JPH078994B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物

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JPH078994B2
JPH078994B2 JP9156390A JP9156390A JPH078994B2 JP H078994 B2 JPH078994 B2 JP H078994B2 JP 9156390 A JP9156390 A JP 9156390A JP 9156390 A JP9156390 A JP 9156390A JP H078994 B2 JPH078994 B2 JP H078994B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアルカリ又はアルカリ耐性プルラナーゼを含有
する洗浄剤組成物に関する。
〔従来の技術〕
洗浄剤に酵素を配合することは古くから実施されてい
る。洗浄剤中の酵素は洗浄剤補助剤として働き、例えば
衣料用洗浄剤においては、衣料に付着した各種の汚垢及
びシミを、また食器用洗浄剤においては、食器表面に残
留する油脂類、蛋白質、澱粉等を分解ないしは変質させ
て除去しやすくする機能を果す。
特に澱粉質の汚れを除去するために従来はα−アミラー
ゼが用いられており、α−アミラーゼ含有洗浄液に被洗
物を長時間浸漬しておくことにより、澱粉質汚れに対す
る洗浄力を向上させることができる。
本発明者らは、α−アミラーゼとプルラナーゼを併用す
れば、食器、繊維等に強固に付着した澱粉質汚れに効果
的に作用し、洗浄力を顕著に向上せしめ得ることを見出
し、先に特許出願した(特願昭63−285424号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、自然界において従来見出されているプル
ラナーゼのほとんどが、中性ないし酸性領域において最
大かつ安定な酵素活性を示す、いわゆる中性もしくは酸
性プルラナーゼに分類されるものであるため、食器用洗
浄剤又は衣料用洗浄剤組成物に適する、すなわちアルカ
リ領域において最大活性を示すか、あるいはアルカリ耐
性を有するプルラナーゼ、いわゆるアルカリプルラナー
ゼ及びアルカリ耐性プルラナーゼの存在は、極めて少な
いのが実情である。
尚、ここでアルカリプルラナーゼとは、至適pHをアルカ
リ領域に有するものを言い、アルカリ耐性プルラナーゼ
とは、至適pHは中性から酸性領域に有するが、アルカリ
領域に於いても至適pHに於ける活性に比較して充分な活
性を有し且つ安定性を保持するものを言う。また、中性
とはpH6〜8の範囲を言い、アルカリ性とはそれ以上のp
H範囲を言う。
従来、アルカリプルラナーゼとしては特公昭53−27786
号公報に記載されているもののみが知られている。しか
し、これは、アルカリ領域に至適pHを有する酵素であ
り、従来知られているプルラナーゼより基質特異性が広
い等の特徴を有してはいるが、至適pHが8〜9と弱アル
カリ領域にあるため、洗浄剤成分として使用するには適
さないという問題があった。また、酵素が不安定である
と同時に酵素の生産性が悪いという欠点も有しており、
工業的発酵生産に適うものではなかった。
〔課題を解決するための手段〕
このような実情において、本発明者らは洗浄剤成分とし
てより好適なプルラナーゼについて鋭意研究を行った結
果、α−アミラーゼ活性を有するアルカリ又はアルカリ
耐性プルラナーゼが、α−アミラーゼを併用しない場合
でも食器、繊維等に強固に付着した澱粉質汚れに効果的
に作用し、洗浄力を顕著に向上せしめ、しかも安定で生
産性も良好であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、α−アミラーゼ活性を有するアルカ
リ又はアルカリ耐性プルラナーゼを含有することを特徴
とする洗浄剤組成物を提供するものである。
本発明に用い得るアルカリ又はアルカリ耐性プルラナー
ゼの例としては、例えば次に示す好アルカリ微生物の一
種であるバチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM−AP1
378(FERM P−10886)が産生するアルカリプルラナーゼ
が挙げられる。
この微生物は、次のような菌学的性質を示す。尚、以下
において菌株の分類に用いた培地は次の培地1〜21の21
種類であり、これらは何れも別滅菌した炭酸ナトリウム
(Na2CO3)を0.5重量%(以下、単に%という)含有す
る。
使用した培地の組成(表示は%): 培地1. ニュートリエントブロス,0.8;寒天末(和光純
薬製),1.5 培地2. ニュートリエントブロス,0.8 培地3. ニュートリエントブロス,0.8;ゼラチン,20.0;
寒天末(和光純薬製),1.5 培地4. バクトリトマスミルク,10.5 培地5. ニュートリエントブロス,0.8;KNO3,0.1 培地6. バクトペプトン,0.7;NaCl,0.5;ブドウ糖,0.5 培地7. SIM寒天培地(栄研化学製),指示量 培地8. TSI寒天培地(栄研化学製),指示量 培地9. 酵母エキス,0.5;バクトペプトン,1.5;K2HPO4,
0.1;MgSO4・7H2O,0.02;可溶性澱粉,2.0;寒天末(和光純
薬製),1.5 培地10. コーサー培地(栄研化学製),指示量 培地11. クリステンセン培地(栄研化学製),指示量 培地12. 酵母エキス,0.05;Na2SO4,0.1;KH2PO4,0.1;ブ
ドウ糖,1.0 酵母エキス,0.05;Na2SO4,0.1;KH2PO4,0.1;ブドウ糖,
1.0;CaCl2・2H2O,0.05;MnSO4・4〜6H2O,0.01;FeSO4・7
H2O,0.001;MgSO4・7H2O,0.02窒素原としては、硝酸ナト
リウム、亜硝酸ナトリウム、塩化アンモニウム及びリン
酸アンモニウムをそれぞれ0.25%、0.2025%、0.158%
及び0.195%となるように上記の及びの培地に加え
て用いた。
培地13. キングA培地“栄研”(栄研化学製),指示量 培地14. キングB培地“栄研”(栄研化学製),指示量 培地15. 尿素培地“栄研”(栄研化学製),指示量 培地16. チトクローム・オキシダーゼ試験用瀘紙(日本
製薬製) 培地17. 3%過酸化水素水 培地18. バクトペプトン,0.5;酵母エキス,0.5;K2HPO4,
0.1;ブドウ糖,1.0;MgSO4・7H2O,0.02 培地19. バクトペプトン,2.7;NaCl,5.5;K2HPO4,0.3;ブ
ドウ糖,0.5;ブロモチモールブルー,0.06;寒天末(和光
純薬製),1.5 培地20. (NH42HPO4,0.1;KCl,0.02;MgSO4・7H2O,0.0
2;酵母エキス,0.05;糖,1.0 培地21. カゼイン,0.5;酵母エキス,0.5;ブドウ糖,1.0;K
2HPO4,0.1;MgSO4・7H2O,0.02;寒天末(和光純薬製),1.
