JP2000080544A - 高発色・高鮮明性を有する経編 - Google Patents

高発色・高鮮明性を有する経編

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JP2000080544A
JP2000080544A JP6773499A JP6773499A JP2000080544A JP 2000080544 A JP2000080544 A JP 2000080544A JP 6773499 A JP6773499 A JP 6773499A JP 6773499 A JP6773499 A JP 6773499A JP 2000080544 A JP2000080544 A JP 2000080544A
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warp
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Tomoko Shibata
知子 柴田
Tokuharu Fukazawa
徳春 深澤
Yoshiaki Sato
慶明 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】衣料用素材、特にスポーツ用またはインナー用
ストレッチ素材のツーウエイトリコットまたはラッセル
ネットで、従来以上の高い発色性を有し、かつ良好な鮮
明性、高強度を持つ改質ポリエステルと弾性糸とで編成
されるツーウエイトリコットまたはラッセルネットを提
供する。 【解決手段】本発明はカチオン染料可染性ポリエステル
で形成され、フィラメント繊度dが3.5デニール未満
で交絡数CFが5〜40ケ/mであり、さらに下記式を
満足するマルチフィラメント糸と弾性糸とで編成される
ツーウエイトリコットまたはラッセルネットからなるこ
とを特徴とする高発色・高鮮明性を有する経編である。 CF≦25+7×d

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高発色・高鮮明性
を有する経編に関する。さらに詳しくは、衣料用素材、
スポーツ用またはインナー用ストレッチ用素材のツーウ
エイトリコットまたはラッセルネットに関し、従来以上
の高い発色性を有し、かつ良好な鮮明性、高強度を持つ
改質ポリエステルと弾性糸とで編成されたツーウエイト
リコットまたはラッセルネット関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリウレタン繊維などの弾性
糸を使用した弾性経編布帛は、その優れた伸張回復性、
サポート性のため、身体を覆い、保持する用途ばかりで
なく、運動する際の身体の振動を防止し、不要な疲労を
防ぐ意味で、スポーツ衣料、インナー用素材等身体に密
着した用途に多く使用されている。中でもツーウエイト
リコットは水着、ウエットスーツ、レオタードなどのス
ポーツ用ストレッチ素材として使用されている。また、
ラッセルネットはインナー用ストレッチレース素材とし
て使用されている。
【0003】従来よりこれらの用途に適した弾性経編布
帛として、ポリアミド繊維が低ヤング率に起因するソフ
トな風合いを有し、常圧染色で良好な発色性が得られる
ことから、弾性糸と好ましく混用されている。
【0004】しかしながら、ポリアミド繊維は湿潤時に
繊維膨張があり、寸法安定性や形態安定性に乏しい、染
色のタンニン酸使用による弾性糸の劣化が生じる、含金
染量で均染性が得られにくい、緊締力が弱い、ガスや光
による黄変が生じる、湿潤堅牢性が低い等の問題があ
る。特に水着用途に使用した場合、プール中の塩素によ
る変退色が著しい問題がある。
【0005】一方、ポリアミド繊維にかえてポリエステ
ル繊維と弾性糸を混用する場合、ポリアミドでのかかる
問題は解決されるが、ポリエステルの難染性がゆえに、
弾性糸と同条件で染色すると色が淡くなり、十分な発色
性が得られないこと、また、ポリエステルの高剛性、高
結晶性がゆえに、風合いが粗硬であることなどの問題が
ある。
【0006】染色性の改善として、特開平3−1740
76号公報に常圧可染ポリエステル繊維とポリウレタン
繊維との混用布帛が開示されているが、分散染料染色で
は鮮明性が不足であり、近年の多様化したニーズに満足
するものではない。
【0007】一方、分散染料染色と比較して、カチオン
染料染色の方が発色性・鮮明性に優れていることは公知
である。高発色の水着用編地として特開昭59−150
142号公報、特開昭64−20302号公報、特開平
6−212543号公報に常圧カチオン染料可染性ポリ
エステル繊維とポリウレタン繊維を混用した水着用編地
が開示されている。しかしながら、常圧カチオン染料可
染性ポリエステル繊維は強伸度が低いため耐久性に劣る
問題がある。特開平6−212543号公報に開示され
ている常圧カチオン染料可染性ポリエステル繊維は4.
