JP2003286622A - 被覆糸およびその製造方法 - Google Patents

被覆糸およびその製造方法

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JP2003286622A
JP2003286622A JP2002091996A JP2002091996A JP2003286622A JP 2003286622 A JP2003286622 A JP 2003286622A JP 2002091996 A JP2002091996 A JP 2002091996A JP 2002091996 A JP2002091996 A JP 2002091996A JP 2003286622 A JP2003286622 A JP 2003286622A
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polyester
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fiber
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Hironori Uranaka
宏典 浦中
Shinichi Oiwa
宸一 大岩
Mieko Kuroiwa
三重子 黒岩
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Du Pont Toray Co Ltd
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Du Pont Toray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】色彩意匠性、色彩耐久性に優れ、生地が薄くフ
ラット感があり、シャリミのある触感を有するストレッ
チ布帛を得ること。 【解決手段】芯糸と鞘糸からなる被覆糸であって、芯糸
に構成成分の一方がポリエチレンテレフタレートを主成
分とし、他方の構成成分がポリトリメチレンテレフタレ
ートを主成分とするサイドバイサイド型または偏芯シー
ス・コア型である着色されたポリエステル系複合繊維が
用いられ、鞘糸に前記ポリエステル系複合繊維と異なる
色もしくは透明である他の繊維が用いられてなることを
特徴とする被覆糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆糸およびその
製造方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明の被覆糸を用い、
高次加工して、衣服などに使用することにより、意匠
性、色彩耐久性に優れ、生地が薄くフラット感があり、
シャリミのある触感を有するストレッチ布帛を得ること
ができるという被覆糸およびその製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】従来より、ストレッチ素材として、芯糸
となるポリウレタン系弾性繊維にポリアミド繊維やポリ
エチレンテレフタレート繊維などの非弾性糸を一重ある
いは二重に被覆した弾性被覆糸が、ストッキング、イン
ナー、アウターなど一般衣料用途に広く利用されてき
た。このように、芯糸としてポリウレタン系弾性繊維を
用いた被覆糸で編織物を形成する場合、フィット性、伸
縮性に優れたものを得ることができるが、風合いが硬く
なり、ドレープ性が低下し、布帛が厚くなることが問題
とされてきた。
【0004】また、このような被覆糸を用いたストレッ
チ布帛に、カラフルな色彩や色模様を与えて、意匠性あ
るいは商品性を高めることが考えられている。
【0005】伸縮性布帛に色彩や色模様を与えるには、
製造後のストレッチ布帛を染色する方法がある。伸縮性
布帛を構成する糸に着色糸を使用する方法もある。着色
糸を使用する方法は、布帛の染色工程が不要で生産性が
よいことや色彩の耐久性に優れているなど、多くの利点
があるとされている。
【0006】通常、被覆糸ではポリウレタン系弾性繊維
を芯糸とし、被覆糸の内部側に配置して、表面には鞘糸
である非弾性糸が配置されるようになっていた。これ
は、ポリウレタン系弾性繊維を非弾性糸で保護するとと
もに、質感や着色性に優れた被弾性糸を表面側に配置す
ることにより、布帛を形成したときの意匠性や肌触りを
良好にすることを意図するものである。このような被覆
糸では、被覆糸の内部側に構成されるポリウレタン系弾
性繊維は、製造が比較的容易でコストも安い無着色すな
わち白色の糸や透明なクリアー糸が使用されることが多
かった。
【0007】ところが前記した従来の被覆糸を用いて衣
料品などを製造したときに、着用状態での色彩感や意匠
性に劣るという問題があった。
【0008】従来の被覆糸を用いたストレッチ性布帛に
色彩や色模様を付与するために、非弾性糸に着色糸を使
用していると、ストレッチ布帛が大きく引き伸ばされた
ときに、着色非弾性糸よりも内部側に配置された着色さ
れていないポリウレタン系弾性繊維が、着色非弾性糸の
間を通して見えてしまい、その部分の色彩が色あせて見
えたり、布帛が色落ちしたように見えてしまったりする
という欠点がある。なお、ポリウレタン系弾性繊維がク
リアー糸であっても、完全な透明性を有しているわけで
はないので、光の反射、屈折、干渉などの作用で、乳白
色などを呈することになり、布帛の色彩性を損なうこと
になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高次
加工して、衣服などに使用する際、従来の技術では得ら
れなかった色彩意匠性、色彩耐久性、生地が薄くフラッ
ト感があり、シャリミのある触感を有するストレッチ布
帛を得ることができる被覆糸およびその製造方法を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の被覆糸は、前記
課題を解決するため以下の手段を採用する。
【0011】すなわち、芯糸と鞘糸からなる被覆糸であ
って、芯糸に構成成分の一方がポリエチレンテレフタレ
ートを主成分とし、他方の構成成分がポリトリメチレン
テレフタレートを主成分とするサイドバイサイド型また
は偏芯シース・コア型である着色されたポリエステル系
複合繊維が用いられ、鞘糸に前記ポリエステル系複合繊
維と異なる色もしくは透明である他の繊維が用いられて
なることを特徴とする被覆糸である。
【0012】また、本発明の被覆糸の製造方法は、前記
課題を解決するため以下の手段を採用する。
【0013】すなわち、構成成分の一方がポリエチレン
テレフタレートを主成分とし、他方の構成成分がポリト
リメチレンテレフタレートを主成分とするサイドバイサ
イド型または偏芯シース・コア型であるポリエステル系
複合繊維を芯糸として用い、前記ポリエステル系複合繊
