JP6188199B2 - 食器洗い機用洗浄剤 - Google Patents
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Description
食器洗い機では、一般に、専用の洗浄剤(食器洗い機用洗浄剤)が用いられ、55〜65℃程度の温水が利用されている。
また、食器洗い機では、洗浄液を、ポンプを用いて吐出させている。洗浄液が泡立つと、ポンプから洗浄液が吐出されず、運転停止などの不具合を生じやすくなる。このため、食器洗い機用洗浄剤においては、低泡性であること、が求められる。加えて、食器洗い機用洗浄剤には、食器等に付着した種々の汚れ、たとえば油汚れ、タンパク質汚れ、デンプン汚れ、スケール汚れ(水道水や汚れ中のカルシウムが炭酸塩などになり不溶化して食器等に付着したもの)を除去し得る洗浄力も求められる。
これに対して、食器洗い機用洗浄剤には、低泡性の界面活性剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが汎用されている。
また、テルペン系アルコール等の精油成分と、該精油成分を可溶化するためのN−アシルアミノ酸塩と、該精油成分の可溶化補助剤として脂肪酸アルカノールアミドと、を含有する食器洗浄用組成物も提案されている(特許文献2参照)。
しかし、最近では、前記予備洗いが省略され、直接食器洗い機によって、汚れのひどい食器等の洗浄処理が行われるようになってきている。このため、食器洗い機の洗浄対象とする汚れ量が増加している。また、汚れ量の増加に伴い、食器等から種々の汚れ(油汚れ、タンパク質汚れ、デンプン汚れ、スケール汚れ又はこれらの複合汚れ等)を除去しにくくなっている。加えて、特にポリプロピレン(PP)樹脂等からなる疎水性食器(たとえば、プラスチック製容器)の洗浄においては、洗浄中に油汚れが移汚又は再付着(再汚染)しやすい環境となってきている。
しかしながら、特許文献1、2などの従来の洗浄剤では、予備洗いをせずに食器洗い機による洗浄処理を行った場合、食器等に付着した種々の汚れに対する洗浄力が不充分である。また、疎水性食器においては再汚染が顕著である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、低泡性を確保しつつ、食器等の洗浄対象物に付着した種々の汚れに対して優れた洗浄力を有するとともに、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染が抑制された食器洗い機用洗浄剤、を課題とする。
本発明の食器洗い機用洗浄剤の剤形は、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含有するものであれば特に限定されず、粉粒状やタブレット状等の固体でもよく、液体でもよい。
(A)成分は、脂肪酸アルカノールアミド及びポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドからなる群より選ばれ、かつ、HLBが8.5以上12.0未満の非イオン界面活性剤である。
本発明において「脂肪酸アルカノールアミド」とは、たとえば、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸クロリド又は油脂等と、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)と、の反応によって生成するもの、すなわち、脂肪酸モノアルカノールアミド、及び/又は、脂肪酸ジアルカノールアミドを包含する。
「ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド」とは、前記脂肪酸アルカノールアミドにオキシエチレン基が導入されたものをいう。
有機概念図におけるIOBとは、該有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、即ち「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。
該有機概念図とは、藤田穆により提案されたものであり、その詳細は“Pharmaceutical Bulletin”,1954,vol.2,2,pp.163−173;「化学の領域」,1957,vol.11,10,pp.719−725;「フレグランスジャーナル」,1981,vol.50,pp.79−82などで説明されている。即ち、全ての有機化合物の根源をメタン(CH4)とし、他の化合物は全てメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、変態部、環などにそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値及び無機性値を求める。そして、これらの値を、有機性値をX軸、無機性値をY軸とした図上にプロットしていくものである。この有機概念図は、「有機概念図−基礎と応用−」(甲田善生著、三共出版、1984)等にも示されている。
(A)成分のHLBは8.5以上12.0未満であり、9.0〜11.0が好ましい。
(A)成分のHLBが8.5以上12.0未満であれば、種々の汚れ(油汚れ、タンパク質汚れ、デンプン汚れ、スケール汚れ又はこれらの複合汚れ等)に対する洗浄力が高まるとともに、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染も抑制される。
特に(A)成分のHLBが8.5以上であれば、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染を抑制する効果が高い。一方、(A)成分のHLBが12.0未満であれば、洗浄時の低泡性を確保することができる。
尚、2種以上の(A)成分を用いる場合、これらの混合物のHLBは、各(A)成分のHLBの加重平均の値が8.5以上12.0未満の範囲内にあることを要するものとする。
(A)成分の融点が好ましい下限値以上であれば、洗浄時の低泡性を確保しやすくなる。一方、(A)成分の融点が好ましい上限値以下であれば、食器洗い機用洗浄剤の溶解性が高まり、洗浄後に、該洗浄剤の溶け残りが生じにくくなる。
本発明において「(A)成分の融点」は、混合比率を(A)成分/精製水=9/1(質量比)に設定した(A)成分と精製水とを、乳鉢内で混合したものを試料とし、該試料を約4mg採取し、示差走査熱量計(DSC8230D、株式会社リガク製)を用い、昇温速度3K/minの条件で測定したときに観測される吸熱ピークの最小値を示す温度とする。
モノアルカノールアミド構造を有するものとしては、たとえば、下記の一般式(a−1)で表される化合物、又は、一般式(a−2)で表される化合物が好適に挙げられる。
