JP2006181856A - 感熱記録材 - Google Patents

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Abstract

【課題】高感度であると共に記録像の保存安定性、特に高温高湿度下での耐湿性に優れ、また地肌かぶりも少ない発色剤、ならびにそれを用いた記録材料、特に感熱記録材料を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で示されるフェノール3核体(A)であって、 (a)左右芳香環の4−、4’−位のうちの少なくとも1つにOH基を有し、 (b)左右芳香環に置換している少なくとも1個のOH基の隣接置換基のうちの少なくとも1個は水素である、フェノール3核体(B)を含有する顕色剤を特定粒径に粉砕して含有せしめる。
Figure 2006181856

【選択図】 なし

Description

本発明は、一般式(1)で示されるフェノール3核体の顕色剤を用いた感熱記録材に関し、特に、感度および高湿度下での地肌かぶりが良好な感熱記録材に関する。
従来、熱、圧力などの記録エネルギーを利用した化学的発色システムは数多く知られている。その中で、通常、無色又は淡色のロイコ染料、およびそのロイコ染料と接触して発色する顕色剤との2成分発色系からなる発色システムは古くから知られており、広く記録材料に応用されている。例えば圧力エネルギーを用いた感圧記録材料や、熱エネルギーを用いた感熱記録材料、光エネルギーを用いた感光記録材料等がある。
これまで普通紙感覚で極く一般的に用いられてきているものに、圧力エネルギーを用いた感圧記録材料がある。感圧記録材料は、一般に、ロイコ染料を適当な媒体に分散し、数ミクロンのロイコ染料粒子を含む乳化物とした後、該染料粒子を内包するマイクロカプセルを調製し、このマイクロカプセルを支持体上に塗布してなる上用紙と顕色剤を含む顕色剤層を他の支持体上に塗布してなる下用紙等を、マイクロカプセル塗布面と顕色剤塗布面とが対向するように重ね合わせることにより得られる。得られた感圧記録材料に筆圧又は打圧等を加えるとマイクロカプセルが破壊し、ロイコ染料を含む内包物が放出され、このロイコ染料が顕色剤層に転移して顕色剤と接触、化学反応することにより発色し、画像が記録される。
また近年、各種情報機器において、熱エネルギーによって記録を行う感熱記録方式が多く採用されている。感熱記録方式に使用される感熱記録材料は、例えば、白色度が高い、外観、感触が普通紙に近い、発色感度が高いという、多くの点で、記録材料として優れた特性を備えており、また感熱記録方式は、装置が小型で、メインテナンスが不要であり、騒音の発生がないことなどの利点があるため、計測用記録計、ファクシミリ、プリンター、コンピューターの端末機、ラベル、乗車券等の自動券売機など広範囲の分野に用途を拡大してきた。
感熱記録方式は、主に2種の感熱剤成分を含む発色層を支持体上に設けてなる記録材料を用い、これに記録エネルギーとしての熱を感熱ヘッド、ホットスタンプ、レーザー光等により加えることで、記録材料上で感熱剤成分を相互に接触させ、発色記録させるものが一般的である。感熱剤成分としては、無色又は淡色のロイコ染料のような発色剤とフェノール性化合物のような酸性顕色剤を併用するものが多く、これらを用いた記録材料としては例えば、発色剤としてクリスタルバイオレットラクトンと顕色剤として2,2−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA:BPA)を用いた感熱紙等が挙げられる(例えば特許文献1参照)。
これらの記録方式に用いられるロイコ染料及び顕色剤としては、それぞれ主に電子供与性化合物及び電子受容性化合物が用いられ、これらは互いに接触する前は白色に近い外観を呈するが、これらを接触させることにより瞬間的に濃度が高く且つ赤色、橙色、黄色、緑色、青色、黒色等、各種の発色色相を得ることができるという、優れた特性を有する。しかしながらその反面、得られた発色画像は消失したり、また、高湿度下で退色したり、さらには消失したりするなど、発色画像の保存安定性に劣るためにその改良が強く望まれている。
近年特に、記録装置の多様化、中でも装置の小型化や高速化に伴い、低エネルギーでの発色性(感度)と記録品質の保存安定性が要望されている。低エネルギーでの発色性を高めるために通常、感熱記録材料の熱応答性を良くすることが行われるが、一般に、感熱記録材料の熱応答性を良くすると、記録媒体上の非加熱部においても発色する地肌かぶりという現象が生じ問題となる。従来から熱応答性を損なうことなく地肌かぶりや記録像の保存安定性を向上させるための方法が提案されてきている。特に、BPAは、優れた熱応答性と地肌かぶり性を有し且つ安価であることから、これまで記録像の保存安定性がそれほど求められない汎用の感熱紙用顕色剤として広く長期に亘って実用に供されてきた。しかし、近年内分泌かく乱物質として環境安全上の問題から、他の顕色剤への転換の検討が進んでいる。
一方、従来フェノール化合物とアルデヒドとの縮合重合物を顕色剤として用いる技術が、主に感圧記録材料において検討されてきた(特許文献2参照)。この顕色剤を感熱記録材料として用いた場合、一般に記録像の保存安定性は優れるものの感度が不十分であるという問題があった。そこでこれを解決するために、上記縮合重合物とフェノール化合物と併用し感度を高める種々の検討がなされてきた。例えば、フェノール化合物とアルデヒドとの縮合重合物に単量体フェノールを併用する感熱記録方法が開示されている(特許文献3参照)。該感熱記録方法は、顕色剤としてフェノール化合物とアルデヒドの縮合重合物に置換フェノール単量体を併用することで、共融点がその成分の何れよりも低くなり熱応答性が向上するというものであるが、これでもまだ、実用上感度が不十分であり、さらに他の顕色剤と併用し感度の向上を行うと地肌かぶりが発生するという問題がある。
一方、フェノール化合物とアルデヒドとの縮合重合物の縮合度を制御することで高感度化を図る方法として、フェノール化合物2分子をホルムアルデヒド1分子で縮合して得られる2,2´−メチレンジフェノール化合物(フェノール2核体)の1種または2種以上を顕色剤として含有することを特徴とする感熱シートが開示されている(特許文献4参照)。しかし、該感熱シートの熱応答性は比較的良好であるものの、記録像の保存安定性が不良であり、また地肌かぶりに問題があり実用には至っていない。
これに対し記録像の保存安定性を改良する目的で、前記フェノール2核体を主成分とし、これにフェノール3〜5核のフェノール多核体のうち少なくとも1種を含む組成物から成る感熱記録材料用顕色剤が提案されている(特許文献5参照)。しかしこのものは、記録像の保存安定性が実用上満足できるレベルになるまでフェノール多核体を用いると逆に感度が低下し、現在当業界で求められているBPA同等の感度を発現することは不可能である。
また、フェノール3核体を顕色剤として用いる試みもあるが(特許文献6参照)、ここで用いられているフェノール3核体は一般に融点が200℃以上と高い上に、本発明の課題であるBPA同等の感度と記録像の保存安定性の両立も不十分である。
そこで、このようなフェノール3核体を2種以上混合することにより共融点を150〜200℃と低下させ、感度を向上させる試みもあるが(特許文献7参照)、p−置換フェノール同士をすべてそのOH基のo−位で縮合させたフェノール3核体を含む組成物は、特許文献6の顕色剤同様、十分な感度と記録像の保存安定性は得られない。
この他、p−置換フェノールがその水酸基の両オルト位にあるメチレン基を介し、他のアルキルフェノールと、そのOH基のp−位で縮合した新規な3核体構造も提案されているが(特許文献8参照)、やはり十分な感度と記録像の保存安定性は得られていない。
米国特許第3539375号明細書 特公昭42−20144号公報 特開昭48−58842号公報 特許1712000号公報 国際公開第02/098674号パンフレット 特開平06−115255号公報 特開2001−96926号公報 特開平09−278695号公報
本発明は、高感度であると共に高湿度下での地肌かぶりが良好な感熱記録材を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のフェノール性化合物を特定の条件にて粉砕することにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、
(1)下記一般式(1)で示されるフェノール3核体(A)であって、
(a)左右芳香環の4−、4’−位のうちの少なくとも1つにOH基を有し、
(b)左右芳香環に置換している少なくとも1個のOH基の隣接置換基のうちの少なくとも1個は水素である、フェノール3核体(B)を含有する顕色剤を粉砕して含有せしめた感熱記録材において、
Figure 2006181856
(式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数7〜14のアラルキル基およびアリール基からなる群から選ばれた基であり、Rは水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、およびハロゲン原子からなる群から選ばれた基であり、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水素、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数7〜14のアラルキル基およびアリール基からなる群から選ばれた基であり、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。m、nは1〜5の整数を表す。)
該顕色剤の平均粒子径が0.05μm以上5μm以下であることを特徴とする感熱記録材、
(2)フェノール3核体(A)であってフェノール3核体(B)に相当しないフェノール3核体(C)の含有率が30wt%以下である発明(1)の感熱記録材、
(3)フェノール3核体(B)の含有率のフェノール3核体(A)の含有率に対する割合が、0.5以上であることを特徴とする発明(1)、(2)いずれかの感熱記録材、
(4)フェノール3核体(A)の含有率が20wt%以上である発明(1)〜(3)いずれかの感熱記録材、
(5)下記一般式(2)で示されるp−置換フェノール誘導体と、下記一般式(3)で示されるフェノール性化合物のうちの少なくとも1種類とを縮合して得られる縮合生成物を含み、且つ、該縮合生成物に含まれるフェノール3核体(A)以外の縮合生成物成分の全体に対する含有率が50wt%以下である発明(1)〜(4)いずれかの感熱記録材、
Figure 2006181856
(式中、Rdは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数7〜14のアラルキル基およびアリール基からなる群から選ばれた基、Reは水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、およびハロゲン原子からなる群から選ばれた基であり、Reは互いに同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2006181856
