JP2005171427A - 交織織物 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、従来になかった高い吸放湿性を有し、さらに高ストレッチ性を有する快適な交織織物を提供せんとするものである。
【解決手段】
原料が竹である再生セルロース系繊維からなるフィラメント糸および/またはスパン糸と、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分としたポリエステルマルチフィラメント糸とを用いてなり、該ポリトリメチレンテレフタレート糸は、伸縮伸長率が20%以上、伸縮弾性率が70%以上あり、且つ撚数が0〜800t/mである交織織物。
【選択図】なし
本発明は、従来になかった高い吸放湿性を有し、さらに高ストレッチ性を有する快適な交織織物を提供せんとするものである。
【解決手段】
原料が竹である再生セルロース系繊維からなるフィラメント糸および/またはスパン糸と、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分としたポリエステルマルチフィラメント糸とを用いてなり、該ポリトリメチレンテレフタレート糸は、伸縮伸長率が20%以上、伸縮弾性率が70%以上あり、且つ撚数が0〜800t/mである交織織物。
【選択図】なし
Description
本発明は、主原料が竹である再生セルロース混紡糸と高トルク伸縮性ポリトリメチレンテレフタレートを主体とするポリエステル糸を経糸および緯糸に用い、高い吸放湿性、優れた張り腰感、および高ストレッチ性に優れる衣料用交織織物に関するものである。
近年、繊維製品では機能性、快適性の高度化が求められており、例えば吸湿、保温、透湿防水、消臭、抗菌性、マイナスイオンなど様々な機能が要求されている。衣料用織物としては、これまで数々の吸放湿素材が開発され、天然繊維を除く合繊織物では、後加工での薬剤付与により、その特性を付与しているが、風合いはドライ感、張り腰感に乏しく、ヌメリ感を有するものであった。
また、ストレッチ性は衣料用素材全体で求められるようになっている。人が着用した場合に快適と感じる適度な吸放湿性を保有するストレッチ性衣料用織物はこれまでに存在しなかった。これまでのストレッチ素材は、編物やポリウレタン弾性繊維、すなわちスパンデックスのカバーリング糸使用の織物が主流であった。また、スパンデックスを用いた場合は、原糸、高次加工費のコスト高の問題があった。また、原糸及び高次加工費の低コスト化を目的に仮撚加工糸を用いてストレッチ素材を製造する手法においては、高クリンプ、高トルクを得るために先撚/仮撚/追撚等の工夫が行われている。しかし、生産工程において、先撚を施した後仮撚は、仮撚時に糸切れを発生し、時として生産効率を落とすことになっている。さらに製織する上において、高トルクの糸だけに取り扱いに高度の技術を要し、製織時の停台回数も多く、ビリの折り込みもあり、高品質の織物を安定して生産する事に難がある。また強撚を施しているにも関わらず、仮撚加工を行うが十分なストレッチが得られず、風合いもフカツキ、シボが発生し、生地表面がプレーンでないという問題があった。
また、一方、ポリエチレンテレフタレート成分同士のサイドバイサイド型複合繊維が種々提案されている。例えば固有粘度差あるいは極限粘度差を有するサイドバイサイド複合糸が提案され(例えば、特許文献1,2参照)非共重合ポリエチレンテレフタレートとそれより高収縮性の共重合ポリエチレンテレフタレートのサイドバイサイド複合糸が提案されている(例えば、特許文献3参照)。このようなサイドバイサイド型複合繊維を用いれば、ある程度のストレッチ性のある糸を得ることが出来るが、織物にした際のストレッチ性が不十分となり、満足なストレッチ性織物が得られにくいという問題があった。
特公昭44−2504号公報
特開平4−308271号公報
特開平5−295634号公報
本発明は、かかる従来技術の背景を鑑み、従来になかった高い吸放湿性を有し、さらに高ストレッチ性を有する快適な交織織物を提供せんとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
(1) 原料が竹である再生セルロース系繊維からなるフィラメント糸および/またはスパン糸と、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分としたポリエステルマルチフィラメント糸とを用いてなり、該ポリトリメチレンテレフタレート糸は、伸縮伸長率が20%以上、伸縮弾性率が70%以上あり、且つ撚数が0〜800t/mである交織織物。
