JP4882697B2 - 弾性経編地 - Google Patents

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Description

本発明は、スポーツウエア、水着、レオタード、およびファンデーション等のインナーウエアに好適とされる、優れた伸長性と回復性および優れた表面品位を兼ね備えた弾性経編地に関する。
スポーツウエア、水着、およびインナーウエア等の伸縮性が要求される用途に対して、弾性経編地が広く使用されており、特に近年、身体の動きに対する運動追従性に優れたスポーツ衣料、インナー衣料が求められており、伸長回復性に優れたストレッチ素材の要求が高まっている。
従来から、高いストレッチ性と回復性を得るためにスパンデックスと呼ばれるポリウレタン系弾性繊維をナイロン繊維、ポリエステル繊維などと交編した編地や、ポリブチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸を交編した編地が、スポーツ、インナー衣料等に広く用いられている。特に、身体に密着する衣料としては、例えば、トリコット編機で編成されたツーウエイトリコット編地や、ラッセル編機で編成されたサテンネット、トリコットネット編地等の表面平滑性に優れ、形態保持性の比較的良好な経編地が広く用いられている。
ポリウレタン系弾性繊維は、ストレッチ性や伸張回復性には優れるが、熱セット性が低く、また収縮応力が大きいことにより、経編地が比較的高密度になるため、製品としては、着用感に重量感を与えるという欠点がある。さらに着用による繰り返し伸縮、繰り返し洗濯、洗濯後のタンブラー乾燥などの物理的作用や、洗濯時の漂白剤、プールの活性塩素、皮脂や化粧品に含まれる有機性脂質成分、日光暴露などの科学的作用によって、ポリウレタン系弾性繊維の伸縮機能が低下、脆化、さらには糸切れするという問題があり、製品の伸縮機能低下や形態変化が生じ、長期間の使用に耐え難いという欠点を有していた。
一方、ポリエステル繊維や、ナイロン繊維に仮撚加工を施し、加撚/解撚によるトルクを発現させた繊維を交編することにより、ストレッチ性を付与する方法が一般的に行われているが、これらの仮撚加工糸の伸長力がポリウレタン系弾性繊維と比べて小さく、高いストレッチ性を実現できない。
さらに、ポリブチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸を交編する方法も探られてきたが、この繊維を交編しても、十分な高いストレッチ性を実現できていない。
前述のような欠点を有する弾性繊維や、仮撚加工糸の代替として、2成分のポリマーをサイドバイサイド型や偏心芯鞘型に接合した複合糸が種々提案されている。例えば、固有粘度差を有する2成分のポリエチレンテレフタレートポリマーを偏心的に複合紡糸した複合糸(例えば、特許文献1参照)、ポリエチレンテレフタレートポリマーとそれより高収縮成分である共重合ポリエチレンテレフタレートポリマーをサイドバイサイド型に複合紡糸した潜在捲縮性複合糸(例えば、特許文献2参照)が提案されている。また、さらに伸長性を出す方法として、固有粘度差を有する2種のポリトリメチレンテレフタレートをサイドバイサイド型に複合紡糸した潜在捲縮発現性繊維を用いた編地(例えば、特許文献3参照)が提案されている。しかしながら、これらの提案された従来の繊維は、その繊維の有する高捲縮性のために、テンションバーや、ガイド、シンカー、ニードル等の編機部材で擦られ、ループがニードルから抜ける際の張力変動が大きいために、不均一にバネ状のクリンプ形状が発生し、表面品位の荒れた編地になるという欠点を有していた。特に、2種のポリトリメチレンテレフタレートをサイドバイサイド型に複合紡糸した潜在捲縮発現性繊維を用いた編地(特許文献3参照)はハーフ組織等の1針オーバーラップ組織の提案であり、高伸長性を有する代わりに、相反して、表面品位の劣った編地であった。
このように、従来技術では、優れた伸長性と回復性および優れた表面品位を兼ね備えた弾性経編地を得られていないのが実状であった。
特公昭44−2504号公報 特開平5−295634号公報 国際公開WO2003/004747号公報
本発明の課題は上記のような従来の問題点を克服した、優れた伸長性と回復性および優れた表面品位を兼ね備えた弾性経編地を提供することにある。