維と異なる色もしくは透明である他の繊維を鞘糸として
用いることを特徴とする被覆糸の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の被覆糸について説
明する。図1は本発明の被覆糸の一例を示す概略側面図
である。本発明の被覆糸(ハ)は、芯糸であるポリエス
テル系複合繊維(イ)の周りが鞘糸である他の繊維
(ロ)によって撚回被覆された形態を示す。
【0015】本発明の被覆糸の芯糸には、構成成分の一
方がポリエチレンテレフタレートを主成分とし、他方の
構成成分がポリトリメチレンテレフタレートを主成分と
するサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型であ
る着色されたポリエステル系複合繊維が用いられる。
【0016】前記ポリエステル系複合繊維において極限
粘度の異なる重合体が貼り合わされることによって、紡
糸、延伸時に高粘度側に応力が集中するため、2成分間
で内部歪みが異なる。そのため、延伸後の弾性回復率差
および布帛の熱処理工程での熱収縮差により高粘度側が
大きく収縮し、単繊維内で歪みが生じて3次元コイル捲
縮の形態をとる。この3次元コイルの径および単繊維長
当たりのコイル数は、高収縮成分と低収縮成分との収縮
差(弾性回復率差を含む)によって決まるといってもよ
く、収縮差が大きいほどコイル径が小さく、単位繊維長
当たりのコイル数が多くなる。
【0017】ストレッチ素材として要求されるコイル捲
縮は、コイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数
が多い(伸長特性に優れ、見映えがよい)、コイルの耐
へたり性がよい(伸縮回数に応じたコイルのへたり量が
小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイル
の伸縮特性は、低収縮成分を支点とした高収縮成分の伸
縮特性が支配的となるため、高収縮成分に用いる重合体
には高い伸長性および回復性が要求される。そこで、本
発明者らはポリエステルの特性を損なうことなく前記特
性を満足させるために鋭意検討した結果、低収縮成分に
ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、高収縮成分
に、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分としたポ
リエステル複合繊維を用いることを見いだした。ポリト
リメチレンテレフタレート繊維は、代表的なポリエステ
ル繊維であるポリエチレンテレフタレート繊維やポリブ
チレンテレフタレート繊維と同等の力学的特性や化学的
特性を有しつつ、伸長回復性がきわめて優れている。こ
れは、ポリトリメチレンテレフタレートの結晶構造にお
いてアルキレングリコール部のメチレン鎖がゴーシュ−
ゴーシュ構造(分子鎖が90度に屈曲)であること、さ
らにはベンゼン環同士の相互作用(スタッキング、並
列)による拘束点密度が低く、フレキシビリティーが高
いことから、メチレン基の回転により分子鎖が容易に伸
長・回復するためと考えている。
【0018】本発明の被覆糸の芯糸に用いられるポリエ
ステル系複合繊維の構成成分であるポリエチレンテレフ
タレートとしては、エチレンテレフタレート単位を主た
る繰り返し単位とする重合体成分からなるものが好まし
い。
【0019】すなわち、本発明におけるポリエチレンテ
レフタレートとしては、テレフタル酸を主たる酸成分と
し、エチレングリコールを主たるグリコ−ル成分として
得られるポリエステルが好ましい。ただし、他のエステ
ル結合を形成可能な共重合成分が20モル%以下の割合
で含まれるものも好ましく、10モル%以下の割合で含
まれるものはより好ましい。共重合可能な化合物とし
て、たとえばスルフォン酸、ナトリウムスルフォン酸、
硫酸、硫酸エステル、硫酸ジエチル、硫酸エチル、脂肪
族スルフォン酸、エタンスルフォン酸、クロロベンゼン
スルフォン酸、脂環式スルフォン酸、イソフタル酸、セ
バシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、アジピン酸、シ
ュウ酸、デカンジカルボン酸などのジカルボン酸、p−
ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンなどのヒドロ
キシカルボン酸などのジカルボン酸類、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロパンジオー
ル、ブタンジオール、ペンタンジオール、ハイドロキノ
ン、ビスフェノールAなどのジオール類が好ましく使用
される。
【0020】また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸
化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗
酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料な
どを添加してもよい。
【0021】本発明の被覆糸の芯糸に用いられるポリエ
ステル系複合繊維の他の構成成分であるポリトリメチレ
ンテレフタレートとしては、トリメチレンテレフタレー
ト単位を主たる繰り返し単位とする重合体成分からなる
ものが好ましい。
【0022】すなわち、本発明におけるポリトリメチレ
ンテレフタレートとしては、テレフタル酸を主たる酸成
分とし、1,3プロパンジオ−ルを主たるグリコ−ル成
分として得られるポリエステルが好ましい。ただし、他
のエステル結合を形成可能な共重合成分が20モル%以
下の割合で含まれるものも好ましく、10モル%以下の
割合で含まれるものはより好ましい。共重合可能な化合
物として、たとえばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボ
ン酸類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキ
サンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールなどのジオール類が好ましく使用され
る。
【0023】また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸
化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗
酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料な
どを添加してもよい。
【0024】本発明において、コイル状捲縮を発現さ
せ、編織物を形成した際に所望の伸縮性を得る観点か
ら、ポリトリメチレンテレフタレートの極限粘度は1.
