JP2004270124A - ファンシーヤーンおよびその製造方法ならびに織編物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
高次加工して、衣服などに使用する際、従来の技術では得られなかった着用時の耐久性、耐塩素性、耐光性に優れ、生地が薄く、かつ、布帛表面にループを形成し優雅な外観で意匠性に富むストレッチ布帛を得ることができるファンシーヤーンおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】
構成成分の少なくとも一方がポリトリメチレンテレフタレートで構成されるサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合繊維糸と他のフィラメント糸が混繊せしめられてなるファンシーヤーンであって、糸表面より2.0mm以上の突出した粗大ループ数が30個/m以上、300個/m以下であることを特徴とするファンシーヤーン。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ファンシーヤーンおよびその製造方法ならびに織編物に関するものである。
従来、ファンシーヤーンとしては、主に、ポリウレタン系弾性繊維糸を芯糸とし、これを伸長した後、ダブルカバーリング機上で花糸、押糸になるフィラメント糸あるいは紡績糸を被覆旋回して製造されるファンシーヤーンが知られている(特許文献1参照。)。しかしながら、このように、芯糸としてポリウレタン系弾性繊維糸を用いたファンシーヤーンで織編物を形成した場合、フィット性と伸縮性に優れた編織物を得ることができるが、風合いが硬くなり、ドレープ性が低下し、織編物自体が厚くなる。また一般に、ポリウレタン系弾性繊維はその化学構造から、塩素により脆化しやすく、光やガスにより黄化しやすい欠点を有するため、従来から、その塩素、光、ガスに対する耐久性、耐黄化性を向上させる技術が開示されてきたが、成果はなお不十分であり、これらの欠点を改善したファンシーヤーンの開発が急がれている。
一方、ポリエステルマルチフィラメント糸を芯糸として用い、別に供給される鞘糸の給糸量を瞬時制御し、これらを流体乱流処理を施すことによりファンシーヤーンを得る方法が開示されているが(特許文献2参照。)、このような方法では、瞬時制御により、鞘糸の過供給が大なる部分では、ファンシーヤーンの糸表面に2.0mm以下の小ループが特に集中し、鞘糸の過供給が小なる部分では、小ループが粗となる。このように、芯糸についても、デリベリローラに対して、芯糸を過供給する場合、ノズル内で、芯糸および鞘糸がほぼ無張力の状態となり、短周期で開繊するため、お互いに短周期で交絡しやすくなり、糸表面に多数の小ループを形成し、粗大ループの形成が抑えられるのである。このように得られたファンシーヤーンの糸表面に本発明のような粗大ループを得ることが困難であり、織編物を形成したときに十分な伸縮性を得ることができない。
特開2001−214338号公報 特開平08−092837号公報
そこで本発明の目的は、高次加工して、衣服などに使用する際、従来の技術では得られなかった染色性、染色堅牢度、ソフトな風合い、耐久性、耐塩素性、耐光性に優れ、生地が薄くフラット感があり、シャリミのある触感を有し、ピーチスキン調のストレッチ布帛を得ることができるファンシーヤーンおよびその製造方法を提供することにある。
本発明のファンシーヤーンは、前記課題を解決するため以下の手段を採用する。 すなわち、本発明のファンシーヤーンは、構成成分の少なくとも一方がポリトリメチレンテレフタレートで構成されるサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合繊維と他のフィラメント糸が混繊せしめられてなるファンシーヤーンであって、糸表面から2.0mm以上の突出した粗大ループ数が30個/m以上、300個/m以下であることを特徴とするファンシーヤーンである。
また、本発明のファンシーヤーンの製造方法は、構成成分の少なくとも一方がポリトリメチレンテレフタレートで構成されるサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合繊維糸と他のフィラメント糸を合流せしめ、流体乱流処理を施し、かつ流体乱流処理の際、ポリエステル系複合繊維糸に0.03cN/dtex以上、0.60cN/dtex以下の張力を掛けることを特徴とするファンシーヤーンの製造方法である。
