JPH106224A - 研削用砥石、その製造方法、およびその研削屑排出用溝の形成方法 - Google Patents

研削用砥石、その製造方法、およびその研削屑排出用溝の形成方法

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JPH106224A
JPH106224A JP8164624A JP16462496A JPH106224A JP H106224 A JPH106224 A JP H106224A JP 8164624 A JP8164624 A JP 8164624A JP 16462496 A JP16462496 A JP 16462496A JP H106224 A JPH106224 A JP H106224A
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JP8164624A
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Masami Masuko
正美 益子
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Original Assignee
Nikon Corp
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】研削屑排出用溝を、効率よく形成する。 【解決手段】砥粒層5および/または基体4を、作用面
2を残してエッチングすることにより、研削屑排出用溝
3を形成する。 【効果】複雑な形状の溝3を備える砥石1であっても、
容易かつ安価に作製することができる。また、作製後の
砥石の溝3を容易に調製することができる。しかも、エ
ッチング条件を適宜選択することにより、基体4を損傷
させる事無く溝を形成することができるため、溝を減ら
したり形状を変更したりする場合にも、基体を再利用す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研削屑排出用溝の
形成方法と、該形成方法を用いた研削用砥石の製造方法
と、該製造方法により作製される研削用砥石とに関す
る。
【0002】
【従来の技術】効率よく研削するため、研削用砥石の研
削面には、研削時に生じる研削屑(砥石から外れた砥粒
や、非研削物から削り取られた研削粉など)を研削部位
外に排出するための研削屑排出用溝が設けられている。
【0003】砥粒層形成後にこの溝を形成するのは、非
常に困難である。すでに砥粒面が形成されている状態で
機械加工により溝を追加すると、砥粒と接触するカッタ
ー先端の損耗が激しく、加工能率が悪い上に不経済でも
あるからである。そこで、この研削屑排出用溝は、旋盤
およびフライス等の加工機を用いた機械加工により、あ
らかじめ基体4の頭部4a(図2に図示)に形成され
る。この溝3を備える基体4の頭部4a表面(溝3内部
も含む)に砥粒層5を形成することにより、図2に示す
ような、研削面に研削屑排出用溝3を備える研削用砥石
が得られる。
【0004】研削用砥石の研削性能を維持向上させる上
で、研削屑排出用溝の本数、形状および幅は非常に重要
である。既に使用実績があり、溝の最適形状が把握され
ている場合には、あらかじめ溝の形状等を定めて基体を
加工した上で、砥粒層を形成することができる。しか
し、溝の形状、および、砥石の作用面(研削時に被研削
物と接触する面)と溝の開口部との面積比は、被研削物
の材質および形状等に応じて微妙に変更する必要があ
り、最適形状が把握されていない場合には、あらかじめ
適当と思われる形状の溝を形成した砥石を研削に供した
上で、目標通りの研削性能が得られなければ、その砥石
の溝の本数、形状および/または幅を変える必要があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のよう
に、すでに砥粒層の形成されている砥石の表面を削って
溝の幅を広げたり、新たに溝を形成したりするのは、非
常に困難である。従って、このような加工をするために
は、一旦、砥粒層を剥離してから、基体表面に機械加工
