JPWO2002055264A1 - 砥石ペレット、砥石、これらの製造方法、砥石を用いた光学素子の製造方法、及び投影露光装置の製造方法 - Google Patents

砥石ペレット、砥石、これらの製造方法、砥石を用いた光学素子の製造方法、及び投影露光装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

砥石ペレット1は、台皿9に固定される円柱状の基体2と、この基体2の端面3に、多数の砥粒を含む無電解メッキで形成された砥粒部5と、を有している。砥粒部5を形成するにあたって、砥粒を入れたメッキ液を攪拌しつつ、基体2の端面3にメッキ層を形成することで、砥粒部5中の砥粒分布を均一化することができる。

Description

「技術分野」
本発明は、台皿に複数個固定され、ガラスや金属の研削又は研磨加工に使用される砥石ペレット、砥石、これらの製造方法、砥石を用いた光学素子の製造方法、及び投影露光装置の製造方法に関する。
「背景技術」
砥石ペレットは、台皿上に接着剤で固定され、これが砥石として使用される。この砥石ペレットとしては、メタルボンドやレジンボンドやビトリファイドボンド等を結合材とし、この中に砥粒を入れて固めたものがある。
しかしながら、従来技術では、例えば、より精密加工を行うために微細な砥粒を混ぜた砥石ペレットを得ようとしても、砥粒が均一に混ざらず、この結果、実用に供するものが得られないという問題点がある。
「発明の開示」
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、砥粒分布の均一化が図ることができる砥石ペレット、砥石、これらの製造方法、この砥石を用いた光学素子の製造方法、及び投影露光装置の製造方法を提供することを目的とする。
そこで、前記目的を達成するための砥石ペレットは、
台皿に複数個固定されて砥石を形成する砥石ペレットにおいて、
前記台皿に固定される柱状の基体と、
砥粒を含み、前記基体の表面に形成されているメッキ層とを有することを特徴とするものである。
ここで、前記メッキ層は、電解メッキ層でも無電解メッキ層でもよいが、製造工程等の観点から、無電解メッキ層の方が好ましい。なお、前記メッキ層を無電解メッキで形成する場合、前記基体は、無電解メッキ層を形成する際の触媒として作用する金属であるとよい。
前記目的を達成するための砥石ペレットの製造方法は、
台皿に複数個固定されて砥石を形成する砥石ペレットの製造方法において、
前記台皿に固定される柱状の基体を準備し、柱状の前記基体の端面であって、前記台皿に固定される端面とは反対側の端面上に、砥粒を含むメッキ液で砥粒層を形成する、ことを特徴とするものである。
ここで、この砥石ペレットの製造方法では、前記メッキ液として、電解メッキ液を使用する場合、前記基体を導電性材で形成し、複数の該基体相互を導体で電気的に接続して、この電気的に接続された複数の基体を、砥粒を含む電解メッキ液中に入れて、複数の該基体の端面に前記砥粒層を形成する、ことが好ましい。このように、電解メッキで砥粒層を形成した場合には、その後、砥粒層の厚さが均一になるように、該砥粒層を加工するとよい。また、前記砥石ペレットの製造方法において、前記メッキ液として、無電解メッキ液を使用する場合には、予め準備しておいた固定板上に、複数の前記基体を固定し、前記固定板に複数の前記基体を固定する前に又は後に、該基体の端面であって、該固定板に固定される端面とは反対側の端面上に、無電解メッキに対する触媒層を形成し、砥粒を含む無電解メッキ液中に、前記固定板に固定された複数の前記基体を入れて、各基体の前記触媒層上に前記砥粒層を形成するとよい。なお、無電解メッキ液で形成された砥粒層は、もっぱら非晶質である。
前記目的を達成するための砥石は、
台皿上に複数の砥粒層が点在している砥石において、
前記台皿上に固定された柱状の複数の基体と、砥粒を含み且つ前記基体の端面を含む基体表面のみに形成されて、前記砥粒層を成すメッキ層と、を有することを特徴とするものである。
また、前記目的を達成するための他の砥石は、
台皿上に複数の砥粒層が点在している砥石において、
前記台皿上に固定された柱状の複数の基体と、砥粒を含み且つ前記基体の端面に形成されて、前記砥粒層を成すメッキ層と、前記台皿上であって、複数の基体相互間の位置に配されて、複数の該基体を該台皿に固定すると共に、前記メッキ層を形成する際のマスキング剤としての役目を担うマスキング層と、を有することを特徴とするものである。
ここで、以上の砥石のメッキ層は、先に述べた砥石ペレットと同様に、無電解メッキで形成した非晶質メッキ層であることが好ましい。
前記目的を達成するための砥石の製造方法は、
台皿上に複数の砥粒層が点在している砥石の製造方法において、
前記台皿と、該台皿に固定される柱状の複数の基体とを準備し、複数の前記基体を前記台皿上に固定し、前記基体の端面上に、無電解メッキに対する触媒層を形成し、前記触媒層の上に、砥粒を含む無電解メッキで砥粒層を形成する、ことを特徴とするものである。ここで、前記台皿に複数の前記基体を固定する際に、該台皿の基体固定面側の全面に接着剤を施して、該接着剤上に複数の該基体を置き、複数の該基体を該台皿に固定するとよい。この場合、該接着剤は、前記無電解メッキに対するマスキング剤にもなる。ここで、以上の砥石の製造方法において、複数の前記基体を前記台皿上に固定した後であって、各基体の端面にメッキを施す前に、複数の該基体の端面を連ねた面形状が所望の被加工面の反転形状になるよう、加工してもよい。
また、前記目的を達成するための他の砥石の製造方法は、
台皿上に複数の砥粒層が点在している砥石の製造方法において、
少なくとも前記砥粒層を形成する側の面が導電性を有する台皿と、該台皿に固定される柱状で導電性を有する複数の基体とを準備し、前記台皿の前記砥粒層を形成する側の面に、複数の前記基体を、該台皿を介して相互に導通可能に固定し、砥粒を含む電解メッキ液中に、前記台皿に固定された複数の前記基体を入れて、前記基体の端面上に、該砥粒を含む電解メッキで前記砥粒層を形成する、ことを特徴とするものである。ここで、前記台皿に複数の前記基体を固定する際に、非導電性の接着剤を用い、該接着剤を該台皿上の複数の基体相互間に施し、該接着剤を前記電解メッキに対するマスキング剤とするとよい。このように、電解メッキで砥粒層を形成する場合には、この砥粒層を形成した後、複数の該砥粒層の面を連ねた面形状が、所望の被加工面の反転形状になるよう、複数の該砥粒層を加工することが好ましい。
さらに、本願が提供する光学素子の製造方法は、
台皿上に複数の基体が固定され、該基体の端面を含む基体表面のみに多数の砥粒を含むメッキ層が形成されている砥石を準備し、前記砥石を用いて、光学素子素材を加工して、前記光学素子又は該光学素子の中間製造物を形成する、ことを特徴とするものである。
