JP7422536B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

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Description

本発明は、印字部並びに地肌の保存安定性に優れた感熱記録材料に関するものである。
感熱記録材料は、一般に通常無色ないし淡色のロイコ染料と、フェノール性化合物等の顕色性化合物とをそれぞれ別個に微粒子状に分散化した後、両者を混合し、これに結合剤、増感剤、充填剤、滑剤等の添加剤を添加して得られた塗工液を、紙、フィルム、合成紙等に塗布して用いられ、加熱によりロイコ染料と顕色性化合物の一方または両者が溶融、接触して起こる化学反応により発色記録(印字)を得るものである。このように感熱記録材料を発色するためには、サーマルヘッドを内蔵したサーマルプリンター等が用いられる。この感熱記録法は他の記録法に比較して、(1)記録時に騒音が出ない、(2)現像、定着の必要がない、(3)メンテナンスフリーである、(4)機械が比較的安価である等の利点を有することから、ファクシミリ分野、コンピューターのアウトプット、電卓などのプリンター分野、医療計測用のレコーダー分野、自動券売機分野、感熱記録型ラベル分野等に広く用いられている。
近年、感熱記録材料の使用用途が拡大するに伴い、小売店やスーパーマーケット等のPOSシステム化、交通機関の自動化システムに伴いラベル類や乗車券、回数券等への使用が増加している。これらの用途において、水、アルコール等に触れて生じる記録像(印字、画像、パターン)の耐水性、耐アルコール性等の保存性が必須条件となっている。また、食品用ラベルにおいては、包装等に使用されるラップフィルムに含有される可塑剤に対する記録像の保存性(耐可塑剤性)が求められている。その他、より生産性を向上させるため高速記録に対する要求が一段と高くなっており、高速記録に十分対応できる、熱応答性に優れた感熱記録材料の開発が強く望まれている。熱応答性を高める場合、一般的に、融点が低く、融解熱の小さい顕色性化合物が求められるが、このような性質は、製造時、使用時あるいは保管時における感熱記録材料の未印字部(地肌)が黒ずむ、いわゆる地肌かぶりと呼ばれる現象が起こり易くなることから、地肌の安定性の向上が望まれている。
一般にフェノール性水酸基を有する顕色性化合物は顕色能が高く、中でもビスフェノール系化合物は、発色濃度の高さから数多くの報告がなされており、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニルプロパン)(ビスフェノールA)(特許文献1)及び4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)(特許文献2)等が提案されている。しかしながら、これらは融点が高いために熱応答性に劣る他、印字部が耐水性に劣る欠点を有する。
既にこのような要望に対し、特許文献3には、印字部の耐水性に優れ、且つ地肌が熱に対し高い安定性を示す、特定の顕色性化合物を用いた感熱記録材料が開示されているが、印字部の耐可塑剤性が十分とは言えず、また可塑剤に対して高い保存安定性を示す顕色性化合物として、ジフェニルスルホン架橋型化合物(特許文献4)やウレアウレタン化合物(特許文献5)が提案されているが、熱応答性が低いという課題があった。
一方、特定の顕色性化合物とウレアウレタン化合物を組み合わせて用いることにより、印字部の保存安定性を向上させた感熱記録材料が開示されているが、ウレアウレタン化合物を組み合わせた場合、高湿度環境下で保存した場合に生じる地肌かぶりが顕著であることから、熱応答性とともに印字部並びに地肌の保存安定性の両立が課題であった。
米国特許第3539375号 特開昭57-11088号公報 国際公開2017/111032号 特開平08-333329号公報 特開2000-143611号公報
本発明は、前述した従来技術の問題を解決すること、より具体的には、印字部並びに地肌の保存安定性に優れた感熱記録材料を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有した顕色性化合物と共に、ジフェニルスルホン系化合物または非フェノール系化合物から選ばれる少なくとも1種の顕色性化合物を併用することにより、感熱記録材料にて、地肌の保存安定性を損なわず(地肌カブリ)に印字部の耐湿熱性及び耐可塑剤性、耐油性等の保存安定性に優れることを新たに見出し、本発明を完成させたものである。
即ち本発明は、
[1] 支持体上に、発色性化合物及び顕色性化合物を含む感熱記録層を設けて成る感熱記録材料において、該感熱記録層中に含有される顕色性化合物が、下記一般式(1)で表される化合物及び、ジフェニルスルホン系化合物または非フェノール系化合物から選ばれる少なくとも1種の顕色性化合物を含有することを特徴とする感熱記録材料、
Figure 0007422536000001
(式(1)中、R~Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基を表す。)
[2] 一般式(1)の化合物が下記式(2)で表される化合物であることを特徴とする[1]に記載の感熱記録材料、
Figure 0007422536000002
(式(2)中、Rは前記と同義である。)
[3]一般式(2)において、Rがメチル基であることを特徴とする[2]に記載の感熱記録材料、
[4][1]に記載のジフェニルスルホン系化合物が、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-n-プロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-ベンジルオキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホン、3,3’-ジアリル-4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ビス[(4-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンから成る群より選ばれる少なくとも1種の顕色性化合物であることを特徴とする感熱記録材料、
[5][1]に記載の非フェノール系化合物が、N-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、N-p-トルエンスルホニル-N’-3-(p-トルエンスルホニルオキシ)フェニル尿素から成る群より選ばれる少なくとも1種の顕色性化合物であることを特徴とする感熱記録材料、
[6][1]に記載の発色性化合物が、フルオラン系化合物、トリアリールメタン系化合物、スピロ系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、ラクタム系化合物、フルオレン系化合物、ビニルフタリド系化合物からなる群から選ばれる化合物であることを特徴とする感熱記録材料、
[7][6]に記載のフルオラン系化合物が、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(o,p-ジメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(シクロヘキシル-N-メチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-N-n-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(m-メチルアニリノ)フルオラン、3-N-n-ジブチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-(N-エチル-N-テトラヒドロフルフリルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-エトキシプロピルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソブチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジペンチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオランから成る群より選ばれる化合物であることを特徴とする感熱記録材料、
[8]一般式(1)で表される顕色性化合物及び、ジフェニルスルホン系化合物または非フェノール系化合物から選ばれる少なくとも1種の顕色性化合物の含有量が、前記発色性化合物1質量部に対して1.0~5.0質量部であることを特徴とする[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の感熱記録材料、
[9]支持体と感熱記録層の間に、さらに有機顔料または無機顔料から選ばれる少なくとも1種を含有する下塗り層を有することを特徴とする[1]乃至[8]のいずれか一つに記載の感熱記録材料、
[10][9]に記載の無機顔料が、吸油量が70~150mL/100gの吸油性無機顔料であることを特徴とする感熱記録材料、
[11][9]または[10]に記載の無機顔料が、焼成カオリンであることを特徴とする感熱記録材料、
[12][9]に記載の有機顔料が、(内径/外径)×100で表される中空率が50~99%のプラスチック中空粒子であることを特徴とする感熱記録材料、
[13][1]乃至[12]のいずれか一つに記載の感熱記録材料を含むことを特徴とする感熱記録層、
[14][13]に記載の感熱記録層を含むことを特徴とする感熱記録紙、
に関する。
本発明によれば、地肌の保存安定性を損なわず(地肌カブリ)に印字部が耐湿熱性及び耐可塑剤性、耐油性等の保存安定性に優れた感熱記録材料を提供することができる。
