JPS635635B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、２つの部材が相対的に回転する油圧
機器に用いられ、それらの２つの部材の回転作動
中であつてもその全回転方向のどの位置であつて
も油圧を正確に供給、または回収することができ
る油圧供給機構に関する。

〔従来の技術〕

従来から建設機械、荷役機械などにおいては基
台に回転できるように他の作動機構を支持し、こ
の作動機構に対して基台側に設けられた油圧発生
源から油圧を全回転方向のいずれの方向において
も正常に供給、または回収する必要があつた。こ
のため作動機器の旋回軸芯と同一軸線上に回転し
ながら油圧を供給または回収できる油圧供給機構
（例えばシーベルジヨイントと称されるもの）が
用いられていた。しかしながら従来の油圧供給機
構では円柱形のシヤフト外周に複数の溝を形成す
るとともに、円筒形のケース内周に複数の溝を形
成し、シヤフトをケース内に回転自在に挿入し、
この一対となつた複数の溝によつて回転しながら
油圧を流動させるように構成していたものであ
る。この構成ではその機構が単純であるが、多数
の独立した油圧系をそれぞれ接続して流動させよ
うとする場合には、その必要な油圧系統本数分の
溝をシヤフトおよびケースにそれぞれ形成しなけ
ればならず、油圧系統が多数になればなるほどこ
の油圧供給機構のシヤフトおよびケースを必要な
分だけ長くする必要があつた（例えば実開昭51年
46119号公報などに示されている）。しかしながら
このシヤフト及びケースを水平に軸支して油圧を
供給する場合にはこういつた機構でも充分であつ
たが、シヤフトおよびケースの軸線を垂直に保持
し、基台に載置した作動機器を水平方向に旋回さ
せる必要がある作動機構においては、シヤフトお
よびケースの長さが長くなるとその油圧供給機構
全体の高さが高くなり、その利用状況が極めて不
利なものになる欠点があつた。このため建設機
械、荷役機械などにおいて重心の高さ位置をあま
り高くできない装置では、その上下に旋回できる
機構に多数の油圧系統を供給でき難い原因となつ
ていた。

こういつた欠点のため、本願の発明がどのよう
な経過をたどつて必要とされてきたかを説明す
る。

この発明は例えば掘削機において使用すること
が最適なものであり、その掘削機の一例としては
車体上に旋回できる旋回台を載置し、さらにその
旋回台に作業台を旋回自在に偏心して設けた新し
い掘削機に応用するのが好ましいものである。そ
してこの新しい掘削機が必要とされる理由を従来
の掘削機との比較においてその概要を説明してみ
る。

まず、第１図は従来の掘削機の平面図であり、
その第１図により従来の掘削機における掘削作業
を説明すると、第１図では掘削機１によつて道路
の一方の車線に沿つて溝を掘つていく状況を示し
たものである。この図では２車線のうち一方の車
線の掘削作業を行つており、掘削機１は１車線分
の幅だけ専有してそのアーム２を上下動してアー
ム２の先端にあるバケツト３を道路面に掘り込
み、溝４を掘り取つて形成していくものである。
この場合バケツト３によつて掘り取つた土砂はア
ーム２を旋回させて掘削機１の後方に待機してい
るトラツク５の荷台上に載置しなければならない
ものであるが、この溝４を順次掘り込むことによ
り溝４に掘削機１が落下するのを防ぐため掘削機
１を後方（矢印Ｚ方向）に移動させなければなら
ない。このような掘削方法においては、掘り取つ
た土地を移送させるためアーム２及びバケツト３
を旋回させなければならないものであるが、その
回転の中心は掘削機１の中心であるＸ点であるの
で、アーム２およびバケツト３の旋回半径は図中
Ｙに示す範囲のものとなり、掘削を行わない他の
車線にまでその作動範囲が拡大するものとなる。
このため従来の掘削作業では溝４を掘り込まない
正常の車線の車両の進行を全面的に停止させる
か、あるいはアーム２の旋回時だけ一時的に車両
の進行を停止させるかして、バケツト３に他の車
両や歩行者が接触する事故が発生するのを防いで
いた。しかしながらこの従来の方法では、掘削し
ない他の車線の運行を全面的にあるいは一時的に
停止させることから、車両の流れは停滞し、車両
運行経済上からして道路専有上からしても好まし
いものではなかつた。

