JP5277884B2 - 感熱記録体 - Google Patents
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Description
特に屋外で使用されるハンディターミナル等に使用される感熱記録体には、雨水など対する耐水性が求められている。また、省電力プリンタや高速プリンタ(印字及び画像形成)の低印加エネルギーにおいても高い発色感度が得られる感熱記録体が求められている。
しかし、感熱記録層上に保護層を設けると、サーマルヘッドからの熱が直接感熱記録層に伝わらないため、低印加エネルギーにおいて十分な発色感度が得られないといった問題がある。
そこで、発色感度と耐水性を両立させるために、保護層を設けずに感熱記録層にバインダーとして、カルボキシル変性ポリビニルアルコールを含有させることや(特許文献2,3)、ポリビニルアルコールとグリオキザールを配合すること(特許文献4)などが行われている。
また、感熱記録体の耐光性や耐熱性を向上させるために顕色剤としてジフェニルスルホン誘導体を用いることが行われている(特許文献5)。
エピクロロヒドリン系樹脂(特許文献1)は、グリオキザール以外のポリビニルアルコールなどの水溶性樹脂の架橋剤(耐水化剤)として一般的に知られているが、ビスフェノールAなどの顕色剤と反応するため、染料と顕色剤との反応を阻害することがある。このため、感熱記録層にエピクロロヒドリン系樹脂が含有されていると、低印加エネルギーにおいて十分な発色感度が得られない、長期保管時に地肌発色してしまうといった問題が発生する。
また、ロイコ染料の発色機構を用いた感熱記録層中にカルボキシル基含有樹脂(特許文献1)を使用すると、発色作用を低減させる傾向がある。ロイコ系材料による発色機構は、酸性顕色剤との反応によってロイコ染料が開環し発色するものである。一般的に顕色剤にはフェノール系水酸基を持つ化合物が使用されるが、カルボキシル基の酸乖離定数pKaが3.77であるのに対し、フェノール系水酸基の酸乖離定数は概して10以上である。このため、樹脂中に含まれるカルボキシル基が顕色剤と競合し、発色作用を妨害する場合があると考えられる。このため、水酸基を多く含有する樹脂や、カルボキシル基を含有する樹脂は、感熱紙の感度が低下する問題を有している。
そこで、本発明は、感熱記録層上に保護層を設けない感熱記録体において、該感熱記録層にカルボキシル基含有樹脂、エピクロロヒドリン系樹脂、及びポリアミン/アミド系樹脂を含有させた感熱記録体を改良して、発色感度、耐水性、耐可塑剤性、保存性(耐地肌発色性)に優れた、環境にやさしい感熱記録体を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、支持体上に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を主成分として含有する感熱記録層を設け、該感熱記録層上に保護層を設けない感熱記録体において、該感熱記録層が(a)カルボキシル基含有樹脂、(b)ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂又はポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、及び(c)ポリアミン/アミド系樹脂を含有し、更に電子受容性顕色剤として下記一般式(化1)
特に本発明の感熱記録体は、ハンディターミナルプリンターなどで低印加エネルギーで印字した場合であっても、その発色感度が優れている。
本発明に用いるカルボキシル変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールとフマル酸、無水フタル酸、無水メリト酸、無水イタコン酸などの多価カルボン酸との反応物、又はこれらの反応物のエステル化物、さらに酢酸ビニルとマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、アクリル酸、メタアクリル酸などのエチレン性不飽和ジカルボン酸との共重合物の鹸化物として得られる。具体的には例えば特開昭53−91995号公報の実施例1もしくは4に例示されている製造方法が挙げられる。また、カルボキシル変性ポリビニルアルコールの鹸化度は72〜100mol%であることが好ましく、重合度は500〜2400、より好ましくは1000〜2000である。
本発明に用いられるエピクロロヒドリン系樹脂及び変性ポリアミン/アミド系樹脂の含有量は、カルボキシル基含有樹脂100重量部に対してそれぞれ1〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは5〜50重量部である。含有量が少なすぎると架橋反応が不十分となり良好な耐水性が得られず、多すぎると塗液の粘度増加やゲル化により操業性の問題が生じる。
3、3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕;3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド;〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o、p−ジメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン; 3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o、p−ジメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2、4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
3、6、6’−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9、3´−フタリド〕; 3、6、6’−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9、3´−フタリド〕
