JPH108346A - ポリエステル外衣 - Google Patents

ポリエステル外衣

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JPH108346A
JPH108346A JP8166340A JP16634096A JPH108346A JP H108346 A JPH108346 A JP H108346A JP 8166340 A JP8166340 A JP 8166340A JP 16634096 A JP16634096 A JP 16634096A JP H108346 A JPH108346 A JP H108346A
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JP
Japan
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polyester
woven fabric
fiber
weft
yarn
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JP8166340A
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English (en)
Inventor
Mitsuaki Kitada
充秋 北田
Ikuko Watanabe
いく子 渡辺
Sumio Hishinuma
澄男 菱沼
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステル繊維の優れた形態安定性や強度
保持性などの特性を具備しながら、大きな吸湿率による
優れた着用快適性を可能にするポリエステル外衣を提供
する。 【解決手段】 吸放湿パラメーターΔMRが1%以上の
ポリエステル系フィラメント糸条を含む織物からなり、
該織物のJIS L 1094 B法による摩擦帯電圧
が3kv未満であり、経糸及び緯糸の織密度がそれぞれ
30〜300本/インチであると共に、これら経糸及び
緯糸のうち少なくともいずれか一方の単糸繊度が0.0
5〜10デニール、総繊度が30〜500デニール、糸
強度が2〜7g/dであり、かつ該織物の引裂き強力が
400〜3000g、目付が50〜300g/m2 、厚
さが0.1〜1mmであるポリエステル外衣。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸湿性のあるポリ
エステル外衣に関し、さらに詳しくは、吸湿性によって
着用快適性をもたらし、特に婦人洋装分野に適するポリ
エステル外衣に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は、天然繊維に比べて
形態安定性、機械強度、耐薬品性、耐熱性、洗濯耐久性
などに優れているため、衣料用途や産業用途などに広く
使用されている。しかしながら、ポリエステル繊維は吸
湿率が低いため、衣料用途の特に直接肌に触れた状態で
着用される分野では、肌からの発汗によりムレやベトツ
キなどを生じ、不快感を与える欠点がある。
【0003】近年のウェアリング傾向は、裏地のない外
衣が増加している。しかしながら、ポリエステル繊維
は、上記欠点のために、特に発汗が多い夏期用外衣とし
ては、使用が敬遠されがちなのが実情である。この欠点
を改善するため、従来種々の試みはあるが、いずれも吸
湿快適性は得られても、染色においてポリエステル繊維
一般に使用される分散染料で汚染を生じたり、同色性に
劣ったり、合成繊維本来の物理的特性が失われるなどの
欠点を生ずるものであった。
【0004】また、後加工段階で吸湿性を付与する方法
もあるが、十分な吸湿性を得るためには、吸湿性樹脂を
外衣に多くピックアップさせる必要があるため、布帛表
面にできた吸湿性樹脂の被膜によって風合が硬くなり、
ポリエステル繊維本来の質感が損なわれる欠点があっ
た。さらに、洗濯による樹脂落ちにより次第に吸湿性を
低下し、耐久性がないという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
エステル繊維の優れた形態安定性や強度保持性などの特
性を具備しながら、大きな吸湿率による優れた着用快適
性を可能にするポリエステル外衣を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明のポリエステル外衣は、吸放湿パラメーターΔMRが
1%以上のポリエステル系フィラメント糸条を含む織物
からなり、該織物のJIS L 1094 B法による
摩擦帯電圧が3kv未満であり、経糸及び緯糸の織密度
がそれぞれ30〜300本/インチであると共に、これ
ら経糸及び緯糸のうち少なくともいずれか一方の単糸繊
度が0.05〜10デニール、総繊度が30〜500デ
ニール、糸強度が2〜7g/dであり、かつ該織物の引
裂き強力が400〜3000g、目付が50〜300g
/m2 、厚さが0.1〜1mmであることを特徴とする
ものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル外衣は、吸
放湿パラメーターΔMRが1%以上のポリエステル系フ
ィラメント糸条から構成された織物からなり、好ましく
はポリエステル系フィラメント糸条100%の織物から
