JP7286053B1 - 感熱記録組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
感熱記録法は他の記録法と比較して、(1)記録時に騒音が出ない、(2)現像、定着の必要がない、(3)メンテナンスフリーである、(4)機械が比較的安価である等の利点を有することから、ファクシミリ分野、コンピューターのアウトプット、電卓などのプリンター分野、医療計測用のレコーダー分野、自動券売機分野、感熱記録型ラベル分野等に広く用いられている。
また、N-(p-トルエンスルホニル)-N’-(3-p-トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素を含む感熱記録材料では、印字部の耐温水性は必ずしも充分なものではなく、地肌かぶりが生じ易く地肌の安定性も充分ではない。このため、これらの性能のさらなる向上が望まれている。
[1]発色剤と、顕色剤と、安定化剤とを含む感熱記録用組成物であって、該顕色剤として、N-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド又はN-(p-トルエンスルホニル)-N’-(3-p-トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素を含み、該安定化剤として、1,3-ジフェニル尿素を含む、感熱記録用組成物、
[2]前記発色剤として、トリアリールメタン化合物、フルオラン化合物、アザフタリド化合物及びフルオレン化合物から成る群より選択される1種以上の化合物を含む、[1]に記載の感熱記録用組成物、
[3]前記発色剤として、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(o,p-ジメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(シクロヘキシル-N-メチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-N-n-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(m-メチルアニリノ)フルオラン、3-N-n-ジブチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-(N-エチル-N-テトラヒドロフルフリルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-エトキシプロピルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソブチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-ジペンチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオランから成る群より選択される1種以上のフルオラン化合物を含む、[2]に記載の感熱記録用組成物、
[4]前記顕色剤の含有量が、前記発色剤の含有量に対して、質量比(顕色剤:発色剤)で、1:1~5:1である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の感熱記録用組成物、
[5]前記顕色剤の含有量が、前記1,3-ジフェニル尿素の含有量に対して、質量比(顕色剤:1,3-ジフェニル尿素)で、1:1~3:1である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の感熱記録用組成物、
[6]前記支持体上に、[1]から[5]のいずれか一項に記載の感熱記録用組成物から成る感熱記録層を有する、感熱記録材料、
[7]前記支持体が、上質紙、合成紙又はプラスチックフィルムである、[6]に記載の感熱記録材料、
[8]前記感熱記録層の単位面積当たりの質量が、1~20g/m2である、[6]又は[7]に記載の感熱記録材料、
[9]前記支持体と前記感熱記録層の間に、さらに有機顔料及び/又は無機顔料を含む下塗り層を有する、[6]乃至[8]のいずれか一項に記載の感熱記録材料、
[10]前記無機顔料が、吸油量が70~150ml/100gの吸油性無機顔料である、[9]に記載の感熱記録材料、
[11]前記無機顔料が、焼成カオリンである、[10]に記載の感熱記録材料、及び
[12]前記有機顔料が、(平均内径/平均外径)×100が50~99のプラスチック中空粒子である、[9]に記載の感熱記録材料、
に関する。
また、本発明による感熱記録材料は、N-(p-トルエンスルホニル)-N’-(3-p-トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素を含む従来の感熱記録材料に対して、熱応答性、地肌の安定性、ならびに印字部の耐温水性の点で改善された特性を有する。
本発明の感熱記録用組成物は、発色剤と顕色剤と安定化剤とを含み、顕色剤として、特定の顕色性化合物を含み、安定化剤として特定の安定化化合物を含む点を特徴とする。
発色性化合物の具体例としては、フルオラン化合物、トリアリールメタン化合物、スピロ化合物、ジフェニルメタン化合物、チアジン化合物、ラクタム化合物、フルオレン化合物及びビニルフタリド化合物等が挙げられ、フルオラン化合物、トリアリールメタン化合物、アザフタリド化合物又はフルオレン化合物が好ましく、フルオラン化合物がより好ましい。これらの発色性化合物は単独もしくは混合して用いることができる。