また、本願が提供する光学投影露光装置は、
レンズを含む光学系を備えた投影露光装置の製造方法において、
台皿上に複数の基体が固定され、該基体の端面を含む基体表面のみに砥粒を含むメッキ層が形成されている砥石を準備し、
前記砥石を用いて、レンズ素材を加工して、前記レンズ又は該レンズの中間製造物を形成し、前記レンズ素材の加工で得られた前記レンズを前記光学系に組み込む、ことを特徴とするものである。
以上のように、砥石ペレット及び砥石の発明によれば、液体であるメッキ液中に砥粒を混入させて、砥粒を含むメッキ層で砥粒部を形成しているため、砥粒を均一分散させることができる。このため、粒径の小さい砥粒が要求される、超精密加工には、本発明の砥石を用いることが好適である。さらに、メッキ層を砥粒の結合材としているので、砥粒の保持力が高まる上に、結合材自体が基本的に硬いので、砥石寿命を長くすることができる。
また、砥粒を含む無電解メッキで非晶質メッキ層の砥粒部を形成しているものでは、電解メッキのように、外周部のメッキ層の厚さが厚くなることがないため、砥粒部の厚さの均一化を図ることもできる。
また、砥石ペレットの発明では、基体上に砥粒部を形成しているので、ある程度の大きさの砥石ペレットを確保でき、この砥石ペレットを台皿上に固定する際のハンドリング性を高めることができる。さらに、所定の高さの砥石ペレットを得ようとする場合、メッキ層の無垢の砥石ペレットを製作するよりも、メッキ時間を短くすることができる。
「発明を実施するための最良の形態」
以下、本発明に係る各種実施形態について、図面を用いて説明する。
「第一の実施形態」
まず、図1および図2を用いて、本発明に係る第一の実施形態としての砥石ペレットについて説明する。
図1に示すように、本実施形態の砥石ペレット1は、台皿9上に複数固定され、これが砥石10として使用されるもので、円柱状の基体2と、この基体2の一方の端面3側に形成されている砥粒部5とを有している。砥粒部5は、無電解メッキ法により、砥粒を含む非晶質メッキ層で形成されている。
砥石ペレット1を得るためには、先ず、必要とする砥石ペレット1の外径及び高さ等の寸法に応じて、基体2の寸法を決める。基体2の材料は、無電解メッキ液に容易に浸食されず、且つ無電解メッキと良好な密着性を得られるものが好ましい。さらに、基体2の材料は、砥石1の台皿9に貼り付けるために用いる接着剤との接着性が良好に保てるものが良く、かつ、機械的剛性を保つために金属が最も適している。その中でも、メッキ反応を促す触媒作用を有する金属、若しくは、メッキ前に、容易に基体2の表面に触媒を形成できる金属が適しており、前者は、鉄やニッケルが良く、後者は、ステンレスやアルミや黄銅が良い。特に、ステンレスやアルミは、基体2を再利用する際に、残存砥粒部を容易に剥離することができることから適している。
無電解メッキでは、基体2の表面形状が忠実に転写されるため、基体2の表面を予め平滑に仕上げておくことが好ましい。実際に無電解メッキで、砥粒部5を形成する際には、複数の砥石ペレット1,1,…を一度に製造するために、複数の基体2,2,…を固定できる固定板を用いることが好ましい。この固定板の寸法は、製造する砥石ペレット1の数量に応じて決める。また、固定板の材料は、繰り返し使用するために無電解メッキの前処理及び無電解メッキ液に容易に浸食されず、また後述するマスキング剤にも溶解されないものを選定する。後述するマスキング工程を簡略化するのであれば、固定板は樹脂が適している。なお、固定板は、基体を多数固定する場合であれば、その重量に耐えられる必要があり、機械的剛性を保つために金属、特にステンレスがよく、又は、樹脂ではPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)がよい。
固定板には、接着剤で複数の基体2,2,…を貼り付け、基体2の表面中でメッキを施さない領域、言い換えると、砥粒部5を形成しない領域をマスキングする。この基体2の取り付けに際して、固定板及び基体2は、溶剤脱脂しておく。固定板に基体2を固定するための接着剤としては、無電解メッキの前処理から無電解メッキまでの工程中は基体2が保持でき、しかもマスキング性を有し、更に、無電解メッキ後は、固定板から基体2を容易に剥離できるものが適している。すなわち、このような接着剤を、基体2の固定とマスキングとの両方の目的で使用する。但し、基体2の固定に使用する接着剤と、基体2のマスキングに使用するマスキング剤とは、同一のものである必要はなく、別のものであってもよいが、工程の簡略化の面から、同一のものであることが好ましい。
固定板が金属の場合は、メッキが固定板そのものにも析出するため、メッキ液に浸される金属露出部分は全てマスキングする必要があるが、固定板が樹脂の場合にはその必要性がない。マスキング膜の厚さは、不均一であっても基体上に析出する無電解メッキ層は、その特性から均一な層厚が得られるため問題はない。
マスキング後は、基体2の表面中でマスキング膜が形成されていない領域に、無電解メッキに対する触媒層を形成する。基体自体が触媒性を有するものであれば、所定のアルカリ脱脂と活性化処理を行って、基体のマスキング膜が形成されていない領域の表面の酸化皮膜等を除去し、ここを触媒層にする。一方、基体自体が触媒性を有していないものであれば、所定のアルカリ脱脂と活性化処理を行った後、基体の表面に触媒層を形成する。触媒層の形成は、基体2の材質が黄銅やステンレスの場合、例えば、塩化パラジウムを主成分とする水溶液中に基体2を浸漬し、触媒となるパラジウムの層を基体表面に析出させる。また、基体2の材質がアルミニウムの場合は、亜鉛置換液中に基体2を浸漬し、触媒となる亜鉛の層を基体表面に析出させる。なお、無電解メッキの反応を促す触媒としては、鉄、ルテニウムなどの第8属の金属元素から、ニッケル、パラジウムなどの第10属までの金属元素がある。また、ここでは、固定板に基体を固定した後に触媒層を基体に形成したが、触媒層を基体に形成した後、この基体を固定板に固定してもよい。
砥粒部5の形成には、均一析出性が良いことを特長とする無電解メッキ液を用いる。無電解メッキ液としては、例えば、ニッケル−リン・メッキ液を用いる。この無電解めっき液中に、砥粒を混入する。砥粒としては、市販されているダイヤモンドパウダーや立方晶窒化ホウ素(CBN)等が使用でき、その粒径も制限はないが、概ね0.1μm〜200μmが使用の用途が多い。砥粒をメッキ液に投入した後は、スターラー等でメッキ液を攪拌して、砥粒を均一に分散させながら、触媒層が形成されている基体2を無電解メッキ液中に投入することで、触媒層のある領域に、砥粒を含む均一な厚さのメッキ層が形成され、これが、無電解メッキ層、つまり非晶質メッキ層を結合剤とした砥粒部5となる。この砥粒部5の厚さは、主としてメッキ液温度とメッキ時間により制御する。