(式中、Rfは水素、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数7〜14のアラルキル基およびアリール基からなる群から選ばれた基であり、Rfは互いに同一でも異なっていてもよい。)
(6)一般式(1)のRが炭素数2〜18のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数7〜14のアラルキル基およびアリール基からなる群から選ばれた基であり、Rがすべて水素であることを特徴とする発明(1)〜(5)いずれかの感熱記録材、
(7)一般式(3)中のRfがすべて水素であることを特徴とする発明(1)〜(6)いずれかの感熱記録材、
(8)一般式(1)で示されるフェノール3核体の顕色剤を粉砕する時の液温が60℃以下であることを特徴とする発明(1)〜(7)に記載の感熱記録材、
(9)一般式(1)で示されるフェノール3核体の顕色剤を粉砕する時のpHが5〜10であることを特徴とする発明(1)〜(8)に記載の感熱記録材、
(10)一般式(1)で示されるフェノール3核体の顕色剤を粉砕する時の分散剤として水溶性高分子およびアニオン系界面活性剤の中から選ばれるいずれか1つ以上を用いることを特徴とする発明(1)〜(9)のいずれかに記載の感熱記録材、
(11)無色または淡色の染料前駆体を含有する発明(1)〜(10)のいずれかに記載の感熱記録材、
(12)熱可融性物質を含有する発明(1)〜(11)のいずれかに記載の感熱記録材、
(13)熱可融性物質の分散剤として水溶性高分子およびアニオン系界面活性剤の中から選ばれるいずれか1つ以上を用いることを特徴とする発明(12)に記載の感熱記録材、
(14)一般式(1)で示されるフェノール3核体の顕色剤と熱可融性物質を同時に粉砕化したことを特徴とする発明(12)〜(13)のいずれかに記載の感熱記録材、
(15)感熱記録材の感熱記録層を形成する感熱塗液のpHを5〜12の間で支持体上に塗布したことを特徴とする発明(1)〜(14)のいずれかに記載の感熱記録材の製造方法である。
本発明の特定の顕色剤を特定の粒径に粉砕せしめて用いることにより、従来困難であった高感度で且つ高湿度下での地肌かぶりが良好な感熱記録材を得ることが可能となる。
本発明に用いる顕色剤は、一般式(1)で示されるように、p−置換フェノール核がそのOH基の両オルト位でメチレン基を介して他の2つのフェノール核に結合した構造のフェノール3核体(A)であって、そのうち左右芳香環の4−、4’−位のうちの少なくとも1つにOH基を有し、且つ左右芳香環に置換している少なくとも1個のOH基の隣接置換基のうちの少なくとも1個は水素であることを特徴としたフェノール3核体(B)を含有する。
本発明のフェノール3核体(B)においては、左右芳香環の4−、4’−位のうちの少なくとも1つにOH基を有することが重要である。例えば、左右芳香環の4−、4’−位に1つもOH基を有さず、左右芳香環の2−、2’−位にのみOH基を有する場合、OH基のオルト位に中央の芳香環がメチレン基を介して存在するため、発色の主たる役割を果たすOH基が隣接する結合基の立体的な影響を受け、発色感度および記録像の保存安定性が不十分となってしまう。
また、本発明のフェノール3核体(B)において、左右芳香環に置換している少なくとも1個のOH基の隣接置換基のうちの少なくとも1個は水素であることが重要である。ここにおいて、「OH基の隣接置換基」とは、芳香環においてOH基の結合した炭素に隣接した2個の炭素原子に結合した、置換基又は原子のことを意味する。フェノール3核体(A)の左右芳香環にあるOH基の隣接置換基がすべて水素原子以外のものであった場合、これを発色剤組成物の顕色剤成分として用いた場合、該OH基と発色剤成分としてのロイコ染料との相互作用がOH基の隣接置換基により妨げられるため、十分な感度および記録像の保存性を有する発色剤組成物を得ることが難しい。
本発明のフェノール3核体(B)をより具体的に説明する。
一般式(1)中のRは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数7〜14のアラルキル基およびアリール基からなる群から選ばれた基であり、好ましくは炭素数2以上の、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、αメチルベンジル基、α,α’ジメチルベンジル基であり、さらに好ましくはn−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、αメチルベンジル基、α,α’ジメチルベンジル基である。
は水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、およびハロゲン原子からなる群から選ばれた基であり、このうち好ましくは水素またはメチル基であり、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。
は水素、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数7〜14のアラルキル基およびアリール基からなる群から選ばれた基であり、好ましくは水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、フェニル基であり、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、このうち特に好ましくはRすべてが水素の場合である。
m、nは1〜5の整数であり左右各々の芳香環に置換したOH基の数を表すが、一般にOH基の数が多くなると水溶性が高くなり、ロイコ染料と水分散媒中で混ぜ発色剤組成物とした段階で着色が起きる、あるいは耐湿試験で地肌がかぶるという問題が起こり易くなるため、好ましくはm、n=1または2である。
本発明の顕色剤では、フェノール3核体(B)が必須成分であるが、顕色剤の融点を低下させ、その結果得られる記録材料の発色感度を上げることを目的として、必須成分以外の成分として、フェノール3核体(A)であってフェノール3核体(B)に相当しないフェノール3核体(C)を含んでいてもよい。ただし、顕色剤中のフェノール3核体(C)の含有率が高いと発色性能ならびに記録像保存性能において不利となる場合があるので、その含有率は30wt%以下が好ましい。より好ましくは25wt%以下、さらに好ましくは20wt%以下である。フェノール3核体(C)としては、例えば、左右芳香環の2−、2’−位にのみOH基を有するような、フェノール3核体(B)の異性体に相当するものが、後述するように、同一の化学反応操作で、フェノール3核体(B)と同時に調製することができるので、効率的な顕色剤製造法の観点から、好ましい。
上記のように、本発明の顕色剤が、フェノール3核体(B)および(C)を含む場合、顕色剤におけるフェノール3核体(B)の含有率のフェノール3核体(A)の含有率に対する割合が0.5以上であることが好ましい。フェノール3核体(B)の含有率が高いほど、本発明の効果を達成することが容易となる。より好ましくは0.6以上である。
本発明の顕色剤は、後述するように、本発明の効果を損なわない範囲で、上述したフェノール3核体(A)成分以外の種々の成分を含んでいてもよいが、本発明の顕色剤が目的の性能の発現に特に有効であるため、フェノール3核体(A)を20wt%以上含むものであることが好ましく、より好ましくは50wt%、さらに好ましくは70wt%以上である。
本発明のフェノール3核体(B)の調製方法に、理論上特に制限はない。種々のフェノール性化合物をホルムアルデヒドにより縮合する方法が、簡便な方法として一般的に知られている。しかし、そのような方法で本発明のような異種フェノール核からなるフェノール3核体を得ようとすると、得られる縮合生成物が、多数のフェノール縮合生成物の混合物となり、目的のフェノール3核体(B)を効率良く得ることは困難である。そこで、一般式(2)で示されるp−置換フェノール誘導体と一般式(3)で示されるフェノール性化合物のうちの少なくとも1種類とを縮合させることが好ましい。
上記方法により得られる縮合生成物を、反応条件の制御により、フェノール3核体(B)及び(C)の混合物とすることは比較的容易である。このことは、単一の化学反応操作により、フェノール3核体(B)および(C)を同時に調製できることを意味し、従来技術に示したような、類似した分子構造を有する高融点フェノール多核体を予め個別に合成した後これらを混合して顕色剤として用いるという煩雑な操作を避けることができる利点を有する。
さらに、上記手法の優れた点は、縮合生成物に、フェノール3核体(A)以外の縮合生成物成分(以後、適宜、縮合副生成物と称する)が含まれている場合でも、それら縮合副生成物を除去するための特別の精製、分別操作を行わずに、得られた縮合生成物をほとんどそのままのかたちで顕色剤に利用できることである。もちろん、顕色剤の一層の性能向上を目的として、後述のような方法で精製等を行ってもよい。
尚、ここでいう、縮合副生成物としては、例えば、一般式(1)で示される目的の化合物にさらに一般式(2)で示されるp−置換フェノール誘導体が反応して生成する高分子量成分や、同p−置換フェノール誘導体の調製の過程で含まれるジヒドロキシメチル体の2〜3量化したものやモノヒドロキシメチル体と一般式(3)で示されるフェノール性化合物との縮合により得られる成分が挙げられる。
この場合、本発明の顕色剤における、上記、縮合副生成物の含有率は50wt%以下であることが好ましい。これより多い場合、顕色剤の溶融開始温度ならびに融点の低下のため、記録剤の用途によっては、十分な耐熱性が得られず、地肌かぶりが生じ易くなる等の問題が発生する場合がある。より好ましくは20wt%以下、さらに好ましくは10wt%以下、さらに好ましくは5wt%以下である。
上記調製法で用いられる、一般式(2)で示されるp−置換フェノール誘導体は、対応するp−置換フェノールをジヒドロキシメチル化したものであり、式中Rdが炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数7〜14のアラルキル基およびアリール基からなる群から選ばれた基であり、好ましくは炭素数2以上の、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、αメチルベンジル基、α,α’ジメチルベンジル基であり、さらに好ましくはn−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、αメチルベンジル基、α,α’ジメチルベンジル基である。またReは水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、およびハロゲン原子からなる群から選ばれた基であり、Reは互いに同一でも異なっていてもよい。このうち好ましくは水素またはメチル基である。