本発明においては、上記のファンシーヤーンを用いて、上述した特異な織編物を製編織することができる。
本発明により、高次加工して、衣服などに使用する際、従来の技術では得られなかった着用時の耐久性、耐塩素性、耐光性に優れ、生地が薄く、かつ、布帛表面にループを形成し優雅な外観で意匠性に富むストレッチ布帛を得ることができるファンシーヤーンが得られる。
以下、本発明のファンシーヤーンについて具体的に説明する。
まず、図面に基づいて、本発明のファンシーヤーンを説明する。図1は、本発明のファンシーヤーンの一例を示す概略側面図である。本発明のファンシーヤーン(ハ)は、ポリエステル系複合繊維糸(イ)とポリエチレンテレフタレート繊維等の他のフィラメント糸(ロ)が混繊せしめられ、他のフィラメント糸(ロ)がポリエステル系複合繊維糸(イ)を被覆糸ながら粗大ループとして突出した形状を有している。
図2は、98℃で30分間、無荷重状態で沸騰水処理した後の本発明のファンシーヤーン(ヘ)の概略側面図である。沸騰水処理されることにより、他のフィラメント糸(ホ)が粗大ループとして突出した状態でポリエステル系複合繊維(ニ)が収縮して潜在捲縮が発現し、かさ高でストレッチ性に富んだファンシーヤーン(ヘ)となる。
本発明のファンシーヤーンは、糸表面から2.0mm以上突出した粗大ループを30個/m以上、300個/m以下、好ましくは60個以上、140個以下有することが重要である。糸表面から2.0mm以上突出した粗大ループが30個/m未満であると、織編物等布帛の凹凸感と表面変化に欠け、意匠性の乏しいものとなる。また、粗大ループが300個/mより多くなると、ループ同士が絡み合い解舒不良を発生させたり、製織時、経糸として用いるとき隣接する加工糸のループ同士が絡み合い製織性不良を発生させるいわゆるファスナー現象が発生し、製編織あるいは高次加工等における工程通過性が著しく悪化する。
また、粗大ループを形成するには、芯糸に強制的に0.03cN/dtex以上、0.60cN/dtex以下の張力を掛け、糸長手方向に開繊の周期を大きくし、開繊長を長くすることにより、粗大ループの形成が促進されるのである。
また、粗大ループの大きさは、最大のものでも8mm以下であることが好ましく、これよりも大きいと織編物を形成したときに、凹凸感が顕著に現れ、外観が著しく悪くなる。
本発明のファンシーヤーンには、構成成分の少なくとも一方がポリトリメチレンテレフタレートで構成されるサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合繊維糸が使用される。
前記ポリエステル系複合繊維糸において極限粘度の異なる重合体が貼り合わされることによって、紡糸、延伸時に高粘度側に応力が集中するため、2成分間で内部歪みが異なる。そのため、延伸後の弾性回復率差および織編物等布帛の熱処理工程での熱収縮差により高粘度側が大きく収縮し、単繊維内で歪みが生じて3次元コイル捲縮の形態をとる。この3次元コイルの径および単繊維長当たりのコイル数は、高収縮成分と低収縮成分との収縮差(弾性回復率差を含む)によって決まるといってもよく、収縮差が大きいほどコイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多くなる。
ストレッチ素材として要求されるコイル捲縮は、コイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多い(伸長特性に優れ、見映えがよい)、コイルの耐へたり性がよい(伸縮回数に応じたコイルのへたり量が小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイルの伸縮特性は、低収縮成分を支点とした高収縮成分の伸縮特性が支配的となるため、高収縮成分に用いる重合体には高い伸長性および回復性が要求される。
そこで、本発明においては高収縮成分(高粘度成分)にポリトリメチレンテレフタレートを主成分としたポリエステル複合繊維を用いる。ポリトリメチレンテレフタレートからなる繊維は、代表的なポリエステル繊維であるポリエチレンテレフタレート繊維やポリブチレンテレフタレート繊維と同等の力学的特性や化学的特性を有しつつ、伸長回復性がきわめて優れている。これは、ポリトリメチレンテレフタレートの結晶構造においてアルキレングリコール部のメチレン鎖がゴーシュ−ゴーシュ構造(分子鎖が90度に屈曲)であること、さらにはベンゼン環同士の相互作用(スタッキング、並列)による拘束点密度が低く、フレキシビリティーが高いことから、メチレン基の回転により分子鎖が容易に伸長・回復するためと考えている。本発明の複合糸に使用されるポリエステル系複合繊維糸の少なくとも一方の構成成分であるポリトリメチレンテレフタレートとは、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とする重合体成分からなるものが好ましい。
本発明におけるポリトリメチレンテレフタレートとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルが好ましい。ただし、他のエステル結合を形成可能な共重合成分が20モル%以下の割合で含まれるものも好ましく、10モル%以下の割合で含まれるものはより好ましい。共重合可能な化合物としては、例えば、イソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのジオール類が好ましく使用される。
また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などを添加してもよい。
本発明のファンシーヤーンには、ポリエステル系複合繊維糸の構成成分のもう一方(低収縮成分)は高収縮成分として用いたポリトリメチレンテレフタレートより低収縮であれば特に限定されないが、ポリエステルで構成されることが好ましい。具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど、また高収縮成分に用いたポリトリメチレンテレフタレートと特性の異なる、例えば粘度の異なるポリトリメチレンテレフタレートなども用いることができる。なかでも、高収縮成分であるポリトリメチレンテレフタレートに対して、低収縮成分(低粘度成分)には、界面接着性が良好で、力学的特性、化学的特性及び原料価格を考慮した結果、ポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。
本発明のファンシーヤーンに使用されるポリエステル系複合繊維糸の構成成分に用いられるポリエチレンテレフタレートとは、エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とする重合体成分からなるものが好ましい。
すなわち、本発明におけるポリエチレンテレフタレートとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコ−ル成分として得られるポリエステルが好ましい。ただし、他のエステル結合を形成可能な共重合成分が20モル%以下の割合で含まれるものも好ましく、10モル%以下の割合で含まれるものはより好ましい。共重合可能な化合物としては、例えば、スルフォン酸、ナトリウムスルフォン酸、硫酸、硫酸エステル、硫酸ジエチル、硫酸エチル、脂肪族スルフォン酸、エタンスルフォン酸、クロロベンゼンスルフォン酸、脂環式スルフォン酸、イソフタル酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、アジピン酸、シュウ酸、デカンジカルボン酸などのジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸などのジカルボン酸類、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ハイドロキノン、ビスフェノールAなどのジオール類が好ましく使用される。
また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などを添加してもよい。
本発明において、コイル状捲縮を発現させ、編織物を形成した際に所望の伸縮性を得る観点から、ポリトリメチレンテレフタレートの極限粘度は1.0以上であることが好ましく、1.2以上1.6以下であることがより好ましい。もう一方の構成成分をポリエチレンテレフタレートとする場合はポリエチレンテレフタレートの極限粘度は0.45以上0.85以下であることが好ましく、両者間の極限粘度の差が0.4以上1.1以下であることが好ましい。
本発明で使用するポリエステル系複合繊維糸を構成する単繊維の断面形状は、サイドバイサイド型または偏芯シース・コア型とするものである。断面形状がサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型でないと、ポリエステル系複合繊維糸に熱が付与された際に、コイル状捲縮が発現せず、糸条に好適な伸縮性を付与することができない。
