JP2003073950A - 被覆糸およびその製造方法 - Google Patents

被覆糸およびその製造方法

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JP2003073950A JP2001260549A JP2001260549A JP2003073950A JP 2003073950 A JP2003073950 A JP 2003073950A JP 2001260549 A JP2001260549 A JP 2001260549A JP 2001260549 A JP2001260549 A JP 2001260549A JP 2003073950 A JP2003073950 A JP 2003073950A
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Masakata Shiba
正名 斯波
Kenzo Wakayama
健三 若山
Mieko Kuroiwa
三重子 黒岩
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Du Pont Toray Co Ltd
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Du Pont Toray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性、耐塩素性、耐光性に優れ、生地が薄く
フラット感があり、ポリプロピレン独特の軽量で保温性
のあるストレッチ布帛を得ること 【解決手段】芯糸と鞘糸からなる被覆糸であって、芯糸
に構成成分の一方がポリエチレンテレフタレートを主成
分とし、他方の構成成分がポリトリメチレンテレフタレ
ートを主成分とするサイドバイサイド型または偏芯シー
ス・コア型であるポリエステル系複合繊維を用い、鞘糸
にポリプロピレン繊維を用いてなることを特徴とする被
覆糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆糸およびその
製造方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明の被覆糸を用い、
高次加工して、衣服や資材などに使用することにより、
耐久性、耐塩素性、耐光性に優れ、生地が薄くフラット
感があり、ポリプロピレンの特性である軽さ、疎水性、
保温性を生かしたストレッチ布帛を得ることができると
いう被覆糸およびその製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】従来より、ストレッチ素材として、芯糸
となるポリウレタン系弾性繊維にポリアミド繊維あるい
はポリエステル繊維などを一重あるいは二重に被覆した
弾性被覆糸が、ストッキング、インナー、アウターなど
一般衣料用途に使用されてきた。さらには、ストレッチ
素材に、ドライ感、保温性を付与するために、ポリウレ
タン系弾性繊維とポリプロピレン繊維を交編、交織した
り、ポリウレタン繊維にポリプロピレン繊維をカバリン
グしたり、合撚したものが用いられてきた。しかし、こ
のような方法で得られた編織物は、フィット性、伸縮性
に優れたものを得ることができるが、風合いが硬くな
り、ドレープ性が低下し、布帛が厚くなるため春夏向け
衣料素材として十分な特性得ることができなかった。一
般にポリウレタン系弾性繊維はその化学構造から、塩素
により脆化しやすく、光やガスにより黄化しやすい欠点
を有し、従来よりその塩素、光、ガスに対する耐久性、
耐黄化性を向上させる技術が開示されてきたが、不十分
であり、これら欠点を改善できる加工糸の開発が急がれ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高次
加工して、衣服などに使用する際、従来の技術では得ら
れなかったソフトな風合い、耐久性、耐塩素性、耐光性
に優れ、生地が薄く、フラット感があり、ドライ感や保
温性のある軽量なストレッチ布帛を得ることができる被
覆糸およびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の被覆糸は、前記
課題を解決するため以下の手段を採用する。
【0006】すなわち、芯糸と鞘糸からなる被覆糸であ
って、芯糸に構成成分の一方がポリエチレンテレフタレ
ートを主成分とし、他方の構成成分がポリトリメチレン
テレフタレートを主成分とするサイドバイサイド型また
は偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合繊維を
用い、鞘糸にポリプロピレン繊維を用いてなることを特