(2) 該織物が、該原料が竹である再生セルロース系繊維からなるフィラメント糸および/またはスパン糸と、該ポリエステルマルチフィラメント糸とで交織されて構成されたものである(1)記載の交織織物。
(3) 該原料が竹である再生セルロース系繊維からなるフィラメント糸および/またはスパン糸が、ポリエステル系短繊維を用いた混紡糸である(1)または(2)に記載の交織織物。
(4) 該混紡糸の30℃×90%RHにおける吸湿率が18%以上である(1)〜(3)のいずれかに記載の交織織物。
(5) 該原料が竹である再生セルロース系繊維からなるフィラメント糸が、織物の少なくとも一方の表面の10%以上の表面積を占める(1)〜(4)のいずれかに記載の交織織物。
(6) 織物としての吸放湿率差(ΔMR)が4%以上である(1)〜(5)のいずれかに記載の交織織物。
(7) 該ポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルマルチフィラメント糸において、ポリトレメチレンテレフタレートの複合比率が30〜70重量%である(1)〜(6)のいずれかに記載の交織織物。
(8) 該ポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルマルチフィラメント糸が、織物中、10〜50重量%含有された(1)〜(7)のいずれかに記載の交織織物。
(9) 経方向または緯方向のストレッチ率が、5〜50%である(1)〜(8)のいずれかに記載の交織織物。
(10) 婦人外衣、スポーツ衣料全般、アウトドア用衣料全般、外衣全般、裏地全般及び肌着から選ばれる用途に用いられる(1)〜(9)のいずれかに記載の交織織物。
本発明によれば、吸放湿性に優れた高ストレッチ性交織織物を提供することができ、婦人外衣、スポーツ衣料全般、アウトドア用衣料全般、外衣全般、裏地全般および肌着などの衣料用途で広く使用できる。
本発明では、主原料が竹である再生セルロース系繊維(以下、竹繊維という)を用いるが、パルプなどの一般のレーヨンや木綿などの天然繊維に比べて、マイナスイオンを発生させる、吸放湿性が高い等、衣料用繊維として適した性能を有する。竹の原産地としては、アジアを中心に世界各国に広がっているが、特に中国産の竹が、上記効果に優れているので好ましく使用される。
本発明においては、かかる竹繊維は、フィラメント糸および/またはスパン糸の形態で用いられる。フィラメント糸、スパン糸は、一般の再生セルロース系繊維と同様の処理手段により製造することができる。例えばビスコース法の場合、竹をアルカリ及び二硫化炭素と反応させ、アルカリデンサートとして苛性ソーダに溶解して紡糸し、セルロースを凝固・再生することにより製造することができる。他の製法としては、銅アンモニア法、直接溶解法や、アセテートとして、半合成繊維としても製造することができる。
竹繊維としては、竹のみを原料としても良いが、衣料とした場合の十分な強度を得るためには、合成繊維、天然繊維、再生繊維、半合成繊維等を任意の割合で混紡することも好ましい。
合成繊維としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維およびアクリル系繊維から選ばれた少なくとも1種が好ましく使用される。特にポリエステル系繊維が、強度や剛性等の物性が高く、形態安定性に優れているので、最も好ましく用いられる。ポリエステル系繊維とは、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどであり、ホモポリマーだけでなく、染色性等を上げるために、これにポリエチレングリコールやソジウムスルホイソフタレートなどの他の成分を共重合したポリエステルを用いても良い。
天然繊維としては、木綿、麻、絹、羊毛、カシミア、アルパカ、モヘア、アンゴラ等が用いられる。
再生繊維としては、レーヨン,キュプラ等が好適に用いられる。
半合成繊維としては、アセテート等が用いられる。
竹繊維において、他の合成繊維、天然繊維等も用いる場合、他の成分は、竹繊維中、65重量%以下であることが、竹に起因する効果を奏するために好ましい。
織物としての十分な吸放湿性を得るため、竹繊維が交織織物全量に対して10〜50重量%含有されていることが好ましく、さらに好ましくは20〜40重量%である。