構成されている。かかるポリエステル系フィラメント糸
条から構成されることにより、織物としてのJIS L
1094 B法(摩擦帯電圧測定法)による摩擦帯電
圧が3kv未満、より好ましくは1kv以下であり、か
つ同じく織物としての吸放湿パラメーターΔMRも1%
以上になる。
【0008】このような構成によって吸放湿性に優れ、
かつ快適な着用感を与えることができる。吸放湿パラメ
ーターΔMRが1%に満たないと、吸湿率が低いため肌
からの発汗によるムレやベタツキなどを発生し、着用不
快感を防止することが難しくなる。また、摩擦帯電圧が
3kvを超えると静電気による空気中の埃付着を防止す
ることが難しくなる。
【0009】さらに、本発明において、織物としての吸
放湿パラメーターΔMRは、着用時の快適性、制電性、
製織性の観点からさらに好ましくは1.5〜10%、特
に好ましくは3〜10%であるのがよい。また、摩擦帯
電圧としては、さらに好ましくは下限が実質的に0kv
であることが望ましい。また、本発明において、織物と
しての吸放湿パラメーターΔMRは、洗濯耐久性に対し
ても5回洗濯後の値が洗濯前の70%以内であることが
好ましい。また、摩擦帯電圧についても、洗濯5回後の
摩擦帯電圧が3kv未満であり、より好ましくは1kv
未満であるのがよい。
【0010】ここで、洗濯1回とは、市販の自動反転う
ずまき式電気洗濯機の洗濯槽に40±2℃の0.2%弱
アルカリ性合成洗剤液25リットルを入れ、試験布と追
加布の合計重量が約500gとなるように調整した後、
洗濯5分、脱水30秒、すすぎ2分、脱水30秒、すす
ぎ2分、脱水30秒という手順で行ったもののことをい
う。また、すすぎは常温水を用い、オーバーフローさせ
ながら行う。
【0011】本発明における吸放湿パラメーターΔMR
とは、30×90%RHにおける吸湿率MR2 と20℃
×65%RHにおける吸湿率MR1 との差(ΔMR
(%)=MR2 −MR1 )で表される値のことをいう。
この吸放湿パラメーターΔMRは衣服着用時の衣服内の
湿気を外気に放出することにより快適性を得るためのド
ライビングフォースのパラメーターであり、軽〜中作業
あるいは軽〜中運動を行った際の30℃×90%RHに
代表される衣服内温度と20℃×65%RHに代表され
る外気温湿度との吸湿率差を表わしている。吸放湿パラ
メーターΔMRは大きければ大きいほど吸放湿力が高
く、着用時の快適性が良好であることを表わしている。
【0012】本発明において、上記吸放湿パラメーター
ΔMRが1%以上の性能を有するポリエステル系フィラ
メント糸としては特に限定はされるものでないが、製糸
性、製織性、染色性および糸性能の耐久性などの観点か
ら、次の繊維を用いることが好ましい。その一つは、親
水性化合物(A)を共重合した共重合ポリエステルであ
って、その共重合ポリエステルに極性基含有化合物
(B)および架橋剤(C)のうち少なくともいずれかを
含有する共重合ポリエステル(D)を5%重量以上含ん
でいる複合繊維またはブレンド繊維であり、また他の一
つは、ポリエーテルエステルアミド(E)もしくはポリ
エーテルエステルアミドと他の熱可塑性樹脂(F)との
混合物を5重量%以上含んでいる複合繊維またはブレン
ド繊維を用いることである。
【0013】以下、それぞれの繊維について詳細に説明
する。まず、前者の共重合ポリエステル(D)を含む繊
維について説明すると、この共重合ポリエステル(D)
において、親水性化合物(A)としては、エステル形成
基を1個以上含有する化合物であるのが好ましく、特に
限定されないが、代表的な化合物としてポリオキシアル
キレン化合物、ポリオキサゾリン類、ポリアクリルアミ
ドとその誘導体などを用いることができる。その中で
も、ポリオキシアルキレン化合物が好ましく、ポリオキ
シエチレン化合物はさらに好ましい。さらに、ポリオキ
シエチレン化合物の中でも、ポリエチレングリコール化
合物が好ましく、結晶化抑制因子を含むポリエチレング
リコールが特に好ましい。
【0014】ここで、結晶性抑制因子とは、分子鎖中あ
るいは末端に存在し、ポリエチレングリコールの繰り返
し単位の対称性を乱すような有機残基のことをいう。結
晶化抑制とは、示鎖走査熱分析(DSC、昇温条件16
℃/分)によって求めた融点が同じ分子量のポリエチレ
ングリコールの融点より低くなることをいう。親水性化
合物(A)の分子量は、ポリエステルとの相溶性および
ポリエステル中における分散性の観点から600〜20
000であることが好ましく、より好ましくは、100
0〜10000であり、さらに好ましくは、2000〜
6000である。また、親水性化合物(A)の共重合の
割合は特に限定はされないが、紡糸性の観点から、全ポ
リマー重量に対して40〜99重量%であることが好ま
しい。
【0015】これらの化合物は、大部分がポリエステル
中に共重合されているのが好ましいが、一部については
ポリマー中に分散した状態で存在していてもよい。次
に、共重合ポリエステル(D)中に含有させる極性基含
有化合物(B)としては、特に限定はされないが、下記
一般式(I) Yi −R1 −Xn (I) (ただし、式中R1 は有機残基、Xはエステル形成性基
でありnは1以上の正数、Yi はアミノ基、スルホン
基、カルボキシル基、水酸基、アミド基およびホスホン
酸基などの誘導体の中から選ばれる1つ以上の極性基を