R1におけるアルキル基、アルケニル基の炭素数は7〜19であり、種々の汚れに対する洗浄力の点から、好ましくは炭素数が9〜17であり、より好ましくは炭素数が11〜15である。
前記式(a−2)中、nは平均繰返し数であり、種々の汚れに対する洗浄力、及び再汚染抑制の効果の点から、好ましくは3以下の数であり、より好ましくは2以下の数であり、さらに好ましくは1以下の数であり、特に好ましくは1である。
尚、一般式(a−2)で表される化合物は、nが平均繰返し数を示すことからも分かるように、(CH2CH2O)の繰返し数が異なる分子の混合物である。
これらの中でも、種々の汚れ(油汚れ、タンパク質汚れ、デンプン汚れ、スケール汚れ又はこれらの複合汚れ等)に対する洗浄力、及び、プラスチック製容器などの特に疎水性食器に対する油汚れ等の再汚染抑制の効果の点から、脂肪酸モノアルカノールアミドが好ましく、そのなかでも、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミドがより好ましく、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドが特に好ましい。
ポリオキシエチレン脂肪酸モノアルカノールアミドの中では、種々の汚れに対する洗浄力、及び、プラスチック製容器などの特に疎水性食器に対する油汚れ等の再汚染抑制の効果の点から、ポリオキシエチレンミリスチン酸モノエタノールアミドが好ましく、そのなかでも、オキシエチレン基の平均繰返し数が1のものが特に好ましい。
(A)成分の中でも、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド及びポリオキシエチレン(平均繰返し数1)ミリスチン酸モノエタノールアミドからなる群より選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
食器洗い機用洗浄剤中、(A)成分の含有量は、該洗浄剤の全質量に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましく、0.5〜3質量%がさらに好ましい。
(A)成分の含有量が好ましい下限値以上であると、種々の汚れに対する洗浄力が高まるとともに、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染も抑制されやすくなる。一方、(A)成分の含有量が好ましい上限値以下であれば、洗浄時の泡立ちが抑えられやすくなる。
通常、アルカノールアミンを反応容器に投入した後、常温のもしくは加温した脂肪酸又は脂肪酸アルキルエステルを1〜5時間かけて滴下し、反応させる。反応温度は、生成する脂肪酸アルカノールアミドの融点以上で行う。反応圧力は、常圧から減圧の範囲であり、減圧に設定することにより、副生するアルキルアルコールを効率的に留去できるため好ましい。脂肪酸又は脂肪酸アルキルエステルの滴下終了後から、1.2kPa以下まで徐々に減圧し、0.1〜4時間程度保持することで反応を完結させる。
(B)成分はキレート剤である。
(B)成分としては、特に限定されず、これまで食器洗い機用洗浄剤に用いられる一般的なキレート剤が挙げられ、高分子キレート剤又は低分子キレート剤のいずれも用いることができる。
高分子キレート剤として具体的には、マレイン酸とアクリル酸との共重合体(以下「マレイン酸/アクリル酸共重合体」と表記する。)又はその塩が好適に挙げられる。
マレイン酸/アクリル酸共重合体又はその塩は、マレイン酸とアクリル酸とのモル比が70/30〜30/70であるものが好ましい。
また、マレイン酸/アクリル酸共重合体又はその塩は、標準物質をポリアクリル酸ナトリウムとしたゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される重量平均分子量が1000以上であるものが好ましく、1500〜200000の範囲のものがより好ましく、2000〜100000の範囲のものがさらに好ましく、10000〜100000の範囲のものが特に好ましく、40000〜60000の範囲のものが最も好ましい。重量平均分子量が1000以上であると、石鹸スカムの再付着防止の効果が向上する。一方、重量平均分子量が200000以下であると、粉粒状などの固体の剤形とした際、耐ケーキング性が向上する。
マレイン酸/アクリル酸共重合体が塩の形態である場合には、アルカリ金属塩であることが好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩であることがより好ましい。
低分子キレート剤として具体的には、クエン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、ニトリロ三酢酸、グルタミン酸二酢酸、メチルグリシン二酢酸又はこれらの塩が挙げられる。
(B)成分の中でも、マレイン酸/アクリル酸共重合体、グルタミン酸二酢酸、メチルグリシン二酢酸、クエン酸及びこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上を用いることが好ましく、マレイン酸/アクリル酸共重合体又はその塩を用いることが特に好ましい。
食器洗い機用洗浄剤中、(B)成分の含有量は、該洗浄剤の全質量に対して4〜20質量%が好ましく、8〜16質量%がより好ましく、8〜13質量%がさらに好ましく、10〜12.5質量%が特に好ましい。
(B)成分の含有量が好ましい下限値以上であれば、種々の汚れ(油汚れ、タンパク質汚れ、デンプン汚れ、スケール汚れ又はこれらの複合汚れ等)に対する洗浄力が高まり、特にスケール汚れに対する洗浄力が高まる。一方、(B)成分の含有量が好ましい上限値以下であれば、粉粒状などの固体の剤形とした際、耐ケーキング性が向上する。また、液体の剤形とした際、洗浄剤の均一分散状態の保持が容易となる。
本発明の食器洗い機用洗浄剤において、(A)成分と(B)成分との混合比率は、(B)成分/(A)成分で表される質量比(以下「B/A比」ともいう。)が1〜50であり、好ましくは3〜25であり、より好ましくは5〜20である。
B/A比を前記範囲とすることで、種々の汚れ(油汚れ、タンパク質汚れ、デンプン汚れ、スケール汚れ又はこれらの複合汚れ等)に対する洗浄力が高まる。
加えて、B/A比が1未満では、種々の汚れに対する洗浄力が低下しやすい。これは、(B)成分の比率の減少に伴い、スケール汚れを除去しきれず、スケール汚れが食器等に残留しやすくなり、また、残留したスケール汚れ部分に他の汚れも残留しやすくなるためと考えられる。さらに、(A)成分由来の起泡性が増す傾向に有り、これにより食器洗い機のノズル噴射性(噴射力)が弱まることも前記洗浄力低下の一因と考えられる。