徴とする被覆糸である。
【0007】また本発明の被覆糸の製造方法は、前記課
題を解決するため以下の手段を採用する。
【0008】すなわち、構成成分の一方がポリエチレン
テレフタレートを主成分とし、他方の構成成分がポリト
リメチレンテレフタレートを主成分とするサイドバイサ
イド型または偏芯シース・コア型であるポリエステル系
複合繊維を芯糸として用い、その上からポリプロピレン
繊維を鞘糸として被覆することを特徴とする被覆糸の製
造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、本発明で得られる被覆糸に
ついて説明する。図1は本発明の被覆糸の側面概略図で
ある。前記被覆糸(ハ)は、芯糸であるポリエステル系
複合繊維(イ)の周りを鞘糸であるポリプロピレン繊維
(ロ)が一重または二重に撚回被覆する被覆糸である。
図2は98℃で30分間、無荷重状態で沸騰水処理され
た本発明の被覆糸(ホ)の側面概略図である。芯糸であ
る前記ポリエステル系複合繊維(へ)が、沸騰水処理す
ることにより潜在捲縮が発現することにより、本発明の
被覆糸はかさ高でストレッチ性に富んだものとなる。
【0010】本発明の被覆糸における芯糸は、構成成分
の一方がポリエチレンテレフタレートを主成分とし、他
方の構成成分がポリトリメチレンテレフタレートを主成
分とするサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型
であるポリエステル系複合繊維である。
【0011】前記ポリエステル系複合繊維において極限
粘度の異なる重合体を貼り合わせることによって、紡
糸、延伸時に高粘度側に応力が集中するため、2成分間
で内部歪みが異なる。そのため、延伸後の弾性回復率差
および布帛の熱処理工程での熱収縮差により高粘度側が
大きく収縮し、単繊維内で歪みが生じて3次元コイル捲
縮の形態をとる。この3次元コイルの径および単繊維長
当たりのコイル数は、高収縮成分と低収縮成分との収縮
差(弾性回復率差を含む)によって決まるといってもよ
く、収縮差が大きいほどコイル径が小さく、単位繊維長
当たりのコイル数が多くなる。
【0012】ストレッチ素材として要求されるコイル捲
縮は、コイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数
が多い(伸長特性に優れ、見映えがよい)、コイルの耐
へたり性がよい(伸縮回数に応じたコイルのへたり量が
小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイル
の伸縮特性は、低収縮成分を支点とした高収縮成分の伸
縮特性が支配的となるため、高収縮成分に用いる重合体
には高い伸長性および回復性が要求される。そこで、本
発明者らはポリエステルの特性を損なうことなく前記特
性を満足させるために鋭意検討した結果、低収縮成分に
ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、高収縮成分
に、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分としたポ
リエステル複合繊維を用いることを見いだした。ポリト
リメチレンテレフタレート繊維は、代表的なポリエステ
ル繊維であるポリエチレンテレフタレートやポリブチレ
ンテレフタレート繊維と同等の力学的特性や化学的特性
を有しつつ、伸長回復性がきわめて優れている。これ
は、ポリトリメチレンテレフタレートの結晶構造におい
てアルキレングリコール部のメチレン鎖がゴーシュ−ゴ
ーシュ構造(分子鎖が90度に屈曲)であること、さら
にはベンゼン環同士の相互作用(スタッキング、並列)
による拘束点密度が低く、フレキシビリティーが高いこ
とから、メチレン基の回転により分子鎖が容易に伸長・
回復するためと考えている。
【0013】本発明の被覆糸における芯糸の構成成分で
あるポリエチレンテレフタレートとは、エチレンテレフ
タレート単位を主たる繰り返し単位とする重合体成分か
らなるものが好ましい。すなわち、本発明におけるポリ
エチレンテレフタレートとしては、テレフタル酸を主た
る酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコ−ル
成分として得られるポリエステルが好ましい。ただし、
他のエステル結合を形成可能な共重合成分が20モル%
以下の割合で含まれるものも好ましく、10モル%以下
の割合で含まれるものはより好ましい。共重合可能な化
合物として、たとえばスルフォン酸、ナトリウムスルフ
ォン酸、硫酸、硫酸エステル、硫酸ジエチル、硫酸エチ
ル、脂肪族スルフォン酸、エタンスルフォン酸、クロロ
ベンゼンスルフォン酸、脂環式スルフォン酸、イソフタ