本発明を実施形態に基づき詳細に説明するが、以下で示す実施形態によって限定されるものではない。本発明は、顕色性化合物として上記一般式(1)で表される化合物(または上記一般式(2)で表される化合物)及び、ジフェニルスルホン系化合物または非フェノール系化合物から選ばれる少なくとも1種の顕色性化合物を含む感熱記録材料、これを含む感熱記録層、及び感熱記録紙に関する。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR~Rにおけるハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子が好ましい。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR~Rにおけるアルキル基として、直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基等が挙げられ、中でも直鎖または分岐鎖が好ましく、直鎖がより好ましい。その炭素数の範囲は通常C1~C12であり、C1~C8が好ましく、C1~C6がより好ましく、C1~C4がさらに好ましい。その具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル等の直鎖のアルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、イソペンチル、イソヘキシル、イソオクチル等の分岐鎖のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の環状のアルキル基、等が挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR~Rにおけるアルコキシ基として、直鎖、分岐鎖または環状のアルコキシ基等が挙げられ、中でも直鎖または分岐鎖が好ましく、直鎖がより好ましい。その炭素数の範囲は通常C1~C12であり、C1~C8が好ましく、C1~C6がより好ましく、C1~C4がさらに好ましい。その具体例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、n-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキシロキシ、n-ヘプトキシ、n-オクチロキシ、n-ノニロキシ、n-デシロキシ等の直鎖のもの;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、イソアミロキシ、t-アミロキシ、イソヘキシロキシ、t-ヘキシロキシ、イソヘプトキシ、t-ヘプトキシ、イソオクチロキシ、t-オクチロキシ、2-エチルヘキシロキシ、イソノニロキシ、イソデシロキシ等の分岐鎖(好ましくはC3~C10)のもの;シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、シクロヘキシロキシ、シクロヘプトキシ等の環状(好ましくはC3~C7)のもの;好ましくは直鎖または分岐鎖のアルコキシ基が挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR~Rにおけるアリールオキシ基として、C6~C12アリールオキシ基が好ましく、その具体例としては、フェノキシ、ナフチロキシ、ビフェニロキシ等が挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR~Rにおけるアルキルカルボニルオキシ基として、直鎖、分岐鎖または環状のアルキルカルボニルオキシ基が挙げられ、C1~C10アルキルカルボニルオキシ基が好ましく、その具体例としては、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n-プロピルカルボニルオキシ、n-ブチルカルボニルオキシ、n-ペンチルカルボニルオキシ、n-ヘキシルカルボニルオキシ、n-ヘプチルカルボニルオキシ、n-オクチルカルボニルオキシ、n-ノニルカルボニルオキシ、n-デシルカルボニルオキシ等の直鎖のもの;イソプロピルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec-ブチルカルボニルオキシ、t-ブチルカルボニルオキシ、イソアミルカルボニルオキシ、t-アミルカルボニルオキシ、イソヘキシルカルボニルオキシ、t-ヘキシルカルボニルオキシ、イソヘプチルカルボニルオキシ、t-ヘプチルカルボニルオキシ、イソオクチルカルボニルオキシ、t-オクチルカルボニルオキシ、2-エチルヘキシルカルボニルオキシ、イソノニルカルボニルオキシ、イソデシルカルボニルオキシ等の分岐鎖(好ましくはC3~C10)のもの;シクロプロピルカルボニルオキシ、シクロブチルカルボニルオキシ、シクロペンチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、シクロヘプチルカルボニルオキシ等の環状(好ましくはC3~C7)のもの;中でも直鎖または分岐鎖のアルキルカルボニルオキシ基が好ましく、直鎖のアルキルカルボニルオキシ基がより好ましい。);アリールカルボニルオキシ基、好ましくはC6~C12アリールカルボニルオキシ基(具体例としては、フェニルカルボニルオキシ、ナフチルカルボニルオキシ、ビフェニルカルボニルオキシ)、等が挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR~Rにおけるアルキルカルボニルアミノ基として、直鎖、分岐鎖または環状のアルキルカルボニルアミノ基が挙げられ、C1~C10アルキルカルボニルアミノ基が好ましく、その具体例としては、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n-プロピルカルボニルアミノ、n-ブチルカルボニルアミノ、n-ペンチルカルボニルアミノ、n-ヘキシルカルボニルアミノ、n-ヘプチルカルボニルアミノ、n-オクチルカルボニルアミノ、n-ノニルカルボニルアミノ、n-デシルカルボニルアミノ等の直鎖のもの;イソプロピルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、sec-ブチルカルボニルアミノ、t-ブチルカルボニルアミノ、イソアミルカルボニルアミノ、t-アミルカルボニルアミノ、イソヘキシルカルボニルアミノ、t-ヘキシルカルボニルアミノ、イソヘプチルカルボニルアミノ、t-ヘプチルカルボニルアミノ、イソオクチルカルボニルアミノ、t-オクチルカルボニルアミノ、2-エチルヘキシルカルボニルアミノ、イソノニルカルボニルアミノ、イソデシルカルボニルアミノ等の分岐鎖(好ましくはC3~C10)のもの;シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘプチルカルボニルアミノ等の環状(好ましくはC3~C7)のもの;好ましくは直鎖または分岐鎖のアルキルカルボニルアミノ基、より好ましくは直鎖のアルキルカルボニルアミノ基が挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR~Rにおけるアリールカルボニルアミノ基として、C6~C12アリールカルボニルアミノ基が好ましく、その具体例としては、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ、ビフェニルカルボニルアミノ等が挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR~Rにおけるアルキルスルホニルアミノ基として、直鎖、分岐鎖または環状のアルキルスルホニルアミノ基が挙げられ、C1~C10アルキルスルホニルアミノ基が好ましく、その具体例としては、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、n-プロピルスルホニルアミノ、n-ブチルスルホニルアミノ、n-ペンチルスルホニルアミノ、n-ヘキシルスルホニルアミノ、n-ヘプチルスルホニルアミノ、n-オクチルスルホニルアミノ、n-ノニルスルホニルアミノ、n-デシルスルホニルアミノ等の直鎖のもの;イソプロピルスルホニルアミノ、イソブチルスルホニルアミノ、sec-ブチルスルホニルアミノ、t-ブチルスルホニルアミノ、イソアミルスルホニルアミノ、t-アミルスルホニルアミノ、イソヘキシルスルホニルアミノ、t-ヘキシルスルホニルアミノ、イソヘプチルスルホニルアミノ、t-ヘプチルスルホニルアミノ、イソオクチルスルホニルアミノ、t-オクチルスルホニルアミノ、2-エチルヘキシルスルホニルアミノ、イソノニルスルホニルアミノ、イソデシルスルホニルアミノ等の分岐鎖(好ましくはC3~C10)のもの;シクロプロピルスルホニルアミノ、シクロブチルスルホニルアミノ、シクロペンチルスルホニルアミノ、シクロヘキシルスルホニルアミノ、シクロヘプチルスルホニルアミノ等の環状(好ましくはC3~C7)のもの;好ましくは直鎖または分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR~Rにおけるアリールスルホニルアミノ基として、C6~C12アリールスルホニルアミノ基が好ましく、その具体例としては、フェニルスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ、ナフチルスルホニルアミノ、ビフェニルスルホニルアミノ等が挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR~Rにおけるモノアルキルアミノ基として、直鎖、分岐鎖または環状のモノアルキルアミノ基が挙げられ、モノC1~C10アルキルアミノ基が好ましく、その具体例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、n-ブチルアミノ、n-ペンチルアミノ、n-ヘキシルアミノ、n-ヘプチルアミノ、n-オクチルアミノ、n-ノニルアミノ、n-デシルアミノ等の直鎖のもの;イソプロピルアミノ、イソブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、t-ブチルアミノ、イソアミルアミノ、t-アミルアミノ、イソヘキシルアミノ、t-ヘキシルアミノ、イソヘプチルアミノ、t-ヘプチルアミノ、イソオクチルアミノ、t-オクチルアミノ、2-エチルヘキシルアミノ、イソノニルアミノ、イソデシルアミノ等の分岐鎖(好ましくはC3~C10)のもの;シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロヘプチルアミノ等の環状(好ましくはC3~C7)のもの;好ましくは直鎖または分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR~Rにおけるジアルキルアミノ基として、直鎖、分岐鎖または環状のジアルキルアミノ基が挙げられ、ジC1~C10アルキルアミノ基が好ましく、その具体例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ-n-プロピルアミノ、ジ-n-ブチルアミノ、ジ-n-ペンチルアミノ、ジ-n-ヘキシルアミノ、ジ-n-ヘプチルアミノ、ジ-n-オクチルアミノ、ジ-n-ノニルアミノ、ジ-n-デシルアミノ等の直鎖のもの;ジイソプロピルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジ-sec-ブチルアミノ、ジ-t-ブチルアミノ、ジイソアミルアミノ、ジ-t-アミルアミノ、ジイソヘキシルアミノ、ジ-t-ヘキシルアミノ、ジイソヘプチルアミノ、ジ-t-ヘプチルアミノ、ジイソオクチルアミノ、ジ-t-オクチルアミノ、ジ-(2-エチルヘキシル)アミノ、ジイソノニルアミノ、ジイソデシルアミノ等の分岐鎖(好ましくはC3~C10の分岐鎖を2つ有する)のもの;ジシクロプロピルアミノ、ジシクロブチルアミノ、ジシクロペンチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ、ジシクロヘプチルアミノ等の環状(好ましくはC3~C7の環状基を2つ有する)のもの;好ましくは直鎖または分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR~Rにおけるアリールアミノ基として、モノアリールアミノ基またはジアリールアミノ基が挙げられ、モノC6~C12アリールアミノ基が好ましく、その具体例としては、フェニルアミノ(アニリノ)、ナフチルアミノ、ビフェニルアミノ等が挙げられる。同様にアリールアミノ基としてジC6~C12アリールアミノ基としては、例えば、ジフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、ジ(ビフェニル)アミノ等が挙げられる。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記一般式(1)におけるR~Rはアルキル基または水素原子であり、直鎖のC1~C4アルキル基または水素原子がさらに好ましく、メチル基または水素原子が特に好ましい。
