JP6018972B2 - 食器洗い機用洗浄剤 - Google Patents
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Description
食器洗い機では、一般に、専用の洗浄剤(食器洗い機用洗浄剤)が用いられ、55〜65℃程度の温水が利用されている。
また、食器洗い機では、洗浄液を、ポンプを用いて吐出させている。洗浄液が泡立つと、ポンプから洗浄液が吐出されず、運転停止などの不具合を生じやすくなる。洗浄成分として、台所洗剤に用いられているような陰イオン界面活性剤、又は、両性界面活性剤もしくは半極性界面活性剤と陰イオン界面活性剤との組合せを用いると、洗浄時に著しい泡立ちが生じ、洗浄槽から洗浄液が溢れる、ポンプが空回転して運転停止となるおそれが高い。このため、食器洗い機用洗浄剤においては、低泡性であること、が求められる。このため、食器洗い機用洗浄剤には、低泡性の界面活性剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが汎用されている。
自動の食器洗い機では、洗浄液又はすすぎ水を循環させながら、洗浄又はすすぎがそれぞれ行われる。このため、洗浄の際、庫内に油汚れ等が付着すると、この油汚れ等によってすすぎ水が汚染され、該すすぎ水中の油汚れ等が洗浄対象物又は庫内に再付着し、乾燥後に臭い残りとなる。そして、このように食器洗い機庫内に残留した油汚れ等を放置しておくと悪臭発生の原因にもなる。
かかる食器洗い機庫内の悪臭の発生を抑制するため、従来、酸素系漂白剤と漂白活性化剤と共に、植物の水抽出エキスを用いた自動食器洗い機用洗浄剤組成物が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1の技術によれば、自動食器洗い機庫内に発生する細菌の増殖を除菌効果によって抑制することで、悪臭の軽減が図られている。
また、酸素系漂白剤と漂白活性化剤と香料とを特定の割合で併用した自動食器洗浄機用洗剤組成物も提案されている(特許文献2参照)。特許文献2の技術によれば、香料成分のマスキング効果によって、自動食器洗浄機の運転中及び運転後における食材臭の軽減が図られている。
しかし、最近では、前記予備洗いが省略され、直接食器洗い機によって、汚れのひどい食器等の洗浄処理が行われるようになってきている。このため、食器洗い機の洗浄対象とする汚れ量が増加している。また、汚れ量の増加に伴い、食器等から種々の汚れ(油汚れ、タンパク質汚れ、デンプン汚れ、スケール汚れ又はこれらの複合汚れ等)を除去しにくくなっている。加えて、洗浄中又は洗浄処理後、食器洗い機庫内に油汚れ等が残留しやすくなる。
これに対し、前述した特許文献1、2などの従来の食器洗い機用洗浄剤を用いて、予備洗いをせずに食器洗い機による洗浄処理を行った場合、洗浄直後の食器洗い機庫内には、食材臭などの臭いが残りやすく、また、経時に伴って、食器洗い機庫内から悪臭が発生しやすい。
尚、香料の増量により香料成分のマスキング効果を高めて食材臭などの臭い残りの低減を図る方法も考えられる。しかしながら、かかる方法では、洗浄処理後の食器等に、香料由来の香りが強く残り、好ましくない。特に疎水性食器において、この香り残りが顕著である。
また、本発明の食器洗い機用洗浄剤において、前記香料成分(b1)は、リモネン、α−ピネン、ミルセン、オイゲノール、シトラール、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、ダマセノン、1,8−シネオール、リナロール及びメチルサリチレートからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
また、本発明の食器洗い機用洗浄剤においては、(C)成分:抗菌剤をさらに含有することが好ましい。
本発明の食器洗い機用洗浄剤の剤形は、(A)成分と(B)成分とを含有するものであれば特に限定されず、粉粒状やタブレット状等の固体でもよく、液体でもよい。
(A)成分は、脂肪酸アルカノールアミド及びポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドからなる群より選ばれ、かつ、HLBが8.5以上12.0未満の非イオン界面活性剤である。
本発明において「脂肪酸アルカノールアミド」とは、たとえば、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸クロリド又は油脂等と、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)と、の反応によって生成するもの、すなわち、脂肪酸モノアルカノールアミド、及び/又は、脂肪酸ジアルカノールアミドを包含する。
「ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド」とは、前記脂肪酸アルカノールアミドにオキシエチレン基が導入されたものをいう。
有機概念図におけるIOBとは、該有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、即ち「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。