一方、B/A比が50を超えても、種々の汚れに対する洗浄力が低下しやすい。これは、(B)成分の比率が大きくなれば、単純にスケール汚れに対する洗浄力は高まると推定されるが、(A)成分の比率が低くなると、洗浄液に分散しているスケール汚れが食器等に再付着しやすくなり、この再付着したスケール汚れ部分にさらに他の汚れが付着するためと考えられる。
(C)成分は酵素である。
(C)成分としては、特に限定されず、通常洗剤に配合されている酵素を用いることができ、たとえばアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、プルラナーゼ等の一般的に公知のものが挙げられる。
(C)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
アミラーゼとして具体的には、ターマミルウルトラ300L(ノボザイムズ社製)、ターマミル300L Type DX(ノボザイムズ社製)、ステインザイム12L(ノボザイムズ社製)、ステインザイムプラス12L(ノボザイムズ社製)、デュラミル300L Type DX(ノボザイムズ社製)等が挙げられる。これらの中でも、洗浄剤の貯蔵安定性の面から、ターマミルウルトラ300L、ステインザイムプラス12Lが特に好ましく、これらを併用することも好ましい。
プロテアーゼとして具体的には、エバラーゼ16L Type DX(ノボザイムズ社製)、サビナーゼウルトラ16XL(ノボザイムズ社製)、ピュラフェクトプライム4000L(ジェネンコア社製)、ピュラフェクトOX4000L(ジェネンコア社製)、プロペラーゼL(ジェネンコア社製)、アルカラーゼウルトラ2.5L(ノボザイムズ社製)、アルカラーゼ2.5L Type DX(ノボザイムズ社製)等が挙げられる。これらの中でも、洗浄剤の貯蔵安定性の面から、サビナーゼウルトラ16XL(ノボザイムズ社製)が特に好ましい。
(C)成分の含有量が好ましい下限値未満では、種々の汚れ(油汚れ、タンパク質汚れ、デンプン汚れ、スケール汚れ又はこれらの複合汚れ等)の除去効果が低くなる場合がある。一方、(C)成分の含有量が好ましい上限値を超えても、種々の汚れの除去効果は頭打ちとなる場合があり、コスト面でも好ましくない。
本発明の食器洗い機用洗浄剤には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上述した(A)〜(C)成分以外の成分を任意に配合してもよい。
近年の節水意識の高まりから、使用する水量を減らした食器洗い機が発売されてきた。しかしながら、使用水量の減量は、具体的には、洗浄、すすぎの単位工程毎に食器洗い機に導入される水量が減少しているわけではなく、すすぎ回数を減らすことにより図られている。そこで、すすぎ回数が減っても、食器等への洗浄剤残りがなく、あるいは、過剰な量の洗浄剤を使用した際にも、洗浄剤が食器洗い機庫内又は食器等に残りにくいこと(すなわち、良好なすすぎ性)が食器洗い機用洗浄剤に求められる。
本発明の食器洗い機用洗浄剤においては、下記一般式(d−1)で表される化合物((D)成分)をさらに含有することが好ましい。
(D)成分をさらに含有することにより、食器洗い機でのすすぎ後、食器等への洗浄剤残りが低減する、すなわち、より良好なすすぎ性が発揮される。特に、洗浄剤を過剰に使用した場合であっても、洗浄剤残りが低減される。たとえば、洗浄対象物に黒色食器が含まれる場合、食器洗い機でのすすぎ後、該黒色食器表面への白残りがほとんど認められなくなる。
R3における炭化水素基は、アルキル基であってもよくアルケニル基であってもよい。
前記式(d−1)中、pは1〜10の数であり、rは0〜10の数であり、すすぎ回数を減らしても良好なすすぎ性が得られやすいことから、pは3〜10の数が好ましく、rは0〜5の数が好ましい。
qは、R3が水素原子の場合は5〜50の数であり、R3が炭化水素基の場合は1〜10の数であり、洗浄剤の低泡性を確保しやすいことから、R3が水素原子の場合は10〜45の数が好ましく、R3が炭化水素基の場合は2〜8の数が好ましい。
尚、一般式(d−1)で表される化合物は、p、q、rが平均繰返し数を示すことからも分かるように、オキシエチレン基及びR4Oの繰返し数が異なる分子の混合物である。
(D)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
食器洗い機用洗浄剤中、(D)成分の含有量は、該洗浄剤の全質量に対して0.2〜15質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましい。
(D)成分の含有量が好ましい下限値以上であれば、すすぎ回数を減らしても食器等への洗浄剤残りが生じにくく、良好なすすぎ性が得られやすい。一方、(D)成分の含有量が好ましい上限値を超えると、洗浄中に泡が立ちすぎて、機械が停止してしまう場合がある。
本発明の食器洗い機用洗浄剤において、(A)成分と(D)成分との混合比率は、(D)成分/(A)成分で表される質量比(以下「D/A比」ともいう。)が0.3〜5であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3であり、さらに好ましくは0.5〜2である。
D/A比を前記範囲とすることで、洗浄剤の低泡性が確保されやすくなり、また、すすぎ回数が少ない食器洗い機の運転条件でも、食器等に洗浄剤残りがない洗い上がりを実現しやすくなる。
加えて、D/A比が好ましい下限値未満では、すすぎ回数が少ない食器洗い機の運転条件で、食器等に洗浄剤残りが生じる場合がある。一方、D/A比が好ましい上限値を超えると、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染抑制の効果が得られにくくなる。加えて、すすぎ回数が少ない食器洗い機の運転条件で、食器等に洗浄剤残りが生じる場合がある。
本発明の食器洗い機用洗浄剤においては、下記一般式(e−1)で表される化合物、及び多価アルコールからなる群より選ばれる1種以上((E)成分)をさらに含有することが好ましい。
(E)成分をさらに含有することにより、洗浄剤中での(C)成分の安定性がより向上し、種々の汚れに対する洗浄力(特に長期保存後における洗浄力)が高まる。加えて、(E)成分を含有する本発明の食器洗い機用洗浄剤は、液体状洗浄剤としてボトルに充填した際に、ボトルの口元で固化しにくく、ボトル口で固化してキャップが開かないこと(キャップ固着)が生じにくく、使用性に優れる。
前記式(e−1)中、R5における炭化水素基は、アルキル基であってもよくアルケニル基であってもよく、アルキル基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
尚、一般式(e−1)で表される化合物は、mが平均繰返し数を示すことからも分かるように、R6Oの繰返し数が異なる分子の混合物である。