0g/d以上の高強度を有するが、伸度が25〜35%
と低く、弾性糸と交編する際毛羽発生等の問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
した従来技術の問題を解決し、衣料用素材、特にスポー
ツ用またはインナー用ストレッチ素材のツーウエイトリ
コットまたはラッセルネットで、従来以上の高い発色性
を有し、かつ良好な鮮明性、高強度を持つ改質ポリエス
テルと弾性糸とで編成されるツーウエイトリコットまた
はラッセルネットを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はカチオン染料可
染性ポリエステルで形成され、フィラメント繊度dが
3.5デニール未満で交絡数CFが5〜40ケ/mであ
り、さらに下記式を満足するマルチフィラメント糸と弾
性糸とで編成されるツーウエイトリコットまたはラッセ
ルネットからなる高発色・高鮮明性を有する経編によっ
て前記課題を解決することができる。
【0010】CF≦25+7×d
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の経編はカチオン染料可染
性ポリエステルマルチフィラメント糸と弾性糸から成る
ツーウエイトリコットまたはラッセルネットである。
【0012】本発明においてポリエステルとはエチレン
テレフタレートまたはブチレンテレフタレートを主成分
とするポリエステルを意味するが、エチレンテレフタレ
ートが高強度特性の点で好ましく適用される。
【0013】本発明の経編はスポーツ用またはインナー
用ストレッチ素材等の身体に密着した用途に用いられる
ため、ソフト性が必要であり、カチオン染料可染性ポリ
エステルマルチフィラメントはフィラメント繊度が3.
5デニール未満である必要がある。フィラメント繊度が
より一層小さい方がソフト性は向上するため、2.5デ
ニール未満が好ましく、1.0デニール未満がより好ま
しい。特に、スピードを重視する競泳、スピードスケー
トなどにおいてはソフト性および肌への密着感、動き易
さが必要とされる。
【0014】さらに、カチオン染料可染性ポリエステル
マルチフィラメントの繊度は20〜50デニールである
ことが好ましい。20デニールより小さい場合、経編地
として強力が低いのみならず、原糸の生産性が低下する
ため、コストが高くなり好ましくない。また、50デニ
ールを越えると経編地が厚ぼったくなり、スポーツ用素
材の内、競技用水着やスキー、スケート用スーツなど抵
抗をできるだけ小さくし、スピード重視した用途として
は使えなくなるため好ましくない。
【0015】さらに、本発明のカチオン染料可染性ポリ
エステルマルチフィラメント糸は交絡数が5〜40ケ/
mである必要があり、より好ましくは5〜30ケ/mで
ある。交絡を付与することにより、収束性が増し、高次
通過性が良好となるのみならず、スポーツ用またはイン
ナー用ストレッチ素材とした際、経編地のこすれによる
毛羽を抑制することができる。特に、水着用途ではプー
ルサイドに座ったり、滑り台等で生じやすいお尻の部分
の毛羽の抑制に効果的である。また、インナー用途では
上に着る衣類とのこすれや度重なる洗濯で生じやすい毛
玉、毛羽の抑制に効果的である。交絡数が5未満では高
次通過性および経編地の毛羽抑制効果がなく、40を越
えると原糸の強伸度が低下するため弾性糸と交編する
際、毛羽が生じる。しかし、フィラメント繊度が小さい
場合は強伸度低下が著しいため、交絡数CFとフィラメ
ント繊度dとの関係は下記式を満足する必要がある。
【0016】CF≦25+7×d より好ましくは CF≦15+7×d である。
【0017】さらにスポーツ用またはインナー用ストレ
ッチ素材として実用に耐え得るためカチオン染料可染性
ポリエステルマルチフィラメント糸の分解糸強度は3.