フルオラン化合物の具体例としては、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチル-N-シクロヘキシルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソペンチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソブチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-[N-エチル-N-(3-エトキシプロピル)アミノ]-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-ヘキシルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジペンチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチル-N-プロピルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-テトラヒドロフリルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(p-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(p-フルオロアニリノ)フルオラン、3-[N-エチル-N-(p-トリル)アミノ]-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(p-トルイジノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-フルオロアニリノ)フルオラン、3-ジブチルアミノ-7-(o-フルオロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(3,4-ジクロロアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロロ-7-エトキシエチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロロ-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-オクチルフルオラン、3-[N-エチル-N-(p-トリル)アミノ]-6-メチル-7-フェネチルフルオラン、2-メチル-6-(N-p-トリル-N-エチルアミノ)フルオラン(RED520)、9-(N-エチル-N-イソペンチルアミノ)スピロ[ベンゾ[a]キサンテン-12,3’-フタリド](RED500)、2’-アニリノ-6’-(N-エチル-N-イソペンチルアミノ)-3’-メチルスピロ[フタリド-3,9’-キサンテン](S-205)、2’-アニリノ-6’-(N,N-ジペンタン-1-イルアミノ)-3’-メチル-3H-スピロ[イソベンゾフラン-1,9’-キサンテン]-3-オン(Black305)、2’-アニリノ-6’-(ジブチルアミノ)-3’-メチルスピロ[フタリド-3,9’-キサンテン](Black400)、2’-アニリノ-6’-[N-エチル-N-(4-トリル)アミノ]-3’-メチル-3H-スピロ[イソベンゾフラン-1,9’-キサンテン]-3-オン(ETAC)、6-(ジエチルアミノ)-2-[(3-トリフルオロメチル)アニリノ]キサンテン-9-スピロ-3’-フタリド(Black100)、1-エチル-8-[N-エチル-N-(4-メチルフェニル)アミノ]-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロスピロ[11H-クロメノ[2,3、-g]キノリン-11,3’-フタリド](H-1046)、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-ブロモフルオラン及び3-[4-(ジエチルアミノ)フェニル]-3-(1-エチル-2-メチル-1H-インドール-3-イル)-1(3H)-イソベンゾフラノン(Blue502)等が挙げられ、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオランが好ましい。
トリアリールメタン化合物の具体例としては、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトンまたはCVL)、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)フタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-(1,2-ジメチルアミノインドール-3-イル)フタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-(2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-(2-フェニルインドール-3-イル)フタリド、3,3-ビス(1,2-ジメチルインドール-3-イル)-5-ジメチルアミノフタリド、3,3-ビス(1,2-ジメチルインドール-3-イル