該有機概念図とは、藤田穆により提案されたものであり、その詳細は“Pharmaceutical Bulletin”,1954,vol.2,2,pp.163−173;「化学の領域」,1957,vol.11,10,pp.719−725;「フレグランスジャーナル」,1981,vol.50,pp.79−82などで説明されている。即ち、全ての有機化合物の根源をメタン(CH4)とし、他の化合物は全てメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、変態部、環などにそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値及び無機性値を求める。そして、これらの値を、有機性値をX軸、無機性値をY軸とした図上にプロットしていくものである。この有機概念図は、「有機概念図−基礎と応用−」(甲田善生著、三共出版、1984)等にも示されている。
(A)成分のHLBは8.5以上12.0未満であり、9.0〜11.0が好ましい。
(A)成分のHLBが8.5以上12.0未満であれば、油汚れ等に対する洗浄力が高まる。加えて、洗浄中における油汚れ等の移汚又は再付着(再汚染)も抑制され、食器洗い機庫内に油汚れ等が残留しにくくなる。さらに、洗浄直後の臭い残りや洗浄対象物への香り残りの低減効果に優れる。
尚、2種以上の(A)成分を用いる場合、これらの混合物のHLBは、各(A)成分のHLBの加重平均の値が8.5以上12.0未満の範囲内にあることを要するものとする。
(A)成分の融点が好ましい下限値以上であれば、洗浄時の低泡性を確保しやすくなる。一方、(A)成分の融点が好ましい上限値以下であれば、食器洗い機用洗浄剤の溶解性が高まり、洗浄後に、該洗浄剤の溶け残りが生じにくくなる。
本発明において「(A)成分の融点」は、混合比率を(A)成分/精製水=9/1(質量比)に設定した(A)成分と精製水とを、乳鉢内で混合したものを試料とし、該試料を約4mg採取し、示差走査熱量計(DSC8230D、株式会社リガク製)を用い、昇温速度3K/minの条件で測定したときに観測される吸熱ピークの最小値を示す温度とする。
モノアルカノールアミド構造を有するものとしては、たとえば、下記の一般式(a−1)で表される化合物、又は、一般式(a−2)で表される化合物が好適に挙げられる。
R1におけるアルキル基、アルケニル基の炭素数は7〜19であり、油汚れ等に対する洗浄力の点から、好ましくは炭素数が9〜17であり、より好ましくは炭素数が11〜15である。
前記式(a−2)中、nは平均繰返し数であり、油汚れ等に対する洗浄力、及び再汚染抑制の効果の点から、好ましくは3以下の数であり、より好ましくは2以下の数であり、さらに好ましくは1以下の数であり、特に好ましくは1である。
尚、一般式(a−2)で表される化合物は、nが平均繰返し数を示すことからも分かるように、(CH2CH2O)の繰返し数が異なる分子の混合物である。
これらの中でも、食器洗い機庫内に油汚れ等がより残留しにくいことから、脂肪酸モノアルカノールアミドが好ましく、そのなかでも、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミドがより好ましく、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドが特に好ましい。
ポリオキシエチレン脂肪酸モノアルカノールアミドの中では、食器洗い機庫内に油汚れ等がより残留しにくいことから、ポリオキシエチレンミリスチン酸モノエタノールアミドが好ましく、そのなかでも、オキシエチレン基の平均繰返し数が1のものが特に好ましい。
(A)成分の中でも、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド及びポリオキシエチレン(平均繰返し数1)ミリスチン酸モノエタノールアミドからなる群より選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
食器洗い機用洗浄剤中、(A)成分の含有量は、該洗浄剤の全質量に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましく、0.5〜3質量%がさらに好ましい。
(A)成分の含有量が好ましい下限値以上であると、油汚れ等に対する洗浄力が高まるとともに、洗浄中における油汚れ等の再汚染が抑制されやすくなり、食器洗い機庫内に油汚れ等がより残留しにくくなる。加えて、洗浄対象物への香料由来の香り残りもより低減される。一方、(A)成分の含有量が好ましい上限値以下であれば、洗浄時の泡立ちが抑えられやすくなる。
通常、アルカノールアミンを反応容器に投入した後、常温のもしくは加温した脂肪酸又は脂肪酸アルキルエステルを1〜5時間かけて滴下し、反応させる。反応温度は、生成する脂肪酸アルカノールアミドの融点以上で行う。反応圧力は、常圧から減圧の範囲であり、減圧に設定することにより、副生するアルキルアルコールを効率的に留去できるため好ましい。脂肪酸又は脂肪酸アルキルエステルの滴下終了後から、1.2kPa以下まで徐々に減圧し、0.1〜4時間程度保持することで反応を完結させる。
(B)成分は、ClogP値が2.5〜6である香料成分(b1)(以下「(b1)成分」ともいう。)を含む香料組成物である。
(B)成分を含有することで、運転中に発生する蒸気の臭いがマスキングされ、不快な臭いが感じられにくくなる。また、(B)成分を(A)成分と併用することによって、マスキング効果が良好に発揮され、洗浄直後の食器洗い機庫内における食材臭などの臭い残りが低減され、洗浄後の食器洗い機庫内からの悪臭発生が抑制される。加えて、洗浄対象物への香料由来の香り残りも低減される。