0g/d以上であることが好ましい。
【0018】本発明のカチオン染料可染性ポリエステル
は、発色性、耐アルカリ性、糸強度を高くするために、
金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分を全ジ
カルボン酸成分に対して0.7モル%以上2.0モル%
未満及び分子量90〜6000のアルキレングリコール
成分の単量体もしくは多量体をポリエステルに対して
0.2〜10重量%共重合することが好ましい。
【0019】本発明において金属スルホネート基を含有
するイソフタル酸成分とは、ジメチル(5−ナトリウム
スルホ)イソフタレート、ビス−2−ヒドロキシエチル
(5−ナトリウムスルホ)イソフタレート、ビス−4−
ヒドロキシブチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレ
ート等が代表例として挙げられる。染色性を向上させる
ためには金属スルホネート基を多量に添加共重合しなけ
ればならないが、2.0モル%以上の多量のイソフタル
酸成分の添加は糸強度の低下、糸の耐アルカリ性の低
下、染色物の耐光堅牢度の低下を招来ししまうため好ま
しくない。
【0020】分子量90〜6000のアルキレングリコ
ール成分の単量体もしくは多量体を共重合することによ
り、得られるポリエステルの染色性が一層向上しその
分、金属スルホネート基の共重合率を下げることがで
き、その結果として糸強度、耐アルカリ性、染色物の耐
光堅牢度を向上させることができる。90〜6000の
アルキレングリコール成分としては、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、1,4−シクロヘキ
サンジオール、1,4−ジ−βヒドロキシエトキシベン
ゼン、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物等
の単量体もしくは多量体が代表例として挙げられる。特
に好ましい化合物としては、1,6−ヘキサンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールま
たはテトラエチレングリコールの単量体もしくは多量体
がある。分子量90未満のアルキレングリコール成分で
は染色性向上効果は小さく好ましくなく、500以上が
好ましく適用される。また分子量が6000を越えたア
ルキレングリコール成分では染色物の耐光堅牢度が低下
してしまい好ましくない。
【0021】さらにカチオン染料可染性ポリエステルの
固有粘度(IV)は0.63以上であることが好まし
い。固有粘度(IV)が0.63未満では満足する糸強
度が得られない。
【0022】カチオン染料可染性ポリエステルフィラメ
ントの断面形状は、丸断面、異形断面、中空断面のいず
れでも良いが、ファッション性、特に光沢を要求される
場合、三葉断面が好ましく、軽量性、保温性が望まれる
場合、中空断面が好ましい。
【0023】本発明でカチオン染料可染性ポリエステル
マルチフィラメント糸と交編する弾性糸は特に限定する
必要はなくポリウレタン系弾性糸、ポリエーテル・エス
テル系弾性糸、PBT系弾性糸のいずれでも良いが、中
でも弾性特性に優れるポリウレタン系弾性糸が好まし
い。
【0024】弾性糸の繊度は、生産性、経編地とした際
の厚みから、20〜50デニールが好ましい。
【0025】ポリエステル繊維と弾性繊維の混率は用途
によって使い分けストレッチが高く要求される用途には
弾性系の混率を高くし、逆に低いストレッチで良い分野
は弾性系の混率を少なくすればよい。望ましいストレッ
チ率は本発明の布帛では経方向の伸度が50%以上、緯
方向の伸度は30%以上、回復率は経、緯両方向とも2
0%以上が好ましい。これらのストレッチ率を得る弾性
繊維の混率は3重量%以上が好ましく、5重量%以上が
より好ましい。混率が少なすぎると望みのストレッチ性
が得られず、混率を多くすると高価格となり利用できる
分野が限定されると共に、ストレッチ性も飽和に達し大
きな効果は得られなくなる。
【0026】スポーツ用途としては水着、ウエットスー
ツ、レオタード、アスレチック等限定されずストレッチ
素材が望まれるすべてのスポーツ用途に好適である。
