化合物を用いて調製したトローチ(好ましくは約1粒〜約10粒、より好ましくは約1粒〜約5粒、より好ましくは約5粒)をこの患者に対して実施例4と同様に噛み砕かず、かつ嚥下しないように舐めさせる。通常、実施例4と同じサイズおよび材質のトローチは、約5〜15分間(例えば、約10分間)程度で舐め終わる。舐め終わった直後の舌背の写真を撮影し、舌背面積および舌苔面積を求め、これに基づいて舌苔付着割合を算出する。トローチ摂取前の舌苔付着割合よりもトローチ摂取後の舌苔付着割合が減少する量が、この化合物の舌苔除去有効量である。
本発明の組成物は、トローチ摂取前の舌苔付着ピクセル数と比較してトローチ摂取後の舌苔付着ピクセル数が約5%以上低く、より好ましくは約6%以上低く、さらに好ましくは約7%以上低く、さらにより好ましくは約8%以上低く、なおさらに好ましくは約9%以上低く、なおさらに好ましくは約10%以上低く、なおさらに好ましくは約15%以上低くなる量の酵素を含む。例えば、トローチ摂取前の舌苔付着割合が60%であれば、トローチ摂取後の舌苔付着割合は好ましくは約57%以下、より好ましくは約56.4%以下、さらに好ましくは約55.8%以下、さらに好ましくは約55.2%以下、さらに好ましくは約54.6%以下、さらに好ましくは約54.0%以下、さらに好ましくは約51.0%以下である。
「舌苔除去有効量」は、あるいは、以下の方法によって舌苔除去作用が確認される量である。まず、健康状態が同程度でありかつ舌苔評点が一定(例えば、30点±6点)の複数の患者を実験群とコントロール群とに分ける。その化合物をある量で含む水溶液を実験群の患者に対して実施例1の方法に従って5日間にわたって塗布して5日後に舌苔評点を評価する。一方、水をコントロール群の患者に対して実施例1の方法に従って5日間にわたって塗布して5日後に舌苔評点を評価する。コントロール群の患者の5日後の舌苔評点と比較して実験群の患者の5日後の舌苔評点が実質的に低くなる量を、舌苔除去有効量という。舌苔除去有効量は好ましくは、舌苔付着割合について評価した場合および舌苔評点について評価した場合の両方において舌苔除去に有効な量である。
本発明の組成物は、5日間にわたって舌苔に適用した場合に、コントロール群の5日後の舌苔評点と比較して5日後の舌苔評点が約1点以上低く、より好ましくは約2点以上低く、さらに好ましくは約3点以上低く、さらにより好ましくは約4点以上低く、なおさらに好ましくは約5点以上低く、なおさらに好ましくは約10点以上低く、なおさらに好ましくは約15点以上低くなる量の酵素を含む。
本明細書では、「舌苔除去作用を有する酵素」とは、後述の実施例4と同様の手順で舌苔除去作用が確認される酵素をいう。具体的には、まず、患者の舌背の写真を、実施例4の方法に従って撮影し、舌背面積および舌苔面積を求め、これに基づいて舌苔付着割合を算出する。次いで、実施例4のブロメライン製剤の代わりにその酵素を用いて調製したトローチ(好ましくは約1粒〜約10粒、より好ましくは約1粒〜約5粒、より好ましくは約5粒)をこの患者に対して実施例4と同様に噛み砕かず、かつ嚥下しないように舐めさせる。通常、実施例4と同じサイズおよび材質のトローチは、約5〜15分間(例えば、約10分間)程度で舐め終わる。舐め終わった直後の舌背の写真を撮影し、舌背面積および舌苔面積を求め、これに基づいて舌苔付着割合を算出する。トローチ摂取前の舌苔付着割合よりもトローチ摂取後の舌苔付着割合が減少した場合、この酵素を、舌苔除去作用を有する化合物という。
舌苔除去作用を有する酵素は、あるいは、以下の手順で舌苔除去作用が確認された酵素である。まず、舌苔評点が30点±6点の患者を実験群とコントロール群とに分ける。その酵素を1g/mlの濃度で含む水溶液を実験群の患者に対して実施例1の方法に従って5日間にわたって塗布して舌苔評点を評価する。一方、水をコントロール群の患者に対して実施例1の方法に従って5日間にわたって塗布して舌苔評点を評価する。コントロール群の患者の舌苔評点と比較して実験群の患者の舌苔評点が低い場合、この酵素を、舌苔除去作用を有する酵素という。舌苔除去作用を有する酵素は好ましくは、舌苔付着割合について評価した場合および舌苔評点について評価した場合の両方において舌苔除去作用を有する。
舌苔除去作用を有する酵素は好ましくは、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼであり、より好ましくはプロテアーゼであり、さらに好ましくはシステインプロテアーゼであり、さらに好ましくはパパインファミリーのシステインプロテアーゼであり、さらに好ましくはブロメラインまたはアクチニジンであり、そして最も好ましくはアクチニジンである。
本発明の舌苔除去用組成物には、本発明の舌苔除去組成物の舌苔除去作用を向上させる効果を有する任意の酵素が添加されてもよい。上述した「舌苔除去作用を有する酵素」は通常、舌苔除去作用を向上させる効果を有する。舌苔除去作用を有する酵素でなくても、舌苔除去作用を有する化合物と併用した場合に舌苔除去作用を向上させる効果を有すれば、舌苔除去作用を向上させる効果を有する酵素として有用である。このような酵素としては、舌苔除去作用を向上させる効果を有し、かつ食品としての安全性が確保される限り任意の酵素が用いられ得る。このような酵素は好ましくは、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、デキストラナーゼ、トリプシン、パパイン、プロテアーゼ、ブロメライン、ペクチナーゼ、ペプシン、ペプチダーゼ、ホスホリパーゼ、ムラミダーゼ、リゾチームおよびリパーゼからなる群より選択され、より好ましくはプロテアーゼであり、より好ましくはシステインプロテアーゼであり、より好ましくはパパインファミリーのシステインプロテアーゼであり、より好ましくはブロメラインまたはアクチニジンであり、最も好ましくはアクチニジンである。
本明細書では、「舌苔除去組成物の舌苔除去作用を向上させる効果を有する酵素」とは、後述の実施例4と同様の手順で舌苔除去組成物の舌苔除去作用を向上させる効果が確認された酵素をいう。具体的には、まず、健康状態が同程度でありかつ舌苔付着面積割合が一定(例えば、50%±15%)の複数の患者を酵素添加実験群と酵素無添加実験群とに分ける。実施例4のブロメライン製剤の代わりに2gの舌苔除去作用を有する化合物および2gのその酵素を用いて調製したトローチ(好ましくは約1粒〜約10粒、より好ましくは約1粒〜約5粒、より好ましくは約5粒)を酵素添加実験群の患者に対して実施例4と同様に噛み砕かず、かつ嚥下しないように舐めさせる。通常、実施例4と同じサイズおよび材質のトローチは、約5〜15分間(例えば、約10分間)程度で舐め終わる。舐め終わった直後の舌背の写真を撮影し、舌背面積および舌苔面積を求め、これに基づいて舌苔付着割合を算出する。一方、その酵素を含まず、舌苔除去作用を有する化合物のみを含むトローチ(好ましくは約1粒〜約10粒、より好ましくは約1粒〜約5粒、より好ましくは約5粒)を酵素無添加実験群の患者に対して実施例4と同様に噛み砕かず、かつ嚥下しないように舐めさせる。通常、実施例4と同じサイズおよび材質のトローチは、約5〜15分間(例えば、約10分間)程度で舐め終わる。舐め終わった直後の舌背の写真を撮影し、舌背面積および舌苔面積を求め、これに基づいて舌苔付着割合を算出する。酵素無添加実験群の患者のトローチ摂取前と比較したトローチ摂取後の舌苔付着割合の低下の程度と比較して、酵素添加実験群の患者のトローチ摂取前と比較したトローチ摂取後の舌苔付着割合の低下の程度が低い場合、この酵素を舌苔除去組成物の舌苔除去作用を向上させる効果を有する酵素という。
好ましくは、酵素添加実験群の患者のトローチ摂取前の舌苔付着割合(X(%))と比較したトローチ摂取後の舌苔付着割合(X(%))の減少(X−X)は、酵素無添加実験群の患者のトローチ摂取前の舌苔付着割合(Y(%))と比較したトローチ摂取後の舌苔付着割合(Y(%))の減少(Y−Y)と比較して約1%以上高い。すなわち、(X−X)≧(Y−Y)×1.01。より好ましくは約5%以上高く(すなわち、(X−X)≧(Y−Y)×1.05)、さらに好ましくは約10%以上高く(すなわち、(X−X)≧(Y−Y)×1.1)、さらにより好ましくは約15%以上高く(すなわち、(X−X)≧(Y−Y)×1.15)、なおさらに好ましくは約20%以上高く(すなわち、(X−X)≧(Y−Y)×1.2)、なおさらに好ましくは約30%以上高く(すなわち、(X−X)≧(Y−Y)×1.3)、なおさらに好ましくは約50%以上高い(すなわち、(X−X)≧(Y−Y)×1.5)。例えば、酵素無添加実験群の患者でトローチ摂取前の舌苔付着割合(例えば、70%)とトローチ摂取後の舌苔付着割合(例えば、60%)との差が10%であれば、酵素添加実験群の患者のトローチ摂取前の舌苔付着割合とトローチ摂取後の舌苔付着割合との差は好ましくは約10.1%以上、より好ましくは約10.5%以上、さらに好ましくは約11.0%以上、さらに好ましくは約11.5%以上、さらに好ましくは約12.0%以上、さらに好ましくは約13.0%以上、さらに好ましくは約15%以上である。