本発明のファンシーヤーンに用いるポリエステル系複合繊維糸において、構成成分の重量比率は、製糸性および繊維長さ方向のコイルの寸法均質性の観点から、高収縮成分(ポリトリメチレンテレフタレート)/低収縮成分(その他のポリマー、特にポリエステル)が30/70以上、70/30以下の範囲であることが好ましい。
ポリエステル系複合繊維糸の繊度は、用途目的に応じて20デシテックス以上600デシテックス以下の範囲が好ましい。また、ポリエステル系複合繊維糸を構成するの単繊維繊度は、用途に応じて0.4デシテックス以上18デシテックス以下の範囲が好ましい。
本発明のファンシーヤーンには、前記ポリエステル系複合繊維糸の他に、他のフィラメント糸が使用される。
他のフィラメント糸としては、ポリエチレンテレフタレート繊維またはポリトリメチレンテレフタレート繊維またはポリアミド繊維からなるフィラメント糸が好ましく、用いられる。具体的には、フィラメント糸の態様は原糸、仮ヨリ加工糸、もしくは先染め糸などのいずれであってもよく、また、これらの複合糸であってもよい。
他のフィラメント糸の種類、繊度および態様は、用途目的に応じて適宜選択することができる。また、他のフィラメント糸としては、単糸条でも良いが複数本の糸条からなることが好ましい。複数本の糸条の方が加工糸の被覆性が向上し、さらに意匠糸として布帛に美しい表面変化を与えるためである。また、他のフィラメント糸として染色性のことなるものを用いるとさらに意匠性のある加工糸とすることができる。
他のフィラメント糸の糸繊度は、用途目的に応じて20デシテックス以上1000デシテックス以下の範囲が好ましい。また、他のフィラメント糸を構成する単繊維の繊度は用途に応じて0.4デシテックス以上16デシテックス以下の範囲が好ましい。
本発明のファンシーヤーンは、上述のポリエステル系複合繊維と他のフィラメント糸が混繊せしめられてなるファンシーヤーンであって、10%伸長時の伸長回復率が90%以上であることが好ましい。10%伸長時の伸長回復率が90%未満であると、織編物等の布帛を形成したとき適度な伸縮性を得ることができないからである。より好ましい伸張回復率は、95%以上である。
次に、本発明のファンシーヤーンの製造方法について説明する。
図3は本発明のファンシーヤーンの製造方法の一例を示す概略模式図である。本発明のファンシーヤーンの製造方法では、構成成分の少なくとも一方がポリトリメチレンテレフタレートで構成されるサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合繊維糸と他のフィラメント糸を合流せしめ、流体乱流処理を施す。
流体乱流処理には、市販のエアー加工機等が好ましく用いられる。流体乱流処理の際、前記ポリエステル系複合繊維糸に0.03cN/dtex以上、0.60cN/dtex以下の張力を掛けることが必要である。より好ましい張力は、0.08cN/dtex以上、0.3cN/dtex以下である。
通常の流体乱流処理では、芯糸に掛かる張力は無張力〜たかだか0.01cN程度の低張力である。このような、低張力での流体乱流処理を行うと、糸表面から突出したループが0.35mm以下の極めて小さなループとなり、織編物としたときこの極小ループがソフトなパウダータッチとなるが、織編物表面は単調で全く表面変化のないものとなる。それに対して本発明のように、芯糸である前記ポリエステル系複合繊維糸に、0.03cN/dtex以上、0.60cN/dtex以下の張力を掛けることにより、流体乱流にさらされた芯糸の開繊が抑えられることになり、鞘糸が粗大なループを形成しながら芯糸と絡合するのである。ポリエステル系複合繊維糸1にこのような張力をかける方法としては、図3ではスプリングテンサ3を使用しているが、マグネットテンサやワッシャーテンサなども好ましく使用される。
図3では、芯糸であるポリエステル系複合繊維糸1を、フィードローラなどにより積極的に流体乱流ノズル6に送る手段を講じてないが、流体乱流ノズル6挿入直前に、芯糸に0.03cN/dtex以上、0.60cN/dtex以下の張力が掛かるのであれば、フィードローラを用いても良い。
また、流体乱流ノズル6の交絡性能を向上させる観点から、流体乱流ノズル6にポリエステル系複合繊維1を挿入する前に、水付与ガイド4によりポリエステル系複合繊維1に3〜100cc/分程度の水を付与することが好ましい。水を付与することにより開繊性が更に良くなり、絡みの強さも向上する。なお、水の付着方法としては通常、水付与ガイド4において噴水式の水の中を通過させる方式が採用される。