上記課題を克服するために、鋭意検討の結果、本発明を成すに至った。すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(1)フロントの筬に非弾性繊維を、バックの筬に潜在捲縮発現性繊維を配して交編してなる経編地であって、該フロントの非弾性繊維の編組織が2針オーバーラップする閉じ目の二目編組織であることを特徴とする弾性経編地。
(2)潜在捲縮発現性繊維が編地に対して、10重量%以上の混率で編成されていることを特徴とする前記(1)に記載の弾性経編地
(3)潜在捲縮発現性繊維が、少なくとも1種類がポリトリメチレンテレフタレートからなるポリエステル重合体が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に貼り合わされた複合繊維であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の弾性経編地。
(4)バックの潜在捲縮発現性繊維がニットループを形成することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の弾性経編地。
(5)バックの潜在捲縮発現性繊維がデンビ組織からなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の弾性経編地。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の弾性経編地を用いたことを特徴とする水着。
(7)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の弾性経編地を用いたことを特徴とするスポーツウエア。
本発明の潜在捲縮発現性繊維を配して交編してなる経編地は、優れた伸長性と回復性を有しており、フロントに配する非弾性糸の組織を2針オーバーラップさせることにより、編成張力を安定化し、優れた表面品位を有する弾性経編地となる。
本発明に用いる潜在捲縮発現性繊維は、少なくとも2種のポリマー成分で構成されている複合合成繊維であり、具体的には、サイドバイサイド型または偏心芯鞘型に接合された複合繊維を用いることができる。特に、高伸長性を実現するためには、サイドバイサイド型の複合繊維が好ましい。
サイドバイサイド型の複合繊維は、ポリマーの種類や固有粘度、共重合成分、共重合率等が異なる重合体を貼り合わせ、それらの弾性回復率や収縮特性の差によって、捲縮を発現するものである。粘弾性が異なるポリマーの組み合わせの場合、紡糸、延伸時に高粘度側に応力が集中するため、2成分間で内部歪みが異なる。そのため、延伸後の弾性回復率差および編地の熱処理工程での熱収縮率差により高粘度側が収縮し、単繊維内で歪みが生じて3次元コイル捲縮の形態をとる。この3次元コイルの径および単位繊維長当たりのコイル数は、高収縮成分と低収縮成分との収縮差(弾性回復率差を含む)によって決まるといってよく、収縮差が大きいほどコイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多くなる。
偏心芯鞘型の複合繊維においても、ポリマーの種類や固有粘度、共重合成分、共重合率等が異なる重合体を偏心芯鞘型に複合紡糸したものであり、それらの弾性回復率や収縮特性の差によって、捲縮を発現するものである。
弾性経編地として要求されるコイル捲縮は、コイル径が小さく、単位繊維長さ当たりのコイル数が多い(伸長特性に優れ、見映えが良い)、コイルの耐ヘタリ性が良い(伸長回復に応じたコイルのヘタリ量が小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイルの伸長回復時におけるヒステリシスロスが小さい(弾発性に優れ、フィット感がよい)などである。
また、フィラメント糸条の長さ方向に形成されるコイルの位相は、糸条を構成させる全単繊維のコイル位相が揃った場合、一本のフィラメント糸条は一本のバネ状の糸条となる。この糸条を用いた弾性経編地はフクラミを持ったソフト感を有する。逆に、糸条を構成させる全単繊維のコイル位相が異なった場合、一本のフィラメント糸条は一本のフクラミを持つ仮撚/解撚した仮ヨリ状の糸条となる。この糸条を用いた弾性経編地はさらにフクラミを持ったソフト感を有する。弾性経編地を得る場合、どの糸条を使用するのか特に限定するものではなく、要求特性に応じて適宜使い分ければよい。
