JP3332510B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サイクロデキストリン
グルカノトランスフェラーゼ(以下、CGTaseという)
を含有してなる洗浄剤に関する。更に詳細には、アルカ
リに対して安定なCGTaseを含有してなる洗浄剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、洗剤組成物にプロテアーゼ、
アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、酸化還元酵素等の
各種酵素を配合することは公知である(例えば、特公昭
60-52197、特公昭61-60198、特公昭59-49279、特開昭63
-161087、特開平1-60693等)。また、食器洗浄用として
はアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ等が一般的に使
用されている。
【0003】近年、自動食器洗浄機の普及はめざまし
く、一般家庭にでも盛んに利用されるようになった。こ
のような自動食器洗浄機用の洗剤としては、酵素として
は食器類に強固に付着した米飯等に代表される澱粉質の
汚れなどに対してのα−アミラーゼ、油質の汚れなどに
対してのリパーゼ等が配合され、更に通常の洗剤に使用
される各種の界面活性剤、漂白剤、香料等も組み合わさ
れて配合されている。
【0004】
【課題が解決しようとするための課題】従来の洗剤では
食器等に付着している澱粉質の汚れを除去する酵素とし
てのα−アミラーゼの配合ではまだ不十分であること、
さらに自然環境保護のためにも香料などの使用を低減若
しくは不使用とする必要があること、更により充分な洗
浄効果を得る必要があること等の問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、以上のよ
うな問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、洗浄剤にCGTa
seを配合することによって、これらの問題を解決できる
ことを知り本願発明を完成した。即ち、本願発明はCGTa
seを含有してなる洗浄剤組成物に関する。
【0006】CGTaseを澱粉に作用させて生成したサイク
ロデキストリンは各種の有機化合物を包蔵し、不安定物
質の安定化、芳香の保持、悪臭物質の消臭、苦みの除
去、乳化促進、起泡性改善等の作用が知られ、医薬、食
品分野に使用されている。例えば、サイクロデキストリ
ンを洗浄剤に配合し、その起泡性を改善したり(特開昭
63−68520、特開平2-34693、特開平3−172397)、香料
の持続効果を図ったり(特開平1−185399)する方法が
知られている。
【0007】本願発明は、洗浄対象の食器などに付着し
た澱粉質にCGTaseを作用させることによりサイクロデキ
ストリンを生成せしめ、当該生成したサイクロデキスト
リンの持つ消臭、汚れの乳化促進などの作用を利用して
悪臭の発生の抑制、洗滌効果向上を図ることができると
の知見に基づいてなされたものである。
【0008】CGTaseは、澱粉に作用して、サイクロデキ
ストリンを生成する酵素であり、酵素分類番号としては
EC 2.4.1.19に分類される。また、サイクロデキストリ
ンはグルコースが6、7又は8個などからなる環状オリ
ゴ糖の総称である。
【0009】本願発明に用いることができるCGTaseとし
ては、その起源などが特に限定されるものではない。例
えばバチルス・マセランス(Bacillus macerans)、バ
チルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチ
ルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearotherm
ophilus)等のバチルス属細菌、クレブシエラ・ニュー
モニア(Klebsiella pneumoniae)等の細菌などが生産
することが知られている。又、ある種の好アルカリ性
菌、例えば、好アルカリ性バチルス No.38-2は、pH5.5
とpH8.5に最適pHをもつCGTaseを生産し、澱粉からβ−