このようなものとしては例えば、2,6−ジヒドロキシメチル−4−メチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−エチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−イソプロピルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−sec−ブチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−ドデシルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−3,4,5−トリメチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−ブトキシフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−t−アミルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−フェニルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−(α−メチルベンジル)フェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−3−メチル−4−イソプロピルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−(α、α’−ジメチルベンジル)フェノール等が挙げられ、好ましくは、2,6−ジヒドロキシメチル−4−エチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−イソプロピルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−sec−ブチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−ドデシルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−3,4,5−トリメチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−ブトキシフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−t−アミルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−フェニルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−(α−メチルベンジル)フェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−3−メチル−4−イソプロピルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−(α、α’−ジメチルベンジル)フェノールである。
これらのp−置換フェノールのジヒドロキシメチル化は、通常の方法により行うことができ、例えば、p−置換フェノールとホルムアルデヒドとを水および塩基性触媒の存在下で反応させ、この反応生成物を酸で中和あるいは酸性にすることにより得ることができる。
一方、上記p−置換フェノール誘導体と縮合させるフェノール性化合物は、一般式(3)で表される。式(3)中Rfは、水素、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数7〜14のアラルキル基およびアリール基からなる群から選ばれた基であり、Rfはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(3)で示される分子構造を有するフェノール性化合物のうち、Rfが適当に水素である化合物を用いることで、左右芳香環に置換している少なくとも1個のOH基の隣接置換基のうちの少なくとも1個は水素である、フェノール3核体(A)を得ることができる。
また、式(3)で表されるフェノール性化合物は、式中OH基のパラ位の縮合反応活性が高いため、左右ベンゼン環の4−、4’−位の少なくとも1つにOH基を有する、フェノール3核体(A)が、比較的容易に得られる。
このようなフェノール性化合物としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、2−sec−ブチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、3−tert−ブチルフェノール、2−フェニルフェノール、3−フェニルフェノール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、2−ブロモフェノール、3−ブロモフェノール、2−シアノフェノール、3−シアノフェノール、2,3−ジメチルフェノール、カテコール、レゾルシン等を挙げることができる。
このうち得られる顕色剤の性能、および安価で入手容易であるという点から、好ましいものは、3−位および/または5−位にのみ置換基を有するフェノールやすべてのRfが水素原子である無置換のフェノールである。また、カテコール、レゾルシンも2つのOH基を有するので高感度の顕色剤を得るのには、好都合である反面、分子内に多くの親水性置換基を有するために水溶性が高くなる分、ロイコ染料と水分散媒中で混ぜ発色剤組成物とした段階で着色が起きる、あるいは耐湿試験で地肌がかぶるという問題が起こり易くなる。したがって、これらのフェノール性化合物を用いる場合、式(2)で示されるp−置換フェノール誘導体は、その置換基R及びRとして疎水性の高いものを選定するのが好ましい。
上記p−置換フェノール誘導体とフェノール性化合物を用いて、従来公知の方法に準じて本発明の顕色剤組成物を調製することができる。例えば、所定量の上記p−置換フェノール誘導体とフェノール性化合物を、適当な酸触媒の存在下に加熱反応させることで両者の縮合が起こり、一般式(1)で示されるフェノール3核体(A)を主成分とする縮合生成物が得られる。この縮合反応において、一般に、フェノール性化合物は、式(3)に示したOH基に対しパラ位とオルト位での反応活性が高く、結果として、上記得られるフェノール3核体(A)を、比較的容易にフェノール3核体(B)とフェノール3核体(C)の混合物とすることができる。
ここで、いずれも縮合反応に用いられる、p−置換フェノール誘導体に対するフェノール性化合物のモル比を調整することにより、前述した、縮合副生成物の顕色剤における含有率を制御することができる。たとえば、縮合副生成物の含有率を50wt%以下とする場合には、フェノール性化合物をp−置換フェノール誘導体に対して10倍モル以上、好ましくは20倍モル以上用いるのが好ましい。もしくは別法として予め仕込んだフェノール性化合物を含む反応系内にp−置換フェノール誘導体を逐次に添加することもできる。
このようにして得られた縮合生成物は、そのまま顕色剤として利用することができるが、特に、顕色剤の純度が要求される場合には、必要に応じて、一般的な精製法、たとえば、縮合生成物を一旦良溶媒に溶解した後、貧溶媒中に加え再沈させる、あるいは他の縮合物が溶解する溶媒で生成物を洗浄する、さらには生成物を溶媒に加熱溶解させた後、冷却して再結晶させる等により精製した後、顕色剤として用いてもよい。
本発明の顕色剤を感熱記録材料に利用する場合、微粉砕された顕色剤粒子の平均粒子径を0.05μm以上、5μm以下とすることによって熱応答性が良好で、発色した記録画像の保存安定性が良好な感熱記録材料が得られる。平均粒子径が0.05μm未満では、地肌保存性が悪くなる一方、平均粒子径が5μm以上では、感熱記録材料の感度が低下する。より好ましくは、0.1μm以上、3μm以下である。
本発明の顕色剤を水性媒体中で湿式粉砕する際に用いる、水性媒体の液温は60℃以下であることが好ましい。液温は60℃以上であると、他の条件によっては顕色剤が変性、凝集し、用いた感熱記録材料の地肌かぶりや感度低下が生じるおそれがある。
また、顕色剤を粉砕する場合、pHが5〜10の中性領域で粉砕することが望ましい。粉砕時のpHが5未満では感熱塗液作製時、無機顔料等の分解が生じ、感度が低下するおそれがある一方、pHが10より大きいと顕色剤が変性し感度が低下することがある。
さらに、顕色剤を粉砕する場合、熱可融性物質と同時に微粉砕(共粉砕)することによって、各々の剤を別個に単独で微粉砕したのち混合する場合に比べ、理由は必ずしも明確ではないが、さらに感熱記録材料の感度が向上し、記録保存安定性が向上する効果が得られる。
本発明の顕色剤と併用可能な他の顕色剤としては、一般式(4)で示されるフェノール誘導体、ヒドロキシ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、スルホニルウレア化合物、スルホニルアミド化合物およびウレアウレタン化合物等がある。以下、それぞれの具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006181856
(式(4)中、芳香環に結合している水素原子は水酸基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、フェニル基、置換フェニル基により置換されてもよく、Aは−CR−、−SO−、−O−、−CO−、−CONH−、−NH−、−OCOO−、−NHCONH−、−NHCOO−、−CH(COOR)−、−C(CF−、−OCHCHO−、およびシクロヘキシリデン基から選ばれた1つであり、R、R、Rはそれぞれ水素、アルキル基、フェニル基を表わし、Bは水酸基、アルコキシ基、及び下記式(5)で示される基のなかから選ばれた1つである。)
Figure 2006181856
(式(5)中、pは1〜7の整数である。)
一般式(4)で示されるフェノール誘導体としては、例えば2,2−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘプタン、4,4´−(1,3−ジメチル−ブチリデン)ビスフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、4,4´−(1,3−ジメチル−ブチリデン)ビスフェノール、2,4−ジヒドロキシ−2´−メトキシ−ベンズアニリド、n−ブチル−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセテート、1−(4−カルボキシ−3−ヒドロキシフェノキシ)−2−(4−メトキシフェノキシ)エタン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、2,4´−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ビス−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシフェニル−4´−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、ビス(2−メチル−3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−(4´メトキシフェニルオキシ)2−(3´ヒドロキシ−4´カルボキシフェニルオキシ)エタン、4,4´−[オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニレンスルホン)]ジフェノールを主成分とする顕色剤(日本曹達株式会社製:D−90)等が挙げられる。