ル酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、アジピ
ン酸、シュウ酸、デカンジカルボン酸などのジカルボン
酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンなど
のヒドロキシカルボン酸などのジカルボンサン類、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロパ
ンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ハイ
ドロキノン、ビスフェノールAなどのジオール類が好ま
しく使用される。
【0014】また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸
化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗
酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料な
どを添加してもよい。
【0015】本発明の被覆糸における芯糸の他の構成成
分であるポリトリメチレンテレフタレートとは、トリメ
チレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とする
重合体成分からなるものが好ましい。
【0016】すなわち、本発明におけるポリトリメチレ
ンテレフタレートとしては、テレフタル酸を主たる酸成
分とし、1,3プロパンジオ−ルを主たるグリコ−ル成
分として得られるポリエステルが好ましい。ただし、他
のエステル結合を形成可能な共重合成分が20モル%以
下の割合で含まれるものも好ましく、10モル%以下の
割合で含まれるものはより好ましい。共重合可能な化合
物として、たとえばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボ
ン酸類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキ
サンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールなどのジオール類が好ましく使用され
る。
【0017】また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸
化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗
酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料な
どを添加してもよい。
【0018】本発明において、コイル状捲縮を発現さ
せ、編織物を形成した際に所望の伸縮性を得る観点か
ら、ポリトリメチレンテレフタレートの極限粘度は1.
0以上であるのが好ましく、1.2以上であるのがより
好ましい。
【0019】本発明で使用するポリエステル系複合繊維
の単糸断面形状はサイドバイサイド型または偏芯シース
・コア型とするものである。
【0020】断面形状がサイドバイサイド型または偏芯
シース・コア型でないと、糸条に熱が付与された際に、
コイル状捲縮が発現せず、糸条に伸縮性を付与すること
ができない問題がある。
【0021】また、ポリエステル系複合繊維におけるポ
リエチレンテレフタレート/ポリトリメチレンテレフタ
レートの重量比率は、製糸性および繊維長さ方向のコイ
ルの寸法均質性の観点から30/70以上70/30以
下の範囲であることが好ましい。
【0022】ポリエステル系複合繊維の繊度は、用途目
的に応じて20デシテックス以上1000デシテックス
以下の範囲が好ましい。
【0023】さらにポリエステル系複合繊維の単糸繊度
は、用途に応じて0.4デシテックス以上25デシテッ
クス以下の範囲が好ましい。
【0024】本発明の被覆糸における鞘糸にはポリプロ
ピレン繊維を用いることが不可欠である。鞘糸にポリプ
ロピレン繊維を用いないと、軽量でフラットな外観を有
し、ストレッチ性の優れた編織物を得ることができない
問題がある。
【0025】鞘として用いるポリプロピレン繊維はフィ
ラメント糸または紡績糸のいずれの態様であってもよ
い。フィラメント糸である場合、態様は、原糸、撚糸、
もしくは先染め糸などのいずれであってもよい。ポリプ
ロピレン繊維の繊度、フィラメント数は表面外観、光
沢、伸縮性、風合いなどを考慮して用途目的に応じて適
宜選択すればよい。
【0026】鞘糸の繊度は、用途目的に応じて20デシ
テックス以上1000デシテックス以下の範囲が好まし
い。
【0027】さらに鞘糸の単糸繊度は用途に応じて0.