5 〔菌学的性質〕 (a) 顕微鏡的観察結果 菌体の大きさは、0.8〜2.4μm×1.8〜4.0μmの桿菌で
あり、菌体の一端に楕円形の内生胞子(1.0〜1.2μm×
1.2〜1.4μm)を作る。また、周鞭毛を有し運動性があ
る。グラム染色は不定。抗酸性はない。
(b) 各種培地に於ける生育状態 肉汁寒天平板培養(培地1.) 生育状態は良い。集落の形状は円形であり、表面は円
滑、周縁は円滑である。又集落の色調は黄色半透明で光
沢がある。
肉汁寒天斜面培養(培地1.) 生育する。その状態は拡布状で光沢が有り、黄色半透明
である。
肉汁液体培養(培地2.) 生育する。
肉汁ゼラチン穿刺培養(培地3.) 生育状態は良い。ゼラチンの液化が認められる。
リトマスミルク培地(培地4.) ミルクの凝固、ペプトン化は認められない。リトマスの
変色は培地がアルカリのため判定できない。
(c) 生理学的性質 硝酸塩の還元及び脱窒反応(培地5.) 硝酸塩の還元は陽性。脱窒反応は陰性。
MRテスト(培地6.) 培地がアルカリ性のため、陰性、陽性は判定できない。
VPテスト(培地6.) 陰性。
インドールの生成(培地7.) 陰性。
硫化水素の生成(培地8.) 陰性。
澱粉の加水分解(培地9.) 陽性。
クエン酸の利用 コーサー培地(培地10.)で陰性。クリステンセン培地
(培地11.)では陽性か陰性か判定できない。
無機窒素源の利用(培地12.) 硝酸塩、アンモニウム塩、亜硝酸塩ともに利用する。
色素の生成(培地13.,14.) 陰性。
ウレアーゼ(培地15.) 陰性。
オキシダーゼ(培地16.) 陰性。
カタラーゼ(培地17.) 陽性。
生育の範囲(培地18.) 生育の温度範囲は20〜40℃、生育最適温度範囲は30〜35
℃である。
生育のpH範囲はpH7〜10.5、生育最適pHはpH10である。
酸素に対する態度 好気的。
O−Fテスト(培地19.) アルカリ性のため、変色は判定できない。
好気状態でのみ生育する。
糖の利用性(培地20.) L−アラビノース、D−キシロース、D−グルコース、
D−マンノース、D−フラクトース、D−ガラクトー
ス、麦芽糖、ショ糖、乳糖、トレハロース、D−ソルビ
ット、D−マンニット、イノシット、グリセリン、デン
プン、ラフィノース、サリシン、D−リボース及びデキ
ストリンを利用する。
食塩含有培地に於ける生育(培地1.を改変) 食塩濃度7%では生育するが、10%では生育できない。
カゼインの分解(培地21.) 陽性。
以上の菌学的性質に関する検討に基づき、バージーズ・
マニュアル・オブ・ディタミネイティブ・バクテリオロ
ジー(Bergey's Mannual of Determinative Bacteriolo
gy)第8版及びザ・ジーナス・バチルス(“The Genus
Bacillus"Ruth,E.Gordon,Agriculture Handbook No.42
7,Agricultural Research Service,U.S.Department of
Agriculture Washington D.C.,(1973))を参照し、比
較検索した結果、本菌株は有胞子桿菌であるバチルス
(Bacillus)属の一種であると認められる。しかし、本
菌株は中性領域では生育できず、専ら高アルカリ領域で
良好な生育を示すことから、最近、HorikoshiとAkiba
〔“Alkalophilic Microorganism",Japan Scientific S
ociety Press(Tokyo),1982年刊〕の主張している、所
謂好アルカリ性(Alkalophilic)微生物として暫定的
に、従来の中性で生育するバチルス属細菌とは区別され
る。
更に、本菌株の菌学的性質は公知の好アルカリ性バチル
スのいずれとも一致しないので、これを新規菌株と判断
してバチルス エスピーKSM−AP1378と命名し、微工研
菌寄第10886号として工業技術院微生物工業技術研究所
に寄託した。
上記の菌株を用いて本発明に用いられるα−アミラーゼ
活性を有するアルカリプルラナーゼを得るには、培地に
菌株を接種し、常法に従って培養すればよい。培養に用
いる培地中には、資化し得る炭素源及び窒素源を適当量
含有せしめておくことが好ましい。この炭素源及び窒素
源は特に制限されないが、その例としては、窒素源とし
てコーングルテンミール、大豆粉、コーンスチープリカ
ー、カザミノ酸、酵母エキス、ファーマメディア、肉エ
キス、トリプトン、ソイトン、ハイプロ、アジパワー、
綿実油粕、カルチベーター、アジプロン、ゼスト等の有
機窒素源及び硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リ
ン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硝酸ナトリウ
ム、酢酸アンモニウム等の無機窒素源が挙げられる。ま
た炭素源としては、可溶性澱粉、不溶性澱粉、アミロペ
クチン、グリコーゲン、プルラン及びこれらの部分分解
により生じた分岐オリゴ糖に加え、資化し得る炭素源、
例えばグルコース、マルトース、アラビノース、キシロ