また、本発明の好ましい実施形態によれば、上記一般式(1)におけるR、R、R、及びRが水素原子である上記一般式(2)で表される化合物に置き換えられ、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、またはアリールアミノ基であり、水素原子またはアルキル基がより好ましく、水素原子またはC1~C8アルキル基(好ましくは直鎖アルキル基である)がさらに好ましく、水素原子またはC1~C4アルキル基(好ましくは直鎖アルキル基である)が特に好ましく、メチル基が最も好ましい。
上記一般式(1)中のジフェニル尿素構造の一方のベンゼン環に結合する、下記一般式(3)で表される部分骨格の置換位置としては、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してオルト位、メタ位、またはパラ位が挙げられ、オルト位またはメタ位が好ましく、メタ位が特に好ましい。
Figure 0007422536000003
本発明の好ましい実施形態によれば、顕色性化合物は、R~Rが、アルキル基または水素原子であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対して、オルト位またはメタ位である上記一般式(1)の化合物であり、より好ましくは、R~Rが、直鎖のC1~C8アルキル基または水素原子であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してメタ位である上記一般式(1)の化合物であり、さらに好ましくは、R~Rが、直鎖のC1~C4アルキル基または水素原子であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してメタ位である上記一般式(1)の化合物であり、特に好ましくは、R~Rが、メチル基または水素原子であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してメタ位である上記一般式(1)の化合物(または上記一般式(2)の化合物)である。
また、本発明の他の好ましい実施形態によれば、顕色性化合物は、R、R、R、及びRは、水素原子であり、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、またはアリールアミノ基であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してオルト位、メタ位、またはパラ位である上記一般式(1)の化合物であり、好ましくは、R、R、R、及びRは、水素原子であり、Rは水素原子またはアルキル基であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してオルト位またはメタ位である上記一般式(1)の化合物であり、より好ましくは、R、R、R、及びRは、水素原子であり、Rは直鎖のC1~C8アルキル基または水素原子であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してメタ位である上記一般式(1)の化合物であり、さらに好ましくは、R、R、R、及びRは、水素原子であり、Rは直鎖のC1~C4アルキル基または水素原子であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してメタ位である上記一般式(1)の化合物であり、特に好ましくは、R、R、R、及びRは、水素原子であり、Rはメチル基であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してメタ位である上記一般式(1)の化合物(または上記一般式(2)の化合物)である。
本発明における一般式(1)で表される化合物としては、下表1に記載の具体例を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0007422536000004
Figure 0007422536000005
Figure 0007422536000006
Figure 0007422536000007
Figure 0007422536000008
Figure 0007422536000009
Figure 0007422536000010
本発明による感熱記録材料は、通常、さらに典型的には無色ないし淡色の発色性化合物を含む。また、必要に応じて、その他の顕色性化合物や増感剤、並びに保存性向上剤、結合剤、充填剤、その他の添加物を含むことができる。これらの薬剤は、感熱記録層中に含有せしめてもよいが、多層構造からなる場合、または感熱記録層の上部及び/または下部に下塗り層(アンダーコート層)や保護層(オーバーコート層)を設けた場合には、これらの各層に含有することができる。
本発明に用いられる発色性化合物は、一般に感圧記録紙や感熱記録紙に用いられるものであればよく、特に制限されない。本発明の一の実施形態において、発色性化合物として、例えばフルオラン系化合物、トリアリールメタン系化合物、スピロ系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、ラクタム系化合物、フルオレン系化合物、ビニルフタリド系化合物が挙げられ、フルオラン系化合物が好ましい。
フルオラン系化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチル-N-シクロヘキシルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソペンチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソブチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-[N-エチル-N-(3-エトキシプロピル)アミノ]-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-ヘキシルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジペンチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチル-N-プロピルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-テトラヒドロフリルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(p-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(p-フルオロアニリノ)フルオラン、3-[N-エチル-N-(p-トリル)アミノ]-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(p-トルイジノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-フルオロアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-7-(o-フルオロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(3,4-ジクロロアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロロ-7-エトキシエチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロロ-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-オクチルフルオラン、3-[N-エチル-N-(p-トリル)アミノ]-6-メチル-7-フェネチルフルオラン、2-メチル-6-(N-p-トリル-N-エチルアミノ)フルオラン(RED520)、9-(N-エチル-N-イソペンチルアミノ)スピロ[ベンゾ[a]キサンテン-12,3’-フタリド](RED500)、2’-アニリノ-6’-(N-エチル-N-イソペンチルアミノ)-3’-メチルスピロ[フタリド-3,9’-キサンテン](S-205)、2’-アニリノ-6’-(N,N-ジペンタン-1-イルアミノ)-3’-メチル-3H-スピロ[イソベンゾフラン-1,9’-キサンテン]-3-オン(Black305)、2’-アニリノ-6’-(ジブチルアミノ)-3’-メチルスピロ[フタリド-3,9’-キサンテン](Black400)、2’-アニリノ-6’-[N-エチル-N-(4-トリル)アミノ]-3’-メチル-3H-スピロ[イソベンゾフラン-1,9’-キサンテン]-3-オン(ETAC)、6-(ジエチルアミノ)-2-[(3-トリフルオロメチル)アニリノ]キサンテン-9-スピロ-3’-フタリド(Black100)、1-エチル-8-[N-エチル-N-(4-メチルフェニル)アミノ]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロスピロ[11H-クロメノ[2,3、-g]キノリン-11,3’-フタリド](H-1046)、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-ブロモフルオラン、3-[4-(ジエチルアミノ)フェニル]-3-(1-エチル-2-メチル-1H-インドール-3-イル)-1(3H)-イソベンゾフラノン(Blue502)等が挙げられ、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオランが好ましい。
トリアリールメタン系化合物としては、主にフタリド系化合物及びアザフタリド系化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものでは無い。