4デシテックス以上25デシテックス以下の範囲が好ま
しい。本発明の被覆糸は、優れた伸縮性を得る観点から
鞘糸が芯糸の回りを一重に被覆したものであってもよ
く、また、優れた被覆性を得る観点から鞘糸が芯糸の回
りを二重に被覆したものであってもよい。
【0028】次に、本発明の被覆糸の製造方法について
説明する。図3は本発明の被覆糸の製造方法の一例を示
す概略模式図である。
【0029】本発明においては、前記ポリエステル系複
合繊維を芯糸として用い、その上からポリプロピレン繊
維を鞘糸として被覆するものである。
【0030】被覆の際には市販のカバリング機等が好ま
しく用いられる。
【0031】図3は二重被覆の例であり、図3におい
て、芯糸1として使用するポリエステル系複合繊維は、
コイル状の顕在捲縮を有するため、安定したドラフトを
得て、糸切れの発生を防止する観点、鞘糸2のバルーン
を安定させて、糸長さ方向のヨリムラを抑制し、スラブ
状の加工糸を形成することを防止する観点から、カバリ
ング機のフィードローラ4とデリベリローラ11との間
のドラフトゾーンに挿入される直前のワッシャーテンサ
3とフィードローラ4の間で、0.01cN/dtex
以上のプレテンションがかかるようにすることが好まし
い。芯糸にプレテンションをかける方法としては、図3
ではワッシャーテンサ3を使用しているが、マグネット
テンサなども好ましく使用される。
【0032】芯糸に0.01cN/dtex以上のプレ
テンションをかけた状態で、芯糸の走行を安定させて、
糸切れを防止し、ドラフトでのゴムローラの破損やドラ
フト間での糸のスリップによる延伸ムラ、糸切れを防止
する観点から、ドラフトは0.95以上1.6以下の範
囲にすることが好ましく、1.03以上1.2以下の範
囲にすることがより好ましい。
【0033】鞘糸は、市販の高速ワインダーにより、H
ボビン2に巻き取られた後、図3のように下段スピンド
ル5および上段スピンドル7に設置され、スピンドルを
回転させることによって芯糸に巻き付けられ、被覆糸を
形成する。
【0034】得られた被覆糸は、テイクアップローラ1
3によりチーズ14に巻き取られる。
【0035】なお、一重被覆糸を製造する際には、上段
スピンドルまたは下段スピンドルのいずれか一方にHボ
ビン1本を設置して、スピンドルを回転させることによ
って芯糸に鞘糸を巻き付ける。
【0036】鞘糸を芯糸に被覆する際、鞘糸のヨリ数
は、鞘糸のデニール、フィラメント数により適宜選択す
ればよいが、100〜2000T/mの範囲とするのが
好ましい。
【0037】また、二重に被覆する場合、上ヨリ数は下
ヨリ数の0.7〜0.9倍のヨリ数とすることが好まし
く、トルクをうち消すため、上ヨリは、下ヨリの逆方向
にかけるのが好ましい。
【0038】本発明の被覆糸を用いた編織物はシボ、し
わが発生しにくく、ストレッチ性に優れ、フラットな外
観を有し、軽量であり、一般衣料用途及び産業資材用途
に幅広く展開できる。
【0039】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
る。
【0040】なお実施例中の極限粘度(η)は次の方法
で求めた。
【0041】ただし、本発明がこれら実施例により限定
されるものではない。 [極限粘度(η)]オルソクロロフェノール10mlに
対し試料0.10gを溶解し、温度25℃においてオス
トワルド粘度計を用いて測定した。
【0042】[実施例1]極限粘度が1.31のポリト
リメチレンテレフタレートと極限粘度が0.52のポリ
エチレンテレフタレートをそれぞれ別々に溶融し、紡糸
温度260℃で24孔の複合紡糸口金よりポリエチレン
テレフタレート/ポリトリメチレンテレフタレートの重
量比率が50/50となるように吐出し、紡糸速度14
00m/分で引き取り、165dtex24フィラメン
トの未延伸糸を得た。さらに、ホットロール−熱板系延
伸機を用い、ホットロール温度70℃、熱板温度145
℃延伸倍率3.0で延伸して、56dtex24フィラ
メントのサイドバイサイド型ポリエステル系複合繊維