該フラグメントアプローチは、化合物の化学構造に基づいており、原子の数及び化学結合のタイプを考慮している(A.Leo,Comprehensive Medicinal Chemistry,Vol.4,C.Hansch,P.G.Sammens,J.B.Taylor and C.A.Ramsden.Eds.,P.295,Pergamon Press,1990)。
このClogP値は、現在、最も一般的でかつ信頼できる、その化合物の親油性(疎水性)の度合いを示す推定値である。
「logP値」とは、化合物の1−オクタノール中及び水中の平衡濃度の比を表す、1−オクタノール/水の分配係数P、を底10に対する対数で表した値である。1−オクタノールと水との2液相の溶媒系に、化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡において、それぞれの溶媒中での溶質の平衡濃度の比を意味する。すなわち、logP値は親油性(疎水性)の指標であり、この値が大きいほど、その化合物はより疎水的な性質を有し、この値が小さいほど、その化合物はより親水的な性質を有する。
(b1)成分のClogP値は、2.5〜6であり、好ましくは2.5〜5である。(b1)成分のClogP値が前記範囲内であれば、洗浄剤中での香料成分の親水性と疎水性とのバランスが良好となり、消臭効果が充分に発揮される。
(b1)成分として具体的には、たとえばリモネン(4.83)、α―ピネン(4.27)、ミルセン(4.88)、オイゲノール(2.73)、シトラール(3.45)、アンバーコア(3.969)、α−ダマスコン(4.29)、β−ダマスコン(4.42)、δ−ダマスコン(4.16)、アルデヒドC−14ピーチ(3.830)、アルデヒドC−16ココナッツ(2.772)、アリルアミルグリコレート(2.507)、ベンジルベンゾエート(3.879)、3−(4−tert−ブチルフェニル)プロパナール(3.549)、シトロネロール(3.253)、ダマセノン(4.21)、ジヒドロミルセノール(3.033)、ダイナスコン(3.630)、ユーカリプトール(2.755)、フロラロゾン(3.459)、フロロパル(3.430)、フルテート(3.370)、ゲラニオール(2.769)、ゲラニルアセテート(3.715)、ヘキシルアセテート(2.827)、ヨノンアルファ(3.710)、ヨノンベータ(3.770)、ラクトンC−10ガンマ(3.301)、リリアール(3.858)、リナリルアセテート(3.495)、マイヨール(3.333)、l−メントール(3.233)、l−メントン(2.831)、マンザネート(2.607)、パンプルフルール(3.039)、フェノキシエチル イソブチレート(2.923)、ポアレネート(3.670)、リュバフラン(2.772)、ローズオキサイド(2.896)、スチラリルプロピオネート(2.798)、ターピネオール(2.629)、ターピニルアセテート(3.575)、テトラヒドロリナロール(3.517)、テトラヒドロムゴール(3.517)、トリシクロデセニルプロピオネート(2.886)、ウンデカベルトール(3.692)1,8−シネオール(3.13)、リナロール(3.88)、メチルサリチレート(2.60)等が挙げられる。尚、前記香料成分名の後に示す、括弧内の数値はClogP値である。
本発明の食器洗い機用洗浄剤において、(B)成分中の(b1)成分の含有量は、該(B)成分の全質量に対して50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは50〜70質量%である。(B)成分中の(b1)成分の含有量が好ましい下限値以上であると、特に、洗浄直後の食器洗い機庫内における臭い残りがより低減されやすくなる。
また、(b1)成分の中でも、(A)成分との併用によってマスキング効果がより良好に得られやすいことから、リモネン、α−ピネン、ミルセン、オイゲノール、シトラール、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、ダマセノン、1,8−シネオール、リナロール及びメチルサリチレートからなる群より選ばれる1種以上の特定香料成分が好ましい。
(B)成分中の該特定香料成分の含有量は、該(B)成分の全質量に対して20質量%以上であることが好ましく、より好ましくは25〜40質量%である。(B)成分中の該特定香料成分の含有量が好ましい下限値以上であると、洗浄直後の食器洗い機庫内における臭い残りがより低減され、洗浄後の食器洗い機庫内からの悪臭発生もより抑制される。
(B)成分は、香料成分以外に、溶剤(香料用溶剤)を含有してもよい。香料用溶剤としては、香料成分とともに通常用いられる溶剤を利用できる。
(B)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
食器洗い機用洗浄剤中、(B)成分の含有量は、該洗浄剤の全質量に対して0.001〜4質量%が好ましく、0.002〜2質量%がより好ましく、0.002〜0.5質量%がさらに好ましく、0.01〜0.2質量%が特に好ましい。
(B)成分の含有量が好ましい下限値未満では、洗浄直後の食器洗い機庫内における臭い残り低減の効果が得られにくくなる場合がある。一方、(B)成分の含有量が好ましい上限値を超えると、特に疎水性の高い食器等(たとえば、プラスチック製の蓋、シリコーン製の調理器具など)に過剰に残香する場合がある。