フタリド系化合物として、その具体例としては、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトンまたはCVL)、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)フタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-(1,2-ジメチルアミノインドール-3-イル)フタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-(2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-(2-フェニルインドール-3-イル)フタリド、3,3-ビス(1,2-ジメチルインドール-3-イル)-5-ジメチルアミノフタリド、3,3-ビス(1,2-ジメチルインドール-3-イル)-6-ジメチルアミノフタリド、3,3-ビス(9-エチルカルバゾール-3-イル)-5-ジメチルアミノフタリド、3,3-(2-フェニルインドール-3-イル)-5-ジメチルアミノフタリド、3-p-ジメチルアミノフェニル-3-(1-メチルピロール-2-イル)-6-ジメチルアミノフタリド、等が挙げられる。
アザフタリド系化合物として、その具体例としては、3-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド(Blue200)、3-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヘキシルオキシフェニル]-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド(Blue203)、3-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)-3-(1-エチル2-メチル-1H-インドール-3-イル)-4-アザフタリド(Blue220)、7-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-7-(1-エチル-2-メチル-1H-インドール-3-イル)フロ[3,4-b]ピリジン-5(7H)-オン(Blue63)、等が挙げられる。
スピロ系化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、3-メチルスピロジナフトピラン、3-エチルスピロジナフトピラン、3,3’-ジクロロスピロジナフトピラン、3-ベンジルスピロジナフトピラン、3-プロピルスピロベンゾピラン、3-メチルナフト-(3-メトキシベンゾ)スピロピラン、1,3,3-トリメチル-6-ニトロ-8’-メトキシスピロ(インドリン-2,2’-ベンゾピラン)等;ジフェニルメタン系化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、N-ハロフェニル-ロイコオーラミン、4,4-ビス-ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテル、N-2,4,5-トリクロロフェニルロイコオーラミン等;チアジン系化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p-ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等;ラクタム系化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB-p-クロロアニリノラクタム等;フルオレン系化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)-6’-ジメチルアミノフタリド、3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)-6’-ピロリジノフタリド、3-ジメチルアミノ-6-ジエチルアミノフルオレンスピロ(9,3’)-6’-ピロリジノフタリド等;ビニルフタリド系化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、3-[2,2-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)ビニル]-6-ジメチルアミノフタリド(H-3035)、3,3-ビス[2-(4-ジメチルアミノフェニル)-2-(4-メトキシフェニル)ビニル]-4,5,6,7-テトラクロロフタリド(NIR Black78)、等が挙げられる。これらの発色性化合物は単独もしくは混合して用いることができる。
本発明の一の実施形態においては、増感剤(熱可融性化合物)を含んでもよく、増感剤(熱可融性化合物)の具体例としては、動植物性ワックス、合成ワックス等のワックス類や、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸アニリド、ナフタレン誘導体、芳香族エーテル、芳香族カルボン酸誘導体、芳香族スルホン酸エステル誘導体、炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体、ビフェニル誘導体、ターフェニル誘導体、スルホン誘導体、芳香族ケトン誘導体、芳香族炭化水素化合物等が挙げられる。
ワックス類は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、木ろう、カルナウバろう、シェラック、パラフィン、モンタンろう、酸化パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン等が挙げられ、高級脂肪酸は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、ステアリン酸、ベヘン酸等が挙げられ、高級脂肪酸アミドは、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、N-メチルステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられ、高級脂肪酸アニリドは、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、ステアリン酸アニリド、リノール酸アニリド等が挙げられ、ナフタレン誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、1-ベンジルオキシナフタレン、2-ベンジルオキシナフタレン、1-ヒドロキシナフトエ酸フェニルエステル、2,6-ジイソプロピルナフタレン等が挙げられ、芳香族エーテルは、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、1,2-ジフェノキシエタン、1,4-ジフェノキシブタン、1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ビス(4-メトキシフェノキシ)エタン、1,2-ビス(3,4-ジメチルフェニル)エタン、1-フェノキシ-2-(4-クロロフェノキシ)エタン、1-フェノキシ-2-(4-メトキシフェノキシ)エタン、1,2-ジフェノキシメチルベンゼン、ジフェニルグリコール等が挙げられ、芳香族カルボン酸誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、p-ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、p-ベンジルオキシ安息香酸ベンジルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル等が挙げられ、芳香族スルホン酸エステル誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、p-トルエンスルホン酸フェニルエステル、フェニルメシチレンスルホナート、4-メチルフェニルメシチレンスルホナート、4-トリルメシチレンスルホナート等が挙げられ、炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ(4-クロロベンジル)エステル、シュウ酸ジ(4-メチルベンジル)エステル類等が挙げられ、ビフェニル誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、p-ベンジルビフェニル、p-アリルオキシビフェニル等が挙げられ、ターフェニル誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、m-ターフェニル等が挙げられ、スルホン誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、p-トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアニリド、p-トルエンスルホンアニリド、ジフェニルスルホン等が挙げられ、芳香族ケトン誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、4,4’-ジメチルベンゾフェノン、ジベンゾイルメタン等が挙げられ、芳香族炭化水素化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、p-アセトトルイジン等が挙げられる。
本発明の一の実施形態においては、保存性向上剤を含んでもよく、保存性向上剤の具体例としては、例えば2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4’- チオビス(2-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(6-t-ブチル-m -クレゾール)、1-〔α-メチル-α-(4’-ヒドロキシフェニル)エチル〕-4 -〔α’,α’-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3- トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、トリス(2,6-ジメチル-4-t-ブチル-3-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’- チオビス(3-メチルフェノール)、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’,5,5’-テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’,5,5’-テトラメチルジフェニルスルホン、2,2-ビス(4- ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物;1,4-ジグリシジルオキシベンゼン、4,4’-ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4-ベンジルオキシ-4’-(2-メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA 型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物;N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウムまたは多価金属塩、ビス(4-エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン、ウレアウレタン化合物(ケミプロ化成株式会社製顕色性化合物UU等)、及び下記式(4)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物もしくはそれらの混合物等が挙げられる。
