JPWO2003004747A1 - 経編地 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、経編地、およびその経編地を用いた水着、スポーツ衣料、インナー衣料に関する。
背景技術
近年、身体に適度にフィットし、身体の動きに対する運動追随性に優れたスポーツ衣料、インナー衣料が求められており、伸長回復性に優れたストレッチ素材の要求が高まっている。
従来から、高いストレッチ性を有し伸長回復性に優れた編地として、ポリウレタン系やポリエーテルエステル系等の弾性繊維(以下、弾性繊維と略称する。)を交編した編地や、ポリブチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸を交編した編地が、スポーツ、インナー衣料等に広く用いられている。また、特に体に密着する衣料としては、例えば、トリコット編機で編成されたツーウェイトリコット編地や、ラッセル編機で編成されたサテンネット、トリコネット編地等の表面平滑性に優れ、形態保持性の比較的良好な経編地が広く用いられている。
弾性繊維を交編した経編地は、ストレッチ性や伸長回復性には優れるが、弾性繊維は熱セット性が低く、また収縮応力が大きいことにより経編地が比較的高密度になるため、この経編地からなる製品は、着用者に重量感を与えるという欠点がある。さらに、着用による繰り返し伸縮、繰り返し洗濯、洗濯後のタンブラー乾燥などの物理的作用や、洗濯時の漂白剤、プールの殺菌剤などに使用される活性塩素、皮脂や化粧品に含まれる有機性脂質成分、日光暴露などの化学的作用によって、編地中の弾性繊維の伸縮機能が低下したり、あるいは弾性繊維が脆化するため、製品の伸縮機能低下や形態変化が生じ長期間の使用に耐え難いという欠点を有していた。
一方、重量感を軽減させるために、生地を経方向や緯方向に引っ張って熱セットを施した場合は、編地の隙間から弾性繊維が剥き出しとなって製品外観の審美性を損ねると共に、製品の繰り返し洗濯、着用による繰り返し伸縮などによって弾性繊維の機能低下や脆化が、さらに加速されるという欠点を有していた。また、弾性繊維自身が高い伸縮力を有することから、生地に経筋等の欠点を生じさせないようにするため、編立や染色加工工程では、編地に対して高度な張力管理が必要とされ、コスト高になるという問題もあった。
他方、弾性繊維に比べて前述の化学的作用や物理的作用に対し比較的強固な耐性を有するポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等から製造されるポリエステル系合成繊維を用いて、仮撚、撚糸等の公知の技術により伸縮性を有する加工糸を作成し、この伸縮加工糸を弾性繊維の代替として用いた編地の衣料製品も市場に展開されている。
これら仮撚加工糸や撚糸を交編した経編地は、前述の化学的作用や物理的作用に対する伸縮機能の保持性、耐脆化性に優れ、また編立や染色加工工程での取り扱いが容易であるという利点はあるが、仮撚加工糸や撚糸の伸縮力が弾性繊維と比べて小さく、また嵩高性を有するため、編地の充填度が粗くなり、高いストレッチ性が得られにくいという欠点を有していた。また、仮撚加工糸や撚糸からなる編地は、仮撚加工糸や撚糸のクリンプによって編地表面に凹凸感やシボ感が生じ、耐ピリング性や耐スナッグ性に劣る編地となったり、更には、加工糸の嵩高性によって糸と糸との摩擦が増すために伸長回復性や形態安定性が低い編地となるという欠点を有していた。
上述のような欠点を有する弾性繊維や、ポリエステル系合成繊維の仮撚加工糸や撚糸の代替として、二成分のポリマーをサイドバイサイド型や偏心芯鞘型に接合した複合糸が、種々提案されている。例えば、特公昭44−2504号公報には固有粘度差を有する二成分のポリエチレンテレフタレートポリマーを偏心的に複合紡糸した複合糸、特開平5−295634号公報にはポリエチレンテレフタレートポリマーとそれより高収縮成分である共重合ポリエチレンテレフタレートポリマーとをサイドバイサイドに複合紡糸した潜在捲縮性複合糸、また、特公昭43−19108号公報にはポリトリメチレンテレフタレートポリマーやポリブチレンテレフタレートポリマーを用いた複合糸が記載されている。
しかし、これら公知の複合糸を用いた場合は、これらの複合糸の伸縮力が、前述の仮撚加工糸や撚糸と同様に小さいため、ストレッチ性に劣る編地しか得られなかった。また、これらのサイドバイサイド型や偏心芯鞘型の複合糸は、2.5cm間に10〜40本の糸を平行に配して編成する経編機上では、テンションバーやガイドで擦られることによって、バネ状の独特のクリンプ形状が発現するため、複合糸の単糸が絡まり付き、糸切れを発生させ易い。そのため、密度が粗く緻密性に劣る編地しか生産できないという欠点を有していた。そのため、身体に適度にフィットする衣料として要求される特性、即ち、表面の平滑性、緻密性、ストレッチ性、及び伸縮機能の耐久性を同時に満足する編地は得られていないのが実状であった。
発明の開示
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討の結果、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.潜在捲縮発現性繊維を含み、弾性繊維を含まない経編地であって、ストレッチ率が経方向・緯方向共に60%以上であり、かつ、60%伸長回復時の残留歪が経方向・緯方向共に15%以下であることを特徴とする経編地。
2.潜在捲縮発現性繊維が、編地に対して10wt%以上の混率で編成されていることを特徴とする上記1記載の経編地。
3.潜在捲縮発現性繊維と非潜在捲縮発現性繊維とからなる経編地であって、潜在捲縮発現性繊維が、編地に対して10〜80wt%の混率で交編されていることを特徴とする上記1又は2記載の経編地。
4.潜在捲縮発現性繊維が2種類のポリエステルを複合して構成されており、かつ、その少なくとも1種類がポリトリメチレンテレフタレートであることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の経編地。
5.潜在捲縮発現性繊維が、0.05〜0.7dl/gの固有粘度差を有する2種類のポリエステルがサイドバイサイド型または偏芯鞘芯型に複合して構成されており、かつ、その少なくとも1種類がポリトリメチレンテレフタレートであることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の経編地。
6.潜在捲縮発現性繊維が、下記(a)〜(c)を満足することを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の経編地。
(a)初期引張抵抗度が10〜30cN/dtex
(b)顕在捲縮の伸縮伸長率が10〜100%、伸縮弾性率が80〜100%
(c)100℃での熱収縮応力が0.1〜0.5cN/dtex
7.潜在捲縮発現性繊維が、0.05〜0.5dl/gの固有粘度差を有する2種類のポリトリメチレンテレフタレートがサイドバイサイド型または偏芯鞘芯型に複合して構成されていることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の経編地。
8.非潜在捲縮発現性繊維が、ポリエステル系および/またはポリアミド系合成繊維であることを特徴とする上記3〜7のいずれかに記載の経編地。
9.潜在捲縮発現性繊維が、0.05〜0.3dl/gの固有粘度差を有する2種類のポリトリメチレンテレフタレートがサイドバイサイド型に複合して構成されていることを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載の経編地。
10.潜在捲縮発現性繊維と非潜在捲縮発現性繊維とからなる経編地であって、潜在捲縮発現性繊維が、編地に対して25〜80wt%の混率で交編されていることを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載の経編地。
11.潜在捲縮発現性繊維と非潜在捲縮発現性繊維とからなる経編地であって、潜在捲縮発現性繊維が、編地に対して35〜80wt%の混率で交編されていることを特徴とする上記1〜10のいずれかに記載の経編地。
12.経編地のウェール方向における充填度(LwCF)が、500〜1500であることを特徴とする上記1〜11のいずれかに記載の経編地。
13.経編地のコース方向に対するウェール方向の編地密度の比(ウェール数/コース数)が、0.6以上1.0以下であることを特徴とする上記1〜12のいずれかに記載の経編地。
14.経編地の編成組織が、ハーフ組織であることを特徴とする上記1〜13のいずれかに記載の経編地。
15.上記1〜14のいずれかに記載の経編地を用いた水着。
16.上記1〜14のいずれかに記載の経編地を用いたスポーツ衣料。
17.上記1〜14のいずれかに記載の経編地を用いたインナー衣料。