以上の無電解メッキ処理後、固定板から基体を取り外し、マスキング膜を除去して、砥石ペレット1を得る。
ところで、以上の無電解メッキ法の代わりに電解メッキ法を用いる場合、凸部に電解メッキ層が集中して析出し、層厚さを均一にすることができない。これに対して、本実施形態の無電解メッキ法では、無電解であるが故に、凸部や外周部にメッキ層が多く析出することがなく、層厚さを均一にすることができる。
また、ここでは、砥粒を液体であるメッキ液中に混入し、砥粒部5となるメッキ層を析出させる最中、砥粒が混入されているメッキ液を攪拌しているので、析出したメッキ層内には、砥粒が均一に分散することになる。このため、例えば、仕上げ加工するために、粒径の非常に小さい砥粒を含む砥石を必要とする場合には、砥粒の径が小さくても、砥粒分布の均一化が図られるので、非常に有効である。
さらに、無電解メッキ法で形成した非晶質メッキ層は、砥粒の結合材として作用するので、砥粒の保持力が高くなり、砥石寿命を長くすることができる。また、結合材である非晶質メッキ層は、基本的に硬いので、研削又は研磨による砥粒層の表面変化が小さく、研削面又は研磨面の修正作業の頻度を少なくすることができる。
また、本実施形態では、基体2上に砥粒部5を形成しているので、メッキ層形成に時間を掛けなくても、ある程度の高さを有する砥石ペレット1を確保できる。従って、この砥石ペレット1はつかみ易い大きさが確保されているので、台皿9上に固定する際のハンドリング性を高めることができる。
以上で説明した砥石ペレット1を用いて、砥石10を製作するには、所望の被加工面の反転形状を成す台皿9を準備し、これに複数の砥石ペレット1を接着剤等を用いて固定する。そして、複数の砥石ペレット1の端面を連ねた面形状が、所望の被加工物の反転形状になるよう、摺り合わせ皿等を用いて研削するか、又は切削加工して仕上げる。
「実施例1」
図1に示す砥石ペレット1の具体的な製造方法について、図2に従って説明する。
基体2は、ステンレス(SUS304)材で、直径14.4mm、高さ3mmの円柱状に形成されたものである。この基体2の二つの端面のうち、砥粒層5が形成される側の端面3は、機械加工により、Ra0.2に平滑化してある。
まず、基体2及び固定板11を溶剤脱脂した後、図2(a)に示すように、固定板11にマスキング剤を塗布し、その上に基体2の端面3を上にして載せて、基体2の表面中でメッキを施さない領域にマスキング膜12を施す。このとき、基体2,2同士を接触させないように注意する他は並べ方は任意である。ここで、マスキング剤としては、基体2の固定に使用する接着剤と、基体2のマスキングに使用するマスキング剤とを兼ねる意味で、市販のメッキマスキング剤である、ターコ5980−1A(米国、アトフィナケミカルズ社の商品名)を用いる。次に、100°Cに昇温したオーブン中に、固定板11と共に、この上に載せられた複数の基体2,2,…を入れ、1時間焼いてマスキング膜12を硬化させる。
マスキング膜12の硬化後、固定板11上に載っている基体2,2,…をアルカリ脱脂、酸による活性処理を順に行ってから、塩酸と塩化パラジウムを主成分とする水溶液中に60秒浸漬し、図2(b)に示すように、マスキング膜12が施されていない基体2の表面上にパラジウム層を形成する。これが無電解メッキの反応を促す触媒層4となる。なお、触媒層4となり得る金属、例えば、鉄を基体とした場合には、別途、触媒層を形成する必要はなく、触媒層を形成する面を酸で活性化処理すれば、その表面が触媒層となる。
触媒層4の形成後、固定板11上に載っている基体2を水洗してから、図2(c)に示すように、これを砥粒15を含む無電解ニッケル−リン・メッキ液16中に投入する。無電解ニッケル−リン・メッキ液16中には、粒径2〜4μmのダイヤパウダーを0.2wt%投入し、スターラー17でこの液を攪拌する。メッキ層中の砥粒15の含有量は、ダイヤパウダーの投入量とスターラー17の回転速度等の攪拌条件を変えることで、調整可能である。メッキ液16の温度は90°Cで、この中に16時間、基体2を投入しておき、0.3mmの厚さの無電解メッキ層を析出させる。これが非晶質メッキ層で形成された砥粒部5となる。
無電解メッキ層が所定の厚さまで析出すると、固定板11をメッキ槽から出して、この固定板11及び基体2を水洗してから乾燥する。そして、図2(d)に示すように、基体2を固定板11から取り外し、マスキング膜12を除去することで、砥粒部5の直径が15mmで、全体の高さが3.3mmの砥石ペレット1が完成する。なお、固定板11から砥石ペレット1を取り外す際には、マスキング膜12の希釈用溶剤中に、メッキ後の基体2及び固定板11をそのまま浸漬させると、マスキング膜12が溶解し、固定板11から簡単に砥石ペレット1を取り外すことができる。
「第二の実施形態」
次に、本発明に係る第二の実施形態について説明する。
本実施形態の砥石の概略構成は、図1を用いて前述した砥石10と同じである。すなわち、台皿9上に複数の基体2が固定され、各基体2の一方の端面3側に砥粒部5が形成されているものである。但し、第一の実施形態では、砥石ペレット1を完成させた後、これを台皿9に固定して砥石10を製作しているが、本実施形態では、砥石ペレット1を完成される工程を経ることなく、砥石10を製作する。
この砥石10を製作するにあたり、まず、所望の被加工面の反転形状を成す台皿9を製作する。この台皿9の材料は、後述する接着剤に対して良好な接着性が得られ、且つ機械的剛性を保てることから、金属が最も適している。その中でも、鋳造法や切削加工で製作が容易で軽量なアルミや、鋳造法で製造が可能な鋳鉄が適している。
台皿9の表面であって、砥粒部を形成する側の面は、接着剤との接着性を高めるために、粗仕上げでよく、必要に応じて、ブラスト処理等の粗化加工を行ってもよい。このように、台皿9の砥粒部形成側面は、平滑仕上げをする必要がないため、台皿9の加工コストを抑えることができる。
基体2の材料は、第一の実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
基体2の形状としては、角柱状、円柱状等、各種形状でよく、必要に応じた形状に形成する。レジンボンド製ペレットやメタルボンド製ペレットと同様に、円柱状のものを得たい場合には、丸棒を一定の間隔で切断することで、加工コストを抑え且つ簡易に得ることができる。基体2の両端面のうち、台皿9に取り付ける側の端面は、台皿9と同様に、接着剤との接着性を強くするため粗仕上げでよく、また、砥粒部5が形成される他方の端面も、後工程で別途仕上げられるので粗仕上げでよい。なお、台皿9に取り付けられる側の端面は、台皿9と同様に、ブラスト処理等の粗化加工を行ってもよい。