(延伸糸)を得た。得られたポリエステル系複合繊維を
芯糸とし、56dtex24フィラメントポリプロピレ
ン延伸糸を鞘糸として用い、図3に示されるカバリング
工程を使用して、以下の条件でカバリング加工を施し
た。
【0043】なお、芯糸は、カバリング機のフィードロ
ーラ4とデリベリローラ11との間のドラフトゾーンに
挿入される直前のワッシャーテンサ3とフィードローラ
4の間で、0.01cN/dtex以上のプレテンショ
ンがかかるように、ワッシャーテンサを介して、給糸し
た。
【0044】プレテンション:4g ドラフト:1.1倍 ヨリ数:Z1400T/m スピンドル回転数:10000rpm 巻取比:95.0% 得られた一重被覆糸を用いて、28ゲージ、1口編機で
編成し、精練、仕上げ加工した結果、着用時の耐久性、
耐塩素性、耐光性に優れ、美しい外観を有し、生地が薄
くフラット感があり、シボ、しわが発生せず軽量で保温
性のあるストレッチ性の良好な編地を得た。
【0045】さらに、得られた一重被覆糸を緯糸として
用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラック
ス精練、150℃で仕上熱固定し、1/3のツイル織物
を得た。本発明の被覆糸を使用した織物は美しい外観を
有し、ソフト感を併せ持ち、ストレッチ性が良好であっ
た。
【0046】[実施例2]実施例1で使用したものと同
じ56dtex24フィラメントのサイドバイサイド型
ポリエステル系複合繊維を芯糸とし、鞘糸として56d
tex24フィラメントのポリプロピレンウーリー加工
糸を用い、実施例1と同様に以下の条件でカバリング加
工を施し、二重被覆糸を得た。
【0047】プレテンション:4g ドラフト:1.1倍 下ヨリ数:S800T/m 上ヨリ数:Z680T/m スピンドル回転数:10000rpm 巻取比:96.0% 得られた二重被覆糸を用いて、実施例1と同様に、28
ゲージ、1口編機で編成し、精練、仕上げ加工した結
果、着用時の耐久性、耐塩素性、耐光性に優れ、生地が
薄くフラット感があり、軽量でストレッチ性に富み、ア
ウターウェアに好適な編地を得た。実施例1に比べ、ス
トレッチ性は低減したが、被覆性が良好であるため、よ
り良好なドライ感、清涼感を有する編地となった。
【0048】さらに、得られた二重被覆糸を緯糸として
用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラック
ス精練、150℃で仕上熱固定し、1/3のツイル織物
を得た。本発明の被覆糸を使用した織物は反発性に富
み、シャリミ感を併せ持ち、ストレッチ性が良好であ
り、シャツ地に好適な織物を得た。
【0049】[比較例1]20dtexのポリウレタン
系弾性繊維を芯糸とし、鞘糸として56dtex24フ
ィラメントのポリプロピレン延伸糸を用い、実施例1と
同様に以下の条件でカバリング加工を施し、一重被覆糸
を得た。ただし、ポリウレタン系弾性繊維の給糸は、転
がし給糸(積極送り)で行った。
【0050】ドラフト:3.0倍 ヨリ数:Z1000T/m スピンドル回転数:10000rpm 巻取比:93.0% 得られた一重被覆糸を用いて、実施例1と同様に、28
ゲージ、1口編機で編成し、精練、仕上げ加工した結
果、高レベルの伸縮性はあるものの、着用時の耐久性、
耐塩素性、耐光性に劣り、生地が厚く、風合いの硬い編
地を得た。
【0051】さらに、得られた一重被覆糸を緯糸として
用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラック
ス精錬、150℃で仕上熱固定し、1/3のツイル織物
を得た。得られた織物は伸縮性に富むが、生地が厚く、
風合いの硬い織物となった。
【0052】[比較例2]20dtexのポリウレタン
系弾性繊維を芯糸とし、鞘糸として56dtex24フ
ィラメントのポリプロピレンウーリー加工糸を用い比較
例1と同様に以下の条件でカバリング加工を施し、二重
被覆糸を得た。
【0053】ドラフト:3.0倍 下ヨリ数:S800T/m 上ヨリ数:Z680T/m スピンドル回転数:10000rpm 巻取比:95.0% 得られた二重被覆糸を用いて、実施例1と同様に、28