により溝を追加した後、改めて砥粒層を形成するといっ
た不経済な作業が必要であった。また、溝が基体そのも
のに刻まれているため、溝の本数や幅を減らしたり、溝
の形状を変えたりする場合には、基体から再製作しなけ
ればならなかった。
【0006】従って、従来技術では、適正な溝を備えた
砥石の製作効率が非常に低いという問題があった。砥石
の製作効率の低さは、製作コストを高くし、研削用砥石
を高価にするのみならず、適正な砥石の製作に長時間を
要することにより、被研削物の完成を遅らせてしまう。
【0007】また、従来技術では、機械加工により溝を
形成するため、加工の特性上、形成できる溝の形状には
制限がある。通常、研削屑排出用溝は、放射状または同
心円状に配置された複数の線状溝として形成され、複雑
な形状の溝を形成することはできなかった。例えば、図
3に示すように基体4の頭部表面に円柱状の研削部材2
が多数接続された研削用砥石を、上述した方法により作
製するためには、円柱形の砥粒層を残すように、複雑な
形状の研削屑排出用溝を形成しなければならず、機械加
工によりこのような溝を形成することは事実上できなか
った。そこで、このような形状の砥石は、樹脂または金
属中に砥粒が分散した構造を備える円柱形のペレット
を、基体4の頭部に接着剤を用いて貼り付けることによ
り作製されていた。しかし、この方法は非常に手間がか
かるため、複雑な形状の研削用砥石は、製作効率が非常
に低かった。
【0008】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、効率のよい研削屑排出用溝形成方法
と、該方法を用いた研削用砥石の製造方法と、該製造方
法により効率よく作製される複雑な形状の溝を備える研
削用砥石とを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、砥粒保持部材(ボンドともいう)と該
砥粒保持部材中に分散した砥粒とを含む砥粒層を備える
砥石の、該砥粒保持部材をエッチングすることにより、
上記砥粒層に研削屑排出用の溝を形成する研削屑排出用
溝形成方法が提供される。砥粒保持部材には、エッチン
グ可能であって、砥粒を保持できるものであれば、金
属、金属酸化物、セラミック、樹脂など、どのような材
料を用いてもよい。
【0010】なお、この溝形成方法は、砥粒層表面に、
所定のパターンのレジスト層を形成する工程と、表面が
レジスト層に覆われていない部位の砥粒保持部材をエッ
チングする工程と、レジスト層を除去する工程とを、こ
の順で備えることが望ましい。このように、エッチング
前に、砥粒層表面のうち作用面(研削時に被研削物と接
触する面)をエッチングレジストによって覆っておき、
エッチング後にこれを除去するようにすれば、所望の形
状の溝および所望の形状の作用面を容易に形成できる。
このエッチングレジストとしては、接着テープまたはマ
スキング剤などを用いることができる。
【0011】さらに、本発明では、この溝形成方法を用
いる研削用砥石の製造方法が提供される。すなわち、本
発明では、基体と、該基体表面に形成された砥粒層とを
備え、該砥粒層は、連続相を形成する砥粒保持部材と該
砥粒保持部材中に分散した砥粒とを含む研削用砥石の製
造方法であって、砥粒保持部材および/または基体をエ
ッチングすることにより、研削屑排出用溝を形成する溝
形成工程を備える研削用砥石の製造方法が提供される。
上述のように、砥粒保持部材には、エッチング可能であ
って、砥粒を保持できるものであれば、金属、金属酸化
物、セラミック、樹脂など、どのような材料を用いても
よい。
【0012】溝形成工程において砥粒保持部材をエッチ
ングする場合は、基体表面に砥粒層を形成する砥粒層形
成工程の後で、溝形成工程を実施する。この場合、基体
までエッチングしてしまってもよいが、溝の開口面積を
減らす場合に基体を再製作する必要がないので、砥粒保
持部材のみをエッチングすることが望ましい。基体と砥
粒保持部材とに、互いにエッチング条件の異なる材料を
用いれば、このように砥粒保持部材のみをエッチングす
ることができる。
【0013】また、砥粒層形成工程前に、溝形成工程に