これらの要求を満足しつつ、ポリエステルとしての特性、例えば適度な張り腰、ドレープ性、高染色堅牢性を有することで、トータルバランスに優れたストレッチ素材である弾性経編地を提供することができる。
ここで、前記のコイル特性を満足するためには高収縮成分(高粘度成分)の特性が重要となる。コイルの伸縮特性は、低収縮成分を支点とした高収縮成分の伸縮特性が支配的となるため、高収縮成分に用いる重合体には高い伸長性および回復特性が要求される。
そこで、本発明者らはポリエステルの特性を損なうことなく前記特性を満足させるために鋭意検討した結果、高収縮成分にポリトリメチレンテレフタレート(以下PTTと略記する)を主体としたポリエステルを用いるのが好ましいことを見出した。PTT繊維は、代表的なポリエステル繊維であるポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記する)やポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略記する)繊維と同等の力学的特性や化学的特性を有しつつ、伸長回復性に極めて優れている。これは、PTTの結晶構造においてアルキレングリコール部のメチレン鎖がゴーシュ−ゴーシュの構造(分子鎖が90度に屈曲)であること、さらにはベンゼン環同士の相互作用(スタッキング、並列)による拘束点密度が低く、フレキシビリティーが高いことから、メチレン基の回転により分子鎖が容易に伸長・回復するためと考えている。
ここで、PTTとは、20モル%以上、より好ましくは10モル%以上がPTTの繰り返し単位からなり、テレフタール酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、20モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合で他のエステル結合の形成が可能な共重合成分を含むものであってもよい。共重合可能な化合物として、例えば、イソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジオール類を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてのヒンダードフェノール誘導体、着色顔料等を添加してもよい。
また、低収縮成分には高収縮成分であるPTTとの界面接着性が良好で、製糸性が安定している繊維形成性ポリエステルであれば特に限定されるものではないが、力学的特性、化学的特性および原料価格を考慮すると、繊維形成能のあるPTT、PET、PBTが好ましい。
また、PETとは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、いずれの成分も、20モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合で他のエステル結合の形成が可能な共重合成分を含むものであってもよい。共重合可能な化合物としては、例えばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのジオール類を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、PTTの紡糸温度における溶融粘度は、もう一方の低収縮成分の紡糸温度における溶融粘度の1.0〜5.0倍であることが好ましい。1.0倍以上、好ましくは1.1倍以上とすることで、紡糸の繊維形成時においてPTTがより大きな紡糸応力を受け、より強い捲縮発現能力を得ることができる。一方、5.0倍以下、好ましくは4.0倍以下とすることで、複合形態の制御が容易となり、また口金下の吐出ポリマの曲がりも紡糸に問題のない程度に抑えることができる。
また、両成分の複合比率は製糸性および繊維長さ方向のコイルの寸法均質性の点で、高収縮成分:低収縮成分=75:25〜35:65(重量%)の範囲が好ましく、65:35〜45:55の範囲がより好ましい。
また、サイドバイサイド型複合繊維の繊維断面形状は、丸断面、三角断面、マルチローバル断面、扁平断面、ダルマ型断面、C型断面、M型断面、H型断面、X型断面、W型断面、I型断面、+型断面を用いることができるが、捲縮発現性と風合いのバランスからは、図1に示すような丸断面の半円状サイドバイサイド、軽量性、保温性を狙う弾性経編地の場合は中空サイドバイサイド、ドライ風合いを狙う場合は三角断面サイドバイサイドが好ましく用いられる。
