JP2019126932A - 感熱記録材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱応答性に優れ、尚且つ高温環境下における印字部並びに地肌の耐熱保存性に優れた感熱記録材料を提供する。【解決手段】顕色性化合物として下記一般式(1)で表される化合物と、増感剤として4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンを含む感熱記録材料。【選択図】図1
Description
本発明は、熱応答性と保存安定性に優れた感熱記録材料に関するものである。
感熱記録材料は、一般に通常無色ないし淡色のロイコ染料と、フェノール性化合物等の顕色性化合物とをそれぞれ別個に微粒子状に分散化した後、両者を混合し、これに結合剤、増感剤、充填剤、滑剤等の添加剤を添加して得られた塗工液を、紙、フィルム、合成紙等に塗布して用いられ、加熱によりロイコ染料と顕色性化合物の一方又は両者が溶融、接触して起こる化学反応により発色記録(印字)を得るものである。このように感熱記録材料を発色するためには、サーマルヘッドを内蔵したサーマルプリンター等が用いられる。この感熱記録法は他の記録法に比較して、(1)記録時に騒音が出ない、(2)現像、定着の必要がない、(3)メンテナンスフリーである、(4)機械が比較的安価である等の利点を有することから、ファクシミリ分野、コンピューターのアウトプット、電卓などのプリンター分野、医療計測用のレコーダー分野、自動券売機分野、感熱記録型ラベル分野等に広く用いられている。
近年、感熱記録材料の使用用途が拡大するに伴い、小売店やスーパーマーケット等のPOSシステム化、交通機関の自動化システムに伴いラベル類や乗車券、回数券等への使用が増加している。これらの用途において、水、アルコール等に触れて生じる記録像(印字、画像、パターン)の耐水性、耐アルコール性等の保存性が必須条件となっている。また、より生産性を向上させるため高速記録に対する要求が一段と高くなっており、高速記録に十分対応できる、熱応答性に優れた感熱記録材料の開発が強く望まれている。熱応答性を高める場合、一般的に、融点が低く、融解熱の小さい顕色性化合物が求められるが、このような性質は、製造時、使用時あるいは保管時における感熱記録材料の未記録部(地肌)が黒ずむ、いわゆる地肌かぶりと呼ばれる現象が起こり易くなることから、地肌の安定性の向上が望まれている。
一般にフェノール性水酸基を有する顕色性化合物は顕色能が高く、中でもビスフェノール系化合物は、発色濃度の高さから数多くの報告がなされており、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパン)(ビスフェノールA)(特許文献1)及び4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)(特許文献2)等が提案されている。しかしながら、これらは融点が高いために熱応答性に劣る他、印字部が耐水性に劣る欠点を有する。また、ビスフェノールA等のフェノール系化合物は、エンドクリン問題からその使用が問題として指摘されており、フェノール構造を含まない、非フェノール系の顕色性化合物が要望されている。
既にこのような要望に対し、特許文献3には、印字部の耐水性に優れ、且つ地肌が熱に対し高い安定性を示す、特定の顕色性化合物を用いた感熱記録材料が開示されているが、現状では熱応答性が十分とは言えず、高速記録に対応するために更なる熱応答性の向上が望まれている。
このような問題に対して、感熱記録材料に低融点の増感剤を添加することが知られているが、低融点の増感剤を用いた場合、加熱されるとまず増感剤が溶融し、それがロイコ染料及び顕色剤を溶かし込むことによってそれぞれが分子レベルで混じり合い発色反応が誘発されるため、みかけの熱応答性を向上させているが、発色開始温度が低下するため、熱応答性向上と共に地肌かぶりがより低温で発生するという問題が生じ、熱応答性と地肌の耐熱性の両立が課題であった。
本発明は、前述した従来技術の問題を解決すること、より具体的には、熱応答性に優れ、尚且つ高温環境下における印字部並びに地肌の耐熱保存性に優れた感熱記録材料を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、顕色性化合物として特定の構造を有する化合物と、増感剤として4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンを含む感熱記録材料では、熱応答性に優れ、尚且つ印字部並びに地肌が高温環境下における耐熱保存性に優れることを新たに見出し、本発明を完成させたものである。
即ち本発明は、
[1]支持体上に、発色性化合物及び顕色性化合物を主成分とする感熱記録層を設けて成る感熱記録材料において、該感熱記録層中に下記一般式(1)で表される化合物を顕色性化合物として含有し、且つ4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンを増感剤として含有することを特徴とする感熱記録材料、
(式(1)中、R1〜R5はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基を表す。)
[2]一般式(1)で表される顕色性化合物1質量部に対し、4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンを0.1〜2.5質量部の固形分換算質量比で含有することを特徴とする[1]に記載の感熱記録材料、
[3]一般式(1)の化合物が下記式(2)で表される化合物であることを特徴とする[1]または[2]に記載の感熱記録材料、
(式(2)中、R3は前記と同義である。)
[4]一般式(2)において、R3がメチル基であることを特徴とする[3]に記載の感熱記録材料、
[5]発色性化合物が、フルオラン系化合物であることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の感熱記録材料、
[6][1]乃至[5]のいずれか一つに記載の感熱記録材料を含むことを特徴とする感熱記録層、
[7][6]に記載の感熱記録層を含むことを特徴とする感熱記録紙、
に関する。
[1]支持体上に、発色性化合物及び顕色性化合物を主成分とする感熱記録層を設けて成る感熱記録材料において、該感熱記録層中に下記一般式(1)で表される化合物を顕色性化合物として含有し、且つ4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンを増感剤として含有することを特徴とする感熱記録材料、
[2]一般式(1)で表される顕色性化合物1質量部に対し、4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンを0.1〜2.5質量部の固形分換算質量比で含有することを特徴とする[1]に記載の感熱記録材料、
[3]一般式(1)の化合物が下記式(2)で表される化合物であることを特徴とする[1]または[2]に記載の感熱記録材料、
[4]一般式(2)において、R3がメチル基であることを特徴とする[3]に記載の感熱記録材料、
[5]発色性化合物が、フルオラン系化合物であることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の感熱記録材料、
[6][1]乃至[5]のいずれか一つに記載の感熱記録材料を含むことを特徴とする感熱記録層、
[7][6]に記載の感熱記録層を含むことを特徴とする感熱記録紙、
に関する。
本発明によれば、熱応答性に優れ、尚且つ印字部並びに地肌が高温環境下における耐熱保存性に優れた感熱記録材料を提供することができる。
本発明を実施形態に基づき詳細に説明するが、以下で示す実施形態によって限定されるものではない。
本発明は、顕色性化合物として上記一般式(1)で表される化合物と、増感剤として4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンを含む感熱記録材料、これを含む感熱記録層、及び感熱記録紙に関する。
