JP2001341076A - 研削砥石 - Google Patents

研削砥石

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JP2001341076A
JP2001341076A JP2000162750A JP2000162750A JP2001341076A JP 2001341076 A JP2001341076 A JP 2001341076A JP 2000162750 A JP2000162750 A JP 2000162750A JP 2000162750 A JP2000162750 A JP 2000162750A JP 2001341076 A JP2001341076 A JP 2001341076A
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grinding
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Masaaki Fukuda
正章 福田
Shinji Mitome
信二 三留
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NIPPON PLASTIC SEITO KK
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NIPPON PLASTIC SEITO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研削面のエッジの磨耗で切れ味、研削性が低
下し、チッピングが発生し易くなるのを防止すること。 【解決手段】 薄円盤状の切断用砥石本体12aの外周
である研削面Naの両側エッジから延在する両側面に砥
粒分散の電着層16を形成し、電着層16で研削面Na
の両側エッジを補強して磨耗を抑制する。砥石本体12
aは例えば樹脂結合剤13aに砥粒14aを分散混入さ
せたレジンボンド砥石で、これの両側面に必要に応じ導
電性皮膜層15を介して電着層16を電解メッキ法や無
電解メッキ法で形成する。砥石本体12aの厚さT1の
1/3以下に電着層16の厚さT3を設定することで、
研削面Naの研削性と電着層16による研削面エッジの
補強効果を良好に確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子デバイス等の
切断や研磨に使用される研削砥石に関する。
【0002】
【従来の技術】ICやチップコンデンサ等の小形電子部
品やそのパッケージ類の電子デバイスを高精度に切断し
たり研磨する研削砥石として、レジンボンド砥石とメタ
ルボンド砥石が多用されている。レジンボンド砥石は、
フェノール樹脂等の樹脂の結合剤にダイヤモンド等の砥
粒(超砥粒)を分散混入して構成され、メタルボンド砥
石は、ニッケル等の金属の結合剤に砥粒を分散混入して
構成される。
【0003】電子デバイスの切断ブレードとして使用さ
れる前記研削砥石の従来例を図10及び図11に示す
と、この研削砥石1は薄円盤状で、結合剤2に砥粒3を
分散混入させて製造される。円盤状の研削砥石1の外周
面が研削面Nである。研削砥石1の周縁部を突出させて
研削砥石1の両側面に補強円盤4,5を固定し、補強円
盤4,5と同軸の回転軸6で研削砥石1を高速回転させ
て、外周の研削面Nを電子デバイス等の被削材7に直交
方向から押し当てると、被削材7が研削面Nで切断さ
れ、或いは、溝切り加工される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記レジンボンド砥石
やメタルボンド砥石の研削砥石は、研削面がレジン結合
剤のレジン層、或いは、メタル結合剤のメタル層の単一
結合剤表面であり、また、砥石全体がレジン層、或い
は、メタル層か、これらレジン層又はメタル層に台金を
一体化させた構造である。このような構造の切断用研削
砥石の切れ味や研磨用研削砥石の研磨性は、研削面のエ
ッジの形状で決まり、多くの用途において良好な切れ
味、研磨性が確保されるように結合剤や砥粒の種類、混
合比率等が設定されているが、使用中に研削面のエッジ
が摩耗により丸くなって、切れ味や研磨性が低下すると