以上で説明した台皿9及び複数の基体2が得られると、これらを溶剤脱脂した後、台皿9の砥粒部形成側面の全体に、接着剤を塗布し、その上に必要数の基体2を載せる。この際使用する接着剤としては、台皿9の表面が平面ではなく曲面であるため、この曲面に沿って基体2が重力により移動しにくいものを使用することが好ましく、高粘度のエポキシ系接着剤が好ましい。
なお、台皿9上に基体2を固定する際、基体2の端面に凸部又は凹部を形成し、台皿9の基体2を固定すべき位置に凹部又は凸部を形成して、基体2の凸部又は凹部を台皿の凹部又は凸部に嵌め込むようにしてもよい。この場合、台皿9に対して基体2がズレないので、低粘度の接着剤を用いていもよい。
台皿9上に基体2を載せた後、基体2が接着剤により台皿9から浮き上がらないように、基体2の上に重し等を載せる。具体的には、台皿9の表面が平面である場合には、表面が平坦な定盤上に複数の基体2を置き、その上から接着剤付きの台皿9を載せ、台皿9自体を重しにするとよい。また、台皿9の表面が曲面である場合には、接着剤付きの台皿9の上に複数の基体2を載せた後、後述する摺合せ皿を重しとして置くとよい。
接着剤付きの台皿9の上に複数の基体2を載せ、さらにその上に重しを載せた後は、接着剤が硬化するまで放置する。なお、接着剤が熱硬化型のものであれば、以上のものをまとめてオーブン等に入れ、硬化時間を短縮させるとよい。
接着剤が硬化すると、複数の基体2の端面を連ねた面形状が所望の被加工面の反転形状になるよう、基体2の端面を研削加工又は切削加工する。研削加工では、被加工物の仕上がり面形状が反転した面形状の摺合せ皿を用いるとよい。
次に、基体付きの台皿9に、無電解メッキに対するマスキングを施す。台皿9の砥粒部形成側面は、接着剤が施されており、この接着剤がマスキング剤として作用するため、ここにはマスキングを施さず、その裏面側にマスキングを施す。
マスキング剤が乾き、マスキング膜12が形成されると、第一の実施形態と同様に、基体2の表面中でマスキング膜12がついていない領域に、無電解メッキに対する触媒層を形成する。
触媒層を形成すると、砥粒が混入している無電解メッキ液中に、基体付き台皿9を入れ、各基体2の触媒層上に、砥粒を含む無電解メッキ層、つまり砥粒部5を形成する。この無電解メッキに関しても、第一の実施形態と同様の方法で行う。
砥粒部5の厚さが目的の厚さになると、基体付き台皿9を無電解メッキ液中から取り出し、水洗いした後、台皿9の裏面側のマスキング膜12を除去して、砥石10が完成する。
以上、本実施形態においても、基体2上に、砥粒を含む無電解メッキ層である砥粒部5を形成したので、基本的に第一の実施形態の砥石ペレット1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、台皿9に固定された全ての基体2の端面を連ねた形状が所望の被加工面の反転形状になるように、基体2上に砥粒部5を形成する前に、基体2の端面を機械加工で仕上げたので、第一の実施形態のように、完成した砥石ペレット1を台皿9上に固定し、その後、砥石ペレット1の砥粒部5を機械加工で仕上げるよりも、短時間で且つ容易に機械加工できる。これは、機械加工の対象が、第一の実施形態のように、砥粒を含む極めて硬いメッキ層ではないことに起因する。
ところで、砥石を形成する場合、台皿に複数の溝を形成し、凸部となっている箇所を基体部分とすることも可能である。しかし、このように台皿に溝を形成すると、溝の部分までメッキが施されてしまい、メッキ液や砥粒等の消費量が非常に多くなり、材料コストが嵩んでしまう。そこで、溝部分にマスキングを施そうとすると、凸部の表面のマスキングを避けつつ、溝部にマスキングしなければならず、面倒なマスキング処理となる。これに対して、本実施形態では、台皿の砥粒部形成側面の全体に施した接着剤がマスキング剤となるので、メッキ液や砥粒等の消費量を抑えることができる上に、台皿の砥粒部形成側面を別途マスキングする必要がない。
「実施例2」
以上の第二の実施形態で説明した砥石10の具体的な製造方法について、図3に従って説明する。なお、この実施例2で最終的に得ようとしている砥石10は、曲率半径が197mmの球面の砥石であるものとする。
台皿9は、アルミ鋳物材で、直径300mmの円盤状に形成され、この砥粒部形成面が曲率半径200mmの球面に形成されている。なお、この面には、特に粗化処理を施していない。また、基体2は、アルミニウム(A5056)製で、直径10mm、高さ3mmの円柱状を成している。この基体2の表面は、粒度#100のガラスビーズでショット加工が施されている。
まず、以上の台皿9及び基体2を溶剤脱脂した後、図3(a)に示すように、台皿9の砥粒部形成側面である球面全体にエポキシ系接着剤12aを塗布する。この接着剤としては、比較的粘性の高いSC507A/B(ソニーケミカルズ社の商品名)が適している。また、この接着剤12aの塗布量は、基体2の高さの半分程度の厚さが好ましい。続いて、複数の基体2を接着剤12aの上に置いてから、後述する摺合せ皿19をその上から載せて、接着剤12aを硬化させる。このように、基体2に、摺合せ皿19を重しとして載せることで、接着剤12aの硬化過程で基体2がズレるのを防ぐことができる。
接着剤12aの硬化後、複数の基体2の端面3を連ねた面形状が所望の被加工面の反転形状、つまり、球面になるよう、図3(b)に示すように、摺合せ皿19を用いて、基体2の端面3を削る。この摺り合せでは、粒度#600の炭化珪素系の研削砂に水を混ぜたものを摺り合せ面に塗布しながら行う。この段階で、得ようとしている球面の曲率半径は、メッキ層の厚さ(0.3mm)を考慮して、197.3mmである。
次に、台皿9の表面のうち、球面以外の部分、言い換えると、台皿9の裏面をマスキングテープや塗布型マスキング剤を用いてマスキング膜13(図3(c)に示す)を形成する。そして、基体付き台皿9をアルカリ脱脂、酸による活性化を順に行った後、亜鉛置換液に30秒浸し、複数の基体2の側周面及び基体2の端面に亜鉛層(図示されていない)を形成する。この亜鉛層が無電解メッキの反応を促す触媒層となる。
触媒層の形成後、基体付き台皿9を水洗いしてから、図3(c)に示すように、砥粒15を含む無電解ニッケル−リン・メッキ液16中に投入して、基体2の端面3に0.3mmの無電解メッキ層を析出させる。これが非晶質メッキ層で形成された砥粒部5となる。なお、この無電解メッキ工程における各種条件は、実施例1と同様である。
以上の無電解メッキ後、メッキ槽から砥粒層5が形成された台皿9を取り出し、これを水洗いしてから乾燥し、台皿9の裏面に付けたマスキング膜13を外すと、曲率半径が197mmの球面の砥石10が完成する。
なお、以上の実施例2では、被加工面の面形状に合せて球面の台皿9を用いたが、台皿は、必ずしも被加工面の面形状に合せる必要がなく、例えば、図4(a)に示すように、平坦な円盤状の台皿9aを用いてもよい。ここで、このような台皿9aを用いた際の砥石の製造方法について、以下で簡単に説明する。