)-6-ジメチルアミノフタリド、3,3-ビス(9-エチルカルバゾール-3-イル)-5-ジメチルアミノフタリド、3,3-(2-フェニルインドール-3-イル)-5-ジメチルアミノフタリド、3-p-ジメチルアミノフェニル-3-(1-メチルピロール-2-イル)-6-ジメチルアミノフタリド、3-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド(Blue200)、3-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヘキシルオキシフェニル]-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド(Blue203)、3-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)-3-(1-エチル2-メチル-1H-インドール-3-イル)-4-アザフタリド(Blue220)及び7-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-7-(1-エチル-2-メチル-1H-インドール-3-イル)フロ[3,4-b]ピリジン-5(7H)-オン(Blue63)等が挙げられる。
スピロ化合物の具体例としては、3-メチルスピロジナフトピラン、3-エチルスピロジナフトピラン、3,3’-ジクロロスピロジナフトピラン、3-ベンジルスピロジナフトピラン、3-プロピルスピロベンゾピラン、3-メチルナフト-(3-メトキシベンゾ)スピロピラン及び1,3,3-トリメチル-6-ニトロ-8’-メトキシスピロ(インドリン-2,2’-ベンゾピラン)等が挙げられる。
ジフェニルメタン化合物の具体例としては、N-ハロフェニル-ロイコオーラミン、4,4-ビス-ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテル及びN-2,4,5-トリクロロフェニルロイコオーラミン等が挙げられる。
チアジン化合物の具体例としては、ベンゾイルロイコメチレンブルー及びp-ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等が挙げられる。
ラクタム化合物の具体例としては、ローダミンBアニリノラクタム及びローダミンB-p-クロロアニリノラクタム等が挙げられる。
フルオレン化合物の具体例としては、3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)-6’-ジメチルアミノフタリド、3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)-6’-ピロリジノフタリド及び3-ジメチルアミノ-6-ジエチルアミノフルオレンスピロ(9,3’)-6’-ピロリジノフタリド等が挙げられる。
ビニルフタリド化合物の具体例としては、3-[2,2-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)ビニル]-6-ジメチルアミノフタリド(H-3035)及び3,3-ビス[2-(4-ジメチルアミノフェニル)-2-(4-メトキシフェニル)ビニル]-4,5,6,7-テトラクロロフタリド(NIR Black78)等が挙げられる。
これら非フェノール系顕色化合物を含む従来の感熱記録材料では、熱応答性、ならびに印字部の耐油性、および耐可塑剤性、あるいは熱応答性、地肌の安定性、ならびに印字部の耐温水性の点で必ずしも充分な特性が得られていなかったが、本発明による感熱記録用組成物は、これら非フェノール系顕色化合物と共に1,3-ジフェニル尿素を安定化剤(保存性向上剤)として含有することで、これら従来の感熱記録材料に対して、熱応答性、ならびに印字部および地肌の安定性が改善された感熱記録材料を提供することができる。
尚、本発明の効果を損なわない範囲であれば、N-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドとN-(p-トルエンスルホニル)-N’-(3-p-トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素を顕色剤として併用してもよい。
式(1)中のaは0乃至6の整数である。
メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、セルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等の各種のけん化度、重合度のポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、澱粉及びその誘導体(例えば、酸化澱粉);スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸エステル類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩、カゼイン、ゼラチン、水溶性イソプレンゴム、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソ(またはジイソ)ブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子の水溶液またはエマルジョン、或いは