共に、チッピングの原因になり易い。
【0005】例えば、図10の薄円盤状の切断用研削砥
石1で被削材7を切断すると、図12に示すように研削
砥石1の外周の研削面Nの両端エッジが丸く摩耗する。
この摩耗は結合剤2の摩耗と砥粒3の脱落で生じ易く、
エッジの丸みが増大するほど切れ味が低下し、チッピン
グが多く発生して被削材7が損傷し易くなる。
【0006】本発明の目的とするところは、長期に亘り
切れ味や研磨性が低下しない研削砥石を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的を達成
する技術的手段は、研削砥石における研削面のエッジか
ら研削面と略直交方向に延在する側面に、砥粒を分散混
入させた研削面エッジ補強用電着層を被着したことを特
徴とする。
【0008】ここで、研削面エッジの電着層は電解メッ
キ法や無電解メッキ法で形成される薄膜層であり、この
電着層に砥粒を分散混入させることで電着層が研削砥石
の研削面のエッジを補強する補強層、また、エッジその
ものを形成する補強エッジ層として形成されて、使用中
における研削砥石の研削面エッジの摩耗による丸み発生
を遅らせ、研削砥石の切れ味や研磨性を長期に亘り確保
する。
【0009】前記研削砥石は複数種類の砥石に適用可能
であり、その内の切断用研削砥石においては、前記研削
面が薄円盤状砥石本体の外周面で、この外周面の両側面
に電着層が形成される(請求項1又は2の発明)。この
場合、薄円盤状砥石本体の両側面の各々に、前記砥石本
体の厚さの1/3以下の厚さで電着層を形成する(請求
項4の発明)ことが、チッピング発生をより抑制する上
で望ましい。
【0010】また、前記研削砥石が研磨用研削砥石にお
いては、その研削面がブロック状砥石本体の外部支持体
に支持される裏面と反対側の略平坦な研磨用表面で、こ
の表面と裏面の間の側面に電着層が形成される(請求項
5の発明)。この研磨用研削砥石の砥石本体は、円柱状
やリング状、矩形ブロック状等の形状で、回転体等の外
部支持体に固定された状態で使用される。
【0011】また、前記研削砥石の砥石本体が、樹脂結
合剤に砥粒を分散混入させたレジンボンド砥石である
(請求項6の発明)、或いは、メタル結合剤に砥粒を分
散混入させたメタルボンド砥石である(請求項8の発
明)、ことが実用的である。
【0012】さらに、前記砥石本体が薄円盤状レジンボ
ンド砥石の場合、その両側面に導電性皮膜層を介して電
着層を形成する(請求項7の発明)。この研削砥石の導
電性皮膜層は無電解メッキの時は必要ないが、電解メッ
キの時の電着層形成のための通電に必要である。
【0013】また、前記電着層の砥粒の平均粒径を前記
レジンボンド砥石又はメタルボンド砥石の砥粒の平均粒
径以下にする(請求項9の発明)。このように砥粒の平
均粒径を設定することで、研削面自体の研削性能、及
び、電着層による研削面エッジの補強度が安定して確保
される。
【0014】
【発明の実施の形態】各種の実施形態を図1乃至図9を
参照して説明する。
【0015】図1に示される第1の実施形態の研削砥石
11aは、薄円盤状の切断用砥石本体12aの外周面が
研削面Naで、この研削面Naの両側エッジから延在す
る両側面に研削面エッジ補強用電着層16を形成する。
砥石本体12aは、例えば樹脂結合剤13aに砥粒14
aを分散混入させたレジンボンド砥石で、このレジンボ
ンド砥石12aの両側面に導電性皮膜層15を介して電
着層16が形成される。導電性皮膜層15は、レジンボ
ンド砥石12aに導電性を付与して電解メッキするため
に必要なもので、無電解メッキの場合はこれを省略して
レジンボンド砥石12aの両側面に直接に電着層16を
被着してもよい。
【0016】レジンボンド砥石12aの樹脂結合剤13
aは、フェノール樹脂やエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂
等であり、熱硬化性又は熱可塑性を問わず、或いは合成
又は天然を問わず、各種の樹脂が適用可能である。この
結合剤13aに分散混入される砥粒14aは、ダイヤモ
ンドやCBN(立方晶窒化ほう素)等の超砥粒である。
電着層16は電解メッキ法や無電解メッキ法のいずれか
で、或いは、両方で形成される。電着層16の結合剤1
7はNi、Cu,Fe等の単一又は2種以上のメタルで