本発明の食器洗い機用洗浄剤において、(A)成分と(B)成分との混合比率は、(A)成分/(B)成分で表される質量比(以下「A/B比」ともいう。)が0.25〜1000であり、好ましくは0.5〜500であり、より好ましくは0.5〜200であり、さらに好ましくは5〜80であり、特に好ましくは10〜50である。
A/B比を前記範囲とすることで、洗浄直後の食器洗い機庫内における臭い残りが低減されると共に、洗浄後の食器洗い機庫内からの悪臭発生が抑制される。加えて、洗浄対象物への香料由来の香り残りが低減される。
加えて、A/B比が0.25未満では、特に疎水性の高い食器等(たとえば、プラスチック製の蓋、シリコーン製の調理器具など)に過剰に残香する場合がある。一方、A/B比が1000を超えると、洗浄直後の食器洗い機庫内における臭い残り低減の効果、洗浄後の食器洗い機庫内からの悪臭発生の抑制効果が得られにくくなる場合がある。
本発明の食器洗い機用洗浄剤には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上述した(A)成分及び(B)成分以外の成分を任意に配合してもよい。
本発明の食器洗い機用洗浄剤においては、(C)成分:抗菌剤をさらに含有することが好ましい。(C)成分をさらに含有することにより、洗浄後、食器洗い機庫内からの、経時に伴う悪臭の発生がより抑制される。
(C)成分としては、特に限定されず、通常洗剤に配合されている抗菌剤に加えて、除菌剤、殺菌剤、防腐剤などを用いることができる。
(C)成分として具体的には、塩化モノアルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム塩、ポリリジン等の塩基性ポリペプチド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンもしくは5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン又はこれら2種の混合物、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル;硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酸化亜鉛などの亜鉛化合物等が挙げられる。
(C)成分のなかでも、4級アンモニウム塩、亜鉛化合物、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンもしくは5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン又はこれら2種の混合物、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールが好ましく、4級アンモニウム塩、亜鉛化合物がより好ましい。
(C)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
食器洗い機用洗浄剤中、(C)成分の含有量は、該洗浄剤の全質量に対して0.001〜1質量%が好ましく、0.005〜0.5質量%がより好ましく、0.005〜0.1質量%がさらに好ましい。
(C)成分の含有量が好ましい下限値未満では、洗浄後の経時に伴う悪臭発生の抑制効果が得られにくくなる場合がある。一方、(C)成分の含有量が好ましい上限値を超えると、(C)成分の配合効果が頭打ちとなる場合がある。
本発明の食器洗い機用洗浄剤において、(A)成分と(C)成分との混合比率は、(A)成分/(C)成分で表される質量比(以下「A/C比」ともいう。)が0.1〜10000であることが好ましく、より好ましくは1〜1000であり、さらに好ましくは2〜200である。
A/C比を前記範囲とすることで、洗浄後の経時に伴う悪臭の発生がより抑制される。
A/C比が好ましい上限値を超えると、洗浄後の経時に伴う悪臭発生の抑制効果が得られにくくなる場合がある。一方、A/C比が好ましい下限値未満では、(C)成分の配合効果が頭打ちとなる場合がある。
かかる任意に配合してもよい成分としては、特に限定されず、これまで食器を洗浄するための洗浄剤に用いられているものが挙げられる。
たとえば、(A)成分以外の界面活性剤、酵素、キレート剤、漂白剤、漂白活性化剤、アルカリ剤、植物抽出エキス、吸油剤、消泡剤、分散剤、食器保護剤、増粘剤、着色剤、後述のpH調整剤、粉末化剤(無水ケイ酸など)、工程剤(硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウムなど)等を用いることができる。
但し、食器洗い機においては、洗浄中の泡立ちを抑える必要がある。このため、本発明では、食器洗い機用洗浄剤中、(A)成分とこれ以外の界面活性剤との合計の含有量(すなわち、全界面活性剤の含有量)を、該洗浄剤の全質量に対して11質量%以下とすることが好ましく、0.2〜11質量%とすることがより好ましく、0.3〜5質量%とすることがさらに好ましく、0.5〜3質量%とすることが特に好ましい。
加えて、全界面活性剤中の(A)成分の含有量は、全界面活性剤の合計の質量に対し、好ましくは25質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、100質量%であってもよい。(A)成分の含有量が好ましい下限値以上であれば、食器洗い機により食器等の洗浄処理を行う際、泡立ちが低く保たれ、かつ、食器洗い機庫内に油汚れ等が残留しにくくなる。