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、エチレン/酢酸ビニル共重合体、澱粉-酢酸ビニルグラフト共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン/ブタジエン(SB)共重合体、カルボキシル化スチレン/ブタジエン(SB)共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル酸系共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン(NB)共重合体、カルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエン(NB)共重合体、コロイダルシリカと(メタ)アクリル樹脂の複合体粒子等の疎水性高分子のエマルジョン等が挙げられる。
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、リトポン、タルク、クレイ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、珪藻土、酸化白土、ベントナイト、合成珪酸アルミニウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料;或いは
尿素-ホルマリン樹脂、スチレン-メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、生澱粉粒子等の有機顔料等が挙げられる。
本発明の感熱記録材料は、支持体と、当該支持体上に設けられた上述の感熱記録用組成物からなる感熱記録層とを備える。
支持体の材質及び形状は特に限定されないが、例えば、紙(例えば、普通紙、上質紙、コート紙、合成紙、ラミネート紙、古紙パルプ等の再生紙)、非発泡もしくは発泡プラスチック等の合成樹脂からなるフィルム及び不織布等が挙げられる。
支持体上に感熱記録層を設ける方法も特に限定されないが、例えば、水を分散媒体として用い、上述した発色性化合物、顕色性化合物および安定化剤として用いられる化合物を、それぞれ、ボールミル、アトライター、サンドミル又は高圧ジェットミル等の分散機で粉砕、分散して分散液を得、得られた各分散液、及び必要に応じて他の任意成分を混合して感熱記録用組成物の分散液を得、これを支持体上に塗布、乾燥して感熱記録層を作製することができる。感熱記録用組成物の分散液の塗布量は、特に制限はないが、乾燥後の感熱記録層の単位面積当たりの質量が1~20g/m2となる量とすることが好ましい。
吸油性無機顔料としては、各種のものが使用できるが、例えば、焼成カオリン、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、無定形シリカ、軽質炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。これらの吸油性無機顔料の一次粒子の平均粒子径は、0.01~5μmが好ましく、0.02~3μmがより好ましい。 吸油性無機顔料の含有量は、特に制限はなく広い範囲から選択できるが、一般にアンダーコート層の全固形分の2~95質量%が好ましく、5~90質量%がより好ましい。
プラスチック中空粒子としては、特に制限はないが、例えば、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に気体を含有して既に中空状となっている非発泡性のプラスチック中空粒子、或いは内部に低沸点溶媒の発泡剤を含有して加熱により発泡し中空が形成される粒子が挙げられる。また、プラスチック中空粒子としては、特に制限はないが、例えば、膜材がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、または塩化ビニリデン系樹脂等からなる中空粒子を例示できる。また、プラスチック中空粒子の中空率は通常50~99%である。ここで中空率は、(d/D)×100で求められる値であり、式中、dはプラスチック中空粒子の平均内径を示し、Dはプラスチック中空粒子の平均外径を示す。プラスチック中空粒子の平均粒子径は0.5~10μmが好ましく、1~4μmがより好ましく、1~3μmが更に好ましい。平均粒子径を10μm以下とすることにより、アンダーコート層用塗液をブレード塗布法で塗布する場合に、ストリークやスクラッチ等のトラブルの原因とならず、良好な塗布適性を得ることができる。ここで、本願明細書に記載するプラスチック中空粒子の平均内径(d)、および平均外径(D)は、プラスチック中空粒子を走査型電子顕微鏡で撮影して得られる電子顕微鏡写真を用いて、内径(中空粒子の中空部の直径)及び外径の値からそれぞれ算出され、内径および外径は、それぞれ個々の粒子の最長の径を選択して決定される。また、平均粒子径は、レーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置によるメディアン粒子径(D50値)をいう。
プラスチック中空粒子の含有量は、特に制限はなく広い範囲から選択できるが、一般にアンダーコート層の全固形分の2~90質量%が好ましい。
尚、実施例における分散液のメディアン粒子径は、レーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置 Microtrac MT3300EXII(マイクロトラック・ベル社製)により測定した。