本発明は、顕色性化合物として上記一般式(1)で表される化合物と、増感剤として4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンを含む感熱記録材料、これを含む感熱記録層、及び感熱記録紙に関する。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR1〜R5におけるハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子が好ましい。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR1〜R5におけるアルキル基として、直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基等が挙げられ、中でも直鎖または分岐鎖が好ましく、直鎖がより好ましい。その炭素数の範囲は通常C1〜C12であり、C1〜C8が好ましく、C1〜C6がより好ましく、C1〜C4がさらに好ましい。その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル等の直鎖のアルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソペンチル、イソヘキシル、イソオクチル等の分岐鎖のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の環状のアルキル基;等が挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR1〜R5におけるアルコキシ基として、直鎖、分岐鎖または環状のアルコキシ基等が挙げられ、中でも直鎖または分岐鎖が好ましく、直鎖がより好ましい。その炭素数の範囲は通常C1〜C12であり、C1〜C8が好ましく、C1〜C6がより好ましく、C1〜C4がさらに好ましい。その具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキシロキシ、n−ヘプトキシ、n−オクチロキシ、n−ノニロキシ、n−デシロキシ等の直鎖のもの;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、イソアミロキシ、t−アミロキシ、イソヘキシロキシ、t−ヘキシロキシ、イソヘプトキシ、t−ヘプトキシ、イソオクチロキシ、t−オクチロキシ、2−エチルヘキシロキシ、イソノニロキシ、イソデシロキシ等の分岐鎖(好ましくはC3〜C10)のもの;シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、シクロヘキシロキシ、シクロヘプトキシ等の環状(好ましくはC3〜C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基が挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR1〜R5におけるアリールオキシ基として、C6〜C12アリールオキシ基が好ましく、その具体例としては、フェノキシ、ナフチロキシ、ビフェニロキシ等が挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR1〜R5におけるアルキルカルボニルオキシ基として、直鎖、分岐鎖または環状のアルキルカルボニルオキシ基が挙げられ、C1〜C10アルキルカルボニルオキシ基が好ましく、その具体例としては、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ、n−ヘプチルカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ、n−ノニルカルボニルオキシ、n−デシルカルボニルオキシ等の直鎖のもの;イソプロピルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec−ブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、イソアミルカルボニルオキシ、t−アミルカルボニルオキシ、イソヘキシルカルボニルオキシ、t−ヘキシルカルボニルオキシ、イソヘプチルカルボニルオキシ、t−ヘプチルカルボニルオキシ、イソオクチルカルボニルオキシ、t−オクチルカルボニルオキシ、2−エチルヘキシルカルボニルオキシ、イソノニルカルボニルオキシ、イソデシルカルボニルオキシ等の分岐鎖(好ましくはC3〜C10)のもの;シクロプロピルカルボニルオキシ、シクロブチルカルボニルオキシ、シクロペンチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、シクロヘプチルカルボニルオキシ等の環状(好ましくはC3〜C7)のもの;中でも直鎖又は分岐鎖のアルキルカルボニルオキシ基が好ましく、直鎖のアルキルカルボニルオキシ基がより好ましい。);アリールカルボニルオキシ基、好ましくはC6〜C12アリールカルボニルオキシ基(具体例としては、フェニルカルボニルオキシ、ナフチルカルボニルオキシ、ビフェニルカルボニルオキシ)、等が挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR1〜R5におけるアルキルカルボニルアミノ基として、直鎖、分岐鎖または環状のアルキルカルボニルアミノ基が挙げられ、C1〜C10アルキルカルボニルアミノ基が好ましく、その具体例としては、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n−プロピルカルボニルアミノ、n−ブチルカルボニルアミノ、n−ペンチルカルボニルアミノ、n−ヘキシルカルボニルアミノ、n−ヘプチルカルボニルアミノ、n−オクチルカルボニルアミノ、n−ノニルカルボニルアミノ、n−デシルカルボニルアミノ等の直鎖のもの;イソプロピルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、sec−ブチルカルボニルアミノ、t−ブチルカルボニルアミノ、イソアミルカルボニルアミノ、t−アミルカルボニルアミノ、イソヘキシルカルボニルアミノ、t−ヘキシルカルボニルアミノ、イソヘプチルカルボニルアミノ、t−ヘプチルカルボニルアミノ、イソオクチルカルボニルアミノ、t−オクチルカルボニルアミノ、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ、イソノニルカルボニルアミノ、イソデシルカルボニルアミノ等の分岐鎖(好ましくはC3〜C10)のもの;シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘプチルカルボニルアミノ等の環状(好ましくはC3〜C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のアルキルカルボニルアミノ基、より好ましくは直鎖のアルキルカルボニルアミノ基が挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR1〜R5におけるアリールカルボニルアミノ基として、C6〜C12アリールカルボニルアミノ基が好ましく、その具体例としては、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ、ビフェニルカルボニルアミノ等が挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR1〜R5におけるアルキルスルホニルアミノ基として、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルスルホニルアミノ基が挙げられ、C1〜C10アルキルスルホニルアミノ基が好ましく、その具体例としては、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、n−プロピルスルホニルアミノ、n−ブチルスルホニルアミノ、n−ペンチルスルホニルアミノ、n−ヘキシルスルホニルアミノ、n−ヘプチルスルホニルアミノ、n−オクチルスルホニルアミノ、n−ノニルスルホニルアミノ、n−デシルスルホニルアミノ等の直鎖のもの;イソプロピルスルホニルアミノ、イソブチルスルホニルアミノ、sec−ブチルスルホニルアミノ、t−ブチルスルホニルアミノ、イソアミルスルホニルアミノ、t−アミルスルホニルアミノ、イソヘキシルスルホニルアミノ、t−ヘキシルスルホニルアミノ、イソヘプチルスルホニルアミノ、t−ヘプチルスルホニルアミノ、イソオクチルスルホニルアミノ、t−オクチルスルホニルアミノ、2−エチルヘキシルスルホニルアミノ、イソノニルスルホニルアミノ、イソデシルスルホニルアミノ等の分岐鎖(好ましくはC3〜C10)のもの;シクロプロピルスルホニルアミノ、シクロブチルスルホニルアミノ、シクロペンチルスルホニルアミノ、シクロヘキシルスルホニルアミノ、シクロヘプチルスルホニルアミノ等の環状(好ましくはC3〜C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR1〜R5におけるアリールスルホニルアミノ基として、C6〜C12アリールスルホニルアミノ基が好ましく、その具体例としては、フェニルスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ、ナフチルスルホニルアミノ、ビフェニルスルホニルアミノ等が挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR1〜R5におけるモノアルキルアミノ基として、直鎖、分岐鎖又は環状のモノアルキルアミノ基が挙げられ、モノC1〜C10アルキルアミノ基が好ましく、その具体例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