0以上であるのが好ましく、1.2以上であるのがより
好ましい。
【0025】本発明で使用されるポリエステル系複合繊
維の単糸断面形状はサイドバイサイド型または偏芯シー
ス・コア型とするものである。
【0026】断面形状が 断面形状がサイドバイサイド
型または偏芯シース・コア型でないと、糸条に熱が付与
された際に、コイル状捲縮が発現せず、糸条に伸縮性を
付与することができない問題がある。
【0027】また、ポリエステル系複合繊維におけるポ
リエチレンテレフタレート/ポリトリメチレンテレフタ
レートの重量比率は、製糸性および繊維長さ方向のコイ
ルの寸法均質性の観点から30/70以上70/30以
下の範囲であることが好ましい。
【0028】ポリエステル系複合繊維の繊度は、用途目
的に応じて20デシテックス以上1000デシテックス
以下の範囲が好ましい。
【0029】さらにポリエステル系複合繊維の単糸繊度
は、用途に応じて0.4デシテックス以上25デシテッ
クス以下の範囲が好ましい。
【0030】本発明の被覆糸の鞘糸に用いられる他の繊
維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリ
プロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化
ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリアクリ
ロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリフルオ
ロエチレン系繊維等の合成繊維、レーヨンやアセテート
などのセルロース系の半合成繊維、綿やシルク、ウー
ル、麻などの天然繊維が好ましい。その態様は、フィラ
メント糸または紡績糸のいずれであってもよく、例え
ば、フィラメント糸の場合、原糸、仮撚加工糸、撚糸な
どのいずれであってもよく、また、これらの複合糸であ
ってもよい。
【0031】また、紡績糸としては、単独で紡績された
ものまたは混紡されたもののいずれであってもよい。
【0032】これらは、撚糸加工しやすい安定した糸条
であることが好ましい。
【0033】本発明で使用される他の繊維は、芯糸に用
いられるポリエステル系複合繊維と異なる色もしくは透
明なものである。
【0034】他の繊維が、前記ポリエステル系複合繊維
と異なる色であるとは、異なる色で着色された着色糸も
しくは糸自体の色がポリエステル系複合繊維と異なるも
のも含まれ得る。
【0035】他の繊維が、前記ポリエステル系複合繊維
と異なる色である場合、他の繊維同士の隙間から芯糸と
なるポリエステル系複合繊維の色が見えることで、他の
繊維の色とポリエステル系複合繊維の色とが混色された
色彩効果を発揮する。他の繊維の種類、繊度および態様
は、用途目的に応じて適宜選択するのが好ましい。
【0036】他の繊維が、前記ポリエステル系複合繊維
と異なる色である場合、不透明なものでも、薄い色を有
する半透明なものでもいずれであってもよい。
【0037】特に半透明なものの場合、布帛において半
透明の着色糸の色と、芯糸となる内側の着色されたポリ
エステル系複合繊維の色とが混色された複雑な色彩効果
を発揮する。ここで言う半透明なものとはいくらかの透
明性があり、ある程度うすい色を有するものを言う。
【0038】また、本発明において、他の繊維が透明な
ものである場合、被覆糸の内部側に配置されるポリエス
テル系複合繊維の色彩が、透明な他の繊維を通して外部
からよく見えることによって、透明感や深みのある色彩
感を有する被覆糸を得ることができる。
【0039】なお、本発明において透明とは、鞘糸をと
おして芯糸が見えるものをいい、半透明とは、鞘糸をと
おしてぼんやり芯糸が見えるものをいう。
【0040】かかる透明なものとしては、透明性に優れ
たポリアミド繊維、ポリエステル繊維等が好ましい。
【0041】また、透明性を高める手段として、繊維材
料の選択のほか、単糸本数を少なくすること、断面形状
を円形や楕円形にすること、光沢感を減らすこと、長繊
維を使用することなどが採用するのが好ましい。これら
手段を組み合わせて複数採用するのも好ましい。
【0042】他の繊維の繊度は、用途目的に応じて20
デシテックス以上1000デシテックス以下の範囲が好
ましい。
【0043】さらに他の繊維の単糸繊度は用途に応じて
0.4デシテックス以上25デシテックス以下の範囲が
好ましい。
【0044】次に、本発明の被覆糸の製造方法について
図面を用いて説明する。
【0045】図2は本発明の被覆糸の製造方法の一例を
示す概略模式図である。
【0046】本発明の被覆糸の製造方法では、ポリエス
テル系複合繊維を芯糸として用い、前記ポリエステル系
複合繊維と異なる色もしくは透明である他の繊維を鞘糸
として用いる。
