JP2005068615A - ウォータースポーツウェア用伸縮性編地 - Google Patents

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Abstract

【課題】 染色加工時や日光照射による脆化の問題が無く、また、糸切れを心配せず容易に起毛もかけることができ、さらに、伸縮回復性に優れたウォータースポーツウェア用伸縮性編地を提供する。
【解決手段】 編糸の少なくとも一部が、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする層、及びポリトリメチレンテレフタレートを主成分とする層がサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型に複合されたポリエステル系複合繊維で構成されるウォータースポーツウェア用伸縮性編地である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スキューバダイビング、水上スキー、ウインドサーフィン等のウォータースポーツにおいて着用するウェットスーツやドライスーツ等の保護衣、もしくは、そのスポーツで使用されるグローブ、サポーター等の補助的ウェアの基布として好適な伸縮可能な弾性編地に関するものである。
従来から、ウェットスーツ、ドライスーツ等のウォータースポーツウェア用保護衣やそのスポーツ用の補助的ウェアに用いられる素材には、 水中で運動を行う時の動き易さが重視されることから、ゴムもしくは発泡性ゴム等からなる伸縮回復性に優れた弾性シート(基材)に、必要に応じてその片面もしくは両面に伸縮可能な編地を張り合わせた複合材が用いられてきた。この場合、その伸縮可能な編地は、ゴムと張り合わせることから、また着脱を容易にすることから、縦・横の両方向に伸縮性が優れている必要がある。また、直接肌に触れる部分に使用される場合は保温性に優れている必要があり、表側に使用される場合は装飾性に優れていることが必要である。さらにはウェットスーツの場合、直接肌と接する部分が引っかかると着脱しにくくなることから、肌に触れる部分である編地は着脱しやすいよう滑りやすいとともに摩耗の耐久性にも優れていなくてはならない。
従来このような場合、伸縮回復性を重視し、編地の一部にポリウレタン弾性繊維やそのカバリング糸を使用した編地が利用されてきた。しかしながら、ポリウレタン弾性繊維を交編した丸編地は、確かに伸縮回復特性には優れているものの耐久性は劣っており、染色加工時に脆化したり、もしくは製品になっても日光により脆化したりするので、取り扱いが難しいという問題がある。また、ウェットスーツの中には、優れた保温効果を得るため生地の表面を起毛する場合があるが、ポリウレタン弾性繊維を用いると起毛工程において針布などによってキズがつき、容易に切断を起こすなどの問題がある。さらには、ウェットスーツはプールで使用される場合があるが、ポリウレタン弾性繊維はプール水中の塩素に弱く、十分な耐久性を提供できなかった。
一方、生地にポリウレタン弾性繊維を用いない場合、仮撚加工などで捲縮を施した合成繊維を用いた編地が利用されるが、このように捲縮加工を施した繊維を用いた生地は、伸縮性があっても、伸縮回復性に乏しく弾性シートの動きに追従することができない。また、丸編地を使用した場合、縦方向の伸縮性に乏しく、縦横両方向の伸縮性が優れているという要求特性を満たすことができない。
そこで、本発明は、前記問題点を改善し、染色加工時や日光照射による脆化の問題が無く、また、糸切れを心配せず容易に起毛もかけることができ、さらに、伸縮回復性に優れたウォータースポーツウェア用伸縮性編地を提供することを目的とする。
本発明の伸縮性編地は、前記目的を達成するため、以下の手段を採用する。
すなわち、編糸の少なくとも一部が、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする層、及びポリトリメチレンテレフタレートを主成分とする層がサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型に複合されたポリエステル系複合繊維で構成されることを特徴とするウォータースポーツウェア用伸縮性編地である。
本発明の伸縮性編地は、染色加工時や日光照射による脆化の問題が無く、糸切れを心配せず容易に起毛もかけることができ、さらに、伸縮回復性に優れているので、弾性シートに貼り付けて用いられるウェットスーツやドライスーツ等の用途に好適である。さらに吸水率が低く、ウォータースポーツウェア用途に適した伸縮性編地である。従って、本発明の伸縮性編地を用いることによって、ウェットスーツやドライスーツ等のウォータースポーツウェアの耐久性や着脱性等を改善することができる。
以下、本発明の伸縮性編地について、さらに詳細に述べる。
本発明のウォータースポーツウェア用伸縮性編地は、この編地を構成する編糸の少なくとも一部として、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする層、及びポリトリメチレンテレフタレートを主成分とする層がサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型に複合されたポリエステル系複合繊維を用いるものである。
