JP2005179886A - 水着 - Google Patents

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氏輝 丹羽
Hirokazu Ide
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Abstract

【課題】機械強度、耐薬品性、染色加工性、ソフト感、ふくらみ感などを維持しながら優れたストレッチ性と回復性、および防透け性を有する編地からなる水着を提供すること、およびかかる水着を効率的に低コストで提供する。
【解決手段】異種のポリエステル重合体が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維フィラメントを構成糸全体の10重量%以上含む、タテおよびヨコ方向の平均伸長率が70%以上、平均伸長回復率が75%以上である編地からなり、かつ該編地のLY値が6%以下であることを特徴とする水着。
【選択図】図1

Description

本発明は、伸長率と伸長回復率、および防透け性に優れた水着に関するものである。
水着には100分の1秒の速さを競う競泳用水着、夏の浜辺やホテルのプールで楽しむ遊泳用水着、小中学校の体育時間に着用する学童用水着、さらには健康維持を目的とするフィットネス用水着など多くの水着がある。
これらの水着は身体全体を激しく動かすことから、身体に十分フィットし、身体の動きを妨げず、その動きに追従する優れたストレッチ性と回復性が要求される。さらには、水に濡れても透けない防透け性が要求される。
従来から、水着としてのフィット性、およびストレッチ性と回復性を得るために、スパンデックスと呼ばれるポリウレタン系弾性繊維をナイロン繊維やポリエステル繊維と組み合わせた編地からなる水着が一般的に使用されている。
しかしながら、ポリウレタン系弾性繊維は高いストレッチ性を有するものの、これを混用した場合、ポリウレタン固有の性質として風合いが硬くなり、水着の風合いやドレープ性が低下する傾向にある。また、ポリエステル繊維に混用した場合、ポリエステル用の分散染料には染まり難く、洗濯液汚染の問題、および水着の湿摩擦堅牢度低下の問題がつきまとう。そのため還元洗浄の強化など染色工程が複雑になるばかりか、所望の色彩に染色することが困難であった。さらに耐熱性が劣るため水着表面の荒れの問題がある。また、ポリウレタン系弾性繊維のコストも非常に高いものである。
また、ポリウレタン系弾性繊維をナイロン繊維やポリエステル繊維と組み合わせた場合、水着としてのストレッチ性と回復性を得るために、編地の製編段階でポリウレタン系弾性繊維を約2倍に伸長して編み込むため、その総繊度が約2分の1にまで細くなって編地形成されること、また、その繊維基質が透明性であることから、白色系や肌色、黄色、ピンク色、クリーム色、薄青色などの中淡色傾向の色目に染色され、水着に縫製して着用された場合、透けるという問題があった。
また例えば、ポリブチレンテレフタレート繊維を混用する編地からなる方法も採られてきた。しかし、この繊維を混用しても、まだ十分に満足されるストレッチ性を有する水着を得ることができない。
特開平9−119005号公報
本発明は、上述したかかる従来技術の問題点を解決し、機械強度、耐薬品性、染色加工性、ソフト感、ふくらみ感などを維持しながら優れたストレッチ性と回復性、および防透け性を有する編地からなる水着を提供すること、およびかかる水着を効率的に低コストで提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するため、本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
(1)異種のポリエステル重合体が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維フィラメントであって、該異種のポリエステル重合体のうちの少なくとも一方が高収縮成分であるポリトリメチレンテレフタレートであり、他の一方が低収縮成分のポリエステルである複合繊維フィラメントを構成糸全体の10重量%以上含む、タテおよびヨコ方向の平均伸長率が70%以上、平均伸長回復率が75%以上である編地からなり、かつ該編地のLY値が6%以下であることを特徴とする水着。
