JP4845359B2 - 口腔ケア用組成物 - Google Patents

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本発明は口腔ケア用組成物に関するもので、とくに口腔乾燥症(ドライマウス)の症状を改善あるいは治癒するだけでなく口腔乾燥症に伴って惹き起こされる口腔細菌の増殖を抑制する口腔ケア用組成物に関するものである。
口腔の異常として口腔乾燥症(ドライマウス)がある。口腔乾燥症は唾液分泌量が減少ないし欠乏することによって口腔の乾燥した状態が惹き起こされる症状を言う。唾液分泌量の減少は唾液の殺菌力の低下を招来し口腔細菌の増殖を容易にし、さらには口腔の様々な疾患(例えば炎症、糜爛、潰瘍、舌痛、味覚異常、口唇の亀裂、咀嚼、嚥下、会話の困難等)が発症したり症状の進行が速まったり、これらが誘因となって肺炎、消化器疾患が誘発されることが知られている。
唾液分泌には多くの因子が絡み合っているので口腔乾燥症の原因を特定するのは難しいが、唾液腺の器質的変化を起こす疾患、全身疾患にともなう唾液腺の病変、放射線による唾液腺の破壊、HIV感染、薬用の服用による副作用、精神的な不安や不調、加齢による分泌機能の低下等によって起こることが知られている。とくに高齢者には日常的によく見られる症状で、これは加齢による唾液腺の機能低下によると考えられる。口腔乾燥症は症状が酷くなると口腔の粘膜に炎症、糜爛、潰瘍が見られたり、舌痛、味覚異常、口唇の亀裂等を生じたり、咀嚼、嚥下、会話等に困難を生じたりして日常生活に重大な支障を来たすことがある。加えて近年、若年者にも口腔乾燥症が増加する傾向にあり、高齢者と同様に適当な処置を要するケースが多々認められる。
このため口腔乾燥症に対して適切な対応をするとともに口腔細菌の増殖を抑制することが強く求められている。これまでその方法としては人工唾液、含嗽液、漢方薬、合成医薬等が用いられている(特許文献1〜6参照)。
しかしながら、副作用があったり効果が不明確であったりして十分な効果が得られず更なる改良が求められている。
特許第2852608号公報 特許第2785298号公報 特開2004-136102号公報 特開2004-115464号公報 特開2003-137809号公報 特開2002-322088号公報
本発明は前述の様な口腔ケアとくに口腔乾燥症の改善や治癒に有効であると共に口腔乾燥症にともなって惹き起こされる口腔細菌の増殖の抑制に有効な組成物を提供するものである。特に高齢者や若年者に日常的によく見られる口腔乾燥症に対し毒性の無い極めて優れた効果を有する口腔ケア用組成物を提供するものである。
本発明の口腔ケア組成物は、分子量250万から300万のポリ‐γ‐グルタミン酸(以下「γ−PGA」という。)にフラクタンを添加混合し、フラクタンを1.0質量%〜10質量%含むことを特徴とする。
すなわち、γ−PGAから成る組成物を口腔ケア用組成物として用いることにより口腔の保水・保湿性を保ち、口腔粘膜を保護し、炎症や潰瘍を抑えあるいは治癒する効果が得られるだけでなく口腔細菌の増殖を抑え正常化することにも効果があり、かつ歯垢や歯石の予防や抑制としても有効である。
ここでγ−PGAを口腔に供給する方法について述べる。γ−PGAを口腔に供給する方法にはとくに制限は無い。例えばこれら組成物を成分とする水溶液を調製し噴霧器具で口腔に霧状に塗布するか、含嗽液として用いるか、清浄なスポンジ、脱脂綿、ガーゼ、不織布等に含浸させて口腔を拭き湿分を与えてもよい。また、これら組成物を成分とする高粘性物(ゲル状物を含む)やペースト状物等を調製して口腔に塗布してもよいし、義歯と口腔粘膜の間に塗布して少しずつ長時間溶出させてもよい。これら組成物を成分とする組成物を錠剤(例えば舌下錠、トローチ、飴玉様固形物等)やチューインガム等に成型して口腔に含む方法によってもよい。またデンタルトウースペースト、クリーム、パウダーとして口腔に与えてもよい。
ここで用いるγ−PGAの分子量に制限はないが適度の保水・保湿性、粘着性、延展性を発現するためには20万以上好ましくは50万以上であることが望ましい。γ−PGAの分子量がこの範囲であれば本発明に係わる組成物は口腔で唾液及び/又は水に膨潤溶解し、優れた粘着性、延展性を発現するとともに好適な保水・保湿性を発現する。