[実施例1]
(工程1)顕色剤の分散液[A]の調製
下記組成の混合物をアシザワ・ファインテック社製ビーズミル(ラボスターミニLMZ015)により粉砕、分散化して、メディアン粒子径が0.7μmのN-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドの分散液[A]を調製した。
尚、N-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドは、特許文献3の記載を参照して合成した。
下記組成の混合物をアシザワ・ファインテック社製ビーズミル(ラボスターミニLMZ015)により粉砕、分散化して、メディアン粒子径が1.0μmの1,3-ジフェニル尿素の分散液[B]を調製した。
下記組成の混合物をアシザワ・ファインテック社製ビーズミル(ラボスターミニLMZ015)により粉砕、分散化して、メディアン粒子径が1.0μmの発色剤の分散液[C]を調製した。
上記で得られた各分散液[A]乃至[C]並びに炭酸カルシウム水分散液、ポリビニルアルコール水溶液およびステアリン酸亜鉛水分散液を以下の組成で混合して感熱記録用組成物の分散液を調製した。
坪量50g/m2の上質紙上に乾燥時の発色剤の単位面積当たりの質量が0.5g/m2となる量の工程4で得られた感熱記録用組成物の分散液を塗布、乾燥した後、カレンダー処理をして、感熱記録材料を作製した。この例では、顕色剤/1,3-ジフェニル尿素の質量比は、3/1である。
工程4において、[B]液の含有量を11.1部に、67%炭酸カルシウム水分散液の含有量を8.4部に、12%ポリビニルアルコール水溶液の含有量を22.5部に変更した以外は実施例1と同様にして、感熱記録用組成物の分散液を調製し、感熱記録材料を作製した。この例では、顕色剤/1,3-ジフェニル尿素の質量比は、3/2である。
工程4において、[B]液の使用量を16.7部に、67%炭酸カルシウム水分散液の使用量を9.7部に、12%ポリビニルアルコール水溶液の使用量を25.8部に変更した以外は実施例1と同様にして、感熱記録用組成物の分散液を調製し、感熱記録材料を作製した。この例では、顕色剤/1,3-ジフェニル尿素の質量比は、3/2である。
工程4において、[B]液の含有量を22.3部に、67%炭酸カルシウム水分散液の含有量を10.9部に、12%ポリビニルアルコール水溶液の含有量を29.2部に変更した以外は実施例1と同様にして、感熱記録用組成物の分散液を調製し、感熱記録材料を作製した。この例では、顕色剤/1,3-ジフェニル尿素の質量比は、3/4である。
実施例1乃至4のそれぞれの工程1におけるN-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを、N-(p-トルエンスルホニル)-N’-(3-p-トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素に変更した以外は実施例1乃至4と同様にして、実施例5乃至8の感熱記録用組成物の分散液を調製し、感熱記録材料作製した。これらの例では、顕色剤/1,3-ジフェニル尿素の質量比は、それぞれ、3/1、3/2、3/3、および3/4である。
尚、N-(p-トルエンスルホニル)-N’-(3-p-トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素は、特許文献4の記載を参照して合成した。
工程4において、[B]液を用いず、67%炭酸カルシウム水分散液の含有量を5.9部に、12%ポリビニルアルコール水溶液の含有量を15.8部に変更した以外は実施例1と同様にして、感熱記録用組成物の分散液を調製し、感熱記録材料を作製した。この例では、顕色剤/1,3-ジフェニル尿素の質量比は、3/0である。
工程1におけるN-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを、N-(p-トルエンスルホニル)-N’-(3-p-トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素に変更した以外は比較例1と同様にして、感熱記録用組成物の分散液を調製し、感熱記録材料を作製した。この例でも、顕色剤/1,3-ジフェニル尿素の質量比は、3/0である。
工程4において、[A]液を用いず、[B]液の含有量を16.7部に、67%炭酸カルシウム水分散液の含有量を5.9部に、12%ポリビニルアルコール水溶液の含有量を15.8部に変更した以外は実施例1と同様にして、比較用の感熱記録用組成物の分散液を調製し、感熱記録材料を作製した。この例では、顕色剤/1,3-ジフェニル尿素の質量比は、0/3である。
[動的発色感度試験機による印字発色]
実施例1乃至8及び比較例1乃至3で作製した各感熱記録材料について、オオクラエンジニアリング株式会社製のサーマルプリンター(TH-M2/PP)を用いて印加エネルギー0.39mJ/dotで印字を行い、印字部の光学濃度(OD値)を反射濃度計(商品名:FD-7、コニカミノルタ株式会社製)を用いて下記の条件で測定した。印字濃度の数値が大きい程、印字の濃度が高く、熱応答性に優れることを意味する。結果を表1及び表2に示した。
・測定条件
測定方法:反射測定
照明条件:C
観察視野:2°
濃度白色基準:絶対値
