JP2007210328A - 感熱記録体 - Google Patents

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潤 牧原
Akito Ogino
明人 荻野
Junpei Natsui
純平 夏井
Naoki Negishi
直希 根岸
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Abstract

【課題】バーコード読み取り適性に問題を生じない、画像部の耐熱性、耐水性及び耐湿熱性に優れた感熱記録体を提供する。
【解決手段】感熱発色層に、特定の電子受容性顕色剤及び特定のジフェニルスルホン架橋型化合物から成る安定剤を含有させる。電子受容性顕色剤として下記一般式
Figure 2007210328

で表される縮合組成物を例示する。
【選択図】なし

Description

この発明は、塩基性無色染料と顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関し、特に画像部の耐熱性、耐水性及び耐湿熱性に優れた感熱記録体に関する。
一般に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料(以下、染料という)と染料と加熱した時に反応して発色させる電子受容性顕色剤(以下、顕色剤という)とを主成分とする感熱発色層を有する感熱記録体は、広く実用化されている。この感熱記録体に記録を行うには、サーマルヘッドを内蔵したサーマルプリンター等が用いられる。この感熱記録方式は、従来実用化された他の記録方式に比べて、記録時に騒音がない、現像定着の必要がない、メンテナンスフリーである、機器が比較的安価である、コンパクトである、得られた発色が非常に鮮明であるといった特徴があり、ファクシミリ、コンピューターの端末プリンター、自動券売機、計測用レコーダー、屋外で使用されるハンディターミナルなどに広範囲に使用されている。この感熱記録体の用途としては、前述した各種機器の出力用紙のほか、高保存性が要求される金券用紙などの分野においても使用されるようになっていている。
各種チケット用、レシート用、ラベル用、銀行のATM用、ガスや電気の検針用、車馬券などの金券用などに感熱記録体が使用された場合、雨による水分や湿気、日光、高温状態となる真夏の車内など環境下において、バーコード読み取り適性に問題を生じない、画像部の耐熱性、耐水性、耐湿熱性などの保存性が求められてきている。
画像部の保存性を向上させる方法として、一般的に感熱発色層上に保護層を設けることはよく知られているが、この他に、特定の顕色剤や特定の安定剤を使用したり(特許文献1、2)、特定の増感剤と特定の安定剤を組み合わせて用いることにより(特許文献3)、画像部の保存安定性を向上させる技術が開示されている。
特開2003−154760 特開2001−347757 WO2004−002748
しかし、感熱記録体が金券用途等の過酷な環境下で用いられる用途に使用されることが多くなるにつれて、従来以上の品質の画像保存性やバーコード適性が要求されるようになっており、上記のような従来技術では十分な品質が得られていないのが現状である。また、感熱記録体上に保護層を設けた場合、発色感度および画質が低下するため、バーコード読み取り適性が低下するといった問題もある。
そこで、本発明は、過酷な環境下であっても、バーコード読み取り適性に問題を生じない、画像部の耐熱性、耐水性及び耐湿熱性に優れた感熱記録体を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、感熱発色層に、特定の電子受容性顕色剤及び特定のジフェニルスルホン架橋型化合物から成る安定剤を含有させることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、支持体上に無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料と電子受容性顕色剤とを含有する感熱発色層を設けた感熱記録体であって、該感熱発色層が、電子受容性顕色剤として下記一般式
Figure 2007210328
(式中、Rは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、低級アルキル基、アルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基又はアラルキル基を表し、Rは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、mは0〜3の整数を表し、nは0〜3の整数を表す。)で表される縮合物から成る縮合組成物、及び安定剤として下記一般式
Figure 2007210328
(式中、Rは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜6のアルキル基又はアルケニル基を表し、oは、それぞれ同じであっても異なってもよく、0〜4の整数を表し、pは1〜11の整数を表し、Rは、それぞれ同じであっても異なってもよく、エーテル結合を有してもよい炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分枝の炭化水素基、下記一般式
Figure 2007210328
(式中、Rはメチレン基又はエチレン基を表す。)で表される置換フェニレン基、又は下記一般式
Figure 2007210328
(式中、Rは水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基を表す。)で表される2価基を表す。)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物を含有することを特徴とする感熱記録体である。
また、本発明者らは、更にこのような感熱発色層上に特定の保護層を設けることにより、発色感度や画質を低下させずに、画像保存性やバーコード適性が向上することも合わせて見出した。即ち、保護層にアスペクト比が20以上のカオリンを含有することによって、更に良好なバーコード読み取り適性を得ることができ、保護層にカルボキシル基含有樹脂とエピクロロヒドリン系樹脂および変性ポリアミン/アミド系樹脂を含有することによって、更に良好な耐熱性、耐水性、耐湿熱性を得ることができる。
更に、特定の粒度分布を有する上記顕色剤を用いることによって、大幅に発色感度、画像保存性、画質を向上することができることも見出した。即ち、その粒度分布は、顕色剤の粒度分布をレーザー回折式粒度分布測定装置で測定した場合に、体積基準の累積粒度分布度数において、小粒径側から50%における粒径(以下「50%径」、又は単に「平均粒径」ともいう。)が0.5μm以下であり、かつ、同様に90%における粒径(以下「90%径」という。)が1.2μm以下である。
本発明の感熱記録体において、画像部の耐熱性、耐水性、耐湿熱性に優れる理由は明確に解明されていないが、感熱発色層に一般式(化1)で表される縮合組成物と一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物とが共存することにより、顕色剤と塩基性染料との反応生成物である電子移動錯体の安定性が高くなるためと推察される。
また、この縮合組成物を、50%径が0.5μm以下、かつ90%径が1.2μm以下に微粒化処理すると、発色感度、画像保存性、バーコード適性がバランスよく向上する。
更に、保護層に扁平なカオリンを含有させることにより、保護層の平滑性が向上するため、感熱ヘッドとの密着性、感熱層への熱伝導性が良好となる。この結果、感熱層内顕色剤と染料との反応が均一となり、上記電子移動錯体が安定的に形成される。また、感度が向上することから、更にバーコード読取り性が向上すると考えられる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の感熱記録体は、支持体上に感熱発色層を設けてなり、この感熱発色層は、電子供与性ロイコ染料、電子受容性顕色剤、及び安定剤を含有する。
本発明で用いる電子受容性顕色剤は下式で表される。
Figure 2007210328
ここで、Rは、同じであっても異なってもよいが、好ましくは同じであって、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、低級アルキル基、アルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基又はアラルキル基を表すが、この中で低級アルキル基、アリール基又はアラルキル基が好ましく、低級アルキル基が特に好ましい。
この低級アルキル基としては3級低級アルキル基が好ましく、更にこの炭素数は好ましく1〜5、より好ましくは1〜4である。この低級アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、t−アミル等が挙げられる。
このアルコキシル基の炭素数は好ましくは1〜5であり、アルコキシル基として、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ等が挙げられる。
このアリール基としては、例えば、フェニル、トリル、ナフチル等、好ましくはフェニル基が挙げられ、アラルキル基としては、α−メチルベンジル、クミル等が挙げられる。
また、Rは、同じであっても異なってもよいが、好ましくは同じであって、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、同じ炭素の結合する2個のRのうち少なくとも一方が水素原子であることが好ましく、両者とも水素原子であることがより好ましい。
このアルキル基の炭素数は1〜5が好ましく、特に好ましくは炭素数が1〜4であり、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル等が挙げられる。
また、このアリール基は、例えば、フェニル、トリル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
nは0〜3の整数を表す。上記一般式(化1)で表される縮合物から成る縮合組成物は、nが0、1、2または3の場合の各縮合物、及び、かかる4種の縮合物のうちの少なくとも2種以上を含む混合物を含む。
mは0〜3、好ましくは1〜3、より好ましくは1を表す。mが1〜3の場合、Rがフェノール基の水酸基のm−位またはp−位に結合しているのが好ましく、Rがフェノール基の水酸基のp−位に結合しているのがより好ましい。