以上の実施例2と同様に、台皿9aの表面全体に接着剤12aを塗布した後、同じ高さの複数の基体2を接着剤12aの上に置き、接着剤12aを硬化させる。この場合、表面が平坦な定盤上に複数の基体2を置き、その上から接着剤付きの台皿9aを載せ、台皿9a自体を重しにする。
接着剤12aの硬化後、図4(b)に示すように、摺合せ皿19を用いて、基体2の端面3を削って、図4(c)に示すように、複数の基体2の端面3を連ねた面形状を所望の被加工面の反転形状にする。以下、実施例2と同様に、メッキ処理等を行って砥石を完成させる。
なお、以上では、同じ高さの複数の基体2を用いたが、摺合せ皿19による研磨量を減らすために、高さが低くなる基体、つまり、この実施例は、台皿9aの中央近傍に貼り付ける基体に関しては、他の基体に比べて高さの低いものを用いるようにしてもよい。
「性能試験例1」
以上の第二の実施形態で説明した方法で製造した砥石10を用いて、石英ガラスを研削した際の砥石の性能試験結果について説明する。
この性能試験では、各種砥石を用いて、高硬度の石英ガラスを加工し、その過程での研削速度や研削精度等を求めている。試験対象は、第二の実施形態の砥石10、従来のメタルボンド砥石、及び従来のレジンボンド砥石である。
通常、被加工物である光学素子素材から光学素子を形成する場合には、図5に示すような手順で行われる。具体的には、まず、同図(a)(b)に示すように、光学素子素材25aの形状を所望の光学素子25の形状に近づけるために、この素材25aを形状創成する。次に、同図(c)に示すように、粗研削用砥石26cを用いて、形状創成された素材25bの表面を粗研削する。続いて、同図(d)に示すように、精研削用砥石26dを用いて、粗研削された素材25cの表面を精研削する。最後に、同図(e)に示すように、精研削された素材25dの表面を研磨して、所望の被加工面形状を成す光学素子25を得る。なお、同図では、素材の表面粗さの変化を明確にするために、表面粗さを極端に描いている。また、図5では、素材25aの一方の面のみを加工しているように描いているが、光学素子がレンズの場合には、他方の面に関しても同様の処理が行われることは言うまでもない。さらに、ここでは、研磨工程を経て最終製造物である光学素子を得ているが、表面粗さがある程度大きいものでも、仕様範囲になる製品の場合には、精研削工程の後に研磨工程を経る必要はない。従って、精研削工程を経た段階では、中間製造物である場合もあるし、最終製造物である場合もある。
ここで、性能試験の試験条件は、以下の通りである。
・第二の実施形態の砥石
基体径:10mm
砥粒の材料:ダイヤモンド
砥粒の粒径:2〜4μm(3500番のメッシュサイズ相当)
砥粒層の厚さ:0.3mm
・従来のメタルボンド砥石(粗研削用)
ペレット径:10mm
砥粒の材料:ダイヤモンド
砥粒の粒径:1500番のメッシュサイズ
・従来のレジンボンド砥石(精研削用)
ペレット径:10mm
砥粒の材料:ダイヤモンド
砥粒の粒径:3000番のメッシュサイズ
・光学素子素材:石英(SiO)ガラス
・光学素子の形状:外径238mmで、R220mmの球面凸レンズ
・研削装置:舘野製楕円運動型
・研削液:水溶性タイプの研削原液を水で希釈したもの
研削原液:水=1:15
なお、この試験で用いる第二の実施形態の砥石は、台皿上に5mmピッチで基体を固定したものである。このように、ここで用いる砥石に関しては、基体の相互間隔をある程度開けて、台皿の砥粒部形成側面の面積に対して全研削面の面積を3割以下に抑え、加工屑の排出性を向上させている。
以上の条件で、光学素子素材を研削したときの、各砥石の平均研削速度、素材の表面粗さ、研削工程の後に行われる研磨工程での研磨所要時間、各砥石の面出し所要時間は、以下の表1のようになった。
Figure 2002055264
この表1から分かるように、平均研削速度は、第二の実施形態の砥石が28μm/分で、従来の粗研削用砥石であるメタルボンド砥石と同等であり、従来の精研削用砥石であるレジンボンド砥石よりも遥かに優れている。このように、第二の実施形態の砥石は、これに含まれている砥粒の粒径が従来の粗研削用砥石よりも遥かに小さいにも関わらず、平均研削速度が従来の粗研削用砥石と同等であるのは、砥粒層の結合材としてメッキ層を用いているために、砥粒の保持力が極めて高いことに起因していると考えられる。また、研削後の表面粗さは、第二の実施形態の砥石が0.47μmで、従来の精研削用砥石であるレジンボンド砥石と同等であり、従来の粗研削砥石であるメタルボンド砥石より遥かに優れている。このように、研削後の表面粗さが、第二の実施形態の砥石と従来の精研削用砥石であるレジンボンド砥石と同等であることから、研削後に行う研磨工程での研磨所要時間も、第二の実施形態の砥石と従来の精研削用砥石であるレジンボンド砥石と同等になる。
すなわち、第二の実施形態の砥石は、平均研削速度が従来の粗研削砥石であるメタルボンド砥石と同等で、表面粗さ及び研磨所要時間が従来の精研削砥石であるレジンボンド砥石と同等である。このため、従来技術では、粗研削工程と精研削工程とで、それぞれ、異なる砥石を用いていることになるが、第二の実施形態の砥石では、粗研削工程と精研削工程とで砥石を変えなくても、従来技術と基本的に同じ結果、つまり、従来技術と表面粗さ及び研磨所要時間の面で同等にすることができる。
従って、仮に、図5(b)の形状創成後の研削量を150μm、研削後の表面粗さを0.47μmになるように研削を行う場合、表2に示すように、従来技術では、粗研削工程で5分程度(≒研削量150μm÷28μm/分)かかり、精研削工程でも5分程度かかる上に、砥石を交換するための作業時間として数分かかり、全研削工程の所要時間として、10分以上かかってしまう。これに対して、第二の実施形態の砥石では、粗研削工程と精研削工程での砥石変更が不要であるため、砥石の交換作業時間が無く、粗研削工程と精研削工程とを合わせた全研削工程の時間を5分程度(≒研削量150μm÷28μm/分)に抑えることができる。なお、従来技術において、精研削工程での研削に5分程度かかるのは、粗研削で目標の150μm程度研削した後、粗研削で生じた素材表面のクラック層(加工ひずみで素材が変質した部分)を精研削で取り除く必要があるからである。一方、第二の実施形態の砥石は、これに含まれている砥粒の粒径が精研削用砥石に含まれている砥粒の粒径と同程度又はそれ以下であるので、従来技術における粗研削で生じるようなクラック層は生じない。
Figure 2002055264
