JPWO2002098674A1 - 感熱記録材料用顕色剤および感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料用顕色剤および感熱記録材料 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、近年の高感度要求を満しつつ、発色画像および地肌の保存安定性(すなわち耐熱性、耐湿性)に優れる感熱記録材料を実現し得る、新規な顕色剤、並びに、それを用いた感熱記録材料を提供することである。本発明の感熱記録材料用顕色剤は、一般式(I):[式中、Rは、ハロゲン原子、水酸基、炭素数が1〜5のアルキル基、炭素数が1〜5のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基又はアラルキル基を示し、m個のRは互いに同一でも、異なってもよい。mは0〜3の整数を示す。nは0〜3の整数を示す。]で表される縮合物のうちの、式中n=0の2核縮合物を主成分とし、さらに式中n=1〜3の縮合物のうちの少なくとも1種を含む組成物からなることが特徴であり、当該顕色剤を使用して得られる感熱記録材料は、高感度で、高い動的発色濃度が得られ、しかも、優れた保存安定性を有するものとなる。

Description

技術分野
本発明は感熱記録材料用顕色剤および感熱記録材料に関する。
背景技術
一般に、感熱記録材料(感熱記録用媒体)は、常温で無色ないし淡色の塩基性染料と有機顕色剤とをそれぞれ微細な粒子に粉砕分散した後両者を混合し、これとバインダー、充填剤、増感剤、滑剤、その他の添加剤等を添加して得た塗液を、紙、フィルムプラスチック等の支持体上に塗工して感熱発色層を形成したもので、感熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより発色記録が得られるものである。これら記録方式の基本原理は、電子供与性の染料と有機顕色剤とが化学的に接触することにより、染料が有色体に変化することにあると考えられている。このような記録方式(感熱記録方式)は、従来実用化された他の記録法に比べて、現像、定着等の煩雑な処理を施す必要がない、比較的安価で簡単な装置で短時間に記録ができる、メンテナンスフリーである、記録時の騒音発生がない、得られた発色が非常に鮮明であるといった特徴を有し、コンピューターのアウトプット、電卓等のプリンター、医療計測用のレコーダー、ファクシミリ、自動券売機、ラベル分野、複写機等の記録材料として広く用いられている。近年、これら装置の多用途化、高性能化が進められるに従って、感熱記録材料(感熱記録用媒体)に対する要求品質もより高度なものとなっている。例えば、記録の高速化、装置の小型化に伴い記録装置のサーマルヘッドの熱エネルギーは微少化する傾向にあり、これに使用する感熱記録体(感熱記録用媒体)は、微少なエネルギーでも高濃度で鮮明な発色画像を得るに充分な発色濃度を保有することが要求されている。
このような要求を満たすために、感熱発色層に含有させる顕色剤としてフェノール性水酸基を有する種々の化合物が提案され、例えば、特公昭40−9309号公報、特公昭43−4160号公報、特公昭45−14039号公報、特公昭51−29830号公報、特開昭56−144193号公報等にて開示されており、通常、ビスフェノール系化合物や4−ヒドロキシ安息香酸エステル等が単独で、又は数種組み合わせて実用化されている。しかし、このような従来の材料では、例えば熱応答性が低く、高速記録の際に十分な発色濃度が得られない、色むらが生じる、記録後に発色像の濃度が経時的に変化する、保存中に変色を生じる、耐熱地色が悪化する、いわゆる粉ふきと呼ばれる白色粉末状物の表面析出が生じる、再印字性が低下する等の問題があった。
また最近では、特開平9−278695号公報や特開2001−96926号公報等にトリスフェノール化合物を顕色剤や退色防止剤として用いる方法が開示されているが、これら化合物を用いても十分な発色濃度を得ることはできていない。さらに、特開昭58−181686号公報では2,2′−メチレンジフェノール化合物を顕色剤として用いる方法が開示されているが、同公報記載の方法では、感度や耐熱性、耐湿性および耐候性等の画像安定性が十分でなかった。
また、ノボラック樹脂を感熱記録材料の発色層に含有させることも知られているが、十分な感度が得られないという問題がある。
このように、近年の高感度要求を満しつつ、耐熱性や耐湿性といった上記に記載したような保存安定性を備えた感熱記録材料は未だ得られていない。
上記事情に鑑み、本発明は、近年の高感度要求を満しつつ、発色画像および地肌の保存安定性(すなわち耐熱性、耐湿性)に優れる感熱記録材料を実現し得る、新規な顕色剤、並びに、それを用いた感熱記録材料を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の置換フェノール類とホルムアルデヒドとの2核縮合物を主成分とし、これにさらに3核以上の縮合物(例えば、3核縮合物、3核縮合物と4核縮合物、あるいは、3核縮合物〜5核縮合物)を含む組成物が感熱記録材料の感度向上、並びに保存安定性に極めて優れた効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)一般式(I):
Figure 2002098674
[式中、Rは、ハロゲン原子、水酸基、炭素数が1〜5のアルキル基、炭素数が1〜5のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基又はアラルキル基を示し、m個のRは互いに同一でも、異なってもよい。mは0〜3の整数を示す。nは0〜3の整数を示す。]
で表される縮合物のうちの、式中n=0の2核縮合物を主成分とし、さらに式中n=1〜3の縮合物のうちの少なくとも1種を含む組成物からなる、感熱記録材料用顕色剤、
(2)式中n=0の2核縮合物を40〜98%含有する、上記(1)記載の感熱記録材料用顕色剤、
(3)縮合物が、フェノール基の水酸基のp−位にハロゲン原子、水酸基、炭素数が1〜5の低級アルキル基、炭素数が1〜5のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基又はアラルキル基を有する、上記(1)又は(2)記載の感熱記録材料用顕色剤、及び
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の顕色剤と塩基性染料とを含む感熱発色層を支持体上に設けてなる感熱記録材料に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
前記一般式(I)において、nは0〜3の整数を示す。mは0〜3の整数を示し、好ましくは1〜3、より好ましくは1である。mが2又は3の場合に、m個のRは互いに同一でも、異なっていてもよい。また、mが1〜3の場合、Rがフェノール基の水酸基のm−位又はp−位に結合しているのが好ましく、Rがフェノール基の水酸基のp−位に結合しているのがより好ましい。
m個のRは、それぞれ、ハロゲン原子、水酸基、炭素数が1〜5のアルキル基、炭素数が1〜5のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基又はアラルキル基を示し、好ましくは炭素数が1〜5のアルキル基、アラルキル基である。
ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子である。炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、t−アミルが挙げられ、好ましくはメチル、イソプロピル、t−ブチルである。炭素数1〜5のアルコキシル基としては、炭素数が1〜4が好ましく、該炭素数が1〜4のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシが挙げられ、好ましくはメトキシである。アリール基としては、例えば、フェニル、トリル、ナフチルが挙げられ、好ましくはフェニルである。また、アラルキル基としては、例えば、クミル、α−メチルベンジルが挙げられる。
一般式(I)で表される2核縮合物(即ち、式中n=0の縮合物)の具体例としては、
2,2′−メチレンビスフェノール、
2,2′−メチレンビス(4−クロロフェノール)、
2,2′−メチレンビス(5−クロロフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−ヒドロキシフェノール)、