サイクロデキストリンを生産する。これらの微生物の生
産するCGTaseについては、例えば、発酵と工業 36(3) 1
76-183 (1978), 醸造 80(7) 434-440 (1985),(株)学
会出版センター発行「好アルカリ性微生物」 101-110
(1982)等に詳しくまとめられている。
【0010】更に、本願発明者は本発明に、より好適に
利用できるCGTaseを広く自然界に求めてスクリーニング
を実施した。
【0011】その結果、土壌より分離したバチルス・エ
スピーYT−1株の生産するCGTaseが、最適pHは6付近
にあるが、pH5−12の広いpH域で安定で、pH4〜12の広
いpH域でサイクロデキストリンを合成する性質を有し、
特に、pH5〜10においても、至適pHの活性の90%以上の
活性を有する耐アルカリ性の性質を有し、更にpH9以上
ではα−サイクロデキストリンの生成は抑制され、β−
サイクロデキストリンとγ−サイクロデキストリンを主
成分として生産することを認めた。
【0012】このように、本酵素が、pH9以上のアルカ
リ性下で、澱粉質から生産するサイクロデキストリン
は、空洞の大きいβ−サイクロデキストリンとγ−サイ
クロデキストリンが主成分となるため、このCGTaseを洗
剤とともに使用すれば、食器等の澱粉質等の汚れの分解
除去の他に、生成したサイクロデキストリンの消臭など
のマスキング効果も顕著に発揮され、又、起泡性の改善
と汚れの乳化促進などによる洗滌効果向上等、洗剤成分
として極めて有用であることを認めた。
【0013】本発明において例示菌として使用されるバ
チルス・エスピーYT−1株は、以上の目的のために、
自然界から分離した多数の微生物の中から選び出された
ものである。バチルス・エスピーYT−1の菌学的性質
は下記の通りである。なお本菌は工業技術院生命工学工
業技術研究所に、FERM P-13877として寄託されている。
【0014】 (1) 形態:桿菌(幅0.8〜1.0μm、長さ3.0〜4.0μm) (2) 胞子:卵形で菌体を膨張させる。径0.9〜1.2μm、
菌端または中央に形成する。 (3) グラム染色:陰性 (4) 運動性:+ (5) オキシダーゼ:+ (6) カタラーゼ反応:+ (7) インドール:− (8) VP:− (9) VP培地におけるpH:7.8 (10) リトマスミルク反応:− (11) メチレンブルー還元:− (12) チロシン分解:− (13) 食塩(5,7,10%)生育:− (14) 尿素の分解:− (15) クエン酸塩利用(christensen):− (16) OF反応:− (17) 酸素に対する態度:好気性 (18) ブドウ糖の分解:− (19) エスクリンの分解:+ (20) 硝酸塩還元:± (21) マッコンキー生育:− (22) 澱粉の分解:+ (23) ゼラチン:+ (24) ツイン80:− (25) DNase:+ (26) フェニルアラニン:− (27) エッグヨーク:− (28) カゼイン:+(但し18日) (29) 生育温度(℃):10〜41(最適32〜36) (30) 生育pH:7.2〜11.5(最適8.0〜9.0) (31) 食塩生育(%):0〜1 (32) 栄養要求: ビオチン ± ナイアシン − サイアミン − 葉酸 − トリプトファン − (33) 糖から酸の産生(フェノールレッド半流動培地−2
1日): マンニット + サッカロース − キシロース − ソルビット − サリシン + アラビノース − グリセリン − ダルシット − グルコース − マルトース − マンノース − ラクトース −
【0015】以上の菌学的性質について、 Bergey's Mannual of Determinative Bacteriolog
y、vol. 2(1986), Williams & Wilkins U.S.A、 N. R. Smith, R. E. Gordon, F. E. Clark(1952)
Aerobic Sporeforming Bacteria. Agr. Monogragh、 R. E. Gordon, W. C. Haynes, C. H. Pang.(197