こういつた従来の欠点を克服するために新しい
機構の掘削機も提案されている。この掘削機では
車体上に回転できる旋回台を設けるとともに、旋
回台上の回転中心より偏心した位置には作業台を
旋回台に対して回転できるように設け、旋回台と
作業台を逆方向に回転させることで作業台に固定
した掘削機構の旋回範囲を狭くすることができる
構成のものである。この構成では作業台上に油圧
制御のための操作機構を設けなければならないこ
とと、作業台に連結したバケツトを作動させるた
めの油圧シリンダに油圧を供給しなければならな
いため、旋回台と作業台の間に油圧供給機構を設
ける必要性が生じている。しかしながらこの油圧
供給機構の長さが長くなれば、作業台の高さ位置
を高くしなければならず、重心位置が高くなると
ともにバケツトの届く深さが浅くなるため油圧供
給機構は極力短くしなければならないものであ
る。したがつて従来の構造における油圧供給機構
をそのまま用いたのでは供給する油圧系統の本数
を減らすか、油圧供給機構の高さを高くしなけれ
ばならない欠点があり、掘削の作業性向上のため
には新しい油圧供給機構が必要とされているもの
であつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は上述の欠点に鑑み、その全長を短縮す
ることができるとともに、供給する油圧系統の本
数を極めて多くするとができ、全体を小型にさせ
ることができる油圧供給機構を提供するものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、外周が円柱形をしたシヤフトと、こ
のシヤフトの外周に回転自在に挿通した円筒形の
内ケースと、内ケースの外周に回転自在に挿通す
るとともにシヤフトに連結した外ケースと、シヤ
フトの外周と内ケースの内周の間に気密に形成し
た複数のリング状をした第１の油路と、内ケース
の外周と外ケースの内周の間に気密に形成した複
数のリング状をした第２の油路と、内ケースに穿
設されて第１と第２のそれぞれの油路に独立して
連通する全油路数と同数の導孔と、シヤフトに穿
設されて第１の油路とそれぞれ独立して連通する
第１の油路と同数の導孔と、外ケースに穿設され
て第２の油路とそれぞれ独立して連通する第２の
油路と同数の導孔とから構成されたことを特徴と
する油圧供給機構を提供するものである。

〔作用〕

本発明では、シヤフトと外ケースとは一体とな
つて固定してあり、このシヤフトの外周と外ケー
スの内周の間には円筒形の内ケースが回転自在に
嵌め合わされている。そしてこの内ケースの内周
と外周のそれぞれに独立した複数の油路をそれぞ
れリング状に多数形成しておき、内ケースの長さ
方向には各リング状となつた第１と第２の油路の
それぞれに連通する導孔が穿設してあり、各導孔
はそれぞれシヤフトに形成した導孔と外ケースに
形成した導孔とそれぞれ独立した油路によつて結
ばれている。このため油圧系統の油路が内ケース
の内外周にそれぞれ形成されたことになり、同じ
本数の油圧系統を供給するとなればその全長を従
来の油圧供給機構の半分の長さに短縮することが
できるものであり、全長を短くするとともに全て
の油圧系統の流路を一箇所に集中させることがで
きるものである。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。

本実施例では、掘削機に応用した例を示すもの
であり、この掘削機は車体に対して二方向にそれ
ぞれ旋回できる新しい掘削機をその例に取つて説
明する。

さて、第２図は本実施例における掘削機の側面
図、第３図はその正面図、第４図は平面図であ
る。

この掘削機は自走できるものであり、平坦な車
体１０の下面にはその四隅に車輪１１が軸支させ
てあり、車体１０の両側の各一対の車輪１１間に
はそれぞれクローラー（無限軌道）１２が巻き廻
してある。この車体１０の上面中央には環状形を
した支持盤１３が固着してあり、この支持盤１３
上には変形八角形をした旋回台１４が水平方向に
回転自在に載置軸支してある。旋回台１４は正三
角形の各頂点を裁断した平面形状をしており、旋
回台１４の後方（第２図、第４図左側）上部には
旋回台１４の周辺に沿つてエンジン１５、燃料タ
ンク１６、作動油タンク１７が載置固定してあ
り、旋回台１４の上面中央より少し燃料タンク１
６に接近した位置には油圧モータ１８が下方にそ
の駆動軸を向けて固定してある。