【0027】インナー用途としてはランジェリー、ソフ
トガードル、ショーツ、ブラジャー、ボディスーツまた
はそれらのストレッチレース等の用途に好適であるが、
特に限定したものではない。
【0028】本発明のカチオン染料可染性ポリエステル
マルチフィラメント糸は、本発明における改質ポリエス
テルを常法の溶融紡糸法により紡糸温度280〜300
℃にて紡糸し未延伸糸とし、一旦巻き取った後か、ある
いは引き続き延伸することにより得られる。交絡は延伸
時に交絡ノズルから圧空を吹き付け付与する。圧空の圧
力をコントロールすることにより交絡数を調整する。
【0029】さらに前記弾性糸と、カチオン染料可染性
ポリエステルマルチフィラメント糸とを交編して編地を
編成し、経編とする。該経編は通常の条件で精練・リラ
ックス、乾燥が行われる。染色条件は120〜130℃
の染浴中20〜120分で染色するのが好ましい。染料
はカチオン可染型ポリエステル用として染料メーカーに
より選定されている通常のものおよび堅牢度その他の特
性が仕様に耐えうるのもで有れば良い。
【0030】以上よりなる経編は、改質ポリエステルに
より高発色、高鮮明性を有する衣料用素材であるスポー
ツ用またはインナー用素材を得るのみでなく、カチオン
染料可染性マルチフィラメント糸に交絡を付与すること
により実用時のこすれによる毛羽を抑制する効果があ
り、さらに、特定のフィラメント繊度とすることで肌に
密着した際心地よいソフト感のある素材とすることがで
きる。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるも
のではない。なお、実施例中における各測定値は以下の
方法により測定した値である。 [固有粘度(IV)]オルソクロロフェノール10cc
に改質ポリエステル0.8gを溶解し、溶解液をオスト
ワルド粘度計にて25℃で測定し求めた。 [交絡数]ロッシールド社製R−2060を使用し、サ
ンプル糸に針を突き刺し、10gの張力で糸を送り、ト
リップレベル(13.5g)以上の張力が生じるまでの
移動距離を50個測定した。この平均を開繊長とし、1
mを開繊長で割ることにより交絡数を(ケ/m)を求め
た。 [染色性]マラカイトグリーン(関東化学製)5%ow
f、酢酸0.5g/l、酢酸ソーダ0.2g/l、浴比
1:100、温度120℃溶媒水なる条件での染色によ
る染料給尽率によって求めた。 [発色性]編地の染料吸尽率が同一になるように前述方
法にて染色し、SMカラーコンピュータ(スガ試験機
(株)製)を用いて、布帛を5枚以上重ね、照射光が透
光しない状態でL値を測定した。(L値が小さいほど発
色性は良い) [ピリング評価]ICI型ピリン試験機(JIS L 1076)
を用いて、編地を4枚重ねたゴム管を10時間回転させ
た後、サンプルを軽くブラッシングしてコルクなどの付
着物を除去し、1級(ピリングの発生が著しく多いも
の)〜5級(ピリングの発生がほとんどないもの)で評
価した。4枚の平均を求め、3級以上を合格とした。 [耐光性]フェードメーターを用いてJIS−L104
4に準じて光退色させたときのブルースケールで1級
(退色が著しいもの)〜5級(退色がほとんどないも
の)で評価した。3級以上を合格とした。 [風合い評価]ツーウエイトリコットを最終製品の水着
に、また、ラッセルネットを腹部のストレッチレースと
して使用したソフトガードルに加工し、10人のパネラ
ーによる着用テストを実施した。
【0032】特に、ソフト性、フィット性を重視し、1
級(悪)〜3級(良)で評価してもらい、平均が2.5
級以上で合格とした。 実施例1 カチオン染料可染性ポリエステルポリマとして酸成分に
ジメチルテレフタル酸(98.3モル%)とジメチル
(5−ナトリウムスルホ)イソフタレート(1.7モル
%)、アルキレングリコール成分にエチレングリコール
と表1に示したグリコール(2.0重量%)用いたポリ
エステルを用い、固有粘度(IV)を0.66に調整し
た改質ポリエステルポリマを使用し、紡糸温度290℃
にて中空糸用の吐出孔を12個有する口金から吐出した
後に、口金下4cmの位置で毎分25mの速度の冷却風
をあてて冷却し、平滑性の高い油剤を油分付着量が1.