、n−ヘプチルアミノ、n−オクチルアミノ、n−ノニルアミノ、n−デシルアミノ等の直鎖のもの;イソプロピルアミノ、イソブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、t−ブチルアミノ、イソアミルアミノ、t−アミルアミノ、イソヘキシルアミノ、t−ヘキシルアミノ、イソヘプチルアミノ、t−ヘプチルアミノ、イソオクチルアミノ、t−オクチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、イソノニルアミノ、イソデシルアミノ等の分岐鎖(好ましくはC3〜C10)のもの;シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロヘプチルアミノ等の環状(好ましくはC3〜C7)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR1〜R5におけるジアルキルアミノ基として、直鎖、分岐鎖又は環状のジアルキルアミノ基が挙げられ、ジC1〜C10アルキルアミノ基が好ましく、その具体例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、ジ−n−ブチルアミノ、ジ−n−ペンチルアミノ、ジ−n−ヘキシルアミノ、ジ−n−ヘプチルアミノ、ジ−n−オクチルアミノ、ジ−n−ノニルアミノ、ジ−n−デシルアミノ等の直鎖のもの;ジイソプロピルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジ−sec−ブチルアミノ、ジ−t−ブチルアミノ、ジイソアミルアミノ、ジ−t−アミルアミノ、ジイソヘキシルアミノ、ジ−t−ヘキシルアミノ、ジイソヘプチルアミノ、ジ−t−ヘプチルアミノ、ジイソオクチルアミノ、ジ−t−オクチルアミノ、ジ−(2−エチルヘキシル)アミノ、ジイソノニルアミノ、ジイソデシルアミノ等の分岐鎖(好ましくはC3〜C10の分岐鎖を2つ有する)のもの;ジシクロプロピルアミノ、ジシクロブチルアミノ、ジシクロペンチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ、ジシクロヘプチルアミノ等の環状(好ましくはC3〜C7の環状基を2つ有する)のもの;好ましくは直鎖又は分岐鎖のもの、より好ましくは直鎖のものが挙げられる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)のR1〜R5におけるアリールアミノ基として、モノアリールアミノ基又はジアリールアミノ基が挙げられ、モノC6〜C12アリールアミノ基が好ましく、その具体例としては、フェニルアミノ(アニリノ)、ナフチルアミノ、ビフェニルアミノ等が挙げられる。;同様にアリールアミノ基としてジC6〜C12アリールアミノ基としては、例えば、ジフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、ジ(ビフェニル)アミノ等が挙げられる。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記一般式(1)におけるR1〜R5はアルキル基または水素原子であり、直鎖のC1〜C4アルキル基または水素原子がさらに好ましく、メチル基または水素原子が特に好ましい。
また、本発明の好ましい実施形態によれば、上記一般式(1)におけるR1、R2、R4、及びR5は、水素原子であり、R3は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、またはアリールアミノ基であり、水素原子またはアルキル基がより好ましく、水素原子またはC1〜C8アルキル基(好ましくは直鎖アルキル基である)がさらに好ましく、水素原子またはC1〜C4アルキル基(好ましくは直鎖アルキル基である)が特に好ましく、メチル基が最も好ましい。
上記一般式(1)中のジフェニル尿素構造の一方のベンゼン環に結合する、下記一般式(3)で表される部分骨格の置換位置としては、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してオルト位、メタ位、またはパラ位が挙げられ、オルト位またはメタ位が好ましく、メタ位が特に好ましい。
本発明の好ましい実施形態によれば、顕色性化合物は、R1〜R5が、アルキル基または水素原子であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対して、オルト位またはメタ位である上記一般式(1)の化合物であり、より好ましくは、R1〜R5が、直鎖のC1〜C8アルキル基または水素原子であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してメタ位である上記一般式(1)の化合物であり、さらに好ましくは、R1〜R5が、直鎖のC1〜C4アルキル基または水素原子であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してメタ位である上記一般式(1)の化合物であり、特に好ましくは、R1〜R5が、メチル基または水素原子であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してメタ位である上記一般式(1)の化合物である。
また、本発明の他の好ましい実施形態によれば、顕色性化合物は、R1、R2、R4、及びR5は、水素原子であり、R3は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、またはアリールアミノ基であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してオルト位、メタ位、またはパラ位である上記一般式(1)の化合物であり、好ましくは、R1、R2、R4、及びR5は、水素原子であり、R3は水素原子またはアルキル基であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してオルト位またはメタ位である上記一般式(1)の化合物であり、より好ましくは、R1、R2、R4、及びR5は、水素原子であり、R3は直鎖のC1〜C8アルキル基または水素原子であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してメタ位である上記一般式(1)の化合物であり、さらに好ましくは、R1、R2、R4、及びR5は、水素原子であり、R3は直鎖のC1〜C4アルキル基または水素原子であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してメタ位である上記一般式(1)の化合物であり、特に好ましくは、R1、R2、R4、及びR5は、水素原子であり、R3はメチル基であり、一般式(3)で表される部分骨格の置換位置が、当該ベンゼン環上のアミノカルボニル基に対してメタ位である上記一般式(1)の化合物である。
本発明における一般式(1)で表される化合物としては、下表1に記載の具体例を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記一般式[1−2]の化合物は、塩基の存在下または不存在下、式[1−1]のアミノフェノールと以下の式[1−5]の酸ハロゲン化物または式[1−6]の酸無水物を反応させることにより製造することができる。
(式中、R1〜R5は、前記と同義である。)
この反応に用いられる酸ハロゲン化物または酸無水物の使用量は、式[1−1]のアミノフェノール1モルに対して、0.1〜50モル倍であり、1〜5モル倍が好ましい。
一般に、酸無水物は、上記一般式[1−4]で表される化合物を、五酸化リンまたはジシクロヘキシルカルボジイミド等と反応させることにより製造することができる。
この反応において所望により用いられる塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、および炭酸セシウム等の無機塩基;トリエチルアミン、ピリジン、およびジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。塩基の使用量は、式[1−1]のアミノフェノール1モルに対して0.1〜50モル倍、好ましくは1〜5モル倍であればよい。
一般式[1−3]の化合物は、塩基の存在下または不存在下、一般式[1−2]の化合物をイソシアン酸フェニルと反応させることにより製造することができる。この反応に用いられるイソシアン酸フェニルの使用量は、一般式[1−2]の化合物1モルに対して、通常0.1〜50モル倍であり、0.1〜5モル倍が好ましい。
この反応において所望により用いられる塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、および炭酸セシウム等の無機塩基;トリエチルアミン、およびジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。これらの塩基の使用量は、一般式[1−2]の化合物1モルに対して0.1〜50モル倍であり、1〜5モル倍が好ましい。