ヒドロキシ安息香酸誘導体としては、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸(4´−クロロベンジル)、1,2−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)エチル、1,5−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ペンチル、1,6−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸ヘキシル)等が挙げられる。
またサリチル酸誘導体としては、4−n−オクチルオキシサリチル酸、4−n−ブチルオキシサリチル酸、4−n−ペンチルオキシサリチル酸、3−n−ドデシルオキシサリチル酸、3−n−オクタノイルオキシサリチル酸、4−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸、4−n−オクタノイルオキシカルボニルアミノサリチル酸等およびそれらの金属塩が挙げられる。
スルホニルウレア化合物としては、N−p−トルエンスルホニル−N´−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア(チバスペシャリテイーケミカルズ社製PF−201)、4,4´−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4、4´−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルスルフィド、4、4´−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルエーテル、N−(p−トルエンスルホニル)−N´−フェニルウレア等のアリールスルホニルアミノウレイド基を1個以上含有する化合物も挙げられる。
また、ウレアウレタン化合物としては、国際公開第00/14058号パンフレット、特開2002−332271号公報に規定されるものであり、例えば、旭化成ケミカルズ株式会社製の顕色剤UU等が挙げられる。
なお、これら本発明の顕色剤と併用する他の顕色剤は必要に応じて二種類以上を併用することができる。これら他の顕色剤は、一般に感度と記録像の保存安定性を両立するものが少なく、両立するものは価格が高く経済性に劣るという欠点を有しているが、これら他の顕色剤を本発明の顕色剤に混合、併用することにより、感度、記録像の保存安定性、地肌かぶり、経済性において実用上満足し得る性能を発現することが可能となる。
本発明の顕色剤と、染料前駆体とから、優れた記録材料用発色剤組成物を調製することができる。ここで用いられる染料前駆体としては、感圧記録材料や感熱記録材料に用いられる発色剤として公知の化学物質を用いることができ、特に限定されるものではないが、トリアリールメタン系ロイコ染料、フルオラン系ロイコ染料、フルオレン系ロイコ染料、ジフェニルメタン系ロイコ染料など、通常、無色または淡色のロイコ染料が好ましい。
以下に代表的なロイコ染料を例示する。
(1)トリアリールメタン系化合物
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニール−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等。
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4−ビス−ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等。
(3)キサンテン系化合物
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチル−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−m−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2、6−キシリジノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロ)アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ[a]フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ[c]フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジ(p−メチルベンジル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジフェニルメチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジナフチルメチルアミノフルオラン、10−ジエチルアミノ−4−ジメチルアミノベンゾ[a]フルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、3−モルホリノ−7−(N−プロピルトリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロロフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルエチル)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノアミノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−N−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブエチルアミノ−6−メチル−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジn−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジn−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジn−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジn−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジn−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジn−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−(N−メチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−n−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−アミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジ−n−アミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−iso−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−iso−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−ブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−iso−ブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−iso−アミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−iso−アミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−3−メチルブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−メチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−3−メトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−3−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(2’−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3’−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム等。
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等。
(5)スピロ系化合物
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等である。
また、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノフタリド)、3−ジエチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノフタリド)、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノフタリド)、3−ジブチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノフタリド)、3−ジブチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノフタリド)、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジエチルアミノフタリド)、3−ジエチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジエチルアミノフタリド)、3−ジブチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジエチルアミノフタリド)、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジエチルアミノフタリド)、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジブチルアミノフタリド)、3−ジブチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジエチルアミノフタリド)、3−ジエチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジブチルアミノフタリド)、3,3−ビス[2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,6,7,−テトラクロロフタリド等の近赤外に吸収領域を持つ化合物等が挙げられる。