一般式(化1)で表される縮合物のうち、2核縮合物(すなわち、n=0のフェノール骨格が2個の縮合物)の具体例としては、例えば、2,2′−メチレンビスフェノール、2,2′−メチレンビス(4−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(5−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−ヒドロキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(5−ヒドロキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(5−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(5−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−n−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−イソプロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(5−n−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(5−イソプロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−n−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(5−n−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(5−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−t−アミルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(5−メトキシフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−シアノフェノール)、2,2′−メチレンビス(5−シアノフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−ニトロフェノール)、2,2′−メチレンビス(5−ニトロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−フェニルフェノール)、2,2′−メチレンビス(5−フェニルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−クミルフェノール)、2,2′−メチレンビス(5−クミルフェノール)、2,2′−エチリデンビスフェノール、2,2′−エチリデンビス(4−クロロフェノール)、2,2′−エチリデンビス(5−クロロフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−ヒドロキシフェノール)、2,2′−エチリデンビス(5−ヒドロキシフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−メチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(5−メチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−エチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(5−エチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−n−プロピルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−イソプロピルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(5−イソプロピルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−n−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−t−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(5−n−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(5−t−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−t−アミルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−メトキシフェノール)、2,2′−エチリデンビス(5−メトキシフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−シアノフェノール)、2,2′−エチリデンビス(5−シアノフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−ニトロフェノール)、2,2′−エチリデンビス(5−ニトロフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−フェニルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(5−フェニルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−クミルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(5−クミルフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビスフェノール、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(4−クロロフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(5−クロロフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(4−ヒドロキシフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(5−ヒドロキシフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(4−メチルフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(5−メチルフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(4−エチルフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(5−エチルフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(4−プロピルフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(4−イソプロピルフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(5−イソプロピルフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(4−t−ブチルフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(5−t−ブチルフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(4−t−アミルフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(4−メトキシフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(5−メトキシフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(4−シアノフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(5−シアノフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(4−ニトロフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(5−ニトロフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(4−フェニルフェノール)、2,2′−(フェニルメチレン)ビス(5−フェニルフェノール)等が挙げられる。
好ましい縮合物(2核縮合物)としては、2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−イソプロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−n−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−n−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−t−アミルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−クミルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−メチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−エチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−イソプロピルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−t−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−n−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−t−アミルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−クミルフェノール)、2,2′−ブチリデンビス(4−メチルフェノール)、2,2′−ブチリデンビス(4−t−ブチルフェノール)などが挙げられ、このうち2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−イソプロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−n−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−n−プロピルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−t−アミルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−クミルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−t−ブチルフェノール)、2,2′−ブチリデンビス(4−t−ブチルフェノール)が特に好ましい。
また、3〜5核縮合物(即ち、式中n=1〜3のフェノール骨格が3〜5個の縮合物)の具体例としては、それぞれ、上記の2核縮合物の具体例として挙げた化合物と対応する化合物を挙げることができる。
一般式(化1)で表される縮合組成物は、2核縮合物であるか、または、2核縮合物を主体とし、さらに3〜5核縮合物のうちの少なくとも1種を含む縮合組成物であるのが好ましく、特に好ましくは2核縮合物を主体とし、さらに3〜5核縮合物のうちの少なくとも1種を含む縮合組成物である。なお、ここで、「3〜5核縮合物のうちの少なくとも1種」とは、3核縮合物のみ、3核縮合物と4核縮合物の2種、または、3核縮合物と4核縮合物と5核縮合物の3種のいずれかを意味し、「2核縮合物を主体とし」とは、縮合組成物を構成する縮合物のうちでも2核縮合物の割合が最も多いことを意味する。なお、本発明において、一般式(化1)で表される縮合組成物は、本発明の目的が阻害されない範囲であれば、不純物である一般式(化1)におけるnが4以上の縮合物(6核体以上の縮合物)が共存する状態で使用されてもよい。
また、好ましい縮合組成物(2核縮合物を主体とし、さらに3〜5核縮合物のうちの少なくとも1種を含む縮合組成物)の具体例としては、上記の好ましい2核縮合物の具体例として挙げた化合物(2核縮合物)を主体とし、これと対応する3〜5核縮合物をさらに含有する縮合組成物が挙げられる。
かかる縮合組成物においては、2核縮合物の含有量は40〜99%が好ましく、より好ましくは45〜98%であり、とりわけ好ましくは50〜80%である。なお、ここでの「%」は高性能液体クロマトグラフィー分析結果における「面積%」を意味する。