キレート剤としては、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどのヒドロキシカルボン酸塩;ニトリロトリ酢酸ナトリウム、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム、トリエチレンテトラアミノ酢酸ナトリウムなどのアミノ酢酸塩;ピロリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムなどの縮合リン酸塩;ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリアクリル酸とマレイン酸との共重合体又はこれらの塩などの高分子キレート剤等を用いることができる。
漂白剤としては、アルカリパーボライト、アルカリパースルファート、アルカリパーカーボナイト等を用いることができる。
漂白活性化剤としては、ドデカンパーオキシドジカルボン酸、マグネシウムパーオキシフタラートなどのパーオキシカルボン酸又はその塩等を用いることができる。
アルカリ剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸グアニジンなどの炭酸塩、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸水素塩、1号ケイ酸ナトリウム、2号ケイ酸ナトリウム、3号ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等のホウ酸塩等が挙げられる。
本発明の食器洗い機用洗浄剤は、従来公知の方法により製造できる。
液体状の食器洗い機用洗浄剤の製造方法としては、溶媒と、(A)成分と、(B)成分と、必要に応じて任意成分とを混合することにより調製される。
(C)成分を配合する場合、均一な溶液が得られやすいことから、溶媒の一部又は全部と(A)成分とを混合した後、(B)成分と(C)成分とを混合し、その後、残りの溶媒がある場合にはこれを混合することが好ましい。
溶媒としては、水が好ましく、水以外に水混和性有機溶媒を用いてもよい。
「水混和性有機溶媒」とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶媒をいう。水混和性有機溶媒としては、水と混合した際に均一な溶液となるものであればよく、そのなかでも、炭素数2〜4の一価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコール、グリコールエーテル等が挙げられる。
炭素数2〜4の1価アルコールとしては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。
炭素数2〜4の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
該pH(25℃)が好ましい下限値以上であれば、洗浄剤の貯蔵安定性がより向上する。また、油汚れ等に対する洗浄力が高まる。加えて、疎水性食器に対する油汚れ等の再汚染も抑制されやすくなる。
本発明において、食器洗い機用洗浄剤のpH(25℃)は、JIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠し、25℃に調整した液体状の洗浄剤のpHを、pHメーター(HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)等を用いて測定した値を示す。
液体状の食器洗い機用洗浄剤のpHを調整するためのpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、ジエチレントリアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン等の有機塩基;塩酸、硫酸等の無機酸;クエン酸、シュウ酸等の有機酸などが挙げられる。
洗浄剤の貯蔵安定性とコスト面から、無機塩基のなかでも水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましく、有機塩基のなかでもモノエタノールアミンが好ましい。
pH調整剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
固体状の食器洗い機用洗浄剤の水分含量は、特に限定されず、8質量%以下であることが好ましい。
粉粒状の食器洗い機用洗浄剤の嵩密度は、0.3g/cm3以上が好ましく、0.5〜1.2g/cm3がより好ましく、0.6〜1.1g/cm3がより好ましい。
嵩密度は、JIS−K3362により測定される値である。
粉粒状の食器洗い機用洗浄剤の平均粒子径は、200〜1500μmが好ましく、300〜1200μmがより好ましい。該平均粒子径が好ましい下限値未満では、粉塵が発生しやすく、一方、好ましい上限値を超えると、水に溶解又は分散しにくくなる。
該分級操作では、受け皿に、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩を順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回のサンプルを入れ、蓋をしてロータップ型篩い振盪機(株式会社飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させる。その後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定する。そして、受け皿と各篩との質量頻度を積算し、積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きを「aμm」とし、aμmよりも一段大きい篩の目開きを「bμm」とする。また、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算値を「c%」とし、aμmの篩上の質量頻度を「d%」とする。そして、下式(1)により平均粒子径(50質量%粒径)を求め、これを試料の平均粒子径とする。
