JP2000023665A - アルカリアミラーゼ - Google Patents

アルカリアミラーゼ

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JP2000023665A
JP2000023665A JP19305598A JP19305598A JP2000023665A JP 2000023665 A JP2000023665 A JP 2000023665A JP 19305598 A JP19305598 A JP 19305598A JP 19305598 A JP19305598 A JP 19305598A JP 2000023665 A JP2000023665 A JP 2000023665A
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amylase
cyclodextrin
bacillus
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alkaline
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Hiroshi Hagiwara
萩原  浩
Kaori Kitayama
香織 北山
Jerongai Suizo Franklin
ジェロンガイ スイゾ フランクリン
Katsuya Ozaki
克也 尾崎
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ領域に最適作用を有し、既知のアミ
ラーゼとは酵素学的性質を異にする新規なアミラーゼの
提供。 【解決手段】 1)作用:澱粉、アミロース、アミロペ
クチン、グリコーゲン及びそれらの部分分解物のα−
1,4グルコシド結合を分解し、マルトオリゴ糖を生成
する。γ−サイクロデキストリンを分解し、マルトオリ
ゴ糖を生成する。但し、α−サイクロデキストリン、β
−サイクロデキストリン及びプルランには作用しな
い。; 2)作用pH範囲及び最適作用pH:pH6.0〜10.5の
範囲で作用し、最適作用pHは9.0〜10.0であ
る。; 3)pH安定性:pH7.0〜12.0の範囲で安定である
(40℃、30分間処理)。;分子量103,000±
5,000であるアルカリアミラーゼ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はpH9〜10に最適作
用を有する新規なアルカリアミラーゼに関する。
【0002】
【従来の技術】α−アミラーゼは、澱粉、アミロース、
アミロペクチン等の澱粉系多糖類の分子中のα−1,4
グルコシド結合のみを切断する酵素で、各種細菌、カビ
類、植物、動物など多くの生物から得られている。これ
らのα−アミラーゼは古くから、澱粉加工、醸造産業で
の穀類やイモの液化や糖化、繊維産業での澱粉糊抜き
剤、医薬品産業での強力な消化剤として利用されてきて
おり、また食品産業における水飴の製造、更には臨床検
査等、幅広い産業分野で利用されている。一方、α−ア
ミラーゼの他の利用法として古くから洗浄剤への配合の
適性が知られており、洗浄力増強成分として自動食器洗
浄機用洗剤や衣料用洗剤などへの配合が行われてきてい
る(Enzymes in Detergency, p203, Mercel Dekker In
c., New York(1997))。
【0003】ところが、洗浄剤溶液はpHがアルカリ側に
あるため、洗浄剤に配合するα−アミラーゼは、アルカ
リ領域で最大活性を示すか、あるいはアルカリ耐性を有
するα−アミラーゼ、いわゆるアルカリα−アミラーゼ
及びアルカリ耐性α−アミラーゼが有効である。従来ア
ルカリα−アミラーゼ及びアルカリ耐性α−アミラーゼ
としては、バチルス エスピー A−40−2株の生産
する酵素〔Agric.Biol.Chem.,35,
1783(1971)〕、バチルス エスピー NRR
L B−3881株の生産する酵素〔J.Bacter
iol.,110,992(1972)〕、ストレプト
マイセス属 KSM−9株の生産する酵素(特開昭61
−209588号)、バチルス H−167株の生産す
る酵素(特開昭62−208278号)、バチルス ア
ルカロサーモフィラス(Bacillus alkal
othermophilus)A3−8株の生産する酵
素(特開平2−49584号)、ナトロコッカス エス
ピー(Natrococcus sp.)Ah−36株
の生産する酵素(特開平4−211369号)、バチル
ス エスピーSD771株が生産する酵素(特開平4−
23983号)及びバチルス エスピー GM8901
株の生産する酵素〔Appl.Environ.Mic
robiol.,61,3105(1995)〕が知ら
れていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はアルカ
リ領域に最適作用範囲を有し、既知のアルカリアミラー
ゼとは酵素学的性質を異にする新規なアミラーゼを提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、土壌より
採取したバチルス属に属する微生物が、最適作用pHを9
〜10に有するアルカリアミラーゼを生産することを見
出した。
【0006】すなわち、本発明は、次の酵素学的性質を
有するアルカリアミラーゼを提供するものである。
【0007】1)作用 澱粉、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン及び
それらの部分分解物のα−1,4グルコシド結合を分解
し、マルトオリゴ糖を生成する。γ−サイクロデキスト
リンを分解し、マルトオリゴ糖を生成する。但し、α−
サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリン及び
プルランには作用しない。 2)作用pH範囲及び最適作用pH pH6.0〜10.5の範囲で作用し、最適作用pHは9.