本発明の経編地は、編地表面の平滑性、形態安定性等に優れると共に、身体の動きに対して縦方向、横方向共につっぱり感が無く運動追随性に優れ、かつ、繰り返し洗濯や繰り返し着用後にもこれらの性能を保持し得る優れた経編地である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の経編地は、弾性繊維を含まない。弾性繊維とは、300%以上の伸度を有する繊維であって、ポリウレタン系、及びポリエーテルエステル系弾性繊維等に代表される繊維である。弾性繊維を用いた編地は、前述の如く、編地に重量感が生じたり、また着用時の繰り返し伸縮などによる伸縮機能の低下や、化学的作用による脆化が生じ易いという欠点を有する。そのため、本発明の経編地は弾性繊維を含まないことを特徴とする。
かかる伸縮機能の低下や脆化に対する耐久性は、目的とする衣料パターンに編地を縫製して製品とし、実際に使用して評価する事が最も適切である。しかし実際に使用して耐久性を評価する場合は、使用者の個体差や使用環境の違いによって、異なる結果が得られる場合があり、定量化が難しい。そのため、下記のモデル評価によって、定量的に耐久性を評価することが行われる。
例えば、プールで着用する水着として編地の製品化を想定したモデル評価では、活性塩素濃度を100ppm(次亜塩素酸ナトリウムにより調整)、pH=7.0±0.5(塩酸により調整)、水温35℃に調整して、容積50リットルの水槽内に、編地を経方向または緯方向に30%伸長して6時間浸漬し、その後、編地を脱水して風乾する。この浸漬処理を5回繰り返し、浸漬処理の前後において、編地を60%伸長させた時の応力保持率を測定する。
60%伸長させた時の応力とは、JIS−L−1080(定速伸長法)にしたがって測定した応力であり、5cm幅の編地を伸長前のつかみ間の距離に対して毎分300%の引張速度にて、つかみ間距離の60%まで伸長させた直後の応力である。浸漬処理前の60%伸長時の応力を100%とした時、浸漬処理後の応力を百分率にて算出し、応力保持率として評価する。
本発明の経編地は、この応力保持率が、好ましくは40〜100%、より好ましくは60〜100%、さらに好ましくは80〜100%である。応力保持率がこの範囲であると、フィット感に優れ、また、編地が収縮しないため窮屈感のない製品が得られる。
また例えば、身体に密着する運動着やインナー衣料として編地の製品化を想定したモデル評価では、スクワレン(皮脂成分の一種)とノニオン系界面活性剤(例えば、エマルゲン409P:花王株式会社製)を1:1で混合したものを水で希釈し、水温35℃の10%水溶液を調整する。この水溶液中に編地を3時間浸漬し、編地を浸漬処理後、脱水し、カーボン式フェードメーターにて20時間、紫外線暴露させる。この浸漬、及び紫外線暴露前後における60%伸長時の応力保持率を、前述の方法にて測定して評価する。身体に密着する運動着やインナー衣料として編地の製品化を想定したモデル評価においても、編地の応力保持率は、好ましくは40〜100%、より好ましくは60〜100%、さらに好ましくは80〜100%である。
本発明の編地は、経編地である事を特徴とする。経編地は、編地を構成する編成ループの拘束力が比較的高く、また編成される繊維が編地の長さ方向に供給されるため、横編地や丸編地に比べて形態保持性と編地表面の平滑性に優れている。身体と密着して使用する衣料では、アウター、カジュアル等の一般の外衣に比べて着用時の編地形態の変形が非常に大きいため、形態保持性に劣る横編地や丸編地では、着用中に衣料の弛みや緩みを生じ易く、着用者に不快感を与え易い。また一方で、身体と密着して使用する衣料に外衣を組み合わせて着用する場合、生地と生地との接触抵抗は、体の動きを阻害する要因となるため、身体と密着して使用する衣料用の編地は、編地表面の平滑性に優れたものが好ましい。したがって、本発明の効果を得るためには、経編地が最適である。
本発明において、経編地とは、ハーフトリコット、バックハーフ、ダブルデンビー、ツーウェイトリコット等のトリコット編機で編成される編地、サテンネット、トリコネット、チュール、レース等のラッセル編機で編成される編地を包含する。編成する経編地のストレッチ性、フィット性などを効果的に得るためには、ハーフ組織がより好ましい。本発明の経編地は、例えば、ゲージが2.54cm間の針本数で8〜40本の編機を用いて製造された編密度のものであり、また、本発明における経編地の充填度を達成するためには、2.54cm間の針本数で12〜36本のものが好ましく、さらに好ましくは24〜36本のものである。
本発明の経編地は、経方向及び緯方向のストレッチ率が共に60%以上である。ストレッチ率とは、JIS−L−1080(定速伸長法)にしたがって測定したものであり、5cm幅の編地を伸長前のつかみ間の距離に対して毎分300%の引張速度にて、44.1Nの荷重がかかる時のつかみ間の距離を、伸長前のつかみ間の距離に対して百分率で示した値である。ここでいう5cm幅の編地あたり44.1Nの荷重とは、人間が衣服を着脱する際、編地が引き伸ばされるときに受ける最大荷重である。
緯方向のストレッチ率が60%未満の衣服を着用した場合、着脱時には製品の横方向が伸長されるため、着脱性に劣るものとなる。また、衣服を着用して種々の運動をすると腕部、脇下部、腰部、臀部、肘部、膝部などの部位では、衣服の横方向よりもむしろ縦方向が伸長される。運動時の人間の皮膚の最大伸びは60%程度であるため、経方向のストレッチ率が60%未満の編地を用いた衣服は、着脱容易性や運動追随性に劣るものとなる。以上のことから、経編地は、経方向・緯方向共に60%以上のストレッチ率を有することが必要である。
さらに、ストレッチ性を有する編地は、経方向及び/または緯方向に20%程度伸長された状態で使用される事が多いため、経方向又は緯方向の少なくとも一方は、80%以上のストレッチ率を有することが好ましい。またさらには、経方向・緯方向共に80%以上のストレッチ率を有することがより好ましい。一方、ストレッチ率が200%を越えると、編地表面がパイル調となったりシボ感が生じ、平滑性に劣るものとなるため、編地のストレッチ率は200%以下であることが好ましく、より好ましくは160%以下である。
さらに、経方向に対する緯方向のストレッチ率の比は、好ましくは0.5以上2.0以下、より好ましくは0.7以上1.7以下、さらに好ましくは1.0以上1.5以下である。ストレッチ率の比が大きく異なる衣服を身体に密着して着用した時は、編地にかかる応力に方向性を生じるため、衣服のずり上がりやずり下がりが発生し易く、不快である。そのため編地のストレッチ率の比は、経方向と緯方向で前述の様なバランスを保っている事が好ましい。
本発明の経編地は、60%伸長回復時の残留歪が経方向・緯方向共に15%以下である。60%伸長回復時の残留歪とは、JIS−L−1080(定速伸長法)にしたがって測定したものであり、つかみ間の距離に対して300%/分の引張速度にて、60%の伸長率まで伸長させて、直ちに回復させた時の歪長さを、もとのつかみ間の距離で除して百分率とした値である。
高いストレッチ率を得るためには、編地を形成する編組織を緩めるという方法で編地のストレッチ率を任意に設定できるが、ストレッチ率の増加に伴って生地の緻密さは減少し、生地の伸長回復力は低下するため残留歪が増す。しかし実際の衣料においてはこの歪が欠点となり、例えば、着脱時において残留歪が15%よりも大きいと、衣服着用時にたるみを生じる傾向がある。また、残留歪が15%よりも大きいと、着用後においても衣服のしわ、たるみや、肘抜け、膝抜けなどの形態変化が発生する傾向がある。したがって、編地を伸長回復させた直後の残留歪は、経方向・緯方向共に15%以下であることが必要であり、好ましくは10%以下、更に好ましくは7%以下である。また、残留歪が0%より低くなることは、現状の生地では殆ど無いが、残留歪が0%より低くなる場合は、衣服着用時に身体を締めつける効果が高まり、着用者に窮屈感を与える。そのため、残留歪は0%以上であることが好ましい。
本発明の経編地は、潜在捲縮発現性繊維を含有する。
本発明において、潜在捲縮発現性繊維とは、少なくとも二種のポリマー成分で構成されている合成繊維であり(具体的にはサイドバイサイド型又は偏心芯鞘型に接合されたものが多い)、熱処理によって捲縮を発現するものである。
本発明の経編地における潜在捲縮発現性繊維の混率は、経方向・緯方向共に高いストレッチ性とストレッチバック性を得る上で、編地に対して10wt%以上であることが好ましく、より好ましくは25wt%以上、更に好ましくは35wt%以上である。10wt%以上であると、優れたストレッチ率と適度な残留歪を有する経編地が得られる。一方、潜在捲縮発現性繊維のみ、すなわち潜在捲縮発現性繊維の混率を編地に対して100wt%として編成した経編地も良好なストレッチ性を有する。潜在捲縮発現性繊維100wt%で構成される経編地は、ストレッチ率や残留歪は充分満足されるが、衣服として必要とされる耐ピリング性、耐スナッグ性や編地表面の平滑感を高めるためには、潜在捲縮発現性繊維の混率が編地に対して80wt%以下とする事が好ましい。従って、潜在捲縮発現性繊維のより好ましい混率としては、編地に対して25wt%以上80wt%以下、さらに好ましくは35wt%以上80wt%以下、特に好ましくは40wt%以上60wt%以下である。
本発明において、潜在捲縮発現性繊維の初期引張抵抗度は10〜30cN/dtexが好ましく、より好ましくは20〜30cN/dtex、さらに好ましくは20〜27cN/dtexである。初期引張抵抗度がこの範囲であると、繊維の製造が容易であり、編地の品位が高く、また、繊維の単糸の絡まりが発生しにくいため、緻密な編地を形成することができる。