Figure 0007422536000011
本発明の一の実施形態においては、結合剤を含んでもよく、結合剤の具体例としては、メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、セルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等の各種のけん化度、重合度のポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、デンプン及びその誘導体、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩、カゼイン、ゼラチン、水溶性イソプレンゴム、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソ(またはジイソ)ブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性のもの或は(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン/ブタジエン(SB)共重合体、カルボキシル化スチレン/ブタジエン(SB)共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル酸系共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン(NB)共重合体、カルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエン(NB)共重合体、コロイダルシリカと(メタ)アクリル樹脂の複合体粒子等の疎水性高分子エマルジョン等が挙げられる。
本発明の一の実施形態においては、充填剤を含んでもよく、その具体例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、リトポン、タルク、クレイ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、珪藻土、酸化白土、ベントナイト、合成珪酸アルミニウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料;尿素-ホルマリン樹脂、スチレン-メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、生澱粉粒子等の有機顔料等が挙げられる。
本発明の一の実施形態においては、上記以外の種々の添加剤を含むことができ、例えばサーマルヘッド磨耗防止、スティッキング防止等の目的でのステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、酸化防止あるいは老化防止効果を付与する為のフェノール誘導体、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等の紫外線吸収剤、各種の架橋剤、界面活性剤、消泡剤、等が挙げられる。
本発明では、感熱記録材料の各成分の組成比について特に制限はないが、本発明の一の実施形態によれば、感熱記録材料は、発色性化合物を通常1~50質量%、好ましくは5~30質量%;上記一般式(1)で表される化合物及び、ジフェニルスルホン系化合物または非フェノール系化合物から選ばれる少なくとも1種の顕色性化合物を通常1~70質量%、好ましくは10~50質量%;増感剤を通常1~80質量%、保存性向上剤を通常0~30質量%、結合剤を通常1~90質量%、充填剤を通常0~80質量%、その他の滑剤、界面活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤は各々任意の割合で、例えば通常各々0~30質量%含むことができる(質量%は感熱記録材料中に占める各成分の固形分換算質量比)。
本発明の特に好ましい実施形態は、上記一般式(1)で表される化合物及び、ジフェニルスルホン系化合物または非フェノール系化合物から選ばれる少なくとも1種の顕色性化合物を、発色性化合物1質量部に対して、通常0.1~20質量部、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは1.0~5.0質量部の固形分換算質量比で含む。0.1質量部未満では、耐油性、耐可塑剤性への効果が認められず、また20質量部を超えると、耐湿熱時の地肌カブリが悪化、もしくは耐油性及び耐可塑剤性への効果が認められない。
次に、本発明の感熱記録材料及びこれを用いる感熱記録紙等の感熱記録シートの調製方法を説明する。本発明の一の実施形態によれば、感熱記録材料は、感熱記録層用塗布液を用いて支持体上に塗布、乾燥することで、本発明の感熱記録材料を有する感熱記録シートを作製することができる。例えば、水を分散媒体とし、発色性化合物及び、一般式(1)で表される化合物及び、ジフェニルスルホン系化合物または非フェノール系化合物で表される化合物を、必要に応じて、結合剤及びその他の添加剤等と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル、高圧ジェットミル等の分散機にて粉砕、分散した分散液、必要に応じて、結合剤、充填剤、その他の添加物を混合・攪拌することにより調製された感熱記録層用塗布液を、紙(普通紙、上質紙、コート紙等が使用出来る)、合成紙、ラミネート紙、古紙パルプ等の再生紙、フィルム、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布等の支持体上に、通常乾燥質量で1~20g/mになるように塗布、乾燥して本発明の感熱記録材料を有する感熱記録シートを作製することができる。
なお、必要に応じて支持体と感熱記録層との間に下塗り層(アンダーコート層)や、感熱記録層上に保護層(オーバーコート層)を設けても良い。下塗り層及び保護層は、例えば前記の結合剤あるいは必要に応じてその他の添加物と共に、感熱記録層用塗布液の調製におけるのと同様に必要に応じて粉砕、分散して下塗り層用塗布液または保護層用塗布液とした後、乾燥時の質量で通常0.1~10g/mとなるように塗布し、乾燥することにより本発明の感熱記録材料を有する感熱記録シートを作製することができる。
本発明において、支持体と感熱記録層との間に設けることができる下塗り層は、記録感度及び記録走行性をより高めるために有機顔料または無機顔料のいずれから選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
本発明では、下塗り層に用いられる無機顔料としては、サーマルヘッドへの粕付着とスティッキングを抑制する観点から、吸油量が70ml/100g以上で、特に80~150ml/100gの吸油性無機顔料が好ましく用いられる。ここで、吸油量は、 JIS K 5101の方法に従い、求めることができる。
吸油性無機顔料としては、各種のものが使用できるが、例えば、焼成カオリン、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、無定形シリカ、軽質炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。これらの吸油性無機顔料の一次粒子の平均粒子径は、0.01~5μmが好ましく、0.02~3μmがより好ましい。吸油性無機顔料の使用割合は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形量中2~95質量%が好ましく、5~90質量%がより好ましい。
本発明では、下塗り層に用いる有機顔料としては、例えば、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に気体を含有して既に中空状となっている非発泡性の有機中空粒子(プラスチック中空粒子)、或いは内部に低沸点溶媒の発泡剤を含有して加熱により発泡状態となる熱膨張性粒子を用いることが好ましい。これにより、記録感度を向上することができる。また、有機中空粒子(プラスチック中空粒子)は、支持体上に留まって均一な下塗り層を形成することによりバリア性が向上するため、呈色剤が可塑剤や中性紙に含まれるアルカリ填料と接触するのを妨げ、発色能の低下を抑えることができる。
有機中空粒子としては、従来公知のもの、例えば、膜材がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等からなる中空率が50~99%の粒子が例示できる。ここで中空率は、(d/D)×100で求められる値である。該式中、dは有機中空粒子の内径を示し、Dは有機中空粒子の外径を示す。有機中空粒子の平均粒子径は0.5~10μm、1~4μmがより好ましく、1~3μmがさらに好ましい。平均粒子径を1μm以下とすることにより、下塗り層用塗液をブレード塗布法で塗布する場合に、ストリークやスクラッチ等のトラブルの原因とならず、良好な塗布適性を得ることができる。有機中空粒子の使用割合は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形量中2~90質量%が好ましく、5~70質量%がより好ましい。
吸油性無機顔料を有機中空粒子と併用する場合、吸油性無機顔料と有機中空粒子とは前記の使用割合の範囲で使用し、且つ吸油性無機顔料と有機中空粒子の合計量は、下塗り層の全固形量中5~90質量%が好ましく、10~90質量%がより好ましく、10~80質量%がさらに好ましい。
有機中空粒子の含有割合は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形量のうち、2~90質量%が好ましい。発色性の改良効果とバリア性を高める観点から、下限は5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。一方、サーマルヘッドへの粕付着を抑える観点から、上限は80質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましく、60質量%以下が特に好ましく、50質量%以下が最も好ましい。
下塗り層は、一般に水を媒体として、有機中空粒子、吸油性顔料等の顔料、接着剤、助剤等を混合することにより調製された下塗り層用塗液を、支持体上に塗布及び乾燥することにより形成される。下塗り層用塗液の塗布量は、特に限定するものではないが、乾燥重量で3~20g/mが好ましく、5~12g/mがより好ましい。