(2)サイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維フィラメントの単糸繊度が0.1〜11デシテックス、総繊度が22〜165デシテックスであることを特徴とする前記(1)に記載の水着。
(3)前記編地の目付が140〜330g/m2であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の水着。
本発明の水着は、従来の水着に比べ、ポリウレタン系弾性糸を混用しなくても伸長率と伸長回復率に優れ、また、防透け性も具備し、競泳用、遊泳用、学童用など幅広い分野に適応できるものであり、効率よく低コストで製造可能である。
本発明の水着用の編地は、異種のポリエステル重合体が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維フィラメントを構成糸に含むものである。
サイドバイサイド型の複合繊維は、ポリマの種類や固有粘度、共重合成分、共重合率などが異なる重合体を貼り合わせ、それらの弾性回復率や収縮特性の差によって捲縮を発現するものである。粘弾性が異なるポリマの組み合わせの場合、紡糸、延伸時に高粘度側に応力が集中するため、2成分間で内部歪みが異なる。
そのため、延伸後の弾性回復率差および編地の熱処理工程での熱収縮率差により高粘度側が収縮し、単繊維内で歪みが生じて3次元コイル捲縮の形態をとる。この3次元コイルの径および単位繊維長当たりのコイル数は、高収縮成分と低収縮成分との収縮差(弾性回復率差を含む)によって決まるといってよく、収縮差が大きいほどコイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多くなる。
水着用などのストレッチ素材として要求されるコイル捲縮は、コイル径が小さく、単位繊維長さ当たりのコイル数が多い(伸長特性に優れ、見映えが良い)、コイルの耐ヘタリ性が良い(伸長回復に応じたコイルのヘタリ量が小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイルの伸長回復時におけるヒステリシスロスが小さい(弾発性に優れ、フィット感が良い)などである。
これらの要求を満足しつつ、ポリエステルとしての特性、例えば適度な張り腰、ドレープ性、高染色堅牢性を有することで、トータルバランスに優れた水着用素材とすることができる。ここで、前記のコイル特性を満足するためには高収縮成分(高粘度成分)の特性が重要となる。コイルの伸縮特性は、低収縮成分を支点とした高収縮成分の伸縮特性が支配的となるため、高収縮成分に用いる重合体には高い伸長性および回復特性が要求される。
そこで、本発明者らはポリエステルの特性を損なうことなく前記特性を満足させるために鋭意検討した結果、高収縮成分にポリトリメチレンテレフタレート(以下PTTと略記する)を主体としたポリエステルを用いるのが好ましいことを見出した。PTT繊維は、代表的なポリエステル繊維であるポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記する)やポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略記する)繊維と同等の力学的特性や化学的特性を有しつつ、伸長回復性に極めて優れている。これは、PTTの結晶構造においてアルキレングリコール部のメチレン鎖がゴーシュ−ゴーシュの構造(分子鎖が90度に屈曲)であること、さらにはベンゼン環同士の相互作用(スタッキング、並列)による拘束点密度が低く、フレキシビリティーが高いことから、メチレン基の回転により分子鎖が容易に伸長・回復するためと考えている。
ここで、PTTとは、テレフタール酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、20モル%、より好ましくは10モル%以下の割合で他のエステル結合の形成が可能な共重合成分を含むものであってもよい。共重合可能な化合物として、例えば、イソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジオール類を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてのヒンダードフェノール誘導体、着色顔料等を添加してもよい。
また、低収縮成分には高収縮成分であるPTTとの界面接着性が良好で、製糸性が安定している繊維形成性ポリエステルであれば特に限定されるものではないが、力学的特性、化学的特性および原料価格を考慮すると、繊維形成能のあるPTT、PET、PBTが好ましい。