また、潜在捲縮発現性繊維の顕在捲縮の伸縮伸長率は10〜100%が好ましく、より好ましくは10〜80%、さらに好ましくは10〜60%である。この範囲であると、60%以上のストレッチ率を有する編地を形成することが容易であり、また繊維の製造も容易である。
更に、顕在捲縮の伸縮弾性率は80〜100%が好ましく、より好ましくは85〜100%、さらに好ましくは85〜97%である。この範囲であると、優れたストレッチバック性を有する編地となる。なお、100%を超えることは測定上あり得ない。
さらに、100℃における熱収縮応力は0.1〜0.5cN/dtexが好ましく、より好ましくは0.1〜0.4cN/dtex、さらに好ましくは0.1〜0.3cN/dtexである。100℃における熱収縮応力は、編地の精練、染色工程において捲縮を発現させるための重要な要件である。すなわち、編地の拘束力に打ち勝って捲縮が発現するためには、100℃における熱収縮応力が0.1cN/dtex以上であることが好ましく、0.1cN/dtex未満の複合糸を用いた編地は、十分な緻密感とストレッチ性が得られない傾向がある。また、0.5cN/dtexを超える複合糸は製造が困難であると同時に、編地の表面にイラツキが生じやすい。
また、熱水処理後の伸縮伸長率は100〜250%であることが好ましく、より好ましくは150〜250%、さらに好ましくは180〜250%である。なお、250%を超えるものは繊維の製造が困難である。
熱水処理後の伸縮弾性率は90〜100%であることが好ましく、より好ましくは95〜100%である。
このような特性を有する潜在捲縮発現性繊維としては、固有粘度差を有する2種類のポリエステルが互いにサイドバイサイド型に複合された単糸から構成されたマルチフィラメントが、好ましいものとして挙げられる。サイドバイサイド型マルチフィラメントに関しては、特公昭43−19108号公報、特開平11−189923号公報、特開2000−239927号公報、特開2000−256918号公報等に例示されるような、第一成分がポリトリメチレンテレフタレートであり、第二成分がポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルやナイロンを、並列的あるいは偏芯的に配置してサイドバイサイド型又は偏芯シースコア型に複合紡糸したものがある。
本発明においては、潜在捲縮発現性繊維が2種類のポリエステルからなり、その少なくとも1種類がポリトリメチレンテレフタレートであることが好ましく、さらに、2種類のポリエステルがサイドバイサイド型または偏芯鞘芯型に複合して構成されていることが好ましい。
なお、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル1種類のみからなる複合繊維でないマルチフィラメントや、2種類のポリエステルの少なくとも一方にポリトリメチレンテレフタレートが用いられていない複合繊維の場合には、本発明の要件を満足する経編地は得られ難い。なぜなら、ポリトリメチレンテレフタレートポリマーの特性に由来する高い弾性回復力や柔軟性を複合繊維として活用することによって、本発明の要件を満足する優れたストレッチ性、伸縮回復性、緻密性、平滑性、形態保持性を有する経編地が容易に得られるからである。
本発明において、2種類のポリエステルの固有粘度差は、好ましくは0.05〜0.7dl/g、より好ましくは0.05〜0.5dl/g、更に好ましくは0.1〜0.4dl/g、特に好ましくは0.15〜0.3dl/gである。固有粘度差がこの範囲であると、紡糸工程において紡口から吐出時の糸曲がりや紡口汚染が少なく、安定した製造が可能であり、また、繊度の変動が小さく、強伸度斑や染色斑が起きにくい。なかでも、0.05〜0.3dl/gの固有粘度差を有する2種類のポリトリメチレンテレフタレートがサイドバイサイド型に複合して構成されていることが特に好ましい。また、高粘度側の固有粘度を0.7〜1.5dl/gから選択した場合には、低粘度側の固有粘度は0.5〜1.3dl/gから選択されるのが好ましい。なお、低粘度側の固有粘度は0.5dl/g以上が好ましく、より好ましくは0.6〜1.0dl/g、さらに好ましくは0.7〜1.0(dl/g)である。
本発明において、複合繊維の平均固有粘度は、機械的強度を維持する目的から、好ましくは0.7〜1.4dl/g、より好ましくは0.8〜1.2dl/g、さらに好ましくは0.85〜1.15dl/g、特に好ましくは0.9〜1.1dl/gである。
なお、本発明でいう固有粘度の値は、使用するポリマーの固有粘度ではなく、紡糸されている糸の固有粘度を指す。この理由は、ポリトリメチレンテレフタレートは、ポリエチレンテレフタレート等と比較して熱分解が生じ易く、高い固有粘度のポリマーを使用しても、紡糸工程で熱分解により固有粘度が低下して、得られた複合繊維においては原料ポリマーの固有粘度差をそのまま維持することが困難であるためである。
固有粘度差を有する2種類のポリエステルの複合比は、特には限定されないが、前述の顕在捲縮の伸縮伸長率や伸縮弾性率を得るために、70/30〜30/70の範囲内であることが好ましい。また、このサイドバイサイド型に複合して構成される単糸の断面形状は、実質的には偏心状に構成されていれば良く、完全なサイドバイサイドでなくてもよく、単糸断面の接合面が曲線状となっていても、偏心芯鞘型に接合されていても良い。
本発明において、ポリトリメチレンテレフタレートは、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルであり、トリメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上含有するものをいう。従って、第三成分として他の酸成分及び/又はグリコール成分の合計量が、約50モル%以下、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタレートを包含する。
ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下にて結合せしめることにより合成される。この合成過程において、適当な一種又は二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステルやナイロンと、ポリトリメチレンテレフタレートとを、ブレンドしたりしてもよい。
添加する第三成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(p−オキシ安息香酸等)等が挙げられる。又、1個又は3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリセリン等)も、重合体が実質的に線状である範囲内で使用出来る。
さらに、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。
本発明において、潜在捲縮発現性繊維の紡糸については、前記の各特許公開公報に記載されている方法を適用することができ、例えば、3000m/分以下の巻取り速度で未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延撚する方法が好ましく、紡糸−延伸工程を直結した直延法(スピンドロー法)、巻取り速度5000m/分以上の高速紡糸法(スピンテイクアップ法)を採用しても良い。
又、繊維の形態は、長繊維でも短繊維でもよく、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、断面においても、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平(扁平度1.3〜4程度のもので、W型、I型、ブーメラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型等がある)、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
本発明において、経編地のストレッチ性を向上させるためには、繊維の形態は長繊維がより好ましい。また、単糸の断面形状においても、潜在捲縮発現性繊維の経編機上での単糸の絡まりを抑制したり、経品位を向上させるためには、単糸断面の扁平度は1.0〜1.2程度のものがより好ましい。ここでいう扁平度とは、単糸を糸長方向に対して垂直に切断した単糸断面において、最も短い径に対する最も長い径の比で表した数値であり、扁平度が1に近い程、円形に近づき、一方で数値が大きいほど扁平性が高いものである。
また、経編機上での単糸の絡まりを抑制して製編性を向上させ、経品位を向上させるために、潜在捲縮発現性繊維は、インターレース交絡を付与することが好ましい。但し、交絡数が多すぎると、マルチフィラメントとしての風合いの柔らかさが損なわれたり、捲縮発現が抑制されてストレッチ性が低下する。好ましい交絡数は、1m当たり2〜100個、より好ましくは5〜80個、さらに好ましくは10〜50個である。ここでいう交絡数の測定方法は、JIS−1013に従って測定する。