0%になるようにコントロールし付与した後に紡糸速度
1650m/分で巻き取った。
【0033】得られた未延伸糸をホットロール−ホット
ロール系延伸機にて第1ホットロール90℃として予備
加熱し、第2ホットロールとの間で延伸糸伸度が38%
±2%となる延伸倍率で延伸しながら第2ホットロール
温度120℃で熱処理し、圧空圧3.0kg/cm2
交絡を付与した後、巻き取り速度600m/分で巻き上
げ40デニール12フィラメント(フィラメント繊度:
3.3デニール)の中空カチオン可染ポリエステルマル
チフィラメント糸を得た。中空率は23.0%、交絡数
38.5ケ/mであった。
【0034】さらに、得られたカチオン可染ポリエステ
ルマルチフィラメント糸と20デニール4フィラメント
のポリウレタン弾性糸とを交編し、ツーウエイトリコッ
トとし、精練・リラックス、乾燥後、130℃の染浴中
で60分染色した。染色した経編地について、染色性、
発色性、ピリング、耐光性の評価をおこなった。
【0035】条件および評価結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実験No.1,2,3(本発明)ともに発
色性、鮮明性に優れ、ピリングテストにおいてもほとん
どピリングが生じないスポーツ用トリコット素材として
適したものであった。 実施例2 実施例1実験No.1の圧空圧を変え、交絡数を変えた
以外は同様にして40デニール12フィラメントカチオ
ン可染ポリエステルマルチフィラメントとポリウレタン
弾性糸の経編とし、染色性、発色性、ピリングの評価を
行った。
【0038】条件および評価結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】実験No.5〜6(本発明)は、ピリング
の発生がほとんどなく、さらに発色性優れ、染色性も高
く鮮明性にも優れた経編であった。
【0041】交絡が全く付与されていない実験No.4
(比較例)はピリングの発生が多く、過酷な条件で使用
されるスポーツ用素材として実用に耐えうるものではな
かった。
【0042】また、実験No.7(比較例)は、交絡数
が多いことにより強伸度が低下し、伸度38±2%に調
整した結果、強度が低く、高次加工段階で毛羽が発生し
ており、ピリング評価結果もピリング発生が多く、実用
レベルには至っていない。 実施例3 実施例1の実験No.1と吐出孔の数が異なる口金を使
用し、交絡数が20ケ/mとなるよう圧空圧を変えた以
外は同様にして40デニールのカチオン可染ポリエステ
ルマルチフィラメントとポリウレタン弾性糸のツーウエ
イトリコットとし、染色性、発色性、ピリングの評価を
行った。さらに水着に加工後、着用テストによる風合い
を評価した。また、ラッセルネットとし、ストレッチレ
ースとして腹部に使用したソフトガードルに加工後、着
用テストによる風合いを評価した。条件および評価結果
を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】実験No.9〜10(本発明)の風合いは
ソフトで身体に密着した心地よいフィット感が得られ
た。中でも実験No.10はフィット性が高くスピード
を重視する競泳用水着用とにおいても効果的であり、イ
ンナー用ストレッチレースとして使用したソフトガード
ルにおいても効果的な締め付けであると言う評価であっ
たのに対し、実験No.8(比較例)はソフト感に欠
け、フィット感も不快であり、スポーツ用またはインナ
ー用として不評な結果であった。 実施例4 実施例1の実験No.1と吐出孔形状が異なる口金を使
用し、圧空圧を1.8gk/cm2とした以外は同様に
して40デニール12フィラメントカチオン染料可染性
ポリエステルマルチフィラメントとしポリウレタン弾性
糸の経編とし、染色性、発色性、ピリングの評価を行っ
た。さらに実験No.2とともに水着またはソルトガー
ドルに加工後、着用テストによる風合いを評価した。条
件および評価結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】実験No.11〜13(本発明)共に発色
性、鮮明性に優れ、身体へ密着する際のソフト感も得ら
れ、スポーツ用またはインナー用素材として適したもの
であった。中でも、実験No.11は光沢も良好であ
り、ファッション性を重用視する遊泳水着、インナーな