ース、リボース、マンノース、フラクトース、ガラクト
ース、麦芽糖、ショ糖、乳糖、トレハロース、マンニッ
ト、ソルビット、グリセリンや資化し得る有機酸、例え
ばクエン酸、酢酸等が挙げられる。またその他、リン酸
塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩、亜鉛
塩、コバルト塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の無機塩
や、必要であれば、無機、有機微量栄養源を培地中に適
宜添加することもできる。
また、培養における温度は20〜40℃、特に30〜35℃が好
ましく、pHは8〜10.5、特に10が好ましく、この条件下
において通常2〜3日間で培養は完了する。
斯くして得られた培養物中からの目的物質である、α−
アミラーゼ活性を有するアルカリプルラナーゼの採取及
び精製は、一般の酵素の採取及び精製の手段に準じて行
うことができる。即ち、培養後、遠心分離又は濾過等の
通常の固液分離手段により菌体を培養物から除去して粗
酵素液を得ることができる。この粗酵素液は、そのまま
使用することもできるが、必要に応じて、塩析法、沈澱
法、限外濾過法等の分離手段により粗酵素を得、更に公
知の方法により精製結晶化し、精製酵素として使用する
ことも可能である。
以下に、上記アルカリプルラナーゼの好ましい製造法の
一例を説明する。アルカリ性細菌バチルス属に属する例
えばKSM−AP1378株を1%プルラン、1%ポリペプト
ン、0.5%酵母エキス、0.1%KH2PO4、0.25%Na2HPO4・1
2H2O、0.02%MgSO4・7H2O、0.5%炭酸ナトリウムを含む
培地で30℃にて3日間好気的に振盪培養して得られる培
養液から菌体を除き、上澄液を得る。次いで、DEAEセ
ルロース吸着、α−シクロデキストリン アフィニテ
ィ クロマトグラフィー、DEAEトヨパール(東洋曹達
社製)クロマトグラフィー、セファクリル(ファルマ
シア社製)クロマトグラフィーを行うことによって精製
される。斯くして得られる精製酵素は、ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動(ゲル濃度15%)及びソディウムドデ
シルサルフェート(SDS)電気泳動で単一のバンドを与
え、またプルラナーゼの活性収率は約2%であった。
斯くして得られる、アルカリプルラナーゼは、本発明洗
浄剤組成物の成分として好適に使用し得る。このアルカ
リプルラナーゼの酵素化学的性質について、以下に説明
する。
尚、酵素活性の測定は次の緩衝液(各々50mM宛)を用
い、以下の方法に従って行った。
pH4〜6 酢酸緩衝液 pH6〜8 リン酸緩衝液(プルラナーゼ活性測定に使
用) pH6〜8 トリスマレイト緩衝液(α−アミラーゼ活性
測定に使用) pH8〜11 グリシン−食塩−水酸化ナトリウム緩衝液 pH11〜12 塩化カリウム−水酸化ナトリウム緩衝液 酸素活性測定法: プルラナーゼ活性 各種緩衝液中にプルラン(反応系に於ける最終濃度は、
0.25%)を溶解させた基質溶液0.9mlに、酵素液0.1mlを
加え、40℃で、30分間反応させた。反応後、3,5−ジニ
トロサリチル酸(3,5−dinitrosalicylic acid(DN
S))法にて、還元糖の定量を行った。即ち、反応液1.0
mlにDNS試薬1.0mlを加え、5分間、100℃で加熱発色さ
せ、冷却後、4.0mlの脱イオン水を加えて希釈し、波長5
35nmで比色定量した。酵素の力価は、1分間に1μmol
のグルコースに相当する還元糖を生成する酵素量を1単
位(1U)とした。
α−アミラーゼ活性 各種緩衝液中に可溶性澱粉(反応系に於ける最終濃度
は、0.25%)を溶解させた基質溶液0.9mlに、酵素液0.1
mlを加え、50℃で、15分間反応させた。
反応後、(DNS)法にて、還元糖の定量を行った。即
ち、反応液1.0mlにDNS試薬1.0mlを加え、5分間、100℃
で加熱発色させ、冷却後、4.0mlの脱イオン水を加えて
希釈し、波長535nmで比色定量した。酵素の力価は、1
分間に1μmolのグルコースに相当する還元糖を生成す
る酵素量を1単位(1U)とした。
〔酵素化学的性質〕 作用 プルラン及び可溶性澱粉に作用し、前者からは主として
マルトトリオースを、後者からは主としてマルトテトラ
オース及びマルトペンタオースを生成する。また、グリ
コーゲンにも作用しマルトテトラオース及びマルトペン
タオースを生成する(第1図)。
基質特異性 プルラン、可溶性澱粉及びグリコーゲンに作用する(第
1表)。
作用pH及び最適作用pH 本酵素のプルランに対する作用pHは5〜12の範囲にあ
り、最適作用pHは8.5〜10の範囲に認められる。
尚、各pHにおけるプルラナーゼ活性を0.25%プルラン、
10mM酢酸緩衝液(pH4〜5)、リン酸緩衝液(pH6〜
8)、グリシン−食塩−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9
〜10.5)及び塩化カリウム−水酸化ナトリウム緩衝液