「舌苔除去組成物の舌苔除去作用を向上させる効果を有する酵素」は、あるいは、以下の手順に従って評価した場合に、舌苔除去組成物の舌苔除去作用を向上させる効果を有する酵素である。まず、健康状態が同程度でありかつ舌苔評点が一定(例えば、30点±6点)の複数の患者を酵素添加実験群と酵素無添加実験群とに分ける。1g/mlの舌苔除去作用を有する化合物およびその酵素を1g/mlの濃度で添加した舌苔除去組成物を実験群の患者に対して実施例1の方法に従って5日間にわたって塗布して5日後に舌苔評点を評価する。一方、その酵素を含まず、舌苔除去作用を有する化合物のみを含む舌苔除去組成物を酵素無添加実験群の患者に対して実施例1の方法に従って5日間にわたって塗布して5日後の舌苔評点を評価する。酵素無添加実験群の患者の5日後の舌苔評点と比較して酵素添加実験群の患者の5日後の舌苔評点が低い場合、この酵素を舌苔除去組成物の舌苔除去作用を向上させる効果を有する酵素という。舌苔除去作用を向上させる効果を有する酵素は好ましくは、舌苔付着割合について評価した場合および舌苔評点について評価した場合の両方において舌苔除去作用を向上させる。
好ましくは、酵素添加実験群の患者の5日後の舌苔評点は、酵素無添加実験群の患者の5日後の舌苔評点と比較して約1点以上低く、より好ましくは約2点以上低く、さらに好ましくは約3点以上低く、さらにより好ましくは約4点以上低く、なおさらに好ましくは約5点以上低く、なおさらに好ましくは約7点以上低く、なおさらに好ましくは約10点以上低い。
本発明の舌苔除去用組成物は好ましくは、静菌剤をさらに含む。「静菌剤」とは、細菌の増殖を抑制または阻止する物質をいう。「細菌の増殖を抑制する」とは、その物質が存在しない場合と比較して、その物質が存在した場合の細菌の増殖が劣ることをいう。「細菌の増殖を阻止する」とは、細菌が増殖しないことをいう。静菌剤の例としては、ポリフェノール類(例えば、カテキン)が挙げられる。静菌剤は好ましくは、カテキンである。静菌剤は特に、連鎖球菌またはブドウ球菌の増殖を抑制または阻止することが好ましい。細菌の増殖は舌苔の形成に寄与するので、舌苔を除去した際および舌苔を除去した後に静菌剤が作用すれば、細菌の増殖が抑制または阻止され、その結果、舌苔の形成が抑制または阻止される。本発明の舌苔除去用組成物中での静菌剤の含有量は、好ましくは約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、さらに好ましくは約0.5重量%〜約3重量%である。舌苔除去用組成物中の静菌剤の含有量は、当該分野で公知の方法に従って測定され得る。
本発明の舌苔除去用組成物は好ましくは、pH調整剤をさらに含有する。pH調整剤の例としては、クエン酸、リン酸、炭酸、リンゴ酸、酢酸などの有機酸およびこれらの塩類が挙げられる。pH調整剤は好ましくは、クエン酸である。pH調整剤は1種類で用いられてもよく、複数種組み合わされて用いられてもよい。pH調整剤の量は、例えば、種々の量のpH調整剤を舌苔に適用し、その後、口腔内(特に舌背)のpHを測定し、所定のpHに調整されているか否かを確認することによって決定され得る。本発明の舌苔除去用組成物中にpH調整剤を含有させることによって、舌苔除去作用を有する化合物が最もよく作用するpHとなるように口腔内のpHを調整し得る。本発明の舌苔除去用組成物中でのpH調整剤の含有量は、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.3重量%〜約3重量%、さらに好ましくは約0.5重量%〜約1重量%である。舌苔除去用組成物中のpH調整剤の含有量は、当該分野で公知の方法によって測定され得る。
本発明の舌苔除去用組成物は、舌苔除去を必要とする任意の用途に用いられ得る。例えば、舌苔評点が10点以上の人間に対して好ましく用いられる。本発明の舌苔除去用組成物は、例えば、脳卒中患者用に用いられ得る。脳卒中患者では、舌苔が過剰に堆積することによって肺炎を誘発することが公知であるので、本発明の舌苔除去用組成物は、肺炎防止用に用いられ得る。舌苔は、口臭の主な原因であることが公知であるので、本発明の舌苔除去用組成物は、口臭除去用または口臭防止用に用いられ得る。
(3)本発明の組成物の投与対象
本発明の組成物は、人間および人間以外の動物(例えば、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウサギ、サル、ウマ、ウシなど)に使用され得る。本発明の組成物を動物用に用いる場合、動物は、好ましくはペットであり、より好ましくはイヌまたはネコであり、最も好ましくはイヌである。
(4)本発明の組成物の形態
本発明の組成物は、任意の形態であり得る。本発明の組成物は、粉末、顆粒、トローチまたは液体の形態であってもよい。水分が多すぎるかまたは保存温度が高すぎると舌苔除去作用の低下が著しくなる場合があるので、本発明の組成物は、粉末、顆粒などの水分を実質的に含まない形態であるか、または液体のような水分を含む場合は凍結された状態で保存されることが好ましい。粉末、顆粒またはトローチのような形態は、貯蔵に場所をとらず、長期保存が容易であり、そして使用方法が簡便であることから好ましい。本発明の組成物は、例えば、粉末、顆粒、トローチなどの実質的に水分を含まない状態で保存されて、使用時に水に溶解または分散可能な固形状、ペースト状、または液状に調整して用いられてもよい。本発明の組成物は、単に搾汁処理または粉砕処理したときよりも濃厚になるように濃縮された搾汁または粉砕物を含むことが好ましい。これらの場合、デンプン、デキストリン、糖などの賦形剤、ガムベース、甘味料、香料、着色料などを本発明の組成物中に添加し得る。
(5)食品
本発明の食品は、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物を含む。本発明の食品は、好ましくは上記の口臭除去用、口臭予防用または舌苔除去用の組成物を含む。本発明の食品の例としては、粉末、顆粒、トローチ、ガム、キャンディーおよび冷菓が挙げられる。本発明の食品は、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物を徐放し得る形態であることが好ましい。通常の摂取の仕方で、口腔内に約30秒間以上滞留することが好ましい。より好ましくは、約1分間以上、さらに好ましくは約3分間以上、特に好ましくは約5分間以上、最も好ましくは約10分間以上滞留する形態とする。このように長時間滞留できるな形態は、ジュースなどの、すぐに口腔内を通過してしまう形態と比較して、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物が口腔内に存在する時間を長期化させ得るという利点を有する。滞留時間が短すぎる場合には、口臭除去効果および舌苔除去効果が得られにくい。
トローチとは、粉末または顆粒を圧縮成形することによって形成され、口中で徐々に溶解または崩壊させて、口腔に長時間持続して作用するように設計された食品をいう。トローチが口腔内で溶け始めてから溶け終わるまでにかかる時間は、トローチの大きさおよび原料に依存する。当業者は、トローチが溶け始めてから溶け終わるまでの所望の時間を達成するに適切なトローチを任意に設計し、製造し得る。トローチに使用される原料の例としては、以下が挙げられる:ショ糖、水飴、還元パラチノース(パラチニットともいう)、パラチノース、トレハロース、乳糖、ブドウ糖、デンプンなどの糖類;ラクチトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトールなどの糖アルコール;炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、粉末セルロース、乳化剤、香料および着色料。トローチは、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物に加えて、賦形剤を含むことが好ましい。賦形剤の例としては、上記の糖および糖アルコールが挙げられる。賦形剤は好ましくは糖アルコールまたは糖を含み、より好ましくは糖アルコールまたは糖であり、さらに好ましくはラクチトール、還元パラチノース、パラチノース、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロースおよびマンニトールから選択される。これらの賦形剤は、味質が優れている、または工業的適性が優れているという特徴を有する。