この旋回台１４の前方（第２図、第４図右側）
の上部には還状形をした保持盤１９が載置固定し
てあり、前述の支持盤１３の中心軸とこの保持盤
１９の中心軸とは水平方向に少し偏位させてあ
り、かつ両者は平行になるように位置させてあ
る。この保持盤１９上には円形をした作業台２０
が保持盤１９に対して回転自在に軸支してあり、
作業台２０上には垂直に支持体２１が固着してあ
り、支持体２１にはその上下に間隔を置いて連結
部２２が固着してある。前記連結部２２には基端
体２６が連結してあり、この基端体２６にはく字
形をしたブーム２７が揺動自在に連結してあり、
ブーム２７の先端にはアーム２８が揺動自在に連
結してあり、さらにアーム２８の先端にはバケツ
ト２９が揺動自在に連結してある。そして基端体
２６とブーム２７の中央の間、ブーム２７の中央
とアーム２８の端部との間、アーム２８とバケツ
ト２９の間にはそれぞれ油圧シリンダ３０，３
１，３２が介在させてある。このブーム２７、ア
ーム２８、バケツト２９等で掘削機構４７が構成
される。また、前記基端体２６の一側には鋼板を
Ｌ字形に折り曲げた乗員台２３が固着してあり、
この乗員台２３上にはシート２４と制御箱２５が
固着してある。そして前記作業台２０の中央には
作業台２０の回転中心軸とその回転の中心軸を一
致させて油圧供給機構（シーベルジヨイント）５
０が位置させてある。

次に第５図は本実施例における掘削機の旋回機
構を詳しく示すものであり、第４図中Ａ−Ａ矢印
断面図に対応するものである。前述の支持盤１３
上には外形がほぼ支持盤１３と同じで内周に歯形
を切削形成してある円形の原動歯車３３が固着し
てあり、この原動歯車３３の外周にはベアリング
３４を介して環状形をしたスライダー３５が回転
自在に嵌合させてあり、このスライダー３５上面
には前記旋回台１４が固着してあり、旋回台１４
はこの原動歯車３３を中心にして回転することが
できる。そして前記油圧モータ１８の出力軸３６
にはピニオン３７が軸着してあり、ピニオン３７
には原動歯車３３の内歯面が噛み合わせてある。
また旋回台１４の下面で原動歯車３３の内周側に
位置してＬ字形の軸支片３８が固着してあり、こ
の軸支片３８と旋回台１４にはそれぞれベアリン
グ３９，４０が設けてあり、両ベアリング３９，
４０に軸支された中間軸４１が旋回台１４の上下
に貫通して軸支してある。この中間軸４１の軸支
片３８と旋回台１４の間にはピニオン４２が固着
してあり、ピニオン４２は原動歯車３３の内周歯
面に噛み合わせてある。また前記保持盤１９上に
はこの保持盤１９とほぼ同一外形の環形状をした
軸支体４３が固着してあり、軸支体４３の内周に
は外周をほぼ軸支体４３の内径とし、その内周に
歯形を切削形成した従動歯車４５を位置させ、軸
支体４３と従動歯車４５の間にはベアリング４４
を介在させてある。そして前述の作業台２０はこ
の従動歯車４５の上面に載置固定させてあり、作
業台２０は軸支体４３の中心軸をその回転中心と
して回転することができることになる。また前述
の中間軸４１の上端にはピニオン４６が固着して
あり、このピニオン４６は従動歯車４５の内周歯
面に噛み合わせてある。この旋回台１４の上面で
保持盤１９の円形空間中央には上方に向けて四本
の支持柱５１が固定してあり、この支持柱５１の
上部には油圧供給機構５０が固定してある。これ
により油圧供給機構５０はその中心軸が従動歯車
４５の回転中心と一致させて保持され、かつ支持
体２１内に位置されることになる。この油圧供給
機構５０は油圧の供給源であるエンジン１５と油
圧の流路を切り換える制御箱２５の間で油圧パイ
プ（図面省略）によつて接続されており、支持体
２１が全方向に回転していても油圧を供給回収で
きるようにしてある。なお、第６図はこの旋回機
構の回転部分を分解した斜視図であり、第７図は
同上の回転部材の位置関係を示す平面図である。