示す(i≧1の整数)。)で表される極性基を有する化
合物が好ましい。
【0016】ここで、含有とは、ポリエステル中に分散
または共重合した状態のことをいうが、特に共重合して
いる状態であるのが好ましい。化合物としては、特にス
ルホン酸塩基を有する化合物が好ましい。極性基含有化
合物(B)を含有させることにより、ポリマーの吸湿率
がさらに高まるばかりか、ポリマー中に水素結合やイオ
ン性相互結合作用を生じ、繊維とした場合に経時的な物
性の変化が生じにくいという効果が得られる。
【0017】極性基含有化合物(B)の含有量は、糸切
れの発生を防止し、かつ経時的な変化を生じにくくする
観点から、全ポリマーを構成する酸成分に対して0〜5
0モル%であるのが好ましく、さらに好ましくは2〜1
5モルである。また、共重合ポリエステル(D)中に含
有させる架橋剤(C)としては、ポリエステルと反応
し、架橋構造を形成する化合物であれば、特に限定はさ
れないが、下記一般式(II) (R3O)n2 (COOR4)m (II) (ただし、式中R2 は3〜6価の有機残基、R3 は水素
あるいはアセチル基、R4 は水素あるいはアルキル基、
3≦m+n≦6。)で表される多官能化合物を用いるこ
とが好ましい。
【0018】ここで、含有とは、ポリエステル中に分散
している状態のことをいうが、共重合により架橋構造で
ある状態は好ましい。化合物としては、トリメリット
酸、ピロメリット酸などの多官能カルボン酸、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールな
どのポリオールが好ましいが、特に好ましいのはトリメ
リット酸である。架橋剤(C)を含有させることで、ポ
リマーの吸湿性がさらに高まるばかりでなく、ポリマー
中に架橋構造が形成され、繊維とした場合に経時的な物
性の変化が生じにくいという効果が得られる。
【0019】架橋剤(C)の割合は、全ポリマーを構成
する酸成分に対して0〜30モル%が好ましく、さらに
好ましくは1〜15モル%、特に好ましくは、2〜10
モル%である。このような範囲とすることにより、吸湿
性を高く保持し、製糸性が良好になり、強度等の繊維物
性が向上するので好ましい。共重合ポリエステル(D)
には、上述した極性基含有化合物(B)と架橋剤(C)
との少なくともいずれか一方が含有されるが、好ましく
はこの極性基含有化合物(B)と架橋剤(C)との両者
を含んでいることがよい。
【0020】また、共重合ポリエステル(D)には、本
発明の目的を損なわない範囲で、酸化チタン、カーボン
ブラックなどの顔料、アルキルベンゼンスルホン酸塩な
どの界面活性剤、各種の抗酸化剤、着色防止剤、耐光
剤、帯電防止剤などが添加されていてももちろんよい。
次に、前述した後者のポリエーテルエステルアミド
(E)またはポリエーテルエステルアミドと他の熱可塑
性樹脂(F)との混合物を含む繊維について説明する。
【0021】ポリエーテルエステルアミド(E)とは、
同一分子鎖内にエーテル結合、エステル結合を持つブロ
ック共重合体のことをいう。より具体的には、ラクタ
ム、アミノカルボン酸、ジアミンとジカルボン酸の塩か
ら選ばれた、1種もしくは2種以上のポリアミド形成性
成分(G)およびジカルボン酸とポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールからなるポリエーテルエステル形成性
成分(H)を重縮合反応させて得られるブロック共重合
体ポリマーを好ましく用いることができる。
【0022】ポリエーテルエステルアミドのポリアミド
形成性成分(G)としては、ラクタム類、ω−アミノカ
ルボン酸、ナイロン塩類などを用いることができ、これ
らを、1種または2種以上混合して用いることができ
る。好ましいポリアミド形成性成分としては、ε−カプ
ロラクタム、ナイロン66塩である。一方、ポリエーテ
ルエステルアミドのソフトセグメントを構成するポリエ
ーテルエステル成分(H)としては、炭素数4〜20の
ジカルボン酸とポリ(アルキレンオキシド)グリコール
が好ましい。
【0023】炭素数4〜20のジカルボン酸としては、
脂肪族、芳香族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸など
を用いることができ、1種または2種以上混合して用い
ることができる。好ましいジカルボン酸は、アジピン
酸、セバポリグリシンなどのポリアミド、ポリエステ
ル、ポリオレフィンなどの汎用熱可塑性樹脂シン酸、デ
カジ酸、テレフタル酸、イソフタル酸などである。
【0024】また、ポリ(アルキレンオキシド)グリコ
ールとしては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2
−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(1,3−プ
ロピレンオキシド)グリコール、ポリテトラメチレンオ
キシドグリコール、ポリヘキサメチレンオキシドグリコ
ール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドまたは、
テトラヒドロフランとのランダムまたはブロック共重合
などを用いることができ、特にポリエチレングリコール
が好ましい。ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの
数平均分子量は300〜10000であるのが好まし
く、より好ましくは、500〜4000の範囲である。
【0025】ポリエーテルエステルアミドブロック共重
合体は、上記したポリアミド形成性成分(G)とポリエ
ーテルエステル形成性成分(H)を重縮合することによ
って得られる。ポリエーテルエステルアミドと混合物に
する熱可塑性樹脂(F)としては、例えば、ナイロン6
6、ナイロン6のようなポリアミド、ポリエステル、ポ
リオレフィンのうち1種または2種以上を用いることが
できる。特に、ナイロン66、ナイロン6、スルホネー
ト化合物を共重合した変性ポリエチレンテレフタレート
などがポリエーテルエステルアミドと相溶性が良好で、
相互に微分散が可能であり、また、熱水による膨潤が小
さいため好ましい。
【0026】ここで変性ポリエステルの共重合成分とし
て好ましいスルホネート化合物として、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸、5−(テトラアルキル)ホスソニ
ウムスルホイソフタル酸およびそれらのエステル誘導
体、p−ヒドロキシエトキシベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、2,5−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンス
ルホン酸カリウムなどを用いることができる。
【0027】このスルホネート化合物の共重合量はポリ
エーテルエステルアミドとの相溶性と、得られるブレン
ド繊維の物性との兼ね合いから酸成分に対して0.1〜
7モル%であるのが好ましく、より好ましくは0.2〜
6モル%、さらに好ましくは、0.5〜5モル%であ
る。ポリエーテルエステルアミドと熱可塑性樹脂(F)
との混合比率は、十分な吸湿特性を得ることや、染色加
工工程のような熱水雰囲気下で、膨潤による繊維表面の
割れを防ぐという観点から、5〜50重量%が好まし
く、より好ましくは7〜45重量%であり、さらに好ま
しくは10〜40重量%である。
【0028】本発明において、前述した吸湿性成分であ
る共重合ポリエステル(D)、ポリエーテルエステルア
ミド(E)、またはポリエーテルエステルアミドと熱可
塑性樹脂(F)との混合物を含む複合繊維またはブレン
ド繊維とする為に併用する繊維形成性重合体としては、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、
ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど
のポリエステルなどを用いることができるが、これらに
限定されるものではない。衣料用合成繊維としてもっと
も汎用性の高い、ポリエチレンテレフタレートを主体と
するポリエステルを用いることは好ましい。
【0029】複合繊維の形態としては特に限定はされな
いが、図1に示すような芯部1と鞘部2からなる芯鞘型
複合繊維、図2に示すような芯部1と鞘部2と中空部3
からなる芯鞘型複合中空繊維、図3に示すような島部1
aと海部2aからなる海島型複合繊維、図4に示すよう
な張り合わせ部1b,2bからなる張り合わせ型複合繊
維などを用いることができる。
【0030】例えば、図1の芯鞘型複合繊維および図2
の芯鞘型複合中空繊維の場合には、芯部に共重合ポリエ
ステル(D)、ポリエーテルエステルアミド(E)また
はポリエーテルエステルアミドと他の熱可塑性樹脂
(F)との混合物などの吸湿性ポリマーを用い、繊維形
成性重合体を鞘部に用いることができる。芯鞘断面形状
は、同心円状や偏心円状でもよく、繊維形状は円形、多
角形、H形などの異形断面でもよい。
【0031】この場合の複合比率(重量%)は芯/鞘=
5/95〜90/10が好ましく、さらに好ましくは7
/93〜50/50、特に好ましくは10/90〜30
/70である。芯部の複合比率の下限は、十分な吸湿性
を付与する目的から適宜設定され、また上限は、紡糸性
の低下や繊維物性の低下を防ぐ観点から適宜設定され得
る。
【0032】また、図3の海島型複合繊維および図4の
張り合わせ型複合繊維の場合には、島部または張り合わ
せ部に共重合ポリエステル(D)、ポリエーテルエステ
ルアミド(E)またはポリエーテルエステルアミドと他
の熱可塑性樹脂(F)との混合物などの吸湿性ポリマー
を用い、海部または他方の張り合わせ部に繊維形成性重
合体を用いることができる。
【0033】上記島部または一方の張り合わせ部の繊維
形成性重合体に対する複合比率は5〜90重量%が好ま
しい。さらに好ましくは7〜50重量%、特に好ましく
は10〜30重量%である。この島部または一方の張り
合わせ部の複合比率の下限は、十分な吸湿性を付与する
目的から適宜設定され、上限は、紡糸性の低下や繊維物
性の低下を防ぐ観点から適宜設定される。
【0034】ブレンド繊維の場合には、繊維形成性重合
体に対する共重合ポリエステル(D)、ポリエーテルエ
ステルアミド(E)またはポリエーテルエステルアミド
と他の熱可塑性樹脂(F)との混合物などの吸湿性ポリ
マーの配合比率は、全ポリマー量に対して5〜80重量
%が好ましく、より好ましくは5〜35重量%、さらに
好ましくは7〜30重量%である。
【0035】配合比率の下限は十分な吸湿性を付与する
目的から適宜設定され、配合比率の上限は、紡糸性の低