インターレース交絡を付与する方法としては、編成前の工程であれば特に限定はされないが、製造コストと交絡数の安定性により、紡糸工程で付与する方法と、仮撚や混繊加工などの糸加工工程で付与する方法が挙げられる。いずれの方法においても、最終の巻き取りまでのいずれかの段階で、交絡を付与できる。例えば、紡糸工程で付与する場合は、パッケージに巻き取る直前で付与する。すなわち、未延伸糸を延撚する場合は延撚工程で、直延法、高速紡糸法においては紡糸して巻き取る直前で、例えば、公知のインターレースノズル(インターレーサー)を用いて、交絡を付与することができる。紡糸工程で付与する場合は、製造コストが小さいという利点がある。一方、糸加工工程で付与する場合は、紡糸工程で付与する場合に比べて、交絡数を増やせるという利点がある。当然ながら、紡糸工程と糸加工工程の両工程で、交絡を付与してもよい。
潜在捲縮発現性繊維の糸条形態としては、甘撚糸〜強撚糸、混繊糸、仮撚糸(POYの延伸仮撚糸を含む)、空気噴射加工糸、押し込み加工糸、ニットデニット加工糸、リング紡績糸、オープンエンド紡績糸等の紡績糸、マルチフィラメント原糸(極細糸を含む)等が挙げられるが、原糸、仮撚加工糸が好ましい。また、本発明の目的を損なわない範囲内で、ウールに代表される天然繊維等、他の繊維を、混紡(サイロスパンやサイロフィル等)、交絡混繊(高収縮糸との異収縮混繊糸等)、交撚、複合仮撚(伸度差仮撚等)、2フィード流体噴射加工等の手段で混用してもよい。
本発明で使用する潜在捲縮発現性繊維の総繊度は、本発明の目的を損なわず、衣料として用いられる範囲であれば特に限定はされないが、現状の編機の編立性や取り扱いの容易さから、好ましくは5〜500dtex、より好ましくは10〜300dtex、更に好ましくは20〜100dtexである。単糸繊度は0.5〜20dtexが好ましく、更には1〜10dtex程度とするのが好ましい。単糸繊度がこの範囲であると、編地にした時の編地表面の平滑性や審美性が優れると共に、編地のストレッチ性や伸長回復性が良好であり、また、風合いや肌触りがソフトである。
本発明で使用する潜在捲縮発現性繊維の原糸物性としては、強度は好ましくは1.5〜10cN/dtex、更に好ましくは2.0〜6.0cN/dtexであり、伸度は好ましくは10〜100%、更に好ましくは25〜50%である。強度が1.5cN/dtex未満では、衣服として必要とされる編地の破裂強度、引裂強度を保つ事が難しい。衣服として必要とされる編地の破裂強度(JIS−L−1018ミューレン法に従って測定する。)は、少なくとも300kPa以上が好ましく、より好ましくは500kPa以上であり、引裂強度(JIS−L−1018ペンジュラム法に従って測定する。)は、少なくとも7N以上が好ましく、より好ましくは10N以上である。また伸度が10%未満の場合は、経編地を編み立てる時の糸切れが発生しやすい。経編地の高いストレッチ性を得るためには、伸度は25〜50%の範囲であることがさらに好ましい。
また、潜在捲縮発現性繊維の好ましい態様としては、残留トルクの少ない糸であることが好ましい。残留トルクを有する糸を経編地に用いた場合、編地が斜行したり、編地のループ形状が乱れて組織ズレを起こしやすく、編地の品位が低下する傾向がある。トルク数は、好ましくは100T/m以下、より好ましくは50T/m以下、さらに好ましくは20T/m以下である。なお、ここでいうトルク数は、糸に0.1g/dtexの荷重をつけた時、荷重が回転する回転数にて測定する。
さらに潜在捲縮発現性繊維の好ましい態様としては、嵩高性の少ない糸であることが好ましい。潜在捲縮発現性繊維は捲縮発現能力が高いため、嵩高性が高い糸を用いて編成した編地は、熱処理により編地表面に捲縮が浮き出しやすく、ピリング性やスナッグ性を低下させる事がある。そのため、潜在捲縮発現性繊維としては、嵩高性の少ない糸が好ましく、具体的には嵩高加工を施さない原糸を用いて編成することがより好ましい。また、潜在捲縮発現性繊維の原糸は、残留トルクと嵩高性が共に少ないほうが、光沢のある平滑な編地表面の品位を得る上でもより好ましい。
本発明の経編地は、潜在捲縮発現性繊維と非潜在捲縮発現性繊維とからなり、両者が交編されていることが好ましい。
非潜在捲縮発現性繊維としては、弾性繊維以外で潜在捲縮性を有しない繊維であればよい。例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリビニル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維、綿、ウール、麻、絹等の天然繊維、キュプラ、レーヨン、アセテート、ポリノジック、リヨセル等の人造セルロース繊維等を用いることができる。
なかでも、ポリエステル系および/またはポリアミド系合成繊維が好ましい。ポリエステル系やポリアミド系合成繊維は熱可塑性に富み、また各種物理的、化学的作用に対する耐性が比較的高いため、経編地の緻密性、ストレッチ性、耐ピリング性、耐スナッグ性がより向上する。なお、ここでいうポリエステル系合成繊維とは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどの繊維形成性を有するポリエステル重合体を主成分とする繊維を包含する。また、ポリアミド系合成繊維とは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン612などの繊維形成性を有するポリアミド重合体を主成分とする繊維を包含する。
糸条の形態は、原糸、加工糸(撚糸、仮撚加工糸、エアー加工糸等)のいずれを用いてもよく、例えば、編地表面を光沢のある平滑な表面品位にしたい場合は原糸を、ストレッチ性や嵩高性をより加えたい場合は仮撚加工糸を用いる等、目的に応じて任意に選定することができる。よりソフトな編地にするために、単糸繊度を下げてマルチ化した原糸や、繊維のヤング率が低いポリトリメチレンテレフタレート繊維原糸を用いることもできる。なかでも、長繊維の原糸(フラットヤーン)は、嵩高になり難く、経編地の緻密性、ストレッチ性、耐ピリング性、耐スナッグ性が向上するため、より好ましい。
本発明において、好ましい交編方法としては、編地表層に非潜在捲縮発現性繊維を配置し、編地内層に潜在捲縮発現性繊維が配置される構造の編成組織を用いる方法が挙げられる。特に、一枚の針床を有する経編機のフロントに非潜在捲縮発現性繊維、バックに潜在捲縮発現性繊維を筬通しして、閉じ目および/または開き目からなる編み目の、少なくとも2枚筬の組織で編成された経編地が好ましい。代表的な組織としては、ダブルデンビー、ダブルコード、ハーフ(ロックニット)、バックハーフ、クインズコード、サテン、ダブルアトラス等が挙げられるが、これに限定されるものではない。経編地の目付感、光沢感と伸縮機能は、組織によって大きく変化するため、編地が使用される用途や機能によって選択すればよい。例えば、より薄地な編地が必要な場合は、フロントおよび/またはバック組織のアンダーラップを2針間以下とし、地厚で比較的ストレッチ性を小さくしたい場合には、フロントおよび/またはバック組織のアンダーラップを2針間より大きくすればよい。経編地のストレッチ率が比較的高く、また残留歪も比較的小さい編成組織としては、サテン、ハーフ組織が挙げられ、好ましくはハーフ組織である。
以下、好ましい編成組織を例示するが、これに限定されるものではない。
(1)フロント筬2針間組織、通称ハーフ組織である編地
フロント:10/23、バック:12/10
(2)フロント組織とバック組織の位置関係をずらすハーフ組織
フロント:10/23、バック:10/12
(3)開き目、閉じ目の組み合わせを変更したハーフ組織
フロント:10/23、バック:21/01
本発明の経編地は、ウェール方向における充填度(LwCF)が500以上1500以下であることが好ましい。ここでいう充填度(LwCF)とは、経編地のウェール方向に幅2.54cm当たりに並ぶ編ループ数(ウェール数)と、ループを形成する糸の総繊度によって、次式で与えられるものである。
(LwCF)=(ウェール数)×{糸の総繊度(dtex)}1/2
このとき、複数の筬を用いて経編地を構成する場合、一つのループに複数の糸が合わさる構造となるため、糸の総繊度は複数の糸繊度の総和となる。例えば、フロント筬に56デシテックスの糸、バック筬に44デシテックスの糸を配して2枚筬で編み立てる場合、糸の総繊度は100デシテックスとなる。
ウェール方向における充填度(LwCF)が500以上であると、経編地の密度が適度で、編地の緻密性や平滑性が良好で、編地が透け難い。一方、充填度(LwCF)が1500以下であると、編地の製造が容易で、また、編地の緻密性が良好であり、編地を構成する糸の編ループが浮き出し難く、耐ピリング性、耐スナッグ性も良好である。従って、緻密性や平滑性を有し、かつ、防透け性、耐ピリング性、耐スナッグ性を満足させる経編地としては、ウェール方向における充填度(LwCF)が500以上1500以下であることが好ましく、より好ましくは500以上1000以下、さらに好ましくは500以上800以下である。