(pH11〜12)の反応系を用い、40℃、30分間反応させて
測定した結果を第2図(a)に示す。
また、可溶性澱粉に対する作用pHは4〜12の範囲にあ
り、最適作用pHはpH7〜9.5の範囲に認められる。
尚、各pHにおけるα−アミラーゼ活性を0.25%可溶性澱
粉、10mM酢酸緩衝液(pH4〜5)、トリスマレイト緩衝
液(pH6〜8)、グリシン−食塩−水酸化ナトリウム緩
衝液(pH9〜10.5)及び炭酸緩衝液(pH11〜12)の反応
系を用い、50℃、15分間反応させて測定した結果を第2
図(b)に示す。
pH安定性 本酵素のプルランに対するpH安定性は、pH6〜10.5の範
囲に認められる。
尚、各pHにおけるプルラナーゼ活性を0.25%プルラン、
10mM酢酸緩衝液(pH4〜5)、リン酸緩衝液(pH6〜
8)、グリシン−食塩−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9
〜10.5)及び塩化カリウム−水酸化ナトリウム緩衝液
(pH11〜12)の反応系を用い、45℃、10分間反応させて
測定した結果を第3図(a)に示す。
また、可溶性澱粉に対するpH安定性は、pH4〜12の範囲
に認められる。
尚、各pHにおけるα−アミラーゼ活性を0.25%プルラ
ン、10mM酢酸緩衝液(pH4〜5)、トリスマレイト緩衝
液(pH6〜8)、グリシン−食塩−水酸化ナトリウム緩
衝液(pH9〜10.5)及び炭酸緩衝液(pH11〜12)の反応
系を用い、50℃、15分間反応させて測定した結果を第3
図(b)に示す。
作用温度範囲及び最適作用温度 本酵素のプルラン及び可溶性澱粉に対する活性は、10〜
65℃の範囲で認められ、最適作用温度は約50℃に認めら
れる(第4図(a)及び(b))。
温度安定性 本酵素についてpH9.5の条件で温度を変化させ各温度で3
0分間処理することにより失活の条件を調べたところ、4
5℃までは極めて安定である(第5図(a)及び
(b))。
分子量 SDS電気泳動法(ゲル濃度7.5%)による分子量は約200,
000±5,000である。
金属イオンの影響 プルラナーゼ活性はHg2+,Mn2+,Pb2+で阻害される。ま
た、α−アミラーゼ活性はHg2+,Mn2+,Pb2+,Cd2+,Zn2+
阻害される(第2表)。
下記第2表より明らかな如く、本酵素のプルラナーゼ活
性とα−アミラーゼ活性とでは、阻害を受ける金属イオ
ンの種類が異なっている。
界面活性剤の影響 直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ポリオ
キシエチレンアルキル硫酸エステルナトリウム塩、α−
オレフィンスルフォン酸ナトリウム、α−スルフォン化
脂肪酸エステルナトリウム、アルキルスルフォン酸ナト
リウム、SDS、石鹸、ソフタノール(登録商標)等の各
種界面活性剤の0.05%溶液で40℃にて15分間処理しても
殆ど活性阻害を受けない。
キレート剤の影響 キレート剤であるEDTA(10mM)及びEGTA(10mM)でプル
ラナーゼ活性は殆ど阻害を受けないが、α−アミラーゼ
活性は著しい阻害を受ける。また、キレート剤により阻
害を受けたα−アミラーゼ活性は再びCa2+を加えると復
活する(第2表)。
プロテアーゼ耐性 マクサターゼ(IBIS社製)及びサビナーゼ(ノボ社製)
等のアルカリプロテアーゼを活性測定時に共存(0.2AU/
)させても、いずれのプロテアーゼに対しても強い耐
性を有する。
以上の酵素化学的性質から明らかなように、本酵素は、
従来のα−アミラーゼ活性を有するプルラナーゼとは理
化学的性質の異なる新規な酵素である。
更に、ここで、本酵素の新規な点を更に明らかにするた
めに、従来報告されているα−アミラーゼ活性を有する
プルラナーゼとの理化学的性質を比較した結果を下記第
3表に示す。
第3表から明らかな如く、本アルカリプルラナーゼは、
バチルス ズブチリス TU由来のプルラナーゼ−アミラ
ーゼ複合酵素及びバチルス サーキュランス F−2由
来のプルラナーゼ活性を有するアミラーゼとは、その理
化学的性質が明らかに異なるものである。
上記α−アミラーゼ活性を有するアルカリ又はアルカリ
耐性プルラナーゼは、本発明洗浄剤組成物中に通常0.1
〜10重量%配合される。尚、アルカリ又はアルカリ耐性
プルラナーゼは、精製酵素を用いてもよいし、培養液を
そのまま粗製酵素として用いてもよい。
本発明の洗浄組成物に配合される、その他の洗剤常用成
分は、特に限定は付されず、用途、目的に合わせて任意
に配合されてよい。以下、それらの配合成分について述
べる。
(1) 界面活性剤の配合量は特に限定されないが好ま
しくは0.5〜60重量%配合される。本発明の洗浄剤組成
物に用いることができる界面活性剤としては、陰イオン
性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルフォン酸
塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル
又はアルケニル硫酸塩、オレフィンスルフォン酸塩、ア