これらの中でも特にトリアリールメタン系ロイコ染料、フルオラン系ロイコ染料、フルオレン系ロイコ染料、ジフェニルメタン系ロイコ染料が感度、記録像の保存安定性の点から好ましい。さらに、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−iso−アミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジn−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランが特に好ましい。なお、これらのロイコ染料は必要に応じて二種類以上を併用することができる。
本発明の発色剤組成物における顕色剤の使用量については、通常、無色または淡色の染料前駆体100重量部に対して、5〜1000重量部用いられ、好ましくは10〜500重量部、さらに好ましくは30〜300重量部用いられる。顕色剤の量が少ないと発色濃度が低く実用に供することができない。顕色剤の量が多すぎると発色濃度が飽和値に達し、経済的に不利となる。
本発明の発色剤組成物を感熱記録材料として使用する場合は、その記録材料の感度向上を目的として、熱可融性物質を、発色剤組成物に含有させることができる。熱可融性物質は、一般に、熱により融解可能な化学物質であり、60℃〜180℃の融点を有するものが好ましく、特に80℃〜140℃の融点を有するものが好ましい。例えば、ステアリン酸アミド又はその乳化品、パルミチン酸アミド、ベヘニン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、β−ナフチルベンジルエーテル、N−ステアリルウレア、N,N´−ジステアリルウレア、β−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、β−ナフトール(p−メチルベンジル)エーテル、1,4−ジメトキシナフタレン、1−メトキシ−4−ベンジルオキシナフタレン、N−ステアロイルウレア、p−ベンジルビフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ジ(m−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシメチルベンゼン、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、1−フェノキシ−2−(4−クロロフェノキシ)エタン、1,4−ブタンジオールフェニルエーテル、ジメチルテレフタレート、ジベンジルテレフタレート、メタターフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)エステルが挙げられる。
さらに、4,4´−ジメトキシベンゾフェノン、4,4´−ジクロロベンゾフェノン、4,4´−ジフルオロベンゾフェノン、ジフェニルスルホン、4,4´−ジクロロジフェニルスルホン、4,4´−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4´−ジクロロジフェニルジスルフィド、ジフェニルアミン、2−メチル−4−メトキシジフェニルアミン、N,N´−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、1−(N−フェニルアミノ)ナフタレン、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン等が記録材料の感度を向上させる効果が高く好ましい。
これらのうち、好ましくはジフェニルスルホン、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、β−ナフチルベンジルエーテル、p−ベンジルビフェニル、1,2−ジ(m−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシメチルベンゼン、メタターフェニル、ステアリン酸アミドが用いられる。
上記熱可融性物質は、単独でも、又は二種以上を混合して使用しても良い。また、その使用量は、無色または淡色の染料前駆体100重量部に対して、通常、0〜1000重量部用いられ、好ましくは0〜500重量部、さらに好ましくは1〜300重量部用いられる。熱可融性物質の量が少ないと記録材料の熱応答性を上げることが困難となる。また逆に、熱可融性物質の量が多すぎると熱応答性が飽和値に達し、経済的に不利となる。
以上述べたように、本発明の感熱記録材は、特定の条件で粉砕された特定の顕色剤を必須成分とし、必要に応じて熱可融性物質が併用されるが、さらに、必要に応じて随時、以下に説明するような滑剤や結合剤、充填剤、分散剤、保存性付与剤等、その他の添加剤を本発明の発色剤組成物に含有させることもできる。
滑剤は、サーマルヘッド摩耗防止、スティッキング防止等の目的で添加されるものであるが、例えば動植物性ワックス、合成ワックスなどのワックス類や高級脂肪酸およびそれらの金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸アニリド等、常温で固体であり約70℃以上の融点を有するものである。ワックス類の具体例としては、例えば木ろう、カルナウバろう、シェラック、パラフィン、モンタンろう、酸化パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン等が、高級脂肪酸およびそれらの金属塩の具体例としては、例えばステアリン酸、ベヘン酸およびそれらの金属塩であるステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等が、高級脂肪酸アミドの具体例としては、例えばオレイン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等が、高級脂肪酸アニリドととしては、例えばステアリン酸アニリド、リノール酸アニリド等が挙げられる。
これら滑剤の使用量は、任意の量を使用することができるが、好ましくはロイコ染料使用量の2倍以下である。
本発明で用い得る結合剤の具体例としては、例えばメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、セルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン酸基変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、デンプン又はその誘導体、カゼイン、ゼラチン、水溶性イソプレンゴム、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソ(又はジイソ)ブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性のもの或いはポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、カルボキシル化スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル酸系共重合体、コロイダルシリカとアクリル樹脂の複合体粒子等の疎水性高分子エマルジョン等が用いられる。
本発明で用いうる充填剤の具体例としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、クレー、アルミナ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂等が挙げられる。充填剤の添加量は、ロイコ染料100重量部に対して、0〜1000重量部が用いられ、好ましくは0〜500重量部、さらに好ましくは0〜300重量部である。
本発明で用いることができる分散剤の具体例としては、ポリビニルアルコール、カルボン酸変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、スチレン無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性高分子、縮合ナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム)、ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム、アルキルリン酸塩(例えば、アルキルリン酸ジエタノールアミン、アルキルリン酸カリウム)、特殊カルボン酸型高分子などのアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤、ジシアンアミドポリアミン、第3級アミン塩、第4級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤を挙げることができる。これらの中でも特にポリビニルアルコール、カルボン酸変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、スチレンマレイン酸共重合体のアルカリ塩、メチルセルロース、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムが好ましい。これらは、単独でも混合しても使用できる。
本発明に用い得る保存性付与剤とは、画像安定化剤、光安定剤、酸化防止剤等の添加剤である。これらの保存性付与剤を本発明の発色剤と組み合わせて用いることによって発色剤の耐光性を向上させることができ、耐光性に優れた記録材料が得られる。本発明において用いる保存性付与剤の好ましい例としての画像安定化剤としては、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−第三ブチル−5 −メチルフェノール)、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)などのヒンダードフェノール化合物、4−ベンジルオキシ− 4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、4,4′−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート、2−プロパノール誘導体、サリチル酸誘導体などが挙げられ、これらの画像安定化剤は、通常、無色または淡色の染料前駆体100重量部に対して好ましくは5〜1000重量部、更に好ましくは10〜500重量部が使用される。画像安定化剤が5重量部以上であれば耐光性が良く、発色濃度も高い。また、画像安定化剤が1000重量部より多くても耐光性に与える効果は向上しないばかりか、経済的にも不利である。