また、γ−PGAは側鎖のカルボキシル基が全て酸型であっても良く、側鎖のカルボキシル基が全て塩型であっても良く、1分子内のカルボキシル基が酸型と塩型が混在しても良く、さらにこれらの一部あるいは全てが混在しても良い。なお、ここで塩型においてはカルボキシル基と塩を形成するカチオンの種類は問わない。すなわち例えば金属イオン例としてリチュウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、錫、アルミニウム、鉄、ニッケル、コバルト等のイオンあるいはその他のカチオンの例として例えばアンモニウムイオンや有機アミン類カチオンをあげることができる。特に側鎖のカルボキシル基が酸型と塩型が混在しているものが保水・保湿性、粘着性、延展性をコントロールするために好ましい。
またγ−PGA分子の一部を適度に架橋することもよい。γ−PGA分子の適度の架橋はγ−PGAのレオロジカルな性質を改良するだけでなく保水・保湿性を高める効果が認められる。またγ−PGAと架橋γ−PGAを混在させてもよい。本発明で述べるγ−PGAとは、ここに記述するγ−PGAの総称である。
ここで、γ−PGAが歯垢や歯石の歯への沈着を抑制する作用について述べる。γ−PGAの解離した側鎖のカルボキシル基は口腔のカルシウムイオンなど歯垢や歯石の形成成分となる金属イオンを捕捉し錯体を形成する作用がある。この錯体形成作用によって歯垢や歯石の形成成分である非晶性燐酸カルシウムや結晶性燐酸カルシウムの形成を抑制するためであると考えられる。このことから、口腔乾燥症以外に歯や口腔内をケアする口腔ケア用材料として有効であることは勿論である。
またγ−PGAはその特性を失わない範囲でフラクタンが混在しても差し支えない。適当量のフラクタンの存在はγ−PGAの粘着性、延展性や保水・保湿性をむしろ補助する効果が認められる。
また、キトサンを混合してもよい。キトサンは分子鎖が剛直であるから適当量のキトサンの添加は高粘性物の弾性を上げるのに効果がある。加えてキトサンは抗菌性、生体適合性を示すので口腔内に使用する物質としてはγ−PGAと同様に有効かつ安全である。この様にキトサンの存在はγ−PGAの効果を損なうものではなくγ−PGAの作用をさらに高めることに作用する。
また、本発明の特性を害さない範囲でカラヤガム、アラビヤガム、トラガントガム、キサンタンガム等の天然物やあるいは類似物であるCMC、グリセリン、可溶性でん粉、乳糖等を加えることも可能であり、本発明の内容を何等変えるものではない。
ここで使用するγ−PGAの生産方法について述べる。使用するγ−PGAはそれを産生する菌によって得られたものであれば菌の種類、培養方法や条件は問うものではないが、人体に対する安全性の観点から納豆菌を培養して得られたものがとくに特に好適である。特に納豆菌を培養して得られるγ−PGAの場合は納豆菌を除菌せずにそのままγ−PGAとして用いることもできる。納豆菌の存在は口腔細菌の構成を生理的に良好な状態に保つことに効果がある。
γ−PGAは納豆の粘質成分として食用に供される物質であるだけでなく生理活性、生分解性、生体適合性があることはよく知られており人体内に吸収されても悪影響は認められない、むしろ生理活性効果が期待される。すなわち唾液及び/又は水とともに嚥下しても人体内への吸収による全身への悪影響の心配はない。さらに精製されたγ−PGAは飲食物の味や香り等損なうことが無い。
なお、必要に応じて殺菌剤、抗菌剤、静菌剤、賦香剤、pH調整剤等の各成分を適量添加することは本発明の内容を何等変えるものではない。なかでも添加成分として特にアスコルビン酸、クエン酸等を加えると唾液分泌を促す効果が相乗的に作用するので注目にされる。
本発明は、口腔ケア用として用いることにより口腔の保水・保湿性を保ち、口腔乾燥症の症状を改善あるいは治癒すると共に口腔乾燥症にともなって惹き起こされる口腔細菌の増殖を抑え、口腔粘膜を保護し、口臭、炎症、潰瘍を抑え治癒する効果を示す。さらに歯垢や歯石の歯への沈着を抑える。