例えば、パラチノースの味質はショ糖に似ており、異味(異常な味)は全くない。また、パラチノースは、以下の特徴を有する:非齲蝕性である;体内で穏やかに消化吸収されてエネルギーとなり、血糖値もインシュリン分泌も急激に変化させない;酸に強いおよび味質の優れた低甘味素材である。
還元パラチノースの味質はショ糖に似ており、異味は全くない。また、還元パラチノースは、賦形剤として還元パラチノースのみを用いてキャンディーを製造しても、べとつかないキャンディーとなるという特徴を有する。
ソルビトールの味質はショ糖に比べて「ぼやけた感じ」であり、わずかに喉を刺激する異味がある。ソルビトールは浸透性、保湿性および日持ち効果に優れている。
マルチトールの味質はショ糖に比べてやや「ぼやけた感じ」であり、ごくわずかに喉を刺激する異味がある。マルチトールは、ショ糖と同等に非吸湿性である。
ラクチトールの味質は甘味があるが、異味はない。
エリスリトールは特有な甘味を有し、甘味の発現が早い。エリスリトールは溶解時の吸熱作用が極めて高い(−43cal/g)ため冷涼感が大きい。エリスリトールは、他の糖アルコールと比較して下痢しにくいという特徴も有する。
キシリトールは特有な甘味を有する。キシリトールもまた、溶解時の吸熱作用が極めて高い(−37cal/g)ため清涼感が大きい。キシリトールは、エリスリトールよりも味質が良いと評価されている。キシリトールはまた、他の糖アルコールよりも唾液の分泌を促す効果が強い。
賦形剤は好ましくは、口腔内細菌によって資化されない賦形剤である。口腔内細菌によって資化されない賦形剤の例としては、ラクチトール、還元パラチノース、パラチノース、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロースおよびマンニトールが挙げられる。賦形剤は最も好ましくは還元パラチノースである。賦形剤が口腔内細菌によって資化されてしまうと、この賦形剤を含むトローチを摂取することによって、口腔内細菌が増加してしまう要因を与える。このような賦形剤は、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物の効果に負に作用し得る。そのため、賦形剤は、口腔内細菌によって資化されないことが好ましい。賦形剤は、1種類のものを単独で用いてもよく、複数種類を混合して用いてもよい。複数種類の賦形剤を用いる場合、口腔内細菌によって資化されない賦形剤が、賦形剤全体の重量の約20重量%以上、約30重量%以上、約40重量%以上、約50重量%以上、約60重量%以上、約70重量%以上、約80重量%以上そして約90重量%以上を占めることが好ましい。トローチの配合は、当該分野で公知の配合に従い得る。
トローチについての実施例を後述するが、そのような効果は、他の形態の食品においても達成される。なぜなら、口腔内でアクチニジンなどの有効成分が滞留できるからである。
キャンディーとは、ショ糖および水飴を主原料とし、ショ糖および水飴を煮詰める工程を含む方法によって製造される食品をいう。キャンディーは、ソフトキャンディーとハードキャンディーとに分類される。ソフトキャンディーの例としては、キャラメル、ヌガーおよびマシュマロが挙げられる。ハードキャンディーの例としては、ドロップ、タフィおよびブリットルが挙げられる。キャンディーに使用される原料の例としては、以下が挙げられる:ショ糖、水飴、小麦粉、練乳、食塩、寒天、ゼラチン、ピーナッツ、ショートニング、バター、酸味料、香料および着色料。キャンディーもまた、糖アルコールまたは糖を含み得る。糖アルコールまたは糖は、より好ましくはラクチトール、還元パラチノース、パラチノース、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロースおよびマンニトールから選択される。キャンディーの配合は当該分野で公知の配合に従い得る。キャンディーは、有効成分を口腔内に長時間にわたって滞留させることが可能であることから、トローチ同様に本発明の食品として好適である。
ガムとは、ガムベースを含む食品をいう。ガムベースの例としては、チクル、酢酸ビニール、エステルガム、ポリイソブチレンおよびスチレンブタジエンラバーが挙げられる。ガムの例としては、板ガムおよび風船ガムのようなチューインガムが挙げられる。ガムに使用される原料の例としては、以下が挙げられる:ガムベース、ショ糖、水飴、ゼラチン、香料および着色料。ガムもまた、糖アルコールまたは糖を含み得る。糖アルコールまたは糖は、より好ましくはラクチトール、還元パラチノース、パラチノース、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロースおよびマンニトールから選択される。ガムの配合は当該分野で公知の配合に従い得る。ガムは、有効成分を口腔内に長時間にわたって滞留させることが可能であることから、トローチ同様に本発明の食品として好適である。
冷菓とは、当業者に周知の意味で使用される。冷菓の例としては、アイスクリーム、ラクトアイス、カキ氷が挙げられる。冷菓は、有効成分を口腔内に長時間にわたって滞留させることが可能であることから、トローチ同様に本発明の食品として好適である。
アイスクリーム類は、厚生労働省による乳及び乳製品の成分規格等に関する省令によって、「アイスクリーム類とは、乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを凍結させたものであって、乳固形分3.0%以上を含むもの(発酵乳を除く。)をいう」と規定されている。
アイスクリーム類は、アイスクリーム、アイスミルクおよびラクトアイスに分けられる。アイスクリームとは、アイスクリーム類のうちの、乳固形分が15.0%以上(うち乳脂肪分が8.0%以上)のものをいう。アイスミルクとは、アイスクリーム類のうちの、乳固形分が10.0%以上(うち乳脂肪分が3.0%以上)のものをいう。ラクトアイスとは、アイスクリーム類のうちの、乳固形分が3.0%以上のものをいう。アイスクリームの例としては、バニラアイスクリームおよび風味アイスクリームが挙げられる。風味アイスクリームの例としては、フルーツ、チョコレート、コーヒー、ナッツ、抹茶、カスタード、ミックス、ストロベリーおよびレーズンが挙げられる。
氷菓とは、糖液もしくはこれに他食品を混和した液体を凍結したものまたは食用氷を粉砕し、これに糖液もしくは他食品を混和し再凍結したもので、凍結状のまま食用に供するものをいう。ただし、氷菓の定義からは、アイスクリーム類に該当するものを除く。氷菓の例としては、シャーベット、かき氷などが挙げられる。
アイスクリームの配合は当該分野で公知の配合に従い得る。
本発明の食品は、舌苔、歯垢、歯周病に罹患した部位および唾液と舌苔除去作用を有する化合物(またはそれを含む植物体由来調製物)とが長時間にわたって接触すると考えられる点から、トローチ、ガム、キャンディーのような形態であることが好ましい。
本発明の食品は、口臭除去作用もしくは舌苔除去作用を有する化合物または本発明の組成物以外に、その食品が通常含有する任意の成分を含み得る。このような成分の例として、デンプン、デキストリン、糖などの賦形剤、ガムベース、甘味料、香料、着色料などが挙げられる。
本発明の食品中で、口臭除去作用もしくは舌苔除去作用を有する化合物または本発明の組成物は均一に分散していてもよいし、局在していてもよい。例えば、食品がキャンディーである場合、口臭除去作用もしくは舌苔除去作用を有する化合物または本発明の組成物を、キャンディーのセンターとして使用してもよく、またはキャンディー中に均一に分散させてもよい。
本発明の食品は、任意の形状を取り得る。本発明の食品は、均質な塊状であってもよいし、2層または3層の構造をとる形状であってもよい。