2,2′−メチレンビス(5−ヒドロキシフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(5−メチルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−エチルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(5−エチルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−プロピルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−イソプロピルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(5−イソプロピルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(5−t−ブチルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−t−アミルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−メトキシフェノール)、
2,2′−メチレンビス(5−メトキシフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−シアノフェノール)、
2,2′−メチレンビス(5−シアノフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−ニトロフェノール)、
2,2′−メチレンビス(5−ニトロフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−フェニルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(5−フェニルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−クミルフェノール)、
2,2′−メチレンビス[4−(α−メチルベンジル)フェノール]
が挙げられる。
これらの中でも、2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−イソプロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−クミルフェノール)が好ましく、2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−クミルフェノール)が特に好ましい。
また、一般式(I)で表される3〜5核縮合物(即ち、式中n=1〜3の縮合物)の具体例としては、それぞれ、前述の2核縮合物の具体例として挙げた化合物と対応する化合物を挙げることができる。
本発明の感熱記録材料用顕色剤(組成物)において、2核縮合物の含量は、顕色剤(組成物)全体当たり40〜98%であるのが好ましく、40〜90%がより好ましく、50〜85%がとりわけ好ましい。すなわち、顕色剤における2核縮合物の含量が40%未満になったり、98%を超えたりすると、目的とする感熱記録材料の感度、発色画像および地肌の保存安定性の向上効果が十分に発現しにくくなる。
本発明の感熱記録材料用顕色剤は、例えば、一般式(II):
Figure 2002098674
[式中、R、mは前記と同義。]
で表される置換フェノール類と、ホルムアルデヒドとを酸触媒(例えば、塩酸、p−トルエンスルホン酸等)存在下で反応させる等の公知の合成方法により製造することができる。反応は、原料および反応生成物を溶解し得るとともに反応に不活性な適当な有機溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、トルエン、クロロホルム、ジエチルエーテル、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジエチルケトン、エチルメチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等)中で、反応温度0〜150℃で数時間から数十時間行われる。こうして得られた目的の縮合組成物には、一般式(I)のn=4以上の縮合物を不純物として含有していてもよい。
一般式(II)で表される置換フェノール類の具体的な例としては、フェノール、p−クロロフェノール、m−クロロフェノール、o−クロロフェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、p−クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−エチルフェノール、m−エチルフェノール、o−エチルフェノール、p−プロピルフェノール、o−プロピルフェノール、p−イソプロピルフェノール、m−イソプロピルフェノール、o−イソプロピルフェノール、p−t−ブチルフェノール、m−t−ブチルフェノール、o−t−ブチルフェノール、p−t−アミルフェノール、p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、o−メトキシフェノール、p−シアノフェノール、m−シアノフェノール、o−シアノフェノール、p−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、o−ニトロフェノール、p−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、o−フェニルフェノール、p−クミルフェノール、p−(α−メチルベンジル)フェノール、o−(α−メチルベンジル)フェノール等が挙げられる。
本発明の感熱記録材料(感熱記録用媒体)は、支持体上に前記本発明の顕色剤と塩基性染料とを含む感熱発色層を設けて構成される。
本発明の感熱記録材料において、感熱発色層に含有させる塩基性染料としては、感圧あるいは感熱記録紙分野で公知の無色乃至淡色の塩基性染料は全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フルオレン系、ジビニル系等のロイコ染料が好ましく、特に好ましくはフルオラン系、とりわけ好ましくはアニリノフルオラン系である。当該塩基性染料は、1種もしくは2種以上を使用できる。
以下に、塩基性染料の具体例を示す。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−ベンゾ[a]フルオラン
3−ジエチルアミノ−ベンゾ[c]フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチルフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
<フルオレン系ロイコ染料>
3,6,6′−トリス(ジメチルアミノ)スピロ[フルオレン−9,3′−フタリド]
3,6,6′−トリス(ジエチルアミノ)スピロ[フルオレン−9,3′−フタリド]
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3,3−ビス−[1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス−[1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
<その他の塩基性染料>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3′−ニトロ)アニリノラクタム
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4′−ニトロ)アニリノラクタム
1,1−ビス−[2′,2′,2″,2″−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,2−ジニトリルエタン
1,1−ビス−[2′,2′,2″,2″−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2−β−ナフトイルエタン
1,1−ビス−[2′,2′,2″,2″−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,2−ジアセチルエタン
ビス−[2,2,2′,2′−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−メチルマロン酸ジメチルエステル