本発明の発色剤には、さらに蛍光染料を加えることにより白色度を向上させてもよい。蛍光染料としては、各種公知のものが使用でき、スチルベン誘導体、クマリン誘導体、ピラゾリン誘導体、ビススチリルビフェニール誘導体、ナフタルイミド誘導体、ビスベンゾオキサゾリル誘導体などが挙げられ、これらに限定されるものではないが、特にジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体が好ましい。蛍光染料の使用量については、発色剤の全固形量に対して0.01〜3重量%存在させるのが好ましく、より好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。 蛍光染料の使用量が3重量%を越えると発色剤が着色することがあり、また、0.01重量%より少ないと白色度に対する効果が低下する。
本発明の発色剤は、感熱記録材料、感圧記録材料など種々の記録材料に利用することができるが、特に感熱記録材料として好適である。
感熱記録材料としては、支持体上に加熱発色する感熱記録層を設けた構造を有するものが一般的である。より具体的には、顕色剤、無色または淡色の染料前駆体、熱可融性化合物等を分散液の形にして他の必要な成分とともに支持体上に塗工し感熱記録層を形成する。分散液の調製は、これらそれぞれの成分の1種又は複数種を、分散剤を含有する水溶液中でサンドグラインダー等を用い、微粉砕することにより得られる。分散液に含まれる分散粒子の粒子径は、0.1〜10μm、の範囲にあることが好ましく、1μm前後とすることがより好ましい。
感熱記録層の支持体としては、紙が主として用いられるが、紙の他に各種織布、不織布、合成樹脂フィルム、ラミネート紙、合成紙、金属箔、又はこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができる。この支持体の坪量としては、40g/m〜200g/m2が望ましく、感熱記録材料としてできるだけ高い平面性が望まれることから表面の平滑性及び平面性の優れるものが望ましいので、マシンカレンダー、ソフトカレンダー及びスーパーカレンダー等で熱及び圧力を加えて表面処理することが好ましい。
また、支持体の表面pHは、3〜12であることが好ましい。支持体の表面pHが3未満では地肌かぶりが生じる傾向にあり、pH12を越えると顕色剤が変性し、発色濃度が低下する場合がある。より好ましくはpH5〜9であり、さらに好ましくはpH6〜8である。
感熱記録層は単一の層で構成されていても複数の層で構成されていてもよい。例えば、各発色成分を一層ずつに含有させ、多層構造としてもよい。また、この感熱記録層上に、1層又は複数の層からなる保護層を設けてもよいし、支持体と感熱記録層の間に、1層又は複数の層からなる中間層を設けてもよい。この感熱記録層は、各発色成分又はその他の成分を微粉砕して得られる各々の水性分散液とバインダー等を混合し、支持体上に塗布、乾燥することにより得ることができる。
本発明の発色剤は、種々の感熱記録材料として使用することができるが、特に感熱磁気記録材料、感熱記録用ラベル、多色感熱記録材料、レーザーマーキング用感熱記録材料として好適である。感熱記録材料が、感熱磁気記録材料の場合においては、支持体の一方の面に顕色剤を含有する感熱記録層を設け、もう一方の面に磁気記録層を設ける形態が好ましい。感熱磁気記録材料における磁気記録層は例えばバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、Co−γ−Fe22、γ−Fe22等の強磁性体粉を水性エマルジョン樹脂等の水性バインダー中に均一に分散した塗料を支持体上に塗布、乾燥して磁気記録層を形成する。この時、目的に応じてカーボングラファイトのような帯電防止剤、滑剤としてのワックス、色相調整用の着色顔料、塗膜柔軟剤としてはポリエチレンオキサイド等の各種添加剤を添加してもよい。本発明の感熱磁気記録材料は、乗車券、チケット券、プリペイドカード等の感熱磁気記録材料として好適である。
感熱記録材料が、感熱記録用ラベルの場合においては、支持体の一方の面に顕色剤を含有する感熱記録層を設け、もう一方の面に粘着層を設ける形態が好ましい。感熱記録材料の粘着層は、感圧接着剤を主成分としており、感圧接着剤の例としては、合成ゴム系エマルジョン型粘着剤、アクリル系エマルジョン型粘着剤、天然ゴム系溶剤型粘着剤、アクリル系溶剤型粘着剤、シリコン系溶剤型粘着剤があげられるが、アクリル系エマルジョン型粘着剤が特に好ましい。
また、本発明の方法で製造される感熱記録ラベルには、粘着層と支持体の間に必要に応じて裏面層(バックコート層)を設けると、感熱記録ラベルのカール矯正、帯電防止、摩擦係数調整をすることができる。裏面層の塗液成分、塗工方法等は、感熱記録層の形成方法と同様の方法を用いることができる。
感熱記録用ラベルを製造する上での塗布順序は特に限定されないが、例えば支持体上に感熱記録層を設けた後に、他の片面上にバックコート層を設け、更に粘着層を設けて作製することが可能であるし、あるいは支持体にバックコート層を設けた後、他の片面上に感熱記録層を設け、更にバックコート層上に粘着層 を設けて作製することも可能である。
また、バックコート層上に粘着層を設ける方法としては、バックコート層上に直接粘着層液を塗布、乾燥してもよく、あるいはあらかじめ剥離紙に粘着層液を塗布、乾燥したものと、粘着剤層を設ける前の感熱記録材料のバックコート層側を張り合わせてもよい。さらにまた、感熱記録層と支持体との間に、1層又は複数層からなる中間層を設け、熱応答性を向上させることができる。中間層は有機、無機顔料、中空粒子と、水溶性高分子、ラテックス等の水系バインダーを主体としたものであり、感熱記録層と同様の有機、無機顔料と水系バインダーを使用することができる。中間層の形成方法についても特に限定されず、感熱記録層の形成方法と同様の方法を用いることができる。
また、感熱記録用ラベルの感熱記録層は、加熱による物質の接触に基づいて発色反応を起こす発色剤と接着剤を主成分として含有し、必要に応じて架橋剤、顔料、熱可融性物質を添加することができる。本用途において、感熱発色層に含まれる接着剤は水溶性樹脂及び水分散性樹脂のいずれも使用可能である。しかし、前記ロイコ染料および顕色性組成物の各分散液と混合したときに混合液が発色したり、凝集したり、あるいは高粘度になったりしないことが必要であり、また形成された感熱記録層皮膜が強靱であること、減感作用がないことが必要である。感熱発色層中の接着剤の配合量は感熱発色層の固形分に対し5〜20%が望ましく、5%未満では塗膜強度が低い欠点があるし、20%を越えると感度が低下する問題がある。また感熱発色層の耐水性を向上させるためには、樹脂を硬化させるための架橋剤を使用することができる。
感熱記録材料が、多色感熱記録材料の場合においては、支持体の一方の面に少なくとも2層の感熱記録層を設け、該感熱記録層の少なくとも1層に本発明の顕色剤を含有する形態が好ましい。使用する支持体は、ポリオレフィン系樹脂と白色無機顔料を加熱混練した後、ダイから押し出し、縦方向に延伸したものの両面にポリオレフィン系樹脂と白色無機顔料からなるフィルムを片面当たり1〜2層積層し、横方向に延伸して半透明化あるいは不透明化して製造される合成紙、及びポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂単独叉は混合物を加熱混練した後、ダイから押し出し2軸延伸して得られたフィルムや、これらの樹脂に白色無機顔料を混合した後、2軸延伸した不透明フィルムのほか、上質紙、中質紙、ロ−ル紙、再生紙、塗工紙等のパルプ繊維から製造されたもの等が使用できる。パルプ繊維からなる支持体は画像の均一性を良くするため、あらかじめ塗工層を設けた後、感熱層を塗工することが望ましい。
多色感熱記録材料の形態の1つとして、支持体の一方の面にそれぞれ発色温度が異なり、かつ異なった色調に発色する2つの感熱記録層を積層して形成し、そのうちの上層の感熱記録層に顕減色剤または可逆性顕色剤を含有し、下層の感熱記録層に本発明の顕色剤を含有する多色感熱記録材料を挙げることができる。この中で、上層の感熱記録層に用いる顕減色剤とは、低温加熱時には顕色機能を発現し、高温加熱時には消色機能を発現するもので、顕色機能の役割をもつ酸性基と消色機能の役割をもつ塩基性基を有する両性化合物である。酸性基としては フェノール性水酸基またはカルボキシル基、塩基性基としてはアミノ基が代表的なものである。塩基性基は官能基として有していても良いが、フェノールカルボン酸化合物とアミン化合物との錯体のように塩化合物の一部として有しているものが好ましい。このような顕減色剤の具体例としては、例えば以下に示すようなものが挙げられる。顕減色剤を構成するフェノールカルボン酸化合物としては、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,3− ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸等が挙げられる。フェノールカルボン酸化合物と共に塩又は錯塩を形成するアミン化合物としては、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、テトラデシルアミン、ヘプタデシルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン、3−メトキシプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
可逆性顕色剤は例えば、炭素数8以上の脂肪族炭化水素基を有するフェノール性化合物又はホスホン酸化合物である。このような可逆性顕色剤の具体例としては、例えば以下に示すようなものが挙げられるが、低温加熱時に顕色機能を発現し、高温加熱時に消色機能を発現するものであれば良く、これに限定されるものではない。4−(オクタデシルチオ)フェノール、4−(ドコシルチオ)フェノール、4−(オクタデシルオキシ)フェノール、4−(ドコシルオキシ)フェノール、N−オクタデシル−4−ヒドロキシベンズアミド、 4’−ヒドロキシドコサンアニリド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−n−オクタデシル尿素、ドコシルホスホン酸等が挙げられる。多色感熱記録材料を用いて感熱プリンター等で記録を行うと、低温加熱印字では低温発色層のみが発色し、高温加熱印字では印字部分の低温発色層は消色して高温発色層のみが発色する。