一方、鞘糸である他のフィラメント糸2は、形成されるファンシーヤーンに糸長差を付与し、他のフィラメント2が鞘糸となる芯鞘構造を有するファンシーヤーンとする観点から、オーバーフィードを施すことが必要である。ここでいうオーバーフィードとは、デリベリローラ7に対するフィードローラ5における糸速度の過供給率を意味する。ここで、鞘糸のオーバーフィード率は、適当な粗大ループ数および伸縮性を得る観点から+10%〜+45%の範囲が好ましい。
ポリエステル系複合繊維1と他のフィラメント糸2は流体乱流ノズル6において合流させられ流体乱流処理を施され混繊される。本発明において流体乱流ノズル6としては、市販のタスランノズルを用いることが好ましい。また、流体乱流処理圧力は、0.25〜0.8MPaが好ましい。
本発明においては、流体乱流処理を施した後に糸条に熱セットを施すことが好ましい。熱セットにより、繊維の熱劣化による単繊維切れによる糸強力の低下を抑える観点から、熱セット温度は、チューブヒータ8の温度で130℃以上210℃以下の範囲とすることが好ましい。熱セットされたファンシーヤーンはフィードローラ9を経て、テイクアップローラ10によりチーズ11に巻き取られる。 本発明のファンシーヤーンは、それを製編織して織編物とすることができる。本発明のファンシーヤーンを用いた織編物は、染色性、染色堅牢度、ソフトな風合い、耐久性、耐塩素性、耐光性、外観品位、形態安定性に優れ、生地が薄く、表面変化の富むストレッチ布帛を得ることができ、特に、セーターなどに好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明のファンシーヤーンとその製造方法を、より詳細に説明する。なお、実施例中の極限粘度(η)等の特性は、次の方法で求めた。ただし、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[極限粘度(η)]
オルソクロロフェノール10mlに対し試料0.10gを溶解し、温度25℃においてオストワルド粘度計を用いて測定した。
[ループ数(個/m)]
ファンシーヤーンの糸表面から2.0mm以上突出したル−プ毛羽の個数を光電型毛羽測定機(TORAY FRAY COUNTER)を用い、糸速度60m/分、走行糸張力0.1g/dの条件で測定した。
[10%伸長時の伸長回復率(%)]
自記記録装置付定速伸長型引張試験機を用い、1デシテックス当たり0.08826cNの初荷重をかけた状態で20cmのつかみの間隔に取付、引張速度を20cm/minとして、10%の伸度まで引き伸ばし、直ちに、同じ速度で除重した。完全に除重した後、直ちに、初荷重まで引き伸ばし、この時の回復伸びを伸長回復率とした。
[実施例1]
極限粘度が1.31のポリトリメチレンテレフタレートと極限粘度が0.52のポリエチレンテレフタレートをそれぞれ別々に溶融し、紡糸温度260℃で24孔の複合紡糸口金からポリエチレンテレフタレート/ポリトリメチレンテレフタレートの重量比率が50/50となるように吐出し、紡糸速度1400m/分で引き取り、165dtex24フィラメントの未延伸糸を得た。さらに、ホットロール−熱板系延伸機を用い、ホットロール温度70℃、熱板温度145℃、延伸倍率3.0で延伸して、56dtex24フィラメントのサイドバイサイド型ポリエステル系複合繊維糸(延伸糸)を得た。次いで、得られたポリエステル系複合繊維糸を芯糸とし、別に用意した56dtex48フィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸を3本引き揃えたものを鞘糸として用い、図3に示した流体乱流ノズルを使用して、以下の条件で流体(エアー)乱流処理加工を施し、2.0mm以上突出した粗大ループが98個/m、10%伸長時の伸長回復率が96.5%のファンシーヤーンを得た。
糸速 :100m/min(デリベリローラ7)
ノズル :Hema jet TE−312K
芯糸の張力 :20cN(ノズル直前)
鞘糸のオーバーフィ−ド率:+20%
エアー圧力 :0.5MPa
水付与 :有り(20cc/分)
熱セット温度 :170℃
得られたファンシーヤーンを用いて、28ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染料(黒)で染色し、仕上げ加工した結果、従来のファンシーヤーンでは得られなかった着用時の耐久性、耐塩素性、耐光性に優れ、生地が薄く、かつ、表面にループを形成し優雅な外観で意匠性に富み、ストレッチ性が良好な編地を得た。