次に第８図は前述の油圧供給機構５０の構成を
示すために垂直方向に切断した状態を示す断面図
である。この油圧供給機構５０は大きく区分して
シヤフト５２、内ケース５３、外ケース５４から
構成されている。そしてシヤフト５２は中心に貫
通孔を開口した円筒形状をしており、内ケース５
３は内周径をシヤフト５２の外周径とほぼ同一と
した円筒形をしており、外ケース５４はその内周
径を内ケース５３の外周径とほぼ同一とした円筒
形状をしている。そして外ケース５４には内ケー
ス５３が回転自在に挿入してあり、内ケース５３
にはシヤフト５２が回転自在に挿入してある。こ
のシヤフト５２と内ケース５３の間にはその両端
部でボールベアリング５５，５６が介在させてあ
り、内ケース５３と外ケース５４の間にはその一
端でボールベアリング５７が介在させてあり、こ
れによりシヤフト５２、内ケース５３、外ケース
５４は回転がなめらかに保持される。内ケース５
３の下端にはリング状のスラスト押さえ５８が固
定してあり、このスラスト押さえ５８でボールベ
アリング５５，５７が脱落するのを防いでおり、
外ケース５４とシヤフト５２のそれぞれの下端に
は皿状をした外蓋５９が固着してあり、この外蓋
５９によつてシヤフト５２と外ケース５４は一体
に連結されている。そして内ケース５３の上端に
は薄肉リング状のスラストワツシヤーゴ６０が固
着してあり、内ケース５３と外ケース５４がその
軸方向に移動しないように規制している。前記シ
ヤフト５２の外周でボールベアリング５５と５６
の間に位置しては六条の油溝６１〜６６がシヤフ
ト５２の長さ方向に等間隔で、かつそれぞれの油
溝６１〜６６がシヤフト５２の外周を一周するよ
うにリング状に切削形成してある。また内ケース
５３の内周面の対応する位置には同様に六条の油
溝６７〜７２がリング状に切削形成してあり、油
溝６１と６７，６２と６８，６３と６９，６４と
７０，６５と７１，６６と７２によつてリング状
をした空間である６つの油路Ａ〜Ｆが形成され
る。また、内ケース５３の外周にも同様に等間隔
にかつ外周を一周させるように六条の油溝７３，
７７がリング状に切削形成してあり、外ケース５
４の内周面の対応する位置にも同様に六条の油溝
７８〜８４がリング状に切削形成してある。そし
て油溝７３と７９，７４と８０，７５と８１，７
６と８２，７７と８３，７８と８４とによりリン
グ状をした空間である６つの油路Ｇ〜Ｌが形成さ
れる。つまり内ケース５３の内周面と外周面には
それぞれ６個の合計12個の油路Ａ〜Ｌが形成され
たことになり、この油路Ａ〜Ｌはシヤフト５２、
内ケース５３、外ケース５４が回転してもそのリ
ング状をした形状は変化しないものとなる。そし
て各油路Ａ〜Ｆ、及びＧ〜Ｌはそれぞれの中間及
び両端においてＯリングを介在させてあり、これ
により油路Ａ〜Ｌは外部より気密に保持されるこ
とになる。