さらに本発明の経編地は、経編地のコース方向に対するウェール方向の編地密度の比(ウェール数/コース数)が、0.6以上1.0以下であることが好ましい。ここでいう編地密度の比とは、染色仕上げ後の編地の密度比であり、編成時には編地を構成する糸の収縮等を見込んだ編地設計をする必要がある。編地密度の比は、編地の緯(ウェール)方向の2.54cm間当たりのループ数(=ウェール数)を、編地の経(コース)方向の2.54cm間当たりのループ数(=コース数)で除した値を言う。編地密度の比が上記の範囲であると、ストレッチ性に優れた経編地が得られ、また、編地の経方向と緯方向のストレッチ性のバランスが良く、編地表面に微細な捲縮や組織ズレが発生し難く、編地表面の平滑性や耐ピリング性、耐スナッグ性も良好である。従って、経編地のコース方向に対するウェール方向の編地密度の比(ウェール数/コース数)は、好ましくは0.6以上1.0以下、より好ましくは0.65以上0.95以下、さらに好ましくは0.7以上0.9以下である。
また、本発明の経編地のピリング性(JIS−L−1076A法に従って測定する。)、スナッグ性(JIS−L−1076D−3法に従って測定する。)は、いずれも、少なくとも2級以上、特に3級以上のものを得ることができる。
次に、本発明の経編地の好ましい製造法について説明する。
本発明の経編地の編成設計は、基本的には染色仕上げにおける使用糸の糸長収縮と、編地の組織収縮を考慮し、ランナー長(ラン・インとも呼ばれ、一つの編み目を形成する糸の長さを示す指標で、同じ組織で数字が大きいほど粗な編み目となる。経編地の分野では、480コース当たりの糸長で表す。)や機上コース(編成時の一つの編み目の高さを示す指標で、編地巻き取り量であるコース数が多いほど高密度であることを表す。)を調整して設計する。
潜在捲縮発現性繊維は、編地の伸縮成分として機能するため、潜在捲縮発現性繊維の捲縮が、編地中において発現される様に、非潜在捲縮発現性繊維を用いる場合よりもランナー長は多くする必要がある。また、潜在捲縮発現性繊維の捲縮が編地中で発現し、さらに編地のストレッチ成分として充分機能するように、編地の機上コースを粗にして編成する必要がある。
編成する組織や糸の繊度、編み機のゲージによって好ましい範囲は大きく異なるため、ランナー長や機上コースの好ましい範囲を具体的に例示することは難しいが、28ゲージのトリコット編み機を用い、非潜在捲縮発現性繊維としてポリエチレンテレフタレート繊維56dtexをフロント筬に配し、潜在捲縮発現性繊維として固有粘度の異なるポリトリメチレンテレフタレートからなる複合繊維56dtexをバック筬に配して、ハーフ組織で編成した時の好ましい機上コースは45〜65コース/2.5cmであり、ランナー長は、バック筬で120〜170cm/480コース、フロント筬でバック筬の1.0〜1.3倍、特に1.05〜1.25倍が最適である。
本発明の経編地は、公知の方法で精練、熱セット、染色加工などを施すことができ、後加工工程の加工条件および加工方法は特に限定されるものではなく、反染めやピース染め、製品染め等を採用することができる。例えば反染めの場合、(1)生機を精練、染色、仕上げセットする方法、(2)生機を精練した後、プレセット、染色、仕上げセットを行う方法、(3)生機をプレセットし、その後精練、染色、プレセットを行う方法等が挙げられる。潜在捲縮発現性繊維は、熱により捲縮が発現し、編地にストレッチ性が付与されるため、生機は最初に精練される事が好ましい。より好ましい方法は、前述の(1)である。潜在捲縮を効果的に発現させるためには、精練温度は60〜120℃が好ましく、75〜100℃がさらに好ましい。また潜在捲縮発現性繊維は、プレセットや仕上げセットの熱処理により風合いが変化するため、プレセット、仕上げセットの処理温度は、好ましくは140〜180℃、さらに好ましくは150〜170℃である。処理温度がこの範囲であると、風合いがソフトで編地の触感が良好であり、ストレッチ性にも優れたものとなる。
本発明の経編地を染色する方法は、一般的に編地を酸性染料、分散染料、カチオン性染料、直接染料など公知の染料で染色する方法を採用すればよい。染色温度は90〜135℃が好ましく、時間は昇温後15〜120分が好ましい。また、昇温過程において潜在捲縮発現性繊維の捲縮が徐々に発現するため、昇温時間は長めに設定する事が好ましい。例えば、40〜60℃から昇温の制御を始めて、一般的には1〜10℃/分、好ましくは1〜5℃/分、さらに好ましくは1〜3℃/分にて昇温し、所定の染色温度まで高める事が、均一に捲縮を発現させる上で好ましい。さらに、降温過程においても、染色後直ちに廃液して降温すると、編地が急激に冷却され、シワや斑を発生させる原因ともなるため、例えば、60〜80℃まで2〜10℃/分、好ましくは3〜5℃/分で、徐々に降温することが好ましい。
反染めにおいては、経編地の経方向に張力がかかりにくい液流染色機や気流染色機を用いると、編地の経方向のストレッチ率が向上するため、好ましい。また、ピース染めや製品染めでは、オーバーマイヤー、パドル染色機、ドラム染色機等を使用すれば良く、経方向に張力がかかり難いので、反染めに比べて編地の経方向のストレッチ率が高くできる。
仕上げセット時には、本発明の目的を損なわない限り、通常の繊維加工、例えば、樹脂加工、吸水加工、制電加工、抗菌加工、撥水加工などの仕上げ加工を適用することができる。特に本発明においては、経編地に対して、編地を構成する糸と糸の摩擦抵抗を低減させる効果を有する加工剤を付与することにより、60%伸長回復における残留歪をより低減させることができるので好ましい。加工剤は、編地を構成する繊維に対する親和性が高いことが好ましく、親和性が低いと、着用中に加工剤が脱落し、伸縮性が低下することがある。加工剤としては、平滑性と耐久性、耐洗濯性を兼ね備えた加工剤が好ましく、特にシリコーン系化合物は、両者を兼ね備えた化合物として好ましい。また、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーンがさらに好ましい。編地に対するシリコーン化合物の付着量は0.05〜5.0wt%が好ましく、0.1〜3.0wt%がより好ましい。付着量が5.0wt%を越えてあまり多すぎると、編地の風合いがシリコーンタッチのヌルヌル、ツルツル感が強調され、また編地縫製後のミシン糸の滑り抜け又は縫製部が糸のつつぬけによるパンクが発生し易くなるため、シリコーン化合物は適正量を見極めて付着させることが好ましい。
仕上げセットで用いる処理機としては、例えば、ピンテンター、クリップテンター、ショートループドライヤー、シュリンクサーファードライヤー、ドラムドライヤー、連続およびバッチ式タンブラー等を使用することも、またこれらの処理機を組み合わせて使用する事もできる。
本発明の経編地は、着脱容易性と運動追随性に優れた製品が得られるため、身体に密着するような衣料、特に、衣服との抵抗力が大きな水中での高度な伸長回復性が要求される水着に最適である。さらに、スポーツ衣料において、身体に密着するシャツ、パンツ、スパッツ類、特に、スポーツアンダーシャツやアンダーパンツ類に好適である。また、インナー衣料としては、ガードル、パンツ、補型肌着、ブラジャー、ボディースーツ、ファンデーション類など身体に密着し、体型の補型を目的とする衣料に適している。またアウター衣料のストレッチボトム類にも好適である。
発明を実施するための最良の実施形態
以下、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
なお、測定方法、評価方法、経編地の編成条件、及び経編地の染色仕上げ条件等は以下の通りである。
(1)固有粘度
固有粘度[η](dl/g)は、次式の定義に基づいて求められる値である。
[η]=lim(ηr−1)/C
C→0
式中、ηrは純度98%以上のo−クロロフェノール溶媒で溶解したポリトリメチレンテレフタレート糸又はポリエチレンテレフタレート糸の稀釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶媒の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されているものである。Cはg/100mlで表されるポリマー濃度である。
なお、固有粘度の異なる2種類のポリマーからなる複合繊維は、単糸を構成するそれぞれのポリマーの固有粘度を測定することは困難であるので、複合繊維の紡糸条件と同じ条件で2種類のポリマーをそれぞれ単独で紡糸し、得られた糸を用いて測定した固有粘度を、複合繊維の単糸を構成する2種類のポリマーの固有粘度とした。
(2)経編地の編成時における糸切れ性の評価、及び染色仕上げ条件
糸切れ回数は、480コース当たりの回数とした。
染色仕上げ条件は、経編地を、80℃の精練リラックス後、130℃の液流染色を行い、脱水後、160℃30秒のファイナル熱セットにて仕上げた。
(3)経編地のストレッチ率及び残留歪
ストレッチ率は、テンシロン(東洋ボールドウィン(株)製)を用いて、JIS−L−1080(定速伸長法)にしたがって測定した。5cm幅の編地を伸長前のつかみ間の距離に対して毎分300%の引張速度にて、44.1Nの荷重がかかるまで伸長し、その時のつかみ間の距離を、伸長前のつかみ間の距離に対して百分率で表した。