0〜10.0である。 3)pH安定性 pH7.0〜12.0の範囲で安定である(40℃、30
分間処理)。 4)作用温度範囲及び最適作用温度 30〜60℃の範囲で作用し、最適作用温度は45〜5
5℃である。 5)温度安定性 45℃以下で安定である〔グリシン水酸化ナトリウム緩
衝液(pH10)中、30分間処理〕。 6)分子量 ソディウムドデシル硫酸ポリアクリルアミドゲル電気泳
動法による分子量は103,000±5,000であ
る。 7)等電点 等電点電気泳動法による等電点は6.0付近にある。 8)金属イオンの影響 Na+ 及びK+ は50mM、Ca2+、Co2+、Al3+、F
3+、Hg2+、Ag+、Cu2+、Ni2+、Fe2+、Mg
2+、Zn2+、Mn2+、Ba2+、Be2+、Pd2+、Cd2+
及びSr2+は1mMで処理したとき約80%以上の残存活
性を有する。 9)N末端アミノ酸配列 N末端領域に、Ala−Gly−Asp−Gln−Va
l−Tyr−Asp−Lys−Val−Val−Leu
−Arg−Gly−Gly−Gluの配列を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、アルカリα−ア
ミラーゼとは、至適pHがアルカリ領域にあるものをい
い、アルカリ耐性α−アミラーゼとは、至適pHは中性か
ら酸性領域にあるが、アルカリ領域においても至適pHに
おける活性に比較して十分に活性を有し且つ安定性を保
持するものをいう。また、中性とはpH6〜8の範囲をい
い、アルカリ性とはそれ以上の範囲をいう。
【0009】本発明のアルカリアミラーゼを生産する微
生物としては、バチルス属細菌、例えばバチルス エス
ピー(Bacillus sp.)KSM−K2株が挙
げられる。当該KSM−K2株は、次のような菌学的性
質を有する。
【0010】(a)顕微鏡的観察結果 菌体の大きさは、0.8〜1.0μm×2.5〜3.7
μmの桿菌であり、菌体の中央或いは準端に楕円形の内
生胞子(0.8〜1.0μm×1.0〜1.2μm)を
作る。周鞭毛を有し運動性がある。グラム染色は陽性。
【0011】(b)各種培地に於ける生育状態 尚、本菌株は好アルカリ性のため以下の試験では用いた
培地に0.5%炭酸ナトリウムを添加した。 ・肉汁寒天平板培養 生育状態は良い。集落の形状は円形である。表面は平滑
で光沢があり、周縁はスムーズである。又、集落の色調
は黄褐色である。 ・肉汁寒天斜面培養 生育する。 ・肉汁液体培養 生育し、沈澱する。 ・肉汁ゼラチン穿刺培養 生育状態は良い。ゼラチンの液化が認められる。 ・リトマスミルク培地 変化しない。
【0012】(c)生理学的性質 ・硝酸塩の還元及び脱窒反応 硝酸塩の還元は陰性。脱窒反応は陰性。 ・MRテスト 陰性。 ・V−Pテスト 陰性。 ・インドールの生成 陰性。 ・硫化水素の生成 陽性。 ・澱粉の加水分解 陽性。
【0013】・クエン酸の利用 コーサー培地、クリステンセン培地、シモンズ培地で生
育。 ・無機窒素源の利用 硝酸塩は利用するが、アンモニウム塩は利用しない。 ・色素の生成 陰性。 ・ウレアーゼ 陰性。 ・オキシダーゼ 陽性。 ・カタラーゼ 陽性。
【0014】・生育の範囲 生育の温度範囲は15〜45℃、生育最適温度範囲は3
0〜40℃である。生育のpH範囲は、pH8.0〜11.