どの分野に適した素材であった。
【0047】また、実験No.13は、実験No.11
〜12と比較し軽量感があり、保温性に優れ、水着とし
て水泳後の身体の寒さを防ぐ効果やインナーとして冷え
防止効果のある素材であった。
【0048】
【発明の効果】本発明の経編は、カチオン染料可染性ポ
リエステルマルチフィラメント糸と弾性糸とで編成され
るツーウエイトリコットまたはラッセルネットであり、
衣料用素材、特にスポーツ用またはインナー用ストレッ
チ素材において、従来以上の高い発色性を有し、かつ良
好な鮮明性、高強度を得ることができる。
【0049】特にカチオン染料可染性ポリエステルマル
チフィラメント糸に交絡を付与することにより収束性が
増し、高次通過性が良好となるのみならず、スポーツ用
またはインナー用ストレッチ素材とした際、経編地のこ
すれによる毛羽を抑制することができる。
【0050】また、カチオン染料可染性ポリエステルの
フィラメント繊度を3.5デニール未満とすることによ
り、スポーツ用またはインナー用ストレッチ素材として
要求されるソフト性を満足し、肌に心地よくフィットす
る素材が得られる。
【0051】さらにファッション性を要求される遊泳水
着などにおいては、カチオン染料可染性フィラメントの
断面形状を繊維断面を三葉断面とすることにより、光沢
が増しより一層効果的である。
【0052】また、カチオン染料可染性フィラメントの
断面形状を中空断面とすることにより、軽量感のみでな
く、保温効果もあり、水着用途に於いては水泳後の寒さ
を防ぎ、インナー用途に於いては冷えの防止効果が得ら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 6/86 301 D01F 6/86 301L

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カチオン染料可染性ポリエステルで形成さ
    れ、フィラメント繊度dが3.5デニール未満で交絡数
    CFが5〜40ケ/mであり、さらに下記式を満足する
    マルチフィラメント糸と弾性糸とで編成されるツーウエ
    イトリコットまたはラッセルネットからなる高発色・高
    鮮明性を有する経編。 CF≦25+7×d
  2. 【請求項2】カチオン染料可染性ポリエステルが金属ス
    ルホネート基を含有するイソフタル酸成分を全ジカルボ
    ン酸成分に対して0.7モル%以上2.0モル%未満及
    び分子量90〜6000のアルキレングリコール成分の
    単量体もしくは多量体をポリエステルに対して0.2〜
    10重量%共重合した固有粘度(IV)が0.63以上
    である請求項1記載の高発色・高鮮明性を有する経編。
  3. 【請求項3】カチオン染料可染性ポリエステルマルチフ
    ィラメント糸の繊度が20〜50デニールである請求項
    1または2記載の高発色・高鮮明性を有する経編。
  4. 【請求項4】カチオン染料可染性ポリエステルフィラメ
    ントの断面が三葉断面である請求項1〜3のいずれか1
    項記載の高発色・高鮮明性を有する経編。
  5. 【請求項5】弾性糸の繊度が、20〜50デニールであ
    る請求項1〜4のいずれか1項記載の高発色・高鮮明性
    を有する経編。
JP6773499A 1998-06-29 1999-03-15 高発色・高鮮明性を有する経編 Pending JP2000080544A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011246836A (ja) * 2010-05-26 2011-12-08 Mitsubishi Rayon Textile Co Ltd トリコットストレッチ編地
JP2012122171A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Mitsubishi Rayon Textile Co Ltd 経編地及びその製造方法
CN103469467A (zh) * 2013-09-13 2013-12-25 常熟市乐德维织造有限公司 一种新型经编起绒面料的染整工艺

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