本発明で使用する上記一般式(化1)で表される縮合組成物は、例えば、置換フェノール類とケトン化合物あるいはアルデヒド化合物を酸触媒(例えば、塩酸、p−トルエンスルホン酸等)存在下で反応させる等公知の合成方法により、容易に得ることができる。反応は、原料及び反応生成物を溶解し得るとともに反応に不活性な適当な有機溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、トルエン、クロロホルム、ジエチルエーテル、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジエチルケトン、エチルメチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等)中で、反応温度0〜150℃で数時間から数十時間行われる。反応後、未反応の置換フェノール類を蒸留にて除去することにより、収率よく得ることができる。
置換フェノール類の具体的な例としては、フェノール、p−クロロフェノール、m−クロロフェノール、o−クロロフェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、p−クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−エチルフェノール、m−エチルフェノール、o−エチルフェノール、p−プロピルフェノール、o−プロピルフェノール、p−イソプロピルフェノール、m−イソプロピルフェノール、o−イソプロピルフェノール、p−t−ブチルフェノール、m−t−ブチルフェノール、o−t−ブチルフェノール、p−t−アミルフェノール、p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、o−メトキシフェノール、p−シアノフェノール、m−シアノフェノール、o−シアノフェノール、p−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、o−ニトロフェノール、p−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、o−フェニルフェノール、p−クミルフェノール、m−クミルフェノール、o−クミルフェノール、p−(α−メチルベンジル)フェノール等が挙げられる。
ケトン化合物及びアルデヒド化合物の具体的な例としては、ジメチルケトン、ジエチルケトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、ホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
本発明において、特定の粒度分布(50%径が0.5μm以下、かつ90%径が1.2μm以下)に微粒化処理された、一般式(化1)で表される縮合物からなる縮合組成物を用いることが好ましいが、その理由は定かでないが、次のように推測される。
上記縮合組成物をに微粒化することで、発色成分である塩基性ロイコ染料との接触頻度が増大し、大幅に発色感度が向上するものと考えられる。また、感熱記録体の発色感度向上のため使用される増感剤を併用した場合、微粒化した上記縮合組成物は、融解した増感剤中に溶解しやすくなるため、ロイコ染料との反応性が高くなり、発色感度が向上すると推測される。
さらに、本発明では、特定の粒度分布の範囲に微粒化した上記縮合組成物と、一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物(安定剤)とを混合させた場合、ジフェニルスルホン架橋型化合物が融点降下するため、融解した増感剤中に溶解しやすくなり、上記縮合生成物とロイコ染料との反応生成物(電子移動錯体)の安定性を大幅に向上させるとともに、ジフェニルスルホン架橋型化合物も顕色作用を有しているため、発色感度も向上する。加えて、上記縮合組成物の微粒化による効果としては、均一な発色が可能となるため、画質が向上し、良好なバーコード読み取り適性を得ることができる。
本発明において、電子受容性顕色剤の微粒化処理方法は特に限定されるものではないが、顕色剤の微粒化には、ビーズ径0.3mm径以下のマイクロビーズを使用した湿式粉砕機を用いることが望ましい。
ビーズ径が0.3mm径を超えると、粉砕に用いられるビーズ1個当りの衝撃力(ビーズの重量に比例し、ビーズ重量はビーズ径の3乗に比例)が過剰となり、顕色剤の粒子表面を傷付けてしまい、不要に粒子表面を活性化されるため、粒子同士の相互作用によって増粘や凝集が生じてしまい、結果として粗大粒子が発生し微粒化が困難となる。
本発明において、使用する粉砕機としては、上記ビーズ径が使用可能な機種であれば限定されるものではなく、遠心分離方式によるビーズ分離機構を備えた湿式粉砕機、スクリーンタイプやギャップタイプの湿式粉砕機などが挙げることができる。
遠心分離方式によるビーズ分離機構を備えた湿式粉砕機は、従来の粉砕機で用いているスクリーンやギャップ方式とは大きく異なる。この分離機構としては、微粒化された分散液とビーズが共に遠心分離ローター内に入り込む瞬間、ローターの回転による遠心力によって、分散液とビーズの比重差からビーズはストークスの沈降速度Vtでローター外周方向へ放出される一方、分散液はローター外周から軸中心に向かって速度vで流入する。この時、原理的にVtがvより大きくなれば分離可能となる仕組みであり、スケールアップも容易である。また、分散液の流れを遮るスクリーンやギャップを使用しないことから詰まりも発生せず工業的にも安定した生産が可能となる。加えて、流量も高く設定できるため、高流量/高パス回数の処理が可能となりマイルドかつ各粒子に対して均一な微粒化処理によって非常にシャープかつ微粒化された分散液が得られる。
また、分散液とビーズとを遠心分離する粉砕機を用いれば、スクリーンタイプやギャップタイプの粉砕機で目詰まりや噛み込みが発生して分離困難な粒径0.3mm径以下のマイクロビーズを使用した微粒化が可能となる。この技術は、湿式シリカ分散液の製造方法のように他分野では知られていたが(特開2005-2319545)、本発明のように処理液へのビーズ混入によって塗工欠陥などの品質問題が生じる感熱記録体成分の微粒化に、このタイプの粉砕機を応用することは今まで知られていない。本発明者らは、顕色剤を粒径0.3mm径以下のビーズを使用し、分散液とビーズとを遠心分離する粉砕機を用いて微粒化することによって、従来の粉砕機では得られなかったレーザー回折式で測定した粒度分布が50%径で0.5μm以下、90%径で1.2μm以下とした顕色剤を含有する感熱記録体を安定的に得ることができることを見出した。
分散液とビーズとを遠心分離する粉砕機の具体例としては、寿工業(株)製のスーパーアペックスミル(SAM−05型、SAM−1型、SAM−2型、SAM−5型、SAM−10型、SAM−30型)、ウルトラアペックスミル(UAM−015型、UAM−05型、UAM−1型、UAM−2型、UAM−5型、UAM−10型、UAM−30型)、三井鉱山(株)製MSCミル(MSC100、MSC150、MSC220)が挙げられ、これらの粉砕機はスクリーンレスのため目詰まりや噛み込み防止を目的とした粗分散処理を省略することも出来る。また、ビーズ分離に遠心分離とスクリーン機構を併用したアシザワ・ファインテック(株)製のスターミルLMZ(LMZ06、LMZ2、LMZ4、LMZ10、LMZ25、LMZ60)やスターミルZRS(ZRS2、ZRS4、ZRS10)などが挙げられる。
スクリーンタイプやギャップタイプの粉砕機は、例えば、ギャップタイプで高流量/高パス回数の処理が可能な粉砕機として、特開平10−15411に記載されている粉砕機が挙げられる。この粉砕機は、両端が閉塞された筒状をなす粉砕容器と、粉砕容器内に粉砕容器と軸線を一致させた状態で設けられ、粉砕容器内を径方向に内側室と外側室の2室に区画するとともに、両室間を連通する複数のスリットが全周に渡って形成される筒状のセパレータと、内側室内に粉砕容器と軸線を一致させた状態で回転可能に設けられる攪拌部材と、内側室内外を連通する処理物の供給口と、外側室内外を連通する処理物の排出口とを具えたものであり、供給口から粉砕容器の内側室内に処理物を供給し、攪拌部材を回転させると、処理物は攪拌部材によってビーズとともに攪拌されて粉砕され、遠心力の作用によって径方向外方に流動してセパレータの位置に達する。そして、セパレータによって処理物とビーズとは分離され、粉砕メディアは内側室内に残され、処理物はスリットを通過して外側室内に流動し、外側室から排出口を介して粉砕容器外に排出される。この場合、セパレータには、その全周に渡って複数のスリットが設けられ大流量の処理物を処理するのに十分な有効面積を確保することができる。そして、セパレータの部分で大流量の処理物の流れが制限されることはなく、大流量の処理物を効率良く処理することができる。また、攪拌部材の筒状の部分には、内外を貫通する開口部が設けられているので、その開口部によって処理物およびビーズに強力な遠心力を作用させることができる。従って、その遠心力によって処理物およびビーズは開口部から攪拌部材の外周側に流動し、攪拌部材の外周側を攪拌部材の軸線方向に流動して攪拌部材の内側の部分に流動し、このような一連の流れに沿って処理物、ビーズが内側室内を循環し、両者は完全な混合状態となる。従って、ビーズおよび処理物が粉砕容器内の一部に片寄って運転に影響を与えたり、運転が困難になったりするようなことはなく、長期的に良好な運転特性を得ることができる。さらに、粉砕容器は、軸方向に短く(L/D比が小さく)形成するものの、L(粉砕容器の軸線方向の長さ)を小さくした分だけD(粉砕容器の直径)を大きく形成することにより、処理物の粉砕効率が低下するようなことはなく、優れた粉砕効率が得られる。なお、軸線方向の長さ(L)と直径(D)との比(L/D比)は、1.0以下となるようにすることが好ましい。
また、特開2005−153205に記載の分散液供給口と分散液排出口と円筒状ロータと円筒状ケーシングとを有する分散機であって、その円筒状ロータの外径と円筒状ケーシングの内面との間隔を広げることによって、分散効率や剪断効率を高める方法も有用である。この方法では、撹拌部材である円筒状ロータの外径をdとし、円筒状ケーシングの内径をDとするとき、0.7≦d/D≦0.9の範囲としたり、さらには円筒状ロータの高さをhとし、円筒状ケーシングの内面の高さをHとしたとき、0.6≦h/H≦0.9の範囲とすることで、ビーズを効率的に分散に寄与させることができ、よりシャープで微粒化された分散液が得られ、分散効率の高い処理が可能となる。
ギャップタイプの具体例としては、三井鉱山(株)社製ビーズミル(SC100、SC220等)が挙げられる。
上記の何れの湿式粉砕方式において、分散液の微粒化処理後の粘度が重要である。これは、微粒化処理を受けた分散液の粘度が著しく高い場合、ビーズは運動し難くなり微粒化の効率が低下するのに加えて、遠心分離する場合は特に、遠心分離ローターで生み出す遠心力がビーズに伝わり難くなり、ビーズが分散液に混入したまま排出されてしまうからである。特に後者の現象は、分散液の流量を高く設定した場合に起こりやすい傾向にあるため、メディアを分離できる範囲の流量を適宜選択すればよいが、分散液の粉砕処理後のB型粘度(液温30℃、回転数60rpm、ローターNo.2)が2000mPa・s以下であることが好ましい。
また、ローターの周速(最外周部の速度)は5〜30m/s、より好ましくは5〜20m/sの範囲である。ローターの周速が5m/s未満の場合、微粒化に時間がかかり非効率である。また、30m/s以上の場合、微粒化する粒子に過度なシェアがかかってしまうため凝集を引き起こすことが懸念される。