【0047】本発明においては、前記ポリエステル系複
合繊維を芯糸として用い、その上から前記ポリエステル
系複合繊維と異なる色もしくは透明である他の繊維を被
覆するものである。
【0048】被覆の際には市販のカバリング機等が好ま
しく用いられる。
【0049】図2は二重被覆の例であり、芯糸1として
使用するポリエステル系複合繊維は、コイル状の顕在捲
縮を有するため、安定したドラフトを得て、糸切れの発
生を防止する観点、鞘糸2のバルーンを安定させて、糸
長さ方向のヨリムラを抑制し、スラブ状の被覆糸を形成
することを防止する観点から、カバリング機のフィード
ローラ4とデリベリローラ11との間のドラフトゾーン
に挿入される直前のワッシャーテンサ3とフィードロー
ラ4の間で、0.01cN/dtex以上のプレテンシ
ョンがかかるようにすることが好ましい。芯糸にプレテ
ンションをかける方法としては、図2ではワッシャーテ
ンサ3を使用しているが、マグネットテンサなども好ま
しく使用される。
【0050】芯糸に0.01cN/dtex以上のプレ
テンションをかけた状態で、芯糸の走行を安定させて、
糸切れを防止し、ドラフトでのゴムローラの破損やドラ
フト間での糸のスリップによる延伸ムラ、糸切れを防止
する観点から、ドラフトは0.95以上1.6以下の範
囲にすることが好ましく、1.03以上1.2以下の範
囲にすることがより好ましい。
【0051】鞘糸は、市販の高速ワインダーにより、H
ボビンに巻き取られた後、図2のように下段スピンドル
5および上段スピンドル7に設置され、スピンドルを回
転させることによって芯糸に巻き付けられ、被覆糸を形
成する。
【0052】得られた被覆糸は、テイクアップローラ1
3によりチーズ14に巻き取られる。
【0053】なお、一重被覆糸を製造する際には、上段
スピンドルまたは下段スピンドルのいずれか一方にHボ
ビン1本を設置して、スピンドルを回転させることによ
って芯糸に鞘糸を巻き付ける。
【0054】鞘糸を芯糸に被覆する際、鞘糸のヨリ数
は、鞘糸の繊度、フィラメント数により適宜選択すれば
よいが、100〜2000T/mの範囲とするのが好ま
しい。
【0055】また、二重に被覆する場合、上ヨリ数は下
ヨリ数の0.7〜0.9倍のヨリ数とすることが好まし
く、トルクをうち消すため、上ヨリは、下ヨリの逆方向
にかけるのが好ましい。
【0056】本発明の被覆糸の製造方法で使用する着色
されたポリエステル系複合繊維は、定法通り分散染料な
どで染色されたものが好ましい。 ポリエステル系複合
繊維を染色する場合、被覆糸を形成する前に染色しても
よく、また、被覆糸あるいは布帛を形成した後に染色し
てもよい。
【0057】ただし、被覆糸を形成した後に染色する場
合、ポリエステル系複合繊維が選択的に染色されるよう
に、鞘糸となる他の繊維の種類、染法、染料を適宜選定
するのが好ましい。
【0058】また、ポリエステル系複合繊維として、予
め顔料等により着色された原着糸を用いてもよい。
【0059】着色されたポリエステル系複合繊維の色は
自由に設定でき、例えば、ブルー、ピンク、グリーン、
パープル、ブラックなどが採用できる。
【0060】一方、鞘糸として用いる他の繊維は、前記
ポリエステル系複合と異なる色もしくは透明なものであ
る。
【0061】他の繊維は、異なる色であれば無着色であ
ってもよいし、ポリエステル系複合繊維と異なる色で着
色されたものでもよい。
【0062】他の繊維は、被覆糸を形成する前に着色さ
れてもよく、また被覆糸を形成した後に着色されてもよ
い。
【0063】本発明の被覆糸を用いた編織物は、色彩意
匠性、色彩耐久性、生地が薄くフラット感があり、シャ
リミのある触感を有するストレッチ性、形態安定性に優
れており、特に、スイミングウェアや、ジャケット、ボ
トムなどのアウター、ワンピース、スカート、ランジェ
リーなどの婦人衣料や、シャツ、ナイトウェア、スポー
ツ衣料、ベビー衣料などストレッチ素材として用いるこ
とができる。
【0064】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
る。
【0065】なお実施例中の極限粘度(η)は次の方法
で求めた。
【0066】ただし、本発明がこれら実施例により限定
されるものではない。 [極限粘度(η)]オルソクロロフェノール10mlに
対し試料0.10gを溶解し、温度25℃においてオス
トワルド粘度計を用いて測定した。
【0067】[実施例1]極限粘度が1.31のポリト
リメチレンテレフタレートと極限粘度が0.52のポリ
エチレンテレフタレートをそれぞれ別々に溶融し、紡糸
温度260℃で24孔の複合紡糸口金よりポリエチレン
テレフタレート/ポリトリメチレンテレフタレートの重
量比率が50/50となるように吐出し、紡糸速度14
00m/分で引き取り、165dtex24フィラメン