下塗り層に用いる接着剤としては、感熱記録層及び保護層に使用できるものの中から適宜選択することができる。特に、塗膜強度を向上する観点から酸化澱粉、澱粉-酢酸ビニルグラフト共重合体、ポリビニルアルコール、スチレン-ブタジエン系ラテックス等が好ましい。接着剤の含有割合は、広い範囲で選択できるが、一般には下塗り層の全固形量のうち、5~30質量%が好ましく、10~20質量%がより好ましい。
本発明では、必要に応じて支持体の感熱記録層とは反対側の面に顔料と接着剤を主成分とする裏面層を設けることができる。これにより、保存性を一層高めたり、カール適性やプリンター走行性を高めたりすることができる。また、裏面に粘着剤処理を施して粘着ラベルに加工したり、磁気記録層や印刷用塗被層、更には熱転写記録層やインクジェット記録層を設けたりする等、感熱記録体製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。
前記の各塗液を塗布する方法としては、特に限定されず、例えばバーコーティング、エアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の既知の塗布方法のいずれを利用してもよい。また、各塗液は1層ずつ塗布及び乾燥して各層を形成してもよく、同一の塗液を2層以上に分けて塗布してもよい。更に2つ以上の層を同時に塗布する同時多層塗布を行ってもよい。
下塗り層用塗液の塗布方法としては、下塗り層の表面性を向上する観点から、ブレード塗布法が好ましい。これにより、支持体の凹凸を無くして均一な厚みの感熱記録層を形成し、記録感度を高めることができる。また、品質面では下塗り層の表面平滑性がより一層高められるため、感熱記録層用塗液の塗布均一性を高めてカーテン塗布することができ、必要により設ける保護層のバリア性を向上できる。ブレード塗布法は、ベベルタイプやベントタイプに代表されるブレードを使用した塗布法に限らず、ピュアブレードコーティング、ロッドブレード法やビルブレード法等も含まれる。
感熱記録層と保護層は、カーテンコーティング等により同時多層塗布して形成することが好ましい。これにより、均一な塗布層を形成して保護層のバリア性を向上でき、しかも生産性を高めることができる。カーテンコーティングとは、塗液を流下して自由落下させ支持体に非接触で塗布する方法であり、スライドカーテン法、カップルカーテン法、ツインカーテン法等の公知のものを採用することができ、特に制限されるものではない。また、特開2006-247611号公報(特許文献6)に記載のように、カーテンヘッドから塗液を下向きに噴出させて斜面上で塗液層を形成させ、斜面の終端部の下向きのカーテンガイド部から塗液のカーテンを形成してウエブ面上に塗液層を移行させることもできる。同時多層塗布では、各塗液を積層した後、塗布し、その後、乾燥させて各層を形成してもよいし、下層を形成する塗液を塗布した後、乾燥することなく下層塗布面が湿潤状態のうちに、下層塗布面上に上層を形成する塗液を塗布し、その後、乾燥させて各層を形成してもよい。
支持体上に前記の各塗布液を塗布する方法としては、特に制限はないが、本発明の一の実施形態によれば、バーコーティング、エアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の既知の塗布方法のいずれを利用しても良い。また、各塗布液は、1層ずつ塗布及び乾燥して各層を形成しても良く、同一の塗布液を2層以上に分けて塗布しても良い。さらに、2つ以上の層を同時に塗布する同時多層塗布を行っても良い。
本発明の一の実施形態においては、記録感度を高めて、画像均一性を向上する観点から、各層を形成し終えた後、または全ての層を形成し終えた後の任意の過程で、スーパーカレンダーやソフトカレンダー等の既知の方法を用いて平滑化処理を行っても良い。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。実施例中「部」は質量部、「%」は質量%を意味する。なお、下記の合成例1は特許文献3に基づき実施した。
[合成例1]表1の化合物番号2の合成
[工程1]
25%苛性ソーダ水溶液52.8部中に下記3-アミノフェノール(100-1)(東京化成工業株式会社製)30.0部を加え攪拌し、65℃に昇温した。次いでp-トルエンスルホニルクロリド(東京化成工業株式会社製)52.9部を添加し、同温度で1時間攪拌した後、析出物を濾別し、濾過物を水で洗浄し乾燥することで、下記化合物(100-2)を黄褐色固体として得た(34.1部)。
MS(ESI):[M+H]:cal.:264.1,found:264.1。
Figure 0007422536000012
[工程2]
DMF25部中に下記化合物(100-2)5.0部を加え攪拌し、次いでイソシアン酸フェニル(東京化成工業株式会社製)2.3部を室温で滴下した。同温度で1時間攪拌した後、反応液を水250部中に滴下することで結晶を析出させた。析出物をジクロロメタン、水で順次洗浄し、乾燥することで、表1の化合物番号2(100-3)を白色固体として4.1部得た。
MS(ESI):[M-H]:cal.:381.1,found:381.1。
Figure 0007422536000013
参考例1]
(下塗り層用塗布液の調整及び下塗り層の形成)
以下の組成物を混合攪拌して、下塗り層用塗布液を調整した。
焼成カオリン(アンシレックス、BASF株式会社製) 100.0部
10%酸化でんぷん水溶液(MS4600、日本食品化工株式会社製) 50.0部
スチレン・ブタジエン系ラテックス(L-7063、旭化成ケミカルズ株式会社製)
25.0部
水 100.0部
坪量50g/mの上質紙上に下塗り用塗布液を乾燥後の塗布量が6.0g/mとなるように塗布及び乾燥して下塗り層を形成した。
(感熱記録層用塗布液の調整及び感熱記録層の形成)
合成例1で得られた表1の化合物番号2を以下の組成で、アシザワ・ファインテック社製ビーズミル(ラボスターミニLMZ015)により、レーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置Microtrac MT3300EXII(マイクロトラック・ベル株式会社製)によるメディアン粒子径が1.0μmになるように粉砕、分散化して顕色性化合物の分散液[A]を調製した。
[A]液
表1に記載の化合物番号2 90.0部
スルホン酸変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスL-3266、三菱ケミカル株式会社製)の20%水溶液 45.0部
水 165.0部
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオランを以下の組成で、アシザワ・ファインテック社製ビーズミル(ラボスターミニLMZ015)により、レーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置Microtrac MT3300EXII(マイクロトラック・ベル株式会社製)によるメディアン粒子径が1.0μmになるように粉砕、分散化して発色性化合物の分散液[B]を調製した。
[B]液
3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン(BLACK400、福井山田化学工業株式会社製) 90.0部
スルホン酸変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスL-3266、三菱ケミカル株式会社製)の20%水溶液 45.0部
水 165.0部
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンを以下の組成で、アシザワ・ファインテック社製ビーズミル(ラボスターミニLMZ015)により、レーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置Microtrac MT3300EXII(マイクロトラック・ベル株式会社製)によるメディアン粒子径が1.0μmになるように粉砕、分散化して顕色性化合物の分散液[C]を調製した。
[C]液
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン(日華化学株式会社製) 90.0部
スルホン酸変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスL-3266、三菱ケミカル株式会社製)の20%水溶液 45.0部
水 165.0部
次いで、上記で得られた各液及び下記の薬剤を以下の組成で混合して感熱記録層用塗布液を調製した。
[A]液 5.6部
[B]液 10.0部
[C]液 11.1部
67%炭酸カルシウム水分散液 6.6部
10%ポリビニルアルコール水溶液 28.3部
37%ステアリン酸亜鉛水分散液 2.6部
水 20.8部
調整した感熱記録層用塗布液を下塗り層上に乾燥後の塗布量が5g/mとなるように塗布、乾燥した後、カレンダー処理をして、本発明の感熱記録材料を有する感熱記録紙を作製した。
参考例2]
参考例1の感熱記録層用塗布液の調整において、[A]液の量を5.6部に代えて13.9部とし、[C]液の量を11.1部に代えて2.8部とした以外は参考例1と同様にして感熱記録紙を得た。
参考例3]
参考例1の顕色性化合物の分散液の調整において、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンに代えて2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン(日華化学株式会社製)を用いて調整した分散液を[D]液とし、次いで感熱記録層塗布液を調整する際の[C]液に代えて[D]液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録紙を得た。
参考例4]
参考例2の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[D]液を用いた以外は参考例2と同様にして感熱記録紙を得た。
[実施例5]
参考例1の顕色性化合物の分散液の調整において、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンに代えて4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン(日本曹達株式会社製)を用いて調整した分散液を[E]液とし、次いで感熱記録層塗布液を調整する際の[C]液に代えて[E]液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[実施例6]
参考例2の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[E]液を用いた以外は参考例2と同様にして感熱記録紙を得た。
[実施例7]
参考例1の顕色性化合物の分散液の調整において、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンに代えて3,3’-ジアリル-4,4’-スルホニルジフェノール(日本化薬株式会社製)を用いて調整した分散液を[F]液とし、次いで感熱記録層塗布液を調整する際の[C]液に代えて[F]液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[実施例8]