また、本発明の顕色剤に、記録像保存性が極めて高い他の顕色剤と併用することで発色濃度が充分でしかも発色した記録画像は著しく安定なレーザーマーキング用物品が得られ、記録の長期保存という観点で特に有利である。レーザーマーキング用物品では、感熱記録層に記録感度向上剤を含有することが好ましい。用いる事が出来る記録感度向上剤としては、照射に用いられるレーザー光の吸収能を有するものが使用され、その具体例としては、水酸化アルミニウム、ワラストナイト、ベントナイト、雲母類(白マイカ、金マイカ)、珪酸カルシウム、タルク、カオリン、クレーおよびファヤライト、ホルンブレンド、アルバイトなどの珪酸塩鉱物などの各種無機化合物があげられる。特に好ましくは水酸化アルミニウム、白マイカ、ワラストナイト、カオリンである。これらの無機化合物は単独で、もしくは2種以上混合して使用できる。
感熱記録層中の無色または淡色の染料前駆体と記録感度向上剤の使用比率は、用いられる無色または淡色の染料前駆体、記録感度向上剤の種類に応じて適宜選択することができ、特に限定されるものではないが、一般的には、発色剤100重量部に対して、記録感度向上剤は10〜5000重量部、好ましくは100〜2000重量部の範囲内で用いることができる。感熱記録層中の無色または淡色の染料前駆体、顕色剤、記録感度向上剤の割合は、該層中の固形分全量に対し、無色または淡色の染料前駆体は5〜30wt%、好ましくは10〜25wt%、顕色剤は10〜60wt%、好ましくは20〜50wt%、記録感度向上剤は5〜40wt%、好ましくは10〜30wt%の範囲内とすることができる。レーザーマーキング用物品の感度をさらに向上させるために、感熱記録層に前記の熱可融性物質を同様に含有させることができる。
発色マーキング剤は、上記の無色または淡色の染料前駆体、顕色剤、記録感度向上剤、水性バインダーおよび水を必須成分とし、さらに必要に応じて各種助剤を混合することにより得られる。ここで用いられる助剤として、例えば、ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩、脂肪酸金属塩などの分散剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、消泡剤、粘度調整剤、蛍光染料、着色剤などがあげられる。発色マーキング剤を印刷(塗布)する基材としては、マーキングを必要とするものであれば特に制限されるものではなく、例えば食品容器、包装材、電子部品などの所定部分、またはこれらに貼付するためのラベル基材などの物品があげられる。ラベル基材としては、紙、合成紙などの紙類、合成樹脂フィルム、 プラスチック類、金属蒸着された紙および合成紙、金属蒸着されたフィルム、金属類、木材などが用途に応じて適宜使用される。発色マーキング剤を調製するには、例えば次のようにすればよい。バインダーは水または水を主成分とする溶媒に溶解もしくは分散する。発色剤、顕色剤、記録感度向上剤などは水または水を主成分とする溶媒に分散する必要のあるものについてはボールミルやアトライター、サンドグラインダーなどの分散機を用い、 例えばポリビニルアルコールなどの分散剤を含む水または含水溶媒中でそれぞれの成分を一緒に、または別々に処理して分散液とする。各成分の分散化後の平均粒径は通常約2μ以下、好ましくは約1μ以下である。ついで、バインダーおよび分散液を混合することによって発色マーキング剤が得られる。該発色マーキング剤の固形分含有率は20〜70wt%、好ましくは30〜65wt%程度である。
発色マーキング剤は基材に直接塗布してもよいが、あらかじめ表面処理や下塗り塗装などを行った基材に塗布してもよい。塗布は、例えば、ロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどの適当な塗装装置を用いて行うことができる。塗布、乾燥後に得られる塗膜(感熱記録層)の膜厚は、一般に1〜4μmとすることができ、1μmより薄くなるとレーザー照射による発色性が劣ると同時に塗膜が剥れやすくなり、逆に4μmより厚くなると乾燥性やラベル貼付適性などが低下する傾向がある。乾燥は、ラインのスピードなどの塗装条件により異なり、室温で行ってもよいが、感熱記録層が発色しない条件で加熱して行ってもよい。レーザーマーキング用物品の保護層は感熱記録層上に透明なクリヤーコート液を塗布することにより設けられる。このクリヤーコート液は、水性バインダー、水などから構成される水性組成物である。
このようにして形成したマーキング用物品上の感熱記録層にレーザー光線を照射することにより、その照射部分が加熱され、顕色剤および無色または淡色の染料前駆体が作用して発色しマーキングされる。照射するレーザーのエネルギー量は、特に限定されないが、塗膜の破壊の可能性を考慮すると、1.4J(ジュール)/cm2以下が好ましい。一方、発色する下限は低エネルギーを発生させる装置が存在しないので不明だが、0.4J/cm2のエネルギーでも十分発色する。したがって、発色させるための照射エネルギー範囲は、0.4〜1.4J/cm2、特に0.45〜1.2J/cm2の範囲内が適当である。また、照射するレーザーとしては、パルス型レーザーまたは走査型レーザーが好適であり、レーザーの種類としては、例えばガスレーザー、エキシマレーザー、半導体レーザーのいずれであってもよく、具体的には、炭酸ガスレーザー、混合ガスレーザー、YAGレーザー、ルビーレーザーなどがあげられる。
レーザーマーキング用物品としてのラベル類は、基材として紙、合成紙などの紙類、合成樹脂フィルム、プラスチック類、金属蒸着された紙および合成紙、金属蒸着されたフィルム、金属類などを用途に応じて適宜用いたラベル基材に、前記した方法により感熱記録層および保護層を形成することにより製造することができ、得られるラベルの用途としては、従来使用されている分野すべてに向けられるが、食品、医薬品、トイレタリー、出版物、電子・電気部品などの分野が特に好ましい。また、レーザーマーキング用物品としての包装材料は、基材として紙、合成紙などの紙類、合成樹脂フィルム、プラスチック類、金属蒸着された紙および合成紙、金属蒸着されたフィルム、金属類、ガラス、木材などを用途に応じて適宜用いた箱、包装紙、パッケージ類などの通常用いられる各種包装材に、 前記した方法により感熱記録層および保護層を施したものである。該包材の用途としては、従来使用されている分野すべてに向けられるが、食品、医薬品、トイレタリー、 出版物、電子・電気部品などの分野が特に好ましい。また、本発明のレーザーマーキング用物品としての容器類は、ガラス、プラスチック、金属類を基材とし、これら基材に、前記した方法により感熱記録層および保護層を設けたものである。該食品容器としては、酒類および清涼飲料水のボトル類、レトルト食品容器、インスタント食品容器、化粧品容器、医薬品容器、トイレタリー製品などの従来用いられているすべての分野に対した応用が可能である。
以下、本発明を実施例、比較例及び参考例に基づいて 具体的に説明するが、本発名の実施態様は、これらの例に制限されるものではない。以下の記載において、部は重量部を、%はwt%を表す。
まず、実施例、比較例及び参考例中で取り扱われる、各物質の分析、性能評価方法について、以下説明する。
<顕色剤中のフェノール3核体含有率および組成比の測定>
高速液体クロマトグラフ(株式会社日立ハイテクノロジーズ製:L−7100)により以下の条件で測定した。
・カラム:カデンツァCD−C18(インタクト株式会社製ODS系カラム)
・展開溶剤(vol比):以下の混合溶媒でグラジエント処理を行った。
CHCN/HO(0.15%酢酸アンモニウム含有)
=3/7〜7/3(40分間)、または、
7/3〜9.6/0.4(10分間)
・内部標準物質:ピレン
・流量:1ml/min
・検出器:UV254nm
<融点測定>
融点測定装置(柴田科学株式会社製、B−545)により、昇温速度:1℃/minで測定し、目視により化合物の溶け始めの温度を融点とした。
<発色試験>
所定の感熱記録材を、京セラ製KJT−256−8MGF1をサーマルヘッドとして装着した感熱大倉電気製印字試験機(TH−PMD)を用いて、印可電圧24V、パルス幅1.5msec、印字エネルギーを0.34mj/dotの条件にて、発色させ、目視にて相対評価した。
<高湿下地肌かぶり試験>
未発色の感熱記録材を45℃、95%RHの恒温恒湿槽中に24hr放置し、放置前からの地肌かぶりの程度を目視にて相対評価した。
[感度評価]
上記発色試験により得られた発色濃度を目視にて、下記基準で比較評価した。
◎: 非常に良好
○: 良好
×: 不良
[高湿下地肌かぶり評価]
上記、高湿下地肌かぶり試験での地肌部を目視にて、下記基準で相対評価した。
◎: 非常に良好
○: 良好
×: 不良
[実施例1]
フラスコにフェノール48.0g(510mmol)を入れ、これに2,6−ジヒドロキシメチル−4−t−ブチルフェノール5.0g(25.6mmol)を加え、攪拌溶解した。これに30℃で攪拌下、36%塩酸0.074g(0.73mmol)を加え、そのまま5分間攪拌した後、60℃で2時間反応させた。得られた反応液を水で洗浄し、PHを6にした後、過剰に用いたフェノールを減圧下で除去することにより、本発明の顕色剤としての縮合生成物を得た。得られた顕色剤は、フェノール3核体(A)の含有率が86%、残存フェノールの含有率が0.6%、残りは他の縮合副生成物に由来するものであり、フェノール3核体(C)の含有率は12%、融点は126℃であった。さらにこの顕色剤にトルエンを添加し、加熱攪拌後冷却、濾過を行うことにより、フェノール3核体(A)の含有率が97%、フェノール3核体(C)の含有率が12%である精製顕色剤を得た。この精製顕色剤の融点は130℃であった。
次に得られた顕色剤2gを、2.5%ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、商品名「ゴーセランL−3266」)水溶液と共にペイントシェーカーで、室温下(20〜30℃)、12時間粉砕・分散し、分散液を得た。このものの平均粒径は、0.5μm、pHは6であった。また、無色または淡色の染料前駆体として3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン70gを8%ポリビニルアルコール水溶液130gと共にサンドグラインダー(ベッセル容量400ml、アイメックス社製)により、回転数2000rpmで3時間粉砕・分散して分散液を得た。さらに、熱可融性物質としてβ−ナフチルベンジルエーテル(上野製薬株式会社製、商品名「BON」)70gを5.4%ポリビニルアルコール水溶液130gと共にサンドグラインダー(ベッセル容量400ml、アイメックス社製)により、回転数2000rpmで3時間粉砕、分散して分散液を得た。また、炭酸カルシウム10gを水30gと混合してスターラーで撹拌分散して、分散液を得た。
次いで、上記顕色剤分散液をその乾燥固形分で30部、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン分散液をその乾燥固形分で15部、β−ナフチルベンジルエーテル分散液をその乾燥固形分で30部、炭酸カルシウム分散液をその乾燥固形分で20部、さらに固形分濃度16%のステアリン酸亜鉛分散液をその乾燥固形分で10部、さらに15%ポリビニルアルコールをその乾燥固形分で7部の割合で撹拌混合して本発明の発色剤組成物を含有する塗液を得た。