上記の湿式粉砕方式において、使用するメディアの粒子径は、得ようとする所望の粒子径によって適宜選択すれば良いが、シャープな粒度分布かつ微粒化を進めるためには0.03〜0.5mm径の範囲が好ましく、材質はガラス、ジルコニア、アルミナから選択するのが好ましい。また、粉砕室内におけるビーズ粒子の見かけの充填率は、好ましくは30〜95容積%、より好ましくは40〜90容積%である。ビーズ粒子の充填率を上記範囲にすることにより、顕色剤の微粒化効率もよく、またショートパスも防止することができる。また、顕色剤を粉砕する際の処理温度は50℃以下にすることが望ましい。50℃以上で処理した場合、熱により再凝集や変性などを引き起こすため、発色感度が低下することが懸念される。この凝集などによる発色感度の低下は、90%径で評価することができ、目標とする平均粒径(50%径)に対して約2倍以下が好ましい。また、分散液を50℃以上で混合した場合、混合した塗料が着色するため、それぞれ50℃以下に冷却してから使用する必要があり、生産効率が低下する。
この分散液を冷却する方法に特に制限は無いが、粉砕室のジャケット部に冷却媒体を循環させて冷却する方法が簡便である。温度制御の方法についても特に制限は無いが、冷却媒体を循環させる場合には、その流量や温度を制御すればよく、その方法は分散液の温度をセンサーを用いて計測しその値により自動制御してもよいし、簡単には、冷却媒体や流量や温度を変更しながら分散処理時に最も高くなる分散液排出口において分散液の温度を測定して所望の分散液温度をもたらす条件を決めてもよい。冷却媒体としては、水、エチレングリコールなどの通常の冷却媒体を使用することができる。
本発明において、微粒化操作の前に、前処理として粗分散操作、例えば、ボールミル、アトライター、サンドミル、サンドグラインダー、グレーンミル、パールミル、マターミル、アニラーミル、コボールミル、タワーミル、ダイナミックミル、OBミル、アペックスミル、SCミル及び三本ロールミルなど、種々の変形型や呼称があり、これらの中でもさらに多くの変形種類があるが、適宜必要な粗分散処理を施してもよい。また、微粒化操作は、粉砕機を直列につなげて連続方式とすることや循環させて複数回パスさせる方式としてもよい。
顕色剤の分散を行う際に使用する分散媒としては一般には水溶性高分子化合物の水溶液を使用する。例えば、ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼインなどの水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体などのエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体などのラテックスなども挙げられる。
これらの分散剤(固形分)は、分散対象物1重量部に対して、0.01〜1.0部の量で用いると微粒子化と分散性の向上及び分散液の安定性に有利であるため好ましい。少なすぎる場合、凝集を引き起こし、分散液の安定性に劣る。また、多すぎる場合は、減感作用による感度低下など品質に悪影響を及ぼすため好ましくない。
分散液中の分散対象物の濃度は、通常20〜70重量%程度である。
このような材料を用いて、顕色剤の分散液を用意し、上記の条件で微粒化処理する。分散液とビーズとを遠心分離する粉砕機を用いない場合には、ボールミル、アトライター、サンドミル、サンドグラインダー、グレーンミル、パールミル、マターミル、アニラーミル、コボールミル、タワーミル、ダイナミックミル、OBミル、アペックスミル、三本ロールミルなどの従来の粉砕機で分散させたものを用いることができる。
なお、他の成分(他の顕色剤、染料、安定剤など)を同様に微粒化してもよい。
本発明では、所望の効果を阻害しない範囲で、前記一般式(化1)で表される縮合組成物の他に、顕色剤として、従来既知の顕色剤を併用してもよい。このような顕色剤としては、例えば、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスルホン、パラオキシ安息香酸ベンジル、ビス−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4−ビスフェノールスルホン、4,4−ビスフェノールスルホン、4,4'−イソプロピリデン−ジ−o−クレゾール等が挙げられる。この顕色剤の使用量は、前記一般式(化1)で表される縮合組成物1重量部に対して0.1〜10重量部程度である。
本発明で用いる安定剤であるジフェニルスルホン架橋型化合物は下式(化2)で表される。
Figure 2007210328
ここで、Rは、それぞれ同じであっても異なってもよいが、好ましくは同一であり、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜6のアルキル基又はアルケニル基、好ましくは
水素原子を表す。
このアルキル基又はアルケニル基は、炭素数が1〜6のアルキル基又はアルケニル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソへキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基等が挙げられる。
また、ハロゲン原子としては塩素、臭素、フッ素又はヨウ素、好ましくは塩素又は臭素を表す。
oは、それぞれ同じであっても異なってもよく、0〜4、好ましくは0を表す。
OH基及び−ORO−基は、SO基に対して、パラ位にあることが好ましい。
pは1〜11である。この化合物はpが1〜11の混合物であることが好ましい。
は、それぞれ同じであっても異なってもよいが、好ましくは同一である。
としては、エーテル結合を有してもよい炭素数1〜12、好ましくは3〜7の飽和若しくは不飽和の、好ましくは飽和の、直鎖若しくは分枝の、好ましくは直鎖の炭化水素基であってもよい。このような炭化水素としては、ポリアルキレンオキシド鎖やアルキレン基、好ましくはポリアルキレンオキシド鎖が好ましい。ポリアルキレンオキシド鎖(−ORO−)としては、−O−(C2nO)1〜3−(n=2〜4、好ましくは2〜3、より好ましくは2)が挙げられる。アルキレン基としては、−C2m−が挙げられる。
またRとしては、下記一般式
Figure 2007210328
(式中、Rはメチレン基又はエチレン基を表す。Rは互いにパラ位にあることが好ましい。)で表される置換フェニレン基であってもよい。
更に、Rとしては、下記一般式
Figure 2007210328
(式中、Rは水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基、好ましくは水素原子を表す。)で表される2価基を表す。)であってもよい。
としては、これらの中で、上記のエーテル結合を有してもよい炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分枝の炭化水素基が好ましい。
一般式(化2)のジフェニルスルホン架橋型化合物において、Rで表される基を具体的に示すと以下のものが挙げられる。メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、メチルエチレン基、メチレンエチレン基、エチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、1−エチル−4−メチル−テトラメチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、2−ブテニレン基、エチニレン基、2−ブチニレン基、1−ビニルエチレン基、エチレンオキシエチレン基、テトラメチレンオキシテトラメチレン基、エチレンオキシエチレンオキシエチレン基、エチレンオキシメチレンオキシエチレン基、1,3−ジオキサン−5,5−ビスメチレン基、1,2−キシリル基、1,3−キシリル基、1,4−キシリル基、2−ヒドロキシトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−メチルトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−エチルトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−プロピルトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−イソプロピルトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−ブチルトリメチレン基等が挙げられる。
一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物は、置換基(R)および/またはpの数が違う数種類のものを混合して使用してもよく、その含有比率は任意である。また混合する方法も粉体での混合、水等に分散した分散液の状態による混合、製造条件により複数の種類のジフェニルスルホン架橋型化合物を同時に生成含有させる方法など特に制限はない。
一般式(化2)で表される化合物としては、例えば、4,4′−ビス〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−2−トランス−ブテニルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−ブチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−3−プロピルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−ブチルオキシ〕−4′−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ−3−プロピルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−ブチルオキシ〕−4′−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ−2−エチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−3−プロピルオキシ〕−4′−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ−2−エチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−5−ペンチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−6−ヘキシルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−2−トランス−ブテニルオキシ〕−4′−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−ブチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−トランス−ブテニルオキシ〕−4′−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−3−プロピルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−2−トランス−ブテニルオキシ〕−4′−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 1,4−ビス〔4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−トランス−ブテニルオキシ〕フェニルスルホニル〕フェノキシ〕−シス−2−ブテン; 1,4−ビス〔4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−トランス−ブテニルオキシ〕フェニルスルホニル〕フェノキシ〕−トランス−2−ブテン; 