0、生育最適pHは同様である。 ・酸素に対する態度 好気的。 ・O−Fテスト 陰性。 ・糖の利用性 D−グルコース、D−ガラクトース、D−キシロース、
L−アラビノース、ラクトース、エスクリン、リボー
ス、ラムノース、D−マンノース、メリビオース、麦芽
糖、ショ糖、トレハロース、D−ソルビット、D−マン
ニット、澱粉、イノシット、ラフィノース及びアドニト
ールを利用する。 ・食塩含有培地に於ける生育 食塩濃度が5%では生育するが、7%で生育できない。
【0015】以上の菌学的性質に関する検討に基づき、
バージーズ・マニュアル・オブ・デタミネイティブ・バ
クテリオロジー(Bergey's Mannual of Determinative
Bacteriology)第8版及びジーナス・バチルス(The
Genus Bacillus)を参照し、比較検討
した結果、本菌株は有胞子桿菌であるバチルス(Bac
illus)属の一種であると認められる。しかし、本
菌株は中性領域では生育できず、専ら高アルカリ領域で
良好な生育を示すことから、Horikoshi とAkiba ("Alk
aliphilic Microorganism", Japan Scientific Society
Press(Tokyo),1982 年巻)の主張している、所謂好ア
ルカリ性(Alkaliphilic)微生物に属し、従来の中性で
生育するバチルス属細菌とは区別される。
【0016】更に、本菌株の菌学的性質は公知の好アル
カリ性バチルスのうち、B. alcalophilus(Microbial.,
141, 1745(1995) )に近いものであったが、生育pH、
生育温度、食塩含有培地における生育及び糖の利用性の
点で一致しないので、これを新規菌株と判断してバチル
ス エスピー(Bacillus sp.)KSM−K
2と命名し、FERM P−16834として通産省工
業技術院生命工学工業技術研究所に寄託した。
【0017】上記の微生物を用いて本発明のアルカリア
ミラーゼを得るには、培地に微生物を接種し、常法に従
って培養すればよいが、好アルカリ性菌であるため培地
はアルカリ性であることが望ましい。
【0018】かくして得られた培養物中からの本発明の
アルカリアミラーゼの採取及び精製は、一般の酵素の採
取及び精製の手段に準じて行う事ができる。このように
して得られる酵素液は、そのまま使用することができる
が、更に公知の方法により精製し、結晶化又は造粒化す
ることもできる。
【0019】以下、本発明のアルカリアミラーゼの精製
法の一例を挙げる。培養上清液について、(1)硫安沈
澱、(2)DEAE−トヨパール(トーソー社製)カラ
ムクロマトグラフィー、(3)陰イオン交換樹脂及び疎
水クロマトを用いた高速液体クロマトグラフィーをする
ことにより、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル濃
度10%)及びソディウムドデシル硫酸(SDS)電気
泳動で単一のバンドを与える精製酵素を得ることができ
る。
【0020】得られた本発明のアルカリアミラーゼの酵
素学的性質は前記の通りであり、最適作用pHが9.0〜
10.0である点、分子量が103,000±5,00
0と比較的大きい点及びγ−サイクロデキストリンを分
解する点等の特徴を有する。本酵素とこれまでに報告さ
れているアルカリアミラーゼとの比較を行った。その結
果、本酵素は、最適作用pHに於いて、バチルス エスピ
ー NRRL B−3881、ナトロコッカス エスピ
ー Ah−36、バチルス エスピー SD771由来
のアルカリアミラーゼと類似するが、NRRL B−3
881由来のアルカリアミラーゼはβ−サイクロデキス
トリンを分解する点で異なり、Ah−36由来のアルカ
リアミラーゼとは最適作用温度、温度安定性及び分子量
で、SD771由来アルカリアミラーゼとは最適作用温
度、温度安定性で異なる。このように、本発明のアルカ
リアミラーゼは、既知のアルカリアミラーゼのいずれと
も異なる新規酵素であることが明らかである。
【0021】
【発明の効果】本発明の新規アルカリアミラーゼは、最
適作用pHを9〜10に有する。またpH7〜12において
安定である。更に、界面活性剤等の洗浄剤配合成分によ
っても殆ど阻害を受けない。従って、本酵素はアルカリ
領域で澱粉を加工する工程など極めて広範囲の産業分野
で使用され得る。特に、衣料用洗剤、自動食器洗浄機用
洗剤、漂白剤及び糊抜き剤等に配合することにより有利
に使用することができるものであり、工業的に極めて大