3、3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4、5、6、7−テトラブロモフタリド; 3、3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4、5、6、7−テトラクロロフタリド; 3、3−ビス−〔1、1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4、5、6、7−テトラブロモフタリド; 3、3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4、5、6、7−テトラクロロフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3、3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド; 3、6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3´−ニトロ)アニリノラクタム; 3、6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4´−ニトロ)アニリノラクタム; 1、1−ビス−〔2’、2’、2''、2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2、2−ジニトリルエタン; 1、1−ビス−〔2’、2’、2''、2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン; 1、1−ビス−〔2’、2’、2''、2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2、2−ジアセチルエタン; ビス−〔2、2、2’、2’−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
このアルキル基又はアルケニル基は、炭素数が1〜6のアルキル基又はアルケニル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソへキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基等が挙げられる。
また、ハロゲン原子としては塩素、臭素、フッ素又はヨウ素、好ましくは塩素又は臭素を表す。
mは、それぞれ同じであっても異なってもよく、好ましくは同一であり、0〜4、好ましくは0を表す。
OH基及び−OR2O−基は、SO2基に対して、パラ位にあることが好ましい。
nは1〜11である。この化合物はnが1〜11の混合物であることが好ましい。
R2としては、エーテル結合を有してもよい炭素数1〜12、好ましくは3〜7の飽和若しくは不飽和の、好ましくは飽和の、直鎖若しくは分枝の、好ましくは直鎖の炭化水素基であってもよい。このような炭化水素としては、ポリアルキレンオキシド鎖やアルキレン基、好ましくはポリアルキレンオキシド鎖が好ましい。R2がポリアルキレンオキシド鎖の場合、−OR2O−としては、−O−(CoH2oO)1〜3−(式中、o=2〜4、好ましくは2〜3、より好ましくは2)が挙げられる。アルキレン基としては、−CpH2p−(式中、p=1〜12、好ましくは3〜7)が挙げられる。
R2としては、これらの中で、上記のエーテル結合を有してもよい炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分枝の炭化水素基が好ましい。
ゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2'−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、国際公開WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物、国際公開WO02/081229号あるいは特開2002−301873号記載のフェノール性化合物、国際公開WO02/098674号あるいはWO03/029017号に記載のフェノールノボラック型縮合組成物、国際公開WO00/14058号あるいは特開2000−143611号に記載のウレアウレタン化合物、N,N'−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、及びこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独又は2種以上混合して使用することもできる。この他、特開平10−258577号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。
ここで、R8は、水素原子又は炭素数が1〜4の直鎖若しくは分岐の飽和若しくは不飽和炭化水素、好ましくは炭素数が1〜4の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和炭化水素を表す。この飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソアミル基等が挙げられ、不飽和炭化水素基として、例えば、エチレン、1−n−プロペニル、2−n−プロペニル、イソプロペニル、1−n−ブテン、2−n−ブテン、3−n−ブテン等が挙げられる。
R9及びR10は、それぞれ独立して、アルキル基又はアルケニル基を表す。このアルキル基及びアルケニル基の炭素数は、それぞれ、好ましくは1〜4であり、より好ましくは3である。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基が挙げられ、アリル基が好ましい。
t及びuは、それぞれ独立に、0又は1を表し、好ましくは0を表す。