おいて基体をエッチングし、その後、砥粒層形成工程を
実施してもよい。このようにしても、複雑な形状の溝を
容易に形成することができる。
【0014】なお、砥粒保持部材に金属を用いる場合、
砥粒層は金属めっき工程(すなわち、基体表面を、砥粒
を含む溶液中で金属めっきすることにより、該基体表面
に砥粒層を形成する工程)により形成することができ
る。また、砥粒保持部材に樹脂を用いる場合、砥粒層は
樹脂層形成工程(すなわち、基体表面に、砥粒を分散さ
せた樹脂前駆体の被膜を形成し、該被膜を硬化させるこ
とにより、砥粒層を形成する工程)により形成すること
ができる。砥粒保持部材に金属酸化物またはセラミック
を用いる場合、砥粒層は焼結工程(すなわち、基体表面
に、砥粒を分散させた金属酸化物ペーストまたはセラミ
ック組成物ペーストの被膜を形成し、該被膜を焼結させ
ることにより、砥粒層を形成する工程)により形成する
ことができる。
【0015】さらに、本発明では、本発明の製造方法に
より効率よく作製される、複雑な形状の溝を備える研削
用砥石が提供される。例えば、金属からなる基体と、該
基体表面に形成された複数の研削部材とを備える研削用
砥石であって、研削部材は、連続相(金属からなる砥粒
保持部材)と、分散相(砥粒保持部材中に分散した砥
粒)とを備え、基体表面と研削部材とが、該基体と上記
砥粒保持部材との間の金属接合により接続されているも
のが、本発明により提供される。また、本発明では、基
体が、円柱形、楕円柱形、円錐台形、または、楕円錐台
形の突起を複数備え、該突起を覆うように砥粒層が形成
されている研削用砥石が提供される。なお、この砥石の
研削部材および基体の突起は、どのような形状でもよい
が、例えば、底面が上記基体に接続された円柱形、楕円
柱形、円錐台形、または、楕円錐台形のものは、従来技
術では作製できず、本発明によって初めて実現されたも
のである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明においては、基体及び砥粒
層表面をエッチングして溝を形成する。エッチングは、
サンドブラスト法のようなドライエッチングでも、エッ
チング液を用いるウエットエッチングでもよい。形成さ
れる溝の深さは、基体または砥粒保持部材の材質、エッ
チング条件等によって異なる。そこで、予備試験によ
り、所望の深さの溝を得るための条件を求めておくこと
が望ましい。
【0017】ウエットエッチングに用いるエッチング液
は、エッチングする材料(砥粒層の砥粒保持部材材料お
よび/または基体材料)に応じて、化学研磨液など、一
般にエッチングに用いられるエッチング液を、適宜選択
することができる。例えば黄銅材あるいは鉄材の基体の
エッチングには、一般的に金属エッチング加工に用いら
れている塩化第二鉄溶液を用いることができ、ニッケル
の砥粒保持部材のエッチングには、硫硝酸系の化学研磨
液を用いることができる。また、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂硬化物を砥粒保持部材として用いる場合は、
例えば、エステル系またはケトン系の有機溶媒によりエ
ッチングすることができ、ブタジエンゴムを砥粒保持部
材として用いる場合には、硫酸・クロム酸系のエッチン
グ液を用いることができる。セラミックを砥粒保持部材
として用いる場合は、例えば、フッ化水素酸によりエッ
チングすることができる。
【0018】エッチングに際しては、溝を形成しない部
位をエッチングレジストにより覆っておくことが望まし
い。エッチングレジストとしては、フィルム状のレジス
トを貼付することによりレジスト層が形成されるもの
(接着テープ)、および、溶液(ワニス)状のレジスト
剤を塗布(噴霧なども含む)することによりレジスト層
が形成されるもの(マスキング剤)の、いずれのタイプ
のレジストを用いてもよい。本発明では、エッチング液
による劣化や剥離が無く、基体または砥粒層の表面に密
着してエッチング液を透過させないものであれば、どの
ようなものでもレジストとして使用できるが、エッチン
グ後に容易に除去できるものが望ましい。