残留歪は、JIS−L−1080(定速伸長法)にしたがって測定した。編地をつかみ間の距離に対して300%/分の引張速度にて、60%の伸長率まで伸長させて、直ちに回復させた時の歪長さを、もとのつかみ間の距離で除して百分率で表した。
(4)ウェール方向における充填度(LwCF)
経編地のウェール方向に幅2.54cm当たりに並ぶ編ループ数(ウェール数)と、ループを形成する糸の総繊度から、次式で求めた。
(LwCF)=(ウェール数)×{糸の総繊度(dtex)}1/2
(5)コース方向に対するウェール方向の編地密度の比
編地の緯(ウェール)方向の2.54cm間当たりのループ数(=ウェール数)を、編地の経(コース)方向の2.54cm間当たりのループ数(=コース数)で除して求めた。
(6)編地表面の平滑性
5人のモニターにより、下記の基準で官能評価を行った。
○:平滑性が高い、△:平滑である、×:平滑性が低い
(7)編地の緻密性
編地の緻密感について、5人のモニターの触感と視覚による官能評価によって、5段階で評価した。最高点を5点、最低点を1点として、5人の平均値で判定した。
(8)編地の形態保持性
ストレッチ率及び残留歪を測定した後の試料を、平らな机上に静置し、編地のカーリング状態によって、形態保持性を○〜×の3段階にて評価した。
○:形態変化が少ない(カーリング度0°以上90°未満)
△:若干形態が変化した(カーリング度90°以上180°未満)
×:形態変化が大きい(カーリング度180°以上)
ここでいうカーリング度は、60%伸長直後の試料を、気温20℃、湿度65%RH雰囲気下、平らな机上で無緊張、かつ無荷重状態で30分間静置した後、試料の耳部の巻き上がり角度を測定する。耳部の巻き上がった部分に分度器を添えて、試料耳部の先端部の接線が水平な台に対する角度(θ)を求める。
90°以上では、伸長によって編地内部で編成組織のズレが発生しており、180°以上では、編地を製品としたときに、製品形態が劣化し、ひじ抜けやひざ抜けが感じられたり、製品のフィット感が悪くなる。
(9)編地の柔軟性
カトーテック(株)社製、KES−FB2(純曲げ試験機)を用い、下記の条件にて測定し、平均曲げ剛性(B)を求めて柔軟性の指標とした。平均曲げ剛性は、経方向と緯方向をそれぞれ測定し、その加重平均値を算出した。
曲げ剛性の測定条件
・最大曲率:±2.5cm−1
・曲率増加速度:0.5cm/秒
・試料幅:20cm
・クランプ間隔(試料長):1cm
ここでいう曲げ剛性とは、編地を最大曲率まで曲げたときに編地の固定部にかかる応力を示しており、数値が高いほど曲げ硬いという指標である。そのため、柔軟性評価においては、数値が低いものほど柔軟であるといえる。
(10)編地の耐久性(水着)
水着としての使用を想定したモデル評価により、活性塩素に対する耐久性を評価した。モデル評価における応力保持率を3段階に区切り、判定した。
○:耐久性にかなり優れる(応力保持率70%以上100%以下)
△:耐久性に優れる(応力保持率40%以上70%未満)
×:耐久性に劣る(応力保持率40%未満)
(11)編地の耐久性(インナー衣料)
インナー衣料としての使用を想定したモデル評価により、皮脂と光に対する耐久性を評価した。モデル評価における応力保持率を3段階に区切り、判定した。
○:耐久性にかなり優れる(応力保持率70%以上100%以下)
△:耐久性に優れる(応力保持率40%以上70%未満)・・・
×:耐久性に劣る(応力保持率40%未満)
(12)編地を用いた水着のフィット感
同じパターンで女性用ワンピース水着を作成し、5人の女性モニターが水着を着用してプールに入水し、5分間の水中歩行と5分間の遊泳を行った時の水着のフィット感を、官能評価によって5段階で評価した。最高点を5点、最低点を1点として、5人の平均値で判定した。
実施例、比較例に用いた繊維は下記の通りのものである。
<潜在捲縮発現性繊維>
(a−1)固有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートで構成される潜在捲縮発現性繊維の製造
〔製造例1〕
固有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを比率1:1でサイドバイサイド型に押出し、紡糸温度265℃、紡糸速度1500m/分で紡糸して未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を、ホットロール温度55℃、ホットプレート温度140℃、延伸速度400m/分、延伸倍率は延伸後の繊度が56dtexとなるように設定して延撚し、さらに巻き取る直前にエア圧30N/cm2(3.0kg/cm2)のインターレースノズルに延撚糸を供給して、サイドバイサイド型の潜在捲縮発現性繊維を得た。
得られた潜在捲縮発現性繊維は、56dtex/24f、交絡数31個/m、固有粘度は、高粘度側が[η]=0.90、低粘度側が[η]=0.70であった。
〔製造例2〕
製造例1とは固有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを用い、製造例1と同様の方法で56dtex/24fのサイドバイサイド型の潜在捲縮発現性繊維を得た。得られた潜在捲縮発現性繊維の固有粘度は、高粘度側が[η]=0.86、低粘度側が[η]=0.69であった。
〔製造例3〕
製造例1とは固有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを用い、製造例1と同様の方法で56dtex/24fのサイドバイサイド型の潜在捲縮発現性繊維を得た。得られた潜在捲縮発現性繊維の固有粘度は、高粘度側が[η]=1.17、低粘度側が[η]=0.87であった。
〔製造例4〕
製造例1とは固有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを用い、製造例1と同様の方法で56dtex/24fのサイドバイサイド型の潜在捲縮発現性繊維を得た。得られた潜在捲縮発現性繊維の固有粘度は、高粘度側が[η]=1.20、低粘度側が[η]=0.72であった。
この潜在捲縮発現性繊維は、製造例1〜3にて得られた潜在捲縮発現性繊維よりも固有粘度差が大きく、紡糸は安定してできたが、インターレースによる交絡を付与しない場合は、糸の収束性が低く製編性に劣るものであった。しかし、インターレースによる交絡を付与すると製編性が著しく向上した。交絡の付与による製編性の向上効果が、製造例1〜3にて得られた潜在捲縮発現性繊維よりも顕著なものであった。
〔製造例5〕
製造例1とは固有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを用い、製造例1と同様の方法で56dtex/12fのサイドバイサイド型の潜在捲縮発現性繊維を得た。得られた潜在捲縮発現性繊維の固有粘度は、高粘度側が[η]=0.88、低粘度側が[η]=0.70であった。
〔製造例6〕
製造例1とは固有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを用い、製造例1と同様の方法で56dtex/24fのサイドバイサイド型の潜在捲縮発現性繊維を得た。得られた潜在捲縮発現性繊維の固有粘度は、高粘度側が[η]=1.40、低粘度側が[η]=0.72であった。
この潜在捲縮発現性繊維は固有粘度差が大きすぎるため、紡口から吐出する際の糸曲がりが著しく、紡糸時に糸切れが頻発して安定した製造が困難であった。更に延撚工程においても糸切れが多発するために適正な延伸倍率で延伸することができず、結果的に低い延伸倍率でしか延撚できなかったために、分子配向度の低い糸になり、顕在捲縮や潜在捲縮の小さい糸であった。
〔製造例7〕
製造例1とは固有粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを用い、製造例1と同様の方法で56dtex/24fのサイドバイサイド型の潜在捲縮発現性繊維を得た。得られた潜在捲縮発現性繊維の固有粘度は、高粘度側が[η]=0.90、低粘度側が[η]=0.86であった。
(a−2)固有粘度の異なる二種類のポリエチレンテレフタレートで構成される潜在捲縮発現性繊維の製造
〔製造例8〕
固有粘度の異なる二種類のポリエチレンテレフタレートを用いて56dtex/24fのサイドバイサイド型の複合繊維を得た。得られた複合繊維の固有粘度は、高粘度側が[η]=0.66、低粘度側が[η]=0.50であった。
以上の製造例1〜8で得た繊維を表1に示す。
<非潜在捲縮発現性繊維の製造>
(b−1)非潜在捲縮発現性ポリトリメチレンテレフタレート繊維の製造
〔製造例9〕
固有粘度0.8のポリトリメチレンテレフタレートを、紡糸温度265℃、紡糸速度1200m/分で紡糸して未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を、ホットロール温度60℃、ホットプレート温度140℃、延伸倍率3倍、延伸速度800m/分で延撚して、56dtex/24fの延伸糸を得た。この延伸糸の強度、伸度、弾性率は、それぞれ3.6cN/dtex、44%、23cN/dtexであった。
(b−2)非潜在捲縮発現性ポリエチレンテレフタレート繊維
