JP4776067B2 - 消臭剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、不快臭の抑制乃至は消臭の用途に用いられる消臭剤に関する。より詳細には、本発明はとりわけトリメチルアミンに起因するアミン系悪臭に対して優れた消臭作用を有する、酵素を有効成分とした消臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
我々の環境空間には非常に多くの臭いが存在しており、臭いは私たちの生活に密接に関係している。日常生活の中で我慢できないのはいわゆる「不快」な臭いである。ある調査によると、かかる「不快臭」として「生ゴミの臭い(魚肉や野菜類の腐敗臭を含む)」、「排気管・排水溝の臭い」、「使用後のトイレの臭い」、「口臭」、「腋臭等の体臭」、「タバコの臭い」、「車の中の臭い」、「焼き魚などの料理臭」、「ペットの臭い」、「トイレの汚物入れの臭い」及び「冷蔵庫内の臭い」等が上位を占めるという結果が得られている。
【0003】
一般に悪臭の原因物質は単一ではなく、数多くの物質が種々組み合わさって構成される。このため、単一の脱臭物質だけでは十分な脱臭効果を得ることはなかなか困難である。例えば苛性ソーダ水溶液等のアルカリ剤は硫化水素や低級脂肪酸の脱臭に有効であるが、トリメチルアミンのアミン系悪臭には殆ど効果がないことが知られている。
【0004】
また、従来の公知の消臭剤は、その作用機序から活性炭などによる吸着現象を利用した物理系消臭剤と酸化,還元若しくは中和反応の化学反応を利用した化学系消臭剤との2種類に大別されるが、いずれも消臭できる絶対量が決まっており、このため一定の能力(許容量)を上回る量の悪臭を消臭できなかったり、消臭効果に持続性がないなどといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題に鑑みて、特にトリメチルアミンに由来するアミン系悪臭に優れた消臭効果を発揮する消臭剤を提供することを目的とする。さらに本発明は、消臭作用が長期にわたって持続する、持続的消臭効果に優れた消臭剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、日夜研究を重ねていたところ、各種の酵素に消臭作用があることを見出し、しかもこれらの酵素がトリメチルアミンに由来するアミン系の悪臭に対して顕著に優れた消臭効果を発揮することを確認した。本発明はかかる知見に基づいて開発されたものである。
【0007】
すなわち、本発明は下記に掲げる、酵素を有効成分として含有する消臭剤である。
(1)アミラーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、グルタミナーゼ、5'-ホスホジエステラーゼ、カタラーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ及びマンナナーゼからなる群より選択されるいずれか少なくとも1種の酵素を消臭成分として含有することを特徴とする消臭剤。かかる消臭剤は、トリメチルアミン由来の悪臭に対して優れた消臭作用を有する。
【0008】
(2)α−アミラーゼ、エンド型&エキソ型セルラーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、5'-ホスホジエステラーゼ及びキシラナーゼからなる群より選択されるいずれか少なくとも1種の酵素を消臭成分として含有することを特徴とする消臭剤。かかる消臭剤は、トリメチルアミンに対する消臭作用に加えて、メチルメルカプタン由来の硫黄系悪臭に対しても優れた消臭作用を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、アミラーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、油脂分解酵素、グルタミナーゼ、5'-ホスホジエステラーゼ、カタラーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ及びマンナナーゼからなる群より選択されるいずれか少なくとも1種の酵素を消臭成分として含有することを特徴とする消臭剤である。
【0010】