本発明の食器洗い機用洗浄剤の使用方法は、食器洗い機の機種や、食器等の汚れの程度によって異なるが、たとえば、食器洗い機用洗浄剤の1回の使用量を、水道水約3リットルに対して3〜9gとすることが好ましい。
また、食器洗い機における洗浄液は、(A)成分を2〜300ppm(質量基準)含有することが好ましく、3〜200ppm(質量基準)含有することがより好ましく、10〜100ppm(質量基準)含有することが特に好ましい。
洗浄液中の(A)成分濃度を前記範囲に制御することで、油汚れ等に対する洗浄力が高まる。加えて、プラスチック製容器などの疎水性食器に対する油汚れ等の再汚染も抑制されやすくなる。そして、洗浄後の食器洗い機庫内又は食器等における臭い残りがより低減され、洗浄後における悪臭の発生が抑制されやすくなる。
洗浄液中の(A)成分濃度が2ppm(質量基準)未満では、該洗浄力が不充分な場合があり、一方、300ppm(質量基準)を超えると、洗浄中に泡立ちが過剰となる傾向があり、好ましくない。
加えて、(A)成分と、(b1)成分を含む香料組成物((B)成分)と、を特定の割合で併用することにより、洗浄後、食器洗い機庫内や洗浄対象物(洗浄対象物としては、特に、プラスチック製の蓋、シリコーン製の調理器具などの疎水性の高い食器等)に香料由来の香りが残り過ぎることなく、マスキング効果が良好に発揮される。
これらの作用により、本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物を用いた場合には、洗浄直後の食器洗い機庫内における食材臭などの臭い残りが低減され、加えて、洗浄後の食器洗い機庫内からの悪臭発生が抑制され、庫内の不快な臭いの低減化が図れる。さらに、洗浄対象物への香料由来の香り残りも低減される。
さらに、本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物は、(A)成分の採用により、予備洗いをせずに食器洗い機により食器等の洗浄処理を行った場合でも、すすぎ時に油汚れの食器等への再付着が起こりにくくなり、特に疎水性食器に対する油汚れ等の再汚染が大幅に抑制される。
表2〜5に示す配合組成に従い、後述の製造方法(未配合の成分がある場合、その成分は配合しない。)により、各例の洗浄剤をそれぞれ調製した。
表中の配合量の単位は「質量%」であり、いずれの成分も純分換算量を示す。
表中、「適量」は、pH調整剤として用いた1N硫酸と1N水酸化ナトリウムとの合計の添加量を示す。
「バランス」は、各例の洗浄剤に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるようにその成分(イオン交換水又は硫酸ナトリウム)が配合されていることを意味する。
「A/B比」は、(A)成分/(B)成分で表される質量比と同義であり、洗浄剤中の(B)成分の含有質量に対する、(A)成分の含有質量の割合を意味する。
以下に、表中に示した成分について説明する。
A−1:ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(川研ファインケミカル製、アミゾールCME)、HLB10.3、融点43.7℃。
A−2:ラウリン酸モノエタノールアミド(合成品)、HLB10.7、融点61.2℃。
A−3:ポリオキシエチレンミリスチン酸モノエタノールアミド(ミリスチン酸モノエタノールアミドのエチレンオキシド平均1モル付加物、合成品)、HLB8.9、融点50.3℃。
A−4:ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(川研ファインケミカル製、アミゾールPLME−A)、HLB10.3、融点50.6℃。
A−5:ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド(ラウリン酸モノエタノールアミドのエチレンオキシド平均1モル付加物、合成品)、HLB10.0、融点51.3℃。
A’−1:デカン酸モノエタノールアミド(合成品)、HLB12.5、53.2℃。
A’−2:ステアリン酸モノエタノールアミド(合成品)、HLB7.5、融点94℃。
A’−3:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(川研ファインケミカル製、アミゾールCDE)、HLB12.0、融点5.0℃。
A’−4:C12,13ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(炭素数12のアルコールと炭素数13のアルコールとの混合物に、エチレンオキシド平均3モル及びプロピレンオキシド平均3モルがそれぞれ付加したもの)(ライオン化学製、NNAEP−3030)、HLB4.5。
A’−5:ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル、エチレンオキシド平均5モル付加物(日本エマルジョン製、エマレックス705)、HLB9.5、融点8.4℃。