トの未延伸糸を得た。さらに、ホットロール−熱板系延
伸機を用い、ホットロール温度70℃、熱板温度145
℃、延伸倍率3.0で延伸して、56dtex24フィ
ラメントのサイドバイサイド型ポリエステル系複合繊維
(延伸糸)を得た。得られたポリエステル系複合繊維を
芯糸とし、33dtex6フィラメントポリアミド延伸
糸を鞘糸として用い、図2に示されるカバリング工程を
使用して、以下の条件でカバリング加工を施した。
【0068】なお、芯糸は、ドラフトゾーンに挿入され
る直前に0.01cN/dtex以上のプレテンション
がかかるように、ワッシャーテンサを介して、給糸し
た。
【0069】 プレテンション:4g ドラフト:1.1倍 ヨリ数:Z1400T/m スピンドル回転数:13000rpm 巻取比:95.0% 得られた一重被覆糸を用いて、28ゲージ、1口編機で
編成し、ポリエステル用分散染料(ブルー)で染色し、
仕上げ加工した結果、着色された芯糸が鞘糸を通して外
部からよく見え、透明感、深みのある色彩感を有し、生
地が薄くフラット感があり、シャリミのある触感を有す
るストレッチ性が良好で、スイミングウェアに好適な編
地を得た。
【0070】さらに、得られた一重被覆糸を緯糸として
用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラック
ス精練、分散染料(ブルー)で染色、160℃で仕上熱
固定し、1/3のツイル織物を得た。本発明の被覆糸を
使用した織物は着色された芯糸が鞘糸を通して外部から
よく見え、透明感、深みのある色彩感を有し、ハリ、コ
シ、反発性に富み、ソフト感を併せ持ち、ストレッチ性
が良好であり、シャツ地に好適なものであった。
【0071】[実施例2]実施例1で使用したものと同
じ56dtex24フィラメントのサイドバイサイド型
ポリエステル系複合繊維をカセ染色(ブルー)したもの
を芯糸とし、鞘糸として56dtex18フィラメント
のポリエチレンテレフタレート延伸糸を用い、実施例1
と同様に以下の条件でカバリング加工を施し、一重被覆
糸を得た。
【0072】 プレテンション:4g ドラフト:1.1倍 ヨリ数:Z1000T/m スピンドル回転数:13000rpm 巻取比:95.0% 得られた一重被覆糸を用いて、実施例1と同様に、28
ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染料で
染色、仕上げ加工した結果、着色された芯糸が鞘糸を通
して外部からよく見え、透明感、深みのある色彩感を有
し、生地が薄くフラット感があり、シャリミのある触感
を有するストレッチ性が良好で、スイミングウェア、下
着に好適な編地を得た。
【0073】さらに、得られた一重被覆糸を緯糸として
用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラック
ス精練、160℃で仕上熱固定し、1/3のツイル織物
を得た。本発明の被覆糸を使用した織物は、着色された
芯糸が鞘糸を通して外部からよく見え、透明感、深みの
ある色彩感を有し、反発性に富み、シャリミ感を併せ持
ち、ストレッチ性が良好でシャツ地に好適なものであっ
た。
【0074】[実施例3]実施例1で使用したものと同
じ56dtex24フィラメントのサイドバイサイド型
ポリエステル系複合繊維を芯糸とし、鞘糸として33d
tex6フィラメントポリアミド延伸糸を用い、実施例
1と同様に以下の条件でカバリング加工を実施し、二重
被覆糸を得た。
【0075】 プレテンション:4g ドラフト:1.1倍 下ヨリ数:S800T/m 上ヨリ数:Z680T/m スピンドル回転数:13000rpm 巻取比:96.0% 得られた二重被覆糸を用いて、実施例1と同様に、28
ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染料
(ブルー)および酸性染料(グリーン)で一浴染色、仕
上げ加工した結果、鞘糸であるグリーンに染色されたポ
リアミド延伸糸同士の隙間からブルーで染色されたポリ
エステル系複合繊維が見えることで混色された色彩効果
を有し、生地が薄くフラット感があり、シャリミのある
触感を有するストレッチ性に富み、アウターウェア、ス
イミングウェアに好適な編地を得た。
【0076】[実施例4]実施例1で使用したものと同
じ56dtex24フィラメントのサイドバイサイド型
ポリエステル系複合繊維を芯糸とし、鞘糸として78d
tex36フィラメントのポリアミド加工糸を用い、実
施例1と同様に以下の条件でカバリング加工を施し、一
重被覆糸を得た。
【0077】 プレテンション:4g ドラフト:1.1倍 ヨリ数:Z800T/m スピンドル回転数:13000rpm 巻取比:95.0% 得られた一重被覆糸を用いて、28ゲージ、1口編機で
編成し、ポリエステル用分散染料(ブルー)で染色、仕