このようなジフェニルスルホン化合物としては、例えば、エーピーアイコーポレーション社製トミラックKN(商品名)、日本曹達社製D−8(商品名)、日華化学社製BPS−MAE(商品名)、日本化薬社製TG−SA(商品名)、TG−SH(商品名)、日華化学社製BPS(商品名)等が挙げられる。
これらのジフェニルスルホン化合物は、単独又は混合して使用することができる。
本発明で使用する顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機又は有機充填剤などが挙げられる。
本発明で使用する滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類等が挙げられる。
また、本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、さらに必要に応じて、架橋剤として、ポリイミン系樹脂、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウム等を併用することもでき、記録画像の耐油性効果等を示す画像安定剤として、4,4′−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチル−4,4′−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等を添加することもできる。
このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
顕色剤全量に対するジフェニルスルホン架橋型化合物の割合は、30重量%以上、好ましくは30〜70重量%である。
電子供与性ロイコ染料、電子受容性顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。塗布する手段は特に限定されるものではなく、周知慣用技術に従って塗布することができ、例えばエアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ベントブレードコーター、ベベルブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーターなど各種コーターを備えたオフマシン塗工機やオンマシン塗工機が適宜選択され使用される。感熱記録層の塗布量は特に限定されず、通常乾燥重量で2〜12g/m2の範囲である。
また、支持体の感熱記録層とは反対面にバックコート層を設け、カールの矯正を図ることも可能である。また、各層の塗工後にスーパーカレンダーがけ等の平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を適宜付加することができる。
本発明の感熱記録紙は、0.1〜0.3mj/dot、特に0.2〜0.3mj/dotの低印字エネルギーで印字した場合であっても良好な発色感度を示すことが特徴である。このような低印字エネルギーで印字する方式としては、ハンディターミナルプリンター、POSプリンター、小型ラベルプリンターなどがある。なお、印字エネルギーは、サーマルヘッドの発熱素子1個(1dot)に与えられるエネルギーであり、(ヘッド部で消費される電力)と(その電力が消費される時間)の積で表される。
以下の実施例及び比較例において、支持体の片面に、順にアンダー層及び感熱記録層を設けた。
尚、説明中、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。感熱記録体の各塗工層に用いた、塗料を以下のように調製した。
[アンダー層塗料調整]
焼成カオリン(BASF社製アンシレックス90) 90.0部
10%カルボキシル変性ポリビニルアルコール溶液(クラレ社製:PVA−KL318) 10.0部
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(固形分50%) 10.0部
45%変性ポリアミド樹脂(住友化学社製:スミレーズレジンSPI−106N)
2.0部
25%ポリアミドエピクロロヒドリン(星光PMC社製:WS4020)
1.3部
水 50.0部
上記組成よりなる混合物を混合攪拌してアンダー層塗料を調成した。
下記A〜D液を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径が約1μmになるまで湿式磨砕を行った。
A液(第1顕色剤分散液)
2,2'−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホン)フェノキシ〕ジフェニルエーテル(日本曹達社製、商品名:D−90(化5)) 6.0部
水 1.5部
B液(第2顕色剤分散液)
4−ヒドロキシ−4'−n−プロポキシジフェニルスルホン(エーピーアイコーポレーション社製:トミラックKN) 6.0部
ポリビニルアルコール 10%水溶液 5.0部
水 1.5部
C液(塩基性無色染料分散液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成社製:ODB−2) 6.0部
ポリビニルアルコール 10%水溶液 5.0部
水 1.5部
D液(増感剤分散液)
1,2ビス(2−メチルフェノキシ)エタン(三光社製:KS232)6.0部
ポリビニルアルコール 10%水溶液 5.0部
水 1.5部
感熱発色層塗液1
A液(50%顕色剤分散液) 15.0部
B液(50%顕色剤分散液) 15.0部
C液(50%塩基性無色染料分散液) 15.0部
D液(50%増感剤分散液) 30.0部
25%シリカ分散液(水澤化学社製:P527) 40.0部
10%カルボキシル変性ポリビニルアルコール溶液(クラレ社製:PVA−KL318) 37.5部
45%ポリアミド樹脂(住友化学社製:スミレーズレジンSPI−106N)
2.5部
25%ポリアミドエピクロロヒドリン(星光PMC社製:WS4020)
5.0部
30%ステアリン酸亜鉛分散液(中京油脂社製:ハイドリンZ−7−30)
7.5部
A液(50%顕色剤分散液) 15.0部
B液(50%顕色剤分散液) 15.0部
C液(50%塩基性無色染料分散液) 15.0部