A’−6:ラウリン酸ジエタノールアミド(川研ファインケミカル製、アミゾールLDE)、HLB12.5、融点41℃。
A−2、A’−1、A’−2の合成例:
各脂肪酸メチルエステルとモノエタノールアミンとの反応により合成した。
容量2Lの4つ口フラスコに撹拌器と冷却管とを据え付け、脂肪酸メチルエステルに対してモル比1.05倍量のモノエタノールアミンを仕込み、更に触媒としてナトリウムメチラート(28質量%溶液)を脂肪酸メチルエステル100質量部に対して0.25質量部(純分換算)仕込んだ。
ここに、反応温度100℃、圧力40kPa(減圧下)において、脂肪酸メチルエステルを3時間かけて滴下し、アミド化反応を行った。滴下終了後、1.3kPaに減圧して4時間熟成することにより、脂肪酸モノエタノールアミドA−2、A’−1、A’−2をそれぞれ得た。
かかる脂肪酸メチルエステルとしては、A−2を合成する場合にラウリン酸メチルエステル、A’−1を合成する場合にデカン酸メチルエステル、A’−2を合成する場合にステアリン酸メチルエステルをそれぞれ用いた。
A−3については、前記合成例で得られたA’−2の脂肪酸モノエタノールアミド(触媒のナトリウムメチラートをそのまま含む)を2Lオートクレーブに仕込み、反応温度100℃、反応圧力として常圧から0.4MPaまでの条件下で、エチレンオキシドガスを、該脂肪酸モノエタノールアミドに対して1.0モル当量分を1時間かけて吹き込むことで反応を行い、更に系内の圧力が変化しなくなるまで30分間熟成を行うことにより得た。
A−5については、A’−2の代わりにA−2を用いた以外は、A−3の合成方法と同様にして得た。
表1に示す組成からなる香料組成物B−1、B−2、B−3、B’−1をそれぞれ用いた。
(B)成分中の(b1)成分の含有量、すなわち、香料組成物中の、ClogP値が2.5〜6である全香料成分の含有量は、B−1が30質量%、B−2が50質量%、B−3が70質量%、B’−1が0質量%(含まない)である。
C−1:2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(BASF社製、マイアサイド)。
C−2:塩化ジデシルジメチルアンモニウム(ライオン社製、アーカード210)。
C−3:硫酸亜鉛・7水和物(純正化学製、試薬特級)。
アクリル酸/無水マレイン酸共重合物(BASF社製、Sokalan CP7)、重量平均分子量50000。
アミラーゼ分解酵素(ノボザイムズ社製、デュラミル120T)。
プロテアーゼ分解酵素(ノボザイムズ社製、エバラーゼ8.0T)。
無水ケイ酸(トクヤマ社製、トクシールNP)。
シリコーンコンパウンド(東レ・ダウコーニング社製、シリコーンコンパウンド2−4248S)。
硫酸ナトリウム(日本化学株式会社製、中性無水芒硝K2)。
pH調整剤:1N硫酸、1N水酸化ナトリウム。
イオン交換水。
(液体状洗浄剤:実施例1〜33、比較例1〜8)
表2〜5の組成に従い、以下のようにして各例の液体状洗浄剤0.8kgをそれぞれ調製した(該当しない成分がある場合、その成分は配合していない)。
まず、容量1Lビーカー内で、75℃に調整したイオン交換水と、(A)成分又は(A’)成分とを混合し、これらの合計量が組成物全体の40質量%となるように界面活性剤液(1)を調製した。
別途、組成物全体の50質量%分のイオン交換水を、75℃に加温し、アジホモミキサー6000rpmで撹拌しながら、ここへ75℃に調整した前記界面活性剤液(1)の全量を加え、その後、30秒間撹拌して、(A)成分又は(A’)成分を含有する界面活性剤液(2)を得た。
この界面活性剤液(2)を25℃まで冷却した後、1N硫酸又は1N水酸化ナトリウムを用いて組成物のpH(25℃)が9.5になるように調整した。次いで、(B)成分と(C)成分とを加えて撹拌し、組成物全体が100質量%となるように残りのイオン交換水を加えて撹拌することにより液体状洗浄剤を得た。
組成物のpH(25℃)は、25℃に調整した液体状洗浄剤を、ガラス電極式pHメーター(HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて測定した。測定方法は、JIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠して行った。
下記処方例で示す組成に従い、実施例34の粉粒状洗浄剤6kgを以下のようにして調製した。
まず、硫酸ナトリウムをリボンミキサー(株式会社吉田製作所製、リボンミキサー1102−1500型、巾900mm×長さ1800mm×深さ1100mm)に入れ、25rpmで撹拌しながら無水ケイ酸を添加し、10分間混合した。次いで、A−1と、アクリル酸/無水マレイン酸共重合物と、アミラーゼ分解酵素と、プロテアーゼ分解酵素と、シリコーンコンパウンドと、B−3とを加え、25rpmで10分間混合することにより粉粒状洗浄剤を得た。
粉粒状洗浄剤の処方例:
A−1 1質量%、B−3 0.08質量%、アクリル酸/無水マレイン酸共重合物 12質量%、アミラーゼ分解酵素 1質量%、プロテアーゼ分解酵素 1質量%、無水ケイ酸 0.05質量%、シリコーンコンパウンド 0.25質量%、硫酸ナトリウム バランス
各例の洗浄剤について、以下に示す評価方法によって各評価を行い、その結果を表2〜5に併記した。
食器洗い機として、自動食器洗い乾燥機(パナソニック株式会社製、機種NP−40SX2)を用いた。各評価において、洗浄処理は、該自動食器洗い乾燥機に設定されている標準コースで運転することにより行った。該標準コースの内容を以下に示す。