ルカンスルフォン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アル
キル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホ
脂肪酸塩又はエステル、アミノ酸型界面活性剤、N−ア
シルアミノ酸型界面活性剤、アルキル又はアルケニル酸
性燐酸エステル、アルキル又はアルケニル燐酸エステル
又はその塩などが、両性界面活性剤としては、カルボキ
シ又はスルホベタイン型界面活性剤などが、非イオン界
面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキル又は
アルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はその
アルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、
脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサ
イド、アルキルグリコシドなどが、カチオン性界面活性
剤としては、第四級アンモニウム塩などが例示される。
本発明の洗浄剤組成物を自動食器洗浄機用洗剤として用
いる場合の界面活性剤としては、低泡性乃至無泡性の非
イオン性界面活性剤が好ましい。この種の界面活性剤の
例としてはアルコキシ化非イオン性界面活性剤(このア
ルコキシ部はエチレンオキサイド、プロピレンオキシド
及びその混合物からなる群から選ばれたものである)が
挙げられる。このような界面活性剤の具体例としては、
BASFジャパン社の“Plurafac(登録商標)LF403"、“Pl
urafac LF1300"及び日本触媒化学工業(株)の“ソフタ
ノールEP7045"(登録商標)等が挙げられる。本発明の
洗浄剤組成物を自動食器洗浄機用洗剤として用いる場
合、界面活性剤は組成物中に0.5〜30重量%配合される
ことが好ましい。
(2) 炭酸塩、重炭酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩、アルカ
ノールアミンなどのアルカリ剤あるいは硫酸塩などの無
機電解質は、普通0〜90重量%配合される。
(3) トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、オルトリン
酸塩等のリン酸塩、エタン−1,1−ジホスホン酸塩等の
ホスホン酸の塩、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボ
ン酸等のホスホノカルボン酸の塩、アスパラギン酸、グ
ルタミン酸等のアミノ酸の塩、ニトリロ三酢酸塩、エチ
レンジアミン四酢酸塩等のアミノポリ酢酸塩、ポリアク
リル酸、ポリアコニット酸等の高分子キレート剤、シュ
ウ酸、クエン酸等の有機酸の塩、アルミノ珪酸塩などの
二価金属イオン捕捉剤は、組成物中に普通0〜50重量%
配合される。
(4) 過炭酸ソーダ、過ホウ酸ソーダ、次亜塩素酸ソ
ーダ、ジクロルイソシアル酸などの漂白剤は0〜85重量
%配合される。
(5) その他の少量成分として、ポリエチレングリコ
ール、カルボキシメチルセルロース等の再汚染防止剤、
プロテアーゼ、リパーゼ、α−アミラーゼ、セルラーゼ
等の酵素、亜硫酸塩等の酵素失活防止剤、螢光染料、青
味付剤、色素、ケーキング防止剤、可溶化剤、酵素ある
いは漂白剤の活性化剤、金属腐食防止剤などを必要に応
じて配合することができる。
本発明に使用し得るプロテアーゼの例としては、バチル
ス・ズブチリスやバチルス・リケニフォルミス等、特定
の菌株から得られるズブチリシンが挙げられる。これら
の例としてはギスト社から販売されている“マクサター
ゼ”(登録商標)、ノボ・インダストリー社の“アルカ
ラーゼ”(登録商標)、“エスペラーゼ”(登録商標)
及び“サビナーゼ”(登録商標)などが挙げられる。
また、本発明に使用し得るα−アミラーゼの例として
は、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・ズブチリ
ス等から得られたものが挙げられ、市販品の例としてノ
ボ・インダスリー社の“ターマミル”(登録商標)、ギ
スト社の“マキサミル”(登録商標)等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物を自動食器洗浄機用洗剤として用
いる場合、前記各成分以外のバランス成分としては、粉
末又は顆粒組成物の場合、無機アルカリ剤を用いるのが
好ましい。無機アルカリ剤としては、例えばピロリン酸
ナトリウム、オルトリン酸ナトリウム、トリポリリン酸
ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、セス
キ炭酸ナトリウム、ホウ砂、珪酸ナトリウムなどが挙げ
られる。特に、珪酸ナトリウムは金属腐食防止作用を有
するので、これを他のアルカリ剤と併用するのが望まし
い。この場合、他のアルカリ剤35〜85重量%及び珪酸ナ
トリウム(SiO2/Na2O比が1/1〜4/1、好ましくは2/1〜2.