下や繊維物性の低下を防ぐ観点から適宜設定される。上
記繊維形成重合体には、本発明の目的を損なわない範囲
で、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
カーボネートなどを含んでいてもよい。また、繊維形成
性重合体には、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化
チタン、カーボンブラックなどの顔料、各種の抗酸化
剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤などが添加されて
いてももちろんよい。
【0036】本発明のポリエステル外衣に使用する織物
には、上述した吸湿性に優れたポリエステル系フィラン
ト糸条が経糸および/または緯糸として使用される。経
糸および緯糸の織り密度は、それぞれ30〜300本/
インチであって、経糸および緯糸のうち少なくともいず
れか一方は、単糸繊度が0.05〜10デニール、総繊
度が30〜500デニール、糸強度が2〜7g/dであ
ることが好ましい。また、この織物は、引裂き強力が4
00〜3000g、目付が50〜300g/m2 、厚さ
が0.1〜1mmであることが好ましい。
【0037】ここで、織物の引裂き強力とは、JIS
L 1096 D法(引裂き強さ、ペンジュラム法)に
より測定したものであり、また織物の厚さとは、JIS
L1096法(厚さ法)により測定したものであり、
縫目ずれとは、JIS L1096 B法(縫目滑脱
法)により測定したものである。経糸および緯糸の織物
の織密度が30本/インチに満たないと、縫目ずれや着
用時の目ずれを引き起こしやすくなる。他方、織密度が
300本/インチを越えると、生地が厚くなり、軽量感
が損なわれ、また製織性が困難になる。
【0038】また、織物を構成する経糸および緯糸のう
ち少なくともいずれかの単糸繊度が10デニールよりも
大であると、布帛の風合いが硬くなり、外衣として使用
することが難しくなる。しかし、単糸繊度があまり細す
ぎて、0.05デニール未満であっては、製糸性が低下
する。単糸繊度の下限としては、さらに好ましくは、製
織性や外衣の強度、風合いなどの観点から、0.5デニ
ール以上であるのがよい。
【0039】また、経糸および緯糸には、単糸繊度の異
なるフィラメント糸を混繊した異繊度混繊糸を使用する
こともできる。このような異繊度混繊糸の使用によっ
て、ソフトで張りのある外衣を作製することができる。
この異繊度混繊糸使いの場合には、太繊度のフィラメン
ト糸の方に上述した吸湿性ポリエステル系フィラメント
糸条を用いるようにすると、吸湿率が高く、かつソフト
で張りのある外衣を作製することができる。
【0040】経糸および緯糸のうち、少なくともいずれ
か一方の総繊度が30デニールに満たない場合には、製
織性、製糸性が悪くなり、また、張り・腰のない織物に
なるため、外衣用の生地としては不向きになる。また、
経糸および緯糸のいずれかの総繊度が500デニールよ
り大きくなると、織物の風合いが硬くなるので、外衣用
の生地として不向きになる。
【0041】また、経糸および緯糸の少なくともいずれ
か一方の強度が2.0g/デニール未満であったり、ま
た織物自体の引裂き強力が400g未満であったりする
と、外衣として着用中に肘や膝あるいは袖付けなどの力
のかかる部分に破れを生じやすくなり、外衣としての強
度を十分に保つことが難しくなる。また、織物の目付が
50g/m2 未満であったり、厚さが0.1mm未満で
あったりすると、外衣用織物としての張り・腰、反発感
などの特性が低下して、生地の仕立映え、着用感が悪く
なる。一方、目付が300g/m2 よりも大きかった
り、厚さが1mmよりも大きかったりすると、外衣とし
て重くなりすぎて着用感が悪化するようになる。
【0042】本発明のポリエステル外衣に使用する織物
の組織としては、平組織、綾組織、朱子組織およびそれ
らの変化組織など、表地として通常使用されている組織
であれば、特に限定されるものではない。本発明のポリ
エステル外衣に使用する織物の染色加工工程としては、
リラックス精錬−中間セット−染色−機能性付与加工−
仕上げセットの通常の加工工程で何等問題はなく、他
に、生機セットを行ったり、アルカリ処理を行っても問
題はない。
【0043】機能性付与加工としては、帯電防止、消
臭、撥水、防汚および防カビ加工など、布帛の風合をソ
フトに保つと共に本発明の目的を損なわない範囲であれ
ば、何等限定されるものではない。また、吸湿加工の機
能性付与を行うことは、織物の吸湿率を向上させ、着用
時の快適性を向上するため一層好ましいことである。上
述した本発明のポリエステル外衣は、ブラウス、パン
ツ、スーツ、ジャケット、ワンピース、スカートなど外
衣用全般に適用可能であるが、特に婦人洋装分野の織物
生地として使用すると好適である。
【0044】
【実施例】以下に説明する実施例において使用する各評
価は次の測定方法により求めたものである。 〔吸放湿性パラメーターΔMR〕原糸または布帛1〜3
gを用い、絶乾時の重量Woと20℃×65%RHおよ
び30℃×90%RHの雰囲気下に市販の恒温恒湿器中
に24時間放置後の重量W1 およびW2 をそれぞれ測定
し、次式によって20℃×65%RHでの吸湿率MR1
と30℃×90%RHでの吸湿率MR2 を算出する。