これら2つの製造工程で使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば、特に限定されないが、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、およびN−メチルピロリドン等のアミド化合物;塩化メチレンおよびクロロホルム等のハロゲン化炭化水素化合物;ベンゼン、トルエン、およびキシレン等の芳香族炭化水素化合物;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル化合物;アセトニトリル等のニトリル化合物;アセトンおよび2−ブタノン等のケトン化合物;酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル化合物;スルホラン等のスルホン化合物;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド化合物等が挙げられ、これらは単独または混合して使用してもよい。製造工程1では、必要により水を用いてもよい。
これら2つの製造工程の反応温度は、通常−78〜100℃であり、0〜80℃が好ましく、反応時間は通常10分〜24時間である。
本発明に用いられる化合物は、上記製造法の他にも、以下に示す公知の2つの製造方法を組み合わせることによっても合成できる。
[製造工程3]
上記一般式[2−1]の化合物は、塩基の存在下または不存在下、式[1−1]のアミノフェノールとイソシアン酸フェニルを反応させることにより製造することができる。この反応に用いられるイソシアン酸フェニルの使用量は、一般式[1−1]の化合物1モルに対して、通常0.1〜50モル倍であり、0.1〜5モル倍が好ましい。
[製造工程3]
この反応において所望により用いられる塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、および炭酸セシウム等の無機塩基;トリエチルアミン、ピリジン、およびジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。これらの塩基の使用量は、一般式[1−1]の化合物1モルに対して0.1〜50モル倍であり、1〜5モル倍が好ましい。
上記一般式[1−3]の化合物は、塩基の存在下または不存在下、式[2−1]の化合物と[1−5]で表される酸ハロゲン化物または[1−6]で表される酸無水物を反応させることにより製造することができる。
(式中、R1〜R5は、前記と同義である。)
(式中、R1〜R5は、前記と同義である。)
この反応に用いられる酸ハロゲン化物または酸無水物の使用量は、式[2−1]の化合物1モルに対して、0.1〜50モル倍であり、1〜5モル倍が好ましい。
この反応において所望により用いられる塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、および炭酸セシウム等の無機塩基;トリエチルアミン、ピリジン、およびジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。塩基の使用量は、式[2−1]の化合物1モルに対して0.1〜50モル倍、好ましくは1〜5モル倍であればよい。
これら2つの製造工程で使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば、特に限定されないが、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、およびN−メチルピロリドン等のアミド化合物;塩化メチレンおよびクロロホルム等のハロゲン化炭化水素化合物;ベンゼン、トルエン、およびキシレン等の芳香族炭化水素化合物;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル化合物;アセトニトリル等のニトリル化合物;アセトンおよび2−ブタノン等のケトン化合物;酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル化合物;スルホラン等のスルホン化合物;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド化合物等が挙げられ、これらは単独または混合して使用してもよい。製造工程4では、必要により水を用いてもよい。
これら2つの製造工程の反応温度は、通常−78〜100℃であり、0〜80℃が好ましく、反応時間は通常10分〜24時間である。
本発明による感熱記録材料は、顕色性化合物として上記一般式(1)で示される化合物、及び増感剤として4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンを含むが、通常、さらに典型的には無色ないし淡色の発色性化合物を含む。また、必要に応じて、その他の顕色性化合物や増感剤、並びに保存性向上剤、結合剤、充填剤、その他の添加物を含むことができる。これらの薬剤は、感熱記録層中に含有せしめてもよいが、多層構造からなる場合、例えば、感熱記録層の上部及び/又は下部にオーバーコート層(保護層)やアンダーコート層を設けた場合には、これらの各層に含有することができる。
本発明に用いられる発色性化合物は、一般に感圧記録紙や感熱記録紙に用いられるものであればよく、特に制限されない。本発明の一の実施形態において、発色性化合物として、例えばフルオラン系化合物、トリアリールメタン系化合物、スピロ系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、ラクタム系化合物、フルオレン系化合物、ビニルフタリド系化合物が挙げられ、フルオラン系化合物が好ましい。
フルオラン系化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N−エチル−N−(3−エトキシプロピル)アミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−フルオロアニリノ)フルオラン、3−[N−エチル−N−(p−トリル)アミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−エトキシエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルフルオラン、3−[N−エチル−N−(p−トリル)アミノ]−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、2−メチル−6−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン(RED520)、9−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)スピロ[ベンゾ[a]キサンテン−12,3’−フタリド](RED500)、2’−アニリノ−6’−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−キサンテン](S−205)、2’−アニリノ−6’−(N,N−ジペンタン−1−イルアミノ)−3’−メチル−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン(Black305)、2’−アニリノ−6’−(ジブチルアミノ)−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−キサンテン](Black400)、2’−アニリノ−6’−[N−エチル−N−(4−トリル)アミノ]−3’−メチル−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン(ETAC)、6−(ジエチルアミノ)−2−[(3−トリフルオロメチル)アニリノ]キサンテン−9−スピロ−3’−フタリド(Black100)、1−エチル−8−[N−エチル−N−(4−メチルフェニル)アミノ]−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロスピロ[11H−クロメノ[2,3、−g]キノリン−11,3’−フタリド](H−1046)、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−[4−(ジエチルアミノ)フェニル]−3−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン(Blue502)等が挙げられ、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランが好ましい。