ここでアミラーゼは、澱粉や類似多糖のα-1,4-グルコシド結合を加水分解する作用を有する澱粉加水分解酵素であり、これにはα−アミラーゼ(EC3.2.1.1等)、β−アミラーゼ(EC3.2.1.2等)及びグルコアミラーゼ(EC3.2.1.3等)が包含される。かかる酵素の起源は特に制限されず、植物、動物または微生物のいずれに由来するものであってもよい。かかるアミラーゼとして、簡便には商業的に入手可能な酵素製剤を用いることができる。このような酵素製剤としては、特に制限されないが、スピターゼHSやスピターゼHK(以上、Bacillus subtilis MN-385が産生する耐熱性α−アミラーゼ、長瀬産業)、液化酵素T(Bac.subtilis)、液化酵素6T(Bac.subtilis)、リクィファーゼL45(Bac.subtilis)、フクタミラーゼ50(Bac.subtilis)、フクタミラーゼ10L(Bac.subtilis)、オリエンターゼAO10(Asp.oryzae)、オリエンターゼAOG(Asp.oryzae)、プライマーゼLC(Bac.subtilis)、プライマーゼHT(Bac.subtilis)〔以上、阪急共栄物産〕、アミラーゼAD「アマノ」1(Bac.subtilis)、アミラーゼAH「アマノ」(Bac.subtilis)、ビオザイムA(Asp.oryzae)、ビオザイムF10 SD(Asp.oryzae)、ビオザイムL(Asp.oryzae)〔以上、天野製薬〕等のα−アミラーゼ製剤;ハイマルトシンG(Wheat)、ハイマルトシンGL(Wheat)〔以上、阪急共栄物産〕、ビオザイムM(Malt)、ビオザイムML(Barley)、ビオザイムM5(Soy bean)〔以上、天野製薬〕等のβ−アミラーゼ製剤;グルターゼ6000(Rhizopus sp.)、グルターゼAD(Asp.niger)〔以上、阪急共栄物産〕、グルクザイムAF6(Rhizopus niveus)、グルクザイムNL4.2(Asp.niger)〔以上、天野製薬〕等のグルコアミラーゼ製剤を例示することができる。
【0011】
セルラーゼは、セルロースの1,4-β-グルコシド結合を加水分解し、セロオリゴマーやグルコースを生じる酵素である。かかる酵素の起源は特に制限されず、植物、動物または微生物のいずれに由来するものであってもよい。かかるセルラーゼとして、簡便には商業的に入手可能な酵素製剤を用いることができる。このような酵素製剤としては、特に制限されないが、セルラーゼXL-531(Asp.niger)、セルライザー(Asp.niger)〔以上、長瀬産業〕、セルロシンAC40(Asp.niger)、セルロシンAL(Asp.niger)、セルロシンT2(Tri.viride)、セルロシンT(Tri.viride)〔以上、阪急共栄物産〕、セルラーゼA「アマノ」3(Asp.niger)、セルラーゼT「アマノ」4(Tri.viride)〔以上、天野製薬〕等のセルラーゼ製剤を例示することができる。
【0012】
キシラナーゼ(ヘミセルラーゼ)は、キシランを加水分解する酵素(EC3.2.1.8)である。かかる酵素の起源は特に制限されず、植物、動物または微生物のいずれに由来するものであってもよい。かかるキシラナーゼとして、簡便には商業的に入手可能な酵素製剤を用いることができる。このような酵素製剤としては、特に制限されないが、セルロシンHC100(Asp.niger)、セルロシンHC(Asp.niger)、セルロシンB(Asp.niger)、セルロシンTP25(Tri.viride)〔以上、阪急共栄物産〕、ヘミセルラーゼ「アマノ」90G(Asp.niger)〔天野製薬〕等のキシラナーゼ製剤を例示することができる。
【0013】
ペクチナーゼ(ポリガラクツロナーゼ)は、細胞中層のペクチン質に含まれるα-1,4ガラクツロニル結合を加水分解するペクチン分解酵素である。かかる酵素の起源は特に制限されず、植物、動物または微生物のいずれに由来するものであってもよい。かかるペクチナーゼとして、簡便には商業的に入手可能な酵素製剤を用いることができる。このような酵素製剤としては、特に制限されないが、プロトペクチナーゼナガセ(長瀬産業)、セルロシンPC5(Asp.niger)、セルロシンPE60(Asp.niger)、セルロシンPEL(Asp.niger)、セルロシンME(Rhizopus sp.)〔以上、阪急共栄物産〕、ペクチナーゼA「アマノ」(Asp.oryzae, Asp.pulverulentus)、ペクチナーゼG「アマノ」(Asp.pulverulentus)、ペクチナーゼGL「アマノ」(Asp.pulverulentus)、ペクチナーゼPL「アマノ」(Asp.niger)〔以上、天野製薬〕等のペクチナーゼ製剤を例示することができる。
【0014】