市販のポリエチレンテレフタレート繊維(旭化成株式会社製)56dtex/24fのマルチフィラメントを使用した。
〔実施例1〕
フロント筬に製造例9で得られた56dtex/24fの非潜在捲縮発現性ポリトリメチレンテレフタレート繊維を配し、バック筬に製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維を配して、28ゲージトリコット編機(カールマイヤー社製トリコット編機、タイプ:KS4P)を用い、機上幅210cm、回転数800rpmにてハーフ組織の経編地を作成した。経編地作成時のランナー長は、フロント筬:170cm/480コース、バック筬:140cm/480コースとした。
その結果、糸切れ回数は、480コース当たり0.05回であり、また、編地に対する潜在捲縮発現性繊維の混率は、41wt%であった。この編地を前述の染色仕上げ条件にて仕上げ、経編地を得た。
〔実施例2〕
バック筬に製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維を配する代わりに製造例2で得られた潜在捲縮発現性繊維を配したこと以外は、実施例1と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。潜在捲縮発現性繊維の混率は、40wt%であった。
〔実施例3〕
バック筬に製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維を配する代わりに製造例3で得られた潜在捲縮発現性繊維を配したこと以外は、実施例1と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。潜在捲縮発現性繊維の混率は、40wt%であった。
〔実施例4〕
バック筬に製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維を配する代わりに製造例4で得られた潜在捲縮発現性繊維を配したこと以外は、実施例1と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。潜在捲縮発現性繊維の混率は、39wt%であった。
〔比較例1〕
バック筬に製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維を配する代わりに製造例6で得られた潜在捲縮発現性繊維を配したこと以外は、実施例1と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。潜在捲縮発現性繊維の混率は、39wt%であった。
〔比較例2〕
バック筬に製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維を配する代わりに製造例7で得られた潜在捲縮発現性繊維を配したこと以外は、実施例1と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。潜在捲縮発現性繊維の混率は、41wt%であった。
〔実施例5〕
フロント筬に非潜在捲縮発現性ポリトリメチレンテレフタレート繊維を配する代わりに製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維を配したこと以外は、実施例1と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。フロント筬、バック筬共に製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維を配した編地であるため、潜在捲縮発現性繊維の混率は100wt%であった。
〔実施例6〕
実施例1において、フロント筬に非潜在捲縮発現性ポリトリメチレンテレフタレート繊維を配する代わりに非潜在捲縮発現性ポリエチレンテレフタレート繊維56dtex/24fを配したこと以外は、実施例1と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。潜在捲縮発現性繊維の混率は38wt%であった。
〔実施例7〕
実施例6において、フロント筬に非潜在捲縮発現性ポリエチレンテレフタレート繊維56dtex/24fを配する代わりに非潜在捲縮発現性ポリエチレンテレフタレート繊維84dtex/36fを配したこと以外は、実施例1と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。潜在捲縮発現性繊維の混率は27wt%であった。
〔実施例8〕
実施例1において、フロント筬に56dtex/24fの非潜在捲縮発現性ポリトリメチレンテレフタレート繊維の代わりに56dtex/24fの非潜在捲縮発現性ポリトリメチレンテレフタレート繊維を2本引き揃えて112dtex/48fとした糸を配し、バック筬にも製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維の代わりに製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維56dtex/24fを2本引き揃えて112dtex/48fとした糸を配したこと以外は、実施例1と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。編地に対する潜在捲縮発現性繊維の混率は、40wt%であった。
〔実施例9〕
実施例1において、バック筬に製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維56dtex/24fの代わりに製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維を2本引き揃えて112dtex/48fとした糸を配したこと以外は、実施例1と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。編地に対する潜在捲縮発現性繊維の混率は、67wt%であった。
〔実施例10〕
実施例9において、フロント筬に非潜在捲縮発現性ポリトリメチレンテレフタレート繊維56dtex/24fを配する代わりに非潜在捲縮発現性ポリエチレンテレフタレート繊維33dtex/24fを配したこと以外は実施例1と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。編地に対する潜在捲縮発現性繊維の混率は、78wt%であった。
〔実施例11〕
実施例1において、フロント筬に56dtex/24fの非潜在捲縮発現性ポリトリメチレンテレフタレート繊維の代わりに56dtex/24fの非潜在捲縮発現性ポリトリメチレンテレフタレート繊維を2本引き揃えて112dtex/48fとした糸を配したこと以外は、実施例1と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。編地に対する潜在捲縮発現性繊維の混率は、21wt%であった。
〔比較例3〕
実施例1において、バック筬に製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維56dtex/24fの代わりに、製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維56dtex/24fを3分割した潜在捲縮発現性繊維18dtex/8fを配したこと以外は、実施例11と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。編地に対する潜在捲縮発現性繊維の混率は、9wt%と低いものであった。
〔比較例4〕
実施例1において、バック筬に製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維を配する代わりに製造例8で得られたポリエチレンテレフタレートからなる潜在捲縮発現性繊維を配したこと以外は、実施例1と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。
〔比較例5〕
実施例1において、バック筬に製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維を配する代わりに非潜在捲縮発現性ポリエチレンテレフタレート繊維を配したこと以外は、実施例1と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。
〔比較例6〕
実施例1において、バック筬に製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維を配する代わりに非潜在捲縮発現性ポリエチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸を配したこと以外は、実施例1と同様の編成、染色条件にて仕上げた経編地を得た。
〔比較例7〕