【0019】基体または砥粒層に、直線状、曲線状など
任意の形状のレジスト層を形成した状態でエッチングす
ることにより、機械加工では難しいような複雑な形状の
溝であっても、容易に形成することができる。本発明の
方法で溝を形成する場合には、機械加工する場合に必要
となる旋盤、フライス等の加工機も不要である。
【0020】接着テープとしては、市販されている耐熱
及び耐薬品用接着テープを用いることができ、例えば、
寺岡テープ(株)製商品名「SPT−642」などが本
発明に適している。接着テープを用いる場合には、所定
の形のテープを、基体または砥粒層の表面に貼付してか
らエッチングを行い、その後テープを剥離(または溶
解)して除去する。図3に示したような形状の溝を形成
するためのレジスト層を得るには、基体または砥粒層の
表面の所定位置に円形の接着テープを貼付すればよい。
【0021】また、マスキング剤としては、フォトレジ
スト剤、シリコンペースト、めっきマスキング剤等を用
いることができ、例えば、エルフアトケムジャパン社製
商品名「ターコフォームマスク537」などが本発明に
適している。これらのマスキング剤を塗布する領域を定
めることにより、所望のレジストパターンを形成するこ
とができる。また、フォトレジスト剤を用いる場合に
は、フォトリソグラフィ法により、レジスト層をパター
ン化することができる。すなわち、フォトレジスト剤の
被膜を形成し、所定のパターンのフォトマスクを介して
露光させた後、現像液により現像することで、所望のレ
ジストパターンを形成することができる。なお、ポジ型
およびネガ型のフォトレジスト剤のいずれを用いるか
は、形成する溝の形状に応じて、適宜選択することがで
きる。例えば、図3に示したような形状の溝を形成する
ためのレジスト層を得るには、ネガ型レジスト剤を用い
て被膜を形成し、円形の窓部を複数備える、基体頭部に
倣う形状のフォトマスクを介して露光させた後、所定の
現像液により現像すればよい。この場合、光源形状を、
基体頭部に倣う形状とすることが望ましい。
【0022】
【実施例】
<実施例1>本実施例では、砥粒層形成後に研削屑排出
用溝を形成して、図1に示す、わん曲した研削屑排出用
溝を備える研削用砥石を作製した。本実施例における砥
石の製造工程を、図4に示す。
【0023】(1)砥粒層の形成 まず、図4(a)に示す黄銅製の基体4を用意した。基
体4は、頭部4aと基部4bとからなる。この基体4の
頭部4aを、90℃のめっき液中に3時間浸漬して無電
解めっきすることにより、図4(b)に示すように、基
体4の頭部4a表面に、約50μmの厚さの砥粒層5
(砥粒の分散しためっき被膜)を形成した。なお、図4
では、図を見やすくするために、砥粒層5に模様を付し
た。
【0024】本実施例では、めっき液として、ニッケル
濃度が5g/lの硫酸ニッケル水溶液に、1g/lのダ
イヤモンド粉末(粒径2〜6μm)を混合したものを用
いた。これにより、本実施例では、砥粒がダイヤモンド
粒であり、砥粒保持部材がニッケルからなる砥粒層5が
形成された。
【0025】(2)レジスト層の形成 つぎに、図4(c)に示すように、砥粒層5表面のう
ち、作用面2を含む溝を形成しない部分に、マスキング
剤(エルフアトケムジャパン社製「ターコフォームマス
ク537」)を塗布し、乾燥硬化させて、レジスト層5
aを形成した。なお、図4では、図を見やすくするため
に、レジスト層5aに模様を付した。
【0026】(3)エッチング このようにして、溝を形成する部分に窓部5bを備える
レジスト層5aを形成した砥石を、55℃に加温した硫
硝酸系の化学研磨液(佐々木化学(株)製「エスクリー
ンMY−28」)に5分間浸漬した。これにより、窓部
5bに露出した砥粒層5がエッチングされ、30μmの
深さの研削屑排出用溝が形成された。
【0027】最後に、水洗し、乾燥した後、マスキング
剤を除去して、図1に示す、研削屑排出用溝3を備える
研削用砥石1が得られた。なお、砥粒層5は砥石1のサ
イズに対して非常に薄い(約50μm)ため、図1では
砥粒層5の厚みの図示を省略した。
【0028】本実施例により作製した砥石1を用いて研