[実施例2]
実施例1で使用したものと同じ56dtex24フィラメントのサイドバイサイド型ポリエステル系複合繊維糸を芯糸とし、鞘糸として56dtex48フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート延伸糸を用い、実施例1と同様に以下の条件で流体処理加工を施し、2.0mm以上突出した粗大ループが83個/m、10%伸長時の伸長回復率が98.7%のファンシーヤーンを得た。
糸速 :100m/min(デリベリローラ6)
ノズル :Hema jet TE−312K
芯糸の張力 :20cN(ノズル直前)
鞘糸のオーバーフィ−ド率:+20%
エアー圧力 :0.5MPa
水付与 :有り(20cc/分)
熱セット温度 :170℃
得られたファンシーヤーンを用いて、28ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染料(黒)で染色し、仕上げ加工した結果、従来のファンシーヤーンでは得られなかった着用時の耐久性、耐塩素性、耐光性に優れ、生地が薄く、かつ、表面にループを形成し優雅な外観で意匠性に富み、ストレッチ性が良好な編地を得た。
[実施例3]
実施例1で使用したものと同じ56dtex24フィラメントのサイドバイサイド型ポリエステル系複合繊維糸を芯糸とし、鞘糸として70dtex52フィラメントのポリアミド延伸糸を2本引き揃えたものを用い、実施例1と同様に以下の条件で流体処理加工を施し、2.0mm以上突出した粗大ループが111個/m、10%伸長時の伸長回復率が98.1%のファンシーヤーンを得た。
糸速 :100m/min(デリベリローラ6)
ノズル :Hema jet TE−312K
芯糸の張力 :20cN(ノズル直前)
鞘糸のオーバーフィ−ド率:+20%
エアー圧力 :0.5MPa
水付与 :有り(20cc/分)
熱セット温度 :170℃
得られたファンシーヤーンを用いて、28ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染料(青)、酸性染料(黄)で一浴染色し、仕上げ加工した結果、従来のファンシーヤーンでは得られなかった着用時の耐久性、耐塩素性、耐光性に優れ、生地が薄く、かつ、表面にループを形成し優雅な外観で意匠性に富み、ストレッチ性が良好な編地を得た。特に、編地を伸ばしたときに芯糸が多く露出するため編地の伸縮によっても外観の変化する特有の編物を得た。
[実施例4]
実施例1で使用したものと同じ56dtex24フィラメントのサイドバイサイド型ポリエステル系複合繊維糸を芯糸とし、鞘糸として56dtex48フィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸を3本引き揃えたものを鞘糸として用い、実施例1と同様に以下の条件で流体処理加工を施し、2.0mm以上突出した粗大ループが113個/m、10%伸長時の伸長回復率が96.0%のファンシーヤーンを得た。
糸速 :100m/min(デリベリローラ6)
ノズル :Hema jet TE−312K
芯糸の張力 :8cN(ノズル直前)
鞘糸のオーバーフィ−ド率:+20%
エアー圧力 :0.5MPa
水付与 :有り(20cc/分)
熱セット温度 :170℃
得られたファンシーヤーンを用いて、28ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染料(黒)で染色し、仕上げ加工した結果、従来のファンシーヤーンでは得られなかった着用時の耐久性、耐塩素性、耐光性に優れ、生地が薄く、かつ、表面にループを形成し優雅な外観で意匠性に富み、ストレッチ性が良好な編地を得た。特に、編地を伸ばしたときに芯糸が多く露出するため編地の伸縮によっても外観の変化する特有の編物を得た。
[比較例1]
56dtex24フィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸を芯糸とし、鞘糸として56dtex48フィラメントのポリアミド延伸糸を用い、実施例1と同様に以下の条件でエアー加工を施し、2.0mm以上突出した粗大ループが94個/m、10%伸長時の伸長回復率が60.3%のファンシーヤーンを得た。
糸速 :100m/min(デリベリローラ6)
ノズル :Hema jet TE−312K
芯糸の張力 :20cN(ノズル直前)
鞘糸のオーバーフィ−ド率:+20%
