JP2009255569A - 感熱記録体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料と電子受容性顕色剤とを含有する感熱発色層を設けた感熱記録体において、第一電子受容性顕色剤としてパラヒドロキシ安息香酸エステル及び第二電子受容性顕色剤としてフェノールノボラック系の顕色剤を含有し、第二電子受容性顕色剤に対する第一電子受容性顕色剤の重量比が1より大きく4以下とする。
【選択図】なし
Description
各種チケット用、レシート用、ラベル用、銀行のATM用、ガスや電気の検針用、車馬券などの金券用などに感熱記録体が使用された場合、長期間フィルムや合成皮などに接した状態で保管しても印字部の読み取り適性に問題を生じない耐可塑剤性や長時間日光にさらされても消色しない耐光性や耐熱性が求められている。
そのため、顕色剤としてフェノール性縮合物(特許文献1)を使用したり、このフェノール性縮合物を他の顕色剤、増感剤、安定剤などと併用する技術(特許文献2)等が開示されている。
即ち、本発明は、支持体上に無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料と電子受容性顕色剤とを含有する感熱発色層を設けた感熱記録体であって、該感熱発色層が、第一電子受容性顕色剤として下記一般式
パラヒドロキシ安息香酸エステル及びフェノールノボラック系化合物は、それぞれ耐熱性が良好であるが耐可塑剤性に課題がある顕色剤として知られているが、本願発明の感熱発色層においては、フェノールノボラック系化合物(第二電子受容性顕色剤)に対してパラヒドロキシ安息香酸エステル(第一電子受容性顕色剤)を過剰量用いることにより、特にフェノールノボラック系化合物に対するパラヒドロキシ安息香酸エステルの重量比が1より大きく4以下となるように共存させることにより、顕色剤と塩基性染料との反応生成物である電子移動錯体の安定性が高くなり、それぞれ単独での使用では問題のあった耐可塑剤性が向上し、本発明の感熱記録体の画像部が耐可塑剤性に優れることとなったと考えられる。
この低級アルキル基としては、炭素数が好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
このアラルキル基としては、ベンジル基やフェネチル基等が挙げられ、上記低級アルキル基を置換基として有していてもよく、α−メチルベンジル基、クミル基等が好ましく、α−メチルベンジル基が更に好ましい。
アリール基としては、フェニル基が好ましく、上記低級アルキル基を置換基として有していてもよい。
アルケニル基としては、炭素数が好ましくは1〜4であり、アリル基、プロペニル基、1−メチルビニル基等が挙げられる。
この低級アルキル基としては第3級低級アルキル基が好ましく、更にこの炭素数は好ましく1〜5、より好ましくは1〜4である。この低級アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、t−アミル等が挙げられる。
このアルコキシ基の炭素数は好ましくは1〜5であり、アルコキシ基として、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ等が挙げられる。
このアリール基としては、例えば、フェニル、トリル、ナフチル等、好ましくはフェニル基が挙げられ、アラルキル基としては、α−メチルベンジル、クミル等が挙げられる。
このアルキル基の炭素数は1〜5が好ましく、特に好ましくは炭素数が1〜4であり、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル等が挙げられる。
また、このアリール基は、例えば、フェニル、トリル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
mは0〜3、好ましくは1〜3、より好ましくは1を表す。mが1〜3の場合、R2がフェノール基の水酸基のm−位またはp−位に結合しているのが好ましく、R2がフェノール基の水酸基のp−位に結合しているのがより好ましい。
一般式(化2)で表される縮合組成物は、2核縮合物であるか、または、2核縮合物を主体とし、さらに3〜5核縮合物のうちの少なくとも1種を含む縮合組成物であるのが好ましく、特に好ましくは2核縮合物を主体とし、さらに3〜5核縮合物のうちの少なくとも1種を含む縮合組成物である。なお、ここで、「3〜5核縮合物のうちの少なくとも1種」とは、3核縮合物のみ、3核縮合物と4核縮合物の2種、または、3核縮合物と4核縮合物と5核縮合物の3種のいずれかを意味し、「2核縮合物を主体とし」とは、縮合組成物を構成する縮合物のうちでも2核縮合物の割合が最も多いことを意味する。なお、本発明において、一般式(化2)で表される縮合組成物は、本発明の目的が阻害されない範囲であれば、不純物である一般式(化2)におけるnが4以上の縮合物(6核体以上の縮合物)が共存する状態で使用されてもよい。
かかる縮合組成物においては、2核縮合物の含有量は40〜99%が好ましく、より好ましくは45〜98%であり、とりわけ好ましくは50〜80%である。なお、ここでの「%」は高性能液体クロマトグラフィー分析結果における「面積%」を意味する。
混合縮合物における2核縮合物の含量が40%未満になったり、99%を超えたりすると、目的とする感熱記録体の感度、発色画像及び地肌の保存安定性の向上効果が十分に発現しにくくなる。
本発明で使用する上記一般式(化2)で表される縮合組成物としては、例えば、エーピーアイコーポレーション社製のトミラック224(商品名)等のアルキルフェノールホルマリン縮合物を好適に用いることができる。このアルキルフェノールホルマリン縮合物は、例えば、国際公開第2002/098674号パンフレット記載の方法、即ち、置換フェノール類とケトン化合物あるいはアルデヒド化合物を酸触媒(例えば、塩酸、p−トルエンスルホン酸等)存在下で反応させる等公知の合成方法により、容易に得ることができる。反応は、原料及び反応生成物を溶解し得るとともに反応に不活性な適当な有機溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、トルエン、クロロホルム、ジエチルエーテル、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジエチルケトン、エチルメチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等)中で、反応温度0〜150℃で数時間から数十時間行われる。反応後、未反応の置換フェノール類を蒸留にて除去することにより、収率よく得ることができる。