削を行ったところ、研削効率は良好であった。
【0029】<実施例2>本実施例では、砥粒保持部材
として樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の研削用砥
石を作製した。
【0030】まず、実施例1と同様の基体4を用意し
た。つぎに、ビスフェノールAジグリシジルエーテル樹
脂(エポキシ当量約185)100gに0.1gのダイ
ヤモンド粉末(粒径2〜6μm)を混合し、さらに、6
gの硬化剤(ジエチレントリアミン)を添加して混合
し、砥粒(ダイヤモンド粒子)の分散したエポキシ樹脂
組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物を、基
体4の頭部4aに塗布し、1時間放置して硬化させ、砥
粒保持部がエポキシ樹脂硬化物からなる砥粒層5を備え
る砥石を作製した。
【0031】この砥石の砥粒層5表面に、実施例1と同
様の形状で耐溶剤性接着テープを貼付し、レジスト層5
aとした後、アセトンを噴霧し、エタノールでリンスし
て、窓部5bに露出した部分の砥粒層5をエッチングし
た。これにより、50μm(砥粒層5の厚さ)の深さの
研削屑排出用溝3が形成され、底部に基体4が露出し
た。最後に、水洗し、乾燥した後、接着テープを剥離し
て、図1に示したものと同様の形状の、砥粒保持部材と
して樹脂を用いた研削用砥石1が得られた。本実施例に
より作製した砥石1を用いて研削を行ったところ、研削
効率は良好であった。
【0032】<実施例3>本実施例では、砥粒層形成前
に研削屑排出用溝を形成して、図5に示すように、基体
頭部4aに複数の円柱状突起6を備え、該突起6表面も
含めて、基体頭部4a全体が砥粒層5に覆われている研
削用砥石7を作製した。この砥石7では、突起6の上面
が作用面2となる。なお、図5では、図を見やすくする
ために、砥粒層5に模様を付した。本実施例における砥
石の製造工程を、図6に示す。
【0033】(1)レジスト層の形成 まず、図6(a)に示す黄銅製の基体4の突起6とする
部位に、図6(b)に示すように、円形の耐薬品用接着
テープ(寺岡テープ(株)製「SPT−642」)6a
を貼付し、さらに基体基部4bを、実施例1と同様のマ
スキング剤6bで覆った。これにより、レジスト層5a
が形成された。
【0034】(2)エッチング つぎに、基体4を、30℃に保持した塩化第二鉄溶液
(37重量%の塩化第二鉄水溶液4体積部に水1体積部
を加えた溶液)に30分間浸漬し、レジスト層5aに覆
われていない部分をエッチングした。エッチング後、水
洗、乾燥して、接着テープ6aを剥離し、マスキング剤
6bを除去した。これにより、図6(c)に示すよう
に、頭部4aの作用面以外の部分に深さ80μmの研削
屑排出用溝3が形成され、作用面2の部位に、円柱状の
突起6が形成された。
【0035】(3)砥粒層の形成 最後に、実施例1と同様にして、基体頭部4aの表面全
体に砥粒層5を形成し、図5に示す研削用砥石7を得
た。
【0036】本実施例では、複雑な形状の溝3を形成す
ることにより、円柱状の突起6を有する基体と、該基体
方面に、突起6を覆うように形成された砥粒層5とを備
える砥石7が作製された。この砥石7を用いて研削を行
ったところ、研削効率は良好であった。
【0037】なお、レジスト層5aの形状を変えること
により、実施例1と同様の形状の溝3を形成してもよ
い。このようにすれば、溝3内部にも砥粒層5が形成し
ている他は、実施例1と同様の形状の砥石が得られる。
【0038】また、本実施例では、基体4に溝3を形成
してから砥粒層5を形成したが、実施例1と同様に、砥
粒層形成後に溝3を形成してもよい。溝3を基体4表面
に達するように形成すれば、エッチングされずに残った
突起6が研削部材6を構成することになり、砥粒保持部
材(本実施例ではニッケル)と基体とが、接着剤を介し
てではなく、直接金属接合により接続された砥石が得ら
れる。
【0039】<実施例4>本実施例では、すでに砥粒層
5および研削排出用溝3を備える研削用砥石に、溝3を
追加し、実施例1で作製したものと同様の砥石1を作製