あり、これに分散混入される砥粒18はダイヤモンド、
CBN等である。
【0017】レジンボンド砥石11aの全厚さが0.2
mmとすると、砥石本体の厚さT1が0.12mm、導
電性皮膜層15の厚さT2が約10μmに、電着層16
の厚さT3が約30μmに設定される。また、電着層1
6の砥粒18の平均粒径は、レジンボンド砥石12aの
砥粒14aの平均粒径以下に設定される。このように設
定された薄板円盤状の研削砥石11aの研削面Naの研
削性能は主としてレジンボンド砥石12aの外周面で発
揮され、この外周面の両側エッジを構成する電着層16
は研削面Naの両側エッジの摩耗を抑制する補強層とし
て作用する。その結果、図3(A)に示すように研削砥
石11aを高速回転させて研削面Naで被削材7を切断
すると、研削面Naの両側エッジが電着層16で摩耗が
抑制されて略直角のエッジ効果が長期に亘って衰えず、
良好な切れ味が長期に亘り発揮される。
【0018】このような研削面Naの研削性能とエッジ
効果が期待できるのは、電着層16の厚さT3がレジン
ボンド砥石12aの厚さT1の約1/3以下の場合であ
ることが、実証されている。
【0019】また、研削砥石11aで被削材7を切断す
る際に、例えば図4に示すように研削砥石11aの電着
膜層16とワークテーブル30の間に検査電源41と検
流器等の検査器42を接続して、検査器42でワークテ
ーブル30に対する研削砥石11aの位置決めや、切断
状況等を検知することが可能となる。このように電着膜
層16を利用することで、研削砥石11aによる被削材
7の切断作業の高速化、高精度化が容易になる。
【0020】以上の研削砥石11aのレジンボンド砥石
12aへの導電性被膜層15と電着層16の形成は、無
電解メッキ法や電解メッキ法等で行われ、その製造装置
例を図5乃至図7に示し説明する。
【0021】まず、レジンボンド砥石12aの両側面を
メッキ処理する前に、両側面に微細な凹凸を付ける。こ
の凹凸は電着層を安定して保持するために不可欠なもの
で、研磨やサンドブラスト等の物理的方法、或いは、エ
ッチング等の化学的方法で形成される。また、レジンボ
ンド砥石12aの両側面に凹凸を付けた後、必要に応じ
て凹凸面に薬剤(塩化第一錫等)による感応性付与処理
を施し、さらに、活性化剤(塩化パラジウム等)により
活性化処理を行う。
【0022】次に、図5に示すように無電解メッキ槽2
1の無電解メッキ浴22に薄円盤状のレジンボンド砥石
12aを浸漬して、レジンボンド砥石12aの両側面に
導電性皮膜層15を形成する。この場合、無電解メッキ
浴22はNi,Cu,Ag等であり、これに砥粒を分散
させてもよく、さらに、砥粒以外のフィラーを共析させ
てもよい。なお、導電性被膜層15は、無電解メッキ法
による浸漬法で形成する以外に、スプレー法で形成する
ことも可能である。
【0023】次に、図6に示すように電解メッキ槽23
の電解メッキ浴24に浸漬された電着台25上に、両側
面に導電性被膜層15を形成したレジンボンド砥石12
aの片側面(下面)を載置する。電解メッキ浴24はス
ルファミン酸ニッケル浴等であり、ダイヤモンド等の砥
粒が分散させてある。この電解メッキ浴24に砥粒以外
のフィラーを共析させてもよい。電着台25上にマスキ
ング層26を介しレジンボンド砥石12aの下面を載置
し、レジンボンド砥石12aの上面の導電性皮膜層15
の中央部に陰極27を当接させ、電解メッキ浴24に陽
極28を浸漬して、両電極間にメッキ電流を流す。この
電解メッキ処理でレジンボンド砥石12aの上面に電着
層16が所望の厚さで形成されると、レジンボンド砥石
12aを裏返して、同じ電解メッキ処理を繰り返して残
りの片側面に電着層16を形成する。
【0024】以上のように製造された研削砥石11a
は、最終的に仕上げ加工される。例えば電着直後の研削
砥石11aは図7(A)に示す断面形状であり、寸法に
バラツキがある。そこで、最終的に図7(B)に示すよ
うに仕上げ加工される。この仕上げ加工は、研削盤によ
る孔加工や外周加工等で行われる。外周加工では砥石1
2a端面に析出した余分な電着層が除去される。
【0025】図2に示される第2の実施形態の研削砥石
11bは、図1と同様な薄円盤状の切断用砥石である。