本発明の食品は好ましくは、内層が外層によって覆われた形状の食品であり、この2層食品は好ましくは、トローチまたはキャンディーである。このとき、好ましくは、内層は、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物のインヒビター、静菌剤またはpH調整剤を含み、そして外層は、植物体由来調製物(例えば、搾汁、精製物または粉砕物)を含む。例えば、内層に、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物のインヒビターを含み、外層に、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物を含む植物体由来調製物(例えば、搾汁、精製物または粉砕物)を含む場合、この食品を喫食することによってまず、外層に含まれる口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物が口腔内に広がる。その結果、この化合物の口臭除去作用または舌苔除去作用が発揮されて、口臭または舌苔が除去される。次いで内層に含まれるインヒビターが口腔内に広がって、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物の活性を阻害する。このように、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物のインヒビターを内層に含めることによって、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物が過度に長時間作用して口腔内を傷めることを防ぎ得る。また、このように2層の構造を採用することによって、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物の作用時間を調節し得る。
口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物とそのインヒビターとの組み合わせは、当業者によって任意に選択され得る。例えば、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物がブロメラインである場合、ブロメラインのインヒビターは、好ましくはシステインプロテアーゼインヒビターである。システインプロテアーゼの例としては、シスタチンおよびブロメラインインヒビターが挙げられる。シスタチンは、アボカド、魚卵、牛乳、卵などに多く含まれている。ブロメラインインヒビターは、パイナップルの果実および茎に多く含まれている。なお、本明細書中では、「ブロメラインのインヒビター」という場合、ブロメラインの作用を阻害するインヒビター一般をいい、「ブロメラインインヒビター」という場合、パイナップルの果実および茎に含まれていてBIと省略される特定のタンパク質をいう。これらの材料からのシスタチンまたはブロメラインインヒビターの精製方法は当業者に公知である。本発明の食品は好ましくは、内層にチャノキ抽出物またはシスタチンを含み、そして外層にブロメラインを含む。
本発明の食品が内層が外層によって覆われた形状である場合、内層には、上記インヒビターの代わりに、または上記インヒビターに加えて、静菌剤またはpH調整剤を含み得る。使用され得る静菌剤は、上記に列挙した静菌剤と同じ静菌剤である。内層に静菌剤を含めることにより、口臭または舌苔が除去された後に効果的に静菌剤を作用させ得る。使用され得るpH調整剤は、上記に列挙したpH調整剤と同じpH調整剤である。内層にpH調整剤を含めることにより、例えば、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物の活性が低下するpHになるように口腔内のpHを調整することができ、または口腔内のpHを下げることによって唾液の分泌を促進し、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物の、口腔から食道への移動を促進し得る。内層にpH調整剤を含めることによってまた、口腔内のpHを口臭または舌苔の発生しにくいpHに調整し得る。
本発明の食品が内層が外層によって覆われた形状である場合、外層は、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物を含む植物体由来調製物(例えば、搾汁、粉砕物または精製物)に加えて、pH調整剤を含み得る。外層にpH調整剤を含有させることによって、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物が最もよく作用するpHとなるように口腔内のpHを調整し得る。
本発明の食品がトローチまたはキャンディーである場合、その大きさ、溶解速度および崩壊速度を調節することによって、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物の作用の持続時間を制御することが可能である。特に、本発明の食品が内層が外層によって覆われた形状である場合、内層の厚みおよび外層の厚みを調節することによって持続時間を制御することが可能である。
本発明の食品はまた、内層と外層との2層構造によらず、他の構造をとっていてもよい。本発明の食品に適切な構造は当業者に明らかであり、必要に応じて適切に選択され得る。
本発明の食品は例えば、だるま落としのように例えば、3つの円盤が積み重なった形状であってもよい。この場合、上下の円盤に口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物を含む植物体由来調製物(例えば、搾汁、粉砕物または精製物)を含み、中央の円盤に口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物のインヒビターを含んでいることが好ましい。また、例えば、微小なカプセルが分散した構造であってもよい。この場合、カプセル以外の部分に口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物を含む植物体由来調製物(例えば、搾汁、粉砕物または精製物)を含み、カプセル内に口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物のインヒビターを含んでいることが好ましい。この食品は錠菓および錠剤を製造する当業者に公知の方法に従って調製され得る。
例えば、このような食品は、3層打錠機を用いて製造され得る。このような食品の調製に使用され得る打錠機の例としては、株式会社畑鉄工所製3L打錠機が挙げられる。3層打錠機を用いる場合、以下の▲1▼〜▲4▼の工程によって3層錠を製造し得る。
▲1▼最下層を打錠する。
▲2▼打錠された最下層を取り出さず、最下層の上に中心層を打錠する。
▲3▼打錠された最下層および中心層を取り出さず、中心層の上に最上層を打錠する。
▲4▼打錠品を取り出す。
なお、当業者に容易に理解され得るように、▲4▼で打錠品を取り出さず、打錠品の上にさらに上層を打錠することを繰り返せば、3層構造に限らず、任意の層の数の構造の食品を得ることができる。このような場合、各層の組成は所望に応じて任意に決定され得る。
本発明の食品が3つの円盤が積み重なった形状のトローチまたはキャンディーである場合、最下層の重量は好ましくは約0.01g〜約4g、より好ましくは約0.05g〜約1g、さらにより好ましくは約0.1g〜約0.5gであり、中心層の重量は好ましくは約0.01g〜約4g、より好ましくは約0.05g〜約1g、さらにより好ましくは約0.1g〜約0.5gであり、最上層の重量は約0.01g〜約4g、より好ましくは約0.05g〜約1g、さらにより好ましくは約0.1g〜約0.5gである。
本発明の食品はまた、糖衣錠の形態であってもよい。この場合、素錠に口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物のインヒビターを含み、そして糖衣層に口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物を含んでいることが好ましい。この食品は、糖衣錠を製造する当業者に公知の方法に従って調製され得る。糖衣層は例えば、「たこがけ」といわれる方法で手作業で行われてもよく、ドラジェといわれる方法で行われてもよい。糖衣錠の場合、糖衣錠の重量は、好ましくは約0.05g〜約10g、より好ましくは約0.1g〜約5gであり、さらに好ましくは約0.2g〜約3gである。糖衣錠中の素錠の重量は、好ましくは約0.005g〜約1.5g、より好ましくは約0.01g〜約1g、さらにより好ましくは約0.1g〜約0.5gである。糖衣錠中の糖衣層の重量は、好ましくは約0.001g〜約1g、より好ましくは約0.01g〜約0.5g、さらにより好ましくは約0.05g〜約0.3gである。