した。本実施例における溝形成工程を、図7に示す。
【0040】まず、図7(a)に示すような、すでに溝
3aを備える砥石8を用意した。本実施例では、実施例
1と同様にして作製された砥石を用いたが、従来技術に
より作製された砥石であっても、本実施例と同様にして
溝を追加することができる。
【0041】この砥石8の、溝を追加する部位以外の表
面に、実施例1の工程(2)と同様にしてレジスト層5
aを形成し、実施例1の工程(3)と同様にエッチング
し、洗浄、乾燥してレジスト層5aを除去した。これに
より、図7(b)に示すように、あらたに溝3bが形成
された。
【0042】本実施例により溝3bを追加した砥石1を
用いて研削を行ったところ、研削効率は、実施例1の砥
石と同様に良好であった。
【0043】<実施例5>本実施例では、すでに砥粒層
5および研削排出用溝3を備える研削用砥石の、溝3の
形状を変更し、実施例1で作製したものと同様の砥石1
を作製した。
【0044】まず、図2に示すような直線状の溝3を備
える砥石を用意した。本実施例では、実施例1と同様に
して作製された砥石を用いた。従って、溝3は基体4に
達していない。この砥石の砥粒層5を、表面にレジスト
層5aを形成することなく、80℃に加温した剥離剤に
2時間浸漬した後、水で洗浄し、乾燥させた。これによ
り、砥粒層5全体が除去され、損傷のない基体4が得ら
れた。
【0045】この基体4を用い、実施例1の工程(1)
〜(3)と同様にして図1に示す砥石1を作製したとこ
ろ、実施例1と同様、研削効率の良好な砥石が得られ
た。
【0046】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
容易に効率よく、研削屑排出用溝を追加すること、およ
び、研削用砥石を製造することができる。本発明によれ
ば、複雑な形状であっても、工程を増やすことなく容易
に溝を形成できるため、複雑な形状の作用面を備える砥
石を、安価かつ容易に作製することができる。しかも、
エッチング条件を適宜選択することにより、基体を損傷
させる事無く溝を形成することができるため、本発明の
製造方法により作製した砥石は、溝を減らしたり形状を
変更したりする場合にも、基体を再利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1において作製した研削用砥石の斜視
外観図である。
【図2】 従来の研削用砥石の斜視外観図である。
【図3】 円柱状の研削部材を備える研削用砥石の斜視
外観図である。
【図4】 実施例1における研削用砥石の製造工程を示
す説明図である。
【図5】 実施例3において作製した研削用砥石の斜視
外観図である。
【図6】 実施例3における研削用砥石の製造工程を示
す説明図である。
【図7】 実施例4における研削用砥石の製造工程を示
す説明図である。
【符号の説明】
1…研削用砥石、2…砥石の作用面、3…研削屑排出用
溝、3a…あらかじめ形成されていた溝、3b…新たに
形成した溝、4…基体、4a…基体または砥石の頭部、
4b…基体基部、5…砥粒層、5a…レジスト層、5b
…レジスト層の窓部、6…突起または研削用部材、7…
上面が作用面を構成する突起を備える研削用砥石、8…
溝が不足している砥石。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体と、該基体表面に形成された砥粒層と
    を備え、該砥粒層は、連続相を形成する砥粒保持部材
    と、該砥粒保持部材中に分散した砥粒とを含む研削用砥
    石の製造方法において、 上記砥粒保持部材をエッチングすることにより、上記砥
    粒層に、研削屑排出用の溝を形成する溝形成工程を備え
    ることを特徴とする研削用砥石の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 上記溝形成工程の前に、 上記基体表面に上記砥粒層を形成する砥粒層形成工程
    を、さらに備えることを特徴とする研削用砥石の製造方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1において、 上記溝形成工程は、 上記砥粒層表面に、所定のパターンのレジスト層を形成
