JP2006289929A - 多色感熱記録体 - Google Patents
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Abstract
、記録部の耐薬品性に優れ、高感度かつ耐熱性(地肌かぶり)に優れた多色感熱記録体を提供することにある。
【解決手段】 支持体上に、黒発色する染料前駆体と顕色剤とを含有する第1感熱発色
層を設け、更に第1感熱発色層上に有機高分子と黒発色する染料前駆体とからなる複合粒
子、複合粒子とは異なる色調に発色する染料前駆体からなる固体分散微粒子及び顕色剤を
含有する第2感熱発色層を設け、該第1感熱発色層中にジフェニルスルホン架橋型化合物を含有することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
また、多色記録系の高温発色層の顕色剤としてジフェニルスルホン架橋型化合物を使用する方法も開示されている(特許文献13を参照)。
一方、有機高分子と染料前駆体とからなる複合粒子を使用する方法(特許文献14、15、を参照)も開示されている。
かかるプラスチック樹脂粒子は、ポリスチレンを主体構造とする樹脂粒子であり、単量体としてはスチレンを主成分とし、αーメチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリロニトリル等のビニルシアン化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル化合物を使用してなる樹脂粒子である。また、その粒径は感度と画質の点で0.2〜3.0μm程度が好ましい。
本発明で使用されるプラスチック樹脂粒子の含有量は第1感熱発色層全固形量の5〜30質量%、好ましくは10〜20質量%であり、5質量%未満では耐薬品性改良効果が乏しく、30質量%を越えると発色能が低下するため好ましくない。
・下塗層用塗料の調製
吸油量110ml/100gの焼成カオリン88部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(固形分濃度:50%)20部、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲン7A、第一工業製薬社製)の5%水溶液20部、ポリアクリル酸ナトリウムの20%水溶液5部及び水190部を均一に混合して下塗層用塗液を得た。
3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン6部と、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン3部とを100℃に加熱したジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート9部に溶解し、この溶液を35℃に冷却後、同温度の8%ポリビニルアルコール(日本合成化学工業製、商標:ゴーセノールGM−14L)水溶液100部に徐々に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数8000rpm の攪拌によって乳化分散した後、この乳化分散液に水60部を加えて均一化した。この乳化分散液を90℃に昇温し、10時間の硬化反応を行わせた後、固形分濃度が20%となるように水を添加し、平均粒子径0.8μmの複合粒子分散液を得た。
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、スルホン変性ポリビニール(ゴーセランL−3266:日本合成化学工業製)の20%液 10部、水20部を縦型サンドミル(アイメックス(株)製、サンドグラインダー)を用いて、平均粒径が0.8μmとなるように粉砕、分散した。
3,3’−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド20部、スルホン変性ポリビニール(商品名:ゴーセランL−3266、日本合成化学工業製)の20%液 10部、水20部を縦型サンドミル(アイメックス(株)製、サンドグラインダー)を用いて、平均粒径が0.7μmとなるように粉砕、分散した。
N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア 20部、スルホン変性ポリビニール(商品名:ゴーセランL−3266、日本合成化学工業製)の20%液 10部、水30部を縦型サンドミル(アイメックス(株)製、サンドグラインダー)を用いて、平均粒径が1.2μmとなるように粉砕、分散した。
シュウ酸ジ−p−メチルベンジルとシュウ酸ジ−p−クロルベンジルの1:1の混合物(商品名:HS7150B、大日本インキ化学社製)20部、スルホン変性ポリビニール(商品名:ゴーセランL−3266、日本合成化学工業社製)の20%液 10部、水30部を縦型サンドミル(アイメックス(株)製、サンドグラインダー)を用いて、平均粒径が1.0μmとなるように粉砕、分散した。
前記一般式(1)で示された化合物(商品名:D−90、nが1〜7の合計含有比率が87質量%、日本曹達社製)20部、メチルセルロース5%水溶液5部および水25部からなる組成物を縦型サンドミル(アイメックス(株)製、サンドグラインダー)を用いて、平均粒径が1.0μmとなるように粉砕、分散した。
B液30部、D液20部、E液30部、F液50部、水酸化アルミニウム10部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、クラレ社製)の10%水溶液100部および水70部を均一に混合攪拌して第1感熱発色層用塗液を得た。
A液265部、C液30部、D液60部、E液30部、水酸化アルミニウム10部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、クラレ社製)の10%水溶液100部及び水70部を均一に混合攪拌して第2感熱発色層用塗液を得た。
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、日本合成化学工業社製)10%液100部、カオリン200部、ステリン酸亜鉛30%分散体(商品名:ハイドリンZ−7、中京油脂社製)10部及び水100部を均一に混合して保護層用塗液を得た。
坪量81.4g/m2の上質紙(紙面pH5.9)の片面に、下塗層用塗液、第1感熱発色層用塗液、第2感熱発色層用塗液及び保護層用塗液をそれぞれ乾燥後の塗布量が8g/m2、4g/m2、3g/m2、及び2g/m2となるように塗布乾燥して下塗層、第1感熱発色層、第2感熱発色層及び保護層を順次有する多色感熱記録体を得た後、スーパーカレンダーにて、感熱記録面のベック平滑度(JIS−P8119)が4000秒となるように平滑化処理し、多色感熱記録体を作製した。
実施例1の第1感熱発色層用塗液の調製において、D液50部およびF液20部とした以外は、実施例1と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例1の第1感熱発色層用塗液の調製において、D液50部およびF液5部とした以外は、実施例1と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例2のC液の調製において、赤紫色発色性染料前駆体の3、3’−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドの代わりに3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオランを使用した以外は、実施例2と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例2の第2感熱発色層用塗液に使用するD液の調製において、顕色剤のN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアの代わりに4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンを使用した以外は、実施例2と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例2の第1感熱発色層用塗液に使用するD液の調製において、顕色剤のN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアの代わりに4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンを使用した以外は、実施例2と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例2の第1感熱発