本発明の食品はまた、フィルムコーティング錠の形態であってもよい。この場合、素錠に口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物のインヒビターを含み、そしてフィルム層に口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物を含んでいることが好ましい。この食品は、フィルムコーティング錠を製造する当業者に公知の方法に従って調製され得る。
本発明の食品はまた、有核錠の形態であってもよい。この場合、核錠に口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物のインヒビターを含み、そして外層に口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物を含んでいることが好ましい。この食品は、有核錠を製造する当業者に公知の方法に従って調製され得る。
本発明の食品がトローチまたはキャンディーである場合、本発明の食品の重量は、好ましくは約0.05g〜約10g、より好ましくは約0.1g〜約5gであり、さらに好ましくは約0.2g〜約3gである。トローチまたはキャンディーである場合、1回に1粒づつ舐めてもよく、1回に複数個(例えば、2個〜10個)舐めてもよい。1回に複数個を舐める場合、いっぺんに複数個を口に入れて舐めてもよく、1個づつ順々に複数個を舐めてもよい。
本発明の食品中に含まれる口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物の量は、その食品を摂取することによって口臭除去作用または舌苔除去作用が得られる限り、任意の量であり得る。このような量は、当業者によって容易に決定され得る。本発明の食品中に含まれる口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物の量は、食品の重量を基準として、好ましくは約0.01重量%以上、より好ましくは約0.05重量%以上、さらに好ましくは約0.1重量%以上、さらにより好ましくは約0.5重量%以上、さらにより好ましくは約1重量%以上、さらにより好ましくは約5重量%以上である。口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物の量の上限は特にないが、好ましくは約50重量%以下であり、より好ましくは約40重量%以下であり、さらに好ましくは約30重量%以下であり、さらにより好ましくは約20重量%以下であり、さらにより好ましくは約10重量%以下である。
本発明の食品中に含まれる本発明の組成物の量は、その食品を摂取することによって口臭除去作用または舌苔除去作用が得られる限り、任意の量であり得る。このような量は、当業者によって容易に決定され得る。本発明の食品中に含まれる本発明の組成物の量は、食品の重量を基準として、好ましくは約1重量%以上、より好ましくは約5重量%以上、さらに好ましくは約10重量%以上、さらにより好ましくは約15重量%以上、さらにより好ましくは約20重量%以上、さらにより好ましくは約25重量%以上、さらにより好ましくは約30重量%以上、さらにより好ましくは約40重量%以上、さらにより好ましくは約50重量%以上、さらにより好ましくは約60重量%以上、さらにより好ましくは約70重量%以上、さらにより好ましくは約80重量%以上、さらにより好ましくは約90重量%以上である。本発明の組成物の量の上限は特にないが、好ましくは約99重量%以下であり、より好ましくは約90重量%以下であり、さらにより好ましくは約80重量%以下であり、さらにより好ましくは約70重量%以下であり、さらにより好ましくは約60重量%以下であり、さらにより好ましくは約50重量%以下である。
本発明の食品は、本発明の舌苔除去用組成物と同様に、脳卒中患者用または肺炎防止用に用いられ得る。本発明の食品は、本発明の組成物と同様に、口臭除去用または口臭防止用に用いられ得る。本発明の食品は、本発明の組成物と同様に、人間および人間以外の動物(例えば、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウサギ、サル、ウマ、ウシなど)に使用され得る。本発明の食品を動物用に用いる場合、動物は、好ましくはペットであり、より好ましくはイヌまたはネコであり、最も好ましくはイヌである。本発明の食品が動物用である場合、本発明の食品は、ペット用チューインガムである。ペット用チューインガムの組成および製造方法は、ペット用チューインガムの分野の当業者に公知である。
本発明の食品は、当該分野で公知の方法に従って調製され得る。本発明の食品は好ましくは、口臭除去作用または舌苔除去作用を有する化合物の口臭除去作用または舌苔除去作用を実質的に損なわない方法で製造される。例えば、口臭除去作用もしくは舌苔除去作用を有する化合物または本発明の組成物をキャンディーに含有させる場合、通常の方法に従ってキャンディーの材料を煮詰めた後、この煮詰めた材料を冷却する途中で、好ましくは約60℃以下、より好ましくは約50℃以下、さらにより好ましくは約40℃以下になった時点で、口臭除去作用もしくは舌苔除去作用を有する化合物または本発明の組成物をキャンディーの材料に添加する。
本発明の食品が2層構造のトローチである場合、このトローチは、2層構造のトローチを製造する当業者に公知の方法に従って調製され得る。
本発明の食品が2層構造のキャンディーである場合、このキャンディーは、2層構造のキャンディーを製造する当業者に公知の方法に従って調製され得る。
(6)舌苔除去用キット
本発明の舌苔除去用キットは、舌苔除去作用を有する化合物を含む組成物と、舌苔除去作用を有する化合物のインヒビターを含有する組成物とを備える。これらの組成物はいずれも、粉末、顆粒、トローチおよび液体のうちの任意の形態であり得る。
舌苔除去作用を有する化合物を含む組成物と、舌苔除去作用を有する化合物のインヒビターを含有する組成物とは、別個の容器に収容されていることが好ましい。
あるいは、これらの組成物は、その識別が可能で、別々に取り出すことが可能であれば、同じ容器に収容されていてもよい。このような場合の例としては、舌苔除去作用を有する化合物を含む組成物がある色のトローチであり、舌苔除去作用を有する化合物のインヒビターを含有する組成物が別の色のトローチであり、そしてこれらのトローチが1粒ずつ小袋に収容されている場合が挙げられる。
このようなキットには、舌苔除去作用を有する化合物を含む組成物および舌苔除去作用を有する化合物のインヒビターを含有する組成物の使用方法を説明する書面が添付されていることが好ましい。このような説明は、キットの包装容器の表面または裏面に印刷されていてもよい。
(7)使用方法
本発明の組成物または食品は、当業者にその形態に適切な方法で摂取または摂食される。本発明の組成物または食品は、前処理としてタングクリーナーなどで舌苔を除去した後に用いられてもよいし、舌苔除去などの前処理をまったくしない状態で用いられてもよい。好ましくは、タングクリーナーなどで舌苔を除去した後で用いられる。タングクリーナーとは、舌苔を物理的に除去するために用いられる器具をいう。
タングクリーナーの好ましい例としては、舌ブラシタイプのタングクリーナーおよび舌ベラタイプのタングクリーナーが挙げられる。タングクリーナーとしては、当該分野で市販されている任意のものが使用され得る。タングクリーナーは、当該分野で公知の方法で使用され得る。例えば、タングクリーナーを中央正面奥の部分の舌背に軽くあて、手前に向かってなでるように引き、次いで、右側または左側の部分の舌背についても同様にタングクリーナーをあてて引き、舌苔を舌から分離し、分離された舌苔を口外に出して口の中をすすぐ。
本発明の組成物または食品が粉末または顆粒の場合、粉末または顆粒を直接舌苔に接触するように投与してもよい。塗布に際しては、刷毛、ヘラなどを用いてもよく、手指で行ってもよい。あるいは、一旦、水などの溶媒に溶解または分散してから舌苔に直接塗布してもよい。本発明の組成物または食品は、トローチ、ガム、キャンディーのような形態である場合、通常と同様に摂取し得る。本発明の組成物または食品は、舌苔を除去する効果を有し、また、除去しきれず残存した舌苔を除去する作用を有するので、本発明の組成物または食品を摂取または摂食した後でタングクリーナーを使用すると、摂取も摂食もしない状態でタングクリーナーを用いた場合と比較して良好に舌苔が除去される。