さらに、竹繊維が、交織織物のどちらか一方の表面において、少なくとも10%以上の表面積を占めることが好ましく、さらには30%以上であることが好ましい。該竹繊維の表面占有率が10%未満であると、快適な吸放湿性を充分に発生できない傾向がある。
竹繊維の単繊維繊度は1〜5デシテックスであることが好ましく、これを単独で使用して糸とする場合の総繊維繊度は10〜40番手(綿番手)であることが好ましい。
本発明におけるポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTという)を主成分とするポリエステルマルチフィラメント糸は、テレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、20モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合で他のエステル結合形成可能な共重合成分を含むものであってもよい。共重合可能な化合物としては、例えばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのジオール類を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などを添加してもよい。
PTTのホモポリマーを用いる場合には、ストレッチ性を最大に発現させるには、仮撚り加工糸とすることが好ましい。また、PTT同士であって、固有粘度の異なるものを張り合わせたPTT100%の延伸糸等も好ましい。さらに好ましくは、一方がPTTを主体とするポリエステル成分(高収縮成分)で、他方がポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)を主体とするポリエステル成分(低収縮成分)である2種類のポリエステル系重合体を繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維のマルチフィラメントが、捲縮発現後の伸縮率および伸縮弾性率を極めて高くでき、かつPTTとPETとの界面接着性が良好で、製糸性が安定していること、および力学的特性、化学的特性および原料価格の点から好ましい。
PETとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルが好ましい。ただし、他のエステル結合を形成可能な共重合が20モル%以下の割合で含まれるものも好ましく、10モル%以下の割合で含まれるものよりは好ましい。共重合可能な化合物として、たとえばスルフォン酸、ナトリウムスルフォン酸、硫酸、硫酸エステル、硫酸ジエチル、硫酸エチル、脂肪族スルフォン酸、エタンスルフォン酸、クロロベンゼンスルフォン酸、脂環式スルフォン酸、イソフタル酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、アジピン酸、シュウ酸、デカンジカルボン酸、などのジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ε-カプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸などのジカルボン酸類、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ハイドロキノン、ビスフェノールAなどのジオール類が好ましく使用される。
また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダ−ドフェノール誘導体、着色顔料などの添加してもよい。
また、PTTと他成分とのサイドバイサイド型複合繊維とする場合、製糸性および繊維長さ方向のコイルの寸法均質性の点で、PTT成分が複合繊維中、30〜70重量%であることが好ましく、さらには、45〜65重量%であることが好ましい。
サイドバイサイド型複合繊維の断面形状は、丸断面、三角断面、マルチローバル断面、偏平断面、ダルマ型断面、X型断面その他の異形断面であってもよいが、捲縮発現性、捲縮の均一性から、偏平断面で特にキノコ型あるいはダルマ型断面の形状のものが好ましい。他には丸断面の半円状サイドバイサイドや軽量、保温を狙った中空サイドバイサイド、ドライ風合いを狙った三角断面サイドバイサイド等が好ましく用いられる。
ここでいうキノコ型扁平断面とは、例えば、高伸縮性ポリマ−のホモPTTと低固有粘度ホモPETを用いる場合を例に挙げれば、それぞれのポリマーを別々に溶融し、複合紡糸扁平口金から張り合わせ複合紡糸することにより得られるサイドバイサイド型複合繊維であり、糸の断面形状は、低固有粘度ホモPETはキノコの傘部、高伸縮性ポリマ−のホモPTTはキノコの柄部に似た断面形状である。