4,4′−ビス〔4−〔4−(2−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ブチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔4−〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ブチルオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,4−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,3−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,2−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 2,2′−ビス〔4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ〕フェニルスルホニル〕フェノキシ〕ジエチルエーテル; α,α′−ビス〔4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,4−フェニレンビスメチレンオキシ〕フェニルスルホニル〕フェノキシ〕−p−キシレン; α,α′−ビス〔4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,3−フェニレンビスメチレンオキシ〕フェニルスルホニル〕フェノキシ〕−m−キシレン; α,α′−ビス〔4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,2−フェニレンビスメチレンオキシ〕フェニルスルホニル〕フェノキシ〕−o−キシレン; 2,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ〕ジフェニルスルホン; 2,4′−ビス〔4−(2−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,4−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,3−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,2−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)1,4−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)1,3−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)1,2−フェニレンビスメチレンオキシ〕ジフェニルスルホン; 4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ〕ジフェニルスルホン; 1,3−ビス〔4−〔4−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ〕フェニルスルホニル〕フェノキシ〕−2−ヒドロキシプロパンが挙げられる。
また、一般式(化2)で表される数種類のジフェニルスルホン架橋型化合物を混合して使用する場合に特に好ましい組成物は、Rが同一で、pの値のみが異なる2種以上を含有するものである。このような化合物であれば製法も簡便であり、原料の反応比率を変更することによりpの値の異なる化合物を、任意の含有比率で一度に合成することができる。これらのうち、特にp=1で表される化合物としては、例えば、1,3−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−2−ヒドロキシプロパン; 1,1−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕メタン 1,2−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕エタン; 1,3−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕プロパン; 1,4−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ブタン; 1,5−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ペンタン; 1,6−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ヘキサン; α,α′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−p−キシレン; α,α′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−m−キシレン; α,α′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−o−キシレン; 2,2′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル; 4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ジブチルエーテル; 1,2−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕エチレン; 1,4−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−2−ブテンが挙げられる(例えば、特開平7−149713号、国際公開WO93/06074、WO95/33714号等参照)。
このジフェニルスルホン架橋型化合物は、前記一般式(化1)で表される縮合組成物1重量部当たり0.01〜10.0重量部の割合で使用するのが好ましく、0.1〜5.0重量部の割合で使用するのがより好ましい。ジフェニルスルホン架橋型化合物の量が一般式(1)で表される縮合物または縮合組成物1重量部当たり0.01重量部未満であると、十分な発色感度、耐熱性、耐水性、耐湿熱性が得られにくい。一方、10.0重量部を超えると、感熱記録体(感熱発色層)の感度、画質が低下する傾向となる。
更に、本発明の感熱発色層に使用される各種材料を例示するが、顕色剤、安定化剤は上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で併用することができ、バインダー、架橋剤、顔料などは上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で保護層にも併用でき、また保護層のみならず感熱発色層等をはじめとする必要に応じて設けられた各塗工層にも使用することができる。
本発明で使用する電子供与性ロイコ染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な無色ないし淡色の染料(染料前駆体)の具体例を示す。また、これらの染料前駆体は単独または2種以上混合して使用してもよい。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕; 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン;
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン;
3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2,4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
<フルオレン系ロイコ染料>
3,6,6’−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3’−フタリド〕; 3,6,6’−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3’−フタリド〕
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド; 3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド; 3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド; 3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド; 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3’−ニトロ)アニリノラクタム; 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロ)アニリノラクタム; 1,1−ビス−〔2’,2’,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン; 1,1−ビス−〔2’,2’,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン; 1,1−ビス−〔2’,2’,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン; ビス−〔2,2,2’,2’−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
本発明で併用することのできる電子受容性顕色剤としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙の分野で公知のものはすべて使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン、特開平8−59603号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2’−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、国際公開WO02/081229号あるいは特開2002−301873号公報記載の化合物、またN,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、およびこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独または2種以上混合して使用することもできる。特開平10−258577号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。
本発明で使用する増感剤としては、従来公知の増感剤を使用することができる。かかる増感剤としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アマイド、エチレンビスアミド、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、β−ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート、1,4−ジエトキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、o−キシレン−ビス−(フェニルエーテル)、4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、4,4′−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル、ジベンゾイルオキシメタン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン、ビス[2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル]エーテル、p−ニトロ安息香酸メチル、p−トルエンスルホン酸フェニルを例示することができるが、特にこれらに制限されるものではない。これらの増感剤は、単独または2種以上混合して使用してもよい。