このポリエステル系複合繊維は、ポリエチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートとの組合せで、極限粘度ηの異なる異種重合体が張り合わせ型又は偏心シース・コア型に複合されているものであるので、紡糸、延伸工程において高粘度側に応力が集中し、2成分間での内部歪みが異なり、潜在捲縮性を備えている。そのため、延伸後の弾性回復率差および布帛の熱処理工程での熱収縮差により高粘度側が大きく収縮し、単繊維内で歪みが生じて3次元コイル捲縮の形態が発現する。この3次元コイルの径および単繊維長当たりのコイル数は、高収縮ポリマ層と低収縮ポリマ層との収縮差(弾性回復率差を含む)に大きく依存し、収縮差が大きいほどコイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多くなる。
ストレッチ素材に要求されるコイル捲縮特性としては、コイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多いこと(伸長特性に優れ、見映えがよくなるので)、コイルの耐へたり性がよいこと(伸縮回数の応じたコイルのへたり量が小さく、伸縮保持性に優れるので)がある。さらには、コイルの伸縮特性には、低収縮成分を支点とした高収縮成分の伸縮特性が支配的となるため、高収縮成分に用いる重合体には高い伸長性および回復性が要求される。
ポリエステルの優れた特性を損なうことなく優れたコイル捲縮特性を得るためには、低収縮ポリマ層をポリエチレンテレフタレートを主成分とし、高収縮ポリマ層をポリトリメチレンテレフタレートを主成分とすることが有効である。ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、代表的なポリエステル繊維であるポリエチレンテレフタレート繊維やポリブチレンテレフタレート繊維と同等の力学的特性や化学的特性を有しつつ、伸長回復性がきわめて優れているからである。これは、ポリトリメチレンテレフタレートの結晶構造においてアルキレングリコール部のメチレン鎖がゴーシューゴーシュ構造(分子鎖が90度に屈曲)であること、さらにはベンゼン環同士の相互作用(スタッキング、並列)による拘束点密度が低く、フレキシビリティーが高いことから、メチレン基の回転により分子鎖が容易に伸長・回復するためと考えられる。
前記ポリエステル系複合繊維における低収縮ポリマ層の主たる構成成分であるポリエチレンテレフタレートは、エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリマである。すなわち、このポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、他のエステル結合を形成可能な共重合成分が20モル%以下の割合で含まれるものでもよい。10モル%以下の割合で含まれるものがより好ましい。
共重合可能な化合物として、たとえばスルフォン酸、ナトリウムスルフォン酸、硫酸、硫酸エステル、硫酸時エチル、硫酸エチル、脂肪族スルフォン酸、エタンスルフォン酸、クロロベンゼンスルフォン酸、脂環式スルフォン酸、イソフタル酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、アジピン酸、シュウ酸、デカンジカルボン酸などのジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ハイドロキノン、ビスフェノールAなどのジオール類が好ましく使用される。
また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などが添加されていてもよい。
前記ポリエステル系複合繊維における高収縮ポリマ層の主たる構成成分であるポリトリメチレンテレフタレートは、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とする重合体である。すなわち、このポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、他のエステル結合を形成可能な共重合成分が20モル%以下の割合で含まれるものでもよい。10モル%以下の割合で含まれるものがより好ましい。
共重合可能な化合物として、例えば、イソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのジオール類が好ましく使用される。
また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などが添加されていてもよい。
このポリエステル系複合繊維は、上記した2種のポリマが、溶融紡糸時にサイドバイサイド型又は偏心シース・コア型に複合されたものであり、その単糸断面は丸断面でも変形断面でもよいが、サイドバイサイド型複合の場合には変形断面形状であることが好ましい。その変形断面形状としては、まゆ形や雪だるま形のような非円形形状や、長円のような変形円形状が挙げられ、まゆ形や雪だるま形断面形状の場合には、略丸形状の各ポリマ層が連接された複合形状がとられる。