5/1)2〜15重量%を併用するのが最も好ましい。無機
アルカリ剤は、0.05〜1重量%濃度の洗剤溶液がpH9.0
〜11.0になるように配合量を調整する。液体の場合は、
バランス成分は水である。
また、自動食器洗浄機用洗剤には、銅腐食防止剤として
炭化水素鎖長が8〜18程度である脂肪酸や、ベンゾトリ
アゾール等を添加することも効果的である。
また、多くの洗浄剤について無リン洗剤が主流である現
在、環境問題の点からリン酸塩含有洗剤は社会的な問題
になりかねない。そこで、各種汚れに対する洗浄力を低
下することなく無リン化することも重要である。
無リン化する際には、二価金属イオン捕捉剤として、次
の一般式(I)で表わされるヒドロキシ多価カルボン酸
又はその水溶性塩を使用するのが好ましい。
(式中、Xは−H、−CH3、−CH2COOH又は−CH(OH)CO
OHを、Yは−H又は−OHを表す) この中でも、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸又はそれらの
水溶性塩が好ましい。かかる塩としては、ナトリウム
塩、カリウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノー
ルアミン塩、トリエタノールアミン塩等が例示される。
このような成分は、本発明洗浄剤組成物中に0.5〜30重
量%配合するのが好ましい。
また、更に二価金属イオン捕捉剤として高分子キレート
剤1〜10重量%を併用するのが好ましい。高分子キレー
ト剤としては、特開昭57−145199号公報に記載されてい
るような二価金属イオン捕捉高分子電解質が例示できる
が、アクリル酸又はメタクリル酸の重合体、アクリル酸
メタクリル酸共重合体、それらの水溶性塩基等が挙げら
れ、平均分子量は1,500〜100,000、特に3,000〜20,000
のものが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、上記成分を常法に従って混合
し、粉末状、顆粒状又は液状の衣料用、食器用、住居用
等の洗浄剤として使用することができる。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明は
これらに限定されるものではない。
製造例1 (1) 栃木県栃木市の土壌を薬匙一杯(約0.5g)、滅
菌生理食塩水に懸濁し、80℃で15分間熱処理した。この
熱処理液の上清を適当に希釈して、分離用寒天培地(培
地A)に塗布した。次いで、これを30℃にて3日間培養
し、集落を形成させた。集落の周囲に着色プルラン及び
着色澱粉の溶解に基づく透明帯を形成するものを選出
し、α−アミラーゼ活性を有するプルラナーゼ生産菌を
取得した。更に、取得菌を培地Bの液体培地に接種し、
30℃で3日間振盪培養した。培養後、遠心分離した上清
液についてプルラナーゼ活性及びアミラーゼ活性を、pH
10にて測定し、α−アミラーゼ活性を有するアルカリプ
ルラナーゼ生産菌をスクリーニングした。
上述の方法により、α−アミラーゼ活性を有するアルカ
リプルラナーゼ生産菌であるバチルス エスピー KSM
−AP1378(FERM P−10886)を取得することが出来た。
培地A.プルラン 0.5% 可溶性澱粉 0.5% 着色プルラン 0.2% 着色澱粉 0.2% ポリペプチド 0.2% 酵母エキス 0.1% KH2PO4 0.03% (NH42SO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.02% CaCl2・2H2O 0.02% FeSO4・7H2O 0.001% MnCl2・4H2O 0.0001% 寒天 1.5% Na2CO3 0.5% pH 10.0 培地B.プルラン 0.5% 可溶性澱粉 0.5% トリプトン 0.2% 酵母エキス 0.1% KH2PO4 0.03% (NH42SO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.02% CaCl2・2H2O 0.02% FeSO4・7H2O 0.001% MnCl2・4H2O 0.0001% Na2CO3 0.5% pH 10.0 (2) α−アミラーゼ活性を有するアルカリプルラナ