【0045】 MR1 (%)=[(W1 −Wo)/Wo]×100 MR2 (%)=[(W2 −Wo)/Wo]×100 次いで、上記吸湿率MR1 ,MR2 から、次式によって
吸放湿性パラメーターΔMRを算出した。 ΔMR(%)=MR2 −MR1 〔強力〕市販のテンシロン引張り試験機を用いて試長2
0cm、引張り速度10cm/分の条件で応力−歪み曲
線から値を求めた。 〔着用時の快適性、まつわりつき〕それぞれの布帛でブ
ラウスあるいはパンツを作成し、30℃×65%の恒温
恒湿室内で時速8kmの軽い運動を15分行った後の、
被験者の官能試験により快適性の評価を行った。さら
に、ブラウス、パンツの身体へのまつわりつきの有無を
調べた。
【0046】快適性評価の結果は、不快:×、やや快
適:△、快適:○、非常に快適:◎で表示した。 実施例1 ジメチルテレフタル酸194部、エチレングリコール1
35部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル2
6.6部、トリメリット酸トリメチル7.5部およびテ
トラブチルチタネート0.1部を加え、エステル交換反
応を行った後、分子量4000のポリエチレングリコー
ル328部を加え、重合を行い共重合ポリエステルを製
造した。
【0047】得られた共重合ポリエステルを芯成分と
し、ポリエチレンテレフタレートを鞘成分として、共重
合ポリエステルが繊維全重量の20重量%となるように
芯鞘型複合紡糸口金を使用して溶融紡糸し、延伸処理す
ることにより、吸放湿パラメーターΔMRが3.4%で
ある75デニール、36フィラメントのポリエステル系
フィラメント糸条および100デニール、48フィラメ
ントのポリエステル系フィラメント糸条を製糸した。
【0048】上記75デニール、36フィラメントのポ
リエステル系フィラメント糸条に実撚S200T/Mを
施して経糸に、また上記100デニール、48フィラメ
ントのポリエステル系フィラメント糸条に実撚SZ20
00T/Mを施して緯糸に用いて、ウォータージェット
ルームにより、仕上経密度が115本/インチ、緯密度
が85本/インチのデシン織物を作製した。織物の染色
加工は通常のポリエステル薄地織物の加工工程で実施し
た。また、良好な風合いを得るためアルカリ減量加工
(減量率18%)を施した。
【0049】上記織物に使用したポリエステル系フィラ
メント糸条の強度は、経糸が3.5g/d、緯糸が3.
3g/dであった。また、得られた織物の引裂き強力
は、経方向1000g、緯方向900gであり、厚さは
0.27mm、目付は120g/m2 であった。また、
織物の吸放湿パラメーターΔMRは3.4%、5回洗濯
後の吸放湿パラメーターΔMRは3.3%であり、摩擦
帯電圧は0.1kv、5回洗濯後の摩擦帯電圧は0.3
kvであった。
【0050】快適性試験では非常に快適(◎)であり、
ブラウスの身体へのまつわりつきは見られなかった。さ
らに、洗濯5回後の快適性試験も非常に快適(◎)であ
り、身体へのまつわりつきは見られなかった。評価結果
を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】実施例2〜3 実施例1において、吸湿性ポリマー(共重合ポリエステ
ル)を繊維全重量に対して、それぞれ10重量%(実施
例2)、7重量%(実施例3)の複合比率にした複合繊
維にした以外は、実施例1と同様にしたポリエステル系
フィラメント糸条を作って織物にし、実施例1と同様の
評価を行った。このときのポリエステル系フィラメント
糸条の吸放湿パラメーターΔMRは、それぞれ0%(実
施例2)、0.1%(実施例3)であった。
【0053】評価結果を表1に示す。 比較例1 実施例1において、吸湿性ポリマー(共重合ポリエステ
ル)を繊維全重量に対して3重量%の複合比率にした複
合繊維にした以外は、実施例1と同様にしてポリエステ
ル系フィラメント糸条(吸放湿パラメーターΔMRは
0.5%)を作って織物にし、実施例1と同様の評価を
行った。
【0054】評価結果を表1に示す。 比較例2 ポリエステル100%のマルチフィラメント糸(吸放湿
パラメーターΔMRは0%)を用い、実施例1と同様に
して織物を作って同様の評価を行った。評価結果を表1
に示す。
【0055】比較例3 ポリエステル100%のマルチフィラメント糸(吸放湿
パラメーターΔMRは0%)を用い、実施例1と同様に
して得た織物に帯電防止加工した布帛を用い、実施例1
と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0056】実施例4 実施例1と同じポリエステル系フィラメント糸条を使用
して、仕上経密度が189本/インチ、緯密度が88本
/インチの朱子織物を作製し、実施例1と同様の染色加
工を施した。得られた織物の引裂き強力は、経方向12
00g、緯方向1000gであり、縫目ずれは縦方向
1.2mm、緯方向1.1mmであった。縫製性は、通
常の表地と何等変わることなく、良好であり、縫目ずれ
などは発生しなかった。
【0057】また、着用性についても、強度があり、縫
目ずれなど起こることがなく、また風合いはソフトで良
好であった。さらに、得られた製品でパンツを縫製し、
その快適性試験を実施した結果、身体へのまつわりつき
がなく、非常に快適(◎)との評価であった。また、5