一般式(e−1)で表される化合物として具体的には、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エタノール等が挙げられる。
・多価アルコールについて
多価アルコールとして具体的には、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、グルコース、マンニトール等が挙げられる。
なかでも、(E)成分としては、液体状洗浄剤として使用した際にキャップ固着がより生じにくいことから、多価アルコールが好ましい。
また、(E)成分は、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エタノール、ソルビトール、プロピレングリコール及びグリセリンからなる群より選ばれる1種以上が好ましく、ソルビトール、プロピレングリコール及びグリセリンからなる群より選ばれる1種以上がより好ましい。
食器洗い機用洗浄剤中、(E)成分の含有量は、該洗浄剤の全質量に対して0.5〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
(E)成分の含有量が好ましい下限値未満では、キャップ固着防止性能が充分に発揮できない場合がある。一方、(E)成分の含有量が好ましい上限値を超えると、キャップ固着防止の効果は頭打ちとなる場合がある。また、延糸性(糸引き)が生じるようになり、容器からの排出性に不具合を生じる場合がある。
本発明の食器洗い機用洗浄剤において、(A)成分と(E)成分との混合比率は、(E)成分/(A)成分で表される質量比(以下「E/A比」ともいう。)が0.5〜250であることが好ましく、より好ましくは1〜100であり、さらに好ましくは1〜60である。
E/A比が好ましい下限値未満では、キャップ固着防止性能が充分に発揮できない場合がある。一方、E/A比が好ましい上限値を超えると、容器からの排出性に不具合を生じる場合がある。また、種々の汚れに対する洗浄効果、再汚染抑制の効果が得られにくくなる場合がある。
本発明の食器洗い機用洗浄剤においては、(F)成分:着色剤をさらに含有することが好ましい。
(F)成分をさらに含有することにより、液体状洗浄剤として計量キャップに量り取る際の視認性に優れ、計量を行いやすい。また、(F)成分を(A)成分とともに用いることにより、繰り返し洗浄を行っても、表面に細かい多数のキズが付いた白色食器等(たとえば、まな板)や、食器洗い機庫内のプラスチック部品などに対する染着が抑制される。
(F)成分は、特に限定されず、「染料便覧」(有機合成化学協会編、丸善株式会社発行)に記載の直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染・酸性媒染染料、アゾイック染料、硫化・硫化建染、建染染料、反応染料、油溶染料、食品用色素および有機顔料からなる群より選ばれる着色剤を用いることができる。具体的には、アシッドレッド27、アシッドレッド52、アシッドレッド106、アシッドイエロー3、アシッドイエロー23、アシッドブルー9、アシッドブルー74、アシッドブルー92等の酸性染料;ベーシックレッド1、ベーシックイエロー2、ベーシックブルー1等の塩基性染料;ダイレクトレッド31、ダイレクトブルー22、ダイレクトブルー71等の直接染料;フードイエロー4(食用黄色4号)、フードレッド9(食用赤色2号)、フードブルー1(食用青色2号)、フードブルー2(食用青色1号)等の食品用色素;ピグメントレッド49、ピグメントレッド53、ピグメントブルー29、ピグメントグリーン7等の有機顔料が挙げられる。
これらの中でも、視認性と染着のなさの観点から、酸性染料、食品用色素、有機顔料が好ましく、アシッドレッド27、アシッドイエロー23、アシッドブルー9、アシッドブルー74、フードイエロー4、フードレッド9、フードブルー1、フードブルー2、ピグメントブルー29、ピグメントグリーン7が特に好ましい。
(F)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
食器洗い機用洗浄剤中、(F)成分の含有量は、着色剤の種類等によって適宜決定され、該洗浄剤の全質量に対して0.0001〜0.01質量%が好ましく、0.0001〜0.005質量%がより好ましい。
(F)成分の含有量が好ましい下限値未満では、発色性が悪くなり、視認性が充分でない場合がある。一方、(F)成分の含有量が好ましい上限値を超えると、特に白色食器等(たとえば、まな板)又は庫内のプラスチック部品などへ染着するおそれがある。
本発明の食器洗い機用洗浄剤において、(A)成分と(F)成分との混合比率は、(A)成分/(F)成分で表される質量比(以下「A/F比」ともいう。)が500〜10000であることが好ましく、より好ましくは1000〜5000である。
A/F比が好ましい下限値未満では、特に白色食器等(たとえば、まな板)又は庫内のプラスチック部品などへ染着するおそれがある。一方、A/F比が好ましい上限値を超えると、発色性が悪くなり、視認性が充分でない場合がある。
かかる任意に配合してもよい成分としては、特に限定されず、これまで食器を洗浄するための洗浄剤に用いられているものが挙げられる。
たとえば、(A)成分及び(D)成分に該当しない界面活性剤、漂白剤、漂白活性化剤、アルカリ剤、植物抽出エキス、香料、吸油剤、消泡剤、食器保護剤、防腐剤、後述のpH調整剤、粉末化剤(無水珪酸など)、工程剤(硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウムなど)等を用いることができる。
但し、食器洗い機においては、洗浄中の泡立ちを抑える必要がある。このため、食器洗い機用洗浄剤中、(A)成分とこれ以外の界面活性剤との合計の含有量を、該洗浄剤の全質量に対して11質量%以下とすることが好ましく、0.2〜11質量%とすることがより好ましく、0.3〜5質量%とすることがさらに好ましく、0.5〜3質量%とすることが特に好ましい。
加えて、全界面活性剤中の(A)成分の含有量は、全界面活性剤の合計の質量に対し、好ましくは25質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、100質量%であってもよい。(A)成分の含有量が好ましい下限値以上であれば、食器洗い機により食器等の洗浄処理を行う際、泡立ちが低く保たれる。加えて、食器等に付着した種々の汚れに対する洗浄力が高まるとともに、洗浄対象物(特に疎水性食器)に対する油汚れ等の再汚染も抑制されやすくなる。
本発明の食器洗い機用洗浄剤は、従来公知の方法により製造できる。
液体状の食器洗い機用洗浄剤の製造方法としては、溶媒と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、必要に応じて任意成分とを混合することにより調製される。なかでも、均一な溶液が得られやすく、加えて、酵素活性が維持されやすいことから、(A)成分溶液及び(B)成分溶液をそれぞれ予め調製し、(A)成分溶液と(B)成分溶液とを混合した後に(C)成分を混合することが好ましい。