トリアリールメタン系化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン又はCVL)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルアミノインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(Blue200)、3−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヘキシルオキシフェニル]−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(Blue203)、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル2−メチル−1H−インドール−3−イル)−4−アザフタリド(Blue220)、7−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−7−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)フロ[3,4−b]ピリジン−5(7H)−オン(Blue63)等が挙げられる。
スピロ系化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3’−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、1,3,3−トリメチル−6−ニトロ−8’−メトキシスピロ(インドリン−2,2’−ベンゾピラン)等;ジフェニルメタン系化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、4,4−ビス−ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等;チアジン系化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等;ラクタム系化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム等;フルオレン系化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロリジノフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロリジノフタリド等;ビニルフタリド系化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、3−[2,2−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)ビニル]−6−ジメチルアミノフタリド(H−3035)、3,3−ビス[2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ビニル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリド(NIR Black78)、等が挙げられる。これらの発色性化合物は単独もしくは混合して用いることができる。
本発明の一の実施形態では、一般式(1)で表される化合物に、他の顕色性化合物を組み合わせてもよい。このような顕色性化合物としては、特に制限されるものではないが、例えばベンゾトリアゾール誘導体、サッカリン誘導体、スルホンアミド誘導体、マロンアミド誘導体、チオ尿素誘導体、スルホニルウレア誘導体、アミノ基で置換されたジフェニルスルホン誘導体、芳香族カルボン酸誘導体等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、フェニル−6ベンゾトリアゾール、フェニル−5ベンゾトリアゾール、クロロ−5ベンゾトリアゾール、クロロ−5メチルベンゾトリアゾール、クロロ−5イソプロピル−7メチル−4ベンゾトリアゾール、ブロモ−5ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
サッカリン誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、サッカリン、1−ブロモサッカリン、1−ニトロサッカリン、1−アミノサッカリン等が挙げられる。
スルホンアミド誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、メタニルアニリド、N−フェニル−4−アミノベンゼンスルホンアミド、ネオウリロン、N−フェニル−3−ニトロベンゼンスルホンアミド、N−(4−メチル−2−ニトロフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(2−メトキシフェニル)−p−ルエンスルホンアミド、N−(4−トキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(2−クロロフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−メチルフェニル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド、N−(2−メチルフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−フェニルベンゼンスルホンアミド、4−ブロモ−4’−メチルベンゼンスルホンアニリド、N−(4−ブロモフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(3−ニトロフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ニトロフェニル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド、N−(4−メチルフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−フェニル−p−トルエンスルホンアミド、N−フェニルベンゼンスルホンアミド等が挙げられる。
マロンアミド誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、N,N’−ビス(2−ヒドロキシ−5−フェニル)フェニル−マロンアミド、N,N’−ジフェニルマロンアミド、N,N’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)マロンアミド、N,N’−ビス(2−アミノフェニル)マロンアミド、N,N’−ビス(m−トリフルオロメチルフェニル)マロンアミド、N,N’−ビス(m−トリフルオロメチルフェニル)α、α−ジクロロマロンアミド、ジエチルマロンジアニリド等が挙げられる。
チオ尿素誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、1,3−ビス(4−メチルフェニル)チオ尿素、1,3−ビスフェニルチオ尿素、1,3−ビス(4−クロロフェニル)チオ尿素、1,3−ビス(4−メトキシフェニル)チオ尿素、N,N′−ビス(3−クロロフェニル)チオ尿素、1,3−ビス(3−メトキシフェニル)チオ尿素、1,3−ビス(3−メチルフェニル)チオ尿素、1,3−ビス(4−ベンジルフェニル)チオ尿素、1,3−ビス(4−ブロモフェニル)チオ尿素、1−フェニル−3−ブチルチオ尿素、1−フェニル−3−エチルチオ尿素等が挙げられる。
スルホニルウレア誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(3−n−ブチルアミノスルホニルフェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(4−トリメチルアセトフェニル)尿素、N−(ベンゼンスルホニル)−N’−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(3−p−トルエンスルホニルフェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(3−フェニルスルホニルオキシフェニル)尿素、トルブタミド、クロルプロパミド等が挙げられる。
アミノ基で置換されたジフェニルスルホン誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、2−アミノジフェニルスルホン、2,2’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
芳香族カルボン酸誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシフタル酸ジベンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、5−ヒドロキシイソフタル酸エチル、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、芳香族カルボン酸又はその多価金属塩等が挙げられる。