本発明の感熱記録材料の感熱発色層には、本発明の効果を損なわない程度に、従来公知の増感剤を1種又は2種以上配合してもよい。これら増感剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールアミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、2−ナフチルベンジルエーテル、p−ベンジルビフェニル、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、ジ−p−トリルカーボネイト、フェニル−α−ナフチルカーボネイト、ジフェニルスルホン等が挙げられるが、特にp−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、2−ナフチルベンジルエーテル、p−ベンジルビフェニル、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、ジフェニルスルホンが好ましく、さらに、これらの中でも、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、2−ナフチルベンジルエーテル、p−ベンジルビフェニル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン等を、本発明顕色剤のうちの2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を主成分とする縮合組成物と組み合わせて使用した場合に、より好ましい結果が得られる。
また、感熱発色層には本発明の効果が阻害されない範囲であれば、従来公知の有機顕色剤を配合してもよい。かかる従来公知の顕色剤としては、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸エステル類、4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類、フタル酸モノエステル類、ビス−(ヒドロキシフェニル)スルフィド類、4−(4−プロポキシ−ベンゼンスルホニル)−フェノール、4−(4−イソプロポキシ−ベンゼンスルホニル)−フェノールなどの4−ヒドロキシフェニルアリールスルホン類、4−ヒドロキシフェニルアリールスルホナート類、1,3−ジ[2−(ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]−ベンゼン類、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エステル類、ビスフェノールスルホン類等が挙げられる。
本発明の感熱記録材料の製法は、特に限定されないが、通常、バインダーの溶液又はバインダーの乳化もしくはペースト状に分散した分散液に、本発明の顕色剤および塩基性染料、さらに必要に応じて添加される増感剤等の添加剤をさらに分散させた塗液を調整し、これを支持体上に塗布、乾燥して感熱発色層を形成することにより、得られる。
上記バインダーとしては、重合度200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アミド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロース、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラールポリスチロール及びそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂等が挙げられる。これらの高分子物質は要求品質に応じて単独又は2種以上を併用でき、水、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶剤に溶かして使用する他、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散した状態で使用することができる。
本発明において、感熱発色層に配合する充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体や中空プラスチックピグメント等の無機又は有機充填剤等が挙げられる。
この他、p−ニトロ安息香酸金属塩(Ca、Zn)又はフタル酸モノベンジルエステル金属塩(Ca、Zn)などの安定剤、脂肪酸金属塩等の離型剤、ワックス等の滑剤、ベンゾフェノン系あるいはトリアゾール系紫外線吸収剤、グリオキザール等の耐水化剤、分散剤、消泡剤等を必要に応じて添加することができる。
本発明において、感熱発色層に使用する塩基性染料、顕色剤、増感剤、バインダー、填料等の各材料の種類や使用量は、感熱発色層に要求される各種性能に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、最も一般的な例としては、塩基性染料1重量部に対して顕色剤を1〜8重量部程度、充填剤を添加する場合、充填剤を塩基性染料1重量部に対して1〜20重量部とするのが適当である。また、増感剤を添加する場合、増感剤は顕色剤1重量部に対して0.1〜2重量部程度が適当であり、バインダーは全固形分中10〜25重量%程度が適当である。
当該方法で感熱記録材料を製造する場合、塩基性染料と顕色剤、および、必要に応じて添加される添加剤は、ポールミル、アトライター、サンドグラインダー等の粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化して用いるのが好ましい。
感熱発色層を形成する支持体としては、紙、再生紙、合成紙、プラスティックフィルム、発泡プラスティックフィルム、不織布、金属箔等が使用可能であり、また、これらを組み合わせた複合シートも使用可能である。
また、本発明の感熱記録材料においては、保存性を高める目的で、有機填料を含有する高分子物質等からなるオーバーコート層を感熱発色層上に設けることもできる。さらに、保存性および感度を高める目的で、有機填料および無機填料を含有するアンダーコート層を感熱発色層の下に設けてもよい。
実施例
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、説明中、部は重量部を表す。
なお、以下に記載した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)縮合組成物80%品の組成比は以下の通り。
2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール):2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール:2,2′−メチレンビス[6−[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]=81:18:1
2,2′−メチレンビス(4−イソプロピルフェノール)縮合組成物60%品の組成比は以下の通り。
2,2′−メチレンビス(4−イソプロピルフェノール):2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−イソプロピルベンジル)−4−イソプロピルフェノール:2,2′−メチレンビス[6−[(2−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)メチル]−4−イソプロピルフェノール]=59:37:4
2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)縮合組成物40%品の組成比は以下の通り。
2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール):2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)−4−t−ブチルフェノール:2,2′−メチレンビス[6−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)メチル]−4−t−ブチルフェノール:2,6−ビス[[2−ヒドロキシ−3−[(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)メチル]−5−t−ブチルフェニル]メチル]−4−t−ブチルフェノール=40:32:19:9
2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)縮合組成物55%品の組成比は以下の通り。