ケトン化合物及びアルデヒド化合物の具体的な例としては、ジメチルケトン、ジエチルケトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、ホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕;3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン;3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン;3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン;3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン;3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン;
3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン;3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン;3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン;3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン;3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン;3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン;3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン;3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン;3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン;3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン;2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン;2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン;2,4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
3,6,6'−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕;3,6,6'−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド;3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド;3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド;3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド;3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド;3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド;3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド;3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3'−ニトロ)アニリノラクタム;3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4'−ニトロ)アニリノラクタム;1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン;1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン;1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン;ビス−〔2,2,2',2'−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
本発明の感熱記録体には、バインダーとして重合度が200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロール、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、カゼイン、アラビヤゴム、酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、エステル化澱粉、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロース及びそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロ樹脂等を例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン類、エステル類、炭化水素などの溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することも出来る。
本発明で使用する顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機又は有機充填剤などが挙げられる。
本発明で使用する滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類などが挙げられる。
このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
顕色剤のうち、第一の顕色剤と第二の顕色剤の割合は好ましくは50重量%以上であり、全て第一の顕色剤と第二の顕色剤であることが最も好ましい。第二の顕色剤に対する第一の顕色剤の重量比は1より大きく4以下である。
好ましくは、第二の顕色剤に対する第一の顕色剤の重量比は1.1以上3.8以下、より好ましくは1.2以上3.6以下、特に好ましくは1.25以上3.5以下である。第二の顕色剤に対する第一の顕色剤の重量比が、上記範囲外である場合は、耐可塑剤性が低下する可能性がある。