本発明の組成物または食品の投与量、投与頻度および投与期間は、患者の状態、患者の舌苔評点などに応じて決められる。本発明の組成物または食品の投与量は、好ましくは1回あたり、約0.1g〜約1000g、より好ましくは、約0.2g〜約500g、さらに好ましくは、約0.5g〜約100g、さらにより好ましくは、約1g〜約50gである。
本発明の組成物または食品の投与頻度は、好ましくは1日3回〜3日に1回、より好ましくは1日2回〜2日に1回、さらに好ましくは1日1回である。
本発明の組成物または食品の投与のタイミングは、食前であっても食後であっても食間であってもよいが、食後が好ましい。食前とは、食事の直前から食事を取る約30分前までをいい、食後とは、食事の直後から食事を取った約30分後までをいい、食間とは、食事を取ってから約2時間以上経過した後から次の食事まで約2時間以上前の時間をいう。
本発明の組成物または食品の投与期間は、任意に決定され得るが、好ましくは約1日以上約1ヶ月以下、より好ましくは約3日以上約2週間以下、より好ましくは約5日以上約10日以下である。必要な場合、本発明の組成物または食品は、ほぼ永続的に投与されてもよい。
本発明の組成物または食品は、摂取の際に嚥下せずに口腔内に滞留させることが好ましい。本発明の組成物または食品を、好ましくは約10秒間〜約30分間、より好ましくは約1分間〜約20分間、さらに好ましくは約3分間〜約10分間口腔内に滞留させる。滞留時間が短すぎる場合には、口臭除去効果および舌苔除去効果が得られにくい。
本発明の食品が2層構造である場合、本発明の食品は、噛まずに最後まで舐められることが好ましい。あるいは、本発明の食品を摂取している時に舌にひりひりした感じを覚える場合は、直ちに噛み砕いて内層のインヒビターを放出させ得る。
本発明の組成物または食品は、患者自身によって投与されてもよく、医師、看護婦、介護者などの他者が投与してもよい。患者自身によって投与する場合であって、塗布によって投与する場合、好ましくは患者自身で鏡を見ながら、口を大きく開け、舌を突き出し、舌の上表面(すなわち、舌背)に刷毛、ヘラなどを用いて、または手指によって塗布する。本発明の組成物または食品がトローチ、ガム、キャンディーのような形態である場合、本発明の組成物または食品を口腔に入れて摂取する。この場合、口腔内での本発明の組成物または食品の滞在時間が舌苔と接触する時間が長くなるように接触することが好ましい。本発明の組成物または食品が他者によって投与される場合であって、塗布によって投与する場合、この他者は、まず、患者の口を開け、患者の舌の上表面(すなわち、舌背)に刷毛、ヘラなどを用いて、または手指によって本発明の組成物または食品を塗布する。舌に対して本発明の組成物を投与する。本発明の組成物または食品を投与する際の患者の姿勢、向きなどは他者にとって都合がよいように適切に選択される。
なお、本明細書中では、「患者」とは、舌苔除去を必要とする人間をいい、他の点では健常な人間を含む。
本発明の組成物または食品によって、口腔の衛生状態が向上する効果だけでなく、味覚感受性を向上する効果が期待できる。この効果は、舌の表面を被覆している舌苔を除去することにより、舌乳頭に食品が接触しやすくなることによる。
実施例
以下、実施例および比較例を示し本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<製造例1および製造例2:パインアップル果汁粉末およびキウイフルーツ果汁粉末の製造>
以下の▲1▼〜▲4▼の手順により、パインアップル果汁粉末(製造例1)およびキウイフルーツ果汁粉末(製造例2)を得た。
▲1▼充分に熟した食用可能なパインアップル果実およびキウイフルーツ果実を4℃に冷却した。
▲2▼▲1▼で十分に冷却された果実を4℃下で剥皮、搾汁し、得られた果汁を直ちに−40℃まで冷却して凍結して、凍結果汁を得た。
▲3▼▲2▼で得られた凍結果汁を、株式会社東洋製作所製ADVANTEC真空凍結乾燥器VF−350を用いて真空凍結乾燥して、乾燥果汁塊を得た。この際、真空凍結乾燥中の果汁の品温が30℃以上に上昇することはなかった。
▲4▼▲3▼で得られた乾燥果汁塊を粉砕し、目開き0.5mmの篩を通し、パインアップル果汁粉末(製造例1)およびキウイフルーツ果汁粉末(製造例2)を得た。
<実施例1〜実施例3および比較例1:舌苔除去効果の評価>
上記製造例で製造した果汁粉末の舌苔除去効果を、以下の(イ)〜(ホ)の手順に従って試験した。また、パインアップル缶詰(はごろもフーズ株式会社)中のパインアップル果肉からシロップをかるく拭き取って除去し、残ったパインアップル果肉を20℃で搾汁することによって得られた果汁の舌苔除去効果を同じ方法で試験し、この結果を比較例1とした。
完全経管栄養の脳卒中慢性期の被験者3名を対象とし、下記の(イ)〜(ホ)の手順に従って方法を用いて舌苔除去効果を評価した。ここで、1人目の被験者について実施例1の評価を行い、その評価の終了直後に、実施例2の評価を行った。2人目の被験者については実施例3の評価を行った。3人目の被験者については比較例1の評価を行った。
(イ)各被験者の舌背の写真を撮影した。
(ロ)製造例1で製造したパインアップル果汁粉末または製造例2で製造したキウイフルーツ果汁粉末を、試験の直前に表1に示す割合で蒸留水に溶解して、30gのパインアップル果汁粉末水溶液またはキウイフルーツ果汁粉末水溶液を得た。
Figure 2003090704
実施例1のパインアップル果汁粉末水溶液は凍結乾燥前のパインアップル果汁と同じ濃度に相当し、実施例2のパインアップル果汁粉末水溶液は凍結乾燥前のパインアップル果汁の2倍の濃度に相当し、実施例3のキウイフルーツ果汁粉末水溶液は、凍結乾燥前のキウイフルーツ果汁の2倍の濃度に相当する。
(ハ)被験者の舌苔をタングクリーナーにて除去した後、実施例1としてパインアップル果汁、実施例2としてキウイフルーツ果汁、比較例1としてパインアップル缶詰中のパインアップル果肉から得られた果汁をそれぞれ10g、舌全体および歯茎に塗布した。(イ)〜(ハ)の操作を実施例1は1日1回、10日間継続して行い、実施例2および実施例3は1日1回、5日間継続して行った。
(ニ)(イ)で撮影した写真を基に舌苔量を評価した。舌苔量の評価は、図1に示す舌苔量判定評価基準図の「1」〜「4」の各舌部位に付着した舌苔量を、それぞれの舌背部位について(舌苔面積評点)×(舌苔厚さ評点)として評価し、図中「1」〜「4」の部位の舌苔量の合計を舌苔評点とすることにより行った。舌苔面積評点基準および舌苔厚さ評点基準を、それぞれ表2および表3に示す。
Figure 2003090704
Figure 2003090704
評価結果を表4に示す。
Figure 2003090704
この結果、パインアップル果汁粉末組成物およびキウイフルーツ果汁粉末組成物のいずれもが優れた舌苔除去効果を有することがわかった。実施例1の、凍結乾燥前の果汁と同濃度に調製したパインアップル果汁粉末水溶液では、舌苔評点36点から20点まで減少させることができた。実施例1の実験終了後すぐに開始した実施例2では、舌苔評点を20点から12点まで減少させることができ、その舌苔除去作用が実施例1よりも優れていた。このことから、果汁粉末水溶液の濃度を調節することにより、舌苔除去効果(再発防止効果)を調節できることがわかった。
一方、パインアップル缶詰中のパインアップル果肉から得られた果汁を用いた場合、全く舌苔除去効果を有さなかった。パインアップル缶詰は、加熱処理された後で缶詰されている。このことから、パインアップル中に含まれる舌苔除去作用を有する化合物は、加熱に弱い化合物であると考えられる。
<実施例4>
以下▲1▼〜▲2▼の方法で、2層構造を有し、かつ舌苔除去効果を有するトローチを作製した。
▲1▼還元パラチノース950g、乳化剤30g、茶抽出物(太陽化学株式会社製サンフラボンHG)5gおよびクエン酸10gを混合して内層用混合物を得た。次いで、この内層用混合物を、直径8mmの円形の打錠型を用い、吸い込み深度5.5mm、中心部打錠圧2.0tの条件で打錠した。得られた打錠品1粒の重量は0.25gであった。