砥石の面出し所要時間、つまり、砥石の研削面を所望の被加工面(光学面)の反転形状に修正する時間は、表1に示すように、第二の実施形態の砥石が35分で、従来のメタルボンド砥石及びレジンボンド砥石が共に120分である。このように、第二の実施形態の砥石の面出し所要時間が短いのは、第二の実施形態において、基体2上に砥粒部5を形成する前に、台皿9に固定された全ての基体2の端面を連ねた形状が所望の被加工面の反転形状になるよう、比較的柔らかい基体2の端面を機械加工で仕上げているからである。なお、第二の実施形態の砥石の面出し所要時間の内訳は、砥粒部5を形成する前に基体2の端面を加工する時間として10分、砥粒部5が形成された後に、この砥粒部5の表面を仕上げる時間として25分で、合計35分である。
「性能試験例2」
以上の第二の実施形態で説明した方法で製造した砥石10を用いて、蛍石を研削した際の砥石の性能試験結果について説明する。
この性能試験では、第二の実施形態の砥石と従来の精研削用砥石であるレジンボンド砥石のそれぞれを用いて、結晶構造を有する蛍石(CaF)を加工し、その過程での研削速度や研削精度等を求めている。光学素子素材である蛍石は、加工特性が結晶方位に依存するため、被加工面(光学面)として一様に良好な面を得ることが難しいことで知られている。そこで、この試験では、蛍石の111面、110面、100面が、光軸に対して垂直な面として出るように、形状創成したものを研削対象としている。
ここで、性能試験の試験条件は、以下の通りである。
・第二の実施形態の砥石
基体径:6mm
砥粒の材料:ダイヤモンド
砥粒の粒径:1〜3μm(4000番のメッシュサイズ相当)
砥粒層の厚さ:0.3mm
・従来のレジンボンド砥石(精研削用)
ペレット径:6mm
砥粒の材料:ダイヤモンド
砥粒の粒径:2000番のメッシュサイズ
・光学素子素材:蛍石(CaF
・光学素子の形状:外径39mmで、R50mmの球面凸レンズ
・研削装置:市村製作所製オスカー型
・研削液:水溶性タイプの研削原液を水で希釈したもの
研削原液:水=1:15
なお、この試験で用いる第二の実施形態の砥石は、台皿上に3mmピッチで基体を固定したものである。このように、ここで用いる砥石に関しては、基体の相互間隔をある程度開けて、台皿の砥粒部形成側面の面積に対して全研削面の面積を3割以下に抑え、加工屑の排出性を向上させている。
以上の条件で、光学素子素材を研削したときの、各砥石の平均研削速度、素材の表面状態、素材の表面粗さ、研削工程の後に行われる研磨工程での研磨所要時間、砥石の面出し所要時間は、以下の表3のようになった。
Figure 2002055264
表3から分かるように、第二の実施形態の砥石は、その砥粒が従来のレジンボンド砥石の砥粒よりも小さいにも関わらず、従来のレジンボンド砥石よりも若干優れている。これは、性能試験例1で述べたように、第二の実施形態の砥石の方が砥粒の保持力が大きいことに起因していると考えられる。
また、研削後の被加工面の状態は、従来のレジンボンド砥石を用いた場合、図6に示すように、いずれの結晶方位でも白濁面28と光沢面29が混在している。より具体的には、同図(a)に示すように、蛍石の111面が予定光軸と垂直になっているときに研削した場合には、光軸を中心として120°毎に白濁面28が現れ、同図(b)に示すように、蛍石の110面が予定光軸と垂直になっているときに研削した場合には、光軸と中心として180°毎に白濁面28が現れ、同図(c)に示すように、蛍石の100面が予定光軸と垂直になっているときに研削した場合には、光軸を中心として90°毎に白濁面28が現れる。これは、同様の研削を何度行っても現れる傾向である。なお、この白濁面28が形成されるのは、白濁している表層部分に前述したクラック層が形成されているからである。また、研削後の表面粗さは、従来のレジンボンド砥石を用いた場合、光沢面が0.19μmで、白濁面が1.11μmである。
これに対して、第二の実施形態の砥石では、以上のように被加工面として一様に良好な面を得ることが難しいという従来の常識を覆し、全被加工面において光沢面を得ることができた。しかも、研削後の表面粗さは、0.13μmで、従来のレジンボンド砥石によりも優れている。このように、第二の実施形態の砥石の方が従来のレジンボンド砥石より、研削後の表面状態及び表面粗さの面で優れているのは、その正確な理由は不明であるが、第二の実施形態の砥石の方が砥粒が小さいこと、及び砥粒分布が均一であることに起因するのではないかと考えられる。
以上のように、第二の実施形態の砥石の方が、研削後の表面状態及び表面粗さの面で優れているため、研削工程後の研磨の所要時間は、従来のレジンボンド砥石を用いたときの1/4の120分である。これに対して、従来のレジンボンド砥石を用いた場合、研磨所要時間が480分以上と極めて長くなるのは、被加工面を白濁させているクラック層を研磨で取り除く必要があるからである。
また、砥石の面出し所要時間は、第二の実施形態の砥石が15分で、従来のレジンボンド砥石が60分である。
なお、以上は、第二の実施形態の砥石の研削性能であるが、第一の実施形態の砥石に関しても、基本的に同様の研削性能が得られることは言うまでもない。但し、第一の実施形態は、砥粒層形成済みの砥石ペレット1を台皿9に固定したものであるため、砥石の面出し作業では、硬い砥粒層に対して直接成形を施す必要があり、面出し所要時間に関しては、第二の実施形態よりも長くなり、従来技術と大差はない。
「第三の実施形態」
次に、本発明に係る第三の実施形態について説明する。
この実施形態の砥石は、砥粒層を無電解メッキではなく電解メッキで形成するもので、その他の基本的な構成は第二の実施形態と同様である。
まず、第二の実施形態と同様に、台皿及び複数の基体を準備する。但し、台皿及び基体の材料は、電解メッキを行う関係上、導電材である必要があり、例えば、鉄、ステンレス、アルミ等が好ましい。
次に、台皿及び基体を溶剤脱脂した後、台皿の砥粒部形成側面に、必要数の基体を載せてから、複数の基体相互間に、エポキシ系接着剤を塗布する。すなわち、基体の端面には、接着剤を付けず、基体の側周面に接着剤を付けて、基体と台皿との間の導電性を確保しつつ、基体を台皿に固定する。なお、基体の端面に接着剤を付けないのは、基体と台皿との間の導電性を確保するためであるから、基体の端面の一部に接着剤を付けても構わない。また、基体と台皿との機械的な接続性を確保するため、基体の端面に凸部又は凹部を形成し、台皿の基体を固定すべき位置に凹部又は凸部を形成して、基体の凸部又は凹部を台皿の凹部又は凸部に嵌め込むようにしてもよい。
接着剤が硬化すると、第二の実施形態と同様に、台皿に固定した全ての基体の端面を連ねた面形状が所望の被加工面の反転形状になるよう、基体の端面を研削加工又は切削加工する。
次に、基体付きの台皿の裏面に電解メッキ用の負電極を付けてから、同じく台皿の裏面に電解メッキに対するマスキングを施し、マスキングが施されていない領域、つまり、基体の端面等に対して、電解メッキに対する前処理を施す。