本発明の感熱発色層の形成方法は、特に制限はなく、一般に知られている方法により形成することができる。例えば、上記塗液(感熱発色層用塗液)を調製し、該塗液を支持体上に塗布して塗膜を形成後、乾燥することによって形成することができる。
支持体としては、その形状、構造、大きさ、材料等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。形状としては、例えば、シート状、ロール状、平板状などが挙げられる。構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、大きさとしては、目的とする感熱記録材料の用途等に応じて適宜選択することができる。材料としては、例えば、プラスチックフィルム、合成紙、上質紙、古紙パルプ、再生紙、片艶紙、耐油紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、微塗工紙、樹脂ラミネート紙、剥離紙などが挙げられる。またこれらを組み合わせた複合シートを支持体として使用してもよい。
支持体の厚み(総厚み)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、30〜2,000μmが好ましく、50〜1,000μmがより好ましい。
該保護層としては、顔料と樹脂を主成分とすることが多く、例えば、ポリビニルアルコールや澱粉などの水溶性高分子が主成分として用いられる。
本発明において、保護層にカルボキシル基含有樹脂、特にカルボキシ変性ポリビニルアルコールとエピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン系樹脂/ポリアミド系樹脂を含有させることは、耐熱性、耐水性、耐湿熱性の点から望ましい。この理由は、次のように推測される。
カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基と、架橋剤であるエピクロロヒドリン系樹脂のアミンあるいはアミド部分の架橋反応(第1の耐水化)が起こる。次に、カルボキシル基含有樹脂とエピクロロヒドリン系樹脂で形成された親水性の架橋部位とポリアミン系樹脂/ポリアミド系樹脂の親水性部位とが引き合うため、この架橋部位はポリアミン系樹脂/ポリアミド系樹脂の疎水性基を外側にして包まれた状態、つまり親水性のある架橋部位が疎水性基で水から保護された状態(第2の耐水化)となる。このように、保護層に使用している樹脂と架橋剤との反応部位に、より高い疎水性を付与することにより、良好な耐水性、耐湿性が得られると推測される。
また、カルボキシ変性ポリビニルアルコールとエピクロロヒドリン系樹脂の架橋反応によって、3次元的な構造を有し、また、保護層に顔料を含有させた場合にはカチオン性であるポリアミン系樹脂/ポリアミド系樹脂がアニオン性の顔料に対して分散効果を発現するため、従来技術に比べてポーラスな層になると考えられる。このため、耐熱性の低い材料の溶融物が保護層中の空隙に吸着されるため、優れた印字走行性(耐ヘッドカス性、耐スティッキング性)も発現することができる。
なお、本発明の保護層には、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン系樹脂/ポリアミド系樹脂を併用することが望ましい。各々単独で使用した場合、十分な耐水性を得ることはできない上、ブロッキングなどの弊害が生じる。またその他一般的な架橋剤、例えばグリオキザールとエピクロロヒドリン系樹脂又はポリアミン系樹脂/ポリアミド系樹脂の併用では、十分な耐水性を得ることはできない。
さらに、本発明に使用されるカルボキシ変性ポリビニルアルコールは、ハーキュレス粘度が低い、すなわち回転力(シェア)がかかっている状態での流動性が高く、シェアの低いところでは不動化しやすい。そのため、塗工時には塗液が滑らかに延び、塗工後はすぐに固化し均質で凹凸のない塗工層が形成される結果、印字される画像の画質及び感度が向上するものと考えられる。また、カルボキシ変性ポリビニルアルコールは保水性が高いことから、支持体へのバインダーの浸透を抑えることができ、この効果によっても凹凸のない塗工層が形成されるため、画質及び感度が向上するものと推測される。
本発明に使用されるカルボキシ変性ポリビニルアルコールの重合度及び鹸化度は、塗料の保水性や塗工層の表面強度の点から、適宜選択して用いることができる。
本発明の保護層に使用する各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、顔料100重量部に対してポリビニルアルコールが10〜500重量部、ポリビニルアルコール100重量部に対して架橋剤成分が1〜100重量部を使用することが好ましい。
本発明において保護層に使用できる顔料はカオリン、(焼成)カオリン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ケイソウ土、タルク等を使用することが可能である。本発明において、保護層中の顔料及びバインダーの含有量は、顔料100重量部に対しバインダーは固形分で30〜300重量部程度である。
本発明の感熱記録材料においては、発色感度をさらに高める目的で、顔料や高分子物質等を含有するアンダー層を感熱発色層の下に設けることもできる。また、支持体の感熱発色層とは反対側の面にバックコート層を設け、カールの矯正を図ることも可能である。支持体と感熱発色層の間、感熱発色層と保護層間、更に支持体とバック層間に中間層(断熱層)を形成してもよい。また、各層の塗工後にスーパーカレンダーがけなどの平滑化処理を施すなど、感熱記録材料分野における各種公知の技術を必要適宜付加することができる。
以下の実施例及び比較例においては、支持体の片面にアンダー層、感熱発色層(記録層)及び保護層を形成し、他面にバック層を形成した。
感熱記録体の各塗工層に用いた塗液を以下のように調製した。
尚、説明中、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
また、第二顕色剤(一般式(化2)で表わされる縮合組成物)の組成は、下記条件での高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による分析で求めたものであり、構成成分のトータル面積を100とした時の、各構成成分の面積%による比率を示し、その他の不純物は含んでいない。
カラム:Inertsil ODS-2(粒径:5μm、カラム:4.6mmφ×15cm)、溶離液:アセトニトリル:0.05vol%リン酸水溶液=98:2(vol)、流速:0.8mL/min、波長:280nm、注入量:1.0μL、カラム温:40℃、分析時間:25min、サンプル濃度:約2500ppm