次に前記シヤフト５２の下端からはその軸線と
平行になるように６本の導孔８５〜９０が穿つて
あり、各導孔８５〜９０はシヤフト５２の下端面
に同一平面角度になるようにそれぞれ分散して位
置させてあり、各導孔８５〜９０の孔の深さはそ
れぞれ相違してあり、導孔８５は油溝６１と、導
孔８６は油溝６２と、導孔８７は油溝６３と、導
孔８８は油溝６４と、導孔８９は油溝６５と、導
孔９０は油溝６６とそれぞれ連通させてある。ま
た内ケース５３の上端面にはその軸線と平行に12
本の導孔９１〜１０２が穿つてあり、この導孔９
１〜１０２の深さはそれぞれ相違させてあり、導
孔９１は油溝７３と、導孔９２は油溝６７と、導
孔９３は油溝７４と、導孔９４は油溝６８と、導
孔９５は油溝７５と、導孔９６は油溝６９と、導
孔９７は油溝７６と、導孔９８は油溝７０と、導
孔９９は油溝７７と、導孔１００は油溝７１と、
導孔１０１は油溝７８と、導孔１０２は油溝７２
とそれぞれ連通させてある。そして外ケース５４
の外側にはその軸線に対して垂直方向に向け間隔
を置いて６本の導孔１０３〜１０８がそれぞれ３
本１列として180度反対の位置にそれぞれ穿つて
あり、導孔１０３は油溝７９と、導孔１０４は油
溝８１と、導孔１０５は油溝８３と、導孔１０６
は油溝８０と、導孔１０７は油溝８２と、導孔１
０８は油溝８４とそれぞれ連通してある。これら
各導孔８５〜９０，９１〜１０２，１０３〜１０
８の各開口端には油圧ホースの接続金具をねじ込
むためのメネジが切削形成してある。

次に本実施例の作用を説明する。

まず、作用としては掘削機における動作を説明
すると、バケツト２９を上下動させて地面を掘削
する動作は従来から公知の動作をし、シート２４
に搭乗した操作者が制御箱２５を操作することに
より、各油圧シリンダ３０，３１，３２をそれぞ
れ協調させて運動させて行わせる。掘り取つた土
砂はバケツト２９を第３図に示すように水平に持
ち上げ、バケツト２９の下面を旋回台１４上の基
台の上面より少し高く位置させ、この状態でバケ
ツト２９を車体１０の後方に旋回させることでト
ラツクの荷台等に移すことができる。

前記油圧モータ１８に油圧を供給すると出力軸
３６が回転し、ピニオン３７が原動歯車３３の内
歯面を転動し、スライダー３５を原動歯車３３の
外周に沿つて回転させる。これによりスライダー
３５に固定した旋回台１４は原動歯車３３の中心
軸を回転中心として回転することになる。旋回台
１４が回転するとこの旋回台１４には中間軸４１
が軸支させてあることから、ピニオン４２は原動
歯車３３の内歯面に沿つて転動させられ、ピニオ
ン４２、中間軸４１および連結したピニオン４６
は旋回台１４の旋回量に比例して回動させられる
ことになる。このピニオン４６が従動して回転す
ることにより、ピニオン４６に噛み合わせた従動
歯車４５は回転させられ、従動歯車４５は軸支体
４３の内周に沿つて旋回台１４の旋回方向とは逆
方向に回転することになる。このため従動歯車４
５に固着した作業台２０および掘削機構４７も旋
回台１４と逆方向に回転し、基端体２６から突出
したブーム２７、アーム２８、バケツト２９は旋
回台１４における基端体２６からエンジン１５の
後方までの間上方に位置して車体１０の側方より
バケツト２９が突出することなく、車体１０の後
方に向かうことになる。つまり掘削機構４７は旋
回台１４の車体１０上での旋回運動と、作業台２
０の旋回台１４上での逆方向に向けた旋回運動を
受け二重に旋回することになり、掘削機構４７は
車体１０の前方から後方に向かつて回転する時に
は必ず旋回台１４の上方を通過して回転し、掘削
機構４７を車体１０の側方に突出しないように最
小限の範囲で旋回させることができる。