本発明の一の実施形態においては、4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホン以外の増感剤(熱可融性化合物)を含んでもよく、増感剤(熱可融性化合物)の具体例としては、動植物性ワックス、合成ワックス等のワックス類や、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸アニリド、ナフタレン誘導体、芳香族エーテル、芳香族カルボン酸誘導体、芳香族スルホン酸エステル誘導体、炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体、ビフェニル誘導体、ターフェニル誘導体、スルホン誘導体、芳香族ケトン誘導体、芳香族炭化水素化合物等が挙げられる。
ワックス類は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、木ろう、カルナウバろう、シェラック、パラフィン、モンタンろう、酸化パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン等が挙げられ、高級脂肪酸は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、ステアリン酸、ベヘン酸等が挙げられ、高級脂肪酸アミドは、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられ、高級脂肪酸アニリドは、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、ステアリン酸アニリド、リノール酸アニリド等が挙げられ、ナフタレン誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、1−ベンジルオキシナフタレン、2−ベンジルオキシナフタレン、1−ヒドロキシナフトエ酸フェニルエステル、2,6−ジイソプロピルナフタレン等が挙げられ、芳香族エーテルは、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、1,2−ジフェノキシエタン、1,4−ジフェノキシブタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、1−フェノキシ−2−(4−クロロフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシメチルベンゼン、ジフェニルグリコール等が挙げられ、芳香族カルボン酸誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル等が挙げられ、芳香族スルホン酸エステル誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、p−トルエンスルホン酸フェニルエステル、フェニルメシチレンスルホナート、4−メチルフェニルメシチレンスルホナート、4−トリルメシチレンスルホナート等が挙げられ、炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)エステル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステル類等が挙げられ、ビフェニル誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、p−ベンジルビフェニル、p−アリルオキシビフェニル等が挙げられ、ターフェニル誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、m−ターフェニル等が挙げられ、スルホン誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、p−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアニリド、p−トルエンスルホンアニリド、ジフェニルスルホン等が挙げられ、芳香族ケトン誘導体は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、ジベンゾイルメタン等が挙げられ、芳香族炭化水素化合物は、特に限定されるものでは無いが、その具体例としては、p−アセトトルイジン等が挙げられる。
本発明の一の実施形態においては、保存性向上剤を含んでもよく、保存性向上剤の具体例としては、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリス(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウム又は多価金属塩、ビス(4−エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン等が挙げられる。例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリス(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウム又は多価金属塩、ビス(4−エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン、ウレアウレタン化合物(ケミプロ化成株式会社製顕色性化合物UU等)、及び下記式(4)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物もしくはそれらの混合物等が挙げられる。
(式中、aは0〜6の整数である。)
本発明の一の実施形態においては、結合剤を含んでもよく、結合剤の具体例としては、メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、セルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等の各種のけん化度、重合度のポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、デンプン及びその誘導体、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩、カゼイン、ゼラチン、水溶性イソプレンゴム、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソ(又はジイソ)ブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性のもの或は(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン/ブタジエン(SB)共重合体、カルボキシル化スチレン/ブタジエン(SB)共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル酸系共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン(NB)共重合体、カルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエン(NB)共重合体、コロイダルシリカと(メタ)アクリル樹脂の複合体粒子等の疎水性高分子エマルジョン等が挙げられる。
本発明の一の実施形態においては、充填剤を含んでもよく、充填剤の具体例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、無定形シリカ、ホワイトカーボン、タルク、クレー、焼成カオリン、珪藻土、合成珪酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料;尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、生澱粉粒子等の有機顔料等が挙げられる。
本発明の一の実施形態においては、上記以外の種々の添加剤を含むことができ、例えばサーマルヘッド磨耗防止、スティッキング防止等の目的でのステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、酸化防止あるいは老化防止効果を付与する為のフェノール誘導体、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等の紫外線吸収剤、各種の界面活性剤、消泡剤、等が挙げられる。
本発明では、感熱記録材料の各成分の組成比について特に制限はないが、本発明の一の実施形態によれば、感熱記録材料は、発色性化合物を通常1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%;上記一般式(1)で表される化合物を通常1〜70質量%、好ましくは10〜50質量%;増感剤を通常1〜80質量%、保存性向上剤を通常0〜30質量%、結合剤を通常1〜90質量%、充填剤を通常0〜80質量%、その他の滑剤、界面活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤は各々任意の割合で、例えば通常各々0〜30質量%含むことができる(質量%は感熱記録材料中に占める各成分の固形分換算質量比)。