また、PTTの紡糸温度における溶融粘度は、もう一方の低収縮成分の紡糸温度における溶融粘度の1.0〜5.0倍であることが好ましい。1.0倍以上、好ましくは1.1倍以上とすることで、紡糸の繊維形成時においてPTTがより大きな紡糸応力を受け、より強い捲縮発現能力を得ることができる。一方、5.0倍以下、好ましくは4.0倍以下とすることで、複合形態の制御が容易となり、また口金下の吐出ポリマの曲がりも紡糸に問題のない程度に抑えることができる。
また、両成分の複合比率は製糸性および繊維長さ方向のコイルの寸法均質性の点で、高収縮成分:低収縮成分=75:25〜35:65(重量%)の範囲が好ましく、65:35〜45:55の範囲がより好ましい。
このコイルの直径は250μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましい。また、フィラメント糸条の長さ方向に形成されるコイルの位相は、糸条を構成させる全単繊維のコイル位相が揃った場合、一本のフィラメント糸条は一本のバネ状の糸条となる。この糸条を用いた編地からなる水着はフクラミを持ったソフト感を有し、その表面は、細かなシボが立ち美しい表面のものが得られる。逆に、糸条を構成させる全単繊維のコイル位相が異なった場合、一本のフィラメント糸条は一本のフクラミを持つ仮撚/解撚した仮ヨリ状の糸条となる。この糸条を用いた編地からなる水着はさらにフクラミを持ったソフト感を有し、その表面は、フラットな美しい表面のものが得られる。水着用の編地を得る場合、どちらを採用するのかは、競泳用水着、遊泳用水着など用途、好みなどに応じて適宜使い分ければよい。
また、サイドバイサイド型複合繊維の繊維断面形状は、丸断面、三角断面、マルチローバル断面、扁平断面、ダルマ型断面、C型断面、M型断面、H型断面、X型断面、W型断面、I型断面、+型断面を用いることができるが、捲縮発現性と風合いのバランスからは、図2に示すような丸断面の半円状サイドバイサイド(a)、軽量性、保温性を狙う水着の場合は中空サイドバイサイド(d)、ドライ風合いを狙う水着の場合は三角断面サイドバイサイド(g)が好ましく用いられる。
サイドバイサイド型複合繊維は、単糸繊度が0.1〜11デシテックス、総繊度が22〜165デシテックスのフイラメント糸条から構成されることが好ましい。単糸繊度を11デシテックス以下とすることで、水着の風合いをソフトなものとし、水着用として好ましく使用することができる。また、0.1デシテックス以上、さらに好ましくは、1.1デシテックス以上とすることで複合製糸が良好となり、また、捲縮構造が反映され、良好なストレッチ性も得ることができる。さらに、異繊度混繊糸などの単糸繊度の異なる糸を用いるようにしてもよい。
このような異繊度混繊糸は、ソフトでかつ張りのある編地からなる水着を作る観点から好ましい。
編地の構成糸に対するサイドバイサイド型複合繊維の混率は、10重量%以上とするものであり、20重量%以上が好ましく、30重量%以上がさらに好ましい。この混率が10重量%未満の場合は、後述する編地のタテおよびヨコ方向の平均伸長率、および平均伸長回復率について良好な特性を得ることができにくくなる。サイドバイサイド型複合繊維の編地への混用方法としては、他の素材との通常の交編、交撚、引き揃え、カバーリング、混繊などを採用することができ、水着種別の狙い用途、編地形成法、編組織などに応じて適宜使い分ければよい。
他の素材としては、合成繊維であるポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリウレタン系繊維などが適用できる。
また、本発明の水着用の編地は、従来のようにポリウレタン系弾性繊維を混用せずとも優れた伸長率、伸長回復率、およびフィット性を得ることができることに特徴があるが、もちろん、さらに優れた編地の特性を得るために風合いや染色性等を損なわない範囲でポリウレタン系弾性繊維を混用してもよい。
この水着用の編地は、丸編地であるシングル丸編地やダブル丸編地、経編地であるシングルトリコット編地やダブルトリコット編地、シングルラッシェル編地やダブルラッシェル編地があり、これらも各々の専用編機にて製編することができる。
また、編組織としては、丸編地の天竺組織、インターロック組織、ジャカード組織、経編地のハーフ組織、サテン組織、ジャカード組織などの水着用の編組織がいずれも使用可能であり、特に限定されるものではない。