回洗濯後の快適性も良好であった。
【0058】実施例5 実施例1で得られた吸湿性ポリマー(共重合ポリエステ
ル)を芯成分とし、ポリエチレンテレフタレートを鞘成
分として、共重合ポリエステルが繊維全重量の10重量
%となるように芯鞘型複合繊維として溶融紡糸し、延伸
することにより、で吸放湿パラメーターΔMRが1.7
%で、150デニール、72フィラメントのポリエステ
ル系フィラメント糸条および150デニール、48フィ
ラメントのポリエステル系フィラメント糸条を得た。
【0059】このフィラメントを用い経糸の上記150
デニール、72フィラメントのポリエステル系フィラメ
ント糸条にS1500T/Mを施して経糸に用い、また
上記150デニール、48フィラメントのポリエステル
系フィラメント糸条を双糸として下撚300T/Mを施
し、次に東京芝浦機械製スピンドル仮撚機でスピンドル
回転数:20万rpm、仮撚数:1750T/M、温
度:180℃で先撚仮撚加工糸にしたものを緯糸に用
い、ウォータージェットルームにより3/2綾組織で仕
上経密度が104本/インチ、緯密度が59本/インチ
の規格になる厚地織物を作製した。
【0060】織物の染色加工は通常のポリエステル厚地
織物の染色加工工程で実施した。また、良好な風合いを
得るためアルカリ減量加工(減量率:22%)を施し
た。上記織物に使用したポリエステル系フィラメント糸
条の強度は、経糸3.5g/d、緯糸3.4g/dであ
った。また、得られた織物の引裂き強力は、経方向35
00g、緯方向4100gであり、厚さは0.56m
m、目付は209g/m2 であった。
【0061】また、織物の吸放湿パラメーターΔMRは
1.7%、5回洗濯後の吸放湿パラメーターΔMRは
1.6%であり、摩擦帯電圧は0.2kv、5回洗濯後
の摩擦帯電圧は0.4kvであった。また、製品風合い
もパンツとして必要な張り・腰を有し、反発感、ドレー
プ性に富んだ良好なものになった。さらに、パンツに縫
製して実施例1と同様の快適性試験を行った結果は、快
適(○)との評価であり、身体へのまつわりつきは見ら
れなかった。また、縫目ずれも問題なかった。
【0062】実施例6 実施例1で得られた吸湿性ポリマー(共重合ポリエステ
ル)を芯成分とし、ポリエチレンテレフタレートを鞘成
分として、共重合ポリエステルが繊維全重量の14%と
なるように芯鞘型複合繊維に溶融紡糸し、延伸すること
により、吸放湿パラメーターΔMRが2.4%である3
0デニール、6フィラメントのポリエステル系フィラメ
ント糸条および75デニール、36フィラメントのポリ
エステル系フィラメント糸条を得た。
【0063】上記30デニール、6フィラメントのポリ
エステル系フィラメント糸条と吸湿ポリマーを含有しな
い60デニール、144フィラメントの通常のポリエス
テルフィラメント糸条とを、混繊機(愛機製AT−50
1型)を使用してインターレース交絡処理を施した後、
実撚S1000T/Mを施し、経糸用とした。また、上
記75デニール、36フィラメントのポリエステル系フ
ィラメント糸条に実撚SZ2500T/Mを施して、緯
糸とした。これら経糸と緯糸とをウォータージェットル
ームにより平組織で仕上げ経密度140本/インチ、緯
密度が108本/インチの規格になる薄地織物を作製し
た。
【0064】得られた織物の染色加工は通常のポリエス
テル薄地織物の染色加工工程で実施した。また、良好な
風合いを得るためアルカリ減量加工(減量率:20%)
を施した。織物に使用した上記糸条の強度は、経糸が
3.1g/d、緯糸が3.0g/dであった。また、得
られた織物の引裂き強力は、経方向2100g、緯方向
2000gであり、厚さは0.26mm、目付は109
g/m2 であった。
【0065】また、織物の吸放湿パラメーターΔMRは
2.4%、5回洗濯後の吸放湿パラメーターΔMRは
2.3%であり、摩擦帯電圧は0.2kv、5回洗濯後
の摩擦帯電圧は0.4kvであった。また、製品風合い
も表面タッチがソフトで、張り・腰があり、反発感、ド
レープ性に富んだ良好なものになった。さらに、製品を
ブラウスに縫製して実施例1と同様の快適性試験を行っ
たところ、快適(○)の評価であり、身体へのまつわり
つきは見られなかった。また、縫目ずれも問題なかっ
た。
【0066】比較例4 実施例1で用いたフィラメントで、仕上経密度が189
本/インチ、緯密度が25本/インチの平織物を作っ
た。得られた織物の縫目ずれは縦方向2.0mm、緯方
向4.5mmであった。そのため、縫製時に縫目ずれが
生じ縫製性が悪く、さらに、着用後の目ずれが生じた。
【0067】比較例5 実施例1で用いたフィラメントで、仕上経密度が310
本/インチ、緯密度が85本/インチの朱子織物を作製
したが、経糸の開口不良で織れなかった。 比較例6 経糸に75デニール6フィラメント、緯糸に100デニ
ール48フィラメントを用い、さらに、それぞれの糸
が、吸湿率17%の性能を有する吸湿性ポリマーを繊維
全重量の20重量%含んでいる複合繊維であるフィラメ
ントを作製した。このフィラメントで、仕上経密度が1
15本/インチ、緯密度が85本/インチの平織物を作
製し、この織物を表地に用いてスカートを作製した。
【0068】得られた織物の引裂き強度は、経方向16
00g、緯方向1400gであり、縫目ずれは縦方向
1.5mm、緯方向2.5mmであった。そのため、縫