    する工程と、 表面が上記レジスト層に覆われていない部位の上記砥粒
    保持部材をエッチングする工程と、 上記レジスト層を除去する工程とを、この順で備えるこ
    とを特徴とする研削用砥石の製造方法。
  4. 【請求項4】基体と、該基体表面に形成された砥粒層と
    を備え、該砥粒層は、連続相を形成する砥粒保持部材
    と、該砥粒保持部材中に分散した砥粒とを含む研削用砥
    石の製造方法において、 上記基体をエッチングすることにより、該基体に、研削
    屑排出用の溝を形成する溝形成工程を備えることを特徴
    とする研削用砥石の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4において、 上記溝形成工程の後に、 上記基体表面に上記砥粒層を形成する砥粒層形成工程
    を、さらに備えることを特徴とする研削用砥石の製造方
    法。
  6. 【請求項6】請求項4において、 上記溝形成工程は、 上記基体表面に、所定のパターンのレジスト層を形成す
    る工程と、 表面が上記レジスト層に覆われていない部位の上記基体
    をエッチングする工程と、 上記レジスト層を除去する工程とを、この順で備えるこ
    とを特徴とする研削用砥石の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項2または5において、 上記砥粒保持部材は金属からなり、 上記砥粒層形成工程は、 上記基体表面を、上記砥粒を含む溶液中で金属めっきす
    ることにより、該基体表面に上記砥粒層を形成する金属
    めっき工程を備えることを特徴とする研削用砥石の製造
    方法。
  8. 【請求項8】請求項2または5において、 上記砥粒保持部材は樹脂からなり、 上記砥粒層形成工程は、 上記基体表面に、上記砥粒を分散させた上記樹脂の前駆
    体の被膜を形成し、該被膜を硬化させることにより、上
    記砥粒層を形成する樹脂層形成工程を備えることを特徴
    とする研削用砥石の製造方法。
  9. 【請求項9】砥粒保持部材と該砥粒保持部材中に分散し
    た砥粒とを備える砥粒層を備える砥石の、該砥粒保持部
    材をエッチングすることにより、上記砥粒層に、研削屑
    排出用の溝を形成することを特徴とする研削用砥石の研
    削屑排出用溝の形成方法。
  10. 【請求項10】請求項9において、 上記砥粒保持部材は金属および樹脂の少なくとも一方か
    らなることを特徴とする研削用砥石の研削屑排出用溝の
    形成方法。
  11. 【請求項11】請求項9において、 上記砥粒層表面に、所定のパターンのレジスト層を形成
    する工程と、 表面が上記レジスト層に覆われていない部位の上記砥粒
    保持部材をエッチングする工程と、 上記レジスト層を除去する工程とを、この順で備えるこ
    とを特徴とする研削用砥石の研削屑排出用溝の形成方
    法。
  12. 【請求項12】金属からなる基体と、該基体表面に形成
    された複数の研削部材とを備える研削用砥石において、 上記研削部材は、連続相を形成する、金属からなる砥粒
    保持部材と、該砥粒保持部材中に分散した砥粒とを含
    み、 上記研削部材の少なくとも一つは、底面が上記基体に接
    続された円柱形、楕円柱形、円錐台形、または、楕円錐
    台形であり、 上記基体表面と上記研削部材とは、該基体と上記砥粒保
    持部材との間の金属接合により接続されていることを特
    徴とする研削用砥石。
  13. 【請求項13】金属からなる基体と、該基体表面に形成
    された砥粒層とを備える研削用砥石において、 上記基体は、円柱形、楕円柱形、円錐台形、または、楕
    円錐台形の突起を複数備え、 上記砥粒層は、上記突起を覆うように形成されているこ
    とを特徴とする研削用砥石。
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