本発明の好ましい実施形態では、一般式(1)で表される化合物を、発色性化合物1質量部に対して、通常0.5〜20質量部、より好ましくは1〜5質量部の固形分換算質量比で含み、4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンを、一般式(1)で表される化合物1質量部に対して、0.1〜2.5質量部の固形分換算質量比で含む。
次に、本発明の感熱記録材料及びこれを用いる感熱記録紙等の感熱記録シートの調製方法を説明する。本発明の一の実施形態によれば、感熱記録材料は、感熱記録層用塗液を用いて支持体上に塗布、乾燥することで、本発明の感熱記録材料を有する感熱記録シートを作製することができる。例えば、水を分散媒体とし、発色性化合物、および一般式(1)で表される化合物、4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンを、必要に応じて、結合剤およびその他の添加剤等と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル、高圧ジェットミル等の分散機にて粉砕、分散した分散液、必要に応じて、結合剤、充填剤、その他の添加物を混合・攪拌することにより調製された感熱記録層用塗液を、紙(普通紙、上質紙、コート紙等が使用出来る)、合成紙、ラミネート紙、古紙パルプ等の再生紙、フィルム、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布等の支持体上に、通常乾燥重量で1〜20g/m2になるように塗布、乾燥して本発明の感熱記録材料を有する感熱記録シートを作製することができる。
必要に応じて支持体と感熱記録層との間にアンダーコート層や、感熱記録層上にオーバーコート層(保護層)を設けても良い。アンダーコート層、オーバーコート層(保護層)は、例えば前記の結合剤あるいは必要に応じてその他の添加物と共に、感熱記録層材料塗布液の調製におけるのと同様に必要に応じて粉砕、分散してアンダーコート層用塗布液又はオーバーコート層(保護層)用塗布液とした後、乾燥時の重量で通常0.1〜10g/m2程度となるように塗布し、乾燥することにより本発明の感熱記録材料を有する感熱記録シートを作製することができる。
支持体上に前記の各塗液を塗布する方法としては、特に制限はないが、本発明の一の実施形態によれば、バーコーティング、エアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の既知の塗布方法のいずれを利用しても良い。また、各塗液は、1層ずつ塗布及び乾燥して各層を形成しても良く、同一の塗液を2層以上に分けて塗布しても良い。さらに、2つ以上の層を同時に塗布する同時多層塗布を行っても良い。
本発明の一の実施形態においては、記録感度を高めて、画像均一性を向上する観点から、各層を形成し終えた後、または全ての層を形成し終えた後の任意の過程で、スーパーカレンダーやソフトカレンダー等の既知の方法を用いて平滑化処理を行っても良い。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。実施例中「部」は質量部、「%」は質量%を意味する。
[合成例1]表1の化合物番号2の合成
[工程1]
25%苛性ソーダ水溶液52.8部中に3−アミノフェノール(東京化成工業)30.0部を加え攪拌し、65℃に昇温した。次いでp−トルエンスルホニルクロリド(東京化成工業)52.9部を添加し、同温度で1時間攪拌した後、析出物を濾別し、濾過物を水で洗浄し乾燥することで、上記化合物[1−2]を黄褐色固体として得た(34.1部)。
MS(ESI):[M+H]+:cal.:264.1,found:264.1。
[工程2]
DMF25部中に上記化合物[1−2]5.0部を加え攪拌し、次いでイソシアン酸フェニル(東京化成工業)2.3部を室温で滴下した。同温度で1時間攪拌した後、反応液を水250部中に滴下することで結晶を析出させた。析出物をジクロロメタン、水で順次洗浄し、乾燥することで、表1の化合物番号2を白色固体として4.1部得た。
MS(ESI):[M−H]−:cal.:381.1,found:381.1。
[工程1]
MS(ESI):[M+H]+:cal.:264.1,found:264.1。
[工程2]
MS(ESI):[M−H]−:cal.:381.1,found:381.1。
[実施例1] 感熱記録材料及びそれを含む感熱記録紙の作製
実施例1で得られた表1の化合物番号2を以下の組成でサンドグラインダーによりレーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置LA−950(株式会社堀場製作所社製)によるメディアン粒子径が0.8μmになるように粉砕、分散化して顕色性化合物の分散液[A]を調製した。
[A]液
表1に記載の化合物番号2 30.0部
スルホン変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスL−3266、日本合成株式会社製)の20%水溶液 15.0部
水 55.0部
実施例1で得られた表1の化合物番号2を以下の組成でサンドグラインダーによりレーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置LA−950(株式会社堀場製作所社製)によるメディアン粒子径が0.8μmになるように粉砕、分散化して顕色性化合物の分散液[A]を調製した。
[A]液
表1に記載の化合物番号2 30.0部
スルホン変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスL−3266、日本合成株式会社製)の20%水溶液 15.0部
水 55.0部
下記組成の混合物をサンドグラインダーによりレーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置LA−950(株式会社堀場製作所社製)によるメディアン粒子径が0.5μmになるように粉砕、分散化して発色性化合物の分散液[B]を調製した。
[B]液
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 30.0部
スルホン変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスL−3266、日本合成株式会社製)の20%水溶液 15.0部
水 55.0部
[B]液
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 30.0部
スルホン変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスL−3266、日本合成株式会社製)の20%水溶液 15.0部
水 55.0部
下記組成の混合物をサンドグラインダーによりレーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置LA−950(株式会社堀場製作所社製)によるメディアン粒子径が1μmになるように粉砕、分散化して増感剤の分散液[C]を調製した。
[C]液
4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホン 30.0部
スルホン変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスL−3266、日本合成株式会社製)の20%水溶液 15.0部
水 55.0部
[C]液
4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホン 30.0部
スルホン変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスL−3266、日本合成株式会社製)の20%水溶液 15.0部
水 55.0部
次いで、上記で得られた各液及び下記の薬剤を以下の組成で混合して感熱記録材料塗液を調製し、坪量50g/m2の上質紙上に乾燥時の発色性化合物の重量が0.5g/m2となるように塗布、乾燥した後、カレンダー処理をして、本発明の感熱記録材料を有する感熱記録紙を作製した。
[A]液 16.7部
[B]液 10.0部
[C]液 23.3部
67%炭酸カルシウム水分散液 12.0部
48%変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス 10.7部
37%ステアリン酸亜鉛水分散液 2.6部
水 34.5部
[A]液 16.7部
[B]液 10.0部
[C]液 23.3部
67%炭酸カルシウム水分散液 12.0部