3)The Genus Bacillus. Agr. Handbook No.427 United
states department of Agriculture. WashingtonD. C. 等を参照して同定した。本菌は2%食塩に生育せず、そ
の他の性状においても極めてBacillus brevisに類似す
るが、澱粉を分解し、チロシンを分解しないことから当
該菌と同定できなかった。もちろん糖の資化性等からBa
cillus alcalophilus, Bacillus firmus, Bacillus len
tus, Bacillus circulans等に相当しないことより、本
菌をバチルス・エスピーYT−1と命名した。
【0016】本菌の生産するCGTaseの酵素的性質の概要
を以下に示す。 (a) 作用及び基質特異性:澱粉を分解してα−、β−及
びγ−サイクロデキストリン合成する。これらサイクロ
デキストリンの生成比は、pH7〜8において、通常、20
〜30:60〜70:10〜15の割合で生成するが、pH9以上に
おいては、α−サイクロデキストリンの生成が抑制さ
れ、β−サイクロデキストリンとγ−サイクロデキスト
リンを主成分として生産し、その生成比は、通常、0〜
3:80〜85:10〜20である。
【0017】(b) 作用pH及び最適pH:作用pHが4〜12で
あり、1%可溶性澱粉、10mM酢酸緩衝液又はリン酸緩衝
液の下で、40℃で30分測定した場合の最適pHは6〜7で
あり、かつpH5〜10において、最高活性の90%以上の活
性を示す(図1に示す。)。
【0018】(c) 作用温度及び最適温度:作用温度の上
限が80℃であり、かつ1%可溶性澱粉、10mMリン酸緩
衝液(pH10)下で10分間反応させたときの最適温度は65
℃にある(図2に示す。)。
【0019】(d) pH安定性:10mM酢酸緩衝液又はリン酸
緩衝液の下、25℃で3時間処理したとき、pH5〜10にお
いて安定である(図3に示す。)。
【0020】(e) 熱安定性:10mMリン酸緩衝液(pH10)
の下で10分間加熱する場合、50℃まで安定であるが、60
℃で80%失活する。5mMのカルシウムイオンの存在下で
は60℃で10分間加熱しても90%以上残存する(図4に示
す。)。
【0021】(f) 分子量:アクリルアミド電気泳動法に
より求めた分子量が43,000である。
【0022】(g) 安定化:Ca2+の存在下で熱安定化され
る。
【0023】(h) 阻害剤:Hg2+、Ag+、Cu2+、Ni2+、Fe
2+等の存在下により活性が阻害される。
【0024】(i) 精製法:培養上澄から、60%硫安沈
殿、DEAE−セファロースカラムクロマトグラフィーとセ
ファデックスゲル濾過クロマトグラフィーにより、電気
泳動的に均一まで精製することができる。
【0025】(j) 活性測定法:2%可溶性澱粉を含む0.
1Mリン酸緩衝液(pH11.0)0.2mlに、適量の酵素液を加
え、全量を水で0.4mlとし、50℃で10分間反応させた。
反応後、ヨウ素−ヨウ化カリウム−HCl溶液[(I2 0.00
5g ; KI 0.05g ; 0.1M HCl 10ml)に水を加えて、全量
100mlとしたもの]を2ml加え、室温で15分間放置後、6
60nmで比色する。この条件で、1分間に青色の1%を減
少させる酵素量を1単位とする。
【0026】これまで、サイクロデキストリンを生成す
る多くの微生物が発見されてきた。生成されるサイクロ
デキストリンの種類は、微生物の種類により異なり、例
えば、バチルス・マセランス(Bacillus macerams)の
酵素は比較的α−サイクロデキストリンを多く生産する
(α:β:γ=13.3:2.3:1)。そして、ある種の細
菌、例えば、バチルス・メガテリウム(Bacillus megat
erium)は比較的β−サイクロデキストリンを多く生産
する(α:β:γ=1.0:7.0:1.0)。又、好アルカリ
性細菌が生産する、例えば、バチルス No.38-2株のCGTa
seは、最適pHが5.5とpH8.5にあり、β−サイクロデキス
トリンを生産する〔発酵と工業 37(2) 150-161 (197
9)〕。
【0027】然るに、本発明において例示菌として使用