この掘削機の作動において、作業台２０は軸支
体４３と従動歯車４５によつて支持されて旋回台
１４に対して回転することになる。この旋回台１
４にはシヤフト５２と外ケース５４とが固定され
ており、作業台２０には内ケース５３が連結され
ており（この連結の構成は図中省略してある）、
作業台２０が旋回台１４に対して回動するときに
は、内ケース５３はシヤフト５２、外ケース５４
に対して摺動することになるが、シヤフト５２、
内ケース５３、外ケース５４の間に形成された油
路Ａ〜Ｌはリング状であるため、シヤフト５２の
回転位置によつてもそのリング状をした内部空間
の形状は変化しない。したがつて第９図で示すよ
うに 導孔８５は油路Ａを介して導孔９２と、 導孔８６は油路Ｂを介して導孔９４と、 導孔８７は油路Ｃを介して導孔９６と、 導孔８８は油路Ｄを介して導孔９８と、 導孔８９は油路Ｅを介して導孔１００と、 導孔９０は油路Ｆを介して導孔１０２と、 導孔１０３は油路Ｇを介して導孔９１と、 導孔１０４は油路Ｌを介して導孔９３と、 導孔１０５は油路Ｋを介して導孔９５と、 導孔１０６は油路Ｈを介して導孔９７と、 導孔１０７は油路Ｊを介して導孔９９と、 導孔１０８は油路Ｌを介して導孔１０１と それぞれ常時導通しており、内ケース５３の回
転方向がいずれであつても、また両者が回転中で
あつても圧力油の供給および回収は常時行うこと
ができることになる。旋回台１４側に固定された
シヤフト５２、外ケース５４の各導孔８５〜９
０，１０３〜１０８には油圧パイプによつて油圧
発生源であるエンジン１５、油圧モータ１８、左
右のクローラー１２を駆動する油圧モータに接続
されており、内ケース５３の導孔９１〜１０２に
は油圧パイプを介して油路の操作を行うための制
御箱２５に接続され、この制御箱２５より各油圧
シリンダ３０，３１，３２が油圧ジヨイントで接
続されている。このため制御箱２５を接続するこ
とにより、エンジン１５で発生された油圧はこの
油圧供給機構５０を介して圧力油は油圧モータ１
８、油圧シリンダ３０，３１，３２等に供給され
るとともに、逆の順序によつて圧力油が回収さ
れ、この圧力油の流動は作業台２０が回転中であ
つても支障なく行うことができることになる。

〔効果〕

本発明は上述のように構成したため、相対的に
回転する一方の機構より他方の機構に対して油圧
を供給、あるいは回収することができることにな
る。しかも内ケースの内周と外周にそれぞれ油路
を二重に配置してリング状に形成してあるため、
従来のように油路がシヤフトの長さ方向に一重に
ある構成に比べて全長を極めて短く短縮するとが
でき、油圧系統の使用本数を多くすることができ
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の掘削機の作業を示す説明図、第
２図は本発明の一実施例を用いるに最適な掘削機
を示す平面図、第３図は同上の正面図、第４図は
同上の平面図、第５図は旋回機構を詳しく示す第
４図中Ａ−Ａ矢視の断面図、第６図は同上の旋回
機構の構成を示す分解斜視図、第７図は旋回機構
の配置を示す説明図、第８図は本発明における油
圧供給機構の一実施例を示す側断面図、第９図は
同上の油圧系統の油路の配置を示す模示図であ
る。 ５０……油圧供給機構、５２……シヤフト、５
３……内ケース、５４……外ケース、８５〜９
０，９１〜１０２，１０３〜１０８……導孔、Ａ
〜Ｌ……油路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外周が円柱形をしたシヤフトと、このシヤフ
   トの外周に回転自在に挿通した円筒形の内ケース
   と、内ケースの外周に回転自在に挿通するととも
   にシヤフトに連結した外ケースと、シヤフトの外
   周と内ケースの内周の間に気密に形成した複数の
   リング状をした第１の油路と、内ケースの外周と
   外ケースの内周の間に気密に形成した複数のリン
   グ状をした第２の油路と、内ケースに穿設されて
   第１と第２のそれぞれの油路に独立して連通する
   全油路数と同数の導孔と、シヤフトに穿設されて
   第１の油路とそれぞれ独立して連通する第１の油
   路と同数の導孔と、外ケースに穿設されて第２の
   油路とそれぞれ独立して連通する第２の油路と同
   数の導孔とから構成されたことを特徴とする油圧
   供給機構。