以下の実施例1〜8はγ−PGAについての参考例であり、実施例9は本発明である
(1)口腔乾燥症の評価方法
ここで口腔乾燥の自覚症状と口腔内水分との関係を知るため、被験者の口腔乾燥に対する自覚症状について問診を行いその程度を0度から4度までの5段階に分類し、並行して安静時の口腔内水分を舌背部(舌先端から10mm)で口腔水分計(モイスチャーチェッカー・ムーカス;ヨシダ社製)を用いて測定したところ、表1のような関係が見られた。これを口腔乾燥症の目安として評価を行った。表1の被験者の自覚症状はこの分類による。
Figure 0004845359
(2)保水・保湿性の評価
微粉末状γ−PGAナトリウム(分子量300万)2gと緑茶成分ポリフェノール1gの混合物を精製水200mlに溶解した。水分を吸収した微粉末状γ−PGAナトリウムは急速に膨潤溶解し適度の流動性を示す均一溶液となる。溶液の粘度は3500 mPa・sであった。この水溶液5mlを取り被験者の口腔粘膜にスポンジブラシを用いて塗布して口腔粘膜の保水・保湿性について官能評価をした。
表2に口腔の保水・保湿性の測定結果を示す。口腔乾燥症者特に口腔内乾燥感の強い人において本組成物を使用すると長時間にわたって保水・保湿状態が保たれ口腔内の保水・保湿状態の維持に有効であることが認められた。なお、正常者においては本組成物使用の有無による差は見られない。これは正常者では唾液の分泌が正常に行われ保水・保湿剤を使用する必要性が無いためである。
Figure 0004845359
微粉末状γ−PGAナトリウム(分子量300万)2gと緑茶成分ポリフェノール0.4gの混合物を精製水40mlに溶解した。水分を吸収した微粉末状γ−PGAナトリウムは急速に膨潤溶解し適度の流動性と弾性を示す高粘性物となる。溶液の粘度は35000mPa・sであった。この高粘性物4mlをとり被験者の口腔粘膜にスポンジブラシを用いて塗布し口腔粘膜の保水・保湿性について官能評価をした。被験者の自覚症状の分類は実施例1の方法による。
表3は口腔の保水・保湿性の測定結果を示す。口腔乾燥症者特に口腔内乾燥感の強い人において本組成物を使用すると長時間にわたって保水・保湿状態が保たれ口腔内の保水・保湿状態の維持に有効であることが認められた。なお、正常者においては本組成物使用の有無による差は見られない。これは正常者では唾液の分泌が正常に行われ保水・保湿剤を使用する必要性が無いためである。
また本高粘性物を義歯と接触する口腔粘膜表面に塗布すると、本高粘性物が長時間にわたり少しずつ溶出させることができる。また、義歯を口腔粘膜表面と接触させ静かに圧着すると義歯は口腔粘膜表面に粘着固定された。義歯はこの状態で長時間にわたり極めて安定で緩みが無く、かつ適度のクッション効果も得られ喫食、会話、咀嚼等に何等支障を感じることが無かった。この高粘性物は義歯安定用組成物としても使用することが可能であった。
Figure 0004845359
γ−PGAの側鎖カルボキシル基の10mol%(γ−PGA1)、50mol%(γ−PGA)、80mol%(γ−PGA3)、100mol%(γ−PGA4)をナトリウム塩に置換した4種類の微粉末状γ−PGA(分子量150万)を調製した。この4種類の微粉末状γ−PGAをそれぞれ2gとりその各々に緑茶成分ポリフェノール0.4gを加え精製水40mlに溶解した。水分を吸収した微粉末状γ−PGAナトリウムは急速に膨潤溶解し適度の流動性と弾性を示す高粘性物となる。溶液の粘度はそれぞれ5000、10000 15000、17000 mPa・sであった。この高粘性物4mlをとり被験者の口腔粘膜にスポンジブラシを用いて塗布し口腔粘膜の保水・保湿性について官能評価をした。被験者の自覚症状の分類は実施例1の方法による。
表4は口腔の保水・保湿性の測定結果を示す。口腔乾燥症者特に口腔内乾燥感の強い人において本組成物を使用すると長時間にわたって保水・保湿状態が保たれ口腔内の保水・保湿状態の維持に有効であることが認められた。 口腔内の保水・保湿性の保持時間はいずれも4時間以上であり、この高粘性物の塗布は口腔粘膜の保水・保湿性を長時間にわたって保つのに有効であることが認められた。なお、正常者においては本組成物使用の有無による差は見られない。これは正常者では唾液の分泌が正常に行われ保水・保湿剤を使用する必要性が無いためである。