製時に縫目ずれが生じ縫製性が悪かった。また、着用性
については、強度はあったが、目ずれが生じやすく、風
合いが硬いため外衣としては不適であった。
【0069】比較例7 経糸に20デニール12フィラメント、緯糸に75デニ
ール36フィラメントを用い、さらに、それぞれの糸
が、吸湿率17%の性能を有する吸湿性ポリマーを繊維
全重量の20重量%含んでいる複合繊維であるフィラメ
ントを作製した。このフィラメントで、仕上経密度が1
64本/インチ、緯密度が85本/インチの平織物を作
製し、この織物を表地に用いてブラウスを作製した。
【0070】得られた織物の引裂き強度は、経方向38
0g、緯方向620gであり、縫目ずれは縦方向2.0
mm、緯方向2.5mmであった。そのため、縫製時に
縫目ずれが生じ縫製性が悪かった。また、着用性につい
ては、強力が弱い上、目ずれが生じやすかった。 比較例8 経糸に150デニール48フィラメント、緯糸に300
デニール48フィラメントを用い、さらに、それぞれの
糸が、吸湿率17%の性能を有する吸湿性ポリマーを繊
維全重量の20重量%含んでいる複合繊維であるフィラ
メントを作製した。
【0071】このフィラメントで、仕上経密度が60本
/インチ、緯密度が42本/インチの綾織物を作製し、
この織物を表地に用いてスカートを作製した。得られた
織物の引裂き強度は、経方向3700g、緯方向430
0gであり、縫目ずれは縦方向2.0mm、緯方向2.
0mmであった。また、着用性については、強力はあっ
たが、目ずれが生じやすく、風合いが硬いため外衣とし
ては不適であった。
【0072】
【発明の効果】上述したように、本発明のポリエステル
外衣によれば、ポリエステル繊維の優れた形態安定性や
強度保持性などの特性を具備しながら、大きな吸湿率に
よる優れた着用快適性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる芯鞘型複合繊維の横断面を示す
モデル図である。
【図2】本発明に用いる芯鞘型複合中空繊維の横断面を
示すモデル図である。
【図3】本発明に用いる海島型複合繊維の横断面を示す
モデル図である。
【図4】本発明に用いる張り合わせ型複合繊維の横断面
を示すモデル図である。
【符号の説明】
1 芯部 2 鞘部 1a 島部 2a 海部 1b,2b 張り合わせ部 3 中空部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸放湿パラメーターΔMRが1%以上の
    ポリエステル系フィラメント糸条を含む織物からなり、
    該織物のJIS L 1094 B法による摩擦帯電圧
    が3kv未満であり、経糸及び緯糸の織密度がそれぞれ
    30〜300本/インチであると共に、これら経糸及び
    緯糸のうち少なくともいずれか一方の単糸繊度が0.0
    5〜10デニール、総繊度が30〜500デニール、糸
    強度が2〜7g/dであり、かつ該織物の引裂き強力が
    400〜3000g、目付が50〜300g/m2 、厚
    さが0.1〜1mmであるポリエステル外衣。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステ系フィラメント糸条が、
    親水性化合物を共重合すると共に、極性基含有化合物お
    よび架橋剤のうち少なくともいずれかを含有する共重合
    ポリエステルを5重量%以上含む複合繊維またはブレン
    ド繊維である請求項1に記載のポリエステル外衣。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステル系フィラメント糸条
    が、ポリエーテルエステルアミドまたはポリエーテルエ
    ステルアミドと他の熱可塑性樹脂との混合物を5重量%
    以上含む複合繊維またはブレンド繊維である請求項1に
    記載のポリエステル外衣。
JP8166340A 1996-06-26 1996-06-26 ポリエステル外衣 Pending JPH108346A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103445359A (zh) * 2013-09-16 2013-12-18 吴江市海丰喷织有限公司 一种多功能防静电面料
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US9797341B2 (en) 2009-07-01 2017-10-24 New Power Concepts Llc Linear cross-head bearing for stirling engine
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US12078123B2 (en) 2007-04-23 2024-09-03 Deka Products Limited Partnership Stirling cycle machine
US12104552B2 (en) 2007-04-23 2024-10-01 Deka Products Limited Partnership Stirling cycle machine

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