▲2▼▲1▼の打錠品700g(約2800粒)に対し、シロップ10g、粉糖28g、ブロメライン製剤(天野エンザイム株式会社製ブロメラインF)2gおよびミントフレーバーパウダー0.6gからなる外層用混合物を、当該分野で公知の方法に従って9回糖衣して、トローチを得た。シロップは、ブリックス70%の市販のシロップであった。このシロップは、ショ糖と水飴とを水に溶解した水溶液であった。粉糖は市販の粉糖であった。ミントフレーバーパウダーは市販のミントフレーバーパウダーであった。得られたトローチ1粒の重量は0.37gであった。
上記の方法で得たトローチの有する舌苔除去作用を以下の▲1▼〜▲5▼の方法で評価した。
▲1▼舌苔除去を必要とする以外は健康な被験者3名の舌背の写真を、オリンパス光学工業株式会社製デジタルカメラCAMEDIA C−700を用い、露出F3.5、シャッタースピード0.2秒で撮影した。自然光を遮断し、かつ蛍光灯を用いて明るさを一定に調整した部屋で撮影を行った。
▲2▼各被験者に上記トローチ5粒を噛み砕かずかつ嚥下しないようにいっぺんに舐めさせた。その結果、舐めるのに約10分間かかった。
▲3▼なめ終わった後、直ちに▲1▼と同様の方法で舌背の写真を撮影した。
▲4▼▲1▼および▲3▼で撮影された写真をAdobe社製Photoshop6.0で読み込み、マグネット選択ツールで舌背の輪郭を読み取り、その内部の面積を舌背の面積とした。さらに舌背の輪郭内部を輝度の閾値レベル150でレベル0とレベル255とに2階調化した後、レベル255である面積を舌苔付着部分の面積とした。さらに、舌苔付着部分の面積の、舌背の面積に対する割合を算出し、舌苔付着割合とした。
▲5▼各被験者について▲1▼および▲3▼の舌苔付着割合を比較した。結果を以下の表5に示す。
Figure 2003090704
表5に示される結果からわかるように、どの被験者においても、トローチの摂取後に舌苔付着割合が低下した。従って、このトローチが舌苔除去作用を有することがわかった。
<実施例5>
以下の方法で舌苔除去効果を有するトローチを作製した。
還元パラチノース950g、乳化剤30gおよびブロメライン製剤(天野エンザイム株式会社製ブロメラインF)20gを混合した。直径20mmの円形の打錠型を用い、吸い込み深度7.38mm、中心部打錠圧2tの条件でこの混合物を打錠した。得られた打錠品(すなわち、トローチ)1粒の重量は2.0gであった。
上記の方法で得たトローチを以下▲1▼〜▲5▼の方法で評価した。
▲1▼舌苔除去を必要とする以外は健康な被験者3名の舌背の写真を、オリンパス光学工業株式会社製デジタルカメラCAMEDIA C−700を用い、露出F3.5、シャッタースピード0.0667秒で撮影した。自然光を遮断し、かつ蛍光灯を用いて明るさを一定に調整した部屋で撮影を行った。
▲2▼被験者に上記トローチ1粒を噛み砕かずかつ嚥下しないように舐めさせた。その結果、舐めるのに約15分間かかった。
▲3▼なめ終わった後、直ちに▲1▼と同様の方法で舌背の写真を撮影した。
▲4▼▲1▼および▲3▼で撮影された写真をAdobe社製Photoshop6.0で読み込み、マグネット選択ツールで舌背の輪郭を読み取り、その内部の面積を舌背の面積とした。さらに舌背の輪郭内部を輝度の閾値レベル130でレベル0とレベル255とに2階調化した後、レベル255である面積を舌苔付着部分の面積とした。さらに、舌苔付着部分の面積の、舌背の面積に対する割合を算出し、舌苔付着割合とした。
▲5▼各被験者について▲1▼および▲3▼の舌苔付着割合を比較した。結果を以下の表6に示す。
Figure 2003090704
表6に示される結果からわかるように、どの被験者においても、トローチの摂取後に舌苔付着割合が低下した。従って、このトローチが舌苔除去作用を有することがわかった。このように、ブロメラインは舌苔除去作用を有する。
<実施例6>アクチニジンでの舌苔除去効果
還元パラチノース920g、乳化剤30gおよびアクチニジン製剤(アサヒフードアンドヘルスケア社製アクチニジン15原末)50gを用いて実施例5と同様の方法で1粒2.0gの打錠品(すなわち、トローチ)を作製した。
得られたトローチの舌苔除去効果を、舌苔除去を必要とする以外は健康な被験者5名(被験者G〜K)について、実施例5と同様の方法で評価した。結果を表7に示す。
Figure 2003090704
表7に示される結果からわかるように、どの被験者においても、トローチの摂取後に舌苔付着割合が低下した。従って、このトローチが舌苔除去作用を有することがわかった。このように、アクチニジンは舌苔除去作用を有する。
<実施例7>ブロメライン打錠品による口臭除去効果
還元パラチノース940g、乳化剤30gおよびブロメライン製剤(天野エンザイム株式会社製ブロメラインF)30gを用いて実施例5と同様の方法で1粒2.0gの打錠品(すなわち、トローチ)を作製した。
得られたトローチを、ガスクロマトグラフィーを用いた揮発性硫化物評価システム(村田ら,口腔衛生学会雑誌(THE JOURNAL OF DENTAL HEALTH)2002,Vol.52 No.3、第190頁〜第195頁に掲載されている方法)を用いて評価した。詳細には、トローチを摂取する前、トローチ1粒を噛み砕かずかつ嚥下しないように舐めた(その結果、舐めるのに約15分間かかった)後、20分後およびその後さらにもう1粒のトローチを噛み砕かずかつ嚥下しないように舐めた後、20分後に、この被験者の呼気を25ml採取した。採取した呼気のうちの10mlについて、自動試料注入装置を用いた炎光光度検出器付きガスクロマトグラフ(島津製作所、京都)を用いてHS、CHSHおよび(CHSの濃度を測定した。この評価を、舌苔除去を必要とする以外は健康な被験者4名(M〜P)について行った。結果を表8に示す。
Figure 2003090704
表8に示される結果からわかるように、どの被験者においても、トローチの摂取後に揮発性硫化物の量が低下した。特に、硫化水素の量の低下が著しかった。さらに、2錠のトローチを摂取した後には、どの被験者においても、硫化水素およびジメチルスルフィドの量が、悪臭を感じる閾値未満まで低下した。従って、このトローチが口臭除去作用を有することがわかった。このように、ブロメラインは口臭除去作用を有する。
<実施例8>アクチニジン打錠品による舌苔除去効果および口臭除去効果
還元パラチノース920g、乳化剤30gおよびアクチニジン製剤(アサヒフードアンドヘルスケア社製アクチニジン15の原末)50gを用いて実施例5と同様の方法で1粒2.0gの打錠品を作製した。
得られたトローチの舌苔除去効果を、舌苔除去を必要とする以外は健康な被験者5名(被験者G〜K)について、実施例5と同様の方法で評価した。さらに、舌苔除去効果の評価の際に、口臭除去効果についても、実施例7と同様に、ガスクロマトグラフィーを用いた揮発性硫化物評価システム(村田ら,口腔衛生学会雑誌(THE JOURNAL OF DENTAL HEALTH)2002,Vol.52 No.3、第190頁〜第195頁に掲載されている方法)を用いて評価した。これらの評価を、舌苔除去を必要とする以外は健康な被験者3名(J〜L)について行った。結果を表9に示す。
Figure 2003090704
表9に示される結果からわかるように、どの被験者においても、トローチの摂取後に舌苔付着割合が低下した。従って、このトローチが舌苔除去作用を有することがわかった。
さらに、どの被験者においても、トローチの摂取後に揮発性硫化物の量が低下した。特に、硫化水素の量の低下が著しかった。さらに、2錠のトローチを摂取した後には、どの被験者においても、硫化水素の量が、悪臭を感じる閾値未満まで低下した。従って、このトローチが口臭除去作用を有することがわかった。
<比較例2>偽薬の口臭除去効果
還元パラチノース970gおよび乳化剤30gを用いて実施例5と同様の方法で1粒2.0gの打錠品を作製した。
得られたトローチの口臭除去効果を、実施例7と同様に、ガスクロマトグラフィーを用いた揮発性硫化物評価システム(村田ら,口腔衛生学会雑誌(THE JOURNAL OF DENTAL HEALTH)2002,Vol.52 No.3、第190頁〜第195頁に掲載されている方法)を用いて評価した。これらの評価を、舌苔除去を必要とする以外は健康な被験者1名(S)について行った。結果を表10に示す。
Figure 2003090704
表9に示される結果からわかるように、この被験者において、トローチの摂取後に揮発性硫化物の量が増加した。特に、硫化水素の量の増加が著しく、2錠のトローチを摂取した後の硫化水素の量は約2倍に増加した。従って、このトローチが口臭除去作用を有さず、さらに口臭を悪化させることがわかった。