メッキ前処理が終了すると、電解メッキ液中に、正電極を入れ、さらに、砥粒を混入させる。この場合の砥粒としては、第一の実施形態と同様に、ダイヤモンドパウダーや立方晶窒化ホウ素等でよい。そして、砥粒が混入している電解メッキ液中に、基体付き台皿を入れ、電解メッキ液を攪拌しつつ、電解メッキ中の正電極と台皿に付いている負電極との間に電流を流して、基体の端面に、砥粒を含む電解メッキ層、つまり、砥粒部を形成する。
砥粒部の形成が終了すると、砥粒部が形成された台皿を電解メッキ液中から取り出し、水洗いした後、台皿の裏面側のマスキング剤を除去する。マスキング剤除去後、複数の基体の端面上に形成された各砥粒部の表面を、所定の面形状になるように、摺合せ皿等で摺り合せて、砥石を完成させる。この摺り合せは、第一の実施形態で述べたように、電解メッキでは、凸部や外周部に電解メッキ層が多く析出し、メッキ層の層厚さを均一できないことに起因する。
以上のように、本実施形態でも、砥粒を液体であるメッキ液中に混入しているので、析出したメッキ層内の砥粒を均一に分散させることができる。さらに、電解メッキ法で形成したメッキ層を砥粒の結合材としているので、砥粒の保持力が高くなり、砥石寿命を長くすることができる。また、結合材であるメッキ層は、硬いので、研削又は研磨による砥粒層の表面変化が小さく、研削面又は研磨面の修正作業の頻度を少なくすることができる。さらに、台皿の砥粒部形成側面であって、複数の基体の相互間に、接着剤を塗布したので、この接着剤がマスキング剤としても機能し、別途、マスキングを行わなくても、複数の基体相互間にメッキ層が形成されるのを防ぐことができる。
また、本実施形態の砥石の研削性能は、基本的に、前述した第二の実施形態の砥石の研削性能と同等である。但し、本実施形態の砥石は、前述したように、砥粒層の厚さを均一にできないことから、砥石の面出し所要時間に関しては、第二の実施形態よりも長くなり、従来技術と大差はない。
なお、以上では、砥石の製造方法について述べたが、台皿の換わりに、第一の実施形態のように、固定板を用いれば、砥粒を含む電解メッキ層を砥粒部とする砥石ペレットを形成できることは言うまでもない。
「実施例3」
以上の第3の実施形態で説明した砥石の具体的な製造方法について、図7及び図8を用いて説明する。
台皿9bは、鉄鋳物製で円盤状を成している。また、基体2bは、ステンレス(SUS304)製で円柱状を成している。これら台皿9b及び基体2bの表面は、粒度#100のガラスビーズでショット加工が施されている。
まず、以上の台皿9b及び基体2bを溶剤脱脂した後、図7(a)に示すように、台皿9bの上に必要量の基体2bを置いてから、台皿9bの砥粒部形成面にエポキシ系接着剤12bを塗布する。この接着剤12bとしては、EP−138(セメダイン社の商品名)や、実施例2で用いたSC507A/B(ソニーケミカルズ社の商品名)等が適している。この接着剤12bの塗布量は、基体2bの高さの半分程度の厚さが好ましい。接着剤12bの塗布後、複数の基体2bの上に重しを載せて、接着剤12bを硬化させる。
接着剤12bの硬化後、複数の基体2bの端面3bを連ねた面形状が所望の被加工面の反転形状になるよう、図7(b)に示すように、摺合せ皿19bを用いて、基体2bの端面3bを削る。この摺り合せでも、実施例2と同様に、粒度#600の炭化珪素系の研削砂に水を混ぜたものを摺り合せ面に塗布しながら行う。
次に、基体付き台皿9bに対して、アルカリ脱脂、酸による活性化を順に行った後、図7(c)に示すように、台皿9bの裏面に電解メッキ用の負電極20を接触させてから、台皿9bの裏面をマスキングテープや塗布型マスキング剤を用いてマスキング膜13bを形成する。そして、この基体付き台皿9bに対して、ニッケルストライクメッキ4bを施す。この電解メッキ処理では、表面積100cm当たり、10A程度の電流を2分程度流して、基体2bの端面3b上に非常に薄いメッキ膜を形成する。この電解メッキ処理は、基体2bの材質がステンレスであることから、ステンレス表面の電気的化学活性化を図るために行う処理である。
以上のメッキ前処理が終了すると、図8(d)に示すように、電解メッキ液16b中に、正電極21を入れ、さらに、砥粒15を混入させる。この実施例3では、電解メッキ液16bとして、PH4で50℃のスルファミン酸ニッケルメッキ液を用い、砥粒15として、粒径2〜4μmのダイヤパウダーを用いる。そして、砥粒15が混入している電解メッキ液16b中に、基体付き台皿9bを入れ、スターラー17で電解メッキ液16bを攪拌しつつ、電解メッキ液16b中の正電極21と台皿9bに付いている負電極20との間に電流を流して、基体2bの端面に、砥粒15を含む電解メッキ層、つまり、砥粒部5bを形成する。この電解メッキ処理では、表面積100cm当たり、5Aの電流を4時間程度流して、厚さ0.24mmの砥粒部5bを形成する。
砥粒部5bの形成が終了すると、砥粒部5bが形成された台皿9bを電解メッキ液16b中から取り出し、水洗いした後、台皿9bの裏面側のマスキング膜13bを除去する。そして、図8(e)に示すように、台皿9bに固定された全ての基体2bの端面上に形成された各砥粒部5bの表面を連ねた面形状が所望の被加工面の反転形状になるよう、摺合せ皿19cで摺り合せて、砥石10bを完成させる。
なお、前述したように、台皿の代わりに、固定板を用いて、砥石ペレットを形成する場合、固定板に基体を仮固定する際に使用する接着剤として、実施例1で用いたターコ5980−1A(米国、アトフィナケミカルズ社の商品名)を用いるとよい。
「投影露光装置の実施形態」
次に、図9を用いて、投影露光装置の実施形態について説明する。
本実施形態における投影露光装置は、シリコンウェハ30に対してパターン投影するもので、光源31と、集光レンズ32と、照明光学系33と、投影光学系34と、シリコンウェハ30が置かれるステージ35と、を備えている。照明光学系33と投影光学系34との間には、シリコンウェハ30の加工内容に応じたパターンが形成されているレチクル36が適宜配置される。光源31としては、この実施形態では、極めて波長の短い光を出力するArFレーザ、又はさらに波長の短い光を出力するFレーザが用いられている。照明光学系33は、光路中の光度分布を均一化する機能を担い、投影光学系34は、レチクル36の像をシリコンウェハ30上に結像させる機能を担っている。
近年の投影露光装置は、シリコンウェハ30上に微細なパターンを投影するため、前述したように、より波長の短い光を用いて、レチクル36のパターンを投影することが求められている。そこで、本実施形態では、波長の短い光に対応するため、集光レンズ32、照明光学系33内の各種レンズ、投影光学系34内の各種レンズは、いずれも、石英及び蛍石をレンズ素材としている。