Figure 0004845359
分子量20万、50万、150万、200万、250万、300万の微粉末γ−PGAアンモニウムを調製した。微粉末γ−PGAアンモニウムそれぞれを精製水に混合溶解し濃度0.5質量%の溶液を調製した。この溶液2mlをスプレーで口腔内に霧状に散布した。各溶液は口腔で速やかに延展し口腔の保水・保湿状態が保たれると共に口腔の細菌の増殖が抑えられた。特に250万、300万の微粉末γ−PGAアンモニウムの水溶液は口腔における粘膜形成能が優れており分子量増加の効果が明らかであった。被験者の自覚症状の分類は実施例1の方法による。
表5は口腔の保水・保湿性の測定結果である。口腔乾燥症者特に口腔内乾燥感の強い人において本組成物を使用すると長時間にわたって保水・保湿状態が保たれ口腔内の保水・保湿状態の維持に有効であることが認められた。口腔内の保水・保湿性の保持時間はいずれも1〜7時間以上であった。特に分子量250万、300万では4〜7時間以上であった。なお、正常者においては本組成物使用の有無による差は見られない。これは正常者では唾液の分泌が正常に行われ保水・保湿剤を使用する必要性が無いためである。
Figure 0004845359
カルボキシル基が酸型のγ−PGA微粉末(分子量280万)3gとγ−PGAアンモニウム(分子量320万)3gと粉末状の茶カテキン(ポリフェノール)0.13gを混合した。これらを乳鉢でよく混合したのち、乳糖2.5g、デキストリン2.5g、結晶性セルロース2.0g、クエン酸0.1gと混和し、錠剤成型機で錠剤に加圧成型した。
得られた錠剤1gを口に含むと錠剤は唾液とともに緩やかに溶解した。溶解するにつれてγ−PGAが唾液と共に口腔を粘膜で被い口腔の保水・保湿性が保たれた。γ−PGAとクエン酸の存在は唾液の分泌を促す効果があり、ポリフェノールによる抗菌効果に基づくメチルメルカプタン発生の抑制効果が認められた。被験者の自覚症状の分類は実施例1の方法による。
表6は口腔の保水・保湿性の測定結果を示す。口腔乾燥症者特に口腔内乾燥感の強い人において本組成物を使用すると長時間にわたって保水・保湿状態が保たれ口腔内の保水・保湿状態の維持に有効であることが認められた。なお、正常者においては本組成物使用の有無による差は見られない。これは正常者では唾液の分泌が正常に行われ保水・保湿剤を使用する必要性が無いためである。
Figure 0004845359
γ−PGA(分子量300万)をテトラヒドロフランに7g/100mlの濃度で分散溶解する。これにγ−PGAの構造単位当たり1/75当量のカルボジイミドを加え両者の反応によってγ−PGA分子を架橋した。反応後テトラヒドロフランを除去し、さらに酸性水溶液と純水で洗浄し未反応の試薬をγ−PGAから完全に除き、炭酸水素ナトリウムを用いてγ−PGAナトリウム塩とした。γ−PGAナトリウム5gを秤量し、これと茶カテキン(ポリフェノール)2.5gをよく混合した後γ−PGA濃度2%の水溶液を調製した。水溶液は15000mPa・sの粘性であった。この高粘性物の1gを口腔粘膜面に薄く塗布した。塗布された溶液によって口腔に唾液を含む層が形成され保水性、保湿性が得られた。また、ポリフェノールは細菌の増殖を抑制するのに効果があった。被験者の自覚症状の分類は実施例1の方法による。表7は口腔の保水・保湿性の測定結果を示す。口腔乾燥症者特に口腔内乾燥感の強い人において本組成物を使用すると長時間にわたって保水・保湿状態が保たれ口腔内の保水・保湿状態の維持に有効であることが認められた。なお、正常者においては本組成物使用の有無による差は見られない。これは正常者では唾液の分泌が正常に行われ保水・保湿剤を使用する必要性が無いためである。
Figure 0004845359