サイドバイサイド型または偏心芯鞘型複合繊維は、単糸繊度が0.1〜11デシテックス、総繊度が22〜193デシテックスのフィラメント糸条から構成されることが好ましい。
単糸繊度を11デシテックス以下とすることで、編地の風合いをソフトで適度なドレープ性を有する弾性経編地を提供することができる。また、0.1デシテックス以上、さらに好ましくは、1.1デシテックス以上とすることで複合製糸が良好となり、また、捲縮構造が反映され、良好なストレッチ性も得ることができる。さらに、異繊度混繊糸等の単糸繊度の異なる糸を用いるようにしてもよい。このような異繊度混繊糸は、ソフトでかつ適度な張りのある弾性経編地を作る観点から好ましい。
編地の構成糸に対するサイドバイサイド型または偏心芯鞘型複合繊維の混率は、10重量%以上とすることが好ましく、20重量%以上とすることがさらに好ましく、30重量%以上とすることがより好ましい。この混率が10重量%未満の場合は、弾性経編地のタテおよびヨコ方向の平均伸長率、および平均伸長回復率について良好な特性を得ることができにくくなる。また、該複合繊維の混率は、75重量%以下が好ましい。75重量%より大きくなると、実質、非弾性糸の繊度が潜在捲縮発現性繊維対比細くなり過ぎ、潜在捲縮発現性繊維の捲縮ムラが表面からみえるようになり、すなわち、イラツキが発生し、品位が低下するようになる。
サイドバイサイド型または偏心芯鞘型複合繊維の編地への混用方法としては、交撚、引き揃え、カバーリング、混繊などを採用することができ、要求特性、編地形成法、編組織などに応じて適宜使い分ければよい。
一方、フロントに用いる非弾性繊維の素材としては、合成繊維であるポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリビニールアルコール系繊維、ポリ塩化ビニール系繊維、ポリプロピレン系繊維、もしくは半合成繊維であるアセテート系繊維もしくは再生繊維であるビスコース・レーヨン、キュプラを含むセルロース系繊維、牛乳蛋白繊維、大豆蛋白繊維を含む蛋白質系繊維、ポリ乳酸系繊維、もしくはこれらのフィラメント糸条使いや紡績糸使い、または、混紡糸使い、もしくは綿、麻を含む植物系天然繊維、もしくは羊毛、カシミヤ、絹を含む動物系天然繊維、またはさらにこれらの混紡糸使いなどがある。
本発明の弾性経編地は、トリコット編機、ラッセル編機にて編成可能であり、編機のゲージについては、特に限定されないものの、18〜40ゲージの編機を、使用する繊維の太さによって、任意に選択すれば良い。
フロントの非弾性糸の組織としては、全通しとすることが好ましく、2針オーバーラップする二目編組織とすれば良いが、より好ましくは、2−0/2−0、2−0/1−3、2−0/2−4で示される閉じ目の二目編組織とすることが好ましい。閉じ目の二目編組織とすることで、編成時に、バックの潜在捲縮性発現性繊維をしっかりと押さえて編成でき、編成張力を安定させ、優れた表面品位を有する経編地を供給することが可能となる。また、0−2/2−0、0−2/3−1、0−2/4−2で示される開き目組織は、編成張力が低くなるため、目標目付や性量等の生地設計によっては、編成時に、バックに配する潜在捲縮性発現繊維をしっかりと押さえて編成できず、得られる生地の表面品位が劣る結果となる。
バックの潜在捲縮性発現性繊維は全通しとすることが好ましく、組織としては特に限定されるものではないが、1−2/1−0で示される1/1デンビ組織、2−3/1−0で示される1/2プレーンコード組織、3−4/1−0で示される1/3サテン組織のような閉じ目組織が好ましい。より好ましくは、タテ方向、ヨコ方向に高い伸長性を実現する1−2/1−0の1/1デンビ組織が好ましい。開き目組織は、ループが動きやすく、生地設計によっては、伸長時にループが動き、捲縮が引っ掛かることにより、生地の戻りが悪くなる、いわゆる生地のワライが発生する原因となる。
生機の編成条件としては、上記、糸使い、糸繊度、組織の組み合わせで、安定した張力と優れた生地品位になるよう、適宜調整すれば良い。
製編された生機編地の熱処理、精練や染色等の加工は、通常の編地の加工法に準じて行えばよいが、サイドバイサイド型または偏心芯鞘型複合繊維の潜在捲縮をスプリング構造としてより効果的に発現させるために、リラックス・精練熱処理温度を80℃以上とすることが好ましい。
また、要求される伸度特性、伸度バランスにより、適宜仕上げ性量を調整すれば良い。