48%変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス 10.7部
37%ステアリン酸亜鉛水分散液 2.6部
水 34.5部
[比較例1]
上記で得られた各液及び下記の薬剤を以下の組成で混合して感熱記録材料塗液を調製し、坪量50g/m2の上質紙上に乾燥時の発色性化合物の重量が0.5g/m2となるように塗布、乾燥した後、カレンダー処理をして、感熱記録紙を作製した。
[A]液 16.7部
[B]液 10.0部
67%炭酸カルシウム水分散液 6.8部
48%変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス 6.0部
37%ステアリン酸亜鉛水分散液 2.6部
水 54.0部
上記で得られた各液及び下記の薬剤を以下の組成で混合して感熱記録材料塗液を調製し、坪量50g/m2の上質紙上に乾燥時の発色性化合物の重量が0.5g/m2となるように塗布、乾燥した後、カレンダー処理をして、感熱記録紙を作製した。
[A]液 16.7部
[B]液 10.0部
67%炭酸カルシウム水分散液 6.8部
48%変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス 6.0部
37%ステアリン酸亜鉛水分散液 2.6部
水 54.0部
[比較例2]
実施例2の増感剤の分散液[C]調製において、4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンの代わりに1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタンを用いた以外は、実施例2と同様にして感熱記録紙を作製した。
実施例2の増感剤の分散液[C]調製において、4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンの代わりに1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタンを用いた以外は、実施例2と同様にして感熱記録紙を作製した。
[比較例3]
実施例2の増感剤の分散液[C]調製において、4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンの代わりに2−ベンジルオキシナフタレンを用いた以外は、実施例2と同様にして感熱記録紙を作製した。
実施例2の増感剤の分散液[C]調製において、4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンの代わりに2−ベンジルオキシナフタレンを用いた以外は、実施例2と同様にして感熱記録紙を作製した。
[動的発色感度試験]
作製した各感熱記録紙について、オオクラエンジニアリング株式会社製のサーマルプリンター(TH−M2/PP)を用いて印加エネルギー0.29mJ/dotにて印字し、印字部の光学濃度を反射濃度計(商品名:FD−7、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、測定方法:反射測定、照明条件:C、観察視野:2°、濃度白色基準:絶対値、にて測定した。数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示しており、熱応答性に優れることが分かる。
作製した各感熱記録紙について、オオクラエンジニアリング株式会社製のサーマルプリンター(TH−M2/PP)を用いて印加エネルギー0.29mJ/dotにて印字し、印字部の光学濃度を反射濃度計(商品名:FD−7、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、測定方法:反射測定、照明条件:C、観察視野:2°、濃度白色基準:絶対値、にて測定した。数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示しており、熱応答性に優れることが分かる。
[印字部の耐熱性試験]
作製した各感熱記録紙について、オオクラエンジニアリング株式会社製のサーマルプリンター(TH−M2/PP)を用いて印加エネルギー0.34mJ/dotにて印字した。印字した感熱記録紙を、ヤマト科学株式会社社製の送風定温恒温器(商品名 DKM600)を用いて90℃及び100℃下で1時間保持した。試験前後の印字部の光学濃度を反射濃度計(商品名:FD−7、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、測定方法:反射測定、照明条件:C、観察視野:2°、濃度白色基準:絶対値、にて測定した。下記式により印字部の残存率を算出した。残存率が高い程、印字部の耐熱性に優れていることが分かる。
残存率(%)=(試験後の印字部の反射濃度)/(試験前の印字部の反射濃度)×100
作製した各感熱記録紙について、オオクラエンジニアリング株式会社製のサーマルプリンター(TH−M2/PP)を用いて印加エネルギー0.34mJ/dotにて印字した。印字した感熱記録紙を、ヤマト科学株式会社社製の送風定温恒温器(商品名 DKM600)を用いて90℃及び100℃下で1時間保持した。試験前後の印字部の光学濃度を反射濃度計(商品名:FD−7、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、測定方法:反射測定、照明条件:C、観察視野:2°、濃度白色基準:絶対値、にて測定した。下記式により印字部の残存率を算出した。残存率が高い程、印字部の耐熱性に優れていることが分かる。
残存率(%)=(試験後の印字部の反射濃度)/(試験前の印字部の反射濃度)×100
[地肌の耐熱性試験]
作製した印字前の各感熱記録紙について、ヤマト科学株式会社社製の送風定温恒温器(商品名 DKM600)を用いて90℃及び100℃下で1時間保持した。試験前後の地肌の白色度を反射濃度計(商品名:FD−7、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、測定方法:反射測定、照明条件:C、観察視野:2°、濃度白色基準:絶対値、にて測定した。試験後の数値が大きい程好ましく、地肌の耐熱性に優れていることが分かる。
作製した印字前の各感熱記録紙について、ヤマト科学株式会社社製の送風定温恒温器(商品名 DKM600)を用いて90℃及び100℃下で1時間保持した。試験前後の地肌の白色度を反射濃度計(商品名:FD−7、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、測定方法:反射測定、照明条件:C、観察視野:2°、濃度白色基準:絶対値、にて測定した。試験後の数値が大きい程好ましく、地肌の耐熱性に優れていることが分かる。
下表2より明らかなように、顕色性化合物として一般式(1)で表される化合物と増感剤として4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンを含む本発明の感熱記録材料を含む感熱記録紙は、増感剤を含まない比較例1と比較して熱応答性が高く、従来公知の増感剤である1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタンを含む比較例2及び2−ベンジルオキシナフタレンを含む比較例3と比較しても遜色ない熱応答性(増感効果)を示している。また、90℃または100℃の高温環境下においても、印字部の残存率や地肌かぶりの程度が比較例1に比べ遜色なく、比較例2および3と比較して耐熱保存性に優れていることが分かる。
図1中、「――●――」は実施例1、「‐‐■‐‐」は比較例1、「――▲――」比較例2、「‐‐◆‐‐」は比較例3、をそれぞれ表す。
Claims (7)
- 支持体上に、発色性化合物及び顕色性化合物を主成分とする感熱記録層を設けて成る感熱記録材料において、該感熱記録層中に下記一般式(1)で表される化合物を顕色性化合物として含有し、且つ4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンを増感剤として含有することを特徴とする感熱記録材料。
- 一般式(1)で表される顕色性化合物1質量部に対し、4,4’−ジアリルオキシジフェニルスルホンを0.1〜2.5質量部の固形分換算質量比で含有することを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
- 一般式(2)において、R3がメチル基であることを特徴とする請求項3に記載の感熱記録材料。
- 発色性化合物が、フルオラン系化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の感熱記録材料を含むことを特徴とする感熱記録層。
- 請求項6に記載の感熱記録層を含むことを特徴とする感熱記録紙。
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