実施例1において、バック筬に製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維を配する代わりに、ドラフト率80%で整経したポリウレタン弾性繊維(旭化成株式会社製、商品名ロイカ、SCタイプ)44dtexを配し、実施例1と同じトリコット編み機を用いてハーフ組織で編成した。その時のランナー長は、フロント筬:160cm/480コース、バック筬:85cm/480コースであった。編成した編地は、実施例1と同様の染色条件にて仕上げ、経編地を得た。
〔実施例12〕
実施例1において、バック筬に製造例1で得られた潜在捲縮発現性繊維を配する代わりに製造例5で得られた56dtex/12fの潜在捲縮発現性繊維を配し、実施例1のトリコット編機のゲージを28ゲージから32ゲージに変更し、ハーフ組織で編成した。その時のランナー長は、フロント筬:151cm/480コース、バック筬:105cm/480コースであった。編成した編地は、実施例1と同様の染色条件にて仕上げ、経編地を得た。編地に対する潜在捲縮発現性繊維の混率は、41%であった。
〔実施例13〕
実施例12において、フロント筬に非潜在捲縮発現性ポリトリメチレンテレフタレート繊維を配する代わりに非潜在捲縮発現性ポリエチレンテレフタレート繊維56dtex/24fを配したこと以外は、実施例12と同様の編成、染色条件にて仕上げて経編地を得た。編地に対する潜在捲縮発現性繊維の混率は、38wt%であった。
以上の実施例1〜13と比較例1〜7にて得られた編地、及び水着の評価結果を、表2〜5に示す。
表2〜5より以下のことが判る。
実施例1〜4、6、7及び11については、顕在捲縮に優れた潜在捲縮発現性繊維を用いているため、編成時の糸切れも少なく、またストレッチ性、緻密性に優れた経編地を得ることができ、また水着の着用評価においても良好なフィット感を得ることができた。
また実施例12及び13について、潜在捲縮発現性繊維のフィラメント数、編成時のゲージが変わっても、ストレッチ性、緻密性等に優れた経編地を得ることができた。
実施例5、8、9及び10については、実施例1〜3、6及び7に比べて、編成時の糸切れ、ストレッチ性には若干劣るものの、緻密感や水着のフィット感に優れた経編地を得ることができた。
実施例5については、潜在捲縮発現性繊維のみで構成されているため、緻密性、ストレッチ性に優れているが、風合いと柔軟性にやや劣り、触感もややざらついたものとなった。
比較例1、2、4については、顕在捲縮に劣るため、編機上での糸切れ回数が多く、また比較例3については、潜在捲縮発現性繊維の混率が少ないため、編地のストレッチ性や水着のフィット感も劣るものであった。
また、比較例5については、顕在捲縮を有しない繊維で構成されているため、編機上での糸切れは少なく生産の安定性には優れているが、得られた編地はストレッチ性が著しく低く、また緻密性、水着のフィット感にも劣るものであった。
比較例6については、仮撚り加工により顕在捲縮を付与した繊維で構成されているが、生産安定性はある程度良好で、編地のストレッチ性はある程度は有しているが、仮撚り加工によって糸に嵩高性が付与されるため、得られた編地は、平滑性、緻密性が極端に劣るものとなった。
比較例7については、弾性繊維を使用しているため、ストレッチ性、残留歪は優れているが、緻密過ぎるために重量感があり、また柔軟性にも若干劣っていた。さらに比較例7は、耐久性が他の実施例、比較例で得たものに比べて極端に劣っていた。
〔実施例14〕
実施例1で製造した経編地を用いて、男性用のスパッツ形の水着を作成した。得られた男性用水着を着用し、プールで約10分の遊泳を行った。着用した水着の着用感は、何ら違和感無く良好なものであった。
〔実施例15〕
実施例1で製造した経編地を用いて、スパッツ(上衣、下衣)を作成して着用し、約2時間のランニングを行った。作成したスパッツの着用感は、何ら違和感無く良好なものであった。また、運動による疲労感も軽減できた。
〔実施例16〕
実施例1で製造した経編地を用いて、野球用アンダーシャツを作成して着用した。作成したアンダーシャツの着用感は、何ら違和感無く良好なものであった。また、運動による疲労感も軽減できた。
〔実施例17〕
実施例1で製造した経編地を用いて、女性用ショーツを作成して着用した。作成したショーツの着用感は、何ら違和感無く良好なものであった。
産業上の利用の可能性
本発明の経編地は、ソフトな風合とストレッチ性に優れ、編地表面の平滑性、緻密性及び形態安定性に優れ、着用時のフィット性、運動追随性に優れ、かつ、これらの機能の耐久性に優れている。より詳しくは、極めて高いストレッチ性を有し残留歪も少ないので、編地の伸長性、伸長回復性、形態保持性に優れている。また、編地の防透け性に優れ、発色性が良好であり、実用に耐え得る破裂強力、引裂強力、耐ピリング性、耐スナッグ性を有している。さらに、物理的、化学的作用による脆化に対する耐性と耐久性に優れ、上記の各機能の低下が少ない。
本発明の経編地を用いた衣料は、着脱が容易で運動追従性に優れているため、身体に密着するような衣料、例えば、水着、スパッツ類などのスポーツ衣料、インナー衣料、ストレッチボトム類などのアウター衣料に好適である。
Claims (17)
- 潜在捲縮発現性繊維を含み、弾性繊維を含まない経編地であって、ストレッチ率が経方向・緯方向共に60%以上であり、かつ、60%伸長回復時の残留歪が経方向・緯方向共に15%以下であることを特徴とする経編地。
- 潜在捲縮発現性繊維が、編地に対して10wt%以上の混率で編成されていることを特徴とする請求項1記載の経編地。
- 潜在捲縮発現性繊維と非潜在捲縮発現性繊維とからなる経編地であって、潜在捲縮発現性繊維が、編地に対して10〜80wt%の混率で交編されていることを特徴とする請求項1又は2記載の経編地。
- 潜在捲縮発現性繊維が2種類のポリエステルを複合して構成されており、かつ、その少なくとも1種類がポリトリメチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の経編地。
- 潜在捲縮発現性繊維が、0.05〜0.7dl/gの固有粘度差を有する2種類のポリエステルがサイドバイサイド型または偏芯鞘芯型に複合して構成されており、かつ、その少なくとも1種類がポリトリメチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の経編地。
- 潜在捲縮発現性繊維が、下記(a)〜(c)を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の経編地。
(a)初期引張抵抗度が10〜30cN/dtex
(b)顕在捲縮の伸縮伸長率が10〜100%、伸縮弾性率が80〜100%
(c)100℃での熱収縮応力が0.1〜0.5cN/dtex - 潜在捲縮発現性繊維が、0.05〜0.5dl/gの固有粘度差を有する2種類のポリトリメチレンテレフタレートがサイドバイサイド型または偏芯鞘芯型に複合して構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の経編地。
- 非潜在捲縮発現性繊維が、ポリエステル系および/またはポリアミド系合成繊維であることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の経編地。
- 潜在捲縮発現性繊維が、0.05〜0.3dl/gの固有粘度差を有する2種類のポリトリメチレンテレフタレートがサイドバイサイド型に複合して構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の経編地。
- 潜在捲縮発現性繊維と非潜在捲縮発現性繊維とからなる経編地であって、潜在捲縮発現性繊維が、編地に対して25〜80wt%の混率で交編されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の経編地。
- 潜在捲縮発現性繊維と非潜在捲縮発現性繊維とからなる経編地であって、潜在捲縮発現性繊維が、編地に対して35〜80wt%の混率で交編されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の経編地。
- 経編地のウェール方向における充填度(LwCF)が、500〜1500であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の経編地。
- 経編地のコース方向に対するウェール方向の編地密度の比(ウェール数/コース数)が、0.6以上1.0以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の経編地。
- 経編地の編成組織が、ハーフ組織であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の経編地。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の経編地を用いた水着。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の経編地を用いたスポーツ衣料。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の経編地を用いたインナー衣料。
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