(D)成分を配合する場合、(A)成分と(D)成分とを含有する混合溶液(1)を予め調製し、該混合溶液(1)と前記(B)成分溶液とを混合した後に(C)成分を混合することが好ましい。
(E)成分を配合する場合、(B)成分と(E)成分とを含有する混合溶液(2)を予め調製し、前記(A)成分溶液と該混合溶液(2)とを混合した後に(C)成分を混合することが好ましい。
(F)成分を配合する場合、(B)成分と(F)成分とを含有する混合溶液(3)を予め調製し、前記(A)成分溶液と該混合溶液(3)とを混合した後に(C)成分を混合することが好ましい。
溶媒としては、水が好ましく、水以外に水混和性有機溶媒を用いてもよい。
「水混和性有機溶媒」とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶媒をいう。水混和性有機溶媒としては、水と混合した際に均一な溶液となるものであればよく、そのなかでも、炭素数2〜4の一価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコール、グリコールエーテル等が挙げられる。
炭素数2〜4の1価アルコールとしては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。
炭素数2〜4の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
該pH(25℃)が好ましい下限値以上であれば、洗浄剤の貯蔵安定性がより向上する。また、種々の汚れ(油汚れ、タンパク質汚れ、デンプン汚れ、スケール汚れ又はこれらの複合汚れ等)に対する洗浄力が高まる。加えて、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染も抑制されやすくなる。
本発明において、食器洗い機用洗浄剤のpH(25℃)は、JIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠し、25℃に調整した液体状の洗浄剤のpHを、pHメーター(HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)等を用いて測定した値を示す。
液体状の食器洗い機用洗浄剤のpHを調整するためのpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、ジエチレントリアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン等の有機塩基;塩酸、硫酸等の無機酸;クエン酸、シュウ酸等の有機酸などが挙げられる。
洗浄剤の貯蔵安定性とコスト面から、無機塩基のなかでも水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましく、有機塩基のなかでもモノエタノールアミンが好ましい。
pH調整剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
固体状の食器洗い機用洗浄剤の水分含量は、特に限定されず、8質量%以下であることが好ましい。
粉粒状の食器洗い機用洗浄剤の嵩密度は、0.3g/cm3以上が好ましく、0.5〜1.2g/cm3がより好ましく、0.6〜1.1g/cm3がより好ましい。
嵩密度は、JIS−K3362により測定される値である。
粉粒状の食器洗い機用洗浄剤の平均粒子径は、200〜1500μmが好ましく、300〜1200μmがより好ましい。該平均粒子径が好ましい下限値未満では、粉塵が発生しやすく、一方、好ましい上限値を超えると、水に溶解又は分散しにくくなる。
該分級操作では、受け皿に、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩を順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回のサンプルを入れ、蓋をしてロータップ型篩い振盪機(株式会社飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させる。その後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定する。そして、受け皿と各篩との質量頻度を積算し、積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きを「aμm」とし、aμmよりも一段大きい篩の目開きを「bμm」とする。また、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算値を「c%」とし、aμmの篩上の質量頻度を「d%」とする。そして、下式(1)により平均粒子径(50質量%粒径)を求め、これを試料の平均粒子径とする。
本発明の食器洗い機用洗浄剤の使用方法は、食器洗い機の機種や、食器等の汚れの程度によって異なるが、たとえば、食器洗い機用洗浄剤の1回の使用量を、水道水約3リットルに対して3〜9gとすることが好ましい。
また、食器洗い機における洗浄液は、(A)成分を2〜300ppm(質量基準)含有することが好ましく、3〜200ppm(質量基準)含有することがより好ましく、10〜100ppm(質量基準)含有することが特に好ましい。
洗浄液中の(A)成分濃度を前記範囲に制御することで、種々の汚れ(油汚れ、タンパク質汚れ、デンプン汚れ、スケール汚れ又はこれらの複合汚れ等)に対する洗浄力が高まる。加えて、プラスチック製容器などの特に疎水性食器に対する油汚れ等の再汚染も抑制されやすくなる。洗浄液中の(A)成分濃度が2ppm(質量基準)未満では、該洗浄力が不充分な場合があり、一方、300ppm(質量基準)を超えると、洗浄中に泡立ちが過剰となる傾向があり、好ましくない。
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物によれば、予備洗いをせずに食器洗い機により食器等の洗浄処理を行った場合であっても、低泡性を確保しつつ、種々の汚れの多い過酷条件下で優れた洗浄効果が発揮される。加えて、ポリプロピレン等の疎水性の素材が使用されている食器等(プラスチック製容器など)に対する油汚れの再汚染も抑制される。
表1〜7に示す配合組成に従い、後述の製造方法(未配合の成分がある場合、その成分は配合しない。)により、各例の洗浄剤をそれぞれ調製した。
表中の配合量の単位は「質量%」であり、いずれの成分も純分換算量を示す。
表中、「適量」は、pH調整剤として用いた1N硫酸と1N水酸化ナトリウムとの合計の添加量を示す。