参考例2の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[F]液を用いた以外は参考例2と同様にして感熱記録紙を得た。
[実施例9]
参考例1の顕色性化合物の分散液の調整において、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンに代えて4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホニン(日華化学株式会社製)を用いて調整した分散液を[G]液とし、次いで感熱記録層塗布液を調整する際の[C]液に代えて[G]液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[実施例10]
参考例2の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[G]液を用いた以外は参考例2と同様にして感熱記録紙を得た。
[実施例11]
参考例1の顕色性化合物の分散液の調整において、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンに代えて4-ヒドロキシ-4’-ベンジルオキシジフェニルスルホン(小西化学工業株式会社製)を用いて調整した分散液を[H]液とし、次いで感熱記録層塗布液を調整する際の[C]液に代えて[H]液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[実施例12]
参考例2の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[H]液を用いた以外は参考例2と同様にして感熱記録紙を得た。
[実施例13]
参考例1の顕色性化合物の分散液の調整において、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンに代えて4-ヒドロキシ-4’-n-プロポキシジフェニルスルホン(三菱ケミカル株式会社製)を用いて調整した分散液を[I]液とし、次いで感熱記録層塗布液を調整する際の[C]液に代えて[I]液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[実施例14]
参考例2の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[I]液を用いた以外は参考例2と同様にして感熱記録紙を得た。
[実施例15]
参考例1の顕色性化合物の分散液の調整において、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンに代えてN-p-トルエンスルホニル-N’-3-(p-トルエンスルホニルオキシ)フェニル尿素(BASF株式会社製)を用いて調整した分散液を[J]液とし、次いで感熱記録層塗布液を調整する際の[C]液に代えて[J]液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[実施例16]
参考例2の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[J]液を用いた以外は参考例2と同様にして感熱記録紙を得た。
[実施例17]
参考例1の顕色性化合物の分散液の調整において、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンに代えてN-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド(日本曹達株式会社製)を用いて調整した分散液を[K]液とし、次いで感熱記録層塗布液を調整する際の[C]液に代えて[K]液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[実施例18]
参考例2の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[K]液を用いた以外は参考例2と同様にして感熱記録紙を得た。
参考例19、参考例20、及び実施例21~36]
参考例1~4、実施例5~18の下塗り層用塗布液の調整において、焼成カオリン(アンシレックス、BASF株式会社製)に代えて、プラスチック中空フィラー(ローペイクSN-1055、ダウコーティングマテリアルズ株式会社製、固形分濃度26.5%、平均粒子径1.0μm、中空率55%)を用いた以外は参考例1と同様にして参考例19~22、実施例23~36の感熱記録紙を得た。
[比較例1]
上記の[A]液、[B]液を下記の組成比で混合した以外は参考例1と同様に塗布、乾燥して比較用の感熱記録材料を得た。
[A]液 16.7部
[B]液 10.0部
67%炭酸カルシウム水分散液 6.6部
10%ポリビニルアルコール水溶液 28.3部
37%ステアリン酸亜鉛水分散液 2.6部
水 20.8部
[比較例2]
比較例1の熱記録層用塗布液の調整において、[A]液に代えて[C]液を用いた以外は比較例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例3]
比較例1の熱記録層用塗布液の調整において、[A]液に代えて[D]液を用いた以外は比較例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例4]
比較例1の熱記録層用塗布液の調整において、[A]液に代えて[E]液を用いた以外は比較例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例5]
比較例1の熱記録層用塗布液の調整において、[A]液に代えて[F]液を用いた以外は比較例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例6]
比較例1の熱記録層用塗布液の調整において、[A]液に代えて[G]液を用いた以外は比較例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例7]
比較例1の熱記録層用塗布液の調整において、[A]液に代えて[H]液を用いた以外は比較例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例8]
比較例1の熱記録層用塗布液の調整において、[A]液に代えて[I]液を用いた以外は比較例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例9]
比較例1の熱記録層用塗布液の調整において、[A]液に代えて[J]液を用いた以外は比較例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例10]
比較例1の熱記録層用塗布液の調整において、[A]液に代えて[K]液を用いた以外は比較例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例11]
参考例1の感熱記録層用塗布液の調整において、[A]液の量を5.6部に代えて5.2部とし、[C]液の量を11.1部に代えて11.5部とした以外は参考例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例12]
参考例1の感熱記録層用塗布液の調整において、[A]液の量を5.6部に代えて15.2部とし、[C]液の量を11.1部に代えて1.5部とした以外は実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例13]
比較例11の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[D]液を用いた以外は比較例12と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例14]
比較例12の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[D]液を用いた以外は比較例12と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例15]
比較例11の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[E]液を用いた以外は比較例11と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例16]
比較例12の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[E]液を用いた以外は比較例12と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例17]
比較例11の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[F]液を用いた以外は比較例11と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例18]
比較例12の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[F]液を用いた以外は比較例12と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例19]
比較例11の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[G]液を用いた以外は比較例11と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例20]
比較例12の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[G]液を用いた以外は比較例12と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例21]
比較例11の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[H]液を用いた以外は比較例11と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例22]
比較例12の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[H]液を用いた以外は比較例12と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例23]
比較例11の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[I]液を用いた以外は比較例11と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例24]