本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性効果等を示す安定剤として、4,4′−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチル−4,4′−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等と併用することができる。
本発明の感熱記録体には、バインダーとして重合度が200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロール、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、カゼイン、アラビヤゴム、酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、エステル化澱粉、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロースおよびそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロ樹脂等を例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン類、エステル類、炭化水素などの溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することも出来る。
本発明で使用する架橋剤としては、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウムなどを例示することができる。
本発明で使用する顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機または有機充填剤などが挙げられる。
本発明で使用する滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類などが挙げられる。
このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
本発明の感熱発色層に使用する染料、顕色剤、その他の各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、染料1部に対して顕色剤0.5〜10部、増感剤0.5〜10部程度、安定化剤0.01〜10重量部程度、その他の成分0.01〜10重量部が使用される。
染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダーおよび目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。この塗液に用いる溶媒しては、水あるいはアルコール等を用いることができ、その固形分は20〜40重量%程度である。
本発明の感熱記録体においては、感熱発色層上に更に保護層を設けることが好ましい。感熱記録層に含まれる電子供与性ロイコ染料および電子受容性顕色剤は、各種溶剤に容易に溶解するため白紙部が発色したり、可塑剤などの薬品が記録画像に触れると退色するなどの問題があり、保護層を設けることが好ましい。また、保護層により耐水性などの保存性も向上する。
保護層は、通常、顔料と水溶性高分子を主成分とし、水溶性高分子としてはポリビニルアルコールや澱粉などが用いられる。これらの水溶性高分子を用いる場合は、耐水性を付与するためにグリオキザールなどの架橋剤を更に使用することが一般的である。
本発明の保護層には、通常用いられるシリカや水酸化アルミニウムなどより、扁平であるアスペクト比が20以上のカオリンを含有することで良好な発色感度および高画質が得られる。また、画像部および白紙部の保存性が向上するため、コントラストがはっきりとした画像が得られる。この理由は次のように推測される。
例えば、同一面積を被覆させる場合、アスペクト比が20の顔料Aとアスペクト比が40の顔料Bを比較すると、理論的には顔料Bの最低必要量は顔料Aの最低必要量の半分となる。つまり、少ない塗工量で被覆性の高い塗工層を形成することができる。また、アスペクト比が大きい顔料の厚さは薄いため、感熱記録体表面の凸凹が小さくなり、優れた表面平滑性が発現されるとともに、塗工時、特にブレードコーターなどのシェアのかかる塗工方式において、扁平な面を上に配向する傾向があるため、保護層塗料の感熱発色層内部への浸透も抑えられ、被覆性、表面平滑性が向上すると考えられる。このように、アスペクト比が大きい顔料を感熱記録体に含有させることで良好な表面平滑性が発現されるため、目標の平滑性を付与するスーパーカレンダー処理などの処理圧を最小限に抑えることがき、ポーラス且つ、表面平滑性の優れた感熱記録体、つまり断熱効果が高く、且つサーマルヘッドと均一に接触する感熱記録体が得られる。この結果、バーコード読み取り適性の良好な発色感度および高画質が得られるとともに、保護層を設けることによる画像部および白紙部の保存性向上効果によって、コントラストがはっきりとした画像が得られるようになる。
本発明において、保護層に含有されるアスペクト比が20以上のカオリンの粒子径は4μm以下であることが望ましい。アスペクト比が20以上のカオリンの平均直径が4μmより大きいと塗工層表面に顔料が露出するため、表面平滑性の低下、記録画質の低下、サーマルヘッドとの摩擦の増大(ヘッド磨耗)などの問題が発生する。また、アスペクト比が20以上のカオリンの吸油量が30〜100ml/100gであることは、一般印刷におけるインク着肉性および印刷部光沢性の点から望ましい。吸油量が30ml/以下であると一般印刷用のインキが吸収されにくいためインキ着肉性に問題が発生し、吸油量が100ml/100g以上であると一般印刷用のインキが過度に吸収されてしまうため、高い印刷部光沢を有する感熱記録体が得られない。
さらに、保護層に含有されるカオリンのアスペクト比が100以上になると、保護層が密になるため、一般印刷におけるインキ着肉性やインキ乾燥性の低下、発色感度の低下などの問題が生じるため、本発明の保護層に含有されるカオリンのアスペクト比は20〜100であることが望ましく、より好ましくは30〜75である。
本発明において、アスペクト比が20以上のカオリンは、単独で使用するのが好ましいが、アスペクト比30以上のカオリンの総配合部数100重量部に対して、50重量部未満、より好ましくは80重量部未満であれば、アスペクト比30未満のカオリン、(焼成)カオリン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ケイソウ土、タルク等を併用することが可能である。
本発明のアスペクト比が20以上のカオリンは、特殊粉砕することによりデラミネーションしたカオリンを分級することによって得ることができる。本発明において、保護層中の顔料およびバインダーの含有量は、顔料100重量部に対しバインダーは固形分で30〜300重量部程度である。
本発明において、保護層にカルボキシル基含有樹脂、特にカルボキシ変性ポリビニルアルコールとエピクロロヒドリン系樹脂および変性ポリアミン/アミド系樹脂を含有させることは、耐熱性、耐水性、耐湿熱性の点から望ましい。この理由は、次のように推測される。
カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基と、架橋剤であるエピクロロヒドリン系樹脂のアミンあるいはアミド部分が、架橋反応(第1の耐水化)が起こる。次に、カルボキシル基含有樹脂とエピクロロヒドリン系樹脂で形成された親水性の架橋部位と変性ポリアミン/アミド系樹脂の親水性部位とが引き合うため、この架橋部位は変性ポリアミン/アミド系樹脂の疎水基を外側にして包まれた状態、つまり親水性のある架橋部位が疎水性基で水から保護された状態(第2の耐水化)となる。このように、保護層に使用している樹脂と架橋剤との反応部位に、より高い疎水性を付与することで、良好な耐水性、耐湿性が得られると推測される。
特に、カルボキシル基含有樹脂がカルボキシ変性ポリビニルアルコールである場合、変性ポリアミン/ポリアミド系樹脂とカルボキシ変性ポリビニルアルコール親水性部位が引き付けられ、カルボキシ変性ポリビニルアルコールが変性ポリアミン/アミド系樹脂の疎水基を外側にして包まれた状態になるとともに、変性ポリアミン/アミド系樹脂のカチオン性部位がカルボキシ変性ポリビニルアルコールのカルボキシル基と架橋反応していることで、高い耐水性が発現するとともに、耐熱性も良好になるとと考えられる。
また、カルボキシ変性ポリビニルアルコールとエピクロロヒドリン系樹脂の架橋反応によって、3次元的な構造を有し、また、保護層に顔料を含有させた場合にはカチオン性である変性ポリアミン/アミド系樹脂がアニオン性の顔料に対して分散効果を発現するため、従来技術に比べてポーラスな層になると考えられる。このため、塗工層中の耐熱性の低い材料の溶融物が保護層中の空隙に吸着されるため、優れた印字走行性(耐ヘッドカス性、耐スティッキング性)も発現することができる。
なお、本発明の保護層には、エピクロロヒドリン系樹脂および変性ポリアミン/アミド系樹脂を併用することが望ましい。各々単独で使用した場合、十分な耐水性を得ることはできない上、ブロッキングなどの弊害が生じる。またその他一般的な架橋剤、例えばグリオキザールとエピクロロヒドリン系樹脂または変性ポリアミン/アミド系樹脂の併用でも、十分な耐水性を得ることはできない。
本発明において保護層のバインダーとして使用されるカルボキシル基含有樹脂とは、主にカルボキシル基を有するものであれば何れでも良く、例えば、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ターシャーリーブチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフリフリルなどのカルボキシル基を有する一官能性アクリルモノマーを含む樹脂、酸化でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールにカルボキシル基を導入したカルボキシ変性ポリビニルアルコールなどを挙げられるが、特に、耐熱性、耐溶剤性が優れているカルボキシ変性ポリビニルアルコールを用いるのが好ましい。
本発明で使用されるカルボキシ変性ポリビニルアルコールは、水溶性高分子に反応性を高める目的でカルボキシル基を導入したものであり、ポリビニルアルコールとフマル酸、無水フタル酸、無水メリト酸、無水イタコン酸などの多価カルボン酸との反応物、あるいはこれらの反応物のエステル化物、さらに酢酸ビニルとマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、アクリル酸、メタアクリル酸などのエチレン性不飽和ジカルボン酸との共重合物の鹸化物として得られる。具体的には例えば特開昭53−91995号公報などに例示されている製造方法が挙げられる。
さらに、本発明に使用されるカルボキシ変性ポリビニルアルコールは、ハーキュレス粘度が低い、すなわち回転力(シェア)がかかっている状態での流動性が高く、シェアの低いところでは不動化しやすい。そのため、塗工時には塗液が滑らかに延び、塗工後はすぐに固化し均質で凹凸のない塗工層が形成される結果、印字される画像の画質および感度が向上するものと考えられる。また、カルボキシ変性ポリビニルアルコールは保水性が高いことから、支持体へのバインダーの浸透を抑えることができ、この効果によっても凹凸のない塗工層が形成されるため、画質および感度が向上するものと推測される。
本発明に使用されるカルボキシ変性ポリビニルアルコールの重合度および鹸化度は、塗料の保水性や塗工層の表面強度の点から、適宜選択して用いることができる。