ポリエステルマルチフィラメント糸の原糸の総繊度は、22〜330デシテックスが好ましく、40〜165デシテックスがより好ましい。22デシテックス以上とすることで、捲縮によるストレッチ性の実効を充分に得ることができ、また330デシテックス以下とすることによりシボ感を抑えることができる。さらに、56〜165デシテックスのものが繊細な風合いとストレッチ性があるので、特に好ましい。
マルチフィラメント糸の単繊維繊度は、1.1〜10デシテックスが好ましく、より好ましくは1.1〜6デシテックスのものが、シボ感がなく、かつストレッチ性のバランスがよく、好ましい。
本発明におけるPTTを主体とするポリエステル系マルチフィラメント糸が織物全量に対して10〜50重量%含有されていることが、織物としての十分なストレッチ性を得るためには、好ましい。より好ましくは20〜40重量%である。
本発明のポリエステルマルチフィラメント糸は、撚り数が0〜800t/mであることが必要である。800t/mを越えるものは撚りが強く、ハードな風合いとなりソフトな風合いが得られないこと、ビリツキ、スナールと呼ばれる撚りの反転などの問題がある。撚り数を800t/m以下とすることで、捲縮発現性、ソフト風合い、巻き返し加工通過性、撚り止めセットが不要であり、品質、加工通過性ともいずれも極めて好ましいものが得られる。
本発明のポリエステルマルチフィラメント糸は、伸縮伸長率が20%以上で、かつ伸縮弾性率70%以上であることが必要である。伸縮伸長率が20%に満たないものは織物にした場合にストレッチ性が不足し、また伸縮弾性率が70%に満たないものは織物基布ストレッチ回復性が不足し、縫製品などにした場合に生地が伸びた状態で回復しない、わらい現象が発生し好ましくない。
ポリエステルマルチフィラメント糸の製造方法としては、PTTを主体とするポリエステル系重合体を溶融紡糸し、延伸する。例えば、紡糸温度は285〜320℃で、紡糸速度は通常の未延伸糸を作るように900〜1600m/分の間で行い、これを延伸倍率2.5〜4.0倍で延伸することによって得られる。
PTT単独糸の場合はPTTのポリマー固有(IV)は0.6〜1.50程度のものを用いて紡糸し、これを180〜210℃で仮撚り加工すると高いストレッチ性が得られるので、好ましい。固有粘度(IV値)は、常法によりオルソクロロフォノール中25℃で測定したものである。
また、本発明において、PTT/PTT同士のサイドバイサイド型のバイメタルの複合繊維の場合、PTTのポリマー固有粘度(IV)は0.5〜1.50の高IVのものと0.5〜0.7の低IVのものとを張り合わせた延伸糸が高いストレッチ性が得られるので好ましい。
PTT/PETのバイメタルの場合、PTTとして、ポリマー固有粘度(IV)が、1.50〜1.20の高IVのものと、PETとして、ポリマー固有粘度(IV)が0.5〜0.7の低IVのものとを張り合わせた延伸糸が極めて高いストレッチ性が得られるので、最も好ましい。この場合は延伸糸がそのままで使えて、高いストレッチ性が得られるので、効率良く製造ができ好ましい。
本発明の原料が竹である再生セルロース系繊維からなるフィラメント糸の30℃×90%RHにおける吸湿率は、18%以上であることが、特に優れた吸放湿性を持つので好ましい。より好ましくは20%以上である。
また、本発明の織物として、次に述べる吸放湿率差(ΔMR)が4%以上のものが、特に優れた吸放湿性を持つので好ましい。より好ましくは、4.5%以上、さらに好ましくは5%以上である。
ΔMR(%)=MR2−MR1
ここで、MR1とは絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気中下に24時間放置したときの吸湿率(%)を指し、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。また、MR2とは絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)を指し、運動状態における衣服内の環境にほぼ相当する。ここで、吸湿率はJIS L1096「水分率」に準じて測定する。