実施例2で調製したγ−PGAナトリウムと緑茶成分ポリフェノールから成る高粘性物を被験者の口腔粘膜および装着した義歯にスポンジブラシを用いて塗布する。安静時を維持し唾液分泌を低下させ細菌が繁殖を容易にする目的で睡眠を挟んで9時間経過させた。9時間経過後に義歯を外し、密閉容器に入れ室温で1時間静置し容器中に発生するメチルメルカプタン、硫化水素をガスクロマトグラフィで測定した。また本高粘性物を塗布しないままの装着義歯について、同様の方法で容器中に発生するメチルメルカプタン、硫化水素をガスクロマトグラフィで測定した。図1に結果を示す。口臭成分物質は主にメチルメルカプタン、硫化水素であることが知られているが、図1(A)に示すように、本組成物によって口臭物質であるメチルメルカプタン、硫化水素の生成が抑制されることが明らかであるが、これを用いない義歯では、図1(B)に示すように、メチルメルカプタン、硫化水素が明らかに生成している。
微粉末γ−PGAアンモニウム(分子量200万)5gと微粉末キトサン1gをよく混合し、これを0℃の精製水に分散する。次いで60℃で十分に分散溶解する。調製されたペースト状高粘性物5mlを取り被験者の口腔粘膜にスポンジブラシを用いて塗布して口腔粘膜の保水・保湿性について官能評価をした。被験者の自覚症状の分類は実施例1の方法による。口腔の保水・保湿性の測定結果を表8に示す。口腔乾燥症者特に口腔内乾燥感の強い人において本組成物を使用すると長時間にわたって保水・保湿状態が保たれ口腔内の保水・保湿状態の維持に有効であることが認められた。なお、正常者においては本組成物使用の有無による差は見られない。これは正常者では唾液の分泌が正常に行われ保水・保湿剤を使用する必要性が無いためである。
Figure 0004845359
γ−PGAナトリウム(分子量300万)にフラクタンを添加混合し、フラクタンを1.0質量%含む試料《試料1》および10質量%含む試料《試料2》を調製した。
この《試料1》《試料2》を水を溶媒として濃度5%の高粘性物《試料3》(粘度5300センチポイズ)と《試料4》(5100センチポイズ)を調製した。この溶液をそれぞれ約1.5ml採り被験者の口腔粘膜にスポンジブラシを用いて塗布して口腔粘膜の保水・保湿性について官能評価をした。口腔の保水・保湿性の測定結果を表9(《試料1》)表10(《試料2》)に示す。被験者の自覚症状の分類は実施例1の方法による。
口腔乾燥症者特に口腔内乾燥感の強い人において本組成物を使用すると3〜7時間以上の長時間にわたって保水・保湿状態が保たれ口腔内の保水・保湿状態の維持に有効であることが認められた。なお、正常者においては本組成物使用の有無による差は見られない。これは正常者では唾液の分泌が正常に行われ保水・保湿剤を使用する必要性が無いためである。
次に《試料1》、《試料2》の微粉末3gを乳糖2.5g、デキストリン2.5g、結晶性セルロース2.0g、クエン酸0.1gと混和し、錠剤成型機でそれぞれ錠剤(《試料3》、《試料4》)に加圧成型した。得られた錠剤1gを口に含むと錠剤は唾液とともに緩やかに溶解した。溶解するにつれてγ−PGAおよびフラクタンが唾液と共に口腔を粘膜で被い口腔の保水・保湿性が保たれた。クエン酸の存在は唾液の分泌を促す効果が認められた。
表11(《試料3》)および表12(《試料4》)は口腔の保水・保湿性の測定結果を示す。被験者の自覚症状の分類は実施例1の方法による。口腔乾燥症者特に口腔内乾燥感の強い人において本組成物を使用すると長時間にわたって保水・保湿状態が保たれ口腔内の保水・保湿状態の維持に有効であることが認められた。なお、正常者においては本組成物使用の有無による差は見られない。これは正常者では唾液の分泌が正常に行われ保水・保湿剤を使用する必要性が無いためである。
Figure 0004845359
Figure 0004845359
Figure 0004845359
Figure 0004845359
実施例2の高粘性物の塗布の有無によるメチルメルカプタン、硫化水素の生成量のグラフである。

Claims (1)

  1. 分子量250万から300万のポリ‐γ‐グルタミン酸にフラクタンを添加混合し、フラクタンを1.0質量%〜10質量%含むことを特徴とする口腔ケア組成物。
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