「バランス」は、各例の洗浄剤に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるようにその成分(イオン交換水又は硫酸ナトリウム)が配合されていることを意味する。
「B/A比」は、(B)成分/(A)成分で表される質量比と同義であり、洗浄剤中の(A)成分の含有質量に対する、(B)成分の含有質量の割合を意味する。
「D/A比」は、(D)成分/(A)成分で表される質量比と同義であり、洗浄剤中の(A)成分の含有質量に対する、(D)成分の含有質量の割合を意味する。
「E/A比」は、(E)成分/(A)成分で表される質量比と同義であり、洗浄剤中の(A)成分の含有質量に対する、(E)成分の含有質量の割合を意味する。
「A/F比」は、(A)成分/(F)成分で表される質量比と同義であり、洗浄剤中の(F)成分の含有質量に対する、(A)成分の含有質量の割合を意味する。
以下に、表中に示した成分について説明する。
A−1:ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(川研ファインケミカル製、アミゾールCME)、HLB10.3、融点43.7℃。
A−2:ラウリン酸モノエタノールアミド(合成品)、HLB10.7、融点61.2℃。
A−3:ポリオキシエチレンミリスチン酸モノエタノールアミド(ミリスチン酸モノエタノールアミドのエチレンオキシド平均1モル付加物、合成品)、HLB8.9、融点50.3℃。
A−4:ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(川研ファインケミカル製、アミゾールPLME−A)、HLB10.3、融点50.6℃。
A−5:ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド(ラウリン酸モノエタノールアミドのエチレンオキシド平均1モル付加物、合成品)、HLB10.0、融点51.3℃。
A’−1:デカン酸モノエタノールアミド(合成品)、HLB12.5、融点53.2℃。
A’−2:ステアリン酸モノエタノールアミド(合成品)、HLB7.5、融点94℃。
A’−3:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(川研ファインケミカル製、アミゾールCDE)、HLB12.0、融点5.0℃。
A’−4:C12,13ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(炭素数12のアルコールと炭素数13のアルコールとの混合物に、エチレンオキシド平均3モル及びプロピレンオキシド平均3モルがそれぞれ付加したもの)(ライオン化学製、NNAEP−3030)、HLB4.5。
A’−5:ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル、エチレンオキシド平均5モル付加物(日本エマルジョン製、エマレックス705)、HLB9.5、融点8.4℃。
A−2、A’−1、A’−2の合成例:
各脂肪酸メチルエステルとモノエタノールアミンとの反応により合成した。
容量2Lの4つ口フラスコに撹拌器と冷却管とを据え付け、脂肪酸メチルエステルに対してモル比1.05倍量のモノエタノールアミンを仕込み、更に触媒としてナトリウムメチラート(28質量%溶液)を脂肪酸メチルエステル100質量部に対して0.25質量部(純分換算)仕込んだ。
ここに、反応温度100℃、圧力40kPa(減圧下)において、脂肪酸メチルエステルを3時間かけて滴下し、アミド化反応を行った。滴下終了後、1.3kPaに減圧して4時間熟成することにより、脂肪酸モノエタノールアミドA−2、A’−1、A’−2をそれぞれ得た。
かかる脂肪酸メチルエステルとしては、A−2を合成する場合にラウリン酸メチルエステル、A’−1を合成する場合にデカン酸メチルエステル、A’−2を合成する場合にステアリン酸メチルエステルを用いた。
A−3については、前記合成例で得られたA’−2の脂肪酸モノエタノールアミド(触媒のナトリウムメチラートをそのまま含む)を2Lオートクレーブに仕込み、反応温度100℃、反応圧力として常圧から0.4MPaまでの条件下で、エチレンオキシドガスを、該脂肪酸モノエタノールアミドに対して1.0モル当量分を1時間かけて吹き込むことで反応を行い、更に系内の圧力が変化しなくなるまで30分間熟成を行うことにより得た。
A−5については、A’−2の代わりにA−2を用いた以外は、A−3の合成方法と同様にして得た。
B−1:マレイン酸/アクリル酸共重合体のナトリウム塩(株式会社日本触媒製、アクアリックTL400)、重量平均分子量50000、有効成分40質量%。
B−2:グルタミン酸二酢酸のナトリウム塩(アクゾノーベル社製、Dissolvine GL47−S)有効成分47質量%。
B−3:メチルグリシン二酢酸のナトリウム塩(BASF社製、Trilon M)有効成分40質量%。
B−4:マレイン酸/アクリル酸共重合体のナトリウム塩(BASF社製、ソカランCP7)、重量平均分子量50000。
B−5:メチルグリシン二酢酸のナトリウム塩(BASF社製、Trilon M Pulver)。
B−6:クエン酸ナトリウム(扶桑化学製)。
C−1:プロテアーゼ(ノボザイムズ社製、エバラーゼ8T)。
C−2:プロテアーゼ(ノボザイムズ社製、サビナーゼU 16XL)。
C−3:アミラーゼ(ノボザイムズ社製、デュラミル120T)。
C−4:アミラーゼ(ノボザイムズ社製、ターマミルU 300L)。
D−1:一般式(d−1)におけるR3=炭素数12のアルキル基と炭素数13のアルキル基との混合、R4O=オキシプロピレン基、p=3、q=3、r=0(ライオン株式会社製、NNAEP−3030);A’−4と同一のもの。
D−2:一般式(d−1)におけるR3=水素原子、R4O=オキシプロピレン基、p=5、q=30、r=0(アデカ社製、プルロニックL61)。
D−3:一般式(d−1)におけるR3=炭素数12のアルキル基と炭素数14のアルキル基との混合、R4O=オキシプロピレン基、p=3、q=2、r=3(花王株式会社製、エマルゲンLS−106)。
D−4:一般式(d−1)におけるR3=炭素数12のアルキル基と炭素数15のアルキル基との混合、R4O=オキシブチレン基、p=10、q=1、r=0(BASF社製、プルラファックLF221)。
E−1:トリエチレングリコールモノブチルエーテル、一般式(e−1)におけるR5=ブチル基、R6O=オキシエチレン基、m=3(日本乳化剤製、ブチルトリグリコール)。
E−2:ジエチレングリコールモノブチルエーテル、一般式(e−1)におけるR5=ブチル基、R6O=オキシエチレン基、m=2(日本乳化剤製、ブチルジグリコール)。
E−3:ソルビトール(ROQUETTE社製、NEOSORB 70/02B)。