実施例1乃至8及び比較例1乃至3で得られた各感熱記録材料に、オオクラエンジニアリング株式会社製のサーマルプリンター(TH-M2/PP)を用いて印加エネルギー0.39mJ/dotで印字を行い、下記に示す各試験の処理条件での処理前後の印字部の光学濃度(OD値)及び地肌の白色度を反射濃度計(商品名:FD-7、コニカミノルタ株式会社製)を用いて測定した。光学濃度及び白色度の測定条件は上記「動的発色感度試験機による印字発色」における測定条件と同じである。
(1)耐湿熱性試験の処理条件
印字した各感熱記録材料を、東京理化器械株式会社製の恒温恒湿器(商品名:エンビロスKCL-2000A型)を用いて40℃、90%R.H.及び50℃、80%R.H.でそれぞれ144時間保持した。
(2)耐水性試験の処理条件
印字した各感熱記録材料を25℃の水中に24時間浸漬した。
(3)耐温水性試験の処理条件
印字したサンプルを40℃の温水中に24時間浸漬した。
(4)耐油性試験の処理条件
印字した各感熱記録材料の印字部上に、綿実油を2滴垂らして25℃で2時間放置した。
(5)耐ハンドクリーム性試験の処理条件
印字した各感熱記録材料の印字部上に、ハンドクリーム(ミネラルオイル、グリセリンを含む)を塗布し、25℃で4時間放置した。
(6)耐熱性試験の処理条件
印字した各感熱記録材料を、ヤマト科学株式会社製の送風定温恒温器(商品名:DKM-600)を用いて60℃、70℃または80℃でそれぞれ144時間、または90℃で24時間保持した。
(7)耐アルコール性試験の処理条件
印字した各感熱記録材料の上に、70%のエタノール水溶液を2滴垂らして30秒後に拭き取った。
(8)耐可塑剤性試験の処理条件
印字した各感熱記録材料に、塩化ビニルラップフィルム(可塑剤を含む)を1重に巻き付け、25℃で24時間保持した。
残存率(%)=(試験後の印字部の光学濃度)/(試験前の印字部の光学濃度)×100
ることが分かる。
Claims (12)
- 発色剤と、顕色剤と、安定化剤とを含む感熱記録用組成物であって、該顕色剤として、N-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド又はN-(p-トルエンスルホニル)-N’-(3-p-トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素を含み、該安定化剤として、1,3-ジフェニル尿素を含む、感熱記録用組成物。
- 前記発色剤として、トリアリールメタン化合物、フルオラン化合物、アザフタリド化合物及びフルオレン化合物から成る群より選択される1種以上の化合物を含む、請求項1に記載の感熱記録用組成物。
- 前記発色剤として、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(o,p-ジメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(シクロヘキシル-N-メチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-N-n-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(m-メチルアニリノ)フルオラン、3-N-n-ジブチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-(N-エチル-N-テトラヒドロフルフリルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-エトキシプロピルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソブチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン及び3-ジペンチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオランから成る群より選択される1種以上のフルオラン化合物を含む、請求項2に記載の感熱記録用組成物。
- 前記顕色剤の含有量が、前記発色剤の含有量に対して、質量比(顕色剤:発色剤)で、1:1~5:1である、請求項1~3のいずれか一項に記載の感熱記録用組成物。
- 前記顕色剤の含有量が、前記1,3-ジフェニル尿素の含有量に対して、質量比(顕色剤:1,3-ジフェニル尿素)で、1:1~3:1である、請求項1~3のいずれか一項に記載の感熱記録用組成物。
- 支持体上に、請求項1に記載の感熱記録用組成物から成る感熱記録層を有する、感熱記録材料。
- 前記支持体が、上質紙、合成紙又はプラスチックフィルムである、請求項6に記載の感熱記録材料。
- 前記感熱記録層の単位面積当たりの質量が、1~20g/m2である、請求項6又は7に記載の感熱記録材料。
- 前記支持体と前記感熱記録層の間に、さらに有機顔料及び/又は無機顔料を含むアンダーコート層を有する、請求項6に記載の感熱記録材料。
- 前記無機顔料が、吸油量が70~150ml/100gの吸油性無機顔料である、請求項9に記載の感熱記録材料。
- 前記無機顔料が、焼成カオリンである、請求項10に記載の感熱記録材料。
- 前記有機顔料が、(平均内径/平均外径)×100が50~99のプラスチック中空粒子である、請求項9に記載の感熱記録材料。
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