プロテアーゼはペプチド結合を加水分解する酵素(EC3.4群)である。かかる酵素の起源は特に制限されず、植物、動物または微生物のいずれに由来するものであってもよい。プロテアーゼとして、簡便には商業的に入手可能な酵素製剤を用いることができる。このような酵素製剤としては、特に制限されないが、ビオプラーゼ30L、ビオプラーゼ30G、ビオプラーゼAPL-30、ビオプラーゼXL-416〔以上、長瀬産業〕、オリエンターゼ20A(Asp.niger)、オリエンターゼ90N(Bac.subtilis)、ヌクレイシン(Bac.subtilis)、オリエンターゼ10NL(Bac.subtilis)、オリエンターゼONS(Asp.oryzae)、オリエンターゼ22BF(Bac.subtilis)、テトラーゼS(Asp.niger)、オリエンターゼON5(Asp.oryzae)、オリエンターゼY(Bac.subtilis)、オリエンターゼ5BL(Bac.subtilis)〔以上、阪急共栄物産〕、ウマミザイム(Asp.oryzae)、ニューラーゼF(Rhizopus niveus)、パパインW-40(Carica papaya L.)、パンクレアチンF(animal pancreas)、プロテアーゼA「アマノ」G(Asp.oryzae)、プロテアーゼM「アマノ」(Asp.oryzae)、プロテアーゼN「アマノ」(Bac.subtilis)、プロテアーゼNL「アマノ」(Bac.subtilis)、プロテアーゼP「アマノ」3G(Asp.melleus)、プロテアーゼS「アマノ」(Bac.stearothermophilus)、プロメラインF(Pineapple cannery)、プロレザーFG-F(Bac.subtilis)、ペプチダーゼR(Rhizopus oryzae)〔以上、天野製薬〕等のプロテアーゼ製剤を例示することができる。
【0015】
リパーゼは、トリアシルグリセロールのエステル結合を加水分解し、部分アシルグリセロールあるいはグリセロールと脂肪酸を生成する油脂分解酵素である。かかる酵素の起源は特に制限されず、植物、動物または微生物のいずれに由来するものであってもよい。かかるリパーゼとして、簡便には商業的に入手可能な酵素製剤を用いることができる。このような酵素製剤としては、特に制限されないが、リリパーゼB-2(Rhizopus japonicus)、リリパーゼA10FG(Rhizopus japonicus)〔以上、長瀬産業〕、ニューラーゼF(Rhizopus niveus)、リパーゼA「アマノ」6(Asp.niger)、リパーゼAY「アマノ」30G(Candida rugosa)、リパーゼF-AP15(Rhizopus oryzae)、リパーゼG「アマノ」50(Penicillium camemberti)、リパーゼM「アマノ」10(Mucor javanicus)、リパーゼR「アマノ」G(Penicillium roqueforti)〔以上、天野製薬〕等のリパーゼ製剤を例示することができる。
【0016】
グルタミナーゼは、グルタミンをグルタミン酸とアンモニアに分解する酵素である。かかる酵素の起源は特に制限されず、植物、動物または微生物のいずれに由来するものであってもよい。かかるグルタミナーゼとして、簡便には商業的に入手可能な酵素製剤を用いることができる。このような酵素製剤としては、特に制限されないが、グルタミナーゼ100FG(Bac.subtilis)〔長瀬産業〕、グルタミナーゼF「アマノ」100(Bac.subtilis)〔天野製薬〕等のグルタミナーゼ製剤を例示することができる。
【0017】
カタラーゼは、過酸化水素を水と酸素に分解する酵素である。かかる酵素の起源は特に制限されず、植物、動物または微生物のいずれに由来するものであってもよい。かかるカタラーゼとして、簡便にはレオネットFプラス(Asp.niger)やレオネット(Micrococcus lyzodeicticus)、レオネットS〔以上、長瀬産業〕、カタラーゼU5L(Mic. lyzodeicticus)〔阪急共栄物産〕等の商業的に入手可能な酵素製剤を用いることができる。
【0018】
また同様に、5'-ホスホジエステラーゼとしてはヌクレアーゼ「アマノ」(Penicillium citrinum)〔天野製薬〕;ウレアーゼとしてはナガプシン〔長瀬産業〕、グルコースオキシダーゼとしてはデオキシン(Penicillium amagasakiense)〔長瀬産業〕及びハイデラーゼ15(Asp.niger)〔天野製薬〕;アスコルビン酸オキシダーゼとしてはASO−10(きゅうり)〔長瀬産業〕、及びマンナナーゼとしてはセルロシンGM5(Asp.niger)〔阪急共栄物産〕等の市販の酵素製剤を使用することができる。