E−4:プロピレングリコール(アデカ社製、プロピレングリコール)。
E−5:エタノール、一般式(e−1)におけるR5=エチル基、m=0(日本アルコール販売製、エタノール95%)。
F−1:ピグメントグリーン7(関東化学製、ピグメントグリーン7)。
F−2:ピグメントブルー29(関東化学製、ピグメントブルー29)。
F−3:食品用青色1号(ダイワ化成製、食用青色1号)。
無水珪酸(トクヤマ社製、トクシールNP)。
硫酸ナトリウム(日本化学株式会社製、中性無水芒硝K2)。
pH調整剤:1N硫酸、1N水酸化ナトリウム。
イオン交換水。
(液体状洗浄剤:実施例1〜31、実施例39〜63、比較例1〜10)
表1〜4、6、7の組成に従い、以下のようにして各例の液体状洗浄剤0.8kgをそれぞれ調製した(該当しない成分がある場合、その成分は配合していない)。
まず、容量1Lビーカー内で、イオン交換水に、(B)成分と(E)成分と(F)成分とを溶解し、これらの合計量が組成物全体の70質量%となるようにキレート剤含有溶液を調製した。
別途、容量1Lビーカー内で、75℃に調整したイオン交換水と、(A)成分又は(A’)成分と(D)成分とを混合し、これらの合計量が組成物全体の20質量%となるように界面活性剤液を調製した。
次いで、75℃に加温したキレート剤含有溶液をアジホモミキサー6000rpmで撹拌しながら、75℃に調整した界面活性剤液の全量を加え、その後、30秒間撹拌して、(A)成分又は(A’)成分と(B)成分とを含有する混合液を得た。
この混合液を25℃まで冷却した後、1N硫酸又は1N水酸化ナトリウムを用いて組成物のpH(25℃)が7.5になるように調整した。次いで、(C)成分を加えて撹拌し、組成物全体が100質量%となるように残りのイオン交換水を加えて撹拌することにより液体状洗浄剤を得た。
組成物のpH(25℃)は、25℃に調整した液体状洗浄剤を、ガラス電極式pHメーター(HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて測定した。測定方法は、JIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠して行った。
表5の組成に従い、以下のようにして各例の粉粒状洗浄剤6kgをそれぞれ調製した(該当しない成分がある場合、その成分は配合していない)。
まず、硫酸ナトリウムをリボンミキサー(株式会社吉田製作所製、リボンミキサー1102−1500型、巾900mm×長さ1800mm×深さ1100mm)に入れ、25rpmで撹拌しながら(D)成分を加え、さらに無水珪酸を添加し、10分間混合した。次いで、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを加え、25rpmで10分間混合することにより粉粒状洗浄剤を得た。
各例の洗浄剤について、以下に示す評価方法によって各評価を行い、その結果を表1〜7に併記した。
食器洗い機として、自動食器洗い乾燥機(1)(パナソニック株式会社製、機種NP−40SX2)を用いた。各評価において、洗浄処理は、該自動食器洗い乾燥機に設定されている標準コースで運転することにより行った。該標準コースの内容を以下に示す。
標準コース:
該自動食器洗い乾燥機に洗浄剤6g(水道水3Lに対し)を投入した後、水道水が庫内に導入されて洗浄液が調製され、常温から55℃まで2〜3℃/minで昇温しながら20分間洗浄が行われ、排水される。その後、新たな水道水が導入され、常温の水道水によるすすぎ(2分間/回)と排水との繰返し3回が行われ、次いで、新たな水道水が導入され、常温から70℃まで2〜3℃/minで昇温しながらすすぎ1回(最終すすぎ)20分間が行われ、排水後、温風を循環させながら食器等の乾燥が行われる。
食器洗い機として、自動食器洗い乾燥機(2)(パナソニック株式会社製、機種TCM1)を用いた。洗浄処理は、該自動食器洗い乾燥機に設定されている、すすぎ回数が3回の「標準コース」、又は、すすぎ回数が4回の「念入りすすぎコース」で運転することにより行った。各コースの内容を以下に示す。
標準コース(すすぎ回数3回):
該自動食器洗い乾燥機に洗浄剤12g(水道水3Lに対し、標準使用量の2倍量)を投入した後、水道水が庫内に導入されて洗浄液が調製され、常温から55℃まで2〜3℃/minで昇温しながら20分間洗浄が行われ、排水される。その後、新たな水道水が導入され、常温の水道水によるすすぎ(2分間/回)と排水との繰返し2回が行われ、次いで、新たな水道水が導入され、常温から70℃まで2〜3℃/minで昇温しながらすすぎ1回(最終すすぎ)20分間が行われ、排水後、温風を循環させながら食器等の乾燥が行われる。
念入りすすぎコース(すすぎ回数4回):
自動食器洗い乾燥機(2)の標準コースにおいて、常温の水道水によるすすぎと排水との繰返しが3回行われる以外は、該自動食器洗い乾燥機(2)の標準コースと同様の操作が行われる。
前記自動食器洗い乾燥機(1)(洗浄対象物は未収納状態)に洗浄剤6gを投入し、該自動食器洗い乾燥機(1)の標準コースにて運転を行った。
洗浄開始から水温が55℃に達した時点で運転を止めると同時に扉を開け、その15秒後に庫内の泡立ちを測定した。
その際、庫内の3箇所をランダムに選択し、物さしで該箇所の泡高(mm)をそれぞれ測定し、これらの平均値を求めた。この泡高が10mm以下であれば合格とした。
牛脂8gを載せた直径21cm陶器皿2枚と、レトルトカレー(ボンカレーゴールド21辛口)8gを載せた直径15cm陶器皿2枚とを用意し、これらをモデル汚垢とした(尚、該モデル汚垢の汚れ量は、予備洗いをした場合に残留する汚れ量の8倍の量である)。
また、洗浄処理前に油付着の無いことを確認した、紺色のポリプロピレン(PP)製弁当箱(縦110mm、横170mm、高さ35mm)1個を用意した。
そして、前記自動食器洗い乾燥機(1)に、前記モデル汚垢(各陶器皿2枚ずつ)と、前記PP製弁当箱1個とを収納し、該自動食器洗い乾燥機(1)の標準コースにて運転を行い、洗浄処理を施した。かかる洗浄処理を3回行った。
洗浄処理後(乾燥後)のPP製弁当箱を、目視及び手で触れることにより油付着の程度を観察し、下記の評価基準に基づいて、再汚染防止性について評価した。
該評価3回の評価点を平均し、平均値が3.0点以上であれば合格とした。
(評価基準)
4点:目視で油の付着が認められず、指で触ったときにも油の付着した感触が全くない。
3点:目視で油の付着は認められないが、指で触ったときに油の付着した感触が極僅かに感じられる。
2点:目視で油の付着が極僅かに認められ、指で触ったときにも油の付着した感触が感じられる。
1点:目視で油の付着が明らかに認められ、指で触ったときにも明らかに油の付着が感じられる。
(スケール(くもり)汚れの調製)