比較例12の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[I]液を用いた以外は比較例12と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例25]
比較例11の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[J]液を用いた以外は比較例11と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例26]
比較例12の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[J]液を用いた以外は比較例12と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例27]
比較例11の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[K]液を用いた以外は比較例11と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例28]
比較例12の感熱記録層用塗布液の調整において、[C]液に代えて[K]液を用いた以外は比較例12と同様にして感熱記録紙を得た。
作製した印字前の各感熱記録紙について、サーマルプリンター(TH-M2/PP、オオクラエンジニアリング株式会社製)を用いて印加エネルギー0.34mJ/dotにて印字し、地肌部(未印字部)及び印字部の光学濃度(OD値)を反射濃度計(商品名:FD-7、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、観察光源にイルミナントC、濃度照明条件に標準イルミナントA、濃度ステータスにISOStatusA、視野角2度の条件で測定した。なお、地肌部及び印字部の光学濃度(OD値)の測定結果は、参考例1~4、実施例5~18、参考例19~22、実施例23~36を下表2、比較例1~28を下表3に纏めた。
[耐湿熱性試験]
作製した印字前の各感熱記録紙について、恒温恒湿器(商品名エンビロスKCL-2000A型、東京理化器械株式会社製)を用いて40℃、90%R.H.下で24時間保持した。試験前後の地肌部(未印字部)及び印字部の光学濃度(OD値)を反射濃度計(商品名:FD-7、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、観察光源にイルミナントC、濃度照明条件に標準イルミナントA、濃度ステータスにISOStatusA、視野角2度の条件にて測定した。試験後の光学濃度のOD値は、実用上、地肌部が0.20以下、印字部が0.90以上であることが必要である。なお、地肌部及び印字部の光学濃度(OD値)の測定結果は、参考例1~4、実施例5~18、参考例19~22、実施例23~36を下表2、比較例1~28を下表3に纏めた。
[耐可塑剤性試験]
ガラス板上に塩化ビニルフィルム(可塑剤が含まれているもの)を1重に巻き付け、その上にサーマルプリンター(商品名:TH-M2/PP、オオクラエンジニアリング株式会社製)を用いて印加エネルギー0.34mJ/dotにて印字した各感熱記録紙を載せ、更にその上に塩化ビニルラップフィルムを1重に巻き付けた状態で、40℃の環境下で2時間保持した。試験前後の地肌部(未印字部)及び印字部の光学濃度(OD値)を反射濃度計(商品名:FD-7、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、観察光源にイルミナントC、濃度照明条件に標準イルミナントA、濃度ステータスにISOStatusA、視野角2度の条件にて測定した。試験後の光学濃度のOD値は、実用上、地肌部が0.20以下、印字部が0.30以上であることが必要である。なお、地肌部及び印字部の光学濃度(OD値)の測定結果は、参考例1~4、実施例5~18、参考例19~22、実施例23~36を下表2、比較例1~28を下表3に纏めた。
[耐油性試験]
サーマルプリンター(商品名:TH-M2/PP、オオクラエンジニアリング株式会社製)を用いて印加エネルギー0.34mJ/dotにて印字した各感熱記録紙の発色記録部上に、サラダ油を3滴垂らして40℃で1時間放置した。試験前後の地肌部(未印字部)及び印字部の光学濃度(OD値)を蛍光分光濃度計(商品名:FD-7、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、観察光源にイルミナントC、濃度照明条件に標準イルミナントA、濃度ステータスにISOStatusA、視野角2度の条件にて測定した。試験後の光学濃度のOD値は、実用上、地肌部が0.20以下、印字部が0.30以上であることが必要である。なお、地肌部及び印字部の光学濃度(OD値)の測定結果は、参考例1~4、実施例5~18、参考例19~22、実施例23~36を下表2、比較例1~28を下表3に纏めた。
下表2(参考例1~4、実施例5~18、参考例19~22、実施例23~36)及び下表3(比較例1~28)より明らかなように、顕色性化合物として上記一般式(1)で表される化合物及びジフェニルスルホン系化合物または非フェノール系化合物から選ばれる顕色性化合物を含む本発明の感熱記録材料は、比較例1~28と比べて、地肌の保存安定性を損なわず(地肌カブリ)に印字部が耐湿熱性及び耐可塑剤性、耐油性等の保存安定性に優れており、顕著な実用性を有していると言える。
Figure 0007422536000014
Figure 0007422536000015

Claims (13)

  1. 支持体上に、発色性化合物及び顕色性化合物を含む感熱記録層を設けて成る感熱記録材料において、該感熱記録層中に含有される顕色性化合物が、下記一般式(1)で表される化合物及び、4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-n-プロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-ベンジルオキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホン、3,3’-ジアリル-4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ビス[(4-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンから成る群より選ばれる少なくとも1種の顕色性化合物であるジフェニルスルホン系化合物または非フェノール系化合物から選ばれる少なくとも1種の顕色性化合物を含有することを特徴とする感熱記録材料。
    Figure 0007422536000016
    (式(1)中、R~Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基を表す。)
  2. 一般式(1)の化合物が下記式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
    Figure 0007422536000017
    (式(2)中、Rは前記と同義である。)
  3. 一般式(2)において、Rがメチル基であることを特徴とする請求項2に記載の感熱記録材料。
  4. 請求項1に記載の非フェノール系化合物が、N-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、N-p-トルエンスルホニル-N’-3-(p-トルエンスルホニルオキシ)フェニル尿素から成る群より選ばれる少なくとも1種の顕色性化合物であることを特徴とする感熱記録材料。
  5. 請求項1に記載の発色性化合物が、フルオラン系化合物、トリアリールメタン系化合物、スピロ系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、ラクタム系化合物、フルオレン系化合物、ビニルフタリド系化合物からなる群から選ばれる化合物であることを特徴とする感熱記録材料。
  6. 請求項5に記載のフルオラン系の発色性化合物が、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(o,p-ジメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(シクロヘキシル-N-メチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-N-n-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(m-メチルアニリノ)フルオラン、3-N-n-ジブチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-(N-エチル-N-テトラヒドロフルフリルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-エトキシプロピルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソブチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジペンチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオランから成る群より選ばれる化合物であることを特徴とする感熱記録材料。
  7. 一般式(1)で表される顕色性化合物及びジフェニルスルホン系化合物または非フェノール系化合物から選ばれる少なくとも1種の顕色性化合物の含有量が、前記発色性化合物1質量部に対して、1.0~5.0質量部であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
  8. 支持体と感熱記録層の間に、さらに有機顔料または無機顔料から選ばれる少なくとも1種を含有する下塗り層を有することを特徴とする請求書1乃至7のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
  9. 請求項8に記載の無機顔料が、吸油量が70~150mL/100gの吸油性無機顔料であることを特徴とする感熱記録材料。
  10. 請求項8または9に記載の無機顔料が、焼成カオリンであることを特徴とする感熱記録材料。
  11. 請求項8に記載の有機顔料が、(内径/外径)×100で表される中空率が50~99%のプラスチック中空粒子であることを特徴とする感熱記録材料。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の感熱記録材料を含むことを特徴とする感熱記録層。
  13. 請求項12に記載の感熱記録層を含むことを特徴とする感熱記録紙。
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