その複合繊維におけるポリエチレンテレフタレート層とポリトリメチレンテレフタレート層との複合割合は、製糸性および繊維長さ方向のコイル寸法均質性の観点から、重量比率で(30/70)〜(70/30)の範囲であることが好ましい。糸条に熱を加えた際に捲縮が顕在化してコイル状捲縮が発現され、糸条に更なる伸縮性が付与されるためにはサイドバイサイド型や偏心シース・コア型の複合が適している。コイル状捲縮を発現させ、編織物を形成した際に所望の伸縮性を得る観点から、ポリトリメチレンテレフタレートの極限粘度は1.0以上であるのが好ましく、1.2以上であるのがより好ましい。
本発明の伸縮性編地においては、編糸の一部もしくは全部が上記ポリエステル系複合繊維で構成されることが必要である。即ち、編地を構成する編糸のうちの一部又は全部が前記ポリエステル系複合繊維からなる編糸であってもよいし、その編糸が前記ポリエステル系複合繊維と他の繊維とからなる糸条であってもよい。また、前記ポリエステル系複合繊維のみからなる編糸でもって編成された編地であってもよい。編地の伸縮回復特性を高めるためには、実質的に上記ポリエステル系複合繊維のみからなる編糸(マルチフィラメント糸)を用いることが好ましい。他の繊維と組合せ使用する場合の他の繊維としては特に制限はなく、フィラメント糸または紡績糸のいずれであってもよい。また、編糸における組合せの形態も特に制限は無く、カバリング糸、撚糸、コアスパンヤーンなどでも構わない。
本発明の伸縮性編地における編組織は特に限定はされず、ウェットスーツやドライスーツ用の編地として通常一般に用いられる編組織であればよく、丸編地等が採用される。丸編地の編組織としては、例えば、一般に用いられる天竺、スムース,フライス、かのこ、ハニカム、モックミラノ、ポンチローマ、ピケ、パイルなどの編組織を使用することが出来る。また、使用する編機も特に限定されることなく、シングル編機、ダブル編機ともに用いることができる。
本発明の伸縮性編地において使用する編糸(ポリエステル系複合繊維糸)の総繊度は、本発明の目的を損なわず、衣料として用いられる範囲であれば特に限定されないが、20〜600dtex、好ましくは33〜470dtexの範囲であり、単糸繊度は0.5〜10dtex、更には好ましくは1.5〜6dtex程度とするのが好ましい。単糸繊度が0.5dtexよりも小さい場合は編地の伸長回復性能が低下する傾向にあり、10dtexよりも大きい場合は編地のストレッチ性や伸長回復性には優れるものの、編地表面の平滑性が損なわれたり、風合いが硬くなる為、好ましくない。
また、本発明の伸縮性編地においては、前記ポリエステル系複合繊維からなる編糸と他繊維からなる編糸とを交編してもかまわない。この場合、前記ポリエステル系複合繊維糸の重量交編率は高いストレッチ性、伸長回復性を得る上で、10%以上、好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上である。交編の相手素材は特に限定されないが、通常のポリエステル糸やポリアミド糸などの合成繊維(捲縮加工糸)が水切れの点で好ましい。
本発明の編地において、縦・横の伸長率(%)は共に50%以上であることが好ましく、80%伸長時の回復率が80%以上であることが好ましい。
ここでいう伸長率とは、1.8kgf応力時の伸び率であり、具体的には5cm×30cmの編地試料を縦・横方向にそれぞれ作成し、5cm×1mの試料の重さと同等の初荷重をかけ、引張り試験機につかみ間隔20cm(L0)でセットする。伸長速度20cm/minで1.8kgfまで引き伸ばし、そのときのつかみ間隔(L1)を測定し、下記の式で伸長率を計算する。
伸長率(%)=[(L1−L0)/L]×100
L0:つかみ間隔(mm)
L1:1.8kgfまで伸長したときのつかみ間隔(mm)
伸長率が50%未満であると、伸びが不十分であり着用時に窮屈感を感じたり、着用しようとするときに生地が十分に伸びずに着にくくなるなど不都合が生じる。
又、伸長回復率(%)は以下のようにして測定する。すなわち、上記同様5cm×30cmの試料を縦・横方向にそれぞれ作成し、5cm×1mの試料の重さと同等の初荷重をかけ、試験機につかみ間隔20cmでセットする。伸長速度20cm/minで上述の伸長率(%)の80%まで伸長し、同じ速度で元の位置まで戻し3分間放置する。この操作を5回繰り返した後、再び同じ速度で初荷重以上の荷重まで引き伸ばし、初荷重と同じ応力のときの伸びを残留伸び(L3)と定義する。次式によって伸長回復率(%)を計算する。
伸長回復率(%)=[(L2−L3)/L2]×100
L2:伸長率の80%の伸び
L3:5回繰り返し伸長後の残留伸び
この伸長回復率が高いほど運動追従性が高くなり、生地の残留歪みが小さくなるので、本件のように伸縮性、伸縮回復性に優れたゴムのような素材と張り合わせるのに好適である。
また、本発明の編地は保温性や着用時の動き易さが求められることから、編地は乾燥しやすさ、濡れたときの生地の軽さが必要であり、吸水率が小さいことが望ましい。具体的には、吸水率35%以下が望ましい。
本発明における吸水率の測定法は以下のとおりである。まず、直径14cmの円形の試験片を準備し、その重さを測定する。ブンデスマン降雨試験装置の試験カップに試験片の表を上にして取り付け、降雨時間を120分にし降雨量1200mmを降雨させる。ブンデスマン降雨試験装置の付属の遠心機に試験片を取り付けて10秒間、700rpmで運転し試験片の余分な水分を除去した後、試験片の重さを測定し、次の式で吸水率(%)を算出する。