本発明に使用されるエピクロロヒドリン系樹脂の具体例として、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂などを挙げることができ、単独又は併用することもできる。また、エピクロロヒドリン系樹脂の主鎖に存在するアミンとしては第1級から第4級までのものを使用することができ、特に制限はない。さらに、カチオン化度および分子量は、耐水性が良好なことから、カチオン化度5meq/g・Solid以下(pH7での測定値)、分子量50万以上が好ましい。具体例としては、スミレーズレジン650(30)(住友化学社製)、スミレーズレジン675A(住友化学社製)、スミレーズレジン6615(住友化学社製)、WS4002(星光PMC社製)、WS4020(星光PMC社製)、WS4024(星光PMC社製)、WS4046(星光PMC社製)、WS4010(星光PMC社製)、CP8970(星光PMC社製)などが挙げられる。
本発明において、変性ポリアミン/アミド系樹脂は、ポリアミド尿素系樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミド樹脂、ポリアミンポリ尿素系樹脂、変性ポリアミン樹脂、変性ポリアミド樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂などが挙げられ、具体例としてはスミレーズレジン302(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素系樹脂)、スミレーズレジン712(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素系樹脂)、スミレーズレジン703(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素系樹脂)、スミレーズレジン636(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素系樹脂)、スミレーズレジンSPI−100(住友化学社製:変性ポリアミン樹脂)、スミレーズレジンSPI−102A(住友化学社製:変性ポリアミン樹脂)、スミレーズレジンSPI−106N(住友化学社製:変性ポリアミド樹脂)、スミレーズレジンSPI−203(50)(住友化学社製:ポリアミド樹脂)、スミレーズレジンSPI−198(住友化学社製:ポリアミド樹脂)、プリンティブA−700(旭化成社製)、プリンティブA−600(旭化成社製)、PA6500(星光PMC社製:ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂)、PA6504(星光PMC社製:ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂)、PA6634、PA6638、PA6640、PA6644、PA6646、PA6654、PA6702、PA6704(以上、星光PMC社製:ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂)、CP8994(星光PMC社製:ポリエチレンイミン樹脂)などが挙げられ、特に制限されるものではないが、発色感度の点からポリアミン系樹脂(ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアミンポリ尿素系樹脂、変性ポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹)を使用することが望ましい。
本発明に用いられるエピクロロヒドリン系樹脂及び変性ポリアミン/アミド系樹脂の含有量は、カルボキシ変性ポリビニルアルコール100重量部に対してそれぞれ1〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは5〜50重量部である。含有量が少なすぎると架橋反応が不十分となり良好な耐水性が得られず、多すぎると塗液の粘度増加やゲル化により操業性の問題が生じる。また、エピクロロヒドリン系樹脂はpH6.0以上で架橋反応するため、保護層塗料のpHは6.0以上に調整することが望ましい。
本発明の保護層に使用する各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、顔料100重量部に対して水溶性高分子(例えば、ポリビニルアルコール)が10〜500重量部、水溶性高分子100重量部に対して架橋剤成分が1〜100重量部を使用することが好ましい。
これら材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダーおよび目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。この塗液に用いる溶媒しては、水あるいはアルコール等を用いることができ、その固形分は20〜40重量%程度である。
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。
以下の実施例及び比較例においては、支持体の片面にアンダー層、感熱発色層(記録層)及び保護層を形成し、他面にバック層を形成した。
感熱記録体の各塗工層に用いた塗液を以下のように調製した。
尚、説明中、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
アンダー層塗液
−焼成カオリン(エンゲルハード社製アンシレックス90) 90.0部
−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(固形分50%) 10.0部
−水 50.0部
上記組成よりなる混合物を混合攪拌してアンダー層塗液を調成した。
感熱発色層塗液
下記のA液を、サンドグラインダー((株)シンマルエンタープライゼス社製ダイノーミルTYPE KDL)を用いて、0.5mm径のジルコニアビーズを充填率80%(粉砕室容積1.4L)、ローター周速12m/秒、流量18L/Hr、流量/粉砕室容積=13の条件で、滞留時間が5分になるまで湿式粉砕を行った。この顕色剤分散液の分散粒子の平均粒径は0.57μm、90%径は1.40μmであった。
A液(顕色剤分散液):
−2,2'−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)含有縮合組成物(エーピーアイコーポレーション社製、商品名:JKY224、組成:2,2'−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)含有量62.3重量%、対応する3核縮合物25.3重量%、4核縮合物9.3重量%、残部は5核以上の縮合物) 6.0部
−ポリビニルアルコール 10%水溶液 18.8部
−水 11.2部
また、下記のB液〜D液を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径が0.5μmになるまで湿式磨砕を行った。
B液(塩基性無色染料分散液):
−3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成社製、商品名:ODB−2) 3.0部
−ポリビニルアルコール 10%水溶液 6.9部
−水 3.9部
C液(増感剤分散液):
−1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン(日華化学社製、商品名:PMB−2)
6.0部
−ポリビニルアルコール 10%水溶液 18.8部
−水 11.2部
D液(安定剤分散液):
−2,2’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホン)フェノキシ〕ジフェニルエーテル(日本曹達社製、商品名:D−90*) 6.0部
−ポリビニルアルコール 10%水溶液 18.8部
−水 11.2部
* D−90は下式で表される。
Figure 2007210328
次いで下記の割合で各分散液を混合して感熱発色層塗液とした。
A液(顕色剤分散液) 36.0部
B液(塩基性無色染料分散液) 13.8部
C液(増感剤分散液) 36.0部
D液(安定剤分散液) 36.0部
水酸化アルミニウム(50%分散液) 3.2部
ポリビニルアルコール(10%溶液) 25.0部
保護層塗液
−カオリン分散液(商品名:コンツァ1500、イメリス社製、組成:カオリン含量50重量%、アスペクト比:60、平均粒子径:2.5μm、吸油量:45ml/100g) 9.0部
−カルボキシ変性ポリビニルアルコール(クラレ社製商品名:KL118(重合度:約1700、鹸化度:95〜99モル%、酢酸ナトリウム:3%以下))10%水溶液
30.0部
−ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製商品名:WS4020、固形分25%<カチオン化度:2.7、分子量:220万、4級アミン>) 4.0部
−変性ポリアミン系樹脂(住友化学社製商品名:スミレーズレジンSPI−102A、固形分45%) 2.2部
−ステアリン酸亜鉛(中京油脂社製商品名:ハイドリンZ−7−30、固形分30%)
2.0部
[実施例1]
上質紙(47g/mの基紙)の片面にアンダー層塗液をマイヤーバーで10.0g/mになるように塗工・乾燥(送風乾燥機、60℃、2分間)し、アンダー塗工紙を得た。このアンダー塗工紙のアンダー層上に感熱発色層塗液を塗工量6.0g/mとなるように塗工・乾燥(送風乾燥機、60℃、2分間)し、更に、感熱感熱発色層上に保護層塗液を塗工量3.0g/mとなるように塗布した後、乾燥を行ない、このシートをスーパーカレンダーで平滑度が1500〜3000秒になるように処理して感熱記録体を得た。
[実施例2]
増感剤をステアリン酸アマイド/パルチミン酸アマイド混合物(混合比率:7/3、日本化成社製、商品名:AP−1)に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例3]
染料を3−N−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山田化学社製、商品名:BLACK305)に変更した以外は実施例2と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例4]
保護層中の変性ポリアミン系樹脂及びポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を全てグリオキザール(三井東圧社製)に変更した以外は実施例3と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例5]
カオリン50%分散液を水酸化アルミニウム50%分散液(マーティンスベルグ社製、アスペクト比:5、平均粒子径:3.5μm、吸油量:50ml/100g)に代えて保護層塗液を調整して用いた以外は実施例1と同様にして、感熱記録体を作製した。
[実施例6]
増感剤をステアリン酸アマイド/パルチミン酸アマイド混合物[=7/3](日本化成社製、商品名:AP−1)に変更した以外は実施例5と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例7]
染料を3−N−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山田化学社製、商品名:BLACK305)に変更した以外は実施例6と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例8]
実施例1の顕色剤混合液を用いて、微粒化条件において粉砕機をメディアと分散液をギャップ分離するビーズミル(三井鉱山(株)社製SC100/32)に変更し、0.3mm径のジルコニアビーズを充填率46%(粉砕室容積0.3L)、ローター周速11m/秒、流量100L/Hr(流量/粉砕室容積=333:この値が大きいほど粉砕機規模に対する流量が大きい)の条件で、滞留時間(単位体積当りの分散液が粉砕室内で磨砕処理された時間)が5分になるまで湿式粉砕を行った以外は実施例1と同様にして、感熱記録体を作製した。この顕色剤分散液の分散粒子の50%径は0.45μm、90%径は1.05μmであった。
[実施例9]