図2における薄円盤状の砥石本体12bの外周面が研削
面Nbであり、この研削面Nbの両側エッジから延在す
る両側面に研削面エッジ補強用電着層16が形成され
る。図2の実施形態においては、砥石本体12bがメタ
ルボンド砥石であることを特徴としている。このメタル
ボンド砥石12bのメタル結合剤13bはブロンズ系等
であり、これに分散混入される砥粒14bはダイヤモン
ド等である。メタルボンド砥石12bは導電性を備える
ことから、これには図1実施形態のような導電性皮膜層
の形成は不要である。
【0026】メタルボンド砥石12bの両側面の電着層
16は、電解メッキ法や無電解メッキ法のいずれかで、
或いは、両方で形成される。この電着層16の組成や、
メタルボンド砥石12bとの厚さT1,T3の関係は図
1の場合と同様でよく、詳細説明は省略する。
【0027】メタルボンド砥石11bの場合も、全厚さ
を0.2mmとすると、砥石本体の厚さT1が0.14
mm、電着層16の厚さT3が約30μmに設定され
る。また、電着層16の砥粒18の平均粒径は、メタル
ボンド砥石12bの砥粒14bの平均粒径以下に設定さ
れる。この場合も、薄板円盤状の研削砥石11bの研削
面Nbの研削性能は主としてメタルボンド砥石12bの
外周面で発揮され、この外周面の両側エッジを構成する
電着層16は研削面Nbの両側エッジの摩耗を抑制する
補強層として作用する。そのため、図3(B)に示すよ
うに研削砥石11bの研削面Nbで被削材7を切断する
際に、研削面Nbの両側エッジが電着層16で摩耗が抑
制されて略直角のエッジ効果が長期に亘って衰えず、良
好な切れ味が長期に亘り発揮される。研削面Naの研削
性能とエッジ効果が期待できるのは、電着層16の厚さ
T3がメタルボンド砥石12bの厚さT1の約1/3以
下の場合である。
【0028】また、図2の研削砥石11bのメタルボン
ド砥石12bへの電着層16の形成は、図1の実施形態
の場合と同様に無電解メッキ法や電解メッキ法等で行え
ばよく、ここでの説明は省略する。
【0029】図8に示される第3の実施形態の研削砥石
11cは、円柱状の研磨用砥石である。円柱状の砥石本
体12cの略平坦な片面が外部支持体に固定される裏面
とすると、他の片面が研削面(研磨面)Ncであり、こ
の研削面Ncの円形エッジから延在する側面(外周面)
に電着層16が形成される。砥石本体12cは、例えば
結合剤13cに砥粒14cを分散混入したレジンボンド
砥石或いはメタルボンド砥石であり、電着層16は結合
剤17に砥粒18を分散混入して形成される。この電着
層16の組成と機能は、基本的に図1と図2の実施形態
の電着層と同様であることから、図8には図1,図2と
同一の符号が付してある。
【0030】また、円柱状の砥石本体12cの外周面で
ある側面に電着層16を形成する前に、この側面に微細
な凹凸を研磨やサンドブラスト等の物理的方法やエッチ
ング等の化学的方法で形成してから、形成された凹凸面
に薬剤による感応性付与処理を施し、活性化剤による活
性化処理を行うことが望ましい。
【0031】図9は図8の研削砥石11cで被削材7の
表面を研磨するときの断面図で、円盤状の回転体31の
下面の複数箇所に研削砥石11cの複数個を固定し、各
研削砥石11cの下面の研削面Ncを被削材7に当てて
回転体31を回転させると、各研削砥石11cの研削面
Ncが被削材7の表面を摺動して研磨する。この研磨動
作時に研削面Ncの外周エッジが電着層16で形成され
ているので、エッジの摩耗が電着層16で抑制され、ま
た、この電着層16による略直角のエッジ効果で良好な
研磨性が確保される。
【0032】
【実施例】図1のレジンボンド砥石と図2のメタルボン
ド砥石を製造した本発明品と、この本発明品から電着層
を省略した従来品の性能を比較した実験結果を、後述の
表1と表2に示す。
【0033】図1のレジンボンド砥石の本発明品は、次
のように製造する。
【0034】ダイヤモンド(粒度#400)の砥粒、フ
ェノール樹脂の結合剤の薄円盤状レジンボンド砥石を外
径55mm、厚さ0.12mm、内径39mmで製作
し、その両側面にGC120砥粒を使用したサンドブラ
スト法で微細な凹凸を付ける。この凹凸面を洗浄後、塩
酸を少し加えた10%塩化第一錫溶液に浸漬して表面に
感応性を付与してから、水洗し、塩酸を少し加えた0.