D液(50%増感剤分散液) 30.0部
25%シリカ分散液(水澤化学社製:P527) 40.0部
10%ポリビニルアルコール溶液(クラレ社製:PVA−117) 37.5部
40%グリオキザール溶液(三井東圧社製) 5.0部
30%ステアリン酸亜鉛分散液(中京油脂社製:ハイドリンZ−7−30)
7.5部
A液(50%顕色剤分散液) 15.0部
B液(50%顕色剤分散液) 15.0部
C液(50%塩基性無色染料分散液) 15.0部
D液(50%増感剤分散液) 30.0部
25%シリカ分散液(水澤化学社製:P527) 40.0部
20%アクリルエマルション溶液(三井化学製:バリアスターB2000)
19.0部
40%グリオキザール(三井東圧社製) 5.0部
30%ステアリン酸亜鉛分散液(中京油脂社製:ハイドリンZ−7−30)
7.5部
坪量47 g/m2の上質紙(支持体)にアンダー層塗料をマイヤーバーで塗工し、120℃に保った送風乾燥器で1分間乾燥した。得られたアンダー紙の重量差から求めた塗布量は8g/m2であった。このアンダー紙の上に感熱層塗料1をマイヤーバーで塗工し、60℃に保った送風乾燥器で2分間乾燥し、感熱記録体を作製した。重量差から求めた塗布量は5.1g/m2であった。
[実施例2]
感熱発色層塗液1の45%ポリアミド樹脂の代わりに45%ポリアミン樹脂(住友化学社製:スミレーズレジンSPI−102A)を使用して、実施例1と同様に感熱記録体を作製した。
[実施例3]
感熱発色層塗液1のA液を24部、B液を6部とした以外は、実施例1と同様に感熱記録体を作製した。
[実施例4]
感熱発色層塗液1のA液を6部、B液を24部とした以外は、実施例1と同様に感熱記録体を作製した。
[実施例5]
感熱発色層塗液2の4−ヒドロキシ−4'−n−プロポキシジフェニルスルホンを4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン(日華化学社製、BPS)に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
記録層塗液1に45%ポリアミド樹脂を配合せずに、実施例1と同様に感熱記録紙を作製した。
[比較例2]
記録層塗液1の代わりに記録層塗液2を使用して、実施例1と同様に感熱記録紙を作製した。
[比較例3]
記録層塗液1の代わりに記録層塗液3を使用して、実施例1と同様に感熱記録紙を作製した。
[比較例4]
感熱発色層塗液1のA液を配合せず、B液を30部とした以外は、実施例1と同様に感熱記録体を作製した。
<発色濃度>
感熱記録紙印字試験機(大倉電気社製 TH−PMD、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用いて、0.23mj/dot及び0.35mJ/dotで印字し、印字部の発色濃度を、マクベス濃度計(RD−914)で測定した。
<耐地肌発色性>
感熱記録体を50℃、90%Rh、24時間放置した後、地肌のマクベス濃度を測定した。
<耐可塑剤性>
紙管に塩ビラップ(三井東圧製ハイラップKMA)を1重に巻き付け、この上に前記プリンターTH−PMD(0.23mj/dot)により印字した感熱記録体を貼り付け、更にこの上に塩ビラップを3重に巻き付けたものを23℃、24時間放置した後、印字部のマクベス濃度を測定した。
水道水を指につけて感熱記録層塗液塗工面を50往復摩擦し、塗工層の剥がれを以下の基準で目視評価した。
○:塗工層剥がれが全くない
△:塗工層が僅かに剥がれる
×:塗工層全体が剥がれる
<耐水ブロッキング>
感熱記録層塗液の塗工面に10mlの水道水を滴下し、その上に記録層の塗工面を向かい合わせて重ね、10g/cm2の加重をかけて24時間放置したのち剥がし、水を滴下した部分の塗工層の剥がれを以下の基準で目視評価した。
○:塗工層剥がれが全くない
△:塗工層が僅かに剥がれる
×:塗工層全体が剥がれる
Claims (5)
- 支持体上に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を主成分として含有する感熱記録層を設け、該感熱記録層上に保護層を設けない感熱記録体において、該感熱記録層が(a)カルボキシル基含有樹脂、(b)ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂又はポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、及び(c)ポリアミン/アミド系樹脂を含有し、更に電子受容性顕色剤として下記一般式(化1)
- 前記(c)ポリアミン/アミド系樹脂が、ポリアミン樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリアミン樹脂、変性ポリアミド樹脂、ポリアミド尿素樹脂、ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミド樹脂、ポリアミンポリ尿素樹脂、変性ポリアミン樹脂、変性ポリアミド樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、又はポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂である請求項1に記載の感熱記録体。
- 前記(a)カルボキシル基含有樹脂がカルボキシル変性ポリビニルアルコールである請求項1〜2に記載の感熱記録体。
- (b)ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂又はポリアミンエピクロロヒドリン樹脂及び(c)変性ポリアミン/アミド系樹脂の含有量が、(a)カルボキシル基含有樹脂100重量部に対してそれぞれ1〜100重量部である請求項1〜3に記載の感熱記録体。
- 印加エネルギー0.1〜0.3mj/dotで印字する感熱プリンター用である請求項1〜4に記載の感熱記録体。
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