2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール):2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)−4−t−ブチルフェノール:2,2′−メチレンビス[6−[(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)メチル]−4−t−ブチルフェノール]:2,6−ビス[[2−ヒドロキシ−3−[(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)メチル]−5−t−ブチルフェニル]メチル]−4−t−ブチルフェノール=55:32:10:3
2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)縮合組成物70%品の組成比は以下の通り。
2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール):2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)−4−t−ブチルフェノール:2,2′−メチレンビス[6−[(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)メチル]−4−t−ブチルフェノール]=72:27:1
2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)縮合組成物80%品の組成比は以下の通り。
2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール):2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)−4−t−ブチルフェノール:2,2′−メチレンビス[6−[(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)メチル]−4−t−ブチルフェノール]=79:18:3
2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)縮合組成物90%品の組成比は以下の通り。
2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール):2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)−4−t−ブチルフェノール=92:8
2,2′−メチレンビス(4−クミルフェノール)縮合組成物60%品の組成比は以下の通り。
2,2′−メチレンビス(4−クミルフェノール):2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−クミルベンジル)−4−クミルフェノール:2,2′−メチレンビス[(2−ヒドロキシ−5−クミルフェニル)メチル]−4−クミルフェノール:2,6−ビス[[2−ヒドロキシ−3−[(2−ヒドロキシ−5−クミルフェニル)メチル]−5−クミルフェニル]メチル]−4−クミルフェノール=60:26:10:4
[実施例1]
A液(顕色剤分散液)
Figure 2002098674
B液(増感剤分散液)
ジフェニルスルホン 4.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 12.5部
水 7.5部
C液(染料分散液)
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン 2.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 4.6部
水 2.6部
上記A液、B液およびC液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで粉砕し、下記の割合で分散液を混合して塗液とした。
A液(顕色剤分散液) 36.0部
B液(増感剤分散液) 24.0部
C液(染料分散液) 9.2部
カオリンクレー(50%分散液) 12.0部
上記塗液を50g/mの坪量を有する基紙の片面に塗布量6.0g/mになるように塗布、室温で24時間乾燥し、このシートをスーパーカレンダーで平滑度500〜600秒になるように処理して感熱記録材料を作成した。なお、ここでの塗布量は乾燥後における支持体への固形分付着量である。
[実施例2]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−イソプロピルフェノール)を60%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)のジフェニルスルホンを添加せずに実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例3]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−イソプロピルフェノール)を60%含有する縮合組成物を使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例4]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−イソプロピルフェノール)を60%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに4−ビフェニル−p−トリルエーテルを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例5]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を40%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)のジフェニルスルホンを添加せずに実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例6]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を40%含有する縮合組成物を使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例7]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を40%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに4−ビフェニル−p−トリルエーテルを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例8]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を55%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)のジフェニルスルホンを添加せずに実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例9]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を55%含有する縮合組成物を使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例10]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を55%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに4−ビフェニル−p−トリルエーテルを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例11]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を70%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)のジフェニルスルホンを添加せずに実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例12]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を70%含有する縮合組成物を使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例13]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を70%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに4−ビフェニル−p−トリルエーテルを