ここで、MR1とは絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気中下に24時間放置したときの吸湿率(%)を指し、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。また、MR2とは絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置したときの吸湿率(%)を指し、運動状態における衣服内の環境にほぼ相当する。ここで、吸湿率はJIS L1096「水分率」に準じて測定する。
ΔMRは、MR2とMR1の値を差し引いた値で表されるものであり、衣服を着用してから運動したときに、衣服内のムレをどれだけ吸収するかに相当し、ΔMR値が高いほど快適であると言える。一般に、ポリエステルのΔMRは0%、ナイロンで2%、木綿で4%、ウールで6%と言われている。
さらに、本発明の交織織物の織り組織としては、サテン組織、ヒラ組織に限らずツイル組織やその他の各種の変化組織を広い範囲から採用することができる。また、製織の方法としては、従来公知の方法がいずれも使用できる。織機としてはフライシャットル式、エアージェット式、ウォーター式、レピア式、スルザー式の何れの方式の織機を使用しても良い。
かかる混用形態の具体的な例としては、通常の混紡、交撚は再生セルロース系繊維と合成繊維が任意の重量比で混用することができるが、再生セルロース系繊維を織物の表面に多く出現させて占有率を上げる方法としては、織物ではサテンやツイル組織で製織する方法、或いは二重組織とする方法が好ましく採用される。
本発明の交織織物は、婦人外衣、スポーツ衣料全般、アウトドア用衣料全般、外衣全般、裏地全般及び肌着から選ばれる用途に好ましく用いられる。
実施例に用いた評価は次の方法で評価した。
[糸の伸縮伸長率]
JIS−L1013 C法で評価した。値が大なる程、伸長性に優れ良好。
[糸の伸縮弾性率]
JIS−L1013 C法で評価した。値が大なる程、回復性に優れ良好。
[吸放湿性(ΔMR)]
ΔMR(%)=ΔMR2−ΔMR1
ここで、ΔMR1とは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)を指し、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。また、ΔMR2とは絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)を指し、運動状態における衣服内の環境にほぼ相当する。ここで、吸湿率はJIS L1096「水分率」に準じて測定する。
[糸の伸縮伸長率]
JIS−L1013 C法で評価した。値が大なる程、伸長性に優れ良好。
[糸の伸縮弾性率]
JIS−L1013 C法で評価した。値が大なる程、回復性に優れ良好。
[吸放湿性(ΔMR)]
ΔMR(%)=ΔMR2−ΔMR1
ここで、ΔMR1とは、絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)を指し、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。また、ΔMR2とは絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)を指し、運動状態における衣服内の環境にほぼ相当する。ここで、吸湿率はJIS L1096「水分率」に準じて測定する。
ΔMR(%)はΔMR2からΔMR1の値を差し引いた値で表されるものであり、衣服を着用してから運動した時に、衣服内のムレをどれだけ吸収するかに相当し、ΔMR値が高いほど快適であると言える。
[布帛の伸長弾性率の測定法]
引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUTM-III型)を使用し、試料長200mm、引張スピード200mm/min.で歪みが5%となるまで引き伸ばし、1分間放置後、上記スピードと同じ速度で除重し、3分放置後、再び上記と同じ引張スピードで引き伸ばす。その荷重-伸長曲線から残留伸びを測定し伸長弾性率を算出する。初荷重は0.2g/dである。
[布帛の伸長弾性率の測定法]
引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUTM-III型)を使用し、試料長200mm、引張スピード200mm/min.で歪みが5%となるまで引き伸ばし、1分間放置後、上記スピードと同じ速度で除重し、3分放置後、再び上記と同じ引張スピードで引き伸ばす。その荷重-伸長曲線から残留伸びを測定し伸長弾性率を算出する。初荷重は0.2g/dである。