前記自動食器洗い乾燥機(1)にガラスコップ(上径63mm、下径53mm、高さ100mm)を収納し、炭酸ナトリウム1.2gを庫内に入れ、30度硬水を用いて該乾燥機(1)の標準コースにて運転を行い、該ガラスコップにくもり汚れ(スケール汚れ)を付着させた。
(油、タンパク質、デンプン/スケール複合汚れの調製)
別途、日清オイリオ製サラダ油20gを引いて加熱した、直径25cmのフライパン上に、鶏卵Mサイズ2個を割って半熟目玉焼き2つを調理した。該半熟目玉焼き2つと、牛脂80gと、味の素株式会社製の商品名「白がゆ」80gとを混合して、油とタンパク質とデンプンとの複合汚れを調製した。
次いで、自動食器洗い乾燥機(1)1台に該洗浄対象物8個を収納し、該乾燥機(1)の標準コースにて運転を行い、洗浄処理を施した。
洗浄処理後(乾燥後)のガラスコップの外観を、目視により観察し、下記の評価基準に基づいて、種々の汚れに対する洗浄力について評価した。
ガラスコップ8個の評価点を平均し、平均値が3.0点以上であれば合格とした。
(評価基準)
4点:ガラスコップから、油、タンパク質、デンプン/スケール複合汚れがすっきり除去されており、水滴跡も認められない。
3点:ガラスコップから、油、タンパク質、デンプン/スケール複合汚れが除去されているが、水滴跡が極僅かに認められる。
2点:ガラスコップに、油、タンパク質、デンプン/スケール複合汚れの残留が極僅かに認められ、水滴跡も認められる。
1点:ガラスコップに、油、タンパク質、デンプン/スケール複合汚れの残留が明らかに認められる。
尚、比較例8の洗浄剤を用いた場合、洗浄中に泡立ちが過剰となり、食器洗い機の運転が停止した。このため、種々の汚れに対する洗浄力の評価、及び、再汚染防止性の評価を行うことができなかった。
前記自動食器洗い乾燥機(2)に、各例の洗浄剤を装填し、また、汚れが付着していない清浄な紺色のポリプロピレン(PP)製弁当箱(縦110mm、横170mm、高さ35mm)1個を庫内に収納し、該自動食器洗い乾燥機(2)の「標準コース」又は「念入りすすぎコース」にて洗浄処理を施し、すすぎ乾燥後の仕上がり具合(弁当箱表面における洗浄剤残り)を、下記の評価基準に基づいて官能評価した。
該評価3回の評価点を平均し、平均値が3.0点以上であれば、すすぎ性が良好であり、合格とした。
(評価基準)
4点:視覚的に洗浄剤残りが認められず、指で触ったときにも洗浄剤の付着した感触が全くない。
3点:視覚的に洗浄剤残りは認められないが、指で触ったときに洗浄剤の付着した感触が極僅かに感じられる。
2点:視覚的に洗浄剤残りが極僅かに認められ、指で触ったときにも洗浄剤の付着した感触が感じられる。
1点:視覚的に洗浄剤残りが明らかに認められ、指で触ったときにも明らかに洗浄剤の付着が感じられる。
2012年4月現在市販されている、ライオン株式会社製「チャーミークリスタジェル」に使用されている計量キャップ付容器を用い、以下に示すキャップ固着試験を実施した。
キャップ固着試験:
計量キャップ付容器本体に、各例の洗浄剤を充填した。連続使用を想定し、計量キャップのねじ部に充填物(洗浄剤)を毎日1gずつ付着させ、トルクメーター(TOHNICHI製トルクメーター、2TME900CN)を用いてトルク100(cN・m)の力で該計量キャップを閉める、という操作を1週間繰り返した。この後、40℃で3日間放置して乾燥させた後、さらに室温まで冷却したものをキャップ固着試験用試料とした。
そして、キャップ固着試験用試料の計量キャップを開ける操作を、女性専門パネル5名が行い、計量キャップの開けやすさを、下記の評価基準に基づいて評価した。
女性専門パネル5名の評価点を平均し、平均値が2.5点以上であれば、キャップ固着が生じにくく、使用性に優れるとして合格とした。
(評価基準)
3点:開けやすい、2点:やや開けにくい、1点:開けにくい。
キャップ計量時の視認性:
2012年4月現在市販されている、ライオン株式会社製「チャーミークリスタジェル」に使用されている計量キャップ付容器を用い、洗浄剤をキャップに計量したときの視認性を、下記の評価基準に基づいて目視で評価した。
女性専門パネル5名の評価点を平均し、平均値が2.5点以上であれば、キャップ計量時に視認性が良好であるとして合格とした。
(評価基準)
3点:計量しやすい、2点:やや計量しやすい、1点:計量しにくい。
前記前記自動食器洗い乾燥機(1)(洗浄の際の使用水量約3L)に、洗浄剤24g(標準使用量の4倍量)を装填し、また、白色まな板を庫内に収納した。そして、該自動食器洗い乾燥機(1)の「標準コース」の洗浄処理を10回連続して行った。
この後、洗浄処理10回後の白色まな板と、洗浄処理を行っていない白色まな板とを、目視により比較し、白色まな板への染着性を、下記の評価基準に基づいて評価した。
女性専門パネル5名の評価点を平均し、平均値が2.5点以上であれば、染着性が低いとして合格とした。
(評価基準)
3点:まな板に、着色が認められない。
2点:まな板に、やや着色が認められる。
1点:まな板に、明らかに着色が認められる。
また、実施例25と実施例26〜29との対比から、(A)〜(C)成分に加えて(D)成分をさらに含有することによって、すすぎ性がより向上することも分かる。
また、実施例32と実施例38との対比から、(A)〜(C)成分に加えて(D)成分をさらに含有することによって、すすぎ性がより向上することも分かる。
また、(A)〜(C)成分に加えて、(D)成分と(E)成分とを含有する実施例50、51の洗浄剤は、低泡性を確保しつつ、種々の汚れに対して優れた洗浄力を有するとともに、洗浄対象物に対する油汚れ等の再汚染が抑制され、かつ、すすぎ性及び使用性にも優れることが分かる。
Claims (4)
- (A)成分:脂肪酸モノアルカノールアミド及びポリオキシエチレン脂肪酸モノアルカノールアミドからなる群より選ばれ、かつ、HLBが8.5以上12.0未満の非イオン界面活性剤0.1〜10質量%と、
(B)成分:マレイン酸/アクリル酸共重合体、グルタミン酸二酢酸、メチルグリシン二酢酸、クエン酸及びこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のキレート剤と、
(C)成分:酵素と
を含有し、
前記(A)成分と前記(A)成分以外の界面活性剤との合計の含有量が、食器洗い機用洗浄剤の全質量に対して11質量%以下であり、
(B)成分/(A)成分で表される質量比が1〜50であることを特徴とする食器洗い機用洗浄剤。 - (F)成分:着色剤をさらに含有し、
(A)成分/(F)成分で表される質量比が500〜10000であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の食器洗い機用洗浄剤。
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