蛍石を研削する場合、「性能試験例2」で述べたように、先に説明した各実施形態の砥石を用いると、良好な結果が得られることが判明している。このため、ここでは、先に説明した各実施形態のいずれかの砥石、好ましくは第二の実施形態の砥石を用いて、蛍石を研削して、光学投影露光装置を構成する前述した各種レンズを取得している。このように得られたレンズは、投影露光装置用に短時間で高精度に形状創成されるので、装置自体の製造コストの低減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施形態における砥石及び砥石ペレットの斜視図である。
図2は、本発明の実施例1における砥石ペレットの製作手順を示す説明図である。
図3は、本発明の実施例2における砥石の製作手順を示す説明図である。
図4は、本発明の実施例2の変形例における砥石の製作手順を示す説明図である。
図5は、光学素子を製造する過程を示す説明図である。
図6は、従来のレジンボンド砥石で蛍石を研削した際の表面状態を示す説明図である。
図7は、本発明の実施例3の砥石の製作手順を示す説明図(その1)である。
図8は、本発明の実施例3の砥石の製作手順を示す説明図(その2)である。
図9は、本発明の一実施形態における投影露光装置の構成図である。

Claims (19)

  1. 台皿に複数個固定されて砥石を形成する砥石ペレットにおいて、
    前記台皿に固定される柱状の基体と、
    砥粒を含み、前記基体の表面に形成されているメッキ層と、
    を有することを特徴とする砥石ペレット。
  2. 請求項1に記載の砥石ペレットにおいて、
    前記メッキ層は、非晶質メッキ層である、
    ことを特徴とする砥石ペレット。
  3. 請求項2に記載の砥石ペレットにおいて、
    前記基体は、前記非晶質メッキ層を形成する際の触媒として作用する金属である、
    ことを特徴とする砥石ペレット。
  4. 台皿に複数個固定されて砥石を形成する砥石ペレットの製造方法において、
    前記台皿に固定される複数の柱状の基体を準備し、
    柱状の前記基体の端面であって、前記台皿に固定される端面とは反対側の端面上に、砥粒を含むメッキ液で砥粒層を形成する、
    ことを特徴とする砥石ペレットの製造方法。
  5. 請求項4に記載の砥石ペレットの製造方法において、
    予め準備しておいた固定板上に、複数の前記基体を固定し、
    前記固定板に複数の前記基体を固定する前に又は後に、該基体の端面であって、該固定板に固定される端面とは反対側の端面上に、無電解メッキに対する触媒層を形成し、
    砥粒を含む無電解メッキ液中に、前記固定板に固定された複数の前記基体を入れて、各基体の前記触媒層上に前記砥粒層を形成する、
    ことを特徴とする砥石ペレットの製造方法。
  6. 請求項5に記載の砥石ペレットの製造方法において、
    前記無電解メッキ液中に複数の前記基体を入れる前に、前記固定板の表面にマスキング剤を施し、該マスキング剤を接着剤として、複数の該基体の端面を該固定板に取り付けると共に、複数の該基体の表面中で前記砥粒層を形成しない面に該マスキング剤を施す、
    ことを特徴とする砥石ペレットの製造方法。
  7. 請求項4に記載の砥石ペレットの製造方法において、
    前記砥粒層を形成した後、該砥粒層の厚さが均一になるよう、該砥粒層を加工する、
    ことを特徴とする砥石ペレットの製造方法。
  8. 台皿上に複数の砥粒層が点在している砥石において、
    前記台皿上に固定された柱状の複数の基体と、
    砥粒を含み、前記基体の端面を含む基体表面のみに形成されて、前記砥粒層を成すメッキ層と、
    を有することを特徴とする砥石。
  9. 請求項8に記載の砥石において、
    前記メッキ層は、非晶質メッキ層である、
    ことを特徴とする砥石。
  10. 台皿上に複数の砥粒層が点在している砥石の製造方法において、
    前記台皿と、該台皿に固定される柱状の複数の基体とを準備し、
    前記台皿の前記基体を固定する面に、複数の該基体を固定し、
    前記基体の少なくとも端面上に、砥粒を含むメッキ液で前記砥粒層を形成する、
    ことを特徴とする砥石の製造方法。
  11. 請求項10に記載の砥石の製造方法において、
    複数の前記基体の端面に前記砥粒層を形成した後、複数の該砥粒層の面を連ねた面形状が、所望の被加工面の反転形状になるよう、複数の該砥粒層を加工する、
    ことを特徴とする砥石の製造方法。
  12. 複数の基体を台皿上に固定し、各基体の端面にメッキにより砥粒層を形成する砥石の製造方法であって、
    前記台皿上に固定された複数の前記基体の端面を連ねた面形状が、所望の被加工面の反転形状に成るよう、各基体の端面を加工する工程を含む、
    ことを特徴とする砥石の製造方法。
  13. 光学素子の製造方法において、
    台皿上に複数の基体が固定され、該基体の端面を含む基体表面のみに砥粒を含むメッキ層が形成されている砥石を準備し、
    前記砥石を用いて、光学素子素材を加工して、前記光学素子又は該光学素子の中間製造物を形成する、
    ことを特徴とする光学素子の製造方法。
  14. 請求項13に記載の光学素子の製造方法において、
    前記メッキ層は、非晶質メッキ層である、
    ことを特徴とする光学素子の製造方法。
  15. 請求項13及び14のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法において、
    前記光学素子素材の加工では、研削工程と、該研削工程の後に行う研磨工程とを実行し、
    前記研削工程で、前記砥石を用いて、前記光学素子素材を研削する、
    ことを特徴とする光学素子の製造方法。
  16. 請求項13から15のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法において、
    前記光学素子素材は、蛍石である、
    ことを特徴とする光学素子の製造方法。
  17. レンズを含む光学系を備えた投影露光装置の製造方法において、
    台皿上に複数の基体が固定され、該基体の端面を含む基体表面のみに砥粒を含むメッキ層が形成されている砥石を準備し、
    前記砥石を用いて、レンズ素材を加工して、前記レンズ又は該レンズの中間製造物を形成し、
    前記レンズ素材の加工で得られた前記レンズを前記光学系に組み込む、
    ことを特徴とする投影露光装置の製造方法。
  18. 請求項17に記載の投影露光装置の製造方法において、
    前記砥石の前記メッキ層は、非晶質メッキ層である、
    ことを特徴とする投影露光装置の製造方法。
  19. 請求項17及び18のいずれか一項に記載の投影露光装置の製造方法において、
    前記レンズ素材は、蛍石である、
    ことを特徴とする投影露光装置の製造方法。
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