きな意義を有するものである。
【0022】
【実施例】尚、酵素活性の測定は次の緩衝液を用い、以
下の方法に従って行った。 pH4.0〜12.0 ブリットン−ロビンソン緩衝液 pH8.5 トリス塩酸緩衝液
【0023】アミラーゼ活性測定法:各種緩衝液(終濃
度50mM)中に、可溶性澱粉(反応系における最終濃度
は0.5%)を溶解させた基質溶液0.9mlに、酵素液
0.1mlを加え、50℃で、15分間反応させた。反応
後、3,5−ジニトロサリチル酸(DNS)法にて、還
元糖の定量を行った。即ち、反応液0.1mlにDNS試
薬1.0mlを加え、5分間、沸騰水中で加熱発色させ、
冷却後、4.0mlの脱イオン水を加えて希釈し、波長5
35nmで比色定量した。酵素の力価は、1分間に1μmo
lのグルコースに相当する還元糖を生成する酵素量を1
単位(U)とした。
【0024】実施例1 土壌約0.5gを滅菌生理食塩水に懸濁し、80℃で1
5分間熱処理した。この熱処理液の上清を適当に希釈し
て、分離用寒天培地(培地A)に塗布した。次いで、こ
れを50℃で2日間培養し、集落を形成させた。集落の
周に澱粉溶解に基づく透明帯を形成するものを選出し、
アミラーゼ生産菌を分離した。更に、分離菌を培地Bの
液体培地に接種し、30℃で2日間好気的に振盪培養し
た。培養後、遠心分離した上清液についてアミラーゼ活
性をpH10にて測定し、アルカリ領域に於いて高い酵素
活性を有するアミラーゼ生産菌をスクリーニングした。
【0025】この方法により、本発明のアルカリアミラ
ーゼ生産菌バチルス エスピー KSM−K2株を取得
することができた。
【0026】 培地A 可溶性澱粉 1.0% 着色澱粉 0.4% トリプトン 0.2% 酵母エキス 0.1% KH2PO4 0.03% (NH42SO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.02% CaCl2・2H2O 0.02% FeSO4・7H2O 0.001% MnCl2・4H2O 0.0001% 寒天 2.0% Na2CO3 0.5% (pH10)
【0027】 培地B 可溶性澱粉 1.0% トリプトン 0.2% 酵母エキス 0.1% KH2PO4 0.03% (NH42SO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.02% CaCl2・2H2O 0.02% FeSO4・7H2O 0.001% MnCl2・4H2O 0.0001% Na2CO3 0.5% (pH10)
【0028】実施例2 実施例1の液体培地Bにおいて、バチルス エスピー
KSM−K2株を接種し、30℃で2日間好気的に振盪
培養した。遠心分離上清についてアミラーゼ活性(pH1
0)を測定した結果、培養液1L当たり、260Uの活
性を有していた。
【0029】実施例3 実施例2で得られた上清液に80%飽和濃度になる様に
硫酸アンモニウムを加えて攪拌後、生成した沈澱を回収
し、2mM CaCl2を含む10mM トリス塩酸緩衝液
(pH7.5)に溶解し、同緩衝液に対して透析する。得
られた透析内液を同緩衝液で平衡化したDEAE−トヨ
パール650Mカラムに添着し、同緩衝液を用いて0〜
500mMの食塩の濃度勾配により溶出する。活性画分を
同緩衝液にて透析後、陰イオン交換樹脂を用いた高速液
体クロマトグラフィーにより得た活性画分を上記緩衝液
にて透析することによってポリアクリルアミドゲル電気
泳動(ゲル濃度10%)及びソディウムドデシル硫酸
(SDS)電気泳動で単一のバンドを与える精製酵素を
得ることができた。
【0030】この精製酵素の酵素学的性質は以下の通り
であった。
【0031】(酵素化学的諸性質) 1)作用 澱粉、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン及び
それらの部分分解物のα−1,4グルコシド結合を分解
し、アミロースからはグルコース(G1)、マルトース
(G2)、マルトトリオース(G3)、マルトテトラオ
ース(G4)、マルトペンタオース(G5)及びマルト
ヘキサオース(G6)を生成する。γ−サイクロデキス
トリンを分解し、マルトオリゴ糖を生成する。但し、α
−サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリン及
びプルランには作用しない。 2)作用pH範囲及び最適作用pH(ブリットン−ロビンソ
ン緩衝液) pH6.0〜10.5の範囲で作用し、最適作用pHは9.