色層用塗液に使用するD液の調製において、顕色剤のN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアの代わりにビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチルを使用した以外は、実施例2と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例2の第1感熱発色層用塗液の調製において、増感剤分散液(E液)を使用しなかった以外は、実施例2と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例2の第1感熱発色層用塗液に使用するB液の調製において、染料前駆体の3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランの代わりに3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを使用した以外は、実施例2と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例2のA液調製において、黒色発色性染料前駆体として3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン6部の代わりに3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを4部、3,3’−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリドを2部使用した以外は、実施例2と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例2の第1感熱発色層塗液調製において、水酸化アルミニウム10部の代わりに球状プラスチック粒子(商品名::グロスデール130S、三井化学製)を12部使用した以外は、実施例2と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例2の第1感熱発色層塗液調製において、水酸化アルミニウム10部の代わりに中空プラスチック樹脂粒子(商品名:AE851、JSR社製)を12部使用した以外は、実施例2と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例3の第1感熱発色層塗液調製において、水酸化アルミニウム10部の代わりに球状プラスチック粒子(商品名::グロスデール130S、三井化学製)を12部使用した以外は、実施例3と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例1の第1感熱発色層用塗液の調製において、D液50部およびF液2部とした以外は、実施例1と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例1で第1感熱発色層を設けなかった以外は、実施例2と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例2でF液を使用しなかった以外は、実施例2と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例2の第2感熱発色層用塗液の調製においてA液を使用しなかった以外は、実施例2と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例2の第2感熱発色層用塗液の調製においてA液を使用せず、B液の3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランの代わりに3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを用いた分散液60部を使用した以外は、実施例2と同様にして多色感熱記録体を作製した。
実施例1の第1感熱発色層用塗液の調製において、D液50部を使用せずF液70部とした以外は、実施例1と同様にして多色感熱記録体を作製した。
プリンター(機種名:バーラベ300、(株)サトー社製)を用いて、印加エネルギー:0.15mJ/dotで低温発色、更に0.27mJ/dotで高温発色をおこなった。なお、印字パターンはバーコードで行った。
◎:極めて濃度の高い黒発色が得られる。
○:濃度の高い黒発色が得られる。
△:黒発色濃度がやや低いが、実用上は問題ないレベルである。
×:黒発色濃度が低く、実用上問題ある。
◎:低温発色部は高温発色色調の混ざりも全く無く、低温発色(赤)が鮮明であり、2色分離性に特に優れていた。
○:低温発色部が高温発色色調の若干混ざった濁った発色であるが、低温発色(赤)の鮮明さは維持されており、2色分離性に優れていた。
△:低温発色部が高温発色色調の混ざった濁った発色であるが、2色の分離性は実用上は問題ないレベルである。
×:低温発色部が高温発色色相の混ざった濁った発色であり、2色の分離はできていなかった。
食用油を綿棒に付け、高温記録部上で10往復して1時間後ふき取り1週間後記録部を観察する。
◎:全く消えていない
○:殆ど消えていない
△:一部消色傾向が見られるが、実用上は問題ないレベルである。
×:殆ど記録部が消えている。
ポリプロピレンパイプ(直径40mm管)上に塩化ビニルラップフィルム(ハイラップSAS、三井化学プラテック製)を3重に巻きつけ、その上に、水道水に5秒間浸した上記印字試験の低温発色記録部および高温発色記録部を記録面が外になるようにのせ、更にその上に塩化ビニルラップフィルムを3重に巻きつけ、20℃で24時間放置後記録部を観察する。
◎:全く消えていない
○:殆ど消えていない
△:一部消色傾向が見られるが、実用上は問題ないレベルである。
×:殆ど記録部が消えている。
70℃の恒温槽に24時間放置し、試験後にマクベス濃度計(RD−914型、マクベス社製)でマゼンダフィルターを使用して地肌濃度を測定した。
Claims (10)
- 第1感熱発色層中に、更に球状プラスチック樹脂粒子及び中空プラスチック樹脂粒子より選ばれた少なくとも1種を含有させた請求項1に記載の多色感熱記録体。
- 第1感熱発色層中の顕色剤100質量部に対し一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物が5〜250質量部である請求項1または2に記載の多色感熱記録体。
- 第1感熱発色層の顕色剤が、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアである請求項1〜3のいずれか一項に記載の多色感熱記録体。
- 前記有機高分子が、ポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンより選ばれた少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか一項に記載の多色感熱記録体。
- 第2感熱発色層の顕色剤が、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアである請求項1〜5のいずれか一項に記載の多色感熱記録体。
- 第1感熱発色層の黒発色する染料前駆体の融点が200℃以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載の多色感熱記録体。
- 第2感熱発色層に含有される複合粒子とは異なる色調に発色する染料前駆体が3,3’−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドであり、第1感熱発色層および第2感熱発色層の顕色剤がN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアである請求項1〜7のいずれか一項に記載の多色感熱記録体。
- 第2感熱発色層に含有される複合粒子に用いられる染料前駆体が3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、及び3−ジ(n−ブチルアミノ)−7−(2−クロロアニリノ)フルオランから選ばれた少なくとも1種である請求項1〜8のいずれか一項に記載の多色感熱記録体。
- 第2感熱発色層に含有される複合粒子中に、更に3,3’−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリドを含有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の多色感熱記録体。
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