伸長弾性率=[(L−L1)/L]×100
上記式中、Lは一定伸び(mm)を、L1は残留伸び(mm)を、それぞれ示す。
[張り腰感]
風合いを10人の風合い判定者で張り、腰の風合いを判定し、次の4段階で評価した。
上記式中、Lは一定伸び(mm)を、L1は残留伸び(mm)を、それぞれ示す。
[張り腰感]
風合いを10人の風合い判定者で張り、腰の風合いを判定し、次の4段階で評価した。
◎:極めて良好
○:良好
△:やや良好
×:不良
[実施例1]
(1)原糸
中国産の竹を原料とする再生セルロース系繊維(単糸繊度1.5デシテックス、繊維長38mm)50%重量と、ポリエステル繊維(単糸繊度1.7デシテックス、繊維長38mm)50%重量を用い、通常の紡績工程によって、40番手の混紡紡績糸を得た。この紡績糸の30℃×90℃RHにおける吸湿率は18%であった。
○:良好
△:やや良好
×:不良
[実施例1]
(1)原糸
中国産の竹を原料とする再生セルロース系繊維(単糸繊度1.5デシテックス、繊維長38mm)50%重量と、ポリエステル繊維(単糸繊度1.7デシテックス、繊維長38mm)50%重量を用い、通常の紡績工程によって、40番手の混紡紡績糸を得た。この紡績糸の30℃×90℃RHにおける吸湿率は18%であった。
次に、固有粘度(IV)が1.38のホモPTTと固有粘度(IV)が0.59のホモPETをそれぞれ別々に溶融し、紡糸温度274℃で36孔の複合紡糸扁平口金から複合比(重量%)50:50で吐出し、紡糸速度1380m/分で引き取り、276デシテックス、36フィラメントのサイドバイサイド型複合構造未延伸糸、扁平キノコ型断面糸を得た。さらにホットロール熱板系延伸機(接糸長:20cm、表面粗度:3S)を用い、ホットロール温度75℃、熱板温度170℃、延伸倍率3.2倍で延伸し、次いで、一旦引き取ることなく、連続して0.9倍でリラックスして巻き取り、84デシテックス、36フィラメントの延伸糸を得た。延伸糸は扁平キノコ型断面糸で強度:4.3cN/デシテックス、伸縮伸長率が32%、伸縮弾性率が80%であった。
(2)織り・染め
得られた再生セルロース系紡績糸を経糸に、PTT/PETの扁平キノコ型断面糸を緯糸に用い、追撚300t/m、経糸密度161本/2.54cm、緯糸密度93本/2.54cmからなる2/1のツイル交織織物を製織した。この織物の、再生セルロース系繊維の表面占有率は60%であった。
(2)織り・染め
得られた再生セルロース系紡績糸を経糸に、PTT/PETの扁平キノコ型断面糸を緯糸に用い、追撚300t/m、経糸密度161本/2.54cm、緯糸密度93本/2.54cmからなる2/1のツイル交織織物を製織した。この織物の、再生セルロース系繊維の表面占有率は60%であった。
次いで、この状態で引き続き110℃〜140℃で分散染料で染色した。染色温度は染色性が良好なので、淡色は110℃〜130℃で、濃色は120℃〜140℃で染色することが好ましいが、従来のポリエステル染色条件と同様に分散染料で染色した。
[比較例1]
従来の紡績糸T65C 40番手を経糸にトリメチレンテレフタレートとポリエチレンタレフタレート繊維の扁平キノコ型断面糸を緯糸に用い、追撚300t/m、経糸密度161本/2.54cm、緯糸密度93本/2.54cmからなる2/1のツイル交織織物を製織した。この織物の、再生セルロース系繊維の表面占有率は60%であった。
[比較例1]
従来の紡績糸T65C 40番手を経糸にトリメチレンテレフタレートとポリエチレンタレフタレート繊維の扁平キノコ型断面糸を緯糸に用い、追撚300t/m、経糸密度161本/2.54cm、緯糸密度93本/2.54cmからなる2/1のツイル交織織物を製織した。この織物の、再生セルロース系繊維の表面占有率は60%であった。
次いで、この状態で引き続き110℃〜140℃で分散染料で染色した。染色温度は染色性が良好なので、淡色は110℃〜130℃で、濃色は120℃〜140℃で染色することが好ましいが、従来のポリエステル染色条件と同様に分散染料で染色した。
[比較例2]
従来の綿糸 40番手を経糸にトリメチレンテレフタレートとポリエチレンタレフタレート繊維の扁平キノコ型断面糸を緯糸に用い、追撚300t/m、経糸密度161本/2.54cm、緯糸密度93本/2.54cmからなる2/1のツイル交織織物を製織した。この織物の、再生セルロース系繊維の表面占有率は60%であった。
[比較例2]