0〜10.0である(図1)。 3)pH安定性(ブリットン−ロビンソン緩衝液) 40℃、30分間処理条件下で、pH7.0〜12.0ま
で極めて安定である(図2)。 4)作用温度範囲及び最適作用温度 30〜60℃の範囲で作用し、最適作用温度は45〜5
5℃である(図3)。 5)温度安定性 45℃以下で安定である〔グリシン水酸化ナトリウム緩
衝液(pH10)中、30分間処理〕(図4)。 6)分子量 ソディウムドデシル硫酸ポリアクリルアミドゲル電気泳
動法により測定した分子量は103,000±5,00
0である。 7)等電点 等電点電気泳動法により測定した等電点は6.0付近で
ある。なお、この方法による等電点は通常±0.5程度
の誤差がある。 8)界面活性剤の影響 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル
硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキ
ル硫酸エステルナトリウム塩、α−オレフィンスルホン
酸ナトリウム、α−スルホン化脂肪酸エステルナトリウ
ム、アルキルスルホン酸ナトリウム、SDS、石鹸及び
ソフタノール等の各種界面活性剤0.1%溶液で、30
℃、30分間処理しても比較的安定である(残存活性6
9%以上)。 9)金属塩の影響 各種金属塩(Na+ 及びK+ は50mM、Ca2+、C
2+、Al3+、Fe3+、Hg2+、Ag+ 、Cu2+、Ni
2+、Fe2+、Mg2+、Zn2+、Mn2+、Ba2+、B
2+、Pd2+、Cd2+及びSr2+は1mMで処理)と共存
させて30℃で30分間処理してその影響を調べたとこ
ろ、比較的安定である(残存活性84%以上)。 10)N末端アミノ酸配列 本アミラーゼのN末端アミノ酸配列をエドマン分解法
〔Edman,P.,Acta Chem.Scand.,4,283,(1948) 〕により
プロテインシーケンサー(ABI社製)477Aを用い
て測定した結果、Ala−Gly−Asp−Gln−V
al−Tyr−Asp−Lys−Val−Val−Le
u−Arg−Gly−Gly−Gluの配列を有するこ
とが判った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明アルカリアミラーゼの反応pHと相対酵素
活性との関係を示す図である。
【図2】本発明アルカリアミラーゼの処理pHと残存酵素
活性との関係を示す図である。
【図3】本発明アルカリアミラーゼの反応温度と相対酵
素活性との関係を示す図である。
【図4】本発明アルカリアミラーゼの処理温度と残存酵
素活性との関係を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 フランクリン ジェロンガイ スイゾ ビーオー ルズ バンゾン,ハサーン,ミ サミス オリエンタル カガヤン デ オ ロ シティ,ミンダナオ 9003,フィリピ ン ピリピナス カオウ インコーポレイ ティド内 (72)発明者 尾崎 克也 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 4B050 CC01 DD02 EE03 LL04 4H003 DA01 DA19 EC01 FA28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の酵素学的性質を有するアルカリアミ
    ラーゼ。 1)作用 澱粉、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン及び
    それらの部分分解物のα−1,4グルコシド結合を分解
    し、マルトオリゴ糖を生成する。γ−サイクロデキスト
    リンを分解し、マルトオリゴ糖を生成する。但し、α−
    サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリン及び
    プルランには作用しない。 2)作用pH範囲及び最適作用pH pH6.0〜10.5の範囲で作用し、最適作用pHは9.
    0〜10.0である。 3)pH安定性 pH7.0〜12.0の範囲で安定である(40℃、30
    分間処理)。 4)作用温度範囲及び最適作用温度 30〜60℃の範囲で作用し、最適作用温度は45〜5
    5℃である。 5)温度安定性 45℃以下で安定である〔グリシン水酸化ナトリウム緩
    衝液(pH10)中、30分間処理〕。 6)分子量 ソディウムドデシル硫酸ポリアクリルアミドゲル電気泳
    動法による分子量は103,000±5,000であ
    る。 7)等電点 等電点電気泳動法による等電点は6.0付近にある。 8)金属イオンの影響 Na+ 及びK+ は50mM、Ca2+、Co2+、Al3+、F
    3+、Hg2+、Ag+、Cu2+、Ni2+、Fe2+、Mg
    2+、Zn2+、Mn2+、Ba2+、Be2+、Pd2+、Cd2+
    及びSr2+は1mMで処理したとき約80%以上の残存活
    性を有する。 9)N末端アミノ酸配列 N末端領域に、Ala−Gly−Asp−Gln−Va
    l−Tyr−Asp−Lys−Val−Val−Leu
    −Arg−Gly−Gly−Gluの配列を有する。
  2. 【請求項2】 バチルス(Bacillus)属細菌由
    来である請求項1記載のアルカリアミラーゼ。
  3. 【請求項3】 バチルス エスピー(Bacillus
    sp.)KSM−K2(FERM P−16834)
    由来である請求項1記載のアルカリアミラーゼ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7803604B2 (en) 2000-07-28 2010-09-28 Henkel Ag & Co. Kgaa Amylolytic enzyme extracted from Bacillus sp. A 7-7 (DSM 12368) and washing and cleaning agents containing this novel amylolytic enzyme

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US7803604B2 (en) 2000-07-28 2010-09-28 Henkel Ag & Co. Kgaa Amylolytic enzyme extracted from Bacillus sp. A 7-7 (DSM 12368) and washing and cleaning agents containing this novel amylolytic enzyme

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