標準コース:
該自動食器洗い乾燥機に洗浄剤6g(水道水3Lに対し)を投入した後、水道水が庫内に導入されて洗浄液が調製され、常温から55℃まで2〜3℃/minで昇温しながら20分間洗浄が行われ、排水される。その後、新たな水道水が導入され、常温の水道水によるすすぎ(2分間/回)と排水との繰返し3回が行われ、次いで、新たな水道水が導入され、常温から70℃まで2〜3℃/minで昇温しながらすすぎ1回(最終すすぎ)20分間が行われ、排水後、温風を循環させながら食器等の乾燥が行われる。
表中に、洗浄剤が水道水に溶解してなる洗浄液中の(A)成分濃度(ppm,質量基準)を示した。
前記自動食器洗い乾燥機に洗浄剤6gを投入し、前記標準コースにて運転を行った。
洗浄開始から水温が55℃に達した時点で運転を止めると同時に扉を開け、その15秒後に庫内の泡立ちを測定した。
その際、庫内の3箇所をランダムに選択し、物さしで該箇所の泡高(mm)をそれぞれ測定し、これらの平均値を求めた。そして、下記評価基準に基づいて、低泡性について評価した。この泡高が10mm以下(◎、○)であれば合格とした。
(評価基準)
◎:泡高が5mm以下、
○:泡高が5mm超、10mm以下、
△:泡高が10mm超、20mm以下、
×:泡高が20mm超。
財団法人ベターリビング協会認定基準性能試験方法(1995年11月6日施行:食器洗い機)に準拠し、箸、ガラスコップ、湯飲み、皿(大、中、小)、汁椀などの食器に対してトマトジュース、牛乳、味噌汁、緑茶、米飯、生卵、カレー、市販トンカツソース、ハムエッグなどを付着させて汚垢食器(洗浄対象物)を調製した。
次いで、該洗浄対象物を前記自動食器洗い乾燥機に収納し、各例の洗浄剤6gを用いて前記標準コースにて運転を行い、洗浄処理を施した。
次に、該洗浄処理の直後、及び、該洗浄処理から1日経過した後の、それぞれの食器洗い機庫内の臭いを、専門パネル5名により、下記6段階の臭気強度表示法に基づいて官能評価した。
(6段階の臭気強度表示法)
5:無臭、4:わずかに臭いを感じる、3:弱いが臭いがわかる程度に感じる、2:充分に臭いがわかる、1:臭いを強く感じる、0:臭いを非常に強く感じる。
そして、専門パネル5名による官能評価の平均点を求め、下記評価基準に基づいて、洗浄直後の臭い残り低減の効果(洗浄処理の直後)、及び、洗浄後における悪臭発生の抑制効果(該洗浄処理から1日経過した後)について評価した。
(評価基準)
◎◎:平均点が4.8点以上、
◎:平均点が4.1〜4.7点、
○:平均点が3.0〜4.0点、
△:平均点が2.0〜2.9点、
×:平均点が2.0未満。
前記の財団法人ベターリビング協会認定基準性能試験方法に準拠して調製した汚垢食器(洗浄対象物)に加え、ポリプロピレン(PP)製弁当箱(縦110mm、横170mm、高さ35mm)をそれぞれ前記自動食器洗い乾燥機に装填し、各例の洗浄剤6gを用いて前記標準コースにて運転を行い、洗浄処理を施した。
次に、該洗浄処理直後のPP製弁当箱の臭いを、専門パネル5名により、下記6段階の臭気強度表示法に基づいて官能評価した。
(6段階の臭気強度表示法)
5:無臭、4:わずかに香りを感じる、3:弱い香りがわかる程度に感じる、2:充分に香りがわかる、1:香りを強く感じる、0:香りを非常に強く感じる。
そして、専門パネル5名による官能評価の平均点を求め、下記評価基準に基づいて、洗浄後の洗浄対象物への香り残り低減の効果について評価した。
(評価基準)
◎◎:平均点が4.5点以上、
◎:平均点が3.8〜4.4点、
○:平均点が3.0〜3.7点、
△:平均点が2.0〜2.9点、
×:平均点が2.0未満。
尚、比較例7の洗浄剤を用いた場合、洗浄中に泡立ちが過剰となり、食器洗い機の運転が停止した。このため、洗浄直後の臭い残り低減の効果についての評価、洗浄後における悪臭発生の抑制効果についての評価、及び、洗浄後の洗浄対象物への香り残り低減の効果についての評価を行うことができなかった。
Claims (4)
- (A)成分:脂肪酸アルカノールアミド及びポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドからなる群より選ばれ、かつ、HLBが8.5以上12.0未満の非イオン界面活性剤と、
(B)成分:ClogP値が2.5〜6である香料成分(b1)を含む香料組成物と、を含有し、
(A)成分/(B)成分で表される質量比が0.25〜1000であることを特徴とする食器洗い機用洗浄剤。 - 前記(B)成分中の前記香料成分(b1)の含有量が50質量%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の食器洗い機用洗浄剤。
- 前記香料成分(b1)は、リモネン、α−ピネン、ミルセン、オイゲノール、シトラール、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、ダマセノン、1,8−シネオール、リナロール及びメチルサリチレートからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の食器洗い機用洗浄剤。
- (C)成分:抗菌剤をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の食器洗い機用洗浄剤。
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