この塗液を50g/mの秤量をもつ原紙上にロッド番号10番のバーコーターで塗布した。乾燥は、乾燥後スーパーカレンダーで処理して、感熱性記録材料を得た。塗液の塗布量は乾燥重量で3g/mであった。得られた感熱記録材料の性能評価結果を表1に示す。
[実施例2]
フラスコにトルエン20gと、フェノール性化合物としてフェノール48.0g(510mmol)、を入れ、これにp−置換フェノール誘導体として2,6−ジヒドロキシメチル−4−イソプロピルフェノール5.0g(25.6mmol)を加え、攪拌溶解した。これに30℃で攪拌下、p−トルエンスルホン酸一水和物0.12(0.63mmol)を加え、そのまま5分間攪拌した後、60℃で2時間反応させた。得られた反応液を水で洗浄し、PHを6にした後、溶媒のトルエンと過剰に用いたフェノールを減圧下で除去することにより、本発明の顕色剤としての縮合生成物を得た。得られた顕色剤は、フェノール3核体(A)の含有率が90%、残存フェノールの含有率が0.4%、残りは他の縮合副生成物に由来するものであり、フェノール3核体(C)の含有率は16%、融点は130℃であった。
得られた精製顕色剤を用いて、実施例1の手法に準じて、発色剤組成物を含有する塗液の調製、記録材の性能評価試験を行った。顕色剤分散液の平均粒径は0.8μm、pHは5であった。結果を表1に示す。
[実施例3]
顕色剤の分散剤として、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、商品名「ゴーセランL−3266」)のかわりにメチルセルロース(信越化学工業社製:メトローズ60SH−03)を用いる以外は、実施例1の手法に準じて、発色剤組成物を含有する塗液の調製、記録材の性能評価試験を行った。顕色剤分散液の平均粒径は1.1μm、pHは8であった。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1の顕色剤2gと熱可融性物質のβ−ナフチルベンジルエーテル(上野製薬株式会社製、商品名「BON」)2gを、2.5%ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、商品名「ゴーセランL−3266」)水溶液と共にペイントシェーカーで、室温下(20〜30℃)、12時間同時に粉砕・分散し、分散液を得た。このものの平均粒径は、0.9μm、pHは7であった。また、無色または淡色の染料前駆体として3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン70gを8%ポリビニルアルコール水溶液130gと共にサンドグラインダー(ベッセル容量400ml、アイメックス社製)により、回転数2000rpmで3時間粉砕・分散して分散液を得た。
実施例1の手法に準じて、発色剤組成物を含有する塗液の調製、記録材の性能評価試験を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
顕色剤として2,6−ジヒドロキシメチル−4−メチルフェノールとフェノールとを縮合して得られる、左右芳香環の4−、4‘−位のいずれにもOH基を有するフェノール3核体(B)であるBisP−PC(本州化学工業株式会社製、純度98%、融点210℃)1.6gを用いた他は実施例1の手法に準じて、発色剤組成物を含有する塗液の調製、記録材の性能評価試験を行った。顕色剤分散液の平均粒径は0.8μm、pHは6であった。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で合成した顕色剤を実施例1と同様にして分散時間を短くして分散し、平均粒径6μm、pH6の分散液を得た以外は、実施例1の手法に準じて、発色剤組成物を含有する塗液の調製、記録材の性能評価試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例2で合成した顕色剤を分散する際に、2.5%ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、商品名「ゴーセランL−3266」)水溶液を加えて70℃に加熱し実施例2と同様にして分散し平均粒径1.2μm、pH6の顕色剤分散液を得た。この分散液を用いた以外は実施例2と同様にして感熱記録シートを作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
[比較例3]
実施例2で合成した顕色剤を実施例2と同様にして分散した。ただし、分散で用いた分散液のpHが1になるように1N−硫酸を添加して調整した。この分散液を用いた以外は実施例2と同様にして感熱記録シートを作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
[比較例4]
実施例2で合成した顕色剤を実施例2と同様にして分散した。ただし、分散で用いた分散液のpHが13になるように1N−水酸化ナトリウムを添加調整した。この分散液を用いた以外は実施例2と同様にして感熱記録シートを作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
表1の結果は、本発明の特定粒径に粉砕した顕色剤を含有せしめた感熱記録材が、感度が高く且つ高湿度下での地肌かぶりにおいて優れた性能が得られることを示している。これに対し、比較例は感度、高湿度下での地肌かぶりに劣る。
Figure 2006181856
本発明の特定粒径に粉砕した顕色剤を含有せしめた感熱記録材は、高感度で且つ高湿度下での塗液乾燥時の地肌かぶりが良好で、産業上の利用価値は非常に大きい。

Claims (15)

  1. 下記一般式(1)で示されるフェノール3核体(A)であって、
    (a)左右芳香環の4−、4’−位のうちの少なくとも1つにOH基を有し、
    (b)左右芳香環に置換している少なくとも1個のOH基の隣接置換基のうちの少なくとも1つは水素である、フェノール3核体(B)を含有する顕色剤を粉砕して含有せしめた感熱記録材において、
    Figure 2006181856
    (式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数7〜14のアラルキル基およびアリール基からなる群から選ばれた基であり、Rは水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、およびハロゲン原子からなる群から選ばれた基であり、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水素、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数7〜14のアラルキル基およびアリール基からなる群から選ばれた基であり、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。m、nは1〜5の整数を表す。)
    該顕色剤の平均粒子径が0.05μm以上5μm以下であることを特徴とする感熱記録材。
  2. フェノール3核体(A)であってフェノール3核体(B)に相当しないフェノール3核体(C)の含有率が30wt%以下である請求項1の感熱記録材。
  3. フェノール3核体(B)の含有率のフェノール3核体(A)の含有率に対する割合が、0.5以上であることを特徴とする請求項1、2いずれかの感熱記録材。
  4. フェノール3核体(A)の含有率が20wt%以上である請求項1〜3いずれかの感熱記録材。
  5. 下記一般式(2)で示されるp−置換フェノール誘導体と、下記一般式(3)で示されるフェノール性化合物のうちの少なくとも1種類とを縮合して得られる縮合生成物を含み、且つ、該縮合生成物に含まれるフェノール3核体(A)以外の縮合生成物成分の全体に対する含有率が50wt%以下である請求項1〜4いずれかの感熱記録材。
    Figure 2006181856
    (式中、Rdは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数7〜14のアラルキル基およびアリール基からなる群から選ばれた基、Reは水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、およびハロゲン原子からなる群から選ばれた基であり、Reは互いに同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2006181856
    (式中、Rfは水素、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数7〜14のアラルキル基およびアリール基からなる群から選ばれた基であり、Rfは互いに同一でも異なっていてもよい。)
  6. 一般式(1)のRが炭素数2〜18のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数7〜14のアラルキル基およびアリール基からなる群から選ばれた基であり、Rがすべて水素であることを特徴とする請求項1〜5いずれかの感熱記録材。
  7. 一般式(3)中のRfがすべて水素であることを特徴とする請求項1〜6いずれかの感熱記録材。
  8. 一般式(1)で示されるフェノール3核体の顕色剤を粉砕する時の液温が60℃以下であることを特徴とする請求項1〜7に記載の感熱記録材。
  9. 一般式(1)で示されるフェノール3核体の顕色剤を粉砕する時のpHが5〜10であることを特徴とする請求項1〜8に記載の感熱記録材料。
  10. 一般式(1)で示されるフェノール3核体の顕色剤を粉砕する時の分散剤として水溶性高分子およびアニオン系界面活性剤の中から選ばれるいずれか1つ以上を用いることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の感熱記録材。
  11. 無色または淡色の染料前駆体を含有する請求項1〜10のいずれかに記載の感熱記録材。
  12. 熱可融性物質を含有する請求項1〜11のいずれかに記載の感熱記録材。
  13. 熱可融性物質の分散剤として水溶性高分子およびアニオン系界面活性剤の中から選ばれるいずれか1つ以上を用いることを特徴とする請求項12に記載の感熱記録材。
  14. 一般式(1)で示されるフェノール3核体の顕色剤と熱可融性物質を同時に粉砕化したことを特徴とする請求項12〜13のいずれかに記載の感熱記録材。
  15. 感熱記録材の感熱記録層を形成する感熱塗液のpHを5〜12の間で支持体上に塗布したことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の感熱記録材の製造方法。
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