この製編における編成条件は、通常糸使いの編成条件よりループ長やランナー長を若干大きめに取り、編密度を粗くすることが好ましい。このことにより、サイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維が染色加工工程を通ることで、その捲縮発現性が十分に発揮され、優れたストレッチ性とソフト感、ふくらみ感の風合いを持った水着用の編地を得ることができる。
本発明において、編地の目付は140〜330g/m2とすることが好ましい。目付を140g/m2以上とすることで、水着の防透け効果を得ることができる。一方、330g/m2以下とすることで、編地としては重くなり過ぎず、着用した場合も、重く感じたり動きが妨げられず、着用性も良好である。
製編された生機編地の熱処理、精練や染色等の加工は、通常の水着用の編地の加工法に準じて行えばよいが、サイドバイサイド型複合繊維の潜在捲縮をスプリング構造としてより効果的に発現させるために、リラックス・精練熱処理温度を80℃以上とすることが好ましい。また、染色段階での付帯加工として、撥水加工、防汚加工、抗菌加工、消臭加工、防臭加工、防カビ加工、紫外線吸収加工、更に、後加工としてカレンダー加工、エンボス加工、シワ加工、プリント加工など水着種用途の要求特性に応じて適宜付与することが望ましい。
本発明の水着用の編地は、タテおよびヨコ方向の平均伸長率が70%以上、タテおよびヨコ方向の平均伸長回復率が75%以上であることが重要である。
平均伸長率および平均伸長回復率は実施例に示す方法で測定することができるが、伸長率とは、編地の伸びの程度を表すものであり、この数値が大きい程、水着にして着用した時、身体の動きに追従し易く、水泳のような激しい動きにも水着が追従し、動き易く、疲れ難い。また、伸長回復率とは身体の動きで伸長した水着が、素早く元の状態に戻ろうとする回復程度を表すものであり、この数値が大きい程、水着にして着用した時、よりフィット性に富み、動き易いことを示す。この伸長率と伸長回復率は編地のタテ方向とヨコ方向の各々の数値を平均して考える必要がある。これは、水着にして実際着用して動く場合、編地のタテ方向あるいはヨコ方向の一方向のみ伸長されるわけではなく、人間の身体の丸みに応じて三次元的に編地が伸長されるためである。この三次元的な伸長特性が編地のタテ方向とヨコ方向の平均した伸長率である平均伸長率、および平均伸長回復率と相関し、よく一致するものである。
本発明における編地のタテおよびヨコ方向の平均伸長率は70%以上あるものであり、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。平均伸長率が70%未満であると水着にて着用し、激しい水泳を行った場合、身体の動きに水着が追従し難く、また、疲れ易いものとなり好ましくない。
また、本発明における編地のタテおよびヨコ方向の平均伸長回復率は75%以上あるものであり、好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上である。平均伸長回復率が75%未満であると水泳により伸長された水着が伸ばされた状態となり、身体へのフィット感に劣ることから身体の動きに追従しにくくなる。また、水着としての見映えにも劣ることになる。
本発明の水着に用いる編地のLY値は6%以下のものであることが重要である。このLY値は、実施例に示す方法で測定することができるが、水着用の編地の防透け性程度を示すものである。
白色系から肌色、黄色、ピンク色、クリーム色、薄青色などの中淡色系の水着の防透け性効果を十分にもたせる観点からは、LY値が低いほど好適であり、5%以下が好ましく、4%以下がさらに好ましい。黒色、濃紺色などの濃色系の場合は、メッシュ調の編地、あるいは、特に薄い編地にしない限り4%以下のLY値を達成できるものの、この防透け性を満足させる編地設計が重要となる。
本発明の水着は、適宜選択することにより、次のように幅広く展開可能である。例えば、競泳用水着、遊泳用水着、学童用水着、フィットネス用水着、スイミングスクール用水着、リハビリ用水着などに好ましく使用できる。
また、水着用の編地は一般的に、水泳帽子、レオタード、アスレ用タイツ、アスレ用アンダーハーフパンツ、サイクル用パンツなどにも使用されるため、この編地もこの用途に好ましく応用使用できる。
以下、本発明を実施例を用いて説明する。実施例における各評価は次のとおり行った。
(1)溶融粘度