するバチルス・エスピーYT−1株の生産するCGTase
は、pH5〜10の広いpH域で安定であるが、最適pHが6〜
7にあり、pH6〜8で反応したとき、通常、α−サイク
ロデキストリンを20〜30%、β−サイクロデキストリン
を60〜70%、そして、γ−サイクロデキストリンを10〜
15%の割合で生成する。一方、pH9以上で反応したとき
は、α−サイクロデキストリンの生成が抑制され、空洞
の大きいβ−サイクロデキストリンとγ−サイクロデキ
ストリンが主成分として生産される。その割合は、α−
サイクロデキストリンが0〜3%、β-サイクロデキス
トリンが80〜85%そして、γ−サイクロデキストリンが
10〜20%である。しかし、最高収量は、ほぼ同じ50〜60
%であった。
【0028】本菌を培養して本発明のCGTaseを生産する
には、窒素源として、大豆粕、コーン・スティープ・リ
カー、肉エキス、ペプトン、ミルクカゼイン、酵母エキ
スなどの有機窒素源が使用される。中でも、大豆タンパ
ク、大豆粕(脱脂大豆)、コーン・ルティーブ・リカー
などは良好な窒素源である。この他、必要に応じ、硫酸
アンモニウム、塩化アンモニウム、尿素、硝酸アンモニ
ウムなどの無機窒素源が使用される。炭素源としては、
通常、澱粉又は液化澱粉、可溶性澱粉、デキストリンな
どの澱粉派生物が使用される。
【0029】以上の窒素源と炭素源の他に、リン酸塩、
マグネシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが補足
原料として使用される。特に、リン酸塩、マグネシウム
イオン、マンガンイオンなどの添加は効果があり、リン
酸塩として、例えば、K2HPO4は0.05〜0.3%、マグネシ
ウム塩として、例えば、MgSO4・7H2Oは0.01〜0.3%、カ
ルシウム塩として、例えば、Cacl2は0.01〜0.1%程度添
加される。CGTaseは菌体外に生産されるので、培養後、
濾過又は遠心分離により、除菌し、酵素を回収する。
【0030】本願発明の洗浄剤組成物に配合されるCGTa
seとしては上記に述べたように特に限定されるものでは
なく、例えばバチルス・マセランス由来のCGTase(商品
名:コンチザイム 天野製薬製)、バチルス・ステアロ
サーモフィラス由来のCGTase(商品名:KCGT 天野
製薬製)等も使用することができる。より好ましくは、
通常洗浄剤がアルカリ性であること、生成するサイクロ
デキストリンが悪臭などの包接効果を充分に発揮するた
めにもβ−或いはγ−サイクロデキストリンの生成量が
多い方が好ましいことより、本願発明者が自然界から分
離したバチルス・エスピーYT−1株(FERM P-13877)
の生産するCGTaseが用いられる。
【0031】更に、本願発明の洗浄剤組成物には必須成
分であるCGTase以外に目的の洗浄効果と消臭効果の機能
を損なわない程度に任意の成分を添加することができ
る。そのような成分としては再汚染防止剤としてのカル
ボキシメチルセルロース等、アルカリ剤としての炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、ホウ砂等、増量剤、香
料、色素、漂白剤としての過炭酸ナトリウム、過ホウ酸
ナトリウム等、消泡剤としてのシリコーン等、液体洗剤
として供給される場合には防腐剤としてのエタノール、
イソプロパノール、プロピレングリコール等が挙げられ
る。又、洗浄対象に澱粉質が含まれない場合には、可溶
性澱粉などの澱粉質を洗浄剤組成物に含有させることも
できる。
【0032】CGTaseの高アルカリ性下の洗剤中での耐性
試験は、市販の洗剤、例えば、ライオン社製ママローヤ
ル(商品名:界面活性剤を30%含有)を使用し、界面活
性剤として例えば450ppmを含むpH10又はpH11の溶液中
で、40℃又は50℃で試験した。
【0033】実験例1 コーン・スティープ・リカー 2%(固形分として)、K
2HPO4 0.2%、MgSO4・7H2O 0.2%、CaCl2 1×10-3Mか
らなる培地200mlを1リットル容三角フラスコに入れ、1
21℃で15分殺菌後、バチルス・エスピーYT−1株(FE
RM P-13877)を接種し、30℃で225回転/分で3日間振