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例14]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を80%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)のジフェニルスルホンを添加せずに実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例15]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を80%含有する縮合組成物を使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例16]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を80%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに4−ビフェニル−p−トリルエーテルを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例17]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を90%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)のジフェニルスルホンを添加せずに実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例18]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を90%含有する縮合組成物を使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例19]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を90%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに4−ビフェニル−p−トリルエーテルを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例20]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−クミルフェノール)を60%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)のジフェニルスルホンを添加せずに実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例21]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−クミルフェノール)を60%含有する縮合組成物を使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例22]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−クミルフェノール)を60%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに4−ビフェニル−p−トリルエーテルを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例23]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を90%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりにステアリン酸アミドを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例24]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を90%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりにエチレンビスステアリン酸アミドを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例25]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を90%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに2−ナフチルベンジルエーテルを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例26]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を90%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりにシュウ酸−ジ−p−メチルベンジルを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例27]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を90%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりにシュウ酸−ジ−p−クロロベンジルを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例28]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を90%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりにp−ベンジルビフェニルを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例29]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を90%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例30]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を90%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに1,2−ジフェノキシエタンを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例31]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を90%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼンを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例32]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を55%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンを使用し、C液(染料分散液)で使用した3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランの代わりに3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例33]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を55%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりにシュウ酸−ジ−p−メチルベンジルを使用し、C液(染料分散液)で使用した3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランの代わりに3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例34]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を55%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼンを使用し、C液(染料分散液)で使用した3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランの代わりに3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例35]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を55%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼンを使用し、C液(染料分散液)で使用した3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランの代わりに3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例36]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を55%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼンを使用し、C液(染料分散液)で使用した3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランの代わりに3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(50重量%)と3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(50重量%)の混合物を使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例37]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を55%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりに1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンを使用し、C液(染料分散液)で使用した3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランの代わりに3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(50重量%)と3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン(50重量%)の混合物を使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[実施例38]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を55%含有する縮合組成物を使用し、B液(増感剤分散液)で使用したジフェニルスルホンの代わりにシュウ酸−ジ−p−メチルベンジルを使用し、C液(染料分散液)で使用した3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランの代わりに3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(50重量%)と3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン(50重量%)の混合物を使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[比較例1]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−イソプルピルフェノール)を使用し、B液(増感剤分散液)のジフェニルスルホンを添加せずに実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[比較例2]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を使用し、B液(増感剤分散液)のジフェニルスルホンを添加せずに実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[比較例3]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに大日本インキ化学工業(株)社製フェノールノボラック樹脂(フェノライトTD2090)を使用し、B液(増感剤分散液)のジフェニルスルホンを添加せずに実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
[比較例4]
実施例1のA液(顕色剤分散液)で使用した2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)を80%含有する縮合組成物の代わりに大日本インキ化学工業(株)社製フェノールノボラック樹脂(フェノライトTD2090)を使用し、実施例1と同様に感熱記録材料を作成した。
以上の実施例および比較例で得られた感熱記録材料について、下記の品質性能試験を行った。結果を表1〜6に示す。なお、表中の数値は上段が記録部の濃度を下段が地肌部の濃度を示す。
▲1▼感熱記録性テスト(動的発色濃度)
作成した感熱記録材料について、大倉電気社製TH−PMD(感熱記録紙印字試験機、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.38mj/dotで印字した。記録部の画像濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定した。
▲2▼保存安定性テスト
[耐熱性テスト]
感熱記録性テストで記録した感熱記録材料を試験温度60℃の高温乾燥環境下に24時間放置した後、記録部の画像濃度と地肌部の濃度をマクベス濃度計で測定した。
[耐湿性テスト]
感熱記録性テストで記録した感熱記録材料を試験温度40℃、90%RHの環境下に24時間放置した後、記録部の画像濃度と地肌部の濃度をマクベス濃度計で測定した。
Figure 2002098674
Figure 2002098674
Figure 2002098674
Figure 2002098674
Figure 2002098674
Figure 2002098674
表1〜6に示すように、本発明の組成物からなる顕色剤(実施例1〜38)を用いて得られた感熱記録材料は、高い動的発色濃度を保持しつつ、かつ保存安定性にも優れていた。これに対し、比較例1、2のように2,2′−メチレンビス(4−イソプロピルフェノール)や2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)のみを用いた場合は、動的発色濃度が低く、保存安定性も悪かった。また、比較例3、4のような重合率の高いフェノールノボラック樹脂については、動的発色濃度が非常に低く、満足できる性能が得られなかった。
産業上の利用の可能性
本発明によれば、高感度で、高い動的発色濃度が得られ、しかも、保存安定性に優れた感熱記録材料を得ることができる。
本出願は日本で出願された特願2001−167233および特願2001−301577を基礎としており、それらの内容は本明細書に全て包含される。

Claims (4)

  1. 一般式(I):
    Figure 2002098674
    [式中、Rは、ハロゲン原子、水酸基、炭素数が1〜5のアルキル基、炭素数が1〜5のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基又はアラルキル基を示し、m個のRは互いに同一でも、異なってもよい。mは0〜3の整数を示す。nは0〜3の整数を示す。]
    で表される縮合物のうちの、式中n=0の2核縮合物を主成分とし、さらに式中n=1〜3の縮合物のうちの少なくとも1種を含む組成物からなる、感熱記録材料用顕色剤。
  2. 式中n=0の2核縮合物を40〜98%含有する、請求の範囲第1項記載の感熱記録材料用顕色剤。
  3. 縮合物が、フェノール基の水酸基のp−位にハロゲン原子、水酸基、炭素数が1〜5の低級アルキル基、炭素数が1〜5のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基又はアラルキル基を有する、請求の範囲第1項又は第2項載の感熱記録材料用顕色剤。
  4. 特許請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の顕色剤と塩基性染料とを含む感熱発色層を支持体上に設けてなる感熱記録材料。
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