ーゼ生産菌であるバチルス エスピー KSM−AP1378株
を実施例1の液体培地Bに接種し、30℃で3日間振盪培
養した。培養後、菌体を遠心分離して除き、粗酵素液と
した。更に、通常の方法に従って、100%エタノールを
添加してエタノール乾燥粉末とし、以下の第4表に示す
α−アミラーゼ活性を有するアルカリプルラナーゼ酵素
標品を得ることができた(酵素活性はpH9に於ける測定
値である)。
(3) (2)で得られた粗酵素液について、以下の手
順に従って精製を行い、α−アミラーゼ活性を有するア
ルカリプルラナーゼを得た。すなわち、粗酵素液の上澄
液にDEAEセルロース粉末を加え、上澄液中のプルラナー
ゼを完全にDEAEセルロースに吸着させた。次いで、10mM
トリス−塩酸緩衝液(pH8)で樹脂を洗浄した後、0.6M
の食塩を含む同緩衝液で酵素を溶出した。次に、10mMト
リス−塩酸緩衝液(pH8)で透析後、同緩衝液で平衡化
したα−シクロデキストリン アフィニティー カラム
に吸着させ、β−シクロデキストリンを含有する同緩衝
液により溶出し、その活性画分を集めた。集められた活
性画分は、透析後、10mMトリス−塩酸緩衝液(pH8)で
平衡化したDEAEトヨパール650Sに吸着させた。吸着した
酵素を同緩衝液中、0.1から1Mの食塩の濃度勾配により
溶出し、その活性画分を集めた。集められた活性画分
は、透析後、次いで0.1M食塩を含む同緩衝液で平衡化し
たセファクリルS−200カラムに充填し、0.1M食塩を含
む同緩衝液で溶出し、その活性画分を集めた。集められ
た活性画分は、限外濾過膜を用いて濃縮した後、10mMト
リス−塩酸緩衝液(pH8)を用いて一夜透析した。得ら
れたα−アミラーゼ活性を有するアルカリプルラナーゼ
についてデービス〔Davis D.J.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,12
1,404(1964)〕の方法に従って電気泳動を行った後、
コマシー・ブリリアント・ブルーで染色して単一のバン
ドを与えることを確認した(第6図)。
(5) (4)で得られたα−アミラーゼ活性を有する
アルカリプルラナーゼについて、常法に従い、ソディウ
ム・ドデシル・硫酸(SDS)電気泳動を行った。この結
果を第7図に示す。この結果から、本酵素は分子量200,
000±5,000であった。
実施例1(自動食器洗浄機用洗浄剤) 本実施例で採用した洗浄条件、洗浄力試験及びその結果
は次の通りである。
(1) 洗浄条件 使用洗浄機;松下電器(株)製全自動食器洗い機(機種
NP−600) 洗浄剤水溶液が回転ノズルから噴射され、その噴射軌道
上面に設置された食器類を洗浄する形式のもの。
洗浄温度;5℃から55℃まで徐々に昇温する。
洗浄用水;硬度3.5゜DHの水 洗浄濃度;0.2% 洗浄時間;洗浄20分,すすぎ20分 洗浄時の循環水量;2.5 (2) 洗浄力の評価 澱粉汚れの汚染皿及び評価方法 (汚染皿) 軟質の炊き上がり米飯を30分間室温にて放置し、3gを磁
性の皿(直径25cm)に引き伸ばし塗布し、室温で一昼夜
風乾したものを各6枚洗浄に供した。
(澱粉汚れ洗浄力評価方法) 澱粉の残存を、ヨウ素の呈色反応によって生じる青色部
分面積(P1)を写真判定によって測り、以下初期の汚染
面積(S0)から洗浄率を下の式によって求めた。
洗浄率=〔(S0−P1)/S0〕×100 (3) 洗浄組成 ソフタノールEP7045(日本触媒化学工業(株)製) 2 クエン酸ナトリウム 20 1号珪酸ナトリウム 5 酵 素 第5表又は第6表 炭酸ナトリウム バランス (注)数字は重量%を示す。
ただし酵素は洗剤中の活性で示す。
(4) 洗浄力試験効果 試験結果を第5表及び第6表に示す。
第5表中の酵素活性は、アミラーゼ、B−テストワコー
(CM−アミロース・DEX法)法により測定した。尚1U
は、酵素100mlが37℃、30分でデンプン10mgを過不足な
く分解する酵素単位とする。
第6表中の酵素活性は、以下の方法で測定した。
10mMグリシン−食塩−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.