従来の綿糸 40番手を経糸にトリメチレンテレフタレートとポリエチレンタレフタレート繊維の扁平キノコ型断面糸を緯糸に用い、追撚300t/m、経糸密度161本/2.54cm、緯糸密度93本/2.54cmからなる2/1のツイル交織織物を製織した。この織物の、再生セルロース系繊維の表面占有率は60%であった。
次いで、この状態で引き続き110℃〜140℃で分散染料で染色した。染色温度は染色性が良好なので、淡色は110℃〜130℃で、濃色は120℃〜140℃で染色することが好ましいが、従来のポリエステル染色条件と同様に分散染料と反応染料で染色した。
[比較例3]
得られた再生セルロース系紡績糸を経糸にポリエステル84デシテックス36フィラメントの仮撚加工糸を緯糸に用い、追撚300t/m、経糸密度161本/2.54cm、緯糸密度93本/2.54cmからなる2/1のツイル交織織物を製織した。この織物の、再生セルロース系繊維の表面占有率は60%であった。
[比較例3]
得られた再生セルロース系紡績糸を経糸にポリエステル84デシテックス36フィラメントの仮撚加工糸を緯糸に用い、追撚300t/m、経糸密度161本/2.54cm、緯糸密度93本/2.54cmからなる2/1のツイル交織織物を製織した。この織物の、再生セルロース系繊維の表面占有率は60%であった。
次いで、この状態で引き続き110℃〜140℃で分散染料で染色した。染色温度は染色性が良好なので、淡色は110℃〜130℃で、濃色は120℃〜140℃で染色することが好ましいが、従来のポリエステル染色条件と同様に分散染料で染色した。
この織物の評価結果を表1に示す。
比較例1および2では、スパン織物の特徴である優れた織物特性を有するが、快適な吸放湿性および張り腰感の特徴が乏しい織物しか得られなかった。
また、比較例3では、快適な吸放湿に優れ、張り腰感も保有するが、ストレッチ性に乏しい織物しか得られなかった。
Claims (10)
- 原料が竹である再生セルロース系繊維からなるフィラメント糸および/またはスパン糸と、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分としたポリエステルマルチフィラメント糸とを用いてなり、該ポリトリメチレンテレフタレート糸は、伸縮伸長率が20%以上、伸縮弾性率が70%以上あり、且つ撚数が0〜800t/mである交織織物。
- 該織物が、該原料が竹である再生セルロース系繊維からなるフィラメント糸および/またはスパン糸と、該ポリエステルマルチフィラメント糸とで交織されて構成されたものである請求項1記載の交織織物。
- 該原料が竹である再生セルロース系繊維からなるフィラメント糸および/またはスパン糸が、ポリエステル系短繊維を用いた混紡糸である請求項1または2に記載の交織織物。
- 該混紡糸の30℃×90%RHにおける吸湿率が18%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の交織織物。
- 該原料が竹である再生セルロース系繊維からなるフィラメント糸が、織物の少なくとも一方の表面の10%以上の表面積を占める請求項1〜4のいずれかに記載の交織織物。
- 織物としての吸放湿率差(ΔMR)が4%以上である請求項1〜5のいずれかに記載の交織織物。
- 該ポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルマルチフィラメント糸において、ポリトレメチレンテレフタレートの複合比率が30〜70重量%である請求項1〜6のいずれかに記載の交織織物。
- 該ポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルマルチフィラメント糸が、織物中、10〜50重量%含有された請求項1〜7のいずれかに記載の交織織物。
- 経方向または緯方向のストレッチ率が、5〜50%である請求項1〜8のいずれかに記載の交織織物。
- 婦人外衣、スポーツ衣料全般、アウトドア用衣料全般、外衣全般、裏地全般及び肌着から選ばれる用途に用いられる請求項1〜9のいずれかに記載の交織織物。
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- 2003-12-12 JP JP2003414260A patent/JP2005171427A/ja active Pending
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