実施例1の感熱発色層中の水酸化アルミニウム(50%分散液)3.2部を微粒シリカ(25%分散液)40部に変更し、保護層を設けず、平滑度を500〜1000秒にした以外は実施例1と同様にして、感熱記録体を作製した。
[実施例10]
実施例8の感熱発色層中の水酸化アルミニウム(50%分散液)3.2部を微粒シリカ(25%分散液)40部に変更し、保護層を設けず、平滑度を500〜1000秒にした以外は実施例8と同様にして、感熱記録体を作製した。
[比較例1]
顕色剤を2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(日華化学社製、商品名:2,4’BPS*)に変更した以外は、実施例1と同様にして、感熱記録体を作製した。この顕色剤分散液の分散粒子の平均粒径は0.52μm、90%径は1.20μmであった。
* 2,4’BPSは下式で表される。
Figure 2007210328
[比較例2]
顕色剤を4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン(エーピーアイコーポレーション社製、商品名:NY−DS*)に変更した以外は比較例1と同様にして、感熱記録体を作製した。この顕色剤分散液の分散粒子の平均粒径は0.50μm、90%径は1.10μmであった。
* NY−DSは下式で表される。
Figure 2007210328
[比較例3]
安定剤をエポキシレジン(長瀬化学工業社製、商品名:NER−064)に変更した以外は実施例1と同様にして、感熱記録体を作製した。
[比較例4]
安定剤を4−ベンジルオキシ−4’−(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシ)ジフェニルスルホン(日本曹達社製、商品名:NTZ95)に変更した以外は比較例3と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例5]
カオリン50%分散液を水酸化アルミニウム50%分散液(マーティンスベルグ社製、アスペクト比:5、平均粒子径:3.5μm、吸油量:50ml/100g)に代えて保護層塗液を調整して用い、増感剤を1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製、商品名:KS232)に変更した以外は、比較例1と同様にして、感熱記録体を作製した。
[比較例6]
増感剤を1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン(日華化学社製、商品名:PMB−2)に変更した以外は比較例5と同様にして、感熱記録体を作製した。
[比較例7]
顕色剤を4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン(エーピーアイコーポレーション社製、商品名:NY−DS)に変更した以外は比較例6と同様にして、感熱記録体を作製した。
[比較例8]
染料を3−N−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山田化学社製、商品名:BLACK305)に変更した以外は比較例7と同様にして、感熱記録体を作製した。
[比較例9]
顕色剤を2,2'−メチレンビス(4−t−ブチルフェノール)を60%含有する縮合組成物(エーピーアイコーポレーション社製、商品名:JKY224)に変更し、安定剤をエポキシレジン(長瀬化学工業社製、商品名:NER−064)に変更した以外は比較例5と同様にして、感熱記録体を作製した。
[比較例10]
安定剤を4−ベンジルオキシ−4’−(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシ)ジフェニルスルホン(日本曹達社製、商品名:NTZ95*)に変更した以外は比較例9と同様にして感熱記録体を作製した。
*NTZ95は下式で表される。
Figure 2007210328
[比較例11]
安定剤をパラヒドロキシ安息香酸ベンジル(エーピーアイコーポレーション社製、商品名:BZ)に変更した以外は比較例9と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例12]
安定剤を4−ベンジルオキシ−4'−(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシ)ジフェニルスルホン(日本曹達社製、商品名:NTZ95)に変更した以外は実施例9と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例13]
安定剤を4−ベンジルオキシ−4'−(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシ)ジフェニルスルホン(日本曹達社製、商品名:NTZ95)に変更した以外は実施例10と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例14]
比較例2の感熱発色層中の水酸化アルミニウム(50%分散液)3.2部を微粒シリカ(25%分散液)40部に変更し、保護層を設けず、平滑度を500〜1000秒にした以外は比較例2と同様にして、感熱記録体を作製した。
[比較例15]
比較例14の顕色剤混合液を用いて、微粒化条件において粉砕機をメディアと分散液をギャップ分離するビーズミル(三井鉱山(株)社製SC100)に変更し、0.3mm径のジルコニアビーズを充填率46%(粉砕室容積0.3L)、ローター周速11m/秒、流量100L/Hr(流量/粉砕室容積=333:この値が大きいほど粉砕機規模に対する流量が大きい)の条件で、滞留時間(単位体積当りの分散液が粉砕室内で磨砕処理された時間)が5分になるまで湿式粉砕を行った以外は比較例15と同様にして、感熱記録体を作製した。この顕色剤分散液の分散粒子の50%径は0.45μm、90%径は0.90μmであった。
上記の実施例及び比較例で得られた感熱記録体について次のような評価を行い、その結果を表1に示す。
なお顔料の平均粒径は、顔料を電子顕微鏡で撮影し、粒子100個について、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の長さを測定し、各粒子の最も長い軸と2番目に長い軸を平均して各粒子の直径を算出し、平均値を求めた。また顔料のアスペクト比は、顔料を電子顕微鏡で撮影し、粒子100個について、直径と最も短い軸の長さ(厚さ)から計算式(アスペクト比=直径/厚さ)を用いて、平均値を求めた。
また、吸油量は、JIS K−5101に準じて測定した。
印字濃度
大倉社製感熱プリンタTH−PMD(NO.8)でベタ印字し、階調#14部分をマクベス濃度計で測定した。
耐水性
上記のように印字した感熱記録体を23℃の水道水に24時間浸漬した後、乾燥後、バーコード読取り性を評価した。
耐熱性
上記のように印字した感熱記録体を60℃のオーブンに1週間保持し、室温に冷却後、バーコード読取り性を評価した。
耐湿熱性
上記のように印字した感熱記録体を50℃95%Rhの条件の卓上型恒温恒湿槽LH20-11(ナガノ科学機械製作所製)中に1週間保持し、室温に冷却後、バーコード読取り性を評価した。
バーコード読取り性
バーコード印字部(CODE39)をバーコードリーダー(日本システックス社製、Quick Check PC600)にて評価した。評価はANSIグレード(CEN法、測定回数10回)にて行い、評価は下記の通りである。なお、評価C以上であれば、バーコード読み取り適性において実用上問題ないレベルであり、一方、評価D以下であると、バーコード読み取り適性において実用上問題が発生する。
(優) A > B > C > D > F (劣)
結果を下表に示す。
Figure 2007210328
Figure 2007210328
Figure 2007210328
:ギャップ分離型ビーズミル(SC100)により微粒化したもの
表1と2から、感熱発色層に電子受容性顕色剤として一般式(化1)で表される縮合組成物及び安定剤として一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物を含有させた場合には、その感熱記録体が良好な耐熱性、耐水性、耐湿熱性を持ち、画像保存性とバーコード適性とに優れていることがわかる。また、表3から、特定の粒度分布に微粒化した一般式(化1)で表される縮合組成物を一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物と共存させることで、飛躍的に発色感度及び画像保存性が向上した。特に保存性の向上は、一般式(化1)で表される縮合組成物と一般式(化2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物の組合せにおいて顕著であり、他の顕色剤や安定剤では保存性の向上は見受けられなかった。更に、この感熱発色層上に本発明のカオリンを含有する保護層を設けた場合には、これらの特性が更に優れることがわかる。

Claims (4)

  1. 支持体上に無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料と電子受容性顕色剤とを含有する感熱発色層を設けた感熱記録体であって、該感熱発色層が、電子受容性顕色剤として下記一般式
    Figure 2007210328
    (式中、Rは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、低級アルキル基、アルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基又はアラルキル基を表し、Rは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、mは0〜3の整数を表し、nは0〜3の整数を表す。)で表される縮合物から成る縮合組成物、及び安定剤として下記一般式
    Figure 2007210328
    (式中、Rは、それぞれ同じであっても異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜6のアルキル基又はアルケニル基を表し、oは、それぞれ同じであっても異なってもよく、0〜4の整数を表し、pは1〜11の整数を表し、Rは、それぞれ同じであっても異なってもよく、エーテル結合を有してもよい炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分枝の炭化水素基、下記一般式
    Figure 2007210328
    (式中、Rはメチレン基又はエチレン基を表す。)で表される置換フェニレン基、又は下記一般式
    Figure 2007210328
    (式中、Rは水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基を表す。)で表される2価基を表す。)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物を含有することを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記感熱発色層上に保護層を有し、該保護層がアスペクト比が20以上のカオリンを含有する請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記感熱発色層上に保護層を有し、前記保護層が、更に、カルボキシル基含有樹脂、エピクロロヒドリン系樹脂及び変性ポリアミン/アミド系樹脂を含有する請求項1又は2に記載の感熱記録体。
  4. 前記縮合組成物が微粒化され、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定したその微粒子の粒度分布(体積基準)が50%径で0.5μm以下、かつ90%径で1.2μm以下であることを特徴とする請求項1〜3に記載の感熱記録体。
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