0)中にプルラン(反応系における最終濃度は0.25%)
を溶解させた基質溶液0.9mlに、酵素液0.1mlを加え40℃
で30分間反応させる。反応後、3,5−ジニトロサリチル
酸(3,5−dinitrosalicylic acid(DNS))法にて、還
元糖の定量を行った。即ち、反応液1.0mlにDNS試薬1.0m
lを加え、5分間、100℃で加熱発色させ、冷却後、4.0m
lの脱イオン水を加えて希釈し、波長535nmで比色定量し
た。酵素の力価は、1分間に1μmolのグルコースに相
当する還元糖を生成する酵素量を1単位(1U)とした。
実施例2(衣料用洗浄剤) 本実施例で採用した洗浄条件、洗浄力試験及びその結果
は次の通りである。
(1) 人工汚染布 白玉と米飯を9:1で混合し、水道水で2倍に希釈しミキ
サーにかける。この液を木綿布10cm×10cmの試験片に布
の重量の2.5〜5%になるように塗布する。20℃、24時
間乾燥し、実験に供した。
(2) 洗浄条件及び方法 4゜DH硬水に洗剤を溶解し、0.665%洗剤水溶液1
(水溶液中の酵素活性1.98×103U/)を調整する。木
綿人工汚染布5枚を洗剤水溶液に添加し、40℃で1時間
静置後、洗剤溶液と人工汚染布をそのままターゴトメー
ター用ステンレスビーカーに移し、ターゴトメーターに
て100rpm、20℃、10分間攪拌洗浄する。流水下ですすい
だ後、20℃、24時間乾燥し、重量測定に供した。
(3) 洗浄力の評価 洗浄前の原布及び洗浄前後の汚染布の重量を測定し、次
式によって洗浄率(%)を算出した。
第2表中の各洗浄率の値は5枚の平均値で示した。
(4) 洗剤組成 直鎖ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ 15 アルキルエトキシ硫酸ソーダ(C14〜C15,▲▼=3mo
l) 5 4A型ゼオライト 15 ケイ酸ソーダ 15 炭酸ソーダ 15 ポリアクリル酸ソーダ(▲▼=8000) 1.5 ポリエチレングリコール(▲▼=6000) 1.5 酵 素 第7表又は第8表 螢光染料 0.5 芒 硝 残量 水 5 (注)数字は重量%を示す。
ただし酵素は洗剤中の活性を示す。
(5) 洗浄力試験結果 試験結果を第7表及び第8表に示す。
第7表中の酵素活性は、第5表における酵素活性測定法
により測定した。
第8表中の酵素活性は、第6表における酵素活性測定法
により測定した。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の洗浄剤組成物は、通常の洗浄時
間内において、澱粉質汚れに対する優れた洗浄力を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、α−アミラーゼ活性を有するアルカリプルラ
ナーゼを用いてプルラン、アミロペクチン、アミロー
ス、グリコーゲンを基質として酵素反応を行ったとき
の、マルトオリゴ糖の生成を示すペーパークロマトグラ
フィーである。 第2図(a)及び(b)は、α−アミラーゼ活性を有す
るアルカリプルラナーゼの反応pHと相対活性との関係を
示す図面である。 第3図(a)及び(b)は、α−アミラーゼ活性を有す
るアルカリプルラナーゼの処理pHと残存活性との関係を
示す図面である。 第4図(a)及び(b)は、α−アミラーゼ活性を有す
るアルカリプルラナーゼの反応温度(pH9.5)と相対活
性との関係を示す図面である。 第5図(a)及び(b)は、α−アミラーゼ活性を有す
るアルカリプルラナーゼの処理温度(pH9.5)と残存活
性との関係を示す図面である。 第6図は、α−アミラーゼ活性を有するアルカリプルラ
ナーゼをデービスの方法に従って電気泳動を行った結果
を示す図面である。 第7図は、α−アミラーゼ活性を有するアルカリプルラ
ナーゼのSDS電気泳動の結果を示す図面である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 9/44 C12R 1:07)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α−アミラーゼ活性を有するアルカリ又は
    アルカリ耐性プルラナーゼを含有することを特徴とする
    洗浄剤組成物。
  2. 【請求項2】アルカリプルラナーゼが、プルランに対す
    る最適作用pHが8.5〜10の範囲であり、可溶性澱粉に対
    する最適作用pHが7〜9.5の範囲であるものである請求
    項1記載の洗浄剤組成物。
  3. 【請求項3】アルカリプルラナーゼが、次の酵素学的性
    質を有するものである請求項2記載の洗浄剤組成物。 1) 作用 プルラン及び可溶性澱粉に作用し、プルランからは主と
    してマルトトリオース、可溶性澱粉からは主としてマル
    トテトラオース及びマルトペンタオースを生成する。ま
    た、グリコーゲンにも作用し、マルトテトラオース及び
    マルトペンタオースを生成する。 2) 基質特異性 プルラン、可溶性澱粉及びグリコーゲンに作用する。 3) 作用pH及び最適作用pH プルランに対する作用pHは5〜12の範囲であり、最適作
    用pHは8.5〜10の範囲である。また、可溶性澱粉に対す
    る作用pHは4〜12の範囲であり、最適作用pHは7〜9.5
    の範囲である。 4) pH安定性 プルランに対してはpH6〜10.5の範囲で安定であり、可
    溶性澱粉に対してはpH4〜12の範囲で安定である(45
    ℃、10分間処理による)。 5) 作用温度範囲及び最適作用温度 プルラン及び可溶性澱粉に対して10〜65℃の範囲で作用
    し、その最適作用温度は約50℃である。 6) 温度安定性 45℃までは極めて安定である。(pH9.5の10mMグリシン
    −食塩−水酸化ナトリウム緩衝液中、30分間処理によ
    る)。 7) 分子量 ソディウムドデシル硫酸(SDS)電気泳動法による分子
    量は200,000±5,000である。 8) 金属イオンの影響 プルラナーゼ活性はHg2+,Mn2+,Pb2+で阻害される。ま
    た、α−アミラーゼ活性はHg2+,Mn2+,Pb2+,Zn2+,Cd2+
    阻害される。
  4. 【請求項4】アルカリ又はアルカリ耐性プルラナーゼ
    が、バチルス属に属する微生物の培養物より分離取得さ
    れたものである請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄剤
    組成物。
  5. 【請求項5】微生物が、バチルス エスピー(Bacillus
    sp.)KSM−AP1378と命名され、微工研菌寄第10886号と
    して寄託されたものである請求項4記載の洗浄剤組成
    物。
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