【0019】
これらの酵素はおしなべてトリメチルアミンのアミン系悪臭に対して優れた消臭作用を有する。また上記酵素のうち、α-アミラーゼ(ビオザイムA)、セルラーゼ(セルラーゼXL531、セルロシンAC40、セルロシンT2)、キシラナーゼ(セルロシンHC100)、ペクチナーゼ(ペクチナーゼA「アマノ」)、プロテアーゼ(ビオプラーゼ30L、プロテアーゼA「アマノ」G)、リパーゼ(リパーゼM「アマノ」10)、カタラーゼ(レオネット、レオネットS)、5'−ホスホジエステラーゼ(ヌクレアーゼ「アマノ」)及びアスコルビン酸オキシダーゼ(ASO−10)は、トリメチルアミンに対する消臭作用と併せて、メチルメルカプタンの硫黄系悪臭に対して良好な消臭効果を有する。とりわけアミン系及び硫黄系の両者の悪臭の消臭に特に有用な酵素として、エキソ型とエンド型の両セルラーゼ活性を有するセルラーゼ(セルラーゼXL531)、Asp.oryzae菌を起源とするα−アミラーゼ(ビオザイムA)、Asp.niger菌を起源とするキシラナーゼ(セルロシンHC100)、植物(きゅうり)を起源とするアスコルビン酸オキシダーゼ(ASO−10)、Penicillium citrinumを起源とする5'-ホスホジエステラーゼ(ヌクレアーゼ「アマノ」)を挙げることができる。
【0020】
本発明の消臭剤は、上記酵素を1種単独で含有するものであっても、また2種以上を任意に組み合わせて含有するものであってもよい。特に至適pHの異なる酵素を種々組み合わせて使用することによって、消臭対象物のpHに制限されることなく、幅広いpHに有効に適用できる消臭剤を調製することができる。
【0021】
また、本発明の消臭剤に用いられる酵素は、精製及び粗精製を問わず単品の状態であってもよいし、また前述するように任意の担体や添加物を含有する組成物(酵素製剤)の状態であっても、更には任意の担体に結合若しくは固定化された状態(固定化酵素)であってもよい。かかる担体としては、従来酵素の固定化や安定化のために用いられるものが広く使用でき、例えば澱粉などの食品素材、軽石、パーライト、おがくず、各種合成樹脂を挙げることができる。
【0022】
本発明の消臭剤は、これらの酵素を結果として消臭成分として含有するものであればよく、本発明の効果を有する限り、酵素の配合割合を特に制限するものではない。通常、消臭剤の使用形態、使用目的及び適用対象、並びに使用する酵素の種類等に応じて適宜選択でき、例えば消臭剤中(100重量%)の酵素の配合割合として0.00001〜40重量%、好ましくは0.0001〜20重量%の割合を挙げることができる。
【0023】
また本発明の消臭剤には、本発明の効果を妨げない範囲で、例えば他の消臭剤、着色剤、清澄剤、着香剤、粘度調整剤、界面活性剤、防腐剤、殺菌・抗菌剤、植物エキス、精油、pH緩衝剤、溶剤、滑沢剤、賦形剤、漂白剤等の各種の成分を配合することもできる。
【0024】
本発明の消臭剤は、定法に従って、液体状、粉末・顆粒状、固形状等の任意の形態の消臭剤として調製することができ、かかる形態に応じて便所、洗面所、風呂場、台所、流し台、排気口、排水溝、排水口、塵芥処理場、ゴミ(生ゴミ、汚物)、汚泥などの悪臭発生源に直接撒付したり、またこれらの悪臭を発生し得る雰囲気内に配置するといった任意の態様で使用することができる。尚、後者の使用態様の場合、本発明の消臭剤は、カプセル若しくはゲル基材に封入させて固形若しくは半固形状態で用いることも可能である。具体的には、本発明の消臭剤は、液体芳香消臭剤、液体若しくは発泡洗浄剤(衣類用、浴室・洗面所・台所・トイレなどの排水管用)、エアゾール消臭剤、固形消臭剤(トイレ、台所、室内用)、固形洗浄剤(衣類、トイレ、台所用)等の各種の製品に調製できる。
【0025】
本発明の消臭剤は、とりわけトリメチルアミンといったアミン系悪臭に対して優れた消臭効果を発揮するものである。従って、本発明が特に消臭対象とする悪臭としては、例えば魚臭や動物臭等の生臭さ、魚肉類や野菜などの腐敗臭、口臭、トイレや排水口から出る悪臭を広く挙げることができる。
【0026】