−焼成カオリン(BASF社製、商品名:アンシレックス90) 90.0部
−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(固形分50%) 10.0部
−水 50.0部
上記組成よりなる混合物を混合攪拌してアンダー層塗液を調成した。
下記のA液〜D液を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径が0.5μmになるまで湿式磨砕を行った。
A液(第一顕色剤分散液)
パラヒドロキシ安息香酸ベンジル(エーピーアイコーポレーション社、商品名:BZ) 6.0部
−ポリビニルアルコール 10%水溶液 5.0部
−水 1.5部
B液(第二顕色剤分散液)
−アルキルフェノールホルマリン縮合物(エーピーアイコーポレーション社製、商品名:トミラック224) 6.0部
−ポリビニルアルコール 10%水溶液 5.0部
−水 1.5部
C液(塩基性無色染料分散液)
−3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成社製、商品名:ODB−2) 6.0部
−ポリビニルアルコール 10%水溶液 5.0部
−水 1.5部
D液(増感剤分散液)
−1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製、商品名:KS232) 6.0部
−ポリビニルアルコール 10%水溶液 5.0部
−水 1.5部
A液とB液の合計(顕色剤分散液) 36.0部
C液(染料分散液) 18.0部
D液(増感剤分散液) 36.0部
シリカ(水澤化学社製、商品名:P537 25%分散液) 17.5部
ポリビニルアルコール(10%溶液) 25.0部
−水酸化アルミニウム50%分散液
(商品名:マーティフィンOL、マーティンスベルグ社製) 9.0部
−カルボキシル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:KL318<重合度:約1700、鹸化度:95〜99モル%>)10%水溶液 30.0部
−ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製商品名:WS4030、固形分25%<カチオン化度:2.7、分子量:220万、4級アミン>) 4.0部
−変性ポリアミン系樹脂(住友化学社製商品名:スミレーズレジンSPI−102A、固形分45%) 2.2部
−ステアリン酸亜鉛(中京油脂社製商品名:ハイドリンZ−7−30、固形分30%) 2.0部
上質紙(47g/m2の基紙)の片面にアンダー層塗液をマイヤーバーで10.0g/m2になるように塗工・乾燥(送風乾燥機、60℃、2分間)し、アンダー塗工紙を得た。
一方、感熱発色層塗液のA液を28部、B液を8部として用意し、このアンダー塗工紙のアンダー層上にこの感熱発色層塗液を塗工量6.0g/m2となるように塗工・乾燥(送風乾燥機、60℃、2分間)した。
このシートをスーパーカレンダーで平滑度が500〜1000秒になるように処理して各感熱記録体を得た。
実施例2
感熱発色層塗液のA液を20部、B液を16部に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
実施例3
実施例2のシリカ配合部数を7.5部として感熱記録体を作製し、その上に保護層塗液を塗工量3g/m2になるように塗工・乾燥(送風乾燥機、60℃、2分間)し、感熱記録体を作製した。
感熱発色層塗液のA液を32部、B液を4部に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
比較例2
感熱発色層塗液のA液を15部、B液を21部に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
比較例3
感熱発色層塗液のA液を4部、B液を32部に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
上記で得た各感熱記録体について次のような評価を行った。
<印字濃度>
大倉社製感熱プリンタTH−PMD印加エネルギー0.35mJ/dotで市松模様を印字し、発色部をマクベス濃度計で測定した。
<耐可塑剤性>
上記のように印字した感熱記録体の表裏にダイヤラップ(三菱樹脂社製)を接触させ40℃、90%の環境下に24時間放置した後、発色部印字濃度を測定し、試験前後の値から残存率を算出した。
残存率=(試験後の印字部濃度)/(試験前の印字部濃度)×100(%)
◎:残存率が90%以上
○:残存率が75%以上90%未満
△:残存率が50%以上75%未満
×:残存率が50%未満
<耐熱性>
白紙サンプルを80℃環境下で24時間放置し、試験前後の発色濃度を測定し、地色発色値を求めた。
地色発色値=試験後の発色濃度−試験前の濃度
◎:地色発色値が0.1未満
○:地色発色値が0.1以上0.3未満
△:地色発色値が0.3以上0.5未満
×:地色発色値が0.5以上
Claims (4)
- 支持体上に無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料と電子受容性顕色剤とを含有する感熱発色層を設けた感熱記録体であって、該感熱発色層が、第一電子受容性顕色剤として下記一般式
- 前記感熱発色層上に保護層を有し、該保護層が(a)カルボキシル基含有樹脂、(b)エピクロロヒドリン系樹脂、及び(c)ポリアミン系樹脂/ポリアミド系樹脂を含有する請求項1に記載の感熱記録体。
- 前記(c)ポリアミン系樹脂/ポリアミド系樹脂が、ポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアミンポリ尿素系樹脂、変性ポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、又はポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂である請求項2に記載の感熱記録体。
- 前記(a)カルボキシル基含有樹脂がカルボキシル変性ポリビニルアルコールである請求項2又は3に記載の感熱記録体。
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- 2009-03-27 JP JP2009078895A patent/JP2009255569A/ja active Pending
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