上げ加工した結果、着色された芯糸が鞘糸を通して外部
からよく見え、透明感、深みのある色彩感を有し、実施
例1よりもさらにソフトな触感を有し、仕立て映えがよ
く、ストレッチ性の良好な編地を得た。
【0078】さらに、得られた一重被覆糸を緯糸として
用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラック
ス精練、分散染料で染色、160℃で仕上熱固定し、1
/3のツイル織物を得た。本発明の被覆糸を使用した織
物は着色された芯糸が鞘糸を通して外部からよく見え、
透明感、深みのある色彩感を有し、ハリ、コシ、反発性
に富み、ソフト感を併せ持ち、ストレッチ性が良好であ
り、シャツ地に好適なものであった。
【0079】[実施例5]実施例1で使用したものと同
じ55dtex24フィラメントのサイドバイサイド型
ポリエステル系複合繊維を芯糸とし、鞘糸として80S
の綿糸を用い、実施例1と同様に以下の条件でカバリン
グ加工を実施し、一重被覆糸を得た。
【0080】 プレテンション:4g ドラフト:1.1倍 ヨリ数:S600T/m 巻取比:95.0% 得られた一重被覆糸を用いて、28ゲージ、1口編機で
編成し、ポリエステル用分散染料(ブルー)と反応染料
(イエロー)でミックス染色し、仕上げ加工した結果、
鞘糸であるイエローに染色された綿糸の隙間からブルー
で染色されたポリエステル系複合繊維が見えることで混
色された色彩効果を有し、梳毛調の風合い、ソフトな触
感を有し、仕立て映えがよく、ストレッチ性の良好な編
地を得た。
【0081】さらに、得られた一重被覆糸を緯糸として
用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラック
ス精錬、ポリエステル用分散染料(ブルー)と反応染料
(イエロー)でミックス染色し、160℃で仕上熱固定
し、1/3のツイル織物を得た。本発明糸を使用した織
物は鞘糸であるイエローに染色されたポリアミド延伸糸
同士の隙間からブルーで染色されたポリエステル系複合
繊維が見えることで混色された色彩効果を有し、ハリ、
コシ、反発性に富み、梳毛調の風合いを併せ持ち、スト
レッチ性が良好であった。
【0082】[実施例6]実施例1で使用したものと同
じ55dtex24フィラメントのサイドバイサイド型
ポリエステル系複合繊維をカセ染色したものを芯糸と
し、鞘糸として56dtex24フィラメントレーヨン
糸を鞘糸として用い、実施例1と同様に以下の条件でカ
バリング加工を実施し、一重被覆糸を得た。
【0083】 プレテンション:4g ドラフト:1.1倍 ヨリ数:S600T/m 巻取比:95.0% 得られた一重被覆糸を用いて、28ゲージ、1口編機で
編成し、分散染料と直接染料で一浴ミックス染色し、仕
上げ加工した結果、着色された芯糸が鞘糸を通して外部
からよく見え、透明感、深みのある色彩感を有し、美し
い光沢、外観を有し、生地が薄くフラット感があり、シ
ボ、しわが発生せずシャリミのある触感を有するストレ
ッチ性の良好な編地を得た。
【0084】さらに、得られた一重被覆糸を緯糸として
用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラック
ス精練、160℃で仕上熱固定し、1/3のツイル織物
を得た。本発明の被覆糸を使用した織物は着色された芯
糸が鞘糸を通して外部からよく見え、透明感、深みのあ
る色彩感を有し、ドレープ性に富み、美しい光沢、外観
を有し、ソフト感を併せ持ち、ストレッチ性が良好であ
った。
【0085】[実施例7]実施例1で使用したものと同
じ55dtex24フィラメントのサイドバイサイド型
ポリエステル系複合繊維をカセ染色したものを芯糸と
し、鞘糸としてシルクの31中の生糸を鞘糸として用
い、実施例1と同様に以下の条件でカバリング加工を施
し、一重被覆糸を得た。
【0086】 プレテンション:4g ドラフト:1.1倍 ヨリ数:Z1400T/m スピンドル回転数:6000rpm 巻取比:95.0% 得られた一重被覆糸を用いて、28ゲージ、1口編機で
編成し、、仕上げ加工した結果、着色された芯糸が鞘糸
を通して外部からよく見え、透明感、深みのある色彩感
を有し、美しい光沢、ドレープ性、優雅な外観を有し、
生地が薄くフラット感があり、ソフトで絹鳴りのある触
感を有するストレッチ性が良好で高級ブラウスに好適な
編地を得た。
【0087】さらに、得られた一重被覆糸を緯糸として
用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラック
ス精練、タフタ織物を得た。本発明の被覆糸を使用した
織物は着色された芯糸が鞘糸を通して外部からよく見
え、透明感、深みのある色彩感を有し、ドレープ性に富
み、美しい光沢、外観を有し、ソフト感を併せ持ち、ス