5%塩化パラジウム溶液に浸漬して表面を活性化する。
【0035】前処理された薄円盤状レジンボンド砥石の
両側面に図5の要領で無電解ニッケルメッキ液に浸漬し
て導電性皮膜層を約10μmの厚さで形成すると、メッ
キ液から引き上げて水洗する。この後、図6の要領でス
ルファミン酸ニッケル浴にダイヤモンド砥粒(粒径10
−20μm)を分散させたメッキ浴中の陰極にレジンボ
ンド砥石の片側面を上向きにして載置し、メッキ電流を
流して電着層を約30μmの厚さで形成する。このとき
のメッキ浴は次の組成である。
【0036】スルファミン酸Ni 470g/l 塩化Ni 10g/l ホウ酸 30g/l ピット防止剤 10ml/l 浴温度 50℃ レジンボンド砥石の片面に電着層を約30μmの厚さで
形成すると、同砥石を裏返して他の片面にも同様に電着
層を約30μmの厚さで形成する。
【0037】電着が終了したら、研削盤で穴加工し、外
周加工の最終仕上げ加工をして、外径54mm、厚さ
0.2mm、内径40mmの本発明品薄円盤状研削砥石
を完成させる。
【0038】以上の完成品のレジンボンド砥石型研削砥
石と、この砥石と同じ形状であって電着層を省略した従
来品の砥石を使用して、厚さ0.5mm、長さ100m
mのアルミナ板を切断したときの性能を次の表1に示
す。
【0039】
【表1】
【0040】表1から明白なように、本発明品の研削面
の摩耗量が従来品の約半分と大幅に減少する。これは、
研削面のエッジを電着層で補強した結果であり、この磨
耗量の減少分に応じて研削面のエッジ効果が高くなり、
切れ味が良くなることが分かっている。また、本発明品
によるチッピングが従来品のチッピングより20%前後
も減少し、この減少分に対応してチッピングによる被削
材の傷発生率が減少する。
【0041】図2のメタルボンド砥石の本発明品を、基
本的には前記レジンボンド砥石と同様にして製造する。
【0042】ダイヤモンド(粒度#400)の砥粒、ブ
ロンズ系メタルの結合剤の薄円盤状メタルボンド砥石を
外径55mm、厚さ0.14mm、内径39mmで製作
し、両側面にGC120砥粒を使用したサンドブラスト
法で凹凸を付け、この凹凸面を洗浄後、エッチング液で
エッチング処理する。
【0043】前処理された薄円盤状メタルボンド砥石の
両側面に、図6の要領でスルファミン酸ニッケル浴にダ
イヤモンド砥粒(粒径10−20μm)を分散させたメ
ッキ浴中の陰極にレジンボンド砥石の片側面を上向きに
して載置し、メッキ電流を流して電着層を約30μmの
厚さで形成する。このときのメッキ浴は次の組成であ
る。
【0044】スルファミン酸Ni 470g/l 塩化Ni 10g/l ホウ酸 30g/l ピット防止剤 10ml/l 浴温度 50℃ レジンボンド砥石の片面に電着層を約30μmの厚さで
形成すると、同砥石を裏返して他の片面にも同様に電着
層を約30μmの厚さで形成する。
【0045】電着が終了したら、研削盤で穴加工し、外
周加工の最終仕上げ加工をして、外径54mm、厚さ
0.2mm、内径40mmの本発明品薄円盤状研削砥石
を完成させる。
【0046】以上の完成品のメタルボンド砥石型研削砥
石と、この砥石から電着層を省略した従来品と同じ形状
の砥石を使用して、厚さ0.5mm長さ100mmのア
ルミナ板を切断したときの性能を次の表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】表2から明白なように、メタルボンド砥石
型研削砥石の本発明品の場合も、研削面の摩耗量が従来
品の約半分と大幅に減少し、チッピングも20%前後減
少することが分かる。
【0049】以上、本発明の実施形態につき説明した
が、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の
変形が可能である。例えば前記実施形態では砥石両面の
ほぼ全面に電着層16を形成したが、図13の(A)、
(B)又は(C)のように、電着層16を研削砥石11
d,11e又は11fの円周方向に間隔を空けて部分的
に被着してもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、研削砥石の研削面のエ
ッジが砥粒分散の電着層で補強された形態となっている
ので、長期に亘り研削面エッジの磨耗が抑制され、略直
角な研削面エッジ効果が低下せず、長期に亘り良好な切