盪培養した。培養後、遠心分離して得た上澄液のCGTase
活性は、184単位/ml培地であった。
【0034】培養上澄に、硫酸アンモニウムを60%飽和
になるように加え、生成した沈殿を回収後、透析して
後、25mMのトリス緩衝液(pH7.0)で緩衝化させたDEA
E−セファロース CL−68カラムに供給し、KCL濃度を0
−1Mまでリニヤーに変えて溶出した。CGTase区分を回
収し、濃縮、透析後、次いで、セファデックスG−150カ
ラムでゲル濾過を行った。得られた精製酵素は2960単位
/A280であり、電気泳動的に均一であった。
【0035】実験例2 0.4M グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液1.0ml、実験
例1に従い調製したCGTアーゼ 0.3ml(381単位)、使用
規格2倍濃度の液体洗剤〔ライオン(株)販売商品名マ
マローヤル、界面活性剤(α−オレフィンススホン酸ナ
トリウム、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルなど)30%含有〕3mlを加え、水
で全量6.0ml(界面活性剤濃度450ppm)とし、pH5.0、7.
0と10に調製し、35℃で放置した。経時的一定量を採取
し、残存活性を測定した。得られた結果を図5に示す。
【0036】図から明らかなように、本酵素は、界面活
性剤に対して安定であり、接触140時間後も50%以上の
活性を保持した。そして、本酵素はpH5及びpH7よりも
pH10においてより安定であった。
【0037】以下、実施例により本発明の内容を更に具
体的に説明するが、本発明の範囲は、これら実施例に限
定されるものでない。
【実施例】
実施例1 ガラス版に糊化もち米澱粉(約30mg)を塗布し、乾燥し
たものを、種々の濃度のCGTaseを含む、実験例2で使用
した液体洗剤に入れ、pH10とpH11、及び40℃と50℃で浸
漬した。15分後、各上澄を採取し、pHを5.0に調製して
後、100倍に希釈した市販(ノボ社製造販売)のバチル
ス属α−アミラーゼ(ターマミル 6L)とアスペルギ
ルス・ニガーのグルコアミラーゼ各0.05mlを加え、60℃
で、15分反応した。そして、生成した還元糖をソモギー
・ネルソン法により定量した。得られた結果を図6及び
図7に示す。
【0038】図6はpH10で処理した場合を示し、図7は
pH11で処理した場合を示している。横軸の酵素量は本発
明のCGTaseの存在量(×25単位)を示し、縦軸は澱粉が
分解されて可溶化された量の相対値(%)を示してい
る。
【0039】図中で−●−は50℃の場合を、−○−は40
℃の場合を示している。いずれの場合も、洗剤に含まれ
るCGTaseにより澱粉が分解可溶化(デキストリン化)さ
れた。
【0040】実施例2 洗剤組成としては以下のような組成物及び市販の液体洗
剤(実験例2)を用い、これに各種CGTaseを添加(100
単位/ml)して洗浄剤組成物とした。
【0041】洗剤組成1 アルキルベンゼン硫酸化ソーダ塩 13% ピロリン酸ソーダ 9% キシレンスルホン酸ソーダ 5% ラウリン酸ジエタノールアマイド 4% 水 69%
【0042】洗剤組成2 プルロニック 17% C.M.C 9% トリポリリン酸ソーダ 22% ボウ硝 45% ヤシ油脂肪酸のアルキルアマイド 7%
【0043】上記の各洗浄剤組成物(0.2%)を用い自
動食器洗浄機(松下電気製)で洗浄効果を判定した。汚
染皿としては、米飯2gを磁性皿(25cm)に引き伸ばし
て塗布し、24時間室温にて乾燥した皿5枚を試験に供し
た。
【0044】洗浄力の判定は米飯の残存を沃素の呈色反
応によって行った。対照として、CGTase無添加の場合及
びα−アミラーゼを添加した場合も同様にして行った。
その結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表中で洗浄効果の判定は沃素澱粉反応によ
って生じた青色部分の面積と初期の汚染面積の比率から
算出して洗浄率として示した。表より明らかなように、
CGTaseを含有する洗浄剤組成物を使用した場合にはα−
アミラーゼ使用の場合と同等以上の効果が見られた。
【0047】実施例3 実施例2の洗浄剤組成物(0.5%)に汚染皿5枚を浸漬
し、5時間放置して洗浄効果及び防臭効果について判定
した。同じく対照としてCGTase無添加の場合とα−アミ
ラーゼを添加した場合も同様にして行った。その結果を
表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】実施例2と同様に洗浄効果はα−アミラー
ゼよりも優れていた。防臭効果についてはCGTaseを用い
た場合にのみ顕著に感じられれ、洗浄に伴う悪臭発生を
抑えることができることより、香料などの添加は必要と
しない。
【0050】
【発明の効果】本発明はバチルス属細菌が生産し、pH9
以上において、β−サイクロデキストリンとγ−サイク
ロデキストリンを生成するサイクロデキストリン・グル
カノトランスフェラーゼ、これを成分として含む洗剤に
関するもので、該酵素により澱粉質の汚れが効果的に除
去され、かつ生成するサイクロデキストリンにより洗滌
効果を高められ、除臭効果も発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCGTaseの最適pHを示している(1%可
溶性澱粉、0.1M緩衝液下で、50℃で30分間反応)、−
●−酢酸緩衝液を使用した場合を示し、−○−はリン酸
緩衝液(KH2PO4−Na2HPO4又はNaOH−Na2HPO4)を使用し
た場合を示している。
【図2】本発明のCGTaseの最適温度を示している〔1%
可溶性澱粉、10mMリン酸緩衝液(pH10.0)の下で、30
分間反応〕。
【図3】本発明の酵素のpH安定性を示している。−●−
は酢酸緩衝液、−○−はリン酸緩衝液を使用した場合を
示している。
【図4】本発明の酵素の温度安定性を示している。−○
−カルシウムイオンが存在しない場合を示し、−●−は
5mMのCaCl2が存在する場合を示している。
【図5】CGTaseの洗剤中でのpH安定性を示している。pH
は5、7又は10で35℃で放置した。−○−はpH10の場合
を示し、−□−はpH5の場合を示し、そして−●−はpH
7の場合を示している。
【図6】洗剤に添加された本発明のCGTaseによる澱粉質
汚れのpH10で処理した場合の分解可溶化作用を示す。図
中で−●−は50℃の場合を示し、−○−は40℃の場合を
示す。
【図7】洗剤に添加された本発明のCGTaseによる澱粉質
汚れのpH11で処理した場合の分解可溶化作用を示す。図
中で−●−は50℃の場合を示し、−○−は40℃の場合を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−107971(JP,A) 特開 昭52−47929(JP,A) 特開 平6−237752(JP,A) 特開 平6−237750(JP,A) 特開 昭64−11198(JP,A) 特開 平1−256596(JP,A) 特開 平1−256597(JP,A) 特開 昭54−82853(JP,A) 宮崎大学工学部研究報告,日本,1994 年,第40号,p.47−54 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 3/386 C11D 17/00 C12N 9/10 C12R 1:07 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) JICSTファイル(JOIS) 実用ファイル(PATOLIS) PubMed

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サイクロデキストリン グルカノトランス
    フェラーゼを含有してなる洗浄剤組成物。
  2. 【請求項2】サイクロデキストリン グルカノトランス
    フェラーゼが、アルカリに対して安定なバチルス属菌が
    生産する酵素である請求項1記載の洗浄剤組成物。
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宮崎大学工学部研究報告,日本,1994年,第40号,p.47−54

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