産業上の利用可能性
本発明の舌苔除去食品によれば、物理的手段にのみによらず、優れた舌苔除去効果を有し、使用感に優れた舌苔除去用組成物および食品を提供することができる。このような組成物および食品は、舌表面を傷付けず、吐き気を催すことがないという利点を有する。本発明の組成物および食品はまた、食べることができ、風味がよいので、口腔内での使用に適切である。本発明の組成物および食品はまた、十分な舌苔除去作用を有し、そして使用が簡便であるという利点を有する。 本発明によってまた、口臭を軽減するための組成物および食品が提供される。舌苔を除去することにより、口臭が軽減される。本発明の組成物および食品は、生理的口臭のある被験者だけでなく、歯周病の被験者にも有用である。なぜなら、歯周病の被験者は舌苔を有するからである。舌苔は、歯周病の原因の一部であるともいえる。本発明の食品は、安全であるため、舌苔のない被験者が使用しても悪影響を及ぼさない。本発明の組成物および食品(例えば、舌苔除去用トローチ)は、広範囲の口臭予防法および口臭除去方法に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、舌苔量判定評価図である。

Claims (53)

  1. 口臭除去作用を有する化合物を口臭除去有効量で含有する口臭除去用または口臭予防用組成物。
  2. 前記化合物が、口腔内細菌による揮発性硫化物の産生を減少させる作用を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記揮発性硫化物が、硫化水素、メチルメルカプタンおよびジメチルスルフィドからなる群より選択される、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記化合物の含有量が、約0.1重量%以上である、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記化合物が、プロテアーゼである、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記化合物が、システインプロテアーゼである、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記化合物が、パパインスーパーファミリーのシステインプロテアーゼである、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記化合物が、アクチニジンである、請求項1に記載の組成物。
  9. 請求項1に記載の組成物を含む、食品。
  10. 前記食品が、トローチである、請求項9に記載の食品。
  11. 賦形剤を含む、請求項10に記載の食品。
  12. 前記賦形剤が、口腔内細菌によって資化されない、請求項11に記載の食品。
  13. 前記賦形剤が、糖アルコールまたは糖である、請求項11に記載の食品。
  14. 前記賦形剤が、ラクチトール、還元パラチノース、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、パラチノース、トレハロースまたはマンニトールからなる群より選択される、請求項11に記載の食品。
  15. 植物体由来調製物を含有する舌苔除去用組成物であって、該植物体由来調製物が、舌苔除去作用を有する化合物を含有する、組成物。
  16. 前記植物体由来調製物が、搾汁、粉砕物または精製物である、請求項15に記載の組成物。
  17. 前記植物体がパインアップルではない、請求項15に記載の舌苔除去用組成物。
  18. 前記化合物がブロメリンではない、請求項15に記載の舌苔除去用組成物。
  19. 前記搾汁または粉砕物が、未処理状態の搾汁または粉砕物の舌苔除去作用を実質的に損なうことなく処理されており、該処理が、凍結、濃縮および乾燥からなる群より選択される、請求項16に記載の舌苔除去用組成物。
  20. 前記処理された搾汁または粉砕物中の舌苔除去作用を有する化合物の含有量が、処理前の搾汁または粉砕物中の舌苔除去作用を有する化合物の含有量よりも高い、請求項19に記載の舌苔除去用組成物。
  21. 舌苔除去作用を有する化合物の含有量が、約0.1重量%以上である、請求項20に記載の舌苔除去用組成物。
  22. 凍結乾燥されている、請求項19に記載の舌苔除去用組成物。
  23. 前記舌苔除去作用を有する化合物が酵素であり、該酵素の量が舌苔除去有効量である、請求項19に記載の舌苔除去用組成物。
  24. 前記酵素が、プロテアーゼ、アミラーゼまたはリパーゼである、請求項23に記載の舌苔除去用組成物。
  25. 前記酵素が、プロテアーゼである、請求項23に記載の舌苔除去用組成物。
  26. 前記酵素が、システインプロテアーゼである、請求項23に記載の舌苔除去用組成物。
  27. 前記酵素が、パパインスーパーファミリーのシステインプロテアーゼである、請求項23に記載の舌苔除去用組成物。
  28. 前記酵素が、ブロメラインまたはアクチニジンである、請求項23に記載の舌苔除去用組成物。
  29. 酵素が添加された、請求項15に記載の舌苔除去用組成物。
  30. 前記酵素が、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、デキストラナーゼ、トリプシン、パパイン、プロテアーゼ、ブロメライン、ペクチナーゼ、ペプシン、ペプチダーゼ、ホスホリパーゼ、ムラミダーゼ、リゾチームおよびリパーゼからなる群より選択される、請求項29に記載の舌苔除去用組成物。
  31. 前記酵素が、プロテアーゼである、請求項29に記載の組成物。
  32. 前記酵素が、システインプロテアーゼである、請求項29に記載の組成物。
  33. 前記酵素が、パパインスーパーファミリーのシステインプロテアーゼである、請求項29に記載の組成物。
  34. 前記酵素が、ブロメラインまたはアクチニジンである、請求項29に記載の組成物。
  35. 脳卒中患者用である、請求項15に記載の舌苔除去用組成物。
  36. 肺炎防止用である、請求項35に記載の舌苔除去用組成物。
  37. 口臭除去用または口臭防止用である、請求項15に記載の舌苔除去用組成物。
  38. 舌苔除去作用を有する化合物を含む植物体由来調製物と、舌苔抑制作用を有する化合物を含む植物体由来調製物とを含有する、請求項15に記載の舌苔除去用組成物。
  39. 前記舌苔抑制作用を有する化合物を含む植物体由来調製物がチャノキ抽出物である、請求項38に記載の舌苔除去用組成物。
  40. 前記舌苔抑制作用を有する化合物がカテキンである、請求項38に記載の舌苔除去用組成物。
  41. 静菌剤をさらに含有する、請求項15に記載の舌苔除去用組成物。
  42. pH調整剤をさらに含有する、請求項23に記載の舌苔除去用組成物。
  43. 動物用である、請求項15に記載の舌苔除去用組成物。
  44. 請求項15に記載の舌苔除去用組成物を含む、食品。
  45. 前記食品が、トローチ、ガムまたはキャンディーである、請求項44に記載の食品。
  46. 賦形剤を含む、請求項45に記載の食品。
  47. 前記賦形剤が、口腔内細菌によって資化されない、請求項46に記載の食品。
  48. 前記賦形剤が、糖アルコールまたは糖である、請求項46に記載の食品。
  49. 前記賦形剤が、ラクチトール、還元パラチノース、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、パラチノース、トレハロースまたはマンニトールからなる群より選択される、請求項46に記載の食品。
  50. 前記食品が、内層が外層によって覆われた形状であり、該内層が、舌苔除去作用を有する化合物のインヒビター、静菌剤またはpH調整剤を含み、そして該外層が、該舌苔除去作用を有する化合物を含む、請求項44に記載の食品。
  51. 前記内層が、チャノキ抽出物またはシスタチンを含み、そして前記外層が、ブロメラインを含む、請求項50に記載の食品。
  52. 糖衣錠の形状である、請求項50に記載の食品。
  53. 舌苔除去作用を有する化合物を含む組成物と、該舌苔除去作用を有する化合物のインヒビターを含有する組成物とを備える、舌苔除去用キット。
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