さらに、染色段階での付帯加工として、防汚加工、抗菌加工、消臭加工、防臭加工、吸汗加工、吸湿加工、紫外線吸収加工、減量加工など、さらに、後加工としてカレンダー加工、エンボス加工、シワ加工、起毛加工、オパール加工など、最終狙いの要求特性に応じて適宜付与することが好ましい。
本発明の弾性経編地はスポーツウエア、水着、レオタード、およびファンデーション等のインナーウエア、その他にも、一般紳士・婦人服等、幅広く展開可能であるが、特に、優れた伸長性および伸長回復特性を必要とする水着素材およびスポーツウエアとして適している。
以下、本発明を、実施例を用いて説明する。実施例における各評価は次のとおり行った。
(1)固有粘度(IV)
オルソクロロフェノール(以下OCPと略記する)10ml中に試料ポリマーを0.8g溶かし、25℃にて、オストワルド粘度計を用いて、相対粘度ηrを下記式により求め、IVを算出した。
ηr=η/η0=(t×d)/(t0×d0)
IV=0.0242ηr+0.2634
ここで、η:ポリマー溶融粘度、η0:OCPの粘度、t:溶液の落下時間(秒)、d:溶液の密度(g/m)、t0:OCPの落下時間(秒)、d0:OCPの密度(g/m
(2)溶融粘度
東洋精機(株)社製キャピログラフ1Bを用いて、チッソ雰囲気下で測定した。実施例中に示す温度(実施例1においては275℃)を測定温度とし、歪み速度6080sec−1での測定を3回行い、平均値を溶融粘度とした。
(3)伸長率
伸長率の試験方法はJIS L 1018「メリヤス生地試験方法」の定荷重時伸び率の測定方法に準じて行った。すなわち、5cm×30cmの試験片をタテ、ヨコ方向にそれぞれ3枚ずつ採取し、引張試験機を用い、つかみ間隔20cmで、初荷重29mfを加え、20cm間隔に印を付け、その後、荷重4.9Nを加えたまま1分間放置し、放置後の印の長さ(cm)を計り、次式によって伸長率(%)を求め、平均値で表した。
伸長率(%)=[(L1−L)/L]×100
L :もとの印間の長さ(cm)
L1:4.9Nの荷重を加え、1分間放置後の印間の長さ(cm)
(4)平均伸長回復率
また、伸長回復率(%)は、JIS L 1018「メリヤス生地試験方法」のB法(定荷重法)に準じて行った。すなわち、5cm×30cmの試験片をタテ、ヨコ方向に、それぞれ5枚ずつ採取し、引張試験機を用い、つかみ間隔20cmで、初荷重29mfを加え、20cm間隔に印を付け、その後、荷重4.9Nを加えたまま1分間放置し、直ちに荷重を取り除き、更に3分間放置する。この操作を5回繰り返した後、初荷重のもとで、再び印間の長さ(cm)を計り、次式によって伸長回復率(%)を求め、平均値で表した。
伸長回復率(%)=[(L0−L1)/(L0−L)]×100
L :もとの印間の長さ(cm)
L0:4.9Nの荷重を加え、1分間放置後の印間の長さ(cm)
L1:荷重を取り除いた後、3分間放置後に初荷重を加えた時の印間の長さ(cm)
[実施例1]
固有粘度(IV)が1.40、275℃における溶融粘度が750poiseのホモPTTと固有粘度(IV)が0.60、275℃における溶融粘度が650poiseのホモPETをそれぞれ別々に溶融し、紡糸温度275℃で48孔の複合紡糸口金から複合比(重量%)50:50で吐出し、紡糸速度1400m/分で引取り、サイドバイサイド型複合構造未延伸糸を得た。さらにホットロール−熱板系延伸機を用いて延伸し次いで一旦引き取ることなく、連続してリラックスして巻き取り、56デシテックス24フィラメントの延伸糸を得た(繊維断面は図1)。
得られた延伸糸をバックの筬に、フロントに33デシテックス12フィラメントのポリエステルフィラメント(PET)を配し、カールマイヤー製の28ゲージのシングルトリコット機を用いて、フロントの組織を2−0/1−3(図2のA参照)、該ランナーを253(cm/Rack)、バックの組織を1−2/1−0(図2のB参照)、該ランナーを129(cm/Rack)で編成し、生機を得た。
この生機を通常のポリエステル弾性経編地の染色加工仕上げに従い、精練、リラックス、染色、仕上げセットを実施し、目付195g/m、サイドバイサイド型複合繊維糸の含有率が46重量%、密度61ウエール、76コースの編地を得た。
得られた編地はタテ方向の伸長率が31.1%、ヨコ方向の伸張率が50.3%、タテ方向の伸長回復率が96.6%、ヨコ方向の伸張回復率が97.2%であり、優れた結果となった。また、得られた、生地の表面品位は捲縮発現のムラによる表面荒れや経筋等も無く、非常に綺麗で洗練された外観品位を有していた。