ゲージ、1口編機で編成し、精練、仕上げ加工した結
果、高レベルの伸縮性はあるものの、着用時の耐久性、
耐塩素性、耐光性に劣り、生地が厚く、風合いの硬い編
地を得た。
【0054】[比較例3]実施例1で使用したものと同
じ56dtex24フィラメントのサイドバイサイド型
ポリエステル系複合繊維を芯糸とし、鞘糸として56d
tex24フィラメントのポリエチレンテレフタレート
糸を用い比較例1と同様に以下の条件でカバリング加工
を施した。
【0055】プレテンション:4g ドラフト:1.1倍 ヨリ数:Z1400T/m スピンドル回転数:10000rpm 巻取比:95.0% 得られた一重被覆糸を用いて、実施例1と同様に、28
ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染料で
染色し、仕上げ加工した結果、所望のストレッチ性は得
ることができたが、風合いがやや硬く、軽量感に欠く編
地となった。
【0056】
【発明の効果】本発明の被覆糸を用いることにより、耐
久性、耐塩素性、耐光性に優れ、生地が薄くフラット感
があり、ポリプロピレン独特の軽量で保温性のあるスト
レッチ布帛を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被覆糸の一例を示す概略側面図であ
る。
【図2】無荷重状態で沸騰水処理された本発明の被覆糸
の一例を示す概略側面図である。
【図3】本発明の被覆糸の製造方法の一例を示す概略模
式図である。
【符号の説明】
(イ):芯糸 (ロ):鞘糸 (ハ):被覆糸 (ニ):芯糸 (ホ):鞘糸 (ヘ):被覆糸 1:芯糸 2:鞘糸 3:ワッシャーテンサ 4:フィードローラ 5:下段スピンドル 6:下段ベルト 7:上段スピンドル 8:上段ベルト 9:Hボビン 10:スネルガイド 11:デリベリローラ 12:ガイドバー 13:テイクアップローラ 14:チーズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒岩 三重子 滋賀県大津市園山1丁目1番2号 東レ・ デュポン株式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4L036 MA04 MA05 MA15 MA17 MA39 PA46 RA03 RA04 RA24 UA01 UA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯糸と鞘糸からなる被覆糸であって、芯糸
    に構成成分の一方がポリエチレンテレフタレートを主成
    分とし、他方の構成成分がポリトリメチレンテレフタレ
    ートを主成分とするサイドバイサイド型または偏芯シー
    ス・コア型であるポリエステル系複合繊維を用い、鞘糸
    にポリプロピレン繊維を用いていることを特徴とする被
    覆糸。
  2. 【請求項2】前記ポリエステル系複合繊維のポリエチレ
    ンテレフタレート/ポリトリメチレンテレフタレートの
    重量比率が30/70〜70/30であることを特徴と
    する請求項1に記載の被覆糸。
  3. 【請求項3】構成成分の一方がポリエチレンテレフタレ
    ートを主成分とし、他方の構成成分がポリトリメチレン
    テレフタレートを主成分とするサイドバイサイド型また
    は偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合繊維を
    芯糸として用い、その上からポリプロピレン繊維を鞘糸
    として被覆することを特徴とする被覆糸の製造方法。
  4. 【請求項4】鞘糸を一重に被覆することを特徴とする請
    求項3に記載の被覆糸の製造方法。
  5. 【請求項5】鞘糸を二重に被覆することを特徴とする請
    求項3に記載の被覆糸の製造方法。
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