吸水率(%)=[(M−M0)/M0]×100
M0:試験前の試験片の重さ(g)
M :試験後の試験片の重さ(g)
吸水率が35%より大きいと水切れが悪いので乾きにくく、保温性の点で問題がある。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
[実施例1]
極限粘度が1.31のポリトリメチレンテレフタレートと極限粘度が0.52のポリエチレンテレフタレートをそれぞれ別々に溶融し、紡糸温度260℃で24孔の複合紡糸口金よりポリエチレンテレフタレート/ポリトリメチレンテレフタレートの重量比率が50/50となるように吐出し、紡糸速度1400m/分で引き取り、165dtex24フィラメントの未延伸糸とした。さらに、ホットロール−熱板系延伸機を用い、ホットロール温度70℃、熱板温度145℃、延伸倍率3.0で延伸して、56dtex24フィラメントのサイドバイサイド型ポリエステル系複合繊維(延伸糸)のフィラメント糸とした。
得られたポリエステル系複合繊維のフィラメント糸を編糸に用いて、22ゲージ、釜径33インチのダブル丸編機で編成しスムース組織の生機を作製した。次いで、80℃の湯浴でリラックス処理した後、160℃で熱セットを施した。熱セット後、ポリエステル用分散染料で染色し、150℃でファイナルセットを施して染色布帛とした。得られた染色布帛は、美しい外観品位の製品布帛であった。そのタテ・ヨコ両方向の伸長率と伸縮回復率、吸水率を測定した。
[実施例2]
実施例1で使用したものと同じ56dtex24フィラメントのサイドバイサイド型ポリエステル系複合繊維のフィラメント糸を横糸に用い、通常の56dtexのポリエチレンテレフタレートフィラメント糸を地糸に用い、通常の84dexのウーリーポリエステルフィラメント糸をパイル糸に用いて、2段シンカーと、16ゲージ、釜径30インチのシングル丸編機を用いてシンカーパイル地を作製した。得られた生地を剪毛してベロア調に起毛した。得られた生地を80℃の湯浴でリラックス処理し、160℃で熱セットを施した後、ポリエステル用分散染料で染色し、150℃でファイナルセットを施して染色布帛とした。得られた染色布帛は外観品位の美しい製品布帛であった。そのタテ・ヨコ両方向の伸長率と伸縮回復率、吸水率を測定した。
[比較例1]
通常の84dtex36フィラメントのウーリーポリエステルフィラメント糸を編糸に用いて、実施例1と同様に、22ゲージ、釜径33インチの丸編機で編成し生機を作製した。次いで、80℃でプレウェット処理し、190℃で熱セットを施した後、ポリエステル用分散染料で染色し、150℃でファイナルセットを施して染色布帛とした。得られた染色布帛のタテ・ヨコ両方向の伸長率と伸縮回復率、吸水率を測定した。
[比較例2]
通常の78dtex34フィラメントのウーリーナイロンフィラメント糸を用いて、22ゲージ、釜径33インチのダブル丸編機を用いてスムース組織の生機を作製した。次いで、60℃でプレウェット処理し、180℃で熱セットを施した後、酸性染料で染色し、150℃でファイナルセットを施して染色布帛とした。得られた染色布帛のタテ・ヨコ両方向の伸長率と伸縮回復率、吸水率を測定した。
[比較例3]
通常の78dtex34フィラメントのウーリーナイロンフィラメント糸と、通常の22dtexのポリウレタン弾性繊維糸とを用いて、22ゲージ、釜径33インチのダブル丸編機を用いてベアフライス組織の生機を1反作製した。次いで、針布起毛した後、80℃でプレウェット処理し、190℃で熱セットを施した後、酸性染料で染色し、針布起毛した後シャーリングを施し、仕上げセットを施した。得られた布帛を検反したところ、1反中3カ所ポリウレタン弾性繊維の切断が確認された。得られた布帛について、タテ・ヨコ両方向の伸長率と伸縮回復率、吸水率を測定した。
以上の実施例及び比較例から得られた丸編地の評価結果を、表1に示す。
Figure 2005068615
本発明の編地は、ウォータースポーツウェア用の編地素材として用いられるものであり、そのウォータースポーツウェアとしては、ウェットスーツやドライスーツと称せられるダイビングスーツや、ダイビング時に着用されるグローブやサポーター等が挙げられる。

Claims (4)

  1. 編糸の少なくとも一部が、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする層、及びポリトリメチレンテレフタレートを主成分とする層がサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型に複合されたポリエステル系複合繊維で構成されることを特徴とするウォータースポーツウェア用伸縮性編地。
  2. 縦・横の伸長率が共に50%以上あり、かつ、80%伸長時の回復率が80%以上ある請求項1に記載のウォータースポーツウェア用伸縮性編地。
  3. 吸水率が35%以下である請求項1又は2に記載のウォータースポーツウェア用伸縮性編地。
  4. 片面が起毛されている請求項1、2又は3に記載のウォータースポーツウェア用伸縮性編地。
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