また、α-アミラーゼ(ビオザイムA)、セルラーゼ(セルラーゼXL531、セルロシンAC40、セルロシンT2)、キシラナーゼ(セルロシンHC100)、ペクチナーゼ(ペクチナーゼA「アマノ」)、プロテアーゼ(ビオプラーゼ30L、プロテアーゼA「アマノ」G)、リパーゼ(リパーゼM「アマノ」10)、カタラーゼ(レオネット、レオネットS)、5'−ホスホジエステラーゼ(ヌクレアーゼ「アマノ」)又はアスコルビン酸オキシダーゼ(ASO−10)を有効成分として含有する消臭剤は、上記アミン系悪臭とメチルメルカプタン等の硫黄系悪臭の両者に対して優れた消臭効果を有する。従って、かかる酵素を有効成分として含有する消臭剤によれば、上記魚等の生臭さや腐敗臭、口臭に加えてトイレの汚物の臭い、台所(流し台の下など)、配水管等の悪臭や不快臭を解消することが可能である。
【0027】
本発明の消臭剤の消臭効果は酵素が有する触媒様作用に基づくものである。よって本発明の消臭剤は、かかる酵素作用に基づいて消臭効果が長期にわたって持続するため、持続的消臭効果に優れたものである。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明は当該実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
400mL容量のコニカルビーカー内に各種の悪臭液(トリメチルアミン、メチルメルカプタン)を入れた10mLビーカー、及び酵素試料(表1参照)を入れた10mLビーカーをいれ、コニカルビーカー上部をパラフィンフィルム及びアルミホイルで密封し、25℃、湿度60%条件下で放置した。なお、酵素試料(試験サンプル)としては、各種酵素を0.5g秤りとったものを用いた。また、対照実験として水を用いて同様にして消臭試験を行った。
【0029】
24時間後、ガステック社製検知管で各種悪臭(トリメチルアミン、メチルメルカプタン)濃度を測定して、ブランク濃度に対する消臭率を算出した。なお、ブランク濃度は、酵素試料を入れずに各悪臭液をコニカルビーカー内に入れて密封し、24時間後に測定した悪臭濃度である。
【0030】
【数1】
【0031】
結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
表1からわかるように、実験したアミラーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、グルタミナーゼ、5'-ホスホジエステラーゼ、カタラーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ及びマンナナーゼは、いずれもトリメチルアミンのアミン系悪臭に対して顕著に優れた消臭効果を発揮することがわかった。中でもα-アミラーゼ(ビオザイムA)、セルラーゼ(セルラーゼXL531、セルロシンAC40、セルロシンT2)、キシラナーゼ(セルロシンHC100)、ペクチナーゼ(ペクチナーゼA「アマノ」)、プロテアーゼ(ビオプラーゼ30L、プロテアーゼA「アマノ」G)、リパーゼ(リパーゼM「アマノ」10)、カタラーゼ(レオネット、レオネットS)、5'−ホスホジエステラーゼ(ヌクレアーゼ「アマノ」)及びアスコルビン酸オキシダーゼ(ASO−10)は、メチルメルカプタンの硫黄系悪臭に対しても良好な消臭効果を発揮することがわかった。
【0034】
<処方例>
以下、本発明の消臭剤の適用例を処方例として記載する。尚、各成分の単位は重量部を意味するものとする。
【0035】
【0036】
【0037】
なお、上記酵素として、セルラーゼ酵素製剤(セルラーゼXL531、長瀬産業)、α−アミラーゼ(ビオザイムA、天野製薬)、キシラナーゼ(セルロシンHC100、阪急共栄物産)、アスコルビン酸オキシダーゼ(ASO−10、長瀬産業)、5'-ホスホジエステラーゼ(ヌクレアーゼ「アマノ」、天野製薬)をそれぞれ用いた。
Claims (2)
- エンド型とエキソ型の両セルラーゼ活性を有するセルラーゼ及びPenicillium citrinumを起源とする5'-ホスホジエステラーゼからなる群より選択されるいずれか少なくとも1種の酵素を消臭成分として含有することを特徴とする消臭剤。
- Aspergillus niger菌を起源とするエンド型とエキソ型の両セルラーゼ活性を有するセルラーゼ、Penicillium citrinumを起源とする5'-ホスホジエステラーゼ及びAspergillus niger菌を起源とするキシラナーゼからなる群より選択されるいずれか少なくとも1種の酵素を消臭成分として含有することを特徴とするトリメチルアミン及びメチルメルカプタンの消臭剤。
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