れ味、研磨性が確保された高品質な研削砥石が提供でき
る。また、研削面のエッジの磨耗が減少することで、チ
ッピングが少なくなり、電子デバイス等の被削材のチッ
ピングによる傷発生率が低下する。また、この傷発生率
低下により、電子デバイス等の被削材の切断や研磨の品
質改善と共に、研削加工速度の増大と作業性の向上が図
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は第1の実施形態の研削砥石の一部省略
部分を含む正面図、(B)はX1−X1線の拡大断面
図。
【図2】(A)は第2の実施形態の研削砥石の一部省略
部分を含む正面図、(B)はX2−X2線の拡大断面
図。
【図3】(A)は図1の研削砥石の使用時の部分断面
図、(B)は図2の研削砥石の使用時の部分断面図。
【図4】図1の研削砥石の使用時の砥石検査装置を含む
側面図。
【図5】図1の研削砥石の製造時のメッキ槽断面図。
【図6】図1の研削砥石の製造時のメッキ槽断面図。
【図7】(A)は図1の研削砥石の仕上げ加工前の断面
図、(B)は仕上げ加工後の断面図。
【図8】(A)は第3の実施形態の研削砥石の平面図、
(B)はX3−X3線の拡大断面図。
【図9】図8の研削砥石の使用時の部分断面を含む側面
図。
【図10】従来の研削砥石を使用した研削装置の側面
図。
【図11】図10の研削砥石の部分拡大断面図。
【図12】図10の研削砥石の使用時の部分拡大断面
図。
【図13】(A)、(B)及び(C)は、電着層を円周
方向に間隔を空けて部分的に被着した研削砥石の側面
図。
【符号の説明】
11a〜11c 研削砥石 12a 砥石本体、レジンボンド砥石 12b 砥石本体、メタルボンド砥石 12c 砥石本体 13a〜13c 樹脂結合剤 14a〜14c 砥粒 15 導電性皮膜層 16 電着層 17 結合剤 18 砥粒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三留 信二 京都府乙訓郡大山崎町字大山崎小字龍光14 番地の1 日本プラスチック製砥株式会社 内 Fターム(参考) 3C063 AA02 AB03 BA02 BB02 BB07 BC02 BC03 BG07 CC13 CC14 EE00 FF08 FF09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研削面のエッジから研削面と略直交方向
    に延在する側面に、砥粒を分散混入させた研削面エッジ
    補強用電着層を被着したことを特徴とする研削砥石。
  2. 【請求項2】 前記研削面エッジ補強用電着層を円周方
    向に間隔を空けて部分的に被着したことを特徴とする請
    求項1記載の研削砥石。
  3. 【請求項3】 前記研削面が薄円盤状砥石本体の外周面
    であって、この砥石本体の両側面に前記電着層を形成し
    たことを特徴とする請求項1又は2記載の研削砥石。
  4. 【請求項4】 前記薄円盤状砥石本体の両側面の各々
    に、前記砥石本体の厚さの1/3以下の厚さで電着層を
    形成したことを特徴とする請求項3記載の研削砥石。
  5. 【請求項5】 前記研削面がブロック状砥石本体の外部
    支持体に支持される裏面と反対側の略平坦な研磨用表面
    であって、この表面と前記裏面の間の側面に電着層を形
    成したことを特徴とする請求項1又は2記載の研削砥
    石。
  6. 【請求項6】 前記砥石本体が樹脂結合剤に砥粒を分散
    混入させたレジンボンド砥石であることを特徴とする請
    求項3から5のいずれか記載の研削砥石。
  7. 【請求項7】 前記レジンボンド砥石の側面に導電性皮
    膜層を介して電着層を積層形成したことを特徴とする請
    求項6記載の研削砥石。
  8. 【請求項8】 前記砥石本体がメタル結合剤に砥粒を分
    散混入させたメタルボンド砥石であることを特徴とする
    請求項3から5のいずれか記載の研削砥石。
  9. 【請求項9】 前記電着層の砥粒の平均粒径を前記レジ
    ンボンド砥石又はメタルボンド砥石の砥粒の平均粒径以
    下にしたことを特徴とする請求項6から8のいずれか記
    載の研削砥石。
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