本生地を水着として縫製し、着用試験を実施した結果、被験者より優れた運動追従性を有しているとの意見を得た。
[実施例2]
繊度、フィラメント数が異なる他は実施例1と同様のPTT/PETのサイドバイサイド複合フィラメント糸の33デシッテクス12フィラメントをバックに、フロントに33デシテックス12フィラメントのポリエステルフィラメント(PET)を配し、実施例1と同様に、28ゲージのシングルトリコット機で、フロントの組織を2−0/1−3(図2のA参照)、該ランナーを247(cm/Rack)、バックの組織を1−2/1−0(図2のB参照)、該ランナーを123(cm/Rack)で編成し、生機を得た。この生機を通常のポリエステル弾性経編地の染色加工仕上げに従い、精練、リラックス、染色、仕上げセットを実施し、目付152g/m、サイドバイサイド型複合糸の含有率が33重量%、密度58ウエール、71コースの編地を得た。
得られた編地はタテ方向の伸長率が33.5%、ヨコ方向の伸張率が59.2%、またタテ方向の伸長回復率が93.4%、ヨコ方向の伸張回復率が95.1%であり、優れた結果となった。また、得られた、生地の表面品位は捲縮発現のムラによる表面荒れや経筋等もなく、非常に綺麗で洗練された外観品位を有していた。
本生地をスポーツ用インナーウエアに縫製し、着用試験を実施した結果、被験者より優れた運動追従性を有しているとの意見を得た。
[比較例1]
実施例1で得られたPTT/PETのサイドバイサイド複合フィラメント糸の56デシッテクス24フィラメントをバックに、フロントに33デシテックス12フィラメントのポリエステルフィラメント(PET)を配し、カールマイヤー製の28ゲージのシングルトリコット機で、フロントの組織を2−3/1−0(図3のA参照)、バックの組織を1−2/1−0(図3のB参照)のハーフ組織で編成し、生機を得た。
この生機を通常のポリエステル弾性経編地の染色加工仕上げに従い、精練、リラックス、染色、仕上げセットを実施し、目付192g/m、密度61ウエール、76コースの編地を得た。
得られた編地はタテ方向の伸長率が37.9%、ヨコ方向の伸張率が58.3%、またタテ方向の伸長回復率が95.0%、ヨコ方向の伸張回復率が97.0%であり、伸長特性は優れたものであったが、捲縮発現ムラによる、イラツキ、表面荒れ、経筋が発生しており、外観品位としては良好なものではなかった。
本発明に使用する繊維の繊維横断断面形状の一例を示すモデル図である。 実施例1、実施例2の編地の編方図である。 比較例1の編地の編方図である。
符号の説明
1:PTT
2:PET
A:フロントの組織
B:バックの組織

Claims (7)

  1. フロントの筬に非弾性繊維を、バックの筬に潜在捲縮発現性繊維を配して交編してなる経編地であって、該フロントの非弾性繊維の編組織が2針オーバーラップする閉じ目の二目編組織であることを特徴とする弾性経編地。
  2. 潜在捲縮発現性繊維が編地に対して、10重量%以上の混率で編成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性経編地
  3. 潜在捲縮発現性繊維が、少なくとも1種類がポリトリメチレンテレフタレートからなるポリエステル重合体が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に貼り合わされた複合繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の弾性経編地。
  4. バックの潜在捲縮発現性繊維がニットループを形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の弾性経編地。
  5. バックの潜在捲縮発現性繊維がデンビ組織からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の弾性経編地。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の弾性経編地を用いたことを特徴とする水着。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の弾性経編地を用いたことを特徴とするスポーツウエア。
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