東洋精機(株)社製キャピログラフ1Bを用いて、チッソ雰囲気下で測定した。実施例中に示す温度(実施例1においては275℃)を測定温度とし、歪み速度6080sec-1での測定を3回行い、平均値を溶融粘度とした。
(2)平均伸長率
まず、伸長率の試験法はJIS L 1018「メリヤス生地試験方法」の定速伸長法のグラブ法に準じて行った。即ち、10cm×約15cmの試験片をタテ、ヨコ方向にそれぞれ3枚ずつ採取した。自記記録装置付定速伸長形引張試験機を用い、上下つかみとも表側は2.54cm×2.54cm、裏側は2.54cm×5.08cmのものを取り付け、つかみ間隔を7.6cmとして試験片のたるみや、張力を除いてつかみに固定した。
これを引張速度10cm/minで17.7N(1.8Kg)荷重まで引伸ばし、その時のつかみ間隔を測った。次に即、荷重を取り除く方向へ元のつかみ間隔である7.6cmまで戻した。この荷重−除重による挙動を自記記録計に荷重−伸長−回復曲線として描いた(図1を参照)。
これを基に、次の式により伸長率LA(%)を求め、3枚の平均値で表した。
伸長率LA(%)=[(L1−L)/L]×100
L :つかみ間隔(mm)
L1:17.7Nまで伸ばした時のつかみ間隔(mm)
編地のタテ方向、ヨコ方向の各々についての伸長率を加算し、さらにその加算値を1/2にして平均伸長率とした。
(3)平均伸長回復率
また、伸長回復率LB(%)は、前記自記記録計で描いた荷重−伸長−回復曲線を基に、回復曲線がゼロ荷重になった時点から残留歪み率L2(%)を求め、次の式により伸長回復率LB(%)を算出し、3枚の平均値で表した。
伸長率回復率LB(%)=(L3/L1)×100
編地のタテ方向、ヨコ方向の各々についての伸長回復率を加算し、さらにその加算値を1/2にして平均伸長回復率とした。
(4)LY値
スガ試験機(株)製の測色計SM−3型を用いて測定を行った。まず、測定サンプル設置部における黒さを確認した。即ち、測定部に黒色に染色されたフェルト布を取り付け、フェルト布のL値(明度)が14±0.5%であることを確認した。
次に、測定サンプル設置部における白さを確認した。即ち、測定部に標準白板を取り付け、標準白板のL値(明度)が91±0.5%であることを確認した。
これらの確認手順は、生地のL値(明度)を測定する通常法であり、一般化されている方法である。白度の高い生地のL値は91%近くになり、逆に黒い生地のL値は14%に近くなる。
次に試験片の測定を以下のように行った。まず、黒色フェルト布と試験片1枚とを測定部に取り付けてL値を測定し、測定値をLRとした。さらに標準白板と同一の試験片とを測定部に取り付けてL値を測定し、測定値をLWとし、LWとLRとの差(LW−LR)を求めた。
防透け性LY値(%)=(LW−LR)
同一の試験片1枚で繰り返し5回測定し、5回の平均値を求め、防透け性の程度を示すLY値とした。
(5)総合評価
次のように2段階表示した。
判定表示 ○:水着として優れている
×:水着として劣っている。
[実施例1]
固有粘度(IV)が1.40、275℃における溶融粘度が750poiseのホモPTTと固有粘度(IV)が0.60、275℃における溶融粘度が650poiseのホモPETをそれぞれ別々に溶融し、紡糸温度275℃で48孔の複合紡糸口金から複合比(重量%)50:50で吐出し、紡糸速度1400m/分で引取り、サイドバイサイド型複合構造未延伸糸を得た。さらにホットロール−熱板系延伸機を用いて延伸し次いで一旦引き取ることなく、連続してリラックスして巻き取り、83デシテックス48フィラメントの延伸糸を得た(繊維断面は図2のa)。
28Gの両面丸編機にて、図3の編方図における構成糸イ、ロとも上記のPTT/PETのサイドバイサイド複合フィラメント糸を用い、編方図の給糸口F1、F2各々に給糸し、PTT/PETサイドバイサイド複合フィラメント糸100%からなるインターロック組織編地を編成した。
この生機を通常のポリエステル丸編地の染色加工法に従い、リラックス・精練、染色、仕上げセットを行い175g/m2の紺色の編地を得た。得られた編地は、タテ・ヨコ平均伸長率が81%、平均伸長回復率が88%とストレッチ特性に優れたものであった。また、防透け性程度を示すLY値も2.4%であった。
この編地を用い学童用水着を試作し、着用評価に供したところ、動き易く、透け感もなく、総合的に水着として適するものであった。詳細結果を表1に示す。
[実施例2]