エアー圧力 :0.5MPa
水付与 :有り(20cc/分)
熱セット温度 :170℃
得られたファンシーヤーンを用いて、実施例1と同様に、28ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染料と酸性染料で一浴染色、仕上げ加工した結果、伸縮性に劣り、ループが小さく意匠性に欠き、風合いの硬い編地を得た。
[比較例2]
実施例1で使用したものと同じ56dtex24フィラメントのサイドバイサイド型ポリエステル系複合繊維糸を芯糸とし、鞘糸として56dtex48フィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸を用い、以下の条件でエアー加工を施し、2.0mm以上突出した粗大ループが1.2個/m、10%伸長時の伸長回復率が63.1%の加工糸を得た。
糸速 :100m/min(デリベリローラ6)
ノズル :Hema jet TE−312K
芯糸のオーバーフィ−ド率:+3%
鞘糸のオーバーフィ−ド率:+15%
エアー圧力 :0.5MPa
水付与 :有り(20cc/分)
熱セット温度 :170℃
得られた加工糸を用いて、実施例1と同様に、28ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染料で染色、仕上げ加工した結果、伸縮性は優れるが、ループが小さく意匠性に欠き、風合いの硬い編地を得た。
本発明のファンシーヤーンの一例を示す概略側面図である。 無荷重状態で沸騰水処理された本発明のファンシーヤーンの一例を示す概略側面図である。 本発明のファンシーヤーンの製造方法の一例を示す概略模式図である。
符号の説明
(イ):ポリエステル系複合繊維
(ロ):他のフィラメント糸
(ハ):ファンシーヤーン
(ニ):ポリエステル系複合繊維
(ホ):他のフィラメント糸
(ヘ):ファンシーヤーン
1:ポリエステル系複合繊維
2:他のフィラメント糸
3:スプリングテンサ
4:水付与ガイド
5:フィードローラ
6:流体乱流ノズル
7:デリベリローラ
8:チューブヒータ
9:フィードローラ
10:テイクアップローラ
11:チーズ

Claims (11)

  1. 構成成分の少なくとも一方がポリトリメチレンテレフタレートで構成されるサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合繊維糸と他のフィラメント糸が混繊せしめられてなるファンシーヤーンであって、糸表面から2.0mm以上の突出した粗大ループ数が30個/m以上、300個/m以下であることを特徴とするファンシーヤーン。
  2. ポリエステル系複合繊維糸の構成成分のもう一方がポリエチレンテレフタレートで構成される請求項1に記載のファンシーヤーン
  3. 10%伸長時の伸長回復率が90%以上である請求項1または2に記載のファンシーヤーン。
  4. ポリエステル系複合繊維のポリエチレンテレフタレート/ポリトリメチレンテレフタレートの重量比率が30/70〜70/30である請求項1〜3のいずれかに記載のファンシーヤーン。
  5. 他のフィラメント糸がポリエチレンテレフタレートフィラメント糸である請求項1〜4のいずれかに記載のファンシーヤーン。
  6. 他のフィラメント糸がポリトリメチレンテレフタレートフィラメント糸である請求項1〜4のいずれかに記載のファンシーヤーン。
  7. 他のフィラメント糸がポリアミドフィラメント糸である請求項1〜4のいずれかに記載のファンシーヤーン。
  8. 他のフィラメントが複数本の糸条からなる請求項1〜7のいずれかに記載のファンシーヤーン。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のファンシーヤーンを用いた織編物。
  10. 構成成分の少なくとも一方がポリトリメチレンテレフタレートで構成されるサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合繊維糸と他のフィラメント糸を合流せしめ、流体乱流処理を施し、かつ流体乱流処理の際、ポリエステル系複合繊維糸に0.03cN/dtex以上、0.60cN/dtex以下の張力を掛けることを特徴とするファンシーヤーンの製造方法。
  11. 請求項10に記載のファンシーヤーンの製造方法により製造されたファンシーヤーンを用いた織編物。
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