トレッチ性が良好であり、和装に好適なものであった。
【0088】[実施例8]実施例1で使用したものと同
じ55dtex24フィラメントのサイドバイサイド型
ポリエステル系複合繊維をカセ染色したものを芯糸と
し、1/80Sウール糸を鞘糸として用い、実施例1と
同様に以下の条件でカバリング加工を施し、一重被覆糸
を得た。
【0089】 プレテンション:4g ドラフト:1.1倍 ヨリ数:Z1000T/m スピンドル回転数:8000rpm 巻取比:95.0% 得られた一重被覆糸を用いて、28ゲージ、1口編機で
編成し、仕上げ加工した結果、着色された芯糸が鞘糸を
通して外部からよく見え、透明感、深みのある色彩感を
有し、優美で梳毛調の外観を有し、生地が薄く、フラッ
ト感があり、シボ、しわが発生しにくく、吸湿性、保温
性、形態安定性に優れ、ぬめり感、しなやかな触感を有
するストレッチ性が良好であり、アウターウェア、シャ
ツ、ソックスに好適な編地を得た。
【0090】[比較例1]20dtexのポリウレタン
系弾性繊維を芯糸とし、鞘糸として33dtex6フィ
ラメントポリアミド延伸糸を用い、実施例1と同様に以
下の条件でカバリング加工を施し、一重被覆糸を得た。
ただし、ポリウレタン糸の給糸は、転がし給糸(積極送
り)で行った。
【0091】 ドラフト:3.0倍 ヨリ数:Z1000T/m スピンドル回転数:13000rpm 巻取比:93.0% 得られた一重被覆糸を用いて、実施例1と同様に、28
ゲージ、1口編機で編成し、酸性染料で染色、仕上げ加
工した結果、高レベルの伸縮性はあるものの、生地が厚
く、風合いの硬い編地を得た。
【0092】さらに、得られた一重被覆糸を緯糸として
用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラック
ス精練、160℃で仕上熱固定し、1/3のツイル織物
を得た。得られた織物は伸縮性に富むが、風合いの硬い
織物となった。
【0093】[比較例2]20dtexのポリウレタン
系弾性繊維を芯糸とし、鞘糸として56dtex18フ
ィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸を用い
比較例1と同様に以下の条件でカバリング加工を実施
し、一重被覆糸を得た。
【0094】 ドラフト:3.0倍 ヨリ数:Z1000T/m スピンドル回転数:13000rpm 巻取比:93.0% 得られた一重被覆糸を用いて、実施例1と同様に、28
ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染料で
染色、仕上げ加工した結果、高レベルの伸縮性はあるも
のの、生地が厚く、風合いの硬い編地を得た。さらに、
得られた一重被覆糸を緯糸として用いて織物を形成し、
引き続き97℃の熱水でリラックス精練、160℃で仕
上熱固定し、1/3のツイル織物を得た。得られた織物
は伸縮性に富むが、風合いが硬いものとなった。
【0095】[比較例3]20dtexのポリウレタン
系弾性繊維を芯糸とし、鞘糸として56dtex18フ
ィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸を用い
比較例1と同様に以下の条件でカバリング加工を実施
し、二重被覆糸を得た。
【0096】 ドラフト:3.0倍 下ヨリ数:S800T/m 上ヨリ数:Z680T/m スピンドル回転数:13000rpm 巻取比:93.0% 得られた二重被覆糸を用いて、実施例1と同様に、28
ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染料で
染色、仕上げ加工した結果、高レベルの伸縮性はあるも
のの、生地が厚く、風合いの硬い編地を得た。
【0097】さらに、得られた二重被覆糸を緯糸として
用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラック
ス精練、160℃で仕上熱固定し、1/3のツイル織物
を得た。得られた織物は伸縮性に富むが、生地が厚く風
合いが硬いなどの問題が発生した。
【0098】[比較例4]20dtexのポリウレタン
系弾性繊維を芯糸とし、鞘糸として78dtex36フ
ィラメントのポリエチレンテレフタレートウーリー加工
糸を用い、比較例1と同様に以下の条件でカバリング加
工を施し、一重被覆糸を得た。
【0099】 ドラフト:3.0倍 ヨリ数:Z800T/m スピンドル回転数:13000rpm 巻取比:93.0% 得られた一重被覆糸を用いて、28ゲージ、1口編機で
編成し、ポリエステル用分散染料で染色、仕上げ加工し
た結果、生地が厚く、風合いの硬い編地を得た。
【0100】さらに、得られた一重被覆糸を緯糸として
用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラック
ス精練、160℃で仕上熱固定し、1/3のツイル織物
を得た。得られた織物はハリ、コシ、伸縮性に富み、ソ
フト感を併せ持つが、生地が厚く、風合いも硬いものと
なった。
【0101】[比較例5]20dtexのポリウレタン
系弾性繊維を芯糸とし、鞘糸として80Sの綿糸を用
い、比較例1と同様に以下の条件でカバリング加工を施
し、一重被覆糸を得た。
【0102】 ドラフト:3.0倍 ヨリ数:Z1000T/m スピンドル回転数:8000rpm 巻取比:93.0% 得られた一重被覆糸を用いて、実施例1と同様に、28
ゲージ、1口編機で編成し、直接染料で染色、仕上げ加
工した結果、高レベルの伸縮性はあるものの、生地が厚
く、風合いの硬い編地を得た。 [比較例6]実施例1で使用したものと同じ55dte
x24フィラメントのサイドバイサイド型ポリエステル
系複合繊維を芯糸とし、鞘糸として78dtex36フ
ィラメントのポリエチレンテレフタレートウーリー加工
糸を用い、実施例1と同様に以下の条件でカバリング加
工を実施し、一重被覆糸を得た。
【0103】 プレテンション:4g ドラフト:1.1倍 ヨリ数:S600T/m 巻取比:95.0% 得られた一重被覆糸を用いて、28ゲージ、1口編機で
編成し、ポリエステル用分散染料(ブルー)で染色し、
仕上げ加工した結果、ストレッチ性に優れてはいるが、
単調な外観であり、意匠性を有しない編地を得た。
【0104】
【発明の効果】本発明の被覆糸を用いることにより、色
彩意匠性、色彩耐久性に優れ、生地が薄くフラット感が
あり、シャリミのある触感を有するストレッチ布帛を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被覆糸の一例を示す概略側面図であ
る。
【図2】本発明の被覆糸の製造方法の一例を示す概略模
式図である。
【符号の説明】
(イ):芯糸 (ロ):鞘糸 (ハ):被覆糸 1:芯糸 2:鞘糸 3:ワッシャーテンサ 4:フィードローラ 5:下段スピンドル 6:下段ベルト 7:上段スピンドル 8:上段ベルト 9:Hボビン 10:スネルガイド 11:デリベリローラ 12:ガイドバー 13:テイクアップローラ 14:チーズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒岩 三重子 滋賀県大津市園山1丁目1番2号 東レ・ デュポン株式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4L036 MA05 MA17 MA34 MA40 PA12 RA25 UA12 UA16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯糸と鞘糸からなる被覆糸であって、芯糸
    に構成成分の一方がポリエチレンテレフタレートを主成
    分とし、他方の構成成分がポリトリメチレンテレフタレ
    ートを主成分とするサイドバイサイド型または偏芯シー
    ス・コア型である着色されたポリエステル系複合繊維が
    用いられ、鞘糸に前記ポリエステル系複合繊維と異なる
    色もしくは透明である他の繊維が用いられてなることを
    特徴とする被覆糸。
  2. 【請求項2】前記ポリエステル系複合繊維のポリエチレ
    ンテレフタレート/ポリトリメチレンテレフタレートの
    重量比率が30/70〜70/30であることを特徴と
    する請求項1に記載の被覆糸。
  3. 【請求項3】構成成分の一方がポリエチレンテレフタレ
    ートを主成分とし、他方の構成成分がポリトリメチレン
    テレフタレートを主成分とするサイドバイサイド型また
    は偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合繊維を
    芯糸として用い、前記ポリエステル系複合繊維と異なる
    色もしくは透明である他の繊維を鞘糸として用いること
    を特徴とする被覆糸の製造方法。
  4. 【請求項4】芯糸を鞘糸で被覆する前にポリエステル系
    複合繊維を着色することを特徴とする請求項3に記載の
    被覆糸の製造方法。
  5. 【請求項5】芯糸を鞘糸で被覆した後にポリエステル系
    複合繊維を着色することを特徴とする請求項3に記載の
    被覆糸の製造方法。
  6. 【請求項6】芯糸を鞘糸で一重に被覆することを特徴と
    する請求項3〜5のいずれかに記載の被覆糸の製造方
    法。
  7. 【請求項7】芯糸を鞘糸で二重に被覆することを特徴と
    する請求項3〜5のいずれかに記載の被覆糸の製造方
    法。
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