繊度、フィラメント数が異なる他は実施例1と同様のPTT/PETのサイドバイサイド複合フィラメント糸(繊維断面は図2のa)を用いて、28Gのシングルトリコット機にて、図4の編方図のBack側構成糸ハに上記PTT/PETのサイドバイサイド複合フィラメント糸を配し、Front側構成糸ニに通常糸であるポリエステルフィラメント糸(東レ(株)製“テトロン”)44デシテックス36フィラメントを配し、ハーフ組織編地を編成した。この編地設計における糸混率(重量%)は、PTT/PETサイドバイサイド複合糸が30%、通常糸が70%であった。
この生機を通常のポリエステル経編地の染色加工法に従い、リラックス・精練、染色、仕上げセットを行い224g/m2の黄色の編地を得た。得られた編地は、タテ・ヨコ平均伸長率が78%、平均身長回復率が85%とストレッチ特性に優れたものであった。また、防透け性程度を示すLY値も5.1%であった。
この編地を用い遊泳用水着を試作し、着用評価に供したところ、動き易く、透け感もなく、総合的に水着として適するものであった。詳細結果を表1に併せて示す。
[比較例1]
実施例1と同じ丸編機を用い、図3の編方図における構成糸イ、ロとも通常糸であるポリエステルフィラメント仮ヨリ加工糸83デシテックス48フィラメント糸を用い、編方図の給糸口F1、F2各々に給糸し、通常糸100%からなるインターロック組織編地を編成した。
この生機を実施例1と同一の染色加工法を行い、164g/m2の紺色の編地を得た。得られた編地は、タテ・ヨコ平均伸長率が65%、平均身長回復率が71%と水着用としてストレッチ特性に劣るものであった。防透け性程度を示すLY値は2.8%であった。
この編地を用い、実施例1と同様に学童用水着を試作し、着用評価に供したところ、透け感はないものの、動き難く総合的に水着として不適と判断されるものであった。詳細結果を表1に併せて示す。
[比較例2]
実施例2と同一の経編機を用い、図4の編方図のBack側構成糸ハに44デシテックスのポリウレタン系弾性糸(東レ・デュポン(株)製の商標“ライクラ”)を配し、Front側構成糸ニに通常糸であるポリエステルフィラメント糸(東レ(株)製“テトロン”)44デシテックス36フィラメントを配し、ハーフ組織編地を編成した。この編地設計における糸混率(重量%)は、ポリウレタン系弾性糸が20%、通常糸が80%であった。
この生機を通常のポリエステルとポリウレタン系弾性糸の交編経編地の染色加工法に従い、リラックス・精練、染色、仕上げセットを行い210g/m2の黄色の編地を得た。得られた編地は、タテ・ヨコ平均伸長率が85%、平均身長回復率が90%とストレッチ特性に優れたものであるものの、防透け性程度を示すLY値が6.7%と劣るものであった。この編地を用い、実施例2と同様に遊泳用水着を試作し、着用評価に供したところ、動き易いものの、透け感があり、総合的に水着として不適と判断されるものであった。詳細結果を表1に併せて示す。
Figure 2005179886
荷重−伸長回復曲線の説明図である。 本発明に使用する繊維の繊維横断面形状の一例を示すモデル図である。 実施例1、比較例1の編地の編方図の一例である。 実施例2、比較例2の編地の編方図の一例である。
符号の説明
L1:編地の伸び
L2:編地の歪み伸び
L3:編地の回復伸び
a〜g:繊維横断面形状
F1〜F2:編機の給糸口NO
イ〜ハ:編地構成糸

Claims (3)

  1. 異種のポリエステル重合体が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維フィラメントであって、該異種のポリエステル重合体のうちの少なくとも一方が高収縮成分であるポリトリメチレンテレフタレートであり、他の一方が低収縮成分のポリエステルである複合繊維フィラメントを構成糸全体の10重量%以上含む、タテおよびヨコ方向の平均伸長率が70%以上、平均伸長回復率が75%以上である編地からなり、かつ該編地のLY値が6%以下であることを特徴とする水着。
  2. サイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維フィラメントの単糸繊度が0.1〜11デシテックス、総繊度が22〜165デシテックスであることを特徴とする請求項1に記載の水着。
  3. 前記編地の目付が140〜330g/m2であることを特徴とする請求項1または2に記載の水着。
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